以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜図13は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機は、図1、図2に示すように矩形状の外枠1と、この外枠1の前側にヒンジ2により縦軸廻りに開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。なお、外枠1と前枠3とにより、遊技機本体1,3が構成されている。
前枠3は上部側に遊技盤装着部3aを有し、その遊技盤装着部3aに遊技盤4が前側又は後側から着脱自在に装着されている。また、前枠3の前側には、遊技盤4の前側に対応する第1前扉5と、この第1前扉5の下側に配置された第2前扉6とが、ヒンジ2と略同一軸心上のヒンジ7により縦軸廻りに開閉自在に枢支されている。なお、上下の第1前扉5と第2前扉6とを一体にして、一つの前扉とすることも可能である。
第2前扉6の前側には発射用の遊技球を貯留する球供給皿8が配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段の発射ハンドル9が設けられている。
第1前扉5は遊技盤4の遊技領域11(図2参照)に対応する透視窓10と、遊技領域11を視認可能に透視窓10を塞ぐガラス板ユニット(透明板ユニット)12とを有する。ガラス板ユニット12は前後2枚のガラス板(透明板)13(図4参照)と、ガラス板13の外周側を保持する保持枠14とを備え、第1前扉5の後側に着脱自在に装着されている。
遊技盤4の前面には、図2〜図5に示すように、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール15と、略円弧状の内周面を有する外飾り部材16とが周方向に装着され、そのガイドレール15と外飾り部材16との内側が略円形状の遊技領域11となっている。ガイドレール15は内レール17と外レール18とを有する。
内レール17は遊技盤4の一側下部の遊技球の受け入れ部19側と遊技領域11の一側上部との間に配置されており、この内レール17の上端部に、遊技領域11からガイドレール15側への遊技球の戻りを防止するための戻り防止具20が設けられている。外レール18は一側下部の遊技球の受け入れ部19側と遊技領域11の上部側との間に配置されている。
遊技領域11には、図3に示すように前構造体23、画像表示手段24、普通図柄始動手段25,26、第1特別図柄始動手段29、第2特別図柄始動手段30、特別遊技用の開閉入賞手段31、普通入賞手段32、普通図柄表示手段33、第1特別図柄表示手段34、第2特別図柄表示手段35等の各種の遊技部品が配置されている。
前構造体23は遊技領域11の左右方向の略中央で開口部37に対応して遊技盤4の前側に配置されている。この前構造体23の左右両側の遊技領域11には、図3に示すように、前構造体23と左側のガイドレール15との間に左側通路38が、前構造体23と右側の外飾り部材16との間に右側通路39が夫々形成されており、遊技領域11の上部に打ち込まれた遊技球が、その左側通路38、右側通路39の何れかを経て落下した後、前構造体23の下側の遊技領域11で合流するようになっている。
前構造体23は、図2に示すように、遊技盤4の前面に当接する支持枠40と、この支持枠40の前側に着脱自在に装着された前部材41と、前部材41に設けられた表示窓42とを備え、画像表示手段24の外周側を前側から覆うように遊技盤4に前側から装着されている。
支持枠40は、図2、図3、図8に示すように、外周部が開口部37の外側で遊技盤4の前面に当接する台板43と、この台板43の下部側を除く領域で台板43から前側に突出する略門形状の前周壁部44と、台板43から裏側に突出して開口部37の内周近傍に配置された補強壁部45とを有し、台板43が遊技盤4の前側にネジ等の固定具により着脱自在に装着されている。
前部材41は、図2、図3に示すように、前周壁部44の前側に装着された前飾り板47と、前飾り板47等の内周から後方に屈曲して画像表示手段24に対応する表示窓42を形成する窓周壁48とを有する。この前構造体23には、図3に示すように、前部材41の前飾り板47等の適当箇所に普通図柄表示手段33、第1特別図柄表示手段34、第2特別図柄表示手段35が装着されている。
なお、支持枠40、前部材41は光透過性を有する透明、半透明の合成樹脂材料により成型され、必要に応じてメッキ、シール材等の遮光手段により装飾部、遮光部が設けられている。また、台板43は外周部が遊技盤4の前面に当接する等、その一部が遊技盤4の前面に当接すればよいし、略全周が遊技盤4の前面に当接してもよい。また、補強壁部45は台板43に周方向の全周に設けてもよいし、その一部に設けてもよい。
画像表示手段24は図2、図3に示すように、表示窓42に対応して遊技盤4の裏側に配置された液晶式等のパネル状の画像表示部50を有し、この画像表示部50は後構造体96を介して遊技盤4の裏側に装着されている。
普通図柄始動手段25,26は通過ゲート式であって、左側通路38及び右側通路39に対応して配置されており、台板43から各通路38,39側に突出する支持板51,52に装着されている。第1特別図柄始動手段29、第2特別図柄始動手段30は前構造体23と最下部のアウト球口49との間に配置されている。この特別図柄始動手段29,30の左側には3個(複数個)の普通入賞手段32が配置され、右側には開閉入賞手段31が配置されている。
普通図柄表示手段33は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数個の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段25,26が遊技球を検出することを条件に2個の発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段25,26の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた特定遊技判定値と一致した場合に特定態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に非特定態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で特定態様となる。
第1特別図柄表示手段34、第2特別図柄表示手段35は発光部位の変化等で第1特別図柄、第2特別図柄を変動表示可能なセグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段34は第1特別図柄始動手段29が、第2特別図柄表示手段35は第2特別図柄始動手段30が夫々遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄、第2特別図柄が所定時間変動して、第1特別図柄始動手段29、第2特別図柄始動手段30の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた特別遊技判定値と一致した場合に所定の特別態様で、それ以外の場合に非特別態様で停止するようになっている。
なお、変動後の第1特別図柄、第2特別図柄は、通常確率状態中は1/350等の通常確率で特別遊技となり、特別遊技状態終了後の高確率状態中は1/35等の高確率で特別遊技となる。特別遊技状態中の場合には第1特別図柄、第2特別図柄は何れも変動しないし、一方が変動中の場合には他方は変動しない。また各特別図柄の始動検出は所定の上限数(例えば4)まで保留可能であり、両方に1以上の保留がある場合には、第2特別図柄表示手段35の図柄変動が優先する。更に高確率状態中は第1特別図柄、第2特別図柄の変動時間も短縮される。
画像表示手段24は第1特別図柄表示手段34、第2特別図柄表示手段35に対応する演出図柄表示手段53を構成するもので、第1特別図柄、第2特別図柄の変動時にその図柄変動に同期して変動する1個又は複数個、例えば3個の演出図柄54a〜54cを変動表示する。演出図柄54a〜54cは第1特別図柄始動手段29、第2特別図柄始動手段30の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、第1特別図柄、第2特別図柄の変動終了に同期して所定の順序で順次停止する。なお、演出図柄表示手段53は第1特別図柄表示手段34、第2特別図柄表示手段35に対応して別々に設けてもよい。
演出図柄54a〜54cの変動後の停止図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄が特別態様で停止する場合には全てが揃う特別演出態様となり、第1特別図柄、第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる非特別演出態様となる。
例えば、演出図柄54a〜54cには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が特別態様で停止する場合には演出図柄54a〜54cは「7・7・7」等の特別演出態様で停止し、特別図柄が非特別態様で停止する場合には演出図柄54a〜54cは「2・4・5」等の非特別演出態様で停止する。
第1特別図柄始動手段29は非開閉式であって、画像表示手段24の下側に配置されており、この第1特別図柄始動手段29は右側通路39に比較して左側通路38を経て落下する遊技球が入賞し易くなっている。
第2特別図柄始動手段30は開閉式であって、左右一対の開閉部材30aを備えた電動チューリップ式入賞手段等により構成され、普通図柄表示手段33の変動後の普通図柄が特定態様で停止した場合に所定の開放パターンで開放するようになっている。
第2特別図柄始動手段30の開放パターンには、開放時間の短い通常パターン(例えば0.2秒×1回)と開放時間の長い特別パターン(例えば2秒×3回)とがあり、通常確率状態中は通常パターンが、高確率状態中は特別パターンが夫々選択される。
開閉入賞手段31は変動後の第1特別図柄、第2特別図柄が特別態様で停止した場合に発生する特別遊技状態中に所定の開放パターンで開閉するもので、可変入賞口31aを開閉する開閉板31bを有し、この可変入賞口31aに遊技球が入賞したときに、他の普通入賞手段32等への入賞よりも多くの賞球が払い出されるようになっている。
なお、開閉入賞手段31の開閉パターンは、開放後に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、所定時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方で閉じる開閉動作を1ラウンドとして、そのラウンド数の違いにより複数の種類があり、特別遊技の抽選時にその複数種類の開閉パターンの何れかが抽選される。
普通図柄始動手段25,26は遊技球の検出を条件に普通図柄表示手段33の普通図柄を変動させるためのもので、各通路38,39を経て落下する遊技球の通過を検出するようになっている。
左側通路38は、図3、図4、図9に示すように、ガイドレール15の内レール17の上端部の上下近傍に対応する打ち込み領域60と、この打ち込み領域60の下側に配置された減速領域61と、この減速領域61の下側で多数の遊技釘が設けられた釘打ち領域62とを有する。
台板43は、図4〜図9に示すように、打ち込み領域60及び減速領域61では支持枠40の前周壁部44から内レール17の近傍、及び内レール17の延長線上の近傍まで張り出している。この打ち込み領域60及び減速領域61の台板43は、遊技盤4の前面に装着された通路板38Aを構成し、その打ち込み領域60及び減速領域61の通路板38Aに、前側へと突出する障害突起(遊技部品)63、内外通路壁64,65が一体的に設けられている。
左側通路38内の通路板38Aは、図4〜図9に示すように、上下方向の略全体が略均一な板厚であって、打ち込み領域60に対応する上当接板部66と、減速領域61に対応する離間板部67と、上当接板部66から離間板部67へと前向きに傾斜する上傾斜板部69と、離間板部67から釘打ち領域62の上側へと後向きに傾斜する下傾斜板部70とを一体的に備えている。
上当接板部66は、裏面が遊技盤4の前面に当接している。離間板部67は図4、図5に示すように、台板43の板厚の2倍又はその前後の寸法だけ裏面が遊技盤4の前面から前側に離間している。この離間板部67は上当接板部66の前面から通路板38Aの板厚の2倍又はその前後の寸法分だけ前側に突出している。なお、離間板部67の裏側には、遊技盤4の前面に当接するリブ等の支持台を設けてもよい。
障害突起63は、ガイドレール15から遊技領域11に打ち込まれた遊技球を衝突させて衝撃を緩和し、又は遊技球の落下方向に変化を与えるためのもので、図3〜5、図8に示すように、前側が閉塞され裏側に開口する角柱状、その他の適宜形状の中空状に構成され、内レール17の戻り防止具20よりも上側で打ち込み領域60に外レール18の円弧方向に所定の間隔をおいて複数個(2個)設けられている。
各障害突起63は上当接板部66から突出する周壁部63aと、この周壁部63aの前端側を塞ぐ前壁部(支持壁)63bとを一体に有する中空の角柱状であり、その突出量は遊技球が先端部に衝突可能な長さになっている。即ち、図7に示すように、障害突起63の突出量Aは、遊技球の略直径(2R)程度であり、この障害突起63の先端とガラス板13との間隔Bは遊技球の半径R未満の略半径近くである。そのため周壁部63aの先端側が遊技球の衝突可能な衝突部63cとなっている。
なお、周壁部63aの基部には、台板43と上当接板部66との間を補強する肉盛り状の補強部63dが略全周に形成されており、その補強部63dの外周面は遊技球の半径R未満で滑らかに変化する円弧状に形成されている。
従って、遊技球が障害突起63の周壁部63aに直接衝突する場合にはその前後方向の略中央又はそれよりも前側に衝突し、またガラス板13に接触した状態で衝突する場合にも、その遊技球の重心位置側が周壁部63a上に略位置するように衝突する。また、遊技球が周壁部63aに衝突する衝突部63cの直下に前壁部63bがあるか、又は衝突部63cの近傍に前壁部63bがあるため、遊技球の衝撃による周壁部63aの損傷を極力少なくすることができる。
支持枠40の打ち込み領域60に対応する前周壁部44は、図4に示すように、各障害突起63との間に遊技球が通過し得る間隔をおいて凹部44aと凸部44bとが上側から下側へと交互に形成されると共に、その下側に戻り防止具20と対向する傾斜部44cが設けられ、凹部44a、凸部44b、傾斜部44cを経由しながら遊技球が減速領域61へと斜め下方に落下するようになっている。
減速領域61には内レール17の近傍に内外通路壁64,65が設けられている。この内外通路壁64,65の相対向する対向面には、図4に示すように、遊技球の通過速度を抑制する前後方向の障害突部64a,65aが周方向に交互に多数(複数)設けられている。内外通路壁64,65の間隔は遊技球が1個通過し得る程度に狭くなっており、その内通路壁64の上端は上傾斜板部69の下部で寄せ部44dを介して傾斜部44cに接続され、打ち込み領域60からの遊技球を寄せ部44dを経て内外通路壁64,65間へと案内するようになっている。また、内外通路壁64,65の下端部には、遊技球を中央側へと案内する屈曲案内部64b,65bが下傾斜板部70に対応して設けられている。
この減速領域61は、離間板部67とガラス板13との間隔、内外通路壁64,65間の間隔が狭く、遊技球が1個ずつ通過できる程度の狭隘通路である上に、その内外通路壁64,65の対向面側に障害突部64a,65aがあるため、打ち込み領域60側に打ち込まれた遊技球の通過速度を十分に減速することができる。
左側通路38の釘打ち領域62に対応して前構造体23の前周壁部44には、図3、図8に示すように、側面に開口する入球口73が設けられている。また前構造体23の下部側には、図6、図9に示すように、画像表示手段24の前側にステージ部74、区画部材75、発光演出手段76及び可動演出手段77が配置されている。
区画部材75は画像表示手段24の前側をステージ部74等の遊技球の通過側と可動演出手段77等の演出側とを前後に区画して後側への遊技球の侵入を阻止するためのものであって、図6、図8〜図12に示すように、画像表示手段24の画像表示部50の下側で遊技盤4の前面側に配置されており、前構造体23の台板43と同一平面上に一体に成型されている。即ち、区画部材75は平板状であって、台板43の同一平面上に一体に設けられており、その上端縁が画像表示部50の下縁部の上側又は下側の近傍で略平行になっている。
区画部材75の前面には、ステージ部74上の遊技球の停止用を兼用する補強板99がステージ部74の一端側に設けられている。この補強板99は区画部材75から略直角に前側へと一体に突出して上下方向に配置されており、上端に屈曲部99aが設けられ、下端が台板43の周壁部63aに接続されている。
ステージ部74は入球口73からの遊技球を転動させて遊技盤4の前側に落下させるためのもので、図6、図8〜図12に示すように平面視帯板状であって、下側へと正面視円弧状に湾曲して形成されており、前構造体23の台板43の前側に着脱自在に装着されている。このステージ部74は特別図柄始動手段29,30の略直上に配置された緩やかな凸部74aと、この凸部74aの左右両側に配置された緩やかな凹部74bと、凹部74bの左右外側に傾斜状に配置された傾斜部74cとを一体に備え、その一方の傾斜部74c側を入球口73に接続する誘導通路78が一体に設けられている。なお、ステージ部74は光透過性を有する合成樹脂製である。
また、ステージ部74には、凸部74a、凹部74b及び傾斜部74cに跨がって遊技球を案内する前縁部74dが突出状に形成され、その前縁部74dには傾斜部74c側を移動する遊技球を後側へと案内する案内部74eが平面視円弧状に設けられている。凸部74aには前後方向の略中央に孔状の落下口74fが、凹部74bの前縁部74d側に切り欠き状の落下口74gが夫々設けられ、ステージ部74上の遊技球をその各落下口74f,74gから遊技盤4の前側で下方へと落下させるようになっている。
ステージ部74は台板43に前側から当接する取り付け板79が後端側に下向きに屈曲状に設けられている。取り付け板79はステージ部74の長手方向に複数の位置決め突起80と取り付け孔81とを有し、その位置決め突起80を台板43の位置決め孔82に挿入して位置決めされ、取り付けネジ83により台板43の前側に着脱自在に装着されている。取り付けネジ83は台板43の取り付け孔84に後側から挿通され、取り付け板79の取り付け孔81に螺合されている。
発光演出手段76は、図6、図10、図13に示すように、ステージ部74の上下両側で区画部材75に設けられた発光表示部86と、この発光表示部86の下側で区画部材75の板面方向に光を照射するLED等の発光体87と、区画部材75に形成され発光体87からの光を発光表示部86に導光して発光させる導光部88とを備えている。
発光表示部86は、図10に示すように、ステージ部74に沿って配置された複数個の装飾図柄86aを有し、区画部材75の裏面側にV溝89等を刻印して形成されている。発光体87は発光表示部86の装飾図柄86aに対応して可撓基板90に装着されている。
可撓基板90は区画部材75の後側に沿って配置された平面視帯状であり、背面視円弧状に左右一対設けられている。各可撓基板90は両端が区画部材75から後側に突出する保持部91により保持され、下側の補強壁部45又は補強壁部45に一体の受け部45aにより下側から支持されている。
導光部88は、図6、図13に示すように、区画部材75の後側に一体に形成され且つ発光体87からの光を前側へと反射する第1反射面88aと、区画部材75の前側に一体に形成され且つ第1反射面88aからの光を区画部材75の板面方向に装飾図柄86a側へと反射する第2反射面88bとを有し、発光体87からの光を矢印方向に導光して発光表示部86の装飾図柄86aを発光させるようになっている。
なお、区画部材75には反射面の下側に開口93が形成され、この開口93内に可撓基板90の突部が入り、また、発光体87の一部が開口93内に入っている。区画部材75には、反射面88a,88b、開口93等を覆うシール材94がステージ部74に沿ってその下側前面に貼着されている。
可動演出手段77は画像表示手段24の前側下部に配置されており、画像表示手段24の画像表示部50の下側で後構造体96に装着された支持台97と、この支持台97に前後方向の支軸廻りに回動自在に枢支された左右一対の可動演出体98とを備えている。そして、この可動演出手段77は、通常時には可動演出体98が画像表示部50から下側に退避した退避位置にあり、特別遊技状態が発生するか又は特別遊技状態の発生を予告する等、所定の遊技状態のときに画像表示部50の前側の移動位置に移動して所定の可動演出を行うようになっている。
遊技に際しては、発射ハンドル9を操作して、球供給皿8内の遊技球を発射手段へと供給しながら、その遊技球を発射手段により遊技盤4側へと順次発射し、ガイドレール15を経て遊技領域11へと遊技球を打ち込む。このとき通常確率状態であれば、第1特別図柄始動手段29に入賞し易い左側通路38に遊技球が集中するようにその打ち込み領域60へと打ち込む左打ちをする。
左側通路38の打ち込み領域60に打ち込まれた遊技球は、内レール17の内側の減速領域61等に沿って流下した後、遊技球が第1特別図柄始動手段29等に入賞するか、又は入賞せずにアウト球口49から遊技盤4の裏側へと移動する。遊技球が第1特別図柄始動手段29に入賞すると、第1特別図柄表示手段34の第1特別図柄、演出図柄表示手段53の演出図柄54a〜54cが同期して所定時間変動する。
そして、第1特別図柄始動手段29に遊技球が入賞したときの抽選結果が特別遊技であるか否かに応じて、第1特別図柄表示手段34の第1特別図柄が所定時間変動して、その変動後の第1特別図柄が特別態様又は非特別態様で停止し、演出図柄表示手段53の演出図柄54a〜54cが特別演出態様又は非特別演出態様で停止する。
通常確率状態中でも右側通路39に進入した遊技球が普通図柄始動手段25,26に入賞すれば、普通図柄表示手段33の普通図柄が変動して変動後に特定態様で停止することもある。しかし、通常確率状態中は第2特別図柄始動手段30の開放時間が極僅かであるため、第2特別図柄始動手段30に遊技球が入賞する可能性は非常に低い。
第1特別図柄表示手段34の変動後の第1特別図柄が特別態様で停止すれば遊技者に有利な特別遊技状態となり、開閉入賞手段31が抽選された所定の開閉パターンで所定ラウンド数開閉動作を繰り返すので、遊技者は開閉入賞手段31に遊技球が入賞し易い右側通路39側に遊技球を集中させるべく右打ちをする。
右側通路39に入った遊技球は前構造体23の下側を経て遊技領域11の中央側へと移動した後、普通図柄始動手段25,26、開閉入賞手段31、特別図柄始動手段29,30等に入賞するか、アウト球口49側へと流下する。なお、特別遊技の場合には、所定の開閉パターンで開閉する可変入賞口31aに入賞する。
左打ち時に左側通路38の打ち込み領域60に打ち込まれた遊技球は、2個の障害突起63の一方又は両方に衝突するか、障害突起63に衝突せずに前構造体23の打ち込み領域60側の前周壁部44に衝突した後、落下方向を適宜変えながら打ち込み領域60の下側を経て減速領域61へと移動する。
遊技球が障害突起63に衝突する場合には、その周壁部63aの衝突部63cの直下に前壁部63bがあるか、又は衝突部63cの近傍に前壁部63bがあるため、遊技球の衝撃による周壁部63aの損傷を極力少なくすることができ、耐久性が著しく向上する利点がある。
また、打ち込み領域60を通過した遊技球は、その下側の減速領域61の内外通路壁64,65間を障害突部64a,65aに接触しながら下方へと流下する。この減速領域61では、離間板部67とガラス板13との間隔、内外通路壁64,65間の間隔が狭くて遊技球が1個ずつ通過できる程度の狭隘である上に、その内外通路壁64,65の対向面側に障害突部64a,65aがあるため、打ち込み領域60側に打ち込まれた遊技球の流下速度を十分に減速することができる。
遊技球が入球口73に入ると、その遊技球は誘導通路78を経てステージ部74へと誘導され、ステージ部74上を転動する。そして、ステージ部74の中央部分に転動した遊技球は第1落下口74f、第2落下口74gの何れかから遊技盤4の前側へと落下し、特別図柄始動手段29,30等に入賞するか、アウト球口49へと移動する。
特別利益状態が発生する等、所定の遊技状態になれば、発光演出手段76が発光演出を、可動演出手段77が可動演出を夫々行う。発光演出手段76による発光演出時には、発光体87が連続又は点滅発光すると、その光が導光部88の第1反射面88a、第2反射面88bで夫々反射して区画部材75の板厚内を発光表示部86の装飾図柄86a側へと導光されるので、装飾図柄86aのV溝89を発光させることができる。従って、ステージ部74の上下両側で区画部材75の発光表示部86が発光して発光演出を行うことができる。
一方、可動演出手段77側では可動演出体98が画像表示部50の前側の移動位置へと移動するため、その移動位置への往復移動等により可動演出を行うことができる。
この実施形態では、一般に画像表示手段24の前側下部に配置されるステージ部74は、前構造体23の台板43及びこれと一体の区画部材75の前側、即ち、遊技盤4の前面よりも前側に配置している。ステージ部74をこのように配置すれば、ステージ部74を遊技者に最も近い位置に配置でき、遊技者の興趣を喚起できると同時に、ステージ部74と画像表示手段24との間の前後方向の間隔を十分に確保でき、台板43の後側の遊技盤4の板厚分に発光演出手段76の一部を配置する等、遊技盤4の台板43の後側部分を有効に利用することができる。
また、ステージ部74が前構造体23の台板43の前側にあるため、前構造体23に形成される入球口73が遊技盤4の前側であることから、入球口73から誘導通路78を含むステージ部74側を左右方向に平面視帯状に形成できる等、周辺部分を含むステージ部74の関連部分の構造を単純化することができる。
更に、この実施形態では、前側のステージ部74等の遊技球の移動側と、その後側の発光演出手段76、可動演出手段77、画像表示手段24等の演出側とを区画する区画部材75を、前構造体23の台板43と一体に設けているので、従来の前構造体23の内周側に嵌め込んで装着する場合に比較して、区画部材75と前構造体23との取り付け部分の構造を簡素化でき製作コストを低減できる他、区画部材75の外周側の取り付け部分の近傍に発光演出手段76を配置できる等、区画部材75の近傍を有効に利用することができる。
図14、図15は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、打ち込み領域60の台板43に、遊技盤4の前面から前側に離間する離間板部100と、端縁等の周辺部分から離間板部100へと傾斜する傾斜板部101が設けられており、その離間板部100に障害突起63が一体に設けられている。障害突起63とガラス板13との間隔は、遊技球の半径近くの半径未満である。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように遊技盤4の前面から前側に離間する離間板部100を台板43に設けて、その離間板部100に障害突起63を設けることも可能である。この場合には、離間板部100の遊技盤4の前面からの離間分だけ障害突起63の突出量が短くなるので、遊技球が衝突する周壁部63aを前壁部63bで支持することができ、周壁部63aの損傷を更に少なくすることができる。また、障害突起63の離間板部100からの突出量が短くなることから、障害突起63の先端側に遊技球が衝突したときの基部側に加わる衝撃をより緩和することができる。
更に、台板43の端縁から離間板部100までの間には、図15に示すように遊技球の飛行方向に沿って傾斜板部101ができるため、この傾斜板部101によって遊技球を障害突起63の前端側へと案内することができ、遊技球を障害突起63の先端部に集中させることができる。
図16、図17は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、障害突起63の先端側の外周に上向きの衝突部102が肉盛り状に形成され、この衝突部102で遊技球を受けるようになっている。衝突部102は、ガラス板13、離間板部100から遊技球の略半径程度離間した位置にある。なお、衝突部102は前壁部63bから前側に突出しており、その前後略中央に前壁部63bが設けられている。他の構成は第2の実施形態と同様である。
この実施形態に示すように障害突起63の外周部の先端側に衝突部102を肉盛り状に設けて、この衝突部102で遊技球を受けるようにすれば、遊技球の衝撃による周壁部63aの損傷を防止することができる。なお、衝突部102は障害突起63の先端側の略全周に設けてもよい。
図18は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、発光演出手段76の発光体87は区画部材75の開口93内に配置されており、区画部材75の板厚内を導光部88として、その導光部88を経て発光体87からの光を発光表示部86へと導光するようにしている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように発光体87からの光を区画部材75の板厚内を経て発光表示部86へと導光する場合には、第1の実施形態のような反射面等が不要であり、構造的に更に簡素化することができる。また発光体87からの光の漏れも少なくできる。
図19は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態では、発光演出手段76は、区画部材75に形成された発光表示部86と、この発光表示部86と対応して区画部材75の後方の発光基板104に装着された複数個の発光体87とを有し、発光体87からの光により区画部材75の発光表示部86を発光させるようになっている。他の構成は各実施形態と同様である。
このように後側の発光体87から区画部材75の発光表示部86に光を照射して、その光により発光表示部86を発光させるようにしてもよい。
図20〜図22は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態では、前構造体23の支持枠40は遊技盤4の開口部37に対応して環状に構成されており、この支持枠40には遊技盤4の前側に当接する台板43の下部側に板状の区画部材75が一体に設けられている。半月状の区画部材75には、遊技盤4の開口部37の内側に配置される補強壁部45が台板43側から連続状に形成されている。区画部材75の下部側の補強壁部45は、区画部材75の下端から後側に屈曲状に設けられている。
区画部材75はその前面が遊技盤4の前面と略面一状となるように、区画部材75の板厚分に相当する段部106を介して台板43に一体に設けられている。そして、この区画部材75にはステージ部74に対応して位置決め孔82が形成されると共に、発光演出手段76に対応して反射面88a,88b、開口93等が設けられている。区画部材75にはステージ部74の下側前面に化粧カバー107が装着され、この化粧カバー107により、発光演出手段76の反射面88a,88b等が前側から覆われている。他の構成は各実施形態と同様である。
この実施形態に例示するように、前構造体23の遊技盤4の前面に当接する台板43に一体に区画部材75を設けるに当たっても、前構造体23の下部側では台板43を無くして、その左右両側の台板43間に区画部材75を設けることも可能である。
また、区画部材75と左右両側の台板43との間に段部106を設けて、その前面にステージ部74、化粧カバー107を設けてもよい。この場合にも、区画部材75の前面が遊技盤4の前面と略面一状であるため、その区画部材75の前側にステージ部74を設けることにより、ステージ部74を遊技盤4の前面よりも前側に配置することができる。
更に区画部材75の前側に上下方向に補強板99を、裏側に補強壁部45を夫々設け、補強板99の下端を周壁部63aに接続することによって、前構造体23の下部側の強度を十分に確保することができる。
図23は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、区画部材75の上端から後側に屈曲する屈曲部108が左右方向の帯状に一体に形成され、その一端が補強板99の上端に接続されている。このように区画部材75の上端に屈曲部108を一体に設けることも可能である。他の構成は各実施形態と同様である。
図24は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、区画部材75は前構造体23の台板43に設けられた取り付け部109に固定具110により着脱自在に装着され、台板43の略同一面状に配置されている。この区画部材75には、その上端から画像表示手段24の画像表示部50の下側近傍へと屈曲するカバー板111が一体に設けられている。カバー板111には可動演出手段77の可動演出体98等に対応して切り欠き部111aが形成されている。他の構成は各実施形態と同様である。
このように区画部材75は、前構造体23の台板43とは別構成にして、その台板43に着脱自在に設けてもよい。また区画部材75を台板43と別体に構成した場合には、その上端側等の適当箇所にカバー板111等を設けることも容易にできる。
以上、本発明の各実施形態について例示したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態ではパチンコ機について例示したが、パチンコ機以外のアレンジボール機、雀球機、その他の遊技機に広く採用可能である。
また、遊技球が当接可能な遊技部品には、障害突起63が代表的であるが、それ以外のものでもよい。更に障害突起63等の遊技部品の突出量は、その先端部に遊技球が衝突する衝突部63cができるように、ガラス板13から遊技部品の先端部が遊技球の略半径分離れておればよい。
障害突起63の先端とガラス板13との間隔は、遊技球の半径に近ければ半径分以上でもよいが、障害突起63とガラス板13との間に遊技球が食い込まない程度にする必要がある。また、障害突起63等の突出長さは先端部に遊技球が当接可能な範囲であり、遊技球の半径分以上であることはいうまでもない。障害突起63等の遊技部品は、遊技球の重心位置の下方がその先端部に当接可能であることが望ましい。
障害突起63等の遊技部品は、その少なくとも上側に衝突部63cがあり、その衝突部63cの前端側に前壁部63bを設けた構造でもよい。従って、障害突起63等の遊技部品は、その全周に衝突部63cを備えた筒状である必要はない。また前壁部63bを支持壁とし、その前壁部63bにより衝突部63cを衝突側と反対側から支持するようにしているが、周壁部63aの前後方向の中間に衝突部63cが位置する場合には、その衝突部63cに対応して支持壁を設けてもよい。
各実施形態では、画像表示部50の下端部よりも下側に区画部材75を設けているが、画像表示部50の下端部よりも上側に延ばしてもよいし、前構造体23の内周の表示窓42の全体を塞ぐようにしてもよい。区画部材75を画像表示部50の下端部よりも下側に配置する場合には、区画部材75は不透明な合成樹脂材により成型してもよい。また光透過性を有する区画部材75の場合には、必要に応じて前面又は裏面に金属メッキ、シール材等の遮光を設けてもよい。
区画部材75は台板43と一体であることが望ましいが、台板43と別体に構成して台板43に着脱自在に装着してもよい。また区画部材75は台板43と略面一状に設ける他、台板43の前面から区画部材75の板厚分かそれよりも若干大きい程度、後側に後退して設けてもよいし、逆に前側に突出して設けてもよい。
前構造体23の台板43は遊技盤4の開口部37の外側の略全周に対応して設けてもよいし、他の飾り板等を台板43の前面と略面一状に設ける場合、又は他の装飾体で覆う場合には、一部の範囲の台板43を省くことも可能である。
区画部材75に発光表示部86を設けるにあたっては、区画部材75に装飾図柄86aをV溝89等で刻印してもよいし、別部材により構成した発光表示部86を区画部材75の前面又は裏面に装着してもよい。例えば、区画部材75の前側にステージ部74を配置する場合には、そのステージ部74上の遊技球と干渉しないように、ステージ部74の上側に所定の間隔をおいて、区画部材75から前側に突出する発光表示部86を区画部材75に装着してもよい。
区画部材75の前面にステージ部74を装着しているが、区画部材75が前構造体23の台板43から後退するか、台板43から前側に突出する場合には、ステージ部74は台板43の前面に設けてもよい。また、ステージ部74は区画部材75又は台板43と一体に設けてもよい。更に、ステージ部74の形状、構造は任意に変更することが可能である。台板43にステージ部74を設けて、区画部材75を省くことも可能である。また、ステージ部74、区画部材75を省いてもよい。