JP2016035536A - 光導波路積層体、光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路積層体、光導波路及びその製造方法 Download PDF

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大地 酒井
Daichi Sakai
大地 酒井
黒田 敏裕
Toshihiro Kuroda
敏裕 黒田
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【課題】外形加工をし易い光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を提供する。【解決手段】一方の表面82が光導波路範囲82aと切りしろ層範囲82bとを有する第1基板80と、光導波路範囲82aの上方に積層された光導波路10であってコアパターン30とコアパターン30を埋設するクラッド層40とを有する光導波路10と、光導波路10に並ぶように第1基板80の一方の表面82の切りしろ層範囲82bの上方に積層された切りしろ層90と、光導波路10及び切りしろ層90の上方に積層された第2基板84と、を備えた光導波路積層体100。第1基板80及び第2基板84は、クラッド層40より高い弾性率を有し、光導波路10と切りしろ層90との間の仮想的な外形加工線Cに沿って、第1基板80及び第2基板84と共に光導波路積層体100のせん断加工を行うことで、光導波路10と切りしろ層90とは分離される。【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路積層体、光導波路及びその製造方法に関する。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信の分野のみならず、ルーターやサーバー内の情報処理の分野にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、光インターコネクション技術は、ルーターやサーバーの装置内のボード間又はボード内の電子部品間の短距離信号の伝送に、電気的なノイズの影響を受けない光を用いる。このため、光インターコネクション技術は、光が伝搬する光伝送路として、光ファイバに比べて光伝送路の設計自由度が高く、かつ、高密度化が可能な光導波路を用いる。そして、光導波路は、光伝送路の設計自由度を高くするために、フレキシブル性を有する材料でシート状に形成される。
光導波路としては、まず、基板上に下部クラッド層を硬化形成した後に、下部クラッド層上にコアパターンを形成し、下部クラッド及びコアパターン上に上部クラッド層を積層した光導波路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、その光導波路を挟むように、光導波路の上面及び下面に一対の基板が設けられる。
このような光導波路は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、基板にクラッド層やコアパターンを適宜積層して、光導波路の周囲に切りしろ部分が設けられた光導波路積層体を作成する。
その後、光導波路積層体の周囲の切りしろ部分を切断する外周加工を行い、光導波路積層体から光導波路を得る。このとき、例えば、光導波路積層体の外形加工には、型抜きのようなせん断力を用いた切断方法が用いられる。
特開2006−011210号公報
光導波路を切り出す外形加工は、光導波路積層体にせん断力を付与して行われるので、切断された光導波路に応力が残り、光伝搬の損失が大きくなったり、光導波路のコアパターンに亀裂が入ったりする恐れがあった。
本発明の課題は、外形加工をし易い光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る光導波路積層体、光導波路及びその製造方法は、以下の(1)〜(9)を提供する。
(1) 一方の表面が光導波路範囲と切りしろ層範囲とを有する第1基板と、
前記第1基板の一方の表面の光導波路範囲の上方に積層された光導波路であってコアパターンと前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路と、
前記光導波路に並ぶように前記第1基板の一方の表面の切りしろ層範囲の上方に積層された切りしろ層と、
前記光導波路及び前記切りしろ層の上方に積層された第2基板と、を備えた光導波路積層体であって、
前記第1基板及び前記第2基板は、前記クラッド層より高い弾性率を有し、
前記光導波路と前記切りしろ層との間の仮想的な外形加工線に沿って、前記第1基板及び前記第2基板と共に前記光導波路積層体のせん断加工を行うことで、前記光導波路と前記切りしろ層とは分離される、光導波路積層体。
本発明によれば、光導波路と切りしろ層との間の仮想的な外形加工線に沿って、第1基板及び第2基板と共に光導波路積層体のせん断加工を行うことで、光導波路と切りしろ層とは分離され、所定形状の外形を有する光導波路を得ることができる。
このとき、せん断加工の際に生じるせん断力が第1基板又は第2基板における外形加工線の位置に生じるが、第1基板及び第2基板はクラッド層より高い弾性率を有しているので、光導波路にかかる応力を局所的にとどめることができ、ひいてはコアパターンにかかる亀裂や欠けの発生を抑制することができる。
(2) さらに、前記第1基板と前記第2基板との間に挟まれ、前記光導波路と前記切りしろ層との間に形成された空洞領域を備えた、(1)に記載の光導波路積層体。
第1基板又は第2基板の外形加工線の箇所がつぶれたり、ねじられたりするように、せん断力は空洞領域に向けて第1基板又は第2基板に直接作用する。
しかし、空洞領域は、せん断加工において第1基板又は第2基板に作用するせん断力が緩和されるように、第1基板と第2基板との間に挟まれ、光導波路と切りしろ層との間に形成されているので、第1基板の外形加工線の箇所が応力緩和部として作用する。
つまり、せん断加工時に、第1基板又は第2基板がせん断方向に局所的に変形するだけで、せん断力がコアパターンには殆ど作用しないので、光導波路ひいてはコアパターンに亀裂や欠けの発生をより抑制することができ、コアパターンの光損失の少ない光導波路を得ることができる。
例えば、第1基板側から図1のように刃で加工する場合、第1基板は光導波路方向に局所変形し、第2基板は、光導波路と反対方向に局所変形するため、第1基板の変形による光導波路への圧縮応力や、第2基板の変形による光導波路への引っ張り応力が軽減される。
(3) 前記空洞領域は、前記外形加工線に沿って延在する、(2)に記載の光導波路積層体。
外形加工線は、光導波路の外形となる位置を示す線であり、空洞領域が外形加工線に沿って延在している。このため、第1基板の広い範囲に空洞領域が形成されるので、第1基板の広い範囲に亘って、せん断加工による応力の緩和をすることができる。
(4) 前記光導波路は、前記外形加工線から所定の距離をおいた位置に形成され、前記空洞領域の一部を構成する側壁を有する、(2)又は(3)に記載の光導波路積層体。
光導波路の側壁から所定の距離をおいた位置に外形加工線が位置するので、光導波路のどの側壁にもせん断加工により生じるせん断力がおおよそ等しく作用するので、せん断力による第1基板又は第2基板と光導波路との間の応力を局所的に集中させにくくすることができる。また、せん断加工時に第1基板又は第2基板に発生する局所的な変形を光導波路側及び切りしろ層側にもほぼ等価に発生させることができるため、より応力の伝搬を低減できる。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の光導波路積層体から光導波路を製造する製造方法であって、
前記光導波路積層体をせん断加工によって前記外形加工線で第1基板及び第2基板と共に分離される光導波路を製造する製造方法。
(6) 前記せん断加工が、金型又は刃型による(5)に記載の光導波路の製造方法。
(7) (5)に記載の光導波路の製造方法によって得られた光導波路。
本発明によれば、外形加工をし易い光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を説明するための一部を省略した斜視図である。 図1に続く、光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を説明するための一部を省略した斜視図である。
図1を参照して、本発明に係る光導波路積層体100の説明をする。
図1に示すように、光導波路積層体100は、下側基板80と光導波路10と切りしろ層90と上側基板84とを備える。光導波路10は、下部クラッド層20と、コアパターン30と、第1上部クラッド層40と、第2上部クラッド層50とを備える。光導波路10と切りしろ層90とは、上側基板84と下側基板80との間に挟まれている。
光導波路積層体100は下側基板80と上側基板84とを備えているので、光導波路積層体100をせん断加工しても、光導波路積層体100の反りを抑制できるため、光導波路積層体100のせん断加工の作業性が向上する。また、光導波路10と切りしろ層90の上側基板84と下側基板80とを配置しているため、上方向からのせん断に対しても下方向からのせん断に対しても光導波路10への応力伝搬やそれに付随する亀裂等を抑制できる。
下側基板80は、一方の表面82と他方の表面81とを有する板状の基板であり、一方の表面82には、光導波路範囲82aと、切りしろ層範囲82bとを有する。
下部クラッド層20は、表面が平坦な板状に形成されており、光導波路範囲82aと切りしろ層範囲82bとを含む、下側基板80の表面82に積層されている。下部クラッド層20は、コアパターン30よりも屈折率の低い材料で形成されていればよく、寸法安定性のある厚みのある材料で形成されることが好ましい。
コアパターン30は、下部クラッド層20の表面に形成されている。コアパターン30は、矩形の断面を有する細長い形状を有する。コアパターン30の数は特に限定されず、複数であってもよい。
第1上部クラッド層40は、下側基板80の光導波路範囲82aの上方であり、かつ、コアパターン30を埋設するように、下部クラッド層20に積層されている。第1上部クラッド層40の上面は平坦にされている。第1上部クラッド層40はコアパターン30よりも低屈折率になるように設計されている。第1上部クラッド層40は、外形加工線Cから所定の距離をおいた位置に形成され、空洞領域95の一部を構成する側壁41を有する。
切りしろ層90は、光導波路10の外周と切りしろ層90との間には、仮想的な外形加工線Cが形成されるように、下側基板80の切りしろ層範囲82bの上方であり、かつ、空洞領域95をおいて第1上部クラッド層40と並ぶように、下部クラッド層20に積層されている。仮想的な外形加工線Cは、後述するように、光導波路10の外形となる位置を示す線であり、せん断加工を行う基準線である。外形加工線Cは空洞領域95の中央に位置することが好ましい。
切りしろ層90の上面は、第1上部クラッド層40の上面と略同じ位置にされ、平坦にされている。切りしろ層90は、第1上部クラッド層40と同じ材料で形成されていることが好ましい。
切りしろ層90は、光導波路10が下側基板80に積層された積層方向Yにおいて、第1上部クラッド層40と同じ厚さである。
空洞領域95は、後述するように、せん断加工において下側基板80又は/及び上側基板84に作用するせん断力が緩和されるように、下側基板80と上側基板84との間に挟まれ、光導波路10と切りしろ層90との間に形成される。
空洞領域95は、切りしろ層90と光導波路10の外周との間の仮想的な外形加工線に沿って延在している。
第2上部クラッド層50は、空洞領域95を跨ぐように、第1上部クラッド層40と切りしろ層90とに積層されている。第2上部クラッド層50は、第1上部クラッド層40と同一材料からなっていてもよく、異なっていてもよい。第2上部クラッド層50は、コアパターン30と直接接触していないため、異なる材料で、屈折率も問わない。第2上部クラッド層50を光が透過しない場合には、第2上部クラッド層50は、透明性も問わない。本発明においてはコアパターン30の上方に設けられる上側基板84以外の樹脂層であるため、第2上部クラッド層50と言い表すこととする。
上側基板84は、光導波路10及び切りしろ層90の上方を覆うように、第2上部クラッド層50の上方に積層されている。下側基板80及び上側基板84は、光導波路10の第1上部クラッド層40より高い弾性率を有する材料で形成されている。
以上の光導波路積層体100は、光導波路10と切りしろ層90との間の仮想的な外形加工線Cに沿って、第1基板及び第2基板と共に光導波路積層体のせん断加工を行うことで、光導波路と切りしろ層とは分離され、所定形状の外形を有する光導波路が得られる。
上記のように空洞領域95の上面及び下面を覆うように下側基板80と上側基板84を配置することによって、光導波路積層体100の反り(特に空洞領域95を設けることによって発生しやすい光導波路10と切りしろ層90との間に局所的な反り)を抑制できる。このため、空洞領域95を有する光導波路積層体100であってもせん断加工時の反り等による作業性の低下を抑制できる。
なお、空洞領域95を備える光導波路積層体100の場合、せん断加工時に下側基板80又は/及び上側基板84の局所的な変形によって、光導波路10への応力伝搬を抑制する効果が大きいため、下側基板80と上側基板84の弾性率は、光導波路10のクラッド層よりも高くても低くてもよいが、より応力の伝搬の抑制の観点から、下側基板80と上側基板84の弾性率は、光導波路10のクラッド層よりも高いほうが好ましい。
以上の光導波路積層体100を構成する部位について以下に説明する。
(下側基板及び上側基板)
下側基板80及び上側基板84は、可撓性であっても、非可撓性であっても良く、上記の観点から、光導波路10に用い得る下側基板80及び上側基板84の材質としては、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、FR−4基板、電気配線板などが挙げられる。下側基板80及び上側基板84は、せん断加工が容易である観点から可撓性を有するとよりよい。
光導波路積層体100をせん断加工する際に、光導波路積層体100に空洞領域95を設け、せん断加工時に、下側基板80又は/及び上側基板84を局所的に変形させて光導波路10に作用する応力を緩和する際には、柔軟性及び強靭性のある下側基板80及び上側基板84を用いると良い。下側基板80及び上側基板84の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドが好適に挙げられる。
下側基板80と上側基板84の引っ張り弾性率は、光導波路10への応力を抑制する観点から3GPa以上〜10GPa以下であるとよく、より応力を緩和可能であり、空洞領域95を用いたときに応力緩和するための変形が容易である観点から3GPa以上〜9GPa以下であるとより良く、光導波路積層体100の反り抑制の観点から4GPa以上〜8GPa以下であると好ましい。上記の範囲で下部クラッド層20、第1上部クラッド層40、第2上部クラッド層50よりも引っ張り弾性率が高いと光導波路10の応力や亀裂等を抑制できる。
このときの下側基板80及び上側基板84の厚さは、特に限定はないが、5μm以上であると、下側基板80及び上側基板84としての強度が得やすいという利点があり、200μm以下であると低背で加工しやすく、光導波路にフレキシブル性も付与可能であるという利点がある。せん断加工性及びハンドリング性の観点から、10〜50μmの範囲であることがより好ましい。上記の範囲で空洞領域95の高さよりも下側基板80又は上側基板84が薄いとよく、空洞領域95の幅の1/2以下の厚みであると、せん断時に下側基板80又は上側基板84が局所変形しても、光導波路に応力を与えにくいためさらに好ましい。
(クラッド層)
下側基板80及び上側基板84よりも低弾性率であるクラッド層とは、少なくともコアパターン30と同一階層に形成されるクラッド層を指し、本実施例中では、第1上部クラッド層40である。より好ましくは下部クラッド層20及び/又は第2上部クラッド層50も低弾性率であるとよい。クラッド層の弾性率は、下側基板80及び上側基板84より引っ張り弾性率が低く、50MPa以上〜3GPa未満であるとよく、加工性の観点から300MPa以上〜2GPa以下であるとよりよく、500MPa以上〜1.5GPa以下であるとさらによい。なお、上述したように下部クラッド層20及び第2上部クラッド層50の弾性率も上記の範囲であるとよいが、3MPa以上である場合には、下部基板又は上側基板84の一部としてみなす。ただし、空洞領域95を設けない場合には、下部クラッド層20及び第2上部クラッド層50も上述した第1上部クラッド層40と同様の範囲の引っ張り弾性率である必要がある。
(空洞領域)
空洞領域95の幅(加工線に対して垂直方向の幅)は、上述の通り、下側基板80又は上側基板84の厚みの2倍以上であるとよい。上記の観点から空洞領域95の幅は、10μm以上〜1mm以上であるとよく、光導波路10側に残存する空洞領域95を小さくする観点、光導波路10を小型化する観点から10μm以上〜500μmであるとよりよく、加工精度の観点から50μm以上〜500μmであるとさらによい。
空洞領域95の高さは、コアパターン30の高さ以上であるとよく、より好ましくは下部クラッド層20表面から第1上部クラッド層40上面までであるとよりよく、さらに下部クラッド層20及び/又は第2上部クラッド層50を含む高さであるとさらによい。
(切りしろ層)
切りしろ層90とは、光導波路10と接続し、せん断加工によって分離される部位であり、ダミーの光導波路層であっても、光導波路と隣接する別の光導波路であっても良い。
以上の光導波路積層体100は、以下のようにして製造される。
まず、下側基板80の表面に下部クラッド層20を形成する。
次に、下部クラッド層20にコアパターン30を積層する。なお、第1上部クラッド層40と、(第1上部クラッド層からなる)切りしろ層90との厚みばらつきを低減するために、切りしろ層90には、ダミーのコアパターンを配置してもよい。
次に、コアパターン30を覆うように、下部クラッド層20のうち下側基板80の光導波路範囲82aの上方の範囲に第1上部クラッド層40を積層すると共に、下部クラッド層20のうち下側基板80の切りしろ層範囲82bの上方の範囲に切りしろ層90を積層する。
例えば、コアパターン30を覆うように、かつ、下側基板80の光導波路範囲82aと切りしろ層範囲82bの上方を覆うように、下部クラッド層20に第1上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する。次に、フォトレジスト等により、第1上部クラッド層形成用樹脂フィルムに空洞領域95を形成する。これにより、第1上部クラッド層40と切りしろ層90とが形成されると共に、第1上部クラッド層40の側壁41が形成される。
フォトリソグラフィー加工によって空洞領域95を形成すると、コアパターン30と空洞領域95の位置精度が確保しやすいため好ましい。
フォトリソグラフィー加工とは、第1上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層した後に、活性光線によって、空洞領域を未硬化部に、第1上部クラッド層40を硬化部とし、その後、エッチングによって未硬化部を除去する方法や、積層した第1上部クラッド層形成用樹脂フィルム上にエッチングレジストパターンを形成し、エッチングによって空洞領域95を形成し、その後、エッチングレジストパターン等を除去する方法等である。
このように、光導波路10が下側基板80に積層された積層方向Yにおいて、切りしろ層90は、第1上部クラッド層40と同じ厚さであるので、第1上部クラッド層40と切りしろ層90とを下側基板80の上方に同時に積層することにより、両者を同時に形成することができる。
また、本発明の変形例として、第1上部クラッド層40に加え、さらに下部クラッド層20にも空洞領域95を形成しても、また、さらに第2上部クラッド層にも空洞領域95を形成してもよい。別の変形例としては、コアパターンと同一階層のみに空洞領域95を有していてもよい。別の変形例としては、例えば、コアパターンと同一階層のみに空洞領域95を有するように、コアパターン30を形成した後にコアパターン30上面のみを覆う第1上部クラッド層40を形成する。
肝要なのは、せん断加工時の応力を緩和するだけの積層方向に厚みのある空洞領域95であり、可能な限り厚みの厚い空洞領域95であると本発明の効果が得られやすい。
そして、第2上部クラッド層50及び上側基板84を積層して、光導波路積層体100を得る。なお、第1上部クラッド層40と上側基板84とに接着力がある場合には、第2上部クラッド層50を省略してもよい。
図2に示すように、次に、この光導波路積層体100を、金型又は刃型のような型抜き工具200を用いて外形加工線Cに沿って、下側基板80及び上側基板84と共に、せん断加工を行い、光導波路10と切りしろ層90とに分離させる。
なお、せん断加工方向(特に図1に示すように刃で加工する場合)は、下側基板80側からの加工でも上側基板84側かわの加工であってもよい。
このとき、せん断加工の際に生じるせん断力が下側基板80及び上側基板84における外形加工線Cの位置に生じるが、下側基板80及び上側基板84は第1上部クラッド層40より高い弾性率を有しているので、光導波路にかかる応力を局所的にとどめることができ、せん断力がコアパターン30には作用しにくい。このため、光導波路10ひいてはコアパターン30に亀裂や欠けの発生を抑制することができ、コアパターン30の光損失の少ない光導波路10を得ることができる。
また、せん断加工において上側基板84に作用するせん断力が緩和されるように、下側基板80と上側基板84との間に挟まれ、光導波路10と切りしろ層90との間に形成された空洞領域95を備えているので、上側基板84の外形加工線Cの箇所がつぶれたり、ねじられたりするように、せん断力は空洞領域95に向けて上側基板84又は下側基板80に直接作用する。
しかし、空洞領域95は、せん断加工において上側基板84に作用するせん断力が緩和されるように、下側基板80と上側基板84との間に挟まれ、光導波路10と切りしろ層90との間に形成されているので、上側基板84の外形加工線Cの箇所が応力緩和部として作用する。このため、光導波路10ひいてはコアパターン30に亀裂や欠けの発生をより抑制することができ、コアパターン30の光損失の少ない光導波路10を得ることができる。
また、空洞領域95は、外形加工線Cに沿って延在している。ここで、外形加工線Cは、光導波路10の外形となる位置を示す線である。このため、上側基板84の広い範囲に空洞領域95が形成されるので、上側基板84の広い範囲に亘って、せん断加工による応力の緩和をすることができる。
光導波路10は、外形加工線Cから所定の距離をおいた位置に形成された側壁41を有するので、空洞領域95の延在方向Xに亘って光導波路10の側壁41にせん断加工により生じるせん断力が等しく作用するので、せん断力による上側基板84と光導波路10との間の応力を局所的に集中させにくくすることができる。
外形加工線Cは空洞領域95の略中央に位置していると、空洞領域95の中心に向いたせん断力を上側基板84又は下側基板80に作用させることができるので、せん断加工の際の応力をより低減できる。
なお、外形加工線Cは、図示したように直線状であっても、曲線状(図示しない)であってもよい。曲線状の場合、該曲線に沿って空洞領域95も曲線を描くとよい。
以上の説明では、光導波路10と切りしろ層90との間に空洞領域95があるとして説明したが、クラッド層よりも高弾性率の上側基板84及び下側基板80を配置させる場合には、この空洞領域95は省略しても良い。
また、光導波路10は、第2上部クラッド層50を備えるとして説明したが、この第2上部クラッド層50を省略してもよい。
また、下側基板80又は/及び上側基板84は、せん断加工した後に除去してもよい。
また、下側基板80が下部クラッド層20と同じ性質(コアパターン30よりも低屈折率であり、コアパターン30の光の伝搬に悪影響がない等)を有する場合、下部クラッド層20を省略してもよい。
以上の説明から明らかなように、光導波路10と切りしろ層90との間の仮想的な外形加工線Cに沿って、下側基板80及び上側基板84と共に光導波路積層体100のせん断加工を行うことで、光導波路10と切りしろ層90とは分離され、所定形状の外形を有する光導波路10を得ることができる。
このとき、せん断加工の際に生じるせん断力が下側基板80又は上側基板84における外形加工線Cの位置に生じるが、下側基板80及び上側基板84は第1上部クラッド層40より高い弾性率を有しているので、下側基板80又は上側基板84が局所的に変形するだけで、せん断力がコアパターン30には殆ど作用しないので、光導波路10ひいてはコアパターン30に亀裂や欠けの発生を抑制することができ、コアパターン30の光損失の少ない光導波路10を得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
<クラッド層形成用樹脂フィルムの作製>
[(A)(メタ)アクリルポリマー(ベースポリマー)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(A)(メタ)アクリルポリマーの溶液(固形分45質量%)を得た。
[重量平均分子量の測定]
(A)(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×10であった。なお、カラムは日立化成株式会社製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
(A)(メタ)アクリルポリマーの酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価は(A)(メタ)アクリルポリマー溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[クラッド層形成用樹脂ワニスの調合]
ベースポリマーとして、前記(A)(メタ)アクリルポリマー溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業株式会社製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン株式会社製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、支持フィルムであるPETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、塗工機(マルチコーターTM−MC、株式会社ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
このとき、クラッド層形成用樹脂ワニスより形成される樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、乾燥後の膜厚については後述する。
<コアパターン形成用樹脂フィルムの作製>
[コアパターンクラッド層形成用樹脂形成用ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマ(P−1)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42質量部及び乳酸メチル21質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド14.5質量部、ベンジルアクリレート20質量部、O−フェニルフェノール1.5EOアクリレート39質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート14質量部、メタクリル酸12.5質量部、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート37質量部、及び乳酸メチル21質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
上記の方法で、P−1溶液の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ80mgKOH/g、32,000であった。光及び熱硬化後のクラッド層の引っ張り弾性率は800MPaであった。
[コアパターン形成用樹脂ワニスの調合]
(A)主鎖にマレイミド骨格を含むアルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーとして、前記P−1溶液(固形分45質量%)60質量部、(B)重合性化合物として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製、商品名:ファンクリルFA−324A(「ファンクリル」は登録商標))15質量部及びエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成株式会社製、商品名:ファンクリルFA−321A)15質量部、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名:NC−3000、エポキシ当量275g/eq)10質量部、(C)重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(BASFジャパン株式会社製、商品名:イルガキュア2959)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社製、商品名:イルガキュア819)1質量部を広口のポリ瓶に秤量し、撹拌機を用いて、温度25℃、回転数400min−1の条件で、6時間撹拌して、コア部形成用樹脂ワニスを調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(東洋濾紙株式会社製、商品名:PF020)及び孔径0.5μmのメンブレンフィルタ(東洋濾紙株式会社製、商品名:J050A)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過した。続いて、真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡し、コアパターン形成用樹脂ワニスを得た。
[コアパターン形成用樹脂フィルムの作製]
上記コアパターン形成用樹脂ワニスを、PETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名:A1517、厚み16μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーター、商品名:TM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:ピューレックスA31、厚み25μm)を貼付け、コアパターン形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、乾燥後の膜厚については後述する。
<図1の光導波路の作製例>
[下部クラッド層の形成]
下側基板として100mm×100mmのポリイミドフィルム(ポリイミド:カプトンEN、厚さ;25μm、引っ張り弾性率;5.3GPa)を用い、一方の面に、上記で得られた15μm厚みの下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度90℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を3000mJ/cmで照射した。その後、支持フィルムを剥離し、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、厚さ15μmの下部クラッド層20を形成した(このときの光硬化及び熱硬化条件は上述した引っ張り弾性率測定時の効果条件と同様)。
[コアパターンの形成]
上記で得られた下部クラッド層形成面に、上記で得られた50μm厚みのコアパターン形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度65℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、開口部(50μm×90mm、ピッチ;250μm×12本/組、組のピッチ;6mm×10箇所)を有するネガ型フォトマスクを介して、支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を2500mJ/cmで照射した。その後、支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、未硬化のコアパターン層形成用樹脂を除去し、次いで水洗浄を行った。続いて、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、形成した第1コアパターン4側から紫外線(波長365nm)を3000mJ/cmで照射し光硬化した。次いで160℃で1時間加熱硬化した。得られたコアパターンの厚みは50μmで、幅は50μm、ピッチは250μmであった。
[上部クラッド層の形成]
上記で得られた75μm厚みの第1上部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度90℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、コアパターンの組の間の中央に空洞領域形成用の300μm幅の遮光部(長さ100mm、最外部の組の外側にも遮光部を設けたため遮光部数は11箇所(6mmピッチ))を有するネガ型フォトマスクを介し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、第1上部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を500mJ/cmで照射した。その後、支持フィルムを剥離し、現像液(1%炭酸カリウム水溶液)を用いて、未硬化の第1上部クラッド層形成用樹脂を除去し、次いで水洗浄を行った。続いて、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、形成した第1上部クラッド層側から紫外線(波長365nm)を3000mJ/cmで照射し光硬化した。次いで160℃で1時間加熱硬化した。下部クラッド層表面からの上部クラッド層上面までの高さは83μmであった(空洞領域の高さも83μmであった)。
(第2上部クラッド層及び上側基板の形成)
第2上部クラッド層として熱硬化型接着層(厚さ15μm、硬化後の引っ張り弾性率;1GPa)を全面に有する上側基板84であるポリイミドフィルム(カプトンEN(東レデュポン製)、厚さ12.5μm)(サイズ;95mm×95mm)を、上記で得られた第1上部クラッド層側から真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.1MPa、温度110℃、加圧時間120秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。その後、170℃1時間加熱し、第2上部クラッド層である熱硬化型樹脂層を硬化し、光導波路積層体とした。
(外形加工;光導波路短手方向の加工)
ダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ社製)を用いてコアパターン長が80mmになるように両端面を切断した。
(せん断加工;光導波路長手方向の加工)
得られた光導波路積層体を、両刃の刃を有するピナクル刃型(株式会社蔵持製)を用い、空洞領域の中心部(空洞領域の側壁までの距離150μm)の位置を下側基板80側から刃が入るようにせん断加工し、10本の光導波路を得た。せん断加工時は光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。
実施例2
実施例1において、下部クラッド層もさらにパターン化(第1上部クラッド層に用いたネガ型フォトマスクを使用)し下側基板上面から第2上部クラッド層までの高さの光導波路集合体とし、実施例1と同様にせん断加工した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。せん断加工時は光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
実施例3
実施例1において、第1上部クラッド層に空洞領域を設けなかった以外は同様にして光導波路を作製した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、微視的な亀裂は観察されたがコアパターンにまでは及ばず、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。せん断加工時は光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
実施例4
実施例1において、上側基板側から刃が入るようにせん断加工した以外は同様にして光導波路を作製した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。せん断加工時は光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
実施例5
実施例1において、光導波路の配列奇数番目の組を上側基板側から押されるパンチ側、光導波路の配列偶数番目の組みを下側基板80側から押されるダイ側として、金型によるせん断加工を行った(パンチとダイのクリアランス20μm、クリアランス中心がせん断加工線となる位置)。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。せん断加工時は光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
実施例6〜8
実施例1において、空洞領域の幅を80μm(実施例6)、500μm(実施例7)、1mm(実施例8)にした以外は同様の方法で光導波路を作製した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、いずれも亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であった。せん断加工時はいずれも光導波路の反りはほとんど無くハンドリングが容易であった。
実験例1
実施例1において、第2上部クラッド層及び上側基板を設けなかった以外は同様の方法で光導波路を作製した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂はなく、850nmの光損失もいずれのコアパターンにおいても良好であったが、せん断加工時は光導波路の反りがあり、ハンドリング性が悪かった。
比較例1
実施例3において、第2上部クラッド層及び上側基板を設けなかった以外は同様の方法で光導波路を作製した。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂がコアパターンまで及んでいる光導波路が発生し、光損失も両端のコアパターンの損失が悪い傾向(中央部付近のコアパターンよりも約+0.5dB)があった、せん断加工時は光導波路の反りがあり、ハンドリング性が悪かった。
比較例2
実施例3において、第1上部クラッド層に引っ張り弾性率が1.7GPaのものを用い、上側基板として、実施例3で用いたクラッド層(厚み15μm、引っ張り弾性率;800MPa)を用いた以外は同様の方法で光導波路を作製した。なお、上側基板から刃を入れせん断加工を行った。
(検査)
得られた光導波路を金属顕微鏡(倍率;100倍)で、せん断加工部付近の光導波路を検査したところ、亀裂がコアパターンまで及んでいる光導波路が発生し、光損失も両端のコアパターンの損失が悪い傾向があった(中央部付近のコアパターンよりも約+0.7dB)。
上述の通り、実施例中には、せん断加工によって、1つのせん断加工線の両脇が光導波路となる例を記載したが、例えば光導波路の奇数配列番号を光導波路とし、光導波路の偶数配列番号を切りしろ層とすることもできる。上記の様態は本発明における別の実施の様態として容易に類推できるものである。
以上詳細に説明したように、本発明は、外形加工をし易い光導波路積層体、光導波路及びその製造方法を提供できる。
このため、光素子用の光導波路、光電気変換基板、フレキシブル光導波路、フレキシブル光電気複合基板及びそれらの製造方法等として有用である。
C 外形加工線
10 光導波路
20 下部クラッド層
30 コアパターン
40 第1上部クラッド層
41 第1上部クラッド層の側壁
50 第2上部クラッド層
80 下側基板80(第1基板)
81 下側基板80(第1基板)の他方の表面
82 下側基板80(第1基板)の一方の表面
82a 下側基板80(第1基板)の光導波路範囲
82b 下側基板80(第1基板)の切りしろ層範囲
84 上側基板84(第2基板)
90 切りしろ層
95 空洞領域
100 光導波路積層体

Claims (7)

  1. 一方の表面が光導波路範囲と切りしろ層範囲とを有する第1基板と、
    前記第1基板の一方の表面の光導波路範囲に積層された光導波路であってコアパターンと前記コアパターンを埋設するクラッド層とを有する光導波路と、
    前記光導波路に並ぶように前記第1基板の一方の表面の切りしろ層範囲に積層された切りしろ層と、
    前記光導波路及び前記切りしろ層に積層された第2基板と、を備えた光導波路積層体であって、
    前記第1基板及び前記第2基板は、前記クラッド層より高い弾性率を有し、
    前記光導波路と前記切りしろ層との間の仮想的な外形加工線に沿って、前記第1基板及び前記第2基板と共に前記光導波路積層体のせん断加工を行うことで、前記光導波路と前記切りしろ層とは分離される、光導波路積層体。
  2. さらに、前記第1基板と前記第2基板との間に挟まれ、前記光導波路と前記切りしろ層との間に形成された空洞領域を備えた、請求項1に記載の光導波路積層体。
  3. 前記空洞領域は、前記外形加工線に沿って延在する、請求項2に記載の光導波路積層体。
  4. 前記光導波路は、前記外形加工線から所定の距離をおいた位置に形成された側壁を有する、請求項2又は3に記載の光導波路積層体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の光導波路積層体から光導波路を製造する製造方法であって、
    前記光導波路積層体をせん断加工によって前記外形加工線で第1基板及び第2基板と共に分離される、光導波路の製造方法。
  6. 前記せん断加工が、金型又は刃型による請求項5に記載の光導波路の製造方法。
  7. 請求項5に記載の光導波路の製造方法によって得られた光導波路。
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