JP2016034479A - 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置 - Google Patents

走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016034479A
JP2016034479A JP2015115210A JP2015115210A JP2016034479A JP 2016034479 A JP2016034479 A JP 2016034479A JP 2015115210 A JP2015115210 A JP 2015115210A JP 2015115210 A JP2015115210 A JP 2015115210A JP 2016034479 A JP2016034479 A JP 2016034479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
timing
landing
acceleration
traveling
user
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2015115210A
Other languages
English (en)
Inventor
彰展 佐藤
Akinobu Sato
彰展 佐藤
内田 周志
Chikashi Uchida
周志 内田
大輔 杉谷
Daisuke Sugitani
大輔 杉谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015115210A priority Critical patent/JP2016034479A/ja
Priority to CN201510455381.7A priority patent/CN105318874A/zh
Priority to US14/814,506 priority patent/US10504381B2/en
Publication of JP2016034479A publication Critical patent/JP2016034479A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C21/00Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00
    • G01C21/10Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration
    • G01C21/12Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning
    • G01C21/16Navigation; Navigational instruments not provided for in groups G01C1/00 - G01C19/00 by using measurements of speed or acceleration executed aboard the object being navigated; Dead reckoning by integrating acceleration or speed, i.e. inertial navigation
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09BEDUCATIONAL OR DEMONSTRATION APPLIANCES; APPLIANCES FOR TEACHING, OR COMMUNICATING WITH, THE BLIND, DEAF OR MUTE; MODELS; PLANETARIA; GLOBES; MAPS; DIAGRAMS
    • G09B19/00Teaching not covered by other main groups of this subclass
    • G09B19/003Repetitive work cycles; Sequence of movements
    • G09B19/0038Sports
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V40/00Recognition of biometric, human-related or animal-related patterns in image or video data
    • G06V40/20Movements or behaviour, e.g. gesture recognition
    • G06V40/23Recognition of whole body movements, e.g. for sport training
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2218/00Aspects of pattern recognition specially adapted for signal processing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Entrepreneurship & Innovation (AREA)
  • Educational Administration (AREA)
  • Educational Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Social Psychology (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Navigation (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)

Abstract

【課題】ユーザーに装着されて使用される携帯型の電子機器において、走行時の着地位置の評価を可能とする技術を提供すること。【解決手段】加速度値から走行中のユーザーの着地期間中の減速期を判定することと、前記判定された減速期の間の移動距離を算出することと、を含む走行時着地位置評価方法。【選択図】図1

Description

本発明は、走行時着地位置評価方法等に関する。また、本発明は、ユーザーの着地と離地を検出する検出方法等に関する。また、本発明は、ユーザーの走行運動を評価するための走行運動評価方法等に関する。
ランニング等の運動を行うユーザーの胴体部や腕に装着して使用される携帯型の電子機器が普及している。このような携帯型の電子機器は、加速度センサーやジャイロセンサーといった各種のセンサーを内蔵し、内蔵センサーの検出値を用いて、位置や走行速度、心拍数や歩数、走行ペースといった各種の運動データを算出する機能を備えたものも開発されており、人気が高い(例えば、特許文献1参照)。
また、従来から、走行中のユーザーに装着され、ユーザーの位置情報や速度情報、移動した距離情報等を周期的に計測して表示する携帯機器が知られている。
また、好記録の実現に寄与すること等を目的として、ユーザーが頭部に装着したディスプレイグラスの表示部に、仮想走行者の動画像をバーチャルランナーとして表示する技術も知られている(例えば特許文献2を参照)。
ところで、好記録の達成を目標にランニングに取り組む場合、単に走行中の速度を意識するだけでなく、走行フォーム等の自身の運動状態を意識することが重要である。よいフォームで走れば、好記録の達成が期待できるだけでなく、疲労の蓄積や怪我等の故障のリスクを低減して長時間走ることができるからである。走行中のユーザーに装着されて走行フォームを解析する技術としては、例えば、特許文献3の技術が知られている。
また、例えば、運動状態を評価する指標の1つとして、接地時間が挙げられる。滞空時間を長くすればストライドが伸びるため、結果的に接地時間を短縮することで走行速度の向上が図れると言われている。加えて、接地時間を短くすると、走行時に受ける脚部への負担を軽減できる。したがって、ランナーにとって、接地時間に係る指標(以下、「評価指標値」という)を知ることは、自身の運動状態を意識することにつながり有意義である。
特開2013−140158号公報 特開2014−054303号公報 特開2013−106773号公報
しかしながら、日々のランニングの記録とは別に、走行フォームなどのランニング自体を評価し、ユーザーに報せる一種のコーチング機能があれば便利であり、望まれる。例えば、ランニングを評価する指標の一つとして、走行時の着地位置があり、重心のほぼ真下に着地すること(真下着地)が望ましいとされている。これは、重心より前方に着地した場合にはブレーキ力がかかるが、重心のほぼ真下に着地すると地面からの反力によるブレーキ力が小さくなるためである。また、真下着地の場合には、更に重心の上下方向の移動
が小さくなるという利点もある。こういった点を総合して、真下着地は、エネルギー効率の良いランニングと考えられている。
従来、走行時の着地位置を評価する方法としては、モーションキャプチャーやビデオ撮影、床反力計を用いた方法がある。しかしながら、このような従来の方法では、大がかりなシステムを設置する必要があり、システムが設置された箇所を走行する必要がある。そのため実際にランニングできる場所が限られ、長距離且つ長時間の走行に対する連続的な評価はほぼ不可能であり、一般のランナーが気軽に利用できるものではないという欠点があった。
また、接地時間を算出するには、足の着地及び離地のタイミングを検出する必要がある。ユーザーの身につけたセンサーにより、精度よく着地及び離地のタイミングを検出する具体的な技術は、知られていなかった。
また、運動状態を評価する指標の1つとして、推進効率が挙げられる。推進効率は、加えた力に対しどれだけ前に進むことができたか、より詳細には、接地時の地面反力を無駄なく利用して進行方向に身体を移動させる推進力を得ているかの程度を表す。したがって、進行方向以外の方向への身体の移動を少なくすることで効率よく推進力を得ることができ、離地時の跳び上がりや接地時の沈み込みによる上下方向への移動が少なく、左右方向へのブレが少ないと推進効率は向上すると言える。特に、重力方向である上下方向の移動は、推進効率に大きく影響する。
この点に着目し、例えば特許文献3には、上下方向の移動が少ないかに着目して走行フォームを解析し、身体の動作を診断する旨が記載されている。しかし、実際には、上下方向の移動が少ないかだけでは推進効率の良し悪しを判断することが困難な場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、ユーザーに装着されて使用される携帯型の電子機器において、走行時の着地位置の評価を可能とする技術を提供することができる。
また、本発明のいくつかの態様によれば、ユーザーの離地及び着地のタイミングを高精度に検出する技術を提供することができる。
また、本発明のいくつかの態様によれば、推進効率を反映した新たな指標を提供することができる。
[適用例1]
本適用例に係る走行時着地位置評価方法は、加速度値から走行中のユーザーの着地期間中の減速期を判定することと、前記判定された減速期の間の移動距離を算出することと、を含む。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、加速度値を用いて、ユーザーの走行時の着地位置の評価を行うことができる。大がかりなシステムを用意する必要はない。具体的には、加速度値から走行中のユーザーの着地期間中の減速期を判定し、この減速期の間の移動距離を算出して、走行時の着地位置を評価する。例えば、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、前記ユーザーの着地期間中の減速期を判定してもよい。加速度センサーは、ユーザーの胴体部、つまり重心に近い位置に装着されていてもよい。また、減速期の間の移動距離は、着地したタイミングにおける着地位置とユーザーの重心位置の間の距離に相当する。従って、例えば、ユーザーに装着された加速度センサーの
検出値を用いて、減速期の移動距離を算出できる。減速期の移動距離が小さければ、重心の真下により近い位置に着地したこととなるため、着地位置を評価することができる。
[適用例2]
上記適用例に係る走行時着地位置評価方法において、前記減速期を判定することは、着地タイミング及び立脚中期タイミングを判定することを含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、減速期の開始タイミングとなる着地タイミングと、終了タイミングとなる立脚中期タイミングとを判定することで、減速期が判定される。
[適用例3]
上記適用例に係る走行時着評価方法において、前記立脚中期タイミングを判定することは、鉛直方向の加速度値を用いて前記立脚中期タイミングを判定することを含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、鉛直方向の加速度値を用いて、立脚中期タイミングが判定される。
[適用例4]
上記適用例に係る走行時着地位置評価方法において、前記移動距離を算出することは、前記減速期の長さと前記ユーザーの移動速度とを乗算して前記移動距離を算出することを含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、減速期の長さとユーザーの移動距離とを乗算して、減速期の移動距離が算出される。減速期の長さ及び移動速度は、加速度値を用いて算出できる。
[適用例5]
上記適用例に係る走行時着地位置評価方法は、前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置を検出し、前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置から前記移動距離を算出することを含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、着地タイミングの位置及び立脚中期タイミングの位置を検出し、この検出位置から減速期の移動距離が算出される。
[適用例6]
上記適用例に係る走行時着地位置評価方法は、前記移動距離に応じた報知を行うこと、を更に含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、算出された減速期の移動距離に応じた報知が行われる。これにより、ユーザーは、自身の走行に役立てることができる。
[適用例7]
上記適用例に係る走行時着地位置評価方法において、前記報知を行うことは、過去に算出された前記移動距離と、新たに算出された前記移動距離とを識別表示することを含むようにしても良い。
本適用例に係る走行時着地位置評価方法によれば、過去に算出された移動距離と、新たに算出された移動距離とが識別表示される。ここでいう移動距離は減速期の移動距離のこ
とである。これにより、走行中、リアルタイムに最新の減速期の移動距離を表示更新することができるため、ユーザーは、最新の移動距離を過去の移動距離と比較できる。
[適用例8]
本適用例に係る走行時着地位置評価装置は、加速度値から走行中のユーザーの走行時の着地期間中の減速期を判定する判定部と、前記判定された減速期の間の移動距離を算出する算出部と、を備えている。
本適用例に係る走行時着地位置評価装置によれば、加速度値を用いて、ユーザーの走行時の着地位置の評価を行うことができる。大がかりなシステムを用意する必要はない。具体的には、加速度値から走行中のユーザーの着地期間中の減速期を判定し、この減速期の間の移動距離を算出して、走行時の着地位置を評価する。例えば、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、前記ユーザーの着地期間中の減速期を判定してもよい。加速度センサーは、ユーザーの胴体部、つまり重心に近い位置に装着されていてもよい。また、減速期の間の移動距離は、着地したタイミングにおける着地位置とユーザーの重心位置の間の距離に相当する。従って、例えば、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、減速期の移動距離を算出できる。減速期の移動距離が小さければ、重心の真下により近い位置に着地したこととなるため、着地位置を評価することができる。
[適用例9]
本適用例に係る検出方法は、走行中のユーザーの進行方向加速度を取得することと、前記進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出することと、を含む。
本適用例に係る検出方法によれば、走行中のユーザーの進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出することができる。これによれば、ユーザーの着地のタイミングを高精度に検出することができる。
[適用例10]
上記適用例に係る検出方法において、前記検出することは、前記進行方向加速度の変化から前記着地タイミングを検出することを含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化から着地タイミングを検出することができる。
[適用例11]
上記適用例に係る検出方法において、前記着地タイミングを検出することは、前記進行方向加速度の変化の極大値であって、前記進行方向加速度の変化の最初の極小値の直前の極大値を検出することにより、前記着地タイミングを検出することを含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化の最初の極小値の直前で極大となるタイミングを着地タイミングとして検出することができる。
[適用例12]
上記適用例に係る検出方法は、前記走行中のユーザーの上下方向加速度を取得し、前記進行方向加速度および前記上下方向加速度の少なくとも一方に基づいて、離地タイミングを検出することを含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、ユーザーの進行方向加速度及び上下方向加速度に基づいて、着地タイミングと、離地タイミングとを検出することができる。これによれば、
ユーザーの離地及び着地のタイミングを高精度に検出することができる。
[適用例13]
上記適用例に係る検出方法において、前記検出することは、前記進行方向加速度の変化の極小値であって、当該進行方向加速度が前記上下方向加速度より小さくなった直後の極小値を検出することにより、前記離地タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化及び上下方向加速度の変化から離地タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を行い、進行方向加速度が上下方向加速度より小さくなった直後に極小となるタイミングを離地タイミングとして検出することができる。
[適用例14]
上記適用例に係る検出方法において、前記検出することは、前記上下方向加速度が所定値以上となったことを検出することにより、前記離地タイミングを検出する第2の離地タイミング検出を含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、上下方向加速度が所定値以上となったタイミングを離地タイミングとして検出することができる。
[適用例15]
上記適用例に係る検出方法において、前記離地タイミングを検出することは、前記ユーザーの移動速度に応じて、前記第1の離地タイミング検出による検出結果と、前記第2の離地タイミング検出による検出結果とのうちの何れかを用いて離地タイミングを決定することを含むようにしてもよい。
ユーザーが離地したときの進行方向加速度及び上下方向加速度の変化は、ユーザーの移動速度によってその傾向が異なる。本適用例に係る検出方法によれば、ユーザーの移動速度に応じて、第1の離地タイミング検出による検出結果と第2の離地タイミング検出による検出結果とのうちの何れかを用いて離地タイミングを決定することができる。
[適用例16]
上記適用例に係る検出方法は、前記着地タイミングから前記離地タイミングまでの接地時間、及び前記離地タイミングから前記着地タイミングまでの滞空時間の少なくとも何れか一方を表示部に表示する制御を行うこと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る検出方法によれば、検出した着地タイミングと離地タイミングとに基づいて着地タイミングから離地タイミングまでの接地時間、及び離地タイミングから着地タイミングまでの滞空時間の少なくとも何れか一方を算出し、表示部に表示することができる。
[適用例17]
本適用例に係る検出装置は、走行中のユーザーの進行方向加速度を取得する取得部と、前記進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出する検出部と、を備えている。
本適用例に係る検出装置によれば、走行中のユーザーの進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出することができる。これによれば、ユーザーの着地のタイミングを高精度に検出することができる。
[適用例18]
本適用例に係る走行運動評価方法は、走行運動するユーザーを側面からみた場合における前記ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報を求めることと、前記ユーザーの進行方向の加速度である進行方向加速度を検出することと、前記運動過程情報および前記進行方向加速度を用いて、前記進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出することと、を含む。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、走行運動するユーザーを側面からみた場合における当該ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報および当該ユーザーの進行方向の加速度を用いて、進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出することができる。
[適用例19]
上記適用例に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて着地タイミングを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前後の着地間の進行方向の移動距離及び上下方向の振幅を算出することと、前記移動距離及び前記振幅を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、着地タイミングを判定し、前後の着地間の進行方向の移動距離及び上下方向の振幅を用いて推進効率指標値を算出するができる。
[適用例20]
上記適用例に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて、着地タイミングと、当該着地タイミングの直前の最高地点到達タイミングとを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前記着地タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、着地タイミングと、直前の最高地点到達タイミングとを判定し、その間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を用いて推進効率指標値を算出することができる。
[適用例21]
上記適用例に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて、最低地点到達タイミングと、当該最低地点到達タイミングの直後の最高地点到達タイミングとを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前記最低地点到達タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、最低地点到達タイミングと、直後の最高地点到達タイミングとを判定し、その間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を用いて推進効率指標値を算出することができる。
[適用例22]
上記適用例に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記ユーザーを側面からみた場合における位置情報に基づき、最低地点と最高地点間における軌跡の変曲点を判定することと、前記変曲点における前記軌跡の接線方向を算出することと、前記接線方向を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、最低地点と最高地点との間の軌跡から変曲点を判定し、当該変曲点における接線方向を用いて推進効率指標値を算出することができる。
[適用例23]
上記適用例に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて離地タイミングを判定することと、前記離地タイミングにおける前記進行方向に対する推進力の向きを、前記推進効率指標値として算出することと、を含むようにしてもよい。
本適用例に係る走行運動評価方法によれば、離地タイミングにおける進行方向に対する推進力の相対向きを推進効率指標値として算出することができる。
[適用例24]
本適用例に係る走行運動評価装置は、走行運動するユーザーを側面からみた場合における前記ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報と、前記ユーザーの進行方向の加速度である進行方向加速度とを求める検出部と、前記運動過程情報および前記進行方向加速度を用いて、前記進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出する算出部と、を備えている。
本適用例に係る走行運動評価装置によれば、走行運動するユーザーを側面からみた場合における当該ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報および当該ユーザーの進行方向の加速度を用いて、進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出することができる。
第1実施形態の携帯型電子機器の構成例。 走行サイクルの説明図。 着地タイミングの判定の説明図。 立脚中期タイミングの判定の説明図。 評価結果の表示例。 携帯型電子機器の機能構成図。 着地位置評価データのデータ構成例。 着地位置評価処理のフローチャート。 第2実施形態の第1実施例における走行情報算出システムの全体構成例を示す模式図。 第2実施形態の第1実施例における走行情報算出装置の機能構成例を示すブロック図。 第2実施形態の第1実施例における離着地データのデータ構成例を示す図。 第2実施形態の第1実施例における走行情報算出処理の処理手順を示すフローチャート。 ユーザーの走行速度が高速の場合の着地タイミング及び離地タイミングの検出結果を示す図。 ユーザーの走行速度が低速の場合の着地タイミング及び離地タイミングの検出結果を示す図。 第2実施形態の第2実施例における走行情報算出装置の機能構成例を示すブロック図。 第2実施形態の第2実施例における走行情報算出処理の処理手順を示すフローチャート。 (a)は、着地方法が「つま先着地」の場合の上下方向加速度の変化、(b)は、着地方法が「かかと着地」の場合の上下方向加速度の変化を示す図。 第2実施形態の変形例における走行情報算出装置の機能構成例を示すブロック図。 第3実施形態の第1実施例における走行運動評価システムの全体構成例を示す模式図。 第3実施形態の第1実施例における走行運動評価装置の機能構成例を示すブロック図。 第1の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図。 第2の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図。 走行情報のデータ構成例を示す図。 第3実施形態の第1実施例における走行運動評価処理の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態の第2実施例における走行運動評価装置の機能構成例を示すブロック図。 第3の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図。 第4の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図。 第3実施形態の第2実施例における走行運動評価処理の処理手順を示すフローチャート。 第3実施形態の変形例における走行運動評価装置の機能構成例を示すブロック図。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法は、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、前記ユーザーの着地期間中の減速期を判定することと、前記判定された減速期の間の移動距離を算出することと、を含む。
また、他の実施の形態として、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、前記ユーザーの走行時の着地期間中の減速期を判定する判定部と、前記判定された減速期の間の移動距離を算出する算出部と、を備えた走行時着地位置評価装置を構成してもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法等によれば、ユーザーに装着した加速度センサーの検出値を用いて、ユーザーの走行時の着地位置の評価を行うことができる。大がかりなシステムを用意する必要はない。具体的には、加速度センサーの検出値を用いてユーザーの着地期間中の減速期を判定し、この減速期の間の移動距離を算出して、走行時の着地位置を評価する。加速度センサーは、ユーザーの胴体部、つまり重心に近い位置に装着されている。また、減速期の間の移動距離は、着地したタイミングにおける着地位置とユーザーの重心位置の間の距離に相当する。従って、ユーザーに装着された加速度センサーの検出値を用いて、減速期の移動距離を算出できる。減速期の移動距離が小さければ、重心の真下により近い位置に着地したこととなるため、着地位置を評価することができる。
上記実施の形態に係る走行時着地位置評価方法において、前記減速期を判定することは、着地タイミング及び立脚中期タイミングを判定することを含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、減速期の開始タイミングとなる着地タイミングと、終了タイミングとなる立脚中期タイミングとを判定することで、減速期が判定される。
上記実施の形態に係る走行時着評価方法において、前記立脚中期タイミングを判定することは、鉛直方向の前記検出値を用いて前記立脚中期タイミングを判定することを含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、鉛直方向の加速度センサーの検出値を用いて、立脚中期タイミングが判定される。
上記実施の形態に係る走行時着地位置評価方法において、前記移動距離を算出することは、前記減速期の長さと前記ユーザーの移動速度とを乗算して前記移動距離を算出することを含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、減速期の長さとユーザーの移動距離とを乗算して、減速期の移動距離が算出される。減速期の長さ及び移動速度は、加速度センサーの検出値を用いて算出できる。
上記実施の形態に係る走行時着地位置評価方法は、前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置を検出することと、前記移動距離を算出することは、前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置から前記移動距離を算出することを含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、着地タイミングの位置及び立脚中期タイミングの位置を検出し、この検出位置から減速期の移動距離が算出される。
上記実施の形態に係る走行時着地位置評価方法は、前記移動距離に応じた報知を行うこと、を更に含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、算出された減速期の移動距離に応じた報知が行われる。これにより、ユーザーは、自身の走行に役立てることができる。
より具体的には、上記実施の形態に係る走行時着地位置評価方法において、前記報知を行うことは、過去に算出された前記移動距離と、新たに算出された前記移動距離とを識別表示することを含んでもよい。
本実施の形態に係る走行時着地位置評価方法によれば、過去に算出された移動距離と、新たに算出された移動距離とが識別表示される。ここでいう移動距離は減速期の移動距離のことである。これにより、走行中、リアルタイムに最新の減速期の移動距離を表示更新することができるため、ユーザーは、最新の移動距離を過去の移動距離と比較できる。
本実施の形態に係る検出方法は、ユーザーの胴体部に装着された加速度センサーの検出結果に基づいて、進行方向加速度と、上下方向加速度とを取得することと、前記進行方向加速度及び前記上下方向加速度に基づいて、着地タイミングと、離地タイミングとを検出することと、を含む。
また、他の実施の形態として、ユーザーの胴体部に装着される加速度センサーの検出結果に基づいて、進行方向加速度と、上下方向加速度とを取得する取得部と、前記進行方向加速度及び前記上下方向加速度に基づいて、着地タイミングと、離地タイミングとを検出する検出部と、を備える検出装置を構成してもよい。
本実施の形態に係る検出方法等によれば、ユーザーの胴体部に装着された加速度センサ
ーの検出結果から取得した進行方向加速度及び上下方向加速度に基づいて、着地タイミングと、離地タイミングとを検出することができる。これによれば、ユーザーの離地及び着地のタイミングを高精度に検出することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法において、前記検出することは、前記進行方向加速度の変化から前記着地タイミングを検出することを含んでもよい。
本実施の形態に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化から着地タイミングを検出することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法において、前記着地タイミングを検出することは、前記進行方向加速度の変化の極大値であって、前記進行方向加速度の変化の最初の極小値の直前の極大値を検出することにより、前記着地タイミングを検出することを含んでもよい。
本実施の形態に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化の最初の極小値の直前で極大となるタイミングを着地タイミングとして検出することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法において、前記検出することは、前記進行方向加速度の変化の極小値であって、当該進行方向加速度が前記上下方向加速度より小さくなった直後の極小値を検出することにより、前記離地タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を含んでもよい。
本実施の形態に係る検出方法によれば、進行方向加速度の変化及び上下方向加速度の変化から離地タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を行い、進行方向加速度が上下方向加速度より小さくなった直後に極小となるタイミングを離地タイミングとして検出することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法において、前記検出することは、前記上下方向加速度が所定値以上となったことを検出することにより、前記離地タイミングを検出する第2の離地タイミング検出を含んでもよい。
本実施の形態に係る検出方法によれば、上下方向加速度が所定値以上となったタイミングを離地タイミングとして検出することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法において、前記離地タイミングを検出することは、前記ユーザーの移動速度に応じて、前記第1の離地タイミング検出による検出結果と、前記第2の離地タイミング検出による検出結果とのうちの何れかを用いて離地タイミングを決定することを含んでもよい。
ユーザーが離地したときの進行方向加速度及び上下方向加速度の変化は、ユーザーの移動速度によってその傾向が異なる。本実施の形態に係る検出方法によれば、ユーザーの移動速度に応じて、第1の離地タイミング検出による検出結果と第2の離地タイミング検出による検出結果とのうちの何れかを用いて離地タイミングを決定することができる。
また、上記実施の形態に係る検出方法は、前記着地タイミングから前記離地タイミングまでの接地時間、及び前記離地タイミングから前記着地タイミングまでの滞空時間の少なくとも何れか一方を表示部に表示する制御を行うこと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る検出方法によれば、検出した着地タイミングと離地タイミングとに
基づいて着地タイミングから離地タイミングまでの接地時間、及び離地タイミングから着地タイミングまでの滞空時間の少なくとも何れか一方を算出し、表示部に表示することができる。
本実施の形態に係る走行運動評価方法は、走行運動するユーザーの側面視における運動過程情報を検出することと、前記運動過程情報を用いて、進行方向に対する推進力の相対向きを表す推進効率指標値を算出することと、を含む。
また、他の実施の形態として、走行運動するユーザーの側面視における運動過程情報を検出する検出部と、前記運動過程情報を用いて、進行方向に対する推進力の相対向きを表す推進効率指標値を算出する算出部と、を備えた走行運動評価装置を構成してもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法等によれば、走行運動するユーザーの側面視における運動過程情報を用いて、進行方向に対する推進力の相対向きを表す推進効率指標値を算出することができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記検出することは、前記ユーザーの側面視における位置情報を少なくとも前記運動過程情報に含めて検出することであってもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、ユーザーの側面視における位置(側面視位置)を用いて推進効率指標値を算出することができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて着地タイミングを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前後の着地間の進行方向の移動距離及び上下方向の振幅を算出することと、前記移動距離及び前記振幅を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、着地タイミングを判定し、前後の着地間の進行方向の移動距離及び上下方向の振幅を用いて推進効率指標値を算出するができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて、着地タイミングと、当該着地タイミングの直前の最高地点到達タイミングとを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前記着地タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、着地タイミングと、直前の最高地点到達タイミングとを判定し、その間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を用いて推進効率指標値を算出することができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて、最低地点到達タイミングと、当該最低地点到達タイミングの直後の最高地点到達タイミングとを判定することと、前記運動過程情報を用いて、前記最低地点到達タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、最低地点到達タイミングと、直後の最高地点到達タイミングとを判定し、その間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を用いて推進効率指標値を算出することができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記位置情報に基づき、最低地点と最高地点間における軌跡の変曲点を判定することと、前記変曲点における前記軌跡の接線方向を算出することと、前記接線方向を用いて前記推進効率指標値を算出することと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、最低地点と最高地点との間の軌跡から変曲点を判定し、当該変曲点における接線方向を用いて推進効率指標値を算出することができる。
また、上記実施の形態に係る走行運動評価方法において、前記算出することは、前記運動過程情報を用いて離地タイミングを判定することと、前記離地タイミングにおける前記進行方向に対する推進力の相対向きを、前記推進効率指標値として算出することと、を含んでもよい。
本実施の形態に係る走行運動評価方法によれば、離地タイミングにおける進行方向に対する推進力の相対向きを推進効率指標値として算出することができる。
1.第1実施形態
以下、図面を参照して、本発明の走行時着地位置評価方法及び走行時着地位置評価装置を実施するための一形態について説明する。なお、以下説明する第1実施形態によって本発明の走行時着地位置評価方法及び走行時着地位置評価装置が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の第1実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
[全体構成]
図1は、第1実施形態における携帯型電子機器20の構成例である。この携帯型電子機器20は、ランニングの際にユーザー10の胴体部や腰部に装着して利用される。携帯型電子機器20には、操作スイッチ21やディスプレイ22、スピーカー23等が設けられているとともに、IMU(Inertial Measurement Unit)30と、CPU(Central Processing Unit)やメモリを実装した制御装置(不図示)とを内蔵している。
IMU30は、加速度センサー及びジャイロセンサーを有するセンサーユニットである。加速度センサーは、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系(x,y,z)であるセンサー座標系(ローカル座標系)における加速度を検出する。ジャイロセンサーは、当該センサーに対応付けられた三次元直交座標系(x,y,z)であるセンサー座標系における角速度を検出する。
なお、加速度センサーのセンサー座標系とジャイロセンサーのセンサー座標系とは座標軸が同一として説明するが、異なる場合には、座標変換行列演算を行うことで一方の座標系を他方の座標系に変換することが可能である。座標変換行列演算については、公知の手法を適用することができる。
携帯型電子機器20は、IMU30の計測結果を用いた慣性航法演算を行って、当該機器の位置や速度、姿勢等を算出することができる。また、携帯型電子機器20は、慣性航法演算の算出結果を用いて、ランニングにかかる運動解析機能の一種であるユーザー10の走行時の着地位置の評価が可能な走行時着地位置評価装置でもある。
ここで、移動体座標系、及び、絶対座標系、を定義する。移動体座標系は、ユーザー10に対応付けられた三次元直交座標系(P,Q,R)であり、ユーザー10の進行方向(向き)をR軸正方向、鉛直上方向をQ軸正方向、R軸及びQ軸それぞれに直交するユーザー10の左右方向をP軸、としている。絶対座標系は、例えば地球中心地球固定座標系であるECEF(Earth Centered Earth Fixed)座標系として定められる三次元座標系(X,Y,Z)であり、Y軸正方向が鉛直上方向、X,Z軸が水平方向となっている。
[原理]
(A)走行サイクル
先ず、走行サイクルについて説明する。図2は、一歩分の走行サイクルを示す図であり、走行するユーザー10を側方から見た図である。図2において、ユーザー10の進行方向(R軸正方向)を右方向とし、左から右の順に、ユーザー10の姿勢の遷移を示している。
一歩の走行サイクルは、先ず、図2の左側に示すように、ユーザー10の一方の脚(図2では、右足)が地面に接する「着地」から始まる。このとき、着地位置12は、一般的に、ユーザー10の重心11の前方である。次いで、重心11が前方に移動し、図2の中央に示すように、重心11が着地位置12のほぼ真上となる「立脚中期」に移行する。続いて、重心11が更に前方に移動し、図2の右側に示すように、地面に接していた一方の脚(右足)が地面から離れる「離地」で終わる。
着地のタイミングから離地のタイミングまでが、一歩の着地期間である。また、着地期間のうち、着地から立脚中期までは、着地の反力によってブレーキ力が働く減速期であり、立脚中期から離地までは、着地している脚が地面を蹴ることで推進力が働く加速期である。
(B)着地位置の評価
ランニングでは、ユーザーの重心のほぼ真下に着地すること(以下、「真下着地」という)が望ましいとされている。つまり、図2の左側の着地のタイミングにおいて、ユーザー10の重心11の位置と着地位置12との間の進行方向に沿った距離である重心着地位置間距離Dが短い方がよい。すなわち、この重心着地位置間距離Dが短いほど、着地位置12について“良い”評価となる。
重心着地位置間距離Dは、図2の左側と中央とを比較すると、進行方向に沿った、着地のタイミングでの重心11の位置と立脚中期のタイミングでの重心11の位置との間の距離、すなわち減速期の重心11の移動距離に相当する。また、携帯型電子機器20は、ユーザー10の胴体部、つまり重心11に近い位置に装着されている。このため、携帯型電子機器20の移動距離がユーザー10の重心11の移動距離に相当にするとみなし、重心着地位置間距離Dに相当するとして、減速期における携帯型電子機器20の移動距離をユーザー10の着地位置の評価に用いる。
(C)減速期の判定
減速期における携帯型電子機器20の移動距離を算出するために、先ずは減速期を判定する。本実施形態では、加速度センサー31の検出値(加速度)から、減速期の開始時点である着地のタイミングと、終了時点である立脚中期のタイミングとを判定することで、減速期を判定する。
(C−1)着地の判定
着地のタイミングは、ユーザー10の進行方向に沿った加速度(進行方向加速度;R軸
方向加速度)から判定する。
図3は、一歩分の進行方向加速度のグラフを示す図である。図3では、進行方向加速度のグラフとともに、床反力の大きさのグラフも併せて示している。グラフの横軸は時刻、縦軸は進行方向加速度、及び、床反力、である。このグラフは、加速度センサーを胴体部(腰部)に装着したユーザーが、床反力計を設置した床面上を走行する実験によって得られたものである。
ここで、加速度センサーによって得られる加速度は、当該センサーに対応付けられたセンサー座標系(x,y,z)における加速度である。このセンサー座標系における加速度を移動体座標系における加速度に変換した後の移動体座標系のR軸における加速度が、図3のグラフに示した進行方向加速度となる。なお、センサー座標系から移動体座標系への変換は、慣性航法演算の過程で実施される。
床反力は、脚が地面(床面)に接している状態において生じる力(反力)であり、脚が地面(床面)に接していない状態ではゼロである。つまり、図2のグラフにおいて、床反力の大きさがゼロから増加に転じた時刻t1が着地のタイミングであり、ゼロとなった時刻t3が離地のタイミングである。
また、進行方向加速度は、着地すると、床反力によるブレーキ力が働くことによって、瞬間的に負の方向に大きく変動する。そして、この進行方向加速度のグラフと床反力の大きさのグラフとを比較すると、着地タイミングにおいて進行方向加速度が極大値となっている。つまり、着地から離地までの一歩分の進行方向加速度において、最小値となる時刻t2の直前の極大値の時刻t1が着地タイミングとなる。この極大値を検出することで着地タイミングを判定することができる。
(C−2)立脚中期の判定
立脚中期のタイミングは、鉛直方向の加速度(鉛直方向加速度;Q軸方向加速度)から判定する。
図4は、一歩分の鉛直方向加速度のグラフを示す図である。図4では、鉛直方向加速度のグラフとともに、床反力のグラフも併せて示している。グラフの横軸は時刻、縦軸は、鉛直方向加速度、及び、床反力、である。このグラフは、加速度センサーを胴体部(腰部)に装着したユーザーが、床反力計を設置した床面上を走行する実験によって得られたものである。
ここで、加速度センサーによって得られる加速度は、当該センサーに対応付けられたセンサー座標系(x,y,z)における加速度である。このセンサー座標系における加速度を移動体座標系における加速度に変換した後の移動体座標系のQ軸における加速度が、図4にグラフに示した鉛直方向加速度となる。なお、センサー座標系から移動体座標系への変換は、慣性航法演算の過程で実施される。
床反力は、地面(床面)に対する脚の角度等に応じて変化するが、ユーザーの重心11が着地位置のほぼ真上となる立脚中期の時刻t5において最大値となる。鉛直方向加速度のグラフと床反力のグラフとを比較すると、床反力が最大値となるタイミングと、鉛直方向加速度が最大値となるタイミングとがほぼ一致している。つまり、一歩分の鉛直方向加速度において、最大値となった時刻t5を検出することで、立脚中期のタイミングを判定することができる。
(D)減速期の移動距離
続いて、減速期の移動距離を算出する。具体的には、着地タイミングから立脚中期タイミングまでの時間を、減速期の時間の長さΔTとする。また、着地タイミングでの速度V1と、立脚中期タイミングでの速度V2との平均値を、減速期の速度V(=(V1+V2)/2)、とする。なお、速度V1,V2は、ユーザー10の進行方向に沿った速度とする。そして、算出した減速期の移動速度Vと時間の長さΔTとの積を、減速期における移動距離L(=V×ΔT)、とする。
(E)評価結果の表示
上記のようにして求めた一歩毎(着地から離地までの事象が発生する毎)の減速期における移動距離は、着地位置の評価結果として、例えば、図5(1)に示すようにディスプレイ22に表示される。図5(1)は、評価結果の表示例である。図5(1)では、横軸を移動距離、縦軸を算出回数(度数)としたヒストグラム形式とした表示例を示している。
また、減速期における移動距離を走行中にリアルタイムに算出し、最新の移動距離を過去の移動距離と識別して表示することもできる。このような場合には、図5(2)に示すように、一歩の走行毎に、当該走行の減速期における移動距離を算出し、新たに算出した移動距離に該当する度数を「1」加算して表示を更新するともに、新たに算出した移動距離に該当するグラフ41に所定のマーク42を付加表示したり、このグラフ41を強調表示することができる。
また、減速期における移動距離を算出する度に、数値として表示することとしてもよい。減速期の移動距離が短いほど、重心直下に着地したことを示すため、ユーザーにとっては、これだけでも有意な指標となる。
また、図1に示した携帯型電子機器20の表示機能を担う端末装置を別体とし、携帯型電子機器2と当該端末装置間を無線通信で接続する構成とするならば、当該端末装置に評価結果を表示させることとしてもよい。端末装置は、腕時計型の装置としてもよいし、スマートフォンやタブレット端末として構成してもよい。
[内部構成]
図6は、携帯型電子機器20の機能構成を示すブロック図である。図6によれば、携帯型電子機器20は、IMU30と、操作部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、時計部150と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成される。
IMU30は、加速度センサー31と、ジャイロセンサー32とを有する。加速度センサー31はセンサー座標系の各軸(x軸,y軸,z軸)における加速度を検出する。加速度センサー31によって検出された加速度(センサー座標加速度)は、計測時刻と対応付けて、センサー座標加速度データ331として蓄積記憶される。ジャイロセンサー32は、センサー座標系の各軸(x軸,y軸,z軸)における角速度を検出する。ジャイロセンサー32によって検出された角速度(センサー座標角速度)は、計測時刻と対応付けて、センサー座標角速度データ332として蓄積記憶される。
操作部110は、例えばタッチパネルやボタンスイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。図1の操作スイッチ21がこれに該当する。
表示部120は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。図1のディスプレイ22がこれに
該当する。
音出力部130は、例えばスピーカー等の音出力装置で実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。図1のスピーカー23がこれに該当する。
通信部140は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の無線通信装置や、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、外部装置との通信を行う。
時計部150は、携帯型電子機器20の内部時計であり、水晶発振器等を有する発振回路によって構成され、計時した現在時刻や、指定タイミングからの経過時間等の時間信号を、処理部200に出力する。
処理部200は、例えばCPU等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部110からの操作信号等に基づいて、携帯型電子機器20の全体制御を行う。本実施形態では、処理部200は、慣性航法演算部210と、着地位置評価部220とを有する。
慣性航法演算部210は、IMU30の検出結果(加速度センサー31によって検出されるセンサー座標加速度、及び、ジャイロセンサー32によって検出されるセンサー座標角速度)を用いて、慣性航法演算処理を行って、絶対座標系における位置(絶対座標位置)、速度(絶対座標速度)、及び、姿勢角(絶対座標姿勢角)を算出する。慣性航法演算処理の過程においては、センサー座標系(x,y,z)から移動体座標系(P,Q,R)及び絶対座標系(X,Y,Z)への座標変換が行われる。
詳細に説明する。ユーザーが停止している時に作用する力は重力加速度のみであること、ユーザーが移動を開始した時に作用する力は重力加速度の他には移動方向の加速度のみであることを参照して、IMU30の検出結果から、絶対座標系におけるIMU30の初期の姿勢角(絶対座標姿勢角)を求める。すなわち、初期状態の移動体座標系(P,Q,R)を定義することができ、センサー座標系から移動体座標系への座標変換行列が求められる。よって、ユーザーの移動開始位置を設定後、IMU30の検出結果から移動体座標系の移動速度ベクトルを随時算出し、これを継ぎ足し積算していくことで慣性航法演算を実現する。移動開始位置を絶対座標系上で指定することで、絶対座標系における走行中の位置及び速度が求められることになる。
また、ジャイロセンサー32の検出値を用いて絶対座標姿勢角を随時修正することで、ユーザーの向きを随時把握できるため、移動体座標系を随時更新して、慣性航法による演算結果として、ユーザーの移動中の絶対座標位置、絶対座標速度、及び、絶対座標姿勢角が得られる。
しかし、走行中の移動体座標系のR軸方向(図1参照)は、走行中のユーザー10の体の向きに応じて変化するものとなる。具体的には、走行する際、ユーザー10は、左右の順で脚を繰り出すため、腰を含む胴体部を左右交互にねじって進行する。つまり、胴体部の向きが左右に振れるため、胴体部の向きをR軸方向とする移動体座標系は、ヨー角が周期的に変化することになる。この結果、単純に移動体座標系で求めた移動速度ベクトルを継ぎ足すように積算していくと、絶対座標位置、絶対座標速度、及び、絶対座標姿勢角に誤差が混入し、正確に求められない。
そこで、胴体部の左右の回転(ねじり)をノイズとみなして、慣性航法による演算結果の誤差を補正する補正処理を行って移動体座標系を補正する。具体的には、状態ベクトル
Xを、絶対速度ベクトル、絶対座標姿勢角、絶対座標位置及びヨー角の各値の変化分(前回値と今回値との差:誤差)とし、観測値Zを、ジャイロセンサー32の検出値から求まるヨー角の変化とするカルマンフィルター処理を適用して、絶対座標速度、絶対座標姿勢角、及び、絶対座標位置を補正する。この補正処理の結果、ヨー角の変化が抑えられ、ユーザー10の進行方向、すなわち移動体座標系のR軸方向が補正される。本実施形態では、慣性航法演算部210は、従来手法の慣性航法演算に、このカルマンフィルターによる補正処理を組み込んだ演算処理を随時実行することとする。以下では単に「慣性航法演算」或いは「慣性航法演算処理」と称するが、何れも上記補正処理を組み込んだ処理のことである。
慣性航法演算部210による慣性航法演算の演算結果は、慣性航法演算データ340として記憶される。慣性航法演算データ340は、絶対座標系における各時刻の速度、位置、及び、姿勢角のデータである絶対座標速度データ344、絶対座標位置データ345、及び、絶対座標姿勢角データ346と、移動体座標系における各時刻の加速度、速度、及び、位置のデータである移動体座標加速度データ341、移動体座標速度データ342、及び、移動体座標位置データ343と、を含んでいる。
着地位置評価部220は、着地判定部221と、立脚中期判定部222と、減速期時間算出部223と、減速期速度算出部224と、減速期移動距離算出部225と、評価結果表示制御部226とを有し、IMU30の検出結果を用いたユーザー10の着地位置の評価を行う。
着地判定部221は、加速度センサー31の検出値をもとに、着地タイミングを判定する。すなわち、一歩分の進行方向加速度における最小値の直前の極大値の時刻を、着地タイミングとして判定する(図3参照)。ここで、進行方向加速度は、移動体座標加速度データ341のR軸における加速度として記憶されている。
立脚中期判定部222は、加速度センサー31の検出値をもとに、立脚中期タイミングを判定する。すなわち、一歩分の鉛直方向加速度における最大値の時刻を、立脚中期タイミングと判定する(図4参照)。ここで、鉛直方向加速度は、移動体座標加速度データ341のQ軸における加速度として記憶されている。
減速期時間算出部223は、着地判定部221によって判定された着地タイミングの時刻から、立脚中期判定部222によって判定された立脚中期タイミングの時刻までの時間を、減速期の長さΔTとして算出する。
減速期速度算出部224は、着地タイミングの速度V1と、立脚中期タイミングの速度V2との平均速度を、減速期の速度Vとして算出する。このときの速度V1,V2は、ユーザー10の進行方向に沿った速度であり、移動体座標速度データ342のR軸における速度として記憶されている。
減速期移動距離算出部225は、減速期時間算出部223によって算出された減速期の時間の長さΔTと、減速期速度算出部224によって算出された速度Vとの積を、減速期の移動距離Lとして算出する。
減速期移動距離算出部225によって算出された減速期の移動距離は、着地位置の評価結果として、着地位置評価データ350として蓄積記憶される。図7は、着地位置評価データ350のデータ構成例である。図7によれば、着地位置評価データ350は、一歩毎の計測である計測番号351に対応付けて、減速期間の開始タイミングである着地タイミング352、及び、減速期間の終了タイミングである立脚中期タイミング353と、減速
期間の時間の長さ354と、速度355と、移動距離356とを格納している。
評価結果表示制御部226は、着地位置評価データ350をもとに、着地位置の評価結果を表示部120へ表示する制御を行う。この評価結果の表示は、走行終了後に行うこととしても良いし(図5(1)参照)、或いは、走行中にリアルタイムに一歩毎に更新表示することとしても良い(図5(2)参照)。
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で実現され、処理部200が携帯型電子機器20を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や、IMU30からのセンサーデータ等が一時的に格納される。
本実施形態では、記憶部300には、慣性航法演算プログラム310と、着地位置評価プログラム320と、センサーデータ330と、慣性航法演算データ340と、着地位置評価データ350とが記憶される。センサーデータ330は、センサー座標加速度データ331と、センサー座標角速度データ332とを含む。慣性航法演算プログラム310は、処理部200を慣性航法演算部210として機能させるためのプログラムであり、着地位置評価プログラム320は、処理部200を着地位置評価部220として機能させるためのプログラムである。
[処理の流れ]
図8は、着地位置評価処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、着地位置評価部220が着地位置評価プログラム320に従って実行する処理であり、携帯型電子機器20を装着したユーザー10によって、走行開始前に評価開始指示がなされることで実行が開始される。
先ず、加速度センサーの検出値(加速度)から、一歩の着地期間の終了を判定する。ユーザーの何れの足も着地していない滞空期間における加速度の変動は、何れかの足が着地している着地期間における加速度の変動と比較して小さい。このことから、加速度の変動から、着地期間と滞空期間とを区別して判定することができる。一歩の着地期間の終了を判定すると(ステップS1:YES)、当該終了した一歩の走行について着地位置の評価を行う。
すなわち、着地判定部221が、当該終了した一歩分の進行方向加速度から、着地タイミングを判定する(ステップS3)。また、立脚中期判定部222が、当該終了した一歩分の鉛直方向加速度から、立脚中期タイミングを判定する(ステップS5)。次いで、減速期時間算出部223が、判定された着地タイミングから立脚中期タイミングまでを、減速期の時間の長さΔTとして算出する(ステップS7)。また、減速期速度算出部224が、例えば着地タイミングでの速度V1と、立脚中期タイミングでの速度V2との平均速度を、減速期の速度Vとして算出する(ステップS9)。そして、減速期移動距離算出部225が、算出された減速期の時間の長さΔTと速度Vとの積を、減速期の移動距離として算出する(ステップS11)。
その後、着地位置評価部220は、評価終了指示がなされたかを判断する。評価終了指示がなされていないならば(ステップS13:NO)、ステップS1に戻る。評価終了指示がなされたならば(ステップS13:YES)、評価結果表示制御部226が、評価結果の表示を行う(ステップS15)。以上の処理を行うと、着地位置評価部220は、本処理を終了する。
[作用効果]
このように、第1実施形態の携帯型電子機器20によれば、その他の外部装置を使用することなく、加速度センサー31の検出値(加速度)から、走行時の着地位置の評価を行うことができる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)位置検知による移動距離の算出
上述の実施形態では、減速期における移動距離を、減速期における時間の長さΔTと移動速度Vとの積として算出することとしたが、位置検出によって算出することとしても良い。具体的には、慣性航法演算によって、携帯型電子機器20の位置が算出されている。この慣性航法演算によって得られた、着地タイミング及び立脚中期タイミングそれぞれにおける位置P1,P2を取得し、この位置P1,P2間の距離を、減速期における移動距離Lとする。
(B)マンマシンインターフェース機能
上述の実施形態で説明した携帯型電子機器20のマンマシンインターフェース機能を有する装置を設けることとしてもよい。具体的には、例えば、表示部120に相当する機能を有する端末装置を腕時計型の装置として実現し、携帯型電子機器20と無線通信で通信接続させる。そして、着地位置評価部220による評価結果を、随時端末装置に表示させることとしてもよい。また、表示部120のみならず、操作部110や音出力部130に相当する機能を当該端末装置に設けてもよい。
2.第2実施形態
以下、図面を参照して、本発明の検出方法及び検出装置を実施するための一形態について説明する。第2実施形態では、検出装置が組み込まれた走行情報算出システムを例示する。なお、以下説明する第2実施形態によって本発明の検出方法及び検出装置が限定されるものではなく、本発明の検出方法及び検出装置を適用可能な形態が以下の第2実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
(第1実施例)
先ず、第2実施形態の第1実施例について説明する。図9は、第2実施形態の第1実施例の走行情報算出装置3を備えた走行情報算出システムの全体構成例を示す模式図である。走行情報算出装置3は、別体の表示装置5とともに走行中のユーザー1に携帯されて使用される小型電子機器である。これら走行情報算出装置3と表示装置5とは無線通信によるデータの送受が可能に構成されており、例えば、図9に示すように、走行情報算出装置3がユーザー1の胴体部(例えば、右腰又は左腰)に装着され、表示装置5がユーザー1の腕(右腕又は左腕)に装着される。
走行情報算出装置3は、筺体前面等に配設されたボタンスイッチ61やディスプレイ62を適宜備えるとともに、慣性計測ユニットとして知られるIMU33を搭載している。IMU33は、加速度センサー431と、ジャイロセンサー433とを備えたセンサーユニットであり、各センサー431,433に対応付けられた同一の三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)の各軸方向の加速度及び各軸回りの角速度を検出する。このローカル座標系の3軸を、x軸、y軸、及びz軸と表記する。
この走行情報算出装置3は、加速度センサー431によってローカル座標系で計測され
た加速度ベクトル(ローカル座標加速度ベクトル)を、ユーザー1に対応付けられた三次元直交座標系の移動体座標系に座標変換して移動体座標加速度ベクトルを算出する。移動体座標系は、例えばユーザー1の前方を正とする前後方向(進行方向)、右方を正とする左右方向、及び鉛直下方を正とする重力方向(上下方向)によって定義された座標系である。この移動体座標系において、進行方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸と表記する。
実際の処理としては、走行を開始する前のユーザー1が停止している状態のときに加速度センサー431によって検出された加速度ベクトルの方向(重力方向)をZ軸方向の正方向(下方向)とする。また、ユーザー1が走行を開始し、停止状態から一歩踏み出したときの加速度ベクトルの方向をX軸方向の正方向(進行方向)とする。そして、これらZ軸方向及びX軸方向と直交する方向をY軸方向(左右方向)としてローカル座標系から移動体座標系への座標変換行列を求めて、移動体座標系の初期設定を行う。
以降は、ジャイロセンサー433の検出値を用いて、移動体座標系を随時補正することができる。また、走行時は、左右の順で脚を繰り出し、腰を含む胴体部を左右交互にねじって進行するため、この胴体部の左右の回転(ねじり)をノイズとみなし、このノイズを低減するためのカルマンフィルター処理を適用して移動体座標系(特に進行方向(X軸方向))を随時補正することとしてもよい。
そして、走行情報算出装置3は、移動体座標加速度ベクトルに含まれる進行方向の加速度(移動体座標加速度ベクトルのX軸成分)を進行方向加速度、上下方向の加速度(移動体座標加速度ベクトルのZ軸成分)を上下方向加速度としてこれらに基づき着地タイミングと離地タイミングとを検出し、所定の評価指標値を算出して表示装置5に送信する。第1実施例では、検出した着地タイミングと離地タイミングとに基づいて、例えば、着地タイミングから離地タイミングまでの接地時間、離地タイミングから着地タイミングまでの滞空時間、及び接地時間に対する滞空時間の比率(接地滞空時間比)の各値を評価指標値として算出する。
また、走行情報算出装置3は、移動体座標加速度ベクトルを積分して速度ベクトル(移動体座標速度ベクトル)を算出し、ユーザー1の移動速度(走行速度)を随時算出したり、走行開始時から移動した距離(走行距離)を随時算出して表示装置5に送信する。ここで、「積分」とは、所定の単位時間分の値を累積的に加算することを意味する。走行速度や走行距離は、走行データの一例である。
表示装置5は、走行情報算出装置3から送信された評価指標値や走行データを受信して表示するためのものであり、本体ケース51の前面(ユーザー1が装着したときに外向きになる面)に配設された表示部53を備える。その他、図示しないが、表示装置5は、本体ケース51の適所に配設されたボタンスイッチやスピーカー、表示部53の表示画面と一体形成されたタッチパネル等を備える。なお、走行データ等を、走行情報算出装置3のディスプレイ62にも表示することとしてもよい。
[機能構成]
図10は、第1実施例における走行情報算出装置3の機能構成例を示すブロック図である。図10に示すように、走行情報算出装置3は、操作部410と、表示部420と、IMU33と、GPSモジュール440と、通信部450と、処理部460と、記憶部470とを備える。
操作部410は、ボタンスイッチやレバースイッチ、ダイヤルスイッチ等の各種スイッチ、タッチパネル等の入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた操作信
号を処理部460に出力する。図9では、ボタンスイッチ61がこれに該当する。
表示部420は、LCD(Liquid Crystal Display)やELディスプレイ(Electroluminescence display)等の表示装置によって実現されるものであり、処理部460から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。図9では、ディスプレイ62がこれに該当する。
IMU33は、加速度をローカル座標系で計測する加速度センサー431と、角速度をローカル座標系で計測するジャイロセンサー433とを備える。これらのセンサー431,433には、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の技術を利用したMEMSセンサーが用いられる。
GPSモジュール440は、測位用衛星であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号をGPSアンテナ441によって受信し、受信したGPS衛星信号に基づきユーザー1の位置を計測して随時処理部460に出力する。なお、このGPSモジュール440は必須の構成ではないため、図10では破線で示している。
通信部450は、無線通信を利用して外部の装置と無線接続するための通信装置である。第1実施例では、この通信部450を介して評価指標値や走行データが随時表示装置5に送信され、表示部53(図9を参照)に表示される。これにより、ユーザー1は、評価指標値や走行データを手元で確認しながら走行することができる。
処理部460は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の制御装置及び演算装置によって実現されるものであり、取得部としての座標変換部461と、検出部としての着地タイミング検出部462及び離地タイミング検出部463と、評価指標値算出部464と、走行データ算出部465とを備える。なお、処理部460を構成する各部は、専用のモジュール回路等のハードウェアで構成することとしてもよい。
座標変換部461は、IMU33による計測結果に対して所定の座標変換演算を行い、ローカル座標加速度ベクトルから移動体座標加速度ベクトルを求める。
着地タイミング検出部462は、進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出する。着地タイミング検出部462は、進行方向加速度の変化から着地タイミングを検出してもよい。一方、離地タイミング検出部463は、進行方向加速度および上下方向加速度の少なくとも一方に基づいて、離地タイミングを検出する。離地タイミング検出部463は、ユーザー1の走行速度に応じて第1の離地タイミング検出と第2の離地タイミング検出とを切り替えて行ってもよい。例えば、離地タイミング検出部463は、ユーザー1の走行速度が所定の基準速度(例えば、5[m/s])以上の場合には、進行方向加速度の変化と上下方向加速度の変化とから着地タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を行う。ユーザー1の走行速度が基準速度未満の場合は、離地タイミング検出部463は、上下方向加速度の変化から離地タイミングを検出する第2の離地タイミング検出を行う。
評価指標値算出部464は、着地タイミング検出部462によって検出された着地タイミングと、離地タイミング検出部463によって検出された離地タイミングとに基づいて、評価指標値として例えば接地時間、滞空時間、及び接地滞空時間比を算出する。
走行データ算出部465は、ユーザー1の走行速度と、走行距離とを走行データとして
算出する。具体的には、走行データ算出部465は、単位時間分の移動体座標加速度ベクトルを積分することで、その単位時間の間における移動体座標系での速度ベクトルを算出することで、現在の走行速度を得る。また、走行データ算出部465は、算出した走行速度に単位時間を乗じてその単位時間の間の走行距離を算出し、前回算出した走行距離に加算することで現在の走行距離を得る。
記憶部470は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク等の記憶媒体により実現されるものである。記憶部470には、走行情報算出装置3を動作させ、この走行情報算出装置3が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。
この記憶部470には、処理部460を座標変換部461、着地タイミング検出部462、離地タイミング検出部463、評価指標値算出部464、及び走行データ算出部465として機能させ、走行情報算出処理(図12を参照)を行うための走行情報算出プログラム471が記憶される。
また、記憶部470には、移動体座標加速度ベクトルデータ472と、離着地データ473と、走行データ474とが記憶される。
移動体座標加速度ベクトルデータ472には、単位時間毎に座標変換部461によって算出される移動体座標加速度ベクトルが時系列に記憶される。この移動体座標加速度ベクトルデータ472は、最新の過去所定秒数分の移動体座標加速度ベクトルを保持可能なリングバッファー等で構成される。走行情報算出処理では、足が地面から離れた滞空時を検出タイミングと判定し、その都度直近の離着地のタイミングを検出する。
離着地データ473は、所定の検出タイミング毎に着地タイミング検出部462及び離地タイミング検出部463によって検出され、評価指標値算出部464によって算出される着地及び離地のタイミングと評価指標値とが時系列で記憶される。図11は、第1実施例における離着地データ473のデータ構成例を示す図である。図11に示すように、離着地データ473は、着地タイミングと、離地タイミングと、接地時間、滞空時間、及び接地滞空時間比の各評価指標値とが対応付けられたデータテーブルである。ここで、接地時間は、対応する着地タイミングから離地タイミングまでの時間とする。一方、滞空時間は、例えば、前回検出した離地タイミングから今回検出した着地タイミングまでの時間とする。例えば、レコードD31の滞空時間Td3は、離地タイミングの前回値であるレコードD32の離地タイミングTb2から、レコードD31の着地タイミングTa3までの時間として算出される。
走行データ474には、単位時間毎に走行データ算出部465によって算出されるユーザー1の走行速度と走行距離とが時系列に記憶される。
[処理の流れ]
図12は、第1実施例における走行情報算出処理の処理手順を示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部460が記憶部470から走行情報算出プログラム471を読み出して実行することで実現できる。
走行情報算出処理は、例えば、操作部410を介して走行開始操作がなされると開始される。先ず、座標変換部461が、IMU33による計測結果に基づいてローカル座標加速度ベクトルを移動体座標加速度ベクトルに座標変換し、移動体座標加速度ベクトルデー
タ472に蓄積記憶する処理を開始する(ステップS1)。その後は、走行終了操作がなされるまで、単位時間毎にループAの処理を繰り返し実行する(ステップS3〜ステップS21)。
ループAでは先ず、走行データ算出部465が、前回ループAの処理を行ってからの単位時間分の移動体座標加速度ベクトルに従って、ユーザー1の現在の走行速度と走行距離とを算出する(ステップS5)。
続いて、処理部460が、検出タイミングか否かを判定する(ステップS7)。ユーザー1が走行しているときの上下方向加速度は、足が接地している間は着地及び蹴り出しの動作によって大きく変動し、足が地面から離れている滞空時は所定値(例えば「0」)近傍の値を保って推移する。ステップS7では、滞空時を検出して検出タイミングと判定する。例えば、処理部460は、前回検出タイミングと判定してから現在時刻までの上下方向加速度の変化に基づいて、上下方向加速度が大きく変動した期間を経て現在の上下方向加速度が「0」の近傍を所定の変動量以下で推移している場合に、検出タイミングと判定する(ステップS7:YES)。
そして、検出タイミングでは、着地タイミング検出部462が、前回の検出タイミングから現在時刻までを対象期間とし、対象期間内の進行方向加速度の変化から着地タイミングを検出する(ステップS9)。例えば、着地タイミング検出部462は、対象期間内の進行方向加速度の変化から極値を検出し、最初の極小値の直前の極大値の時刻を着地タイミングとする。
続いて、離地タイミング検出部463が、ステップS5で算出したユーザー1の走行速度の高低を判定する(ステップS11)。そして、離地タイミング検出部463は、基準速度以上の場合は高速と判定し、ステップS13に移行して第1の離地タイミング検出を行う。第1の離地タイミング検出では、離地タイミング検出部463は先ず、対象期間内の進行方向加速度及び上下方向加速度の変化に基づいて、進行方向加速度が上下方向加速度より小さくなった時刻を特定する。そして、進行方向加速度の変化から、特定した時刻の直後の極小値を検出して、その時刻を離地タイミングとする。
一方、離地タイミング検出部463は、基準速度未満の場合は低速と判定し、ステップS15に移行して第2の離地タイミング検出を行う。第2の離地タイミング検出では、離地タイミング検出部463は、ステップS9で着地タイミングとした時刻以降の上下方向加速度の変化から、上下方向加速度が所定値「0」以上となった時刻を離地タイミングとして検出する。
続いて、評価指標値算出部464が、接地時間、滞空時間、及び接地滞空時間比を算出する(ステップS17)。
その後、処理部460が、ステップS17で算出した評価指標値をステップS5で算出した走行データとともに表示装置5の表示部53に表示する制御を行う(ステップS19)。また、ステップS7において検出タイミングではないと判定した場合は(ステップS7:NO)、処理部460は、ステップS5で算出した走行データを表示装置5の表示部53に表示する制御を行う(ステップS21)。ここでの処理は、ステップS19では評価指標値及び走行データを、ステップS21では走行データを通信部450を介して表示装置5に送信し、これを受信した表示装置5が評価指標値や走行データを表示部53に表示させることによって行う。なお、評価指標値や走行データの表示の仕方は特に限定されるものではなく、最新の値を表示するものであってもよいし、走行開始からの経時変化を表示するようにしてもよい。以上の処理によって、1回のループAの処理を終える。
実際に、ユーザー1が走行情報算出装置3を装着して走行し、併せて床反力計を用いた計測を行って、走行情報算出装置3による着地タイミング及び離地タイミングの検出結果を検証した。図13は、ユーザー1の走行速度が高速の場合(例えば、5[m/s]以上)の着地タイミング及び離地タイミングの検出結果を示す図である。図13中、ある1回の着地タイミング及び離地タイミングの検出に際し参照した対象期間における進行方向加速度の変化L11と、上下方向加速度の変化L13と、床反力の変化L15とを示している。床反力が0から上昇し始める時刻が着地タイミングTaであり、上昇した床反力が0まで減少した時刻が離地タイミングTbである。
上記したように、着地タイミング検出部462は、対象期間内の進行方向加速度の変化L11から最初の極小値V111の直前の極大値V113を検出し、その時刻を着地タイミングとする。このようにして検出した着地タイミングは、床反力の変化L15が示す着地タイミングTaとよく一致している。
また、離地タイミング検出部463は、ユーザー1の走行速度が高速の場合は第1の離地タイミング検出を行い、先ず、図13中に一点鎖線で囲って示す進行方向加速度が上下方向加速度より小さくなった時刻を特定する。そして、特定した時刻の直後の極小値V13を検出し、その時刻を離地タイミングとする。この離地タイミングについても、床反力の変化L15が示す離地タイミングTbとよく一致している。
一方、図14は、ユーザー1の走行速度が低速の場合(例えば、5[m/s]未満の3.5[m/s])の着地タイミング及び離地タイミングの検出結果を示す図である。図14中、ある1回の着地タイミング及び離地タイミングの検出に際し参照した対象期間における進行方向加速度の変化L21と、上下方向加速度の変化L23と、床反力の変化L25とを示している。
着地タイミング検出部462は、ユーザー1の走行速度が高速の場合と同様に、対象期間内の進行方向加速度の変化L21から最初の最小値V211の直前の極大値V213を検出し、その時刻を着地タイミングとする。このようにして検出した着地タイミングは、床反力の変化L25が示す着地タイミングTaとよく一致している。
また、離地タイミング検出部463は、ユーザー1の走行速度が低速の場合は第2の離地タイミング検出を行う。そして、着地タイミングとした極大値V213の時刻以降の上下方向加速度の変化L23から、図14中に二点鎖線で囲って示す上下方向加速度が所定値「0」以上となった時刻を離地タイミングとして検出する。離地タイミングについても、床反力の変化L25が示す離地タイミングTbとよく一致している。
以上説明したように、第1実施例によれば、走行中のユーザー1の着地タイミングと離地タイミングとを高精度に検出することができる。また、検出した着地タイミングと離地タイミングとから接地時間、滞空時間、及び接地滞空時間比を算出することができるので、これらの各値を精度よく求め、ユーザー1に提示することが可能となる。ユーザー1にとっては、接地時間、滞空時間、及び接地滞空時間比の各値を走行フォームの改善に役立てる等、自身の運動状態を意識しながら走行することが可能となる。
(第2実施例)
次に、第2実施形態の第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同様の部分については同一の符号を付する。
図15は、第2実施形態の第2実施例における走行情報算出装置3aの機能構成例を示
すブロック図である。図15に示すように、走行情報算出装置3aは、操作部410と、表示部420と、IMU33と、GPSモジュール440と、通信部450と、処理部460aと、記憶部470aとを備える。
第2実施例では、処理部460aは、座標変換部461と、着地タイミング検出部462と、離地タイミング検出部463と、評価指標値算出部464と、走行データ算出部465と、着地方法判別部466aとを備える。着地方法判別部466aは、上下方向加速度の変化から、着地の仕方(着地方法)がつま先に近い部分で着地する「つま先着地」なのか、かかとで着地する「かかと着地」なのかを判別する。
また、記憶部470aには、走行情報算出プログラム471aと、移動体座標加速度ベクトルデータ472と、離着地データ473aと、走行データ474とが記憶される。走行情報算出プログラム471aは、処理部460aを座標変換部461、着地タイミング検出部462、離地タイミング検出部463、評価指標値算出部464、走行データ算出部465、及び着地方法判別部466aとして機能させ、走行情報算出処理(図16を参照)を行うためのプログラムである。また、離着地データ473aには、図11に示した離着地データ473の着地タイミング、離地タイミング、及び評価指標値に加えて、着地方法判別部466aによって判別された着地方法がさらに対応付けられて時系列で記憶される。
[処理の流れ]
図16は、第2実施例における走行情報算出処理の処理手順を示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部460aが記憶部470aから走行情報算出プログラム471aを読み出して実行することで実現できる。
第2実施例の走行情報算出処理では、ステップS17に続き、着地方法判別部466aが、対象期間内の上下方向加速度の変化に基づいて、その着地方法を「つま先着地」又は「かかと着地」として判別する(ステップS191)。
最近の研究で、「つま先着地」が「かかと着地」に比べて怪我等の故障のリスクが低いとする論文が発表されたことから、走行中の着地方法に対する注目が高まっている。図17(a)は、ある1回の着地タイミング及び離地タイミングの検出に際し参照される対象期間に着目した「つま先着地」の場合の上下方向加速度の変化L31を示す図である。また、図17(b)は、「かかと着地」の場合の上下方向加速度の変化L33を示す図である。図17(a)に示すように、「つま先着地」の場合、1回の離着地に伴う上下方向加速度の変化L31には最小値でもある極小値V3よりも前に極値が存在せず、上下方向加速度の値が所定値「0」から下降して再び「0」に上昇するまでの変化波形が単峰性を有する。これに対し、図17(b)に示す「かかと着地」の場合、極小値V4よりも前に極値V43が存在し、上下方向加速度の値が「0」から下降して再び「0」に上昇するまでの変化波形が多峰性を有している。
図16のステップS191では、着地方法判別部466aは、対象期間内の上下方向加速度の値が所定値「0」から下降して再び0に上昇するまでの変化波形が単峰性を有する場合は着地方法を「つま先着地」と判別し、多峰性を有する場合は着地方法を「かかと着地」と判別する。
その後、処理部460aが、ステップS191で判別した着地方法を、ステップS5で算出した走行データ及びステップS17で算出した評価指標値とともに表示装置5の表示部53に表示する制御を行う(ステップS193)。
以上説明したように、第2実施例によれば、第1実施例と同様の効果を奏するとともに、さらに、着地方法が「つま先着地」なのか「かかと着地」なのかを判別することが可能となり、判別結果をユーザー1に提示することが可能となる。
なお、上記した第2実施形態で説明した走行情報算出システムの構成は一例であって、適宜変更してよい。図18は、第2実施形態の変形例における走行情報算出システムの構成例を示すブロック図である。図18中、第1実施例と同様の部分については同一の符号を付している。
本変形例の走行情報算出システムは、走行情報算出装置71bと、計測装置73bとで構成され、走行情報算出装置71bがユーザー1の腕(右腕又は左腕)に、別体の計測装置73bがユーザー1の胴体部(例えば、右腰又は左腰)にそれぞれ装着されて使用される。
計測装置73bは、加速度センサー431と、ジャイロセンサー433とを備えたIMU33を搭載している。この計測装置73bは、走行情報算出装置71bとの間で無線通信によるデータの送受が可能に構成されており、IMU33による計測結果を随時走行情報算出装置71bに送信する。
一方、走行情報算出装置71bは、第1実施例の走行情報算出装置3と同様に、操作部410と、表示部420と、通信部450と、処理部460と、記憶部470とを備える。そして、処理部460は、座標変換部461と、着地タイミング検出部462と、離地タイミング検出部463と、評価指標値算出部464と、走行データ算出部465とを備える。また、記憶部470には、走行情報算出プログラム471と、移動体座標加速度ベクトルデータ472と、離着地データ473と、走行データ474とが記憶される。第2実施例と同様に、処理部460が着地方法判別部466aをさらに備え、離着地データ473にかえて離着地データ473aが記憶部470に記憶された構成としてもよい。
また、上記した第2実施形態で例示した接地時間や滞空時間、接地滞空時間比の他にも、ストライドや接地距離、滞空距離等を評価指標値として算出し、表示部53に表示するようにしてもよい。ストライドは、例えば、前回の離地タイミングから、今回の離地タイミングまでのユーザー1の走行距離として算出する。また、接地距離は、例えば、今回の着地タイミングから、今回の離地タイミングまでのユーザー1の走行距離として算出する。また、滞空距離は、例えば、前回の離地タイミングから、今回の着地タイミングまでのユーザー1の走行距離として算出する。あるいは、滞空距離は、ストライドから接地距離を減算して求めてもよい。
また、ユーザー1の走行速度に関わらず、第1の離地タイミング検出及び第2の離地タイミング検出の両方を行うようにしてもよい。そして、第1の離地タイミング検出の結果から求めた接地時間と、第2の離地タイミング検出の結果から求めた接地時間との差が十分に小さい場合(例えば、差分の絶対値が0.02[s]未満等)には、これら接地時間の平均値を最終的な接地時間の値として算出し、表示部53に表示するようにしてもよい。
また、上記した第2実施形態では、走行データとしてユーザー1の走行速度と走行距離とを随時算出し、表示部53に表示することとしたが、走行データとしてユーザー1の位置を算出し、表示部53に表示する構成としてもよい。例えば、慣性航法を利用してユーザー1の位置を自律的に測位し、走行データとして表示するようにしてもよい。この場合には、IMU33による計測結果を用いて公知の慣性航法演算処理を行い、ECEF(Earth Center Earth Fixed)座標系等として定義される絶対座標系でのユーザー1の位置を
随時算出する。あるいは、走行情報算出装置3等が図10中に破線で示したGPSモジュール440を備えている場合には、GPSモジュール440の計測結果をユーザー1の位置とし、走行データに含めて表示する構成としてもよい。
また、走行情報算出装置3等がGPSモジュール440を備えている場合には、その計測結果から接地距離や滞空距離を算出することともできる。すなわち、着地タイミング及び離地タイミングにおけるGPSモジュール440の計測結果に基づいて、各タイミングにおけるユーザー1の位置から接地距離や滞空距離を算出してもよい。
3.第3実施形態
以下、図面を参照して、本発明の走行運動評価方法及び走行運動評価装置を実施するための一形態について説明する。第3実施形態では、走行運動評価装置が組み込まれた走行運動評価システムを例示する。なお、以下説明する第3実施形態によって本発明の走行運動評価方法及び走行運動評価装置が限定されるものではなく、本発明の走行運動評価方法及び走行運動評価装置を適用可能な形態が以下の第3実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
(第1実施例)
先ず、第3実施形態の第1実施例について説明する。図19は、第3実施形態の第1実施例の走行運動評価装置4を備えた走行運動評価システムの全体構成例を示す模式図である。走行運動評価装置4は、別体の表示装置5とともに走行中のユーザー1に携帯されて使用される小型電子機器である。これら走行運動評価装置4と表示装置5とは無線通信によるデータの送受が可能に構成されており、例えば、図19に示すように、走行運動評価装置4がユーザー1の胴体部(例えば、右腰又は左腰)に装着され、表示装置5がユーザー1の腕(右腕又は左腕)に装着される。
走行運動評価装置4は、筺体前面等に配設されたボタンスイッチ61やディスプレイ62を適宜備えるとともに、慣性計測ユニットとして知られるIMU33を搭載している。IMU33は、加速度センサー431と、ジャイロセンサー433とを備えたセンサーユニットであり、各センサー431,433に対応付けられた同一の三次元直交座標系であるローカル座標系(センサー座標系)の各軸方向の加速度及び各軸回りの角速度を検出する。このローカル座標系の3軸を、x軸、y軸、及びz軸と表記する。
この走行運動評価装置4は、加速度センサー431によってローカル座標系で計測された加速度ベクトル(ローカル座標加速度ベクトル)を、ユーザー1に対応付けられた三次元直交座標系の移動体座標系に座標変換して移動体座標加速度ベクトルを算出する。移動体座標系は、例えばユーザー1の前方を正とする前後方向(進行方向)、右方を正とする左右方向、及び鉛直下方を正とする重力方向(上下方向)によって定義された座標系である。この移動体座標系において、進行方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸と表記する。
実際の処理としては、走行を開始する前のユーザー1が停止している状態のときに加速度センサー431によって検出されたけ加速度ベクトルの方向(重力方向)を上下方向とする。また、ユーザー1が走行を開始し、停止状態から一歩踏み出したときの加速度ベクトルの方向を進行方向とする。そして、これら上下方向及び進行方向と直交する方向を左右方向としてローカル座標系から移動体座標系への座標変換行列を求め、座標変換に用いる。座標変換自体は公知の技術を適用可能であるため、説明は省略する。また、初期の座標変換行列を求めた後は、ジャイロセンサー433の検出結果に基づいて座標変換行列を随時修正することで、移動体座標系をユーザー1の進行方向に追従させる。
そして、走行運動評価装置4は、移動体座標加速度ベクトルを積分して速度ベクトル(移動体座標速度ベクトル)を算出し、ユーザー1の移動速度(走行速度)を求め、また移動体座標速度ベクトルを継ぎ足し処理して走行開始時から移動した距離(走行距離)を求めて表示装置5に送信する。ここで、「積分」とは、所定の単位時間分の値を累
積的に加算することを意味する。また、「継ぎ足す」とは、積分により得られた結果を最後に算出した結果に足し合わせることを意味する。移動速度(走行速度)や距離(走行距離)は走行データの一例である。
加えて、走行運動評価装置4は、走行運動するユーザー1を側面からみた場合(ユーザー1の側面視)における位置情報として、ユーザー1の進行方向(X軸方向)に対する上下方向(Z軸方向)の位置(側面視位置)を検出する。そして、移動体座標加速度ベクトルに含まれる進行方向の加速度(移動体座標加速度ベクトルのX軸成分)を進行方向加速度として検出し、この進行方向加速度と、前述の側面視位置の軌跡を表す運動過程情報とを用いて推進効率指標値としての推進効率角度を算出し、表示装置5に送信する。
表示装置5は、走行運動評価装置4から送信された推進効率角度や走行データを受信して表示するための腕時計型の電子機器であり、本体ケース51の前面(ユーザー1が装着したときに外向きになる面)に配設された表示部53を備える。その他、図示しないが、表示装置5は、本体ケース51の適所に配設されたボタンスイッチやスピーカー、表示部53の表示画面と一体形成されたタッチパネル等を適宜備える。
[機能構成]
図20は、第1実施例における走行運動評価装置4の機能構成例を示すブロック図である。図20に示すように、走行運動評価装置4は、操作部410と、表示部420と、IMU33と、GPSモジュール440と、通信部450と、検出部及び算出部としての処理部480と、記憶部490とを備える。
操作部410は、ボタンスイッチやレバースイッチ、ダイヤルスイッチ等の各種スイッチ、タッチパネル等の入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた操作信号を処理部480に出力する。図20では、ボタンスイッチ61が操作部410に該当する。
表示部420は、LCD(Liquid Crystal Display)やELディスプレイ(Electroluminescence display)等の表示装置によって実現されるものであり、処理部480から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。図20では、ディスプレイ62が表示部420に該当する。
IMU33は、加速度をローカル座標系で計測する加速度センサー431と、角速度をローカル座標系で計測するジャイロセンサー433とを備える。これらのセンサー431,433には、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の技術を利用したMEMSセンサーが用いられる。
GPSモジュール440は、測位用衛星であるGPS衛星から送信されるGPS衛星信号をGPSアンテナ441によって受信し、受信したGPS衛星信号に基づきユーザー1の位置を計測して随時処理部480に出力する。なお、このGPSモジュール440は必須の構成ではないため、図20では破線で示している。
通信部450は、無線通信を利用して外部の装置と無線接続するための通信装置である。第1実施例では、この通信部450を介して推進効率角度や走行データが随時表示装置5に送信され、表示部53(図19を参照)に表示される。これにより、ユーザー1は、
推進効率角度や走行データを手元で確認しながら走行することができる。
処理部480は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の制御装置及び演算装置によって実現されるものであり、座標変換部481と、移動体座標速度ベクトル算出部482と、走行データ算出部483と、側面視位置検出部484と、着地タイミング判定部485と、推進効率角度算出部486とを備える。なお、処理部480を構成する各部は、専用のモジュール回路等のハードウェアで構成することとしてもよい。
座標変換部481は、IMU33による計測結果に対して所定の座標変換演算を行い、ローカル座標加速度ベクトルを移動体座標加速度ベクトルに座標変換する。
移動体座標速度ベクトル算出部482は、単位時間分の移動体座標加速度ベクトルを積分することで、その単位時間の間における移動体座標系での速度ベクトルの変化分を算出する。そして、算出した速度ベクトルの変化分を前回算出した移動体座標速度ベクトルに継ぎ足すことで、単位時間毎に移動体座標速度ベクトルを算出する。
走行データ算出部483は、ユーザー1の走行速度と、走行距離とを走行データとして算出する。具体的には、走行データ算出部483は、移動体座標速度ベクトル算出部482によって算出された移動体座標速度ベクトルから現在の走行速度を得る。また、走行データ算出部483は、移動体座標速度ベクトル算出部482によって算出された速度ベクトルの変化分(スカラー量)に相当する移動量を、前回算出した走行距離に加算することで現在の走行距離を得る。
側面視位置検出部484は、ユーザー1の側面視位置を検出する。具体的には、側面視位置検出部484は、走行開始位置を基点とし、移動体座標速度ベクトル算出部482によって算出された速度ベクトルの進行方向の変化分に相当する進行方向の移動量を前回算出した進行方向位置に加算するとともに、上下方向の変化分に相当する上下方向の移動量を前回算出した上下方向位置に加算して、側面視位置を検出する。
着地タイミング判定部485は、所定の評価タイミングのたびに、前回判定した着地タイミングから現在時刻までを対象期間として、対象期間内の進行方向加速度の変化から着地タイミングを判定する。着地タイミングの判定方法は特に限定されるものではないが、例えば、対象期間内の進行方向加速度の変化から極値を検出し、最初の極小値の直前の極大値の時刻を着地タイミングとする。勿論、進行方向加速度でははく、上下方向加速度を用いて着地タイミングを判定することとしてもよい。
推進効率角度算出部486は、着地タイミング判定部485によって判定された着地タイミングにおける側面視位置を着地点とし、前回の着地点との間の側面視位置の軌跡を用いて推進効率角度を算出する。以下、第1実施例における推進効率角度の算出方法として2つの算出方法を例示する。
(第1の算出方法)
図21は、第1の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図であり、横方向を進行方向、縦方向を上下方向として側面視位置の軌跡の一例を示している。走行中のユーザー1の進行方向に対する上下方向の位置(側面視位置)は、着地及び蹴り出しの動作の繰り返しに伴い周期的に変化するが、蹴り出しの後、着地までの滞空時における側面視位置の軌跡に着目すると、この間は外部からの力をほとんど受けないため放物運動と仮定できる。なお、ユーザー1の位置とは、走行運動評価装置4が装着された部位(胴体部)
の位置のことである。
ところで、上記したように、走行中のユーザー1の運動状態を評価する指標の1つである推進効率は、走行中の身体の上下方向の移動を少なくすることで向上する。ここで、蹴り出し時において上方向への跳び上がりが大きいと、その分反動で着地後の身体の沈み込みが大きくなる。言い換えれば、蹴り出し時の跳び上がりを小さくすれば、進行方向に身体を移動させる推進力を得易く、推進効率は向上する。したがって、蹴り出し時の進行方向に対する跳び上がりの角度(蹴り出しの角度)は、進行方向に推進力を得ているかどうか、すなわち、推進効率をよく反映した値と言える。ここで問題は、着地タイミングに比べ、蹴り出し(離地)のタイミングの判定が難しいことである。
そこで、図21に示すように、今回判定した着地点P11と前回の着地点P13との間の進行方向位置の中間地点P15を今回の蹴り出し地点と推定し、蹴り出し地点P15から着地点P11までの側面視位置の軌跡を放物運動と仮定して蹴り出しの角度を推進効率角度θとして算出する。
実際の処理としては、先ず、着地点P13,P11間の側面視位置の軌跡を用いて、今回の着地及び蹴り出しの動作に伴うユーザー1の進行方向移動距離を算出する。例えば、着地点P13,P11間の進行方向距離L11の半分の長さを求め、進行方向移動距離Dとする。次に、着地及び蹴り出しの動作に伴うユーザー1の上下方向移動距離を算出する。例えば、着地点P13,P11間の側面視位置の上下方向の振幅L13の半分の長さを求め、上下方向移動距離Hとする。
そして、式(1)に示す一般的な放物運動の式を変形した式(2)に従って、推定した蹴り出し地点P15において推進効率角度θを算出する。
(第2の算出方法)
図22は、第2の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図であり、横方向を進行方向、縦方向を上下方向として側面視位置の軌跡の一例を示している。第2の算出方法では、蹴り出しの後、着地までの滞空時における側面視位置の軌跡を放物運動と仮定し、着地の角度を推進効率角度θとして算出する。滞空時における側面視位置の軌跡を放物運動と捉えるならば、着地の角度は、蹴り出しの角度と等価と考えられるからである。
実際の処理としては、図22に示すように、着地点P21の直前で上下方向位置が最も高くなる最高地点到達タイミングを判定し、最高地点到達タイミングにおける側面視位置(最高地点)P23を放物運動の頂点と仮定する。そして、最高地点P23の進行方向位置を挟んで着地点P21と反対側に、着地点P21までの進行方向距離L2と等距離離れた地点P25を蹴り出し地点と推定し、進行方向距離L2の2倍を進行方向移動距離Dとする。また、着地点P21の上下方向位置を基準とした最高地点P23の高さを上下方向移動距離Hとする。なお、第1の算出方法と同様に、前回の着地点(不図示)から今回の着地点P21までの側面視位置の上下方向の振幅の半分の長さを求め、上下方向移動距離Hとしてもよい。その後は、第1の算出方法で用いた式(2)に従い、着地点P21にお
いて推進効率角度θを算出する。
図20に戻る。記憶部490は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種IC(Integrated Circuit)メモリーやハードディスク等の記憶媒体により実現されるものである。記憶部490には、走行運動評価装置4を動作させ、この走行運動評価装置4が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が事前に記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。
この記憶部490には、処理部480を座標変換部481、移動体座標速度ベクトル算出部482、走行データ算出部483、側面視位置検出部484、着地タイミング判定部485、及び推進効率角度算出部486として機能させ、走行運動評価処理(図24を参照)を行うための走行運動評価プログラム491が記憶される。
また、記憶部490には、移動体座標加速度ベクトルデータ492と、移動体座標速度ベクトルデータ493と、着地タイミングデータ494と、走行情報495とが記憶される。
移動体座標加速度ベクトルデータ492には、単位時間毎に座標変換部481によって算出される移動体座標加速度ベクトルが時系列に記憶される。この移動体座標加速度ベクトルデータ492は、最新の過去所定秒数分の移動体座標加速度ベクトルを保持するリングバッファー等で構成される。第1実施例では、足が地面から離れた滞空時を評価タイミングと判定し、その都度直前の着地タイミングについて判定する。そのため、リングバッファーを用いる場合は、少なくとも前回の評価タイミング以後に算出した移動体座標加速度ベクトルが必ず保持されているように、1歩分の時間等を想定したメモリー容量で構成する。
移動体座標速度ベクトルデータ493には、単位時間毎に移動体座標速度ベクトル算出部482によって算出される移動体座標速度ベクトルが時系列に記憶される。この移動体座標速度ベクトルデータ493は、移動体座標加速度ベクトルデータ492と同様に、最新の過去所定秒数分の移動体座標速度ベクトルを保持するリングバッファー等で構成できる。
着地タイミングデータ494には、着地タイミング判定部485によって判定される着地タイミングが時系列に記憶される。
走行情報495には、単位時間毎に走行データ算出部483によって算出されるユーザー1の走行速度及び走行距離と、単位時間毎に側面視位置検出部484によって検出される走行開始位置を基点としたユーザー1の側面視位置と、所定の評価タイミング毎に推進効率角度算出部486によって算出される推進効率角度とが時系列で記憶される。図23は、走行情報495のデータ構成例を示す図である。図23に示すように、走行情報495は、側面視位置(X,Y)と対応付けて、走行速度及び走行距離の走行データと、推進効率角度とが設定されたデータテーブルである。各レコードは単位時間毎に生成され、推進効率角度については、評価タイミングと判定されて走行データと併せて推進効率角度が算出された際に生成されたレコードにのみ値が設定される。なお、各レコードにシステムクロック等の時間情報を対応付けて記憶することとしてもよい。
[処理の流れ]
図24は、第1実施例における走行運動評価処理の処理手順を示すフローチャートである。ここで説明する処理は、処理部480が記憶部490から走行運動評価プログラム4
91を読み出して実行することで実現できる。
走行運動評価処理は、例えば、操作部410を介して走行開始操作がなされると開始される。そして、図24に示すように、先ず、座標変換部481がIMU33による計測結果に基づいてローカル座標加速度ベクトルを移動体座標加速度ベクトルに座標変換し、移動体座標加速度ベクトルデータ492に蓄積記憶する処理を開始する(ステップS1)。その後は、走行終了操作がなされるまで、単位時間毎にループAの処理を繰り返し実行する(ステップS3〜ステップS21)。
ループAでは先ず、移動体座標速度ベクトル算出部482が、前回ループAの処理を行ってからの単位時間分の移動体座標加速度ベクトルを積分し、移動体座標速度ベクトルを算出する(ステップS5)。そして、走行データ算出部483が、ステップS5で算出した移動体座標速度ベクトルに従って、ユーザー1の現在の走行速度と走行距離とを算出する(ステップS7)。
また、側面視位置検出部484が、ステップS5での移動体座標速度ベクトルの算出の過程で得た単位時間分の速度ベクトルの変化分に従って、ユーザー1の現在の側面視位置を検出する(ステップS9)。
続いて、処理部480が、評価タイミングか否かを判定する(ステップS11)。ユーザー1が走行しているときの上下方向加速度は、足が接地している間は着地から蹴り出しの動作までの間に大きく変動し、足が地面から離れた滞空時は所定値(例えば「0」)近傍の値を保って推移する。ステップS7では、移動体座標加速度ベクトルに含まれる上下方向の加速度(移動体座標加速度ベクトルのZ軸成分)から滞空時を検出し、評価タイミングと判定する。例えば、処理部480は、前回評価タイミングと判定してから現在時刻までの上下方向加速度の変化に基づいて、上下方向加速度が大きく変動した期間を経て現在の上下方向加速度が「0」の近傍を所定の変動量以下で推移している場合に、評価タイミングと判定する(ステップS11:YES)。
そして、評価タイミングでは、着地タイミング判定部485が、前回の着地タイミングから現在時刻までを対象期間として、対象期間の進行方向加速度の変化から、直近の着地タイミングを判定する(ステップS13)。
続いて、推進効率角度算出部486が、上記した第1の算出方法又は第2の算出方法を適用することで、ユーザー1の着地及び蹴り出しの動作に伴う進行方向移動距離Dと上下方向移動距離Hとを算出し、上記式(2)から推進効率角度θを算出する(ステップS15)。
その後、処理部480が、ステップS15で算出した推進効率角度をステップS7で算出した走行データとともに表示装置5の表示部53に表示する制御を行う(ステップS17)。また、ステップS11において評価タイミングではないと判定した場合は(ステップS11:NO)、処理部480は、ステップS7で算出した走行データを表示装置5の表示部53に表示する制御を行う(ステップS19)。ここでの処理は、ステップS17では推進効率角度及び走行データを、ステップS19では走行データを通信部450を介して表示装置5に送信し、これを受信した表示装置5が推進効率角度や走行データを表示部53に表示させることによって行う。なお、推進効率角度や走行データの表示の仕方は特に限定されるものではなく、最新の値を表示するものであってもよいし、走行開始からの経時変化を表示するようにしてもよい。以上の処理によって、1回のループAの処理を終える。
以上説明したように、第1実施例によれば、1回の着地及び蹴り出しの動作に伴うユーザー1の進行方向の移動と上下方向の移動とを考慮して蹴り出し時における進行方向に対する跳び上がりの方向を推定し、推進効率角度を算出することができる。これによれば、推進効率をよく反映した指標を得ることができる。またその際、蹴り出し地点を判定する必要がない。ユーザー1にとっては、推進効率角度を走行フォームの改善に役立てる等、自身の運動状態を意識しながら走行することが可能となる。
(第2実施例)
次に、第3実施形態の第2実施例について説明する。なお、第1実施例と同様の部分については同一の符号を付する。
図25は、第3実施形態の第2実施例における走行運動評価装置4aの機能構成例を示すブロック図である。図25に示すように、走行運動評価装置4aは、操作部410と、表示部420と、IMU33と、GPSモジュール440と、通信部450と、処理部480aと、記憶部490aとを備える。
処理部480aは、座標変換部481と、移動体座標速度ベクトル算出部482と、走行データ算出部483と、側面視位置検出部484と、推進効率角度算出部486aとを備える。
第2実施例では、推進効率角度算出部486aは、前回の評価タイミングから現在時刻までの対象期間として評価タイミングを判定し、評価タイミングのたびに、対象期間内の側面視位置の軌跡を用いて推進効率角度を算出する。例えば、対象期間内の側面視位置の軌跡をスプライン補間等によって近似し、近似曲線から極値を検出する。そして、現在時刻から遡って直近の極値が極大値の場合に、評価タイミングと判定して推進効率角度の算出を行う。以下、第2実施例における推進効率角度の算出方法として2つの算出方法を例示する。
(第3の算出方法)
図26は、第3の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図であり、横方向を進行方向とし、縦方向を上下方向として、側面視位置の軌跡の一例と併せて実際の着地タイミング及び蹴り出しタイミングを示している。なお、第3の算出方法では、着地及び蹴り出しの何れのタイミングについても判定しない。
第3の算出方法では、ユーザー1の着地後の沈み込みによる上下方向位置の最低地点(側面視位置の軌跡から求めた極小値)P31から、蹴り出しによる跳び上がりで到達した最高地点(側面視位置の軌跡から求めた極大値)P33へと向かうベクトルの進行方向に対する角度を推進効率角度θとして算出する。
実際の処理としては、評価タイミングと判定した場合に、検出した直近の極大値の時刻を最高地点到達タイミング、その直前の極小値の時刻を最低地点到達タイミングと判定する。そして、最高地点到達タイミングと最低地点到達タイミングとの間(極値P31,P33間)の進行方向距離L31を求め、進行方向移動距離δXとする。また、極値P31,P33間の上下方向距離L33を求め、上下方向移動距離δZとする。
そして、次式(3)に従って、推進効率角度θを算出する。
このようにして算出した推進効率角度θは、実際の蹴り出しの角度そのものを表しているわけではないが、極値P31,P33間で進行方向移動距離δX及び上下方向移動距離δZを求めることができるので、各距離δX,δZを長くとることができ、推進効率角度θのばらつきを抑えた、推進効率の指標値として尤もな値を得ることができる。
(第4の算出方法)
図27は、第4の算出方法による推進効率角度の算出原理を説明する図であり、横方向を進行方向とし、縦方向を上下方向として、側面視位置の軌跡の一例と併せて実際の着地タイミング及び蹴り出しタイミングを示している。なお、第4の算出方法においても、第3の算出方法と同様に、着地及び蹴り出しの何れのタイミングについても検出は行わない。
第4の算出方法では、上下方向位置の最低地点(側面視位置の軌跡から求めた極小値)P41と、最高地点(側面視位置の軌跡から求めた極大値)P43との間の変曲点を判定する。そして、変曲点P45における近似曲線の接線方向の進行方向に対する角度を、推進効率角度θとして算出する。変曲点P45は、必ずしも実際の蹴り出し地点を示すとは限らないが、ユーザー1が跳び上がるための力を加えて身体の移動方向を大きく変化させた点と考えられる。したがって、変曲点P45での進行方向に対する接線方向の角度は、推進効率をよく反映している。
実際の処理としては、例えば、極値P41,P43を検出するのに求めた近似曲線から極値P41,P43間の変曲点を検出する。そして、求めた変曲点P45から直後の側面視位置までの進行方向距離を進行方向移動距離δXとし、上下方向距離を上下方向移動距離δZとする。その後は、第3の算出方法で用いた上記式(3)に従い、推進効率角度θを算出する。
図25に戻る。記憶部490aには、走行運動評価プログラム491aと、移動体座標加速度ベクトルデータ492と、移動体座標速度ベクトルデータ493と、走行情報495とが記憶される。
[処理の流れ]
図28は、第2実施例における走行運動評価処理の処理手順を示すフローチャートである。第2実施例の走行運動評価処理では、ステップS9に続き、推進効率角度算出部486aが、前回の評価タイミングから現在時刻までを対象期間として、対象期間内の側面視位置の軌跡の近似曲線を算出し、極値を検出する(ステップS111)。そして、推進効率角度算出部486aは、現在時刻の直近の極値が極大値の場合に、評価タイミングと判定する(ステップS113:YES)。
評価タイミングと判定したならば、推進効率角度算出部486aは、上記した第3の算出方法又は第4の算出方法を適用することで、ユーザー1の着地及び蹴り出しの動作に伴う進行方向移動距離δXと上下方向移動距離δZとを算出し、上記式(3)から推進効率角度θを算出する(ステップS115)。その後、ステップS17に移行する。
以上説明したように、第2実施例によれば、ユーザー1の側面視位置の軌跡を用い、1回の着地及び蹴り出しの動作に伴うユーザー1の進行方向の移動と上下方向の移動とを考
慮して推進効率角度を算出することができる。
なお、上記した第3実施形態で説明した走行運動評価システムの構成は一例であって、適宜変更してよい。図29は、第3実施形態の変形例における走行運動評価システムの構成例を示すブロック図である。図29中、第1実施例と同様の部分については同一の符号を付している。
本変形例の走行運動評価システムは、走行運動評価装置71aと、計測装置73aとで構成され、走行運動評価装置71aがユーザー1の腕(右腕又は左腕)に、別体の計測装置73aがユーザー1の胴体部(例えば、右腰又は左腰)にそれぞれ装着されて使用される。
計測装置73aは、加速度センサー431と、ジャイロセンサー433とを備えたIMU33を搭載している。この計測装置73aは、走行運動評価装置71aとの間で無線通信によるデータの送受が可能に構成されており、IMU33による計測結果を随時走行運動評価装置71aに送信する。
一方、走行運動評価装置71aは、操作部410と、表示部420と、通信部450と、処理部480と、記憶部490とを備える。そして、処理部480は、例えば第1実施例の走行運動評価装置4と同様に、座標変換部481と、移動体座標速度ベクトル算出部482と、走行データ算出部483と、側面視位置検出部484と、着地タイミング判定部485と、推進効率角度算出部486とを備える。また、記憶部490には、第1実施例の走行運動評価装置4と同様に、走行運動評価プログラム491と、移動体座標加速度ベクトルデータ492と、移動体座標速度ベクトルデータ493と、着地タイミングデータ494と、走行情報495とが記憶される。処理部480を第2実施例の処理部480a、記憶部490を第2実施例の記憶部490aの構成としてもよい。
また、上記した第3実施形態では、走行データとしてユーザー1の走行速度と走行距離とを随時算出し、表示部53に表示することとしたが、走行データとしてユーザー1の位置を算出し、表示部53に表示する構成としてもよい。例えば、慣性航法を利用してユーザー1の位置を自律的に測位し、走行データとして表示するようにしてもよい。この場合には、IMU33による計測結果を用いて公知の慣性航法演算処理を行い、ECEF(Earth Center Earth Fixed)座標系等として定義される絶対座標系でのユーザー1の位置を随時算出する。あるいは、走行運動評価装置4等が図20中に破線で示したGPSモジュール440を備えている場合には、GPSモジュール440の計測結果をユーザー1の位置とし、走行データに含めて表示する構成としてもよい。
また、上記した第1実施例では、着地タイミングを判定し、着地タイミングを用いて推進効率指標値である推進効率角度を算出することとして説明した。しかし、離地タイミングを判定し、離地タイミングを用いて推進効率指標値である推進効率角度を算出することとしてもよい。
具体的には、図20の走行運動評価装置4に離地タイミング判定部を更に設ける。離地タイミング判定部は、例えば、ユーザー1の上下方向の加速度や側面視位置を用いて離地タイミングを判定する。そして、推進効率角度算出部486が、離地タイミングにおける進行方向に対する推進力の相対向きを推進効率角度として算出する。例えば、離地タイミングから、離地タイミングの直後の最高地点到達タイミングまでの距離と高さとから、推進効率角度を算出する。或いは、離地タイミングにおける移動体座標加速度ベクトルの進行方向に対する仰角を推進効率角度として算出してもよい。
3,3a 走行情報算出装置、4,4a 走行運動評価装置、5 表示装置、10 ユーザー、11 重心、12 着地位置、20 携帯型電子機器(着地位置評価装置)、21 操作スイッチ、22 ディスプレイ、23 スピーカー、30 IMU、31 加速度センサー、32 ジャイロセンサー、33 IMU、51 本体ケース、53 表示部、61 ボタンスイッチ、62 ディスプレイ、71a 走行運動評価装置、71b 走行情報算出装置、73a,73b 計測装置、110 操作部、120 表示部、130
音出力部、140 通信部、150 時計部、200 処理部、210 慣性航法演算部、220 着地位置評価部、221 着地判定部、222 立脚中期判定部、223 減速期時間算出部、224 減速期速度算出部、225 減速期移動距離算出部、226
評価結果表示制御部、300 記憶部、310 慣性航法演算プログラム、320 着地位置評価プログラム、330 センサーデータ、331 センサー座標加速度データ、332 センサー座標角速度データ、340 慣性航法演算データ、341 移動体座標加速度データ、342 移動体座標速度データ、343 移動体座標位置データ、344
絶対座標速度データ、345 絶対座標位置データ、346 絶対座標姿勢角データ、350 着地位置評価データ、410 操作部、420 表示部、33 IMU、431
加速度センサー、433 ジャイロセンサー、440 GPSモジュール、441 GPSアンテナ、450 通信部、460,460a 処理部、461 座標変換部、462 着地タイミング検出部、463 離地タイミング検出部、464 評価指標値算出部、465 走行データ算出部、466a 着地方法判別部、470,470a 記憶部、471,471a 走行情報算出プログラム、472 移動体座標加速度ベクトルデータ、473,473a 離着地データ、474 走行データ、480,480a 処理部、481 座標変換部、482 移動体座標速度ベクトル算出部、483 走行データ算出部、484 側面視位置検出部、485 着地タイミング判定部、486,486a 推進効率角度算出部、490,490a 記憶部、491,491a 走行運動評価プログラム、492 移動体座標加速度ベクトルデータ、493 移動体座標速度ベクトルデータ、494 着地タイミングデータ、495 走行情報

Claims (24)

  1. 加速度値から走行中のユーザーの着地期間中の減速期を判定することと、
    前記判定された減速期の間の移動距離を算出することと、
    を含む走行時着地位置評価方法。
  2. 前記減速期を判定することは、着地タイミング及び立脚中期タイミングを判定することを含む、
    請求項1に記載の走行時着地位置評価方法。
  3. 前記立脚中期タイミングを判定することは、鉛直方向の加速度値を用いて前記立脚中期タイミングを判定することを含む、
    請求項2に記載の走行時着地位置評価方法。
  4. 前記移動距離を算出することは、前記減速期の長さと前記ユーザーの移動速度とを乗算して前記移動距離を算出することを含む、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の走行時着地位置評価方法。
  5. 前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置を検出し、
    前記着地タイミング及び前記立脚中期タイミングの位置から前記移動距離を算出することを含む、
    請求項2又は3に記載の走行時着地位置評価方法。
  6. 前記移動距離に応じた報知を行うこと、
    を更に含む請求項1〜5の何れか一項に記載の走行時着地位置評価方法。
  7. 前記報知を行うことは、過去に算出された前記移動距離と、新たに算出された前記移動距離とを識別表示することを含む、
    請求項6に記載の走行時着地位置評価方法。
  8. 加速度値から走行中のユーザーの走行時の着地期間中の減速期を判定する判定部と、
    前記判定された減速期の間の移動距離を算出する算出部と、
    を備えた走行時着地位置評価装置。
  9. 走行中のユーザーの進行方向加速度を取得することと、
    前記進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出することと、
    を含む検出方法。
  10. 前記検出することは、前記進行方向加速度の変化から前記着地タイミングを検出することを含む請求項9に記載の検出方法。
  11. 前記着地タイミングを検出することは、前記進行方向加速度の変化の極大値であって、前記進行方向加速度の変化の最初の極小値の直前の極大値を検出することにより、前記着地タイミングを検出することを含む請求項10に記載の検出方法。
  12. 前記走行中のユーザーの上下方向加速度を取得し、
    前記進行方向加速度および前記上下方向加速度の少なくとも一方に基づいて、離地タイミングを検出することを含む請求項9〜11の何れか一項に記載の検出方法。
  13. 前記検出することは、前記進行方向加速度の変化の極小値であって、当該進行方向加速度が前記上下方向加速度より小さくなった直後の極小値を検出することにより、前記離地
    タイミングを検出する第1の離地タイミング検出を含む請求項12に記載の検出方法。
  14. 前記検出することは、前記上下方向加速度が所定値以上となったことを検出することにより、前記離地タイミングを検出する第2の離地タイミング検出を含む請求項13に記載の検出方法。
  15. 前記離地タイミングを検出することは、前記ユーザーの移動速度に応じて、前記第1の離地タイミング検出による検出結果と、前記第2の離地タイミング検出による検出結果とのうちの何れかを用いて離地タイミングを決定することを含む、
    請求項14に記載の検出方法。
  16. 前記着地タイミングから前記離地タイミングまでの接地時間、及び前記離地タイミングから前記着地タイミングまでの滞空時間の少なくとも何れか一方を表示部に表示する制御を行うこと、
    を含む請求項12〜15の何れか一項に記載の検出方法。
  17. 走行中のユーザーの進行方向加速度を取得する取得部と、
    前記進行方向加速度に基づいて、着地タイミングを検出する検出部と、
    を備える検出装置。
  18. 走行運動するユーザーを側面からみた場合における前記ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報を求めることと、 前記ユーザーの進行方向の加速度である進行方向加速度を検出することと、
    前記運動過程情報および前記進行方向加速度を用いて、前記進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出することと、
    を含む走行運動評価方法。
  19. 前記算出することは、
    前記運動過程情報を用いて着地タイミングを判定することと、
    前記運動過程情報を用いて、前後の着地間の進行方向の移動距離及び上下方向の振幅を算出することと、
    前記移動距離及び前記振幅を用いて前記推進効率指標値を算出することと、
    を含む、
    請求項18に記載の走行運動評価方法。
  20. 前記算出することは、
    前記運動過程情報を用いて、着地タイミングと、当該着地タイミングの直前の最高地点到達タイミングとを判定することと、
    前記運動過程情報を用いて、前記着地タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、
    前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、
    を含む、
    請求項18に記載の走行運動評価方法。
  21. 前記算出することは、
    前記運動過程情報を用いて、最低地点到達タイミングと、当該最低地点到達タイミングの直後の最高地点到達タイミングとを判定することと、
    前記運動過程情報を用いて、前記最低地点到達タイミングと前記最高地点到達タイミング間の進行方向の移動距離及び上下方向の移動距離を算出することと、
    前記進行方向の移動距離及び前記上下方向の移動距離を用いて前記推進効率指標値を算出することと、
    を含む、
    請求項18に記載の走行運動評価方法。
  22. 前記算出することは、
    前記ユーザーを側面からみた場合における位置情報に基づき、最低地点と最高地点間における軌跡の変曲点を判定することと、
    前記変曲点における前記軌跡の接線方向を算出することと、
    前記接線方向を用いて前記推進効率指標値を算出することと、
    を含む、
    請求項18に記載の走行運動評価方法。
  23. 前記算出することは、
    前記運動過程情報を用いて離地タイミングを判定することと、
    前記離地タイミングにおける前記進行方向に対する推進力の向きを、前記推進効率指標値として算出することと、
    を含む、
    請求項18に記載の走行運動評価方法。
  24. 走行運動するユーザーを側面からみた場合における前記ユーザーの進行方向に対する上下方向の位置を表す運動過程情報と、前記ユーザーの進行方向の加速度である進行方向加速度とを求める検出部と、
    前記運動過程情報および前記進行方向加速度を用いて、前記進行方向に対する推進力の向きを表す推進効率指標値を算出する算出部と、
    を備えた走行運動評価装置。
JP2015115210A 2014-07-31 2015-06-05 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置 Withdrawn JP2016034479A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015115210A JP2016034479A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置
CN201510455381.7A CN105318874A (zh) 2014-07-31 2015-07-29 跑步时着地位置评价方法及装置、检测方法及检测装置
US14/814,506 US10504381B2 (en) 2014-07-31 2015-07-30 On-running landing position evaluation method, on-running landing position evaluation apparatus, detection method, detection apparatus, running motion evaluation method, and running motion evaluation apparatus

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014155883 2014-07-31
JP2014156116 2014-07-31
JP2014156116 2014-07-31
JP2014155884 2014-07-31
JP2014155884 2014-07-31
JP2014155883 2014-07-31
JP2015115210A JP2016034479A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016034479A true JP2016034479A (ja) 2016-03-17

Family

ID=55179009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015115210A Withdrawn JP2016034479A (ja) 2014-07-31 2015-06-05 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10504381B2 (ja)
JP (1) JP2016034479A (ja)
CN (1) CN105318874A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195874A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 カシオ計算機株式会社 走法判別装置、走法判別方法及びプログラム
CN115761603A (zh) * 2023-01-09 2023-03-07 浙江大学计算机创新技术研究院 基于改进yolov5免标定的视频图像立定跳远测距方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016033473A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 セイコーエプソン株式会社 位置算出方法及び位置算出装置
GB201516978D0 (en) * 2015-09-25 2015-11-11 Mclaren Applied Technologies Ltd Device control
JP6834553B2 (ja) * 2017-02-09 2021-02-24 セイコーエプソン株式会社 運動解析システム、運動解析装置、運動解析プログラム及び運動解析方法
CN107811639B (zh) * 2017-09-25 2020-07-24 天津大学 一种基于运动学数据确定步态站立中期的方法
US10639514B2 (en) * 2017-10-09 2020-05-05 Bosu Fitness, Llc Devices and method for increasing running performance
US20210236021A1 (en) * 2018-05-04 2021-08-05 Baylor College Of Medicine Detecting frailty and foot at risk using lower extremity motor performance screening
CN109959379B (zh) * 2019-02-13 2021-06-08 歌尔科技有限公司 定位方法及电子设备

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050010139A1 (en) * 2002-02-07 2005-01-13 Kamiar Aminian Body movement monitoring device
JP2007125368A (ja) * 2005-09-26 2007-05-24 Aisin Seiki Co Ltd 歩行解析装置及び歩行解析方法
JP2013537436A (ja) * 2010-06-16 2013-10-03 ミオテスト・ソシエテ・アノニム ストライドの生体力学的パラメータを分析するための、加速度計を実装する一体型携帯装置及び方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI101780B (fi) * 1996-04-30 1998-08-31 Kone Corp Menetelmä ja laitteisto hissin hidastamiseksi
JP3449240B2 (ja) * 1998-09-24 2003-09-22 株式会社デンソー 車両用現在位置検出装置、車両用現在位置表示装置、ナビゲーション装置および記録媒体
US20070073514A1 (en) 2005-09-26 2007-03-29 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Walking analyzer
JP4692443B2 (ja) * 2006-09-06 2011-06-01 トヨタ自動車株式会社 脚式ロボット
JP5133137B2 (ja) * 2008-05-29 2013-01-30 富士通テン株式会社 運転評価装置および運転評価方法
US8562489B2 (en) 2009-04-26 2013-10-22 Nike, Inc. Athletic watch
EP2422698A1 (en) * 2010-08-26 2012-02-29 Nederlandse Organisatie voor toegepast -natuurwetenschappelijk onderzoek TNO Method and system for determining the walking or running speed of a person
EP2672854B1 (en) 2011-02-07 2019-09-04 New Balance Athletics, Inc. Systems and methods for monitoring athletic performance
US8460001B1 (en) * 2011-04-14 2013-06-11 Thomas C. Chuang Athletic performance monitoring with overstride detection
JP2013106773A (ja) 2011-11-21 2013-06-06 Kddi Corp 身体動作診断システム、身体動作診断方法、身体動作診断プログラム
KR101817587B1 (ko) 2012-01-04 2018-01-11 나이키 이노베이트 씨.브이. 운동용 시계
JP5835024B2 (ja) * 2012-03-07 2015-12-24 株式会社デンソー 充電ポイント通知システムおよび車両側装置
JP5835023B2 (ja) * 2012-03-07 2015-12-24 株式会社デンソー 充電ポイント到達判定システムおよび車両側装置
JP6024134B2 (ja) * 2012-03-15 2016-11-09 セイコーエプソン株式会社 状態検出装置、電子機器、測定システム及びプログラム
JP5867302B2 (ja) * 2012-06-13 2016-02-24 株式会社アドヴィックス 車両の走行支援装置
CN102824177B (zh) * 2012-07-25 2014-11-26 王哲龙 一种三维人体步态定量分析系统和方法
JP5885129B2 (ja) * 2012-09-11 2016-03-15 カシオ計算機株式会社 運動支援装置、運動支援方法及び運動支援プログラム
JP5896240B2 (ja) * 2013-03-21 2016-03-30 カシオ計算機株式会社 運動支援装置、運動支援方法及び運動支援プログラム
JP6131706B2 (ja) * 2013-05-10 2017-05-24 オムロンヘルスケア株式会社 歩行姿勢計およびプログラム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050010139A1 (en) * 2002-02-07 2005-01-13 Kamiar Aminian Body movement monitoring device
JP2007125368A (ja) * 2005-09-26 2007-05-24 Aisin Seiki Co Ltd 歩行解析装置及び歩行解析方法
JP2013537436A (ja) * 2010-06-16 2013-10-03 ミオテスト・ソシエテ・アノニム ストライドの生体力学的パラメータを分析するための、加速度計を実装する一体型携帯装置及び方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"骨盤の前傾と後傾によるランニングフォームの違い", ランナー整体師の独り言(YAHOO! ブログ), JPN7019000673, 22 December 2012 (2012-12-22), ISSN: 0004101717 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195874A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 カシオ計算機株式会社 走法判別装置、走法判別方法及びプログラム
JP2020156547A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 カシオ計算機株式会社 走法判別装置、走法判別方法及び走法判別プログラム
JP7076675B2 (ja) 2019-03-25 2022-05-30 カシオ計算機株式会社 走法判別装置、走法判別方法及び走法判別プログラム
US12059594B2 (en) 2019-03-25 2024-08-13 Casio Computer Co., Ltd. Running method determination device, running-method determination method, and program
CN115761603A (zh) * 2023-01-09 2023-03-07 浙江大学计算机创新技术研究院 基于改进yolov5免标定的视频图像立定跳远测距方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10504381B2 (en) 2019-12-10
CN105318874A (zh) 2016-02-10
US20160030823A1 (en) 2016-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016034479A (ja) 走行時着地位置評価方法、走行時着地位置評価装置、検出方法、検出装置、走行運動評価方法及び走行運動評価装置
JP5915285B2 (ja) 状態検出装置、電子機器、測定システム及びプログラム
WO2015146046A1 (ja) 相関係数補正方法、運動解析方法、相関係数補正装置及びプログラム
CN107636420B (zh) 用于行人航位推算的技术
JP2016034480A (ja) 報知装置、運動解析システム、報知方法、報知プログラム、運動支援方法及び運動支援装置
JP6024134B2 (ja) 状態検出装置、電子機器、測定システム及びプログラム
WO2015146048A1 (ja) 誤差推定方法、運動解析方法、誤差推定装置、及びプログラム
JP2014180483A5 (ja)
US20210068712A1 (en) Detecting the end of cycling activities on a wearable device
US20210093917A1 (en) Detecting outdoor walking workouts on a wearable device
US20210093918A1 (en) Detecting the end of hiking activities on a wearable device
JP2016033473A (ja) 位置算出方法及び位置算出装置
JP2012205816A (ja) 歩行姿勢判定装置
JP2016043260A (ja) 運動解析装置、運動解析方法、および運動解析システム
JP2018068396A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、及び運動解析方法
JP5821513B2 (ja) 参照値生成方法及び参照値生成装置
JP2015190850A (ja) 誤差推定方法、運動解析方法、誤差推定装置及びプログラム
JP2016165477A (ja) 状態検出方法及び記録媒体
JP4954792B2 (ja) 速度計
JP2016158699A (ja) 着地位置評価方法、及び着地位置評価装置
JP6711433B2 (ja) ランニング解析装置、ランニング解析方法及びランニング解析プログラム
JP2015188605A (ja) 誤差推定方法、運動解析方法、誤差推定装置及びプログラム
JP2018143537A (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析方法及び運動解析プログラム
JP2016032579A (ja) 運動能力算出方法、運動能力算出装置、運動能力算出システム、およびプログラム
JP2015184158A (ja) 誤差推定方法、運動解析方法、誤差推定装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190827

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20191025