JP2016031163A - 空気調和機における気化式加湿器 - Google Patents

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陽子 西
Yoko Nishi
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一人 星野
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治之 國廣
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Abstract

【課題】加湿器の不使用時には、気化式加湿器のエレメントを簡単に空気通路から退避させ、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、その分の消費電力を削減できる空気調和機における気化式加湿器を提供する。【解決手段】空気調和機に組み込まれる気化式加湿器において、該気化式加湿器の加湿面を、加湿不要時には空気通路から退避させる退避機構を設け、該退避機構は指令装置の指令により駆動する駆動手段、又は手動で退避させる空気調和機における気化式加湿器。【選択図】図5

Description

本発明は、空気調和機における気化式加湿器に関し、詳しくは、空気通路から気化式加湿器を退避させる気化式加湿器の退避機構に関する。
従来、空気が乾燥する冬季に空気調和機では加湿し、夏季にはドライ(乾燥)させる場合が多く、この空気調和機の加湿には、蒸気式加湿器・水噴霧式加湿器・超音波式加湿器・気化式加湿器等がある。
蒸気式加湿器や水噴霧式加湿器は、例えば、特許文献1に開示されるように、空気通路に蒸気を噴霧する噴霧加湿機構を設けるが、制御が簡単であり、加湿の効率が良いが、噴霧するためのポンプ等の動力が必要であり、また、必要な蒸気を製造する工程が必要であり、機内を湿度とともに温度を上昇させる等の不都合があった。
また、超音波式加湿器は、水に含まれるミネラルや貯水タンク内の雑菌などもすべて放出するためで、水道水に使用されているカルキに由来するミネラルが析出して部屋に白粉が発生したり、繁殖したレジオネラ菌などの雑菌による肺炎や熱性疾患が発生するなど、加湿器病の原因になるとして注意が喚起されているといった問題があり最近はほとんど採用されていない。
気化式加湿器は、常温の水を蒸発させることにより加湿を行うものであり、例えば、特許文献2に開示されるように、自然蒸発を利用するため、上水を用いればその水圧だけでポンプ等の電力が不要である。
特開2006−313051号公報 特開平5−312365号公報
しかし、上水を用いればその水圧だけでポンプ等の電力消費はないものの、気化式加湿器は定期的な清掃が必要であるが、これは、エレメントが乾燥状態では通過空気の微細な塵埃や臭気を蓄積してしまう場合があり、通常の運用においては、加湿シーズン開始前にエレメントの洗浄を別途行うことが欠かせない。また、夏季のような暖房による加湿を行わない期間の加湿器不使用時には、空気通路に気化式加湿器のエレメントはコイルエレメント面積とほぼ同等面積の加湿エレメントをコイル風下側に重ねて設置されるため、加湿が不要な期間も加湿器を空調空気が通過しており、これは機内圧損によるモータ動力の増加となっており、その分の消費電力が必要となるという不都合があった。
また、加湿器の不使用時には、気化式加湿器のエレメントを外しておくことも考えられるが、エレメントを外す手間や、エレメントの保守・保管をしなければならないと言った問題点があった。
本発明の課題は、上述した不都合や問題点に鑑みてなされたもので、加湿器の不使用時には、気化式加湿器のエレメントを簡単に空気通路から退避させ、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、その分の消費電力を削減できる空気調和機における気化式加湿器を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、空気調和機に組み込まれる気化式加湿器において、該気化式加湿器の加湿面を、加湿不要時には空気通路から退避させる退避機構を設けることを特徴とする空気調和機における気化式加湿器である。
請求項2の発明は、空気調和機に組み込まれる気化式加湿器において、該気化式加湿器の加湿面を、加湿不要時には空気通路から退避させる退避機構を設け、該退避機構は指令装置の指令により駆動する駆動手段で退避させることを特徴とする空気調和機における気化式加湿器である。
請求項3の発明は、 前記退避機構は、前記駆動手段により加湿面を折り畳んで退避させることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の空気調和機における気化式加湿器である。
請求項4の発明は、前記退避機構は、前記駆動手段により加湿面を片開きに回動して退避させることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の空気調和機における気化式加湿器である。
請求項1及び2の空気調和機における気化式加湿器の発明によれば、加湿器の不使用時に気化式加湿器のエレメントを簡単に空気通路から退避させるので、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、暖房による加湿を行わない期間(年間2/3)において、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、その分の消費電力を削減できる。また、加湿器の不使用時にも、加湿のエレメントを外す手間や、エレメントの保守・保管をする必要がない。
なお、退避機構は手動でもよいが、請求項2や実施例のように、電動駆動方式にすれば、暖房加湿期間中でも加湿が不要な時間単位で圧力損失を低減できる。
また、加湿が不要な期間に加湿エレメントを折りたたむことによって、空調空気が通過しないようにし、加湿エレメント分の抵抗を削減するとともに、細かな塵埃や臭気等の蓄積をなくすことによって、モータ動力の削減や加湿再開時の臭気等のトラブルを未然に防止することができるとともに、加湿エレメントの寿命にも貢献できる。
請求項3の空気調和機における気化式加湿器の発明によれば、駆動手段により加湿面を折り畳んで退避させるので、加湿器のエレメントの退避時の収納面積は少なくて済む。
請求項4の空気調和機における気化式加湿器の発明によれば、加湿面を片開きに回動して退避させるので、構成が簡単で保守も容易である。
本発明の実施例1の空気調和機の気化式加湿器の加湿状態での全体の側面図、 図1の平面図、 本発明の実施例にしようする気化式加湿器の部分拡大断面図、 実施例1の気化式加湿器を退避させた状態での全体の側面図、 図4の平面図、 本発明の実施例1の気化式加湿器を展開させた場合と退避させた場合の移行状態を説明する説明図、 本発明の実施例2の空気調和機の気化式加湿器の加湿状態での全体の平面図、 実施例2の気化式加湿器を退避させた状態での全体の平面図である。
本発明の空気調和機の気化式加湿器は、加湿器の不使用時に気化式加湿器のエレメントを簡単に空気通路から退避させる構成を採用することを基礎としたもので、以下に本発明の実施例を図面に沿って説明する。
本発明の空気調和機の気化式加湿器の実施例1の概略を図1、図2で説明する。
図1において空気調和機の枠体1の構成は、外気(OA)取入口2及び還気(RA)取入口3から空調すべき空気を取り入れ、フィルター4を通過し熱交換(コイル)5で冷房或いは暖房され、熱交換(コイル)5の下流に気化式加湿器6によって適度の湿度にされ、ファン7によって下流に送風され吐出口8から空調空間に空調された空気が給気(SA)される。
気化式加湿器6の構成を、図2を図1に併せて説明すると、図1、図2は冬季等の気化式加湿器6の稼働時であり、気化式加湿器6が開いて、加湿エレメント61は熱交換(コイル)5の下流の全面を覆うよう配置されている。加湿エレメント61は、水が有る程度保持されることが必要で、吸水性のシート等が用いられるが、本実施例1では親水性高分子ファイバーが採用されている。加湿エレメント61は左右に2分割されており、中央部は折れ曲がって両加湿エレメント61a,61bを移動回動部材611によって回動自在に支持され、一方の加湿エレメント61aの外側端には後述する接続部材685に接続し、他方の加湿エレメント61bの外側端は加湿エレメント61bに隣接する熱交換(コイル)5の上面51に設けられた固定回動部材612に支持されている。
また、加湿エレメント61a,61bのそれぞれの上端には、図3の加湿エレメント61部の拡大図に示すように、加湿エレメント61a,bの全幅に亘って散水パイプ62a,62bが設けられ、この散水パイプ62a,62bには複数の散水ノズル63が配置されている。
散水パイプ62a,62bには、給水管64から、ゴミの進入を阻止するストレーナ65、及び、水の供給停止・開始や流量を制御する電磁弁66a,bを介して自由に曲がる可撓性の給水パイプ67a,bがそれぞれに接続されている。
気化式加湿器6を可動時は、操作盤9からの指令により、水が電磁弁66a,b、及び給水パイプ67a,bから散水パイプ62a,62b(62)に供給され、加湿エレメント61a,61bに散水され、加湿エレメント61a,61bに水が含有され、熱交換(コイル)5からの空気が加湿エレメント61a,61bの側面を通過する際に、水が自然気化して熱交換(コイル)5からの空気を加湿する。なお、気化しなかった水は下部のドレインパン11に集められ排水される。
次に、夏季等の気化式加湿器6の稼働しない不使用時の移行状態、すなわち中央部で折れ曲がり畳まれる一対の加湿エレメント61a,61bの状態を図4、図5及び図6で説明する。
図5は、加湿エレメント61a,61bである加湿面が折り畳まれた状態で、熱交換(コイル)5の下流には加湿エレメント61a,61bが存在しない。
図2の状態から図5に移行する構成と作動を、主に図6で説明するが、加湿エレメント61a,61bに隣接する熱交換(コイル)5の上面51に加湿エレメント駆動装置68が設けられている。この加湿エレメント駆動装置68は、一対の両加湿エレメント61a,61bの両端に亘ってネジ棒681が上面51の両端に固定された支持部材682によって回動自在に設けられ、一方の支持部材682の外側にはネジ棒681を回転するモータ683が配置され、ネジ棒681のネジ部6811にはネジ部6811に縲合する移動部材684がネジ棒681が回転することによって左右方向に移動する。この移動部材684には回動自在の接続部材685が係合しており、更に、接続部材685は一方の加湿エレメント61aの外側端に接続している。
なお、この加湿不要時に加湿エレメント61a,61bを空気通路から退避させる退避機構は、加湿エレメント駆動装置68をモータ683による電動方式としたが、手動で直接の加湿エレメント61a,61bを折り畳むようにしてもよい。
したがって、図2の状態、すなわち図6(a)の状態で、気化式加湿器6が稼働している状態であり、一対の加湿エレメント61a,bは展開され熱交換(コイル)5の下流の全面を覆うよう配置されている。そして、図6(b)の状態に移るが、加湿エレメント駆動装置68が稼働され、ネジ棒681が正回転すること、移動部材684が図6(b)で上方に移動し、これに接続されている接続部材685も上方に移動し、接続部材685が加湿エレメント61aの外側端に接続しているので、加湿エレメント61a,bが折り畳まれ、図のようなハ字状になる。
更に、移動部材684及び接続部材685が図6で上方に移動し、図5の状態、すなわち図6(c)の状態の退避状態になり、気化式加湿器6の稼働しない不使用時の移行状態になる。
冬季等の気化式加湿器6の稼働時には、ネジ棒681が逆回転すれば、移動部材684及び接続部材685が図6で下方に移動し、加湿エレメント61は熱交換(コイル)5の下流の全面を覆うよう展開され、必要に応じて、給水管64から、水の供給停止・開始や流量を制御する電磁弁66a,66b(図4参照)を枠体の外壁に設けた操作盤9(図2参照)の操作により、可撓性の給水パイプ67a,bから 散水パイプ62a,62bの散水により、加湿エレメント61a,61bが水で湿り、熱交換(コイル)5からの空気が加湿される。なお、加湿エレメント61a,61bが進退しても可撓性の給水パイプ67a,bが追従しており、加湿エレメント61が展開されても加湿の制御が操作盤9の操作により可能である。なお、符合91は点検扉である。
実施例1は以上の構成であるので、本発明の実施例の作用・効果は、加湿器の不使用時に気化式加湿器のエレメントを簡単に空気通路から退避させるので、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、暖房による加湿を行わない期間(年間2/3)において、気化式加湿器分の圧力損失を低減でき、その分の消費電力を削減できる。また、加湿器の不使用時にも、加湿のエレメントを外す手間や、エレメントの保守・保管をする必要がない。
なお、駆動方式は手動でもよいが、本実施例のように、電動駆動方式にすれば、暖房加湿期間中でも加湿が不要な時間単位で圧力損失を低減できる。
また、加湿が不要な期間に加湿エレメントを折りたたむことによって、空調空気が通過しないようにし、加湿エレメント分の抵抗を削減するとともに、細かな塵埃や臭気等の蓄積をなくすことによって、モータ動力の削減や加湿再開時の臭気等のトラブルを未然に防止することができるとともに、加湿エレメントの寿命にも貢献できる。
また、駆動手段により加湿面を折り畳んで退避させるので、加湿器のエレメントの退避時の収納面積は少なくて済む。なお、本実施例ではエレメントを2分割し2つ折り畳む構成にしたが、機構が複雑になるが4つ折り、又はそれ以上に折り畳む構成にしてもよく、その場合はより省スペースが実現する。
本発明の空気調和機の気化式加湿器の実施例2の概略を図7、図8に沿ってで説明する。
実施例2と実施例1と異なる構成は、気化式加湿器6が退避機構を駆動手段により加湿面を1枚の加湿エレメント61にして、加湿エレメント6を片開きの構成して、どちらかの側部を回動して退避する構成としたものであり、他の構成は実施例1と同じであるので説明は省略する。
図7において、冬季等の気化式加湿器6の稼働時には、熱交換(コイル)5の下流の全面を覆うような形状の加湿エレメント61の片側端、及び、熱交換(コイル)5の上面51の片側端には固定回動部材612が設けられ、この固定回動部材612を中心にモータ683によって回動する構成になっている。
加湿エレメント61の全幅に亘って散水パイプ62が設けられ、この散水パイプ62には複数の散水ノズル63(図3を参照)が配置されている。
散水パイプ62には、給水管(図示せず)から、ゴミの進入を阻止するストレーナ65、及び、水の供給停止・開始や流量を制御する電磁弁(図示せず)を介して自由に曲がる可撓性の給水パイプ67がそれぞれに接続されている。
夏期等の気化式加湿器6の不要時には、図8に示すように、加湿エレメント61は固定回動部材612を中心にモータ683によって回動して枠体1の壁面に退避して、空気通路には加湿エレメント61が存在しないようにする。この作用・効果は実施例1と同じである。
実施例2は以上の構成であるので、本発明の実施例の作用・効果は、実施例1の気化式加湿器6の加湿エレメント61の折り畳む構成以外の作用・効果は同じであるが、可動する加湿エレメント61が一枚で、片開きに回動して退避させるので、散水パイプ62や可撓性の給水パイプ67が1つでよいので、空調室のスペースに余裕がある場合は、構成が簡単で保守も容易である。
なお、本発明の特徴を損うものでなければ、上記の各実施例に限定されるものでないことは勿論である。例えば、実施例2では加湿エレメントを左右の2分割にしたが、これを更に上下の2分割にし、合計4分割にして、それぞれ 散水パイプを設けるようにしてもよく、この場合には加湿エレメントの含有水分の斑を少なくすることができる。
1・・(空気調和機)枠体、11・・ドレインパン
2・・外気(OA)取入口、
3・・還気(RA)取入口、
4・・フィルター、
5・・熱交換(コイル)、51・・上面、
6・・気化式加湿器、61,61a,b・・加湿エレメント、
611・・移動回動部材、612・・固定回動部材、
62,62a,62b・・散水パイプ、63・・散水ノズル、
64・・給水管、65・・ストレーナ、66,66a,66b・・電磁弁、
67,67a,67b・・(可撓性)給水パイプ、
68・・加湿エレメント駆動装置、681・・ネジ棒、
6811・・ネジ部、
682・・支持部材、683・・モータ、684・・移動部材、
685・・接続部材、
7・・ファン、
8・・吐出口、
9・・操作盤、91・・点検扉

Claims (4)

  1. 空気調和機に組み込まれる気化式加湿器において、
    該気化式加湿器の加湿面を、加湿不要時には空気通路から退避させる退避機構を設けることを特徴とする空気調和機における気化式加湿器。
  2. 空気調和機に組み込まれる気化式加湿器において、
    該気化式加湿器の加湿面を、加湿不要時には空気通路から退避させる退避機構を設け、
    該退避機構は指令装置の指令により駆動する駆動手段で退避させる
    ことを特徴とする空気調和機における気化式加湿器。
  3. 前記退避機構は、前記駆動手段により加湿面を折り畳んで退避させることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の空気調和機における気化式加湿器。
  4. 前記退避機構は、前記駆動手段により加湿面を片開きに回動して退避させることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の空気調和機における気化式加湿器。
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