JP2016028966A - 熱成形容器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
(Ma−Mc)/Ma<0.45 ・・・(2)
Mc:紫外可視吸光度検出器で測定される波長280nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
当該熱成形容器は、酸素バリア性が要求される用途、例えば食品、化粧品、医化学薬品、トイレタリー等の種々の分野で利用される。当該熱成形容器は、例えば多層体を熱成形することで、収容部を有するものとして形成される。
収容部は、食品等の内容物を収容する部分である。この収容部の形状は、内容物の形状に対応して決定される。具体的には、当該熱成形容器は、例えばカップ状容器、トレイ状容器、バッグ状容器、ボトル状容器、パウチ状容器等として形成される。
多層体は、EVOH(I)を主成分とする(1)層を備え、この(1)層の一方の面及び他方の面の少なくとも一方の面側に他の層が積層されるものである。ここで、当該熱成形容器において、一方の面とは上記多層体を当該熱成形容器としたときの収容部の内表面側であり、他方の面とは収容部の外表面側である。この多層体は、フィルム状の形態であっても、シート状の形態であってもよい。
(1)層は、EVOH(I)を主成分とする層である。また、(1)層は、有機酸のアルカリ金属塩を含有することが好ましい。さらに、(1)層は、本発明の効果を損なわない限り、他の任意成分を含有してもよい。ここで、「主成分」とは、質量基準で最も多い成分をいう。また、各成分の含有量を「ppm」で表す場合、この「ppm」は各成分の含有量の質量割合を意味し、1ppmは0.0001質量%である。以下、各成分について詳述する。
EVOH(I)は、エチレンとビニルエステルとの共重合体をけん化したものである。
ピークトップ分子量(Ma)は、窒素雰囲気下、220℃で50時間熱処理した後のEVOH(I)をゲルパーミションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)を用いて分離し、このときにカラムから溶出されるEVOH(I)の図1に模式的に示すように示差屈折率検出器において測定されるシグナル(図1中の「RI」)のメインピークの最大値に対応する値である。本発明におけるピークトップ分子量(Ma)は、後述の方法により作成される検量線を用いて算出されるポリメタクリル酸メチル換算(以下、「PMMA換算」ともいう)の値である。
吸収ピーク分子量(Mb)及び(Mc)は、図1に模式的に示すようにピークトップ分子量(Ma)の測定と同じ条件でGPCによりEVOH(I)を分離し、紫外可視吸光度検出器において測定される特定波長でのシグナル(図1中の「UV」)の吸収ピークの最大値に相当する値である。この吸収ピーク分子量(Mb)及び(Mc)は、ポリメタクリル酸メチル換算の分子量である。なお、波長220nmにおける吸収ピークの分子量は、「Mb」として表記し、波長280nmにおける吸収ピークの分子量は「Mc」として表記する。
検量線は、例えば標品としてAgilent Technologies社の単分散のPMMA(ピークトップ分子量:1,944,000、790,000、467,400、271,400、144,000、79,250、35,300、13,300、7,100、1,960、1,020、690)を測定し、示差屈折率検出器及び吸光度検出器のそれぞれについて作成する。検量線の作成には、解析ソフトを用いることが好ましい。なお、本測定のPMMAの測定においては、例えば1,944,000と271,400との両分子量の標準試料同士のピークが分離できるカラムを用いる。
EVOH(I)は、下記式(1)で表される条件を満たすものである。
式(1)で表される条件を満たすEVOH(I)を調製する方法としては、従来のEVOHの調製において、
(A)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ビニルエステルに含まれるラジカル重合禁止剤を予め除去する方法、
(B)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ラジカル重合に用いるビニルエステルに含まれる不純物を特定量とする方法、
(C)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合温度を特定範囲とする方法、
(D)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合工程、又は上記重合工程後に未反応のビニルエステルを回収再利用する工程において有機酸を添加する方法、
(E)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合に用いる溶媒の不純物を特定量とする方法、
(F)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、重合に用いる溶媒とビニルエステルとの質量比(溶媒/ビニルエステル)を高める方法、
(G)エチレンとビニルエステルモノマーとをラジカル重合する際に使用するラジカル重合開始剤として、アゾニトリル系開始剤又は有機過酸化物系開始剤を用いる方法、
(H)原料であるエチレンとビニルエステルとの共重合体の調製において、ラジカル重合後にラジカル重合禁止剤を添加する場合の添加量を残存する未分解のラジカル重合開始剤に対して特定量とする方法、
(I)残存するビニルエステルが極力除去されたエチレンとビニルエステルとの共重合体のアルコール溶液をけん化反応に用いる方法、
(J)けん化に用いるエチレンとビニルエステルとの共重合体に酸化防止剤を添加する方法等
が挙げられ、(A)〜(J)を適宜組み合わせてもよい。また、(A)〜(J)により、式(2)で表される条件を満たすEVOH(I)を調製することもできる。(A)〜(J)の方法について以下で説明する。
上記ラジカル重合禁止剤としては、後述する(H)でラジカル重合後に添加するラジカル重合禁止剤として例示するものと同様のもの等が挙げられる。また、ラジカル重合禁止剤を除去する方法としては、カラムクロマトグラフィーを用いる方法、再沈法、蒸留法等が挙げられ、通常蒸留法が採用される。蒸留法によりラジカル重合禁止剤を除去する場合、ビニルエステルの沸点はラジカル重合禁止剤の沸点よりも低いため、蒸留塔頂部から重合禁止剤が除去されたビニルエステルを得ることができる。
ラジカル重合に用いるビニルエステルに含まれる不純物の合計含有量の下限としては、1ppmが好ましく、3ppmがより好ましく、5ppmがさらに好ましい。また、上記不純物の合計含有量の上限としては、1,200ppmが好ましく、1,100ppmがより好ましく、1,000ppmがさらに好ましい。
エチレンとビニルエステルとの共重合体の重合温度の下限としては、20℃が好ましく、40℃がより好ましい。一方、上記重合温度の上限としては、90℃が好ましく、70℃がより好ましい。
本方法は、重合系への有機酸の添加により、ビニルエステルのアルコールによる加アルコール分解や微量の水分による加水分解を抑制することで、アセトアルデヒド等のアルデヒドの生成を抑制できる。上記有機酸としては、グリコール酸、グリセリン酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸;マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、シュウ酸、グルタル酸等の多価カルボン酸などが挙げられる。
重合に用いる溶媒の不純物の合計含有量の下限としては、1ppmが好ましく、3ppmがより好ましく、5ppmがさらに好ましい。上記不純物の合計含有量の上限としては、1,200ppmが好ましく、1,100ppmがより好ましく、1,000ppmがさらに好ましい。重合に用いる溶媒の不純物としては、例えば上述のビニルエステルに含まれる不純物として例示したもの等が挙げられる。
上記重合に用いる溶媒とビニルエステルとの質量比(溶媒/ビニルエステル)の下限としては、0.03が好ましい。一方、上記質量比(溶媒/ビニルエステル)の上限としては、例えば0.4である。
アゾニトリル系開始剤としては、例えば2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばアセチルパーオキシド、イソブチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
ラジカル重合後にラジカル重合禁止剤を添加する場合の添加量としては、残存する未分解のラジカル重合開始剤に対して、5モル当量以下が好ましい。上記ラジカル重合禁止剤としては、例えば共役二重結合を有する分子量1,000以下の化合物であって、ラジカルを安定化させて重合反応を阻害する化合物等が挙げられる。具体的な上記ラジカル重合禁止剤としては、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン、3−エチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−エトキシ−1,3−ブタジエン、2−ニトロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、2−ブロモ−1,3−ブタジエン、フルベン、トロポン、オシメン、フェランドレン、ミルセン、ファルネセン、センブレン、ソルビン酸、ソルビン酸エステル、ソルビン酸塩、アビエチン酸等の2個の炭素−炭素二重結合の共役構造を含む共役ジエン;1,3,5−ヘキサトリエン、2,4,6−オクタトリエン−1−カルボン酸、エレオステアリン酸、桐油、コレカルシフェロール等の3個の炭素−炭素二重結合を含む共役構造を含む共役トリエン;シクロオクタテトラエン、2,4,6,8−デカテトラエン−1−カルボン酸、レチノール、レチノイン酸等の4個以上の炭素−炭素二重結合の共役構造を含む共役ポリエンなどのポリエンが挙げられる。なお、1,3−ペンタジエン、ミルセン、ファルネセン等のように、複数の立体異性体を有するものについては、そのいずれを用いても良い。上記ラジカル重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−フェニル−1−プロペン、2−フェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、3,5−ジフェニル−5−メチル−2−ヘプテン、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,5,7−トリフェニル−5−エチル−7−メチル−2−ノネン、1,3−ジフェニル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、3,5−ジフェニル−5−メチル−3−ヘプテン、1,3,5−トリフェニル−1−ヘキセン、2,4,6−トリフェニル−4,6−ジメチル−2−ヘプテン、3,5,7−トリフェニル−5−エチル−7−メチル−3−ノネン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等の芳香族系化合物も挙げられる。
残存モノマーの除去率の下限としては、99モル%が好ましく、99.5モル%がより好ましく、99.8モル%がさらに好ましい。残存モノマーを除去する方法としては、例えばカラムクロマトグラフィーを用いる方法、再沈法、蒸留法等が挙げられ、蒸留法が好ましい。蒸留法で残存モノマーを除去する場合、ラシヒリングを充填した蒸留塔の上部からエチレンとビニルエステルとの共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、蒸留塔下部よりメタノール等の有機溶媒蒸気を吹き込む。これにより、蒸留塔頂部より上記有機溶媒と未反応ビニルエステルとの混合蒸気を留出させることができ、蒸留塔底部より未反応のビニルエステルが除去されたエチレンとビニルエステルとの共重合体溶液を取り出すことができる。ここで、「残存モノマーの除去率」とは、エチレンとビニルエステルとの共重合体のアルコール溶液について除去処理前後のモノマー含有量を測定し、以下の式で算出される値である。
残存モノマーの除去率(モル%)={1−(除去後の残存モノマー含有量/除去前の残存モノマー含有量)}×100
上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。上記酸化防止剤としては、これらの中でフェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
EVOH(I)のメルトフローレートの下限としては、0.5g/10minが好ましく、1.0g/10minがより好ましく、1.4g/10minがさらに好ましい。一方、EVOH(I)のメルトフローレートの上限としては、30g/10minが好ましく、25g/10minがより好ましく、20g/10minがさらに好ましく、15g/10minが特に好ましく、10g/10minがさらに特に好ましく、1.6g/10minが最も好ましい。EVOH(I)のメルトフローレートが上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、成形性及び外観性が悪化するおそれがある。
有機酸のアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、単独の金属種であってもよく、複数の金属種からなるものであってもよい。有機酸のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられるが、工業的入手の点からはナトリウム及びカリウムがより好ましい。(1)層が有機酸のアルカリ金属塩を含有することで、ロングラン性と多層体とした際の層間接着力とが向上する。
他の任意成分としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤、高級脂肪族カルボン酸の多価金属塩、ヒンダードフェノール系化合物やヒンダードアミン系化合物等の熱安定剤、ポリアミドやポリオレフィン等の他の樹脂、ハイドロタルサイト化合物などが挙げられる。当該樹脂組成物の他の任意成分の合計含有量としては、通常1質量%以下である。
(1)層は、各成分を含有するEVOH含有樹脂組成物により形成することができる。このEVOH含有樹脂組成物の製造方法としては、例えばEVOH(I)のペレットと共に、必要に応じてアルカリ金属塩及び他の任意成分を混合して溶融混練する方法、EVOH(I)のペレットを各成分が含まれる溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。なお、ペレットと他の成分との混合には、例えばリボンブレンダー、高速ミキサーコニーダー、ミキシングロール、押出機、インテンシブミキサー等を用いることができる。
EVOH含有樹脂組成物のメルトフローレートの下限としては、0.5g/10minが好ましく、1.0g/10minがより好ましく、1.4g/10minがさらに好ましい。一方、EVOH含有樹脂組成物のメルトフローレートの上限としては、30g/10minが好ましく、25g/10minがより好ましく、20g/10minがさらに好ましく、15g/10minが特に好ましく、10g/10minがさらに特に好ましく、1.6g/10minが最も好ましい。EVOH含有樹脂組成物のメルトフローレートが上記下限未満である場合、又は上記上限を超える場合、成形性及び外観性が悪化するおそれがある。
(2)層は、(1)層の内面側及び外面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm3)1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする層である。この式によって算出される溶解性パラメータが11(cal/cm3)1/2以下である熱可塑性樹脂は、耐湿性に優れる。なお、Fedorsの式から算出される溶解性パラメータとは、(E/V)1/2で表される値である。上記式中、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)であり、E=Σeiで表される。なお、eiは蒸発エネルギーである。また、Vは分子容(cm3/mol)であり、V=Σvi(vi:モル体積)で表される。
(3)層は、(1)層と(2)層との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする層である。(3)層は、(1)層と(2)層等の他の層との間の接着層として機能させることができる。なお、上記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を付加反応、グラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシ基又はその無水物基を有するオレフィン系重合体のことをいう。
低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテン等のポリオレフィン;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のオレフィンとコモノマーとの共重合体などが挙げられる。上記コモノマーとしては、オレフィンと共重合し得るモノマーであれば特に限定されず、例えばビニルエステル、不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。上記オレフィン系重合体としては、直鎖状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含有量が5質量%以上55質量%以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、及びアクリル酸エチル含有量が8質量%以上35質量%以下であるエチレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン及び酢酸ビニル含有量が5質量%以上55質量%以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
(4)層は、EVOH(I)、上記熱可塑性樹脂、及び上記カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する層である。また、(4)層は、当該熱成形容器の製造工程における(1)層、(2)層及び(3)層の回収物を用いて形成されることが好ましい。回収物としては、当該熱成形容器の製造工程において発生するバリ、検定の不合格品等が挙げられる。当該熱成形容器がこのような回収層としての(4)層をさらに有することで、かかるバリ、検定の不合格品等を再利用することができ、当該熱成形容器の製造時に使用される樹脂のロスを低減することができる。
熱成形容器に用いる多層体は、共押出成形装置を用いて形成できる。この多層体は、例えば(1)層を形成する上記EVOH含有樹脂組成物、(2)層を形成する樹脂組成物、(3)層を形成する樹脂組成物、(4)層を形成する樹脂組成物を別々の押出機に仕込み、これらの押出機で共押出することで所定の層構成を有するものとして形成できる。
当該熱成形容器は、フィルム、シート等の多層体を加熱して軟化させた後に、金型形状に成形することで形成することができる。熱成形方法としては、例えば真空又は圧空を用い、必要によりプラグを併せ用いて金型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアスリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法等)、プレス成形する方法などが挙げられる。成形温度、真空度、圧空の圧力、成形速度等の各種成形条件は、プラグ形状や金型形状、原料フィルムやシートの性質等により適当に設定される。
当該熱成形容器は、EVOHを主成分とする樹脂組成物を用いて(1)層を形成する工程と、(1)層を含む層構造体を熱成形する工程とを備え、上記EVOHが、示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、上記式(1)で表される条件を満たす製造方法により製造することが好ましい。
当該熱成形容器は、少なくとも(1)層を備えていればよく、単層からなってもよいし複数層からなってもよい。熱成形容器が複数層である場合の層構成は、用途等に応じて適宜設定すればよい。
(内表面)(2)/(3)/(1)/(3)/(4)/(2)(外表面)、
(内表面)(2)/(4)/(3)/(1)/(3)/(4)/(2)(外表面)、
(内表面)(4)/(3)/(1)/(3)/(4)(外表面)等が挙げられる。なお、これらの層構成において(2)層の代わりに(4)層を備える層構成であってもよい。当該熱成形容器の層構成としては、これらの中で、(内表面)(2)/(3)/(1)/(3)/(4)/(2)(外表面)、及び(内表面)(2)/(4)/(3)/(1)/(3)/(4)/(2)(外表面)が好ましい。なお、(1)層〜(4)層がそれぞれ複数用いられている場合、それぞれの層を構成する樹脂は同一でも異なっていてもよい。
次に、本発明の熱成形容器について、図2及び図3に示すカップ状容器を例にとって、具体的に説明する。但し、カップ状容器は熱成形容器の一例に過ぎず、以下のカップ状容器の説明は、本発明の範囲を限定するものではない。
カップ状容器1は、図5に示すようにフィルム状、シート状等の連続多層体20を加熱装置30により加熱して軟化させた後に、金型装置40を用いて熱成形することで製造される。
加熱装置30は、一対のヒーター(ヒーター31及びヒーター32)を備えるものであり、これらのヒーター31及びヒーター32の間を連続多層体20が通過可能とされている。なお、加熱装置30としては、熱プレスにより加熱するものを用いることもできる。
金型装置40は、プラグアシスト法による熱成形に適するものであり、チャンバー(図示略)内に収容される下型50及び上型51を備える。下型50及び上型51は、それぞれ個別に上下方向に移動可能であり、離間状態において、これらの下型50及び上型51の間を連続多層体20が通過可能とされている。下型50は、カップ状容器1の収容部を形成するための複数の凹部52を有する。上型51は、下型50に向けて突出する複数のプラグ53を備える。複数のプラグ53は、下型50の複数の凹部52に対応した位置に設けられている。各プラグ53は、対応する凹部52に挿入可能である。
まず、図5及び図6(A)に示すように、加熱装置30により軟化させた連続多層体20に対して、下型50を上動させることで下型50に密着させると共に連続多層体20を若干持ち上げて連続多層体20にテンションを付与する。次に、図6(B)に示すように、上型51を下動させることでプラグ53を凹部52に挿入する。
[合成例1](EVOHペレットの合成)
(エチレン−酢酸ビニル共重合体の重合)
ジャケット、攪拌機、窒素導入口、エチレン導入口及び開始剤添加口を備えた250L加圧反応槽に、酢酸ビニルを83kg、メタノールを14.9kg仕込み、60℃に昇温した後、反応液に窒素ガスを30分間バブリングして反応槽内を窒素置換した。次いで反応槽圧力(エチレン圧力)が4.0MPaとなるようにエチレンを導入した。反応槽内の温度を60℃に調整した後、開始剤として12.3gの2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社の「V−65」)をメタノール溶液として添加し、重合を開始した。重合中はエチレン圧力を4.0MPaに、重合温度を60℃に維持した。5時間後、酢酸ビニルの重合率が40%となったところで冷却して重合を停止した。反応槽からエチレンを排気し、さらに反応液に窒素ガスをバブリングしてエチレンを完全に除去した。次いで、減圧下で未反応の酢酸ビニルを除去した後、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下EVAcと称する)を得た。合成に使用する酢酸ビニルは、下記表1に示す含有量のアセトアルデヒドを添加したものを用いた。
得られたEVAc溶液にメタノールを加え、濃度15質量%のEVAcのメタノール溶液を調製した。このEVAcのメタノール溶液253.4kg(溶液中のEVAcが38kg)に、水酸化ナトリウムを10質量%含むメタノール溶液76.6L(EVAc中の酢酸ビニルユニットに対してモル比0.4)を添加して60℃で4時間撹拌することにより、EVAcのけん化を行った。反応開始から6時間後、酢酸9.2kg及び水60Lを添加して上記反応液を中和し、反応を停止させた。
中和された反応液を反応器からドラム缶に移して16時間室温で放置し、ケーキ状に冷却固化させた。その後、遠心分離機(国産遠心器株式会社の「H−130」、回転数1200rpm)を用いて、上記ケーキ状の樹脂を脱液した。次に、遠心分離機の中央部に、上方よりイオン交換水を連続的に供給しながら洗浄し、上記樹脂を水洗する工程を10時間行った。洗浄開始から10時間後の洗浄液の伝導度は、30μS/cm(東亜電波工業株式会社の「CM−30ET」で測定)であった。
このようにして得られた粉末状のEVOHを乾燥機を用いて60℃、48時間乾燥した。乾燥した粉末状のEVOH20kgを水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)43Lに80℃で12時間、撹拌しながら溶解させた。次に、撹拌を止めて溶解槽の温度を65℃に下げて5時間放置し、上述のEVOHの水/メタノール溶液の脱泡を行った。そして、直径3.5mmの円形の開口部を有する金板から、5℃の水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=9/1)中に押出してストランド状に析出させ、切断することで直径約4mm、長さ約5mmの含水EVOHペレットを得た。
得られたペレットを遠心分離機で脱液し、さらに大量の水を加え脱液する操作を繰り返し行って洗浄し、EVOHのペレットを得た。得られたEVOHのケン化度は99モル%であった。
酢酸ビニルのアセトアルデヒド含有量、EVOH(I)のケン化度、及びアルカリ金属塩含有量を表1に示すようにした以外は合成例1と同様にして合成例2〜4のEVOH含有樹脂組成物を合成した。
乾燥EVOHペレットを凍結粉砕により粉砕した。得られた粉砕EVOHを呼び寸法1mmのふるい(標準フルイ規格JIS−Z8801準拠)でふるい分けした。このふるいを通過したEVOH粉末5gを100gのイオン交換水中に浸漬し、85℃で4時間撹拌した後、脱液して乾燥する操作を二回行った。得られた洗浄後の粉末EVOHを用いて、下記の測定条件で1H−NMRの測定を行い、下記解析方法でエチレン含有量及びけん化度を求めた。
装置名 :超伝導核磁気共鳴装置(日本電子株式会社の「Lambda500」)
観測周波数 :500MHz
溶媒 :DMSO−d6
ポリマー濃度 :4質量%
測定温度 :40℃及び95℃
積算回数 :600回
パルス遅延時間:3.836秒
サンプル回転速度:10Hz〜12Hz
パルス幅(90°パルス):6.75μsec
40℃での測定では、3.3ppm付近に水分子中の水素のピークが観測され、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.1ppm〜3.7ppmの部分と重なった。一方、95℃での測定では、上記40℃で生じた重なりは解消するものの、4ppm〜4.5ppm付近に存在するEVOHのビニルアルコール単位の水酸基の水素のピークが、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.7ppm〜4ppmの部分と重なった。すなわち、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素(3.1ppm〜4ppm)の定量については、水又は水酸基の水素のピークとの重複を避けるために、3.1ppm〜3.7ppmの部分については、95℃の測定データを採用し、3.7ppm〜4ppmの部分については40℃の測定データを採用し、これらの合計値として当該メチン水素の全量を定量した。なお、水又は水酸基の水素のピークは測定温度を上昇させることで高磁場側にシフトすることが知られている。従って、以下のように40℃及び95℃の両方の測定結果を用いて解析した。上記の40℃で測定したスペクトルより、3.7ppm〜4ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I1)及び0.6ppm〜1.8ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I2)を求めた。
アルカリ金属含有量の測定は、分光分析装置を用いて定量した。具体的には、乾燥EVOHペレット0.5gをアクタック社のテフロン(登録商標)製耐圧容器に添加し、硝酸(和光純薬工業社の精密分析用)5mLを添加した。30分放置後、ラプチャーディスク付きキャップリップにて容器に蓋をし、マイクロウェーブ高速分解システム(アクタック社の「スピードウェーブ MWS−2」)にて150℃、10分、次いで180℃、10分の処理を行って乾燥EVOHペレットを分解させた。なお、上述の処理では乾燥EVOHペレットの分解が完了できていない場合、処理条件を適宜調節した。得られた分解物を10mLのイオン交換水で希釈し、全液を50mLのメスフラスコに移しとり、イオン交換水で定容することで分解溶液を得た。ICP発光分光分析装置(パーキンエルマージャパン社の「Optima 4300 DV」)を用い、上記分解溶液をNaの波長589.592nmで定量分析することで、アルカリ金属含有量を測定した。
溶融粘度(メルトフローレート)は、JIS−K7210(1999)に準拠し、温度190℃、荷重2,160gで測定した。
(測定サンプルの準備)
測定サンプルは、窒素雰囲気下、EVOHを220℃で50時間加熱することで作製した。
GPC測定は、VISCOTECH社の「GPCmax」を用いて行った。分子量は、示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器で検出されるシグナル強度に基づいて算出した。示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器としては、VISCOTECH社の「TDA305」及び「UV Detector2600」を用いた。この吸光度検出器の検出用セルとしては、光路長が10mmのものを用いた。GPCカラムとしては、昭和電工株式会社の「GPC HFIP−806M」を用いた。また、解析ソフトとしては、装置付属の「OmniSEC(Version 4.7.0.406)」を用いた。
測定サンプルを採取し、トリフルオロ酢酸ナトリウム20mmol/Lを含有するヘキサフルオロイソプロパノール(以下「HFIP」という)に溶解し、0.100wt/vol%溶液を調製した。測定には、0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した溶液を用いた。測定サンプルの溶解は、室温にて一晩静置することで行った。
標品として、Agilent Technologies社のポリメタクリル酸メチル(以下「PMMA」と略記する)(ピークトップ分子量:1,944,000、790,000、467,400、271,400、144,000、79,250、35,300、13,300、7,100、1,960、1,020又は690)を測定し、示差屈折率検出器及び吸光度検出器のそれぞれについて、溶出容量をPMMA分子量に換算するための検量線を作成した。各検量線の作成には、上記解析ソフトを用いた。なお、本測定においてはPMMAの測定において、1,944,000及び271,400の両分子量の標準試料同士のピークが分離できるカラムを用いた。
[実施例1〜4及び比較例1]
[共押出製膜の作製]
共押出成形装置を用い、(2)層を形成するホモポリプロピレン(三菱ノーブレン社の「PY220」)、(1)層を形成する合成例1〜4及び比較合成例1のEVOH樹脂組成物、(3)層を形成するカルボン酸変性ポリオレフィン(三井化学アドマー社の「QF−500」)を別々の押出機に仕込み、(2):425μm/(3):50μm/(1):50μm/(3):50μm/(2):425μmの層構成を有する全層平均厚みが1,000μmの多層シートを作製した。押出成形は、ホモポリプロピレンについては直径65mm、L/D=22の一軸スクリューを備えた押出機を200℃〜240℃の温度とし、EVOH樹脂組成物については直径40mm、L/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を170℃〜240℃の温度とし、カルボン酸変性ポリオレフィンについては直径40mm、L/D=26の一軸スクリューを備えた押出機を160℃〜220℃の温度として、フィードブロック型ダイ(巾600mm)を255℃で運転することにより実施した。
共押出成形装置にて得られた多層シート(共押出成形装置の立ち上げから30分後、及び24時間後を採取)を15cm角に裁断し、浅野製作所社のバッチ式熱成形試験機にてシート温度150℃の条件で、カップ状(金型形状70φ×70mm、絞り比S=1.0)に熱成形(圧空:5kg/cm2、プラグ:45φ×65mm、シンタックスフォーム、プラグ温度:150℃、金型温度:70℃)することで熱成形容器を作製した。
上記得られた樹脂組成物、多層シート及び熱成形容器について、以下に説明する手法に従い、モータートルク変動、外観性及び耐衝撃性を評価した。評価結果について表2に示す。
EVOHペレット60gをラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所の「20R200」二軸異方向)にて100rpm、260℃で混練したときのトルク変化を測定した。モータートルクの評価は、混練開始から5分後のトルクを測定し、トルク値がその5分後のトルクの1.5倍になるまでの時間として評価した。この時間が長いほど、粘度変化が少なく、ロングラン性に優れていることを示す。
A:60分以上
B:40分以上60分未満
C:20分以上40分未満
共押出成形装置の立ち上げ開始から30分後、6時間後に得られた多層シートを用いて成形した熱成形容器について、目視にてストリーク及び着色を下記基準にて評価した。
A(良好):ストリークは認められなかった。
B(やや良好):ストリークが確認された。
C(不良):多数のストリークが確認された。
A(良好):無色
B(やや良好):黄変
C(不良):著しく黄変
共押出成形装置の立ち上げ開始から20分後、40分後、及び10時間後の多層シートから形成した熱成形容器に、エチレングリコールを250mL入れ、開口部を3層構造のフィルム(ポリエチレン40μm/アルミ箔12μm/ポリエチレンテレフタレート12μm)で熱シールして蓋をした。この熱成形容器を−40℃で3日間冷却し、開口部が上になるように6mの高さから10個の熱成形容器を落下させ、破壊した熱成形容器の個数で評価した。なお、共押出成形装置の立ち上げ開始から20分後の耐衝撃性がセルフパージ性の指標となる。
A(良好):3個未満
B(やや良好):3個以上6個未満
C(不良):6個以上
2 カップ本体
3 フランジ部
4 開口
5 内表面
6 外表面
7 蓋
11 (1)層(EVOHを主成分とする層)
12 (2)層(熱可塑性樹脂層)
13 (3)層(ポリオレフィン層)
14 (4)層(回収層)
20 連続多層体
30 加熱装置
31,32 ヒーター
40 金型装置
50 下型
51 上型
52 凹部
53 プラグ
Claims (10)
- エチレンとビニルエステルとの共重合体をケン化して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする第1層を備える熱成形容器であって、
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(1)で表される条件を満たすことを特徴とする熱成形容器。
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量 - 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(2)で表される条件をさらに満たす請求項1に記載の熱成形容器。
(Ma−Mc)/Ma<0.45 ・・・(2)
Mc:紫外可視吸光度検出器で測定される波長280nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量 - 上記第1層が有機酸のアルカリ金属塩をさらに含有し、
上記アルカリ金属塩の含有量が金属換算で1ppm以上1,000ppm以下である請求項1又は請求項2に記載の熱成形容器。 - 上記ビニルエステルが酢酸ビニルであり、この酢酸ビニルにおけるアセトアルデヒドの含有量が100ppm未満である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の熱成形容器。
- 上記第1層の一方の面側及び他方の面側に配置され、Fedorsの式から算出する溶解性パラメータが11(cal/cm3)1/2以下である熱可塑性樹脂を主成分とする一対の第2層、及び
上記第1層と一対の第2層との間に配置され、カルボン酸変性ポリオレフィンを主成分とする一対の第3層
をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱成形容器。 - 上記第1層、第2層及び第3層を含む多層体を熱成形してなる請求項5に記載の熱成形容器。
- 上記エチレン−ビニルアルコール共重合体、上記熱可塑性樹脂及び上記カルボン酸変性ポリオレフィンを含有する第4層をさらに備える請求項5又は請求項6に記載の熱成形容器。
- カップ状容器である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の熱成形容器。
- トレイ状容器である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の熱成形容器。
- エチレンとビニルエステルとの共重合体をケン化して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂組成物を用いて第1層を形成する工程と、
上記第1層を含む層構造体を熱成形する工程とを備え、
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体が、
示差屈折率検出器及び紫外可視吸光度検出器を備えるゲルパーミエーションクロマトグラフを用い、窒素雰囲気下、220℃、50時間熱処理後に測定した分子量が、下記式(1)で表される条件を満たす熱成形容器の製造方法。
(Ma−Mb)/Ma<0.45 ・・・(1)
Ma:示差屈折率検出器で測定されるピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
Mb:紫外可視吸光度検出器で測定される波長220nmでの吸収ピークの最大値におけるポリメタクリル酸メチル換算の分子量
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