JP2016023160A - 歯磨組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、アラントイン及び/又はその誘導体の安定性確保と硝酸カリウムの析出抑制とが両立された歯磨組成物を提供することにある。【解決手段】本発明は、成分(A):アラントイン及び/又はその誘導体、成分(B)硝酸カリウム、成分(C):グリセリン、並びに成分(D):ソルビトールを含み、歯磨組成物の全質量に対する、成分(C)の含有量が20質量%〜45質量%、成分(D)の含有量が10質量%〜32質量%である、歯磨組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、歯磨組成物に関する。

アラントイン及びその誘導体は、細胞の機能を活性化するとともに抗炎症効果や抗潰瘍作用を有する有用な有効成分であることが知られている。

一方で、アラントイン及びその誘導体は加水分解しやすい性質を有しているため、その安定性は極めて悪い。そのため、各分野においてアラントイン及びその誘導体の安定性を向上させるための種々の検討がなされている。

例えば、特許文献1には、アラントインを含有する水性製剤において、有機酸又は無機酸、アミノ酸、これらのアルカリ金属塩又はこれらの2以上の組み合わせが、アラントインを安定に水性基材に配合せしめることが記載されている。特許文献2には、アラントインを含む液体口腔用組成物において、クエン酸とクエン酸塩、クエン酸とアルカリ剤、又はクエン酸塩と酸との組み合わせが、高温保存時のアラントイン加水分解抑制効果を有することが記載されている。特許文献3には、アラントインを含有する透明液体口腔用組成物において、乳酸を配合することによりアラントインの安定性を保持するpH領域内にpHを維持することができることが記載されている。

一方、歯刷子等のアプリケーターに乗せて口腔清掃を行う用途で用いられる歯磨剤では、適度な粘性を要するとともにペーストの固化を抑制する必要があるため、ソルビトール等の粘稠剤が配合されてきた。

特開昭63−159317号公報 特開2010−143889号公報 特開2013−1651号公報

しかしながら、歯磨剤にアラントイン又はその誘導体を配合すると、特許文献1〜3に記載の水性製剤及び液剤のように、酸を配合して歯磨剤のpHを調整したとしても、アラントイン又はその誘導体の安定性は十分に改善されず、その原因は不明であった。

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ね、ソルビトールを特定量含有することで、アラントインの安定性に影響することを見出した。しかしながら、前記系に更に硝酸カリウムを配合すると低温保存で析出物が生じ、低温安定性が損なわれることが判明した。

また、硝酸カリウムの析出を抑制するためにソルビトール含有量を低くするとアラントイン及び/又はその誘導体が加水分解してしまう。したがって、アラントイン及び/又はその誘導体の安定性確保と硝酸カリウムの析出抑制とを両立する技術が求められていた。

本発明の目的は、アラントイン及び/又はその誘導体の安定性確保と硝酸カリウムの析出抑制とが両立された歯磨組成物を提供することにある。

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アラントイン及び/又はその誘導体と硝酸カリウムとを含有する歯磨組成物において、特定の粘稠剤を特定の量の範囲で含有させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

本発明は、下記を提供する。
成分(A):アラントイン及び/又はその誘導体、
成分(B):硝酸カリウム、
成分(C):グリセリン、並びに
成分(D):ソルビトールを含み、
歯磨組成物の全質量に対する、成分(C)の含有量が20質量%〜45質量%、成分(D)の含有量が10質量%〜32質量%である、歯磨組成物。

本発明によれば、アラントイン及び/又はその誘導体の安定性確保と硝酸カリウムの析出抑制とが両立された歯磨組成物を提供することができる。

本発明の歯磨組成物は、成分(A)〜(D)を含有する。各成分について以下順次説明する。

[成分(A)]
成分(A)は、アラントイン及び/又はその誘導体である。

アラントインの誘導体としては、例えば、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウムが挙げられる。

本発明の歯磨組成物における成分(A)の含有量は、歯磨組成物全質量に対して0.01質量%以上であることが好ましい。これにより、歯周病疾患抑制効果が十分に発現され得る。

成分(A)の含有量の上限に特に制限はないが、歯磨組成物全質量に対して0.5質量%以下であることが好ましい。これにより、渋みの発生を抑制することができる。

なお、本発明において、歯磨組成物中の各成分の含有量は、特に断らない限り、組成物を製造する際の各成分の仕込み量を基準とするものである。

[成分(B)]
成分(B)は、硝酸カリウムである。

本発明の歯磨組成物における成分(B)の含有量は、歯磨組成物全質量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。1質量%未満では、知覚過敏抑制効果が低下する恐れがある。

成分(B)の含有量の上限は、歯磨組成物全質量に対して、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下である。10質量%を超えると硝酸カリウムが析出する恐れがある。

[成分(C)]
成分(C)は、グリセリンである。

本発明の歯磨組成物における成分(C)の含有量は、歯磨組成物全質量に対して、20質量%以上であり、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上である。これにより、成分(A)の安定化効果を十分に得ることができる。

成分(C)の含有量の上限は、歯磨組成物全質量に対して、45質量%以下であり、好ましくは35質量%以下である。これにより、曳糸性を抑制でき、成分(B)の析出を抑制できる。

[成分(D)]
成分(D)は、ソルビトールである。

本発明の歯磨組成物における成分(D)の含有量は、歯磨組成物全質量に対して、10質量%以上であり、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上である。これにより、成分(B)の析出抑制効果及び成分(A)の安定化効果を十分に得ることができる。

成分(D)の含有量の上限は、歯磨組成物全質量に対して、32質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。これにより、成分(A)の安定化効果を十分に得ることができる。

[成分(C)/成分(D)]
成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の比率(以下、成分(C)/成分(D)と略記する。)は、0.5〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更により好ましい。これにより、成分(A)の安定化効果及び成分(B)の析出抑制効果をより十分に得ることができる。

[その他の成分]
本発明の歯磨組成物は、上記各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、歯磨組成物に使用し得る添加成分(薬理学的又は化粧料学的に許容される担体)を含有していてもよい。かかる添加成分としては、例えば、研磨剤、粘結剤、成分(C)及び(D)以外の粘稠剤(湿潤剤)、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、着色剤、成分(A)及び(B)以外の薬用成分、pH調整剤、溶剤が挙げられ、剤型に応じて適宜選択し得る。以下に添加成分の具体的な例を記載するが、本発明の歯磨組成物が含有してもよい成分は、これらに制限されるものではない。

研磨剤としては、例えば、無水ケイ酸、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第三リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第三リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第四リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。これらのうち、無水ケイ酸とリン酸水素カルシウムが好ましく、無水ケイ酸がより好ましい。

前記無水ケイ酸の吸液量は、通常0.5mL/g〜2.0mL/gの範囲のものが好ましく、より好ましくは0.7mL/g〜1.5mL/gである。この範囲のものを使用すると、より高い研磨効果を得ることができる。

なお、本発明において吸液量は、以下の方法により測定した値である。即ち、試料1gをガラス板上に量りとり、ビュレットを用いて42.5質量%グリセリン水溶液を滴下しながらヘラで液が均一になるように混合する。試料が1つの塊となり、ヘラでガラス板よりきれいにはがれるようになったときを終点とし、試料1.0gに対して要したグリセリン水溶液量を吸液量(mL/g)として表す。

前記研磨剤は、1種単独で、又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。研磨剤を配合する場合、その配合量は、歯磨組成物全質量に対して5質量%〜30質量%であることが好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。

粘結剤としては、有機系粘結剤、無機系粘結剤が例示され、これらから選ばれる1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。

有機系粘結剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。無機系粘結剤としては増粘性無水ケイ酸、ベントナイト等が挙げられる。なお、増粘性無水ケイ酸の吸液量は、1.5mL/g以上であることが好ましく、1.5mL/g〜3mL/gであることがより好ましい。

有機系粘結剤は、1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。無機系粘結剤は、1種であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。粘結剤は、有機系粘結剤及び無機系粘結剤の組み合わせであることが好ましい。

有機系粘結剤を用いる場合、その含有量は、通常、歯磨組成物全質量に対して0.5質量%〜3質量%である。無機系粘結剤を用いる場合、その含有量は、1〜10質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましく、2〜6質量%であることが更に好ましい。これにより、歯磨組成物としての使用性が向上する。

(C)、(D)以外の他の粘稠剤(湿潤剤)としては、例えば、キシリトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。他の粘稠剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。粘稠剤の総含有量(C,Dを含む)は、本発明の効果を妨げない範囲で定めることができ、歯磨組成物全質量に対して、通常、30〜80質量%である。

界面活性剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。

アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステルの硫酸塩などが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩などが好ましく、味及び発泡性の点で、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウムなどがより好ましい。

ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、脂肪酸アルキロールアミド、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、汎用性の点で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルキロールアミド、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好適に用いられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、アルキル鎖の炭素鎖長が、炭素数で12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が3〜30であることが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、エチレンオキサイド平均付加モル数(平均付加EO)が20〜100であることが好ましい。脂肪酸アルキロールアミドは、アルキル鎖の炭素鎖長が炭素数12〜14であることが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12〜18であることが好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が16〜18であることが好ましい。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、エチレンオキサイド平均付加モル数が10〜40であることが好ましい。

両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやヤシ油脂肪酸アミドアルキルベタインが挙げられ、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。

界面活性剤は、1種単独でもよいし2種以上の組み合わせでもよい。歯磨組成物が界面活性剤を含有する場合、その含有量は、歯磨組成物全質量に対して0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。

甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、グリチルリチン、ソーマチン、パラチノース、マルチトール、キシリトール、アラビトール等が挙げられる。甘味剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。甘味剤を用いる場合、含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。

防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。防腐剤は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。防腐剤を用いる場合、その含有量は本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。

香料としては、口腔用製剤に使用可能な通常の香料成分を、単独で、または複数組み合わせた香料組成物として、使用することができる。香料の含有量は、歯磨組成物全質量に対して0.00001質量%〜3質量%であることが好ましい。

着色剤としては、例えば、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や、赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、二酸化チタン等が挙げられる。歯磨組成物が着色剤を含有する場合、その含有量は、歯磨組成物全質量に対して0.00001質量%〜3質量%であることが好ましい。

薬用成分としては、成分(A)及び(B)以外の成分、すなわち例えば以下の成分が挙げられる:モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ、フッ化ストロンチウム等のフッ化物;塩酸クロルヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の殺菌又は抗菌剤;ピロリン酸ナトリウムやポリリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩、ゼオライト、リン酸一水素ナトリウムやリン酸三ナトリウム等のリン酸塩等の歯石予防剤;トラネキサム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチルレチン酸、ε−アミノカプロン酸、オウバクエキス等の抗炎症剤;塩化ナトリウム等の収斂剤;乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム等の知覚過敏抑制剤;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、塩酸ピリドキシン、トコフェロール酢酸エステル等のビタミン等が挙げられる。薬用成分は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。薬用成分を使用する場合、その含有量は、それぞれの薬用成分について薬剤学的に許容できる範囲で適宜設定することができる。

溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノールなどの炭素原子数3以下の低級アルコール等が挙げられる。歯磨組成物が低級アルコールを含有する場合、その含有量は、歯磨組成物全質量に対して1質量%〜20質量%であることが好ましい。

本発明の歯磨組成物のpH(25℃)は、4以上が好ましく、4.5以上がより好ましい。これにより歯牙の脱灰が抑制できる。pHの上限は、6.5以下が好ましく、6以下がより好ましい。これにより、成分(A)の安定化効果をより十分に得ることができる。したがって、pHは、好ましくは4〜6.5であり、より好ましくは4.5〜6.5である。

pH調整剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性成分としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、グルコン酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタミン酸等の有機酸、塩基性成分としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも酸としては有機酸を用いることが好ましく、クエン酸を用いることがより好ましい。また、有機酸を用いる場合、有機酸に加え有機酸塩を用いることが好ましく、中でもクエン酸とクエン酸ナトリウムを組み合わせることがより好ましい。pH調整剤を用いる場合、その含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができる。

本発明の歯磨組成物は、通常、水を含む。

本発明の歯磨組成物における水の含有量は歯磨組成物全質量に対して、10質量%以上であり、15質量%以上であることが好ましい。

本発明の歯磨組成物における水の含有量の上限は、歯磨組成物として使用できる限り特に限定されるものではないが、歯磨組成物全質量に対して、50質量%以下であり、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。

なお、水の含有量は、歯磨組成物における総水分量を意味する。

本発明の歯磨組成物の剤形は特に限定されず、ペースト状、液状等が例示される。前記剤形に調製された歯磨組成物は、練歯磨、液状歯磨、ジェル状歯磨等の各種歯磨製品とすることができる。本発明の好ましい製品形態は、練歯磨である。

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明は勿論、かかる実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「%」は、別途明示のない限り、「質量%」を意味する。

[実施例及び比較例に使用した主な原料]
<成分(A)>
アラントイン(パーマケムアジア社製)
アラントインクロルヒドロキシアルミニウム(パーマケムアジア社製、商品名「アルクロキサ」)
アラントインジヒドロキシアルミニウム(パーマケムアジア社製、商品名「アルジオキサ」)

<成分(B)>
硝酸カリウム(マツモト交商社製)

<成分(C)>
85%グリセリン(ライオンケミカル社製)

<成分(D)>
ソルビトール(ロケット社製)

その他の添加成分については、外原規規格品を用いた。

[実施例1〜11及び比較例1〜4]
上述の成分を用いて、表1に示す配合量に従って下記調製方法により、練歯磨組成物を調製した。なお、表1に示す各成分の配合量は、85%グリセリン、70%ソルビトールを除いて、純分換算した値(AI)である。85%グリセリン、70%ソルビトールについての純分換算した値(AI)も表に示した。各配合量の単位は質量%である。

(練歯磨組成物の調製方法)
(1)精製水中に成分(A)、成分(B)、成分(C)及び/又は(D)、フッ化ナトリウム、サッカリンナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、無水ケイ酸(増粘性)、酸化チタンを常温で混合溶解させた(混合物X)。
(2)プロピレングリコール中にカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムを常温で分散させた(混合物Y)。攪拌中の混合物X中に、酸化チタン、及び混合物Yを添加混合した(混合物Z)。
(3)混合物Z中に、香料、ラウリル硫酸ナトリウム及び無水ケイ酸(研磨性)をニーダー(石山工作所製)を用いて常温で混合し、減圧(5.3kPa)による脱泡を行い、歯磨組成物を得た。

調製した練歯磨組成物について、下記手順に従って、口腔内におけるアラントイン分解抑制効果及び硝酸カリウム析出について評価した。評価結果を表1に示す。

(アラントイン分解抑制効果の評価方法)
50℃で1ヶ月保存後の練歯磨組成物について、下記試験条件に従いHPLCを用いてアラントイン濃度を測定した。各サンプルの製造直後のアラントイン濃度を100%とした際の残存率を算出し、次の基準に従いアラントインの分解抑制効果を判定した。

<試験条件>
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:210nm)
カラム:Inertsil NH(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:35℃
移動相:アセトニトリル/リン酸塩緩衝溶液混液(4:1)
リン酸塩緩衝溶液:リン酸二水素アンモニウム5.75gを水750mLに溶かし、リン酸を加えpH2.5に調整した後、水を加え1,000mLとした。

<使用機器>
ポンプ:日本分光(株) PU−980
試料導入部:協和精密(株) KSP−100X
検出器:日本分光(株) UV−970
カラム恒温槽:(株)センシュー科学 SCC−2100
流量:1mL/min

<判定基準>
◎:95%以上
○:90%以上95%未満
×:90%未満

(硝酸カリウムの析出抑制の確認方法)
−5℃で1ヶ月保存後の練歯磨組成物をチューブより取り出し、その外観を目視で評価した。

<判定基準>
◎:析出なし
○:やや析出あり
×:析出あり

表1から、次のことが分かる。実施例1〜11の練歯磨組成物は、アラントイン分解抑制効果及び硝酸カリウムの析出抑制のいずれの評価にも優れていた。これに対して、成分(C)の純分換算含有量が20質量%未満又は45質量%超である比較例1〜4、成分Dの純分換算含有量が10質量%未満又は32質量%超である比較例1〜4は、アラントイン分解抑制効果又は硝酸カリウムの析出抑制効果が劣っていた。

これらの結果は、本発明の歯磨組成物は、成分(A)安定化効果及び成分(B)析出抑制効果を有し、使用性にも優れることを示している。

[実施例12]練歯磨
以下の組成の練歯磨組成物を調製した。
アラントイン 0.1%
硝酸カリウム 5%
85%グリセリン 29%
70%ソルビトール 29%
トラネキサム酸 0.05%
イソプロピルメチルフェノール 0.05%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.5%
プロピレングリコール 3%
フッ化ナトリウム 0.21%
クエン酸ナトリウム 0.5%
クエン酸 0.6%
サッカリンナトリウム 0.18%
無水ケイ酸(増粘性) 5%
酸化チタン 0.1%
香料 1.2%
無水ケイ酸(研磨性) 10%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2%
水 残
計 100.0質量%
総水分量:26% pH:5.8

[実施例13]練歯磨
以下の組成の練歯磨組成物を調製した。
アラントイン 0.1%
硝酸カリウム 5%
85%グリセリン 29%
70%ソルビトール 29%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.2%
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.2%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5%
キサンタンガム 1%
プロピレングリコール 3%
フッ化ナトリウム 0.21%
クエン酸ナトリウム 0.5%
クエン酸 0.6%
サッカリンナトリウム 0.18%
無水ケイ酸(増粘性) 5%
酸化チタン 0.1%
香料 1.2%
無水ケイ酸(研磨性) 10%
水 残
計 100.0質量%
総水分量:26% pH:5.7

[実施例14]練歯磨組成物
以下の組成の練歯磨組成物を調製した。
アラントイン 0.1%
硝酸カリウム 5%
85%グリセリン 35%
70%ソルビトール 36%
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 1.2%
塩化セチルピリジニウム 0.2%
トコフェロール酢酸エステル 0.1%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2%
塩酸ピリドキシン 0.02%
キサンタンガム 1.0%
アルギン酸ナトリウム 0.5%
プロピレングリコール 3%
フッ化ナトリウム 0.21%
クエン酸ナトリウム 0.5%
クエン酸 0.6%
サッカリンナトリウム 0.18%
無水ケイ酸(増粘性) 5%
酸化チタン 0.1%
香料 1.2%
無水ケイ酸(研磨性) 9%
ラウリル硫酸ナトリウム 1%
水 残
計 100.0質量%
総水分量:16% pH:5.7

上記の歯磨組成物は、成分(A)安定化効果及び成分(B)析出抑制効果のいずれの評価においても優れていた。

Claims (1)

  1. 成分(A):アラントイン及び/又はその誘導体、
    成分(B):硝酸カリウム、
    成分(C):グリセリン、並びに
    成分(D):ソルビトールを含み、
    歯磨組成物の全質量に対する、成分(C)の含有量が20質量%〜45質量%、成分(D)の含有量が10質量%〜32質量%である、歯磨組成物。
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