JP2016010844A - 打撃作業機 - Google Patents

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裕太 野口
剛也 藤本
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Abstract

【課題】先端工具に加えられる打撃力が低下することを抑制できる打撃作業機を提供する。
【解決手段】ブラシレスモータ24から動力が伝達されて往動及び復動するピストン18と、ピストン18の動作により圧力が変化する圧力室19と、圧力室19の圧力で動作して先端工具11を打撃する打撃子17と、を備えた打撃作業機10であって、圧力室19の圧力に応じたピストン18の動作負荷を検出するモータ電流検出抵抗及びモータ制御ユニットと、ピストン18が上死点から打撃子17に近づく向きで往動する行程で、ピストン18の動作負荷が最大となる第2位置を検出するクランク位置検出センサ73及びモータ制御ユニットと、ピストン18が上死点から往動して第2位置に到達するまでの範囲におけるピストン18の第1動作速度を、動作負荷が最大となった後にピストン18が往動する範囲における第2動作速度よりも高速とするモータ制御ユニットを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの動力で動作部材を往復動作させて、先端工具を打撃する打撃作業機に関する。
モータの動力で先端工具を打撃する打撃作業機が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された打撃作業機は、ハウジング内に設けた円筒状のシリンダと、シリンダ内に往復動作可能に収納された動作部材と、シリンダに保持された先端工具と、シリンダ内に往復動作可能に設けられた打撃子と、シリンダ内で先端工具と打撃子との間に配置された中間子と、シリンダ内で動作部材と打撃子との間に形成された圧力室と、を有する。シリンダには、圧力室につながる呼吸孔が形成されている。ハウジング内にモータが設けられており、モータの出力軸の回転力を、動作部材の往復動作力に変換する動力変換機構が設けられている。
特許文献1に記載された打撃作業機は、モータの出力軸の回転力が、動作部材の往復動作力に変換される。動作部材が打撃子から離れる向きで動作すると、圧力室の圧力が低下する一方、動作部材が打撃子に近づく向きで動作すると、圧力室の圧力が上昇して、打撃力が中間子を介して先端工具に加えられる。
特開2009−113122号公報
しかし、特許文献1に記載された打撃作業機は、動作部材が打撃子に近づく向きで動作する行程で圧力室の圧力が上昇すると、動作部材の動作速度が低下し、打撃力が低下する可能性があった。
本発明の目的は、動作部材が動作して先端工具に加えられる打撃力が低下することを抑制できる打撃作業機を提供することにある。
一実施形態の打撃作業機は、モータから動力が伝達されて往動及び復動する動作部材と、前記動作部材の動作により圧力が変化する圧力室と、前記圧力室の圧力で動作して先端工具を打撃する打撃子と、を備えた打撃作業機であって、前記圧力室の圧力に応じた前記動作部材の動作負荷を検出する負荷検出部と、前記動作部材が第1位置から前記打撃子に近づく向きで往動する行程で、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する位置検出部と、前記動作部材が往復動作する動作範囲のうち、前記第1位置から前記第2位置に至る少なくとも一部の第1範囲を前記動作部材が動作する場合の第1動作速度を、前記第1範囲以外の第2範囲を前記動作部材が動作する場合の第2動作速度よりも高速とする速度制御部と、を有する。
他の実施形態の打撃作業機は、モータから動力が伝達されて往動及び復動する動作部材と、前記動作部材の動作により圧力が変化する圧力室と、前記圧力室の圧力で動作して先端工具を打撃する打撃子と、を備えた打撃作業機であって、前記動作部材が第1位置から前記打撃子に近づく向きで往動する行程で、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する位置検出部と、前記動作部材が往復動作する動作範囲のうち、前記第1位置から前記第2位置に至る少なくとも一部の第1範囲を前記動作部材が動作する場合の第1動作速度を、前記第1範囲以外の第2範囲を前記動作部材が動作する場合の第2動作速度よりも高速とする速度制御部と、を有する。
本発明によれば、動作部材の動作負荷が最大となる場合において、動作部材の動作速度が低下することを抑制できる。したがって、動作部材の動作により打撃子に加えられる打撃力が低下することを抑制できる。
本発明の打撃作業機の一例を示す正面断面図である。 図1の打撃作業機の制御回路を示すブロック図である。 図1の打撃作業機で実行可能な制御例1を示すフローチャートである。 制御例1に対応するタイムチャートの例である。 図1の打撃作業機で実行可能な制御例2を示すフローチャートである。 図5のフローチャートで判断される電流値の波形である。 図1の打撃作業機で実行可能な制御例3を示すフローチャートである。 制御例3に対応するタイムチャートの例である。 図1の打撃作業機で実行可能な制御例4を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。打撃作業機10は、ハンマドリルとも言われ、打撃作業機10に取り付けられる先端工具11は、対象物を破砕するか、または対象物に穴をあけるためのものである。対象物は、コンクリート、木材のいずれでもよい。打撃作業機10は、筒形状の第1ハウジング12を有し、第1ハウジング12内に円筒形状のシリンダ13が設けられている。シリンダ13は軸線A1を中心として配置されており、シリンダ13と同心状に、円筒形状の工具保持具14が設けられている。シリンダ13と工具保持具14は一体回転可能に連結され、工具保持具14は、軸受15により回転可能に支持されている。工具保持具14に先端工具11が取り付けられ、シリンダ13の回転力は先端工具11に伝達される。
工具保持具14内からシリンダ13内に亘って、金属製の打撃力伝達部材16が設けられている。打撃力伝達部材16は、軸線A1に沿った方向に往復動自在である。シリンダ13内には、打撃力伝達部材16を打撃する打撃子17が設けられている。打撃子17は、軸線A1に沿った方向に往復動自在である。また、シリンダ13内にピストン18が配置されており、ピストン18は軸線A1に沿った方向に往復動作可能である。シリンダ13内であって、打撃子17とピストン18との間に圧力室19が設けられている。また、シリンダ13を径方向に貫通し、かつ、圧力室につながる呼吸孔が設けられている。
一方、打撃作業機10は、第2ハウジング20を有し、第2ハウジング20は第1ハウジング12に固定されている。また、第1ハウジング12及び第2ハウジング20内に亘ってギヤケース58が配置されている。また、第2ハウジング20と第1ハウジング12とをつなぐハンドル21が設けられている。ハンドル21にレバー22及び給電ケーブル47が設けられている。
第2ハウジング20内には、筒形状のモータケース23が設けられており、そのモータケース23内にブラシレスモータ24が収容されている。このブラシレスモータ24は直流電動モータであり、ブラシレスモータ24は、鉄心にコイルを巻いた筒形状のステータ27と、ステータ27の内側に配置されたロータ28と、を有している。ロータ28は、出力軸29と、出力軸29の外周に固定したロータコア28bと、ロータコア28bに取り付けた永久磁石28aと、を有する。打撃作業機10の正面視で、出力軸29の回転中心である軸線B1は、軸線A1と直交する。さらに、第2ハウジング20内に軸受31が設けられ、ギヤケース58内に軸受32が設けられている。2個の軸受31,32は、出力軸29の軸線B1に沿った方向で異なる位置に配置されている。出力軸29に駆動ギヤ33が設けられている。そして、出力軸29は、2個の軸受31,32により回転自在に支持されている。
さらに、打撃作業機10は、ブラシレスモータ24の出力軸29の回転力を、ピストン18の往復動作力に変換する動力変換機構35を有する。動力変換機構35は、クランク軸37及びコネクティングロッド40を備えている。クランク軸37は、ギヤケース58内及び第1ハウジング12内に亘って配置され、クランク軸37は、軸受79により支持されて、軸線C1を中心として回転可能である。軸線C1は軸線B1と平行であり、かつ、軸線A1に対して直角である。
クランク軸37は出力軸29と平行であり、クランク軸37に固定した従動ギヤ38が、駆動ギヤ33と噛み合っている。従動ギヤ38の歯数は、駆動ギヤ33の歯数よりも多く、駆動ギヤ33及び従動ギヤ38は減速機構として機能する。すなわち、出力軸29の回転力がクランク軸37に伝達される場合、クランク軸37の回転速度は出力軸29の回転速度よりも低速となる。クランク軸37には、クランク軸37の回転中心となる軸線C1から偏心したクランクピン39が取り付けられている。クランクピン39は第1ハウジング12内に配置されている。
コネクティングロッド40は、シリンダ13の内外に亘って配置されている。コネクティングロッド40の長さ方向の第1端部は、クランクピン39に対して揺動可能に連結されている。また、コネクティングロッド40の長さ方向の第2端部は、ピストン18に対して揺動可能に連結されている。このため、出力軸29の回転力でクランク軸37が回転すると、ピストン18がシリンダ13内で軸線A1に沿って往復動作する。ピストン18がクランク軸37から離れる際の動作力が往動力であり、ピストン18がクランク軸37に近づく際の動作力が復動力である。
ピストン18が、軸線A1に沿って動作しクランク軸37に最も近づいた位置を上死点とし、ピストン18がクランク軸37から最も離れた位置を下死点とする。ピストン18が上死点にある場合に、クランク軸37が1回転する、つまり、360度回転すると、ピストン18は、上死点から下死点に向けて動作し、かつ、下死点から上死点に戻る。つまり、ピストン18はシリンダ13内を1往復する。
さらに、打撃作業機10は、出力軸29の回転力を先端工具11に伝達する回転力伝達機構34を備えている。以下、回転力伝達機構34の構成を説明する。まず、ギヤケース58内に回転力伝達軸41が設けられており、回転力伝達軸41は、軸受70,71により回転可能に支持されている。回転力伝達軸41に従動ギヤ42が設けられている。従動ギヤ42は、クランク軸37の駆動ギヤ43に噛み合っている。このため、出力軸29の回転力は回転力伝達軸41に伝達される。さらに、回転力伝達軸41にベベルギヤ44が設けられている。
一方、シリンダ13の外周に円筒形状のベベルギヤ45が取り付けられており、ベベルギヤ45はシリンダ13に対して回転可能である。ベベルギヤ45はベベルギヤ44と噛み合っている。シリンダ13の外周に、シリンダ13と一体回転し、かつ、軸線A1に沿った方向に移動可能なスリーブ46が取り付けられている。スリーブ46が、シリンダ13に対して軸線A1に沿って移動すると、ベベルギヤ45と動力伝達可能に接続されるか、またはベベルギヤ45から解放される。
打撃作業機10は、モード切替レバーを備えており、作業者がモード切替レバーを操作すると、スリーブ46が軸線A1に沿った方向に移動する。このため、スリーブ46がベベルギヤ45に連結されていると、回転力伝達軸41の回転力はシリンダ13に伝達される。これに対して、スリーブ46がベベルギヤ45から解放されていると、回転力伝達軸41の回転力はシリンダ13に伝達されない。回転力伝達機構34は、駆動ギヤ43、従動ギヤ42、回転力伝達軸41、ベベルギヤ44,45、スリーブ46を含む。
図2は、打撃作業機10の制御回路を示すブロック図である。ブラシレスモータ24のロータ28は、交流電源52から供給される電力で回転する。打撃作業機10は、ブラシレスモータ24のロータ28の目標回転速度を設定する速度設定ダイヤル49を備えている。
また、ブラシレスモータ24のステータ27は、U相,V相,W相に対応するコイルU1,V1,W1を備え、ロータ28には円周方向に間隔をおいて、極性が異なる2種類の永久磁石28aが4個設けられており、異なる極性の永久磁石28aが交互に並べられている。ロータ28の回転位置を検出するために、3相のコイルU1,V1,W1に対応させて、3個の磁気センサ74,75,76が設けられている。さらに、モータケース23内に環状の基板72が回転しないように設けられており、基板72に磁気センサ74,75,76が取り付けられている。それぞれの磁気センサ74,75,76は、永久磁石28aが発生する磁力を検出し、かつ、磁力を電気信号に変換して出力する非接触のセンサである。磁気センサ74,75,76は、ホールICを用いることができる。
打撃作業機10は、各コイルU1,V1,W1に供給する駆動電流を制御するためのインバータ回路51を有している。インバータ回路51には、交流電源52の交流電流を直流電流に整流するための整流回路53と、整流された直流電流の電圧を昇圧してインバータ回路51に供給するための力率改善回路54と、を介して電力が供給される。力率改善回路54は、電界効果トランジスタで構成されたトランジスタ94に対して、PWM制御信号を出力する集積回路55を有しており、力率改善回路54は、インバータ回路51のスイッチング素子で発生する高調波電流を制限値以下に抑える。なお、交流電源52と整流回路53との間には、インバータ回路51で生じたノイズを交流電源52に伝えないようにするために、雑音対策回路56が設けられている。
インバータ回路51は、3相フルブリッジインバータ回路であり、直列に接続された2つのスイッチング素子Tr1,Tr2と、直列に接続された2つのスイッチング素子Tr3,Tr4と、直列に接続された2つのスイッチング素子Tr5,Tr6とを有し、3つのスイッチング素子Tr1,Tr3,Tr5は、力率改善回路54の正極の出力端子に接続され、3つのスイッチング素子Tr2,Tr4,Tr6は、力率改善回路54の負極の出力端子に接続される。
力率改善回路54の正極側に接続される3つのスイッチング素子Tr1,Tr3,Tr5は、ハイサイド側となっており、力率改善回路54の負極側に接続される3つのスイッチング素子Tr2,Tr4,Tr6は、ローサイド側となっている。2つのスイッチング素子Tr1,Tr2の間には、U相のコイルU1の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr3,Tr4の間には、V相のコイルV1の一方の接続端子が接続される。2つのスイッチング素子Tr5,Tr6の間には、W相のコイルW1の一方の接続端子が接続される。
コイルU1,V1,W1の他方の接続端子は、相互に接続されており、コイルU1,V1,W1はスター結線となっている。なお、コイルU1,V1,W1の結線方式は、デルタ結線でもよい。そして、ハイサイド側のスイッチング素子Tr1と、ロウサイド側のスイッチング素子Tr4のゲートに制御信号が通電されると、U相とV相のコイルU1,V1に電流が供給される。それぞれのスイッチング素子Tr1〜Tr6に供給される制御信号の通電タイミング及び通電割合を調整することにより、コイルU1,V1,W1に供給される電流値が制御される。スイッチング素子Tr1〜Tr6に供給される制御信号の通電割合は、デューティ比と呼ばれる。
モータ制御ユニット57は、インバータ回路51を制御する制御信号を演算して出力する。モータ制御ユニット57は、コントローラ59、制御信号出力回路60、ロータ位置検出回路65、モータ回転数検出回路61、モータ電流検出回路62、操作スイッチ検出回路63を備えている。磁気センサ74,75,76の検出信号はロータ位置検出回路65に送られる。ロータ位置検出回路65は、ロータ28の回転位置を検出する。出力軸29は、ロータ28を構成する要素であるから、ロータ28の回転位置は、出力軸29の回転方向の位相である。出力軸29の回転位置は、固定要素であるステータ27において予め定められた回転方向の基準点と、出力軸29の回転方向で定められた基準点との位置関係を、回転角度で表す。
ロータ位置検出回路65は、ロータ28の回転位置を表す信号を処理する。ロータ位置検出回路65から出力された信号は、コントローラ59及びモータ回転数検出回路61に送られる。モータ回転数検出回路61は、出力軸29の回転数、つまり、モータ回転数を検出し、モータ回転数検出回路61から出力された信号は、コントローラ59に入力される。
交流電源52からインバータ回路51に電力を供給する電気回路E1に電流検出抵抗81が設けられている。モータ電流検出回路62は、電流検出抵抗81の電圧降下から、ステータ27のコイルU1,V1,W1に供給される電流値を検出し、検出結果に応じた信号をコントローラ59へ出力する。
コントローラ59は、制御信号を処理するマイクロプロセッサと、メモリとを備え、メモリには、制御プログラム、演算式、データが格納されている。コントローラ59は、モータ回転数検出回路61から入力される信号を処理して、出力軸29の実回転速度及び単位時間当たりの回転数を演算する。
また、コントローラ59は、ロータ位置検出回路65から入力される信号を処理して、クランク軸37の回転位置を推定することも可能である。前記のように、出力軸29とクランク軸37とは、駆動ギヤ33及び従動ギヤ38を介して動力伝達可能に接続されている。そして、駆動ギヤ33及び従動ギヤ38により構成される減速機構の減速比は一定であるから、コントローラ59は、出力軸29の回転位置、減速機構の減速比に基づいて、クランク軸37の回転位置を推定可能である。コントローラ59から出力された信号は制御信号出力回路60に入力され、インバータ回路51は、制御信号出力回路60から入力される制御信号により、スイッチング素子Tr1〜Tr6のデューティ比が制御される。
作業者がレバー22を操作して、操作スイッチ64がオンまたはオフされると、操作スイッチ検出回路63から出力されたオン信号またはオフ信号が、コントローラ59に送られる。コントローラ59にオン信号が入力されると、制御信号出力回路60から出力される制御信号が、インバータ回路51に入力され、ロータ28が回転する。ロータ28の回転方向は一方向であり、逆回転はしない。コントローラ59は、ロータ28の実回転速度を目標回転速度とする制御を実行する。ロータ28の実回転速度は、各コイルU1,V1,W1に供給される電圧を調整することで制御される。具体的には、インバータ回路51の各スイッチング素子Tr1〜Tr6のゲートに印加される通電割合であるデューティ比を制御することにより行われる。このため、コントローラ59は、目標回転速度とデューティ比とを関連させたマップを、データとして記憶している。
さらに、第1ハウジング12またはギヤケース58に、クランク位置検出センサ73が取り付けられている。クランク位置検出センサ73は、クランク軸37に接触しない非接触センサである。クランク位置検出センサ73から出力される信号はコントローラ59に入力され、コントローラ59は、クランク位置検出センサ73の信号に基づいて、クランク軸37の回転位置を検出する。具体的に説明すると、コントローラ59は、ピストン18が上死点にある際のクランク軸37の回転方向の位置を基準点とし、その基準点に対するクランク軸37の回転角度を検出可能である。また、コントローラ59は、クランク位置検出センサ73の信号に基づいて、クランク軸37の単位時間当たりの回転角度を検出可能である。クランク位置検出センサ73としては、例えば、磁気式ポテンショメータ、磁気式ロータリエンコーダを用いることが可能である。
作業者が先端工具11を対象物に押し付け、かつ、レバー22に操作力を加えると、ブラシレスモータ24に電力が供給され、ブラシレスモータ24のロータ28が回転する。出力軸29の回転力は、駆動ギヤ33及び従動ギヤ38を経由してクランク軸37に伝達される。クランク軸37の回転力でピストン18が軸線A1に沿って往復動作する。
ピストン18がクランク軸37に近づく向きで動作すると、呼吸孔から圧力室19に空気が吸い込まれ、かつ、圧力室19内の圧力が低下し、打撃子17が打撃力伝達部材16から離れる向きで移動する。そして、ピストン18が上死点に到達した後、ピストン18が上死点から下死点に向けて移動すると、圧力室19内の圧力が上昇する。そして、圧力室19の圧力で打撃子17が打撃力伝達部材16を打撃する。また、圧力室19内の空気の一部は、呼吸孔を通り排出される。打撃力伝達部材16に加えられた打撃力は、先端工具11を介して対象物に伝達される。以後、ブラシレスモータ24の出力軸29が回転している間、ピストン18はシリンダ13内を往復動作し、かつ、打撃子17は打撃力伝達部材16に対して間欠的に打撃力を加える。
一方、ブラシレスモータ24の出力軸29の回転力は、駆動ギヤ43を介して回転力伝達軸41に伝達される。モード切替レバーが操作されて、第1モードが選択されていると、回転力伝達軸41の回転力はシリンダ13に伝達され、シリンダ13が回転する。シリンダ13の回転力は、工具保持具14を介して先端工具11に伝達される。このように、打撃作業機10は、先端工具11に打撃力及び回転力を伝達する。これに対して、モード切替レバーが操作されて、第2モードが選択されていると、回転力伝達軸41の回転力はシリンダ13に伝達されない。
モータ制御ユニット57は、設定された目標速度に基づいて、インバータ回路51におけるデューティ比を設定している。インバータ回路51におけるデューティ比は、目標回転速度毎に一律に設定されている。
一方、ピストン18がシリンダ13内を軸線A1に沿って動作すると、圧力室19内の圧力が変化する。圧力室19の圧力は、ピストン18が動作する場合の抵抗、つまり、動作負荷となる。ピストン18の動作負荷は、ピストン18が軸線A1に沿って動作する向き、軸線A1に沿った方向におけるピストン18の位置により異なる。ピストン18の動作負荷は、ピストン18が上死点から下死点に向けて動作する行程において、圧力室19の圧力で打撃子17を打撃する直前に最大となる。動作負荷の最大値をFmaxと呼ぶが、動作負荷が最大値Fmaxとなるピストン18の位置は一定ではない。動作負荷が最大値Fmaxとなるピストン18の位置は、温度や加工する対象物の種類等の作業状態によって、軸線A1に沿った方向でバラつきが生じる。
このように、ピストン18の動作負荷が増加すると、ブラシレスモータ24のロータ28の実回転数が低下し、先端工具11に加えられる打撃力が低下する可能性がある。そこで、モータ制御ユニット57は、ピストン18の動作負荷に基づいてロータ28の実回転速度を制御することで、先端工具11に加えられる打撃力の低下を抑制する。先端工具11に加えられる打撃力の低下を抑制するため、モータ制御ユニット57が実行する制御例を順次説明する。
(制御例1)
図3は、モータ制御ユニット57が実行する制御例1を表すフローチャートである。作業者は、先端工具11を対象物に押し付けた状態で、レバー22に操作力を加える。すると、モータ制御ユニット57は、ステップS1において、インバータ回路51におけるデューティ比を設定し、ブラシレスモータ24のロータ28の実回転速度を制御する。ステップS1で設定されるデューティ比は、速度設定ダイヤル49の操作により設定された目標回転速度に対応する値であり、例えば、デューティ比80%が設定される。モータ制御ユニット57がステップS1の制御を実行すると、出力軸29の動力がクランク軸37を経由してピストン18に伝達され、ピストン18が往復動作して先端工具11に打撃力が加えられる。
また、モータ制御ユニット57は、ロータ28の回転中、モータ電流検出回路62の信号に基づいて、電気回路における電流値を検出する。具体的には、電気回路における電流値の他、電流値の微分値を検出する。さらに、モータ制御ユニット57は、軸線A1に沿った方向にピストン18の動作位置と、電流値との関係を推定する。
前記のように、クランク軸37はピストン18とコネクティングロッド40を介して機械的に連結されている。また、クランク軸37の回転方向は一方向に限定されている。そして、モータ制御ユニット57は、クランク位置検出センサ73の信号、またはロータ位置検出回路65の信号に基づいて、クランク軸37の回転位置を検出可能である。したがって、モータ制御ユニット57は、クランク軸37の回転位置に基づいて、ピストン18が動作する向き及び位置と、電気回路における電流値との関係を推定可能である。
そして、モータ制御ユニット57は、ロータ28の回転中におけるステップS2において、ピストン18が上死点から下死点に向けて動作する行程で、ピストン18の動作負荷が最大となったか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、電流値の変化量Δ(デルタ)Iが、所定値以上増加したと判断すると、「ピストンの動作負荷が最大であるとする、仮の処理」を行う。所定値は、例えば5A(アンペア)である。モータ制御ユニット57は、ステップS2でNoと判断するとステップS1に戻る。モータ制御ユニット57はステップS2でYesと判断すると、ステップS3に進み、タイマTa20msが経過したか否かを判断する。タイマTa20msは、ステップS2でYesと判断されてからの時間である。このように、モータ制御ユニット57は、電流値の微分値からピストン18の動作負荷を判断する。
モータ制御ユニット57は、ステップS3でNoと判断すると、ステップS4で今回のタイマTaをリセットし、かつ、ステップS5で次回のタイマTaのカウントをスタートし、ステップS2に戻る。つまり、モータ制御ユニット57は、ステップS3でNoと判断されると、「ピストンの動作負荷が最大である、とする仮の処理」は、誤検出であると取扱い、ステップS4,S5の処理を行っている。その理由は、電流値の変化量ΔIが所定値以上増加したことが1回検出されたとしても、その後に、電流値の微分値がどのように変化するかが分からないため、この時点で「ピストンの動作負荷が最大である、とする正式の処理」をすることは早計だからである。
これに対して、モータ制御ユニット57は、ステップS3でYesと判断すると、「ピストン18の動作負荷が最大値Fmaxである、とする正式な処理」を行う。そして、モータ制御ユニット57は、ステップS6に進み、クランク軸37の回転角度を30度間隔で検出するカウントをスタートする。モータ制御ユニット57は、ステップS7において、クランク軸37が基準点から、270度回転したか否かを判断する。基準点は、「ピストン18の動作負荷が最大値Fmaxであると、正式に処理された時点」におけるクランク軸37の回転位置である。
モータ制御ユニット57は、ステップS7でNoと判断するとステップS7の判断を繰り返す。モータ制御ユニット57は、ステップS7でYesと判断すると、ステップS8に進み、クランク軸37の回転角度を検出する今回のカウントをクリアし、クランク軸37の回転角度を検出する次回のカウントをスタートする。次に、モータ制御ユニット57は、ステップS9に進み、インバータ回路51におけるデューティ比を100%とする。
そして、モータ制御ユニット57は、ステップS10において、クランク軸37の回転角度を検出するカウントが、ステップS8で新たに開始されてから、クランク軸37が90度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS10でNoと判断すると、ステップS9に戻る。
モータ制御ユニット57は、ステップS10でYesと判断すると、ステップS11に進み、クランク軸37の回転角度を検出する今回のカウントをクリアし、クランク軸37の回転角度を検出する次回のカウントをスタートする。また、モータ制御ユニット57は、ステップS12において、インバータ回路51のデューティ比を60%とする。
モータ制御ユニット57は、ステップS13において、クランク軸37の回転角度を検出するカウントが、ステップS11で開始されてから、クランク軸37が90度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS13でNoと判断すると、ステップS12に戻る。
モータ制御ユニット57は、ステップS13でYesと判断すると、ステップS14に進み、クランク軸37の回転角度を検出する今回のカウントをクリアし、クランク軸37の回転角度を検出する次回のカウントをスタートする。また、モータ制御ユニット57は、ステップS15において、インバータ回路51のデューティ比を80%とする。
モータ制御ユニット57は、ステップS16において、クランク軸37の回転角度を検出するカウントが、ステップS14で開始されてから、クランク軸37が180度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS16でNoと判断すると、ステップS15に戻り、ステップS16でYesと判断すると、ステップS8に戻る。モータ制御ユニット57は、レバー22に操作力が加えられている間、図3のフローチャートを実行し、モータ制御ユニット57は、レバー22の操作力が解除されると、図3のフローチャートを終了する。
図4は、制御例1に対応するタイムチャートの例である。デューティ比は、時刻t1以前に80%に制御されており、ピストンは、時刻t1以前において、上死点から下死点に向けて動作し、かつ、下死点から上死点に向けて動作している。圧力室の圧力は、時刻t1以前において、ピストンが上死点から下死点に向けて動作する行程で上昇し、ピストンの動作負荷が増加してロータの回転速度が低下する。
このため、デューティ比は80%で一定に制御されている間、ロータの回転速度の低下により逆起電力が小さくなり、電流値Iは上昇する。なお、圧力室の圧力が低下すると、ロータの回転速度が上昇するため、逆起電力が大きくなり電流値Iは低下する。
そして、モータ制御ユニット57が制御例1を実行して、時刻t1でピストンが上死点に位置することを検出し、その後、ピストンは下死点に向けて動作する。時刻t1以降に圧力室の圧力が上昇し、時刻t2で空気圧室の圧力が最大となっている。モータ制御ユニット57は、電流値の微分値が最大となったことを検出する。時刻t2以降、ピストンがさらに動作して、時刻t3でピストンは下死点に到達する。時刻t3以降、ピストンは上死点に向けて動作し、時刻t4でピストンは上死点に到達する。クランク軸は、時刻t3から時刻t4の間に270度回転する。
ピストンが時刻t4から下死点に向けて動作する行程で、デューティ比は100%に制御される。つまり、電流値は、時刻t3から時刻t4の間よりも、時刻t4以降の方が大きくなる。そして、時刻t5で圧力室の圧力が最高となり、ピストンの動作負荷が最大となる。クランク軸は、時刻t4から時刻t5の間に90度回転する。また、時刻t5において、デューティ比は100%から60%に切り替えられる。また、圧力室の圧力は時刻t5以降低下する。
ピストンは時刻t6で下死点に到達し、デューティ比は時刻t6で60%から80%に切り替えられる。このように、電流値Iは、時刻t4から時刻t5の間よりも、時刻t5から時刻t6の間の方が小さい。また、クランク軸は、時刻t5から時刻t6の間に90度回転する。
上記のように、ピストンが時刻t4から時刻t5の間に、上死点から下死点に向けて動作する速度は、ピストンが時刻t1から時刻t2の間に、上死点から下死点に向けて動作する速度に対して増速される。また、ピストンが時刻t5から時刻t6の間に、上死点から下死点に向けて動作する速度は、ピストンが時刻t4から時刻t5の間に、上死点から下死点に向けて動作する速度に対して減速される。ピストンは時刻t6以降、下死点から上死点に向けて動作し、ピストンは時刻t7で上死点に到達する。クランク軸は、時刻t6から時刻t7の間に180度回転する。さらに、時刻t5から時刻t7の間におけるピストンの動作速度は、時刻t4から時刻t5の間におけるピストンの動作速度に対して減速される。なお、モータ制御ユニット57が、時刻t7,t8を経て時刻t9以降に実行する制御は、時刻t4〜時刻t7の間に実行する制御と同じである。
次に、比較例の制御を説明する。比較例の制御は、デューティ比を常に80%に維持する。比較例の制御を実行すると、時刻t4から時刻t6の間、または、時刻t7から時刻t9の間おいて、圧力室の圧力は破線のように変化する。この圧力室の圧力の変化状態は、時刻t1から時刻t3の間と同じである。さらに、比較例の制御を実行すると、時刻t5から時刻t8の間、または、時刻t8から時刻t9以降において、圧力室の圧力は破線のように変化する。この圧力の変化状態は、時刻t2から時刻t5の間と同じである。
つまり、時刻t4から時刻t6の間、時刻t7から時刻t9の間、制御例1を実行した場合において、圧力室の圧力は、比較例に対応する圧力室の圧力よりも常に高圧である。また、比較例の制御を実行すると、時刻t4から時刻t5の間、または時刻t7から時刻t8の間のいずれにおいても、ピストンの動作速度は、制御例1におけるピストンの動作速度よりも低速である。
このように、モータ制御ユニット57は、ピストン18が往復動作する動作範囲のうち、ピストン18が上死点から下死点に向けて動作する行程で、ピストン18の動作負荷が最大となる以前に、デューティ比を80%から100%に切り替える制御を実行する。このため、ピストン18が上死点から動作負荷が最大となる位置に到達するまでの間、つまり、時刻t4から時刻t5の間におけるピストン18の動作速度は、時刻t4以前におけるピストン18の動作速度よりも高速である。このため、ピストン18が上死点から下死点に向けての動作する行程で、ピストン18の動作負荷が増加しても、ピストン18の動作速度が低下することを抑制できる。したがって、打撃子17から先端工具11に加えられる打撃力が低下することを抑制できる。
また、ピストン18の動作負荷が最大値Fmaxとなるピストン18の位置は、作業状態によって変化するが、モータ制御ユニット57は、ピストン18の位置の変化に合わせて、毎回の打撃開始時に、ピストン18の動作負荷が最大値Fmaxとなる前に、ブラシレスモータ24の回転速度を高くすることができる。したがって、打撃作業機10による打撃作業の状態に合わせて、最適な打撃制御を行うことができ、作業効率が良くなる。最適な打撃制御とは、先端工具11に加わる打撃力の低下を抑制できるという意味である。
モータ制御ユニット57は、図3のフローチャートのステップS8,S11,S14において、クランク軸37の回転角度のカウントをクリアする処理、カウントをスタートする処理を行って、クランク軸37の回転角度を、その都度検出している。これに対して、モータ制御ユニット57は、クランク軸37の回転角度を検出し、クランク軸37の回転角度の検出結果に基づきインバータ回路51を制御するデューティ比を切り替え、ロータ28の回転速度を制御することも可能である。
(制御例2)
モータ制御ユニット57が実行する制御例2を、図5のフローチャートにより説明する。図5のフローチャートは、モータ制御ユニット57が「ピストンの動作負荷が最大」と誤検出することを防止する制御である。まず、モータ制御ユニット57は、ステップS21でデューティ比を80%に制御する。ステップS21の処理は、図3のステップS1の処理と同じである。
モータ制御ユニット57はステップS22において、電流値の変化量ΔIを検出する。モータ制御ユニット57は、ステップS23において、電流値の変化量ΔIが「0」を超え、かつ、「Fmaxフラグ=1」であるか否かを判断する。ここで、「電流値の変化量ΔIが「0」を超え」とは、今回検出された電流値の変化量ΔIは、前回検出された電流値の変化量ΔIよりも増加していることを意味する。また、「Fmaxフラグ」は、「ピストンの動作負荷が最大と判断する条件」である。「Fmaxフラグ=1」は、ピストンの動作負荷が最大であると判断する条件が成立していることを意味する。
モータ制御ユニット57は、ステップS23でNoと判断すると、ステップS24に進み、「Fmaxフラグ=0」とする処理を行う。モータ制御ユニット57は、ステップS25において、電流値の変化量ΔIが5A以上であるか否かを判断する。ステップS25の判断は、ステップS2の判断と同じである。
モータ制御ユニット57は、ステップS25でNoと判断するとステップS22に戻り、ステップS25でYesと判断すると、ステップS26で「Fmaxフラグ=1」とする処理を行い、ステップS22に戻る。モータ制御ユニット57は、ステップS26を経由してステップS23に進み、ステップS23でYesと判断すると、ステップS27に進み、ピストン18の位置に応じて、ロータ28の回転速度を、ピストン18の動作位置に応じて切り替える制御を開始する。
つまり、前回、電流値の変化量ΔIが5A以上であることが検出された後、今回検出された電流値の変化量ΔIが、前回検出された電流値の変化量ΔIよりも増加していると、ステップS23でYesと判断される。また、モータ制御ユニット57は、ステップS27において、図3のステップS6〜ステップS16の処理及び判断を実行すればよい。なお、モータ制御ユニット57は、ステップS27において、クランク位置検出センサ73により検出された基準点(上死点)に対するクランク軸37の回転角度に基づいて、ピストン18の動作方向及び位置を推定し、その推定結果に基づきデューティ比を切り替え、ロータ28の回転速度を制御することも可能である。
これに対して、モータ制御ユニット57が、ステップS26を経由してステップS23に進み、そのステップS23でNoと判断する具体例を、図6を参照して説明する。図6に示すように、電流値の変化量ΔIが5A以上であることが検出された後、今回検出される電流値の変化量が、前回検出された電流値の変化量に対して、「−ΔI」分が減少していると、ステップS23でNoと判断される。つまり、電流値の変化量ΔIが5A以上であることが検出されてステップS25でYesと判断された場合でも、その後に、電流値の変化量ΔIが減少すると、ステップS23からステップS24に進み、「Fmaxフラグ=0」とする処理を行う。したがって、センサや検出回路から出力される信号のノイズや、作業中の負荷変動により、モータ制御ユニット57が誤検出することを防止できる。ここでいう負荷変動とは、例えば対象物を加工中に、対象物の材質が変わった時の抵抗変化や、対象物に先端工具が引っ掛かったときなどに起こるイレギュラーな負荷を指す。図5のフローチャートは、レバー22が操作されている間実行され、レバー22に操作力が加えられなくなると、図5のフローチャートを終了する。
(制御例3)
次に、モータ制御ユニット57が実行する制御例3を、図7のフローチャートを参照して説明する。制御例3は、モータ制御ユニット57が電流値を検出する時期を限定する趣旨である。モータ制御ユニット57は、先端工具11が対象物に押し付けられ、かつ、レバー22に操作力が加えられると、図7のフローチャートを実行する。モータ制御ユニット57は、ステップS31においてデューティ比を80%に制御する。ステップS31の処理は、図3のステップS1の処理と同じである。
モータ制御ユニット57は、ステップS32において、ピストン18が上死点に到達したことを示す信号が、クランク位置検出センサ73によって検出されたか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS32でNoと判断すると、ステップS31の処理を継続する。モータ制御ユニット57は、ステップS32でYesと判断すると、ステップS33に進み、クランク軸37の回転角度を検出するカウントをスタートする。モータ制御ユニット57は、ステップS34で「ピストンが上死点に到達した時点から、クランク軸が120度回転したか否か」を判断する。この120度は、ピストン18の動作負荷が最大となる位置を検出するための角度であり、実験、または、シミュレーションにより求め、かつ、コントローラ59のメモリに記憶されている。
モータ制御ユニット57は、ステップS34でNoと判断すると、電流値の変化量ΔIが5A以上であるか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS35でNoと判断すると、ステップS34の判断を継続する。モータ制御ユニット57は、ステップS35でYesと判断すると、ステップS36に進み「ピストンが上死点に到達したことが検出された時点から、クランク軸が270度回転したか否か」を判断する。
モータ制御ユニット57は、ステップS36でNoと判断すると、ステップS36の判断を継続する。モータ制御ユニット57は、ステップS36でYesと判断すると、ステップS37に進み、ロータ28の回転速度を、ピストン18の動作位置に応じて切り替える制御を開始する。ステップS37の処理は、図5のステップS27の処理と同じである。なお、モータ制御ユニット57は、ステップS34でYesと判断すると、ステップS31に戻る。つまり、モータ制御ユニット57は、ピストンが上死点に到達した時点から、クランク軸が120度回転した以降、電流値の検出を行わない。このように、モータ制御ユニット57は、図7のフローチャートを実行すると、ピストン18が上死点に到達した時点から、クランク軸が120度回転するまでの間、電流値の検出を行い、その区間以外の区間では、電流値を検出しない。さらに、モータ制御ユニット57は、レバー22に操作力が加えられなくなると、図7のフローチャートを終了する。
なお、図7のフローチャートに示すステップを、以下のように、順序を変更することも可能である。例えば、モータ制御ユニット57は、ステップS33に次いでステップS35の判断を行ない、モータ制御ユニット57は、ステップS35でNoと判断すると、ステップS35の判断を継続する。モータ制御ユニット57はステップS35でYesと判断すると、ステップS34の判断を行い、ステップS34でNoと判断すると、ステップS34の判断を継続する。そして、モータ制御ユニット57は、ステップS34でYesと判断すると、ステップS36に進む。このように、図7のフローチャートのステップの実行順序を変えても、モータ制御ユニット57が電流値を検出する範囲を制限できる。
図8は、モータ制御ユニット57が電流値の検出を行う時期を制限する制御のタイムチャートの例である。モータ制御ユニットは、時刻t11で、ピストンが上死点に到達したことを検出すると、クランク軸が120度回転する間、つまり、時刻t11から時刻t13の間、電流値を検出する。このため、モータ制御ユニットは、時刻t12で発生する電流値の変化量ΔIを検出する。時刻t12は、時刻t11と時刻t13との間にある。つまり、モータ制御ユニットは、時刻t11から時刻t13の間を、電流値の検出範囲とする。
これに対して、モータ制御ユニットは、時刻t13を過ぎると、電流値を検出しない。また、時刻t11以前では、ピストンが上死点に到達していないため、モータ制御ユニットは時刻t11以前を電流値の検出範囲外とする。つまり、時刻t11以前に電流値が破線で示すように変化し、かつ、電流値の微分値が変化しても、モータ制御ユニットはこれを無視する。また、モータ制御ユニットは、時刻t13の後も、電流値の検出範囲外とする。
このように、図7のフローチャートを実行すると、図3のフローチャートを実行する場合と同様に、ピストン18が上死点に到達したことが検出されると、その後、ピストン18の動作負荷が最大となる前に、ピストン18が上死点から下死点に向けて動作する行程で、インバータ回路51のデューティ比を切り替えることで、ロータ28の回転速度を上昇することができる。したがって、ピストン18の動作により先端工具11に加わる打撃力が低下することを抑制できる。
また、モータ制御ユニット57が電流値を検出する時期を制限すると、ピストン18の動作負荷が大きくなる時点を含む範囲、つまり、上死点が検出されてから120度の範囲の前後では、電流値が変化しても、モータ制御ユニット57は、電流値の変化を検出せずに無視することができ、誤検出を防止できる。
(制御例4)
図9は、モータ制御ユニット57で実行可能な制御例4のフローチャートである。制御例4は、インバータ回路51のデューティ比を、クランク軸37の回転周期に応じて選択する趣旨である。クランク軸37の回転周期は、クランク軸37が1回転する間に要する時間である。クランク軸37の回転周期は、クランク軸37の回転に伴いロータ位置検出回路65から出力される信号を、コントローラ59が処理して求める。クランク軸37の回転周期は、ピストン18の動作周期に相当する。
まず、モータ制御ユニット57がステップS41で動作負荷の最大値Fmaxを検出すると、ステップS42において、クランク軸37の回転周期を算出するためのタイマをスタートする。モータ制御ユニット57は、ピストン18が上死点に到達すると、ステップS43に進み、今まで検出していたクランク軸37の回転角度のカウントをクリアし、かつ、クランク軸37の回転角度を新たに検出するカウントをスタートする。また、モータ制御ユニット57は、ピストン18が上死点に到達すると、ステップS44でインバータ回路51のデューティ比を100%に制御する。
モータ制御ユニット57は、その後にステップS45に進むと、ピストン18が上死点に到達した時点から、クランク軸37が90度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS45でNoと判断すると、ステップS44の制御を継続する。モータ制御ユニット57は、ステップS45でYesと判断するとステップS46に進み、今まで検出していたクランク軸37の回転角度のカウントをクリアし、かつ、クランク軸37の回転角度を新たに検出するカウントをスタートする。また、モータ制御ユニット57は、ステップS46の処理と同時に実行するステップS47において、インバータ回路51のデューティ比を60%に切り替える。モータ制御ユニット57が、ステップS47で設定するデューティ比60%は、図9のフローチャートの実行回数が5回目までの場合である。
モータ制御ユニット57は、その後にステップS48に進むと、ステップS47の処理終了時から、クランク軸37が90度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS48でNoと判断すると、ステップS47に戻る。モータ制御ユニット57は、ステップS48でYesと判断すると、ステップS49に進み、今まで検出していたクランク軸37の回転角度のカウントをクリアし、かつ、クランク軸37の回転角度を新たに検出するカウントをスタートする。また、モータ制御ユニット57は、ステップS49の処理と同時に実行するステップS50において、インバータ回路51のデューティ比を80%に切り替える。モータ制御ユニット57が、ステップS47で設定するデューティ比60%は、図9のフローチャートの実行回数が5回目までの場合である。
モータ制御ユニット57は、その後にステップS51に進むと、ステップS50の処理終了時点から、クランク軸37が180度回転したか否かを判断する。モータ制御ユニット57は、ステップS51でNoと判断すると、ステップS50の処理を継続する。
モータ制御ユニット57がステップS51でYesと判断するということは、ピストン18が前回上死点に到達した時点から、クランク軸37が1回転して、再度、ピストン18が上死点に到達したことになる。そこで、モータ制御ユニット57は、ステップS51でYesと判断すると、ステップS52に進み、クランク軸37の回転周期を算出し、かつ、クランク軸37の回転周期を算出するためのタイマをクリアする。クランク軸37の回転周期は、ピストン18が上死点に到達した時点から、その後に、ピストン18が下死点に向けて動作し、再度、上死点に到達すると1回転周期として算出する。
モータ制御ユニット57は、ステップS53において、クランク軸37の回転回数に「1」加え、かつ、クランク軸37が1回転するために要した時間、つまり、クランク軸37の回転周期を算出及び記憶する。モータ制御ユニット57は、ステップS53の処理を実行後、ステップS54において、クランク軸37の回転回数が5回以上になったか否かを判断する。
モータ制御ユニット57は、ステップS54でNoと判断すると、ステップS41に戻り、その後、ステップS53に進んでクランク軸37の回転回数に「1」を加え、かつ、クランク軸37の回転周期をその都度、算出及び記憶する。モータ制御ユニット57は、ステップS54でYesと判断すると、ステップS55でカウントしたクランク軸37の回転回数をリセットする。モータ制御ユニット57は、ステップS56で、クランク軸37の回転周期の平均値を算出する。この時の平均値は、ステップS53で複数回記憶したクランク軸37の回転周期の平均値である。さらに、モータ制御ユニット57は、ステップS57に進み、図9のフローチャートを6回目以降に実行する場合に、ステップS47及びステップS50で用いるデューティ比を補正するための設定値、つまり、補正値を個別に選択し、ステップS41に戻る。
モータ制御ユニット57は、ステップS57において、所定時間内におけるクランク軸37の回転回数が複数となる行程を複数回繰り返すにあたり、各行程において、クランク軸37の回転回数が同一となるように、デューティ比を切り替えるための補正値を求める。
具体的に説明すると、コントローラ59には、回転周期の基準値が予め記憶されている。モータ制御ユニット57は、ステップS56で算出したクランク軸37の回転周期の平均値と、回転周期の基準値とを比較する。そして、モータ制御ユニット57は、例えば、回転周期の平均値が回転周期の基準値よりも高ければ、その差分の補正値を選択する。
このため、モータ制御ユニット57が、6回目以降に図9のフローチャートを実行してステップS47に進むと、デューティ比60%から、ステップS57で選択した補正値を減算した「補正後のデューティ比」を用いる。また、モータ制御ユニット57が、6回目以降に図9のフローチャートを実行してステップS50に進むと、デューティ比80%から、ステップS57で選択した補正値を減算した「補正後のデューティ比」を用いる。したがって、モータ制御ユニット57は、図9のフローチャートを6回目以降に実行する場合、クランク軸37の実際の回転周期を、コントローラ59に記憶されている「回転周期の基準値」に近づけることができる。
一方、モータ制御ユニット57は、ステップS56で算出されるクランク軸37の回転周期の平均値が、コントローラ59に記憶されている「回転周期の基準値」よりも低いときは、その差分の補正値を選択する。このため、モータ制御ユニット57が、6回目以降に図9のフローチャートを実行し、ステップS47では、デューティ比60%に、ステップS57で選択した補正値分を加算した「補正後のデューティ比」を用いる。また、ステップS50では、デューティ比80%にら、ステップS57で選択した補正値分を加算した「補正後のデューティ比」を用いる。
このように、モータ制御ユニット57は、図9のフローチャートを6回目以降に実行する場合に、クランク軸37の実際の回転周期を、コントローラ59に記憶されている「回転周期の基準値」に近づけることができる。このように、図9のフローチャートが6回目以降に実行されると、ステップS47では、デューティ比60%に対して増加または減少した補正後のデューティ比が用いられる。また、ステップS50では、デューティ比80%に対して増加または減少した補正後のデューティ比が用いられる。
したがって、ピストン18が複数回往復動作する場合において、ピストン18が上死点を第1位置として往動し、かつ、下死点を経て復動して基準点に戻る動作周期に要する時間は、ピストン18の動作回数毎に略一定となる。また、打撃一回分の周期のみで判断してしまうと、作業状態等による影響で正確な回転周期を算出できない可能性を考慮し、デューティ比を切り替える条件として、クランク軸37の回転回数が5回以上としている。無論、この条件は適宜変更可能である。
図9のフローチャートにおいて、ステップS41からステップS51でYesと判断される間に実行される制御は、図4のタイムチャートの時刻t4から時刻t7の間に実行される。このように、制御例4を実行すると、各行程において、クランク軸37の回転周期の数が同一となる。したがって、ピストン18の動作により発生する打撃力が低下することを抑制できるとともに、所定時間内において、打撃子17が先端工具11を打撃する回数は同一となるため、打撃作業を快適に行う事ができる。
本実施形態の構成と本発明の構成との対応関係を説明すると、ブラシレスモータ24が、本発明のモータに相当し、ピストン18が、本発明の動作部材に相当し、圧力室19が、本発明の圧力室に相当し、先端工具11が、本発明の先端工具に相当し、打撃子17が、本発明の打撃子に相当し、打撃作業機10が、本発明の打撃子に相当する。また、シリンダ13が、本発明のシリンダに相当し、動力変換機構35が、本発明の動力変換機構に相当し、クランク軸37が、本発明のクランク軸に相当し、クランクピン39が本発明の偏心軸に相当し、コネクティングロッド40が、本発明のコネクティングロッドに相当する。
さらに、モータ制御ユニット57及び電流検出抵抗81が、本発明の負荷検出部に相当し、磁気センサ74,75,76、クランク位置検出センサ73が、本発明の位置検出部に相当し、モータ制御ユニット57及びインバータ回路51が、本発明の速度制御部に相当する。
また、図3のフローチャートのステップS8〜ステップS12に至るまでの間に、ピストン18が動作する範囲が、本発明の第1範囲に相当する。つまり、図4のタイムチャートにおいて、時刻t4〜時刻t5の間にピストン18が動作する範囲が、本発明の第1範囲に相当する。また、図3のフローチャートにおいて、ステップS12からステップS16でYesと判断されるまでの間に、ピストン18が動作する範囲が、本発明における「第1範囲以外の第2範囲」に相当する。つまり、図4のタイムチャートにおいて、時刻t5〜時刻t7の間にピストン18が動作する範囲が、本発明における第2範囲に相当する。
また、図3のフローチャートのステップS3でYesと判断した時点におけるピストン18の位置が、本発明における第2位置に相当する。さらに、図5のフローチャートのステップS26を経由してステップS23に進み、そのステップS23でYesと判断した時点におけるピストン18の位置が、本発明における第2位置に相当する。さらに、モータ制御ユニット57が、図7のフローチャートにおいて、ステップS35でYesと判断した時点におけるピストン18の位置が、本発明における第2位置に相当する。さらに、モータ制御ユニット57が、図9のフローチャートにおいて、ステップS41で動作負荷が最大値Fmaxであると判断された時点におけるピストン18の位置が、本発明の第2位置に相当する。
このように、本実施形態のモータ制御ユニット57は、電気回路の電流値に基づいて、ピストン18の動作負荷を間接的に検出する。また、本実施形態のモータ制御ユニット57は、ロータ28の回転位置、または、クランク軸37の回転角度に基づいて、ピストン18の動作位置を間接的に検出する。また、本実施の形態において、出力軸29は、ロータ28を構成する要素であるから、ロータ28の回転速度は出力軸29の回転数と同じであり、ロータ28の回転位置は、出力軸29の回転位置と同じであり、ロータ28の回転角度は、出力軸29の回転角度と同じである。
また、ピストン18の上死点が、本発明の第1位置に相当し、ピストン18が上死点から下死点に向けて動作する動作が、本発明における往動に相当する。また、図3のフローチャートでは、ステップS9でデューティ比100%に制御されてピストン18が動作する速度が、本発明における第1動作速度に相当する。図4のタイムチャートでは、ピストン18が、時刻t4で上死点に到達した時点から、クランク軸37が90度回転して時刻t5に到達するまでの間におけるピストン18の動作速度が、本発明における第1動作速度に相当する。
さらに、図3のフローチャートでは、ステップS12でデューティ比60%に制御されてピストン18が動作する速度が、本発明における第2動作速度に相当する。図4のタイムチャートでは、時刻t5からクランク軸37が90度回転して時刻t6に到達するまでの間におけるピストン18の動作速度が、本発明における第2動作速度に相当する。
軸線A1が、本発明の第1軸線であり、軸線C1が、本発明の第2軸線である。図7のフローチャートのステップS32において、ピストン18が上死点に到達した時点から、ステップS34でYesと判断されるまでの間にピストン18が動作する範囲が、本発明の「第2位置を含む第3範囲」に相当する。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ピストン18が復動して上死点に到達する前から、ピストン18が往動中に動作負荷が最大値Fmaxとなる位置を過ぎた位置に到達するまでの範囲を第1範囲とすることも可能である。また、ピストン18が往動中に上死点を過ぎた位置から、動作負荷が最大値Fmaxとなる位置となる手前までの範囲を第1範囲とすることも可能である。このように、本発明における第1範囲は、ピストン18が第1位置から第2位置に移動する範囲のうち、少なくとも一部が含まれていればよい。
また、本発明の打撃作業機は、位置検出部として磁気センサまたはクランク位置検出センサのいずれか一方を備えた構造を含む。本発明の打撃作業機は、ハウジングに直流電源としての電池パックが取り付けられ、その電池パックの電力をブラシレスモータに供給する打撃作業機を含む。
本発明の打撃作業機は、先端工具に回転力及び軸線方向の打撃力を加えるハンマドリルの他、ねじ部材を締め付けたり緩めたりする作業を行うハンマドライバを含む。本発明の打撃作業機は、先端工具に軸線方向の打撃力のみを加えるハンマ、釘打ち機を含む。本発明の打撃作業機に用いられる電動モータは、ブラシレスモータの他、ブラシ付きモータでもよい。ブラシ付きモータは、ロータの回転位置を検出する磁気センサが設けられていない可能性がある。この場合、モータ制御ユニットは、クランク位置検出信号から動作部材の位置を検出する。本発明のモータは、電動モータの他、エンジン、油圧モータ、空気圧モータを含む。本発明の動力変換機構は、クランク軸及びコネクティングロッドを有する構造の他、カム機構を有する構造を含む。
さらに、打撃作業機は、シリンダ内に円筒形状のピストンが往復動作可能に配置され、そのピストン内に、打撃子が配置されていてもよい。ピストンは、本発明の動作部材に相当する。また、ピストンの軸線方向の端部は蓋により閉じられており、蓋と打撃子との間に圧力室が設けられる。この構成の打撃作業機は、動作部材が動作する軸線と、モータの出力軸の軸線とが、同軸または平行に配置される。
さらに、本発明の打撃作業機は、圧力室の圧力を検出する圧力検出センサを設け、その圧力検出センサの信号がモータ制御ユニットに入力される構成を含む。圧力検出センサは、シリンダに取り付ければよい。圧力センサとしては、ブルドン管を備えたセンサ、ピエゾ抵抗式センサ、静電容量式センサを用いることができる。この場合、圧力センサ及びモータ制御ユニットが、本発明の負荷検出部に相当する。
また、本発明の打撃作業機は、負荷検出部が設けられていない構造を含む。すなわち、動作部材の動作位置と、動作部材の動作負荷との関係を予め実験、シミュレーションによって求め、その求めた結果をコントローラに記憶しておく。モータ制御ユニットは、動作部材が第1位置から第2位置に到達するまでの第1動作速度が、第2位置以降における動作部材の第2動作速度よりも高速となるように制御する。
10…打撃作業機、11…先端工具、13…シリンダ、17…打撃子、18…ピストン、19…圧力室、29…出力軸、35…動力変換機構、37…クランク軸、39…クランクピン、40…コネクティングロッド、51…インバータ回路、57…モータ制御ユニット、62…モータ電流検出回路、73…クランク位置検出センサ、74,75,76…磁気センサ、81…電流検出抵抗。

Claims (10)

  1. モータから動力が伝達されて往動及び復動する動作部材と、前記動作部材の動作により圧力が変化する圧力室と、前記圧力室の圧力で動作して先端工具を打撃する打撃子と、を備えた打撃作業機であって、
    前記圧力室の圧力に応じた前記動作部材の動作負荷を検出する負荷検出部と、
    前記動作部材が第1位置から前記打撃子に近づく向きで往動する行程で、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する位置検出部と、
    前記動作部材が往復動作する動作範囲のうち、前記第1位置から前記第2位置に至る少なくとも一部の第1範囲を前記動作部材が動作する場合の第1動作速度を、前記第1範囲以外の第2範囲を前記動作部材が動作する場合の第2動作速度よりも高速とする速度制御部と、
    を有する、打撃作業機。
  2. 前記速度制御部は、前記モータの回転速度を制御することにより、前記第1動作速度を前記第2動作速度よりも高速とする、請求項1に記載の打撃作業機。
  3. 前記動作部材を第1軸線に沿って往動および復動自在に保持するシリンダと、
    前記モータの出力軸の回転力を前記動作部材の往動力及び復動力に変換する動力変換機構と、
    が設けられ、
    前記動力変換機構は、
    前記モータから動力が伝達されて第2軸線を中心として回転し、かつ、前記第2軸線から偏心した偏心軸を有するクランク軸と、
    前記偏心軸と前記動作部材とを連結するコネクティングロッドと、
    を備えている、請求項1または2に記載の打撃作業機。
  4. 前記位置検出部は、前記モータの出力軸の回転方向における位置に基づいて、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する、請求項3に記載の打撃作業機。
  5. 前記位置検出部は、前記クランク軸の回転方向における位置に基づいて、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する、請求項3に記載の打撃作業機。
  6. 前記速度制御部は、前記動作部材が前記第1位置から往動し、かつ、復動して前記第1位置に戻るまでの行程に要する時間が一定となるように、前記動作部材が往動する動作速度及び前記動作部材が復動する動作速度を制御する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の打撃作業機。
  7. 前記負荷検出部は、前記動作部材が往復動作する動作範囲のうち、前記第2位置を含む第3範囲内に限り、前記動作部材の動作負荷を検出する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の打撃作業機。
  8. 前記モータは、電流値が制御されて出力軸が回転する電動モータであり、
    前記負荷検出部は、前記電流値が所定値以上増加すると、前記動作部材の動作負荷が最大と判断する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の打撃作業機。
  9. 前記負荷検出部は、前記電流値が所定値以上増加した後に減少すると、前記動作部材の動作負荷が最大ではないと判断する、請求項8に記載の打撃作業機。
  10. モータから動力が伝達されて往動及び復動する動作部材と、前記動作部材の動作により圧力が変化する圧力室と、前記圧力室の圧力で動作して先端工具を打撃する打撃子と、を備えた打撃作業機であって、
    前記動作部材が第1位置から前記打撃子に近づく向きで往動する行程で、前記動作部材の動作負荷が最大となる第2位置を検出する位置検出部と、
    前記動作部材が往復動作する動作範囲のうち、前記第1位置から前記第2位置に至る少なくとも一部の第1範囲を前記動作部材が動作する場合の第1動作速度を、前記第1範囲以外の第2範囲を前記動作部材が動作する場合の第2動作速度よりも高速とする速度制御部と、
    を有する、打撃作業機。
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