JP2016008874A - 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法 - Google Patents

2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016008874A
JP2016008874A JP2014129141A JP2014129141A JP2016008874A JP 2016008874 A JP2016008874 A JP 2016008874A JP 2014129141 A JP2014129141 A JP 2014129141A JP 2014129141 A JP2014129141 A JP 2014129141A JP 2016008874 A JP2016008874 A JP 2016008874A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
oxygen
nitrogen
positive ions
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014129141A
Other languages
English (en)
Inventor
勲 坂口
Isao Sakaguchi
勲 坂口
裕 安達
Yutaka Adachi
裕 安達
大橋 直樹
Naoki Ohashi
直樹 大橋
未奈子 橋口
Minako Hashiguchi
未奈子 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2014129141A priority Critical patent/JP2016008874A/ja
Publication of JP2016008874A publication Critical patent/JP2016008874A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

【課題】窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材での窒素と酸素の組成を、2次イオン質量試料分析装置を用いて正確に分析することができる定量分析法を提供すること。【解決手段】窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材中の酸素と窒素の定量分析法であり、セクター型2次イオン質量分析装置を用い、1次イオンとして集束セシウムイオンビームを前記基材に照射し、そのスパッタリングで前記基材から放出されるセシウムに結合した正イオンであるCsN正イオンとCsO正イオンを質量分解能2,000以上で検出し、前記基材中の窒素と酸素の比を求めることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、次期機能性材料として期待される酸窒化物において機能性に寄与する窒素と酸素を精密に分析することができる定量分析法に関する。
最近の化合物半導体デバイス、特に酸化物では用いられる物質に限界が見えつつあり、それを解消するには新しい物質系での探索が必要である。これまでは、金属元素の組成をかえる事で探索が行われてきた。酸素や窒素等のカウンター元素の組成を主成分レベルで交換させるような合成が行われるようになったのは最近のことである。例えば、酸化物と窒化物の垣根を越えた酸窒化物はいまだ未開の探索領域であり、当然の事ながら主成分である窒素や酸素を正確に定量可能な分析手法の開発はこれからである。基材内部の窒素や酸素を分析しうる方法として2次イオン質量分析法が注目される。この2次イオン質量分析法は、窒素や酸素の正確な比だけでなく、3次元的な分布をサブミクロンのオーダーで検出し得ることが期待される。
2次イオン質量分析法は、セシウムイオン等を励起源として、これからの収束イオンビームを1次イオンとして基材表面に照射し、そのスパッタリング過程により放出される基材からのイオン(2次イオン)を引き出し、質量分析計にてイオンの質量で分けて検出する手法である。その開発は1960年代にまで遡り、当初から2次イオン化率が元素で極端に異なる(非特許文献1)、1次イオンによる基材のスパッタリングにより多くの分子イオンが生成する(非特許文献2)等の問題があった。しかし、2次イオン検出の再現性が非常に良く、しかも、ホウ素等、Si半導体で重要な添加物をsub-ppmまで検出できる等の利点があり普及した。2次イオン質量分析装置は、搭載する質量分析計で四重極型、セクター型(扇形)、飛行時間型に分類される。このなかでも極微量の元素を検出するには、1次イオン電流密度を高められ、かつ高質量分解能(M/ΔM=10,000、最高値)で測定できるセクター型2次イオン質量分析装置が他の装置に比べ格段に有利である。一般的には2次イオン質量分析装置は微量元素の検出とその深さ方向分析に威力を発揮する装置である。
2次イオン質量分析法では、基材の構成元素、添加元素、不純物元素に分けて考えて分析される。添加元素は、意図した元素で検出されるべき元素である。不純物は意図しない元素であり、これを特定して、定量分析するには基材全般の情報、分析法の検討、標準試料の作製、入手と多くの情報が必要となる。一般的に基材情報が乏しい場合が多く、質量数1から200位までの質量スペクトルを取得するが、2次イオン質量分析法では基材に含まれる主成分、1次イオン、等が結合した多種類の分子イオンが放出されるため、不純物を同定することはほぼ不可能である。そこで、スパッタリング過程の2次イオン放出を考慮した分析条件(エネルギーフィルタリング法)で質量数1から200位までの質量スペクトルを取得し分析を進めていく。定量分析は、濃度が既知で基材と同じ主成分、構造を有するものを数種類測定する検量線法か、基材に目的なる元素をイオン注入したものを標準試料とする手法を用いて行われる。一般的には高い再現性や均一性を有するイオン注入法の標準試料を用いる手法が利用される。
2次イオン質量分析法は微量元素の検出を得意とする分析手法である。しかし、問題となる元素は窒素であり、これは2次イオン化率が極端に低い元素であり、N+, N-の様な単体イオンで検出する事は不可能である。酸化物、例えば、酸化亜鉛基材での窒素の検出は64Zn14N負イオン(質量数:78), 14N16O負イオン(質量数:30)で可能である。しかし、64Zn14N負イオンでは意図しない分子イオンが目的イオンである64Zn14N負イオンに干渉するため、高質量分解能での分析が必要である。また、14N16O負イオンにも30Si, 13C16OH等の様な負イオンが干渉するため、高質量分解能での質量スペクトルが必須となる。この理由は、H, C, O, Siは負イオンの中でも2次イオン生成率が大きなイオンであるためである。一般的に分析対象となった基材から取得したこれらの裏付けのない分析値は信頼性の低いものになる。
2次イオン質量分析法では目的元素の2次イオン化率、マトリックスでイオン化率が異なるマトリックス効果等があり、2次イオン質量分析装置は主成分の精密分析には不向きな装置であると考えられている。さらに、イオン化率が元々非常に悪い窒素は分析対象になってこなかった経緯がある。
R. Castaing, G. Slodzian, J. Microscopie (Paris), 1. 395 (1962). H.A. Storms, K.F. Brown, J.D. Stein, Anal.Chem., 49 2023 (1977). I. Sakaguchi, S. Hishita, Surf. Interf. Analy., 36 645 (2004). I. Sakaguchi, Surf. Interf. Analy., 203-204 652 (2003).
本発明は、以上のような従来技術の実状に鑑みてなされたもので、窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材での窒素と酸素の組成を、2次イオン質量試料分析装置を用いて正確に分析することができる定量分析法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため以下の技術的手法を提供する。
〔1〕窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材中の酸素と窒素の定量分析法であって、セクター型2次イオン質量分析装置を用い、1次イオンとして集束セシウムイオンビームを前記基材に照射し、そのスパッタリングで前記基材から放出されるセシウムに結合した正イオンであるCsN正イオンとCsO正イオンを質量分解能2,000以上で検出し、前記基材中の窒素と酸素の比を求めることを特徴とする定量分析法。
〔2〕上記第1の発明において、前記基材から放出されるCsN正イオンとCsO正イオンの検出に先立ち、CsN正イオンとCsO正イオンの質量分解能2,000以上の高分解能質量スペクトルをあらかじめ取得しておき、取得したデータに基づき、検出されたイオン強度が前記基材からのものであるか確認することを特徴とする定量分析法。
〔3〕上記第1の発明において、2次イオンの取得領域を、アパーチャを用いて制限し、1次イオンの走査領域を複数段階にわたり次第に縮小し、得られた2次イオンの電流値の変化に基づき、検出されたイオン強度が前記基材のものであるか判断することを特徴とする定量分析法。
〔4〕上記第1の発明において、2次イオンの取得領域を、アパーチャを用いて制限し、1次イオンの照射電流値を段階的に増加させ、得られた2次イオンの電流値の変化に基づき、検出されたイオン強度が前記基材のものであるか判断することを特徴とする定量分析法。
〔5〕上記第1から第4のいずれかの発明において、前記基材中の窒素と酸素の比を0.1 %以上の精度で求めることを特徴とする定量分析法。
本発明によれば、上記技術的手法を採用したことにより、窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材での窒素と酸素の組成を、2次イオン質量試料分析装置を用いて正確に分析することが可能となる。
そして、酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析からその比の細かな変動をとらえる事が可能になるばかりか、窒素/酸素の比で影響される機能性を正確に制御できるようになる。
本発明は単に酸窒化物中の窒素/酸素比にとどまらず、広く応用が可能な手法である。
酸素注入GaN薄膜のラマン発光スペクトルを示す図である。 酸素注入GaNの表面微細構造のAFM像を示す写真であり、(a)が酸素注入量4x1016ions/cm2の場合、(b)が酸素注入量5x1015ions/cm2の場合である。 (a)及び(b)はそれぞれ酸素注入GaN薄膜からのCsN正イオンとCsO正イオンの高分解能質量スペクトルを示す図である。 酸素注入(5x1015ions/cm2)GaN薄膜の酸素濃度プロファイルを示す図である。 酸素注入(4x1016ions/cm2)GaN薄膜の酸素濃度プロファイルを示す図である。 GaN薄膜基板に酸素を4x1016 ions/cm2イオン注入した試料を収束セシウムビームによりCsOとCsNの正イオンで測定した深さ方向プロファイルを示す図である。 酸窒化物LaTiNO2薄膜中のCsN正イオンとCsO正イオンの強度プロファイルを示す図である。 酸窒化物LaTiNO2薄膜中のCsN正イオン, CsO正イオン, CsAl正イオン, CsTi正イオン, CsLa正イオンの強度プロファイルを示す図である。 ZnO/GaN積層薄膜のCsN正イオンとCsO正イオンの強度プロファイルを示す図である。 酸素注入GaNのO負イオンとCsO正イオンの強度プロファイルを比較して示す図である。 2次イオンの取得領域を、アパーチャを用いて制限し、1次イオンの走査領域を複数段階にわたり次第に縮小し、得られた2次イオンの電流値の変化に基づき、検出されたイオン強度が前記基材のものであるか判断する手法の説明図であり、(a)が走査領域を示す図、(b)が検出されたイオン強度と走査領域との関係を示す図である。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明は、酸素と窒素を含む酸窒化物からなる基材(試料)中の窒素と酸素の定量分析法に係り、セクター型2次イオン質量分析装置を用いて基材中の窒素と酸素比を高精度(0.1 %以上の精度)で求めるものである。そのため、本発明では、1次イオンとして集束セシウムイオンビームを基材に照射し、そのスパッタリングで基材から放出されるセシウムに結合した2次正イオンであるCsN正イオンとCsO正イオンを質量分解能(M/DM)2,000以上で検出し、基材中の窒素と酸素の比を上記のような高精度で求める。上記セクター型2次イオン質量分析装置は、一般に天然試料の同位体測定に用いられ、そこでは変動を千分率で表記され、0.1 %の精度が出せる。また、酸窒化物の標準試料を決めておくことにより、窒素と酸素の個別濃度を求めることもできる。
本発明では、検出に先立ち、CsN正イオンとCsO正イオンの高分解能質量スペクトルを質量分解能2,000以上で取得する。この取得した質量スペクトルデータにより、測定した質量が主成分で最も強度が取れる事、質量分解能が十分である事が保証される。
前もってCsN正イオンとCsO正イオンの高分解能質量スペクトルを取得しておくのは、2次イオン質量分析法では質量が重くなると意図しないような分子イオンの生成があるためであり、特に、基材中の金属元素数が増えれば必須の測定である。例えば、CsN正イオンはCsC正イオンに質量数が近く、CsC正イオンに結合したCsCH2正イオン等がバックグラウンド強度として干渉する事も考えられる。このような場合、上記の確認を行うことにより、分析精度を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、検出されたイオン強度が基材からの真のイオン強度であるかの確認を次のようにして行うこともできる。
すなわち、1次イオンビームである集束セシウムイオンビームを基材(試料)表面に照射・走査し、四角いクレーターを生成する。基材表面での1次イオンのスパッタリッングで放出される2次イオン強度は、その1次イオン強度に依存する。2次イオンの取得領域をクレーター中心の数十μmの領域にアパーチャを使用して制限する。そして、図11(a)に示すように1次イオンの走査範囲を段階的に縮小する。2次イオン強度は1次イオンの走査範囲を縮小する事で縮小に従い強度が増加する。つまり、図11(a)の様に1次イオンの走査領域を1から5の様に小さくして行く事で、2次イオンが基材から生成していれば、2次イオンの電流強度が図11(b)に示すように取得できると同時に2次イオンが基材から生成していることが確認できる。
また、1次イオンの照射領域を固定し、1次イオンの電流量を増加させても同様な現象が起こり、2次イオンが基材から生成している事を確認できる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明する。
2次イオン質量分析法でのCsNとCsO正イオンで分析するために、市販のGaN薄膜基板(University Wafer社製)を用いた。GaN薄膜基板のサイズは、縦 10 mm×横 10 mm×薄膜厚さ 3 μmであった。これらGaN薄膜基板に酸素を室温でイオン注入した。イオン注入装置としては、製品名RD-200:日新電気社製を用いた。
各試料の注入条件は以下の通りである。
試料1、エネルギー:150 keV、ドーズ量:5x1015 ions/cm2,
試料2、エネルギー:50 keV、ドーズ量:4x1016 ions/cm2
次に、酸素注入GaN薄膜基板の酸素注入についてラマン分光による評価を行った。ピーク(420 cm-1)は基板のサファイヤからのラマン発光である。このピークは酸素の注入量が増加すると消失する傾向が見られ、酸素がGaN薄膜基板に注入されたことを間接的に確認した(図1)。また、注入後の表面を原子間顕微鏡(AFM)で観察し、酸素注入によりGaN薄膜基板表面の平坦性の向上を確認した(図2)。GaN薄膜基板に酸素注入を行うとラフネスが18 nmから12 nmに向上した。
これら酸素注入GaN薄膜基板についてセクター型2次イオン質量分析装置(製品名IMS-4f:アメテック社製)を用いて分析を行った。この質量分析装置を深さ方向分析用に、装置の設定として1次イオンは10 kVで加速収束させたCs正イオン、2次イオン極性はプラスでCsM(M=14N, 16O, 他)正イオンを測定するように調整した。これに先立ち、CsNとCsO正イオンの高分解能質量スペクトルを取得した(図3)。質量分解能は2,900とした。本測定では、液体窒素コールドトラップを使用し分析室内の真空の質を高めたため、干渉する分子イオンは検出されなかった。
次に、GaN薄膜基板の酸素注入深さ方向プロファイルを取得した。エネルギー150 keVで酸素が注入された試料1では、深さ190 nmで3x1020 /cm3の濃度ピークが確認できた(図4)。一方、エネルギー50 keVで4x1016 ions/cm3の酸素が注入された試料2においては、深さ69 nmで6x1021 /cm3の濃度ピークが検出された(図5)。
図6はGaN薄膜基板に酸素を4x1016 ions/cm2イオン注入した試料を収束セシウムビームによりCsOとCsNの正イオンで測定した深さ方向プロファイルを示す図である。内部標準であるCsNは一定値であり、注入した酸素を測定したCsO正イオンではガウス分布が得られた。これから以下の式に従い解析を行い、相対感度係数(RSF)を求めた。
Ddoseは注入量であり、Depth-min.は表面、Depth-Max.は注入プロファイルが終わった深さ、IはCsOであり、IRefは分析の内部標準であるCsNである。これを基に酸素濃度[C]を以下の式に従い値を求めた。
濃度変換後の酸素/窒素比は0.224であった。
サファイヤ基板上にスパッタ法で下記の条件で酸窒化物LaTiNO2薄膜を成長させた。合成条件は以下の通りである。

RFパワー 100W
チャンバー圧力 21 mTorr
N2流量 4.5 sccm
Ar流量 13.5 sccm
基板温度 800 ℃
蒸着時間 70 min.
この酸窒化物LaTiNO2薄膜中の窒素と酸素の深さ方向分析を上記セクター型2次イオン質量分析装置を用いて、CsN正イオンとCsO正イオンを検出することにより行った。1次イオンは10 keVで加速収束したCs正イオンとした。その結果を図7に示す。窒素/酸素比は深さ60 nmまでほぼ一定値(0.4±0.066)であった。窒素/酸素比の精度は分析よりも薄膜が有する均一性による。
また、上記両正イオンの他、CsAl正イオン、CsTi正イオン、CsLa正イオンの検出データを含めた強度プロファイルを図8に示す。
上記で作成した酸素注入基板GaN基板上にZnOをパルスレーザー堆積法で500 nm厚成長させ、積層構造とした基材について、CsNとCsO正イオンで測定した結果を図8に示す。図9から明らかなように、酸化亜鉛層内部では窒素は検出されず、GaNでのみ検出されている。GaN中に注入された酸素は注入ピークが検出されている。この結果は組成の異なる積層構造を有する基材でも本発明による測定法が有効であることを示している。
[比較例1]
酸素注入GaN基板を基材とした測定において、1次イオンとして10 keVで加速収束したCs正イオンを用い、O負イオンとCsO正イオンで比較した結果を図10に示す。測定した試料は酸素を前述の5x1015 ions/cm2注入した試料1である。図10の縦軸は2次イオン強度としている。CsO正イオンで測定する場合、リファレンスとしてCsN正イオンを測定した。この場合、CsO正イオンのピーク強度とCsN正イオンの強度差は約1桁である。一方、試料内の酸素注入プロファイルをO負イオンで測定する場合、Nの負イオンはほとんど検出されない。そこで、リファレンスマスとしてGaN負イオンを選択することになる。この場合、CsN負イオンとO負イオンのピーク強度は同じである。つまり、5x1015ions/cm2以上の注入量ではO負イオンの強度が大きくなり、強度は試料内の酸素や窒素を反映した結果にはならない。

Claims (5)

  1. 窒素と酸素を含む酸窒化物からなる基材中の窒素と酸素の定量分析法であって、
    セクター型2次イオン質量分析装置を用い、
    1次イオンとして集束セシウムイオンビームを前記基材に照射し、そのスパッタリングで前記基材から放出されるセシウムに結合した2次正イオンであるCsN正イオンとCsO正イオンを質量分解能2,000以上で検出し、前記基材中の窒素と酸素の比を求めることを特徴とする定量分析法。
  2. 前記基材から放出されるCsN正イオンとCsO正イオンの検出に先立ち、CsN正イオンとCsO正イオンの質量分解能2,000以上の高分解能質量スペクトルをあらかじめ取得しておき、取得したデータに基づき、検出されたイオン強度が前記基材からのものであるか確認することを特徴とする請求項1に記載の定量分析法。
  3. 2次イオンの取得領域を、アパーチャを用いて制限し、1次イオンの走査領域を複数段階にわたり次第に縮小し、得られた2次イオンの電流値の変化に基づき、検出されたイオン強度が前記基材のものであるか判断することを特徴とする請求項1に記載の定量分析法。
  4. 2次イオンの取得領域を、アパーチャを用いて制限し、1次イオンの照射電流値を段階的に増加させ、得られた2次イオンの電流値の変化に基づき、検出されたイオン強度が前記基材のものであるか判断することを特徴とする請求項1に記載の定量分析法。
  5. 前記基材中の窒素と酸素の比を0.1 %以上の精度で求めることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の定量分析法。
JP2014129141A 2014-06-24 2014-06-24 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法 Pending JP2016008874A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014129141A JP2016008874A (ja) 2014-06-24 2014-06-24 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014129141A JP2016008874A (ja) 2014-06-24 2014-06-24 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016008874A true JP2016008874A (ja) 2016-01-18

Family

ID=55226523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014129141A Pending JP2016008874A (ja) 2014-06-24 2014-06-24 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016008874A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Stevie Secondary ion mass spectrometry: applications for depth profiling and surface characterization
Holzlechner et al. A novel ToF-SIMS operation mode for improved accuracy and lateral resolution of oxygen isotope measurements on oxides
US9316589B2 (en) Method for evaluating oxide semiconductor thin film, and method for quality control of oxide semiconductor thin film
Thomen et al. Determination of the nitrogen abundance in organic materials by NanoSIMS quantitative imaging
Kelly Atom-probe tomography
Baker Secondary ion mass spectrometry
JP5030166B2 (ja) レーザー脱離イオン化質量分析に使用される試料支持用基板の試験方法
CN109632925A (zh) 一种用于AlN中痕量杂质元素浓度及分布的SIMS优化检测方法
Evans Jr Ion probe mass spectrometry: Overview
Riedo et al. Novel 2D binning approach for advanced LIMS depth profiling analysis
CN109755148B (zh) 一种用于InP、GaN中痕量杂质浓度及分布的SIMS优化检测方法
JP2016008874A (ja) 2次イオン質量分析装置を用いた酸窒化物中の窒素と酸素の定量分析法
Zhang et al. Depth profiling of Al diffusion in silicon wafers by laser-induced breakdown spectroscopy
Lobo et al. Quantitative depth profiling of boron and arsenic ultra low energy implants by pulsed rf-GD-ToFMS
Smith et al. On-line ion implantation for quantification in secondary ion mass spectrometry: determination of trace carbon in thin layers of silicon
Hoffmann et al. Elemental distribution profiling of thin films for solar cells
Kataoka et al. Ultrashallow depth profiling using SIMS and ion scattering spectroscopy
JP5807442B2 (ja) 二次イオン質量分析方法
Bender et al. Surface contamination and electrical damage by focused ion beam: Conditions applicable to the extraction of TEM lamellae from nanoelectronic devices
Iltgen et al. Ultra-shallow junction depth profile analysis using TOF-SIMS and TXRF
KR101502389B1 (ko) 태양전지 광흡수층의 정량분석법
Zhu et al. SIMS quantification of SiGe composition with low‐energy ion beams
JP2008215989A (ja) 深さ方向元素濃度分析方法
Sauter et al. Deuterium retention in tungsten-doped carbon films
Reddy et al. Depth profiling of oxygen in oxide films by 18 O (p, α) 15 N nuclear reaction analysis