JP2016005333A - 電機子コアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この製造方法によれば、端面コアシート以外のコアシートの板厚を薄くすることで電機子コア内に生じる渦電流を小さく抑えつつも、端面コアシートにおいては他のコアシートよりも板厚が厚いため、その端面コアシートのティース構成部の角部に形成される面取り部の幅(長さ)を広くすることが可能となる。それにより、面取り部における巻線の応力集中をより緩和させることが可能となる。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、リヤフレーム11とフロントフレーム12によってモータ10の軸方向に挟持された環状のステータ13の内側にロータ14が配置されて構成されている。なお、モータ10の軸方向出力側(後述するジョイント63側)を保持するフレームをフロントフレーム12とし、軸方向反出力側を保持するフレームをリヤフレーム11としている。各フレーム11,12は、互いに離間しないようにステータ13の外周側の位置でスルーボルト15にて締結固定されている。
リヤフレーム11及びフロントフレーム12は、アルミニウムや鋼鉄等の金属材料にて形成されている。リヤフレーム11は、略円盤状の本体部11aと、本体部11aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部11bとを備えている。一方のフロントフレーム12も略同様の構成であり、略円盤状の本体部12aと、本体部12aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円環状のステータ保持部12bとを備えている。各フレーム11,12の本体部11a,12aの径方向中央には、同軸上に配置された軸受16,17が保持され、その軸受16,17には、ロータ14の回転軸18が軸支されている。
ステータ13は、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持された円環状のステータコア21(電機子コア)と、そのステータコア21に装着された電機子巻線22とを備える。
上記のような形状を有するステータコア21は、複数の磁性板(鋼板)を積層して一体化することによって成形されている。
図6及び図8に示すように、上記したステータコア21に装着された電機子巻線22は、複数のセグメント導体25(セグメントコンダクタ)にて構成されている。各セグメント導体25は、所定のもの同士で接続されて、3相(U相、V相、W相)Y結線の電機子巻線22を構成している。また、各セグメント導体25は、同一断面形状(断面矩形状)の線材から形成されるものである。
図1に示すように、ロータ14は、軸受16,17に軸支された回転軸18と、回転軸18に一体回転可能に固定された円筒状のロータコア61と、ロータコア61の外周面に固着された複数(本実施形態では10個)の界磁磁石62とから構成されている。各界磁磁石62は、フェライト磁石よりなり、磁極(N極とS極)が周方向で交互に異なるように配置されている。ロータコア61及びロータ14の界磁磁石62の軸方向長さは、ステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の端面コアシート40のロータ対向部44の先端から他方の端面コアシート40のロータ対向部44の先端までの長さ)と略等しく設定されている。即ち、界磁磁石62は、ステータコア21のメインコア部31の内周面と各端面コアシート40のロータ対向部44に対して径方向に対向している。
ステータ13の電機子巻線22への通電により発生した磁界とロータ14の界磁磁石62の磁界とが、メインコア部31の内周面と各端面コアシート40のロータ対向部44を介して作用し合い、ロータ14が回転する。なお、本実施形態では、端面コアシート40の板厚T1がコアシート30の板厚T2よりも厚く設定されているため、端面コアシート40での磁気飽和が生じにくく、端面コアシート40を介して磁気を取り込みやすくなっている。
次に、ステータコア21の端面コアシート40の製造方法について説明する。
図9(a)には、端面コアシート40の基材である磁性板70を示している。まず、図9(b)に示すように、磁性板70に対して、中央の円形の孔70aと、その孔70aから放射状に延びる、各ロータ対向部44の周方向間の隙間に対応する各スリット70bを打ち抜く。その後、磁性板70の板面と平行をなす状態の各ロータ対向部44を、図9(c)に示すように直角に折り曲げ成形する。
図10に示すように、前述の半抜き工程では、下型80のダイ81と半抜き用上型90のストリッパプレート91とで磁性板70を板厚方向に押圧挟持した状態で、磁性板70における各ティース構成部43の周方向間の前記各スロットSに対応する部位を、ストリッパプレート91を貫通する各半抜きパンチ92にて同時に半抜き加工する。このとき、半抜きパンチ92は、磁性板70における各ティース構成部43の周方向間の肉を板厚方向に押し込み、その押し込まれた肉は磁性板70から板厚方向に突出する突出部71としてダイ81の孔82に流れ込むとともに、ダイ81の孔82内に配置された支持部材83と当接する。
次に、図11に示すように、下型80のダイ81の上方に面取り用上型100を配置し、その面取り用上型100のストリッパプレート101とダイ81とで磁性板70を板厚方向に押圧挟持する。そして、その状態で、磁性板70の各ティース構成部43の周方向両端の前記角部74を、面取りパンチ102にて円弧状に面取り加工する。このとき、各面取りパンチ102の先端の挿入部103が、半抜きパンチ92の半抜きによって形成された磁性板70の各凹部72(後にスロットSとなる部位)に挿入されるとともに、該挿入部103の基端に形成されたアール面104がティース構成部43の前記角部74を押圧され、それにより、該角部74が円弧状に塑性変形される。なお、この面取りパンチ102による面取りは、各ティース構成部43の角部74に対して同時になされる。
次に、図12に示すように、下型80のダイ81の上方に打ち抜き用上型110を配置し、その打ち抜き用上型110のストリッパプレート111とダイ81とで磁性板70を板厚方向に押圧挟持する。そして、その状態で、磁性板70における各ティース構成部43の周方向間(前記各凹部72)を打ち抜きパンチ112にて板厚方向に貫通するように打ち抜き、それにより、各ティース構成部43の周方向間に各スロットSが形成される。このとき、半抜き工程にて形成された前記各突出部71が、打ち抜きカス75として磁性板70から離間される。これにより、角部74に面取りが施された各ティース構成部43を有する端面コアシート40が完成する。なお、打ち抜きパンチ112による打ち抜きは、各ティース構成部43の周方向間に対して同時になされる。
(1)磁性板70から端面コアシート40を成形する際、各ティース構成部43の周方向間(スロットに対応する部分)を半抜きする(半抜き工程)。これにより、各ティース構成部43同士が完全に分断されない状態としてティース構成部43の剛性の低下を抑制しつつも、後の面取り工程で面取りする角部74を形成することができる。そして、そのように各ティース構成部43同士が完全に分断されていない状態で、ティース構成部43の周方向端部の角部74を面取りパンチ102にて押圧して面取りするため、面取りの際にティース構成部43が意図しない形に変形することを抑制することができる。
・上記実施形態では、端面コアシート40の板厚T1は、ステータコア21を構成する他のコアシート30の板厚T2よりも厚く設定される。つまり、コアシート30を薄くすることでメインコア部31内に生じる渦電流を小さく抑えつつも、端面コアシート40においてはコアシート30よりも厚いため、ティース構成部43の角部に形成される面取り部43aの曲率半径Rmをコアシート30の板厚T2よりも大きく設定することが可能となる(図14参照)。そして、曲率半径Rmを大きくすることで面取り部43aの幅(長さ)が広くなり、その結果、面取り部43aにおけるセグメント導体25及び絶縁部材47の応力集中をより一層緩和させることが可能となる。
・上記実施形態では、ロータ14の界磁磁石62にフェライト磁石を用いたが、これ以外に例えば、ネオジム磁石等、その他の磁石を用いてもよい。
(イ)請求項1〜4のいずれか1項に記載の電機子コアの製造方法において、
前記半抜きパンチの半抜きにより前記磁性板の板厚方向に突出形成された突出部を、前記面取り工程に使用する型に対して前記磁性板の板面方向に係止させることを特徴とする電機子コアの製造方法。
Claims (4)
- 環状のヨーク構成部と、該ヨーク構成部から径方向に延び周方向に複数並設されたティース構成部とを備えた磁性体よりなるコアシートが複数枚積層されてなり、それら積層されたコアシートのうちの端に位置する端面コアシートにおける前記ティース構成部の周方向端部の角部に面取り部が形成された電機子コアの製造方法であって、
前記端面コアシートの基材である磁性板から前記各ティース構成部の周方向間を半抜きパンチにて半抜きする半抜き工程と、
前記各ティース構成部の周方向間が半抜きされた状態で、該ティース構成部の周方向端部の角部を面取りパンチにて押圧して前記面取り部を形成する面取り工程と、
前記面取り工程後、前記各ティース構成部の周方向間の半抜き箇所を打ち抜く打ち抜き工程と
を有することを特徴とする電機子コアの製造方法。 - 請求項1に記載の電機子コアの製造方法において、
前記面取り工程において、前記面取りパンチにて前記端面コアシートのティース構成部の周方向両端部の角部に前記面取り部が形成されることを特徴とする電機子コアの製造方法。 - 請求項1又は2に記載の電機子コアの製造方法において、
前記半抜きパンチは、前記端面コアシートの各ティース構成部の周方向間を半抜きする際に該ティース構成部の周方向側部にリブを成形するためのリブ成形凹部を有することを特徴とする電機子コアの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電機子コアの製造方法において、
前記端面コアシートの板厚は、電機子コアを構成する他の前記コアシートの板厚よりも厚く設定されていることを特徴とする電機子コアの製造方法。
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