JP2016004034A - 液面計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】張力を付与された測長ワイヤーの先端に取り付けたディスプレーサまたはバランサーまでの測長ワイヤー測定値と別途短スパンの水位計で測定したディスプレーサまたはバランサーと測定水面までの液面距離測定値を加算することにより解決した。
【選択図】図1
Description
▲1▼測定水深が5m以上の水位測定
▲2▼水面上にごみなどの障害物が存在し、水面上から電波、超音波などの照射による測定ができない水位測定
▲3▼水位以外の産業用途のタンクなどの液面測定
等に広く利用可能である。
本発明は水位以外の液面測定にも共通に高精度で安定に、利用可能であるが、発明の詳細な説明では水位計として説明する。
測定水面に接触して測定する接触式水位計として圧力式水位計が多く使用されている。
この方式は水深に比例した水圧を感圧素子で測定するもので、大気圧と比較して測定するために大気開放チューブを必要とし、このチューブから感圧部に湿気が入ったり、感圧部が河川等の土砂に埋もれると測定誤差の原因となる。このため、安定性が課題となっている。
非接触水位計としては超音波式水位計と電波式水位計が用いられている。
これらは、水面にセンサー部が接触しないために、経年的に安定な測定ができる。
しかし、超音波式、電波式ともセンサーからの距離によって、放射角度が広がり、放射角度内に超音波または電波を不要反射させる障害物により測定距離が制限を受ける。
なお、電波式は超音波式に比較して、測定距離が長く、測定精度が良く、測定スパンに関係なく±1cm程度の精度が得られる。
本発明の水位計はフロート式のように規模の大きい測水筒を必要とせず、圧力式水位計のように経年的な測定精度劣化の問題がなく、超音波式または電波式のように水面の浮遊物の影響、ビームの拡がりによる測定距離の制限を受けることなく、測定水深の制約が小さい水位計である。
このため、水面検知の方法として、測長ワイヤーの先端にディスプレーサまたはバランサーを設けて、ディスプレーサまたはバランサーと水面の距離を正確に測定する方法で水面検知の課題を解決した。
ディスプレーサ(Displacer)とは液体を排除するものという意味を有しており、ディスプレーサ方式ではアルキメデスの原理により、液体を排除した液体体積だけ軽くなり、ディスプレーサの一部が液面上に突出した状態を保持して、ディスプレーサと液面の相対距離をディスプレーサに実装した液面計で測定することにより水面検知を行う。
バランサー方式では水面に接触することなく、水面より上部でバランスして静止し、バランサーと水面との相対距離をバランサーに実装した液面計で測定する。
すなわち、ディスプレーサ方式、バランサー方式とも深い水深は測長ワイヤーで測定し、ディスプレーサ、バランサーと水面との短い相対距離は液面計で測定して、両者を加算することにより、正確に水深を測定する。
ここで、ディスプレーサ方式では、ディスプレーサの一部分を液面上に突出した状態を保持する必要があるが、これはディスプレーサをある範囲の張力により吊り下げれば容易に保持できる。
すなわち、サーボ機構とか定張力スプリングで吊り下げる必要はなく、ディスプレーサの一部が液面上に突出可能な一定範囲の吊り下げ張力で吊り下げれば良いために、ゼンマイスプリングなどの安価な張力付与機構で実現できる。
バランサー方式では、バランサーを液面の近傍で液面より上部に保持する必要がある。
このために、バランサーに実装した液面計で液面との相対距離を測定して、相対距離が一定範囲になるように、測長ワイヤー位置制御部でモータにより測長ワイヤーの巻き上げ長さを位置制御する必要がある。
ディスプレーサ方式では、ディスプレーサは水中に接触するが、液面測定のセンサは超音波式液面計を利用すれば被接触方式とすることが可能である。
バランサー方式では、液面測定のセンサとして超音波式液面計を利用すれば、バランサー、液面センサとも測定水面に接触することなく液面測定が可能である。
本発明の水位計は測長ワイヤーの測定値とディスプレーサまたはバランサーに実装した液面計の測定値を加算して水位を求めることを特徴とする。
第1に、従来の機械式のフロート式水位計の場合、フロートを水面に浮かべ、浮力によりフロートとカウンターウェイトが一定の張力でバランスさせる必要がある。
この場合、フロートの口径は、本発明のディスプレーサに比較して大きくなり、保護管内に設置するためには、保護管との間に必要な離隔距離を取る必要がある。
このために、フロート式水位計設置のために、600mφ程度の口径の測水筒が多く使用されている。本発明では、保護管を設置する場合の口径は150mφ程度で良い。
第2に、本方式では、ディスプレーサ方式の場合にディスプレーサに実装する水位計として、超音波式を採用すれば、水圧式水位計のように感圧部を水中に沈めて使用する接触式でないために、長期に亘って安定な測定ができる。
従来、ダムなど水深50m以上の場合、150mmφ程度の保護管に圧力式水位計を入れて使用していたが、この保護管をそのまま利用して、本発明の水位計用に利用できる。
第3に、超音波式または電波式水位計は、送信超音波、送信電波ビームの広がりのために取付壁面からの離隔距離は測定水面の大きさに応じて定められていたが、本発明の方式では保護管中に設置することにより離隔距離が小さくてよい。
超音波式または電波式水位計は、水面浮遊物からの反射により影響を受けるが、本方式では影響を受けない。
第4に、レーザー式水位計では、一般に水面反射用にフロートを必要とするが、本方式では、ディスプレーサまたはバランサーに実装かる水位計として、超音波式を採用すれば、フロートは必要としない。
第5に、測定精度として、本発明の水位計はレーザー水位計と同様の精度が期待でき、従来方式で最も高精度である電波式水位計の精度と同等の精度が期待できる。
第6に、ディスプレーサ方式では、測長ワイヤー巻き取り部、張力付与部、測長ワイヤー長測定部は、ワイヤスケールリニアエンコーダと呼ばれているユニットにより構成でき、ディスプレーサに実装する液面測定計は測定スパンが数10cm以下の安価な液面計が採用できるために、全体の液面計は低価格化が期待できる。
第7に、バランサー方式では、測長ワイヤー巻き取り部、測長ワイヤー長測定部は、ディスプレーサ方式と同じ構成であり、測長ワイヤー位置制御部はモータの位置制御により構成でき、ディスプレーサに実装する液面測定計は、ディスプレーサ方式と同様の測定スパンが数10cm以下の安価な液面計が採用できるために、全体の液面計はディスプレーサ方式と同様に低価格化が期待できる。
▲1▼ディスプレーサ1は測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6により測長ワイヤー9と接続され、測長ワイヤー9により、吊り下げられている。
▲2▼測長ワイヤー9は測長ワイヤー巻き取り部12を介して張力付与部13により張力を付与され、この張力はディスプレーサ1の一部分が、測定液面5から突出する位置でバランスする値に設定する。
このための、張力付与部13が測長ワイヤー9に付与する張力Fは、
ディスプレーサ1の容積をV、質量をW、測定液の密度をγ、重力の加速度をgとすれば、
W×g−V×γ<F<W×g
となり、Fは一定の値でなく、付与する張力Fは可変値となる。
すなわち、ディスプレーサ1の一部分が、測定液面5から突出する位置でバランスするために付与する張力Fの制御は容易である。
▲3▼このバランスした状態の測長ワイヤー9の長さとして、測長ワイヤー長7は測長基準点高さ10と測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6との距離は測長ワイヤー長測定部14で測定なものとする。
▲4▼測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6と測定液面5との距離は液面距離8として、ディスプレーサ1に実装した液面測定計2の液面測定部4で測定する。
▲5▼上記で測定した測長ワイヤー長7と液面距離8は演算装置15で加算し、測長基準点高さ10と測定液面5間の液面計の測定値となる。
▲1▼本構成例では測長ワイヤー巻き取り部12は回転軸21を軸としたドラムにより構成し、張力付与部13はゼンマイ等の弾性体により測長ワイヤー9に張力を付与している。測長ワイヤー長測定部14は回転軸21を軸としたロータリーエンコーダにより構成しており、エンコーダの回転角と測長ワイヤー長測定値はリニアな関係にある。
なお、測長ワイヤー9、測長ワイヤー巻き取り部12、張力付与部13、測長ワイヤー長測定部14は一体的に構成されたユニットが「ワイヤスケールリニアエンコーダ」等の名称で複数の会社から市販されている。参考に、ドイツ国の会社 TR Electronic GmbH.のカタログより仕様例を以下に示す。
▲2▼[請求項1]構成例 図2において、ディスプレーサ1の構成方法は液面測定計2の液面測定部4の測定方式により違いがある。図3は液面測定部4が超音波方式の場合である。超音波距離計超音波送受信器26は超音波測定計2の下部に配置している。
ディスプレーサ1の一部分は液面より突出してバランスするために、円筒型のディスプレーサ質量調整部27を設置している。超音波距離計超音波送受信器26から送信波は円筒内の水面で反射して超音波受信器で受信して、水面までの距離を測定する。
超音波距離計距離測定可能範囲(L5)33は図3に示す範囲である。測長ワイヤーに付与される張力により、ディスプレーサ1が液面上でバランスする位置は、L3測長ワイヤー張力範囲のバランス液面35の範囲にある。上限Aは測長ワイヤー最小張力のバランス液面34であり、下限Bは測長ワイヤー最大張力のバランス液面36である。
測長ワイヤーに付与する張力の可変範囲はスプリング等の弾性体のバネ係数により大きな範囲で替えることができる。また、超音波距離計距離測定可能範囲(L5)33も0.05〜2m程度の範囲で容易に変更できる。従って、ディスプレーサ質量調整部高さ(L4)30を質量の調整により変更して、ディスプレーサ1のバランスする液面は超音波距離計距離測定可能範囲(L5)33内に入れることが容易に可能である。
ディスプレーサ1の構成方法として、図4は液面測定部4がガイドパルス方式の場合である。ガイドパルス方式液面計はプローブ37上にパルス信号を伝達して、液面で反射するパルス信号を受信し、パルス信号の送信から受信までの時間から距離を測定する。検出距離をL、送信から受信までの時間をT、光速をCとすると、検出距離はL=1/2×T×Cの計算式で求める。プローブ37が液面中に接触する必要があること以外については、ディスプレーサ質量調整部27は円筒形であること、距離測定可能範囲、測長ワイヤーの張力範囲と測長ワイヤーのバランス液面との関係等は超音波方式と同様である。
ディスプレーサ1の構成方法として、図5は静電容量方式の場合である。液面測定部4のセンサ部分が静電センサ電極40としている。静電容量方式ではディスプレーサ質量調整部27の形状は円柱形とすることができる。フレキシブルな静電センサ電極40はディスプレーサ質量調整部27の円柱表面に上下方向に取付けて、液面に浸かっている高さを計測する。超音波方式、ガイドパルス方式、静電容量方式のいずれの方式も図1代表図に示す測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6と測定液面5間の距離として、液面距離8を液面測定計2により求めることができる。
▲1▼バランサー18は測長ワイヤーとバランサーとの接続点20により測長ワイヤー9と接続され、測長ワイヤー9により、吊り下げられている。
▲2▼測長ワイヤー9は測長ワイヤー巻き取り部12を介して測長ワイヤー位置制御部20により巻き上げまたは巻き下げが行われバランサー18の位置が決められる。この位置は液面測定計2により、測長ワイヤーとバランサーとの接続点20と測定液面5の距離である液面距離8により決められ、バランサーが測定液面5より、上部でバランスするようにきめるものにとする。すなわち液面距離8が一定の範囲に収まるように測長ワイヤー位置制御部20が液面距離8の計測値により制御する。
位置制御は液面距離8の基準値をあらかじめ決めておき、この基準値から液面距離8が±β内にある(許容不感帯にあると称す)ときは、位置制御動作を行わない。液面距離8が±βから外れたとき(不感帯外にあると称す)、測長ワイヤー位置制御部は補正動作を行い液面距離8を±α以内(収束不感帯内にあると称す)に制御する。ここでα、βは設定値であり、α<βである。
▲3▼このバランスした状態の測長ワイヤー9の長さとして、測長ワイヤー長7は測長基準点高さ10と測長ワイヤーとバランサーとの接続点20との距離は測長ワイヤー長測定部14で測定するものとする。
▲4▼測長ワイヤーとバランサーとの接続点20と測定液面5との距離は液面距離8として、バランサー18に実装した液面測定計2の液面測定部4で測定する。
▲5▼上記で測定した測長ワイヤー長7と液面距離8は演算装置15で加算し、測長基準点高さ10と測定液面5間の液面計の測定値となる。
▲1▼本構成例では測長ワイヤー巻き取り部12は回転軸21を軸としたドラムにより構成し、測長ワイヤー位置制御部20は液面測定計2により測定した液面距離8を信号受信部16で受信して、液面距離8の基準値からの偏差により、位置制御モータ駆動回路23によりモータ22により、回転軸21に結合した測長ワイヤー巻き取り部12によりバランサーの位置制御動作を行う。
この基準値から液面距離8の偏差が許容不感帯±β内にあるときは、位置制御動作を行わない。液面距離8の偏差が±βから外れたとき、測長ワイヤー位置制御部は補正動作を行い液面距離8の偏差を収束不感帯±α以内に制御する。
測長ワイヤー長測定部14は回転軸21を軸としたロータリーエンコーダにより構成しており、エンコーダの回転角と測長ワイヤー巻き取り部12から繰り出された測長ワイヤー9の測長ワイヤー長7はリニアな関係にある。
▲2▼[請求項2]構成例 図7において、バランサー18の構成方法は液面測定計2の液面測定部4の測定方式により違いがある。距離センサ部分が液面に接触しない方式として図8は液面測定部4が超音波方式でバランサー質量調整部43の一部分が測定液中にある場合の例を示している。超音波距離計超音波送受信器26は超音波測定計2の下部に配置している。バランサー質量調整部43は、ディスプレーサ方式の場合は、液面上にディスプレーサの一部分が突出するよう質量を調整する機能を有しているが、バランサー質量調整部43の機能は、自重で降下する機能を有している。バランサー18の測長ワイヤー位置制御部20による位置制御の中心位置は測定中心液面47とする。液面の変動により測定中心液面47より測定液面5が変動し許容不感帯49を外れたとき、測定中心液面47を目標地として、収束不感帯48に入るよう位置制御する。収束不感帯48に一度入った場合は、許容不感帯49を外れるまで、測長ワイヤーの位置制御は行わない。
液面距離8の測定値と測長ワイヤー長7を加算して液面計の測定値とする。
液面測定計2の電源供給は2次電池で一般に可能であるが、屋外で連続的に水位を測定する水位計においては、電池の交換をディスプレーサ1またはバランサー18を水面から引き上げて交換する不便を除くために液面測定計2の電源供給を測長ワイヤー9によりおこなう方法を提供するものである。測長ワイヤー9はステンレスの撚線が多く使用され、単芯ワイヤーである。このため、単芯ワイヤーによる電源供給は大地を帰路とするアースリターンにより、ループ回路を構成して行う。図9はディスプレーサ方式、図10はバランサー方式の給電装置の構成例を示している。両者とも測長ワイヤー巻き取り部12において測長ワイヤーの接地54に示すように、測長ワイヤー9を接地する。アースリターンはディスプレーサ方式では導電性ディスプレーサケース63、バランサー方式では導電性バランサーケース64の一部分が測定液中にあり、測定液の液体抵抗をとおして接地され、測長ワイヤーの接地54とループ回路を構成する。測長ワイヤー9への電力供給は交流供給入力電源50を定電流駆動回路52により、送電トランス51の1次側巻線を励磁して、2次巻線側の測長ワイヤー9へ電磁誘導により給電する。給電された測長ワイヤー9は測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6または測長ワイヤーとバランサーとの接続点20では機械的に接続されるが電気的には接続されず受電トランス55の1次巻線をとおして、導電性ディスプレーサケース63または導電性バランサーケース64と電気的に接続しアースリターン回路を構成する。定電流駆動回路52により励磁する目的は、接地された測定液の導電率が水位計の設置場所により変化しても、安定して測長ワイヤー9に定電流を流すためである。測長ワイヤー9に給電された電力はディスプレーサ1またはバランサー18に実装した受電トランス55の1次巻線に測長ワイヤー9に流した定電流により1次巻線を励磁して、電磁誘導により2次巻線側に変換し、整流回路56、充電回路57を介して蓄電池58に充電する液面測定計受電部59を構成し、直流出力電源60として、液面測定計2の電源供給を行う。
なお、測長ワイヤー9は保護管等との接触が考えられる場合は測長ワイヤー9は絶縁被覆をおこなうものとする。
また、塵介物などがディスプレーサに衝突して液面測定値に影響を与える。このため、多くの場合に、図11に示すように、液面計の周囲に保護管41を設ける。
保護管41には測定液出入穴42を設ける。図11は[請求項1]のディスプレーサ方式の例を示しているが[請求項2]バランサー方式の場合も同様である。
図12に無線信号伝送の構成を示す。液面測定計2に無線信号送信部24、演算装置15に無線信号受信部25を設けて、液面距離8を伝送する。
適用する無線として、小形化が可能なものとして、920MHz ZIGBEE、429MHz特定小電力無線、351MHzディジタル簡易無線等とする。
[請求項2]バランサー方式においても、液面測定計2の信号を送信する手段として、無線信号により伝送する。
バランサー方式においては演算装置15に送信するほか、測長ワイヤー位置制御部20にも同じ信号を伝送する。
図13に無線信号伝送の構成を示す。液面測定計2に無線信号送信部24、演算装置15に無線信号受信部25を設けて、液面距離8を伝送する。測長ワイヤー位置制御部20に対しても無線信号受信部25を設けて、液面距離8を伝送する。
適用する無線はディスプレーサ方式の場合と同様である。
この場合、ディスプレーサ1が保護管41の内壁に沿って、滑って上または下に移動する。
従って、ディスプレーサ1の保護管41に対する滑り摩擦力に相当する張力だけ、張力付与部13の引出時と引終端時の張力を調整することにより、ディスプレーサ1が水面から一部分だけ突出した状態でバランスして静止させることが可能である。
この場合の液面計の測定値として求める測定基準点高さ10と測定液面5間の距離は、測長ワイヤー9が垂直軸に対して傾いている角度θ1は保護管41が垂直軸に対して傾いている角度θ2とほぼ同じとして、
(測長ワイヤー長7+液面距離8)×COS(θ2)
として求めることができる。
また、[請求項2]バランサー方式の場合についても、バランサー18の位置はバランサー18の保護管41に対する滑り摩擦力に依存せず、測長ワイヤー位置制御部20により定まるため、ディスプレーサ方式と同様に保護管41が垂直軸に対して傾いている角度θ2の補正を行うことにより、本発明の適用が可能である。
このため、水面検知の方法として、測長ワイヤーの先端にディスプレーサまたはバランサーを設けて、ディスプレーサまたはバランサーと水面の距離を正確に測定する方法で水面検知の課題を解決した。
ディスプレーサ(Displacer)とは液体を排除するものという意味を有しており、ディスプレーサ方式ではアルキメデスの原理により、液体を排除した液体体積だけ軽くなり、ディスプレーサの一部が液面上に突出した状態を保持して、ディスプレーサと液面の相対距離をディスプレーサに実装した液面計で測定することにより水面検知を行う。
バランサー方式では水面に接触することなく、水面より上部でバランスして静止し、バランサーと水面との相対距離をバランサーに実装した液面計で測定する。
すなわち、ディスプレーサ方式、バランサー方式とも深い水深は測長ワイヤーで測定し、ディスプレーサ、バランサーと水面との短い相対距離は液面計で測定して、両者を加算することにより、正確に水深を測定する。
ここで、ディスプレーサ方式では、ディスプレーサの一部分を液面上に突出した状態を保持する必要があるが、これはディスプレーサをある範囲の張力により吊り下げれば容易に保持できる。
すなわち、サーボ機構とか定張力スプリングで吊り下げる必要はなく、ディスプレーサの一部が液面上に突出可能な一定範囲の吊り下げ張力で吊り下げれば良いために、ゼンマイスプリングなどの安価な張力付与機構で実現できる。
バランサー方式では、バランサーを液面の近傍で液面より上部に保持する必要がある。
このために、バランサーに実装した液面計で液面との相対距離を測定して、相対距離が一定範囲になるように、測長ワイヤー位置制御部でモータにより測長ワイヤーの巻き上げ長さを位置制御する必要がある。
ディスプレーサ方式では、ディスプレーサは水中に接触するが、液面測定のセンサは超音波式液面計を利用すれば非接触方式とすることが可能である。
バランサー方式では、液面測定のセンサとして超音波式液面計を利用すれば、バランサー、液面センサとも測定水面に接触することなく液面測定が可能である。
本発明の水位計は測長ワイヤーの測定値とディスプレーサまたはバランサーに実装した液面計の測定値を加算して水位を求めることを特徴とする。
第1に、従来の機械式のフロート式水位計の場合、フロートを水面に浮かべ、浮力によりフロートとカウンターウェイトが一定の張力でバランスさせる必要がある。この場合、フロートの口径は、本発明のディスプレーサに比較して大きくなり、保護管内に設置するためには、保護管との間に必要な離隔距離を取る必要がある。
このために、フロート式水位計設置のために、600mmφ程度の口径の測水筒が多く使用されている。本発明では、保護管を設置する場合の口径は150mmφ程度で良い。
第2に、本方式では、ディスプレーサ方式の場合にディスプレーサに実装する水位計として、超音波式を採用すれば、水圧式水位計のように感圧部を水中に沈めて使用する接触式でないために、長期に亘って安定な測定ができる。
従来、ダムなど水深50m以上の場合、150mmφ程度の保護管に圧力式水位計を入れて使用していたが、この保護管をそのまま利用して、本発明の水位計用に利用できる。
第3に、超音波式または電波式水位計は、送信超音波、送信電波ビームの広がりのために取付壁面からの離隔距離は測定水面の大きさに応じて定められていたが、本発明の方式では保護管中に設置することにより離隔距離が小さくてよい。
超音波式または電波式水位計は、水面浮遊物からの反射により影響を受けるが、本方式では影響を受けない。
第4に、レーザー式水位計では、一般に水面反射用にフロートを必要とするが、本方式では、ディスプレーサまたはバランサーに実装する水位計として、超音波式を採用すれば、フロートは必要としない。
第5に、測定精度として、本発明の水位計はレーザー水位計と同様の精度が期待でき、従来方式で最も高精度である電波式水位計の精度と同等の精度が期待できる。
第6に、ディスプレーサ方式では、測長ワイヤー巻き取り部、張力付与部、測長ワイヤー長測定部は、ワイヤスケールリニアエンコーダと呼ばれているユニットにより構成でき、ディスプレーサに実装する液面測定計は測定スパンが数10cm以下の安価な液面計が採用できるために、全体の液面計は低価格化が期待できる。
第7に、バランサー方式では、測長ワイヤー巻き取り部、測長ワイヤー長測定部は、ディスプレーサ方式と同じ構成であり、測長ワイヤー位置制御部はモータの位置制御により構成でき、ディスプレーサに実装する液面測定計は、ディスプレーサ方式と同様の測定スパンが数10cm以下の安価な液面計が採用できるために、全体の液面計はディスプレーサ方式と同様に低価格化が期待できる。
(1)バランサー18は測長ワイヤーとバランサーとの接続点19により測長ワイヤー9と接続され、測長ワイヤー9により、吊り下げられている。
(2)測長ワイヤー9は測長ワイヤー巻き取り部12を介して測長ワイヤー位置制御部20により巻き上げまたは巻き下げが行われバランサー18の位置が決められる。この位置は液面測定計2により、測長ワイヤーとバランサーとの接続点19と測定液面5の距離である液面距離8により決められ、バランサーが測定液面5より、上部でバランスするようにきめるものとする。すなわち液面距離8が一定の範囲に収まるように測長ワイヤー位置制御部20が液面距離8の計測値により制御する。
位置制御は液面距離8の基準値をあらかじめ決めておき、この基準値から液面距離8が±β内にある(許容不感帯にあると称す)ときは、位置制御動作を行わない。液面距離8が±βから外れたとき(不感帯外にあると称す)、測長ワイヤー位置制御部は補正動作を行い液面距離8を±α以内(収束不感帯内にあると称す)に制御する。ここでα、βは設定値であり、α<βである。
(3)このバランスした状態の測長ワイヤー9の長さとして、測長ワイヤー長7は測長基準点高さ10と測長ワイヤーとバランサーとの接続点19との距離は測長ワイヤー長測定部14で測定するものとする。
(4)測長ワイヤーとバランサーとの接続点19と測定液面5との距離は液面距離8として、バランサー18に実装した液面測定計2の液面測定部4で測定する。
(5)上記で測定した測長ワイヤー長7と液面距離8は演算装置15で加算し、測長基準点高さ10と測定液面5間の液面計の測定値となる。
(1)本構成例では測長ワイヤー巻き取り部12は回転軸21を軸としたドラムにより構成し、測長ワイヤー位置制御部20は液面測定計2により測定した液面距離8を信号受信部16で受信して、液面距離8の基準値からの偏差により、位置制御モータ駆動回路23によりモータ22により、回転軸21に結合した測長ワイヤー巻き取り部12によりバランサーの位置制御動作を行う。
この基準値から液面距離8の偏差が許容不感帯±β内にあるときは、位置制御動作を行わない。液面距離8の偏差が±βから外れたとき、測長ワイヤー位置制御部は補正動作を行い液面距離8の偏差を収束不感帯±α以内に制御する。
測長ワイヤー長測定部14は回転軸21を軸としたロータリーエンコーダにより構成しており、エンコーダの回転角と測長ワイヤー巻き取り部12から繰り出された測長ワイヤー9の測長ワイヤー長7はリニアな関係にある。
(2)[請求項2]構成例図7において、バランサー18の構成方法は液面測定計2の液面測定部4の測定方式により違いがある。距離センサ部分が液面に接触しない方式として図8は液面測定部4が超音波方式でバランサー質量調整部43の一部分が測定液中にある場合の例を示している。超音波距離計超音波送受信器26は超音波測定計2の下部に配置している。バランサー質量調整部43は、ディスプレーサ方式の場合は、液面上にディスプレーサの一部分が突出するよう質量を調整する機能を有しているが、バランサー質量調整部43の機能は、自重で降下する機能を有している。バランサー18の測長ワイヤー位置制御部20による位置制御の中心位置は測定中心液面47とする。液面の変動により測定中心液面47より測定液面5が変動し許容不感帯49を外れたとき、測定中心液面47を目標値として、収束不感帯48に入るよう位置制御する。収束不感帯48に一度入った場合は、許容不感帯49を外れるまで、測長ワイヤーの位置制御は行わない。
液面距離8の測定値と測長ワイヤー長7を加算して液面計の測定値とする。
液面測定計2の電源供給は2次電池で一般に可能であるが、屋外で連続的に水位を測定する水位計においては、電池の交換をディスプレーサ1またはバランサー18を水面から引き上げて交換する不便を除くために液面測定計2の電源供給を測長ワイヤー9によりおこなう方法を提供するものである。測長ワイヤー9はステンレスの撚線が多く使用され、単芯ワイヤーである。このため、単芯ワイヤーによる電源供給は大地を帰路とするアースリターンにより、ループ回路を構成して行う。図9はディスプレーサ方式、図10はバランサー方式の給電装置の構成例を示している。両者とも測長ワイヤー巻き取り部12において測長ワイヤーの接地54に示すように、測長ワイヤー9を接地する。アースリターンはディスプレーサ方式では導電性ディスプレーサケース63、バランサー方式では導電性バランサーケース64の一部分が測定液中にあり、測定液の液体抵抗をとおして接地され、測長ワイヤーの接地54とループ回路を構成する。測長ワイヤー9への電力供給は交流供給入力電源50を定電流駆動回路52により、送電トランス51の1次側巻線を励磁して、2次巻線側の測長ワイヤー9へ電磁誘導により給電する。給電された測長ワイヤー9は測長ワイヤーとディスプレーサとの接続点6または測長ワイヤーとバランサーとの接続点19では機械的に接続されるが電気的には接続されず受電トランス55の1次巻線をとおして、導電性ディスプレーサケース63または導電性バランサー64と電気的に接続しアースリターン回路を構成する。定電流駆動回路52により励磁する目的は、接地された測定液の導電率が水位計の設置場所により変化しても、安定して測長ワイヤー9に定電流を流すためである。測長ワイヤー9に給電された電力はディスプレーサ1またはバランサー18に実装した受電トランス55の1次巻線に測長ワイヤー9に流した定電流により1次巻線を励磁して、電磁誘導により2次巻線側に変換し、整流回路56、充電回路57を介して蓄電池58に充電する液面測定計受電部59を構成し、直流出力電源60として、液面測定計2の電源供給を行う。
なお、測長ワイヤーは保護管等との接触が考えられる場合には測長ワイヤー9は絶縁被覆をおこなうものとする。
Claims (3)
- 測長ワイヤーとの接続点と液面間の液面距離を測定して液面距離測定値を送信する液面測定計を実装したディスプレーサと、
該ディスプレーサを吊り下げる測長ワイヤーと、
測長ワイヤー巻き取り部と、
前記ディスプレーサの一部が測定液面より上部に突出してバランスするように前記測長ワイヤーに対して、張力を付与する張力付与部と、
測長基準点高さから前記ディスプレーサの測長ワイヤーとの前記接続点までの測長ワイヤー長測定値を測定する測長ワイヤー長測定部と、
前記液面測定計で測定した前記液面距離測定値を受信し、該液面距離測定値を前記測長ワイヤー長測定値と加算することにより測定基準点高さと液面間の距離を求める演算装置と、
を具備する液面計。 - 測長ワイヤーとの接続点と液面間の液面距離を測定して液面距離測定値を送信する液面測定計を実装したバランサーと、
該バランサーを吊り下げる測長ワイヤーと、
測長ワイヤー巻き取り部と、
前記バランサーが測定液面より上部位置でバランスするように前記測長ワイヤーに対して、前記液面距離測定値を被制御量として巻き取り位置を制御する測長ワイヤー位置制御部と、
測長基準点高さから前記バランサーの測長ワイヤーとの前記接続点までの測長ワイヤー長測定値を測定する測長ワイヤー長測定部と、
前記液面測定計で測定した前記液面距離測定値を受信し、該液面距離測定値を前記測長ワイヤー長測定値と加算することにより測定基準点高さと液面間の距離を求める演算装置と、
を具備する液面計。 - 請求項1および請求項2において、
前記測長ワイヤー巻き取り部で接地した導電体の前記測長ワイヤーと、
前記測長ワイヤーを2次側巻線とし、交流供給電源により励磁される1次側巻線とを有する送電側トランスで構成し、前記測長ワイヤーに給電する測長ワイヤー送電部と、
前記測長ワイヤーと前記ディスプレーサまたは前記バランサーとの接続点を受電側トランスの1次側の一端子と接続し、1次側の他の一端子は前記ディスプレーサまたは前記バランサーの導電性ケース部と電気的に接続し、前記導電性ケース部は導電性測定液を介して接地され、前記接地した導電体の前記測長ワイヤーとアースリターンによる閉ループ回路を構成し、前記受電トランスの1次側巻線を前記閉ループ回路の電流により励磁し、前記受電トランス2次側に給電し、前記液面測定計を給電負荷とする受電部と、
を具備する前記液面測定計の給電装置。
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