JP2016003950A - 環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環境試験装置1には、試験室5と連通する空調通風路15があり、空調通風路15に空調機器17と循環用送風機10が設けられている。試験室5には攪拌用送風機20が設けられている。温度センサー12と湿度センサー13が検知する現実の環境と、目標環境とを比較し、両者の乖離に応じて循環用送風機10の出力が増減される。循環用送風機10の送風量の変化を相殺する様に攪拌用送風機20の出力を変化させる。
【選択図】図1
Description
従来技術の環境試験装置100の基本構成は、図3に示すように断熱壁2によって覆われた断熱槽3を有している。そして当該断熱槽3の一部に試験室5が形成されている。試験室5は、被試験物18を設置する空間である。
環境試験装置100は、さらに空調機器17と送風機101を備えている。空調機器17は、加湿装置6、冷却装置7及び加熱ヒータ(加熱装置)8によって構成されている。
環境試験装置100には、試験室5と環状に連通する空調通風路15があり、当該空調通風路15に前記した空調機器17と送風機101が内蔵されている。
そのため送風機101を起動すると、試験室5内の空気が空気導入部25から空調通風路15内に導入される。そして空調通風路15が通風状態となり、空調機器17に空気が接触して熱交換や湿度調整がなされ、空気吹き出し部16から試験室5内に調整後の空気が吹き出される。
また空調通風路15の空気吹き出し部16の近傍に、温度センサー12と湿度センサー13が設けられている。
環境試験装置100を使用する際には、送風機101を運転して空調通風路15内を通風状態とし、温度センサー12及び湿度センサー13の検出値が、設定環境の温度及び湿度に近づく様に空調機器17を制御する。
本発明は、上記した要望に応えるものであり、消費電力が少なく、省エネルギーに寄与する環境試験装置の提供を目的とするものである。
そして空調通風路15だけではなく、試験室5内にも送風機を設けることにより、全体の消費電力を低減することに成功した。
即ち従来技術では、空調通風路15だけに送風機101が設けられていたが、新たに試験室5内にも送風機を設けることにより、全体の消費電力を低減することができた。
環境試験装置における送風機の役割は、次の循環作用と攪拌作用の2つである。
(1)循環作用
試験室5内の空気を空調通風路15内に取り込んで空調通風路15内を通風状態とし、空調機器17と空気を接触させた後に試験室5に空気を戻す。
(2)攪拌作用
試験室5内の空気を攪拌し、試験室5内の温度ムラや湿度ムラを解消する。
これに対して攪拌作用には無駄な電力消費が少ない。
例えば現実の試験室5内の温度が目標温度に対して著しく高い場合は、大きな送風量を要し、冷却装置7と空気との接触量を増加して、熱交換量を増大させる必要がある。これに対して試験室5内の温度が目標温度と同一であるならば、空気を冷却装置7に接触させる必要は無く、送風量はゼロであってもよい。
従来技術の環境試験装置100では、循環作用と攪拌作用を同一の送風機101で実行させていたので、仮に循環作用に必要な送風量がゼロである場合であっても、攪拌作用を実行するために送風機101の送風量を低下させることができなかった。そのため空調通風路15内を相当量の空気が通過し、圧力損失に基づく無駄な電力消費があった。
そして本発明の環境試験装置では、一方の送風機の送風量を減少して運転する際には、他方の送風機の送風量を増大させ、攪拌作用に必要な送風量を確保している。
本発明によると、循環作用による無駄な電力消費を低減することができるので、無駄な電力消費を抑制することができる。
即ち図1の様に、環境試験装置1は、断熱壁2によって覆われた断熱槽3を有している。そして当該断熱槽3の一部に試験室5が形成されている。試験室5は、被試験物18を設置する空間である。
環境試験装置1は、さらに加湿装置6、冷却装置7、加熱ヒータ(加熱装置)8、及び循環用送風機10を備えている。本実施形態では、加湿装置6、冷却装置7及び加熱ヒータ8によって空調機器17が構成されている。
循環用送風機10を駆動するモータは、インバータ制御されたモータあるいは直流モータであり、回転数を任意に変更することができる。従って循環用送風機10は送風量を任意に変更することができる。
環境試験装置1では、前記した空調通風路15と空調機器17及び循環用送風機10によって空気調和部21が構成されている。
温度センサー12は、空調通風路15の空気吹き出し部16の近傍に設けられており、空気調和部21で調整された直後の空気の温度を検知することができる。また温度センサー12の検知温度は、試験室5内の現実の温度であると言える。
湿度センサー13は、空気調和部21で調整された直後の空気の相対湿度を検知することができる。湿度センサー13の検知湿度は、試験室5内の現実の湿度であると言える。
攪拌用送風機20は、軸流送風機であり、前記した循環用送風機10に比べて発生し得る静圧が低い。
攪拌用送風機20についても駆動するモータは、インバータ制御されたモータあるいは直流モータであり、回転数を任意に変更することができる。従って攪拌用送風機20は送風量を任意に変更することができる。
本実施形態では、設定入力手段26によって作り出そうとする目標環境が設定される。具体的には、試験室5の目標温度と目標湿度が設定入力手段26から入力される。
環境試験の実施中は、原則的に攪拌用送風機20を運転し、試験室5内の空気を攪拌して温度ムラを解消する。
例えば温度センサー12が検知する現実の試験室5内の温度と、設定入力手段26によって設定された目標温度とを比較し、両者の差が大きい場合には循環用送風機10の出力を増大させて循環用送風機10が発生する送風量を増大させる。
その結果、空調機器17と空気との接触機会が増大して熱交換量が増加し、試験室5内の温度が早期に目標温度に収斂する。
その結果、空調機器17と空気との接触機会が減少して熱交換量が減少し、試験室5内の温度が安定する。
一般に、試験開始直後は現実の試験室5内の温度と、設定入力手段26によって設定された目標温度との差が大きく、時間の経過と共に両者の差が小さくなる。従って、試験開始直後においては、循環用送風機10が発生する送風量が多く、時間の経過と共に送風量が減少することとなる。
具体的には、循環用送風機10の送風量V1と、攪拌用送風機20の送風量V2を合計した総送風量Vが変化しない様に攪拌用送風機20の送風量V2が調整される。
そのため、試験室5内は常に一定の空気流が確保され、温度ムラが生じにくい。
時間の経過と共に両者の差が小さくなり、図2の様に循環用送風機10が発生する送風量V1が減少して循環用送風機10の消費電力W1が小さくなる。
その際、図2の様に循環用送風機10の送風量V1の減少を補う様に、攪拌用送風機20の送風量V2が増大し、攪拌用送風機20の消費電力W2が大きくなる。
しかしながら、攪拌用送風機20は、流路抵抗が小さい領域(試験室5)に送風するものであるから、攪拌用送風機20の送風機全圧P2は、循環用送風機10の送風機全圧P1よりも小さい。そのため攪拌用送風機20の消費電力W2の増加量は、循環用送風機10の消費電力W1の減少量よりも少ない。そのため全体の消費電力Wは、時間の経過と共に減少し、一定の値に収斂する。
そのため本実施形態の環境試験装置1を使用した環境試験に要する総電力量は、従来技術の環境試験装置100の総電力量よりも少ないものとなる。
一方、試験室5内の風量は、十分であるから、温度ムラも生じない。
しかしながら本発明は、総送風量Vの変動を全く認めないものではない。本発明者の経験によると、試験室内の環境が安定した状態のときの総送風量を基準総送風量とし、循環用送風機の送風量と攪拌用送風機の送風量を増減させた場合の総送風量が基準総送風量の70パーセントから130パーセントの範囲であるならば、実質的な不具合は生じない。
例えば、試験室5の側面に攪拌用送風機20を設けてもよい。要するに、送風の大部分が直接的に空調通風路15に吹き込まない位置に攪拌用送風機20を取り付ければよい。 また攪拌用送風機20の個数についても任意であり、攪拌用送風機20を2台以上有していてもよい。
例えば単に加熱ヒータ8のみで空調機器17が構成されていてもよい。
5 試験室
6 加湿装置
7 冷却装置
8 加熱ヒータ(加熱装置)
10 循環用送風機
20 攪拌用送風機
15 空調通風路
16 空気吹き出し部
17 空調機器
Claims (4)
- 被試験物を設置する試験室と、当該試験室と連通する空調通風路とを有し、空調通風路内に温度及び湿度を調整する空調機器が内蔵され、前記空調機器で調整された空気を試験室に導入して試験室内の環境を所望の設定環境に維持する環境試験装置において、
空調通風路内に空気流を発生させて試験室内の空気を空調通風路内に導入し空調通風路を通過した空気を試験室に吐出する循環用送風機と、試験室内の空気を攪拌する攪拌用送風機を備え、循環用送風機及び攪拌用送風機は、いずれも送風量を増減可能であり、一方の送風機の送風量を減少して運転する際には、他方の送風機の送風量を増大して運転することを特徴とする環境試験装置。 - 試験室内に作り出したい目標環境と、試験室内の現実の環境又は空調通風路を通過後の空気の状態との差異に基づいて空調機器の運転量及び循環用送風機の送風量が調整され、循環用送風機の送風量の変化に応じて攪拌用送風機の送風量を増減させることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
- 循環用送風機の送風量と攪拌用送風機の送風量とを合計した総送風量は、試験室内の環境が安定した状態のときの総送風量を基準総送風量とし、循環用送風機の送風量と攪拌用送風機の送風量を増減させた場合の総送風量は、基準総送風量の70パーセントから130パーセントの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
- 循環用送風機は、攪拌用送風機に比べて発生し得る静圧が高いものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の環境試験装置。
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- 2014-06-17 JP JP2014124237A patent/JP6043319B2/ja active Active
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