JP2015508838A - ビ−またはター−フェニル末端基を有する(パー)フルオロポリエーテル - Google Patents

ビ−またはター−フェニル末端基を有する(パー)フルオロポリエーテル Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(Rf)を含む(パー)フルオロポリエーテル化合物であって、前記鎖末端の少なくとも1つが、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基を有する(パー)フルオロポリエーテル化合物に関する。本発明はまた、かかる化合物の製造方法に、および油もしくはグリースの形態での潤滑油組成物の調製のためのそれらの使用に関する。

Description

本出願は、2012年2月17日出願のIN468/DEL/2012および2012年5月9日出願の欧州特許出願第12167213.3号明細書に対する優先権を主張するものであり、これらの出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、フッ素化ポリマーに、特に潤滑油としてまたは(過)フッ素化油もしくはグリース用の添加物として使用される(パー)フルオロポリエーテルに、およびかかる(パー)フルオロポリエーテルの製造方法に関する。
(パー)フルオロポリエーテルをベースとする潤滑油およびグリースは通常、高い熱安定性に恵まれているが、それらが230℃よりも高い温度で長時間加熱されるときに、ポリマー鎖の部分もしくは全分解および揮発性化合物の形成が起こり、この分解は通常、ルイス酸の形成を伴い、潤滑油およびルイス酸と接触する金属部品の腐食により、潤滑油分解をさらに増加させる。
フッ素化油の熱安定性を向上させるために、添加物が添加されてもよく、かかる添加物は、窒素およびリンなどの、ヘテロ原子を含有してもよい芳香族非フッ素化基をポリマー鎖の一端もしくは両端に持つ典型的にはフッ素化されたポリマーである。しかし、これらの添加物の合成はある場合には厄介であり、さらに、ある種の非フッ素化末端基は、苛酷な条件下に分解を受ける、−CHOCH−、−CH(OCHCHO−、−C(O)O−および−C(O)N(R)のような部分によってポリマー鎖に結合している。
欧州特許出願公開第1354932A号明細書(SOLVAY SOLEXIS SPA)22.10.2003は、ニトロ−含有フェニル末端基を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖を有する安定化添加物を開示しており、かかる末端基は、−CHO−部分によって(パー)フルオロポリエーテル鎖に結合させられてもよい。しかし、これらの添加物は、室温での貯蔵時に相分離を受ける。
米国特許出願公開第2007049502号明細書(E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY)01.03.2007は、一官能性および/または二官能性アリール(パー)フルオロポリエーテルを含む、潤滑油または潤滑油添加物として使用される組成物を開示している。
一官能性アリールパーフルオロポリエーテルは、式:
−(Y)−(C(u+v))−(O−C (u+v)−R
に従い、
一方、二官能性アリールパーフルオロポリエーテルは、式:
−[(Y)−(C(u+v))−(O−C (u+v)−R]
に従い、
式中:
およびR はそれぞれ、約400〜15,000の式量を有する1価もしくは2価の直鎖もしくは分岐(パー)フルオロポリエーテル鎖であり;
Yは、とりわけ、−CHO−および−CF−を含む群から選択される2価ラジカルであり;
aは、0または1であり;
(C(u+v)は、2価アリール基であり;
(O−C (u+v)は、2価アリールオキシ基であり;
Rは、水素およびニトロ基を含む群から選択されるが、それは、専ら水素もしくはニトロまたはそれらの組み合わせであり得ず;
各Rは、水素およびニトロ基を含む群から選択され;
tは、6+uに等しく;
uは、0、2、4、6、8、10、12、14、16の任意の組み合わせであり;
vは独立して、2または4であり;
bは、0〜5である。
この先行技術公文書の全18の実施例は、(OCF(CF)CF)単位を含む分岐(パー)フルオロポリエーテルの一官能性アリール誘導体であって、アリール基(すなわち、フェニル基)またはアリールオキシアリール(すなわち、フェノキシフェニル)基が、−CF−部分によってR鎖に結合しているアリール誘導体の合成に関する。実施例7および8は、フェノキシフェニル誘導体に関するものであり、実施例8は特に、それによってニトロ基がフェノキシ基上に挿入される、実施例7のジフェニルエーテル誘導体のニトロ化によるニトロジフェニルエーテル誘導体の製造を開示している。
欧州特許出願公開第0528043A号明細書(旭化成)24.02.1993は、フルオロアルカン冷媒と、この冷媒と相溶性があり、そして低い水分吸収性および耐久性に恵まれていると言われるフルオロ芳香族潤滑油とを含む冷媒組成物に関する。この潤滑油は、式(I):
R(XR
[式中:
Xは酸素であることができ、
Rは、少なくとも1つの非置換もしくは置換芳香環を含み、そして6〜60個の炭素原子を有するn価の非置換もしくは置換芳香族基であり、nは、1〜4の整数であり、Rは、主鎖中に酸素原子を含んでもよい置換もしくは非置換C〜C25フルオロカーボン鎖である]
に従う。ニトロ基は、基Rの可能な置換基の中に挙げられているが、ニトロ置換芳香族基は具体的にはまったく開示されていない。さらに、この先行技術は、ニトロ置換芳香族基が−CHO−または−CF−基によってパーフルオロポリエーテル鎖に結合している化合物の選択を指さすいかなるヒントも提案も含有しない。
米国特許第5104559号明細書(DOW CHEMICAL CO)14.04.1992は、式:
−R−O−Ar−R
[式中:
は、とりわけ、パーフルオロアルコキシであり;
は、2〜10個の炭素原子のパーフルオロアルキル鎖であり;
Arは、とりわけ、ビフェニルラジカルであり、Rは、とりわけ、ニトロ基である]
の潤滑化合物を開示している。
式R−R−O−Ar−Rの潤滑油は、末端パーフルオロオレフィンへのヒドロキシ置換アリール化合物の塩基触媒付加を含む手順に従って製造することができる。この先行技術は、パーフルオロアルキル鎖Rを(パー)フルオロポリエーテル鎖と取り換えるよう、そしてニトロ基を含有するビフェニルラジカルを選択するよう当業者に促すであろういかなるヒントも提案も含有しない。
米国特許第4941987号明細書(AUSIMONT SPA)17.07.1990は、潤滑グリースとして使用される1,500〜10,000の範囲の平均分子量を有する一もしくは二官能性(パー)フルオロポリエーテル誘導体であって、式:
R−O−Q−CFX−(Y)−Z
[式中:
Rは、パーフルオロアルキルラジカルまたはZ−(Y)−CFX−であり;
Qは、パーフルオロアルキルポリエーテル鎖またはフルオロアルキルポリエーテル鎖であり;
Xは、フッ素またはトリフルオロメチルであり;
Yは、−CHO−および−CF−を含む連結2価ラジカルであり;
nは、0または1であり;
Zは、6〜10個の炭素原子を含有する、および1つ以上のニトロ基で任意選択的に置換された芳香族ラジカルであり得る]
に従う(パー)フルオロポリエーテル誘導体を開示している。Zがニトロ基を持つ唯一の具体的に開示された化合物は、Zがp−ニトロフェニルである、実施例1および3のものである。
米国特許出願公開第2010261039 A号明細書(HOYA株式会社[日本国])14.10.2010は、鎖末端に芳香族基を有するパーフルオロポリエーテル鎖を含む潤滑油入り磁気ディスクを開示している。芳香族基の中で、ビフェニレン基が、段落[0048]で引用されている。それにもかかわらず、この公文書は、ニトロ基を持つジフェニレン基を具体的に開示していない。
欧州特許出願公開第1659165 A号明細書(SOLVAY SOLEXIS SPA)24.05.2006は、潤滑油組成物の調製に使用されるPFPEピリジン誘導体を開示しており、特に、実施例4は、2,4−ジニトロフェニル末端基を有するPFPE鎖を含有する化合物を開示している。この文献は、基Aとしてのジフェニルもしくはターフェニル基を開示していない。
WEBSTER,J.A.ら、Synthesis and Properties of Imide and Isocyanurate−Linked Fluorocarbon POlymers.Advances in Chemistry Series,Am.Chem.Soc.01−01−1973,no.129,p.61−79は、イソシアヌレート−結合炭化水素ポリマーの製造に使用されるイソシアナトメトキシ誘導体の製造用の中間体として、2つの鎖末端を有するパーフルオロポリエーテル鎖を含み、各末端が2−ニトロフェニル基を持つパーフルオロポリエーテル誘導体(具体的な言及は、ページ65の式(IV)に行われている)を開示している。
欧州特許出願公開第2135889 A号明細書(UNIMATEC CO LTD)23.12.2009および欧州特許出願公開第2280037 A号明細書(UNIMATEC CO LTD)02.02.2011は、フェニル末端基がアミド架け橋によってPFPE鎖に結合したPFPE誘導体であって、フェニル基がヨウ素および/または臭素原子を持つPFPE誘導体を開示している。かかる誘導体は、硬化性であり、そして成形プロセスに適用できると言われている。
それ故、潤滑油またはフッ素化油もしくはグリース用の添加物として使用されるさらなる化合物であって、非常に高い温度で安定であり、かつ、便利な方法で製造することができる化合物を提供することが必要とされている。
上述のニーズは、本発明による(パー)フルオロポリエーテル化合物、すなわち、少なくとも2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)を含む(パー)フルオロポリエーテル化合物であって、前記鎖末端の少なくとも1つが、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基を有する(パー)フルオロポリエーテル化合物によって満たされることがここで見出された。好ましくは、本発明の(パー)フルオロポリエーテル化合物は、2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)であって、前記鎖末端の少なくとも1つが、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖を含む。
典型的には、本発明による(パー)フルオロポリエーテル化合物は、鎖に沿って統計的に分布した、繰り返し単位R°を含む完全にもしくは部分的にフッ素化されたポリオキシアルキレン鎖(R)を含み、前記繰り返し単位は、−CFXO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CFCF(CF)O−、−CF(CF)CFO−、−CFCFCFCFO−、−CRCFCFO−(式中、互いに等しいかまたは異なる、RおよびRは、水素、塩素、1〜12個の炭素原子を好ましくは含有する(パー)フルオロアルコキシ基または1〜4個の炭素原子を好ましくは含有する(パー)フルオロアルキル基を表す)
からなる群から選択される。
鎖Rは好ましくは、
下式(A):
(A)−(CFCFO)(CFO)(CF(CFO)
(式中、鎖の数平均分子量が1,500〜4,000であるように選択される、mおよびnは整数であり、hは、0または整数であり、m/nは、0.1〜10であり;h/c+dは、0〜0.05であり、zは、2または3である)
に従う直鎖(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖である。
以下の説明で、用語「ター−フェニル」は、オルト−、メタ−およびパラ−ターフェニル異性体を含むことを意図するが、パラ−異性体が好ましい。
好ましくは、ビ−もしくはター−フェニル基は、オルト位に少なくとも1つのニトロ基を持つ。より好ましくは、ビ−もしくはター−フェニル基は、オルト位にたった1つのニトロ基を持つ。
好ましい実施形態によれば、本発明の(パー)フルオロポリエーテルは一官能性である、すなわち、それらは、1つの鎖末端が、少なくとも1つのニトロ基、好ましくはオルト位に少なくとも1つのニトロ基を持つビ−もしくはター−フェニル基を有する、2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)を含む。
別の好ましい実施形態によれば、本発明の(パー)フルオロポリエーテルは、二官能性パーフルオロエステルである、すなわち、それらは、両方の鎖末端が、少なくとも1つのニトロ基、好ましくはオルト位に少なくとも1つのニトロ基を持つビ−もしくはター−フェニル基を有する、2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)を含む。二官能性(パー)フルオロポリエーテルが特に好ましい。少なくとも1つのニトロ基に付け加えて、ビ−もしくはター−フェニル基は、ニトロ以外の1つ以上の置換基(本明細書では以下「さらなる置換基」とも言われる)、たとえば1つ以上のカルボキシ、第二級もしくは第3級アミノ、チオまたはホスフェート基を任意選択的に含有してもよい。
明確にするために、以下の説明では:
− 接頭辞「(パー)」は、この接頭辞に続く化合物、鎖、基または部分が完全にもしくは部分的にフッ素化されていてもよいことを示す;
− 頭字語「PFPE」は、(パー)フルオロポリエーテルを表す;
− 表現「オルト位」は、以下にさらに定義されるような結合部分Lなどの、恐らく結合部分によって、R鎖に結合したフェニル環の炭素原子に隣接したビ−フェニルもしくはター−フェニル環の炭素原子を意味する;
− 特に明記しない限り、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含むことを意図する;
− 本発明の化合物に関する、上に示された好ましい実施形態、特にR鎖、ニトロ基の数および位置に関するものは、以下に開示されるさらなる好ましい実施形態にも適用される。
本発明の化合物は好ましくは、下の一般式(I):
R−O−R−CFX−L−Ar (I)
[式中:
Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基であるかまたはAr−L−CFX−であり;
は、上に定義されたような(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり;
Xは、フッ素または−CFであり;
Lは、−CF−または−CHO−であり;
Arは、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、上に示されたものの中から好ましくは選択される1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基である]
に従う。
式(I)の化合物において、Arは好ましくは、少なくとも1つのニトロ基をオルト位に持つビ−もしくはパラター−フェニル基である。より好ましくは、Arは、たった1つのニトロ基をオルト位に持つビ−もしくはパラター−フェニル基である。
式:
R−O−R−CFX−CHO−Ar (Ia)
[式中:
Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基またはAr−OCH−CFX−およびRであり、XおよびArは上に定義された通りである]
の化合物(Ia)と本明細書では以下言われる、Lが−CHO−である一般式(I)の化合物は、
PFPEアルコールと:
− 脱離基および少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、上に定義されたような1つ以上の置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル化合物との、または
− 脱離基および、任意選択的に、上に定義されたような1つ以上の置換基を持つフェニルもしくはビ−フェニル化合物との
求核試薬反応、ならびにその後の少なくとも1つのニトロ基(および、任意選択的に、上に定義されたような1つ以上の置換基)がフェニル化合物かビ−フェニル化合物かのどちらか上に存在する、ビ−フェニルもしくはター−フェニル化合物との反応によって製造することができる。Arが下式(IIa):
のビフェニル基
または下式(IIb):
のターフェニル基
である式(Ia)の化合物が好ましく;二官能性化合物、すなわち、RがAr−OCH−CFX−(式中、Rは基(IIa)または(IIb)である)であるものが特に好ましい。
Arが上式(IIa)または(IIb)に従う化合物(Ia)は、以下の工程:
a)式(III):
(III)R−O−R−CFX−CHOH
(式中、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基またはHOCH−CFX−であり、RおよびXは、上に定義された通りである)
の(パー)フルオロポリエーテルと
式(IV):
(式中、Zは、ハロゲン、トリフレートおよびノナフレートから典型的には選択される脱離基であり、Halは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲンである、ただし、Zがハロゲンであるときには、Halは、求核試薬置換に対して反応性がより少ないハロゲン原子である)
の化合物とを反応させて式(V):
[式中、X、RおよびHalは、上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(VI):
(式中、XおよびHalは上に定義された通りである)
の基である]
の化合物を提供する工程;
b)式(VI)の化合物とベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸とを鈴木縮合させて式(Ia)[式中、Arは、式(IIa)または(IIb)の基である]の化合物を提供する工程
を含む方法[方法(P1)]によって製造することができる。
工程a)は、溶媒の不在下か存在下かのどちらかで実施されてもよい。典型的には、この反応は、(パー)フルオロポリエーテル(III)を式(IV)の化合物と、有機もしくは無機塩基から選択することができる、塩基の存在下で通常1〜2の範囲の当量比[すなわち、式(III)のPFPEの反応性ヒドロキシル基と式(IV)の化合物上の脱離基Zとの間の比]で反応させることによって、極性もしくはプロトン性溶媒の存在下で実施される。好適な有機塩基は、たとえば、トリエチルアミンのような第3級アミンおよびカリウム第3−ブトキシドである。好適な無機塩基は、たとえば、水酸化ナトリウムおよびカリウムならびに炭酸ナトリウムおよびカリウムである。好ましい実施形態によれば、式(IV)の化合物は、4−ブロモ−1−フルオロ−ニトロベンゼンであり、塩基は、カリウム第3−ブトキシドである。通常、(パー)フルオロポリエーテル(III)および化合物(IV)は室温で一緒に混合され、次に溶媒(使用される場合)および塩基が加えられ、温度が、反応の完了まで30℃〜100℃の範囲の値まで上げられる。化合物(V)は、未反応化合物(IV)を除去するために、有機溶媒、たとえばn−ヘキサン、トルエンおよびベンゼンで繰り返し洗浄することができる。工程a)が溶媒の存在下で実施される場合、かかる溶媒は、化合物(V)を洗浄手順にかける前に除去される。
工程b)は、鈴木反応についての公知の方法、たとえば宮浦憲夫ら、A new stereospecific cross−coupling by the palladium−catalyzed reaction of 1−alkenylboranes with 1−alkenyl or 1−alkynyl halides.Tetrahedron Letters:Tetrahedron lett.:0040−4039.1979,vol.20,no.36,p.3437−3440、および宮浦憲夫ら、Palladium−Catalysed Cross Coupling Reactions of Organoboron Compounds..Chemical Reviews.1995,vol.95,no.7,p.2457−2883に開示されているものに従って実施することができる。典型的には、化合物(V)は、パラジウム触媒、好ましくは、(PPhPdのおよび無機塩基の存在下でボロン酸ともしくはビフェニルボロン酸と反応させられ、溶媒は通常、塩基を溶解させるために加えられる。好適な無機塩基は、たとえば、炭酸ナトリウム、カリウムおよびセシウム、重炭酸ナトリウムならびにリン酸ナトリウムおよびカリウムであり、一方、好適な溶媒は、たとえば、ジメチルホルムアミド、トルエン、エタノールおよびテトラヒドロフラン/水またはジメトキシエタン/水混合物である。この反応は典型的には、40〜80℃の範囲の温度で実施される。反応の完了時に、式(Ia)の所望の化合物は反応混合物から回収され、クロマトグラフィーによって任意選択的に精製される。
方法(P1)はまた、1つ以上のさらなるニトロ基および/もしくは上に定義されたようなさらなる置換基を持つ式(IV)の化合物ならびに/または1つ以上のニトロ基および/もしくは上に定義されたような1つ以上のさらなる置換基を持つベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸を使用して実施できることは当業者に明らかであろう。
式:
R−O−R−CFX−CF−Ar (Ib)
[式中、RおよびXは、上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式Ar−CF−CFX−の基であり、
Arは、上に定義されたような式(IIa)または(IIb)の基である]
の化合物(Ib)と本明細書では以下言われる、Lが式−CF−である化合物(I)もまた好ましい。二官能性化合物、すなわち、RがAr−CF−CFX−(式中、Arは式(IIa)または(IIb)の基である)であるものが特に好ましい。Arが式(IIa)または(IIb)の基である化合物(Ib)は、以下の工程:
a’)式(VII):
[式中、Rf、XおよびHalは上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(VIII)
(式中、XおよびHalは上に定義された通りである)
の基である]
の化合物を提供する工程;
b’)式(VII)化合物とベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸とを鈴木縮合させて式(IX):
R−O−R−CFX−C(O)−Ar (IX)
[式中、RおよびXは上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(X):
Ar−C(O)−CFX− (X)
(式中、Arは、式(IIa)または(IIb)の基である)
の基である]
の化合物を提供する工程;
c’)式(X)の化合物をフッ素化して、Arが式(IIa)または(IIb)の基である式(Ib)の化合物を提供する工程
を含む方法[方法(P2)]を用いて製造することができる。
式(VII)の化合物は、たとえばPACIOREK,KJLら、Perfluoroalkyl−and perfluoroalkylether−substituted aromatic phosphates and phosphonates.Journal of Fluorine Chemistry.1998,vol.88,p.55−61に開示されているような、芳香族ケトンの合成のための公知の方法に従って式(X):
−O−R−CFX−C(O)OR (X)
[式中、RおよびXは上に定義された通りであり、Rは、低級アルキル基、好ましくはメチルまたはエチルであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基またはROC(O)−CFX−である]
の(パー)フルオロポリエーテルと
上に定義されたような式(IV)の化合物との反応によって製造することができる。
式(X)の化合物は、たとえば、TONELLI,Claudioら、Linear perfluoropolyether difunctional oligomers:chemistry,properties and applications.Journal of Fluorine Chemistry.1995,vol.95,no.1−2,p.51−70におよびTONELLI,ClaudioらPerfluoropolyether alkyl diesters:Structure effects of the alkyl group on the kinetics of the hydrolysis reactions.Journal of Polymer Science−Part A−Polymer chemistry.2002,vol.40,no.23,p.4266−4280に開示されているように製造することができる。
工程b’)はまた、上記の工程b)について示されたように鈴木反応について公知の方法に従って実施することができる。
工程c’)は、たとえばSMITH,W.C.ら、Fluorination reaction of sulfur tetrafluoride.Journal of American Chemical Society.1959,vol.81,no.12,p.3165−3166に、またはDINOIU,Vasileら、Chemical Fluorination of Organic Compounds.Revue Roumaine de Chimie.2007,vol.52,no.3,p.219−234に、またはROSSI,Francescoら、Process Research and Development and Scale−up of a 4,4−Difluoro−3,3−dimethylproline Derivative.Organic Process Research.2008,vol.12,no.2,p.322−338に教示されているように、ケトン化合物の公知フッ素化方法に従って実施することができる。好ましい実施形態によれば、フッ素化反応は、フッ素化剤としてSFを使って実施される。典型的には、工程b’)で得られた式(IX)のケトン化合物は、好適な溶媒または溶媒混合物に溶解させられ、1.0〜0.1の範囲のモル比(SFに関して)でSFを添加される。反応マスは、反応の完了まで50℃〜150℃の範囲の温度に加熱される。所望の化合物(Ib)は次に、反応マスから単離され、クロマトグラフィーによって任意選択的に精製される。
上記の例示方法(P2)はまた、フェニル環が1つ以上のさらなるニトロ基および/もしくは1つ以上のさらなる置換基を持つ式(VII)の化合物を使用してならびに/または1つ以上のニトロ基および/もしくは上に定義されたような1つ以上のさらなる置換基を持つベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸を使って実施できることは、当業者に明らかであろう。
本発明の化合物は、潤滑剤特性に恵まれており、非常に高い温度で安定であり、それ故、それらは、油もしくはグリースの形態での潤滑油組成物の調製のための基油としてまたは熱安定剤として便利に使用することができる。
したがって、本発明のさらなる目的は、本発明による1つ以上の化合物を含むグリースもしくは油の形態での潤滑油組成物で表される。油は、40℃で30〜30,000cStの動粘度(ASTM D445)を有する化合物であり、グリースは、とりわけポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または無機化合物、たとえばタルクなどの、好適な増粘剤の添加によってかかる油から誘導されることが、一般的に理解される。
一般に、本発明による潤滑油組成物は、ASTM D445に従って20℃で測定されるときに、30〜3,000cSt、好ましくは50〜500cStの上述の条件下での動粘度を有するであろう。
第1の好ましい実施形態によれば、熱安定剤として本発明の化合物を含有する油の形態での潤滑油組成物[本明細書では以下組成物(C1)]は、
(i)好ましくは0.1〜10重量%の範囲の量で、本発明による1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル化合物と;
(ii)好ましくは90〜99重量%の範囲の量で、1つ以上の基油と;
(iii)任意選択的に、好ましくは10〜50重量%の範囲の量で、1つ以上の増粘剤と
(iv)任意選択的に、好ましくは1〜5重量%の範囲の量で、1つ以上の添加剤と
を含む、好ましくはからなる。
組成物(C1)で熱安定剤として使用される本発明により好ましい化合物は、上記の式(Ia)および(Ib)に従うものである。
基油は、フッ素化もしくは非フッ素化(水素化)油またはそれらの混合物であってもよい。好ましくは、フッ素化油は(パー)フルオロポリエーテル油であり、組成物(C1)の調製に好適な(パー)フルオロポリエーテル油(iii)の例は、欧州特許出願公開第2089443 A号明細書(SOLVAY SOLEXIS SPA)で式(1a)〜(8a)としてまたは国際公開第2009/141284号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS SPA)(SOLVAY SOLEXIS SPA)で式(1)〜(8)としてまたは国際公開第2011/042374号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS SPA)で式(1)〜(9)として特定されるものである。より好ましくは、(パー)フルオロポリエーテル油は、Solvay Specialty Polymers S.p.A.から商品名FOMBLIN(登録商標)(タイプY、M、W、またはZ)で商業的に入手可能なものであり、かかる油は、本明細書で以下の式:
のいずれかに従う少なくとも1つの油(すなわち、たった1つの油または2つ以上の油の混合物)を一般に含む。
原料(i)として使用するものとは異なる本発明による1つ以上の化合物もまた、組成物(C1)でフッ素化基油(ii)として使用することができ、たとえば、化合物(Ia)が原料(i)として使用される場合、原料(i)として使用されるものとは異なる1つ以上の化合物(Ia)または1つ以上の化合物(Ib)を原料(ii)として使用することができる。
組成物(C1)で基油として使用される好適な非フッ素化油は、鉱油、パラフィン油、芳香油、ポリアルファオレフィン、アルキルエステル、シリコーンエステル、ナフタレン誘導体、ポリアルキル化シクロアルカン、ポリフェニルエーテルから好ましくは選択される。
第2の好ましい実施形態によれば、本発明の化合物を含有するグリースの形態での潤滑油組成物[本明細書では以下組成物(C2)]は、
(i)好ましくは50〜90重量%の範囲の量で、本発明による(パー)フルオロポリエーテル化合物と;
(iii)好ましくは10〜50重量%の範囲の量で、1つ以上の増粘剤と;
(iv)任意選択的に、1つ以上の添加剤と
を含む、好ましくはからなる。
組成物(C2)で原料(i)として使用される本発明の好ましい(パー)フルオロポリエーテル化合物は、上記の式(Ia)に従うものである。
好適な増粘剤の例は、PTFE、タルク、シリカ、窒化ホウ素、ポリ尿素、アルカリもしくはアルカリ土類金属テレフタレート、カルシウムおよびリチウム石鹸ならびにそれらの複合体であり、それらの中で、PTFEが好ましい。
好適な添加剤の例は、防錆剤、酸化防止剤、熱安定剤、流動点降下剤、高圧用のものなどの、摩耗防止剤、分散剤、トレーサー、染料、タルクおよび無機充填材である。分散剤の例は、たとえば、界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤、より好ましくは(パー)フルオロポリエーテル界面活性剤および(パー)フルオロアルキル界面活性剤である。例摩耗防止添加剤は、欧州特許出願公開第1336614 A号明細書(SOLVAY SOLEXIS SPA)に開示されているもののような、(パー)フルオロポリエーテルのホスファゼン誘導体である。
本発明は、以下の実施例を用いてより詳細に開示される。
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が、用語を不明確にさせ得る程度まで本出願の説明と矛盾する場合は、本説明が優先するものとする。
原材料および方法
実施例1〜4で試薬として使用される(パー)フルオロポリエーテルジオールは、米国特許第3847978号明細書(MONTEDISON SPA)12.11.1974に、BANKS,R.E.ら、Organofluorine Chemistry:Principles and Commercial Applications.New York:Plenum Press,1994年に開示されている手順に従って製造した。
実施例10〜13で試薬として使用される(パー)フルオロポリエーテルジエステルは、TONELLI,Claudioら、Linear perfluoropolyether difunctional oligomers:chemistry,properties and applications.Journal of Fluorine Chemistry.1995,vol.95,no.1−2,p.51−70に、および TONELL,Claudioら、Perfluoropolyether alkyl diesters:Structure effects of the alkyl group on the kinetics of the hydrolysis reactions.Journal of Polymer Science−Part A−Polymer chemistry.2002,vol.40,no.23,p.4266−4280に開示されている手順に従って製造した。
試薬の残りおよび溶媒は、商業的に入手可能であり、さらなる精製なしに使用した。
熱酸化試験のおよびトライボロジー試験の手順は、以下に記載される。
下記で、Mは、19F−NMR分析によって測定される鎖R数平均重量を特定する。
実施例1〜4 − 式(V1)を有する化合物(V)の合成
実施例1 − 化合物(V1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=1500]の合成
160g(214ミリ当量)のHOCHCF(OCFCFO)(CFO)CFCHOH
(式中、m/n=1であり、m+nは、Mが1500であるように選択された)
を、オーバーヘッド攪拌機、セプタムアダプター、サーモウェルおよび滴下漏斗を備えた2Lの4口平底円筒形フラスコに入れ、真空乾燥させた。
55g(250ミリ当量)の4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンをその後カニューレによって加え、これに第3−BuOH(1200ml)の添加が続いた。混合物を3分間室温で攪拌した。t−BuOH(400ml)に溶解させたカリウム第3−ブトキシド(250ミリ当量)を次に、60分間にわたってカニューレによって反応混合物に加えた。反応混合物を80℃で6時間加熱し、第3−BuOHを減圧下に除去し、反応混合物を中性まで水で繰り返し洗浄した。最後に、反応マスを、過剰の4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンの完全除去(TLC分析によって確認されるように)までn−ヘキサンで繰り返し洗浄した。
190gの所望の化合物(V)が、8時間減圧下に50℃で乾燥させた後に単離された(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した。
実施例2 − 化合物(V1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;Mn=2000]の合成
実施例1の手順に従って、式:
HOCHCF(OCFCFO)(CFO)CFCHOH
(式中、m/n=1であり、m+nは、Mが2000であるように選択された)
の180gのPFPEジオールを4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンと反応させた。
反応生成物をまた、実施例1で記載されているように処理した。
207gの所望の化合物(V)が得られた(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例3 − 化合物(V1)
[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=3000]の合成
式:
HOCHCF(OCFCFO)(CFO)CFCHOH
(式中、m/n=1であり、m+nは、Mが3000であるように選択された)
の250gのPFPEジオールを4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンと反応させた。
反応生成物をまた、実施例1で記載されているように処理した。
280gの所望の化合物(V)が得られた(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例4 − 化合物(V1)
[式中、R=OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=4000]の合成
式:
HOCHCF(OCFCFO)(CFO)CFCHOH
(式中、m/n=1であり、m+nは、Mが4000であるように選択された)
の250gのPFPEジオールを4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼンと反応させた。
反応生成物をまた、実施例1で記載されているように処理した。
285gの所望の化合物(V)が得られた。
実施例5〜8 − 式(Ia1)のビフェニル化合物(Ia)の合成:
実施例5 − 化合物(Ia1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;Mn=1500]の合成
実施例1によって得られた60g(63ミリ当量)の化合物(V)を、オーバーヘッド攪拌機およびセプタムアダプターを備えた2Lの4口円筒形丸底フラスコに入れた。その後、11.5g(91ミリ当量)のフェニルボロン酸を、13.4g(121ミリ当量)の炭酸ナトリウムおよび触媒としての0.9gの(PPhPd(0)と一緒に加えた。反応マスを、2、3分間真空を適用し、引き続き窒素ガスを再充填することによって脱気した。1.2LのTHFおよび150mlの蒸留水(炭酸ナトリウムを溶解させるため)を、注射器を用いて混合物に加えた。反応混合物を70℃で攪拌した。反応マスは最初に黄色になり、30分間にわたって徐々に暗褐色になった。反応を70℃で5時間続行した。THFを減圧下に除去し、反応混合物を水で洗浄した(5×200ml)。次に反応マスを酢酸エチル(400ml)に取り上げ、溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。酢酸エチルを減圧下に除去し、生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(80:20v/v)を溶離液として使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。
54gの所望の化合物(Ia)が単離された(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例6 − 化合物(Ia1)(式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=2000)の合成
実施例2によって製造された70gの化合物(V)を、実施例5の手順に従って相当する化合物(Ia)へ変換した。
65gの所望の化合物(Ia)が単離された(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例7 − 化合物(Ia1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=3000]の合成
実施例3によって製造された80gの化合物(V)を、実施例5の手順に従って相当する化合物(Ia)へ変換した。
73gの所望の化合物(Ia)が単離された(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例8 − 化合物(Ia1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=4000)]の合成
実施例4によって製造された85gの化合物(V)を、実施例5の手順に従って相当する化合物(Ia)へ変換した。
19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認されるように、78gの所望の化合物(Ia)が単離された。
実施例9 − 式:
[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=2000]のターフェニル化合物(Ia)の合成
実施例2によって製造された10gの化合物(V)を、ビフェニルボロン酸をフェニルボロン酸の代わりに使用するという違いありで実施例5の手順に従って相当するター−フェニル誘導体へ変換した。試薬間の全てのモル比は、変化しなかった。
8gの所望のターフェニル化合物(Ia)が得られた(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例10〜13 − 式(Ib1)のジフェニル誘導体(Ib):
実施例10 − ジフェニル誘導体(Ib1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=1500]の合成
工程a)−式(VII1)の化合物(VII)の合成:
−78℃での500mlのジエチルエーテル中の42g(150ミリモル)の1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼンの溶液に、150ミリモルに相当する、62mlのn−ブチルリチウム(n−ヘキサン中2.42M)を約2時間にわたって加えた。溶液は、無色から曇った淡黄色になり、温度は数度上昇した。反応マスを再び−78℃に冷却し、次にそれを、式:
EtO(O)CCF(OCFCFO)(CFO)CFC(O)OEt
(式中、m/n=2であり、m+nは、PFPE鎖の数平均分子量が1500であるように選択された)
の106.6g(142ミリ当量)のPFPEジエチルエスエルに2時間にわたって加えた。
淡黄色反応マスが得られ、それを−75/−78℃で追加の1時間攪拌下に維持した。この時間後に、混合物を500mlのHCl(2N)で加水分解した。
加水分解混合物を室温まで暖まるに任せ、次に有機相を分離した。水相を、恐らくその中に溶解したいかなる化合物(VII)も回収するために、CFC113/エチルエーテル(50:50v/v)の混合物で2回抽出した。2つの抽出混合物を一緒にプールし、有機相に加え、次に低沸点溶媒を減圧下で蒸留によって穏やかに除去し、それによって100g(VII)を得た(構造は、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
工程b)式(IX1)の化合物(IX)の合成:
工程a)で得られた30gの化合物(VII1)を、上記の実施例5の手順に従って、鈴木反応によって相当するビ−フェニル(IX)へ変換した。
19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認されるように、27gの化合物(IX)が単離された。
工程c)化合物(IX)のフッ素化
工程b)で得られた50g(53ミリ当量)の化合物(IX)を250mlのHastelloy C圧力容器へ入れた。この装置をドライアイス−アセトン浴中で冷却し、次に約15mlの無水HF、約22gのSFおよび70mlのFCF 113を加えた。入口を閉め、容器を48時間110℃に暖めた。この時間後に、容器を冷却し、ガス抜きし、液体反応マスを約20gのKFで処理した。反応マスを濾過し、液相を回収し、溶媒を蒸発除去し、次に揮発性の副生成物を減圧下での蒸留によって除去し、最終薄層分別は、所望の化合物(Ib)(39g、41ミリ当量)を、蒸留留分として、単離することを可能にした(構造は、IR、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例11 − ジフェニル誘導体(Ib)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;RのMn=2000]の合成
式:
EtO(O)CCF(OCFCFO)(CFO)CFC(O)OEt
(式中、m/n=2であり、m+nは、(パー)フルオロポリエーテル鎖の数平均分子量が2000であるように選択された)
のPFPEジエチルエステルを試薬として使用して、実施例10の手順に従った。
40gの所望の化合物(Ib)が得られた(構造は、IR、19F NMRおよびH NMR分析によって確認した)。
実施例12 − ジフェニル誘導体(Ib1)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M 3000]の合成
式:
EtO(O)CCF(OCFCFO)(CFO)CFC(O)OEt
(式中、m/n=2であり、m+nは、数平均分子量が3000であるように選択された)
のPFPEジエチルエステルを試薬として使用して、実施例10の手順に従った。
30gの所望の化合物(Ib)が得られた(構造は、IR、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
実施例13 − 上記のジフェニル誘導体(Ib)[式中、R=(OCFCFO)(CFO);m/n=1;M=4000]の合成
式:
EtO(O)CCF(OCFCFO)(CFO)CFC(O)OEt
(式中、m/n=2であり、m+nは、PFPE鎖の数平均分子量が4000であるように選択された)
のPFPEジエチルエステルを試薬として使用して、実施例10の手順に従った。
35gの所望の化合物(Ib)が得られた(構造は、IR、19F−NMRおよびH−NMR分析によって確認した)。
試験
実施例4〜8および10〜13の化合物を、PFPE流体およびグリースに熱酸化安定性を付与するための添加物として試験した。
5〜8の実施例の化合物はまた、苛酷な条件下に潤滑油などとして評価した(下のトライボロジー試験を参照されたい)。
試験1 − 熱酸化試験
熱酸化試験は、SNYDER,Carl E.ら、Development of Polyperfluoroalkylethers as High Temperature Lubricants and Hydraulic Fluids.ASLE Transactions.1975,vol.3,no.13,p.171−180に記載される装置を用いて実施した。操作条件は以下の通りであった:
・ 試験温度:油については270℃、グリースについては250℃;
・ 空気の流れ:1L/h;
・ 流体中に浸漬される金属:ステンレス鋼(AISI 304)およびTi合金(Al6%、V4%)。
具体的に示される量(典型的には0.5〜5%w/w)で添加物として実施例5〜8および10〜14の化合物を含有する、試験されるべき流体の試料を、装置のガラス試験管(上に引用された参考文献のたとえば図1を参照されたい)に導入し、ガラス管を秤量し、試験温度で加熱した。所要時間が経過したとき、ガラス試験管を室温に冷却し、再び秤量した。試験前の試料の重量に関して、加熱前後の重量の差は、試験された流体のパーセント減量を与えた。試験の終わりに流体中へ浸漬された金属の外観を目視により評価した。
すべての試験された調合物は、以下の構造:
CF(OCFCF(OCFOCF(m+nが、数平均分子量M=9800のように選択された状態での)
で特徴づけられる、Fomblin(登録商標)M30 PFPE油(Solvay Specialty Polymers)中に1%w/wの本発明による実施例5〜8および10〜13の化合物(Ia)および(Ib)を含有した。
試験の結果を下表1にまとめる。表中、対照1は、添加物なしのFomblin(登録商標)M30 PFPE油である。
本発明の少量の化合物でさえもFomblin(登録商標)M30 PFPE油の熱酸化安定性を増加させ得ることが上記の結果から出てくる。
グリースの2つの試料をまた、30重量%のPTFEおよび70重量%の基油Fomblin(登録商標)PFPE M30を使用して調製した。第1試料(試料1)は、PTFEおよびFomblin(登録商標)PFPE M30のみを含有したが、第2のもの(試料2)はまた、実施例7の2%の化合物(Ia)を添加され、次に10重量%の微粉末鉄を各試料に添加した。ASTM D217方法によって測定された、両グリースの浸透値は、292mm/10分であった。
50gのこれらの試料を次に、96mmの内径のガラスカップに注ぎ込み、250℃で100時間換気オーブン中に入れた。各カップの減量を試験中にチェックしてグリースの安定性を評価した。100時間後に、グリースの浸透を測定した。時間の関数としての減量%の観点からのグリース挙動を次表にまとめる。
上記の表に報告される結果は、空気中および金属の存在下で(過)フッ素化グリース用の熱安定剤としての本発明の化合物の非常に高い性能を裏付ける。
試験2 − トライボロジー試験
実施例5〜8の化合物(Ia)のトライボロジー特性を、SRV(登録商標)Test Machine(試験機)を用いて試験した。それらの挙動を、対照市販製品Fomblin(登録商標)Z PFPE Tetraol 2000S(Solvay Specialty Polymers)のそれと比較した。
ボール−オン−ディスク・ジオメトリーを用いた。
この方法は、高周波体制下におよび線形振動で潤滑油が受ける荷重と摩擦係数(CoF)との間の関係の測定を可能にする。
以下の実験条件を適用した:
− 温度:50℃;
− 周波数:50Hz;
− 周波数振幅(ストローク):1mm;
− 振動の速度(滑り速度):0.1m/秒;
− 初期荷重:2分間50N、2分間50Nの増分、次に所望の値まで2分間100Nの増分。
下表3のデータは、印加荷重の関数としての振動に平行の力と振動面に垂直の力との間の比と定義される摩擦係数(CoF)を報告する。
本発明による実施例5〜9の化合物(Ia)のCoFはFomblin(登録商標)Z PFPE Tetraol 2000Sのそれよりもすべて良好である(すなわち、低い)ことがかかるデータから出てくる。すなわち、実施例5〜8の化合物についてのCoFの平均値0.08871対Fomblin(登録商標)Z PFPE Tetraol 2000Sについての0.13401というCoF値が観察された。
実施例5の化合物を、400Nよりも高い荷重でまた対照2と比較して試験し、下表4から明らかであるように、すべての試験でより低いCoFが観察された。
試験3 − 比較試験
この比較試験では、本発明による2つの化合物の減量を評価し、先行技術公文書欧州特許第1354932号明細書による化合物のそれと比較した。
本発明による2つの化合物は、上記の一般式(Ia)に従い、それぞれ2200および3200の分子量を有し、一方欧州特許第1354932号明細書による化合物は、式:
[式中、Rfは上記で定義されたとおりであり、2700の分子量を有する]に従った。
減量を、1時間250℃で空気中等温条件下に熱重量分析(TGA)によって評価した。その結果を下表5に報告する。
結果は、本発明による化合物が先行技術化合物よりもかなり低い減量を受けることを示し、先行技術化合物のそれよりも低い分子量(2200対2700)を有する式(Ia)の化合物についてもまたより低い減量が観察されることが指摘される。それ故、本発明の化合物は、苛酷な作動条件、たとえば、250℃以上の温度下でさえも、長い時間一定の組成を有する潤滑油もしくはグリースの調製のために使用することができる。

Claims (16)

  1. 少なくとも2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)を含む(パー)フルオロポリエーテル化合物であって、前記鎖末端の少なくとも1つが、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基を有する(パー)フルオロポリエーテ化合物。
  2. 1つもしくは両方の鎖末端が、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基を有する、2つの鎖末端を有する(パー)フルオロポリエーテル鎖(R)を含む、請求項1に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  3. (パー)フルオロポリエーテル鎖(R)が、前記鎖に沿って統計的に分布した、繰り返し単位R°を含む完全にもしくは部分的にフッ素化されたポリオキシアルキレン鎖であり、前記繰り返し単位が、−CFXO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CFCF(CF)O−、−CF(CF)CFO−、−CFCFCFCFO−、−CRCFCFO−(式中、互いに等しいもしくは異なる、RおよびRは、水素、塩素、1〜12個の炭素原子を好ましくは含有する(パー)フルオロアルコキシ基または1〜4個の炭素原子を好ましくは含有する(パー)フルオロアルキル基を表す)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の(パー)フルオロポリエーテル。
  4. が、下式(A):
    (A)−(CFCFO)(CFO)n(CF(CFO)
    [式中、前記鎖の数平均分子量が1,500〜4,000の範囲であるように選択される、mおよびnは整数であり、hは、0または整数であり、m/nは、0.1〜10であり;h/c+dは、0〜0.05であり、zは、2もしくは3である]
    に従う直鎖(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖である、請求項3に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  5. 前記ビ−もしくはター−フェニル基が、オルト−位に少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  6. 下式(I):
    R−O−R−CFX−L−Ar (I)
    [式中:
    Rは、1〜3個の炭素原子を含有するパーフルオロアルキル基であるかまたはAr−L−CFX−であり;
    は、請求項3または4で定義されたような(パー)フルオロポリオキシアルキレン鎖であり;
    Xは、フッ素または−CFであり;
    Lは、−CF−または−CHO−であり;
    Arは、少なくとも1つのニトロ基と、任意選択的に、1つ以上のさらなる置換基とを持つビ−もしくはター−フェニル基である]
    に従う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の(パー)フルオロポリエーテル。
  7. 下式(Ia):
    R−O−R−CFX−CHO−Ar (Ia)
    [式中:
    およびXは、請求項6で定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式Ar−OCH−CFX−(ここで、Arは、
    式(IIa):
    のビフェニル基
    および式(IIb):
    のターフェニル基から選択される)
    の基である]
    に従う、請求項6に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  8. 下式(Ib):
    R−O−R−CFX−CF−Ar (Ib)
    [式中、RおよびXは、請求項6で定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式Ar−CF−CFX−(ここで、Arは、
    式(IIa):
    のビフェニル基
    および式(IIb):
    のターフェニル基から選択される)
    の基である]
    に従う、請求項6に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  9. Rが、式Ar−L−CFX−(式中、X、LおよびArは、請求項6〜8のいずれか一項で定義された通りである)の基である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物。
  10. 以下の工程:
    a)式(III):
    (III)R−O−R−CFX−CHOH
    [式中、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基またはHOCH−CFX−であり、RおよびXは、請求項6で定義された通りである]
    の(パー)フルオロポリエーテル化合物と
    式(IV):
    [式中、Zは脱離基であり、Halは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択されるハロゲンである、ただし、脱離基Zがハロゲンであるときには、Halは、求核試薬置換に対して反応性がより少ないハロゲン原子である]
    とを反応させて式(V):
    [式中、X、RおよびHalは、上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(VI):
    (ここで、XおよびHalは、上に定義された通りである)
    の基である]
    の化合物を提供する工程;
    b)式(VI)の化合物とベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸とを鈴木縮合させて式(Ia)[式中、Arは、請求項7で定義されたような式(IIa)または(IIb)の基である]の化合物を提供する工程
    を含む、請求項7に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物の製造方法。
  11. 以下の工程:
    a’)式(VII):
    [式中、Rf、XおよびHalは、請求項10で定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(VIII)
    (式中、XおよびHalは、上に定義された通りである)
    の基である]
    の化合物を提供する工程;
    b’)式(VII)の化合物とベンゼンボロン酸もしくはビフェニルボロン酸とを鈴木縮合させて式(IX):
    R−O−R−CFX−C(O)−Ar (IX)
    [式中、RおよびXは、上に定義された通りであり、Rは、1〜3個の炭素原子を含有する(パー)フルオロアルキル基または式(X):
    Ar−C(O)−CFX− (X)
    (式中、Xは、上に定義された通りであり、Arは、請求項8で定義されたような式(IIa)または(IIb)の基である)
    の基である]
    の化合物を提供する工程;
    c’)式(X)の化合物をフッ素化して式(Ib)[式中、Arは、上に定義されたような式(IIa)または(IIb)の基である]の化合物を提供する工程
    を含む、請求項9に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物の製造方法。
  12. 油もしくはグリースの形態での潤滑油組成物の調製のための請求項1〜9のいずれか一項に記載の(パー)フルオロポリエーテル化合物の使用。
  13. (i)請求項1〜9のいずれか一項に記載の1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル化合物と;
    (ii)(パー)フルオロポリエーテル油と、
    (iii)任意選択的に、1つ以上の増粘剤と、
    (iv)任意選択的に、1つ以上の添加剤と
    を含む、潤滑油組成物。
  14. 前記1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル化合物が、請求項7または8に定義されたような式(Ia)または(Ib)の化合物である、請求項13に記載の潤滑油組成物。
  15. (i)請求項1〜9のいずれか一項に記載の1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル化合物と、
    (iii)1つ以上の増粘剤と、
    (iv)任意選択的に、1つ以上の添加剤と
    を含む、潤滑油組成物。
  16. 前記1つ以上の(パー)フルオロポリエーテル化合物が、請求項7で定義されたような式(Ia)の化合物である、請求項15に記載の潤滑油組成物。
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