JP2015507469A - 植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植物 - Google Patents

植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植物 Download PDF

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Abstract

【課題】 観葉植物の光合成を促進させ、その観葉植物による大気環境改善効果を向上させる。【解決手段】 植物を植えるにあたり、珪酸塩を少なくとも植物の根毛付近に施肥し、所定の期間にわたり、水を所定の速度で断続的に植物に供給し、水と共に珪素成分を植物に吸収させて、珪素成分を葉に高含有させる植物の育成方法とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、植物の育成方法に関し、特に光合成を促進させ、大気環境改善効果を向上させた植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植物に関する。
植物の多くは、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成により炭酸同化を行い、酸素を放出する。また、植物の品種によっては、大気中の揮発性有機化学物質(VOC)を除去する効果を有することも知られている(本出願人による特許文献1参照)。このように、植物には、大気環境を改善する機能があるため、病院や学校などの施設や企業等において、観葉植物を設置することが広く行われている。このため、観葉植物の光合成を促進させることができれば、その大気環境改善機能をより向上させることが可能となり、望ましい。
ところが、農作物や花卉などの植物に育成にする技術開発は多く見られるものの、鉢植えなどに用いられる観葉植物に着目して、その機能を向上させるための研究開発は未だ十分なされているとは言えない。
ここで、植物の育成に関する先行技術文献としては、例えば特許文献2に記載の植物の成長促進及び貯蔵性改善方法、特許文献3に記載の育苗方法、特許文献4に記載の植物の栽培方法等を挙げることができる。
特許4119961号公報 特開2002−20212号公報 特開2005−6502号公報 特開2002−142562号公報
このような状況において、本発明者らは、観葉植物にはほとんど用いられることがない珪酸カリウムに着目した。すなわち、珪酸カリウムをポトスやアレカヤシなどの観葉植物の根毛付近に施肥して、一定期間断続的に吸水させることで、水と共に珪酸を吸収させて、珪素成分を葉に高濃度に蓄積することができ、これによって、当該植物の光合成を促進できることを見出した。
ここで、珪酸カリウムには、従来から肥料としての効果が知られている。例えば、特許文献2には、所定量の、珪酸カリウム化合物と、珪酸ナトリウム及び水酸化ナトリウム珪素からなる群から選択された1種以上の化合物と、炭酸カリウム化合物と、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムからなる群から選択された1種以上の化合物と、塩化カリウムと、還元糖とを含む植物の生長促進及び貯蔵性改善用組成物が開示されており、当該組成物が大豆もやしの成長に適することが記載されている。また、特許文献3には、連結ポットと共に用いられる、土壌浸透剤と水溶性珪酸含有物質を含んだ培土が通気性及び透水性を有した生分解性シート材で包まれた培土ブロックが開示されている。そして、水溶性珪酸含有物質の例として珪酸カリウムが記載されているが、これは主として輸送が難しいガーベラ苗を効率的に育苗するためのものである。さらに、特許文献4には、植物の光合成および蒸散速度を速めて大気浄化能力等を高めるために、所定のタイミングで、石英斑岩、珪素、チタンを含むミネラル液と、クロレラを与えることが記載されている。
また、稲作においては、珪酸が肥料として用いられている。稲は葉身が細長いため、珪酸が不足すると垂れ下がって光合成の効率が低下するという問題がある。このため、肥料として珪酸を与えて葉身の垂れ下がりを軽減し、光の利用効率を向上させることで、光合成を促進させている。また、珪酸が葉身に蓄積することで、水が過剰に蒸散することが防止される結果、気孔の開き具合が低下して二酸化炭素の取り込みが不十分になることを防止する効果もあると考えられている。
しかしながら、これらのいずれの先行技術文献にも、珪素成分を観葉植物の葉に多量に蓄積させ、その光合成を促進させることについては、開示されておらず、その他にもこのような技術について言及しているものは見当たらない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、観葉植物の光合成を促進させて、その観葉植物による環境改善効果を向上させることを目的とする。
本発明の植物の育成方法は、植物を植えるにあたり、珪酸塩を少なくとも植物の根毛付近に施肥し、所定の期間にわたり、水を所定の速度で断続的に植物に供給し、水と共に珪素成分を植物に吸収させて、珪素成分を葉に高含有させる方法としてある。
また、本発明の珪素高含有観葉植物は、観葉植物の鉢植えにおいて、珪酸塩が、観葉植物の根毛付近及び表土に施肥されたことを特徴とする観葉植物としてある。
本発明によれば、観葉植物の光合成を促進させて、観葉植物による大気環境改善効果を向上させることが可能となる。
本発明の植物の育成方法の原理を示す図である。 本発明の実施例による珪素高含有観葉植物の葉の表面の写真を示す図である。 従来の観葉植物の葉の表面の写真を示す図である。 本発明の実施例による珪素高含有観葉植物と、従来の観葉植物により生成された酸素濃度の比較試験結果(酸素濃度の週間変動)を示す図である。 本発明の実施例による珪素高含有観葉植物と、従来の観葉植物により生成された酸素濃度の比較試験結果(酸素濃度の日内変動)を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植について具体的に説明する。
最初に、図1を参照して、本発明の植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植物において、珪素成分が葉に蓄積する原理について説明する。
[珪素成分が観葉植物の葉に多量に蓄積して、光合成を促進させる原理]
まず、植物1に珪酸カリウムを含有する肥料を施肥するようすが、図1の左下に示されている。このとき、植物の根毛付近に、珪酸カリウム含有培養液2を施肥して、一定時間にわたって水を点滴することが望ましい。これにより、水4と珪酸3は、根圧と毛管現象5によって根毛に吸収される。また、日光6に照らされた植物の葉からは酸素8が放出されると共に、水が蒸散7により放出される。これによって、根毛から吸収された水4と珪酸3は、導管を通って上昇する。なお、図1において、珪酸3は、Si(珪素成分)として示されている。
次に、植物1の葉9の拡大図を図1の中央に示している。水4と珪酸3は、導管を通って葉9に達し、葉9の葉脈に沿って分布している。また、珪酸3の一部は葉脈から葉9の細胞に吸収される。葉9の細胞の葉緑体10では、二酸化炭素11と水4が吸収されて光合成が行われ、酸素8と炭水化物が生成される。また、葉9から水が蒸散して、珪酸3は葉9に蓄積する。このとき、珪酸3の一部は、二酸化珪素13と水に分解し、二酸化珪素13が葉9に蓄積する。このようにして、珪素成分が植物に高濃度に蓄積される。
葉9に蓄積された珪素成分である珪酸3と二酸化珪素13は、白色乃至透明であり、日光6が当たるとこれを乱反射する。この日光6の乱反射により、葉9の葉緑体10における光合成が促進され、植物1から放出される酸素量が増加すると考えられる。
[植物の育成方法]
次に、本発明の一実施形態における植物の育成方法について説明する。
(1)植物
本実施形態で育成する植物は、その肥料として、珪酸塩が必須の成分ではない植物である。したがって、稲は除かれるが、木本類、及び草本類のいずれも対象とすることができる。具体的には、例えば、ポトスやアレカヤシなどの観葉植物を育成の対象とすることが好ましい。その他、ボストンタマシダ、ポットマム、ガーベラ、シンノウヤシ、アオワーネッキー、カマエドレア・ザイフリッツィー、ネフロレピス・オブリテラータ、インドゴムノキ、セイヨウキヅタ、ベンジャミンゴムノキ、スパティフィラム、ドラセナ・フラグランス「マッサンゲアナ」・カンノンチク、ブラッサイア・アクティノフィラ、ベニフクリン・センネンボク、ドラセナ「ウォーネッキー」、コヤブラン、デンドロビウム、ディフェンバキア「エキゾチカ・コンパクタ」、チューリップ、フィクス・アリイ、ホマロメナ・バリシー、テーブルヤシ、アザレア、アクラオネマ「シルバー・クイーン」、ナカフオリヅルラン、矮性バナナ、フィロデンドロン・エルベスケンス、ディフェンバキア「カミーラ」、フィロデンドロン・ドメスティクム、シマナンヨウスギ、ベゴニア・センパ・フローレンス、マランタ・レウコネウラ「ケルショビアナ」、シッサス・ロンビフォリア「エレン・ダニカ」、クリスマス・カクタス、フィロデンドロン・セロウム、シンゴニウム、ヒメカズラ、アンスリウム、カラテア、ポインセチア、シクラメン、ファレノプシス、エクメア・ファスキアタ、クロトン、サンセベリア・トリファスキアタ、アロエ・ベラ、又は、カランコなどの観葉植物を育成の対象とすることも好ましい。
(2)肥料
本実施形態において施肥に用いる肥料は、珪酸カリウムを含有する。その他の点では特に限定されず、他の肥料成分を含有するものであっても良い。土壌の表面に施肥する場合には、珪酸カリウムの粉末粒などを肥料として好適に用いることができる。
また、根毛に点滴する場合や、底面灌水方式で施肥する場合には、珪酸カリウム以外の成分について、次のような組成のものを用いることができる。
(配合成分A)硫酸マグネシウム7水和物(2,500mg/l)
(配合成分B)リン酸2水素1カリウム(2,500mg/l,pH6.5)
(配合成分C)硝酸カリウム(10,000mg/l)又は硫酸鉄7水和物(125mg/l)
(配合成分D)塩化カルシウム水溶液 次の無機塩類を含有する。硫酸銅5水和物(55mg/l),ホウ酸(614mg/l),塩化コバルト6水和物(55mg/l),モリブデン酸ナトリウム2水和物(25mg/l),硫酸亜鉛7水和物(55mg/l),塩化マンガン4水和物(389mg/l),ヨウ化カリウム(28mg/l)
これらの配合成分A〜Dを、例えば上記各濃度で含有する水溶液をそれぞれ作製し、各水溶液を1ml/lの濃度で混合含有させ、さらに珪酸カリウムを100ppm〜1000ppmとなるように溶解させて、本実施形態で使用する珪酸カリウム含有培養液とすることができる。
また、珪酸カリウムを含有する土壌ジェルを用いて施肥することも好ましい。
この場合には、上記珪酸カリウム含有培養液に、吸水することによりゼリー状になる吸水性ポリマーを添加して、土壌ジェルを作成する。吸水性ポリマーとして、例えば架橋型ポリグルタミン酸を挙げることができる。架橋型ポリグルタミン酸は、γ−グルタミン酸(PGA)を重合して得られる生分解性ポリアミノ酸である。γ−グルタミン酸は、納豆の糸の主成分であり、架橋型ポリグルタミン酸は、一般に納豆樹脂とも呼ばれている。架橋型ポリグルタミン酸は、優れた吸水性、生分解性、及び可塑性を備えている。この架橋型ポリグルタミン酸は、市販のものを使用することができる。例えばヤクルト薬品工業株式会社の架橋型PGA、日本ポリグル株式会社のポリグルタミン酸架橋物、島根ポリグル有限会社のポリグルタミン酸(γ-PGA)架橋物などを使用することができる。
また、本実施形態における吸水性ポリマーとして、ポリアクリル酸ナトリウム(顆粒状)、ハイドロポリマー(例えばティエール(Johnson & Johnson)、ハイドロジェル・ドレッシング材(例えばジェリパーム(竹虎),ニュージェル(Johnson & Johnson),イントラサイト(Smith & Nephew),グラニュゲル(Convatec),クリアサイト(日本シグマックス)など)、アルギン酸塩被覆材(例えばカルトスタット(Convatec),ソーブサン(アルケア),アルゴダーム(メディコン),クラビオAG(クラレ)など)を用いることも可能である。
さらに、土壌ジェルの粘性を向上させ、土壌ジェルを入れた容器を傾けても容易にこぼれ落ちないようにするため、吸水性ポリマーの種類によっては、増粘剤と共に用いることも好ましい。このような増粘剤としては、例えば食用の増粘剤、増粘安定剤、ゲル化剤、又は糊料等を用いることが可能である。なお、増粘安定剤は、「水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質」を意味し、糊料と呼ばれる場合もある。増粘安定剤は使い方により、少量で高い粘性を示す場合には「増粘剤」、液体のものをゼリー状に固める作用(ゲル化)を目的として使う場合には「ゲル化剤」、粘性を高めて食品成分を均一に安定させる効果を目的として使う場合は「安定剤」と呼ばれる。なお、ゲル化とは、コロイド溶液(ゾル)が流動性を失い、多少の弾性と固さを持ってゼリー状(ゲル)に固化することをいい、ゲル化剤とは、冷やすと固まる性質のゼラチン(動物の皮や骨)、寒天(テングサ)、カラギナン、ペクチンなどの総称である。その他、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、キサンタンガム、グァーガム等もゲル化剤として用いることができる。
(3)育成方法
本実施形態の植物の育成方法としては、植物を植えるにあたり、珪酸塩を少なくとも植物の根毛付近に施肥し、所定の期間にわたり、水を所定の速度で断続的に植物に供給し、水と共に珪素を植物に吸収させて、珪素を葉に高含有させるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば以下のように行うことができる。
まず、前処置として、珪酸カリウム含有培養液の施肥を行うのに先立ち、観葉植物を植えた鉢に、粉末粒の珪酸カリウムを施肥する。これを、1日1回程度、3〜7日間行う。施肥は、初回は土壌中に行い、2回目以降は表面に行うことが好ましい。施肥後、散水して十分に土壌を湿らせる。
前処置期間が終了した翌朝に、珪酸カリウム含有培養液を、観葉植物を植えた鉢表土に散水する。また、珪酸カリウム含有培養液を根毛近くに施肥する。このとき、例えば点滴を行うことが好ましい。具体的には、育成期間の一部(例えば1日〜20日間)において、根毛に珪酸カリウム含有培養液を所定の速度(例えば10ml〜300ml/時)で、1日当たり1時間〜15時間点滴することが好ましい。
これにより、観葉植物の根毛から水と珪酸が吸水され、茎を経由して葉に到達する。また、葉において珪酸の一部は、二酸化珪素と水に分解する。そして、水は葉から蒸散し、珪酸や二酸化珪素は葉に蓄積する。
葉に珪酸や二酸化珪素が多量に蓄積して、日光が葉に照射すると、葉に蓄積した珪酸や二酸化珪素により光が乱反射する。これにより、葉緑体の光の吸収効率が向上して、光合成が促進され、酸素の生成速度が増大すると考えられる。
また、珪酸カリウム含有培養液を根毛近くに施肥する方法として、底面灌水方式を用いることも好ましい。すなわち、底部に液体を保持できる部分を備えた鉢を用い、当該部分に珪酸カリウム含有培養液を入れておくことで、長期間にわたって安定的に、根毛近くに珪酸カリウム含有培養液を施肥することができる。
さらに、珪酸カリウム含有培養液を根毛近くに施肥する方法として、土壌ジェルを用いることも好ましい。すなわち、珪酸カリウムを含有する土壌ジェルに観葉植物を植えることで、長期間にわたって安定的に、根毛近くに珪酸カリウム含有培養液を施肥することができる。
これらの方法は、本実施形態の植物の育成方法により、珪素高含有観葉植物を大量に生産する場合に適している。
以上のように、本実施形態の植物の育成方法、及び珪素高含有観葉植物によれば、観葉植物の光合成を促進させて、観葉植物による大気環境改善効果を向上させることが可能となる。
また、観葉植物の光合成が促進されて、その成長速度が向上すると、植物の水の蒸散量も増加し、室内環境をより向上させる効果も得ることもできる。
さらに、観葉植物の葉に珪素を高濃度に蓄積させることができるため、一定の条件の下で、葉に輝きを持たせる効果を得ることも可能である。
本発明の植物の育成方法及び珪素高含有観葉植物の実施例について説明する。
育成する植物としては、アレカヤシを用いた。また、肥料としては、実施形態において上述した配合成分A〜Dを含有し、かつ珪酸カリウムを500ppm含有する珪酸カリウム含有培養液を準備した。
まず、前処置として1日1回5日間、アレカヤシを植えた7号の鉢の土壌に、粉末粒の珪酸カリウム50gを施肥した。初回は土壌中に、2回目以降は表面に行い、施肥後、十分に散水した。
前処理が終わった翌日の朝、表土に珪酸カリウム含有培養液を散水し、かつ珪酸カリウム含有培養液を根毛近くに点滴した。この点滴は、医療用の点滴装置を用いて、日中に4日間、1L/8時間の速度で行った。
その結果、葉に珪素成分が蓄積したアレカヤシが育成された。その葉を撮影した写真を図2に示す。同図において、珪素成分が白く写り込んでいる。
これに対し、図3には、従来のアレカヤシの葉を撮影した写真が示されている。この従来のアレカヤシの葉は、実施例と同じ土壌を用いて、粉末粒の珪酸カリウム及び珪酸カリウム含有培養液の施肥を行うことなく、散水して育成したものである。これらの図を比較すると、本発明の植物の育成方法により育成された珪素高含有観葉植物であるアレカヤシには、珪素成分がより多量に蓄積されていることがわかる。
次に、上述の実施例により得られた葉に珪素成分が蓄積されたアレカヤシと従来のアレカヤシにより生成された酸素の濃度の比較試験結果について、図4及び図5を参照して説明する。これらの図において、「KSIO」は珪酸カリウムを与えて育てた実施例のアレカヤシを示し、「HO」は通常の水やりで育てた従来のアレカヤシを示している。
試験は、2011年12月20日から26日にかけて、ある環境制御室に設置された2つのチャンバー内に、それぞれ葉に珪素成分が蓄積されたアレカヤシと、従来のアレカヤシを配置して行った。光はLEDにより照射し、8時にON、18時にOFFするように設定した。22日午後からは環境制御室の温度を24℃、湿度を50%に設定した。両チャンバー内では噴霧を行っており、温度は30℃、湿度は80%であった。酸素濃度の測定は、毎日10時、13時、17時に行った。21日、22日は環境制御室内の温度が低いためか、酸素濃度が低かった。その結果が図4に示されている。
同図に示されているように、20日から26日までの酸素濃度(%)の1日平均は、「KSIO」では順に20.9、20.5、20.2、21.4、21.4、21.3、21.5であり、「HO」では順に20.9、20.3、20.1、21.3、21.2、21.2、21.4であった。
また、26日には、酸素濃度の日内変動を調べるために、7時から20時まで1時間毎に酸素濃度を測定した。この日の環境制御室内の温度は24℃、湿度は45℃、両チャンバー内の温度は30℃、湿度は80%であった。18時に消灯した後、酸素濃度は徐々に増加する傾向があった。その結果が図5に示されている。
同図に示されているように、26日の7時から20時までの1時間毎の酸素濃度(%)は、「KSIO」では順に21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.5、21.6、21.6、21.8、21.8であり、「HO」では順に21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.4、21.5、21.5、21.6、21.6であった。
以上のことから、実施例による葉に珪素成分が蓄積されたアレカヤシを配置したチャンバー内の酸素濃度は、従来のアレカヤシを配置したチャンバー内の酸素濃度よりも高くなることが分かった。したがって、葉に珪素成分が蓄積されたアレカヤシでは、従来のアレカヤシよりも光合成が促進されていると考えられる。
本発明は、以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、植物を鉢植えする場合のみならず、地面に植える場合にも適用することが可能である。また、屋上や壁面などに用いられる特別な容器で植物を育成する場合などにも好適に適用することができる。その他、本発明の技術的思想の範囲において、適宜変更することが可能である。
本発明によれば、観葉植物などの植物の葉に珪素成分を高含有させることができ、これによって光合成を促進させることができる。したがって、本発明は、例えば病院や学校、図書館、企業などあらゆる室内環境に設置する観葉植物に好適に利用することが可能である。また、屋外でも植物に同様の効果を発揮させることができるため、例えば街路樹など屋外の植物に本発明を用いることも可能である。

Claims (8)

  1. 観葉植物の育成方法であって、
    珪酸塩を少なくとも前記観葉植物の根毛付近に施肥し、所定の期間にわたり、水を所定の速度で断続的に前記観葉植物に供給し、水と共に珪素を前記観葉植物に吸収させて、珪素成分を葉に高含有させ、少なくとも葉の葉脈付近に珪素成分を蓄積させることにより、前記葉における光合成が促進する観葉植物の育成を特徴とした観葉植物の育成方法。
  2. 珪酸塩を前記観葉植物が植えられた土の表面に施肥し、前記観葉植物への水の供給を行うことを特徴とする請求項1記載の観葉植物の育成方法。
  3. 前記水の供給は、前記土の表面に散水し、及び/又は、前記観葉植物の根毛付近に点滴することにより行うことを特徴とする請求項1又は2記載の観葉植物の育成方法。
  4. 前記珪素塩が珪素カリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の観葉植物の育成方法。
  5. 前記観葉植物がポトス又はアレカヤシであることを特徴とする請求項1に記載の観葉植物の育成方法。
  6. 前記観葉植物が、室内緑化、屋上緑化、又は壁面緑化用の容器に植えられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の観葉植物の育成方法。
  7. 観葉植物における、少なくとも葉の葉脈付近に珪素成分を蓄積して高含有させ、前記葉における光合成を促進させることを特徴とする珪素高含有観葉植物。
  8. 前記観葉植物が鉢植え観葉植物であって、前記観葉植物の根毛付近及び表土に珪酸塩を施肥してあることを特徴とする請求項7に記載の珪素高含有観葉植物。
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