JP2015216906A - 分離容器およびウイルスの濃縮・精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) ウイルスを含有する試料液から前記ウイルスを濃縮・精製する際に用いられる分離容器であって、
上側開口と下側開口とを有する筒状をなす本体部と、該本体部の前記下側開口側に充填された、少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された吸着剤とを有し、
前記上側開口から前記本体部内に供給された前記試料液を、当該分離容器に付与された遠心力または圧力により、前記吸着剤を透過させるとともに、前記下側開口を介して前記本体部の外側に流出させる際に、前記ウイルスを前記吸着剤に吸着させるよう構成されていることを特徴とする分離容器。
前記吸着剤は、前記本体部と2つの前記フィルタ部材とにより画成された空間内に充填されている上記(1)に記載の分離容器。
これにより、前記空間から前記吸着剤が流出するのを防止することができる。
前記遠心力により前記試料液に付与される遠心加速度は、150G以上である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の分離容器。
前記試料液を、前記上側開口から前記本体部内に供給した後、前記分離容器に遠心力または圧力を付与することにより、前記吸着剤を透過させることで前記ウイルスを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
所定量の溶出液を、前記上側開口から前記本体部内に供給した後、前記分離容器に遠心力または圧力を付与することにより、前記吸着剤を透過させ、その後、前記下側開口を介して、分画液として回収する分画工程とを有することを特徴とするウイルスの濃縮・精製方法。
図1は、本発明の分離容器の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す分離容器を、収納容器に装填した状態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、ウイルスを含有する試料液60を用意(調製)する。
次に、分離容器1を収納容器2に装填(収納)した状態で、得られた試料液60を、上側開口13を介して、液供給空間16内に供給した後、分離容器1に遠心力を付与することにより、試料液60がフィルタ部材4、吸着剤3およびフィルタ部材5を透過するとともに、下側開口14を介して、流出液61として流出することで、収納容器2内に流出液61が回収される。
次に、分離容器1を、前記工程[2]で用いたのとは異なる収納容器2に装填(収納)した状態で、所定量の溶出液65を、上側開口13を介して、液供給空間16内に供給した後、分離容器1に遠心力を付与することにより、溶出液65がフィルタ部材4、吸着剤3およびフィルタ部材5を透過し、その後、下側開口14を介して、分画液66として収納容器2内に回収される。
このリン酸系緩衝液は、濃度が1〜600mM程度のものを用いることができる。
すなわち、前記工程[2]、[3]のように、試料液または溶出液の供給の後に、遠心力を分離容器に付与するという動作を繰り返して行うという簡便な方法で、効率よく試料液(検体)中からウイルスを精製することができる。
1.ノロウイルスの精製
(実施例1)
−1− まず、ノロウイルス陽性糞便検体に、水を添加した後懸濁させることで懸濁液を得た。その後、この懸濁液を遠心分離した上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
この工程をさらに2回繰り返して行った。
図5に示すように、試料液では、バクテリア16S−rRNAの蛍光度変化が、ノロウイルスRNAに由来する蛍光度変化に先立って顕著に認められるのに対して、分画液では、ノロウイルスRNAに由来する蛍光度変化が認められた後に、バクテリア16S−rRNAの蛍光度変化が認められる結果となった。これらのことから、試料液中から分離容器を用いてノロウイルスが回収(精製)されていることが判った。
−1− まず、ノロウイルス陽性糞便検体に、水を添加した後懸濁させることで懸濁液を得た。その後、この懸濁液を遠心分離した上清を採取し、0.45μmのフィルタでろ過して試料液を調製した。
この工程をさらに2回繰り返して行った。
この工程をさらに2回繰り返して行った。
その結果を、図6に示す。
(実施例3)
−1− まず、デングウイルスを蚊由来のC6/36細胞で増殖させた後、この培養上清を採取することで試料液(1mL)を得た。
この工程をさらに2回繰り返して行った(Step[Wash-2,3])。
その結果を、表1に示す。
2 収納容器
3 吸着剤
4 フィルタ部材
5 フィルタ部材
11 本体部
12 蓋部
13 上側開口
14 下側開口
15 吸着剤充填空間
16 液供給空間
60 試料液
61 流出液
65 溶出液
66 分画液
Claims (8)
- ウイルスを含有する試料液から前記ウイルスを濃縮・精製する際に用いられる分離容器であって、
上側開口と下側開口とを有する筒状をなす本体部と、該本体部の前記下側開口側に充填された、少なくとも表面がリン酸カルシウム系化合物で構成された吸着剤とを有し、
前記上側開口から前記本体部内に供給された前記試料液を、当該分離容器に付与された遠心力または圧力により、前記吸着剤を透過させるとともに、前記下側開口を介して前記本体部の外側に流出させる際に、前記ウイルスを前記吸着剤に吸着させるよう構成されていることを特徴とする分離容器。 - 前記本体部内に装填された2つのフィルタ部材を備え、
前記吸着剤は、前記本体部と2つの前記フィルタ部材とにより画成された空間内に充填されている請求項1に記載の分離容器。 - 前記上側開口側に位置する前記フィルタ部材は、その微細孔が100〜1500nmである請求項2に記載の分離容器。
- 前記吸着剤は、ハイドロキシアパタイトで構成される焼結粒子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の分離容器。
- 前記焼結粒子は、その平均粒径が0.5〜150μmである請求項4に記載の分離容器。
- 当該分離容器には、前記遠心力が付与され、
前記遠心力により前記試料液に付与される遠心加速度は、150G以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の分離容器。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の分離容器を用いたウイルスの濃縮・精製方法であって、
前記試料液を、前記上側開口から前記本体部内に供給した後、前記分離容器に遠心力または圧力を付与することにより、前記吸着剤を透過させることで前記ウイルスを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
所定量の溶出液を、前記上側開口から前記本体部内に供給した後、前記分離容器に遠心力または圧力を付与することにより、前記吸着剤を透過させ、その後、前記下側開口を介して、分画液として回収する分画工程とを有することを特徴とするウイルスの濃縮・精製方法。 - 前記溶出液は、リン酸系緩衝液である請求項7に記載のウイルスの濃縮・精製方法。
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