JP2015215988A - 角形電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の角形電池に適した積層構造を有する角形電池において、優れた充放電性能と高いエネルギー密度を確保しながら、内部短絡の発生を防止する。
【解決手段】互いに平行に対向配置された平板状の正極集電体(3)および負極集電体(5)と、多孔質の金属製基板に正極活物質を含む正極合剤を固定してなる複数の平板状の正極体であって、前記正極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された正極体(13)と、前記複数の正極体間に、これら正極体にプリーツ状のセパレータ(11)を介して対向配置され、かつ前記負極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された、複数の平板状の負極体(15)とを備える角形電池(C)において、前記正極体の前記セパレータの折り曲げ部に対向する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部を覆う、絶縁性素材からなるシート状部材(21)を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層タイプの電極体を有する角形電池に関し、より具体的には、このような電池の電極構造に関する。
従来、主として携帯機器用の電源として使用する充放電可能な種々の二次電池が提案されてきた。さらには、近年、環境への配慮から、自動車や電車などの車両に充放電可能な二次電池を搭載したものが開発されている。車両に二次電池を搭載した場合には、ブレーキ時に生じる回生電力をこの搭載電池に蓄えておき、車両の動力源として使用することができるので、車両のエネルギー効率を高めることができる。このように車両に搭載する二次電池としては、エネルギー密度、負荷変動追従性、耐久性、製造コストなどの諸条件から、例えばニッケル水素二次電池が適しているとされる。
上記のような車両用の電池には、従来の携帯機器等に用いられるものに比べて、高電圧および高エネルギー容量が要求されるため、大型の電池を使用する必要がある。大型の電池を使用する場合には、電池が設置されるスペースを効率的に利用する必要性が大きいことから、円筒形よりも角形の電池とすることが望ましい(例えば、特許文献1参照)。このような大型の角形電池には、電池性能や生産性の観点から、円筒形電池に用いられる巻取り式の電極体よりも、セパレータを介して正極板と負極板とを交互に積層した電極体が適しているとされる(例えば、特許文献2参照)。
一般に、ニッケル水素二次電池においては、正極の基板として、多孔質の発泡ニッケルやニッケル焼結体を用い、基板に形成された空孔ないし間隙に、活物質、バインダー、導電助剤などからなる合剤を充填して正極を作製している。また、ニッケル水素二次電池の負極基板としては、例えば、ニッケルめっきを施した鋼板に多数の孔を形成したパンチングプレートを使用し、この基板に水素吸蔵合金などからなる負極活物質を塗布することにより負極を作製している(例えば、特許文献1参照)。このようにして電極を作製することにより、活物質の基板への密着性が高まり、電池の信頼性向上が図られる。
特開2001−110381号公報 特開2003−272593号公報
通常、大きな面積を有する基板に活物質を充填・塗布した後、カッターで切断する等の工程を経て、所定のサイズの平板状の電極を作製する。その場合、電極の切断された端面およびその近傍に、微細な突起であるバリが形成されることがある。特に、積層型の電極体において発泡ニッケルを正極の基板として用いた場合、平板状の正極の基板の端面に露出するバリがセパレータを突き破って負極に接触することで、電池の内部短絡を起こすことがある。このような内部短絡を防止するためには、セパレータの厚みを増すことで正極のバリを負極に接触させないことが効果的であるが、その場合、電池内部空間でセパレータの占有体積が増え、かつ電池の内部抵抗が増大する。このため、電池容量が低減し、充放電性能が低下する。
本発明の目的は、上記の課題を解決するために、大型の角形電池に適した積層構造を有する角形電池において、優れた充放電性能と高いエネルギー密度を確保しながらも、内部短絡の発生を防止することにある。
前記した目的を達成するために、本発明に係る角形電池は、互いに平行に対向配置された平板状の正極集電体および負極集電体と、多孔質の金属製基板に正極活物質を含む正極合剤を固定してなる複数の平板状の正極体であって、前記正極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された正極体と、前記複数の正極体間に、これら正極体に対向するように配置され、かつ前記負極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された、複数の平板状の負極体と、前記各正極体と負極体との間に介在する、プリーツ状に折り曲げられたセパレータと、前記正極体の前記セパレータの折り曲げ部に対向する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とを一体的に覆う、絶縁性素材からなるシート状部材とを備えている。
この構成によれば、多孔質の金属製基板を使用して形成した正極体において最もバリの発生しやすい箇所である端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、隣接する負極体に対向する部分である主面の一部とを絶縁素材からなるシート状部材で覆うので、極めて効果的に内部短絡の発生を防止することができる。これにより、セパレータの厚さを低減することができるので、その分電池容量を増大できるとともに、電池の内部抵抗が低減して充放電性能が向上する。さらには、正極体の上記部分を覆う絶縁部材を薄いシート状部材としたので、内部短絡防止用部材を設けることによる電池容量の損失を最小限に抑えることができる。しかも、前記シート状部材を一方の主面側から端面を経て他方の主面側に渡って一体的に設けるので、特にこのシート状部材を正極体に貼着する場合には、正極体からのシート状部材の位置ずれや脱落が防止され、電池の生産性の低下が抑制される。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記シート状部材の表面とシート状部材で覆われていない前記正極体の主面とを同一の平面上に形成することが好ましい。または、前記正極体の前記シート状部材で覆われた部分の厚みを、前記正極体の前記シート状部材で覆われていない部分の厚みよりも薄く形成してもよい。この構成によれば、シート状部材を設けたことによる電池内部の体積損失、すなわち電池容量の損失を最低限に抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記負極体が、多数の貫通孔を有する平板状の金属製基板に負極活物質を含む負極合剤を固定してなり、前記負極体の前記セパレータに対向する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とが一体的に、絶縁性素材からなるシート状部材によって覆われていることが好ましい。上記のような基板を有する負極体は、それ自体にバリが発生してセパレータを突き破ることはないが、正極体のバリがセパレータを突き破って負極体に接触した場合にも、このように構成することにより、内部短絡の発生を一層確実に防止できる。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記負極体を一体的に覆う前記シート状部材の厚みが、前記正極体を一体的に覆う前記シート状部材の厚みよりも薄いことが好ましい。この構成によれば、バリの発生しない負極体をシート状部材で覆う場合も、その厚みを薄くすることにより、シート状部材を設けたことによる電池内部の体積損失、すなわち電池容量の損失を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記シート状部材の表面とシート状部材で覆われていない前記負極体の主面とを同一の平面上に形成することが好ましい。または、前記負極体の前記シート状部材で覆われた部分の厚みを、前記負極体の前記シート状部材で覆われていない部分の厚みよりも薄く形成してもよい。この構成によれば、負極体にシート状部材を設けたことによる電池内部の体積損失、すなわち電池容量の損失を最低限に抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記正極合剤はバインダーを含み、前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合を、前記正極体において前記シート状部材で覆われない部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きく設定してもよい。あるいは、前記正極体の前記正極集電体と接触する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とからなる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合は、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きく設定してもよい。さらには、前記正極体の前記正極集電体と接触する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とからなる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合、および前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合は、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きく設定してもよい。正極合剤のバインダー含有量を多くすることにより、バリの発生を抑制することができるので、正極体においてシート状部材で覆われる部分のバインダー量を多くすることで、正極体を覆うシート状部材の厚みを低減することが可能になり、正極体の正極集電体に接触する側の端部のバインダー量を多くすることで、負極体を覆うシート状部材の厚みを低減するか、負極体を覆うシート状部材を省くことが可能になる。
本発明の一実施形態に係る角形電池において、前記正極合剤は所定割合のバインダーを含み、前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対する第1のバインダーは、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対する第2のバインダーよりも、結着力が高いバインダーであってもよい。前記第1のバインダーは、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴムまたはアイオノマーであってよく、前記第2のバインダーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレンであってよい。このように、正極体のバリの発生しやすい領域に結着力が高いバインダーを含む正極合剤を固定し、正極体のバリの発生の抑止の必要性が小さい領域に結着力が低いバインダーを含む正極合剤を固定することによっても、電池容量に与える影響を少なくしつつ、正極体のバリの発生を効果的に抑止することができ、バリ対策を簡素なものとすることができる。
以上のように、本発明に係る角形電池によれば、大型の角形電池に適した積層構造を有する角形電池において、優れた充放電性能と高いエネルギー密度を確保しながらも、内部短絡の発生が防止できる。
本発明の一実施形態に係る角形電池を示す斜視図である。 図1の角形電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図2の角形電池に使用される正極体を模式的に示す斜視図である。 図2の角形電池に使用される正極体を示す側面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る角形電池(以下単に「電池」という)Cの構造を示す斜視図である。この電池Cは、水酸化ニッケルを主要な正極活物質とし、水素吸蔵合金を主要な負極活物質とし、アルカリ系水溶液を電解液とするニッケル水素二次電池として構成されており、正極の集電体である平板状の正極集電板3および負極の集電体である負極集電板5と、両集電板3,5間に介在する絶縁性素材からなる矩形の枠形部材7によって、電池Cの角形のケーシング9が構成されている。正極集電板3および負極集電板5を形成する材料は、導電性を有する金属であればよく、本実施形態では両集電板3,5ともニッケルめっきを施した鋼板で形成している。
図2に断面図で示すように、正極集電板3と負極集電板5とは、互いに平行に対向するように配置されており、これら両集電板3,5の間、つまりケーシング9の内方には、プリーツ状に折り曲げられたセパレータ11、正極体13、および負極体15からなる電極体17が収容されている。複数の正極体13と複数の負極体15とは、両集電板3,5の対向方向X(以下、単に「対向方向X」と呼ぶ。)に直交する方向Yに、セパレータ11を介して交互に積層されている。換言すれば、2つの正極体13の間に1つの負極体15が上記2つの正極体13に対向するように配置されており、2つの負極体15の間に1つの正極体13が上記2つの負極体15に対向するように配置されている。このように配置された正極体13と負極体15との間に、プリーツ状に折り曲げられたセパレータ11が介在している。本実施形態に係るセパレータ11は、1枚のシート状の素材を、複数回交互に反対方向に折り曲げてプリーツ状に形成したものであり、折り曲げ部11aと、この折り曲げ部11aを介して隣接する2つの平坦部11b,11bとが構成する空間に、正極体13と負極体15とを交互に配することにより、正極体13と負極体15とを対向させている。
なお、セパレータ11を形成する素材としては、アルカリ蓄電池用セパレータとして使用可能なものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などのポリオレフィン系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリフルオロエチレン系繊維、ポリアミド系繊維など、またはこれらに親水化処理を施したものの織布、不織布などを使用することができる。
図2に示すように、複数の正極体13の各々は、正極集電板3にほぼ直交するように、かつ正極集電板3に接触するように配置されている。同様に、複数の負極体15の各々は、負極集電板5にほぼ直交するように、かつ負極集電板3に接触するように配置されている。すなわち、正極体13の、対向方向Xにおける一方の端部13aは正極集電板3に接触し、他方の端部13bはプリーツ状のセパレータ11の折り曲げ部11aに対向している。同様に、負極体15の、対向方向Xにおける一方の端部15aは負極集電板5に接触し、他方の端部15bはプリーツ状のセパレータ11の折り曲げ部11aに対向している。
このように構成された電極体17は、その積層方向Yと、両集電板3,5の対向方向Xとが直交するように、ケーシング9内に配置されている。したがって、正極体13の他方の端部13bは、プリーツ状のセパレータ11の折り曲げ部11aを介して、負極集電板5に対向しており、負極集電板15の他方の端部15bは、セパレータ11の折り曲げ部11aを介して、正極集電板3に対向している。
正極体13は、多孔質の金属製基板からなる正極基板に、正極活物質を含む正極合剤を固定して形成される。本実施形態において、正極体13は、多孔質の発泡ニッケルからなる正極基板に、正極活物質を含む正極合剤を塗布しまたは含浸させ、乾燥等させたものを、カッター等の切断具で切断し、所定のサイズを有する略矩形の薄板状に加工してなるものである。正極基板を形成する多孔質の金属製基板としては、発泡ニッケルのほか、ニッケル焼結体等を使用することができる。
一方、負極体15は、厚み方向に多数の貫通孔が形成された平板状の金属製基板である負極基板に、負極活物質を含む負極合剤を固定して形成される。本実施形態において、負極体15は、ニッケルめっきを施した鋼板に多数の孔を形成したパンチングメタルからなる負極基板に、負極活物質を含む負極合剤を塗布して、乾燥等させたものを、カッター等の切断具で切断し、所定のサイズを有する略矩形の薄板状に加工してなるものである。
本実施形態に係る電池Cでは、対向方向Xに外部から圧力をかけることで、正極体13の一方の端部13aと正極集電板3とを圧力(接触圧)により接触させ、および負極体15の一方の端部15aと負極集電板5とを圧力(接触圧)により接触させる。このようにして、正極体13と正極集電板3との導通、および負極体15と負極集電板5との導通を確保する。すなわち、電池C内に金属屑のような異物が混入するのを防止し、かつ電池Cの作製工程を簡略化するために、正極体13および正極集電板3、負極体15および負極集電板5は、溶接等によって固着されていない。
図2に示すように、正極体13の他方の端部13bは、絶縁性素材からなるシート状部材21によって覆われている。具体的には、図3に示すように、正極体13の他方の端部13bにおいて、端面13baと、端面13baと正極体13の2つの主面13c,13cとの間に形成される2つの角部13bb,13bbと、2つの角部13bb、13bbに連なる2つの主面13c,13cの各一部とが、シート状部材21によって一体的に覆われている。シート状部材21は、2つの角部13bb、13bbの各々において1回折り曲げられており、これにより、正極体13の端面13ba,2つの角部13bb、13bbおよび2つの主面13c,13cの一部が、一体的に、つまり一枚のシート状部材21によって覆われた状態となっている。シート状部材21は、正極体13の幅Wpと略同一の幅を有している。ここで、「主面13cの一部」とは、図3に示すように、角部13bbを形成し、対向方向Xにおいて角部13bbの近傍に位置する主面13cの一部分のことである。正極体13の幅Wpとは、図3において、対向方向Xおよび積層方向Yのいずれにも垂直な奥行方向Zにおける正極体13の長さを指す。シート状部材21の幅は、正極体13の幅Wpよりも若干長くてもよい。
図2に示す正極体13のバリは、正極体13の作製時に、多孔質の金属製基板からなる正極基板のカッター等で切断された箇所、すなわち正極体13の端部13a,13bおよびその近傍で特に発生しやすい。図3に示す正極体13の他方の端部13bにおいては、端面13baと、2つの角部13bb,13bbとにバリが特に発生しやすい。この正極体13の他方の端部13bに発生するバリがセパレータ11を突き破ることによって発生する内部短絡を防止するためには、バリが特に発生し易く、かつ発生したバリがセパレータ11を突き破り易い部分である端面13baおよび2つの角部13bb,13bbだけでなく、2つの角部13bb,13bbに隣接する2つの主面13c,13cの一部も絶縁性素材からなるシート状部材21で一体的に覆うことが特に効果的である。すなわち、端面13baおよび2つの角部13bb,13bbに発生したバリがいずれの方向を向いていても、シート状部材21で一体的に覆う工程において、バリの向きが端面13baに沿う方向(積層方向Y)や2つの主面13c,13cに沿う方向(対向方向X)に揃い、かつ、向きが揃ったバリは端面13baや2つの主面13c,13c上に位置するので、シート状部材21が端面13baや2つの主面13c,13c上のバリを完全に覆うことができる。これにより、バリがセパレータ11を突き破ることを効果的に防止できる。また、端面13baと、2つの角部13bb,13bbと、2つの主面13c,13cの一部とを絶縁性素材からなるシート状部材21によって一体的に覆うことにより、正極体13をシート状部材21によって覆う加工が容易となるとともに、電池Cの組み立て工程や電池Cが使用される間にシート状部材21の位置ずれや脱落が起こることを防止できる。
なお、シート状部材21で一体的に覆う工程の前に、バリの向きを積層方向Yや対向方向Xに揃えて、端面13baや2つの主面13c,13c上に位置させる前工程を行ってもよい。たとえば、正極体13が通過できる間隔で配された2つのローラを設け、これらの2つのローラの間に正極体13を通過させることで、ローラが正極体13のバリの向きを揃えてもよい。また、微細な突起である正極体13のバリは、手動工具等を用いて向きを揃えてもよい。これらに限らず、様々な方法で前工程を行うことができる。この前工程により、シート状部材21で一体的に覆う前に、バリの向きが所定方向に揃い、かつバリが端面13baや2つの主面13c,13c上に位置しているので、シート状部材21で一体的に覆う工程において、バリがシート状部材21を突き破るおそれを効果的に防止できる。この結果、シート状部材21の厚みを薄くすることができる。
シート状部材21は、電解液に対する耐性の観点から、耐電解液性(本実施形態の例では耐アルカリ性)を有する絶縁性素材からなる部材であることが好ましい。また、シート状部材21としては、上述の位置ずれや脱落をより効果的に防止する観点から、耐電解液性を有する樹脂製フィルムの片面に、耐電解液性を有する粘着剤が塗布された絶縁テープを使用することが、より好ましい。本実施形態では、ポリプロピレン製のフィルムの片面にアクリル系粘着剤が塗布された絶縁テープをシート状部材21として使用している。シート状部材21を形成する樹脂製フィルムとしては、ポリプロピレンのほか、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等も使用することができる。また、粘着剤としては、アクリル系粘着剤のほか、天然ゴム系粘着剤、エポキシ樹脂系粘着剤等も使用することができる。また、シート状部材21で覆われた正極体13の厚みは、シート状部材21の厚み分だけ増すので、シート状部材21を厚くしすぎると、ケーシング9内に積層できる正極体13の枚数が減り、電池Cの電池容量が減る。一方、シート状部材21を薄くしすぎると、バリを被覆できる強度を確保できない。そのため、シート状部材21の厚さは、バリを確実に被覆できる強度を確保しながら、電池容量への影響を最小限に抑えられる範囲内に設定する必要がある。この観点から、シート状部材21の厚さの好ましい範囲は20μm〜100μm、より好ましくは30μm〜70μmであり、本実施形態では50μmとしている。
正極体13の主面13cにおいて、シート状部材21で覆われた部分は、シート状部材21が絶縁性素材からなるため、充放電に寄与しない。そのため、シート状部材21で覆う範囲を広げると、バリが発生しやすい部分を確実に被覆できる一方、電池Cの電池容量を低下させる。また、シート状部材21で覆う範囲が狭すぎると、シート状部材21を主面13cに取り付ける取付加工が複雑になる。したがって、正極体13の主面13cにおける、シート状部材21で覆う一部の範囲は、バリが発生し易い部分を確実に被覆し、シート状部材21の定着を確保し、かつ電池Cの組み立て工程におけるシート状部材21の取り付け加工を容易としながら、電池容量への影響を最小限に抑えられる範囲内に設定する必要がある。この観点から、正極体13の主面13cにおける、シート状部材21で覆う範囲(端面からの対向方向Xの長さ)Leの好ましい範囲は0.5mm〜3mm、より好ましくは1mm〜2mmであり、本実施形態では1.5mmとしている。
また、本実施形態では、図2に示すように、負極体15についても、セパレータ11の折り曲げ部11aに対向する他方の端部15bにおいて、端面15baと、負極体15の2つの主面15c,15cと端面15baとが形成する2つの角部15bb,15bbと、2つの角部15bb,15bbに隣接する2つの主面15c,15cの一部とは、絶縁性素材からなるシート状部材21により一体的に覆われている。その詳細は正極体13の場合と同様であるので説明を省略する。正極体13の一方の端部13aは、正極集電体3と接触するので、絶縁性素材からなるシート状部材21によって覆うことができず、一方の端部13aに発生するバリが、セパレータ11を突き破り、負極体15と短絡するおそれがある。しかし、本実施形態においては、正極体13の一方の端部13aに発生したバリがセパレータ11を突き破った場合でも、負極体15の他方の端部15bを覆う絶縁性素材からなるシート状部材21が、バリと負極体15との短絡を抑止することができる。なお、本実施形態において、厚み方向に多数の貫通孔が形成された平板状の金属製基板を有する負極体15自体にバリが発生することはない。また、正極体13に発生するバリのうち、両端部13a,13bの端面に発生するバリが電池Cの内部短絡の大きな原因となるところ、正極体13の他方の端部13bの端面13baに発生するバリは負極集電体5と短絡を引き起こすおそれがあるが、正極体13の一方の端部13aの端面に発生するバリは正極集電体3との接触により押しつぶされるため、負極体15と短絡を引き起こすおそれがない。したがって、負極体15を覆うシート状部材21の材質や厚みは、正極体13の一方の端部13aの主面等に発生しセパレータ11を突き破ったバリと負極体15との短絡を抑止できる限りにおいて、正極体13を覆うシート状部材21の材質や厚みと異なっていてもよく、例えば、材質を同一として厚みを減らしてもよい。また、負極体15のシート状部材21は省略することもできるが、上記の理由により負極体15にもシート状部材21を設けることが好ましい。
また、本実施形態では、正極体13の他方の端部13bにシート状部材21を取り付けて(貼着して)図4(a)に示す状態にした後、正極体13の2つの主面13c,13cのうちシート状部材21で覆われた部分に、正極体13の厚み方向にプレス加工が施されている。つまり、図4(b)に示すように、正極体13のシート状部材21で覆われた部分の厚さTtは、シート状部材21で覆われておらずプレス加工が施されていない部分における正極体13の厚さTeと、シート状部材21の厚さTsの2枚分(Ts×2)とを足し合わせた値よりも小さい値となっている。プレス加工は任意であるが、正極体13のシート状部材21で覆われた部分にプレス加工を施して厚さTtを減らすことにより、より多くの数の正極体13を電池Cの内部に設けることができる。したがって、シート状部材21を設けたことによる電池Cの電池容量の損失を、正極体13の数の増加による電池容量の増加で補うことができる。なお、図4(b)のように正極体13の他方の端部13bをシート状部材21で覆ってから当該部分にプレス加工を施してもよく、他方の端部13bのうちシート状部材21で覆われる部分にプレス加工を施して当該部分の厚みを減らしてから、当該部分をシート状部材21で覆ってもよい。
また、正極体13の他方の端部13bにテーパー加工を施して、当該加工部分の厚みを減らして図4(b)に示す態様とし、その後、厚みを減らした加工部分をシート状部材21で覆ってもよい。図4(b)に示すように、正極体13のシート状部材21で覆われた部分の厚さTtは、シート状部材21で覆われておらずテーパー加工が施されていない部分における正極体13の厚さTeと、シート状部材21の厚さTsの2枚分(Ts×2)とを足し合わせた値よりも小さい値となっている。このように、厚さTtを減らすことにより、より多くの数の正極体13を電池Cの内部に設けることができる。したがって、シート状部材21を設けたことによる電池Cの電池容量の損失を、正極体13の数の増加による電池容量の増加で補うことができる。また、図4(b)に示すようなテーパー加工を施した端部13bに対して、さらにプレス加工を施すことにより、図4(c)に示すように、正極体13のシート状部材21で覆われた部分の厚さTtを、正極体13の厚さTeよりも小さい値とすることもできる。なお、プレス加工に限らず、様々な方法で厚さTtを厚さTeより小さい値とすることができる。これにより、シート状部材21を設けたことによる電池Cの電池容量の損失を、正極体13の数の一層の増加による電池容量の一層の増加で補うことができる。
また、図4(d)に示すように、正極体13のシート状部材21で覆われた部分の厚さTtと、正極体13の厚さTeとが等しい、つまり、シート状部材21の表面とシート状部材21で覆われていない正極体13の主面13cとを同一の平面上に形成してもよい。これにより、図4(b)に示す正極体13よりも、さらに多くの数の正極体13を電池Cの内部に設けることができる。したがって、シート状部材21を設けたことによる電池Cの充放電容量の損失を、正極体13の数の増加による電池容量の増加で効果的に補うことができる。また、シート状部材21で覆われた正極体13は、元の正極体13と形状および寸法が同一であり、電池Cの作製において、シート状部材21で覆わない正極体13と同じように取り扱えるので、電池Cの作製工程を変更する必要がない。 たとえば、正極体13の他方の端部13bをシート状部材21で覆い、当該部分の厚みをTt=Teとなるようにプレス加工を施すことで、シート状部材21の表面と、シート状部材21で覆われていない主面13cとを同一の平面上に形成してもよい。一方、プレス加工を先に行い、正極体13のうちシート状部材21で覆われる部分の厚みを正極体13の厚さTeからシート状部材21の厚さTsの2枚分(Ts×2)を引いた厚み(Te−Ts×2)となるように減らし、それから当該部分をシート状部材21で覆ってもよい。これらに限らず、様々な方法でシート状部材21の表面とシート状部材21で覆われていない正極体13の主面13cとを同一の平面上に形成することができる。
なお、負極体15のセパレータ11の折り曲げ部11aに対向する他方の端部15bをシート状部材21で覆う場合にも、正極体13と同様に、プレス加工やテーパー加工を施してもよい。その詳細は正極体13の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る電池Cによれば、以下の効果が得られる。
上述のように、多孔質の金属製基板を使用して形成した正極体13において、バリの発生しやすい箇所である端面13baと、端面13baと主面13cとの間の角部13bbと、隣接する負極体15に対向する部分である主面13cの一部とを絶縁性素材からなるシート状部材21で一体的に覆うので、極めて効果的に内部短絡の発生を防止することができる。しかも、シート状部材21を一方の主面13c側から端面13baを経て他方の主面13c側に渡って一体的に設けるので、特にこのシート状部材を正極体に貼着する場合には、正極体13からのシート状部材21の位置ずれや脱落が防止され、電池Cの生産性の低下が抑制される。これにより、内部短絡防止をも考慮して設定されていたセパレータ11の厚さを低減することができるので、その分、正極体13の数を増やすことができて電池Cの電池容量を増大できるとともに、電池Cの内部抵抗が低減して充放電性能が向上する。さらには、正極体13の上記部分を覆う絶縁部材を薄いシート状部材21としたので、内部短絡防止用部材を設けることによる電池Cの容量の損失を最小限に抑えることができる。
電池容量に関しては、薄いセパレータを採用できること以外にも、正極基板から正極活物質が脱落することによるバリの発生を防止するために用いるバインダーの含有量を減らし、その分正極活物質量を増やすことができる。これによっても電池容量の増大が可能となる。一例として、シート状部材を使用しない従来仕様のニッケル水素二次電池(電池容量140Ah)をベースとして、正極体と負極体の両方に、端面と、2つの角部と、2つの主面の一部(1.5mm)とを一体的に覆うシート状部材(厚さ50μmのポリプロピレン製のフィルムの片面にアクリル系粘着剤を塗布した絶縁テープ)を取り付けた電池を作製した。従来仕様のニッケル水素二次電池においては、セパレータの厚みを、バリがセパレータを突き破るおそれが低い0.2mmとすることで内部短絡対策を行い、さらにバインダーの含有割合を正極合剤の5重量%とすることで、バリの発生を抑止する対策を行った。ここで、セパレータおよびバインダーによる内部短絡対策が不要になることから、セパレータの厚さを0.2mmから0.1mmに変更し、正極合剤におけるバインダーの含有割合を5重量%から1重量%へ変更した。その結果、電池容量として約20%増の170Ahが得られた。
なお、図4(b),(d)に示すように、正極体13の他方の端部13bにおいて、シート状部材21で覆われる部分(以下、単に「被覆部分」という。)23のみ、正極合剤に対するバインダーの含有割合を増やすようにしてもよい。このような正極体13は、例えば、正極基板の所定の領域に正極合剤を塗布しまたは含浸させることができる従来の極板用コーターを用いて作製することができる。上述のように、正極体13の他方の端部13bにおいて、被覆部分23は充放電には寄与しない。このため、バリの発生しやすい被覆部分23のみバインダーの含有割合を増やすことで、電池Cの電池容量を低減させることなく、バリの発生を効果的に防止することができる。例えば、上述の作成した電池において、シート状部材21で覆われない部分の正極合剤はバインダーを1重量%含み、被覆部分23の正極合剤はバインダーを3重量%含むようにすれば、バリの発生をより効果的に抑止できる正極体13が得られる。この結果、セパレータ11の厚みやシート状部材21の厚みをさらに薄くすることができ、シート状部材21を設けた正極体13の厚みを、プレス加工等によりさらに効果的に薄くすることができるので、電池Cの電池容量を増大させることができる。さらに、正極体13の他方の端部13bにおいて、バインダーの含有割合を増やした正極合剤を固定することにより、バリが発生しやすい部分を小さくすることができ、正極体13の主面13cを覆うシート状部材21の範囲Le(被覆部分23)を小さくすることができるので、電池Cの電池容量を一層増大させることができる。同様に、負極体15においても、シート状部材21で覆われる部分のみ、負極合剤に対するバインダーの含有割合を増やすようにしてもよい。
さらに、図4(b)および(d)に示すように、シート状部材21で覆われない部分(たとえば、主面13c近傍)の正極合剤はバインダーを1重量%含み、被覆部分23の正極合剤は5重量%を超えるバインダーを含むようにした正極体13は、バリの発生しやすい箇所である被覆部分23において、上述の従来仕様のニッケル水素二次電池の正極合剤よりもバインダーを多く含有するため、正極体13に設けるシート状部材21の厚みを一層薄くしても従来仕様のニッケル水素二次電池の正極体に比べバリの発生を効果的に抑止することもできる。
図2において、正極体13の一方の端部13aは、充放電に寄与し、また、正極集電体3と接触するので、絶縁性素材からなるシート状部材21によって覆うことができない。ここで、図4(b)および(d)において、たとえば、正極体13の一方の端部13aから対向方向Xの長さLeの範囲内にある部分に、5重量%を超えるバインダーを含む正極合剤を固定し、正極体13の他の部分(たとえば、主面13c近傍)にはバインダーを1重量%含む正極合剤を固定すると、バリの発生しやすい正極体13の一方の端部13a近傍において、上述の従来仕様のニッケル水素二次電池の正極合剤よりもバインダーを多く含有するため、バリの発生を効果的に抑止することもでき、負極体15のシート状部材21を省略することができる。なお、上述したとおり、正極体13の一方の端部13aの主面等に発生しセパレータ11を突き破ったバリと負極体15との短絡を抑止できる限りにおいて、負極体15のシート状部材21の厚みを薄くでき、バリ対策を簡素なものとできるため、たとえば、正極体13の一方の端部13aから対向方向Xの長さLeの範囲内にある部分に、3重量%のバインダー を含む正極合剤を固定し、正極体13の他の部分(たとえば、主面13c近傍)にはバインダーを1重量%含む正極合剤を固定した場合であっても、端部13aに発生したバリがセパレータ11を突き破り、負極体15と短絡することを十分抑止でき、負極体15のシート状部材21を省略することもできる。この結果、5重量%を超えるバインダーを含む正極合剤を固定した場合よりもバインダー量を少なくできるため、電池Cの電池容量に与える影響を少なくすることができる。もっとも、上述の理由より、負極体15にシート状部材21を設けることが好ましいが、負極体15に設けるシート状部材21の厚みはより一層薄くすることができる。
なお、正極体13の他方の端部13bおよび/または一方の端部13aに配する正極合剤のバインダーの含有割合は、バリの発生の影響や電池Cの電池容量の影響等を考慮し、任意に定め得る。また、バインダーの含有割合の大きい正極合剤を固定する範囲は、バリの発生の影響や電池Cの電池容量の影響等を考慮し、任意に定め得る。ただし、上述したように、他方の端部13bにおいては、図4(b)および(d)に示されるように、被覆部分23にバインダーの含有割合の大きい正極合剤を固定することが好ましい。
なお、バリの発生の抑止の必要性が小さい領域(たとえば、図4(b)および(d)に示される主面13cの近傍)に固定される正極合剤のバインダーの含有割合は、電池Cの電池容量に影響を与えないよう、他方の端部13bや一方の端部13aに固定される正極合剤のバインダーの含有割合より小さくすることが好ましい。また、上述したように、他方の端部13bに固定される正極合剤のバインダーの含有割合は、一方の端部13aに固定される正極合剤のバインダーの含有割合よりも大きいことがより好ましい。
なお、上述の説明において、バリの発生しやすい領域に固定される正極合剤のバインダーと、バリの発生の抑止の必要性が小さい領域に固定される正極合剤のバインダーとは、同じ種類のものを用いたが、バインダーの特性に合わせて異なる種類のものを用いてもよい。例えば、図4(b)および(d)において、正極合剤に同じ重量%のバインダーを含有させる場合、バリの発生しやすい他方の端部13bおよび/または一方の端部13aには、結着力がより高いバインダーを含有する正極合剤を固定し、バリの発生の抑止の必要性が小さい主面13cの近傍には、結着力がより低いバインダーを含有する正極合剤を固定してもよい。このように、正極体13のバリの発生しやすい領域に結着力が高いバインダーを含む正極合剤を固定し、正極体13のバリの発生の抑止の必要性が小さい領域に結着力が低いバインダーを含む正極合剤を固定することによっても、電池Cの電池容量に与える影響を少なくしつつ、正極体13のバリの発生を効果的に抑止することができ、バリ対策を簡素なものとすることができる。
電池Cの電池容量に与える影響や、正極体13のバリの発生の抑止の必要性を考慮し、正極合剤に含有させるバインダーの種類は任意に定めうるが、バリの発生しやすい他方の端部13bおよび/または一方の端部13aに固定される正極合剤が含有するバインダーは、バリの発生を効果的に抑止する観点から、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やスチレン−ブタジエンゴム(SBR)やアイオノマーが好ましい。一方、バリの発生の抑止の必要性が小さい主面13cの近傍に固定される正極合剤が含有するバインダーは、電池Cの電池容量に与える影響の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることが好ましい。
上述の場合においても、他方の端部13bおよび/または一方の端部13aに固定される正極合剤が含有するバインダーの含有割合や、主面13cの近傍に固定される正極合剤が含有するバインダーの含有割合は、電池Cの電池容量に与える影響や、正極体13のバリの発生の抑止の必要性を考慮し、任意に定めうる。
同様に、負極体15においても、バインダーの含有割合やバインダーの種類を変更してもよい。その詳細は正極体13の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態では、電池Cをニッケル水素二次電池として構成した例について説明したが、本発明は、他の種類の角形の一次電池および二次電池にも適用することが可能である。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
なお、本発明には含まれないが、正極体13の他方の端部13bにおける、端面13baと、端面13baと正極体13の2つの主面13c,13cとの間に形成される2つの角部13bb,13bbと、2つの角部13bb、13bbに連なる2つの主面13c,13cの各一部とからなる部分の正極合剤のバインダー含有割合を、正極体13の他の部分における正極合剤のバインダー含有割合よりも大きく設定することにより、従来仕様のニッケル水素二次電池の正極体に比べバリの発生を効果的に抑止することができる。すなわち、例えば、正極体13において、シート状部材21で覆われない部分(たとえば、主面13c近傍)の正極合剤はバインダーを1重量%含み、シート状部材21で覆われる部分23の正極合剤は5重量%を超えるバインダーを含むようにした場合には、バリの発生しやすい箇所である部分23において、上述の従来仕様のニッケル水素二次電池の正極合剤よりもバインダーを多く含有するため、シート状部材21を省いてもよい。
3 正極集電板(正極集電体)
5 負極集電板(負極集電体)
7 枠形部材
11 セパレータ
11a セパレータの折り曲げ部
13 正極体
13ba 正極体の端面
13bb 正極体の角部
13c 正極体の主面
15 負極体
15ba 負極体の端面
15bb 負極体の角部
15c 負極体の主面
21 シート状部材
C 電池
X 正極集電板と負極集電板との対向方向
Y 正極体および負極体の積層方向

Claims (12)

  1. 互いに平行に対向配置された平板状の正極集電体および負極集電体と、
    多孔質の金属製基板に正極活物質を含む正極合剤を固定してなる複数の平板状の正極体であって、前記正極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された正極体と、
    前記複数の正極体間に、これら正極体に対向するように配置され、かつ前記負極集電体にほぼ直交する向きに接触するように配置された、複数の平板状の負極体と、
    前記各正極体と負極体との間に介在する、プリーツ状に折り曲げられたセパレータと、
    前記正極体の前記セパレータの折り曲げ部に対向する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とを一体的に覆う、絶縁性素材からなるシート状部材と
    を備える角形電池。
  2. 請求項1に記載の角形電池において、前記正極体の両主面において、前記シート状部材の表面と、前記シート状部材で覆われていない前記正極体の主面とを同一の平面上に形成してなる角形電池。
  3. 請求項1に記載の角形電池において、前記正極体の前記シート状部材で覆われた部分の厚みを、前記正極体の前記シート状部材で覆われていない部分の厚みよりも薄く形成してなる角形電池。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の角形電池において、前記負極体が、多数の貫通孔を有する平板状の金属製基板に負極活物質を含む負極合剤を固定してなり、前記負極体の前記セパレータに対向する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とが、絶縁性素材からなるシート状部材によって一体的に覆われている角形電池。
  5. 請求項4に記載の角形電池において、前記負極体を一体的に覆う前記シート状部材の厚みが、前記正極体を一体的に覆う前記シート状部材の厚みよりも薄い角形電池。
  6. 請求項4または5に記載の角形電池において、前記負極体の両主面において、前記シート状部材の表面と、前記シート状部材で覆われていない前記負極体の主面とを同一の平面上に形成してなる角形電池。
  7. 請求項4または5に記載の角形電池において、前記負極体の前記シート状部材で覆われた部分の厚みを、前記負極体の前記シート状部材で覆われていない部分の厚みよりも薄く形成してなる角形電池。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の角形電池において、前記正極合剤はバインダーを含み、前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合は、前記正極体において前記シート状部材で覆われない部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きい角形電池。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載の角形電池において、前記正極合剤はバインダーを含み、前記正極体の前記正極集電体と接触する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とからなる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合は、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きい角形電池。
  10. 請求項1から7のいずれか一項に記載の角形電池において、前記正極合剤はバインダーを含み、前記正極体の前記正極集電体と接触する側の端部において、端面と、端面と両主面との間に形成される角部と、角部に連なる両主面の一部とからなる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合、および前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合は、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対するバインダーの含有割合よりも大きい角形電池。
  11. 請求項1から7のいずれか一項に記載の角形電池において、前記正極合剤は所定割合のバインダーを含み、前記正極体において前記シート状部材で覆われる部分に固定された前記正極合剤に対する第1のバインダーは、前記正極体の他の部分に固定された前記正極合剤に対する第2のバインダーよりも、結着力が高いバインダーである角形電池。
  12. 請求項11に記載の角形電池において、前記第1のバインダーは、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエンゴムまたはアイオノマーであり、前記第2のバインダーは、ポリテトラフルオロエチレンである角形電池。
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