JP2015212327A - 筆記具用水性インク組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、摩擦熱等の熱により容易に描線を消去できるため、意図的もしくは予期せぬ記録の改竄が問題となっている。
このような改竄を簡易に判別するためには、筆記後の描線を再発色させることで可能となるが、再発色温度は概ね0℃未満に設定されているため、別途冷却装置が必要となり簡易に判別できないものである。
上記特許文献3は、本発明の近接技術を開示するものであるが、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物と、特定の可逆熱変色性組成物を共に内包した二成分が内包されたマイクロカプセル顔料を使用するものであるので、光変色性と熱変色性の各機能を一定以上の品質に維持することが難しく、また、経時的に光変色性と熱変色性の各機能の一方、または両方が低下したりする課題があり、更なる改善等の余地があるのが現状であった。
経時安定性、筆記性能を損なうことなく、熱変色性色材と光変色性色材の各機能を高度に両立せしめて熱変色性色材による意図的若しくは予期せぬ筆記描線や記録の改竄などの問題を簡易に判別できる筆記具用水性インク組成物を提供することを目的とする。
(1) 熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料とを少なくとも含有し、光変色性マイクロカプセル顔料は室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであり、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
(2) 上記(1)に記載の筆記具用水性インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
本発明の筆記具用水性ンク組成物は、熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料とを少なくとも含有し、光変色性マイクロカプセル顔料は室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであり、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有することを特徴とするものである。
本発明に用いる熱変色性色材となる熱変色性マイクロカプセル顔料としては、摩擦熱等の熱により変色するもの、例えば、有色から無色、有色から有色、無色から有色などとなる機能を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、少なくともロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を含む熱変色性組成物を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
具体的には、6−(ジメチルアミノ)−3,3−ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1(3H)−イソベンゾフラノン、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノフルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N-−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メトキシ−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、クロロ−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン、3−メトキシ−4−ドデコキシスチリノキノリン、などが挙げられ、これらは、少なくとも1種用いることができる。
これらのロイコ染料は、ラクトン骨格、ピリジン骨格、キナゾリン骨格、ビスキナゾリン骨格等を有するものであり、これらの骨格(環)が開環することで発色を発現するものである。
好ましくは、熱により有色から無色となるロイコ色素の使用が望ましい。
用いることができる顕色剤としては、具体的には、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、ヘキサフルオロビスフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス( 4'−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4'−ヒドロキシフェニル)n−ノナンなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができる変色温度調整剤は、従来公知のものが使用可能である。具体的には、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などが挙げられる。
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート(C7H15)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジラウレート(C11H23)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタンジミリステート(C13H27)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジパルミテート(C15H30)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジベヘネート(C21H43)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエチルヘキシリデンジミリステート(C13H27)等の少なくとも1種が挙げられる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いる熱変色性マイクロカプセル顔料は、上記ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度(例えば、0℃以上で発色)、消色温度(例えば、50℃以上で消色)を好適な温度に設定することができ、好ましくは、摩擦熱等の熱により有色から無色となる熱変色性マイクロカプセル顔料の使用が望ましい。
マイクロカプセル色材の壁膜の厚さは、必要とする壁膜の強度や描線濃度に応じて適宜決められる。
なお、壁膜がアミノ樹脂で形成するためには、各マイクロカプセル化法を用いる際に、好適なアミノ樹脂原料(メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、並びに、分散剤、保護コロイドなどを選択する。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、3μmを越えると、筆記性の劣化や熱変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.2〜3μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
本発明に用いる光変色性色材となる光変色性マイクロカプセル顔料としては、室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有するものであれば、特に限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、光変色性色素となり、上記特性を有するフォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素を、マイクロカプセル化したものが挙げられる。
本発明において、「室内照明環境」としては、例えば、部屋などの室内での白熱灯、蛍光灯、ランプ、白色LEDなどから選ばれる照明器具によるものであり、「紫外線照射環境」としては、紫外線(200〜400nm波長)の照射、例えば、ブラックライトによる照射環境、紫外線を含む太陽光での照射環境などが挙げられる。
本発明では、上記フォトクロミック色素(化合物)、蛍光色素などから選択される1種以上を好適に用いることができ、市販品があれば、それを使用してもよいものである。
マイクロカプセル化法としては、上述の熱変色性マイクロカプセル顔料の製造と同様に調製することができ、例えば、水溶液からの相分離法では、フォトクロミック色素(化合物)などを、ジエチレングリコール、メチルエチルケトン、フェニルグリコールなど有機溶剤などと共に、加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、樹脂原料などを使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより目的の室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有する光変色性のマイクロカプセル顔料を製造することができる。
この平均粒子径が0.2μm未満であると、十分な描線濃度が得られず、一方、3μmを越えると、筆記性の劣化や光変色性マイクロカプセル顔料の分散安定性の低下が発生し、好ましくない。
なお、上記平均粒子径の範囲(0.2〜3μm)となるマイクロカプセル顔料は、マイクロカプセル化法により変動するが、水溶液からの相分離法などでは、マイクロカプセル顔料を製造する際の攪拌条件を好適に組み合わせることにより調製することができる。
例えば、熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が大きい場合(2μm)であると、光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が50%以上、具体的には1μm以上、好ましくは1.4μm以上であることを意味し、また、光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が大きい場合(例えば1.8μm)であると、熱変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が50%以上、具体的には0.9μm以上、好ましくは1.26μm以上であることを意味するものである。
この両者の平均粒子径が大きい粒子に対して50%未満となる平均粒子径を有するものであると、両顔料が密充填状態となりやすく流動性の低下が生じ、インクの粘度が上がりやすくなり、好ましくないものとなる。
このため、本発明において、用いる熱変色性マイクロカプセル顔料と光変色性マイクロカプセル顔料との平均粒子径は、共に0.2〜3μmの範囲となり、この範囲内の両マイクロカプセル顔料の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径となるものを選択してインク組成物中に含有せしめることにより、本発明の効果を好適に発揮せしめることができるものとなる。
本発明の筆記具用水性インク組成物は、上記構成の熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料とを少なくとも含有し、光変色性マイクロカプセル顔料は室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであり、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径となることを特徴とするものであり、ボールペン、マーキングペン等の筆記具用水性インク組成物として用いることをでき、履歴確認用、偽造防止用、真偽判別用、隠しメッセージ用などとして好適に用いることができる。
これらの上記用途(タイプ)別の各含有量が上記範囲の下限(0.1質量%、5質量%)未満であると、一般的に、着色力、発色性が不十分となることがあり、一方、上記用途(タイプ)別の合計含有量が60質量%を超えると、一般的に、インクの流動性が悪くなることがある。
本発明の筆記具用水性インク組成物及び筆記具では、熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料とを少なくとも含有し、光変色性マイクロカプセル顔料は室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであり、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有するものを含む水性のインクを処方し、このインクを搭載したボールペン体、マーキングペン体などの筆記具にて紙面、書類等に筆記、描画等した場合、経時安定性、筆記性能を損なうことなく、熱変色性色材となる熱変色性マイクロカプセル顔料による意図的若しくは予期せぬ筆記描線や記録の改竄などの問題を室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有する光変色性マイクロカプセル顔料により簡易に判別できるため、履歴確認用、偽造防止用、真偽判別用、隠しメッセージ用などとして好適に用いることができるものとなる。
上記隠しメッセージ用としては、例えば、送り手側が、隠しメッセージやパスワードなどを書類などの特定箇所に記入後、描線を熱消去させる。受領側が当該特定箇所を紫外線照射等の紫外線照射環境におくことでメッセージが読み取り可能とする使用形態など挙げられる。
従来の熱変色性色材と光変色色材の二成分内包のマイクロカプセル顔料では、例えば、光変色性マイクロカプセル顔料で有用な酸化防止剤を熱変色性マイクロカプセルに含有せしめると、熱温度特性が変化してしまうため、好ましくない形態となり、一定品質を保つ設計とすることが難しくなり、また、微粒子化も難しくなるものであった。
これに対して、本発明では、熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料との二成分を必須とした上で、更に、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径を、共に0.2〜3μmとすると共に、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有するものとすることにより、熱変色、光変色の特性に応じた機能を効果的に発揮でき、また、更なる微粒子化も可能となるものであり、より各顔料の色相濃度が高く、経時安定性、筆記性能を損なうことなく、熱変色性色材による意図的若しくは予期せぬ筆記描線や記録の改竄などの問題を光変色性色材で消去履歴等を簡易に判別できる筆記具用水性ンク組成物が得られるものとなる。
下記表1のA−1、A−2及びA−7に示される各量となるロイコ色素、顕色剤、及び変色性温度調整剤の組み合わせにて熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
具体的には、A−1では、ロイコ色素として、メチル−3’,6’−ビスジフェニルアミノフルオラン1部、顕色剤として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン2部、及び変色性温度調整剤として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンジカプリレート24部を100℃に加熱溶融して、均質な組成物27部を得た。
上記で得た組成物27部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にしてA−1の熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
上記A−1と同様にして、下記表1のA−2及びA−7に示される熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
得られたA−1、A−2及びA−7の平均粒子径、明所(25℃)での色相(発色状態)(50℃以上で消色)を下記表1に示す。
下記表1のA−3〜A−6及びA−8に示される各量となる光変色性色素(フォトクロミック色素、蛍光色素)及び溶剤の組み合わせにて光変色性マイクロカプセル顔料を得た。
具体的には、A−3では、光変色性色素として、1,3,3−トリメチルインドリノ−6’−(1−ピペリジニル)スピロナフソザジン3部、ジエチレングリコールジベンゾエート10部、およびメチルエチルケトン10部を80℃に加熱溶融して、均質な組成物23部を得た。
上記で得た組成物23部の均一な熱溶液にカプセル膜剤として、イソシアネート10部及びポリオール10部を加えて攪拌混合した。次いで、保護コロイドとして12%ポリビニルアルコール水溶液60部を用いて、25℃で乳化して分散液を調製した。次いで、5%の多価アミン5部を用いて、80℃で60分間処理してマイクロカプセルを得た。
以上の手順により得たマイクロカプセル化した水分散体をスプレードライすることでパウダー状にしてA−3の光変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
上記A−3と同様にして、下記表1のA−4〜A−6及びA−8に示される室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有する各熱変色性マイクロカプセル顔料を製造した。
得られたA−3〜A−6及びA−8の平均粒子径、紫外線照射環境での色相(発色状態)を下記表1に示す。
(インクの処方)
上記製造例で得られた各熱変色性、光変色性マイクロカプセル顔料(A−1〜A−8)を用いて下記表2に示す配合処方(全量100質量%)にしたがって、常法により各水性のボールペン用水性インク組成物を調製した。
上記で得られた各インク組成物を用いて水性ボールペンを作製した。具体的には、ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:UF−202〕の軸を使用し、内径3.8mm、長さ90mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.5mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各水性インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、水性ボールペンを作製した。
得られた実施例1〜6及び比較例1〜2の各水性ボールペンを用いて、下記評価方法で消色性、発色性の評価を行った。
これらの結果を下記表2に示す。
上記ペンを用いて直径約3cmの円をPPC用紙に筆記後、65℃において3分間保管した後、蛍光灯、白色LED、および白熱灯の照射下において下記評価基準に基づいて評価した。
評価基準:
○:完全に消色した。
△:消え残りがやや観察された。
×:はっきりとした消え残りが観察された。
上記消色性の評価によって消色した用紙を、太陽光およびブラックライト(315〜400nm)にそれぞれ3秒照射後、下記評価基準に基づいて評価した。
評価基準:
○:光発色性色素由来の描線が強く認識できる。
×:光発色性色素由来の描線が認識できない。
比較例1は、熱変色性マイクロカプセル顔料と光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであっても、両者の平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有しないため、インク流動性が悪く、評価不能となるものであり、比較例2は、光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が本発明の範囲外となるものであるため、光変色性マイクロカプセル顔料の発色性が劣るものであった。
従って、本発明の筆記具用水性インク組成物は、経時安定性、筆記性能を損なうことなく、熱変色性色材による意図的若しくは予期せぬ筆記描線や記録の改竄などの問題を光変色性色材で消去履歴等を簡易に判別でき、履歴確認用、偽造防止用、真偽判別用、隠しメッセージ用などとして好適となることが確認された。
Claims (2)
- 熱変色性マイクロカプセル顔料と、光変色性マイクロカプセル顔料とを少なくとも含有し、光変色性マイクロカプセル顔料は室内照明環境において無色であり、紫外線照射環境で発色する性質を有し、前記熱変色性マイクロカプセル顔料と前記光変色性マイクロカプセル顔料の平均粒子径が、共に0.2〜3μmであり、両者の平均粒子径は平均粒子径が大きい粒子に対して50%以上の平均粒子径を有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
- 請求項1に記載の筆記具用水性ンク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
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