JP2015204935A - ダストコントロールマット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性パイル繊維11で構成されたパイル糸を基布19に植設してパイル12に形成したパイル布帛を表面材とするダストコントロールマットのパイル面に、パイル12の先端が熱溶融して窪み、熱溶融したパイル繊維11の溶融塊16が表面に固着した凹部17を形成し、その凹部17のパイルの先端において隣り合うパイル繊維11とパイル繊維11を溶融塊16を介して連結すると共に、凹部17において隣り合うパイル12とパイル12の間も溶融塊16を介して連結する。パイル繊維間を連結している溶融塊16が凹部17の内部は、細かい起伏のある梨地模様にする。
【選択図】図1
Description
この溶融塊16は、パイル繊維11に比して硬く、パイル層13に押し上げられるようにパイル面に介在して靴裏に弾性的に触れ、靴裏に付着している塵埃を掻き取るので、ダストコントロールマットの塵埃捕捉効果が高まる。
従って、個々のパイル繊維11の先端に発生する溶融塊16は左程大きくなくてもよく、その粒径は、パイル繊維11の太さの5倍以下であってもよい。
耐熱水洗性水性塗料51の乾燥塗膜は、レーザー光線を照射して溶融塊16を形成してからパイル布帛14を洗浄装置64に通して水洗除去し、乾燥機65に通してパイル布帛14を乾燥する(図23参照)。
隣り合うパイル12とパイル12の間に残される隙間42を細かくしたい場合には、螺旋状撚目を有しない無撚マルチフイラメント糸をパイル糸に使用するとよい。
パイル12は、カットパイルでもループパイルでもよい。
そのボーダー柄81は、パイル布帛14の周辺に沿って密接して連続する凹部17によって描出される連続柄82とすることが出来る(図7参照)。
図12〜14において、符号53はレーザー光線を発振する発振器、54はレーザー光線を集光する照射レンズ、55はレーザー光線を布帛の表面に導く反射板、56はレーザー光線の光路の距離を演算する光路演算手段を示す。
そのようにパイル布帛をレーザー光線照射装置に通して毛焼き処理を行うと、バーナーによる毛焼き処理のように表面毛羽がフィルム状に溶融してパイル面の風合いが損なわれることがなく、パイル面が綺麗に仕上がる。
目付け120g/m2 のポリエステル繊維性不織布を基布とし、単繊維繊度が10dtexで総繊度が1370dtexの原着ナイロン繊維マルチフイラメント糸をパイル糸とし、ニードル間ゲージ25.4mm(1/8吋ゲージ)のカットパイル用タフテッド機においてパイル植設密度(ステッチゲージ)を9ステッチ/25.4mmとしてタフティングし、パイル長10mm・パイル目付け900g/m2 のタフテッドパイル布帛を得た。
このパイル布帛の裏面にプレコートとしてニトリルブタジエンラテックスコンパウンドを塗布して乾燥し、次いでパイル面に硼砂と炭酸水素ナトリウムとアルギン酸ナトリウムを主材とする固形分濃度5質量%の前処理剤水溶液をスプレー装置によって300g/m2 塗布して乾燥し、平均出力が800Wでレーザー光線の波長が10.6μm、レーザー光線移動速度4000mm/分、マーク線太さ0.4mmのイタリヤ・ハイテック社製の炭酸ガスレーザー光線照射装置に通してレーザー光線を模様状に照射し、パイル面のパイル繊維を加熱して溶融塊を模様状にパイル面に形成し、次いで、水洗して前処理剤を洗浄除去し、乾燥機に通して仕上げた。
前処理剤水溶液のスプレー乾燥後のカットパイルは、先端が前処理剤の乾燥塗膜に固められて尖端形を成しており、その先端だけがレーザー光線に加熱されて溶融塊が発生し、その溶融塊によって尖端形にセットされ、水洗されて前処理剤の固形分が溶解除去されてカットパイルが膨らみを回復してペンシルポイント形を呈した。
レーザー光線の照射時にレーザー光線の出力を変化させた凹部には、カットパイルの先端のパイル繊維の熱収縮の度合いの変化によって斜面が形成された。
12:パイル
13:パイル層
14:パイル布帛
15:パイル面
16:溶融塊
17:凹部
18:凸部
19:基布
20:レーザー光線
23:斜面
26:頂点
27:底点
31:走査地帯
41:繊維間間隔
42:パイル間間隔
53:発振器
54:照射レンズ
55:反射板
56:演算装置
61:スプレー装置
62:乾燥機
63:照射装置
64:洗浄装置
65:乾燥機
71:細線
72:縞筋
73:地模様
81:ボーダー柄
82:連続柄
91:点字標識
D :粒径
E :ボーダー幅
F :ボーダー間隔
G :間隔
J :細線幅
L :傾斜長さ
M :間隔
S :傾斜方向
W :搬送方向の直角方向(幅方向)
X :走査方向
Y :直角方向
Z :搬送方向(長さ方向)
θ :傾斜角度
この溶融塊16は、パイル繊維11に比して硬く、パイル層13に押し上げられるようにパイル面に介在して靴裏に弾性的に触れ、靴裏に付着している塵埃を掻き取るので、ダストコントロールマットの塵埃捕捉効果が高まる。
従って、個々のパイル繊維11の先端に発生する溶融塊16は左程大きくなくてもよく、その粒径は、パイル繊維11の太さの5倍以下であってもよい。
目付け120g/m2 のポリエステル繊維性不織布を基布とし、単繊維繊度が10dtexで総繊度が1370dtexの原着ナイロン繊維マルチフイラメント糸をパイル糸とし、ニードル間ゲージ25.4mm(1/8吋ゲージ)のカットパイル用タフテッド機においてパイル植設密度(ステッチゲージ)を9ステッチ/25.4mmとしてタフティングしパイル長10mm・パイル目付け900g/m2 のタフテッドパイル布帛を得た。
このパイル布帛の裏面にプレコートとしてニトリルブタジエンラテックスコンパウンドを塗布して乾燥し、次いでパイル面に硼砂と炭酸水素ナトリウムとアルギン酸ナトリウムを主材とする固形分濃度5質量%の前処理剤水溶液をスプレー装置によって300g/m2 塗布して乾燥し、平均出力が800Wでレーザー光線の波長が10.6μm、レーザー光線移動速度4000mm/分、マーク線太さ0.4mmのイタリヤ・ハイテック社製の炭酸ガスレーザー光線照射装置に通してレーザー光線を模様状に照射し、パイル面のパイル繊維を加熱して溶融塊を模様状にパイル面に形成し、次いで、水洗して前処理剤を洗浄除去し、乾燥機に通して仕上げた。
前処理剤水溶液のスプレー乾燥後のカットパイルは、先端が前処理剤の乾燥塗膜に固められて尖端形を成しており、その先端だけがレーザー光線に加熱されて溶融塊が発生し、その溶融塊によって尖端形にセットされ、水洗されて前処理剤の固形分が溶解除去されてカットパイルが膨らみを回復してペンシルポイント形を呈した。
レーザー光線の照射時にレーザー光線の出力を変化させた凹部には、カットパイルの先端のパイル繊維の熱収縮の度合いの変化によって斜面が形成された。
12:パイル
13:パイル層
16:溶融塊
17:凹部
19:基布
21:下撚単糸
22:螺旋状撚目
41:繊維間間隔
42:パイル間間隔
12:パイル
13:パイル層
16:溶融塊
17:凹部
19:基布
21:下撚単糸
22:螺旋状撚目
41:隙間
42:隙間
Claims (22)
- 熱可塑性パイル繊維(11)で構成されたパイル糸を基布(19)に植設してパイル(12)に形成したパイル布帛を表面材とするダストコントロールマットにおいて、
パイル(12)の先端が熱溶融して窪み、熱溶融したパイル繊維(11)の溶融塊(16)が表面に固着した凹部(17)が形成されており、
その凹部(17)のパイルの先端において隣り合うパイル繊維(11)とパイル繊維(11)が溶融塊(16)を介して連結されており、
その凹部(17)において隣り合うパイル(12)とパイル(12)の間も溶融塊(16)を介して連結されており、
パイル繊維間を連結している溶融塊(16)が凹部(17)の内部に細かい起伏のある梨地模様を形成しているダストコントロールマット。 - パイル繊維(11)が繊維ポリマーに顔料を練り込んで紡糸した原着合成繊維である請求項1のダストコントロールマット。
- パイル(12)がカットパイルである請求項1と2の何れかのダストコントロールマット。
- パイル糸が単繊維繊度20dtex以下のパイル繊維(11)によって構成されるマルチフイラメント糸であり、
パイル(12)が無撚状態であって周側面に合撚による螺旋状撚目を有しない請求項3のダストコントロールマット。 - パイル糸が下撚を有する複数本の下撚単糸(21)に上撚を加えて合撚された合撚糸であり、パイル(12)が周側面に合撚による螺旋状撚目(22)を有する請求項3のダストコントロールマット。
- パイル(12)がループパイルである請求項1と2の何れかのダストコントロールマット。
- パイル布帛が矩形に縁取られており、その矩形の一辺に平行に走査するレーザー光線にパイル面が加熱されて凹部(17)が形成されている請求項1〜6の何れかのダストコントロールマット。
- 矩形に縁取られたパイル布帛(14)の一辺、二辺、三辺、又は、全周四辺が凹部(17)によって描出されるボーダー柄(81)に装飾されている請求項7のダストコントロールマット。
- ボーダー柄(81)がパイル布帛(14)の周辺に沿って密接して連続する凹部(17)によって描出される連続柄(82)に装飾されている請求項8のダストコントロールマット。
- レーザー光線(20)の照射箇所が走査痕跡として幅0.3〜2.5mmの細線となって残る走査方向(X)の直角方向(Y)に、走査方向(X)に平行な複数条の細線が緻密に並んだ凹部(17)が、レーザー光線の走査方向(X)に連なる走査地帯(31)を形成している請求項7のダストコントロールマット。
- 走査地帯(31)のレーザー光線の走査方向Xに隣り合う凹部(17)と凹部(17)が密接して帯状に連なっている請求項10のダストコントロールマット。
- 走査地帯(31)のレーザー光線の走査方向(X)に隣り合う凹部(17)と凹部(17)の間に隙間があって、その走査方向(X)に凹部(17)が飛び飛びに飛び石状に連なっている請求項10のダストコントロールマット。
- パイル布帛が矩形に縁取られており、その矩形の直交する二辺のそれぞれに平行に走査地帯(31)が形成されている請求項10、11、12の何れかのダストコントロールマット。
- パイル布帛のパイル面がレーザー光線の照射を受けて加熱され、パイル繊維の先端が熱溶融して窪み、パイル繊維の溶融塊が表面に固着した凹部(17)がパイル面(15)に形成されており、基布(19)に対して20度以下の傾斜角度(θ)で傾斜し、その傾斜方向(S)に傾斜の頂点(26)から傾斜の底点(27)へと続く長さ(L)が15mm以上の斜面(23)が凹部(17)の内部に形成されている請求項10、11、12、13の何れかのダストコントロールマット。
- 凹部(17)によって視覚障害者を誘導する点字標識(91)がパイル面(15)に表示されている請求項7のダストコントロールマット。
- パイル布帛のパイル面がレーザー光線の照射を受けて加熱され、パイル繊維の先端が熱溶融して窪み、パイル繊維の溶融塊が表面に固着した凹部(17)がパイル面(15)に形成されており、基布(19)に対して20度以下の傾斜角度(θ)で傾斜し、その傾斜方向(S)に傾斜の頂点(26)から傾斜の底点(27)へと続く長さ(L)が15mm以上の斜面(23)が凹部(17)の内部に形成されている請求項15のダストコントロールマット。
- パイル面(15)に現れる溶融塊(16)の粒径(D)が2mm以下であり、凹部(17)が0.3〜2.5mmの幅(J)の細線(71)を描いており、且つ、凹部(17)がレーザー光線の走査方向の直角方向に5〜50mmの間隔(M)の縞筋(72)を形成してパイル面の全面に分布している請求項7のダストコントロールマット。
- 縞筋(72)に地模様(73)が細線(71)によって描かれている請求項17のダストコントロールマット。
- パイル糸が単繊維繊度20dtex以下のマルチフイラメント糸であり、パイルが無撚りの開毛状態である請求項17、18の何れかのダストコントロールマット。
- 搬送される長尺資材の幅方向にレーザー光線が走査し、そのレーザー光線の照射箇所の走査痕跡を長尺資材の表面に残すレーザー光線照射装置のレーザー光線照射箇所にパイル布帛を通してパイル繊維を加熱溶融して溶融塊が固着した凹部(17)をパイル布帛の幅方向Wに連ねるパイル布帛の仕上加工の過程において、パイル布帛(14)の搬送速度を間欠的に変え、レーザー光線を常時パイル面に向けて照射し続け、
(1) パイル布帛の低速搬送箇所にはレーザー光線の走査方向(X)の直角方向(Y)に凹部(17)が緻密に並んでレーザー光線の走査方向(X)に続く走査地帯(31)を形成し、
(2) パイル布帛の高速搬送箇所を、レーザー光線(20)の照射箇所をパイル布帛の搬送方向(Z)を斜めに横切るパイル布帛の斜め方向に移動させ、高速搬送箇所における凹部(17)の発生密度を粗くし、高速搬送箇所の凹部を目立たなくし、以て、走査地帯(31)に比して高速搬送箇所の凹部の発生密度が粗く、且つ、走査地帯の凹部に比して高速搬送箇所を相対的に隆起させ、パイル布帛の搬送方向(Z)の直角方向(W)に続く凸部(18)として高速搬送箇所を残すダストコントロールマットの仕上加工法。 - 搬送される長尺資材の幅方向にレーザー光線が走査し、そのレーザー光線の照射箇所の走査痕跡を長尺資材の表面に残すレーザー光線照射装置のレーザー光線照射箇所にパイル布帛を通してパイル繊維を加熱溶融して溶融塊が固着した凹部(17)をパイル布帛の幅方向(W)に連ねるパイル布帛の仕上加工の過程において、レーザー光線をパイル面に間欠的に照射すると共にパイル布帛(14)の搬送速度を間欠的に変え、
(1) レーザー光線の照射時には、パイル布帛を低速搬送し、レーザー光線の走査方向(X)の直角方向(Y)に凹部(17)が緻密に並んでレーザー光線の走査方向(X)に続く走査地帯(31)を形成し、
(2) レーザー光線の照射停止時には、パイル布帛を高速搬送し、そのパイル布帛の高速搬送箇所を、凹部(17)が形成されず、凹部(17)が形成されている走査地帯(31)に比して相対的に隆起してパイル布帛の搬送方向(Z)に続く凸部(18)として残すダストコントロールマットの仕上加工法。 - 搬送される長尺資材の幅方向にレーザー光線が走査し、そのレーザー光線の照射箇所の走査痕跡を長尺資材の表面に残すレーザー光線照射装置のレーザー光線照射箇所にパイル布帛を通してパイル繊維を加熱溶融して溶融塊が固着した凹部(17)をパイル布帛の幅方向(W)に連ねるパイル布帛の仕上加工の過程において、レーザー光線を間欠的に照射し、
(1) レーザー光線の照射時には、レーザー光線の走査方向(X)の直角方向(Y)に凹部(17)が緻密に並んでレーザー光線の走査方向(X)に続く走査地帯(31)を形成し、
(2) レーザー光線の照射停止時には、パイル布帛(14)を高速に搬送して走査地帯(31)の凹部(17)に比して相対的に隆起して搬送方向(Z)の直角方向(W)に続くパイル面を凸部(18)として残すダストコントロールマットの仕上加工法。
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