JP2015199290A - 相分離構造を含む構造体の製造方法及びトップコート膜の成膜方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ブロックコポリマーの相分離構造を利用するためには、ミクロ相分離により形成される自己組織化ナノ構造を、特定の領域のみに形成し、かつ、所望の方向へ配列させることが必須となる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって、相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーや、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシー等のプロセスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
TCプロセスにおいては、トップコートの成膜時に下層のブロックコポリマーが溶解してしまうことを防ぐため、トップコート材料の溶媒には、ブロックコポリマーが溶解しない溶媒、例えば水を含む溶媒が採用されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、成膜性に優れたトップコート材料を用いた、相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第二の態様は、支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、前記ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程と、を含み、前記トップコート材料が、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする、トップコート膜の成膜方法である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH2−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基(Rα0)は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。また、置換基(Rα0)がエステル結合を含む置換基で置換されたイタコン酸ジエステルや、置換基(Rα0)がヒドロキシアルキル基やその水酸基を修飾した基で置換されたαヒドロキシアクリルエステルも含むものとする。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
アクリルアミドは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、アクリルアミドのアミノ基の水素原子の一方または両方が置換基で置換されていてもよい。なお、アクリルアミドのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリルアミドのカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリルアミドのα位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたもの(置換基(Rα0))と同様のものが挙げられる。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「スチレンから誘導される構成単位」、「スチレン誘導体から誘導される構成単位」とは、スチレン又はスチレン誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
本発明は、支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、前記ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程と、前記トップコート膜が形成されたブロックコポリマーを含む層を、熱アニールによって相分離させる工程とを含み、前記トップコート材料が、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする、相分離構造を含む構造体の製造方法である。
<支持体>
まず、支持体1を用意する(図1(a))。
支持体1は、その表面上に感光性樹脂膜やブロックコポリマーを含む溶液を塗布し得るものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属、ガラス、酸化チタン、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板、アクリル板、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機化合物からなる基板などが挙げられる。
また、本発明において用いられる支持体1の大きさや形状は、特に限定されるものではない。支持体1は必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な材質や形状の基板を適宜選択することができる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの様々な形状のものまで多様に用いることができる。
洗浄処理としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。例えば、基板を硫酸/過酸化水素水溶液等の酸溶液に浸漬させた後、水洗し、乾燥させる。その後、当該基板の表面に、ブロックコポリマーを含む層を形成することができる。
・ブロックコポリマー
本発明においてブロックコポリマーとは、同種の構成単位のみが結合した部分構成成分(ブロック)が、複数結合した高分子である。本発明においては、中でもSi含有ブロックを含有するものを用いることが好ましい。ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。本発明においては、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、Si含有ブロックと、非Si含有ブロックとの組み合わせであることが好ましく、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。また、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも、容易に選択的に除去可能な組み合わせであることが好ましい。容易に選択的に除去可能な組み合わせとしては、エッチング選択比が1よりも大きい、1種又は2種以上のブロックとが結合したブロックコポリマーが挙げられる。
ブロックコポリマーの周期は、重合度N、及び、フローリー−ハギンズ(Flory−Huggins)の相互作用パラメータχ、などの固有重合特性によって決まる。すなわち、「χN」が大きくなるほど、ブロックコポリマーにおける異なるブロック間の相互反発は大きくなる。このため、χN>10(以下「強度分離限界点」という)のときには、ブロックコポリマーにおける異種類のブロック間の反発が大きく、相分離が起こる傾向が強くなる。そして、強度分離限界点においては、ブロックコポリマーの周期は、およそN2/3χ1/6となる。つまり、ブロックコポリマーの周期は、分子量Mnと、異なるブロック間の分子量比と、に相関する重合度Nに比例する。従って、用いるブロックコポリマーの組成及び総分子量を調整することにより、ブロックコポリマーの周期を容易に調節することができる。
本発明において、好適に用いられるSi含有ブロックについて説明する。
Si含有ブロックとしては、Siを有する構成単位のブロックであれば特に限定されず、例えば、下記一般式(a00−1)又は(a00−2)で表される構成単位、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位のブロック、又は後述するかご型シルセスキオキサン(POSS)構造含有構成単位等が挙げられる。
ヘテロ原子を有していてもよい2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記へテロ原子を含む2価の連結基が−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−の場合、そのHはアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
La1において、ヘテロ原子としては酸素原子が好ましい。本発明において、La1としては、単結合、或いはエステル結合[−C(=O)−O−]、エーテル結合(−O−)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基又はこれらの組合せであることが好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子およびハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
前記へテロ原子を含む2価の連結基が−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−の場合、そのHはアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記2価の連結基としての説明で挙げた「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
スチレン又はその誘導体としては、たとえば、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、1−ビニル−2−ピロリドン、9−ビニルアントラセン、ビニルピリジン等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのなかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
R0における1価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましく、1価の脂肪族飽和炭化水素基(アルキル基)であることがより好ましい。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソブチル基がより好ましく、エチル基又はイソブチル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
V0における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族基を有する構成単位、(α置換)アクリル酸、又は(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位の割合が前記の好ましい範囲内であると、支持体表面に対して垂直方向に配向したシリンダー状の相分離構造が得られやすい。
またブロックコポリマーの分散度(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.0〜1.5がより好ましく、1.0〜1.3がさらに好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
ブロックコポリマーを含有する組成物は、上記ブロックコポリマーを有機溶剤に溶解して作製することができる。有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内である。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
ブロックコポリマーを含有する組成物中の有機溶剤の使用量は特に限定されるものではなく、塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはブロックコポリマーの固形分濃度が0.2〜70質量%、好ましくは0.2〜50質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明は、前記[支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程]の後に、トップコート材料を、ブロックコポリマーを含む層上に塗布してトップコート膜を形成するトップコート膜形成工程を有する。
トップコート膜形成工程においては、例えば、図1(c)に示すように、トップコート材料を、ブロックコポリマーを含む層2上に塗布してトップコート膜を形成するトップコート膜3を形成するとよい。
前記ブロックコポリマーを含む層2上に、該トップコート材料を用いてトップコート膜3を設けることにより、該層の表面状態を良好にコントロールでき、より安定に相分離させることができる。
本発明において、トップコート膜3の形成は、たとえば、前記ブロックコポリマーを含む層2上に、該トップコート材料を、スピンナー等を用いて塗布することにより実施できる。該塗布の後、ベーク処理を行ってもよい。その際、加熱温度を80〜280℃とすることが好ましく、加熱時間を10〜600秒間とすることが好ましい。
ブロックコポリマーを含む層2上に形成されるトップコート膜3の厚さは、2〜500nmであることが好ましく、より好ましくは厚さ5〜200nmであり、さらに好ましくは厚さ10〜100nmであ。トップコート膜3の厚さが前記の好ましい範囲内にあることで、外部環境の影響を充分に遮断することができ、相分離がより良好に起こりやすくなる。
本発明の相分離構造を含む構造体の製造方法において用いるトップコート材料、及び用いることが好ましいトップコート材料について説明する。
本発明においてトップコート材料は、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む構成単位(Tc1)を有する高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有する(以下「トップコート材料(1)」ともいう)ことを特徴とする。
また、本発明のトップコート材料は、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む構成単位(Tc1)と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)と、を有する高分子化合物と、前記有機溶剤成分(S)とを含有する、トップコート材料(以下「トップコート材料(2)」ともいう)であってもよい。
さらに、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む構成単位(Tc1)を有する高分子化合物と、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する表面エネルギー制御剤と、有機溶剤成分(S)とを含有するトップコート材料であってもよい。
(高分子化合物)
トップコート材料(1)に用いられる高分子化合物は、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む構成単位(Tc1)を有する。
構成単位(Tc1)を有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを適度な高さに維持することができる。
「ジカルボン酸又はジカルボン酸を含む構成単位」とは、たとえば下記の化学式で表される構成単位が挙げられる。
化学式(Tc1−1)で表される構成単位は、塩基性成分の存在下で、極性が増大する構成単位である。化学式(Tc1−2)、(Tc1−3)で表される構成単位は、加熱により極性が減少する構成単位である。
構成単位(Tc1)として、(Tc1−1)〜(Tc1−3)で表される構成単位のいずれを選択すべきか、については、ブロックコポリマーの種類や、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーの程度などによって適宜決定される。
構成単位(Tc1)のなかでも、前記の化学式(Tc1−1)で表される構成単位、又は、化学式(Tc1−2)で表される構成単位を用いることが好ましい。
高分子化合物中の構成単位(Tc1)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、30〜80モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc1)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを適度な高さに容易に維持できる。
<有機溶剤成分(S)>
本発明において、有機溶剤成分(以下、「(S)成分」ということがある。)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする。
炭素数3以上のアルコールとしては、水溶性のアルコールが好ましく、より具体的には、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、t−ブタノールが挙げられる。
本発明においては、上記の中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いてもよい。本発明においては、炭素数3以上のアルコールとして、イソプロピルアルコールを選択することが好ましい。
具体的には、水とイソプロピルアルコールとの混合溶媒、水とプロピレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
混合溶媒を用いる場合の配合比は適宜選択すればよく、例えば、炭素数3以上のアルコールとしてイソプロピルアルコールを選択する場合には、水:イソプロピルアルコールの配合比(重量比)は、水に対するイソプロピルアルコールの重量比が0.1〜5であることが好ましく、0.2〜4であることがより好ましく、0.3〜3.5であることが特に好ましい。
また、水とプロピレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールとの混合溶媒を用いる場合には、水:プロピレングリコールモノメチルエーテル:イソプロピルアルコール=1:1:1の混合溶媒とすればよい。
構成単位(Tc1)以外の構成単位としては、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位(Tc2)、ガラス転移温度(Tg)を調整する構成単位(Tc3)等が挙げられる。
構成単位(Tc2)は、前記ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを制御する構成単位である。
構成単位(Tc2)を有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーが適度な高さとなるように制御できる。
x2は、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6がさらに好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、後述の置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基)等が挙げられる。
前記アリール基又はヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい。すなわち、該芳香族炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい。又は、該芳香族炭化水素基のメチレン基(−CH2−)が酸素原子(−O−)又はカルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。
Rの炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
yは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
R3における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のR1における炭化水素基と同様のものが挙げられる。
R3における置換基は、フッ素原子、又は、フッ素原子もしくは酸素原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、前記式(Tc2−1)中のR1と同様のものが挙げられる。
式中、R11は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R11における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のR1における炭化水素基と同様のものが挙げられる。下記化学式中、波線は「くさび型結合」と「破線結合」の両方を意味する。
式中、R12は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R12における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のR1における炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式中、R13は、水素原子、又は、フッ素原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。R13における炭化水素基は、前記式(Tc2−1)中のR1における炭化水素基と同様のものが挙げられる。
構成単位(Tc2)のなかでも、前記の一般式(Tc2−1)で表される構成単位、一般式(Tc2−2)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−3)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、一般式(Tc2−1)で表される構成単位、及び、一般式(Tc2−2)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
高分子化合物中の構成単位(Tc2)の割合は、該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、10〜90モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
構成単位(Tc2)の割合を前記の好ましい範囲内とすることによって、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを容易に制御できる。
構成単位(Tc1)及び構成単位(Tc2)以外の構成単位としては、ガラス転移温度(Tg)を調整する構成単位(Tc3)等が挙げられる。
トップコート材料(2)に用いられる高分子化合物は、少なくとも構成単位(Tc1)と構成単位(Tc2)とを有する共重合体である。
かかる共重合体として、具体的には、前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−3)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体;前記化学式(Tc1−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体、等が挙げられる。これらの中でも、前記化学式(Tc1−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−1)で表される構成単位と、前記一般式(Tc2−2)で表される構成単位と、の繰返し構造を有する共重合体がより好ましい。
式中、R1、R2、R3及びyは、前記式(Tc2−1)〜(Tc2−3)中のR1、R2、R3及びyとそれぞれ同様である。
式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−1)中のR1と同様である。
R2a及びR2bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−2)中のR2と同様である。
y1及びy2は、それぞれ独立に、前記式(Tc2−2)中のyと同様である。
R3a及びR3bは、それぞれ独立に、前記式(Tc2−3)中のR3と同様である。
さらに、Rαは前記同様である。
該高分子化合物の分子量分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜6.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましく、1.0〜4.0が最も好ましい。
トップコート材料(2)中、高分子化合物の含有量は、形成しようとするトップコート膜厚等に応じて調整すればよい。トップコート材料(2)中、高分子化合物の濃度は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜7質量%である。
トップコート材料(1)は、前記構成単位(Tc1)を有する高分子化合物に加えて、前述した≪相分離構造を含む構造体の製造方法≫における、前記ブロックコポリマーを含む層、の表面エネルギーを制御する表面エネルギー制御剤を含有していてもよい。
表面エネルギー制御剤を含有することで、相分離の時に、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーが適度な高さとなるように制御できる。
表面エネルギー制御剤として、具体的には、ジアミン、トリアミン等の架橋剤が挙げられ、なかでもジアミン又はトリアミンを用いることがより好ましく、ジアミンを用いることが特に好ましい。
また、アミンとして、アンモニア、トリメチルアミン、N,N−ジメチルエタンアミン、N−エチル−Nメチルエタンアミン、トリエチルアミン、ピリジン、1−メチルピペリジン、トリプロピルアミン等を採用してもよい。
トップコート材料(1)中、表面エネルギー制御剤の含有量は、前記高分子化合物100質量部に対して2〜500質量部であることが好ましく、5〜300質量部であることがより好ましい。
表面エネルギー制御剤の含有量が好ましい下限値以上であれば、ブロックコポリマーを含む層の表面エネルギーを容易に制御できる。一方、好ましい上限値以下であれば、成膜性がより良好となる。
相分離工程では、前記トップコート膜3が形成されたブロックコポリマーを含む層2を、熱アニールによって相分離させる(図1(d))。
本発明において、熱アニールは、具体的には、該ブロックコポリマーを含む層が形成された支持体を加熱する。加熱温度は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ、熱分解温度未満で行うことが好ましい。本態様において、加熱温度は、100〜300℃とすることが好ましく、120〜280℃とすることがより好ましい。加熱時間は、0.5〜1440分間とすることが好ましく、1〜600分間とすることがより好ましい。また、加熱は、窒素等の反応性の低いガス中で行うことが好ましい。
このように、該ブロックコポリマーを含む層の熱アニールにより、該ブロックコポリマーを含む層を相分離させる(図1(d)における2a及び2b)。この結果、支持体表面に相分離構造(好ましくは、支持体表面に対して垂直方向に配向したラメラ状又はシリンダー状の相分離構造)を有する構造体が製造される。
本発明においては、前記[ブロックコポリマーを含む層を形成する工程]の前に、支持体上に、表面処理剤を含む中性化膜(不図示)を形成する(基板を中性化処理する)、[中性化膜形成工程]を有することが好ましい。
中性化処理とは、基板表面を、ブロックコポリマーを構成するいずれのブロックとも親和性を有するように改質する処理をいう。中性化処理を行うことにより、相分離によって特定のブロックからなる相のみが基板表面に接することを抑制することができる。この点を考慮し、相分離によって基板表面に対して相分離構造(好ましくは、基板表面に対して垂直方向に配向したラメラ状又はシリンダ状の相分離構造)を形成させるために、ブロックコポリマーを含む層を形成する前に、用いるブロックコポリマーの種類に応じた中性化膜を基板表面に形成しておくことが好ましい。
支持体1に中性化膜を形成する前に、支持体1表面を洗浄してもよい。支持体1表面を洗浄することにより、後の中性化膜の形成を良好に行える場合がある。
洗浄方法としては、従来公知の方法を利用でき、たとえば酸素プラズマ処理、水素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。一例として、基板を硫酸/過酸化水素水溶液等の酸溶液に浸漬させた後、水洗し、乾燥させる方法がある。
かかる樹脂組成物は、ブロックコポリマーを構成するブロックの種類に応じて、薄膜形成に用いられる従来公知の樹脂組成物の中から適宜選択することができる。
表面処理剤として用いられる樹脂組成物は、熱重合性樹脂組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物やネガ型レジスト組成物等の感光性樹脂組成物であってもよい。その他、化合物を表面処理剤とし、該化合物を塗布して形成された非重合性膜を中性化膜としてもよい。たとえば、フェネチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等を表面処理剤として形成されたシロキサン系有機単分子膜も、中性化膜として好適に用いることができる。
たとえば、構成単位(a00−1)又は(a00−2)と共にスチレンのブロックを有するブロックコポリマーを用いる場合には、表面処理剤としてメタクリル酸メチルを構成単位として有する樹脂を含有する樹脂組成物や、スチレン構造と親和性の高い部位と、構成単位(a00−1)又は(a00−2)と親和性の高い部位と、の両方を有する化合物又は組成物を用いることが好ましい。
メタクリル酸メチルと親和性の高い部位としては、トリメトキシシリル基、トリクロロシリル基、カルボキシ基、水酸基、シアノ基、アルキル基の水素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基等の極性の高い官能基を有するモノマー等が挙げられる。
本発明は、支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、前記ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程と、を含み、前記トップコート材料が、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする、トップコート膜の成膜方法である。
[支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程]、[ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程]、及び用いるトップコート材料に関する説明は前記同様である。
本発明においては、トップコート材料の有機溶剤成分として、炭素数3以上のアルコールを含有する。炭素数3以上のアルコールは、炭素数2以下のアルコールに比べて炭化水素基が大きく、極性が小さい。極性が小さいほど表面張力は下がるため、ブロックコポリマーの表面の塗布した際に、はじかれにくくなり、成膜性に優れたものとすることができると考えられる。
本発明の相分離構造を含む構造体の製造方法により製造された相分離構造を含む構造体から、少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去してパターンを形成する工程を有していてもよい。具体的には、例えば図2に示すように、構造体4(図2、(a))から、エッチング法により、トップコート膜3及び相2aを選択的に除去し、支持体1上にパターンを形成してもよい(図2(b))。
下記に示すBCPとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とを含有する、BCPの固形分濃度1.5質量%のPGMEA溶液、を中性化膜上で膜厚15nmとなる条件でスピンコート(回転数:1500rpm、60秒間)し、110℃で60秒間のベーク処理を行い、膜厚15nmのBCP層を形成した。
該BCP層上に、TC材料(下記に示すTC−B)を下記表1に示す混合溶剤(実施例1〜5、比較例1〜6)に、下記表1に示す固形分濃度で溶解させたものを塗布し、膜厚50nmのトップコート膜を成膜し、トップコート膜の成膜性を試験した。成膜性評価結果を表1に併記する。
IPA:イソプロピルアルコール
MeOH:メタノール
Claims (3)
- 支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、
前記ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程と、
前記トップコート膜が形成されたブロックコポリマーを含む層を、熱アニールによって相分離させる工程と
を含み、
前記トップコート材料が、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする、相分離構造を含む構造体の製造方法。 - 前記炭素数3以上のアルコールが、イソプロピルアルコールである、請求項1に記載の相分離構造を含む構造体の製造方法。
- 支持体上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程と、
前記ブロックコポリマーを含む層上に、トップコート材料を塗布し、トップコート膜を形成する工程と、を含み、
前記トップコート材料が、ジカルボン酸又はジカルボン酸の塩を含む高分子化合物と、有機溶剤成分(S)を含有し、前記有機溶剤成分(S)は、水と、炭素数3以上のアルコールとを含有することを特徴とする、トップコート膜の成膜方法。
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