JP2015175127A - 可動式防波堤及び可動式防波施設 - Google Patents

可動式防波堤及び可動式防波施設 Download PDF

Info

Publication number
JP2015175127A
JP2015175127A JP2014050783A JP2014050783A JP2015175127A JP 2015175127 A JP2015175127 A JP 2015175127A JP 2014050783 A JP2014050783 A JP 2014050783A JP 2014050783 A JP2014050783 A JP 2014050783A JP 2015175127 A JP2015175127 A JP 2015175127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
levitation
tube
pipe
cylindrical member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014050783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6406838B2 (ja
Inventor
木原 一禎
Kazuyoshi Kihara
一禎 木原
前川 勉
Tsutomu Maekawa
勉 前川
小林 真
Makoto Kobayashi
真 小林
博英 木村
Hirohide Kimura
博英 木村
博士 井上
Hiroshi Inoue
博士 井上
太郎 有川
Taro Arikawa
太郎 有川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Toa Corp
MM Bridge Co Ltd
Nippon Steel Engineering Co Ltd
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Original Assignee
Obayashi Corp
Toa Corp
MM Bridge Co Ltd
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Nippon Steel and Sumikin Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp, Toa Corp, MM Bridge Co Ltd, National Institute of Maritime Port and Aviation Technology, Nippon Steel and Sumikin Engineering Co Ltd filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2014050783A priority Critical patent/JP6406838B2/ja
Publication of JP2015175127A publication Critical patent/JP2015175127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6406838B2 publication Critical patent/JP6406838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Revetment (AREA)

Abstract

【課題】可動式防波堤において、浮上管の浮上を迅速かつ確実にすること。
【解決手段】水底側に開口部11aを有し、水底面GLから水底地盤E内に向かって上下に延伸する外筒管11と、下端部34から外筒管11の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて外筒管11の内部から上昇する浮上管12と、浮上管12の上端部32aに取り付けられて、外筒管11の内周部38よりも、浮上管12の長手方向と直交する方向の外側に延伸する蓋17aと、蓋17aの下端部34側、かつ浮上管12の外周部43よりも外側に設けられて、上端部32aから下端部34に向かって延伸する壁19aと、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、必要に応じて水底から水面上に突出する可動式防波堤及び可動式防波施設に関する。
水底に昇降可能な防波施設を設置して、津波が発生した場合や荒天時等には防波装置を水面上まで突出させて、波の影響を低減する可動式防波堤が提案されている。例えば、特許文献1には、海底面に設けたコンクリートを貫通して水底地盤内に鉛直に挿入され、かつ密集状態で基礎コンクリートの表面に上端面を開口させて配列された複数の外筒管と、外筒管に昇降可能に挿入され、かつ下端面が開口し、上端面が閉塞された浮上管と、各浮上管内に空気を供給するための給気装置とを備えた可動式防波堤が記載されている。
特開2004−116131号公報
可動式防波堤は海中に設けられているため、海中の土砂が可動式防波堤に堆積する事がある。土砂が可動式防波堤に堆積すると、浮上管が浮上できなかったり、浮上に時間を要したりする可能性がある。
本発明は、可動式防波堤について、浮上管の浮上を迅速かつ確実にする事を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の可動式防波堤は、水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する第1筒状部材と、第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する第2筒状部材と、前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられて、前記第1筒状部材の内周よりも、前記第2筒状部材の長手方向と直交する方向の外側に延伸する第1蓋部と、前記第1蓋部の前記第1の端部側、かつ前記第2筒状部材の外周部よりも外側に設けられて、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延伸する第1壁部と、を含む。
第1筒状部材と第2筒状部材との間に土砂が詰まった場合、第2筒状部材の浮上に時間を要したり、浮上できなくなったりする可能性がある。本発明は、第2筒状部材の上部に第1筒状部材の内周よりも大きな蓋部を設け、更に壁部を設ける事により、第1筒状部材と第2筒状部材との間からの土砂の侵入を抑制する事ができる(以下、適宜土砂侵入対策と記載する)。その結果、第1筒状部材と第2筒状部材との間に土砂が詰まる事を抑制し、より迅速かつ確実に第2筒状部材を浮上させる事ができる。また、第1筒状部材には地盤側の端部が設けられているが、第1筒状部材と第2筒状部材の間から土砂が侵入した場合、第1筒状部材の地盤側の端部に土砂が堆積される。この場合、第2筒状部材を浮上させた後で第2筒状部材を第1筒状部材に再格納する際に、第2筒状部材が第1筒状部材に格納できなくなる恐れがある。本発明では、土砂侵入対策により、第1筒状部材の地盤側の端部に土砂が堆積される事を抑制し、第2筒状部材を第1筒状部材に、より確実に再格納できる。
本発明の望ましい態様としては、前記第1蓋部の、前記第1壁部が設けられている面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜していることが好ましい。第2筒状部材の上部に土砂が堆積した場合、土砂の重みにより第2筒状部材の浮上に時間を要したり、浮上できなくなったりする可能性がある。本発明によると、第2筒状部材の浮上の際に、第2筒状部材の上部に堆積した土砂が除去されやすく、第2筒状部材を迅速かつ確実に浮上させる事ができる(以下、適宜浮上抵抗低減対策と記載する)。このように、本発明では、土砂侵入対策と浮上抵抗低減対策とを同時に実現する事ができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の可動式防波堤は、水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する第1筒状部材と、第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する第2筒状部材と、を含む可動式防波堤を複数連結した可動式防波堤であって、前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられて、複数の前記第2筒状部材を連結する連結部材と、前記連結部材に取り付けられて、複数の前記第1筒状部材の内周よりも、前記第2筒状部材の長手方向と直交する方向の外側に延伸する第2蓋部と、前記第2蓋部の前記第1の端部側、かつ前記第2筒状部材の外周部よりも外側に設けられて、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延伸する第2壁部と、を含む事を特徴とする。これによって、可動式防波堤が複数連結された場合に、蓋部を複数形成する事なく、一体で土砂侵入対策を実現する事ができる。
本発明の望ましい態様としては、前記第2蓋部の、前記第2壁部が設けられている面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜している事が好ましい。これによって、可動式防波堤が複数連結された場合に、蓋部を複数形成する事なく、一体で、土砂侵入対策と浮上抵抗低減対策とを同時に実現する事ができる。また、第2筒状部材の浮上抵抗が低減され、第2筒状部材が迅速に浮上可能となる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の可動式防波堤は、水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する第1筒状部材と、第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する第2筒状部材と、前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられる第3蓋部と、を含み、前記第3蓋部の、前記第1の端部側の面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜している、事を特徴とする。これによって、浮上抵抗低減対策を実現する事ができる。また、第2筒状部材の浮上抵抗が低減され、第2筒状部材が迅速に浮上可能となる。
本発明の望ましい態様としては、前記可動式防波堤において、前記第1蓋部、前記第2蓋部又は前記第3蓋部は、一部又は全部が着脱可能である事、が好ましい。これによって蓋部の取り外しが可能になるので、蓋内部のメンテナンスが容易になる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る可動式防波施設は、前記可動式防波堤を水底に複数配列した事を特徴とする。この可動式防波施設は、上述した可動式防波堤を備えるので、土砂の侵入が抑制され、浮上抵抗の低減が抑制される。
本発明によれば、可動式防波堤について、浮上管の浮上を迅速かつ確実にする事ができる。
図1は、本実施形態に係る可動式防波施設の平面図である。 図2は、図1のA−A矢視一部断面図である。 図3は、図1のB−B断面図である。 図4は、本実施形態に係る可動式防波堤を備える可動式防波施設の全体構成図である。 図5−1は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図5−2は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図5−3は、本実施形態に係る可動式防波堤の浮上管が浮上する様子を示す模式図である。 図6は、本実施形態に係る可動式防波堤が有する外筒管と浮上管の断面図である。 図7は、本実施形態の変形例に係る可動式防波堤が有する外筒管と浮上管の断面図である。 図8は、本実施形態に係る可動式防波堤が有する外筒管と浮上管の断面図である。 図9−1は、本実施形態に係る浮上管が外筒管の内部に収められている状態の模式図である。 図9−2は、本実施形態に係る浮上管が浮上している状態の模式図である。 図10は、本実施形態に係る複数の可動式防波堤の斜視図である。 図11は、本実施形態に係る複数の可動式防波堤の平面図である。 図12は、本実施形態に係る複数の可動式防波堤の、外筒管と浮上用側管のC−C断面図である。 図13は、本実施形態に係る可動式防波堤が有する外筒管及び浮上管の断面図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。
本実施形態に係る可動式防波堤は、海底、川底などの水底に設置されて、例えば、津波や高潮などが発生した場合には、水底から水面上に浮上して、津波や高潮の通過を阻害し、港湾設備又は人家などの防波堤の背後地を保護する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る可動式防波施設1の平面図である。図2は、図1のA−A矢視一部断面図である。図2は、本実施形態に係る可動式防波堤10が浮上した状態を示している。図3は、図1のB−B断面図である。図3は、本実施形態に係る可動式防波堤10が水底にある状態、すなわち浮上前の状態を示している。図4は、本実施形態に係る可動式防波堤10を備える可動式防波施設1の全体構成図である。図5−1〜図5−3は、本実施形態に係る可動式防波堤10の浮上管12が浮上する様子を示す模式図である。
図1〜図3に示すように、可動式防波施設1は、複数の可動式防波堤10と、監視・制御システム施設100とを含む。本実施形態において、複数の可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に一列に配置されて、港の内側(港内BI)と港の外側(港外BO)とを仕切っている。可動式防波堤10は、第1筒状部材としての外筒管11の内側に第2筒状部材としての浮上管12が配置される。可動式防波堤10は、浮上管12の内部に気体(本実施形態では空気)が供給されることによって浮上管12を浮上(上昇)させる構造である。なお、可動式防波堤10は、岸壁K1、K2の間に限らず、防波堤(固定式、杭式、浮体式を含む)の間にも設置可能である。
それぞれの可動式防波堤10は、各送気管3から空気が送られる。複数の送気管3は、水底に配置される送気管ダクト2にまとめられて、一方の岸壁K2上の監視・制御システム施設100内に備えられる気体供給装置に接続される。そして、有事の際、例えば、津波や高潮などの発生時には、前記気体供給装置から送気管3を介して、それぞれの可動式防波堤10の浮上管12内へ気体が供給されて、浮上管12が水底から浮上し、一部が水面から突出する。
図2及び図3に示すように、可動式防波堤10は、外筒管11(可動式防波堤10の固定部分)と、浮上管12(可動式防波堤10の可動部分)とを有する。外筒管11及び浮上管12は、円筒形状の部材であり、本実施形態では鋼管である。外筒管11及び浮上管12は、いずれも防食が施されている。なお、外筒管11及び浮上管12は、円筒形状に限られるものではない。なお、外筒管11及び浮上管12は、鋼管に限らず、炭素繊維で製造されていてもよい。あるいは、外筒管11又は浮上管12の一方が鋼管で、他方が炭素繊維で構成されるような異種材料であってもよい。
外筒管11は、上下に延伸する筒状の部材で、水底から水底地盤E内に向かって打ち込まれている。本実施形態において、下とは鉛直方向、すなわち重力が作用する方向側である。上とは鉛直方向の反対方向側である。外筒管11は、水底側の外周の寸法よりも、水底から水底地盤E内に向かって延伸する部分の寸法の方が大きい。外筒管11は、下層部が水底地盤E内に挿入されてから固定されている。外筒管11は、上層部の周囲に捨石5が敷設されている。この捨石5の上面が水底面GLとなる。外筒管11は、水底側である上端に開口部11aを有する。また、外筒管11は、水底地盤Eに挿入された底部から送気管3が差し込まれる。送気管3は、外筒管11の内部に気体出口3aが配置される。
浮上管12は筒状の部材である。浮上管12は、第1の端部としての下端部34が、外筒管11の開口部11aから、外筒管11の長手方向(管軸方向)に沿って差し込まれ、外筒管11の内部に挿入される。浮上管12は、その内部に供給される気体によって浮力を発生して、外筒管11の内部から上昇できるようになっている。具体的には、図3に示すように、浮上管12は、内部に複数の仕切部材(本実施形態では板状の部材)15、16が設けられている。以下において、仕切部材15を第1仕切部材といい、仕切部材16を第2仕切部材という。
第1仕切部材15は、浮上管12の上方に配置され、第2仕切部材16は、第1仕切部材15の下方に配置される。また、浮上管12は、第2の端部としての上端部32aが第1蓋部としての蓋17aによって閉塞されている。蓋17aには、第1壁部としての壁19aが取り付けられている。蓋17a及び壁19aの詳細な構造については後述する。浮上管12は、第1仕切部材15、第2仕切部材16及び蓋17aによって、内部が複数の部屋に仕切られる。
第1仕切部材15と第2仕切部材16と浮上管12の側壁とで仕切られる空間13は、送気管3から浮上管12の内部に供給された気体を溜めて、浮上管12に浮力を発生させるための空間である。以下、空間13を気室13という。蓋17aと第1仕切部材15と浮上管12の側壁とで仕切られる空間CRは、可動式防波堤10の状態を監視したり、送気管3から気体が供給されなかった場合に浮上管12を浮上させたり、浮上した浮上管12を下降させて外筒管11の内部に戻す動作をさせたりするための制御機器20が配置されている。以下、空間CRを機械室CRという。第2仕切部材16は、孔16aを備える。孔16aは、送気管3から浮上管12の内部に供給される気体を気室13へ導く。
浮上管12は、その側壁内面に浮力発生手段14が取り付けられる。浮力発生手段14は、例えば、気泡を有する樹脂、例えば、発泡スチロールなどである。また、浮力発生手段14は、単なる空間に空気などの気体を充填した構造としてもよい。浮力発生手段14を浮上管12に取り付けることにより、浮上管12を浮上させる際には、浮上管12を浮上させるために必要な浮力のうち、浮力発生手段14が発生する浮力で不足する分を気体によってまかなえばよい。このようにすることで、浮上管12の内部に供給する気体の量を低減できるので、浮上管12を迅速に浮上させることができる。
浮上管12は、その下端部34に開口部12aが設けられている。そして、開口部12aの下方に、送気管3の気体出口3aが配置される。送気管3の気体入口は、上述した気体供給装置に接続されている。
気体供給装置は、図4に示すように、気体ボトル104と、気体ボトル104と送気管3との間に設けられる開閉弁110と、電動機103で駆動される圧縮機102とを含む。これらは、監視・制御システム施設100に備えられる。送気管3の気体入口は、気体供給装置を構成する開閉弁110に接続されている。気体ボトル104は、圧縮機102によって高圧(20MPa程度)の気体が充填される。そして、浮上管12を浮上させる際には、開閉弁110が開かれて、気体ボトル104内の気体が送気管3を通って浮上管12の内部に供給される。
電動機103及び圧縮機102は、監視・制御装置101によって制御される。監視・制御装置101は、例えば、気体ボトル104内に充填されている気体の圧力を気体圧力センサ111によって取得し、規定の圧力よりも低い場合には電動機103を駆動して圧縮機102を作動させ、規定の圧力になるまで圧縮機102から気体ボトル104内へ気体を充填する。
さらに、監視・制御装置101は、可動式防波堤10の機械室CR内の制御機器20と通信して、可動式防波堤10の状態を監視したり、浮上管12の動きを制御したりする。例えば、浮上した浮上管12を外筒管11内に戻す場合、監視・制御装置101は、制御機器20を介して、気室13と気室13の外部とを接続する配管の途中に設けられた排気弁18を開く。この操作によって、気室13内の気体が気室13の外部に放出されるとともに、気室13内の気体が水に置換されて浮上管12の浮力が低下するので、浮上管12は沈降して外筒管11内に収まる。
有事の際、例えば、監視・制御装置101が津波や高潮などの警報を受信した場合、監視・制御装置101は、開閉弁110を開き、図5−1に示すように、送気管3を介して気体ボトル104内の気体を浮上管12の内部に供給する。送気管3から浮上管12内へ供給された気体は、図5−1に示すように、第2仕切部材16の孔16aを通って気室13へ入る。気室13の内部の気体によって発生する浮力と、浮力発生手段14によって発生する浮力との和が水中における浮上管12全体の重量を超えると、図5−2に示すように、浮上管12は、水面WLに向かって外筒管11から浮上を開始する。そして、図5−3に示すように、浮上管12の一部が水面WL上に突出する。このとき、気室13内の余分な気体は、気室13に設けられた孔D1から排出される。また、機械室CR内の水は、機械室CRに設けられた孔D2から排水される。このようにして、有事の際には、図2に示すように複数の浮上管12が一列に水面WLから突出して防波堤の機能を発揮し、津波や高潮などから港湾設備などを保護する。次に、可動式防波施設1に設けられた可動式防波堤10の詳細について図を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る可動式防波堤が有する外筒管11と浮上管12の断面図である。図6に示すように、浮上管12の上端部32aには、円盤形状の蓋17aが取り付けられている。図1に示すように、蓋17aは、平面視、すなわち蓋17aの板面と直交する方向から見た場合の形状が円形であるが、蓋17aは円形に限られない。また、本実施例では、蓋17aは浮上管12の上端部32a側の上端面44aに取り付けられているが、蓋17aは上端部32aであって、浮上管12の側面35に取り付けられていてもよい。蓋17aの外周部33aは、浮上管12の長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の外周部37よりも外側に延伸する。蓋17aの外周部の位置は、少なくとも外筒管11の内周部38の位置よりも外側にあればよい。
図6に示すように、蓋17aの、浮上管12の下端部34側の面(以下、適宜下面39aという)には、壁19aが設けられている。壁19aは、浮上管12の長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の外周37よりも外側に設けられている。より具体的には、壁19aの内壁42aが、外筒管11の外周37よりも外側に設けられている。本実施形態において、壁19aが蓋17aに設けられる位置はこのような位置に限定されない。本実施形態において、壁19aは、少なくとも浮上管12の外周部43よりも外側に設けられていればよく、例えば外筒管11の内周部38よりも内側に設けられていてもよい。
壁19aは、蓋17aの下面39aに設けられ、下面39aから離れる方向に向かって延伸している。すなわち、壁19aは、蓋17aの下面39aに設けられ、浮上管12の上端部32aから下端部34に向かって延伸している。本実施形態において、壁19aは浮上管12の周方向の全周にわたって設けられているが、壁19aは浮上管12の周方向において、所定の間隔を空けて設けられていてもよい。
また、本実施形態では、浮上管12が外筒管11に収められている際に、壁19aは外筒管11の開口部11aよりも水底面GL側に延伸しているが、壁19aは外筒管11の開口部11aよりも水底面GL側に延伸していなくてもよい。壁19aは蓋17aの下面39aから離れる方向に向かって、0mm以上ラップしているのが好ましい。また、本実施例では、外筒管11の開口部11aは水底面GLから水面WL方向に突出しているが、鉛直方向における開口部11aの位置は水底面GLと同じ高さであってもよい。
外筒管11と浮上管12との間に土砂等が詰まった場合、浮上管12の浮上に時間を要したり、浮上できなくなったりする可能性がある。ここで、蓋17aの外周部33aは外筒管11の内周部38よりも大きいため、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっている際には、蓋17aが外筒管11と浮上管12との間を上から覆う状態となっている。そのため、蓋17aは、外筒管11及び浮上管12に向かって上部から沈降してきた海中の土砂等が、外筒管11と浮上管12との間に侵入する事を抑制する。また、壁19aは、浮上管12が沈降して外筒管11の内部に収まっている際に、外筒管11の上端面56と蓋17aとの間から、外筒管11と浮上管12との間へ土砂が侵入する通路を遮断する構造となっている。そのため、壁19aは、外筒管11の上端面56と蓋17aとの間から、外筒管11と浮上管12との間に向かって移動してくる海中の土砂等が、外筒管11と浮上管12との間に侵入する事を抑制する。
このように、本実施形態は、蓋17a及び蓋17aに設けられた壁19aによって、土砂が外筒管11と浮上管12との間に侵入することを抑制できる。その結果、より迅速かつ確実に浮上管12を浮上させる事ができる。また、外筒管11は地盤側の端部45を有しているが、外筒管11と浮上管12との間から土砂等が侵入した場合、外筒管11の地盤側の端部45に土砂等が堆積する。この場合、浮上管12を浮上させた後で浮上管12を外筒管11に収める際に、浮上管12が外筒管11に格納できなくなる可能性がある。しかし、本実施形態によると、蓋17a及び壁19aが外筒管11と浮上管12との間に土砂が侵入することを抑制するので、外筒管11の地盤側の端部45に土砂等が堆積される事を抑制できる。その結果、浮上管12は、外筒管11の内部に、より確実に格納される。
図7は本実施形態の変形例に係る可動式防波堤10aが有する外筒管11と浮上管12の断面図である。図7に示すように、蓋17a2には、蓋17a2の一部として、小蓋30が設けられている。小蓋30は蓋17a2に対して着脱可能に設けられている。小蓋30は、通常は、例えばボルト等で蓋17a2に固定されている。浮上管12の内部の空間CRには制御機器20が設けられている。通常時において、空間CRは、蓋17a2によって浮上管12の外部から閉ざされている。
例えば、1年に1度など、定期的に制御機器20のメンテナンスが行われる。メンテナンスが行われる際には浮上管12を浮上させ、水上でメンテナンス作業が行われる。このとき、小蓋30が蓋17a2から取り外される事によって、空間CRは浮上管12の外部に対して開かれるので、容易に制御機器20のメンテナンス作業を行う事ができる。メンテナンス作業が終了すれば、小蓋30が蓋17a2に取り付けられて、浮上管12を沈降させて外筒管11に収める。
小蓋30は蓋17a2に対して少なくとも着脱可能であればよい。例えば、小蓋30の外周部にねじ部を設けて蓋17a2にねじ込んだり、ヒンジを設けたりして着脱可能としてもよい。また、小蓋30は蓋17a2から上方向に取り外し可能である構造になっているが、小蓋30は蓋17a2に対して少なくとも着脱可能であればよく、例えば左右方向に取り外し可能である構造でもよい。また、小蓋30は設けず、蓋17a2がボルト又はねじ部などによって浮上管12に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。
(実施形態2)
図8は、本実施形態に係る可動式防波堤10bが有する外筒管11と浮上管12の断面図である。図8に示すように、浮上管12の上端部32bには蓋17bが取り付けられている。また、蓋17bの、浮上管12の下端部34側の面(以下、適宜下面39bという)には、壁19bが設けられている。蓋17bの、下面39bとは反対側の面(以下、適宜上面50bという)は、円錐形状である。円錐形状の上面50bの頂点52bは、浮上管12が浮上する方向である水面側に設けられている。
蓋17bの上面50bは円錐形状でなくてもよい。例えば、蓋17bの上面50bは、少なくとも浮上管の長手方向Aに沿った中心線CLに対して傾斜していればよい。例えば、蓋17bの上面50bは、半球形状であったり、円柱の長手方向に対して傾斜した平面でこの円柱を切断した形状であったり、三角柱の側面のうち隣接する2面を組み合わせた形状(屋根型の形状)であったりしてもよい。この点で実施形態1の蓋17aと、本実施形態の蓋17bとは構造が異なる。その他の構造は実施形態1と同様である。このため、本実施形態に係る可動式防波堤10bにおいても、実施形態1と同様に土砂侵入防止対策を実現することができる。
図9−1は、本実施形態に係る浮上管12が外筒管11の内部に収められている状態の模式図である。図9−2は、本実施形態に係る浮上管12が水面WL方向へ浮上している状態の模式図である。水中には土砂等が浮遊しているため、図9−1に示すように、水中の土砂120は蓋17bに堆積することがある。蓋17bに土砂120が堆積した場合、土砂120の重みにより浮上管12の浮上に時間を要したり、浮上できなくなったりする可能性がある。
浮上管12が水上に浮上する際、まず蓋17bが水上に浮上し、その後浮上管12が水上に浮上する。ここで、水上では、水中での浮力が働かない。そのため、土砂120が堆積したまま蓋17bが水上に浮上した場合は、土砂に対して浮力が働かなくなる。従って、土砂120が堆積したまま蓋17bが水上に浮上した場合、浮上管12は浮力が働かなくなった土砂120の重量に逆らって浮上する必要が生じる。言い換えれば、土砂120が堆積したまま蓋17bが水上に浮上した場合、土砂120に浮力が働かなくなり、浮上管12の浮上に時間を要したり、浮上できなくなったりする可能性がある。ここで本実施形態において、蓋17bは円錐形状となっている。そのため、図9−2のように、浮上管12が水面WLの方向に浮上する際に、蓋17bの上面50bに沿って、蓋17bの中心から蓋17bの外周方向に向かって水の流れBが発生する。この水の流れBによって土砂120が蓋17bから除去されやすくなる。蓋17bから土砂120が除去されることにより、土砂120による浮上管12全体の重量増加が抑制されるので、浮上管12を迅速かつ確実に浮上させる事ができる。特に水中で土砂120が蓋17bから除去された場合、蓋17bが水上に浮上した際でも、浮上管12の浮上に時間を要さず、浮上できなくなったりする事がない。このように、本実施形態は、浮上抵抗低減対策を実現することができる。そのため、本実施形態は、土砂侵入対策と浮上抵抗低減対策とを同時に実現することができる。また、蓋17bの上面50bが円錐形状となっているため、浮上管12が浮上する際の流体の抵抗が低減され、土砂120が堆積していない場合においても、浮上管12をより迅速に浮上させる事ができる。蓋17bの上面50bは浮上管12の長手方向に沿った中心線に対して傾斜していれば、浮上抵抗低減対策を実現することができる。
(実施形態3)
図10は本実施形態に係る複数の可動式防波堤10cの斜視図である。図11は本実施形態に係る可動式防波堤10cの平面図である。図12は本実施形態に係る可動式防波堤10cの、外筒管11及び浮上用側管12bのC−C断面図である。浮上用側管12bと、浮上用本管12aとは、後述する浮力発生手段14の構造以外は、同様の構造となっている。そのため、浮上用側管12bの断面と浮上用本管12aの断面とは同一になっている。次の説明では、浮上用側管12bのみ断面を示し、浮上用本管12aの断面は省略する。
図10に示すように、本実施形態に係る複数の可動式防波堤10cは、浮上用本管12aと、その両隣に浮上用側管12bとが、連結部材40によって連結されている。連結部材40は、中央部が浮上用本管12aの第2の端部としての上端部32cに取り付けられ、両端部がそれぞれ浮上用側管12bの第2の端部としての上端部32cに取り付けられる。連結部材40には、蓋17c(請求項に記載の第2蓋部)が取り付けられている。蓋17cには壁19c(請求項に記載の第2壁部)が取り付けられている。蓋17cと壁19cとの詳細な構造については後述する。また、浮上用本管12aには浮力発生手段14が設けられている。
浮上用側管12bにも浮力発生手段14が設けられているが、浮力発生手段14の体積を浮上用本管12aの浮力発生手段14よりも大きくして、略中性浮力という構成をとっている。浮上用本管12aと浮上用側管12bとにおいて、他の構成については実施形態1に記載の浮上管12と同様である。また、他の構成についても、本実施形態と実施形態1とは同様である。
浮上用本管12aと浮上用側管12bとは連結部材40で連結されているので、浮上用本管12aを昇降させると浮上用側管12bも共に昇降する。次に、浮上用本管12aと浮上用側管12bとの昇降状態について説明する。
上述したように、浮上用側管12bは中性浮力という構成をとっている。そのため、中央の浮上用本管12aにのみ送気管3で送気し、浮上用本管12aを浮上させ、同時に連結部材40を介してその両側の浮上用側管12bを吊り上げるように浮上させる事ができる。この構成にすると、1台の気体ボトル104によって2台の浮上用側管12bと1台の浮上用本管12aを浮上させる事ができ、送気管3の数を減少させることが可能になる。また、沈降時においては、浮上用本管12aの気室13内の気体が排出され、浮上用本管12aとその両側の浮上用側管12bとは連結部材40により連結されるため、浮上用側管12bと浮上用本管12aとは同時に沈降する。なお、2台の浮上用側管12bと1台の浮上用本管12aに限られず、1台の気体ボトル104で複数の浮上用側管12bと浮上用本管12aを浮上させるようにしてもよい。
図10及び図12のように、連結部材40の対向する側面であって、浮上用本管12aと浮上用側管12bとが並ぶ方向と平行である2つの対向する側面54a及び54bには、それぞれ蓋17cが取り付けられている。図10の記載から分かるように、蓋17cは、平面視、すなわち蓋17cの板面と直交する方向から見た場合の形状が長方形であるが、蓋17cは長方形に限られない。また、本実施形態では、蓋17cは連結部材40の側面54a及び54bに取り付けられているが、取り付けられる位置は側面54a及び54bに限らない。蓋17cは少なくとも連結部材40に取り付けられていればよい。また図11及び12に示すように、蓋17cは、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の外周部37よりも外側に延伸している。ここで、蓋17cの外周部33cの位置は、少なくとも複数の外筒管11の内周部38の位置よりも外側であればよい。
蓋17cの面であって、壁19cが設けられている面とは反対側の面(以下、適宜上面50cという)は、連結部材40から離れるに従って、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの下端部34に向かって傾斜している。蓋17cの上面50cは連結部材40から離れるに従って、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの下端部34に向かって傾斜していなくてもよく、例えば、上面50cは、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの上端部32c側の上端面44cと平行な面であってもよい。また、蓋17cの上面50cは、少なくとも浮上用本管12a及び浮上用側管12bの長手方向Aに沿った中心線CLに対して傾斜している事が好ましい。
図10及び図12に示すように、蓋17cの面であって、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの第1の端部としての下端部34側の面(以下、適宜下面39cという)には、壁19cが設けられている。壁19cは、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの長手方向Aと直交する方向であって、複数の外筒管11の外周37よりも外側に設けられている。より具体的には、壁19cの内壁42cが、外筒管11の外周37よりも外側に設けられている。本実施形態において、壁19cが蓋17cに設けられる位置はこのような位置に限定されない。本実施形態において、壁19cは、少なくとも浮上用本管12a及び浮上用側管12bの外周部43よりも外側に設けられていればよく、例えば複数の外筒管11の内周部38よりも内側に設けられていてもよい。
壁19cは、蓋17cの下面39cに設けられ、下面39cから離れる方向に向かって延伸している。すなわち、壁19cは、蓋17cの下面39cに設けられ、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの上端部32cから下端部34に向かって延伸している。本実施形態において、壁19cは浮上用本管12a及び浮上用側管12bの周方向の全周にわたって設けられているが、壁19cは浮上用本管12a及び浮上用側管12bの周方向において、所定の間隔を空けて設けられていてもよい。
また、本実施形態では、浮上用本管12a及び浮上用側管12bが外筒管11に収められている際に、壁19cは外筒管11の開口部11aよりも水底面GL側に延伸しているが、壁19cは外筒管11の開口部11aよりも水底面GL側に延伸していなくてもよい。壁19cは蓋17cの下面39cから離れる方向に向かって、0mm以上ラップしているのが好ましい。また、本実施形態では、外筒管11の開口部11aは水底面GLから水面WL方向に突出しているが、鉛直方向における開口部11aの位置は水底面GLと同じ高さであってもよい。
本実施形態は、蓋17cの外周部33cが少なくとも複数の外筒管11の内周部38よりも大きく設けられており、また壁19cが設けられている。このような構造により、本実施形態は、複数の可動式防波堤10cに対して土砂侵入防止対策を実現することができる。また、本実施形態は、蓋17cが連結部材40から離れるに従って、浮上用本管12a及び浮上用本管12bの下端部34に向かって傾斜している。このため、複数の可動式防波堤10cについて浮上抵抗低減対策を実現することもできる。また、本実施形態は、浮上用本管12a及び浮上用側管12bの浮上抵抗が低減されるので、土砂が堆積していない場合においても、浮上用本管12a及び浮上用側管12bをより迅速に浮上させる事ができる。この場合、蓋17cの上面50cは、少なくとも浮上用本管12a及び浮上用本管12bの長手方向Aに沿った中心線CLに対して傾斜してれば、浮上抵抗低減対策が実現される。
また、本実施形態においては、複数の可動式防波堤10cは、図11のように並列して設置される。本実施形態によると、蓋17cは、浮上用本管12aと浮上用側管12bとが、これらが並ぶ方向と平行な側面54a及び54bに取り付けられており、蓋17cは連結部材40から離れるに従って下方に傾斜している。そのため、蓋17cに堆積した土砂が除去される際、土砂は複数の可動式防波堤10cが並列している方向Cと垂直な方向に除去される。従って、一方の複数の可動式防波堤10cから除去された土砂は、他方の複数の可動式防波堤10cに向かわず、他方の複数の可動式防波堤10cに堆積しない。
(実施形態4)
図13は、本実施形態に係る可動式防波堤10dが有する外筒管11と浮上管12の断面図である。図13に示すように、浮上管12の上端部32dには蓋17dが取り付けられている。また、蓋17dの、浮上管12の下端部34側の面39dとは反対側(以下、適宜上面50dという)は、円錐形状である。円錐形状の上面50dの頂点52dは、浮上管12が浮上する方向である水面WL側に設けられている。
蓋17dの上面50dは円錐形状でなくてもよい。例えば、蓋17dの上面50dは、少なくとも浮上管12の長手方向Aに沿った中心線CLに対して傾斜していればよい。例えば、蓋17dの上面50dは、半球形状であったり、円柱の長手方向に対して傾斜した平面でこの円柱を切断した形状であったり、三角柱の側面のうち隣接する2面を組み合わせた形状(屋根型の形状)であったりしてもよい。この点では本実施形態に係る蓋17dの構造と実施形態2に係る蓋17bの構造とは同様である。そのため、本実施形態においても、浮上抵抗低減対策を実現する事ができる。一方、図13に示すように、蓋17dは、浮上管12の長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の外周部37よりも外側に延伸しておらず、また、壁を有さない。図13では、蓋17dは、浮上管12の長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の内周部38の位置よりも外側に位置している。そのため、蓋17dは、外筒管11及び浮上管12に向かって上部から沈降してきた海中の土砂等が、外筒管11と浮上管12との間に侵入する事を抑制する。なお、蓋17dは、浮上管12の長手方向Aと直交する方向であって、外筒管11の内周部38の位置よりも内側に位置していてもよい。この点で実施形態2と本実施形態の構造とは異なる。
また、本実施形態1から4に係る可動式防波施設1は、前述した可動式防波堤10、10a、10b、10c及び10dのうち少なくとも1つを水底に複数配列したものである。
この可動式防波施設1によれば、浮上管12の浮上を迅速かつ確実にする事ができる。
以上、実施形態1から実施形態4を説明したが、これらの実施形態を説明した内容によりこれらの実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。更に、実施形態1から実施形態4の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 可動式防波施設
10 可動式防波堤
11 外筒管
11a 開口部
12 浮上管
12a 浮上用本管
12b 浮上用側管
17a 蓋
19a 壁
20 制御機器
32a 浮上管の上端部
33a 蓋の外周部
34 浮上管の下端部
35 浮上管の側面
37 外筒管の外周部
38 外筒管の内周部
39a 蓋の下面
40 連結部材
42a 壁の内壁
43 浮上管の外周部
44a 浮上管の上端面
45 外筒管の端部
50b 蓋の上面
54a 連結部材の側面
56 外筒管の上端面
120 土砂
A 長手方向
B 水の流れ
C 複数の可動式防波堤の並列方向
CR 機械室
E 水底地盤
GL 水底面
WL 水面

Claims (7)

  1. 水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する第1筒状部材と、
    第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する第2筒状部材と、
    前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられて、前記第1筒状部材の内周よりも、前記第2筒状部材の長手方向と直交する方向の外側に延伸する第1蓋部と、
    前記第1蓋部の前記第1の端部側、かつ前記第2筒状部材の外周部よりも外側に設けられて、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延伸する第1壁部と、
    を含む可動式防波堤。
  2. 前記第1蓋部の、前記第1壁部が設けられている面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜している、請求項1に記載の可動式防波堤。
  3. 水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する複数の第1筒状部材と、
    第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する複数の第2筒状部材と、
    前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられて、複数の前記第2筒状部材を連結する連結部材と、
    前記連結部材に取り付けられて、複数の前記第1筒状部材の内周よりも、前記第2筒状部材の長手方向と直交する方向の外側に延伸する第2蓋部と、
    前記第2蓋部の前記第1の端部側、かつ前記第2筒状部材の外周部よりも外側に設けられて、前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延伸する第2壁部と、
    を含む可動式防波堤。
  4. 前記第2蓋部の、前記第2壁部が設けられている面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜している、請求項3に記載の可動式防波堤。
  5. 水底側に開口部を有し、水底から地盤内に向かって上下に延伸する第1筒状部材と、
    第1の端部から前記第1筒状部材の内部に挿入され、かつ、自身の内部に供給された気体により浮力を生じて前記第1筒状部材の内部から上昇する第2筒状部材と、
    前記第2筒状部材の第2の端部に取り付けられる第3蓋部と、
    を含み、
    前記第3蓋部の、前記第1の端部側の面と対向する面は、前記第2筒状部材の長手方向に沿った中心線に対して傾斜している、
    可動式防波堤。
  6. 前記第1蓋部、前記第2蓋部又は前記第3蓋部は、一部又は全部が着脱可能である、請求項1から5のいずれか1項に記載の可動式防波堤。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の可動式防波堤を水底に複数配列した、可動式防波施設。
JP2014050783A 2014-03-13 2014-03-13 可動式防波堤及び可動式防波施設 Active JP6406838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014050783A JP6406838B2 (ja) 2014-03-13 2014-03-13 可動式防波堤及び可動式防波施設

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014050783A JP6406838B2 (ja) 2014-03-13 2014-03-13 可動式防波堤及び可動式防波施設

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015175127A true JP2015175127A (ja) 2015-10-05
JP6406838B2 JP6406838B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=54254580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014050783A Active JP6406838B2 (ja) 2014-03-13 2014-03-13 可動式防波堤及び可動式防波施設

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6406838B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345537A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Tsutomu Odawara 浮力式床面止水装置
GB2369387A (en) * 2000-08-10 2002-05-29 Ivan Philipov Buoyant automatic flood barrier
JP2006046027A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Ohbayashi Corp 遮水型可動式防波堤
JP2006207177A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Toda Constr Co Ltd 防水板
JP2010007356A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Ohbayashi Corp 可動式防波堤及び可動式防波堤の作動方法
JP2012082606A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Hideki Fujita 遮水装置
JP2012158934A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Taisei Corp 浮上式防波堤

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000345537A (ja) * 1999-06-04 2000-12-12 Tsutomu Odawara 浮力式床面止水装置
GB2369387A (en) * 2000-08-10 2002-05-29 Ivan Philipov Buoyant automatic flood barrier
JP2006046027A (ja) * 2004-08-09 2006-02-16 Ohbayashi Corp 遮水型可動式防波堤
JP2006207177A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Toda Constr Co Ltd 防水板
JP2010007356A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Ohbayashi Corp 可動式防波堤及び可動式防波堤の作動方法
JP2012082606A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Hideki Fujita 遮水装置
JP2012158934A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Taisei Corp 浮上式防波堤

Also Published As

Publication number Publication date
JP6406838B2 (ja) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101118734B1 (ko) 조립식 가물막이
JP4759325B2 (ja) 可動式防波堤及び可動式防波堤の昇降速度調整方法
CN108884647A (zh) 海床基部结构以及用于海床基部结构安装的方法
KR20110016673A (ko) 부유식 방파제
KR101104030B1 (ko) 부유식 방파제
JP5269868B2 (ja) 可動式防波堤および可動式防波施設
JP6406838B2 (ja) 可動式防波堤及び可動式防波施設
JP5893643B2 (ja) 水中堆積物の吸引流送設備および異物の捕捉方法
JP5403796B2 (ja) 可動式防波堤及び可動式防波堤の作動方法
JP2006264596A (ja) 浮体ユニット及び浮体式耐震構造物
JPH1037153A (ja) 港口部の緊急対応式防波方法及びその防波堤
JP2008240385A (ja) 河水貯水施設
JP5684742B2 (ja) 浮体の保護用自沈装置
JP4831498B2 (ja) 可動式防波堤
KR101968283B1 (ko) 저면 배수구조를 갖는 바지선
CA3019884C (en) Device for protecting against the scouring of granular fillings submerged in gravity structures
JP5070362B1 (ja) 浮沈構造体
KR101955891B1 (ko) 해상풍력 지지구조물 보호장치
JP5526056B2 (ja) 移動式防波体及び防波堤の閉塞構造
US20220228342A1 (en) System for the dradging of underwater sea-beds
JP6539815B2 (ja) 可動式防波施設
JP5274633B2 (ja) 防液堤を備えた貯油設備
JP6218304B2 (ja) 可動式防波堤及び可動式防波施設
JP2005207220A5 (ja)
JP2011017182A (ja) 地下貯留装置及び地下貯留方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170310

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6406838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250