以下、図面を参照しながら改札機、及び改札機の制御方法について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る改札機を備えた改札システム全体を示している。図1に示すように、改札システムは、改札機制御装置として機能するホストコンピュータ10を備えている。このホストコンピュータ10は、例えば、駅あるいは空港の搭乗口に設置された複数の改札機100−1、100−2…と通信回線20を介して接続され、これらの改札機100を監視する。
ホストコンピュータ10は、装置全体を制御するとともに下位に接続された各種機器を制御するものであって、複数の改札機100を統括して制御するCPU11を有している。このCPU11には、メモリ部12、表示部13、入力部14、通信制御部15などが接続されている。
メモリ部12は、ホストコンピュータ10自体及び改札機100などの下位の機器を制御するための制御データを含む各種データを記憶している。表示部13は、ホストコンピュータ10自体の動作状態、下位の機器の動作状態などを表示する。入力部14は、各改札機100の動作モードなど種々の情報を入力するためのキーボードや、接触を検知したのに基づいて対応する情報を出力するタッチパネルなどを有している。通信制御部15は、下位の機器との間で通信回線20を介して種々の情報の送受信を行う。
次に、改札システムに適用可能な改札機100の構成について説明する。図2は改札機100の外観を示している。図2に示す改札機は、通常、2台1組として設置され、両者の間に利用者が通行可能な改札通路が形成される。入場処理や出場処理どの改札処理を行う改札機で利用可能な券媒体としては、通信部を有した無線式の第1券媒体およびバーコードが記載された非接触式の第2券媒体、券面に改札情報が印字され裏面に磁気情報が記録された磁気券媒体を対象とし、より具体的には、普通乗車券、定期券、特急券、回数券、入場券、搭乗券、プリペイドカードなどの磁気券媒体、並びに非接触式および無線式の券媒体(無線ICカード)を対象としている。
図2に示すように、改札機100は、たとえば、細長い偏平であり且つ矩形壁状の機器本体1を備えている。機器本体1は、投入口2、放出口3、表示灯4、表示部5、開閉自在なドア16、券媒体がかざされる読取り領域6aに設けられた読取り装置(リーダー)6、スピーカ7、改札機の設定を変更するための操作盤8、人の通過を検知する複数の通過検知器9等を備えている。
投入口2は、機器本体1における改札通路の上流側に設けられ、施設内への入場時または施設内からの出場時に投入された券媒体を受け取り可能である。投入口2の近傍には、券媒体の投入を阻止するためのシャッタ17(図3参照)が設けられている。また、放出口3は、機器本体1における改札通路の下流側に設けられ、投入口2から受け取った券媒体を必要に応じて排出する。
読取り部6は、機器本体1における改札通路の上流側に配置され、読取り領域6aにかざされた券媒体から情報を読取る。この読取り部6は、無線アンテナを有し、無線式の券媒体との間で無線通信を行い券媒体から改札情報を読取るとともに、券媒体に所望の情報を書き込む無線リーダー/ライタ、バーコードの付された券媒体から非接触で2次元バーコードを読取るバーコードリーダー等を備えている。
表示部5は、利用者の通行方向に対して機器本体1における放出口3の前方に配置され、利用者や係員などに対して種々の案内情報、例えば改札処理の結果に対応した案内画面を所定の表示パターンで表示する。ドア16は、機器本体1における改札通路側の側面の両端部に配置され、利用者の通行を制御するために開閉可能に構成されている。このドア16は、利用者の通行を可能とする場合に改札通路を開放し、また、利用者の通行を阻止する場合に改札通路を閉鎖する。
複数の通過検知器9は、機器本体1の改札通路側における側面部に配置され、利用者の通行を検知するための出力信号を出力する。表示灯4は、小児券、無効券、または異常券の投入や、機器の異常など装置の動作状態を報知する。
図3は改札機100の内部構造を示している。図3に示すように、改札機100は、複数の搬送ローラおよび搬送ベルトを含み投入口2から投入された券媒体を搬送路に沿って放出口3あるいは後述の集札箱へ搬送する搬送機構と、搬送路に沿って設けられた複数の機構部と、を備えている。すなわち、改札機100は、投入口2から複数枚の一括投入された券媒体を分離する分離部30、投入口2の後段に設けられ投入された券媒体を所定の姿勢に整位する整列部32と、複数の読取りヘッド45a、45b、45cおよび書込みヘッド46を有し、磁気券媒体の磁気データを読み書きする磁気処理部33と、を備えている。改札機100は、投入された券媒体の表裏判定を行う表裏判定部と、反転ポケット29を有し、投入された券媒体が裏方向投入の際に券媒体を反転する反転部34と、搬送される券媒体に印刷された2次元バーコードを読み取る図示しないスキャナを有したバーコード読取部と、を備えている。
更に、改札機100は、券媒体を一時保留する保留部35と、パンチ28を有し、必要に応じて券媒体にパンチ穴を開けるパンチ部36と、複数のサーマルヘッド27を有し、必要に応じて券媒体の券面に印刷を行う印刷部37と、回収券媒体を集札箱38に集札する集札部40と、複数枚の券媒体を重ね合わせて放出口3に一括放出する集積放出部42と、を備えている。
また、改札機100は、ロール紙から所定のサイズの券媒体をカットして発券する発券部41と、カットした券媒体を発券指令が出るまで待機し、指令が出たのち印刷を実施する発券印刷保留部44と、を備えている。発券部41は、ロール状の券媒体47がセットされる収納部43、反射センサ48、透過センサ49、カッター51、及びカッター51を駆動するモータ50を備えている。反射センサ48及び透過センサ49は、券媒体47の先端と券媒体47上の切断領域の搬送路上での位置とを検知する。発券印刷保留部44は、発券される券媒体の券面に所望の情報を印字するサーマルヘッド52を有している。なお、発券部41の構成については後述する。
更に、改札機100は、搬送路に沿って多数設けられ、券媒体の通過を検知する複数の通過センサ54、搬送路の分岐部にそれぞれ設けられ、券媒体の搬送方向を切換える複数の振り分けゲート53、55、56、57、58、59、各機構部における搬送機構等を駆動する複数のモータ70、71、72、73、74、75、76、搬送路における券媒体を一時的の保留するための複数のストッパ60、61、62、63、64等を備えている。
図4は改札機100の制御系を示す。図4に示すように、改札機100は、装置全体の制御を司るCPU200を備えている。このCPU200は、券媒体から読取った改札情報に基づく改札処理、無線リーダー/ライタおよびバーコードリーダーを含む読取り部6による読取処理、発券部41による券媒体47の発券処理などの動作を制御する制御部として機能する。
CPU200には、制御プログラムを記憶しているROM201と、券媒体から読取った情報を記録し及び制御プログラムのバッファとして情報を記録するRAM202と、運賃情報等を記録している運賃メモリ203と、読取りヘッド45a、45b、45cを制御する読取り回路204と、書込みヘッド46を制御する書込み回路205と、が接続されている。CPUは読み取りヘッド45a、45bで読み取られた情報を基に改札処理を行い、利用者の改札機通過を許可できるか否かの判定を行う。
また、CPU200には、読取り領域6aにかざされた券媒体の2次元バーコードを読取るバーコードリーダーおよび無線リーダー/ライタを有する読取り部6を制御するリーダー制御回路227と、無線リーダー/ライタの無線アンテナ68を介して送信するデータの変調及びアンテナ68を介して受信したデータの復調を行う無線通信回路226と、とが接続されている。CPU200は、読取り部6及びスキャナで読み取られた情報に基づいて改札処理を行い、利用者の改札機通過を許可できるか否かの判定を行う。
更に、CPU200には、振り分けゲート53、55〜59を制御する振り分け制御回路206と、サーマルヘッド27、52を制御する印刷制御回路207と、反転ポケット29を駆動する反転ポケット制御回路209と、パンチ28を制御するパンチ制御回路210と、券媒体を保留するためのストッパ60〜64を制御するストッパ制御回路211と、発券部41のカッター51を駆動するモータ50を制御するカッター制御回路212と、が接続されている。
また、CPU200には、多数の通過センサ54からの信号に基づいて券媒体の搬送状況を検知する検知回路213と、搬送機構を駆動するモータ70〜76を制御する搬送制御回路214と、投入口2への券媒体の投入を阻止するシャッタ17を駆動するシャッタ駆動回路215とが接続されている。
更に、CPU200には、操作案内や改札処理の結果に対応した画像を表示するように表示部5を制御する表示回路220と、表示灯4を制御する表示制御回路221と、音声案内を行うスピーカ7を制御する音声制御回路222と、複数の通過検知器9の出力信号から利用者の通過を検知する通過検知回路223と、ドア16の開閉を制御するドア制御回路224と、装置の各種設定を変更するための操作盤8を制御する操作盤制御回路225とが接続されている。また、CPU200には、通信制御部15が接続されている。この通信制御部15は、CPU200の制御に基づき、改札機100より上位の機器、例えばホストコンピュータ10との間で情報通信を行う。
改札機100は、乗車券などの券媒体を集札する集札部40に券媒体を搬送し、投入する集札搬送機構を備える。図5は、集札搬送機構の例を示す。図6は、集札部40近傍の構成を示す。図7は、集札部40の構成を示す。
集札搬送機構は、磁気処理部33により改札情報が読取られた券媒体を、放出口3あるいは集札部40に振分ける。第1振り分けゲート57と、集札部40に向かって2つに分岐する第1集札路80aおよび第2集札路80bと、これら集札路の分岐部に設けられ、券媒体を第1あるいは第2集札路へ振分ける第2振分けゲート59と、を備えている。更に、搬送機構は、一旦、放出口3に放出され取り忘れられた券媒体を、後述する取り忘れ券媒体用の別集積箱に導く第3集札路81と、券媒体を第1、第2集札路80a、80b側あるいは第3集札路81へ振分ける第3振分けゲート53と、を備えている。
図7に示されたように集札部40は、並列に並んで設けられた、例えば、水平方向に並んで設けられた第1一旦保留箱82aおよび第2一旦保留箱82bと、第1および第2集札路80a、80bに搬送された券媒体を第1一旦保留箱82aおよび第2一旦保留箱82bにそれぞれ導く第1および第2ガイドシュート84a、84bと、第1および第2一旦保留箱の下方に配置された集札箱38と、第1および第2一旦保留箱82a、82bの底を開放する底蓋開閉機構88と、を備えている。
改札機100は、利用者が誤って改札処理を受けた場合、最後に集札した所定枚数の乗車券を第1一旦保留箱82aまたは第2一旦保留箱82bに集札する。改札機100は、第1一旦保留箱82aまたは第2一旦保留箱82bに集札した乗車券が所定枚数に達した場合に、第1一旦保留箱82aまたは第2一旦保留箱82bに集札された乗車券を集札箱38に移す。
集札部40は、第1一旦保留箱82aの満杯を検知する満杯検知センサ110aと、第2一旦保留箱82bの満杯を検知する満杯検知センサ110bと、を備える。改札機100のCPU200は、満杯検知センサ110aと、第2一旦保留箱82bの満杯を検知する満杯検知センサ110bとにそれぞれ検知回路116を介して接続されている。満杯検知センサ110a及び満杯検知センサ110bは、それぞれ検知回路116を介して検出信号をCPU200に送る。これにより、CPU200は、第1一旦保留箱82a及び第2一旦保留箱82bの満杯を認識することができる。CPU200は、第1一旦保留箱82aまたは第2一旦保留箱82bの満杯が検出された場合、満杯が検出された一旦保留箱の底蓋を解放させることにより、集札した券媒体を一旦保留箱から集札箱38に移させる。
また、図6に示すように、第2一旦保留箱82bと並んで、別集積箱85が設けられている。この別集積箱85には、第3集札路81を通して送られた取り忘れ券媒体が集札される。
またさらに、改札機100のCPU200は、発券部41の反射センサ48と透過センサ49とにそれぞれ検知回路117を介して接続されている。反射センサ48及び透過センサ49は、それぞれ検知回路117を介して検出信号をCPU200に送る。これにより、CPU200は、反射センサ48及び透過センサ49による検知結果を認識することができる。
図8は、発券部41にセットされる券媒体47の例を示す。券媒体47は、券面情報などを印刷可能な領域47a、予め印刷が施された領域47b、カッター51によりカットされることが想定された領域(切断領域)47c、及び所定の図柄がマークとして印刷された領域47dを有する。またさらに、券媒体47は、磁気情報などを記録可能な図示されない磁気層を備える。券媒体47は、例えばロール状であり、所定間隔毎に領域47a、領域47b、領域47c、及び領域47dが設けられている。なお、領域47dは、領域47cと矢印aの方向において一定の間隔である距離T毎に設けられている。
図9は、発券部41の動作の例を示す。CPU200は、反射センサ48及び透過センサ49などの検知部により、券媒体47の先端と券媒体47の切断領域47cの搬送路上での位置とを検知する。CPU200は、検知部の検知結果に基づいて切断領域47cから券媒体47の先端までの余り長さを算出し、算出した余り長さに基づいて券媒体47を廃券として切断するように搬送機構及びカッター51を制御する。
発券部41の収納部43は、一定の間隔で切断領域47cが設定されたロール状の券媒体47を収納する。発券部41は、CPU200の制御に基づいてモータ76が動作させ、ロール状の券媒体47を矢印aの方向に搬送させる。また、券媒体47の搬送路上には、カッター51によるカット位置が存在する。CPU200は、カッター制御回路212に指令を送ることにより、カッター51により券媒体47を図9のカット位置でカットさせることができる。さらに、CPU200は、券媒体47の搬送位置を制御しつつカッター51により券媒体47をカットさせることにより、カッター51によりカットする券媒体47上の位置を制御する。
モータ76は、例えばステッピングモータなどのモータである。ステッピングモータは、例えばパルス電力などにより駆動されるモータであり、電気信号1パルスにつき1ステップ分回転動作する。また、モータ76は、1ステップ分で所定の距離だけ券媒体47を矢印aの方向に搬送する。即ち、モータ76は、収納部43に収納された券媒体47を搬送路に沿って搬送する搬送機構である。
CPU200は、モータ76を制御する搬送制御回路214によりモータ76にパルス信号を送ることにより、モータ76の動作を制御することができる。さらに、CPU200は、モータ76が動作したステップ数に応じて券媒体47がどれだけ搬送されたかを認識することができる。即ち、CPU200は、券媒体47がセットされてから券媒体47がどれだけ移動したかを逐次認識することができる。例えば、CPU200は、モータ76の動作時間を、改札機100のOSのタイマまたはハードタイマを用いて計測する。CPU200は、計測した時間と、モータ76の動作速度とに基づいて、券媒体47の搬送量を算出することができる。
CPU200は、反射センサ48の検知結果に基づいて、券媒体47上のマークが印刷された領域47dの位置を認識することができる。反射センサ48は、発光部と受光部とを有する。発光部は、例えば可視光または赤外線などを券媒体47が搬送される搬送路に対して出力する。受光部は、搬送路に対して発光部と同じ側に設けられる。受光部は、発光部から出力されて券媒体47により反射された光を受光し、受光した光を電気信号に変換し、検知回路117を介して電気信号を検知信号としてCPU200に出力する。
例えば、領域47dに印刷されているマークは、ロール状の券媒体47の他の部分に比べて輝度が著しく異なるような図柄で印刷されている。例えば、券媒体47の領域47dが反射センサ48の検知位置に進入した場合、反射センサ48から出力された検知信号の多寡が変化する。CPU200は、反射センサ48による検知信号の多寡に応じて反射センサ48の受光部の受光範囲(反射センサ48の検知位置)に券媒体47の領域47dが存在するか否かを判断する。CPU200は、反射センサ48からの検知信号を連続的に監視する。これにより、CPU200は、搬送路上における券媒体47の領域47dの位置を逐次認識することができる。
なお、上記したように領域47dは、領域47cに対して一定の距離の位置に設けられている。即ち、CPU200は、領域47dの位置を認識することにより、搬送路上における領域47cの位置も認識することができる。
CPU200は、透過センサ49の検知結果に基づいて、券媒体47の先端の位置を認識することができる。透過センサ49は、発光部と受光部とを有する。発光部は、例えば可視光または赤外線などを券媒体47が搬送される搬送路に対して出力する。受光部は、搬送路を挟んで発光部と対向して設けられている。受光部は、受光した光を電気信号に変換し、検知回路117を介して電気信号を検知信号としてCPU200に出力する。
例えば、受光部と発光部との間(透過センサ49の検知位置)に券媒体47が存在する場合、透過センサ49は、検知信号を出力しない。CPU200は、透過センサ49から検知信号を受け取らない場合、透過センサ49の検知位置に券媒体47が存在すると判断する。また、例えば、透過センサ49の検知位置に券媒体47が存在する場合、透過センサ49は、検知信号を出力する。CPU200は、透過センサ49から検知信号を受け取った場合、透過センサ49の検知位置に券媒体47が存在しないと判断する。
CPU200は、透過センサ49からの検知信号の有無を連続的に監視する。例えば、券媒体47が透過センサ49の検知位置に進入した場合、透過センサ49は、検知信号を出力する状態から出力しない状態にきり替わる。CPU200は、透過センサ49の検知信号が出力されている状態から出力されない状態に切り替わった場合、券媒体47が透過センサ49の検知位置に進入したと判断する。即ち、CPU200は、透過センサ49の検知信号が出力されている状態から出力されない状態に切り替わった場合、券媒体47の先端が透過センサ49の検知位置に存在すると判断する。さらに、CPU200は、券媒体47の先端が透過センサ49の検知位置で検知されてからの券媒体47の搬送距離に応じて、カッター51のカット位置から券媒体47の先端までの距離を逐次認識することができる。
またさらに、CPU200は、反射センサ48の検知信号と透過センサ49の検知信号とに基づいて、券媒体47の領域47dから券媒体47の先端までの距離を認識することができる。さらに、CPU200は、券媒体47の領域47cから券媒体47の先端までの距離も認識することができる。
発券部41は、券媒体47を領域47cでカッター51によりカットする。即ち、CPU200は、カッター51のカット位置と券媒体47の領域47cとが重なるように券媒体47をモータ76により搬送させ、カッター51により券媒体47をカットさせる。
CPU200は、カッター51によりカットされた券媒体47がサーマルヘッド52により印字が可能な位置まで搬送されるように搬送機構を制御する。例えば、CPU200は、モータ72及び76などを動作させることにより、カッター51によりカットされた券媒体47を搬送させる。
CPU200は、印刷制御回路207を制御してサーマルヘッド52を動作させることにより、券媒体47の領域47aに所定の情報を印字する。例えば、CPU200は、サーマルヘッド52を制御することにより、券媒体47の領域47aに乗車券情報などを印字する。
さらに、CPU200は、磁気処理部33を制御することにより、券媒体47の磁気層に所定の情報を記録する。例えば、CPU200は、磁気処理部33を制御することにより、券媒体47の磁気層に乗車券情報、及び入場記録などを記録する。さらに、CPU200は、印字及び機器記録が施された券媒体47が放出口3から排出されるように搬送機構を制御する。これにより、改札機100は、乗車券として用いることができる券媒体47を発行することができる。
改札機100により発行された券媒体47には、例えば券種別、券番号、有効区間、有効期限、及び列車情報などの券面情報が印刷される。
なお、改札機100内部の搬送機構の構造により、搬送することができる券媒体47の全長には下限がある。この為、カッター51によりカットされた券媒体47の長さXの下限Xminは、改札機100内部の搬送機構により搬送が可能な長さの下限に相当する。なお、券媒体47の領域47cで券媒体47がカットされた場合、カットされた券媒体47の長さX=Tとなる。即ち、領域47c間の距離(切断領域の間隔)Tは、券媒体47が正常に発行された場合の券の長さに相当する。なお、以下距離Tを基準長さTと称する。
またさらに、上記したように券媒体47は、第1一旦保留箱82a及び第2一旦保留箱82bに集積される。この為、カッター51によりカットされた券媒体47の全長Xの上限Xmaxは、第1一旦保留箱82a及び第2一旦保留箱82bに収まるサイズの上限に相当する。
即ち、券媒体47の全長Xは、改札機100内部の搬送機構により搬送が可能な長さ以上であり、且つ、第1一旦保留箱82a及び第2一旦保留箱82bに収まるサイズである。券媒体47は、領域47cでカットされた場合、Xmin<X<Xmaxを満たすように領域47cが設けられている。
しかし、ロール状の券媒体47の先端が、領域47cではない別の位置でカットされて発券部41に装填される可能性がある。このような場合、改札機100は、券媒体47の端部(1枚分の券媒体47に満たない分+1枚分)を廃券としてカットする。改札機100は、廃券としてカットした券媒体47を集札部40に集札する。即ち、改札機100は、発券部41により券媒体47を1回または複数回カットすることにより、券媒体の領域47cがカッター51のカット位置と重なるように調整することができる。
上記したように、CPU200は、券媒体47の領域47cから券媒体47の先端までの距離を認識することができる。例えば、CPU200は、券媒体47の領域47cから券媒体47の先端までの長さ(余り長)をRとした場合、Xmin≦R≦Xmaxであれば、券媒体の領域47cとカッター51のカット位置とが重なっていると認識することができる。この場合、改札機100は、上記の処理により発券部41により券媒体47を発行することができる。
また、CPU200は、Xmin≦R≦Xmaxではない場合、券媒体47の領域47cとカッター51のカット位置とが重なっていないと認識することができる。この場合、改札機100は、発券部41によりロール状の券媒体47から廃券をカットすることにより、券媒体47の領域47cがカッター51のカット位置と重なるように調整する。
図10は、改札機100が起動された場合、または券媒体47が発券部41にセットされた場合の改札機100の動作の例を示す。
改札機100のCPU200は、モータ76を制御することにより、発券部41に装填された券媒体47を搬送する。CPU200は、券媒体47を反射センサ48及び透過センサ49の検知位置まで搬送させる。これにより、CPU200は、券媒体47の端部の位置を認識する(ステップS11)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47c及び領域47dの位置を認識する(ステップS12)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47cから券媒体47の端部までの長さRを認識する(ステップS13)。
CPU200は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしているか否か判断する(ステップS14)。即ち、CPU200は、券媒体47上の領域47dで券媒体47をカットした場合に券媒体47の長さXが改札機100内部の搬送機構により搬送が可能であり、且つ第1一旦保留箱82a及び第2一旦保留箱82bに収まるサイズであるか否か判断する。
Xmin≦R≦Xmaxを満たしていないと判断した場合、CPU200は、券媒体47の端部に領域47cを配置する為に必要なカット枚数及びカット長を算出する(ステップS15)。上記したように、券媒体47を廃券としてカットする場合もXminからXmaxの間のカット長でカットする必要がある。この為、CPU200は、券媒体47の余りの長さであるRと、基準長さTと、カット可能な最大長Xmaxと、に基づいてカット枚数及びカット長を算出する。
基準長さTと、カット可能な最大長Xmaxとの差が廃券を一枚カットした場合に余りから短縮することができる長さに相当する。即ち、CPU200は、余りの長さRを、基準長さTとカット可能な最大長Xmaxとの差で割ることにより必要なカット枚数を算出することができる。CPU200は、余りの長さRを、基準長さTとカット可能な最大長Xmaxとの差で割った数値の整数の分だけ最大長Xmaxで券媒体47から廃券をカットすると判断する。即ち、CPU200は、R/(Xmax−T)の整数の分だけ最大長Xmaxで券媒体47から廃券をカットすると判断する。さらにCPU200は、まだ余りの長さRが存在するか否か判断する。余りの長さRが存在する場合、基準長さTに余りの長さRを足した長さで券媒体47から廃券をカットすると判断する。
CPU200は、算出したカット枚数及びカット長で券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する。さらに、CPU200は、カットされた廃券が集札部40に集札されるように搬送機構を制御する。これにより、CPU200は、廃券を順次カットさせる。さらに、CPU200は、廃券を券媒体47からカットする毎に予め算出したカット枚数の分だけ廃券を券媒体47からカットしたか否か判断する(ステップS16)。予め算出したカット枚数の分だけ廃券を券媒体47からカットしたと判断した場合、CPU200は、処理を終了する。これにより、CPU200は、券媒体47の端部に領域47cを設置することができる。
また、ステップS14でXmin≦R≦Xmaxを満たしていると判断した場合、CPU200は、長さRで券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する(ステップS17)。さらに、CPU200は、カットされた廃券が集札部40に集札されるように搬送機構を制御し、処理を終了する。これにより、CPU200は、券媒体47の端部に領域47cを設置することができる。
上記した構成によると、改札機100は、券媒体47の端部が所定の領域47cでカットされていない状態で発券部41に装填された場合であっても、予め設定された最小長以上であり且つ予め設定された最大長以下の長さで廃券を1枚または複数枚カットする。
改札機100は、余り長さが最小長以上最大長以下ではない場合、余り長さと、最小長と最大長とのいずれかと、切断領域の間隔と、に基づいて券媒体47から切断する廃券の枚数及び各廃券の長さを算出し、算出結果に基づいて券媒体47を切断する。
さらに、改札機100は、カットされた廃券を集札部40に搬送することができる。またさらに、改札機100は、廃券を集札する集札箱が小さい場合であっても、廃券を改札機100内部に集札することができる。
これにより、CPU200は、券媒体47の端部に領域47cを設置するように改札機100の各部を制御することができる。この結果、利便性の高い改札機、及び改札機の制御方法を提供することができる。
なお、上記した実施形態では、改札機100のCPU200は、余りの長さR、基準長さT、及び最大長Xmaxに基づいてカット枚数及びカット長を決定する構成であると説明したが、この構成に限定されない。CPU200は、余りの長さR、基準長さT、及び最小長Xminに基づいてカット枚数及びカット長を決定する構成であってもよい。
この場合、CPU200は、基準長さTと、カット可能な最小長Xminとの差が廃券を一枚カットした場合に余りから伸長させることができる長さに相当する。即ち、CPU200は、余りの長さRを、基準長さTとカット可能な最少長Xminとの差で割ることにより必要なカット枚数を算出することができる。CPU200は、余りの長さRを、基準長さTとカット可能な最少長Xminとの差で割った数値の整数の分だけ最少長Xminで券媒体47から廃券をカットすると判断する。即ち、CPU200は、(T−R)/(T−Xmin)の整数の分だけ最少長Xminで券媒体47から廃券をカットすると判断する。さらにCPU200は、まだ余りの長さRが存在するか否か判断する。余りの長さRが存在する場合、余りの長さRで券媒体47から廃券をカットすると判断する。
また、CPU200は、余り長さRと基準長さTとに基づいて処理方法を切り替える構成であってもよい。例えば、上記したように余りの長さR、基準長さT、及び最大長Xmaxに基づいてカット枚数及びカット長を決定する方法を第1の方法とし、余りの長さR、基準長さT、及び最小長Xminに基づいてカット枚数及びカット長を決定する方法を第2の方法とする。第1の方法は、廃券をカットする毎に余り長さRが短くなる方法である。また、第2の方法は、廃券をカットする毎に余り長さRが長くなる方法である。そこで、例えば、CPU200は、余り長さRが基準長さTの半分未満である場合、上記の第1の方法で廃券のカット枚数及びカット長を決定し、余り長さRが基準長さTの半分以上である場合、上記の第2の方法で廃券のカット枚数及びカット長を決定する。これにより、改札機100は、より短時間で廃券のカットを完了することができる。
なお、上記の実施形態では、CPU200は、透過センサ49からの検知信号に基づいて券媒体47の端部を認識し、反射センサ48からの検知信号に基づいて券媒体47上の各領域の位置を認識する構成であると説明したが、この構成に限定されない。CPU200は、反射センサ48からの検知信号に基づいて券媒体47の端部を認識する構成であってもよい。この場合、透過センサ49は省略されてもよい。
また、上記の実施形態では、改札機100は、廃券を集札部40に集札する構成であると説明したが、この構成に限定されない。改札機100は、廃券を放出口3から排出する構成であってもよい。
図11は、改札機100が起動された場合、または券媒体47が発券部41にセットされた場合の改札機100の動作の他の例を示す。
改札機100のCPU200は、モータ76を制御することにより、発券部41に装填された券媒体47を搬送する。CPU200は、券媒体47を反射センサ48及び透過センサ49の検知位置まで搬送させる。これにより、CPU200は、券媒体47の端部の位置を認識する(ステップS21)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47c及び領域47dの位置を認識する(ステップS22)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47cから券媒体47の端部までの長さRを認識する(ステップS23)。
CPU200は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしているか否か判断する(ステップS24)。
Xmin≦R≦Xmaxを満たしていないと判断した場合、CPU200は、領域47cで券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する(ステップS25)。さらに、CPU200は、カットされた廃券が放出口3から排出されるように搬送機構を制御する(ステップS26)。なお、この場合、CPU200は、券媒体47の先端から二番目以降の領域47cで券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する。廃券が放出口3から排出された場合、CPU200は、処理を終了する。
また、ステップS24でXmin≦R≦Xmaxを満たしていると判断した場合、CPU200は、長さRの廃券を券媒体47からカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する(ステップS27)。さらに、CPU200は、カットされた廃券が集札部40に集札されるように搬送機構を制御し、処理を終了する。
このような構成であっても、改札機100は、券媒体47の端部に領域47cを設置することができる。この結果、利便性の高い改札機、及び改札機の制御方法を提供することができる。
また、図11の例では、改札機100は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしていない場合、廃券を放出口3から排出し、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしている場合、廃券を集札部40に集札する構成であると説明したが、この構成に限定されない。改札機100は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしているいないにかかわらず廃券を放出口3から排出する構成であってもよい。
図12は、改札機100が起動された場合、または券媒体47が発券部41にセットされた場合の改札機100の動作のさらに他の例を示す。
改札機100のCPU200は、モータ76を制御することにより、発券部41に装填された券媒体47を搬送する。CPU200は、券媒体47を反射センサ48及び透過センサ49の検知位置まで搬送させる。これにより、CPU200は、券媒体47の端部の位置を認識する(ステップS31)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47c及び領域47dの位置を認識する(ステップS32)。さらに、CPU200は、券媒体47上の領域47cから券媒体47の端部までの長さRを認識する(ステップS33)。
CPU200は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしているか否か判断する(ステップS34)。
Xmin≦R≦Xmaxを満たしていないと判断した場合、CPU200は、領域47cで券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する(ステップS35)。さらに、CPU200は、カットされた廃券が放出口3から排出されるように搬送機構を制御する(ステップS36)。なお、この場合、CPU200は、券媒体47の先端から二番目以降の領域47cで券媒体47から廃券をカットするようにモータ76、及びカッター51を制御する。廃券が放出口3から排出された場合、CPU200は、処理を終了する。
また、ステップS34でXmin≦R≦Xmaxを満たしていると判断した場合、CPU200は、長さRの廃券を券媒体47からカットするようにモータ76、及びカッター51を制御し(ステップS37)、ステップS36の処理に移行する。即ち、CPU200は、長さRでカットされた廃券が放出口3から排出されるように搬送機構を制御し、処理を終了する。
このような構成であっても、改札機100は、券媒体47の端部に領域47cを設置することができる。さらに、改札機100は、長さRがXmin≦R≦Xmaxを満たしているいないにかかわらず廃券を放出口3から排出する為、オペレータによるオペレーションを単純化することができる。この結果、より利便性の高い改札機、及び改札機の制御方法を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、鉄道に設置される駅務機器における処理の例について説明したが、改札機100は、例えば飛行機の登場口及び飛行機の搭乗券などにも同様に実施することができる。
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。