JP2015171449A - 消臭システム、消臭剤及び消臭性繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
消臭システムが、(a)スメクタイト、(b)ケイ酸アルミニウム、(c)バインダー樹脂、(d)変性シリコーン化合物及び(e1)A液用の水を含有するA液と、(f)酸化亜鉛及び(e2)B液用の水を含有するB液とを有する。
【選択図】なし
Description
本発明が解決しようとする課題は、酸・塩基成分共に消臭でき、汗臭等の悪臭に対する消臭性が高く、洗浄が繰り返されても消臭性が低下しにくく、吸水性を有する繊維を与える消臭剤を得るための消臭システムの提供である。本発明が解決しようとする別の課題は、当該消臭剤の提供である。本発明が解決しようとする更に別の課題は、当該消臭剤を用いた消臭性繊維製品の提供である。
本発明の消臭システムのA液は(a)スメクタイトを含有する。(a)スメクタイトは、層状珪酸塩鉱物である。(a)スメクタイトは水溶液又は水分散液にするとチキソトロピー性を備えるようになり、本発明の消臭システムのA液中及び本発明の消臭剤中において消臭成分の沈降を抑制することができる。また、塩基性悪臭に対する消臭性能を更に向上させることができる。
(b)ケイ酸アルミニウムの配合量が上記の範囲内にあることにより、(a)スメクタイトとの量のバランスに優れるため、本発明の消臭剤を、酢酸等の酸性悪臭にも、アンモニア等の塩基性悪臭にも優れた消臭性能を発揮するものとすることができる。
上記(c)バインダー樹脂の中で水溶性を有するもの、あるいは、水中に微分散するものが、各消臭成分を有効に機能させることができ、かつ、繊維製品に均等に各消臭成分を付着させることができるために好ましい。
上記(c)バインダー樹脂を用いることにより、本発明の消臭性繊維製品は洗濯等の洗浄を繰り返しても消臭性に優れたものとすることができる。
(c)バインダー樹脂の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品は洗濯等の洗浄を繰り返しても消臭性に優れたものとすることができる。
(d)変性シリコーン化合物の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品は洗濯等の洗浄を繰り返しても吸水性に優れ、かつ、高い消臭性能を有するものとすることができる。
A液の(e1)A液用の水の配合量が上記の範囲内にあることにより、A液は各成分が均一に溶解又は分散することができ、かつ、取り扱い性や輸送性に優れるものとすることができる。
本発明の消臭システムのB液は(e2)B液用の水を含有する。本発明の消臭システムのB液の(e2)B液用の水の、A液中の(a)スメクタイト1質量部に対する好ましい配合量は3〜20質量部であり、より好ましい配合量は5〜15質量部であり、更に好ましい配合量は8〜13質量部である。
B液の(e2)B液用の水の配合量が上記の範囲内にあることにより、B液は後述する(f)酸化亜鉛が均一に分散することができ、かつ、取り扱い性や輸送性に優れるものとすることができる。
(f)酸化亜鉛の配合量が上記の範囲内にあることにより、(b)ケイ酸アルミニウムとの量のバランスに優れるため、本発明の消臭剤を、酢酸等の酸性悪臭にも、アンモニア等の塩基性悪臭にも優れた消臭性能を発揮するものとすることができる。
(g)界面活性剤の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品に、更に高い吸水性を付与することができる。更に、(g)界面活性剤としてリン系界面活性剤を用いる場合には、本発明の消臭剤のpH値を中性領域に、ほぼ一定に維持しやすくなり、繊維等への悪影響をより確実に抑えることができる。
(b)ケイ酸アルミニウムの配合量が上記の範囲内にあることにより、(a)スメクタイトとの量のバランスに優れるため、本発明の消臭剤を、酢酸等の酸性悪臭にも、アンモニア等の塩基性悪臭にも優れた消臭性能を発揮するものとすることができる。
(c)バインダー樹脂の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品は洗濯等の洗浄を繰り返しても消臭性に優れたものとすることができる。
(d)変性シリコーン化合物の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品は洗濯等の洗浄を繰り返しても吸水性に優れ、かつ、高い消臭性能を有するものとすることができる。
なお、(e)水とは、(e1)A液用の水、(e2)B液用の水、及び、(e3)消臭剤作成時に追加添加する水、からなる。
本発明の消臭剤が含有する(e)水の配合量が上記の範囲内にあることにより、各消臭成分がバランス良くかつ不足なく配合されるために、本発明の消臭剤を消臭性に優れるものとすることができ、かつ、(a)スメクタイトの濃度が適正な範囲内となるために、本発明の消臭剤の粘度を適正な範囲内とすることができ、その結果、本発明の消臭剤の取り扱い性、特に繊維製品に含浸させる際の取り扱い性に優れるものとすることができる。
(f)酸化亜鉛の配合量が上記の範囲内にあることにより、(b)ケイ酸アルミニウムとの量のバランスに優れるため、本発明の消臭剤を、酢酸等の酸性悪臭にも、アンモニア等の塩基性悪臭にも優れた消臭性能を発揮するものとすることができる。
(g)界面活性剤の配合量が上記の範囲内にあることにより、本発明の消臭性繊維製品に、更に高い吸水性を付与することができる。更に、(g)界面活性剤としてリン系界面活性剤を用いる場合には、本発明の消臭剤のpH値を中性領域に、ほぼ一定に維持しやすくなり、繊維等への悪影響をより確実に抑えることができる。
本発明の消臭剤は、(f)酸化亜鉛と(b)ケイ酸アルミニウムとを組み合わせることにより、酸成分に由来する酸性悪臭と、塩基成分に由来する塩基性悪臭とを共に消臭できる。(a)スメクタイトを含有する本発明の消臭剤は、塩基成分に由来する塩基性悪臭に対する消臭性能を一層向上し、かつ、消臭成分の沈降抑制効果を有する。
171.5部のイオン交換水、1.0部のスメクタイト1)、30.4部のケイ酸アルミニウム2)、固形分換算で25.0部のアクリル樹脂3)、固形分換算で25.7部のシリコーン・アクリル樹脂4)、3.8部のリン酸エステル5)、2.1部の変性シリコーン化合物(D1)6)が混合され、259.5部の分散液(A液)が調整された。また、59部のイオン交換水が、40部の超微粒子酸化亜鉛12)と1部の伊那食品工業(株)製ウルトラキサンタンVT−7(増粘剤)の混合物に加えられ、ホモジナイザーで強攪拌され、100部の分散液(B液)が調整された。イオン交換水3978.4部、A液259.5部及びB液17.0部を、スターラーで撹拌して消臭剤を得た。次に、カチオン可染性ポリエステル90%とポリウレタン10%からなる繊維径8μmの繊維を170μmに束ね、目付110g/m2に平編みした乾燥生地を上記消臭剤に浸漬し、間隙を調整した2本のロール間を通し、下記式(1)で示されるピックアップ率が70±3%となるように一定圧力で絞り、当該生地に当該消臭剤を均一に含浸加工した。その後、当該消臭剤を含む生地を130℃のオーブンで2分間乾燥し、加工生地(消臭性繊維製品)を得た。
ピックアップ率(%)=100×(消臭剤を絞った後の生地質量−乾燥生地質量)/(乾燥生地質量)・・・(1)
洗濯機(ハイアール製 品番JW−Z23A)に、40℃の水15LとJAFET標準洗剤20mlを添加して洗濯液を作り、その中に当該加工生地を入れ洗濯を行った。当該洗濯液での、[洗濯15分、脱水3分、すすぎ洗い4分、脱水3分、すすぎ洗い4分、脱水4分]の工程を4回繰り返した。洗濯後の当該加工生地を、80℃の恒温槽に広げて30分間乾燥した。洗濯前と洗濯後の加工生地(消臭性繊維製品)の消臭率及び吸水性を、以下のとおり測定した。結果を表1に示す。
10cm×10cmの大きさに裁断した加工生地を容量5LのスマートバッグPA(登録商標)に入れ、当該スマートバッグPA(登録商標)内を真空ポンプで真空にした後、ポンプを使用して3Lの悪臭ガスを封入しゴム栓で封じ、悪臭ガスを封入してから2時間後のスマートバッグPA(登録商標)内の濃度を検知管で測定し、実測定濃度を求めた。
消臭率(%)=100×(空試験濃度−実測定濃度)/(空試験濃度)・・・(2)
JIS L 1907「滴下法」を参考に、以下の方法で行った。10cm×10cmに裁断した加工生地を、シャーレの縁の上に置き、空中に浮いた箇所に、マイクロピペットを用いて、当該生地表面より約10mmの高さから、10μLのイオン交換水を滴下した。水滴が当該生地の表面に達したときから、当該生地が水滴を吸収するにつれて鏡面反射が消え湿潤だけが残った状態までの時間をストップウォッチで測定した。この操作を5回実施し、平均値を求めた。値が小さいほど吸水性に優れている。
A液のイオン交換水の配合量を169.3部、A液の変性シリコーン化合物(D1)の配合量を4.3部に変更する以外、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液のイオン交換水の配合量を162.9部、A液の変性シリコーン化合物(D1)の配合量を10.6部、A液及びB液に配合するイオン交換水の配合量を3978.5部に変更する以外、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液のケイ酸アルミニウムの配合量を22.8部、A液のイオン交換水の配合量を176.9部、A液の変性シリコーン化合物(D1)の配合量を4.3部、B液の配合量を12.8部、A液及びB液に配合するイオン交換水の配合量を3982.6部に変更する以外、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液のケイ酸アルミニウムの配合量を36.5部、A液のイオン交換水の配合量を163.2部、A液の変性シリコーン化合物(D1)の配合量を4.3部、B液の配合量を20.5部、A液及びB液に配合するイオン交換水の配合量を3974.9部に変更する以外、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液の変性シリコーン化合物(D1)4.3部を変性シリコーン化合物(D2)7)4.3部(固形分換算)に変更した以外、実施例2と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液の変性シリコーン化合物(D1)4.3部を変性シリコーン化合物(D3)8)4.3部(固形分換算)に変更した以外、実施例2と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液の変性シリコーン化合物(D1)4.3部を変性シリコーン化合物(D4)9)4.3部(固形分換算)に変更した以外、実施例2と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液の変性シリコーン化合物(D1)4.3部を変性シリコーン化合物(D5)10)4.3部(固形分換算)に変更した以外、実施例2と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液の変性シリコーン化合物(D1)4.3部を変性シリコーン化合物(D6)11)4.3部(固形分換算)に変更した以外、実施例2と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
A液にケイ酸アルミニウム及び変性シリコーン化合物を配合せず、A液のイオン交換水の配合量を204.0部に変更する以外、実施例1と同じ操作を行った。結果を表1に示す。
2)協和化学工業(株)製キョーワード700PL
3)アイカ工業(株)製ウルトラゾールK−55
4)北広ケミカル(株)製ライトエポックS−65
5)東邦化学工業(株)製フォスファノールRS−710
6)信越化学工業(株)製Polon SR−Conc : 液状ポリエーテル変性シリコーン化合物
7)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 TSF4440 : 液状ポリエーテル変性シリコーン化合物
8)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 TSF4452 : 液状ポリエーテル変性シリコーン化合物
9)東レ・ダウコーニング(株)製 BY 16−891 : ポリエーテルアミド基を有する変性シリコーン化合物
10)東レ・ダウコーニング(株)製 BY 16−893 : アミノ変性・ポリエーテル変性シリコーン化合物
11)旭化成ワッカーシリコーン(株)製 FLUID L 066 : 液状ポリエーテル変性シリコーン化合物
12)和光純薬工業(株)製
Claims (9)
- (a)スメクタイト、(b)ケイ酸アルミニウム、(c)バインダー樹脂、(d)変性シリコーン化合物及び(e1)A液用の水を含有するA液と、
(f)酸化亜鉛及び(e2)B液用の水を含有するB液とを有する消臭システム。 - (a)スメクタイト1質量部、(b)ケイ酸アルミニウム15〜50質量部、(c)バインダー樹脂20〜100質量部、(d)変性シリコーン化合物1〜20質量部及び(e1)A液用の水100〜300質量部を含有するA液と、
A液中の(a)スメクタイト1質量部に対し、(f)酸化亜鉛2〜15質量部及び(e2)B液用の水3〜20質量部を含有するB液とを有する請求項1に記載されている消臭システム。 - A液が、更に(g)界面活性剤を含有している、請求項1に記載されている消臭システム。
- A液が、更に、A液中の(a)スメクタイト1質量部に対し、(g)界面活性剤1〜10質量部を含有している、請求項2に記載されている消臭システム。
- (a)スメクタイト、(b)ケイ酸アルミニウム、(c)バインダー樹脂、(d)変性シリコーン化合物、(e)水及び(f)酸化亜鉛を含有している消臭剤。
- (a)スメクタイト1質量部、(b)ケイ酸アルミニウム15〜50質量部、(c)バインダー樹脂20〜100質量部、(d)変性シリコーン化合物1〜20質量部、(e)水2500〜5000質量部及び(f)酸化亜鉛2〜15質量部を含有している請求項5に記載されている消臭剤。
- 更に、(g)界面活性剤を含有している、請求項5に記載されている消臭剤。
- 更に、(a)スメクタイト1質量部に対し、(g)界面活性剤1〜10質量部を含有している、請求項6に記載されている消臭剤。
- 請求項5〜8の何れか1項に記載されている消臭剤を繊維製品に含浸させた後、乾燥して得られる消臭性繊維製品。
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