JP2015169396A - 熱処理用の支持部材、熱処理用の支持装置、熱処理装置、および、被処理物の配置方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることのできる、熱処理用の支持部材、熱処理用の支持装置、熱処理装置、および、被処理物の配置方法を提供する。【解決手段】熱処理装置の支持部材102は、加熱された雰囲気下で発生する気流中において熱処理される複数の被処理物100を支持する。支持部材102は、配列方向Y2に並ぶ複数の支持部108を有する。各支持部108は、対応する被処理物100を支持可能に構成されている。配列方向Y2に関する複数の支持部108の配置ピッチPは、気流中での支持部108の位置に応じて異なるように設定されている。【選択図】図6
Description
本発明は、加熱された雰囲気下で被処理物を処理するための、熱処理用の支持部材、熱処理用の支持装置、熱処理装置、および、被処理物の配置方法に関する。
ガラス基板等の材料に熱処理を行うための、熱処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。熱処理装置の一例として、特許文献1に記載の真空炉は、材料が配置される処理室を有している。処理室の外側には、モータが配置されている。このモータの回転軸は、筒状の回転軸とねじ結合している。具体的には、モータの回転軸は、雄ねじ部を有している。また、筒状の回転軸は、雄ねじ部にねじ結合する雌ねじ部を有している。更に、これら雄ねじ部及び雌ねじ部を、雄ねじ部の径方向に貫通するピンが設けられている。このピンが存在することにより、モータの回転軸の雄ねじ部と、筒状の回転軸の雌ねじ部との間で緩みが生じることを防止している。
筒状の回転軸は、処理室を貫通しており、処理室内に延びている。処理室内において、筒状の回転軸には、ファンが固定されている。ファンの回転は、処理室内で加熱されるガスを、撹拌する。これにより、処理室内のガスの温度分布が、より均一となる。
熱処理装置では、多数の部品が一括して熱処理されることがある。例えば、平板状の基板を多数、熱処理装置内に配置し、これらの基板の表面に熱処理が施されることがある。この場合、熱処理装置の熱処理容器内に多数の部品が配置されている結果、熱処理容器内における気流の通路が部分的に狭くなっている。このため、熱処理容器内の雰囲気は、ファンによって撹拌されるけれども、ファンによって生じた気流に偏りが生じ、多数の部品間に配置されている部品の周囲に十分な気流が生じ難くなる。その結果、熱処理容器内の部品間の周囲で、温度分布、および、ガス濃度分布に偏りが生じる。特に、熱処理容器内の雰囲気を常温から加熱する際において、部品間での温度分布の偏りが大きくなる。部品の均一な熱処理を実現する上で、このような、温度分布の偏り、および、ガス濃度分布の偏りは、より少ないほうが好ましい。
本発明は、上記事情に鑑みることにより、複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることのできる、熱処理用の支持部材、熱処理用の支持装置、熱処理装置、および、被処理物の配置方法を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理用の支持部材は、加熱された雰囲気下で発生する気流中において熱処理される複数の被処理物を支持するための支持部材であって、前記支持部材は、所定の配列方向に並ぶ複数の支持部を備え、各前記支持部は、対応する前記被処理物を支持可能に構成され、前記配列方向に関する複数の前記支持部の配置ピッチは、前記気流中での前記支持部の位置に応じて異なるように設定されている。
なお、上記の「配置ピッチ」とは、支持部の所定の基準位置間の間隔をいい、一例として、配列方向における支持部の中心部間の間隔を例示することができる。
この構成によると、配列方向に関する複数の支持部の配置ピッチは、気流中での支持部の位置に応じて異なるように設定されている。これにより、複数の被処理物間の周囲において、気流をより偏りなく分布させることができる。その結果、複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることができる。よって、複数の被処理物の熱処理を、より均等に行うことができる。
(2)好ましくは、前記支持部材は、前記被処理物を収容するための収納容器内において、前記収納容器の壁部に向かうように生じた前記気流中に配置されるように構成されており、前記配置ピッチは、第1配置ピッチと、前記第1配置ピッチの値よりも小さい値に設定された第2配置ピッチとを含み、前記第2配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記第1配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部と比べて、前記収納容器の近くに配置可能に構成されている。
この構成によると、収納容器内においては、収納容器の壁部に近い位置では、気流の速度が高く、収容容器の壁部に遠い位置では、気流の速度が低くなる傾向にある。このような気流の分布となる収納容器内において、収納容器の壁部に比較的近い位置に配置された支持部間のピッチは、狭い第2配置ピッチに設定されている。これにより、比較的高い流速の気流に曝される被処理物間への過度の気流の侵入が抑制される。一方、収納容器の壁部から比較的遠い位置に配置された支持部間のピッチは、広い第1配置ピッチに設定されている。これにより、比較的低い流速の気流に曝される被処理物間へ、十分な量の雰囲気を導くことができる。その結果、収納容器内での処理ガス等の雰囲気の分布をより均等にすることができる。
(3)好ましくは、前記支持部材は、前記被処理物を収容するための収納容器内において、前記収納容器の壁部に向かうように生じた前記気流中に配置されるように構成されており、前記配置ピッチは、第1配置ピッチと、前記第1配置ピッチの値よりも小さい値に設定された第2配置ピッチとを含み、前記第1配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記配列方向における前記支持部材の中央部寄りに配置され、前記第2配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記配列方向における前記支持部材の端部寄りに配置されている。
この構成によると、収納容器内においては、収納容器の壁部に近い位置では、気流の速度が高く、収容容器の壁部に遠い位置では、気流の速度が低くなる傾向にある。このような気流の分布となる収納容器内において、収納容器の壁部に比較的近い位置に配置された支持部間のピッチは、狭い第2配置ピッチに設定されている。これにより、比較的高い流速の気流に曝される被処理物間への過度の気流の侵入が抑制される。一方、収納容器の壁部から比較的遠い位置に配置された支持部間のピッチは、広い第1配置ピッチに設定されている。これにより、比較的低い流速の気流に曝される被処理物間へ、十分な量の雰囲気を導くことができる。その結果、収納容器内での処理ガス等の雰囲気の分布をより均等にすることができる。
(4)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理用の支持装置は、前記支持部材と、前記支持部材を支持するベース部と、を備え、前記支持部材は、前記ベース部に着脱可能に構成されている。
この構成によると、支持部材は、ベース部に対して着脱可能である。これにより、被処理物の形状、数、レイアウト等に応じて、最適な支持部材をベース部に取り付けることが可能となる。これにより、支持装置の汎用性を、より高くできる。
(5)より好ましくは、前記支持部材は、前記配列方向に延びる長尺形状に形成されており、前記支持部材は、前記配列方向と直交する方向に離隔して複数配置されている。
この構成によると、被処理物が配列方向と直交する方向に長い形状であっても、支持部材は、被処理物を、より確実に安定した姿勢で保持することができる。
(6)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる熱処理装置は、被処理物を収容するための収納容器と、前記収納容器内の雰囲気を加熱するための加熱部と、前記収納容器内に気流を発生させる気流発生部材と、前記収納容器内に配置された、前記支持部材と、を備えている。
この構成によると、配列方向に関する複数の支持部の配置ピッチは、気流中での支持部の位置に応じて異なるように設定されている。これにより、複数の被処理物間の周囲において、気流をより偏りなく分布させることができる。その結果、複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることができる。よって、複数の被処理物の熱処理を、より均等に行うことができる。
(7)好ましくは、前記気流発生部材は、前記支持部材と対向するように配置されており、前記配列方向は、前記気流発生部材と前記支持部材とが対向する方向と交差する方向である。
この構成によると、例えば、気流発生部材からの気流が、収納容器内を循環するような流れである場合において、気流発生部材から遠ざかる方向への気流、および、気流発生部材に戻る気流の何れか一方は、配置ピッチの小さい被処理物の周囲に、より多く分布する。また、気流発生部材から遠ざかる方向への気流、および、気流発生部材に戻る気流の他方は、配置ピッチの大きい被処理物の周囲に、より多く分布する。これにより、各被処理物へ、より均等に気流を供給することができる。その結果、各被処理物を、より均等に熱処理できる。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる被処理物の配置方法は、加熱された雰囲気下で発生する気流中において熱処理される複数の被処理物の配置方法であって、複数の前記被処理物は、所定の配列方向に並ぶように配置され、前記配列方向に関する複数の前記被処理物の配置ピッチは、前記気流中での前記被処理物の位置に応じて異なるように設定されている。
この構成によると、配列方向に関する複数の被処理部の配置ピッチは、気流中での被処理部の位置に応じて異なるように設定されている。これにより、複数の被処理物間の周囲において、気流をより偏りなく分布させることができる。その結果、複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることができる。よって、複数の被処理物の熱処理を、より均等に行うことができる。
本発明によると、複数の被処理物が配置されている空間における雰囲気の分布をより均一にすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、被処理物を熱処理するための熱処理装置として広く適用することができる。
[熱処理装置の概略構成]
図1は、本発明の実施形態に係る熱処理装置1の一部を切断した状態を示す断面図であり、熱処理装置1を側方から見た状態を示している。図2は、熱処理装置1の一部を切断した状態を示す断面図であり、熱処理装置を斜めから見た状態を示している。図2では、熱処理装置1の一部を省略して示している。
図1は、本発明の実施形態に係る熱処理装置1の一部を切断した状態を示す断面図であり、熱処理装置1を側方から見た状態を示している。図2は、熱処理装置1の一部を切断した状態を示す断面図であり、熱処理装置を斜めから見た状態を示している。図2では、熱処理装置1の一部を省略して示している。
図1及び図2を参照して、熱処理装置1は、被処理物100の表面に熱処理を施すことが可能に構成されている。この熱処理として、CVD(Chemical Vapor Deposition)処理、拡散処理、アニール処理、太陽電池の製造処理、半導体デバイスの製造処理等を例示することができる。本実施形態では、被処理物100は、ガラス基板である。被処理物100は、例えば、矩形状に形成されている。熱処理装置1は、被処理物100を、反応性ガスの雰囲気下で熱処理することにより、被処理物100の表面に、薄膜を形成する。また、熱処理装置1は、横型熱処理装置である。被処理物100は、熱処理装置1に対して出し入れされる際に、水平方向に変位される。
熱処理装置1は、チューブ(収納容器)2と、ヒータ3と、閉塞装置4と、遮熱部5と、ファン装置6と、保護筒(保護部材)7と、を備えている。
チューブ2は、被処理物100を収納するために設けられている。また、チューブ2は、チューブ2内に収納された被処理物100を、加熱された雰囲気下で熱処理するために設けられている。本実施形態では、チューブ2は、石英を用いて形成されている。チューブ2は、中空に形成されている。チューブ2の厚みは、数十mm程度に設定されている。
チューブ2は、チューブ本体8と、閉塞部9と、を有している。
チューブ本体8は、円筒状に形成されており、細長く延びている。チューブ本体8の長手方向L1を、以下、「長手方向L1」という場合がある。チューブ本体8の下部は、支持台(図示せず)によって、支持されている。チューブ本体8の一端部は、開口部11を有している。開口部11は、被処理物100を通過させることが可能な大きさに形成されている。被処理物100は、開口部11を通して、チューブ2に出し入れされる。チューブ本体8の下部上に、被処理物100が配置される。被処理物100は、例えば、支持台12に乗せられた状態で、チューブ本体8の外側から、開口部11を通して、チューブ本体8内に挿入される。支持台12において、被処理物100は、垂直方向に延びた状態で、複数配置されている。チューブ本体8の他端は、閉塞部9と連続している。閉塞部9は、長手方向L1に沿ってチューブ本体8から遠ざかる方向に向けて、膨らんだ形状に形成されている。閉塞部9は、チューブ本体8の他端を塞いでいる。上記の構成を有するチューブ2は、ヒータ3によって加熱される。
ヒータ3は、チューブ2内の雰囲気を加熱するために設けられている。ヒータ3は、例えば、電熱ヒータである。ヒータ3は、全体として、中空の箱形形状に形成されており、チューブ2の大部分を収納している。ヒータ3は、支持台(図示せず)によって支持されている。ヒータ3は、チューブ2内の雰囲気を、数百度程度に加熱することが可能である。
ヒータ3は、上部ヒータ13と、下部ヒータ14と、端部ヒータ15と、側部ヒータ16と、を有している。
上部ヒータ13は、チューブ本体8の上方に配置されており、水平に延びている。平面視において、上部ヒータ13は、矩形に形成されている。平面視において、上部ヒータ13は、チューブ2のうち、開口部11の周辺部分以外の部分を、覆っている。上部ヒータ13の下方に、下部ヒータ14が配置されている。
下部ヒータ14は、チューブ本体8の下方に配置されており、水平に延びている。底面視において、下部ヒータ14は、矩形に形成されている。底面視において、下部ヒータ14は、チューブ2のうち、開口部11の周辺部分以外の部分を、覆っている。下部ヒータ14に隣接するように、端部ヒータ15が配置されている。
端部ヒータ15は、チューブ2の閉塞部9と長手方向L1に並んで配置されており、垂直に延びている。端部ヒータ15は、略矩形に形成されている。端部ヒータ15は、チューブ2の閉塞部9を、チューブ2の後方から覆っている。端部ヒータ15に隣接するように、側部ヒータ16が配置されている。
側部ヒータ16は、チューブ2のチューブ本体8及び閉塞部9に隣接して配置されており、垂直に延びている。側部ヒータ16は、略矩形に形成されており、長手方向L1と平行な方向に延びている。図示していないけれども、側部ヒータ16と同様の側部ヒータが、チューブ2に隣接して配置されている。これら一対の側部ヒータの間に、チューブ2が配置されている。前述したように、上記の構成を有するヒータ3によって、チューブ2内の雰囲気が、加熱される。チューブ2内の雰囲気が加熱されている間、チューブ2の開口部11は、閉塞装置4によって閉塞されている。
図3は、図1の閉塞装置4の周辺の拡大図である。図3を参照して、閉塞装置4は、冷却部材19と、ドア装置20と、第1シール部材21と、第2シール部材22を有するシール装置23と、を含んでいる。
図4は、冷却部材19の周辺の拡大図である。図4を参照して、冷却部材19は、第1シール部材21、及び第2シール部材22を冷却するために設けられている。冷却部材19が設けられていることにより、第1シール部材21、及び第2シール部材22は、ヒータ3からの熱による過熱を抑制される。その結果、第1シール部材21、及び第2シール部材22の劣化を抑制できる。冷却部材19は、チューブ2の開口部11に隣接して配置されている。冷却部材19は、長手方向L1において、チューブ2と、ドア装置20との間に配置されている。冷却部材19は、2つの円筒部材を組み合わせた形状を有しており、チューブ2とは、略同軸に配置されている。冷却部材19は、金属材料を用いて形成されている。この金属材料は、例えば、ステンレス材である。
冷却部材19は、内筒24と、外筒25と、第1フランジ26と、第2フランジ27と、冷却水路28と、を有している。
内筒24は、円筒状に形成されている。本実施形態では、内筒24の内径、即ち、内筒24の内周面の直径は、チューブ本体8の内径よりも小さく設定されている。内筒24を取り囲むようにして、外筒25が配置されている。
外筒25は、円筒状に形成されており、内筒24と、同軸に配置されている。長手方向L1において、外筒25の位置と、内筒24の位置とは、揃えられている。外筒25は、支持部材29(図1参照)に固定されている。これにより、冷却部材19は、支持部材29によって、支持されている。外筒25の一端部25a、及び内筒24の一端部24aは、第1フランジ26に固定されている。
第1フランジ26は、ドア装置20の後述するドア36と接触する部分として設けられている。第1フランジ26は、環状に形成されており、内筒24及び外筒25と同軸に配置されている。第1フランジ26は、溶接等によって、内筒24及び外筒25に固定されている。これにより、第1フランジ26は、内筒24の一端部24aと、外筒25の一端部25aとの間の空間を、長手方向L1の一方側から塞いでいる。第1フランジ26のうち、ドア装置20に対向する部分には、環状の溝26aが形成されている。この溝26aは、第1フランジ26の外周面に開放されている。この溝26aには、環状のプレート30が収容されている。プレート30は、固定部材としてのねじ部材31を用いて、第1フランジ26に固定されている。プレート30に隣接して、第1シール部材21が配置されている。
第1シール部材21は、ドア装置20のドア36と、冷却部材19との間を、気密的にシールするために設けられている。本実施形態では、第1シール部材21は、合成ゴム等を用いて形成されたOリングであり、弾性及び可撓性を有している。第1シール部材21は、環状に形成されている。第1シール部材21は、第1フランジ26の溝26aに嵌められており、当該第1フランジ26と、プレート30との間に位置している。これにより、第1シール部材21は、第1フランジ26に保持されている。第1フランジ26と長手方向L1に離隔した位置に、第2フランジ27が配置されている。
第2フランジ27は、チューブ2に隣接する部分として設けられている。第2フランジ27は、環状に形成されており、内筒24及び外筒25と同軸に配置されている。第2フランジ27は、一端面27aと、他端面27bと、溝部27cと、を有している。
一端面27aは、溶接等によって、内筒24及び外筒25に固定されている。これにより、第2フランジ27は、内筒24の他端部24bと、外筒25の他端部25bとの間の空間を、長手方向L1の他方側から塞いでいる。第2フランジ27の一部は、チューブ2に対して、冷却部材19の径方向の外方に突出するように配置されている。即ち、第2フランジ27の外径は、チューブ本体8の外径よりも大きい。第2フランジ27のうち、チューブ2に対向する他端面27bには、環状の溝27cが形成されている。この溝27cは、第2フランジ27の内周部に形成されている。この溝27cには、受け部材32が配置されている。
図5は、図4のV−V線に沿う断面図である。図4及び図5を参照して、受け部材32は、第2フランジ27と、チューブ2との間に介在する部材として設けられている。これにより、第2フランジ27と、チューブ2とが直接接触することを防止している。受け部材32は、複数設けられている。複数の受け部材32は、第2フランジ27の周方向に等間隔に配置されている。隣り合う受け部材32,32間には、隙間CL1が形成されている。各受け部材32の表面は、摩擦抵抗を低減するための材料によって形成されている。このような材料として、PTFE(PolyTetraFluoroEthylene)等のフッ素樹脂材料を例示することができる。
各受け部材32は、厚みが数mm程度の板部材を用いて形成された、円弧状の部材である。尚、図5では、複数の受け部材32のうちの、一部の受け部材32を図示している。各受け部材32は、固定部材としてのねじ部材33を用いて、溝27cに固定されている。各受け部材32は、第2フランジ27からチューブ2に向かって突出しており、チューブ本体8の一端面8aに接触している。図4を参照して、第2フランジ27、第1フランジ26、内筒24及び外筒25によって、冷却水路28が形成されている。
冷却水路28は、円筒状の水路として設けられている。冷却水路28は、図示しない熱交換器と接続されている。冷却水路28は、この熱交換機で冷却された冷却水が通過するように構成されている。これにより、冷却水路28に隣接して配置された第1シール部材21、及び第2シール部材22が、冷却される。
第2シール部材22を有するシール装置23は、チューブ2と、冷却部材19との間をシールするために設けられている。シール装置23は、チューブ2の開口部11を取り囲むように配置されている。シール装置23は、第2シール部材22と、シール保持部材35と、を有している。
第2シール部材22は、冷却部材19と、チューブ2との間を、気密的にシールするために設けられている。本実施形態では、第2シール部材22は、第1シール部材21と同様の構成を有している。即ち、第2シール部材22は、合成ゴム等を用いて形成されたOリングであり、弾性及び可撓性を有している。第2シール部材22は、環状に形成されている。第2シール部材22は、チューブ本体8の開口部11の外周面に嵌められている。第2シール部材22は、チューブ本体8の一端面8aに隣接して配置されている。また、第2シール部材22は、第2フランジ27の他端面27bに接触している。これにより、第2シール部材22は、チューブ本体8の開口部11と、第2フランジ27との間の空間を、チューブ本体8の外側から塞いでいる。第2シール部材22は、シール保持部材35によって、保持されている。
シール保持部材35は、円環状に形成されており、第2フランジ27に固定されている。シール保持部材35の内周部は、第2シール部材22を、チューブ本体8側へ加圧している。上記の構成を有するシール装置23とは長手方向L1に離隔した位置に、ドア装置20が配置されている。
図1及び図3を参照して、ドア装置20は、ドア36と、ドア支持装置37と、を有している。
ドア36は、冷却部材19の第1フランジ26の内側空間を長手方向L1の一方側から塞ぐために設けられている。換言すれば、ドア36は、チューブ2の開口部11を、長手方向L1の一方側から塞ぐために設けられている。ドア36は、例えば、金属板を用いて形成されている。本実施形態では、ドア36は、円板状に形成されている。ドア36の外周部36aは、冷却部材19の第1フランジ26に接触可能に構成されている。ドア36の外周部36aが第1フランジ26に接触した場合、ドア36と、第1フランジ26との間は、第1シール部材21によって、気密的にシールされる。このドア36は、ドア支持装置37によって支持されている。ドア支持装置37は、ドア36を変位可能に支持するために設けられている。
ドア支持装置37は、支柱38と、駆動装置39と、を有している。
支柱38は、上下方向Z1(鉛直方向)に延びる部材として設けられている。支柱38は、ドア36に固定されている。支柱38は、駆動装置39に接続されている。
駆動装置39は、支柱38及びドア36を変位させるために設けられている。駆動装置39は、支柱38を、長手方向L1に変位可能に構成されている。また、駆動装置39は、支柱38を、長手方向L1と直交する方向に変位可能に構成されている。これにより、駆動装置39は、第1フランジ26で囲まれた空間を開放するように、ドア36を変位させることができる。即ち、駆動装置39は、ドア36を、開閉することができる。ドア36が開いた状態で、被処理物100を、チューブ2に対して出し入れすることができる。ドア36は、遮熱部5を保持している。
遮熱部5は、ヒータ3からの熱が、第2シール部材22、冷却部材19、第1シール部材21、及びドア36等に伝わることを抑制するために設けられている。遮熱部5は、チューブ2の開口部11の周辺に配置されている。
図3を参照して、遮熱部5は、ステー41,42と、遮熱部材43と、を有している。
ステー41,42は、遮熱部材43を支持するために設けられている。各ステー41,42は、ドア36に固定されており、ドア36から、長手方向L1に沿って、チューブ2側に延びている。各ステー41,42は、長手方向L1に並ぶ複数の凹部44を有している。凹部44は、上方に向けて開放されており、遮熱部材43を嵌めることが可能である。
遮熱部材43は、熱バリアを形成するために設けられている。遮熱部材43は、1又は複数設けられている。本実施形態では、遮熱部材43は、7つ設けられている。各遮熱部材43は、円板状に形成されている。複数の遮熱部材43が、長手方向L1に離隔して配置されている。各遮熱部材43には、複数の貫通孔が形成されている。これらの貫通孔に、対応するステー41,42が挿入されている。また、これらの貫通孔の周縁部は、凹部44に嵌められている。これにより、各遮熱部材43は、長手方向L1に位置決めされている。各遮熱部材43は、凹部44に取り外し可能に嵌合されている。これにより、長手方向L1における各遮熱部材43の位置を、容易に変更できる。また、ステー41,42に取り付けられる遮熱部材43の数を、容易に変更することができる。その結果、遮熱部5が熱を遮断する度合いを、容易に調整できる。遮熱部5には、サブヒータ45が配置されている。サブヒータ45は、発熱体を有しており、チューブ2内の雰囲気を加熱可能に構成されている。
サブヒータ45は、一対の第1部分45a,45aと、第2部分45bと、を有している。
各第1部分45a,45aは、長手方向L1に沿って延びる部分として設けられている。各第1部分45a,45aは、ドア36に形成された貫通孔を貫通し、且つ、各遮熱部材43に形成された貫通孔を貫通している。各第1部分45a,45aの先端部に、第2部分45bが接続されている。第2部分45bは、上下方向Z1に延びている。第2部分45bは、各遮熱部材43に対して、チューブ2の奥側(長手方向L1の一方側)に配置されている。第2部分45bは、発熱体を有している。第2部分45bの発熱体は、例えば、ファン装置6の周辺の温度が所定値未満である場合に、発熱するように構成されている。上記の構成を有するサブヒータ45、及び遮熱部5に隣接した位置に、ファン装置6が配置されている。
ファン装置6は、ドア36に支持されており、ドア36とともに変位可能である。ファン装置6は、チューブ2内に気流A1を生じさせるために設けられている。
ファン装置6は、電動モータ(動力源)46と、伝動装置47と、シャフトユニット48と、ファン49と、軸受ユニット50と、を有している。
電動モータ46は、例えば、支柱38に支持されている。電動モータ46の出力は、伝動装置47を介して、シャフトユニット48に伝達される。
伝動装置47は、例えば、プーリ機構である。伝動装置47は、第1プーリ51と、第2プーリ52と、ベルト53と、を有している。第1プーリ51は、電動モータ46の出力軸に一体回転可能に連結されている。第2プーリ52は、シャフトユニット48に一体回転可能に連結されている。ベルト53は、第1プーリ51と、第2プーリ52と、に巻き掛けられている。
シャフトユニット48は、ファン49の回転軸として設けられており、回転軸線S1を有している。回転軸線S1は、シャフトユニット48の中心軸線でもある。シャフトユニット48は、ファン49に連結されており、電動モータ46からの出力を、ファン49に伝達する。シャフトユニット48は、ドア36に形成された貫通孔36bを貫通しており、ドア36の外側から、チューブ2内に向けて延びている。シャフトユニット48の一端部48aに、第2プーリ52が固定されている。シャフトユニット48は、各遮熱部材43に形成された貫通孔43aを貫通している。シャフトユニット48の他端部48bには、ファン49が同軸に連結されている。
ファン49は、気流A1を発生することにより、チューブ2内のガスを撹拌するように構成されている。これにより、チューブ2内の各種ガスの濃度分布が、より均等になり、且つ、チューブ2内の温度が、より均等になる。ファン49は、チューブ2内に配置されており、回転軸線S1を中心として、回転可能である。ファン49とドア36との間に各遮熱部材43が配置されるように、ファン49は配置されている。
ファン49は、ボス部54と、複数の羽根55と、を有している。
ボス部54は、筒状に形成されており、シャフトユニット48の他端部48bに嵌合している。複数の羽根55は、ボス部54の外周部に固定されており、ボス部54から放射状に延びている。上記の構成により、ファン49が回転すると、当該ファン49から当該ファン49の径方向外方に向かう気流A1が、発生する。ファン49を回転させるためのシャフトユニット48は、軸受ユニット50によって、回転可能に支持されている。軸受ユニット50は、ドア36の外側に配置されている。即ち、軸受ユニット50は、ドア36の一端面36c側に配置されている。
軸受ユニット50は、ケーシング56と、フランジ部57と、を有している。
ケーシング56は、円筒状に形成されている。ケーシング56は、シャフトユニット48によって貫通されている。ケーシング56内には、軸受(図示せず)が配置されている。この軸受は、シャフトユニット48を回転可能に支持している。ケーシング56の一端部には、フランジ部57が固定されている。
フランジ部57は、固定部材としてのねじ部材58によって、座部59に固定されている。座部59は、ドア36の一端面36cに固定された、筒状の部材である。座部59は、シャフトユニット48によって、貫通されている。
図3及び図4を参照して、上記の構成を有するファン装置6において、ファン49は、ファン49の径方向外方に向かう気流A1を発生する。この気流A1における気体は、ヒータ3によって加熱されており、高温である。このため、気流A1からの熱は、第2シール部材22にできるだけ伝わらないことが好ましい。また、気流A1における気体中には、チューブ2内での化学反応等で生じた微粉末が存在している。この微粉末が、気流A1に乗って、チューブ2に強い勢いで衝突することは、抑制されていることが好ましい。そこで、熱処理装置1には、保護筒7が設置されている。
保護筒7は、ファン49で生じた気流A1からの熱が、第2シール部材22に伝わることを抑制するために設けられている。また、保護筒7は、気流A1が、チューブ2に勢いよく当てられることを抑制するために設けられている。
保護筒7は、全体として、円筒状に形成されている。保護筒7は、数mmの厚みを有する、薄板部材である。保護筒7は、チューブ2の開口部11の周辺に配置されており、チューブ2の長手方向L1と平行に延びている。保護筒7の一端部7aは、冷却部材19の第1フランジ26の内周部に、固定部材としてのねじ部材63を用いて固定されている。保護筒7の中間部7bは、冷却部材19の第2フランジ27の内周部に、固定部材としてのねじ部材64を用いて固定されている。保護筒7の他端部7cは、チューブ2内に配置されており、且つ、チューブ本体8とは離隔して配置されている。
保護筒7は、ガス供給口61と、排気口62と、を有している。ガス供給口61は、ガス供給管(図示せず)に接続されており、被処理物100の熱処理に用いられるガスをチューブ2内へ供給することが可能である。ガス供給管は、冷却部材19を貫通するように延びている。排気口62は、排気管(図示せず)に接続されており、チューブ2内の気体を吸引するように構成されている。尚、排気管は、冷却部材19を貫通するように延びており、真空ポンプ等の吸引装置に接続されている。
保護筒7は、遮熱部5と、サブヒータ45と、を取り囲んでいる。また、保護筒7は、シャフトユニット48の一部と、ファン49と、を取り囲んでいる。また、保護筒7は、第2シール部材22とは、保護筒7の径方向に並んで配置されている。上記の構成により、ファン49からの気流A1は、保護筒7に当たった後、チューブ2の長手方向L1と平行な方向に向きを変え、チューブ2の奥側(閉塞部9側)へ進む。
[熱処理装置の主な動作]
図1を参照して、以上の構成により、熱処理装置1が、被処理物100を熱処理する際には、まず、駆動装置39の動作によって、ドア36が開かれる。この状態で、被処理物100は、チューブ2内に収納される。次に、駆動装置39の動作によって、ドア36が閉じられる。即ち、ドア36は、冷却部材19の開口を閉じることにより、チューブ2内の空間を、熱処理装置1の外部の空間から遮断する。
図1を参照して、以上の構成により、熱処理装置1が、被処理物100を熱処理する際には、まず、駆動装置39の動作によって、ドア36が開かれる。この状態で、被処理物100は、チューブ2内に収納される。次に、駆動装置39の動作によって、ドア36が閉じられる。即ち、ドア36は、冷却部材19の開口を閉じることにより、チューブ2内の空間を、熱処理装置1の外部の空間から遮断する。
次に、チューブ2内の空気が、排気口62を通して吸引されることにより、チューブ2内の圧力は、負圧となる。また、反応性ガスが、ガス供給口61を通して、チューブ2内に供給される。この状態で、ヒータ3からの熱により、チューブ2内の雰囲気が、加熱される。そして、電動モータ46の出力によって、ファン49が回転する。これにより、チューブ2内に気流A1が生じ、チューブ2内の雰囲気は、撹拌される。この状態で、被処理物100の表面に、元素が付着し、拡散される。この際、冷却水路28には、冷却水が通過している。これにより、第1シール部材21、及び第2シール部材22(図4参照)の過熱が抑制される。また、ヒータ3からの熱は遮熱部5によって、各シール部材21,22、及びドア36等に伝わることを、抑制される。
被処理物100に薄膜が形成された後、ヒータ3による加熱が停止される。その後、駆動装置39の動作によって、ドア36が開かれる。この状態で、チューブ2内の被処理物100は、チューブ2内から取り出される。
[被処理物の支持装置の詳細な構成]
次に、被処理物100を支持する支持装置101について、より詳細な構成を説明する。図6は、図1の矢印VI方向から見た主要部の模式的な図である。図7は、図6の主要部の拡大図である。図8は、支持装置101の支持部材102の斜視図である。
次に、被処理物100を支持する支持装置101について、より詳細な構成を説明する。図6は、図1の矢印VI方向から見た主要部の模式的な図である。図7は、図6の主要部の拡大図である。図8は、支持装置101の支持部材102の斜視図である。
図1、および、図6〜図8を参照して、支持装置101は、複数の被処理物100を垂直に立てた姿勢で支持するために設けられている。支持装置101は、複数の被処理物100を、互いに平行な姿勢となるように支持している。被処理物100は、配列方向Y2と直交するように配置されている。支持装置101は、チューブ2内の位置と、チューブ2外の位置との間を変位可能である。
支持装置101は、支持台12(ボート)と、複数の支持部材102と、を有している。
支持台12は、支持装置101のベース部として設けられている。支持台12は、支持台本体103と、前柱105と、後柱106と、を有している。
支持台本体103は、例えば、略矩形の枠状に形成されたフレーム部材である。支持台本体103は、鋼材等を用いて形成されている。支持台本体103は、チューブ本体8の下部寄りの部分に、受けられており、チューブ本体8の下端部からは浮いた状態に配置されている。熱処理装置1の左右方向Y1における支持台本体103の両端部の下端は、面取り部107を有しており、チューブ本体8の内周面と面接触している。
なお、図示していないけれども、支持台本体103に、アーム部が設けられていてもよい。図示しないロボットアームは、このアーム部を把持することで、支持装置101を長手方向L1に搬送可能である。
支持台本体103の前端部は、前柱105に連結されている。前柱105は、支持台本体103から上方に突出する左右一対の柱部分であり、支持台12の前端部において、1つの支持部材102を支持している。支持台本体103の後端部は、後柱106に連結されている。後柱106は、支持台本体103から上方に突出する左右一対の柱部分であり、支持台12の後端部において、1つの支持部材102を支持している。上記の構成を有する支持台12によって支持部材102が保持されている。
支持部材102は、チューブ2内の加熱された雰囲気下で発生する気流A1中において熱処理される複数の被処理物100を支持するために設けられている。支持部材102は、1または複数(本実施形態では、4個)設けられている。複数の支持部材102は、配列方向Y2と直交する長手方向L1に離隔して配置されており、長手方向L1における複数箇所で、各被処理物100を支持している。具体的には、支持部材102は、支持台本体103に2つ取り付けられており、長手方向L1に離隔して並んでいる。
これら2つの支持部材102は、何れも、各被処理物100を各被処理物100の下方から支持している。また、別の1つの支持部材102は、前柱105に両端支持されており、各被処理物100を各被処理物100の前方から支持している。また、別の1つの支持部材102は、後柱106に両端支持されており、各被処理物100を各被処理物100の後方から支持している。
各支持部材102は、支持台12の対応する支持台本体103、前柱105、および、後柱106に、ねじ等の締結部材(図示せず)を用いて取り外し可能に取り付けられている。すなわち、各支持部材102は、支持台12に対して着脱可能である。
各支持部材102は、所定の配列方向Y2に細長く延びる、長尺形状の板状部材である。本実施形態では、配列方向Y2は、左右方向Y1と一致している。各支持部材102は、例えば、矩形の板状の金属素材に、プレス加工等が施されることで形成されている。各支持部材102は、チューブ2内の全ての被処理物100を支持している。
各支持部材102は、配列方向Y2に並ぶ複数の支持部108を有している。
支持部108は、対応する被処理物100を受けるために設けられている。すなわち、1つの支持部108は、1つの被処理物100の縁部を受けるように構成されている。各支持部材102において、支持部108の数は、チューブ2内に収容される被処理物100の数以上(本実施形態では、被処理物100の数と同じ)に設定されている。
各支持部108は、支持部材102を当該支持部材102の厚み方向に貫通するように形成されており、略V字状の溝部分として設けられている。各支持部108は、このV字状の部分に、被処理物100の縁部を受け容れる。各支持部108の形状は、同じに設定されている。
支持部108は、配列方向Y2に一定の規則性をもって配置されているけれども、等間隔には配置されていない。本実施形態では、各支持部材102において、配列方向Y2に関する支持部108の配置ピッチPは、気流A1中での支持部108の位置に応じて異なるように設定されている。即ち、配列方向Y2に並ぶ複数の被処理物100の配置ピッチPは、気流A1中での被処理物100の位置に応じて異なるように設定されている。
なお、配置ピッチPとは、配列方向Y2において隣り合う支持部108(被処理物100)の所定の基準位置間の間隔をいい、本実施形態では、配列方向Y2における支持部108(被処理物100)の中心部(底部)間の間隔をいう。
前述したように、支持部材102は、被処理物100を収容するための収納容器としてのチューブ2内において、チューブ2の壁部(チューブ本体8)に向かうように生じた気流A1中に配置されている。この気流A1は、ファン49の回転により、まず、ファン49から当該ファン49の径方向外方を向く。そして、この気流A1は、チューブ本体8の内周面に沿って、チューブ本体8の中心軸線回りを旋回しながら、チューブ2の閉塞部9に向かって進む。そして、チューブ2の閉塞部9に到達した気流A1は、長手方向L1の向きを変え、チューブ2の径方向における当該チューブ2の中央部分を、チューブ2の開口部11(ファン49)に向けて進む。そして、気流A1は、ファン49に戻る。
各支持部材102は、ファン49と長手方向L1に対向している。配列方向Y2は、ファン49と支持部材102(支持部108)とが対向する長手方向L1と交差する方向(本実施形態では、直交する方向)である。
支持部108の配置ピッチPとして、第1配置ピッチP1と、第2配置ピッチP2とが設定されている。第2配置ピッチP2の値は、第1配置ピッチP1の値よりも小さく設定されている(P2<P1)。第1配置ピッチP1、および、第2配置ピッチP2のそれぞれの値は、配列方向Y2における被処理物100の厚み、数、形状等に応じて、適宜設定される。
本実施形態では、配列方向Y2における支持部材102の端部102a,102a寄りにおける複数の支持部108は、第2配置ピッチP2で配置されている。第2配置ピッチP2で配置された複数の支持部108は、第2支持部ユニット112を構成している。第2支持部ユニット112は、支持部108に一対配置されており、これら一対の第2支持部ユニット112は、配列方向Y2に対称に配置されている。即ち、第2配置ピッチP2で配置された複数の支持部108は、配列方向Y2における支持部材102の両端部102a,102a寄りに配置されている。各支持部材102において、一対の第2支持部ユニット112間に、第1支持部ユニット111が配置されている。
第1支持部ユニット111は、複数の支持部108を有しており、これらの支持部108が、第1配置ピッチP1で配置された構成を有している。第1配置ピッチP1で配置された複数の支持部108は、配列方向Y2における支持部材102の中央部寄りに配置されている。
また、第2支持部ユニット112とチューブ本体8の内周面との距離は、第1支持部ユニット111とチューブ本体8の内周面との距離よりも小さく設定されている。換言すれば、第2配置ピッチP2で配置された複数の支持部108は、第1配置ピッチP1で配置された複数の支持部108と比べて、チューブ2の近くに配置されている。
以上の構成により、熱処理装置1は、チューブ2内の雰囲気を加熱するためのヒータ3と、チューブ2内に気流A1を発生させるためのファン49と、チューブ2内に配置された支持装置101と、を有している。
また第2支持部ユニット112に保持された被処理物100は、主に、チューブ本体8の内周面の近傍の気流A1を受けて熱処理を施される。また、第1支持部ユニット111に保持された被処理物100は、主に、チューブ2の閉塞部9からファン49へ向かう気流A1を受けて熱処理を施される。
以上説明したように、本実施形態の熱処理装置1によると、配列方向Y2に関する複数の支持部108の配置ピッチPは、気流A1中での支持部108の位置に応じて異なるように設定されている。これにより、複数の被処理物100間の周囲において、気流A1をより偏りなく分布させることができる。その結果、複数の被処理物100が配置されているチューブ2内の空間における雰囲気の分布(温度分布、ガス濃度分布)をより均一にすることができる。よって、複数の被処理物100の熱処理を、より均等に行うことができる。
また、熱処理装置1によると、チューブ2内においては、チューブ本体8に近い位置では、気流A1の速度が高く、チューブ本体8に遠い位置では、気流A1の速度が低くなる傾向にある。このような気流A1の分布となるチューブ2内において、チューブ本体8に比較的近い位置に配置された第2支持部ユニット112の配置ピッチPは、狭い第2配置ピッチP2に設定されている。これにより、比較的高い流速の気流A1に曝される被処理物100間への過度の気流A1の侵入が抑制される。一方、チューブ本体8から比較的遠い位置に配置された第1支持部ユニット111の配置ピッチPは、広い第1配置ピッチP1に設定されている。これにより、比較的低い流速の気流A1に曝される被処理物100間へ、十分な量の雰囲気を導くことができる。その結果、チューブ2器内での雰囲気の分布をより均等にすることができる。
また、熱処理装置1によると、支持部材102は、支持台12に対して着脱可能である。これにより、被処理物100の形状、数、レイアウト等に応じて、最適な支持部材102を支持台12に取り付けることが可能となる。これにより、支持装置101の汎用性を、より高くできる。
また、熱処理装置1によると、支持部材102は、配列方向Y2に延びる長尺形状に形成されており、支持部材102は、配列方向Y2と直交する長手方向L1に離隔して複数配置されている。この構成によると、被処理物100が配列方向Y2と直交する方向に長い形状であっても、支持部材102は、被処理物100を、より確実に安定した姿勢で保持することができる。
また、熱処理装置1によると、各支持部材102における配列方向Y2は、ファン49と支持部材102とが対向する長手方向L1と交差する方向(左右方向Y1)である。この構成によると、ファン49からの気流A1が、チューブ2内を循環するような流れである場合において、ファン49から遠ざかる方向の気流A1は、配置ピッチPの小さい被処理物100(第2支持部ユニット112の被処理物100)の周囲に、より多く分布する。また、ファン49に戻る方向への気流A1は、配置ピッチPの大きい被処理物100(第1支持部ユニット111の被処理物100)の周囲に、より多く分布する。これにより、各被処理物100へ、より均等に気流A1を供給することができる。その結果、各被処理物100を、より均等に熱処理できる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られない。本発明は、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、配置ピッチPとして、2種類の配置ピッチP(第1配置ピッチP1、および、第2配置ピッチP2)が設定される形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。配置ピッチPとして、3種類以上の配置ピッチが設定されてもよい。この場合、配列方向Y2に隣り合う配置ピッチPは、等比級数的に変化してもよい。
(2)また、上述の実施形態では、配列方向Y2の外側の支持部108の配置ピッチPを小さくし、配列方向Y2の中央側の支持部108の配置ピッチPを大きくする形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。チューブ2内の気流A1の態様等に応じて、配列方向Y2の外側の支持部108の配置ピッチPを大きくし、配列方向Y2の中央側の支持部108の配置ピッチPを小さくしてもよい。
(3)また、上述の実施形態では、横型炉の熱処理装置を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、縦型炉の熱処理装置に本発明が適用されてもよい。
本発明は、熱処理用の支持部材、熱処理用の支持装置、熱処理装置、および、被処理物の配置方法として、広く適用することができる。
1 熱処理装置
2 チューブ(収納容器)
3 ヒータ(加熱部)
12 支持台(ベース部)
49 ファン(気流発生部材)
100 被処理物
102 支持部材
102a 支持部材の端部
108 支持部
A1 気流
P 配置ピッチ
P1 第1配置ピッチ
P2 第2配置ピッチ
Y2 配列方向
2 チューブ(収納容器)
3 ヒータ(加熱部)
12 支持台(ベース部)
49 ファン(気流発生部材)
100 被処理物
102 支持部材
102a 支持部材の端部
108 支持部
A1 気流
P 配置ピッチ
P1 第1配置ピッチ
P2 第2配置ピッチ
Y2 配列方向
Claims (8)
- 加熱された雰囲気下で発生する気流中において熱処理される複数の被処理物を支持するための支持部材であって、
前記支持部材は、所定の配列方向に並ぶ複数の支持部を備え、
各前記支持部は、対応する前記被処理物を支持可能に構成され、
前記配列方向に関する複数の前記支持部の配置ピッチは、前記気流中での前記支持部の位置に応じて異なるように設定されていることを特徴とする、熱処理用の支持部材。 - 請求項1に記載の熱処理用の支持部材であって、
前記支持部材は、前記被処理物を収容するための収納容器内において、前記収納容器の壁部に向かうように生じた前記気流中に配置されるように構成されており、
前記配置ピッチは、第1配置ピッチと、前記第1配置ピッチの値よりも小さい値に設定された第2配置ピッチとを含み、
前記第2配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記第1配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部と比べて、前記収納容器の近くに配置可能に構成されていることを特徴とする、熱処理用の支持部材。 - 請求項1または請求項2に記載の熱処理用の支持部材であって、
前記支持部材は、前記被処理物を収容するための収納容器内において、前記収納容器の壁部に向かうように生じた前記気流中に配置されるように構成されており、
前記配置ピッチは、第1配置ピッチと、前記第1配置ピッチの値よりも小さい値に設定された第2配置ピッチとを含み、
前記第1配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記配列方向における前記支持部材の中央部寄りに配置され、
前記第2配置ピッチで隣接して配置された2つの前記支持部は、前記配列方向における前記支持部材の端部寄りに配置されていることを特徴とする、熱処理用の支持部材。 - 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の熱処理用の支持部材と、
前記支持部材を支持するベース部と、を備え、
前記支持部材は、前記ベース部に着脱可能に構成されていることを特徴とする、熱処理用の支持装置。 - 請求項4に記載の熱処理用の支持装置であって、
前記支持部材は、前記配列方向に延びる長尺形状に形成されており、
前記支持部材は、前記配列方向と直交する方向に離隔して複数配置されていることを特徴とする、熱処理用の支持装置。 - 被処理物を収容するための収納容器と、
前記収納容器内の雰囲気を加熱するための加熱部と、
前記収納容器内に気流を発生させる気流発生部材と、
前記収納容器内に配置された、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の支持部材と、
を備えていることを特徴とする、熱処理装置。 - 請求項6に記載の熱処理装置であって、
前記気流発生部材は、前記支持部材と対向するように配置されており、
前記配列方向は、前記気流発生部材と前記支持部材とが対向する方向と交差する方向であることを特徴とする、熱処理装置。 - 加熱された雰囲気下で発生する気流中において熱処理される複数の被処理物の配置方法であって、
複数の前記被処理物は、所定の配列方向に並ぶように配置され、
前記配列方向に関する複数の前記被処理物の配置ピッチは、前記気流中での前記被処理物の位置に応じて異なるように設定されていることを特徴とする、被処理物の配置方法。
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