JP2015159748A - 経口摂取用組成物及びそれに用いるテルペン類の体外放出促進方法 - Google Patents

経口摂取用組成物及びそれに用いるテルペン類の体外放出促進方法 Download PDF

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Abstract

【課題】体臭改善方法として経口摂取後のテルペン類の体表面からの放出が顕著に促進される経口摂取組成物及びそれに用いるテルペン類の体外放出促進方法の提供。【解決手段】シクロデキストリンで包接したテルペン類を含有し、該シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%含有する経口摂取用組成物によって達成する。【選択図】なし

Description

本発明は、経口摂取後のテルペン類の体表面からの放出が顕著に促進される経口摂取組成物及びそれに用いるテルペン類の体外放出促進方法に関する。
従来、摂取して口臭や体臭を抑制する様々な組成物が提案されている。例えば、α−シクロデキストリンと、水溶性植物抽出エキスと、リナロール含有組成物とを含有する口臭低減飲料が知られている(例えば、特許文献1参照。)。該口臭低減飲料は、主要な口臭成分であるメチルメルカプタンをα−シクロデキストリンや水溶性植物抽出エキスの消臭作用で抑制し、且つ食物残渣等を分解してメチルメルカプタンを生成する歯周病原因菌をリナロール含有組成物の抗菌作用で抑制するという、口臭低減に有効な2方面からのアプローチの相乗効果により口臭を低減するものである。しかしながら、該口臭低減飲料を用いた口臭抑制において、摂取したリナロールが体表面から放出されること、リナロールの体表面からの放出を顕著に促進させるための方法及びそのために使用するシクロデキストリンの含有量は不明であった。
他に、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物由来の悪臭を抑制する組成物として、ポリフェノール化合物がシクロデキストリンで包接された包接体、塩基性物質、金属塩及びゲラニオールやリナロール等の香料成分を含有する消臭剤組成物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。該消臭剤組成物は、食品に含ませて口臭を抑制する、悪臭成分発生部位に直接散布する等して体臭を抑制するものであるが、該消臭剤組成物を用いた悪臭抑制においても、ゲラニオールやリナロール等の香料成分を摂取して体表面から放出すること、該成分の体表面からの放出を顕著に促進させるための方法及びそのために使用するシクロデキストリンの含有量については言及されていない。
次に、体臭を抑制する方法としては、香水や、前述のような消臭機能が付与されたデオドラント製品等の体表への直接使用が一般的であったが、近年、体臭改善物質を飲食品等によって体内摂取し、該物質を体表面から放出させることにより体臭を改善する方法も用いられている。例えば、本発明者らは、極性化合物及びテルペン類の少なくとも一方を体内摂取し、該物質を体表面から放出させる体臭改善方法を提案している(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、該体臭改善方法では、飲食品の中でも、長く口中に滞留して口腔内の粘膜から効率よく吸収できるチューインガムやソフトキャンディのような飲食品を用いることが好ましく、より有効に体臭改善効果を得るためには、体臭改善物質を用いる飲食品の形態に制限があった。また体表面放出成分の増量のために、飲食品に含有する体臭改善物質を増量することは、風味への影響から困難であり、体表面からの放出の有効性の点においても改良の余地があった。
他方、脂溶性成分を包接し可溶化する目的でシクロデキストリンを使用する、シクロデキストリンで包接した酸化型コエンザイムQ10(以下CoQ10と記す)とピロロキノリンキノンを共に含む経口摂取用組成物が知られている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、該経口摂取用組成物は、シクロデキストリンで包接することで酸化型CoQ10の水への分散性が向上するため、酸化型CoQ10の小腸における生体吸収性が高められるものであり、このような生体吸収を目的とする該経口摂取用組成物に、逆に酸化型CoQ10を体外に放出するという考えは持ち合わせていない。
特開2009−195185号公報 特表2009−530014号公報 国際公開WO2006/129876号公報 特開2011−148755号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、経口摂取後のテルペン類の体表面からの放出が顕著に促進される経口摂取組成物及びそれに用いるテルペン類の体外放出促進方法を提供するにある。
本発明は、シクロデキストリンで包接したテルペン類を含有し、経口摂取後のテルペン類の体表面からの放出が促進された経口摂取用組成物であって該シクロデキストリンを、経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%含有することを特徴とする経口摂取用組成物により上記目的を達成する。
好ましくは、テルペン類とシクロデキストリンとを1:2〜600の割合で含有する。より好ましくは、シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中1.1〜95.0重量%含有する。更に好ましくは、テルペン類が、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、及びテルピネン−4−オールのうちの少なくとも一つである。
また、本発明は、シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%含有させ、テルペン類をシクロデキストリンで包接させた包接物として経口摂取用組成物に含有させることを特徴とする経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法により上記目的を達成する。
好ましくは、テルペン類とシクロデキストリンとを1:2〜600の割合で含有させる。より好ましくは、シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中1.1〜95.0重量%含有させる。更に好ましくは、テルペン類が、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、及びテルピネン−4−オールのうちの少なくとも一つである。
すなわち、本発明者らは、従来の体表面から放出されるテルペン類を、摂取する飲食品の形態を限定することなく、より効果的に大量に放出させる方法を探索し、鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、テルペン類とシクロデキストリンを含有し、該シクロデキストリン含有量を特定量に設定する経口摂取用組成物を経口摂取すると、シクロデキストリン未使用のときよりも、テルペン類の体表面からの放出が顕著に促進されること、また、含有する飲食品の形態に関係なく、様々な経口摂取用組成物において、経口摂取後に摂取したテルペン類を体表面から効果的に放出できることを見出した。
そこで、シクロデキストリンの特性に着目し更に検討したところ、経口摂取用組成物中のシクロデキストリン含有量を包接させるテルペン類量よりもかなり高く設定すると、シクロデキストリン未使用の経口摂取用組成物に比べ、同じテルペン類量であっても包接物として含有させるほうが、飛躍的にテルペン類の体外放出効果が得られることを見出し本発明に到達した。
本発明の経口摂取用組成物を喫食すると、体内摂取したテルペン類の体表面からの放出、すなわち体外放出が、シクロデキストリン未使用の場合よりも飛躍的に促進される。テ
ルペン類の体外放出が顕著に促進されるため、放出された芳香を体全体に漂わせることができ、体臭改善に有効である。
また、配合するテルペン類に由来する経口摂取用組成物の香り、風味がシクロデキストリンでマスキングされることから、苦味等による風味への影響から困難とされていたテルペン類の配合の増量が可能である。
本発明の経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法は、テルペン類の体外放出を顕著に促進する。
本発明を詳しく説明する。
本発明の経口摂取用組成物はシクロデキストリンで包接したテルペン類を含有し、喫食すると、体内摂取したテルペン類の体表面からの放出、すなわち体外放出が、シクロデキストリン未使用の場合よりも飛躍的に促進される。ここで、体内摂取とは、経口摂取用組成物を喫食、すなわち経口摂取によってテルペン類を一旦体内に取り込むことを意味する。なお、体内摂取の形態としては、腸から体内に取り込まれる腸管吸収による摂取や、口腔内の粘膜から吸収される舌下吸収による摂取等が挙げられる。
次に、本発明の経口摂取用組成物は、シクロデキストリンで包接したテルペン類を含有する。該シクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体が挙げられ、これらは、単独でも複数組み合わせて用いてもよく、テルペン類の体外放出効果を考慮し適宜選択すればよい。より好ましくは、β−及びγ−シクロデキストリンが、テルペン類に対する高い包接力を有し、体外放出効果の点で好適である。なお、テルペン類をシクロデキストリンで包接する方法は、経口摂取用組成物を製造する際、まずテルペン類とシクロデキストリンを混合してから、他の原料と混合すればよいが、経口摂取用組成物が、ゼリーや飲料のような水系組成物の場合は、事前混合なしでも、製造後放置するなど、混合後に時間を置くことにより反応が進んで包接される。また、官能評価で、経口摂取用組成物中のテルペン類の香り、苦味がマスキングされることで、包接されていることを確認することができる。
また、上記シクロデキストリン含有量は、経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%とすることが、体外放出効果の点で好適である。好ましくは1.1〜95.0重量%、より好ましくは1.1〜50.0重量%とすることが、体外放出効果、テルペン類との包接性、及び風味の点で望ましい。
他に、シクロデキストリンの摂取量は、年齢、体重、体臭の強さ等により異なるが、一般的に、好ましくは、1回あたり0.2mg〜50.0gに設定することが、体外放出効果、テルペン類との包接性の点で好適である。
上記テルペン類は、シクロデキストリンで包接させた包接物として経口摂取用組成物に含有され、経口摂取後に体表面から放出する成分である。具体的成分としては、好ましくは、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、テルピネン−4−オール、リモネン、1,8−シネオール、α−テルピネオール、メントールであることが、より好ましくは、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、テルピネン−4−オールが、体外放出効果の点で好適である。
また、上記テルペン類含有量は、好ましくは、経口摂取用組成物全体重量中0.0007〜6重量%とすると体外放出効果の点で好適である。より好ましくは0.0007〜1重量%とすることが体外放出効果及び風味の点で望ましい。
他に、テルペン類の摂取量は、年齢、体重、体臭の強さ等により異なるが、一般的に、好ましくは、1回あたり0.3〜90mgであることが、体外放出効果、安全性の点で好
適である。
なお、本発明の経口摂取用組成物中に含有するテルペン類とシクロデキストリンとの割合は、好ましくは1:2〜600、より好ましくは1:12〜80であることが、体外放出効果、テルペン類自身が持つ良好な香りが体外放出される、風味(テルペン類の苦味のマスキング)の点で好適である。なお、上記割合は、テルペン類の成分100%の状態に対し、シクロデキストリンは固形分として計算する。
本発明の経口摂取用組成物とは、経口摂取できるものであれば特に限定するものではなく、例えば、飲料(スープ、コーヒー、茶類、ジュース、ココア、酒類、スポーツドリンク等)、粉末食品(糖類、穀物粉、澱粉、粉末飲料、粉末調味料、粉末油脂等)、菓子類(ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミ、ゼリー、チューインガム、錠菓、チョコレート等)、冷菓、ベーカリー食品(パン、クッキー等)、麺類を始めとする澱粉系食品、機能性食品(カプセル剤、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保健食品等)、医薬品(錠剤、チュアブル錠、カプセル剤、医薬飲料)等が挙げられる。これらの中でも、飲料、粉末飲料、ソフトキャンディ、ゼリー、チューインガム、錠菓、冷菓、カプセル剤は、喫食しやすく、速やかに体内摂取できる点で好適である。更に好ましくは、飲料、粉末飲料、ゼリー、冷菓は、喫食時にテルペン類とシクロデキストリンによる包接物が溶液中に分散、溶解した状態にあるため、より速やかに体内摂取し、体外放出が良好となる点で好適である。また、冷菓、ゼリー、冷蔵飲料などの品音の低い食品の場合、食後に発汗を伴わないが、それでも本発明の経口摂取用組成物を用いれば、体外放出効果を得ることができる。
次に、本発明の経口摂取用組成物の一例として、例えば、ゼリーの製造例を開示する。すなわち、テルペン類、シクロデキストリン、甘味料、ゲル化剤、及び必要に応じて副原料を水に添加し、加熱攪拌溶解する。次に、殺菌と容器充填を行う。例えば、容器に充填する前に加熱殺菌しホットパックして充填する方法、容器に充填する前に加熱殺菌し無菌条件下で充填する無菌充填方法、充填密封後に加熱殺菌する方法等の方法が挙げられる。その後冷却することにより、本発明のゼリーが得られる。
また、この他の例として、例えば、粉末飲料の製造例を開示する。すなわち、テルペン類等の液体原料を、スプレードライ法等を用いて粉末化後、他の粉末原料(シクロデキストリン、甘味料等)と攪拌混合することにより、本発明の粉末飲料が得られる。
以上のようにして得られた経口摂取用組成物は、喫食後約30分〜5時間で体内摂取したテルペン類を体外放出する。本発明の経口摂取用組成物は、シクロデキストリンを特定量含有し、シクロデキストリンで包接したテルペン類を含有することから、シクロデキストリンを含有せず、テルペン類のみを含有する組成物に比べ、体外放出が飛躍的に促進されるため、放出されたテルペン類による芳香を体全体に漂わせることが可能となり、体臭改善に有効である。
以下、実施例及び比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
まず、本発明の経口摂取用組成物(実施例)及びシクロデキストリン未含有の組成物(比較例)を調製後、被験者に体内摂取させ、被験者からのテルペン類の体外放出量を評価した。
<実施例1、比較例1>
経口摂取用組成物としてスティックゼリーを調製した。すなわち、表1に示す組成に従い、テルペン類、必要に応じてシクロデキストリン、及びその他のゼリー組成原料を水に添加し、加熱攪拌溶解した。次に、溶解液を加熱殺菌し、アルミ製のスティック容器にホ
ットパック充填した。その後冷却することにより、スティックゼリーを得た。
Figure 2015159748
以上のようにして得られた実施例及び比較例のスティックゼリー20gを被験者に喫食させた。喫食直後から3〜5時間の間被験者から体外放出されたテルペン類放出量を以下のようにして測定した。その測定値を体外放出比率(シクロデキストリン含有ゼリーの体外放出量(実施例1)/シクロデキストリン未含有ゼリーの体外放出量(比較例1))として算出し、実際のテルペン類摂取量と併せて表2に示す。
≪テルペン類放出量の測定≫
1.被験者の測定する手を洗浄後、自然乾燥した。
2.フッ素系樹脂製のテドラーバッグを手首より先の手全体に装着のまま30分間〜1時間放置し、この間放出成分を捕捉した。
3.テドラーバッグ内、手首より先を25容量%のエタノールを噴霧し洗浄した。
4.洗浄液を回収し、この洗浄液を、固相抽出により濃縮後、GC/MS測定を行った。5.喫食直後から30分〜1時間毎に、3〜5時間迄、合計3〜5回の合計放出量を、被験者から体外放出されたテルペン類放出量とした。
Figure 2015159748
<実施例2〜6、比較例2〜5>
経口摂取用組成物として粉末飲料を調製した。すなわち、まず、テルペン類及び香料を、スプレードライ法にて粉末化した。次に表3に示す組成に従い、全ての粉末原料を攪拌混合することにより、粉末飲料を得た。
Figure 2015159748
以上のようにして得られた実施例及び比較例の粉末飲料5〜30gをコップに入れて500ml15℃の水を注ぎ、攪拌溶解した後、4℃で一晩静置した飲料を被験者に喫飲させた。喫飲後のテルペン類放出量の測定、体外放出比率の算出は実施例1及び比較例1と
同様に行い、テルペン類体外放出比率と実際のテルペン類摂取量を表2に示す。
<実施例7>
経口摂取用組成物として、カプセル剤を調製した。すなわち、表4に示す組成(内容物のみの組成)に従い、テルペン類、シクロデキストリン、及び香料に水を添加してペースト状にした後、熱風乾燥により粉末化したものをカプセル充填した。
<比較例6>
経口摂取用組成物として、カプセル剤を調製した。すなわち、表4に示す組成(内容物のみの組成)に従い、テルペン類と香料をオリーブオイルと共にカプセル充填した。
Figure 2015159748
以上のようにして得られた実施例及び比較例のカプセル剤535mg(内容物のみの重量)を被験者に摂取させた。摂取後のテルペン類放出量の測定、体外放出比率の算出は実施例1及び比較例1と同様に行い、テルペン類体外放出比率と実際のテルペン類摂取量を表2に示す。
表2の評価の結果、テルペン類体外放出比率は全て1よりも高く、本発明の経口摂取用組成物は、シクロデキストリンを含有しない組成物に対し、体外放出効果が顕著に促進された。また、シクロデキストリンを含有する経口摂取用組成物は、喫食者全員が、シクロデキストリンを含有しない組成物よりも、体外放出されたテルペン類の香りを強く感じ、良好な芳香として認識できた。
次に、本発明の経口摂取用組成物に対する官能評価(試食時の風味・におい、試食後の体表面の香り)を、試食アンケートで調査した。
まず、実施例1及び比較例1のスティックゼリーについて試食アンケートを行った。20〜40代の女性合計12名の試食対象者に対し、試食時の風味、におい及び試食直後から1〜2時間の間の試食対象者の体表面から香るにおいについて調査した。なお、このときの試食した実際のテルペン類摂取量は、実施例1及び比較例1共にゲラニオール4mgであった。
なお、アンケート評価は、以下のような5又は3段階評価で回答を得た。
<試食時の風味>
「後味は全く気にならない」「後味は気にならない」「どちらともいえない」「後味がやや悪く気になる」「後味が悪く大変気になる」
<試食時のにおい>
「大変良好なにおいである」「良好なにおいである」「ちょうどよいにおいである」「においが強く不良である」「においが強すぎて不良である」
<試食後に体表面から香るにおい>
「体表面から芳香が大量に漂っていると感じる」「体表面から芳香が漂っていると感じる」「体表面から芳香を全く感じない」
調査の結果、風味に関し後味が悪いと評価したのは、実施例1は30%、比較例2は75%であった。なお、実施例1の回答は「後味がやや悪く気になる」のみであったのに対し、比較例1は「後味が悪く大変気になる」が40%を占め、悪い後味は「苦味」と回答したものが殆どであった。
またにおいに関し、ローズのにおいが強い、強すぎると評価したのは、実施例1は40%、比較例1は90%であった。なお、実施例1の回答は「においが強く不良である」のみに対し、比較例1は「においが強すぎて不良である」が25%あった。
更に、試食後、体表面から芳香が漂っていると感じたのは、実施例1は45%、比較例1は8%であった。
したがって、試食アンケートによる官能評価では、シクロデキストリンを含有しない比較例1に比べ、シクロデキストリンを含有する実施例1のほうが、喫食時のテルペン類(ゲラニオール)に由来するスティックゼリー自体の風味、香りが抑制されたと感じながらも、喫食後に体表面から放出された芳香は多いと評価した。
<実施例8、比較例7>
経口摂取用組成物として、ソフトキャンディを調製した。すなわち、表5に示す組成に従い、まず、テルペン類とシクロデキストリンを攪拌混合した後、全ての原料を40℃程度で混合し、エクストルーダーで更に均質化した後、スタンピング成型して、ソフトキャンディを得た。
Figure 2015159748
次に、実施例8及び比較例7のソフトキャンディについて試食アンケートを行った。3
0〜40代の男女合計4名の試食対象者に対し、試食時の風味とにおいに関する官能評価と、ソフトキャンディ試食後30分〜1時間の間、ジョギング等で故意に発汗を促した後、試食後から1〜2時間の間の試食対象者の体表面から香るにおいについて調査した。なお、このときの試食した実際のテルペン類摂取量は、実施例8及び比較例7共にゲラニオール4.4mgであった。
なお、アンケート評価は、以下のような4段階評価で回答を得た。
<試食時の風味>
「苦味の有無はどちらともいえない」「苦味がやや強い」「苦味がかなり強い」「苦味が強すぎる」
<試食時のにおい>
「においの有無はどちらともいえない」「においがやや強い」「においがかなり強い」「においが強すぎる」
<試食後に体表面から香るにおい>
「体表面からの芳香をかなり感じる」「体表面からの芳香を感じる」「体表面からの芳香を僅かに感じる」「体表面からの芳香を全く感じない」
調査の結果、風味に関し苦味がかなり強い・強すぎると評価したのは、実施例8は25%、比較例7は100%であり、そのうち苦味が強すぎると評価したのは、実施例8が0%、比較例7が75%であった。またにおいに関し、においがかなり強い・強すぎると評価したのは、実施例8は25%、比較例7は50%であった。
更に、試食1時間後に体表面から芳香が漂っていると感じたのは、実施例8は75%、比較例7は50%であり、2時間後は実施例8が25%、比較例7は0%であった。
したがって、試食アンケートによる官能評価は、シクロデキストリンを含有しない比較例7に比べ、シクロデキストリンを含有する実施例8のほうが、テルペン類(ゲラニオール)に由来するソフトキャンディ自体の風味、香りが抑制されたと感じながらも、体表面から放出された芳香は多いと評価された。
次に、本発明の経口摂取用組成物として冷菓を調製後、専門パネラーに体内摂取させ、摂取してから1時間後のテルペン類の体外放出を官能評価した。
<実施例9>
経口摂取用組成物として、冷菓を調製した。すなわち、表6に示す組成に従い、テルペン類、シクロデキストリン、及びその他冷菓組成原料を混合し、常法により冷菓を調製した。
Figure 2015159748
以上のようにして得られた実施例9の冷菓51gを専門パネラー4名に喫食させた。なお、このときの喫食した実際のテルペン類摂取量は、ゲラニオール4.1mgであった。
喫食してから1時間後に、体表面から芳香が漂っていると感じたのは、専門パネラー4名のうち2名であった。この2名のうち1名は体表面からの芳香を強く感じていた。

Claims (8)

  1. シクロデキストリンで包接したテルペン類を含有し、経口摂取後のテルペン類の体表面からの放出が促進された経口摂取用組成物であって、
    該シクロデキストリンを、経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%含有することを特徴とする経口摂取用組成物。
  2. テルペン類とシクロデキストリンとを1:2〜600の割合で含有する請求項1記載の経口摂取用組成物。
  3. シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中1.1〜95.0重量%含有する請求項1又は2記載の経口摂取用組成物。
  4. テルペン類が、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、及びテルピネン−4−オールのうちの少なくとも一つである請求項1乃至3の何れか1項に記載の経口摂取用組成物。
  5. シクロデキストリンを経口摂取用組成物全体重量中0.004〜95.0重量%含有させ、テルペン類をシクロデキストリンで包接させた包接物として経口摂取用組成物に含有させることを特徴とする経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法。
  6. テルペン類とシクロデキストリンとを1:2〜600の割合で含有させる請求項5記載の経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法。
  7. シクロデキストリンを、経口摂取用組成物全体重量中1.1〜95.0重量%含有させる請求項5又は6記載の経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法。
  8. テルペン類が、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、及びテルピネン−4−オールのうちの少なくとも一つである請求項5乃至7の何れか1項に記載の経口摂取用組成物に用いるテルペン類の体外放出促進方法。
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日本醸造協会誌, (1989), 84, [4], P.210-215, JPN6018000743 *

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