JP2015153548A - 放射線管とこれを用いた放射線発生装置、放射線撮影システム、及び放射線管の製造方法 - Google Patents

放射線管とこれを用いた放射線発生装置、放射線撮影システム、及び放射線管の製造方法 Download PDF

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Koichi Tsunoda
浩一 角田
晃一 高崎
Koichi Takasaki
晃一 高崎
安藤 洋一
Yoichi Ando
洋一 安藤
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Abstract

【課題】放射線管において、電子ビームの焦点位置のずれを抑制する。
【解決手段】絶縁管6の一方の開口に陰極3を、他方の開口に陽極5を取り付け、陰極3に電子源2を、陽極5にターゲット4をそれぞれ接続してなる放射線管1において、ターゲット4上に照射された電子線7の焦点位置の、設計上の焦点位置からのずれを、該ずれとは逆方向の絶縁管6の外周に導体10を配置することにより補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療機器及び産業機器分野における非破壊検査装置等に適用できる放射線管とこれを用いた放射線発生装置、放射線撮影システム、及び該放射線管の製造方法に関する。
放射線管は医療用、産業用などの放射線発生装置の放射線源として用いられる。放射線管は電子ビームを発生する電子源と、電子ビームが衝突することで放射線を発生するターゲットとで構成される。電子源は陰極に、ターゲットは陽極に接続され、該陰極及び陽極は絶縁管を介して対向配置され、該絶縁管と接合される。近年、放射線を利用した検査装置は検査精度の向上が求められており、検査精度を向上する手段として高出力化が検討されている。
高出力化を図る上で必要な対策として、ターゲット上の焦点設計位置と実際に電子ビームが着弾する位置がずれることによる、出力低下を抑制することが挙げられる。放射線発生装置においては、放射線管からの焦点外の不要放射線を遮蔽するコリメータなどの遮蔽部材を具備しているため、電子ビームの焦点位置がずれた場合には、該遮蔽部材で本来必要な放射線の一部が遮蔽されてしまう。従って電子源とターゲットを精度良く配置し、電子ビームをターゲットの設計位置に照射することが、出力低下を抑制するために必要である。
特許文献1には、電子ビームを磁場で調整することにより電子ビームの焦点位置を設計位置に合わせることができるアライメントコイルを備えたX線管が開示されている。
特開2003−344596号公報
しかしながら、放射線管への要求は高出力化に加えて小型化もあり、これらに応えるために組立の高精度化や電子ビームを調整するデバイスの高機能化が必要となっている。そのため放射線管の製造原価は増大する傾向にあり課題となっていた。
本発明の課題は、上記課題に鑑み、簡易で安価な構成により電子ビームの焦点位置のずれを補正して高出力化を図った放射線管を提供することにある。さらには、該放射線管を用いた放射線発生装置、放射線撮影システムを提供することにある。
本発明の第一は、絶縁管と、前記絶縁管の一方の開口を覆い、前記一方の開口の端面に周縁部が接合されるとともに電子源を有する陰極と、前記絶縁管の他方の開口を覆い、前記他方の開口の端面に周縁部が接合されるとともにターゲットを有する陽極と、を備え、前記電子源から電子線を放出させて前記ターゲットに照射した際のターゲット上の焦点位置が、設計上の焦点位置からずれている放射線管において、
前記焦点位置のずれる方向とは逆方向の前記絶縁管の外周に、前記ずれを補正する導体が配置されていることを特徴とする。
本発明の第二は、絶縁管と、前記絶縁管の一方の開口を覆い、前記一方の開口の端面に周縁部が接合されるとともに電子源を有する陰極と、前記絶縁管の他方の開口を覆い、前記他方の開口の端面に周縁部が接合されるとともにターゲットを有する陽極と、を備えた放射線管の製造方法であって、
前記絶縁管と陽極と陰極とを組み立てた後に、前記電子源から電子線を放出させて前記ターゲットに照射し、前記ターゲット上の電子線の焦点位置の、設計上の焦点位置からのずれを測定する工程と、
前記ずれに基づいて、前記焦点位置のずれる方向とは逆方向の前記絶縁管の外周に導体を配置して前記ずれを補正する工程とを有することを特徴とする。
本発明の第三は、放射線管と、
前記放射線管を収容し、前記放射線管から生じる放射線を取り出すための放射線放出窓を有する収納容器と、を備え、
前記収納容器の内部の余剰空間が絶縁性流体で満たされていることを特徴とする放射線発生装置である。
本発明の第四は、放射線発生装置と、
前記放射線発生管から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と
前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システムである。
本発明においては、放射線管において予め測定した電子ビームの焦点位置のずれに基づいて、導体を絶縁管の外周に設置することで該ずれが容易に補正される。よって、高精度な製造装置や電子ビームの制御部品を用いることなく、高出力の放射線管を大型化することなく安価に製造することができる。さらには、該放射線管を用いて、高出力の放射線発生装置及び撮影システムを提供することができる。
本発明の放射線管の一実施形態の構成を模式的に示す図であり、(a)は絶縁管の管軸に沿った断面図、(b)は陽極側から見た上面図である。 電子線の焦点位置が設計上の焦点位置からずれた状態を示す図であり、(a)は絶縁管の管軸に沿った断面図、(b)は陽極側から見た上面図である。 電子線の焦点位置が設計上の焦点位置からずれた状態を示す図であり、(a)は絶縁管の管軸に沿った断面図、(b)は陽極側から見た上面図である。 本発明の放射線管における導体の作用を説明するための図であり、(a)は絶縁管の管軸に沿った断面図、(b)は(a)の導体付近の拡大図である。 本発明の放射線管における導体の位置と該導体による焦点位置の移動量との関係を示す図である。 本発明の放射線管の他の実施形態の構成を模式的に示す図であり、絶縁管の管軸に沿った断面図である。 本発明の放射線発生装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の放射線撮影システムの一実施形態の構成を模式的に示すブロック図である。 本発明の放射線管における焦点位置のずれ量を測定するための測定系の構成を示す概略図である。 本発明の実施例1において測定された放射線の線量の強度分布の一断面を示す図である。
図1(a),(b)を用いて、本発明を実施形態を挙げて説明する。
本発明の放射線管1は、絶縁管6と、該絶縁管6の一方の開口を覆い、該開口の端面に周縁部が接合される陰極3と、上記絶縁管6の他方の開口を覆い、該開口の端面に周縁部が接合される陽極5とからなる。陰極3には電子源2が接続されており、陽極5にはターゲット4が取り付けられている。陰極3と陽極5は絶縁管6を介して対向するように配置され、絶縁管6と陰極3及び陽極5の固定は、ろう付け、溶接、接着剤等が用いられる。尚、図1には透過型のターゲット4を用いた透過型放射線管について例示しているが、本発明は反射型ターゲットを用いた反射型放射線管にも適用可能である。
絶縁管6は筒状で強度と絶縁性を有するガラス、セラミックスなどが用いられる。陰極3及び陽極5には絶縁管6との接着が容易な金属が用いられる。例えば銅やアルミニウム又は合金のコバールでもよい。図1に示す絶縁管6は円管であるが、本発明においてはこれに限定されない。しかしながら、後述するように、電子ビーム7の焦点位置のずれを補正するために導体10を配置する際に、円管である方が位置を調整しやすく好ましい。
電子源2の電子放出機構としては、真空容器の外部から電子放出量を制御可能な電子源であれば良く、熱陰極型電子放出源、冷陰極型電子放出源等を適宜適用することが可能である。
放射線は陰極3と陽極5の間に高電圧を印加し、電子源2から放出した電子線7を加速しターゲット4に照射することで発生する。ここで、ターゲット4に照射された電子線7の焦点位置が、設計上の焦点位置からずれてしまう場合があった。図2、図3に具体的に示す。
図2は、電子源2から放出された電子線7がターゲット4に対して傾斜して放出された場合であり、図3は、電子源2の位置が放射線管1内でずれた位置に取り付けられたために電子線7がターゲット4上のずれた位置に照射された場合である。いずれの場合も、設計上の焦点位置Aに対して、実際の電子線7の焦点位置Bがずれている。図中、Δrは設計上の焦点位置Aから実際の焦点位置Bまでのずれの量と向きを示している。この設計上の焦点位置Aは焦点径と開口11のサイズやコリメータ(不図示)の可動範囲で決定される。そして放射線管1の製造の際、焦点位置Bのずれはある確率で発生する。これは放射線管1の構成部材それぞれの寸法誤差、部材間の組立誤差などに起因する。このずれは放射線管1の組立後に放射線を発生させ、焦点像を撮像センサーなどで測定することで確認することができる。
本発明の特徴は、図2,図3のようにターゲット4上に照射された電子線7の焦点位置Bが、設計上の焦点位置Aからずれているような放射線管1において、図1に示すように絶縁管6の外周に導体10を配置することにより、係るずれを補正することにある。図1において、破線で示すΔrが導体10を配置することで補正されたずれである。導体10は、該導体10の絶縁管6の外周に接する面の周方向の中心がずれの方向と反対側に位置するように、配置する。また導体10の寸法や絶縁管6上の管軸方向での位置は、ずれの量によって適宜選択される。
導体10の作用について図4を用いて説明する。図4中、12は等電位線である。本発明の放射線管1において、放射線発生のため陰極3と陽極5との間に電位差を発生させると、導体10の付近では、絶縁管6の管軸に垂直な方向に電位勾配を持つ電界が形成される。そのため、電子線7は導体10付近で管軸方向に加速しつつ管軸に対して垂直な方向へも移動する。そして電子線7は陰極側より陽極側での速度が速いため、管軸に対して垂直な方向への移動は、陰極側で大きくなる。図4(b)中、x1,x2は管軸に対して垂直な方向への電子線7の移動量を示しており、図4(b)に示すように、導体10を配置したことにより、電子線7のターゲット上での焦点位置Bは、x1とx2の差分だけx1の方向に移動する。よって、焦点位置Aからの焦点位置Bのずれの方向とは逆方向に導体10を配置することで、x1とx2の差分だけずれを修正することができる。
次に図1,図5を用いて導体10の位置とずれの関係について説明する。図1のH[mm]は電子源2の陽極5側の端部を基準とした場合に、陽極5方向を正として導体10の中央の位置までの距離を示している。導体10の中央の位置が、基準よりも負の位置、即ち陰極3側に来た場合には、Hは負の数となる。そして電子源2の陽極5側の端部とターゲット4との距離をg[mm]とする。上記のHとgを変数として静電場解析及び荷電粒子線解析を行い、焦点位置Bの移動量とHとgの関係を明らかにした。その結果を図5に示す。図5はH/gを横軸に、移動量(修正量)を縦軸にとったものである。結果はHを小さくすると、電子の速度が小さい時に導体10の作用を受けるため移動量が大きくなる。更にHを小さくすると導体10と電子の距離が長くなるため作用する力(クーロン力)が弱くなる効果が支配的となり移動量が小さくなる。従って図5に示すように、導体10の位置に対して焦点位置Bの移動量が最大値を持つ特性となる。よって、焦点位置Bのずれ量が大きい場合には、導体10の中央部が電子源2の陽極5側の端部よりも陰極3側に位置するように導体10を配置してもよい。
導体10としては、絶縁管6に対して十分に導電性(電気伝導性)の高いものであればよく、絶縁管6がセラミックの場合、導電率が1×10-15S/m程度であることから、導体10は導電率が1×10-12S/m以上であればよい。具体的には、陰極3や陽極5と同様に絶縁管6との接着が容易な金属や酸化物、フッ化物などの薄膜などが用いられる。導体10の形成方法は導体片を接着剤などで貼り付ける方法や各種薄膜プロセスで形成される。
また、本発明に係る導体10の管軸方向の長さLは長いほど電子線7を偏向する効果が得られるが、陰極3と陽極5間の絶縁距離が実効的に短くなり、絶縁破壊し易くなるため、Lは絶縁管6の管軸方向の長さの10%以下とすることが好ましい。また、導体10が絶縁管6の周方向を覆う量Wとしては、絶縁管6の外周の半分以上では電子線7を偏向する向きが相殺する方向に働くため、半周未満とすることが好ましい。尚、導体10の厚さtについては、電子線7に影響を及ぼす電界に寄与しないものの、放射線管1の小型化、軽量化の観点からは薄い方が好ましい。
また、本発明においては、図6に示すように、導体10の外側を絶縁物13で覆うことが好ましい。高出力を得る上で、管電圧を上げることが効果的であるが、一方で陰極3と陽極5とが導体10を介して放電しやすくなる。導体10がない場合は陰極3と陽極5の間の沿面絶縁耐圧は絶縁管6の長さで確保されているが、導体10を配置すると該導体10の部分が絶縁距離として機能しないためである。そのため、導体10を絶縁物13で覆うことで、絶縁距離は導体10がない場合と同等となり、絶縁管6を大型化することなく沿面絶縁耐圧を確保することができる。
導体10を覆う絶縁物13としては、導体10よりも導電率が低い材料であればよく、例えば絶縁管6と同程度の材料が好ましい。具体的には、エポキシやポリイミドなどの樹脂材料を含有したペースト材料や低融点ガラスを含有したペースト材料を用いることができる。また手塗りの他、スクリーン印刷法やディスペンサーで塗布する方法などで形成することもできる。
本発明の放射線管1の製造方法としては、先ず、絶縁管6と陽極5と陰極3とを組み立てた後に、電子源2から電子線7を放出させてターゲット4に照射し、ターゲット4上の電子線7の焦点位置Bの、設計上の焦点位置AからのΔrを測定する。次いで、該Δrに基づいて、焦点位置Bのずれる方向とは逆方向の絶縁管6の外周に導体10を配置してΔrを補正する。
次に、本発明の放射線発生装置について説明する。図7は本発明の放射線管1を備える放射線発生装置20の構成の一例を示す断面模式図である。本発明の放射線発生装置20は、図7に示すように、本発明の放射線管1と、これを収容する収納容器22とを備え、収納容器22の余剰空間には冷却媒体として絶縁性流体23が満たされている。
収納容器22の内部には、不図示の回路基板及び絶縁トランス等から構成される駆動回路21を設けても良い。駆動回路21を設けた場合、例えば放射線管1に駆動回路21から所定の電圧信号が印加され、放射線の発生を制御することができる。
収納容器22は、容器としての十分な強度を有していれば良く、金属やプラスチックス材料等から構成される。収納容器22には、放射線を透過し収納容器22の外部に放射線を取り出すための放射線放出窓23が設けられている。放射線管1から放出された放射線はこの放射線放出窓23を通して外部に放出される。放射線放出窓23には、ガラス、アルミニウム、ベリリウム等が用いられる。
絶縁性流体24は、電気絶縁性が高く、冷却能力が高く、熱による変質の少ない絶縁性液体が好ましく、例えば、シリコーン油、トランス油、フッ素系オイル等の電気絶縁油、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系の絶縁性液体等が使用可能である。
次に、図8に基づいて、本発明に係る放射線撮影システムの一実施形態を説明する。
図8に示すように、本発明の放射線発生装置20は、その放射線放出窓23部分に設けられた可動絞りユニット25を有している。可動絞りユニット25は、放射線発生管1から照射される放射線の照射野の広さを調整する機能を有する。また、可動絞りユニット25として、放射線の照射野を可視光により模擬表示できる機能が付加されたものを用いることもできる。
システム制御装置42は、放射線発生装置20と放射線検出装置41とを連携制御する。駆動回路21は、システム制御装置42の制御の下に、放射線発生管1に各種の制御信号を出力する。この制御信号により、放射線発生装置20から放出された放射線26は、被検体44を透過して検出器46で検出される。検出器46は、検出した放射線を画像信号に変換して信号処理部45に出力する。信号処理部45は、システム制御装置42による制御の下に、画像信号に所定の信号処理を施し、処理された画像信号をシステム制御装置42に出力する。システム制御装置42は、処理された画像信号に基づいて、表示装置43に画像を表示させるための表示信号を表示装置43に出力する。表示装置43は、表示信号に基づく画像を、被検体44の撮影画像としてディスプレイに表示する。放射線の代表例はX線であり、本発明の放射線発生管1、放射線発生装置30及び放射線撮影システムは、X線発生管、X線発生装置及びX線撮影システムとして利用することができる。X線撮影システムは、工業製品の非破壊検査や人体や動物の病理診断に用いることができる。
(実施例1)
図1の構成の放射線管1を作製した。陰極3と陽極5は、直径が50mm、厚み10mmの円柱形状で材質は合金のコバールを選択した。さらに陽極5には直径が3mmで貫通した開口11を切削加工で形成した。電子源2はタングステンフィラメントの熱電子源を選択した。電子源2は筒状で直径20mm、長さ40mmであり、電子源2の先端からターゲット4までの距離gは28mmである。そして電子源2と陰極3はレーザ溶接にて接着した。またターゲット4は厚み5μmのタングステンを厚さ2mmのダイヤモンド基板上に成膜し、ダイヤモンド基板を陽極5へ銀ろう付けにより接着した。さらに絶縁管6は長さ70mm、外径50mm、内径40mmの円筒で表面に欠けを防止するための釉薬が塗布されたセラミックのアルミナを選択した。
ここで放射線管1における電子線7の焦点位置Bのずれを修正する効果検証のため、図3に示したように、電子源2の中心軸をターゲット4上の設計上の焦点位置Aから100μmずらして対向配置した。この電子源2をずらした構成で静電界と荷電粒子線解析を行うとターゲット4上での焦点位置BのずれΔrは200μmとなった。そして絶縁管6内には封止後の真空度維持のため、不図示のゲッターを設置した。最後に放射線管1を300℃でベーキング処理し、陰極3に備わる排気管(不図示)により放射線管1内の気圧が1×10-6Paになるまで排気した後、封止した。
次に焦点位置BのずれΔrの測定方法について説明する。先ず放射線発生のため本例の放射線管1を用いて図9に示した測定系を構成した。外囲器52はABS樹脂で形成し、放射線管1の周囲に絶縁油である鉱油を充填した。そして放射線管1と高電圧発生回路53と駆動制御回路54とを配線により接続した。
次に放射線焦点を測定するため直径75μmのピンホールを備えた遮蔽板57を外囲器52に取り付け、放射線管1の管軸とピンホールの中心軸とのずれが0.2mm以下となるよう調整した。図中のm、nはそれぞれ焦点からピンホールまでの距離、ピンホールから撮像センサー55までの距離を示している。そして放射線管1と撮像センサー55はmが10cm、nが40cmとなる位置に設置し測定準備を完了した。測定は陽極5を接地電位とした放射線管1に高電圧発生回路53から−100kVの電圧を陰極3へ給電し、同時に駆動制御回路54で電子源2から10mAの電流を10msecの間発生させ放射線を発生させた。そして撮像センサー55で入射した積算放射線量を記録した。図10は縦軸を線量値、横軸を設計上の焦点位置Aからの距離とし得られた線量の強度分布の一断面を示している。得られたデータをガウシアンでフィッティングしピーク位置を求めて設計位置とのずれ量を算出したところ、Δrは200μmであった。
次に導体10を用いてずれの修正を行った。導体10は、管軸方向の長さLを5mm、絶縁管6を周方向に覆う長さWを39mm(1/4周)、厚みtを0.5mmとし、材質はアルミニウムを用いた。さらに導体10は測定したずれΔrと反対位置でHが0mmとなるように配置した。絶縁管6と導体10の接着はエポキシ接着剤を用いた。この放射線管1を上記と同様に外囲器52内に設置し、同じ条件で放射線を発生させた。ずれ量を算出した結果、測定分解能である5μm以下となり、200μmのずれが修正されて、焦点位置Bが設計上の焦点位置Aに補正されていることが確認された。
(実施例2)
電子源2の中心軸とターゲット4上の焦点位置Aとを110μmずらした以外は実施例1と同様にして放射線管1を作製し、実施例1と同じ条件で放射線を発生させた。そしてずれΔrを算出したところ220μmであった。次に部材と寸法は実施例1と同様の導体10を計測したずれΔrと反対位置でHが−5mmの位置に配置した。上記と同様に放射線を発生させ、ずれを算出したところ測定分解能である5μm以下となり、220μmのずれが修正され、焦点位置Bが設計上の焦点位置Aに補正されていることが確認された。
(実施例3)
導体10の外側表面を、エポキシ樹脂を含む熱硬化性接着剤で被覆した以外は実施例1と同様にして放射線管1を作製し、放射線を発生させた。そしてずれΔrの測定のため陰極3に−150kV、陽極5に接地電位を与え、電子源2から10mAの電流を100msecの間発生させ放射線を発生させた。焦点位置BのずれΔrは測定限界である5μm以下であり、放射線量も安定して得られた。
1:放射線管、2:電子源、3:陰極、4:ターゲット、5:陽極、6:絶縁管、7:電子線、10:導体、13:絶縁物、20:放射線発生装置、21:駆動回路、22:収納容器、23:絶縁性流体、23:放射線放出窓、26:放射線、41:放射線検出装置、42:システム制御装置、44:被検体、

Claims (14)

  1. 絶縁管と、前記絶縁管の一方の開口を覆い、前記一方の開口の端面に周縁部が接合されるとともに電子源を有する陰極と、前記絶縁管の他方の開口を覆い、前記他方の開口の端面に周縁部が接合されるとともにターゲットを有する陽極と、を備え、前記電子源から電子線を放出させて前記ターゲットに照射した際のターゲット上の焦点位置が、設計上の焦点位置からずれている放射線管において、
    前記焦点位置のずれる方向とは逆方向の前記絶縁管の外周に、前記ずれを補正する導体が配置されていることを特徴とする放射線管。
  2. 前記導体は前記絶縁管の管軸方向において、その中央部が前記電子源の陽極側の端部より陰極側に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線管。
  3. 前記導体の表面が絶縁物で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線管。
  4. 前記絶縁管がセラミックからなり、前記導体の導電率が1×10-12S/m以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線管。
  5. 前記絶縁管の管軸方向の前記導体の長さが前記絶縁管の管軸方向の長さの10%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線管。
  6. 前記絶縁管の周方向の前記導体の長さが前記絶縁管の外周の半周未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線管。
  7. 絶縁管と、前記絶縁管の一方の開口を覆い、前記一方の開口の端面に周縁部が接合されるとともに電子源を有する陰極と、前記絶縁管の他方の開口を覆い、前記他方の開口の端面に周縁部が接合されるとともにターゲットを有する陽極と、を備えた放射線管の製造方法であって、
    前記絶縁管と陽極と陰極とを組み立てた後に、前記電子源から電子線を放出させて前記ターゲットに照射し、前記ターゲット上の電子線の焦点位置の、設計上の焦点位置からのずれを測定する工程と、
    前記ずれに基づいて、前記焦点位置のずれる方向とは逆方向の前記絶縁管の外周に導体を配置して前記ずれを補正する工程とを有することを特徴とする放射線管の製造方法。
  8. 前記導体は前記絶縁管の管軸方向において、前記電子源の陽極側の端部より陰極側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線管の製造方法。
  9. 前記導体の表面が絶縁物で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線管の製造方法。
  10. 前記絶縁管がセラミックからなり、前記導体の導電率が1×10-12S/m以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線管の製造方法。
  11. 前記絶縁管の管軸方向の前記導体の長さが前記絶縁管の管軸方向の長さの10%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線管の製造方法。
  12. 前記絶縁管の周方向の前記導体の長さが前記絶縁管の外周の半周未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線管の製造方法。
  13. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の放射線管と、
    前記放射線管を収容し、前記放射線管から生じる放射線を取り出すための放射線放出窓を有する収納容器と、を備え、
    前記収納容器の内部の余剰空間が絶縁性流体で満たされていることを特徴とする放射線発生装置。
  14. 請求項13に記載の放射線発生装置と、
    前記放射線発生管から放出され、被検体を透過した放射線を検出する放射線検出装置と
    前記放射線発生装置と前記放射線検出装置とを連携制御する制御装置とを備えたことを特徴とする放射線撮影システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017050070A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 キヤノン株式会社 X線発生管、x線発生装置、x線撮影システム、x線発生装置の調整方法
WO2024157530A1 (ja) * 2023-01-25 2024-08-02 キヤノンアネルバ株式会社 X線発生装置およびx線撮像装置

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