JP2015151562A - 局所表面強化部材と局所表面強化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼部材の特定部位(局所)の表面近傍を周囲よりも強化した局所表面強化部材の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の局所表面強化方法は、鋼材からなる被加工材の少なくとも一以上の局所の表面近傍に対して局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置における相当歪みが0.8〜20となる塑性加工を施す局所加工工程と、少なくとも塑性加工された局所に対して鋼材の変態点未満の処理温度で窒化処理を施す窒化工程とを備える。これにより、特定位置におけるビッカース硬さ(HV)である局所内部硬さが局所の周囲にある鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きくすると共に局所の最表面から特定位置までの特定域内における最大のビッカース硬さである局所最大硬さが母材硬さよりも100HV以上大きく、窒化深さが0.15mm以上で、歪みを導入しない場合より約1.2〜3倍の深さを有する局所表面強化部材が得られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、鋼材からなる部材であり、その特定部位の表面近傍(局所)が周囲よりも強化された局所表面強化部材と、その製造方法である局所表面強化方法に関する。
鋼材からなる部材(「鋼部材」という。)は、その要求仕様に応じて、適切な鋼材(成分組成)が選択されると共に、表面処理(例えば、窒化処理や浸炭処理)が施されて表面強化されることが多い。その一例として、塑性加工した鋼部材に窒化処理を施すことにより、その表面強化を行う提案がなされており、それに関連する記載が下記の特許文献または非特許文献にある。
特許2916752号公報 特開2013−92212号公報
H. Ferkel ,M. Glatzer, Y.Estrin,R.Z.Vliev.C.Blawert, B.L.Mordike : Materials Science Engineering A348(2003)100-110.
特許文献1は、焼入れ処理に替えて、転造したねじの外周面に窒化処理を行うことを提案している。特許文献2は、ショットピーニング加工を行って加工変質層を形成することにより、オーステナイト系ステンレス鋼の表面に窒化処理を行う旨を提案している。非特許文献1は、高圧下ねじり加工(High Pressure Tortion:HPT)により非常に大きな歪み(ε:175〜350)を導入した鉄鋼材に、プラズマ窒化を低温で短時間行う旨を提案している。
しかし、これらの文献ではいずれも、部材のほぼ全表面に対して窒化処理を行うことを前提として、極表層部(最表面から数μmの領域)を表面強化することしか想定されていない。つまり、それらの文献では、強化が要求される鋼部材の特定部位(局所)について、その極表層部のみならず数百μm以上深い内部までも強化することは何ら言及も想定もされていない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、鋼部材の特定部位(局所)の表面近傍を周囲よりも強化した局所表面強化部材と、その製造方法である局所表面強化方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、鋼部材の局所にだけ相応に大きくて現実的な加工歪みを与え、その局所に対して比較的低温で短時間の窒化処理することにより、その局所の最表面から数百μm以上深い内部まで、十分に強化(硬化)させることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《局所表面強化方法》
(1)本発明の局所表面強化方法は、鋼材からなる被加工材の少なくとも一以上の局所の表面近傍に対して該局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置における相当歪みが0.8〜20となる塑性加工を施す局所加工工程と、少なくとも該塑性加工された局所に対して該鋼材の変態点未満の処理温度で窒化処理を施すことにより、該特定位置におけるビッカース硬さ(HV)である局所内部硬さを該局所の周囲にある該鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きくすると共に該局所の最表面から該特定位置までの特定域内における最大のビッカース硬さである局所最大硬さを該母材硬さよりも100HV以上大きくし、かつ窒化深さを0.15mm以上とする窒化工程と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明の局所表面強化方法(適宜、単に「強化方法」という。)によれば、窒化処理により必要な部位(局所)だけを強化できる。このため、特定部位(局所)のみの強化しつつも、その表面近傍以外では不必要な硬化を抑制でき、鋼部材全体としての靱性や加工性を維持できる。
ところで、本発明の局所表面強化方法により得られた鋼部材(局所表面強化部材)は、その局所の表面近傍におけるビッカース硬さ(単に「硬さ」という。)が、最表面付近のみならず、かなり深い内部まで母材硬さよりも大きくなっている。具体的にいうと、本発明に係る鋼部材は、局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置における硬さ(局所内部硬さ)が局所の周囲にある鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きく、さらに局所の最表面から特定位置までの特定域内における最大の硬(局所最大硬さ)が母材硬さよりも100HV以上大きくなっている。このように本発明に係る鋼部材は、最表面近傍のみならずその内部まで十分に硬化(強化)されているため、その局所において十分な強度、耐摩耗性、耐疲労性等が発揮され得る。
本発明に係る局所加工工程は、局所に導入する加工歪みが相当歪みで現実的な0.8〜20程度であるため、工夫により到達可能な範囲であり、後述するような種々の塑性加工方法により実現可能である。そして本発明に係る窒化工程では、その加工歪みが導入された局所に対して窒化処理がなされるため、鋼材の変態点(A1変態点:723℃)未満の比較的低い温度で短時間処理するだけでも、強化元素(拡散元素)である窒素が内部まで十分に拡散して、上述した大きな表面硬さおよび硬化深さを有する鋼部材が得られる。従って、本発明の強化方法によれば、必要な部位(局所)のみを十分に強化した鋼部材を、効率的に低コストで得ることが可能となり、鋼部材の生産性の向上を図り易い。
さらに本発明の強化方法によれば、局所加工工程で導入する歪み量、窒化工程を行う処理温度や処理時間を変更することにより、改質すべき局所の表面硬さや硬化深さを幅広く制御できる。その結果、鋼部材の要求仕様に応じて必要な部位または領域における強度、耐摩耗性、靱性、耐疲労性等を容易に制御することも可能となる。
なお、本発明に係る局所以外の部分(適宜、「周辺部」という。)は、その内部は勿論、その表面近傍も母材硬さに近い状態とすることが可能である。このため本発明の強化方法の実施後でも、局所を除く鋼部材の全体的な靱性や切削性等は確保され易い。また、本発明に係る窒化工程では、局所加工工程による加工歪みの導入により窒素(N)の拡散性を高めているため、熱処理等によってNが拡散し易い組織(例えばベイナイト組織など)を事前に調製したり、Nの拡散促進元素を含む窒化鋼等を用いる必要は必ずしもない。従って本発明の強化方法によれば、より低コストで局所を強化することが可能となる。
(3)本発明の強化方法により鋼部材の局所が効率的に強化されるメカニズムは必ずしも定かではないが、現状では次のように考えられる。局所加工工程により、局所に冷間塑性加工が施されると、その程度(相当歪み)に応じて局所の表面近傍(少なくとも特定域)には転位(格子欠陥)が導入され得る。このような転位が高密度に導入された局所の表面近傍は、加工硬化により硬さが局所的に高くなるのみならず、高温の窒素(イオン)が侵入、拡散し易い状態となっている。従って、このような局所に比較的低温の窒化処理がなされると、加工硬化の影響を残しつつも、窒化による硬化が付加されることにより、局所の表面近傍にはそれらが複合的に現れて十分な表面硬さと硬化深さが得られるようになったと考えられる。このような傾向は、転位または加工硬化が維持される低温(例えば、鋼材の再結晶化温度以下)で、適切な時間だけ窒化処理がなされる場合ほど顕著である。
《局所表面強化部材》
本発明は、上述した強化方法としてのみならず、それにより得られた鋼部材としても把握できる。すなわち本発明は、鋼材からなり、少なくとも一以上の局所の表面近傍で、該局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置におけるビッカース硬さである局所内部硬さが該局所の周囲にある該鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きいと共に該局所の最表面から該特定位置までの特定域内における最大のビッカース硬さである局所最大硬さが該母材硬さよりも100HV以上大きいことを特徴とする請求項1〜4に記載の局所表面強化方法により得られた局所表面強化部材(鋼部材)でもよい。
《その他》
(1)本明細書中でいう相当歪みは、ミーゼスの降伏条件により定義される。局所加工工程で被加工材に導入された歪みが、本発明でいう相当歪みの範囲内にあるか否かは、対象とする鋼材に既知の塑性ひずみ(相当歪み)と硬さの関係に、加工後の硬さをあてはめるか(図13参照)、あるいは対象とする塑性変形を数値解析することにより特定される。
「局所」とは、局所加工工程と窒化工程の処理対象域であり、最終的には、本発明で規定する局所内部硬さと局所最大硬さを表面近傍に有する被加工材の特定範囲である。なお、局所内部硬さと局所最大硬さを特定する基準となる母材硬さは、その局所以外の部分であって、局所加工工程および窒化工程の影響が実質的に及んでいない部分(領域)の硬さとする。
局所の「最表面」とは、本発明の強化方法が施された鋼部材(局所表面強化部材)の最表面であるが、局所加工工程後の窒化処理前または窒化処理後に研削等がなされる場合は、その加工後の最表面とする。なお、本発明では、局所の数や大きさ(面積)などは問わない。
「被加工材」は、板材、角材等の素材のままでもよいが、通常は、鍛造成形、プレス成形、機械加工等によって所望形状にされた素形材(部材、部品等)である。素形材は、最終製品に近いものでも、中間製品でもよい。また「鋼材」は、ステンレス鋼を含む種々の鉄鋼材料から選択され、低炭素鋼または低合金鋼でもよい。特に本発明では、加工歪みの導入によって局所における窒化促進を図るため、鋼材はいわゆる窒化鋼でなくてもよい。また表面に不動態皮膜を形成するステンレス鋼でも、本発明によれば十分に局所の表面強化が可能である。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
高圧下ねじり加工の概要を示す模式図である。 SPCCからなる試験片の硬さ分布を示すグラフである。 S10Cからなる試験片の硬さ分布を示すグラフである。 SCr420からなる試験片の硬さ分布を示すグラフである。 SUS304からなる試験片の硬さ分布を示すグラフである。 SACM645からなる試験片の硬さ分布を示すグラフである。 SCr420からなる試験片に係る処理温度と最大硬さの関係を示すグラフである。 SCr420からなる試験片に係る処理温度と窒化深さの関係を示すグラフである。 ラジカル窒化した試験片(SCr420)の硬さ分布を示すグラフである。 ラジカル窒化した試験片の窒素濃度分布を示すグラフである。 圧印型を用いた歪み付与装置の概要を示す模式図である。 その圧印型を示す斜視図である。 移動型を用いた歪み付与装置の概要を示す模式図である。 圧下回転型を用いた歪み付与装置の概要を示す模式平面図である。 圧下回転型を用いた歪み付与装置の概要を示す模式正面図である。 別の圧下回転型を用いた歪み付与装置の概要を示す模式図である。 圧印型を用いた歪み付与装置により加工歪みを導入した試験片の硬さ分布を示すグラフである。 移動型を用いた歪み付与装置により加工歪みを導入した試験片の硬さ分布を示すグラフである。 種々の塑性加工を付与したときに被加工材に生じる相当歪み量と硬さとの関係を示すグラフである。
本明細書で説明する内容は、本発明の局所表面強化方法のみならず、それにより得られた局所表面強化部材(鋼部材)にも該当し得る。製造方法に関する構成要素は、プロダクトバイプロセスクレームとして理解すれば物に関する構成要素ともなり得る。上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《局所加工工程》
(1)本発明に係る局所加工工程は、被加工材の局所に所定の相当歪みを導入する塑性加工を施す工程である。歪み量は被加工材中の位置により異なるため、本発明でいう相当歪みは局所の最表面から0.5mm内側(深い側)にある特定位置における相当歪み量(ε)を基準とした。局所の表面近傍に導入される相当歪みが過小であると、局所において窒化が十分に促進されない。局所への過大な相当歪みの導入は、加工負荷または加工時間の増大、工具寿命の低下、塑性加工の境界(局所と周辺部の境界)近傍におけるバリの発生等を招来して好ましくない。そこで本発明に係る相当歪みは、0.8〜20、1〜15さらには1.5〜10程度とするとよい。なお、局所に強加工が困難なときでも、ε=1〜5程度の加工歪みを導入できれば、局所の表面近傍を十分に強化し得る。
(2)このような相当歪みを局所へ導入するための塑性加工の種類は問わない。適切な大きさの圧縮、剪断、ねじり等を局所に加えることにより、相当歪みを局所へ導入し得る。但し、剪断またはねじりでは、被加工材の形状や局所の大きさ等により、加工歪みの導入が困難な場合も生じ得る。そこで局所加工工程は、表面に凹凸パターンを有する押圧工具を局所の表面に押圧して行う押圧工程であると、種々の局所へ加工歪みを導入し易くなる。具体的にいうと、押圧工具は、例えば、凹凸パターンが少なくとも一面に形成された圧印型、凹凸パターンが円筒(円柱)の周側面に形成された圧下回転型(いわゆるローレット)等である。
押圧工具による局所表面の押圧は、一回でも複数回でもよい。その押圧を複数回行う場合、局所表面に当接する押圧工具の凹凸位置を毎回反転させて行うと、局所へ加工歪みを効率的に導入できる。例えば、前回の押圧で押圧工具の凹部(凸部)によって圧下された局所の表面部分を、次回の押圧で押圧工具の凸部(凹部)で圧下されるようにするとよい。また被加工材と押圧工具の形態を考慮して、適宜、被加工材と押圧工具を相対移動(スライド、回転、送り、揺動等)させて、複数箇所の局所や広範囲な局所に対して効率的に加工歪みを導入してもよい。また、被加工材または局所の形態(形状、大きさ等)により、押圧工具の形態(形状、大きさ等)も適宜、調整されると好ましい。例えば、小径の押圧工具を回転させつつ局所の表面近傍へ塑性加工すると、押圧工具に印加する荷重を低減しつつ、種々の被加工材や局所へ加工歪みを効率的に付与できる。また、押圧工具は、適宜、耐摩耗性、耐焼付性等を高めるための表面改質や潤滑・冷却がなされると好ましい。
なお、局所加工工程により、局所の表面粗さが増大し得ることがある。局所の表面粗さを小さくする必要があるときは、適宜、窒化工程前または窒化工程後に、塑性加工後の局所表面を切削、研削、研磨等したり、平滑面を有する整形型で局所表面を押圧して平滑化してもよい。
《窒化工程》
(1)本発明に係る窒化工程は、窒化処理により加工歪みが導入された局所に窒素(イオン)を侵入、拡散させて、少なくとも局所の表面近傍域を強化する工程である。その程度は、表面近傍の位置(深さ)により異なる。そこで本発明では、上述した局所の最表面から0.5mm内側(深い側)にある特定位置におけるビッカース硬さである局所内部硬さと、局所の最表面からその特定位置に至る範囲である特定域内で最大のビッカース硬さである局所最大硬さを基準として、窒化処理の程度を規定した。
この局所内部硬さは、局所の周辺部の硬さ(鋼材の母材硬さ)よりも50HV以上、100HV以上さらには150HV以上大きいと好適である。また局所最大硬さは、母材硬さよりも100HV以上、150HV以上さらには200HV以上大きいと好適である。なお、通常、局所の最表面近傍で局所最大硬さが得られる。
(2)窒化処理するときの処理温度、処理時間は、局所に付与される加工歪みの程度や要求仕様に応じて適宜、選択され得る。処理温度(窒化温度)は、例えば、250〜650℃さらには300〜600℃の範囲とすればよい。処理温度が過小では窒素の拡散速度が低下して窒化促進が図れない。逆に処理温度が過大になると、局所に導入した加工歪みが低減して窒化促進が図れない。特に処理温度が鋼材の変態点以上になると、局所に導入した加工歪みが消滅して局所の効率的な強化が困難となる。その加工歪みを有効に利用しつつ窒化の促進を図るため、処理温度は鋼材の再結晶化温度以下、例えば、320〜480℃さらには340〜460℃であると好ましい。
処理時間が過小では局所の窒化ひいては強化が不十分となり、処理時間が過大では鋼部材の生産性が低下し得る。そこで処理時間は0.1〜7時間さらには0.3〜6時間とするとよい。加工歪みが十分に残存し得る低温域(例えば320〜480℃)で窒化する場合なら、例えば、処理時間は2〜4時間さらには2.5〜3.5時間とするとよい。逆に、加工歪みが低減し得る高温域(例えば550〜650℃)で窒化する場合なら、処理時間はより短い0.1〜0.5時間程度とするとよい。さらに高温域(650℃以上)で窒化する場合なら、加工歪みの消滅前に窒化を終了させるために、処理時間はさらに短い1〜5分間さらには2〜3分間程度とするとよい。なお、本発明に係る窒化工程で低温域で数時間の窒化処理を行うとしても、通常の窒化処理よりは十分に効率的である。
本発明に係る窒化処理は、その種類を問わず、ガス窒化、プラズマ窒化(イオン窒化)、ラジカル窒化、塩浴窒化等のいずれでもよい。また本発明でいう「窒化」には、軟窒化および浸硫窒化も含まれる。また本発明の場合、局所の表面近傍が所定の硬さとなるように窒化されればよく、それ以外の周辺部は窒化されても窒化されなくてもよい。特に上述したような低温域で窒化処理した場合、周辺部は実質的に窒化されないことが多い。
《鋼材》
本発明に係る鋼材はその種類を問わないが、特に窒化処理により表面強化され難いものであると好ましい。そこで本発明に係る鋼材は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびモリブデン(Mo)を実質的に含まない低合金鋼、炭素(C)の含有量が0.3質量%以下である低炭素鋼、またはステンレス鋼のいずれかであると好適である。
《用途》
本発明の局所表面強化方法は、局所の数や大きさ、塑性加工や窒化処理の条件を調整することにより、種々の分野の多様な被加工材へ適用できる。本発明の局所表面強化部材(鋼部材)として、例えば、自動車のシャーシ(特にアンダーボディ、センターピラー等)のように局部的な強化が必要な部材がある。その他、応力集中または摩耗し易い局部(例えば隅部、角部、孔部)を有する種々の部材(例えば軸)に本発明は利用できる。なお、本発明でいう「強化」とは、単に硬さ向上または強度向上に限らず、耐摩耗性や耐疲労性の向上等でもよい。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本実施例では、先ず、相当歪みと窒化処理の関係を明確にする基礎試験を行い、その基礎試験の結果に基づいて、局所表面強化試験を行った。以下、順次説明する。
《基礎試験》
[試験片の製造]
(1)鋼材
5種類の鋼材からなる円板状(φ10mm×1.5mm)の試験片をそれぞれ用意した。試験片に供した鋼材は、極低炭素鋼板(C:0.04質量%/SPCC)、炭素鋼板(JIS S10C)、クロム合金鋼(JIS SCr420)、ステンレス鋼(JIS SUS304)および窒化鋼(JIS SACM645)である。供試前の各鋼材の母材硬さはそれぞれ、SPCC:117HV、S10C:123HV、SCr420:182HV、SUS304:178HV、SACM645:186HVであった。
(2)加工歪みの導入(局所加工工程)
図1に概要を示す歪み付与装置を用いて、各試験片に高圧下ねじり加工(HPT:High Presser Torsion)を施した。加工条件は、具体的には、コンテナ内の試験片を、円柱状の上型と下型により1.5GPa(荷重16tonf)で圧下しつつ1回転させた。このHPTを行うことにより、試験片には半径方向に分布した加工歪みが導入される。この場合、各試験片の半径:r=0.5mmの位置(中心から0.5mm離れた位置)で相当歪み量:ε=1、r=3.5mmの位置でε=10となる。なお、HPTに供しない無加工な試験片はε=0とした。また本試験の場合、rが同じ位置なら、内部深さ(軸方向の距離)に拘わらず、そのεは一定となる。
HPT加工後の各試験片の円形表面をエメリーペーパーで研磨することにより、その表面に生じていた凹凸(加工荒れ)を0.1mm程度除去すると共に、その表面粗さを約6.3Rz(十点平均粗さ)に仕上げた。なお、無加工な試験片(ε=0)は、素材のまま比較例として用いた。
(3)窒化処理
塑性加工(ε=1、10)した各試験片と無加工な各試験片とに、処理温度と処理時間を種々変更した窒化処理を施した。各試験片の窒化条件は、表1に併せて示した。この際行った窒化処理は、全てイオン窒化である。なお、SPCCからなる試験片については、S10Cからなる試験片と同傾向であるため、450℃×3時間のイオン窒化のみを行った。
[試験片の測定]
窒化処理後の各試験片の縦断面(軸方向断面)について、εが異なる各位置(r=0.5mm、3.5mm)におけるビッカース硬さを最表面から内部まで測定した。こうして各試験片について求めた各部の硬さを表1に併せて示した。なお、表1中に示した内部硬さは、最表面から0.5mm内側の特定位置における硬さである。
また、450℃×3時間のイオン窒化をした各試験片の各部(r=0mm、0.5mm、3.5mm)における硬さ分布を、図2A〜2Eにそれぞれ示した。図2A〜図2Eは順に、試験片がSPCC、S10C、SCr420、SUS304、SACM645からなるときに対応している。また、SCr420からなる試験片について得られた結果に基づいて、その処理温度と最大硬さ(局所最大硬さ)の関係を図3に、その処理温度と窒化深さ(硬化深さ)の関係を図4に示した。なお、本実施例でいう窒化深さ(窒化層深さ)は、最表面から、硬さが変化しない状態(ほぼ一定状態)となる位置(通常は母材硬さとほぼ一致する位置)までの距離(深さ)である。
[評価]
(1)表1および図4の結果から、加工歪みを付与した後に窒化処理を行うことにより、いずれの試験片でも、表面近傍の最大硬さおよび内部硬さが大幅に向上すると共に窒化深さも増大することがわかった。具体的にいうと、いずれの試験片でも、相当歪み量(ε)が1以上となる場合、窒化処理後の最大硬さは母材硬さよりも100HV以上大きく、特定位置における内部硬さも母材硬さよりも50HV以上大きくなっていた。このような傾向は、試験片へ導入する加工歪み(相当歪みε)が大きいほど、また処理温度が450℃以下、処理時間が3時間以下である低温短時間の窒化処理を行ったときほど顕著であった。
さらに、試験片がSPCC、S10CまたはSUS304からなる場合、加工歪みが導入されないと、窒化処理を行っても最表面から内部まで硬さが殆ど向上しないが、加工歪みが導入されると、表面近傍で硬さが十分に向上することがわかった。これらから、Cr、Al、Mo等を実質的に含まない低合金鋼や不動態皮膜で被覆されたステンレス鋼等のように、試験片が窒化処理し難い鋼材からなる場合でも、本発明の強化方法を用いれば、窒化処理によって局所的な表面強化が十分に可能であることもわかった。また表1から、ステンレス鋼(SUS304)の場合、加工歪みが導入されないと、窒化深さが0〜0.1mmと浅いのに対して、加工歪みが導入されると窒化深さは0.15mm以上さらには0.2mm以上となり、大きな窒素拡散効果が得られることがわかる。そしてステンレス鋼以外の鋼種の場合は、加工歪みの導入により窒化深さが約1.2〜3倍となることもわかる。
(2)図3から、処理温度が550℃以下の場合、処理時間が長い場合は勿論、処理時間が短い場合でも、十分な硬さが得られることがわかった。また図4から、処理温度が650℃までなら、加工歪みの導入により十分な窒化深さが得られることもわかった。また低い処理温度(例えば350℃)であるほど、窒化処理前の相当歪み(ε)の影響が大きいことも明らかとなった。これは、処理温度が低温であるほど、残存する加工歪みが多いためと考えられる。
[ラジカル窒化]
上述したイオン窒化に替えて、処理温度:450℃、処理時間:5時間とするラジカル窒化を、SCr420からなる円板状の試験片に対して行った。εの異なる三つの試験片に関する硬さ分布を図5に示した。また、各試験片の最表面から内部に至る窒素濃度分布をEPMA(電子線マイクロアナライザ)により測定し、その結果を図6に示した。
図5から明らかなように、ラジカル窒化処理した場合もイオン窒化処理した場合と同様な傾向にあることがわかった。つまり窒化処理の種類を変更しても、予め加工歪みを付与しておくことにより、最大硬さおよび内部硬さを十分に向上させ得ることが確認された。
また図6から明らかなように、試験片へ導入する加工歪みが大きいほど、窒素が内部深くまで拡散していた。例えば、ε=10の場合は、ε=0の場合(加工歪みを付与しない場合)よりも、窒素の拡散距離が3倍程度にまで増大した。
《局所表面強化試験》
[歪み付与装置]
(1)圧印型
被加工材の局所に加工歪みを付与する歪み付与装置の一例を図7Aに示した。また、その歪み付与装置に用いる圧印型(押圧工具)の斜視図を図7Bに示した。図7Aに断面を示した歪み付与装置Pは、ベースと、そのベース上に載置した被加工材を挟持して固定すると共に圧印型をガイドするホルダーと、ホルダーとベースを固定する固定具とからなる。圧印型の一面は凹凸パターン面となっている。
その凹凸パターン面を被加工材の強化する局所に向けてホルダーに内挿する。その状態で圧印型をプレス装置等により押圧する。これにより被加工材の局所の表面近傍にのみ加工歪みが付与される。導入された相当歪み量(ε)は、凹凸パターン面の形態、圧印型の押圧力等を調整することにより制御可能である。
(2)移動型
被加工材の局所に加工歪みを付与する歪み付与装置の別例を図8に示した。図8に断面を示した歪み付与装置Sは、固定型と、その固定型上に載置した被加工材を挟持しつつ固定型に対して平行移動(スライド)し得る移動型(押圧工具)とからなる。移動型の一面は凹凸パターン面となっている。
その凹凸パターン面を被加工材の強化する局所に向けた状態で、プレス装置等により移動型を固定型に押圧しつつ、移動型と固定型で被加工材を挟持する。この状態で、移動型を所定量だけスライドさせる。これにより、移動型の凹凸パターン面に当接していた被加工材の局所には剪断加工によって加工歪みが付与される。この場合も、凹凸パターン面の形態、移動型の押圧力や移動量等の調整により、被加工材へ導入する相当歪み量(ε)が制御され得る。
(3)圧下回転型
被加工材の局所に加工歪みを付与する歪み付与装置の他例を図9Aと図9B(併せて単に「図9」という。)に示した。図9Aはその平面図であり、図9Bは正面図である。図9に示した歪み付与装置R1では、円筒状の凹凸パターン面を有する圧下回転型(ローレット)が、被加工材に押圧されつつ、その回転および送り(軸方向と半径方向の送り)が可能となっている。その凹凸パターン面を被加工材の強化する局所に押圧しつつ、圧下回転型を回転させると、その凹凸パターン面が当接していた被加工材の局所に加工歪みが付与される。
歪み付与装置R1の変形例である歪み付与装置R2の縦断面図を図10に示した。歪み付与装置R2では、円筒状の凹凸パターン面を有する圧下回転型(ローレット)を、被加工材の内周面に押圧しつつ、その回転および送り(軸方向と半径方向の送り)が可能となっている。この場合も、その凹凸パターン面を被加工材の内周面(強化する局所)に押圧しつつ、圧下回転型を回転させると、その凹凸パターン面が当接していた被加工材の内周面に加工歪みが付与される。
歪み付与装置R1、R2の場合も、凹凸パターン面の形態、圧下回転型の押圧力や送り量等を調整することにより、被加工材の局所へ導入する相当歪み量(ε)が制御され得る。
歪み付与装置P、S、R1、R2等は、被加工材または局所の形態に沿って所望の加工歪みを容易に導入できるため、密閉空間内に配置した被加工材にHPTを行う歪み付与装置よりも、本発明の局所表面強化方法の実施に適している。
[局所加工工程]
(1)上述した歪み付与装置Pと歪み付与装置Sをそれぞれ用いて、厚さ1.6mmのSPCCからなる被加工材の局所に加工歪みを付与した。先ず歪み付与装置Pを用いて、圧印型により圧下される凹凸位置が圧下する毎に反転するようにしつつ、圧下を2回または5回繰り返した。このときの押圧力は1.5GPaとした。
それらの圧下を行ったときの局所における硬さ分布を図11に併せて示した。なお、この硬さ分布は、窒化処理前の加工硬化によるものである。これらから、圧下を2回繰り返すだけでも、被加工材の局所には十分な加工歪みが導入されていることがわかる。また圧下の回数が増加することにより、硬化深さが大きくなることもわかる。
(2)次に歪み付与装置Sを用いて、移動型のスライド量(s)を8mmまたは16mmとして被加工材の局所に加工歪みを導入した。このときの押圧力は0.8GPaとした。こうして得られた局所における硬さ分布を図12に併せて示した。なお、このときの硬さ分布も窒化処理前の加工硬化によるものである。
この場合も、被加工材の局所には十分な加工歪みが導入されて加工硬化していることがわかる。また、スライド量が大きくなると、内部における加工歪みが大きくなることもわかった。
歪み付与装置Pにより圧縮加工(凹凸加工)したとき、歪み付与装置Sにより剪断加工したとき、およびHPTによりねじり加工したときに、それぞれSPCCからなる被加工材の加工部に生じる相当歪み量(ε)と加工硬化に基づく硬さとの関係を図13に示した。いずれの場合も、被加工材の局所に十分な加工歪みが導入されていると共に、深さ0.5mmの特定位置における相当歪みは1を超えていることが確認された。

Claims (6)

  1. 鋼材からなる被加工材の少なくとも一以上の局所の表面近傍に対して該局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置における相当歪みが0.8〜20となる塑性加工を施す局所加工工程と、
    少なくとも該塑性加工された局所に対して該鋼材の変態点未満の処理温度で窒化処理を施すことにより、該特定位置におけるビッカース硬さ(HV)である局所内部硬さを該局所の周囲にある該鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きくすると共に該局所の最表面から該特定位置までの特定域内における最大のビッカース硬さである局所最大硬さを該母材硬さよりも100HV以上大きくし、かつ窒化深さを0.15mm以上とする窒化工程と、
    を備えることを特徴とする局所表面強化方法。
  2. 前記窒化工程は、前記処理温度を250〜650℃とし、該処理温度を維持する処理時間を0.1〜7時間とする工程である請求項1に記載の局所表面強化方法。
  3. 前記窒化工程は、前記処理温度を320〜480℃、前記処理時間を2〜4時間とする工程である請求項2に記載の局所表面強化方法。
  4. 前記局所加工工程は、表面に凹凸パターンを有する押圧工具を前記局所の表面に押圧してなされる押圧工程である請求項1に記載の局所表面強化方法。
  5. 前記鋼材は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)およびモリブデン(Mo)を実質的に含まない低合金鋼、炭素(C)の含有量が0.3質量%以下である低炭素鋼、またはステンレス鋼のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の局所表面強化方法。
  6. 鋼材からなり、
    少なくとも一以上の局所の表面近傍で、該局所の最表面から0.5mm内側にある特定位置におけるビッカース硬さである局所内部硬さが該局所の周囲にある該鋼材の母材硬さよりも50HV以上大きいと共に該局所の最表面から該特定位置までの特定域内における最大のビッカース硬さである局所最大硬さが該母材硬さよりも100HV以上大きいことを特徴とする請求項1〜5に記載の局所表面強化方法により得られた局所表面強化部材。
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JP2017144449A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 長野鍛工株式会社 相当ひずみ付与装置
US20200009631A1 (en) * 2017-03-20 2020-01-09 Postech Academy-Industry Foundation Torsional severe plastic deformation method for metal bar, employing surface polishing to improve mechanical properties of metal bar
JP7436826B2 (ja) 2020-03-27 2024-02-22 日本製鉄株式会社 窒化部品及び窒化部品の製造方法

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