JP2015151360A - 洗浄用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪洗浄用組成物が毛髪及び頭皮に優しく並びに良好な泡立ち特性を持つように、ラウレスエーテル硫酸ナトリウム(SLES)等の強力な界面活性剤を含まない又は制限された量を含む洗浄用組成物、好ましくは、毛髪洗浄用組成物を提供すること。【解決手段】(A) 陰イオン界面活性剤、(B) 少なくとも1種の両性界面活性剤、及び(C)少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含む洗浄用組成物が提供される。(A) 陰イオン界面活性剤は、(i) 少なくとも1種のアシルグルタミン酸又はその塩、(ii) 少なくとも1種のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、及び(iii) 少なくとも1種のアルキルスルホコハク酸又はその塩を含む。洗浄用組成物は、優れた泡形成特性を持ち、良好な洗浄特性を示し、頭皮への無刺激性又は刺激性の低下を可能にする。【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄用組成物に関する。
毛髪、特にヒトの毛髪を洗浄するための、界面活性剤を有効成分として含む組成物は広く知られている。かかる組成物は一般に、従来の界面活性剤、特に陰イオン性、非イオン性及び/又は両性タイプ界面活性剤から、より特には陰イオン性タイプの界面活性剤から選択される1種又は複数の界面活性剤を含む。毛髪を洗浄するための組成物は、濡れた髪に適用され、手でマッサージすること又はこすることにより生じた泡によって、水ですすいだ後に、髪に最初に存在する様々なタイプの汚れを除去することが可能になる。
従来より、ラウレスエーテル硫酸ナトリウム(SLES)が、シャンプー等の毛髪洗浄用組成物における界面活性剤として用いられている。SLESは、良好な洗剤特性を示すことが知られている。しかしながら、SLESは、その界面活性特性が強力であるため、ヒトの毛髪や頭皮を荒れさせる傾向がある。
特開2008-214263号公報は、アルキルエーテル硫酸塩、アシルグルタミン酸塩、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオンポリマー、及びポリエーテル変性シリコーンを含み、頭皮に対する刺激性を低くすることができる毛髪洗浄剤組成物を開示している。特開2010-235522号公報は、アルキルエーテル硫酸塩及びエーテルカルボン酸塩型陰イオン性界面活性剤を含み、頭皮に対する刺激特性の低下を示す毛髪洗浄剤組成物を開示している。特開2007-161597号公報及び特開2010-159234号公報は、アルキル硫酸塩又はアルキルエーテル硫酸塩を含まない毛髪洗浄剤組成物を開示している。しかしながら、十分な洗浄能力に加えて頭皮への無刺激性若しくは刺激性の低下を示す毛髪洗浄用組成物がいまだ必要とされている。
更に、環境保護の観点から特に洗浄剤市場では、「消費者向け製品の小型化」が求められている。コンパクトサイズの製品は、エネルギー及びスペースを節約することができる。例えば、コンパクトサイズの製品は、工場から店舗、店舗から家まで製品を運ぶためのエネルギーを節約することができ、倉庫、小売店及び家に製品を保管するために必要なスペースをも節約することができる。更に、コンパクトサイズの製品は、ハンディキャップがある又は体が不自由な消費者でさえ容易に扱うことができる。
毛髪洗浄用組成物の小型化に関して、特開平10-182366号公報は、毛髪用洗浄剤組成物中の界面活性剤濃度を高めることができるような特別な比で陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を含み、良好な泡立ち及び洗浄特性をも示す毛髪洗浄剤組成物を開示している。その結果、毛髪を洗浄するために用いる組成物の量を減らすことができる。しかしながら、この文献に開示される特定の実施例は、ラウレスエーテル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウムを含む。
国際公開第2010/052147 A2は、アルカリ金属アルキルエーテル硫酸塩及び短鎖ジオールを含む濃縮シャンプー組成物を開示している。しかしながら、この組成物中に含有される陰イオン界面活性剤は、アルカリ金属アルキルエーテル硫酸塩(SLES等)である。特開平10-53795号公報は、主界面活性剤としてグリコール酸N-アルキルアミドスルホン酸エステル塩を含む、濃縮型の毛髪用洗浄剤組成物を開示している。特開2012-207019号公報は、カチオンポリマーと組み合わせた陰イオン界面活性剤を含む、濃縮された毛髪洗浄剤組成物を開示している。しかしながら、その文献中に特に開示される毛髪洗浄用組成物の実施例のほとんどすべてがSLESを含む。特開2012-207019号公報において開示される処方例2は、界面活性剤として90%ラウレス(lautheth)-4カルボン酸(30.0質量%)、30%イミダゾリウムベタイン(10質量%)、及び40%ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(30質量%)を含む。しかしながら、こうした種類の組み合わせ物の特性は、十分でない。
特開2008−214263号公報 特開2010−235522号公報 特開2007−161597号公報 特開2010−159234号公報 特開平10−182366号公報 国際公開第2010/052147号 特開平10−53795号公報 特開2012−207019号公報 米国特許第2528378号明細書 米国特許第2781354号明細書 米国特許第6511671号明細書 欧州特許出願公開第2343039号公報
CTFA dictionary、第9版、2002年 CTFA dictionary、第3版、1982年 CTFA dictionary、第5版、1993年 「Handbook of Surfactants」、M.R.Porter著、Blackie & Son(グラスゴー及びロンドン)刊、1991年、116〜178頁
ラウレスエーテル硫酸ナトリウム(SLES)等の強力な界面活性剤を含まない又は制限された量しか含まず、毛髪及び頭皮に優しく並びに良好な泡立ち特性を有する洗浄用組成物、好ましくは、毛髪洗浄用組成物を提供することが更に望まれる。
上記課題を解決するために、本発明者は、幅広く研究を行い、少なくとも1種の両性界面活性剤及び少なくとも1種の非イオン界面活性剤と併せて、(i) 少なくとも1種のアシルグルタミン酸又はその塩、(ii) 少なくとも1種のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、及び(iii) 少なくとも1種のアルキルスルホコハク酸又はその塩を含む陰イオン界面活性剤の少なくとも3種類の組合せを用いることにより、良好な泡立ち特性を洗浄用組成物に与えることができ、得られた組成物が毛髪及び頭皮にも優しいということを予想外にも発見した。
必要な場合には、本発明の洗浄用組成物の所望の特性が維持され得る限り、界面活性剤の前述の組合せに加えて、アルキルエーテル硫酸塩又はアルキル硫酸塩等の強力な陰イオン界面活性剤を本発明の洗浄用組成物に組み込むことが可能である。本発明の洗浄用組成物は、SLES等のいかなるアルキルエーテル硫酸塩をも含まないことが好ましい。したがって、本発明の洗浄用組成物の最も好ましい実施形態は、SLES等のアルキルエーテル硫酸塩又はラウリル硫酸ナトリウム(SLS)等のアルキル硫酸塩を含まない。すなわち、本発明の最も好ましい洗浄用組成物は、SLES又はSLSを含有しない毛髪洗浄用組成物である。「SLES又はSLSを含有しない」とは、組成物中のアルキルエーテル硫酸塩及びアルキル硫酸塩の含有量が、1質量%未満、好ましくは、0.1質量%未満であることを意味する。
更に、本発明者らは、安定性が依然として良い濃縮組成物を提供するために、シャンプー等のSLES又はSLSを含む従来の毛髪洗浄用組成物の濃度と比べて、本発明の毛髪洗浄用組成物中に含有する界面活性剤の濃度を高めることができるということも発見している。したがって、本発明はまた、濃縮洗浄用組成物の形態で製品を製造して、輸送のためのエネルギー及び製品の保管のためのスペースを節約する上で有用である。
すなわち、本発明の組成物は、(A) 陰イオン界面活性剤、(B) 少なくとも1種の両性界面活性剤、及び(C) 少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含み、陰イオン界面活性剤は、(i) 少なくとも1種のアシルグルタミン酸又はその塩、(ii) 少なくとも1種のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、及び(iii) 少なくとも1種のアルキルスルホコハク酸又はその塩を含む。この組成物は、SLS等のアルキル硫酸塩及び/又はSLES等のアルキルエーテル硫酸塩を好ましくは含まない。好ましくは、組成物は、毛髪洗浄用組成物である。
本発明の技術的な特徴は、3種類の陰イオン界面活性剤の上記組合せを用いる点にある。構成成分(B)として用いられる両性界面活性剤は、特に限定されない。例えば、アルキルベタイン及び/又はアルキルアミドプロピルベタインを、構成成分(B)として好ましくは用いて、本発明の所望の効果を達成することができる。
本発明において構成成分(C)として用いられる非イオン界面活性剤は、特に限定されない。例えば、アルキルポリグルコシドを、構成成分(C)として好ましくは用いて、本発明の所望の効果を達成することができる。
本発明の前述の洗浄用組成物は、少なくとも1種のシリコーン、特に少なくとも1種のポリ(オキシアルキレン)変性ジメチコンを更に含んでもよい。本化合物を使用すると、コンディショニング効果を改善することができる。ポリエーテル変性ジメチコンとして、ポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)エーテル変性ジメチコンを、毛髪に対するコンディショニング効果を改善するために好ましくは用いられる。特に、本発明において、以下の式:
Figure 2015151360
[式中、xは、1から100までの整数を表し; yは、1から100までの整数を表し; mは、10から20までの整数を表し; nは、1から20までの整数を表す。]によって表されるポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)エーテル変性ジメチコンの使用により、コンディショニング効果を改善することが好ましい。
更に、少なくとも1種のカチオンポリマー、最も好ましくは、ポリクォータニウム-6として市販されているポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を本発明の洗浄用組成物に組み込んでコンディショニング効果を改善することが好ましい。カチオンポリマー、特にポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)は、前述のシリコーン、特にポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)エーテル変性ジメチコンと共に用いても、それなしで用いてもよい。
界面活性剤の総量は、特に限定されない。例えば、本発明の組成物の総質量に対して10%から50%、好ましくは、15%から40%、より好ましくは、20%から35%となり得る。
本発明の洗浄用組成物のpH値は、4.0から7.0、好ましくは4.5から6.0、より好ましくは5.0から5.6に調整してもよい。
本発明の洗浄用組成物の粘度は、特に限定されない。必要な場合は、当業者は、例えば、当技術分野で一般的に用いられる増粘剤によって、洗浄用組成物の粘度を所望の度合いに調整することができる。洗浄用組成物の粘度を25℃で50から150mPa.sに調整して、使用性の良好な洗浄用組成物を生成することが好ましい。前述の粘度は、25℃でローター番号(Rotor No.)2番のブルックフィールド型粘度計(Brookfield Viscometer)を用い、60秒間回転させた後に測定される値である。
上述した通り、構成成分(A)から(C)の組合せにより、良好な泡形成特性を持ち、優れた洗浄効果を示す洗浄用組成物をもたらすことができる。更に、本発明の洗浄用組成物は、輸送するエネルギー及び保管するスペースを節約するために製品を小型化するのに有用である。
本発明の組成物のために用いることができる構成成分のそれぞれの詳細を以下に説明する。
好ましくは、本発明の洗浄用組成物は、水を含む。本発明の洗浄用組成物は、少なくとも1種の水溶性有機溶媒、例えば、C1〜C4アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノール又はn-ブタノール; 及びプロピレングリコール、グリセリン、カプリリルグリコール若しくはヘキシレングリコール等のポリオール又はグリコールエーテル等のポリオールエーテルなどと、水の混合物を含むことができる。これらの溶媒のうちの任意の1種又は複数を水と組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、本発明の洗浄用組成物は、組成物の総質量に対して50から95質量%、好ましくは、55から90質量%の水を含むが、これに限定されない。
[界面活性剤]
本発明の洗浄用組成物は、構成成分(A)として3種以上の陰イオン界面活性剤、構成成分(B)として両性界面活性剤及び必須要素としての構成成分(C)として非イオン界面活性剤を含む。これらの界面活性剤を、以下により具体的に説明する。
[陰イオン界面活性剤(構成成分(A))]
構成成分(A)として、3種以上の陰イオン界面活性剤を、本発明の洗浄用組成物に組み込む。陰イオン界面活性剤の組合せは、 (i) 少なくとも1種のアシルグルタミン酸又はその塩、(ii) 少なくとも1種のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、及び(iii) 少なくとも1種のアルキルスルホコハク酸又はその塩を必須要素として含む。
(A)(i) アシルグルタミン酸又はそれらの塩
アシルグルタミン酸又はそれらの塩として、(C6〜C24)アシルグルタミン酸又はそれらの塩、特に、N-アシル-L-グルタミン酸塩類、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩、例えば、そのナトリウム塩又はトリエタノールアミン塩等を挙げることができる。例えば、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、オレオイルグルタミン酸二ナトリウム、オレオイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸二ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、これらのアンモニウム塩若しくはアミン塩類似体、及びこれらの塩の2つ以上の組合せを挙げることができる。ココイルグルタミン酸二ナトリウムは、本発明において用いられることが最も好ましい。1種又は2種以上のアシルグルタミン酸塩を、本発明の洗浄用組成物に組み込むことができる。1種若しくはいくつかのアシルグルタミン酸又はそれらの塩は、構成成分(A)(i)として用いることができる。
(A)(ii) アルキルエーテルカルボン酸又はそれらの塩
アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩として、ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩、より具体的には、ポリオキシエチレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸及びそれらの塩、及びポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩を挙げることができる。これらの塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、アンモニウム塩、及びアミン塩を包含する。例えば、ポリオキシエチレン(3)〜(11)ラウリルエーテルカルボン酸である、ラウレス-(3)〜(11)カルボン酸及びその塩、例えばナトリウム塩を挙げることができ、これらは、INCI Dictionaryに挙げられている。特に、ラウレス-5カルボン酸又はその塩、例えばナトリウム塩が、本発明において好ましく用いられる。いくつかのアルキルエーテルカルボン酸又はそれらの塩のうちの1つを、構成成分(A)(ii)として用いることができる。
(A)(iii) アルキルスルホコハク酸又はそれらの塩
アルキルスルホコハク酸は、当技術分野で知られている界面活性剤であり、これは、例えば、(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸又はそれらの塩、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホコハク酸又はそれらの塩、及び(C6〜C30)アルキルアミドスルホコハク酸又はそれらの塩を包含する。(C6〜C30)アルキルエーテルスルホコハク酸又はそれらの塩とは、ポリエトキシル化(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸又はそれらの塩を意味する。INCI Dictionaryに挙げられているアルキルスルホコハク酸は、本発明において好ましく用いることができ、これには、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、オレス-3スルホコハク酸二ナトリウム、デセス(deceth)-6スルホコハク酸二ナトリウム等が含まれる。特に、ラウレススルホコハク酸二ナトリウムは、本発明において構成成分(A)(iii)として好ましく用いられる。いくつかのアルキルスルホコハク酸又はそれらの塩のうちの1つを、構成成分(A)(iii)として用いることができる。
[他の陰イオン界面活性剤]
本発明の所望の効果が達成され得る限り、場合によっては、前述の必須の陰イオン界面活性剤(A)(i)、(A)(ii)、及び(A)(iii)の3種類と異なる1種又は複数の追加の陰イオン界面活性剤を用いてもよい。
任意のタイプの陰イオン界面活性剤を追加の構成成分として用いてもよい。追加の陰イオン界面活性剤は、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩; (C6〜C30)アルキルスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩; (C6〜C30)アルキルリン酸塩; (C6〜C30)アルキルスルホ酢酸塩; (C6〜C24)アシルサルコシン酸塩; (C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル; (C6〜C30)アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩; (C6〜C30)アルキルスルホサクシナメート; (C6〜C24)アシルイセチオン酸塩; N-(C6〜C24)アシルタウレート; C6〜C30脂肪酸塩; ヤシ油酸塩又は水素化ヤシ油酸塩; (C8〜C20)アシルラクチレート; (C6〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩; 並びにこれらに対応する酸からなる群から選択されることが好ましい。
[両性界面活性剤(構成成分(B))]
両性界面活性剤は、特に限定しなくてもよい。両性界面活性剤は、例えば、アミン誘導体、例えば、脂肪族の第二級若しくは第三級アミン、場合によっては、四級化されたアミン誘導体であってもよく、脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含み、水に可溶性の少なくとも1種の陰イオン基(例えば、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、又はホスホン酸イオン)を含む直鎖状若しくは分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、ベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体からなる群から好ましくは選択され得る。
ベタイン型両性界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン(sulfobetaine)、ホスホベタイン、及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタイン、スルホベタイン(sulphobetaine)、及び(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタインからなる群から好ましくは選択される。一実施形態では、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8〜C24)アルキルベタイン、(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン、及びホスホベタインから選ばれる。
挙げることができる構成成分(B)として用いられる両性界面活性剤の例には、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、及びココスルタインという名称でCTFA dictionary、第9版、2002年において分類された化合物が、単独又は混合物として含まれる。
構成成分(B)として用いられるベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタインであり、特に、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体の中でもとりわけ、米国特許第2,528,378号明細書及び同第2,781,354号明細書に記載された、アンフォカルボキシグリシネート及びアンフォカルボキシプロピオネートという名で、CTFA dictionary、第3版、1982年(これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる)に分類される、Miranolという名称で販売されている製品を挙げることができ、それぞれの構造は以下の通りである。
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-)
[式中、
R1は、加水分解されたヤシ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル基、ノニル基、又はウンデシル基を示し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を示し、
R3は、カルボキシメチル基を示す]; 及び
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C)
[式中、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'(式中、z=1又は2である)を表し、
X'は、-CH2CH2-COOH基、-CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'、又は水素原子を示し、
Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3Z'、又は-CH2-CHOH-SO3H基を示し、
Z'は、ナトリウム等のアルカリ若しくはアルカリ土類金属のイオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンに由来するイオンを表し、
R1'は、ヤシ油又は加水分解された亜麻仁油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13アルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型等のアルキル基、又は不飽和のC17基を示す。]
好ましくは、アミドアミンカルボキシル化誘導体から選ばれる両性界面活性剤は、(C8〜C24)-アルキルアンフォモノアセテート、(C8〜C24)アルキルアンフォジアセテート、(C8〜C24)アルキルアンフォモノプロピオネート、及び(C8〜C24)アルキルアンフォジプロピオネートからなる群から選択することができる。これらの化合物は、CTFA dictionary、第5版、1993年において、ココアンフォジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンフォジ酢酸二ナトリウム、カプリルアンフォジ酢酸二ナトリウム、カプリロアンフォジ酢酸二ナトリウム、ココアンフォジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンフォプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンフォジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンフォジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンフォジプロピオン酸、及びココアンフォジプロピオン酸という名で分類されている。
例として、Rhodia Chimie社によりMiranol(登録商標)C2M concentrateという商品名で販売されているココアンフォジ酢酸を挙げることができる。
前述の両性界面活性剤の中でもとりわけ、コカミドプロピルベタイン等の(C8〜C24)アルキルアミド(C1〜C8)アルキルベタインは、構成成分(B)として用いられるための最も好ましい両性界面活性剤である。
[非イオン界面活性剤(構成成分(C))]
非イオン界面活性剤自体はまた、それ自体よく知られた化合物である(この点については、「Handbook of Surfactants」、M.R.Porter著、Blackie & Son(グラスゴー及びロンドン)刊、1991年、116〜178頁を特に参照されたい。この開示を参照により組み込む。)。したがって、非イオン界面活性剤は、例えば、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化、又はポリグリセロール化された、例えば、8〜18個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖(fatty chain)を有するアルコール、α-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選ぶことができ、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基の数が、1から50個の範囲であり、グリセロール基の数は1から30個の範囲であることが可能である。マルトース誘導体もまた挙げることができる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー; 脂肪アルコールとのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物; 例えば、エチレンオキシド2から30molを含むポリエトキシル化脂肪アミド; 1から5個、例えば、1.5から4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド; エチレンオキシド2から30molを含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル; 植物由来のエトキシル化油; スクロースの脂肪酸エステル; ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル; グリセロールの脂肪酸モノ又はジエステル; (C6〜C24)アルキルポリグリコシド; N-(C6〜C24)アルキルグルカミン誘導体、(C10〜C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10〜C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシド、及びそれらの混合物を挙げることができる。
非イオン界面活性剤は、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン界面活性剤から選択することができる。オキシアルキレン単位は、特に、オキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位、又はその組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることができるオキシアルキレン化非イオン界面活性剤の例には、以下が含まれる。
オキシアルキレン化(C8〜C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C8〜C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びポリエチレングリコールのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8〜C30酸及びソルビトールのポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和のオキシアルキレン化植物油、
とりわけ、単独で又は混合物として、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物。
界面活性剤は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのモル数1から100、好ましくは2から50を含むことができる。有利には、非イオン界面活性剤は、オキシプロピレン単位を含まない。
本発明の好ましい一実施形態によれば、オキシアルキレン化非イオン界面活性剤は、オキシエチレン化C8〜C30アルコール又はエトキシル化脂肪エステルから選ばれる。
アルキルポリグリコシドは、本発明に関する限り、特に適した非イオン界面活性剤を構成することに留意されよう。
本発明において構成成分(C)として用いられる非イオン界面活性剤は、特に限定されず、上述した非イオン界面活性剤から選ぶことができる。本発明の洗浄用組成物の構成成分(C)としてC6〜C24アルキルポリグルコシドを用いて、所望の効果を達成することが特に好ましい。構成成分(C)として用いることができるアルキルポリグルコシドの中でも、カプリリル/カプリルグルコシド、パーム核/ココグルコシド、セテアリールグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、アラキジルグルコシド、C12〜20アルキルグルコシド、C10〜16アルキルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ミリストイルエチルグルコシド、メチルココ-グルコシド、タロウイルエチルグルコシド、ウンデシルグルコシド、オクチルドデシルグルコシド、イソステアリルグルコシド、ラウロイルエチルグルコシド、ココイルエチルグルコシド、カプロイルエチルグルコシド、及びブチルグルコシドを挙げることができるが、これらに限定されない。
[構成成分(A)(i)から(iii)、(B)及び(C)の量]
本発明の組成物中に含有される界面活性剤の量は、特に限定されない。当業者は、組成物が良好な泡形成特性を有し、満足できる洗浄効果をもたらすように、構成成分(A)(i)から(iii)、(B)、及び(C)の量を容易に最適化して、本発明の洗浄用組成物に組み込むことができる。
一般に、各構成成分の量は、以下の通りになり得る。
(A)(i) 本発明の組成物の総質量に対して1から40質量%、特に、2から30質量%、好ましくは3から15質量%、より好ましくは4から8質量%;
(A)(ii) 本発明の組成物の総質量に対して0.5から25質量%、特に2から20質量%、好ましくは5から15質量%;
(A)(iii) 本発明の組成物の総質量に対して0.1から20質量%、特に0.5から15質量%、好ましくは1から10質量%、より好ましくは2から5質量%;
(B) 本発明の組成物の総質量に対して0.5から20質量%、特に1から15質量%、好ましくは2から8質量%;
(C) 本発明の組成物の総質量に対して0.5から20質量%、特に1から15質量%、好ましくは3から10質量%。
もちろん、組成物中に含有される界面活性剤の量は、本発明の所望の効果が生じる限り、前述の量に限定されない。
好ましくは、陰イオン界面活性剤(すなわち、(A)(i)+(ii)+(iii))の総含有量は、8から40質量%、好ましくは10から35質量%、より好ましくは、12から30質量%である。
好ましくは、質量比(i)アシルグルタミン酸又はそれらの塩/(ii)アルキルエーテルカルボン酸又はそれらの塩は、0.1から3の範囲、より好ましくは0.5から1の範囲となり得る。
好ましくは、質量比(i)アシルグルタミン酸又はそれらの塩/(iii)アルキルスルホコハク酸又はそれらの塩は、0.4から8の範囲、より好ましくは1から3の範囲となり得る。
[添加剤]
本発明の洗浄用組成物は、毛髪に対する組成物のコンディショニング効果等を改善するために、添加剤を任意選択により場合によっては含むことができる。洗浄用組成物に通常
用いられる1種又は複数の物質を、場合によっては添加することができる。かかる物質の例を以下に示すが、それに限定されない。
[シリコーン]
本発明の洗浄用組成物は、良好なコンディショニング特性を与えるのに有用である少なくとも1種のシリコーンを、任意選択により場合によっては更に含むことができる。多くのさまざまなタイプのシリコーンが当技術分野でよく知られており、洗浄用組成物に通常、用いられている。例えば、組み込むことができる添加剤として、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、アミノプロピルジメチコン、アミドメチコン、ジメチコン、ジメチコノール、ジフェニルジメチコン、メチコン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
洗浄用組成物に用いることができるシリコーンは、例えば、米国特許第6,511,671号明細書の第5欄22行目から第7欄14行目に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。ジメチコン等のシリコーンの使用は、当技術分野においてよく知られている。その他に、毛髪等のケラチン繊維を洗浄するための組成物のためのアモジメチコン等のシリコーンの使用もまた、当技術分野において知られている。ケラチン繊維を洗浄するための組成物のためのシリコーンの使用は、例えば、欧州特許出願公開第2 343 039号公報の段落[0087]に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。したがって、少なくとも1種のシリコーンを、所望する場合には、前述の構成成分(A)(i)〜(iii)、(B)、及び(C)の組合せに加えて、本発明の組成物において使用することもできる。
特に、組成物に良好なコンディショニング特性を与えるために、本発明の洗浄用組成物にポリエーテル変性ジメチコンを組み込むことが好ましい。ヘアコンディショナーに用いることができる多くのさまざまなタイプのポリエーテル変性ジメチコンが市販されている。もちろん、そのようなものは、本発明のために用いることができる。前述の構成成分(A)(i)〜(iii)、(B)、及び(C)と組み合わせて、ポリ(オキシアルキレン)エーテル変性ジメチコン、特に、ポリ(オキシエチレン)(ポリオキシプロピレン)エーテル変性ジメチコンを用いることが好ましい。これらの化合物の中でもとりわけ、ポリ(ジメチルシロキサン)主鎖に結合されたペンダント基として少なくとも1つのポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)鎖を有するポリ(オキシアルキレン)変性ジメチコンが、本発明において好ましく用いられる。本発明のために用いられる最も好ましいポリエーテル変性ジメチコンは、以下の式によって表される。
Figure 2015151360
式中、xは、1から100までの整数を表し; yは、1から100までの整数を表し; mは、10から20の整数を表し、nは、1から20の整数を表す。
本発明の洗浄用組成物に加えることができるポリ(オキシアルキレン)エーテル変性ジメチコンの具体例にはPEG/PPG-14/4ジメチコン及びPEG/PPG-4/12ジメチコン(INCI名)が含まれ、これらは市販されている。ポリ(オキシアルキレン)エーテル変性ジメチコン、例えばPEG/PPG-14/4ジメチコンを添加することは、毛髪に対するコンディショニング効果を改善するために有用である。更に、ポリ(オキシアルキレン)エーテル変性ジメチコンを使用することにより、本発明の組成物の粘度を低下させることができることが判明している。洗浄用組成物の粘度の低下は、フォームディスペンサー(foam dispenser)によってその組成物が用いられる場合に特に有利である。
洗浄用組成物に加えるシリコーンの量は、特に限定されない。一般に、これらの化合物の量は、洗浄用組成物の総質量に対して5%以下である。
[カチオンポリマー]
本発明の洗浄用組成物は、本発明の組成物に良好なコンディショニング特性を与えるために有用である少なくとも1種のカチオンポリマー、例えば、ポリクォータニウム-6、ポリクォータニウム-10、ポリクォータニウム-7、ポリクォータニウム-4等を任意選択により場合によっては更に含むことができる。
好ましくは、カチオンポリマーとして、ポリクォータニウム-6としても知られているポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド)を、本発明の洗浄用組成物に添加することができる。この化合物を添加することは、毛髪に対する組成物のコンディショニング効果を改善し、組成物の透明性を維持する又は高めるために有利である。本発明の所望の効果が生じ得る限り、ポリクォータニウム-6等のカチオンポリマーの量は特に限定されない。一般に、ポリクォータニウム-6等のカチオンポリマーが本発明の組成物に加えられる場合は、カチオンポリマー、特に、ポリクォータニウム-6の量は、組成物の総質量に対して0.1から5質量%の範囲であってよい。
[粘度調整剤]
本発明の組成物はまた、粘度調整剤、例えば電解質又は増粘剤を含んでいてもよい。特に、塩化ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸アルカノールアミド、場合によっては、5molまでのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたアルカノールアミド、例えばCHEM Y社がAMINOL(登録商標)A15という名称で販売している製品、及び天然若しくは合成ポリマー、例えば、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、キサンタンガム、スクレログルカン、又は架橋ポリアクリル酸及び架橋アクリル酸/(C10〜C30)アルキルアクリレートコポリマーを挙げることができる。これらの粘度調整剤は、本発明の組成物中で用いられ、その割合は、組成物の総質量に対して10質量%以下であってよい。
[パール剤又は乳白剤]
本発明の組成物はまた、当技術分野においてよく知られているパール剤又は乳白剤、例えば、脂肪鎖含有アシル化誘導体、例えば、エチレングリコール又はポリエチレングリコールモノステアレート又はジステアレート; 脂肪鎖含有エーテル、例えば、ジステアリルエーテル又は1-(ヘキサデシルオキシ)-2-オクタデカノールを5%以下含んでもよい。
本発明の組成物は、シャンプー等の毛髪を洗浄するための組成物の分野で遭遇するすべての慣用される補助剤、例えば、香料、保存剤、金属イオン封鎖剤、泡調節剤(foam modifier)、着色料、保湿剤、抗フケ用薬剤、抗脂漏剤、日焼け止め剤などを更に含むことができる。
本発明の組成物はまた、組成物の安定性に悪い影響を与えずに、毛髪の化粧特性を改善する他の薬剤を、任意選択により場合によっては含んでもよい。この点に関して、例えば、ポリクォータニウム-22等の両性ポリマー、タンパク質、タンパク質加水分解物、セラミド、疑似セラミド、直鎖状又は分枝状の(C16〜C40)鎖を有する脂肪、例えば18-メチルエイコサン酸、脂肪族ヒドロキシ酸、ビタミン、パンテノール、並びに植物油、合成油及びそれらの混合物等の油剤を挙げることができる。保存剤及び抗菌剤等の他の任意選択の添加剤として、例えば、安息香酸ナトリウム、サリチル酸等を挙げることができる。
[配合物]
組成物の形態は特に限定されない。洗浄用組成物、例えば毛髪を洗浄するための組成物等の公知の形態のいずれか1つであることができ、例えば、溶液、懸濁液、W/O若しくはO/Wエマルション等のエマルション、ゲル等であってよい。
必須成分として上記構成成分(A)(i)〜(iii)、(B)、及び(C)を含有する洗浄用組成物のpH値を4.0から7.0、好ましくは5.0から5.6に調整することが好ましい。所望の値へのpHの調整は、塩基(有機若しくは無機)、例えば、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、又は第一級、第ニ級若しくは第三級(ポリ)アミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン若しくは1,3-プロパンジアミンを組成物に添加することにより、又は無機若しくは有機酸、好ましくは、クエン酸等のカルボン酸を組成物に添加することにより効果的に行うことができる。
本発明の洗浄用組成物の粘度は、特に限定されない。例えば、ローター番号2番のブルックフィールド型粘度計を用いることによって測定され、この測定がローターの回転を開始してから60秒で行われるとき、25℃で粘度を10から500mPa.s、より好ましくは、50から150mPa.sに調整することが好ましい。本発明の洗浄用組成物の粘度は、上述の増粘剤、例えば、塩化ナトリウムで及びヘキシレングリコール(INCI名)等の有機溶媒で調整することができる。
本発明の組成物がヘアシャンプーである場合、本発明の組成物を、好ましくは、髪を洗うのに有効な量で濡れた髪に塗布し、次いで、手でマッサージする若しくはこすることによって立てた泡を、任意選択の時間放置した後、水ですすぐことにより除去することができ、この動作は、1回又は複数回繰り返されることになる。
本発明の洗浄用組成物の使用中、本発明の洗浄用組成物は、豊かな泡を生じさせ、使い心地の良さを示すことができ、また、毛髪及び頭皮に対して穏やかである。
本発明の他の目的は、上述した洗浄用組成物をケラチン繊維に適用する工程を含む、ケラチン繊維、特に、毛髪を処置するための美容上の方法である。好ましくは、ケラチン繊維を洗浄する及び/又は整えるための方法である。
本発明を具体例に基づいて更に以下に記載するが、本発明は実施例に限定されない。
以下の表1に示される具体的配合にしたがって本発明のヘアシャンプーを調製した。濃度は、活性物質(いわゆる固形分)として示される。
Figure 2015151360
[シャンプーを調製するためのプロトコール]
1. エーテルカルボン酸塩の調製。水酸化ナトリウムを水に溶解した。その溶液にラウレス-5カルボン酸を徐々に加え、次いで、これを均一に混合した。
2. 水及びコカミドプロピルベタインの混合物にポリクォータニウム-6を均一に溶解する。工程1において調製したエーテルカルボン酸塩の溶液、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリリル/カプリルグルコシド、グリセリン、サリチル酸、PEG/PPG-14/4メチコン、及び香料を混合し、均一に溶解した。
3. 工程2において調製された混合物のpHを5.3に調整した。
4. 必要な場合、ヘキシレングリコールを加えることにより、工程3において得られた混合物の粘度を25℃で50から150mPa.sに調節した。
[組成物の官能評価のプロトコール]
a. ハーフヘッド試験
前述した通り調製した本発明のシャンプーを、毛髪の量にしたがって1.5〜2.0gの量で頭の片側に塗布した。参照シャンプー(クラシエ(Kracie)社によって販売されている「いち髪(製品名)」、SLESフリーシャンプー)を、3.0〜4.0gの量(本発明のシャンプーのおよそ2倍の量)で同じ頭のもう片側に塗布した。美容専門部員(n=4)が両側の間の差を評価した。美容専門部員らは、0(悪い)から50(優れている)の尺度にしたがって頭の両側を等級づけすることにより、結果を評価した。この試験の回答者数は10名であり、被験者の毛髪の状態は、ダメージが少ない者からダメージが多い者にまで及んだ。
[結果]
以下の点を評価した。
(1) シャンプーの適用性: 本発明のシャンプーは、参照シャンプーよりも容易に毛髪に塗布された。
(2) シャンプーの起泡性: 本発明のシャンプーは、参照シャンプーよりも細かい泡を生成した。参照シャンプーの半量にもかかわらず、本発明のシャンプーを用いることによって生成された泡の初回の量は、参照シャンプーよりも多かった。
(3) シャンプーのすすぎ落とし特性: 本発明のシャンプーは、参照シャンプーよりも容易に洗い流せた。
(4) シャンプーのコンディショニング特性: 本発明のシャンプーで洗った髪は、良好にコンディショニングされたので、乾燥状態でも濡らした状態でも参照シャンプーで洗った髪より髪の指通りがより容易であった。
b. 消費者によって行われたシャンプーの評価
美容室スタッフの技術を排除して、消費者の日常生活の環境の中でシャンプーを評価するために本試験を実施した。本試験は、美容室での2回の適用試験及び自宅での1回の適用試験を含む。モニターは、以下に記載のプロトコールに従う。
美容室への1回目の来店:
- モニターに、通常の髪の手入れ方法及び現在使用している製品についてインタビューを行った。更に、「半量の使用」及び「泡」シャンプーのコンセプトについてモニターに質問した。
- 短いインタビューの後、試験シャンプーを用いて、モニター自身で髪を洗い、その後、モニターが自宅で通常行っているやり方で、自宅で通常用いるコンディショナーを塗布し、次いで、試験シャンプーの性能についてインタビューを行った。次いで、自宅で試験するためにモニターに試験シャンプーを渡した(家庭内使用テスト)。
自宅(1週間):
- モニターは、自分で試験シャンプーを用いて髪を洗い、コンディショナーは、自宅で普段と同じ頻度で通常に用いた。モニターは、モニターが心地よく感じ得るような量でシャンプーを用いることができた。
- モニターは、自宅で髪を洗ったときの日付をすべて記録した。
美容室への2回目及び最終の来店:
- モニターは、試験シャンプーを用いることによって自分で髪を洗い、コンディショナーは、自宅での通常のやり方と同一の手順に従って通常のものを用い、試験シャンプーの性能についてインタビューを行った。
モニターのプロフィール:
- 日本人女性9名、年齢20〜49歳;
- 1週間に5日より多いの頻度での、硫酸塩を含まないシャンプーの使用者;
- 髪の長さ: 肩又はそれ以上の長さ;
- 髪のダメージのための手入れはほとんどしていない(自己申告)
[結果]
本発明のシャンプーは、以下に記載の通りモニターによって非常に好評をもって受け入れられた:
(1) シャンプーの適用性: 本発明のシャンプーの泡(泡立ち)は良好な広がり性を示し、毛髪上に容易に広がった。泡立ちの量は十分であり、豊富であった。泡立ちの質は良好であった。
(2) シャンプーのすすぎ落とし特性: 本発明のシャンプーは、髪から容易に洗い流された。
(3) コンディショニング特性: 本発明のシャンプーは、パネリストが髪に触ったとき、良好な髪の滑らかさを示し、髪を洗っている間、濡れた段階で髪の指通りが滑らかとなった。髪を乾燥させる間及び髪を乾燥させた後(すなわち、乾燥段階で)、髪の指通りが容易であった。
(4) 頭皮及び髪の心地よさ: いずれのパネリストからも、心地よさに対していかなる否定的な意見(例えば、刺激、痛み、かゆみ、又は刺激性)は出なかった。

Claims (18)

  1. (A) 陰イオン界面活性剤、(B) 少なくとも1種の両性界面活性剤、及び(C) 少なくとも1種の非イオン界面活性剤を含み、前記の(A) 陰イオン界面活性剤が、(i) 少なくとも1種のアシルグルタミン酸又はその塩、(ii) 少なくとも1種のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、及び(iii) 少なくとも1種のアルキルスルホコハク酸又はその塩を含む、洗浄用組成物。
  2. アシルグルタミン酸及びその塩が、(C6〜C24)アシルグルタミン酸及びそれらの塩、特に、N-アシル-L-グルタミン酸塩から選択される、請求項1に記載の洗浄用組成物。
  3. アシルグルタミン酸及びそれらの塩(A)(i)の量が、組成物の総質量に対して1から40質量%、特に、2から30質量%、好ましくは、3から15質量%、より好ましくは4から8質量%である、請求項1又は2に記載の洗浄用組成物。
  4. アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩が、ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩、より具体的には、ポリオキシエチレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩;ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸及びそれらの塩;並びにポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸及びそれらの塩から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  5. アルキルエーテルカルボン酸及びそれらの塩(A)(ii)の量が、組成物の総質量に対して0.5から25質量%、特に、2から20質量%、好ましくは、5から15質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  6. アルキルスルホコハク酸又はその塩が、(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸及びそれらの塩、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホコハク酸及びそれらの塩、並びに(C6〜C30)アルキルアミドスルホコハク酸及びそれらの塩から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  7. アルキルスルホコハク酸又はその塩(A)(iii)の量が、組成物の総質量に対して0.1から20質量%、特に0.5から15質量%、好ましくは1から10質量%、より好ましくは2から5質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  8. 両性界面活性剤が、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン及びアルキルアミドアルキルスルホベタインからなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  9. 両性界面活性剤(B)の量が、組成物の総質量に対して0.5から20質量%、特に1から15質量%、好ましくは2から8質量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  10. 非イオン界面活性剤が、オキシエチレン化C8〜C30アルコール、エトキシル化脂肪エステル、及びアルキルポリグルコシドから選択され、好ましくは、アルキルポリグルコシドである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  11. 非イオン界面活性剤(C)の量が、組成物の総質量に対して0.5から20質量%、特に1から15質量%、好ましくは3から10質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  12. 界面活性剤の総量が、組成物の総質量に対して10から45質量%、好ましくは15から40質量%、より好ましくは20から30質量%の範囲である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  13. 少なくとも1種のシリコーン、好ましくはポリ(オキシアルキレン)変性ジメチコン、例えば、下記式によって表されるポリ(オキシエチレン)(オキシプロピレン)エーテル変性ジメチコンから選択される少なくとも1種のシリコーンを更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
    Figure 2015151360
    [式中、xは、1から100までの整数を表し;yは、1から100までの整数を表し;mは、10から20までの整数を表し;nは、1から20までの整数を表す。]
  14. 少なくとも1種のカチオンポリマー、好ましくはポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  15. 水を、好ましくは、組成物の総質量に対して、50から95質量%、より好ましくは55から90質量%の量で含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  16. アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩を実質的に含まない、請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗浄用組成物。
  17. シャンプーとして用いるとき、頭皮への無刺激性又は刺激性の低下を得るための、請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗浄用組成物の使用。
  18. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗浄用組成物をケラチン繊維に適用する工程を含む、ケラチン繊維、特に髪を処置するための方法。
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