JP2015145376A - 患者における心臓の病気の診断及び治療方法 - Google Patents

患者における心臓の病気の診断及び治療方法 Download PDF

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Abstract

【課題】患者における心臓の病気を診断する及び治療する方法の提供。【解決手段】患者における心臓の病気を診断する方法を実施するためのキットであって、該方法が、一酸化窒素を患者の肺に送達すること;及び該一酸化窒素送達後に心臓の病気の症状が治まる場合に、該患者を心臓の病気に罹患していると診断すること;を含み、該キットが、液体N2O4供給源、NOガスを供給する小型空気ポンプ及びカニューレを含む、前記キット。【選択図】なし

Description

(優先権の主張)
本願は、米国仮出願番号第61/083,386号(2008年7月24日出願、その全体は参照により
本明細書中に組み込まれている。)の優先権の利益を主張する。
(技術分野)
本明細書は、患者における心臓の病気を診断する方法及び治療する方法に関する。
(背景)
胸痛、息切れ、悪心、発汗又はもうろう状態を呈する患者は、多くの場合、救急隊が遭
遇し、病院の緊急治療室においては頻繁に出現し得る。該患者を治療するために、早急に
答えなければならない1つの鍵となる問題は、該患者の症状が心筋の梗塞(すなわち、心
臓発作)又は他の状態に起因するものなのか否かということである。
急性心筋梗塞(MI)は、急性冠症候群(ACS)の一部として分類される2つの徴候のうち
の1つであり、ACSには、MI及び不安定狭心症(UA)の両方が含まれる。MIは、冠動脈閉塞
に関連した酸素供給の減少、又は基礎病理に関連した酸素需要の増大(重度の貧血又は頻
拍症など)のいずれかに起因して心筋への酸素の供給が不足する(虚血)場合に発生し得
る。心電図に見られるST部分上昇の程度によって特定されるMIの2つの形態:ST上昇型MI
(STEMI)及び非ST上昇型MI(NSTEMI)が存在し得る。NSTEMIは一般に、プレコンディシ
ョンが進行し、時間とともに徐々に悪化する場合に発生する。NSTEMIの主な原因は、動脈
硬化プラークの破綻であり、結果、血塊が形成され、冠動脈閉塞が起こる。対照的に、ST
EMIは一般に、喫煙、レクリエーショナルドラッグの使用、高血圧及び/又は冠動脈の脂肪
蓄積を含む因子によって促進される血管損傷により誘発される血塊形成の結果として、非
常に急速に進行する。STEMIは通常、より重度の酸素欠乏、梗塞サイズの増大、及び発作
後30日での死へのリスクを増大させるより重篤な合併症と関連し得る。しかし、STEMIに
比べ、NSTEMIはMI後数年で死亡率の増大をもたらす(Fauciらの文献、2008、「ハリソン
内科学(Harrison's Principles of Internal Medicine)」第17版、McGraw-Hill、その
全体は参照により本明細書中に組み込まれている。)。
MIの可能性を示している主な症状は、胸痛(狭心症)であるが、MIの決定的な医療診断
は、血中のトロポニンなどの心臓バイオマーカーの検出及び定量によって行われ;STEMI
とNSTEMIとの区別には心電図を要求し得る。一般に、MIの症状が提示された場合、その標
準的な一次治療には、酸素及びニトログリセリンの吸入(血管拡張及び酸素供給を増大さ
せる)、β遮断薬(心拍数及びリズムを正常化する)、アスピリン(凝血を減らす)及び
モルヒネ(痛みを止める)を含む(Braunwaldらの文献(2000)「ACC/AHA 不安定狭心症
及び非ST上昇型心筋梗塞の患者の管理におけるガイドライン:要旨と推奨:診療ガイドラ
インにおけるアメリカ心臓病学会/アメリカ心臓協会調査委員会の報告(不安定狭心症患
者の管理委員会)(ACC/AHA guidelines for the management of patients with unstabl
e angina and non-ST-segment elevation myocardial infarction: executive summary a
nd recommendations: a report of the American College of Cardiology/American Hear
t Association Task Force on Practice Guidelines (Committee on the Management of
Patients With Unstable angina))」Circulation 102: 1193-120、その全体は参照によ
り本明細書中に組み込まれている。)。
NSTEMI及びSTEMIにおける再灌流について介在する薬物療法介入が異なるので、MIの2つ
の形態を判別することが重要となり得る。一般に、NSTEMIはプラークの破綻から生じる血
塊形成に起因するので、治療には、更なる血塊形成を阻止するための抗血液凝固薬(ヘパ
リン又はクロピドグレルなど)を含み;冠動脈閉塞性の血塊形成に起因するSTEMIは、抗
血液凝固薬、及び組織プラスミノーゲンアクチベーターなどの血塊溶解薬(血栓溶解薬)
の両方で治療され得る。STEMIとは対照的に、血栓溶解薬はNSTEMIにおける再灌流のため
の治療として禁忌となる場合がある(Wiviottらの文献(2004)「不安定狭心症及び非ST
上昇型心筋梗塞:第1部、初期評価及び管理、並びに入院治療(Unstable angina and non
-ST-segment elevation myocardial infarction: part I. initial evaluation and mana
gement, and hospital care)」Am Fam Physician 70:525-532、その全体は参照により本
明細書中に組み込まれている。)。より長期間の侵襲的な心筋再灌流について、各々の事
例のために採用される戦略は、閉塞した血管の位置、血管閉塞の重症度、閉塞した血管の
数及び併発病態の可能性によって決まり、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(す
なわち、ステント留置を伴う又は伴わない冠動脈形成術)又は外科的冠動脈バイパス術(
CABG)のいずれかを含む。これら侵襲的な介入治療は、現在の医療行為で必要なものであ
るが、しばしば再灌流傷害を生じさせ、ある推定によると、再灌流傷害は心筋梗塞サイズ
を50%増大させる。
心筋の梗塞領域のサイズを可能な限り最小化することは極めて重要であり、これは下流
の合併症及び死亡率の重要な決定要素となり得る。MI、特にSTEMIと関連する死亡率を増
加させる重篤な長期合併症は、心臓再構築誘発性の心室機能不全、不整脈、心不全及び心
原性ショックなどに起因し得る(Fauciらの文献、2008、「ハリソン内科学(Harrison's
Principles of Internal Medicine)」第17版、McGraw-Hill、その全体は参照により本明
細書中に組み込まれている。)。したがって、梗塞領域を最小限に抑える迅速な治療が最
重要であり、この目標を達成する治療法は、重要な、未対処の需要の高い要求となってい
る。MIの治療に加えて、これには、MIを除外することができない疑わしい胸痛の治療も含
まれ得る(Baldi及びFerrariniの文献(1995)「非心臓性胸痛:実際の臨床上の問題(No
n-cardiac chest pain:a real clinical problem)」Eur J Gastroenterol Hepatol 7:11
36-1140、その全体は参照により本明細書中に組み込まれている。)。理想的な治療計画
は、酸素供給を増大させること及び心筋再灌流と関連した損傷を減少させることの両方に
よって梗塞領域の拡大を減少させ、かつMIの診断時若しくはその疑いがある時に、又はMI
を除外することができない場合に、直ちに実行されるであろう。
心臓発作及び他の深刻な冠動脈硬化の合併症の早期診断及び治療は、患者の生活の質を
改善することができ、又は患者の命を救うこともできる。
(概要)
簡潔に、かつ一般的用語で、心臓の病気の診断及び治療のための様々な方法が本明細書
中に開示される。一方法により、患者が1以上の心臓の病気の症状、例えば、心筋梗塞又
は他の心虚血性事象を有する場合に、一酸化窒素を患者の肺に送達することができる。一
酸化窒素送達後に心臓の病気の症状が治まる場合、該患者は、心臓の病気に罹患している
と診断することができる。該方法は、ヘルスケアキットによって患者に一酸化窒素を送達
することを含むことができ、該キットは、液体N2O4供給源、NOガスを供給する小型空気ポ
ンプ及びカニューレを含む。
別の方法において、第1の期間の間、一酸化窒素を患者の肺に送達することができる。
一酸化窒素送達後に患者の症状が治まる場合に、心筋梗塞を診断することができる。該診
断は、第2の期間の間、患者への一酸化窒素の送達を停止すること、及び該第2の期間後に
該患者において該患者の症状が再提示されるかどうかを確かめることによって確認するこ
とができる。別の方法において、検査周期を繰り返して該診断を確認することができる。
更に別の方法において、患者が心臓の病気の症状を示す場合に、治療量の一酸化窒素を
患者の肺に送達することによって、患者の心臓の病気を治療することができる。該一酸化
窒素は、変換カートリッジ又はレキュペレータを経由して送達され得る。
別の方法において、患者が心臓の病気の症状を示す場合に、治療量の一酸化窒素を患者
の肺に送達することによって、患者における再灌流障害を防止する又は抑制することがで
きる。該方法はまた、心臓手術の前に治療量の一酸化窒素を患者の肺に送達することを含
むことができる。該一酸化窒素は、変換カートリッジ又はレキュペレータを経由して送達
され得る。
特定の状況において、患者を診断することには、該患者への一酸化窒素の送達を停止す
ること、及び症状が再発するかどうかを判定することを含むことができる。別の状況にお
いて、心臓の病気の症状は、胸痛、片腕若しくは両腕、顎、背中、頸部又は胃における疼
痛若しくは違和感、息切れ、悪心、発汗、もうろう状態、又はそれらの任意の組合せとし
得る。該心臓の病気は心筋梗塞とし得る。
他の状況において、患者が心筋梗塞と診断される場合に、高用量の一酸化窒素を患者に
投与する。例えば、該用量は、少なくとも20ppm、少なくとも40ppm、又は少なくとも80pp
mの一酸化窒素とし得る。特定の状況において、該用量は、1000ppmの高さ、時にはより高
い高さであってもよい。
第1の期間は、5秒、10秒、15秒、30秒、45秒、60秒、90秒、120秒、又はそれ以上であ
ってよい。検査を繰り返す間の時間は、数秒〜数分、又は疼痛が再び現れるまでとし得る
。第2の期間は、5秒、10秒、15秒、30秒、45秒、60秒、90秒、120秒、又はそれ以上であ
ってよい。特定の状況において、該第1の期間及び該第2の期間は独立に、数分〜10分とす
ることができる。
別の状況において、液体N2O4供給源、NOガスを供給する小型空気ポンプ及びカニューレ
を含むヘルスケアキットを提供する。
他の特徴及び利点は、例として様々な実施態様の特徴を示した添付の図面と関連付けた
下記の詳細な説明から明らかとなるであろう。
(図面の説明)
NO2をNOに変換するカートリッジを示すブロック図である。
図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。 図1のカートリッジを使用するNO送達システムを示すブロック図である。
NO2をNOに変換する別のカートリッジを示す図である。
図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。 図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。 図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。 図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。 図11のカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
図1のカートリッジを使用するNOx計器校正システムを示すブロック図である。
圧力調整器の低圧側へのGENOカートリッジの設置を示す図である。
ガスボンベと一体となっているカートリッジを示す図である。
ガスボンベの出口とカートリッジの入口の両方に接続された調整器を示す図である。
3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。 3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。 3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。 3部構成のカートリッジ設計の態様を示す図である。
レキュペレータの実施態様を示す図である。 レキュペレータの実施態様を示す図である。
特別に設計された継手とともにGeNOカートリッジを使用するNO送達システムを示す図である。
透過管に接続された拡散セルの図である。
可動性で、滑動し、非透過性の被覆をともなう透過管の図である。
拡散管に接続された共通の拡散槽及び透過管の図である。
(詳細な説明)
様々な血液検査が心臓発作の診断に広く使用されているが、これらの検査は時として決
定的なものではない。例えば、心筋酵素調査では、血中の酵素クレアチンホスホキナーゼ
(CPK、CK)及びタンパク質トロポニン(TnI、TnT)のレベルを測定する。通常、血液に
おいて低レベルのこれら酵素及びタンパク質が見られるが、心筋が心臓発作などにより損
傷し、損傷した心筋細胞から該酵素及びタンパク質が流出している場合、血流においてこ
れら酵素及びタンパク質のレベルは上昇する。しかし、高レベルのこれら酵素及びタンパ
ク質は、身体の他の領域の組織損傷にも起因し得る。したがって、心筋酵素調査の結果は
、患者の症状並びに心電図(EKG、ECG)の所見と比較する必要がある。EKGは、過去の心
臓損傷を検出することはできるが、心臓発作の差し迫った発生を検出することはできない
という欠点を有する。加えて、心筋酵素調査とEKGの両方とも、本来なら心臓発作を診断
及び治療するのに必要な貴重な時間がかかる。
より決定的な検査、例えば、ストレス試験、MRI(磁気共鳴画像法)スキャン、トリウ
ムスキャン(ストレス試験とともに用いられる)などを心臓発作の診断に利用することが
できる。これらの検査は決定的であるが、一方でこれら検査は時間を要するものである。
しかし、前述のように、治療はできる限り早く行われる必要があるあるので、心臓発作を
確実に診断する長期の検査は、心臓発作の治療を妨げ得る。
それにもかかわらず、記載した検査の全ては、訓練された専門家によって医療施設で行
われる必要があるという欠点に悩まされる。心臓発作の徴候を有するか又は最近心臓発作
にかかった個人は、比較的良好な問題(例えば、消化障害、呑酸又は肉離れ)と心臓発作
を見分けることができない。結果として、該個人は即時の医学的対応を求めない場合が多
く、このことは健康障害又は早死を招き得る。
加えて、現在の狭心症の治療には、ニトログリセリン又は他のニトロ系薬剤などの薬剤
を含む。これらの薬剤は狭心症を治療するが、診断用ツールとする態勢は整っていない。
更に、これらの薬剤は即効性(秒のスケールにおける)はなく、一酸化窒素と比べてゆっ
くりと代謝する。更に、該ニトロ系薬剤は、すべての血管を拡張し、頭痛などの副作用を
最小化するためには、限られた用量で使用され得るのみである。
加えて、再灌流(すなわち、事前に血液供給を奪われている組織又は臓器を通る血流の
回復)(例えば、血栓溶解後、心臓切開手術後の心臓において、又は移植用心臓における
)の間に繰返し発生する問題は、白血球及びそれらの細胞毒性産生物による組織又は臓器
の更なる変性である。「再灌流障害」は、語句「再灌流傷害」と互換的に使用することが
でき、事前に血液供給を奪われている組織及び臓器への再灌流(すなわち、前記組織及び
臓器を通る血流の回復)時の損傷を表す。再灌流障害は再灌流時直ちに生じる急性の事象
であり、したがって、時宜を得た対応をしなければならない。心臓における血液再灌流が
減少するか又はない場合の典型的な状況は、例えば、血栓症及び心筋保護法(すなわち、
心臓切開手術前又は移植前に心臓を停止すること)がある。一般に、再灌流障害は、上記
状況(例えば、自然の若しくは刺激による血栓溶解時、又は心筋保護法後の心臓の再灌流
時)のいずれかの事象後に血液灌流が正常な状態に回復する際に生じる。
したがって、心臓の病気を診断し、かつ心臓の病気の治療方法を見出す必要性が残され
ている。
心筋梗塞などに限定はされないが、心臓の病気を診断する及び治療するための様々な方
法が、本明細書中に開示されている。一般に、一酸化窒素(NO)を吸引するか又はそれ以
外の方法で個人の肺に送達する。NO送達後に、該個人の症状の1以上が治まる場合、限定
はされないが、心臓発作などの心臓の病気に罹患しているおそれがある。一実施態様にお
いて、個人が心臓発作に罹患しているかどうかを判断する検査は、容易に行われ、迅速に
結果を提供する。該検査は、心臓の病気の1以上の症状に苦しむ個人を含むすべての者に
よって行うことができる。加えて、該検査は病院又は他の医療施設での使用に制限されず
、自宅、屋外、又は他の場所で使用することもできる。該検査を行う際の個人の症状の急
速な軽減は、該個人が心臓の病気に罹患していることを速やかに決定付けさせる。典型的
に、該症状は、NO吸引後およそ2〜100秒以内で軽減されるであろう。即時の診断は時間を
節約し、該個人に心臓の病気の初期臨界期の間に直ちに医学的対応を求めるようにさせる
。あるいは、陽性の検査結果に応じて、適切な医学的処置が医療専門家によって速やかに
行われ得る。
NOは、多くの生物学的プロセスで役割を果たしている重要なシグナル伝達分子である。
NOは血管の平滑筋を弛緩させるシグナル伝達分子であり、これにより血管拡張がなされ、
該血管を通る血流が増加される。MI又は心臓病管理の観点からNO吸引の利点は以下のもの
がある:1) 心筋への酸素供給量の増加、酸素供給の促進、並びに再灌流傷害及び梗塞サ
イズの低減、2) 肺血管圧低下による心臓へのストレス低減、及び3) 所望の血液凝固制御
(すなわち、血栓溶解効果及び抗血液凝固効果)である。これらの効果は、NOが生存期間
数秒の高反応性であり、体内において迅速に代謝されるために、小規模な生物学的領域に
限定される。それにもかかわらず、吸引又は他の方法によるNOの肺への直接的な送達は、
肺及び心筋における即時の、限局的な血管拡張効果を引き起こすことができる(血液は肺
から心臓へ直接流れるため)。結果として、心臓の血管がNO暴露に応答して血管拡張する
と、冠動脈における血流の増加により、狭心症又は心臓の病気の他の症状を軽減すること
ができる。NO供給源が取り除かれると、肺及び心臓における血管拡張は速やかに終了し、
狭心症又は他の症状が再び呈示され得る。
吸引されたNOは標的の臓器に直接導入されるので、体内における他の血管の拡張を付随
することなく非常に高い局所的投与量を達成することができる。一実施態様において、お
よそ80〜およそ1000ppm(例えば、80より高い、100、150、200、250、300、350、400、45
0、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950又は1000ppm)の濃度を有するNO
ガスを使用して、1以上の患者の症状(例えば、胸痛)が心臓発作又は他の何らかの心虚
血性事象に起因するものであるのかどうかを診断及び/又は確認することができる。他の
実施態様において、より高濃度のNOガス(例えば、1000ppmより高い)を患者に送達する
ことができる。NOは患者の症状(例えば、胸痛)の発症から数秒、数分又は数時間後以内
で投与することができる。例えば、患者の症状の発症から1時間、2時間、3時間、4時間、
5時間又は10時間後に投与することができる。
対照的に、ニトログリセリン、PETN、並びに他のニトロ系薬剤は全身に送達され(例え
ば、経皮的又は舌下的に)、それによって全ての血管において血管拡張を引き起こす。し
たがって、限定はされないが、頭痛などの副作用を最小化するために、より低い用量が投
与される必要がある。加えて、ニトログリセリンはNOに比べ、身体で代謝されるのにかな
りの時間を要し、更に投与量を制限する。更なる実施態様において、NOガスを投与して、
血栓溶解、心臓手術又は心臓移植後の再灌流障害を防止する、抑制する、又は最小化する
ことができる。
NOの標的の及び局部的な影響を考慮すると、それは迅速診断ツールとして使用され得る
。一実施態様において、NOは数秒から最大数分もの長さで、個人によって吸引される。あ
るいは、NOガスは、患者の肺に空気を送りこむ他の機械的装置によるポンプによって送達
される。疼痛及び/又は違和感が消失するか又は最小化される場合、NOガスが心臓周辺の
動脈を拡張し、個人に軽減をもたらしていることが強く示唆される。したがって、該疼痛
及び/又は違和感は、心臓発作の指標となり得る。この予備的指標は、先の結果を再現す
るために、個人へのNOガスの適用及び除去を繰り返すことによって確認することができる
。この態様において、NOは照明のスイッチのように働く。例えば、NOを吸引することによ
り、患者の症状はほぼ即座に軽減される。しかし、NOの吸引を中断することにより、NOの
有益な影響は失われ、患者の症状が再び現れる。あるいは、疼痛は自覚的なものなので、
疼痛の軽減は程度によって特徴付けることができる(例えば、疼痛レベル10から疼痛レベ
ル5)。該検査は即時の医学的対応を求めるための指標である。
更に別の方法において、患者が心臓発作を起こしている場合に、高用量のNOガス吸引を
使用して、灌流障害を防止する又は抑制することのみならず、動脈を拡張し心臓への血流
を増加させるのを助ける緊急処置を提供することができる。別の方法において、数百ppm
程度のNO用量が患者に送達される。更に別の方法において、数千ppm程度のNO用量が患者
に送達される。高用量のNOガスを、NO、続いてNOを含まない空気又は酸素のパルスとして
、一気に、連続的に、又は時間をかけて断続的に送達することができる。NOガス投与量が
、時間とともに徐々に又は急激に増加又は減少することも意図される。こうした非常に高
い用量は、患者が医療施設に搬送されている間に、血液が心臓へ流れることを可能にする
ことによって命を救うものとなり得る。いくつかの場合において、該高用量は、障害物を
取り除くのに役立ち得る。更なる方法において、患者が心臓手術、臓器移植又は血栓溶解
を受けている場合に、高用量のNOガス吸引を使用して、再灌流障害を防止することができ
る。
他の送達手段を用いると、ガス配管中での望ましくないかつ高毒性のNO2の形成を最小
化するために、最大NOガス用量はおよそ80ppmに制限され得る。しかし、PCT出願番号PCT/
US08/03739(2008年3月21日出願)及び米国特許出願番号第60/896,627号(2007年3月23日
出願)(これらの各々は参照により本明細書中に組み込まれている。)に開示されるレキ
ュペレータとともに使用する場合、心臓発作の緊急処置に使用される高用量のNOを安全に
提供することができる。該レキュペレータは、呼吸間の時間間隔の間にガス菅中に存在す
る全NO2をNOに変換する。したがって、該レキュペレータを出て肺に入るガスは、どんな
に高用量であっても、NO2を含まないか又は無視できる濃度のNO2を有する。酸素の代わり
に空気をNOのキャリアガスとして使用する場合、NO2濃度は更に5倍減少するであろう。
一実施態様により、そのような緊急使用のためのNOガスの供給源は、NO発生カートリッ
ジ(下記に開示される)に取り付けられた、酸素又は空気中に適切な量のNOを含むガスボ
ンベとし得る。該NO発生カートリッジは、ガスボンベ中のNO2を治療量のNOガスに変換す
る。ガスボンベのバルブを開くことで、空気又は酸素中のNOの即時の供給源が提供される
。より具体的には、NOは、空気、純酸素、又は空気中の酸素濃度と純酸素との間のいくら
かの酸素濃度などのキャリアガス中で送達される。一実施態様において、該キャリアガス
は約90〜99.9パーセントの酸素である。
あるいは、NOガスは、エアロゾル缶と類似した小型ガスボンベで供給される。該小型ガ
スボンベは、小型NO発生カートリッジに取り付けられる。別の実施態様において、吸入器
は、空気又は酸素富化空気のバランスガスを伴う10〜2000ppmの範囲の治療量のNOガスを
送達することができる。
更に別の実施態様において、治療用量のNOの緊急供給はガスボンベにおいて提供される
。別の実施態様において、小型空気ポンプを使用する液体N2O4供給源は、N2O4を含む透過
管又は拡散管に空気を送りこみNO2を生成し、次に空気中でNOに変換することによってNO
を供給する。高用量のNOの緊急供給源の大きさは、緊急使用のために容易に運搬できる大
きさであり、援助が到着するまでの非常事態での使用のために、心不全の傾向がある患者
の側に置かれる。医療の場(例えば、病院、救急車又は診療所)において、NO発生装置又
はそのシステムは、下記に開示されるようにNOガスを患者に送達するのに使用することが
できる。高用量のNOの緊急供給源は、限定はされないが、例えば、緊急医療隊員、衛生兵
又は野戦病院、消防士、救急隊員、及び病院の救急治療室又は外傷センターによる使用を
含む状況で使用され得る。別の例において、可搬式治療用NOガス送達装置は、酸素富化空
気で呼吸しているか又はすでにしていない、困窮した登山者を援助するのに使用すること
ができる。更に別の例において、可搬式治療用NOガス送達装置は、主要NO供給源が故障し
ている患者に使用することができる。いくつかの実施態様において、可搬式治療用NOガス
送達装置は、一度限りの使用として設計することができる。一実施態様において、液体N2
O4供給源、NOガスを供給する小型空気ポンプ及びカニューレを含むヘルスケアキットが提
供される。該キットは、非常事態で使用するために、自宅で患者によって使用でき、かつ
側に置いておくことができる。該キットは、緊急使用のために容易に運搬することができ
る。
治療的使用のために一酸化窒素(NO)を哺乳動物へ送達する場合、哺乳動物への二酸化
窒素(NO2)の送達を回避することが重要となり得る。二酸化窒素(NO2)は、酸素(O2
による一酸化窒素(NO)の酸化によって形成され得る。二酸化窒素(NO2)形成の比率は
、酸素(O2)濃度に一酸化窒素(NO)濃度の二乗を乗算したものに比例し、すなわち(O2)
*(NO)*(NO)=NO2である。
二酸化窒素(NO2)を一酸化窒素(NO)に変換するNO送達システムが提供される。該シ
ステムは、変換を行うための単純かつ有効な機構として、酸化防止剤の水溶液で被覆され
た表面活性材料を用いる。より具体的には、希釈された気体状態のNO2を、酸化防止剤の
水溶液で被覆された表面活性材料上を通過させることによって、NO2をNOに変換すること
ができる。該水性酸化防止剤がアスコルビン酸(すなわちビタミンC)である場合、該反
応は周囲温度で定量的である。該システムにより用いられる技術は、NO2をNOに変換する
ための他の技術と対比されるべきである。そのような2つの技術は、NO2を含むガス流をス
テンレス鋼上650℃より高い温度で加熱するか、又はモリブデン上450℃より高い温度で加
熱することである。これら2つの技術はどちらも、空気中のNO2をNOに変換し、次いでNO濃
度を化学発光によって測定する、大気汚染計器において使用される。記載されている別の
方法は、160℃から300℃を超える温度で、触媒として銀を使用するものである。
表面活性材料の一例は、シリカゲルである。使用することができる表面活性材料の別の
例は、綿である。該表面活性材料は、水を保持することができる支持体とすることができ
るか、又はそれを含むことができる。水分を吸収することができる大きな表面積を有する
、別タイプの表面活性材料を使用することもできる。
一態様において、哺乳動物への治療用ガスの送達に使用するための、一酸化窒素を含む
治療用ガスを発生するためのキットは、二酸化窒素の供給源に接続するように構成されて
いる拡散セル、該拡散セルに接続された透過管、及び該透過管に取り付けるように構成さ
れている容器を含むことができる。該容器は、入口、出口、及び酸化防止剤で被覆された
表面活性材料を備え、該入口は透過管からの二酸化窒素の流れを受け取るように構成する
ことができ、該流れを表面活性材料を通して出口へと流体連結させて、周囲温度で気体状
の二酸化窒素を一酸化窒素に変換することができる。二酸化窒素の供給源はN2O4を含む液
体二酸化窒素とすることができる。該拡散セルは、毎分200,000ng(ナノグラム)の拡散
速度で二酸化窒素を供給するように構成できる。該拡散セルは、ステンレス鋼又はプラス
チックから製造することができる。該透過管の長さは、特定の温度で所定の用量の二酸化
窒素を供給するように定めることができる。該透過管は、該管の長さを上回る、可動性で
、非透過性の覆いを更に含むことができる。該覆いは、使用前に取り除くように構成する
ことができる。該透過管は、拡散針を介して該拡散セルに接続することができる。該拡散
針は、狭口径拡散針とすることができる。該拡散針は、針の側面の穴及び該穴を包囲して
いる外部の覆いを更に含むことができ、該覆いは、所望の穴の覆いを回転してはずすよう
に構成された、該針の周囲と適合した溝を有する。該針側面の穴は、1/4、1/2、又は3/4
の位置とすることができる。該拡散セルは、多数の狭口径拡散針を介して多数の透過管に
接続することができる。該容器はカートリッジを含むことができる。該表面活性材料は、
酸化防止剤で満たすことができる。該表面活性材料は、水分を保持する支持体を含むこと
ができる。該表面活性材料には、シリカゲルを含むことができる。該酸化防止剤には、ア
スコルビン酸、αトコフェロール又はγトコフェロールを含むことができる。
該容器は、第1の容器である。該キットは、第2の容器を更に含むことができる。該第2
の容器は、自身の入口及び出口、並びに酸化防止剤の水性溶液で被覆された表面活性材料
を含むことができ、該第2の入口は第1の容器からの流れを受け取るように構成することが
でき、該流れを第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連結させて、周囲温度で気
体状の二酸化窒素を一酸化窒素に変換することができる。
別の態様において、哺乳動物への治療用ガスの送達に使用するための、一酸化窒素を含
む治療用ガスを発生するためのキットは、二酸化窒素の供給源に接続するように構成され
た圧力調整器、該圧力調整器に取り付けるように構成された容器、該容器が含む入口、出
口、及び酸化防止剤の水性溶液で被覆された表面活性材料を含むことができ、
該入口は気体状二酸化窒素の供給源からの流れを受け取るように構成することができ、該
流れを表面活性材料を通して出口へと流体連結させて、周囲温度で気体状の二酸化窒素を
一酸化窒素に変換することができる。ここで該容器は、空気又は酸素又はそれらのいくつ
かの組み合わせ中の二酸化窒素を有するガスボンベに取り付けるように構成することがで
き、気体状の二酸化窒素及び空気の流れを供給することができる。該キットは、二酸化窒
素を有するガスボンベを更に含むことができ、気体状の二酸化窒素を空気流に拡散させて
供給することができる。該容器は、該圧力調整器の低圧力側に設置することができる。該
容器は、第1の容器である。該キットは、第2の容器を更に含むことができる。該第2の容
器は、自身の入口及び出口、並びに酸化防止剤の水性溶液で被覆された表面活性材料を含
むことができ、該第2の入口は第1の容器からの流れを受け取るように構成することができ
、該流れを第2の表面活性材料を通して第2の出口へと流体連結させて、周囲温度で気体状
の二酸化窒素を一酸化窒素に変換することができる。該圧力調整器は、該容器と空気中の
二酸化窒素を有するガスボンベとを接続する、入口部及び出口部を含むことができる。該
容器はカートリッジを含むことができる。該表面活性材料は、酸化防止剤の水溶液で満た
すことができる。該表面活性材料は、水分を保持する支持体を含むことができる。該表面
活性材料には、シリカゲルを含むことができる。該酸化防止剤には、アスコルビン酸、α
トコフェロール又はγトコフェロールを含むことができる。
更なる態様において、治療量の一酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、ガス流に二酸
化窒素を拡散すること、酸化防止剤の水溶液で被覆された表面活性材料に二酸化窒素を接
触させて、周囲温度で気体状の二酸化窒素を一酸化窒素に変換すること、及び該一酸化窒
素を治療量で哺乳動物に輸送することを含むことができる。該二酸化窒素は、液体二酸化
窒素から発生させることができる。二酸化窒素をガス流に拡散させる、治療量の一酸化窒
素を哺乳動物に供給する方法は、毎分200,000ngの拡散速度で二酸化窒素を供給すること
を含むことができる。二酸化窒素をガス流に拡散させる、治療量の一酸化窒素を哺乳動物
に供給する方法は、特定の温度で所定用量の二酸化窒素を供給することを含む。該表面活
性材料は、酸化防止剤で満たすことができる。該表面活性材料は、水分を保持する支持体
を含むことができる。該表面活性材料には、シリカゲルを含むことができる。該酸化防止
剤には、アスコルビン酸、αトコフェロール又はγトコフェロールを含むことができる。
治療量の一酸化窒素を哺乳動物に供給する方法は、哺乳動物による吸入の直前に、該一酸
化窒素を酸化防止剤で被覆された第2の表面活性材料と接触させることを更に含むことが
できる。
図1は、NO2をNOに変換することによってNOを発生するためのカートリッジ100を示す。
NO発生カートリッジ、GENOカートリッジ又はGENOシリンダとも呼ぶことができる該カート
リッジ100は、入口105及び出口110を含む。スクリーン及びグラスウール115が、該入口10
5及び出口110の両方に配置され、該カートリッジ100の残りの部分は、表面活性材料を被
覆するために酸化防止剤の飽和水溶液に浸漬した表面活性材料120で充填される。該スク
リーン及びグラスウール115もまた、該カートリッジ100に挿入される前に酸化防止剤の飽
和水溶液に浸漬される。図1の例において、該酸化防止剤はアスコルビン酸である。
NO2をNOに変換する一般的プロセスにおいて、NO2を有する空気流は入口105を介して受
け取られ、該空気流は水性酸化防止剤で被覆された表面活性材料120を通って出口110へと
流体連通される。表面活性材料が湿潤したままであり、かつ酸化防止剤が該変換で使い果
たされていない限り、該一般的プロセスは、周囲温度でのNO2からNOへの変換において有
効である。
図2のシステム200などにおいて、入口105は、液体NO2を含む透過管を超えて空気流を流
体連通させた、空気ポンプからのNO2を有する空気流を受け取ることができる。また該入
口105は、例えば、NO2タンクとも呼ぶことができるNO2の加圧ボンベからの、NO2を有する
空気流を受け取ることもできる。該入口105はまた、窒素(N2)、空気又は酸素(O2)中
にNO2を有する空気流を受け取ることもできる。該変換は広い濃度範囲にわたって生じる
。約2ppmのNO2から100ppmのNO2、及び1000ppmを超えるNO2に至るまでの空気中の濃度で実
験を行った。一実施例において、長さがおよそ15.24cm(6インチ)であり、直径が3.81cm
(1.5インチ)のカートリッジに、まずアスコルビン酸の飽和水溶液中に浸漬させたシリ
カゲルを充填した。該湿潤シリカゲルは、Aldrich Chemical社のA.C.S.(米国化学会)試
薬グレード99.1%純度と指定されたアスコルビン酸(すなわちビタミンC)及びS8 32-1、
グレード40のサイズ35から70のメッシュと指定されたFischer Scientific International
社のシリカゲルを使用して調製した。例えば、0.317cm(1/8インチ)の直径を有するシリ
カゲルも機能するであろう。
水中35重量%のアスコルビン酸を混合し、攪拌し、及び該水/アスコルビン酸混合物を
シリカゲルを通して濾過することによって調製した、アスコルビン酸の飽和溶液を用いて
シリカゲルを湿潤させ、続いて脱水した。NO2からNOへの変換は、アスコルビン酸で被覆
されたシリカゲルが湿潤しているときに良好に進行することが見出されている。該NO2
らNOへの変換は、アスコルビン酸の水性溶液単独ではあまり進行しない。
湿潤シリカゲル/アスコルビン酸を充填したカートリッジでは、毎分150mlの流量で、12
日間に渡り停止せずに、空気中の1000ppmのNO2をNOに定量的に変換することが可能であっ
た。毎分わずか数mlから毎分5000mlの流量までの範囲の、幅広い流量及びNO2濃度の試験
に成功した。また該反応は、ビタミンEの変異体(例えば、αトコフェロール及びγトコ
フェロール)など、他の一般的な酸化防止剤を使用しても進行する。
該酸化防止剤/表面活性材料のGENOカートリッジは、吸入治療に使用することができる
。そのような一実施例において、該GENOカートリッジは、加圧ボンベ供給源からNOを送達
するNO吸入治療用のNO2スクラバーとして使用することができる。該GENOカートリッジを
使用して、吸入治療中に化学的に形成される全てのNO2を除去することができる。このGEN
Oカートリッジを使用して、有害レベルのNO2が患者によって不注意に吸入されないように
支援することができる。
まず、GENOカートリッジを使用して、従来のNO吸入療法における吸入治療中に使用され
る安全装置の一部又は全部を補完又は置換することができる。例えば、1つのタイプの安
全装置は、NO2の濃度が予め設定された又は所定の制限、通常1ppm以上のNO2を超える場合
に、空気中のNO2の存在を警告する。そのような安全装置は、GENOカートリッジが、NOを
含んだ空気を吸い込む患者の直前のNO送達システムに配置される場合、不要となり得る。
該GENOカートリッジは、患者がNOを含んだ空気を吸い込む直前で全てのNO2をNOに変換し
、空気中のNO2の存在を警告する装置を必要なくさせる。
更に、吸入機器及びガス配管(管機構とも呼ぶことができる)の出口付近に配置された
GENOカートリッジは、これらの換気装置内の通過時間により生じるNO2の形成に関連した
問題を低減又は排除する。したがって、該GENOカートリッジの使用は、従来の適用におい
て要求される、ガス配管を通るガスの迅速な移動を確実に行う必要性を低減又は排除する
。また、GENOカートリッジは、NOガスをガスバルーンとともに使用することを可能にし、
患者への総ガス流量を制御する。
あるいは又は加えて、患者への送達システム取り付けの直前にNO2除去カートリッジを
挿入して、更に安全性を高め、微量の有毒なNO2が全て除去されていることを支援するこ
とができる。該NO2除去カートリッジは、いかなる微量なNO2をも除去するために使用され
るGENOカートリッジとすることができる。あるいは、該NO2除去カートリッジは、加熱活
性化アルミナを含むことができる。Fisher Scientific International社によって供給さ
れるようなA505-212、8〜14のメッシュサイズと指定される加熱活性化アルミナを有する
カートリッジは、空気又は酸素の流れから低レベルのNO2を除去するのに有効であり、更
にNOガスを損失なく通過させる。活性化アルミナ、及びそれと同様の他の高表面積材料は
、NO吸入管からNO2を洗浄するために使用することができる。
別の実施例において、GENOカートリッジを使用して、治療用ガス送達のためのNOを発生
することができる。該NO発生カートリッジは、周囲温度で有害なNO2をNOへと変換するの
に有効であるので、液体NO2をNOの供給源として使用することができる。NO発生の供給源
として液体NO2が使用される場合、送達システムにNOガスを供給するための加圧ガスボン
ベは不要である。そのような送達システムの一例を図2についてより詳細に説明する。加
圧ガスボンベによるNO提供の必要性を排除することにより、該送達システムは、NOガスの
加圧ガスボンベから患者へNOガスを送達するのに使用される従来の装置と比較して、簡易
化することができる。加圧ガスボンベを使用しないNO送達システムは、加圧ガスボンベに
依拠する従来のシステムよりも可搬性が増され得る。
図2〜図14は、GENOカートリッジにおいて用いられる表面活性材料として、シリカゲル
を使用する技術を示す。先に記載したように、シリカゲルは、NO発生システム又はカート
リッジにおいて使用することができる表面活性材料の一例に過ぎない。
図2は、液体NO2をNO吸入治療用の患者に送達することができるNOガスに変換する、NO発
生システム200を示す。一般に、空気ポンプ205によって生み出される空気の流れは、液体
NO2及びその二量体N2O4(まとめて236)を有するガス透過セル235を経由して進行する。
ガス透過セル235を出た空気流は気体状のNO2を含み、該気体状のNO2は、NO発生カートリ
ッジ240によってNOガスに変換される。NOガス混合物は吸入治療のために、例えば、マス
ク、カニューレ又はベンチレータを使用して患者へと送達することができる。患者へと送
達されるNOガス混合物中のNO濃度は、ガス透過セル235の温度を制御するか、又は流量計2
20を通る空気流量を制御することによって制御することができる。
より具体的には、該システム200は、空気ポンプ205、調整器210、流れ転向装置215及び
流量計220を含む。該システムは、空気ポンプ205からの空気流207が、150ml/分の第1の流
れ225と、3000ml/分の第2の流れ230とに分流されるように構成される。該空気流207は、
乾燥性か又は湿潤性であってもよい。
該流れ225は、液体NO2及びその二量体N2O4(まとめて236)、並びにガス透過管237を含
むガス透過セル235を経由して進行する。該透過セル235はまた、透過発生器、透過装置又
は透過管ホルダとも呼ぶことができる。NO2はガス透過セル235のガス多孔質膜を通過して
、該流れ225へと拡散する。一実施例において、150ml/分の空気の流れ225は、透過管237
、例えば、テキサス州オースティンのKinTek社によって提供された透過管を通過して流れ
ることが可能である。該透過管237が40℃の温度である場合に、該透過管237は、流れ225
において透過管を後にするガス流が約840ppmのNO2を含むように、定常的な速度でNO2を放
出するように設計される。領域238は、およそ40℃の温度を維持するように温度制御され
る。下記により詳細に記載するように、該透過セル235の温度を維持することは、患者に
送達されるNOの濃度を制御するのに役立つ。
次に、840ppmのNO2を含む150mlの空気は、NO発生カートリッジ240を通過して流れる。
この実施例において、該NO発生カートリッジ240は、長さ15.24cm(6インチ)、直径3.81c
m(1.5インチ)であり、変換試薬として働くシリカゲル上の湿潤アスコルビン酸を含む。
該NO発生カートリッジ240は、図1のカートリッジ100の一実施態様であり得る。該NO発生
カートリッジ240を出た空気流225は、NO2の全部又は実質的に全部がNOに変換された840pp
mのNOを含む。
次いで、該840ppmのNOを有する150ml/分の流れ225は、3000ml/分の空気又は酸素の流れ
230と混合し、40ppmのNOを含む3150ml/分の流れ247が生成される。混合後、該流れ247は
、第2のNO発生カートリッジ245を通過して進行し、流れ225と230とが混合されNOが希釈さ
れる間に形成され得る全てのNO2を除去する。該NO発生カートリッジ240及び245は、必ず
しもそうである必要はないが、同じサイズであってもよい。例えば、該NO発生カートリッ
ジ245は、NO発生カートリッジ240よりも小さいNO2変換能力を有するサイズであってもよ
い。次いで、得られたNOを有する空気流250は、患者に送達できる状態となっている。該
システム200は、数時間の短期間又は14日以上の長期間の間、NOガスの定常的な流れを生
成するように設計することができる。一試験において、該システム200は、NO2を含まない
、空気中40ppmのNOガスの定常的な流れを12日間に渡って送達することを示した。ここで
、該NO及びNO2の濃度は、化学発光ガス分析装置によって測定した。
該システム200の代替として、NO発生システムは、透過管237よりも大きな流れ容量を有
する透過管を含むことができる。そのような場合、該より大きな透過管は、患者への送達
に必要な吸引用空気の全てを処理することができ、例えば、流れ230及び変換管245が不要
となる。
該システム200は、例えば、空気の供給に使用される空気ポンプ205が、簡易オイルレス
ポンプなどの可搬式空気ポンプである場合に、可搬式にすることができる。酸素富化空気
が患者に必要とされる場合、空気ポンプ205によって供給される空気に加えて、又はその
代わりに、酸素を供給することができる。例えば、酸素は酸素タンク又は市販の酸素発生
装置から供給することができる。また酸素は、O2と混合されたNO2を有するタンクから供
給することもできる。
いくつかの実施態様において、透過セル238及び/又は2つの変換カートリッジ240及び24
5は、使い捨て可能な物品とすることができる。
該システム200を出る流れ250中のNOの濃度は、流れ225が毎分数ミリリットルを上回る
限り、透過セル235を通過する流れ225に左右されない。該流れ250中のNOの濃度は、該透
過セル235の温度によって変わり、より低い程度で空気流量230によって変わる。例えば、
一定の空気流量230で、該システム200は、40℃の温度で40ppmのNOを送達するように設計
されるが、該NOの濃度は、30℃で20ppmのNOに低下させることができ、50℃で80ppmに増大
させることができる。したがって、温度制御装置を使用して、送達されるNOガスの濃度を
調整することができる。所望のNO濃度を選択し、該温度制御装置を、該所望の濃度を送達
するための特定温度を維持するように設定すると、所望の濃度のNOガスの送達速度は、一
定に維持される。該温度制御装置の一例は、オーブン、例えば、KinTek社から入手可能な
オーブンであり、その中に透過管が配置される。温度制御装置の別の例は、ホットプレー
ト上に配置されたビーカー中の脱イオン水のであり、透過管は該ビーカー内に配置される
。水温を監視するために、該ビーカー内に温度計を配置してもよい。
該NO発生システムを使用して、カニューレを用いる使用のために、NOガス混合物の定常
的な流れを送達することができ、過剰なガスは環境へと排出される。NO発生システムは、
ベンチレータとともに使用することができ、そのような場合、NO発生器からの送達は定常
性を維持しなければならず、かつNOを受け取る患者を危険にさらすことなく遮断すること
はできない。患者の吸気中に流れを増大させる必要性に対処するために、可撓性バッグを
膨張させ、次いで収縮させるのにNOガス混合物を使用することができる。患者への空気流
が少しでも遅延される場合、NO発生カートリッジをNO発生システムの吸入直前の地点に挿
入し、そのような遅延中にNOとO2との反応により形成され得る全てのNO2を除去すること
ができる。これは、該遅延間にバッグ中で形成され得るNO2がどんなに微量であっても、
治療用ガス流が患者によって吸引される前に確実に除去されることに役立つ。
該治療用ガス送達システム200中に検出器を含み、治療用ガス流内のNO濃度を検出する
ことができる。該検出器はまた、必要に応じて、治療用ガス中のNO2濃度を検出すること
もでき、NO濃度が所定の範囲外にあるか又はNO2濃度が閾値を超えている場合に、警告を
与えることができる。監視技術の例を挙げると、化学発光及び電気化学的技術がある。一
酸化窒素の存在は、例えば、化学発光検出器によって検出することができる。
図3は、液体NO2をNOガスに変換し、次いで、NO吸入治療のために患者に送達することが
できる、NO発生システム300を示す。図2のNO発生システム200とは対照的に、該NO発生シ
ステム300は、活性アルミナカートリッジ345を含む。該活性アルミナカートリッジ345は
、遅延中に形成される全てのNO2を除去する。NO2をNOに変換すること、及びそれによって
定量的にNO2の損失を補うことによってNO2を除去するNO発生カートリッジ240とは対照的
に、活性アルミナカートリッジ345は、NOを発生することなくプロセスガス流からNO2を除
去する。
図4に、図1のNO発生カートリッジ100の一実施態様であり得るNO発生カートリッジ440を
使用する治療用ガス送達システム400を示す。該システム400は、NO供給源410を使用して
、管機構を介して流れ420中の気体状NOを提供する。一実施例において、該NO供給源410は
、NOの加圧ボンベとすることができる。管機構を通る空気の流れ430は、空気ポンプ435に
よって生み出され、流れ420と混合される。該NO発生カートリッジ440へと入る空気流は、
気体状NOを含む。流れ420中で形成されたNO2ガスは全て、NO発生カートリッジ440によっ
て除去される。該NO発生カートリッジ440を出た空気流450は、治療用NOガスを含むが、有
毒なレベルのNO2は含まない。次いで、該空気流450は、NO吸入治療の患者に送達され得る
図5に、図1のNO発生カートリッジ100の一実施態様であり得るNO発生カートリッジ540を
使用する治療用ガス送達システム500を示す。図4の治療用ガス送達システム400とは対照
的に、該システム500は、NO2供給源510からNOを発生する。該NO2供給源510は、NO2供給源
510を出た流れ525が気体状NO2を含むように、空気ポンプ520によって生み出された空気流
515への液体NO2の拡散を使用することができる。いくつかの実施態様において、該NO2
給源510は、NO2の加圧ボンベとすることができる。
いずれの場合においても、NO発生カートリッジ440に入る空気流525は、気体状NO2を含
む。該NO発生カートリッジ440は、流れ525中のNO2ガスをNOに変換する。該NO発生カート
リッジ540を出た空気流550は、治療用NOガスを含むが、NO2を含まないか又は実質的に含
まない。次いで、空気流550は、NO吸入治療の患者に送達され得る。
図6に、治療用ガスを送達するための、GENO加圧タンクシステム600を示す。該システム
600は、空気中40ppmのNO2を有する市販のタンク620及び流量制御装置622を含む。タンク6
20の一例では、300立方フィートのタンクが、5L/分の空気流量で1.2日間持続する。
空気中NO2の空気流625aは、流量制御装置622を出てGENOカートリッジ640に入る。該GEN
Oカートリッジ640は、前駆物質としてNO2を使用し該NO2をNOに変換する。GENOカートリッ
ジ640を出た空気流625bは、治療用NOガスを含む。該空気流625bは活性アルミナカートリ
ッジ660に入り、該空気流625b中の全てのNO2が除去される。該活性アルミナカートリッジ
660を出た空気流625cは、NO吸入治療の患者に送達される。
該システム600は、NOxサンプルバルブ665、及びNO2の検出に動作可能なNO-NO2センサ67
0を含む。NO-NO2センサはまた、NO-NO2検出器と呼ぶこともできる。NOxサンプルバルブ66
5は、空気流667a及び667bからNO-NO2センサ670に空気サンプルを与えるように動作可能で
ある。該NO-NO2検出器670を使用して空気流667a中のNO2の存在を検出することによって、
GENOカートリッジ640の不具合の指標を提供することができ、したがって、有毒なNO2が患
者に送達されることがないように細心の安全装置を提供する
いくつかの実施態様において、該活性アルミナカートリッジ660は、GENOカートリッジ
で置換することができる。
いくつかの実施態様において、GENOカートリッジは、ガスボンベからの出力口がGENOカ
ートリッジにのみ接続できるように、特別なネジ筋を有する加圧ガスボンベの出力口に取
り付けられる。例えば、該ガスボンベは、約10〜100ppmの濃度のNO2を含む吸気可能な酸
素ガスで充填されていてもよい。そのようなシステムは、ガスボンベの圧力を使用して治
療用ガスを患者に送達することができ、かつ電子機器又はポンプなどの駆動部を有さなく
てもよい。あるいは、該ガスボンベは、NO2を含む空気で充填されていてもよい。加圧ガ
スボンベ中の空気又は酸素ガスの使用は、混合、及び濃縮NOガスを治療用量まで安全に希
釈するのに必要な装置を要する、不活性窒素ガス中のNOを供給する従来の方法を上回る利
点を提供する。
図7に、治療用ガスを送達するための、GENO高濃度NO2加圧システム700を示す。図6のシ
ステム600とは対照的に、該システム700は、2つのGENOカートリッジ740及び750、並びに
、GENOカートリッジ740又は750のどちらを使用するかを制御するための切換バルブ745を
含む。NO-NO2検出器770が、使用中のGENOカートリッジを出た空気流725d中にNO2の存在を
検出すると、該切換バルブ745を操作して、空気流725cがもう一方のGENOカートリッジ740
又は750を通過するように切り替えることができる。第1のGENOカートリッジが故障した場
合に、第2のGENOカートリッジへと切り替えるその能力は、治療用ガスが送達されている
患者に更なる安全の階層を提供する。
より具体的には、該システム700は、空気中1000ppmのNO2を有するタンク720、及び流量
制御装置722を含む。該実施例において、該タンク720は、2250psiにて150立方フィートで
あるタンクであり、125cc/分の空気流を提供する。患者に送達される40 ppm、5L/分の空
気流で、タンク720はおよそ23日間持続する。該タンク720は、GENOカートリッジ740及び7
50の各々の予想される耐用期間よりも長い期間、空気流を供給することができ、この実施
例に使用されるカートリッジにおける該耐用期間は、2週間未満である。したがって、1つ
のGENOカートリッジから別のGENOカートリッジへと切り替える能力は、確実にタンクの内
容物を使用する又は実質的に使用するのに役立つ。
空気中NO2の空気流725aは、該流量制御装置722を出て、空気ポンプなどの空気供給源73
0によって生み出された5L/分の空気流725bと混合される。得られた空気流725cは、切換バ
ルブ745に入る。該切換バルブ745は、GENOカートリッジ740又は750のどちらが該空気流72
5cを受け取るかを制御する。示されるように、該切換バルブ745は、該空気流725cがGENO
カートリッジ750に供給されるように設定される。該GENOカートリッジ750は、空気流725c
中のNO2をNOに変換する。該GENOカートリッジ725dを出た空気流725dは、治療用NOガスを
含む。空気流725dは活性アルミナカートリッジ760に入り、該空気流725d中の全てのNO2
除去される。該活性アルミナカートリッジ760を出た空気流725eは、NO吸入治療の患者に
送達される。
該システム700は、NOxサンプルバルブ765、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2
センサ770を含む。該NOxサンプルバルブ765は、空気流767a及び767bからの空気サンプル
を、NO-NO2センサ770へ提供するように動作可能である。NO-NO2センサ770を使用して、該
空気流767a中のNO2の存在を検出することは、第2のGENOカートリッジを使用することがで
きるように、使用中のGENOカートリッジの故障の指標を提供することができる。いくつか
の実施態様において、該活性アルミナカートリッジ760は、GENOカートリッジで置換する
ことができる。
図8に、治療用ガスを送達するための、GENO高濃度NO2カートリッジシステム800を示す
。図6及び図7のそれぞれのシステム600又は700とは対照的に、該システム800は、NOの発
生に使用されるNO2の供給源として、高濃度NO2カートリッジを含む。より詳細には、該シ
ステム800は、NO2カートリッジ800、例えば、小型のブタンタンク又はCO2を送達するのに
従来使用されるカートリッジなどを含む。該システム800の一実施例において、2.54cm(1
インチ)×15.24cm(6インチ)の寸法を有し、CO2中の5%のNO2で充填されたNO2カートリ
ッジは、14日間NO2を送達することが可能であった。
NO2遮断バルブ821は、カートリッジ800に隣接して、該カートリッジ800からのNO2の送
達を遮断する。またシステム800は流量制御装置822を含み、ほぼ一定流量の流れ825aが該
流量制御装置822から出るようにする。該流量制御装置822は、ガス流825aがそこを通過す
る小さい穴を有するガラス管である。システム800の様々な実施態様において、該流量制
御装置822は、1〜10cc/分の一定流量を確実にすることができる。
NO2を有するガス流825aは、流量制御装置822を出て、空気供給源830によって生み出さ
れたおよそ5L/分の空気流825bと混合される。ガスミキサ835は、空気流825a及び825bが十
分に(又は実質的に十分に)混合されることを確実にする。得られたNO2を有する空気流8
25cは、NOを発生するGENOカートリッジ840に入る。
また該システム800は、活性アルミナカートリッジ860を含み、NOを含む治療用ガスが約
5L/分の速度で患者に送達される前に、全てのNO2が取り除かれる。
該システム800は、NOxサンプルバルブ865、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2
ンサ870を含む。いくつかの実施態様において、活性アルミナカートリッジ860を、GENOカ
ートリッジで置換することができる。
図9に、治療ガスを送達するためのGENO透過システム900を示す。該システム900は、GEN
Oカートリッジ940に流れるおよそ5L/分の空気流925aを含み、該カートリッジは空気を加
湿するように作用する。該GENOカートリッジ940を出た後、空気流925aは、空気流925bが
透過装置935を通過し、かつ空気流925cが通過しないように分離する。該透過装置935は、
透過管機構937、及び空気流925aの開始時に約10ccの液体NO2936を含む。該透過装置935は
、図2の透過セル235の一実施態様であり得る。該透過装置935は、透過オーブン939内に位
置し、所望の濃度のNO2が空気流925bに拡散することを確実にするために、一定の又は実
質的に一定の温度を維持する。空気流925b及び空気流925cは、GENOカートリッジ950に入
る前に、混合して流れ925dを形成する。該GENOカートリッジ950はNO2をNOに変換する。
該システム900はまた、活性アルミナカートリッジ960を含み、該カートリッジは、空気
流925eを受け取り、NOを含む治療用ガスがおよそ5L/分の流速で患者に送達される前に全
てのNO2を除去する。該活性アルミナカートリッジを出た空気流925fは、NO吸入治療の患
者に送達される。該システム900は、NOxサンプルバルブ965、及びNO2を検出するように動
作可能なNO-NO2センサ970を含む。
図10に、治療用ガスを送達するためのGENO透過システム1000を示す。図9のシステム900
とは対照的に、該システム1000は、GENOカートリッジ1040及び1050のどちらが最初に空気
流を受け取るかを制御するためのバルブ1010及び1015を含む。該システム1000は、NOに変
換されるNO2供給源として、透過装置1035中の液体NO2を使用する。該システム1000はまた
、活性化アルミナカートリッジ1060を含み、NOを含む治療用ガスがおよそ5L/分の流量で
患者に送達される前に、全てのNO2を除去する。また該システム1000は、NOxサンプルバル
ブ1065、及びNO2を検出するように動作可能なNO-NO2センサ1070を含む。
該システム1000は、バルブ1010へのおよそ5 L/分の空気流1025aを受け取り、該バルブ1
010は、バルブ1015とともに、該空気流1025aがGENOカートリッジ1040又は1050のどちらを
最初に通過するかを制御する。より具体的には、該バルブ1010及び1015の位置を制御する
ことによって、該空気流1025aは、GENOカートリッジ1040、透過装置1025、GENOカートリ
ッジ1050、次いで、活性化アルミナカートリッジ1060を通過させることができ、その後、
患者に送達される。該バルブ1010及び1015の位置を操作することによって、該空気流1025
aをまた、GENOカートリッジ1050、透過装置1025、GENOカートリッジ1040、次いで、活性
化アルミナカートリッジ1060を通過させることができ、その後、患者に送達される。
例えば、NO-NO2センサ1070が空気流1025b中にNO2の存在を検出すると、該センサは、バ
ルブ1010及び1015を操作する必要性の信号を送り、GENOカートリッジ1040及び1050を切り
替えて使用するという命令を与える。すなわち、例えば、該空気流1025aがGENOカートリ
ッジ1040を通過し、その後、後続のGENOカートリッジ1050を通って流れている場合、該バ
ルブ1010及び1015を操作して、該空気流1025aがGENOカートリッジ1050を通過し、その後
、後続のGENOカートリッジ1040を通って流れるようにさせる。
いくつかの市販の適用において、NO2は酸素又は空気中およそ10〜100ppmの所定の濃度
で販売され得る。
図11は、NO2をNOに変換する、GENOカートリッジ1100の概念的デザインを示す。該GENO
カートリッジ1100は、図1のカートリッジ100の一実施態様であり得る。該GENOカートリッ
ジ1100は、長さおよそ15.24cm(6インチ)、直径2.54cm(1インチ)である。該GENOカー
トリッジ1100は、アスコルビン酸の水性溶液で飽和されたシリカゲルを含み、NO2を含む
空気又は酸素ガスボンベから空気流を受け取る。カートリッジ1100を通る空気流は、NO2
をNOに変換され、カートリッジ1100を出る。該GENOカートリッジ1100は、5ppmから5000pp
mのNO2濃度で有効に機能する。該GENOカートリッジ1100を用いるNO2からNOへの変換は、
熱源を必要とせず、かつ周囲空気温度で使用することができる。該GENOカートリッジ1100
を用いたNO2からNOへの変換は、該GENOカートリッジ1100を通過する空気流の流量とは実
質的に無関係に起こる。
図12に、NO2を含むガスボンベ1220及びGENOカートリッジ1210を含む治療用ガス送達シ
ステム1200を示す。該GENOカートリッジ1210は、ガスボンベ1220からのNO2をNO吸入治療
の患者に送達するNOへ変換するための、図11のGENOカートリッジ1100の一実施態様であり
得る。該システム1200は、可搬式となるように設計される。いくつかの実施態様において
、該システム1200は、電子機器又はセンサを使用することなく動作するよう設計すること
ができる。ガスボンベ1220の容量に応じて、一般に該システム1200は、治療用NOガスを1
から16時間送達する能力を有する。
システム1200は、緊急体制における患者への治療用NOガスの送達に用いることができる
。そのような状況の例を挙げると、緊急医療隊員、衛生兵又は野戦病院、消防士、救急隊
員、及び病院の救急治療室又は外傷センターによる使用がある。別の例として、可搬式治
療用NOガス送達装置は、酸素富化空気で呼吸している困窮した登山者を援助するのに使用
することができる。更に別の例において、可搬式治療用NOガス送達装置は、主要NO供給源
が故障している患者に使用することができる。いくつかの実施態様において、可搬式治療
用NOガス送達装置は、一度限りの使用として設計することができる。
図13Aに、液体NO2供給源を有する治療用ガス送達システムの外観1300Aを示す。図13Bは
、図13Aに示した治療用ガス送達システムの内部図1300Bを示す。該治療用ガス送達システ
ムは、液体NO2供給源を有する透過管1310を含み、該透過管1310は、例えば、図9の透過装
置935の一実施態様であり得る。該治療用ガス送達システムはまた、GENOカートリッジ134
0及び1350を含む。該GENOカートリッジ1340は、空気又は酸素供給源からの空気流1325aを
受け取る。該GENOカートリッジ1340を出た後、空気流は、およそ10%の空気流が透過管13
10を通過して流れ、これにより気体状NO2が該空気流中に拡散するように分離される。該
透過管1310を出た空気流、及び該透過管1310を通らなかったその他の空気流は、NO2をNO
に変換するGENOカートリッジ1350を通過して流れる。該GENOカートリッジ1350を出た空気
流1325b及び1325cは、NO吸入治療の患者に送達される。該透過管1310、並びにGENOカート
リッジ1340及び1350は、使い捨てとすることができる。
該透過管1310の容量に応じて、図13A及び図13Bに示した治療用ガス送達システムは、1
〜30日間の治療用NOガス送達能力を有し得る。
図13A及び図13Bに示した治療用ガス送達システムは、ベンチレータと連動することがで
きる。また該図13A及び図13Bに示した治療用ガス送達システムを用いて、カニューレを使
用した患者への治療用NOガス送達を行うことができる。例えば、毎分2リッターの流量で
、該治療用NOガスの送達をカニューレを通して提供することができる。カニューレを用い
る治療用ガス送達システムの使用により、NO治療を病院環境外で行うことを可能にする。
そのような例の1つは、患者の自宅で行われる長期のNO治療のための治療用ガス送達シス
テムの使用である。
図13Cに、炭酸飲料の缶1350と比較した、図13A及び図13Bに示した治療用ガス送達シス
テムの外観1300Aを示す。図示のように、図13A〜図13Cに示した治療用ガス送達システム
の実施態様は、従来のNO吸入治療システムに比べて小型の装置であり、炭酸飲料の缶より
もわずかに大きい。
図14に、GENOカートリッジを使用してNO2をNO吸入治療で使用するためのNOに変換する
、治療用ガス送達システム1400の外観を示す。該システム1400は、GENOカートリッジを挿
入又は接続できるGENOカートリッジポート1410及び1415を含む。該システム1400は、空気
又は酸素がそれを通ってシステム1400へ流入する入口ポート1420及び付属の計器1425を含
む。該システム1400は、空気流を制御するための、フロー値1430及び表示器1435を含む。
該システム1400は、GENOカートリッジフローポート1440を含む。
また該システム1400は、温度制御装置1445、及びNOx検出器アクセス1455によりアクセ
ス可能なNOx検出器1450を含む。該システム1400はまた、GENOカートリッジ1460を含み、
該カートリッジ1460は、基本的にNOを有する空気流が出口1465を通りシステム1400を出る
直前で、NO2をNOに変換するために使用される。該GENOカートリッジ1460は、安全スクラ
バーと呼ぶこともできる。該GENOカートリッジ1460は、該システム1400の他の部分で使用
されるGENOカートリッジよりも小さくてもよい。また該システム1400は、バックアップ入
力ポート1470及び排気ファン1475を含む。
(更なる例示的実施態様)
これら更なる例示的実施態様は、酸素又は空気又はいくつかの組合せ中にNO2として貯
蔵された、必要用量のNOを含むガスボンベを使用する。ガスは該ガスボンベからの放出に
おいて、下記のように変換される。
正 2NO2→2NO+O2
この反応は、GENOカートリッジにおいて、湿潤シリカゲルマトリックスのアルコルビン
酸上にて1秒未満で起こる。システムの圧力は、ガスが該システムを通過するのに必要な
力を維持しなければならない。通常、該力は約0.01〜50psiである。NOが形成されるとす
ぐに、下記の逆反応が起こる。
逆 NO+NO+O2→2NO2
圧力が高いほど、より速くこの反応が起こる;実際、その速度は圧力について3次であ
る。調整器の高圧側でのNO2からNOへの変換は、逆反応が正反応とほぼ同じ速さで起こっ
ている場合には起こらない。この問題に対処するために、圧力調整器の低圧側にGENOカー
トリッジを設置することによって該逆反応を最小化する。これを下記図16に示す。ガスは
ガスボンベを出て、調整器を通過し、次いで、第1のカートリッジを下り接続管まで流れ
、次に、第2のカートリッジに流れ、次いで、外へ出て使用者へと流れる。
2つのカートリッジを、順々に、直列で使用する。その理由は、2重のリダンダンシーを
与えることにある。1つのカートリッジで十分に機能するが、第2のカートリッジを有する
ことでリダンダンシーを与える。各カートリッジは、100ppmで40%の余剰容量から20ppmに
対して20×の余剰容量までのガスボンベの全内容物を捕捉するように大きさが設定されて
いる。したがって、この例示的実施態様は、2つの同一のカートリッジを使用し、1つのカ
ートリッジだけを使用する時の2倍のバックアップを提供する。
(操作と安全性)
システムの使用の安全性を向上させる別の方法は、ガスボンベのカバーの一体部分とし
てカートリッジを収めることである。これを調整器とともに下記図17に示す。そのような
実施態様において、使用者はガスボンベを受け取り、次いで、特殊な調整器をガスボンベ
に取り付ける。特別に固定されたCGA継手を使用することで、GENO調整器だけが使用され
得る。しかし、該調整器の出力口は、ガスボンベのカバーに取り付けられたGENOカートリ
ッジへの導入口になるように形成されてもよい。このように、使用者が該ボンベから排出
されるガスを得ることができる唯一の方法は、特別なCGA継手を有する調整器を使用する
ことであり、かつ該調整器から出てくるガスを得る唯一の方法は、GENOカートリッジに接
続することである。このように、ガスボンベから出ているガスだけが、GENOカートリッジ
を通過することができる。
これを図18に示す。カートリッジは、常にガスボンベとともにある。例えば、ボンベを
補充するために返却する場合でさえも、使用したカートリッジは、該ガスボンベに残され
たままである。ガス充填に次いで、使用済みカートリッジを取外し、該使用済みカートリ
ッジと新しいカートリッジとを取り替える。
図18に、ガスボンベの出口及びカートリッジの入口に接続された調整器を示す。更なる
安全性のために、該カートリッジからの出力は、酸素ガス中のNOが特別な補助器具を用い
てのみ使用できるように、同様に鍵をかけることができる。
NOガスの濃度を変更するためには、異なるガスボンベを使用する。ガスボンベ中のNOガ
ス濃度の特定に有用な1つの方法は、各濃度のボンベに異なる色をもたせることである。
例えば、20ppmの濃度を有するボンベを青とし、対して100ppmの濃度を有するボンベを赤
とする。各濃度は、それ自身の特別な鍵のついたガスボンベを有することができ、それは
また、使用する目的の濃度と異なったNOガス濃度を、意図せず使用することを減少させる
、又はそれを防止するのに役立ち得る。ガスボンベの取り違えを防止するために、例えば
、100ppmの濃度を有するボンベはある場所でボンベに充填されるのに対し、20ppmの濃度
のボンベは異なった場所でボンベに充填されるなど、異なる濃度を異なる場所でボンベに
充填してもよい。
いくつかの実施態様において、カートリッジの構造は3部分のみを含み得る。第1の部分
は、図19に示すように、2つの管の間に第3の導管を有する対をなす管である。
図20にも、2つの管の間に第3の導管を有する対をなす管を示す。
この3部分のカートリッジの構造のエンドキャップを、図21A及び21Bに示す。
該キャップの内部は、中心管が形作られている。該管とキャップと管との密閉は、超音
波溶着によって達成され得る。該管の密閉は、溶剤接着、O-リング又は締め具による密閉
などの別の技術を使用して達成することができる。該キャップの特徴は、キャップ表面に
迅速脱着用のオス部が成形されていることであり;それによって、カートリッジ全体を使
い捨て部材とさせる。
カートリッジは下記のように組み立てることができる。
1. 粉体を保持するような細孔サイズを有するプラスチック製のフリットを、エンドキャ
ップに挿入する。
2. 管と1つのエンドキャップを互いに溶接し、該フリットがカートリッジから出る粉体を
防ぐフィルタとして動作する位置にあるようにする。
3. 該管に試薬粉を充填する。充填の間、該粉末を圧縮し、振動させて、均一で隙間のな
い封入、及び全ての空所の除去を確実に行うようにする。該管が充填されると、所定の位
置にフィルタを有する第2のエンドキャップを管の上部に設置し、所定の位置に接合する

4. 必要であれば、該システムを窒素ガスで洗浄して、該システムから酸素を除去する。
5. 水分の混入を阻止するために、プラスチック製のエンドキャップを入口及び出口管上
に設置する。
(レキュペレータカートリッジ)
レキュペレータカートリッジは、吸入直前のガス配管に挿入される。該レキュペレータ
の目的は、ベンチレータにおいて、及びガスバッグ又は他の一時的なガス保管装置に保管
する間に形成された全てのNO2ガスをNOに変換し戻すことである。図22A及び22Bに、レキ
ュペレータの他の実施態様を示す。
あるいは、該レキュペレータは、第1のカートリッジの1つと同じ大きさ及び形態であっ
てよい。これは、操作におけるシステムの安全性を更に増大させる。例えば、ガスボンベ
の全内容物をNO2からNOへ変換することができるレキュペレータを用いることによって、
該レキュペレータは該システムに3重のリダンダンシーを与える。
(他の用途)
該ガスボンベは、NOを伴う他の用途にも使用することができる。該ガスボンベを使用し
て、電子機器の使用なしに、充填されたガスを送達することができる。該システムの利点
を挙げると、簡便、混合不要、電子機器不要及びソフトウェア不要がある。操作のために
、調節器を接続しバルブを開く。
また該GENOガスボンベシステムは、希釈器とともに使用することができる。実施態様の
例において、例えば、ガスは酸素中1000ppmのNO2として輸送される。第1段階で、使用者
の装置は、この濃度から、例えば20ppmのNO2に希釈する。第2段階は、GENOカートリッジ
を挿入し、該ガスをNOに変換する。NO2はレキュペレータによってNOに変換されることに
なるから、該レキュペレータカートリッジは、使用者が懸念するガスライン中で形成され
る全てのNO2について、低下させるのに役立つ。同様に、該レキュペレータカートリッジ
を現行のシステムとともに使用して、吸引時に、残留しているNO2ガスの全てを医療用形
態、つまりNOに変換することができる。また、該レキュペレータは、該システムからNOガ
スが失われることなく、かつ患者が十分な所定用量を受けられるようにする。
GENOは、NO2という毒性形態の存在なしに、100〜200ppmの範囲又は更に高い、高用量の
NOを送達できるという事実が重要であろう。これは、達成し得る用量を制限する有毒なNO
2の存在のために、送達用量がおよそ20ppmの範囲に制限されているという難点に対処する
。該GENOシステムは、吸引ガスにおけるNO2毒性の問題を排除する。このことは、多数の
疾患、特にARDS(「急性呼吸促迫症候群」)の治療に対するNOガスの有用性を増大させる
か、あるいは更に大きく増大させ得る。
(GENO カートリッジ)
(NO2/O2ガスボンベの安全性)
GeNO技術のいくつかの実施態様において、NO2を酸素又は空気のいずれかに約20ppmで分
配し、かつGeNOカートリッジをガスボンベの高圧側に設置する。該カートリッジは、タン
クの全NO2(毒性である)内容物を、無毒性であるNOガスに変換する能力を有する(図23
参照)。この高圧カートリッジは、タンクとともに送達することができ、かつ特別に設計
された継手のために、タンク製造者によってのみ取り外されるように設計されている。ま
た、このカートリッジは、次に通常の医療用の使用のための接続を有するGeNOカートリッ
ジ(低圧)の取り付けが可能な、調整器のための継手を有してもよい。これは、低圧カー
トリッジの使用なしにタンクを使用することを防止するのに役立ち、該低圧カートリッジ
は、タンク中のNO2の全内容物を変換する能力も有する予備の安全カートリッジである。
またこれは、何者かが酸素又は空気中の毒性NO2ガスを含むガスボンベに、GeNOではない
調整器を取り付ける可能性を低減させるのみならず、調整器欠如時に、部屋内へのタンク
内容物の偶発的な放出の可能性を低減させるのに役立つ。
(主要装置故障時の支援システム)
更に又はあるいは、第2の、重複した装置(タンク、調整器及びカートリッジを含む)
を利用して、患者の投与源を別のタンクへ迅速に切り替えることを可能にする。
(透過管)
(拡散セルの使用)
拡散セルは、透過管の壊滅的な破裂と関連する危険を最小化するか、又は軽減さえする
のに役立つことができる。毎分5リッターの空気中20ppmのNOという常用量は、1日あたり
約0.33gのNO2となる。10日の供給では、3〜4gの液体NO1/N2O4を有し得る。透過管が突然
破裂した場合、内容物が部屋内に漏れ出し、特許(patent)及びスタッフのいずれにとっ
ても深刻な危険を生み出す。この安全性の問題を緩和するために、液体NO2をステンレス
鋼又は強化プラスチック製の強固な拡散セルに貯蔵することができる。該拡散セルは狭口
径の皮下針によって透過管に接続され、該透過管のためのリザーバとして作用する。透過
管の壊滅的な破損時に、該液体は狭口径針を通って数時間から数日にわたりゆっくりと流
れ出し、それによって、毒性のNO2の最悪かつ突然の放出を回避する。更に、該拡散セル
は、例えば、押しつぶし、コンクリートへの落下、又は鋭利な物体による損傷に十分耐え
るほど強固に作製することができる。
(2重のリダンダンシー)
いくつかの実施態様において、該拡散セルは、透過管によって、必要とされるよりわず
かに多いNO2を送達するように設計されている。したがって、長さ10.16cm(4インチ)、
内径0.051mm(0.002インチ)の中空管を有するステンレス鋼製のセルは、35℃にて毎分5
リッターの空気中20ppmよりわずかに多くのNO2を供給するのに十分な素材を提供する。該
セルからの拡散速度は、毎分約200,000ngとすべきである。この方法を使用する場合、該
拡散セルは、安全装置としてだけでなく、透過管にとっての放出機構のバックアップ制御
としても作用する。透過管の壊滅的かつ突然の故障が発生した時でさえ、該拡散セルは適
切な用量を供給し続ける。したがって、該拡散管は透過管のための貯蔵装置として使用さ
れ、かつ該透過管及び該拡散セルは互いに動作し、安全性のための2重のリダンダンシー
を与えている(図24を参照)。
(透過と拡散に対する温度の影響)
透過管及び/又は拡散セルからのNO2の透過速度及び/又は拡散速度は、温度に依存する
。NO2の場合、温度が10℃増加するごとに、速度は約1.9倍増加する。透過管及び拡散セル
の典型的な使用において、この速度増加は温度を制御することによって制御される。GENO
の用途においては、温度を制御せずに、およそ15〜35℃の温度範囲でガスを供給すること
が望ましい。これは、例えば、下記の概念及び技術を使用して達成し得る。
(透過管)
透過管において、透過できる物質の量は、管の長さに正比例する。したがって、より長
い管は、短い管よりもよりNO2を送達できる。これを考慮し、可動性で、滑動する、非透
過性の覆いを使用して、曝される透過管の量を調整し、既知温度におけるNO2の送達を調
節することができる(図25参照)。該管の長さは、最も低い設定温度で、適切な用量を供
給するように定められる。この例において、該管は、15℃でおよそ200,000ng/分で送達す
るように設計されている。管上を滑動させ、該管の約3/4の長さを覆うスリーブが提供さ
れる。したがって、15℃では、管全体がさらされる。温度が25℃のとき、該管からの拡散
速度は2倍であり、該管の活性長をの1/2を覆うことにより、これを補正する。35℃では、
毎分およそ200,000ngの同一の透過速度を維持するのに、該管の1/4だけが必要となる。
温度が良好に制御された病院の環境において、該システムは、温度(℃)で度盛りされ
た手動のスライドで適正化されることが企図され、かつ該覆いは部屋の温度で設定される
。また、精度を与えるために、装置に温度計を取り付けることもできる。NO2カートリッ
ジは、患者の部屋の既知温度に対して、透過管上の覆いを適切な位置に滑動させ、調節す
るダイヤルを備え、NOに変換するための適切なNO2濃度を供給することが予想される。
(拡散セル)
拡散セルからの発散速度は、一般に、狭口径の拡散針の長さに比例する。1つの方法と
して、該針の側面の1/4、1/2、3/4の位置に穴が存在する。該3つの穴は、針の前方、側面
及び後方にあるようにずらされている。適切な溝を有する外部覆いは、該針の周囲と適合
する。該外部被覆を回転させることで、15℃では1/4の位置にある穴の覆いが取られるの
に対し、35℃では全ての側面の穴が覆わる。
第2の方法として、該拡散セルは、4つの同等の狭口径針が取り付けられており、各針は
短い透過管に取り付けられている。この方法を使用して、温度に応じて管の数を変化させ
る。
これらの例示的実施態様において、記載した管の数及び穴の数は例示にすぎず、考慮さ
れる技術の用途を限定することを意図するものではない。
(NO離脱(Weaning-Off)用量 (5ppm))
温度制御と同様に、用量もまた、該覆いを使用すること又は管の数を変化させることに
よって制御することができる。1つの管上のダイヤルを弱めて、必要とされる1/4の量のNO
2を発散させて(20ppmのNOの用量に対して十分な校正が行われている場合)、5ppmの離脱
用量のNOを患者に供給できる。加えて、4本の管が20ppmのNO用量を提供するためにNO2
ートリッジにおいて使用される場合、該ダイヤルは該透過管のうち3本覆うことができ、
温度調節を行いながら、4本目の管をそのままにして5ppmの用量を提供する(図26参照)
。上記説明に基づいて、これの様々な置換が存在する。
(迅速な平衡)
透過管を医療用の用量に使用する上での問題の一つは、それらは平衡に達するのに長い
時間を要し得るということである。該透過管は、常に透過しており、かつスイッチを切る
ことができないので、該管が密封され、透過槽に入る空気流もない場合、該管は初期の過
剰用量を送達し得る。該管が平衡に達し正確な用量を送達するのに、4時間以上かかるこ
とが見出されている。該管の活性ある領域を厚肉のテフロン又はステンレス鋼又はガラス
などの非透過性の覆いで覆うことによって(図25参照)、輸送及び保管中のNO2の透過を
遮断でき、平衡に到達するのに必要な時間を実質的に短縮し、あるいは大きく短縮する。
該覆いは使用直前に取り除くことができ、校正された用量に平衡が達するのに、通常1時
間以下を要する。該管の活性領域を非透過性の覆いで覆うことによって、吸入療法に使用
されない間に、該管が封をされ、その透過槽に入る空気流もない場合に、比較的迅速に平
衡に達することができ、更に別法では起こり得る初期の過剰投与の防止に役立つ。
(輸送/破裂の安全性)
拡散セルの使用と組合せた、液体NO2を含む拡散槽の強化もまた、透過管の破裂の事態
に毒性のNO2が漏れ出すのを防ぐのに役立つ。加えて、完全に下ろした覆いを有すること
で、輸送や保管中にNO2カートリッジ槽から透過管を密封し、かつ使用しないときには、
該管を保護するのに役立つ。該覆いの使用はまた、拡散セルなしに透過管を使用する場合
に、該透過管を保護する。
(輸送/温度の安全性)
いくつかの実施態様において、特別な感熱性のインクをNO2カートリッジ上に置き、過
度に高温にさらされたことを示すことができる。熱は該透過管に過度の加圧を生じさせ、
破裂し易くさせ得るため、該インクによって、使用者にカートリッジを使用しないように
知らせる。該カートリッジにおける気密の封は、該透過管の内部と外部の間の圧力差を防
止するのに役立であろう。
(実施例1)
長さ15.24cm(6インチ)、直径3.81cm(1.5インチ)のカートリッジを、NO発生カート
リッジとして使用した。およそ90gのメッシュサイズ35〜70のシリカゲルを、25%のアス
コルビン酸溶液に浸漬し、室温で2時間空気乾燥させた後、カートリッジ内に配置した。N
O2透過管をNO2の供給源ガスとして使用した。空気ポンプから150cc/分の速度で、空気を
該透過管に流入させ、この空気がカートリッジを出た後に、(同様に空気ポンプからの)
3L/分の周囲空気と混合した。該透過管を、32℃に温度設定されたオーブン内に配置して
、該カートリッジに20ppmのNO2の定常的な流れを提供した。該カートリッジは、100%のN
O2からNOへの変換が終わるまで269時間持続し、破過点に到達した。
(実施例2)
2つのカートリッジをそれぞれ、メッシュサイズ35〜70のシリカゲル、及びおよそ40g
のシリカゲルを用いて充填した。該シリカゲルを、25%のアスコルビン酸溶液が完全に浸
透するまで浸漬し、次いで、オーブン内で1時間、115.55℃(240°F)で乾燥させること
によって調製した。該アスコルビン酸溶液は、25gのアスコルビン酸を100mlの脱イオン
水中に混合することによって調整した。
1000ppmのNO2タンクを使用して、NO2を150cc/分の流量で2つのGENOカートリッジを経由
して流した。該2つのカートリッジは直列に配置した。NO2が第1のカートリッジを通過し
、NOに変換された後に、空気タンクからの周囲空気を混入させた。次いで、NOを含む空気
を、直列の該第2のカートリッジを通過させた。該空気は3L/分の流量でカートリッジを通
過して、空気中40ppmのNOの全体混合物を作り出し、NO2の逆反応はなかった。
該2つのカートリッジは、104時間、NO2を100%変換した。104時間が経過したとき、NO2
タンクが空になったため実験を停止した。該2つのカートリッジは、104時間後もまだ破過
点に到達しなかった。
実験結果は、シリカゲルを窒素ガスなどのガスを用いて乾燥させて、該シリカゲルから
の水/アスコルビン酸溶液の滴下を除去することによって改善され得る。
(実施例3)
長さ15.24cm(6インチ)、直径3.81cm(1.5インチ)のプラスチックPVCカートリッジを
、NO発生カートリッジとして使用した。該カートリッジの内部に、アスコルビン酸−シリ
カ混合物を充填した。アスコルビン酸とシリカの混合物を作り出すために、メッシュサイ
ズ35〜70をおよそ108g使用した。該シリカゲルを25%のアスコルビン酸溶液に浸漬し、次
いで、オーブン内で1時間、115.55℃(240°F)で焼成した。25gのアスコルビン酸を100m
lの脱イオン水に溶解させることによって、該アスコルビン酸溶液を調製した。
1000ppmのNO2タンクを、カートリッジの一端に取り付けて、1000ppmのNO2が150cc/分の
流量でカートリッジを通って流れるようにした。次いで、該カートリッジのガス出力を、
3L/分の流量で流される空気ポンプを用いて空気と混合させて、空気中40ppmのNOの全体混
合物を作り出した。このカートリッジは、破過点に到達する前に、合計で122時間持続し
た。
NOx検出器は、0.15ppm〜0.25ppmの間で変化する、わずかなNO2濃度を検出した。該NO2
濃度は、破過点まで定常性を維持し、検出されたNO2濃度は、該カートリッジの効率性が1
00%に満たないことによるものではなく、むしろカートリッジ以後に管機構内で再び生み
出されたNO2であるという可能性が高まった。少量のNO2の逆反応をなくすために、第2の
より小さいカートリッジを検出器より前に配置することができる。
(実施例4)
25%のアスコルビン酸に浸漬したメッシュサイズ35〜70のシリカゲルを使用し、およそ1
時間空気乾燥させることによって、カートリッジを調製した。透過管をNO2の供給源とし
、KinTekオーブンを使用して、必要とされるNO2のレベルを40ppmへと上昇させた。この濃
度を達成するために、オーブンを45℃に設定した。空気ポンプを使用して、空気を200cc/
分の流量で透過管へと送達した。また空気ポンプを使用して、希釈空気を3L/分の流量で
提供した。NO2の供給に湿度を加えるために、水で満たした2つのジャーを、空気が透過管
に入るより前に200cc/分の空気に接続した。これは、NO2供給源に入る空気が水分を多く
含み、したがって、カートリッジに入るNO2もまた水分を多く含むようにするのに有効で
あった。およそ5日間ごとに、第1のジャー内の水が管機構の端部より下に低下し、水位を
管端部の底部より上とするように補充が必要であった。第2のジャーは、実験の間ずっと
操作されることがなかった。該カートリッジは、100%のNO2からNOへの変換が終わるまで
409時間持続し、破過点に到達した。
(実施例5)
長さ15.24cm(6インチ)及び直径3.81cm(1.5インチ)のカートリッジを、メッシュサ
イズ35〜70のシリカゲル108gを用いて調製した。該シリカゲルを、25%のアスコルビン酸
溶液に浸漬し、室温(およそ21.11℃(70°F))で約2時間乾燥させた。空気乾燥された
シリカゲルを、カートリッジの内側に配置した。
40ppmのNO2の流れを、3.2L/分の速度でシリカ−アスコルビン酸カートリッジを通して
送った。該カートリッジは、100%のNO2からNOへの変換が終わるまで299時間持続し、破
過点に到達した。空気乾燥されたシリカゲルで充填されたカートリッジは、オーブン乾燥
されたシリカゲルで充填された比較のカートリッジと比べてより長く持続した。これは、
空気が存在下でアスコルビン酸を加熱することによる、酸化損失を表す。
(実施例6)
およそ40gのメッシュサイズ35〜70のシリカゲルを、33%のアスコルビン酸溶液に浸漬
し、オーブン内で115.55℃(240°F)にて乾燥させた後、カートリッジに配置した。空気
ポンプを通る流量3L/分の周囲空気を、タンクからの流量200cc/分の1000ppmのNO2と混合
させ、それによって、3.2L/分の総流量、及び全体で60ppmのNO2を含むNO2/空気混合物を
作り出した。該カートリッジは、その100%の変換能力を失うまで、25時間持続した。こ
れは、該カートリッジにおけるシリカゲル/アスコルビン酸の使用を少なくすると、カー
トリッジが同じ時間は持続しないことを示す。
NO2がNOへと定量的に変換されるNO発生カートリッジの使用は、治療用ガス送達に限定
されず、多くの分野に適用することができる。例えば、該NO発生カートリッジは、空気汚
染監視装置内に含めることができる。より具体的には、該NO発生カートリッジを使用して
、空気汚染計器での空気中のNO2ガス測定において今日広く使用される高温触媒変換装置
を置き換えることもできる。従来の触媒変換装置は、大きな電力を消費し、触媒変換装置
を、NO発生カートリッジを使用する装置に交換することによって、空気汚染計器を単純化
することができ、また、コストの低減、重量の低減、携帯式空気汚染監視機器を可能にす
ることができる。
別の例示的な使用として、NO発生カートリッジをNOx校正システムに使用することがで
きる。図15はNOx校正システム1500の例を図示し、該システムは、空気中1000ppmのNO2
流量調整器1522を有するタンク1520を含む。図15の例において、該タンク1520は、図7の
タンク722の一実施態様である。
空気中のNO2の空気流1525aは、流量調整器1522を出て、空気ポンプなどの空気供給源15
30によって発生された5L/分の空気流1525bと混合する。得られた空気流1525cは、切換バ
ルブ1545に入る。該切換バルブ1545は、空気流1525c中のNO2をNOに変換するために、GENO
カートリッジ1540が空気流1525cを受け取るかどうかを制御する。示されるように、該切
換バルブ1545は、空気流1525cがGENOカートリッジ1540に提供されるよりも、配管1550に
提供されように設定される。
該システム1500は、NO及びNO2検出を校正するようにNOx計器1570を含む。該NOx計器157
0は、空気流1525cが切換バルブ1545によってGENOカートリッジ1540に方向付けられた場合
に、NOを含む空気流1525dを受け取る。対照的に、該空気流1525cが切換バルブ1545によっ
て配管1550に方向付けられた場合は、空気流1525dはNO2を含む。
該NOx校正システム1500は、NO及びNO2のどちらについてもNOx計器1570を校正するNO2
含む1つの加圧タンクを必要とする。校正を行うために、例えば、該NOx計器1570は、まず
切換バルブ1545を使用して、空気流1525cがGENOカートリッジ1540を通過するように方向
付ける(空気流1525c中のNO2をNOに変換する)ことによって、NOについて校正することが
できる。次いで、該NOx計器1570は、切換バルブ1545を使用して、空気流1525cが配管1550
を通過するように方向付け、結果的にNO2を含む空気流1525dにすることによって、NO2
ついて校正することができる。更に、NOx校正システム1500は、例えば、校正の間、不意
のNO2への曝露がないようにするために、NO2のNOへの変換に熱の使用を必要としない。
上記の様々な実施態様は例証のみの目的で提供され、請求項に係る発明を限定すると解
釈されるべではない。当業者には、本明細書中に例示されかつ記載された例示的実施態様
及び適用に従うことなしに、及び下記の特許請求の範囲に記載される請求項に係る発明の
真の精神及び範囲を逸脱することなしに、請求項に係る発明になされ得る様々な改良及び
変更が容易に理解されるであろう。

Claims (18)

  1. 患者における心臓の病気を診断する方法であって、
    一酸化窒素を患者の肺に送達すること;及び
    該一酸化窒素送達後に心臓の病気の症状が治まる場合に、該患者を心臓の病気に罹患して
    いると診断すること;を含む、前記診断方法。
  2. 前記一酸化窒素が、空気又は酸素富化空気とともに送達される、請求項1記載の方法。
  3. 前記患者の診断が、該患者への一酸化窒素の送達を停止すること、及び前記症状が再発
    するかどうかを判定することを含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記心臓の病気の症状が、胸痛、息切れ、悪心、発汗、もうろう状態又はそれらの任意
    の組合せである、請求項1記載の方法。
  5. 前記心臓の病気が、心筋梗塞である、請求項1記載の方法。
  6. 前記患者が心筋梗塞と診断される場合に、高用量の一酸化窒素を該患者に投与すること
    を更に含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記一酸化窒素がヘルスケアキットによって患者に送達され、該キットが液体N2O4供給
    源、NOガスを供給する小型空気ポンプ及びカニューレを含む、請求項1記載の方法。
  8. 心筋梗塞の診断方法であって、
    第1の期間の間、一酸化窒素を患者の肺に送達すること;
    該一酸化窒素送達後に患者の症状が治まる場合に、心筋梗塞を診断すること;
    第2の期間の間、該患者への一酸化窒素の送達を停止することによって該心筋梗塞の診断
    を確認すること;及び
    該第2の期間後に該患者において、該患者の症状が再提示されるかどうかを確かめること
    ;を含む、前記診断方法。
  9. 前記心臓の病気の症状が、胸痛、息切れ、悪心、発汗、もうろう状態又はそれらの任意
    の組合せである、請求項8記載の方法。
  10. 前記患者が心筋梗塞と診断される場合に、高用量の一酸化窒素を該患者に投与すること
    を更に含む、請求項8記載の方法。
  11. 前記用量が、少なくとも80ppmの一酸化窒素である、請求項10記載の方法。
  12. 前記用量が、少なくとも200ppmの一酸化窒素である、請求項10記載の方法。
  13. 患者における心臓の病気の治療方法であって、
    患者が心臓の病気の症状を示す場合に、治療量の一酸化窒素を該患者の肺に送達すること
    を含み、ここで該一酸化窒素が、変換カートリッジ又はレキュペレータを経由して送達さ
    れている、前記治療方法。
  14. 前記用量が、少なくとも80ppmの一酸化窒素である、請求項11記載の方法。
  15. 患者における灌流障害を防止する又は抑制する方法であって、
    患者が心臓病の症状を示す場合に、治療量の一酸化窒素を該患者の肺に送達することを含
    み、ここで該一酸化窒素が、変換カートリッジ又はレキュペレータを経由して送達されて
    いる、前記方法。
  16. 心臓手術の前に、治療量の一酸化窒素を患者の肺に送達することを更に含む、請求項15
    記載の方法。
  17. 前記用量が、少なくとも80ppmの一酸化窒素である、請求項15記載の方法。
  18. 液体N2O4供給源、NOガスを供給する小型空気ポンプ及びカニューレを含むヘルスケアキ
    ット。
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