JP2015119144A - 面発光レーザーおよび原子発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】歪付与部の共振部との接続部に応力が集中することを抑制することができる面発光レーザーを提供する。【解決手段】本発明に係る面発光レーザー100は、基板10と、基板10上方に設けられた積層体2と、を含み、積層体2は、基板10上方に設けられた第1ミラー層20、第1ミラー層20上方に設けられた活性層30、および活性層30上方に設けられた第2ミラー層40を含み、平面視において、積層体2は、第1歪付与部2aと、第2歪付与部2bと、第1歪付与部2aと第2歪付与部2bとの間に設けられ、活性層30で発生した光を共振させる共振部2cと、を有し、第1歪付与部2aは、共振部2cに接続された第1接続部114を有し、積層体2の側面102をなす第1接続部114の側面116,117は、平面視において、曲率を有する。【選択図】図3
Description
本発明は、面発光レーザーおよび原子発振器に関する。
面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)は、例えば、量子干渉効果のひとつであるCPT(Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器の光源として用いられる。
面発光レーザーは、一般的に、共振器が等方的な構造を有するため、共振器から射出されるレーザー光の偏光方向の制御が困難であった。例えば特許文献1には、歪み付加部によって共振器に歪みを生じさせて複屈折を発生させ、レーザー発振によって得られるレーザー光の偏光方向を、安定化させる面発光レーザーが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の面発光レーザーでは、歪み付加部の共振部との接続部に応力が集中することがある。これにより、特許文献1に記載の面発光レーザーでは、共振部に転位が生じ、活性層で発生した光が吸収されて信頼性が低下することがある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、歪付与部の共振部との接続部に応力が集中することを抑制することができる面発光レーザーを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記面発光レーザーを含む原子発振器を提供することにある。
本発明に係る面発光レーザーは、
基板と、
前記基板上方に設けられた積層体と、
を含み、
前記積層体は、前記基板上方に設けられた第1ミラー層、前記第1ミラー層上方に設けられた活性層、および前記活性層上方に設けられた第2ミラー層を含み、
平面視において、前記積層体は、第1歪付与部と、第2歪付与部と、前記第1歪付与部と前記第2歪付与部との間に設けられ、前記活性層で発生した光を共振させる共振部と、を有し、
前記第1歪付与部は、前記共振部に接続された第1接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第1接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有する。
基板と、
前記基板上方に設けられた積層体と、
を含み、
前記積層体は、前記基板上方に設けられた第1ミラー層、前記第1ミラー層上方に設けられた活性層、および前記活性層上方に設けられた第2ミラー層を含み、
平面視において、前記積層体は、第1歪付与部と、第2歪付与部と、前記第1歪付与部と前記第2歪付与部との間に設けられ、前記活性層で発生した光を共振させる共振部と、を有し、
前記第1歪付与部は、前記共振部に接続された第1接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第1接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有する。
このような面発光レーザーでは、第1接続部に応力が集中することを抑制することができる。その結果、このような面発光レーザーは、高い信頼性を有することができる。
なお、本発明に係る記載では、「上方」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、
「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
「A」という)の「上方」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、A上に直接Bを形成するような場合と、A上に他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上方」という文言を用いている。
本発明に係る面発光レーザーにおいて、
前記第2歪付与部は、前記共振部に接続された第2接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第2接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有していてもよい。
前記第2歪付与部は、前記共振部に接続された第2接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第2接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有していてもよい。
このような面発光レーザーでは、第2接続部に応力が集中することを抑制することができる。その結果、このような面発光レーザーは、より高い信頼性を有することができる。
本発明に係る原子発振器は、
本発明に係る面発光レーザーを含む。
本発明に係る面発光レーザーを含む。
このような原子発振器では、本発明に係る面発光レーザーを含むため、高い信頼性を有することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 面発光レーザー
まず、本実施形態に係る面発光レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す平面図である。図4は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す図3のIV−IV線断面図である。
まず、本実施形態に係る面発光レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す平面図である。図4は、本実施形態に係る面発光レーザー100を模式的に示す図3のIV−IV線断面図である。
なお、便宜上、図2では、積層体2を簡略化して図示している。また、図3では、面発光レーザー100の積層体2以外の部材の図示を省略している。また、図1〜図4では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
面発光レーザー100は、図1〜図4に示すように、基板10と、第1ミラー層20と、活性層30と、第2ミラー層40と、電流狭窄層42と、コンタクト層50と、第1領域60と、第2領域62と、樹脂層(絶縁層)70と、第1電極80と、第2電極82と、を含む。
基板10は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板である。
第1ミラー層20は、基板10上に形成されている。第1ミラー層20は、第1導電型の半導体層である。第1ミラー層20は、図4に示すように、高屈折率層24と低屈折率層26とを交互に積層した分布ブラッグ反射型(DBR)ミラーである。高屈折率層24は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層26は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層24と低屈折率層26との積層数(ペア数)は、例えば10ペア以上50ペア以下であり、具体的には40.5ペアである。
活性層30は、第1ミラー層20上に設けられている。活性層30は、例えば、i型のIn0.06Ga0.94As層とi型のAl0.3Ga0.7As層とから構成される量子井戸構造を3層重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有している。
第2ミラー層40は、活性層30上に形成されている。第2ミラー層40は、第2導電型(例えばp型)の半導体層である。第2ミラー層40は、高屈折率層44と低屈折率層46とを交互に積層した分布ブラッグ反射型(DBR)ミラーである。高屈折率層44は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層46は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層44と低屈折率層46との積層数(ペア数)は、例えば3ペア以上40ペア以下であり、具体的には20ペアである。
第2ミラー層40、活性層30、および第1ミラー層20は、垂直共振器型のpinダイオードを構成している。電極80,82間にpinダイオードの順方向の電圧を印加すると、活性層30において電子と正孔との再結合が起こり、発光が生じる。活性層30で発生した光は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間を往復し(多重反射し)、その際に誘導放出が起こって、強度が増幅される。そして、光利得が光損失を上回ると、レーザー発振が起こり、コンタクト層50の上面から、垂直方向に(第1ミラー層20と活性層30との積層方向に)レーザー光が射出する。
電流狭窄層42は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間に設けられている。図示の例では、電流狭窄層42は、活性層30上に設けられている。電流狭窄層42は、第1ミラー層20または第2ミラー層40の内部に設けることもできる。この場合においても、酸化狭窄層42は、第1ミラー層20と第2ミラー層40との間に設けられるとみなす。電流狭窄層42は、開口部43が形成された絶縁層である。電流狭窄層42は、電極80,82によって垂直共振器に注入される電流が平面方向(第1ミラー層20と活性層30との積層方向と直交する方向)に広がることを防ぐことができる。
コンタクト層50は、第2ミラー層40上に設けられている。コンタクト層50は、第2導電型の半導体層である。具体的には、コンタクト層50は、炭素がドープされたp型のGaAs層である。
第1領域60は、図4に示すように、積層体2を構成する第1ミラー層20の側方に設けられている。第1領域60は、第1ミラー層20と(図示の例では第1ミラー層20の一部と)連続して設けられた、複数の酸化層6を含む。具体的には、第1領域60は、第
1ミラー層20を構成している低屈折率層(例えばAl0.9Ga0.1As層)26と連続する層が酸化された酸化層6と、第1ミラー層20を構成している高屈折率層(例えばAl0.12Ga0.88As層)24と連続する層4と、が交互に積層されて構成されている。
1ミラー層20を構成している低屈折率層(例えばAl0.9Ga0.1As層)26と連続する層が酸化された酸化層6と、第1ミラー層20を構成している高屈折率層(例えばAl0.12Ga0.88As層)24と連続する層4と、が交互に積層されて構成されている。
第2領域62は、積層体2を構成する第2ミラー層40の側方に設けられている。第2領域62は、第2ミラー層40と連続して設けられた、複数の酸化層16を含む。具体的には、第2領域62は、第2ミラー層40を構成している低屈折率層(例えばAl0.9Ga0.1As層)46と連続する層が酸化された酸化層16と、第2ミラー層40を構成している高屈折率層(例えばAl0.12Ga0.88As層)44と連続する層14と、が交互に積層されて構成されている。平面視において(第1ミラー層20と活性層30との積層方向から見て)、第1領域60と第2領域62とにより、酸化領域8が構成されている。
第1ミラー層20、活性層30、第2ミラー層40、電流狭窄層42、コンタクト層50、第1領域60、および第2領域62は、積層体2を構成している。図1および図2に示す例では、積層体2は、樹脂層70によって囲まれている。
図3に示す例では、平面視において、Y軸方向における積層体2の長さは、X軸方向における積層体2の長さよりも長い。すなわち、積層体2の長手方向は、Y軸方向である。平面視において、積層体2は、例えば、積層体2の中心を通りX軸に平行な仮想直線に関して、対称である。また、平面視において、積層体2は、例えば、積層体2の中心を通りY軸に平行な仮想直線に関して、対称である。
積層体2は、図3に示すように平面視において、第1歪付与部(第1部分)2aと、第2歪付与部(第2部分)2bと、共振部(第3部分)2cと、を含む。
第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、平面視において、共振部2cを挟んでY軸方向に対向している。第1歪付与部2aは、平面視において、共振部2cから+Y軸方向に突出している。第2歪付与部2bは、平面視において、共振部2cから−Y軸方向に突出している。第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、共振部2cと一体に設けられている。
第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、活性層30に歪みを付与して、活性層30にて発生する光を偏光させる。ここで、光を偏光させるとは、光の電場の振動方向を一定にすることをいう。第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bを構成する半導体層(第1ミラー層20、活性層30、第2ミラー層40、電流狭窄層42、コンタクト層50、第1領域60、および第2領域62)は、活性層30に付与する歪みを発生させる発生源となる。第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、複数の酸化層6を有する第1領域60と、複数の酸化層16を有する第2領域62と、を有しているため、活性層30に大きな歪みを付与することができる。
共振部2cは、第1歪付与部2aと第2歪付与部2bとの間に設けられている。X軸方向における共振部2cの長さは、X軸方向における第1歪付与部2aの長さまたはX軸方向における第2歪付与部2bの長さよりも大きい。共振部2cの平面形状(第1ミラー層20と活性層30との積層方向から見た形状)は、例えば、円である。
ここで、X軸方向における共振部2cの長さとは、例えば、X軸方向における共振部2cの長さのうちの最大の長さである。また、X軸方向における第1歪付与部2aの長さとは、例えば、X軸方向における第1歪付与部2aの長さのうちの最大の長さである。また
、X軸方向における第2歪付与部2bの長さとは、例えば、X軸方向における第2歪付与部2bの長さのうちの最大の長さである。
、X軸方向における第2歪付与部2bの長さとは、例えば、X軸方向における第2歪付与部2bの長さのうちの最大の長さである。
共振部2cは、活性層30で発生した光を共振させる。すなわち、共振部2cでは、垂直共振器が形成される。
樹脂層70は、積層体2の少なくとも側面に設けられている。図1に示す例では、樹脂層70は、第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bを覆っている。すなわち、樹脂層70は、第1歪付与部2aの側面、第1歪付与部2aの上面、第2歪付与部2bの側面、および第2歪付与部2bの上面に設けられている。樹脂層70は、第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bを完全に覆っていてもよいし、第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bの一部を覆っていてもよい。樹脂層70の材質は、例えば、ポリイミドである。なお、本実施形態では、各歪付与部2a、2bに歪みを付与するために樹脂層70としているが、樹脂層70に対応する構成は少なくとも絶縁の機能を有すればよいため、絶縁材料であれば樹脂でなくてもよい。
図3に示す例では、平面視において、Y軸方向における樹脂層70の長さは、X軸方向における樹脂層70の長さよりも大きい。すなわち、樹脂層70の長手方向は、Y軸方向である。樹脂層70の長手方向と積層体2の長手方向とは、一致している。
第1電極80は、第1ミラー層20上に設けられている。第1電極80は、第1ミラー層20とオーミックコンタクトしている。第1電極80は、第1ミラー層20と電気的に接続されている。第1電極80としては、例えば、第1ミラー層20側から、Cr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものを用いる。第1電極80は、活性層30に電流を注入するための一方の電極である。なお、図示はしないが、第1電極80は、基板10の下面に設けられていてもよい。
第2電極82は、コンタクト層50上(積層体2上)に設けられている。第2電極82は、コンタクト層50とオーミックコンタクトしている。図示の例では、第2電極82は、さらに樹脂層70上に形成されている。第2電極82は、コンタクト層50を介して、第2ミラー層40と電気的に接続されている。第2電極82としては、例えば、コンタクト層50側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層の順序で積層したものを用いる。第2電極82は、活性層30に電流を注入するための他方の電極である。
第2電極82は、パッド84と電気的に接続されている。図示の例では、第2電極82は、引き出し配線86を介して、パッド84と電気的に接続されている。パッド84は、樹脂層70上に設けられている。パッド84および引き出し配線86の材質は、例えば、第2電極82の材質と同じである。
ここで、歪付与部2a,2bおよび共振部2cを有する積層体2について、より詳細に説明する。積層体2は、基板10の上方に形成されている。
第1歪付与部2aは、図3に示すように、第1先端部112と、第1接続部114と、を有している。第1先端部112は、第1歪付与部2aの先端側(+Y軸方向側)に設けられている。図示の例では、第1先端部112の平面形状は、四角形(具体的には長方形)である。
第1接続部114は、第1先端部112および共振部2cに接続されている。第1接続部114は、積層体2の側面102をなす側面116,117を有している。図示の例では、側面116は、第1接続部114の+X軸方向側の側面であり、側面117は、第1
接続部114の−X軸方向側の側面である。側面116,117は、平面視において、曲率を有している。すなわち、第1接続部114は、平面視において、曲率を有する外形を有している。側面116,117の平面形状は、例えば、円弧状である。
接続部114の−X軸方向側の側面である。側面116,117は、平面視において、曲率を有している。すなわち、第1接続部114は、平面視において、曲率を有する外形を有している。側面116,117の平面形状は、例えば、円弧状である。
第2歪付与部2bは、第2先端部122と、第2接続部124と、を有している。第2先端部122は、第2歪付与部2bの先端側(−Y軸方向側)に設けられている。図示の例では、第2先端部122の平面形状は、四角形(具体的には長方形)である。
第2接続部124は、第2先端部122および共振部2cに接続されている。第2接続部124は、積層体2の側面102をなす側面126,127を有している。図示の例では、側面126は、第2接続部124の+X軸方向側の側面であり、側面127は、第2接続部124の−X軸方向側の側面である。側面126,127は、平面視において、曲率を有している。すなわち、第2接続部124は、平面視において、曲率を有する外形を有している。側面126,127の平面形状は、例えば、円弧状である。
共振部2cは、図3に示すように、積層体2の側面102をなす側面136,137を有している。図示の例では、側面136は、共振部2c+X軸方向側の側面であり、側面137は、共振部2cの−X軸方向側の側面である。側面136は、例えば、側面116,126と滑らかに(角を有することなく)接続されている。側面137は、例えば、側面117,127と滑らかに(角を有することなく)接続されている。
なお、上記では、AlGaAs系の面発光レーザーについて説明したが、本発明に係る面発光レーザーは、発振波長に応じて、例えば、GaInP系、ZnSSe系、InGaN系、AlGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、GaAsSb系の半導体材料を用いてもよい。
面発光レーザー100は、例えば、以下の特徴を有する。
面発光レーザー100では、第1歪付与部2aは、共振部2cに接続された第1接続部114を有し、積層体2の側面102をなす第1接続部114の側面116,117は、平面視において、曲率を有している。そのため、面発光レーザー100では、第1接続部114に応力が集中することを抑制することができる。その結果、面発光レーザー100は、高い信頼性を有することができる。例えば、積層体の側面をなす第1接続部の側面が角を有している場合は、該角に応力が集中する場合がある。
さらに、面発光レーザー100では、第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、活性層30に歪みを付与して、活性層30にて発生する光を偏光させることができる。そのため、例えば、面発光レーザー100を原子発振器の光源として用いた場合に、λ/4板を介して、ガスセルに円偏光の光を安定して照射することができる。その結果、原子発振器の周波数安定度を高めることができる。例えば、面発光レーザーから射出されるレーザー光の偏光方向が不安定な場合、λ/4板を介して得られる光が楕円偏光となる場合や、円偏光の回転方向が変動してしまう場合がある。
面発光レーザー100では、第2歪付与部2bは、共振部2cに接続された第2接続部124を有し、積層体2の側面102をなす第2接続部124の側面126,127は、平面視において、曲率を有している。そのため、面発光レーザー100では、第2接続部124に応力が集中することを抑制することができる。その結果、面発光レーザー100は、より高い信頼性を有することができる。
2. 面発光レーザーの製造方法
次に、本実施形態に係る面発光レーザーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図9は、本実施形態に係る面発光レーザー100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。
次に、本実施形態に係る面発光レーザーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図9は、本実施形態に係る面発光レーザー100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。
図5に示すように、基板10上に、第1ミラー層20、活性層30、酸化されて電流狭窄層42となる被酸化層42a、第2ミラー層40、およびコンタクト層50を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法が挙げられる。
図6に示すように、コンタクト層50上に、所定形状のレジスト層140を形成する。レジスト層140は、例えば、フォトリソグラフィーによってコンタクト層50上に所定形状のレジスト層(図示せず)を形成し、該レジスト層を熱処理(リフロー)することによって形成される。なお、図示しないリフロー前のレジスト層においては、共振部2c、前述の第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2b、に対応する部分が形成されている。第1接続部114は第1歪付与部2aと共振部2cとの接続部であり、第2接続部124は第2歪付与部2bと共振部2cとの接続部であるが、リフロー前のレジスト層においては、第1接続部114の側面116,117および第2接続部124の側面の側面126,127は、平面視において曲率を有する形状となっていない。本熱処理によって、側面142が上面144に対して傾斜したレジスト層140を形成することができる。さらに、レジスト層140の接続部114,124に相当する部分の側面に曲率を有する形状が形成される。すなわち、テーパー形状かつ接続部114,124に相当する部分が滑らかに形成されたレジスト層140を形成することができる。側面142と上面144とがなす角度(側面142と連続する仮想直線と上面144と連続する仮想直線とがなす角度)θは、鈍角である。熱処理の温度は、例えば150℃程度であり、熱処理の時間は、例えば10分程度である。レジスト層140としては、例えば、TSMR−8900を用いる。熱処理の温度および時間を制御することにより、角度θの大きさを制御することができる。
図7に示すように、レジスト層140をマスクとして、コンタクト層50、第2ミラー層40、被酸化層42a、活性層30、および第1ミラー層20をエッチングする。これにより積層体2を形成することができる。エッチングは、ドライエッチングによって行われる。テーパー形状のレジスト層140をマスクとしてドライエッチングすることにより、積層体2の側面102を、基板10の上面に対して、傾斜させることができる。さらに、レジスト層140をマスクとしてドライエッチングすることにより、積層体2の側面102をなす接続部114,124の側面116,117,126,127を、平面視において、曲率を有するように形成することができる(図3参照)。側面116,117,126,127の曲率は、側面142と上面144とがなす角度θの大きさに依存する。そのため、テーパー形状のレジスト層140を形成するための熱処理の温度および時間を制御するにより、側面116,117,126,127の曲率を制御することができる。
なお、テーパー形状のレジスト層140を形成する方法は、上記のような熱処理に限定されない。例えば、レジスト層140を形成するためのフォトリソグラフィーの露光を、デフォーカスで行うことにより、テーパー形状のレジスト層140を形成してもよい。この方法は、特に高温プロセスを避けたい場合に有効である。
次に、レジスト層140を、例えば公知の方法により除去する。
図8に示すように、被酸化層42aを酸化して、電流狭窄層42を形成する。被酸化層42aは、例えば、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層である。例えば、400℃
程度の水蒸気雰囲気中に、積層体2が形成された基板10を投入することにより、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層を側面から酸化して、電流狭窄層42を形成する。
程度の水蒸気雰囲気中に、積層体2が形成された基板10を投入することにより、AlxGa1−xAs(x≧0.95)層を側面から酸化して、電流狭窄層42を形成する。
面発光レーザー100の製造方法では、上記の酸化工程において、第1ミラー層20を構成する層を、側面から酸化して第1領域60を形成する。さらに、第2ミラー層40を構成する層を、側面から酸化して第2領域62を形成する。具体的には、400℃程度の水蒸気雰囲気によって、ミラー層20,40を構成するAl0.9Ga0.1As層のヒ素が酸素に置き換わり、領域60,62が形成される。領域60,62は、例えば400℃程度の高温から室温に戻すときに収縮し、第2領域62の上面63は、基板10側に傾斜する(図4参照)。第1歪付与部2aおよび第2歪付与部2bは、領域60,62の収縮に起因する歪みを(応力を)活性層30に付与することができる。
図9に示すように、積層体2を取り囲むように樹脂層70を形成する。樹脂層70は、例えば、スピンコート法等を用いて第1ミラー層20の上面および積層体2の全面にポリイミド樹脂等からなる層を形成し、該層をパターニングすることにより形成される。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。次に、樹脂層70を加熱処理(キュア)することにより硬化させる。本加熱処理によって、樹脂層70は、収縮する。さらに、樹脂層70は、加熱処理から常温に戻す際において収縮する。
図2に示すように、コンタクト層50上および樹脂層70上に第2電極82を形成し、第1ミラー層20上に第1電極80を形成する。電極80,82は、例えば、真空蒸着法およびリフトオフ法の組合せ等により形成される。なお、電極80,82を形成する順序は、特に限定されない。また、第2電極82を形成する工程で、パッド84および引き出し配線86(図1参照)を形成してもよい。
以上の工程により、面発光レーザー100を製造することができる。
3. 原子発振器
次に、本実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る原子発振器1000を示す機能ブロック図である。
次に、本実施形態に係る原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態に係る原子発振器1000を示す機能ブロック図である。
原子発振器1000は、図10に示すように、光学モジュール1100と、中心波長制御部1200と、高周波制御部1300と、を含んで構成されている。
光学モジュール1100は、本発明に係る面発光レーザー(図示の例では、面発光レーザー100)と、ガスセル1110と、光検出部1120と、を有する。
図11は、面発光レーザー100が射出する光の周波数スペクトラムを示す図である。図12は、アルカリ金属原子のΛ型3準位モデルと第1側帯波W1および第2側帯波W2の関係を示す図である。面発光レーザー100から射出される光は、図11に示す、中心周波数f0(=c/λ0:cは光の速さ、λ0はレーザー光の中心波長)を有する基本波Fと、中心周波数f0に対して上側サイドバンドに周波数f1を有する第1側帯波W1と、中心周波数f0に対して下側サイドバンドに周波数f2を有する第2側帯波W2と、を含む。第1側帯波W1の周波数f1は、f1=f0+fmであり、第2側帯波W2の周波数f2は、f2=f0−fmである。
図12に示すように、第1側帯波W1の周波数f1と第2側帯波W2の周波数f2との周波数差が、アルカリ金属原子の基底準位GL1と基底準位GL2とのエネルギー差ΔE12に相当する周波数と一致している。したがって、アルカリ金属原子は、周波数f1を
有する第1側帯波W1と、周波数f2を有する第2側帯波W2と、によってEIT現象を起こす。
有する第1側帯波W1と、周波数f2を有する第2側帯波W2と、によってEIT現象を起こす。
ガスセル1110は、容器中に気体状のアルカリ金属原子(ナトリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子等)が封入されたものである。このガスセル1110に対して、アルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数(波長)を有する2つの光波が照射されると、アルカリ金属原子がEIT現象を起こす。例えば、アルカリ金属原子がセシウム原子であれば、D1線における基底準位GL1と基底準位GL2のエネルギー差に相当する周波数が9.19263・・・GHzなので、周波数差が9.19263・・・GHzの2つの光波が照射されるとEIT現象を起こす。
光検出部1120は、ガスセル1110に封入されたアルカリ金属原子を透過した光の強度を検出する。光検出部1120は、アルカリ金属原子を透過した光の量に応じた検出信号を出力する。光検出部1120としては、例えば、フォトダイオードを用いる。
中心波長制御部1200は、光検出部1120が出力する検出信号に応じた大きさの駆動電流を発生させて面発光レーザー100に供給し、面発光レーザー100が射出する光の中心波長λ0を制御する。面発光レーザー100、ガスセル1110、光検出部1120、中心波長制御部1200を通るフィードバックループにより、面発光レーザー100が射出するレーザー光の中心波長λ0が微調整されて安定する。
高周波制御部1300は、光検出部1120が出力する検出結果に基づいて、第1側帯波W1および第2側帯波W2の波長(周波数)差が、ガスセル1110に封入されたアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数に等しくなるように制御する。高周波制御部1300は、光検出部1120が出力する検出結果に応じた変調周波数fm(図11参照)を有する変調信号を発生させる。
面発光レーザー100、ガスセル1110、光検出部1120、高周波制御部1300を通るフィードバックループにより、第1側帯波W1と第2側帯波W2との周波数差がアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数と極めて正確に一致するようにフィードバック制御がかかる。その結果、変調周波数fmは極めて安定した周波数になるので、変調信号を原子発振器1000の出力信号(クロック出力)とすることができる。
次に、原子発振器1000の動作について、図10〜図12を参照しながら説明する。
面発光レーザー100から射出されたレーザー光は、ガスセル1110に入射する。面発光レーザー100から射出される光は、アルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数(波長)を有する2つの光波(第1側帯波W1、第2側帯波W2)を含んでおり、アルカリ金属原子がEIT現象を起こす。ガスセル1110を透過した光の強度は光検出部1120で検出される。
中心波長制御部1200および高周波制御部1300は、第1側帯波W1と第2側帯波W2との周波数差がアルカリ金属原子の2つの基底準位のエネルギー差に相当する周波数と極めて正確に一致するように、フィードバック制御を行う。原子発振器1000では、EIT現象を利用し、第1側帯波W1と第2側帯波W2との周波数差f1−f2が基底準位GL1と基底準位GL2とのエネルギー差ΔE12に相当する周波数からずれた時の光吸収挙動の急峻な変化を検出し制御することで、高精度な発振器をつくることができる。
原子発振器1000は、面発光レーザー100を含むため、高い信頼性を有することが
できる。
できる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…積層体、2a…第1歪付与部、2b…第2歪付与部、2c…共振部、4…層、6…酸化層、8…酸化領域、10…基板、14…層、16…酸化層、20…第1ミラー層、24…高屈折率層、26…低屈折率層、30…活性層、40…第2ミラー層、42…電流狭窄層、42a…被酸化層、43…開口部、44…高屈折率層、46…低屈折率層、50…コンタクト層、60…第1領域、62…第2領域、63…上面、70…樹脂層、80…第1電極、82…第2電極、84…パッド、86…引き出し配線、100…面発光レーザー、102…側面、112…第1先端部、114…第1接続部、116,117…側面、122…第2先端部、124…第2接続部、126,127,136,137…側面、140…レジスト層、142…側面、144…上面、1000…原子発振器、1100…光モジュール、1110…ガスセル、1120…光検出部、1200…中心波長制御部、1300…高周波制御部
Claims (3)
- 基板と、
前記基板上方に設けられた積層体と、
を含み、
前記積層体は、前記基板上方に設けられた第1ミラー層、前記第1ミラー層上方に設けられた活性層、および前記活性層上方に設けられた第2ミラー層を含み、
平面視において、前記積層体は、第1歪付与部と、第2歪付与部と、前記第1歪付与部と前記第2歪付与部との間に設けられ、前記活性層で発生した光を共振させる共振部と、を有し、
前記第1歪付与部は、前記共振部に接続された第1接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第1接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有することを特徴とする面発光レーザー。 - 請求項1において、
前記第2歪付与部は、前記共振部に接続された第2接続部を有し、
前記積層体の側面をなす前記第2接続部の側面は、前記平面視において、曲率を有することを特徴とする面発光レーザー。 - 請求項1または2に記載の面発光レーザーを含む原子発振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013263465A JP2015119144A (ja) | 2013-12-20 | 2013-12-20 | 面発光レーザーおよび原子発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP (1) | JP2015119144A (ja) |
-
2013
- 2013-12-20 JP JP2013263465A patent/JP2015119144A/ja active Pending
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