JP2015108238A - 鋼管杭及びその埋込み方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 鋼管杭を埋め込む際にその下端に形成される固化体が切削屑の混入あるいは偏在によって強度不足となるのを回避する。
【解決手段】本発明に係る鋼管杭1は、地盤2に形成された掘削孔3内に建て込まれるとともに該掘削孔の孔壁5との間に充填されたグラウト材9を介して掘削孔3に埋め込まれるようになっており、埋込み完了後は、底面4の下方に地盤改良体8が形成されてなる鋼管杭の埋込み構造が構築される。鋼管杭1は、杭本体6と該杭本体の先端に設けられた攪乱手段としての切削カッター7とで構成してあり、該切削カッターは、杭本体6を材軸回りに回転させることにより、該杭本体の横断面に相当する範囲を攪乱できるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として杭径が小さな鋼管杭を地盤に埋め込む際に適用される鋼管杭及びその埋込み方法に関する。
構造物を支持するための杭基礎は、支持機構の観点からは、良質な支持層に下端を貫入させることで支持力を確保する支持杭と、良質な支持層がない場合に周辺地盤との摩擦によって支持力を確保する摩擦杭とに大別されるが、施工方法の観点からは、打込み杭、埋込み杭、場所打ち杭等に分類されるとともに、杭径の観点からは、φ300mm以下の埋込み杭や打込み杭を用いたマイクロパイル工法と呼ばれる杭工法が知られている。
マイクロパイル工法は、比較的小規模な施工機械で実施が可能であるため、狭隘な場所、空頭制限がある場所、山間部、傾斜地その他十分な施工スペースを確保できない場合に有効な手段として実績がある。
マイクロパイル工法において鋼管杭を埋込み杭として用いる場合には、まず、地盤に掘削孔を先行形成し、次いで、該掘削孔内に鋼管杭を建て込んだ後、該鋼管杭の下方及び周囲にグラウト材を充填する。
このようにすると、充填されたグラウト材は、鋼管杭の下方で固化して該鋼管杭の軸力を地盤に伝達するとともに、鋼管杭の周囲で固化して該鋼管杭と周辺地盤との間で水平力や鋼管杭の周面に沿った摩擦力を伝達する役目を果たす。
特開平11−222852号公報
しかしながら、掘削孔を形成する際、その底面近傍に切削屑が残留するため、該切削屑が例えば下方に偏在する形でグラウト材が固化し、その結果、固化体の強度が不足する場合が生じる。
そのため、鋼管杭の下端で十分な大きさの先端支持力を期待することが困難となり、結果として、鋼管杭の本数を増やしたり鋼管杭の径を大きくしたりせざるを得ないのが現状である。
一方、グラウト材を充填する前に切削屑を除去すれば、固化体が強度不足となるおそれはないものの、例えばアースオーガを用いた掘削や二重管削孔の場合において、かかる切削屑を孔壁とそれを保護するケーシングとの隙間を介してスライムとして回収しようとすると、土質性状によっては、スライムの流れによって孔壁が崩落するおそれがあるという別の問題を生じる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、鋼管杭を埋め込む際にその下端に形成される固化体が切削屑の混入あるいは偏在によって強度不足となるのを回避することが可能な鋼管杭及びその埋込み方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鋼管杭の埋込み方法は請求項1に記載したように、地盤又は地盤内の改良体に形成された掘削孔内に鋼管杭を建て込むと同時に又は相前後して該掘削孔内にグラウト材を投入し、
前記鋼管杭を押し下げつつ回転させることで該鋼管杭の下端にて前記掘削孔の底面下方を攪乱するとともに、その攪乱土を、攪乱開始前から前記掘削孔の底面に残留していた切削屑及び前記グラウト材とともに攪拌混合することにより、該底面の下方に地盤改良領域を形成し、
前記鋼管杭の下端が前記地盤改良領域の天端近傍高さとなるように該鋼管杭を退避させ、
前記鋼管杭の周囲に充填されたグラウト材を固化させるとともに、前記地盤改良領域に含まれるグラウト材を固化させることで該地盤改良領域を固結させるものである。
また、本発明に係る鋼管杭の埋込み方法は、前記退避工程において、前記鋼管杭の下端を前記地盤改良領域の天端から離間させるものである。
また、本発明に係る鋼管杭の埋込み方法は、前記地盤改良領域の形成工程において、前記鋼管杭の下端が前記地盤改良領域の高さ範囲で上下するように該鋼管杭を引き上げては押し下げる動作を繰り返し行うものである。
また、本発明に係る鋼管杭の埋込み方法は、前記掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、前記鋼管杭の建込み工程において、前記地盤改良領域を形成するために必要でかつ十分な量のグラウト材を前記ケーシングが残置された状態で一次投入するとともに、前記地盤改良領域を形成した後、前記ケーシングを引き抜きつつ、前記鋼管杭の埋込みに必要な残りの量のグラウト材を二次投入するものである。
また、本発明に係る鋼管杭の埋込み方法は、前記掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、前記鋼管杭の建込み工程において、前記ケーシングを引き抜きつつ、前記地盤改良領域の形成に必要な量を含めた前記鋼管杭の埋込みに必要な全量のグラウト材を一括投入するものである。
また、本発明に係る鋼管杭は請求項6に記載したように、地盤又は地盤内の改良体に形成された掘削孔内に建て込まれるとともに該掘削孔との間に充填されたグラウト材を介して前記掘削孔に埋め込まれるようになっている鋼管杭において、
杭本体と該杭本体の材軸回りの回転によって少なくともその横断面に相当する範囲を攪乱できるように前記杭本体の先端に設けられた攪乱手段とで構成したものである。
本発明に係る鋼管杭の埋込み方法においては、まず、鋼管杭を建て込むための掘削孔を地盤又は地盤内の改良体に形成する。
掘削孔を形成するにあたっては、例えば二重管削孔、アースオーガといった公知の施工方法を適宜採用することが可能である。
掘削孔が形成された段階では、該掘削孔の底面に切削屑が残留するが、この状態のまま、掘削孔内に鋼管杭を建て込むとともに、該掘削孔内にグラウト材を投入する。
投入のタイミングは、鋼管杭の建込みと同時でもよいし、建込み前又は建込み後でもよい。また、グラウト材は例えば、セメント、石灰等の水硬性材料で構成することができる。
次に、鋼管杭を押し下げつつ回転させることで、該鋼管杭の下端にて掘削孔の底面下方を攪乱するとともに、その攪乱土を、攪乱開始前から掘削孔の底面に残留していた切削屑及びグラウト材とともに攪拌混合することにより、該底面の下方に地盤改良領域を形成する。
鋼管杭の押下げ及び回転は、例えばボーリングマシンを用いて行えばよい。
掘削孔の底面をどのようにして鋼管杭の下端で攪乱するかは任意であるが、鋼管杭を、例えば杭本体と該杭本体の材軸回りの回転によって少なくともその横断面に相当する範囲を攪乱できるように杭本体の先端に設けられた攪乱手段とで構成することができる。
地盤改良領域が形成されたならば、鋼管杭の下端が地盤改良領域の天端近傍高さとなるように該鋼管杭を退避させる。
次に、鋼管杭の周囲に充填されたグラウト材を固化させるとともに、地盤改良領域に含まれるグラウト材を固化させることで該地盤改良領域を固結させる。
このようにすると、掘削孔の形成時に発生し該掘削孔の底面に残留していた切削屑は、攪乱土やグラウト材とともに均等に攪拌混合されて地盤改良領域となるので、該グラウト材が固化したとき、地盤改良領域は、切削屑が偏在しない状態で固結する。
そのため、地盤改良領域は、強度に優れた良質な地盤改良体として固結することとなり、かくして切削屑が例えば下方に偏在する形でグラウト材が固化するといった事態を回避することが可能となり、鋼管杭の先端支持力を大幅に高めることが可能となる。
掘削孔は、地盤に形成されたものをはじめ、地盤内に設けられた改良体、例えばソイルセメント柱に形成されたものが包摂される。
鋼管杭は、マイクロパイル工法で採用される概ね300mm以下のものが主たる対象となるが、上述した地盤改良体によって下端が根固めされ、該地盤改良体を介して軸力が地盤に伝達されるとともに、周囲に充填されたグラウト材によって水平方向の支持力や周面に沿った摩擦力が確保されるのであれば、外径300mmを上回る鋼管杭であってもかまわない。
一方、鋼管杭の押下げ及び回転によって地盤改良領域を形成するためには、鋼管杭の径に応じたトルクが必要になるが、鋼管杭の径を概ね300mm以下とすれば、必要トルクが小さくて済むため、鋼管杭の押下げ及び回転のための荷重伝達機構、例えばボーリングマシンの負担を軽減することが可能となり、マイクロパイル工法には最適な構成となる。
鋼管杭の建込みは、鉛直下方に向けて形成された掘削孔に建て込まれる場合をはじめ、斜め下方に向けて形成された掘削孔に建て込まれる場合も包摂される。
鋼管杭を地盤改良領域から退避させるにあたっては、地盤改良領域が固結して地盤改良体となったときに該地盤改良体を介して鋼管杭の軸力が地盤に確実に伝達する限り、地盤改良領域の天端近傍高さをどのように設定するかは任意であって、これを天端高さとすることも可能であるが、鋼管杭の下端を地盤改良領域の天端から離間させる、すなわち天端近傍高さを天端から所定の離間距離だけ上方の高さとすれば、鋼管杭の下端と地盤改良体との間には、グラウト材のみからなる固化体が形成される。
そのため、鋼管杭からの軸力は、鋼管杭の断面積を有効面積として地盤改良体や地盤に伝達するのではなく、固化体の断面積を有効面積として地盤改良体や地盤に伝達することとなり、かくしてより広い面積で鋼管杭からの軸力を地盤改良体や地盤に伝達させることが可能となり、鋼管杭の先端支持力に対する信頼性が向上する。
鋼管杭を押し下げつつ回転させることで地盤改良領域を形成するにあたり、鋼管杭を上方に戻すことなく下方にのみ移動させるようにしてもかまわないが、鋼管杭の下端が地盤改良領域の高さ範囲で上下するように該鋼管杭を引き上げては押し下げる動作を繰り返し行うようにすれば、切削屑、攪乱土及びグラウト材をさらに均等に攪拌混合することが可能となる。
鋼管杭を建て込むための掘削孔を形成する際、その孔壁を保護するためにケーシングを用いるかどうかは任意であるし、グラウト材を投入するにあたり、地盤改良領域の形成に必要なグラウト材が地盤改良領域形成前に投入されかつ鋼管杭の埋込みに必要な量が最終的に投入される限り、どのようなタイミングでグラウト材を投入するかも任意である。
ここで、掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、鋼管杭の建込み工程において、地盤改良領域を形成するために必要でかつ十分な量のグラウト材をケーシングが残置された状態で一次投入するとともに、地盤改良領域を形成した後、ケーシングを引き抜きつつ、鋼管杭の埋込みに必要な残りの量のグラウト材を二次投入するように構成したならば、攪乱土や切削屑が鋼管杭の周囲に充填されるグラウト材に混入するおそれがなくなるとともに、鋼管杭の下端を地盤改良領域の天端から離間させる場合には、さらに鋼管杭の直下に充填されるグラウト材に混入するおそれがなくなる。
そのため、鋼管杭の周囲で形成される固化体、場合によってはそれに加えて鋼管杭の直下で形成される固化体を、攪乱土や切削屑が含まれないグラウト材のみで構成することが可能となり、鋼管杭の荷重伝達機能に対する信頼性が向上する。
一方、掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、鋼管杭の建込み工程において、ケーシングを引き抜きつつ、地盤改良領域の形成に必要な量を含めた鋼管杭の埋込みに必要な全量のグラウト材を一括投入するように構成したならば、グラウト材の投入作業を簡略化することが可能となり、鋼管杭の埋込みを早期に終えることができる。
本実施形態に係る鋼管杭1を示した側面図。 切削カッター7を示した図であり、(a)はA−A線方向から見た矢視図、(b)は斜視図。 本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法を実施する手順を示したフローチャート。 本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法の実施手順を示した施工図。 引き続き本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法の実施手順を示した説明図。 引き続き本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法の実施手順を示した説明図。 変形例に係る鋼管杭の埋込み方法のグラウト投入工程を示した説明図。 変形例に係る鋼管杭の埋込み方法の退避工程を示した説明図。 変形例に係る鋼管杭の埋込み方法の地盤改良領域形成工程を示した説明図。
以下、本発明に係る鋼管杭及びその埋込み方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る鋼管杭を示した側面図である。同図に示すように、本実施形態に係る鋼管杭1は、地盤2に形成された掘削孔3内に建て込まれるとともに該掘削孔の孔壁5との間に充填されたグラウト材9を介して掘削孔3に埋め込まれるようになっており、埋込み完了後は、底面4の下方に地盤改良体8が形成されてなる鋼管杭の埋込み構造が構築される。
鋼管杭1は、杭本体6と該杭本体の先端に設けられた攪乱手段としての切削カッター7とで構成してあり、該切削カッターは、杭本体6を材軸回りに回転させることにより、該杭本体の横断面に相当する範囲を攪乱できるようになっている。
杭本体6は、例えばマイクロパイル工法で採用される概ね300mm以下の円筒鋼管で構成することができる。
切削カッター7は図2でよくわかるように、中心角がそれぞれほぼ直角をなす一対の扇状平板11,11を、それらが杭本体6の材軸回りに回転対称となる位置で該杭本体の先端側開口を塞ぐ形となるように配置して構成してあるとともに、扇状平板11,11の周縁のうち、半径方向に沿った縁部の一方には切削歯12をそれぞれ立設してある。
一方、杭本体6の先端側開口のうち、扇状平板11,11に挟まれた2つの開口は、杭本体6の内部空間を圧送されてきたグラウト材が吐出される吐出口13,13として機能する。
図3は、本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法を用いて鋼管杭1を地盤2に埋め込む手順を示したフローチャートであり、同手順に沿って鋼管杭1を地盤2に埋め込むには、まず図4(a)に示すように、外ケーシング41で孔壁5を保護しつつ、内ケーシング42を回転させる、いわゆる二重管削孔によって鋼管杭1を建て込むための掘削孔3を地盤2に形成する(ステップ101)。
掘削孔3は、その底面4が地盤2の支持層に到達するように形成するのが望ましい。
掘削孔3が形成されたならば、図4(b)に示すように、内ケーシング42を撤去する一方、外ケーシング41はそのまま残置して孔壁5を引き続き保護する(ステップ102)。
ここで、掘削孔3が形成された段階では、同図に示すように該掘削孔の底面4に切削屑43が残留するが、これを排出するための特段の措置は不要である。
次に、図5(a)に示すように、掘削孔3内に鋼管杭1を建て込むとともに、後述する地盤改良領域を形成するために必要でかつ十分な量のグラウト材51をケーシング41が残置された状態で掘削孔3に一次投入する(ステップ103)。
グラウト材51は、鋼管杭1の建込みと同時に投入してもよいし、建込み前又は建込み後に投入してもよいが、鋼管杭1の建込み後に行う場合には、杭本体6の内部空間を利用してグラウト材51を圧送するとともに、該グラウト材を杭本体6の下端に形成された吐出口13,13から吐出するようにすればよい。
次に、同図(b)に示すように、鋼管杭1を例えばボーリングマシンを用いることで押し下げつつ回転させ、該鋼管杭の先端に設けた切削カッター7で掘削孔3の底面4下方を攪乱するとともに、その攪乱土を、掘削孔3の底面4に残留していた切削屑43及びグラウト材51とともに攪拌混合し、これら攪乱土、切削屑43及びグラウト材51からなる地盤改良領域52を掘削孔3の底面4下方に形成する(ステップ104)。
なお、攪拌混合の際、杭本体6の下端又は切削カッター7に振動を付与するようにすれば、攪乱土、切削屑43及びグラウト材51の攪拌混合を均質にかつ効率よく行うことができる。
地盤改良領域52が形成されたならば、図6(a)に示すように、鋼管杭1の下端が地盤改良領域52の天端近傍高さとなるように該鋼管杭を退避させる(ステップ105)。鋼管杭1の退避は、地盤改良領域52が固結する前に行う。
次に、図6(b)に示すように、外ケーシング41を引き抜きつつ、鋼管杭1の埋込みに必要な残りの量のグラウト材61を掘削孔3に二次投入する(ステップ106)。
グラウト材61は、地盤改良領域52に含まれる攪乱土や切削屑43がグラウト材61に混入しないよう、該地盤改良領域が概ね固結した後で掘削孔3に投入するのが望ましいが、上述した混入のおそれがないのであれば、地盤改良領域52が固結する前にグラウト材61を投入してもかまわない。
次に、鋼管杭1の周囲に充填されたグラウト材61を固化させるとともに、地盤改良領域52に含まれるグラウト材51が未だ固化していない場合には、これを固化させることで該地盤改良領域を地盤改良体8として固結させる(ステップ107)。
以上説明したように、本実施形態に係る鋼管杭1及びその埋込み方法によれば、掘削孔3の形成時に発生し該掘削孔の底面4に残留していた切削屑43は、攪乱土やグラウト材51とともに均等に攪拌混合されて地盤改良領域52となるので、グラウト材51が固化したとき、地盤改良領域52は、切削屑43が偏在しない状態で固結する。
そのため、地盤改良領域52は、強度に優れた良質な地盤改良体8として固結することとなり、かくして切削屑43が例えば下方に偏在する形でグラウト材が固化するといった事態を回避することが可能となり、鋼管杭1の先端支持力を大幅に高めることができるとともに、その結果、鋼管杭の本数を削減し、鋼管杭の径を小さくし、あるいは鋼管杭の杭長を短くすることが可能となる。
また、本実施形態に係る鋼管杭の埋込み方法によれば、地盤改良領域52を形成するために必要でかつ十分な量のグラウト材51を外ケーシング41が残置された状態で一次投入するとともに、地盤改良領域52を形成した後、外ケーシング41を引き抜きつつ、鋼管杭1の埋込みに必要な残りの量のグラウト材61を二次投入するように構成したので、攪乱土や切削屑43が鋼管杭1の周囲に充填されるグラウト材61に混入するおそれがなくなる。
そのため、鋼管杭1の周囲で形成される固化体を、攪乱土や切削屑43が含まれないグラウト材61のみで構成することが可能となり、鋼管杭1の荷重伝達機能に対する信頼性が向上する。
本実施形態では、鋼管杭1の埋込みに必要なグラウト材の投入を一次投入と二次投入の二度に分けて行うようにしたが、これに代えて、図7に示すように鋼管杭1を建て込む際、外ケーシング41を引き抜きつつ、地盤改良領域52の形成に必要な量を含めた鋼管杭1の埋込みに必要な全量のグラウト材71を一括投入するようにしてもかまわない。
かかる構成によれば、グラウト材の投入作業を簡略化することが可能となり、鋼管杭1の埋込みを早期に終えることができる。
また、本実施形態では、鋼管杭1の下端が地盤改良領域52の天端近傍高さとなるように該鋼管杭を退避させるようにしたが、これに代えて図8(a)に示すように、鋼管杭1の下端を地盤改良領域52の天端からΔhだけ離間させるのが望ましい。
かかる構成によれば、同図(b)に示すように、鋼管杭1の下端と地盤改良体8との間には、グラウト材61のみが固化してなる固化体81が形成される。
そのため、鋼管杭1からの軸力は、上述の実施形態では鋼管杭1の断面積を有効面積として地盤改良体8や地盤2に伝達するのに対し、本変形例では、鋼管杭1直下に形成された固化体81の断面積を有効面積として地盤改良体8や地盤2に伝達する。
したがって、より広い面積で鋼管杭1からの軸力を地盤改良体8や地盤2に伝達させることが可能となり、鋼管杭1の先端支持力に対する信頼性が向上する。
また、本実施形態では、鋼管杭1を押し下げつつ回転させることで地盤改良領域52を形成するにあたり、鋼管杭1を上方に戻すことなく下方にのみ移動させるようにしたが、これに代えて、図9に示すように、鋼管杭1の下端が地盤改良領域52の高さ範囲で上下するように該鋼管杭を引き上げては押し下げる動作を繰り返し行うようにしてもよい。
かかる構成によれば、切削屑43、攪乱土及びグラウト材51をさらに均等に攪拌混合することが可能となる。
1 鋼管杭
2 地盤
3 掘削孔
4 底面
5 孔壁
6 杭本体
7 切削カッター(攪乱手段)
8 地盤改良体
41 外ケーシング(ケーシング)
43 切削屑
51 グラウト材(一次投入されるグラウト材)
52 地盤改良領域
61 グラウト材(二次投入されるグラウト材)
71 グラウト材(一括投入されるグラウト材)
81 固化体

Claims (6)

  1. 地盤又は地盤内の改良体に形成された掘削孔内に鋼管杭を建て込むと同時に又は相前後して該掘削孔内にグラウト材を投入し、
    前記鋼管杭を押し下げつつ回転させることで該鋼管杭の下端にて前記掘削孔の底面下方を攪乱するとともに、その攪乱土を、攪乱開始前から前記掘削孔の底面に残留していた切削屑及び前記グラウト材とともに攪拌混合することにより、該底面の下方に地盤改良領域を形成し、
    前記鋼管杭の下端が前記地盤改良領域の天端近傍高さとなるように該鋼管杭を退避させ、
    前記鋼管杭の周囲に充填されたグラウト材を固化させるとともに、前記地盤改良領域に含まれるグラウト材を固化させることで該地盤改良領域を固結させることを特徴とする鋼管杭の埋込み方法。
  2. 前記退避工程において、前記鋼管杭の下端を前記地盤改良領域の天端から離間させる請求項1記載の鋼管杭の埋込み方法。
  3. 前記地盤改良領域の形成工程において、前記鋼管杭の下端が前記地盤改良領域の高さ範囲で上下するように該鋼管杭を引き上げては押し下げる動作を繰り返し行う請求項1記載の鋼管杭の埋込み方法。
  4. 前記掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、前記鋼管杭の建込み工程において、前記地盤改良領域を形成するために必要でかつ十分な量のグラウト材を前記ケーシングが残置された状態で一次投入するとともに、前記地盤改良領域を形成した後、前記ケーシングを引き抜きつつ、前記鋼管杭の埋込みに必要な残りの量のグラウト材を二次投入する請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の鋼管杭の埋込み方法。
  5. 前記掘削孔をその孔壁が保護されるようにケーシングを用いて形成し、前記鋼管杭の建込み工程において、前記ケーシングを引き抜きつつ、前記地盤改良領域の形成に必要な量を含めた前記鋼管杭の埋込みに必要な全量のグラウト材を一括投入する請求項1乃至請求項3のいずれか一記載の鋼管杭の埋込み方法。
  6. 地盤又は地盤内の改良体に形成された掘削孔内に建て込まれるとともに該掘削孔との間に充填されたグラウト材を介して前記掘削孔に埋め込まれるようになっている鋼管杭において、
    杭本体と該杭本体の材軸回りの回転によって少なくともその横断面に相当する範囲を攪乱できるように前記杭本体の先端に設けられた攪乱手段とで構成したことを特徴とする鋼管杭。
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