JP2015107128A - オクテニジン組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)対象遺伝子に操作可能に連結されたプロモーターエレメント内のAT(n)挿入物を担持する発現カセットを用いて植物細胞を安定に形質転換し;
(ii)植物細胞の増殖条件下で安定に形質転換された植物細胞を培養し;
(iii)(i)のカセットがそのゲノムに安定に組み込まれたトランスジェニック植物を再生する
ことを含み、ここで、該トランスジェニック植物は、対照植物と比較した場合に、異なるレベルの遺伝子発現を示す。
(i)対象遺伝子に操作可能に連結されたプロモーターエレメント内にAT(n)挿入物を担持する発現カセットを用いて植物細胞を安定に形質転換し;
(ii)植物細胞の増殖条件下で安定に形質転換された植物細胞を培養し;
(iii)安定に遺伝子的に改変された植物を再生する
ことを含む前記方法。
構築物は、根こぶ(gall)線虫であるメロイドギネ・ジャワニカ(Meloidogyne javanica)にそれぞれ耐性であり、影響を受けやすい大豆遺伝子型の親PI595099及びBRS133を用いて生じさせた。この高配から、F4世代において、感受性集団の個体256−S、259−S及び266−S、並びに耐性集団である個体JF7002、JF7027及びJF7056を選択し、本試験に用いた。
マイクロサテライトマーカーSOYHSP176プライマーを用いて感受性材料の増幅断片の初期配列決定から得た遺伝子Gmhsp17.6−Lの完全配列を用いて、初期に、感受性遺伝子型だけがマイクロサテライトマーカーSOYHSP176を増幅したことを考慮して、分析中の全ての遺伝子型におけるバンドを得るために、新規なプライマーセットを設計した(図1)。
表1:ゲノムDNA抽出緩衝液の調製に使用された試薬:
親遺伝子型PI595099(耐性)及びBRS133(感受性)をRPA実験のために選択した。大豆に存在する熱ショックタンパク質Gmhsp17.6−L(GenBank受入番号:M11317)の完全配列から、プライマーセットをコード配列に対して設計した(RPA2 F 5’GAC ATC ATC AAA CAA GAG AA3’及びRPA2 R 5’TCT CTC CGC TAA TCT GAA3’)。
プローブを得るための転写反応は、MAXIScript(商標)インビトロ転写(Ambion Inc.)キットを用いて行った。RNAポリメラーゼT7とP32−標識したホスフェートジデオキシヌクレオチド(CTP)を用いた。最初に、全てのキット試薬を解凍し、氷上で維持した。ただし、室温に保存しなければならないTranscription緩衝液(登録商標)は除く。全最終体積20μLを用いた転写反応は、1.5mLマイクロチューブで、室温にて、以下の表に記載のプロトコールに従って行った。
HySpeed(商標)RPA−Hygh−スピードハイブリダイゼーション・リボヌクレアーゼ保護アッセイ(Ambion Inc.)キットを用いて、リボヌクレアーゼ保護アッセイは(RPA)を行った。各マイクロチューブに対して、標識プローブを総RNA(20mg)に(高い比活性を有する、約100〜800pgの250nt又は1〜10fmolの2〜8×104cpm)添加した。また、30mgの酵母総RNAを試料に添加し、最終50mg/試料を得た。10mLの酵母総RNA(50mg)を含む2つの他の酵素対照チューブを得て、1つは、プローブ陽性対照としてラット肝臓総RNAを含んだ。プローブ+試料を共沈させるために、0.5MのNH4OAcと3体積の冷95%エタノールを添加し、ホモジナイゼーション後、チューブを15分間−20℃でインキュベートした。最大速度(最小8.160×g)で5分間、4℃にて遠心分離工程を行った。上清を除去し、ペレットを乾燥させた。10mLのHySpeedハイブリダイゼーション緩衝液(登録商標)(予め95℃に加熱)を各試料に添加し、このチューブを即座に95℃(水浴又はサーモサイクラー)でインキュベートした。ペレットを溶解するために、試料を数秒間ボルテックスし、95℃に戻した。ペレットを完全に溶解後、チューブを95℃で3分間、68℃で10分間インキュベートした。温度を68℃に維持しなければならず、移動工程は30秒以下でなければならない。最初に、HySpeed RNase消化緩衝液(登録商標)を解凍し、RNase A/T1と緩衝液の混合物(1:100希釈−99mLの緩衝液中の1mL RNase)を各試料に対して、100mLの適切な体積で調製し、室温にて保存した。100mLの混合RNase A/T1+緩衝液を各試料、及び酵母総RNAだけを含む対照チューブに添加し、酵素を含まない100mLのHySpeed RNase消化(登録商標)緩衝液を1つのチューブに添加し、酵素を含む完全な混合物を他の対照チューブに添加した。試料をボルテックスし、37℃にて30分間、消化させるためにインキュベートした。150mLのHySpeedインキュベーション/沈殿緩衝液(登録商標)を試料に添加し、素早くボルテックスし、チューブを15分間、−20℃の冷凍庫でインキュベートした。消化後、試料を15分間、最大速度、4℃にて遠心分離し、上清を除去し、ゲルローディング緩衝液(通常9〜10mLの体積)中に再懸濁させた。ピペットによるホモジナイゼーション後、チューブを3〜4分間、90〜95℃に加熱し、再生を避けるために即座に氷に移した。5%ポリアクリルアミドゲル、8M尿素に試料を適用し、1×TBE緩衝液に希釈し、200〜300ボルトで約2時間の電気泳動を行い、保護された断片を分離した。電気泳動後、前述のプロトコールに詳述されたフィルム露光及び現像について標準的な手法を行った(図10)。
遺伝子Gmhsp17.6−Lのプロモーターの発現試験については、RT−PCR技術を用いて、材料PI595099、BRS133、256−S、259−S、266−S、JF7002、JF7027及びJF7056は由来の種子は、成長チャンバーで発芽ペーパー上に播種され、8日後、苗をプラスチック容器に移した。温室で、これらの苗は、発生J2の感染段階で幼虫のメロイドギネ・ジャワニカで感染させた。使用された線虫集団は、品種Doko由来の大豆植物から得た。根からの線虫卵抽出物は、0.5%次亜塩素酸塩溶液中で30秒間、ブレンダーを用いて材料を挽くことによって得られた。根を水中で洗浄し、排除サイズ500を有するミニスクリーンを用いて卵を回収した。その後、遊離(free)卵懸濁液を26℃に設定した孵化チャンバーに移し、24時間ごとに、ジャワニカ(J2)を回収して、冷蔵室に保存した。ジャワニカJ2をPetersチャンバーで定量した。ピペットの助けを得て、664のJ2/ml(植物あたり)を接種し、接種の第1、3及び6日後に、試験中の8個の材料の各々の3つの大豆植物由来の根をバルクで回収し、ジャワニカで接種されたものと接種されていないもの(対照処理)について液体窒素に移した。RNA抽出実験の開始まで、根を超冷凍庫(−80℃)で保存した。
リアルタイムPCRに使用したプライマー(SoyHspPSC F 5’GCT GTG TGT CAT TGT CAT CGA A3’;SoyHspPSC R5’CAC GGT CTA TTT CTT GCC TAC ATC3’)は、Gmhsp17.6−L遺伝子(GenBank受入番号:M11317)の配列pos終止コドン(TAA−ヌクレオチド位置884)を用いて、Primer Express 2.0(Appied Biosystems)プログラムで設計された。これらのプライマーは、約80bpの断片を増幅するために使用された。プライマーを設計するためにPrimer Expressプログラムに適用された選択されたパラメータは、50bp〜150bp(120bpはRT−PCRに推奨される)のアンプリコン長、40%〜60%のCG含量、最大では一列に4個のG塩基、58℃〜60℃のプライマーTm(融解温度)、FとRプライマー間のTmの最大相違が1℃であり、一列に最大4個の同一塩基を避けるべきである。その後、プライマー二量体の形成を分析するために、プログラムOMIGAを使用し、3’末端の6遊離塩基の最小の存在を観察した。
リアルタイムPCR実験を行うために、総RNAをトリゾール試薬(Invitrogen−Life Technology)を用いて抽出した。最初に、1mLのトリゾール/試料をファルコンチューブに分注し、55℃に加熱した。試料の植物組織を液体窒素中でホモジナイズし、0.1gを窒素に維持されたチューブに分注された。その後、1mLの加熱したトリゾールを試料に添加し、1分間ボルテックスし、素早くスピンダウンし、2分間55℃にてインキュベートした。試料を4℃、20分間、16.000×gで遠心分離し、200μLのクロロホルムを含むチューブに上清を移し、残渣を捨てた。試料を振とうし、室温(22〜25℃にて)2分間インキュベートし、次に、16.000×g、30分間、4℃にて遠心分離した。上清を新しいチューブに移し、8MのLiClを1/3体積添加した。振とう後、チューブをフリーザー中で−80℃、1時間インキュベートした。溶液を解凍するために、チューブを40℃の水浴中に1〜3分維持し、16.000×g、4℃にて30分間遠心分離した。上清を除去し、捨て、RNAを含むペレットを妨げることを避ける各試料に400μLの75%エタノールを添加し、チューブを穏やかに反転した。4℃、5分間、16.000×gの遠心分離工程を行い、上清を除去し、完全に捨てた。100μLの超純水をペレットに添加し、チューブを穏やかに軽く叩いて、ペレットを溶解した(ペレットが迅速に溶解しない場合、さらに100μLの超純水を添加することができるが、次の工程で酢酸ナトリウムとイソプロパノールの体積を2倍にすべきである)。次に、10μLの酢酸ナトリウム(3M)と100μLのイソプロパノールを添加し、チューブを穏やかに反転した。試料を−80℃で30分間インキュベートし、水浴に37℃で1〜3分間移し、16.000×g、4℃にて15分間遠心分離した。上清を除去し、400μLの70%エタノールを添加し、もう一度、チューブを16.000×g、4℃にて15分間遠心分離した。上清を除去し、捨て、10分間、ペレットをベンチで乾燥させた。最後に、50μLの超純水(又はペレットがすぐに溶解しない場合には100μL)を添加し、ペレットと溶液を37℃にて10分間加熱し、ペレットの溶解を促進した。RNAを定量し、−80℃のフリーザー中に保存した。逆転写反応に関して、RNAを希釈し、cDNA合成は、逆転写酵素(モロニー(Moloney)マウス白血病ウイルス:M−MLV)を用いて行われた。このようにして、1.5mgの総RNAをマイクロチューブに分注し、DEPC水を最終体積9mLまで添加し、6mMのランダムプライマーを反応に添加し、次に80℃にて3分間インキュベーションした。この期間の経過後、チューブを氷上で冷却し、14mLの混合物を試料に添加した。この混合物は、以下の表に記載されたプロトコールに従って調製された。
試薬 反応あたりの体積
5×第1鎖緩衝液6mL dNTP(2.5mM) 4mL
DTT(0.1M) 2mL
逆転写酵素 2mL
PCR反応は、サーモサイクラー7300リアルタイムシステム(Applied Biosystem)を使用し、製造業者の使用説明書に従って、Platinum(登録商標)SYBER(登録商標)グリーンqPCR SuperMix UDG(Invitrogen−Life Technology)キットを用いて行われた。Applied Biosystemによって推奨されるように、増幅効率曲線は、標的遺伝子Gmhsp17.6−Lと内因性対照遺伝子rRNA 18S(GenBank受入番号:X02623.1)(試料標準化のために使用される)について行われた。実験プレートは、両方の遺伝子について3点測定で試料を用いて設定された。曲線は傾きを与え、それは、プライマーの増幅効率を計算するために使用され、両遺伝子について類似し、100%(値1)に近くなければならない。相対的定量化のための増幅反応は、分析された試料の各々について回収の3日からcDNAのバルクを用いて行われた。別々の実験において、親使用について2つのリアルタイムPCR実験、及び集団試料について2つを行った。親菌株BRS133とPI595099、及び感受性集団由来の6個の得られた個体、259−S、259−S及び266−S、並びに耐性JF7002、JF7027及びJF7056は、線虫接種処理及び非接種処理について分析された。反応は3点測定で行い、8.0μLの超純水、0.5μLのROX、12.5μLのSYBER(登録商標)グリーンqPCR SuperMix UDG及び2μLのバルクDNA(約1.5μg)から成っていた。増幅反応のサイクリングパラメータは以下の通りであった:50℃にて2分間;95℃にて2分間;次に、95℃にて15秒、60℃にて30秒、及び72℃にて30秒の45サイクル。データを伸長工程(72℃)にて回収した。相対的定量化を結論付けた後、プライマー二量体の形成、非特異的(inespecific)増幅、可能なエラー及び汚染を検証するために、解離曲線を行った。RT−PCR−によって生じたデータの解釈は、SDS−配列検出システム(Applied Biosystem)ソフトウェアを用いて行われた。
耐性個体はGmhsp17.6−L遺伝子のプロモーター領域における高数のAT(n)挿入物を示し、これらの個体は、RT−PCRに供された場合、根こぶ線虫M.ジャワニカで接種されると、高レベルのこの遺伝子発現を示すことが確認されると、発現カセットをGmhsp17.6−L遺伝子のプロモーター領域における、異なる数のAT挿入物を含むように構築されるように決定された。これらの構築物の利用の目的は、これらのプロモーターは、AT(n)挿入物とともに、他の遺伝子の発現を誘導し、またそれらの遺伝子の応答、異なるストレスによるそれらの活性化若しくは非活性化を評価することができる。粒子衝突を用いて、線虫感受性品種BRS133とPintado由来の大豆胚を形質転換するためにカセットを使用した。得られた構築物において、Gmhsp17.6−L遺伝子のプロモーターは、異なるストレスへの胚の曝露後、組織化学的アッセイを介した発現を有するGus遺伝子前に位置している。
粒子衝突を介したトランスジェニック植物の取得
発現カセットpAG1/プロモーターGmHSP BRS133及びpAG1/プロモーターGmHSP JF7027を用いて形質転換されたトランスジェニック植物を得るために、最初に、プラスミドDNA抽出を前述のプロトコールに従って行った。この手法により、バイオバリティクス法、遺伝子銃法又は粒子衝突を介した形質転換手法に使用されるのに十分な多量のプラスミドDNAが得られた。この手法では、植物中の遺伝材料の導入は、微粒子を用いて行われ、通常、内因性DNAで被覆された、0.4〜0.2mmの直径を有する金又はタングステンでできている。粒子を対象のDNA分子で被覆し、高圧下でのヘリウムガス放電によって引き起こされる衝撃波により高速で加速し、発射する。標的細胞又は組織に衝突した場合、破壊することなしに細胞壁及び原形質膜を貫通し(Klein et al.(1987),Nature 327:70−73)、内因性DNAは、細胞液の作用によって微粒子から解離し、植物ゲノムに組み込まれなければならない。インビトロで培養され、再生された後、これらのトランスジェニック組織又は細胞は、遺伝子改変された植物を生じる(Brasileiro and Aragao(2001),Plant Biotechnol J.3(3):113−121;Rech et al.(2008),Nat Protoc 3:410−418)。
根こぶ線虫にともに感受性である品種BRS133及びPintado由来の大豆種子を用いた。計量後、種子は、70%エタノールで10分間、その後、1%ナトリウム(V/V)で20分間の浸漬により除染された。層流フード中で、オートクレーブした蒸留水で種子を3回洗浄し、種子の2倍量の水に埋め込み、約16時間〜18時間、水和のために浸漬し続けた。
除湿機及び低い部屋の湿度にするエアコンを用いて、水和された種子から胚を単離した。無菌した鉗子及び外科用ブレードの助けにより、種子を切開し、胚軸を除き、乾燥を避けるため、蒸留水を含むペトリディッシュに移した。次に、実体顕微鏡の助けにより、葉原基を切り出し、頂端分裂組織領域を露呈した。層流フード中のフィルターペーパーに胚を移し、過剰な水を取り除き、それは、屈折する粒子に対する障壁として振る舞う形質転換効率を低下させることができる。衝突について、16mm径の中心塩(デッドゾーン)は、無菌鉗子を用いて、MS培地(Murashige and Skoog Salt)、3%スクロース及び0.8%フィタゲル(pH5.7)を含む小さなペトリディッシュ中に設計された。実体顕微鏡の助けにより、プレート中の溝に胚を配置し、頂端分裂組織領域を上に向けた。担体メンブレン支持体及び支持シリンダーを火で滅菌し、4つの破壊メンブレンセットを別々にし、使用するまでイソプロパノール中に浸漬し続けた。担体メンブレンをそれらの支持体中に集めた。
遠沈管において、60mgのM10タングステン微粒子を計量し、それは、約100回の発射には十分な材料である。この遠沈管に、10mLの70%エタノールを添加した;溶液を激しくホモジナイズし、撹拌機上で、動きを維持するには十分な速度で15分間維持した。15.000gで5分の遠心分離工程を行い、微粒子沈下の阻害を避けるために、マイクロピペットの助けにより、上清を除去し、捨てた。1mLの滅菌蒸留水をこのチューブに添加し、混合物を撹拌機を用いて激しくホモジナイズし、もう一度15.000gで5分間遠心分離した。上清を捨て、洗浄工程を2回繰り返した。最終洗浄し、上清を捨てた後、微粒子を1mLの50%グリセロール(V/V)中に再懸濁した。
1.5mLの遠沈管に、50μLの微粒子懸濁液を分注し、ホモジナイゼーションのために15分間ソニケーターに供し、このようにして、微粒子の凝集を避け、均一な沈殿を可能にした。最小6μgに同等なDNAを上清に添加し、マイクロピペットの助けにより、穏やかにホモジナイズした。50μLのCaCl2(2.5M)を溶液に添加し、穏やかにホモジナイズした後、20μLのスペルミジンを添加した。さらにホモジナイゼーション後、適合したチューブ撹拌機で、溶液を10分間、室温にて、穏やかに回転させながらインキュベートした。チューブを10秒間、最大速度で沈降させ、上清を注意深く除去し、捨て、微粒子の再懸濁液を避けた。150μLの100%エタノールを添加した;溶液を激しくホモジナイズし、10秒間、最大速度(スピン)でもう一度遠心分離した。上清を除去し、洗浄工程をもう一度繰り返した。上清を捨てた後、最終洗浄で、24μLの100%エタノールは、激しくホモジナイズされた試料に添加された。最後に、上清の3.2μLのアリコートは、メンブレン支持体上に予め配置された各担体メンブレンの中心領域に適用された。各沈殿は、DNAで被覆された微粒子を含む6個の担体メンブレンを調製するには十分である。微粒子の適用後、シリカゲルを含むプレート上でメンブレンを即座に保存し、解剖チャンバーに維持した。それは、50%を超える空気の相対湿度の状態へのDNA被覆された微粒子の曝露が凝集を可能するためであり、結果として、外来遺伝子発現の頻度を減少させる。
いくつかの変更を加えたが、Aragaoら(Crop.Sci.42:1298−1302(2002))によって開発されたプロトコールに従って、根こぶ線虫に感受性である品種BRS133及びPintado由来の大豆種子胚の分裂組織部位を発射の標的とした。衝突前、層流フードを70%エタノールで清潔にし、UV照射(15分間)により滅菌した。保持スクリーン、胚を含むペトリディッシュ、4つセットであり、イソプロパノールに浸漬した破壊メンブレン、及び外来DNAを含む担体メンブレンをオペレーターの近くに維持した。ヘリウムガスシリンダーのバルブを開け、圧力を1.200psiに設定した。その後、破壊メンブレンセット(300psi/メンブレン)は、高圧ヘリウムガスチャンバーの遠端に配置し、密封スクリューをきつく閉め、高圧チャンバーを反転させ、真空チャンバーにフィットさせた。衝突されるべき材料を含むプレートを配置し、支持体シリンダー上に、DNA被覆された微粒子を含む、保持スクリーン及び担体メンブレン支持体も配置した。注意深く、支持体シリンダーを配置し、真空チャンバーを閉めた。圧力が27pol/Hgに到達するまで、チャンバー内で真空を可能にする値を緩やかに開け、このとき、このバルブを閉じた。高圧チャンバー内にヘリウムガスを押し込めるバルブを開き、破壊膜がヘリウムガスの存在により曲がりを示したとき、引き金を押すことによって発射した。発射後、バルブを閉じ、一方、高圧チャンバーからのヘリウムガスを放出するバルブを開いた。その後、真空を開放するバルブをゆっくり開け、衝突される胚を含むプレートを装置から取り出した。各衝突では、これらの工程を繰り返した。各衝突後、大部分の胚を異なるプレートに移し、非生物的及び生物的ストレスに供した。しかしながら、いくつかの胚は、BAP 5mg/mL(ベンジルアミノプリン)3%スクロース、0.6%寒天(pH)を添加したMS培地を含むプレートに移し、その中で、再生誘導のために、18時間維持され、28℃で光から保護された。
トランスジェニック細胞と非トランスジェニック細胞との識別は、個別に又は同じ形質転換ベクター中の対象遺伝子に連結して、酵素活性を有するタンパク質を発現する選択遺伝子を植物ゲノムに導入することにより行うことができる。作用様式に従って、マーカー遺伝子は、抗生物質への耐性を付与する遺伝子、除草剤への耐性を付与する遺伝子、及びポジティブ選択を有するマーカー遺伝子として分類される(Brasileiro and Dusi (1999),In:TORRES,A.C;CALDAS,L.S.;BUSO,J.A.Ed.Cultura de tecidos.and transformagao genetica de Plantas.Brasilia:Embrapa−SPI/Embrapa−CNPH,1999.p.679−735.v.2)。遺伝子ahasは、除草剤への耐性を付与する遺伝子に分類される。この遺伝子は、アセトヒドロキシル酸シンターゼ(AHAS)酵素の改変形態をコードし、アセト乳酸シンターゼ(ALS)としても知られている。この配列の653位への変異により、アスパラギンによるセリンの置換をもたらし、改変酵素を生じさせ、除草剤クラスのイミダゾリノンによって認識されない。この遺伝子で形質転換された分裂組織細胞は、選択分子の分裂組織部位への全体の転移及び内因性AHAS酵素の不活性化の基づくプロセスにおいて、除草剤Imazapyrの存在下で選択される。選択剤は頂端分裂組織に局在するため、非トランスジェニック細胞は死滅し、植物に生育するトランスジェニック細胞の生存が支持される(Aragao and Brasileiro(2002),J.P.Physio,14(I))。このようにして、再生後、いくつかの胚は、選択培地MS、3&スクロース、0.15μMのImazapyr除草剤、0.8%寒天及びB5ビタミン(pH5.7)を含むプラスチックカップに移され、約45日間、成長チャンバーで、28℃にて、16時間の光周期で生育された。光強度は50μmol m−2s−1であり、相対湿度は80%を超えた。次に、再生された植物は、オートクレーブされた砂:バーミキュライト(1:1)を含むプラスチックカップに移され、栄養溶液(pH6.6)で加筆された。後に、順化のために、カップをプラスチックバックで覆い、必要に応じて栄養溶液で散水し、さらに28〜30日間、成長チャンバーで生育した。順化のこの器官の経過後、プラスチックバッグを取り除き、特異的プライマーを用いたPCR技術を介して、分子分析及び陽性植物の特定のために試料回収が可能な限り、通常に発育させることができた。
根こぶ線虫に感受性であり、種々の発現カセット(親感受性株BRS133(S−pAG1/プロモーターGmHSP BRS133)及び耐性集団JF7027由来の個体(R−pAG1/プロモーターGmHSP JF7027)から増幅されたGmhsp17.6−L遺伝子のプロモーター領域を含む)で形質転換された大豆品種BRS133及びPintado由来の胚は、生物的ストレス、この場合は、M.ジャワニカのジャワニカJ2による接種、及び非生物的ストレス、例えば、熱、冷却、塩分及び脱水(干ばつ)に供された。非トランスジェニック胚(CN−負の対象)及びpAG1プラスミドのみで形質転換した胚(CP−正の対象)を同じ処置に供した。熱ストレスを適用し、胚を25℃(室温)、35℃及び45℃(温室中)にて維持した。4℃(冷蔵庫)及び15℃(温室)の処理は冷却ストレスに用いた。これらのストレスは、2時間、4時間、及び24時間の時点で溶液中で胚に適用された。脱水(干ばつ)は、温室にて37℃にて行い、フィルターペーパー上で2時間、4時間、及び6時間の時点で維持した。塩分ストレスについては、胚は、200mM及び400mMのNaCl濃度で24時間維持された。生物的ストレスは、24時間、48時間、及び72時間、J2発生段階(2.000〜3.000のJ2/mL)で線虫を含む溶液で胚を維持することによって行われた。図17は、ストレスをどのように適用したかを示す。
Gus遺伝子の発現産物は、組織化学的アッセイを通じて、植物組織におけるその酵素的活性を検出することによって、選択のマーカーレポーターとして使用され得る。この定量的方法は、b−グルクロニダーゼ酵素によって、酸素の存在下で不溶性の青色沈澱物をもたらす二量体を生じさせる、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−b−D−グルクロニド(X−gluc)基質の開裂に基づいている。この方法論は、組織特異性、プロモーターの単離、トランスジェニック植物の同定、及び移動条件に関する遺伝子発現制御研究を補助する(Brasileiro(1998),In:Brasileiro,A.C.M.;Carneiro,V.T.C.(ed.).Manual de trans formacao genetica de plantas.Brasilia:Embrapa − SPI/Embrapa−Cenargen,1998,p.143−154;Aragao et al.(2000),Theor.Appl.Gen,101:1−6))。このようにして、種々のカセットで形質転換され、その後に種々のストレスに供された、2つの遺伝子型であるBRS133とPintadoの胚をプレートに移し、試料を覆うには十分な体積でX−Gluc反応緩衝液を添加した。この緩衝液は、85mLのジメチルホルムアミド中に8.5mgのX−Glucを希釈することによって調製された。リン酸緩衝液(NaH2PO4−50mM pH7.0)は、17mL、最後は17mLのTriton X−100の体積に添加された。この溶液を調製後、冷蔵庫で保存した。胚及び緩衝液を含むプレートを密封し、暗所中、温室にて37℃で約16時間インキュベートした。その後、緩衝液を取り除き、1mLの70%エタノールを添加して、反応を停止させた。試料を実体顕微鏡(SQZ−DS4−BI(Tecnival))下で分析し、画像を獲得して結果を書面にした。組織化学的アッセイは、ストレスに供した後、試薬X−Glucが実施さえると、品種BRS133はより強い応答を示すことが示され、これは、青色スポットが明確であり、形質転換された細胞を示す制限された領域において視認されるためである。この不溶性の青色沈澱物は、β−グルクロニダーゼをコードする構築カセットに存在するGus遺伝子反応産物であり、この酵素は、O2の存在下で沈殿する二量体を形成するX−Gluc基質と反応する。品種Pintadoからの胚アッセイ結果を分析する場合、ストレスの大部分において、正の青色スポットは検出されなかった。この品種では、内因性GUS発現がより高く、完全な青色胚をもたらし、その結果が分析と干渉する。大豆胚のバックグランド内因性GUS活性は以前の研究において報告されていた。Hu及び共同研究者(Plant Cell Reports,9:1−5,1990)は、53の種々の植物種を分析し、葉、果実部分、種子及び胚における固有のGUS活性を試験した。この研究では、大豆は、新鮮な果実由来の成熟胚と脱水された種子の成熟胚において、強力な正の染色を示し、内因性GUS活性の結果を示した。このようにして、熱ストレスは、温室中で2時間、4時間、及び24時間、25℃、35℃、及び45℃の温度にトランスジェニック胚を供することによって適用された。図18、19及び20は、それぞれ、試験された両品種に対するこれらの処置を示す。冷却ストレスは、冷蔵庫及び温室中で、2時間、4時間、及び24時間、4℃及び15℃の温度にトランスジェニック胚を供することによって適用された(図21及び22)。このストレスについて、組織化学的反応の陽性青色スポットに関する、品種間の相違は、Pintado胚においてより非常に顕著であり、それらは構造的に青色であり、内因性GUS活性に起因している。従前の文献(Hu et al.(1990),Plant Cell Reports,9:1−5)に記載されている。もう一度、品種BRS133由来の胚は、組織化学的アッセイに対してより良好な応答を示し、それは、この品種が選択されるものであり、この研究の次の工程で使用されなければならないことを示す。塩分ストレス実験は、対照としての水、200mM、400mMの濃度のNaCl濃度に24時間、トランスジェニック胚を維持することによって行われた。品種BRS133由来の胚は、このアッセイに正に応答し続け、制限された領域で青色スポットを示し、以前のストレスとは相違し、品種Pintadoは明らかでありかつ検出可能な応答を示さなかった。図23はそれらの結果を示す。干ばつストレスは、フィルターペーパー上に37℃で胚を配置し、温室中で2時間、4時間、及び6時間維持することによって適用された。もう一度、品種BRS133は、組織化学的アッセイに陽性応答を示し、一方、品種Pintadoは、再度、陰性応答を示した。後者は、図24に示される通り、内因性GUS発現の結果として、胚の非特異的な青色染色を示した。根こぶ線虫M.ジャワニカの感染段階であるジャワニカJ2を用いて、品種BRS133及びPintado由来の胚への感染は生物的ストレスを構築した。約2000〜3000のJ2/ mLをトランスジェニック試料とともにインキュベートし、24時間、48時間及び72時間維持した。結果は、品種BRS133(図25)は、組織化学的アッセイの陽性の青色スポットを示したことを表し、これは、カセット発現が満足いくように起きたことを示す。この時間を経過したとき、胚は、それらの局面が改変され、赤茶色を示し、対照試料を含むことを示している。この変化は、72時間後により視認され、感染時に、ホルモン及び物質を注射する染色の感染形態によって胚を攻撃することによって引き起こすことができ、それは、宿主植物の根において起こるのと同じように、細胞改変を可能にする。しかしながら、Rと命名された胚は、耐性カセットpAG1/プロモーターGmhsp JF7027で形質転換されたものであり、影響が少ないという局面を有し、72時間で接種された試料は、元の局面を維持し、白色であり、これは、どうも、より高い数のAT(n)繰り返しで、耐性集団JF7027からの個体由来のGmhsp17.β−L遺伝子のプロモーター領域を含むカセットが、おそらく、より高い発現レベルのシャペロンにより、病原体攻撃に対するより良好な応答を示すことを示唆している。Pintado由来の胚はまた、J2線虫の接種により生物的ストレスに供された場合、構成的に青色に染色される組織化学的アッセイに対して負の応答に加えて、色の変化の応答を示し、48時間から、特に72時間からより顕著であった。図26は結果を示す。
Claims (18)
- 植物におけるコード配列の発現レベルを制御する方法であって、
(i)対象遺伝子に操作可能に連結されたプロモーターエレメント内のAT(n)挿入物を担持する発現カセットを用いて植物細胞を安定に形質転換し;
(ii)植物細胞の増殖条件下で安定に形質転換された植物細胞を培養し;
(iii)(i)のカセットがそのゲノムに安定に組み込まれたトランスジェニック植物を再生する
ことを含み、ここで、前記トランスジェニック植物は、対照植物と比較した場合に、異なるレベルの遺伝子発現を示す前記方法。 - 前記AT挿入物が異なるサイズである、請求項1に記載の方法。
- 前記AT挿入物がプロモーター領域内の特定部位に局在化している、請求項1に記載の方法。
- 前記プロモーター領域がGmhsp17.6−L遺伝子に関連する、請求項1に記載の方法。
- 植物の線虫を駆除するために使用される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記線虫が、優先的に根こぶ(gall)線虫であるメロイドギネ・ジャワニカ(Meloidogyne javanica)である、請求項5に記載の方法。
- Gmhsp17.6−L遺伝子のプロモーター領域に連結された異なる数のAT−挿入物を有する2つのプロモーター領域を含む発現カセット。
- 大豆胚を形質転換する能力を含む、請求項7に記載の発現カセット。
- 前記カセットが植物の線虫を駆除するために使用される、請求項7又は8に記載の発現カセット。
- 前記線虫が、優先的に根こぶ線虫であるメロイドギネ・ジャワニカである、請求項9に記載の発現カセット。
- AT(n)−挿入物を含む遺伝子的に改変された植物を得るための方法であって、
(i)対象遺伝子に操作可能に連結されたプロモーターエレメント内にAT(n)挿入物を担持する発現カセットを用いて植物細胞を安定に形質転換し;
(ii)植物細胞の増殖条件下で安定に形質転換された植物細胞を培養し;
(iii)安定に遺伝子的に改変された植物を再生する
ことを含む前記方法。 - 前記AT−挿入物が異なるサイズである、請求項11に記載の方法。
- 前記AT−挿入物がプロモーター領域内の特定部位で生じる、請求項11に記載の方法。
- 前記プロモーター領域がGmhsp17.6−L遺伝子に関連する、請求項13に記載の方法。
- 前記植物が、AT−挿入物の比率サイズで、プロモーター領域に存在し、過剰発現した遺伝子を有する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記植物が、AT−挿入物の比率サイズで、プロモーター領域に存在し、低(under)発現した遺伝子を有する、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記植物が線虫に耐性である、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記線虫が、優先的に根こぶ線虫メロイドギネ・ジャワニカである、請求項17に記載の方法。
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