以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係るテルハクレーン10を示す立面図である。この図に示すように、テルハクレーン10は、ニューマチックケーソン1の施工において使用される水平ジブ式クレーンであり、土砂バケット2をマテリアルシャフト3及びマテリアルロック4を通してケーソン底部の作業室5と地上の土砂ホッパー14との間で搬送する。
本実施形態に係るニューマチックケーソン1の施工では、マテリアルロック4をマテリアルシャフト3の上端に設置する。そして、ニューマチックケーソン1の沈下量の増大に合わせてマテリアルシャフト3を継ぎ足す。その際、マテリアルロック4を取り外してから、マテリアルシャフト3を上に継ぎ足し、再度、マテリアルロック4をマテリアルシャフト3の上端に設置する。
テルハクレーン10は、ニューマチックケーソン1の施工領域の近傍に設置されたマスト12と、マスト12の下部に設置された土砂ホッパー14と、マスト12の上部からマテリアルシャフト3及びマテリアルロック4の直上を通過するように水平に延びる水平ジブ20と、水平ジブ20及びマスト12に設置され、土砂バケット2を昇降させると共に水平方向に移動させる搬送機構30と、水平ジブ20をその長手方向に対して直交する水平方向に移動させる移動機構50(図11〜図16参照)とを備えている。マスト12は、四角柱状の鉄塔であり、マテリアルロック4よりも上側で水平ジブ20を支持している。
水平ジブ20は、互いに平行な一対のIビーム21がその間に配された複数の鋼材23(図3等参照)で結合された構成であり、一対のIビーム21の下側のフランジがレール22となっている。このレール22は、土砂ホッパー14の真上とマテリアルロック4の真上とを通過するように延びている。ここで、水平ジブ20は、水平ジブ20の長手方向に対して直交する水平方向へ移動可能にマスト12に支持されている。即ち、テルハクレーン10には、水平ジブ20をその長手方向に対して直交する水平方向へ移動させる機構は設置されているが、水平ジブ20を旋回させる機構は設置されていない。
搬送機構30は、レール22に沿って水平移動可能に水平ジブ20に支持された第一トロリー32及び第二トロリー34と、土砂バケット2を昇降させるための巻上機構40と、土砂バケット2を水平移動させるための横行機構80とを備えている。第一トロリー32と第二トロリー34とは、水平ジブ20の長手方向に並べて配されており、第二トロリー34が第一トロリー32よりも水平ジブ20の先端側に配されている。
図2は、第一トロリー32及び第二トロリー34を拡大して示す立面図であり、図3は、第一トロリー32及び第二トロリー34を拡大した平面図である。これらの図に示すように、第一トロリー32の上部には、各レール22毎に各組2個ずつの2組のガイドローラー32Aが設けられている。各組の2個のガイドローラー32Aは、Iビーム21のウェブを挟んで同軸に配され、2組のガイドローラー32Aは、互いに水平ジブ20の長手方向に離して配されている。この計4個のガイドローラー32Aは、レール22上に転動可能に配されており、第一トロリー32は、両側のレール22に計8個のガイドローラー32Aを介して水平移動可能に支持されている。
また、第二トロリー34の上部には、各レール22毎に2個のガイドローラー34Aが、互いに水平ジブ20の長手方向に離して配されている。この2個のガイドローラー34Aは、レール22上に転動可能に配されており、第二トロリー34は、両側のレール22に計4個のガイドローラー34Aを介して水平移動可能に支持されている。
図4は、水平ジブ20及び搬送機構30を示す立面図であり、図5は、水平ジブ20及び搬送機構30を示す平面図である。これらの図に示すように、水平ジブ20の周りには足場24や柵26が設けられている。なお、水平ジブ20の長手方向の一端側であってマスト12側を基端側、その反対側であってマテリアルシャフト3側を先端側として、以下説明する。また、図5では、後述する巻上索47、横行索88及び横行緊張索89の図示を省略している。
巻上機構40は、マスト12の上端に配された巻上ウインチ42と、水平ジブ20の長手方向中央部に配された巻上シーブ43と、水平ジブ20の基端部に配された上下一対の巻上シーブ44と、第二トロリー34に配された巻上シーブ45と、第一トロリー32に配された巻上シーブ46と、巻上シーブ43〜46に巻き掛けられ巻上ウインチ42に巻き付けられた巻上索47とを備える。巻上索47の先端は土砂バケット2に取り付けられている。巻上シーブ43〜46は、水平ジブ20の平面視での幅方向中央部に配されており、巻上索47は、水平ジブ20の平面視での幅方向中央部の上下を通るように巻上シーブ43〜46に巻き掛けられている。
また、横行機構80は、水平ジブ20上における巻上ウインチ42と巻上シーブ43との間に配された横行ウインチ82と、水平ジブ20の基端部に配された各組上下一対ずつの二組の横行シーブ83と、水平ジブ20の先端部に配された一対の横行シーブ84と、第二トロリー34に配された一対の横行シーブ85及び1個の横行緊張シーブ81と、水平ジブ20上における横行シーブ84と横行ウインチ82との間に配された一対の横行シーブ86(図4参照)と、水平ジブ20の先端部に配された過荷重防止リミットスイッチ87と、横行シーブ83〜85に巻き掛けられ横行ウインチ82に巻き付けられた一対の横行索88と、横行緊張シーブ81に巻き掛けられた横行緊張索89とを備えている。横行索88の一端は第一トロリー32に他端は過荷重防止リミットスイッチ87に固定されている。また、横行緊張索89の一端は水平ジブ20の基端下部に他端は第一トロリー32に固定されている。
横行ウインチ82は、同軸に配された一対のワービングドラムを備えるキャプスタンウインチであり、横行索88が各ワーピングドラムに巻き付けられている。また、図5に示すように、横行シーブ83〜86は、2列に並べて配されており、一方の列の横行シーブ83〜86は、一方のレール22に沿って配され、他方の列の横行シーブ83〜86は、他方のレール22に沿って配されている。一方の横行索88は、一方の列の横行シーブ83〜86に巻き掛けられ、他方の横行索88は、他方の列の横行シーブ83〜86に巻き掛けられている。
図6は、巻上索47、横行索88、及び横行緊張索89のローピング図(平面図)であり、図7(A)〜(C)は、巻上索47、横行索88、及び横行緊張索89のローピング図(立面図)である。図6及び図7(A)に示すように、巻上ウインチ42と巻上シーブ43と上側の巻上シーブ44とは、水平ジブ20の上側に配され、上下一対の巻上シーブ44は、水平ジブ20の基端部の側面に配され、巻上シーブ45、46は、水平ジブ20の下側に配されている。巻上索47は、水平ジブ20の上側において、巻上ウインチ42から水平ジブ20の先端側に延びて巻上シーブ43で水平ジブ20の基端側に方向を転換され、上側の巻上シーブ44で水平ジブ20の下側へ方向を転換される。そして、巻上索47は、下側の巻上シーブ44で水平ジブ20の先端側へ方向を転換され、第二トロリー34の巻上シーブ45で水平ジブ20の基端側へ方向を転換され、第一トロリー32の巻上シーブ46で下方へ方向を転換される。
ここで、土砂バケット2を上昇させるためには、第一トロリー32を停止させた状態で、巻上ウインチ42により巻上索47を巻き上げる必要がある。また、土砂バケット2を水平移動させるためには、第一トロリー32を横行させる必要がある。これらの動作を可能にするために、第二トロリー34が設けられると共に、以下説明するように、横行索88と横行緊張索89とのローピングが行われている。
図6及び図7(B)に示すように、横行ウインチ82と横行シーブ86とは、水平ジブ20の上側に配され、二組の横行シーブ83は、水平ジブ20の基端部の側面に配され、第二トロリー34の横行シーブ85は水平ジブ20の下側に配され、横行シーブ84は、水平ジブ20の先端部の内壁面に配されている。横行索88は、水平ジブ20の上側において、横行ウインチ82から水平ジブ20の先端側及び基端側に延び、基端側では上側の横行シーブ83で水平ジブ20の下側へ方向を転換され、先端側では横行シーブ86で横行シーブ84へ案内される。そして、横行索88は、水平ジブ20の基端側において、下側の横行シーブ83で水平ジブ20の先端側へ方向を転換され、水平ジブ20の先端側において、横行シーブ84で水平ジブ20の基端側へ方向を転換される。そして、水平ジブ20の下側において、横行索88の一端側は、下側の横行シーブ83から第一トロリー32まで延びて第一トロリー32に固定され、横行索88の他端側は、第二トロリー34の横行シーブ85で水平ジブ20の先端側へ方向を転換されて過荷重防止リミットスイッチ87に固定される。
ここで、横行索88の両端が第一トロリー32に固定されたのでは、第一トロリー32を横行させることはできても、第一トロリー32を停止させた状態で、土砂バケット2を上昇させることができない。そのため、横行索88の一端は第一トロリー32に固定され、他端側は第二トロリー34の横行シーブ85に掛けられて水平ジブ20の先端の過荷重防止リミットスイッチ87に固定される。また、以下説明するように、横行緊張索89のローピングが行われている。
図6及び図7(C)に示すように、横行緊張索89は、水平ジブ20の下側において、水平ジブ20の基端部から第二トロリー34の横行緊張シーブ81まで延び、この横行緊張シーブ81で水平ジブ20の基端側へ方向を転換されて第一トロリー32に固定される。
ここで、横行緊張索89が緊張されることによって、第一トロリー32と第二トロリー34とに対して、これらが互いに接近する方向への力が作用し、この力により、横行索88が緊張された状態になっている。なお、横行索88と横行緊張索89との緊張力が過大になった場合には、過荷重防止リミットスイッチ87が作動する。
図8は、土砂バケット2の上昇時の搬送機構30の状態を示す図である。この図に示すように、巻上索47から第二トロリー34に対して水平ジブ20の基端側への力が作用し、この力が横行索88を介して第一トロリー32に対して水平ジブ20の基端側に引張る力として作用する。すなわち、巻上ウインチ42により巻上索47が巻き上げられると、第一トロリー32に対して、水平ジブ20の基端側への力Pが作用する。
ここで、第一トロリー32には、横行緊張索89によって水平ジブ20の先端側への力Qが作用しており、この力Qと上記力Pとがつり合う。これによって、第一トロリー32を停止させた状態で、巻上ウインチ42により巻上索47を巻き上げて土砂バケット2を上昇させることができる。
図9及び図10は、土砂バケット2の水平移動時の横行機構80の状態を示す図である。図9に示すように、横行ウインチ82が図中時計周り方向(図中矢印A方向)に回転すると、横行索88から第一トロリー32に対して水平ジブ20の基端側への力Rが作用し、この力が、横行緊張索89を介して第二トロリー34に対して水平ジブ20の基端側に引張る力Sとして作用する。この際、力R、Sに対して抵抗する力は発生しないため、第一トロリー32及び第二トロリー34は、水平ジブ20の基端側へ移動する。
また、図10に示すように、横行ウインチ82が図中反時計周り方向(図中矢印B方向)に回転すると、横行索88から第二トロリー34に対して水平ジブ20の先端側への力Tが作用し、この力が、横行緊張索89を介して第一トロリー32に対して水平ジブ20の先端側に引張る力Uとして作用する。この際、力T、Uに対して抵抗する力は発生しないため、第一トロリー32及び第二トロリー34は、水平ジブ20の先端側へ移動する。また、第一トロリー32及び第二トロリー34は、共に水平ジブ20の基端側へ移動するため、横行ウインチ82と横行シーブ86との間、横行シーブ86と横行シーブ84との間、及び横行シーブ84と横行シーブ85との間において、横行索88に緩みが生じない。
ここで、図9及び図10に示すように、横行索88が巻き掛けられている第二トロリー34の横行シーブ85が動滑車であることにより、第二トロリー34の移動量は、第一トロリー32の移動量の1/2となる。即ち、第一トロリー32が、マテリアルロック4の直上と土砂ホッパー14の直上との間まで移動するのに対して、第二トロリー34は、水平ジブ20の先端近傍と水平ジブ20の長手方向中央部との間で移動する。また、第一トロリー32及び第二トロリー34は、共に水平ジブ20の先端側へ移動するため、横行ウインチ82と横行シーブ83との間において、横行索88に緩みが生じない。
図11は、移動機構50を水平ジブ20の基端側から示す立面図であり、図12は、移動機構50を示す平面図である。これらの図に示すように、移動機構50は、マスト12上に互いに平行に配された一対の鉄骨51と、一対の鉄骨51の下部に取り付けられた複数の車輪ユニット60、70とを備えている。一対の鉄骨51は、H形鋼であり、水平ジブ20の長手方向に対して直交する水平方向に延びており、それぞれ、マスト12の天端のレール12A上に車輪ユニット60、70を介して載せられている。レール12Aは、鉄骨51に対して平行に延びるH形鋼である。また、鉄骨51は、レール12Aよりも短くなっており、鉄骨51及びレール12Aは、フランジが上下に位置するように配されている。
車輪ユニット60は、鉄骨51の長手方向一端の下部に取り付けられ、車輪ユニット70は、鉄骨51の長手方向他端の下部に取り付けられている。車輪ユニット60は、車輪61と、車輪61を回転させるモータ62と、複数のガイド輪63と、クッション材64と、これらを鉄骨51の長手方向一端の下部に支持するフレーム65と、車輪の回転を止めるブレーキ機構(図示省略)とを備えている。
フレーム65は、レール12Aの上フランジをその幅方向に挟む一対の側板65Aと、一対の側板65Aの側端を結合する一対の側板65Bと、側板65A、65Bの上端を結合する上板65Cと、外側の側板65Aの上部から水平に張り出した支持板65Dとを備えている(図11参照)。上板65Cは、レール12Aの長手方向一端の下面に固定されている。
側板65A、65Bと、上板65Cとレール12Aの上フランジとで囲まれた空間に、車輪61が配されており、この車輪61は、軸受を介して一対の側板65Aに回転可能に支持されている、また、モータ62は支持板65Dの上に設置され、該支持板65Dに固定されている。ここで、モータ62は、駆動伝達機構を介して車輪61の車軸に連結されており、車輪61を回転させる。
ガイド輪63は、側板65Aに軸受を介して回転可能に支持されている。ここで、水平に並んだ一対のガイド輪63が、車輪61と共にレール12Aの上フランジをその厚み方向に挟むように配されている。これによって、車輪61は、ガイド輪63によりレール12Aの上フランジからの浮き上がりを防止される。また、車輪61は、一対の側板65Aとレール12Aの上フランジとにより該上フランジの幅方向について位置決めされる。従って、車輪61は、上下方向及びレール12Aの上フランジの幅方向に位置きめされた状態で、レール12A上をその長手方向に転動する。
また、レール12Aの上フランジの長手方向一端には、板状のストッパー66が固定されており、このストッパー66と対向する側板65Bにクッション材64が固定されている。このクッション材64は、ゴム等の衝撃吸収性能を有する棒状の部材であり、その軸線の延長線上にストッパー66が位置するように配されている。
車輪ユニット70は、車輪71と、複数のガイド輪73と、クッション材74と、これらを鉄骨51の長手方向他端の下部に支持するフレーム75と、車輪71の回転を止めるブレーキ機構(図示省略)とを備えている。
フレーム75は、レール12Aの上フランジをその幅方向に挟む一対の側板75Aと、一対の側板75Aの側端を結合する一対の側板75Bと、側板75A、75Bの上端を結合する上板75Cとを備えている。上板75Cは、レール12Aの長手方向他端の下面に固定されている。
側板75A、75Bと、上板75Cとレール12Aの上フランジとで囲まれた空間に、車輪71が配されており、この車輪71は、軸受を介して一対の側板75Aに回転可能に支持されている。また、ガイド輪73は、側板75Aに軸受を介して回転可能に支持されている。ここで、水平に並んだ一対のガイド輪73が、車輪71と共にレール12Aの上フランジをその厚み方向に挟むように配されている。これによって、車輪71は、ガイド輪73によりレール12Aの上フランジからの浮き上がりを防止される。また、車輪71は、一対の側板75Aとレール12Aの上フランジとにより該上フランジの幅方向について位置決めされる。従って、車輪71は、上下方向及びレール12Aの上フランジの幅方向に位置決めされた状態で、レール12A上をその長手方向に転動する。
また、レール12Aの上フランジの長手方向他端には、板状のストッパー76が固定されており、このストッパー76と対向する側板75Bにクッション材74が固定されている。このクッション材74は、上述のクッション材64と同様の構成であり、その軸線の延長線上にストッパー76が位置するように配されている。
なお、水平ジブ20の基端側には、水平ジブ20の先端側と基端側との重量のバランスをとるためのウエイト(不図示)が設置されており、水平ジブ20の先端側が下側に傾くことが防止されている。
図13及び図14は、水平ジブ20をその長手方向と直交する水平方向へ移動させた状態を示す立面図であり、図15は、図13に対応する平面図、図16は、図14に対応する平面図である。図13及び図15に示すように、モータ62が第一の方向に駆動されると車輪61が一方向(図13に示す反時計回り方向)に回転して、水平ジブ20がその長手方向と直交する水平方向のストッパー66側に移動する。ここで、水平ジブ20は、クッション材64がストッパー66に当たる位置まで移動できる。
一方、図14及び図16に示すように、モータ62が第二の方向に駆動されると車輪61が他方向(図14に示す時計回り方向)に回転して、水平ジブ20がその長手方向と直交する水平方向のストッパー76側に移動する。ここで、水平ジブ20は、クッション材74がストッパー76に当たる位置まで移動できる。
以上説明したように、本実施形態に係るテルハクレーン10では、マスト12がニューマチックケーソン1の近傍に設置され、水平ジブ20が、マスト12の上部から水平にマテリアルロック4の上方まで延び、搬送機構30が、土砂バケット2を、マスト12の上部と水平ジブ20の先端との間で往復させると共にマスト12内と水平ジブ20の先端とにおいて昇降させる。ここで、本実施形態に係るテルハクレーン10は、水平ジブ20をその長手方向に対して直交する横方向へ移動させる移動機構50を備えている。これにより、タワークレーンをニューマチックケーソン1の近傍に設置し、マスト12とニューマチックケーソン1との間で資材の吊下し等の吊荷作業を実施する場合に、移動機構50により水平ジブ20を吊荷の経路から退避させることで、吊荷と水平ジブ20との干渉を避けることができる。
ここで、移動機構50により水平ジブ20をその長手方向に対して直交する横方向へスライド(平行移動)させることによって、水平ジブ20を吊荷の経路から退避させることができるため、水平ジブ20を吊荷の経路から退避させる目的で旋回させる場合に比して、水平ジブ20の移動ストロークを短くすることができ、水平ジブ20を短時間で吊荷の経路から退避させることができる。さらに、水平ジブ20の設置間隔が狭い場合でも、その影響を受けることなく水平ジブ20を吊荷の経路から退避させることができ、マスト12とニューマチックケーソン1との間での吊荷作業のスペースを十分に確保することができる。
図17は、他の実施形態に係る移動機構150を水平ジブ20の基端側から示す立面図である。この図に示すように、移動機構150は、マスト12上に互いに平行に配された一対の鉄骨51と、一対の鉄骨51の下部に取り付けられた複数の車輪ユニット170と、駆動機構160とを備えている。車輪ユニット170は、鉄骨51の長手方向両端の下部に取り付けられている。車輪ユニット170は、一対の車輪171と、複数のガイド輪73と、クッション材64、74と、これらを鉄骨51の長手方向端部の下部に支持するフレーム175と、車輪171の回転を止めるブレーキ機構(図示省略)とを備えている。
フレーム175は、レール12Aの上フランジをその幅方向に挟む一対の側板175Aと、一対の側板175Aの側端を結合する一対の側板175Bと、側板175A、175Bの上端を結合する上板175Cとを備えている。上板175Cは、レール12Aの長手方向端部の下面に固定されている。
側板175A、175Bと、上板175Cとレール12Aの上フランジとで囲まれた空間に、一対の車輪171が水平に並べて配されており、この車輪171は、軸受を介して一対の側板175Aに回転可能に支持されている。ガイド輪73は、側板75Aに軸受を介して回転可能に支持されている。ここで、水平に並んだ一対のガイド輪73が、車輪171と共にレール12Aの上フランジをその厚み方向に挟むように配されている。これによって、車輪171は、ガイド輪73によりレール12Aの上フランジからの浮き上がりを防止される。また、車輪171は、一対の側板175Aとレール12Aの上フランジとにより該上フランジの幅方向について位置決めされる。従って、車輪171は、上下方向及びレール12Aの上フランジの幅方向に位置きめされた状態で、レール12A上をその長手方向に転動する。
また、クッション材64が鉄骨51の長手方向一端面に取り付けられており、その軸線の延長線上にストッパー66が位置するように配されている。また、クッション材74が鉄骨51の長手方向他端面に取り付けられており、その軸線の延長線上にストッパー76が位置するように配されている。
図17及び図18の平面図に示すように、駆動機構160は、ラック161と、モータ162と、ブラケット163とを備えている。モータ162は、鉄骨51の側部にブラケット163を介して取り付けられている。また、ラック161は、レール12Aのウェブ12Wに水平方向に延びるように設けられており、このラック161とモータ162のギヤ162Aとが噛み合っている。これにより、モータ162が駆動されると、ギヤ162Aがラック161に沿って移動することによって、水平ジブ20が、レール12A上をその長手方向へ車輪171及びガイド輪73を転動させながら移動する。
図19は、他の実施形態に係るテルハクレーン100を示す平面図である。この図に示すように、テルハクレーン100は、水平ジブ20の移動方向に間隔を空けて設置された複数のマスト12と、複数のマスト12の上部に架け渡された一対のレール112Aとを備えている。即ち、テルハクレーン100では、水平ジブ20が一のマスト12上で移動できるのみならず、一のマスト12上から他のマスト12上へ移動できる。これによって、1台の水平ジブ20で複数個所のマテリアルシャフト3及びマテリアルロック4からの排土作業を実施でき、水平ジブ20の設置台数を低減できる。
ここで、水平ジブ20がマスト12上から外れた位置(即ち、マスト12とマスト12との間)に存在する場合には、搬送機構30が作動しないように不図示の制御盤において制御される。これによって、水平ジブ20がマスト12上から外れた位置に存在する場合に、吊荷作業が実施されることにより、レール112Aのマスト12から外れた部位に過度の荷重が作用することを防止できる。
図20は、他の実施形態に係る移動機構250を水平ジブ20の基端側から示す立面図である。この図に示すように、本実施形態に係る移動機構250は、上述の実施形態のレール12Aよりも長尺のレール212Aと、レール212Aの先端とマスト12の柱12Bと連結するブラケット13とを備える。即ち、レール212Aの長さは、マスト12の水平ジブ20の移動方向に並んだ柱12Bの間隔よりも大きくなっており、水平ジブ20の移動範囲が、上述の実施形態の移動機構50よりも広くなっている。
ここで、水平ジブ20の幅は、レール212Aの長さの半分以下に設定されている。これによって、水平ジブ20をストッパー66側又はストッパー76側に最大限寄せた場合には、マスト12とニューマチックケーソン1との間の半分以上のスペースで吊荷作業が可能になる。従って、マスト12とニューマチックケーソン1との間のスペースの全域において、吊荷作業が可能になる。
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、上述の実施形態では、レール上を転動する車輪を設けたが、鉄骨51の下部に球状の転動体を設ける等してもよい。
また、上述の実施形態では、マスト12の上部に移動機構50を設けてマスト12の上部において水平ジブ20を移動させるように構成したが、マスト12の中間部に移動機構50を設けてマスト12の中間部において水平ジブ20及びマスト12の一部を一体的に移動させるように構成してもよい。この場合、搬送機構30及び横行機構80と移動機構50との干渉を容易に回避できる。