JP2015101241A - 車両用衝突検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、フレキシブルチューブセンサによる衝突検知範囲をバンパビームの終端を越えて広く設定することができるようにする。
【解決手段】バンパビーム13と衝撃吸収材15aとでフレキシブルチューブセンサ21のフレキシブルチューブを挟持し、又バンパビーム13と衝撃吸収材15aとの終端にバンパビーム張出し部材22とEA張出し部材23とを各々連設し、これをバンパサイド部付近まで延在させる。EA張出し部材23は上部張出し部24と下部張出し部25とに二分割されており、その対向面24a,25aにてフレキシブルチューブ21aの両端部を挟持する。衝突物26がバンパサイド部3bに衝突すると、両張出し部24,25の後部に形成されているテーパ面24b,25bがバンパビーム張出し部材22の上下開口端部22bにガイドされながら後退し、対向面24a,25aにてフレキシブルチューブの上下が圧潰される。
【選択図】図5

Description

本発明は、衝突検知チューブによる衝突検知範囲をバンパ補強材の終端を越えて広く設定するようにした車両用衝突検知装置に関する。
従来、車両が歩行者に衝突したことを検知した場合、アクティブフードやカウルエアバッグを作動させて歩行者を保護し、又、衝撃力の大きな衝突(重衝突)を検知した場合は、ステアリングハンドルやインストルメントパネルに設けたエアバッグを展開させて乗員を保護する技術が知られている。
車両が衝突物に衝突したことを検知する技術として、例えば特許文献1(特許第4005255号公報)には、フロントパンパに対し車幅方向に沿って非圧縮性の流体が封入された衝突検知チューブを配設し、この衝突検知チューブ内の圧力変化、すなわち衝撃力を圧力センサで検出する技術が開示されている。
又、同様の技術として、特許文献2(特許第5013157号公報)には、衝突検知チューブ内を空間とし、この空間内に封入されている空気の圧力変化をエアフロセンサで検出する技術が開示されている。
特許第4005255号公報 特許第5013157号公報
上述した文献に開示されている技術は、その何れもが衝突検知チューブ内の圧力変化から衝突を検知するものであるため、この衝突検知チューブにかかる衝撃力を受けるバンパ補強材(バンパビームやリンフォース)は、反力を支持する部材として不可欠である。そのため、衝突検知チューブの感圧範囲はバンパ補強材の延在領域に限定され、このバンパ補強材の終端を越えて車幅方向へ広く設定することはできない。
従って、衝突検知チューブの感圧範囲を車幅方向へ広げるには、バンパ補強材を車幅方向へ広く設定する必要があり、設計変更を行うなど構造が複雑化するばかりでなく、既存の車両に簡単に増設することができず、汎用性に欠ける問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、簡単な構造で、衝突検知チューブによる衝突検知範囲をバンパ補強材の終端を越えて広く設定することができ、高い汎用性を得ることのできる車両用衝突検知装置を提供することを目的とする。
本発明は、フレームに固定されて車体左右方向へ延在するバンパ補強材と、前記バンパ補強材の反車体側に配設されたバンパフェースと、前記バンパ補強材と前記バンパフェースとの間に設けた衝撃吸収材と、前記バンパ補強材と前記衝撃吸収材との間に該バンパ補強材の延在方向に沿って配設する衝突検知チューブ及び該衝突検知チューブの内圧変化を検出する圧力検出手段を有する衝突圧検出手段とを備える車両用衝突検知装置において、前記バンパ補強材の終端に連設するバンパ補強材張出し部材と、前記衝撃吸収材の終端に連設されて前記バンパ補強材張出し部材に対向する衝撃吸収材張出し部材とを有し、前記衝撃吸収張出し部材が上部張出し部と下部張出し部とに二分割され、該両張出し部の対向面間に前記衝突検知チューブが挟持され、前記両張出し部の車体側端部と前記衝撃吸収張出し部材に形成されている開口端部とが摺接されていると共に少なくとも一方に車体側へ互いに収束する方向に傾斜するテーパ面が形成されている。
本発明によれば、衝撃吸収材の終端に連設する衝撃吸収材張出し部材を上部張出し部と下部張出し部とに二分割し、その対向面に衝突圧検出手段の衝突検知チューブを挟持させ、又、両張出し部の車体側端部と、これに摺接する衝撃吸収張出し部材に形成されている開口端部との少なくとも一方に、車体側へ収束する方向に傾斜するテーパ面を形成したので、バンパフェースに衝突物が衝突した際には、テーパ面にガイドされて両衝撃吸収張出し部材の対向面が互いに近接する方向へ移動し、衝突検知チューブの上下が圧潰される。その結果、バンパ補強材を反力支持部材として機能させる必要がなくなり、その分、構造の簡素化が実現でき、衝突検知チューブによる衝突検知範囲をバンパ補強材の終端を越えて広く設定することができ、高い汎用性を得ることができる。
フロントバンパにフレキシブルチューブセンサを配設した車両の要部正面図 図1のII-II断面図 図1のIII-III断面図 図2のIV-IV断面図であって、(a)は衝突前の断面図、(b)衝突時の断面図 (a)は衝撃吸収材の要部斜視図、(b)はバンパビームとその終端に設けたバンパビーム張出し部材の斜視図 衝突判定ユニットの概略構成図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1〜図3に示すように、車両の一例である自動車の車体前部1は、最前部にフロントバンパ3が設けられ、このフロントバンパ3の上方にフロントグリル4が設けられており、その後方にエンジンルームが設けられている。更に、車体前部1の上部にフロントフード5が設けられ、このフロントフード5にて、エンジンルームの上部が開閉自在に覆われている。
又、エンジンルームの前部に、エンジンの冷却系を構成する熱交換器(以下、「ラジエータ」と称する)7が配設され、更に、このラジエータ7の前方に、エアコンの冷凍サイクルを構成する熱交換器(以下、「コンデンサ」と称する)8が配設されている。このラジエータ7とコンデンサ8とが、正面視で矩形枠状に形成されているラジエータパネル9に固設されている。更に、このラジエータパネル9の両側のフレームが車幅方向左右に配設されて車体の前後方向へ延出する一対のフロントサイドフレーム12に固設されている。
フロントバンパ3は、車体前面、すなわち反車体側に配設されて造形の一部として機能するバンパフェース11と、このバンパフェース11の後面に、このバンパフェース11に沿って車幅方向に延在した状態で配設されているバンパ補強部材としての上部バンパビーム13とを有し、この上部バンパビーム13の両側背面にフロントサイドフレーム12の前面が固設されている。又、この上部バンパビーム13の下方にバンパ補強部材としての下部バンパビーム14が配設されている。
更に、バンパフェース11の内面と下部バンパビーム14との間に下部衝撃吸収材15bが介装され、又、バンパフェース11の内面と上部バンパビーム13との間に上部衝撃吸収材15aが配設されている。この両衝撃吸収材15a,15bは、衝撃エネルギの吸収効果を有する硬質ウレタンフォーム等の発泡樹脂材料によって一体形成されている。尚、符号3aは、フロントバンパ3に開口されている下部導風口3aである。
又、上部衝撃吸収材15aの背面と上部バンパビーム13の前面との間に、衝突圧検出手段としてのフレキシブルチューブセンサ21を構成する衝突検知チューブとしてのフレキシブルチューブ21aが挟持されていると共に上部バンパビーム13に沿って車幅方向へ延在されている。このフレキシブルチューブ21aは、圧潰自在な柔軟性を有していると共に内圧が上昇しても直径が膨らむことのない非膨出性を有しており、例えばシリコンゴムに、編組或いは螺旋状に巻かれた繊維補強材が含浸されて形成されている。更に、このフレキシブルチューブ21aは上部衝撃吸収材15aよりも軟質であり、従って、上部衝撃吸収材15aは、前方からの衝突荷重を受けて後退した際に、自身が変形することなくフレキシブルチューブ21aを圧潰させることができる。
又、このフレキシブルチューブ21aの左右端部に圧力検出手段としての左圧力センサ21lと右圧力センサ21rとが気密を保持した状態で各々取付けられている。このフレキシブルチューブ21aの両端は、各圧力センサ21l,21rによって密閉されているため、フレキシブルチューブ21aが圧潰された際の内圧上昇は、この左右圧力センサ21l,21rにて検出される。尚、このフレキシブルチューブ21a内には、空気や窒素ガス等の気体、或いは非圧縮性の流体が封入されている。
又、図2に示すように、フレキシブルチューブ21aの両端は、上部バンパビーム13の終端を越えて、その端縁がフロントフェンダ(図示せず)に接合されるバンパサイド部3bまで延出されている。尚、各圧力センサ21l,21rは、車体のシャーシフレーム(図示せず)等に、直接、或いはブラケット等を介して固定されている。
上部バンパビーム13の終端にはバンパ補強材張出し部材としてのバンパビーム張出し部材(以下、「ビーム張出し部材」と称する)22が連結されている。このビーム張出し部材22はバンパサイド部3b付近まで、バンパフェース11の内周に沿って延在されている。尚、このビーム張出し部材22は、上部バンパビーム13と一体に形成されていても良く、或いは別体であっても良い。ビーム張出し部材22が上部バンパビーム13と別体に形成されている場合は、樹脂等、上部バンパビーム13とは異なる材質で形成することができる。
又、上部衝撃吸収材15aの終端に、衝撃吸収材張出し部材(以下、「EA張出し部材」と称する)23が一体に形成されており、このEA張出し部材23はバンパサイド部3b付近まで延出されている。
図4、図5に示すように、EA張出し部材23は上下に二分割された上部張出し部24と下部張出し部25とを有し、この両張出し部24,25の対向面24a,25a間にてフレキシブルチューブ21aが挟持されている。尚、図2では、対向面25aを便宜的に梨地ハッチングで示している。
又、この上部張出し部24の上面、及び下部張出し部25の下面に、車体側である後端部へ互いに収束する方向へ傾斜するテーパ面24b,25bが形成されている。一方、ビーム張出し部材22は、前方へ開口する縦断面ハット形に形成され、上下にフランジ部22aが曲げ形成されており、図4(a)に示すように、この開口部に両張出し部材23,25の後端部が臨まされ、そのテーパ面24b,25bが、R面に形成されている上下の開口端部22bに摺接されている。尚、図4の符号26は衝突物であり、歩行者、対向車含む構造物等を想定している。
又、図6に示すように、左右圧力センサ21l,21rは、周知のマイクロコンピュータからなる衝突判定手段としての衝突判定ユニット(ECU)31に接続されており、この衝突判定ユニット31は左右圧力センサ21l,21rで検出したフレキシブルチューブ21a内の圧力変化に基づき、車体前部1が衝突物26に衝突したか否かを検知すると共に、衝突物26の種別を判定する。そして、衝突物26が歩行者であると判定した場合、歩行者保護ユニット32に動作信号を送信して歩行者保護機構(フード跳ね上げ機構や歩行者用エアバグ)32を動作させる。又、衝突物26が構造物であると判定した場合、乗員保護用エアバッグユニット33に動作信号を送信し、エアバッグを展開させる。
次に、このような構成による車両用衝突検知装置の動作について説明する。車体前部1に衝突物26が正面衝突すると、バンパフェース11が、その内面に配設されている上部衝撃吸収材15aを押圧して後退させ、上部衝撃吸収材15aの背面がフレキシブルチューブセンサ21のフレキシブルチューブ21aを押圧する。すると、このフレキシブルチューブ21aは、上部衝撃吸収材15aの背面とバンパビーム13との間に挟まれて圧潰されて内圧が上昇する。この内圧は左右の圧力センサ21l,21rで検出され、図示しない衝突検知ユニットに送信され、衝突検知ユニットにて圧力上昇の変化特性から衝突物26が歩行者か構造物かを判定し、歩行者の場合、歩行者保護機構を動作させる。又、衝突物26が構造物であると判定した場合は、乗員保護用エアバッグを展開させる。
一方、図4(a)に示す衝突物26が車体前部1にオフセット衝突や斜突(斜め前方からの衝突)すると、バンパサイド3bに衝撃荷重が印加され、バンパフェース11の内面に配設されている、上部張出し部24と下部張出し部25とからなるEA張出し部材23が押圧されて後方へ後退する。すると、図4(b)に示すように、両張出し部24,25は、後部に形成されているテーパ面24b,25bがビーム張出し部材22の上下開口端部22bにガイドされて、両対向面24a,25aが互いに近接する方向へ移動し、この対向面24a,25a間に挟持されているフレキシブルチューブ21aの上下が圧潰される。
その結果、フレキシブルチューブ21aの内圧が上昇し、その圧力上昇が左右圧力センサ21l,21rでそれぞれ検出される。その際、例えば、車体左側のバンパサイド3bに衝突物26が衝突した場合、圧力上昇は左圧力センサ21lが右圧力センサ21rよりも早く検知される。又、その逆の場合は、右圧力センサ21rが左圧力センサ21lよりも早く圧力上昇を検知する。従って、衝突判定ユニット31では、この両圧力センサ21l,21rの圧力上昇の位相ずれを分析することで、左右何れのバンパサイド3bに衝突物26が衝突したかを判断することができると共に、圧力上昇の変化特性から衝突物26が歩行者か構造物かを判定することもできる。そして、衝突物26が構造物と判定した場合、乗員保護用エアバッグを展開させると共に、必要に応じて、衝突した側のサイドエアバッグを展開させる。
このように、本実施形態では、フレキシブルチューブ21aによる衝突検知領域をバンパビーム13の終端を越えてバンパサイド3bまで延在させたので、フレキシブルチューブセンサ21による衝突検知領域を広く確保することができ、その結果、1つのフレキシブルセンサ21でオフセット衝突や斜突をも検出することができ、構造の簡素化を実現することができる。
又、バンパビーム13の終端を越えた領域は、フレキシブルチューブ21aを、EA張出し部材23に設けられている上下一対の張出し部24,25の対向面24a,25aで圧潰するようにしたので、このEA張出し部材23の背面を、バンパビーム13で支持して反力を受ける必要がなくなり、より一層の構造の簡素化が実現できる。更に、ビーム張出し部材22は後付けが可能であるため、高い汎用性を得ることができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば、本実施形態による構造はリヤバンパに適用することも可能である。又、ビーム張出し部材22の上下開口端部22bは、上下張出し部24,25に形成されているテーパ面24b,25bに摺接するテーパ面に形成されていても良い。或いは、この上下開口端部22bをテーパ面とし、これに押圧される上下張出し部24,25のテーパ面24b,25bをエッジ又はR面としても良い。
1…車体前部、
3…フロントバンパ、
3b…バンパサイド部、
11…バンパフェース、
12…フロントサイドフレーム、
13…上部バンパビーム、
15a…上部衝撃吸収材、
21…フレキシブルチューブセンサ、
21a…フレキシブルチューブ、
21l…左圧力センサ、
21r…右圧力センサ、
22…バンパビーム張出し部材、
22b…開口端部、
23…衝撃吸収材張出し部材、
24…上部張出し部、
24a,25a…対向面、
24b,25b…テーパ面、
25…下部張出し部、
26…衝突物、
31…衝突判定ユニット

Claims (4)

  1. フレームに固定されて車体左右方向へ延在するバンパ補強材と、
    前記バンパ補強材の反車体側に配設されたバンパフェースと、
    前記バンパ補強材と前記バンパフェースとの間に設けた衝撃吸収材と、
    前記バンパ補強材と前記衝撃吸収材との間に該バンパ補強材の延在方向に沿って配設する衝突検知チューブ及び該衝突検知チューブの内圧変化を検出する圧力検出手段を有する衝突圧検出手段と
    を備える車両用衝突検知装置において、
    前記バンパ補強材の終端に連設するバンパ補強材張出し部材と、
    前記衝撃吸収材の終端に連設されて前記バンパ補強材張出し部材に対向する衝撃吸収材張出し部材とを有し、
    前記衝撃吸収張出し部材が上部張出し部と下部張出し部とに二分割され、該両張出し部の対向面間に前記衝突検知チューブが挟持され、
    前記両張出し部の車体側端部と前記衝撃吸収張出し部材に形成されている開口端部とが摺接されていると共に少なくとも一方に車体側へ互いに収束する方向に傾斜するテーパ面が形成されている
    ことを特徴とする車両用衝突検知装置。
  2. 前記バンパ補強材張出し部材と前記衝撃吸収材張出し部材とが前記バンパフェースのバンパサイド部に延在されている
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用衝突検知装置。
  3. 前記テーパ面は前記上部張出し部と前記下部張出し部との前記車体側端部に形成されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載の車両用衝突検知装置。
  4. 前記圧力検出手段は前記衝突検知チューブの左右端部に各々取付けられていると共に、
    前記両圧力検出手段で検出した圧力変化を分析する衝突判定手段を有し、
    前記衝突判定手段は前記各圧力検出手段出検出した圧力特性の位相ずれから衝突物が左右何れの前記バンパサイド部に衝突したかを分析する
    ことを特徴とする車両用衝突検知装置。
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