JP2015093275A - Mig溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電着塗装される母材を溶接するMIG溶接方法において、塗料の未付着や、付着した塗料の剥離による母材表面の錆の発生を確実に防止できるようにする。【解決手段】シールドガスとして酸化成分の多いCO2ガス100%を使用し、溶接線2に沿って溶接ワイヤ6を移動させて酸化物質を含む補助ビード4を予め形成しておき、その後シールドガス7としてArガス100%を使用して、補助ビード4に沿って溶接ワイヤ6を移動させて補助ビード4よりも幅広で嵩高い溶接ビード8を形成する。そのため、溶接線2に沿った補助ビード4に含まれる酸化物質によりアークAを誘導しつつ、アークAを溶接線2のとおりに移動させて溶接ビード8を蛇行することなく形成することができ、安定したアークAによりスラグのない溶接ビード8を形成することができ、その後に母材1を電着塗装しても塗料の未付着や剥離が生じることもなく、高品質な塗装を行うことができる。【選択図】図3
Description
本発明は、電着塗装される母材を、所定の溶接線に沿って溶接するMIG溶接方法に関する。
通常、自動車のボデーを構成する外板面は、鋼板をプレスおよび溶接することにより所定形状に加工されて形成され、この場合の溶接には、炭酸ガス(CO2ガス)や、アルゴン(Ar)とCO2との比率が8:2のMAG(Metal Active Gas)をシールドガスとして用いるアーク溶接を適用するのが一般的である。
ところが、CO2ガスやMAGを用いたアーク溶接の場合、形成された溶接ビード上に酸化物であるスラグが生じ、このスラグが絶縁物であるために、その後にボデーを電着塗装すると、溶接ビード上に塗料が付着し難く、せっかく付着しても付着力が弱く塗料が剥離し易いため、自動車ボデーの外板面の錆の発生を招くという問題があった。
そこで、電着塗装が必要な母材の溶接方法として、CO2ガスやMAGを用いたアーク溶接によるスラグの発生を低減或いは防止するために、シールドガスに含まれる酸化成分を除去し、Arガス100%をシールドガスとしたMIG(Metal Inert Gas)溶接を適用することが考えられるが、この場合、アークが溶接母材であるボデー用鋼板の外板表面上で電子を放出しやすい酸化物を求めて激しく動き回るため、図6に示すように、母材Wに形成される溶接ビードBが所定の溶接線からずれて大きく蛇行するという不都合が生じる。
このような不都合を解消するために、従来、母材表面にMnOおよびSiO2が1:1の混合物である酸化物系物質を溶接線に沿って塗布し、MIG溶接におけるアークを誘導し、溶接ビードの蛇行を防止することが考えられている(例えば、特許文献1)。
しかし、上記した特許文献1の方法では、塗布した酸化物系物質はスラグと同等であり、溶接ビードに塗布した酸化物系物質が残存すると、母材であるボデー用鋼板を電着塗装したときに、塗料の未付着や付着した塗料の剥離が生じ、その結果、自動車ボデーの外板面の錆の発生を防止できないという問題点がある。
本発明は、電着塗装される母材を溶接するMIG溶接方法において、塗料の未付着や、付着した塗料の剥離による母材表面の錆の発生を確実に防止できるようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のMIG溶接方法は、電着塗装される母材を、所定の溶接線に沿って溶接するMIG溶接方法において、シールドガスとして酸化成分の多いガスを使用し、前記溶接線に沿って溶接ワイヤを移動させて酸化物質を含む補助ビードを形成し、その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、前記補助ビードに沿って前記溶接ワイヤを移動させて前記補助ビードよりも幅広で嵩高い溶接ビードを形成することを特徴としている(請求項1)。
また、前記溶接線に沿って傷を作り、該傷部分に酸化膜を形成し、その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、前記酸化膜に沿って前記溶接ワイヤを移動させて溶接ビードを形成するようにしてもよい(請求項2)。
請求項1に係る発明によれば、シールドガスとして酸化成分の多いガスを使用し、溶接線に沿って溶接ワイヤを移動させて酸化物質を含む補助ビードを予め形成しておき、その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、補助ビードに沿って溶接ワイヤを移動させて補助ビードよりも幅広で嵩高い溶接ビードを形成するため、溶接線に沿った補助ビードに含まれる酸化物質によりアークを誘導しつつ、アークを溶接線どおりに移動させて溶接ビードを蛇行することなく形成することができ、安定したアークによりスラグのない溶接ビードを形成することが可能になり、その後に母材を電着塗装しても塗料の未付着や剥離が生じることもなく、高品質な塗装を行うことができる。このとき、補助ビードおよび溶接ビードの形成を溶接ロボットにより行う場合に、シールドガスを切り替えることによって1台の溶接ロボットにより補助ビードおよび溶接ビードを形成することができ、低コストで済む。
また、請求項2に係る発明によれば、溶接線に沿って傷を作り、該傷部分に酸化膜を予め形成しておき、その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、酸化膜に沿って溶接ワイヤを移動させて溶接ビードを形成するため、溶接線に沿った傷の酸化膜によりアークを誘導しつつ、アークを溶接線どおりに移動させて溶接ビードを蛇行することなく形成することができ、安定したアークによりスラグのない溶接ビードを形成することができ、その後に母材を電着塗装しても塗料の未付着や剥離が生じることもなく、高品質な塗装を行うことが可能になる。この場合も、1台の溶接ロボットにより、傷の形成と、その後の溶接ビードの形成とを行うことができ、低コストで済む。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。
シールドガスとしてAr(アルゴン)ガス100%を用いたMIG溶接を行うのに先立ち、図1に示すように、自動車のボデー用鋼板などの母材1の溶接すべき所定の溶接線2に沿って、シールドガス3として酸化成分の多いガスである例えば炭酸ガス(CO2ガス)100%を本溶接による溶接ビードよりも小さい補助ビード4を予め形成しておく。この補助ビード4には、CO2ガスによる酸化物質が含まれるため、次工程でArガス100%のMIG溶接を行う場合に、発生するアークを補助ビード4に含まれる酸化物により誘導することができる。
このとき、溶接ロボットによる溶接を行うものとすると、ロボットに対して溶接線2のティーチングを行い、CO2ガス100%をシールドガス3として、ロボットアーム先端部に配設された溶接トーチ5の溶接ワイヤ6から母材1に向かってアークAを発生させ、ティーチングした溶接線2に沿ってロボットアームが動くように制御することにより、溶接ワイヤ6の先端から発生するアークAが溶接線2のとおりに移動し、補助ビード4が形成されていく。
次に、シールドガス3をCO2ガス100%から、Arガス100%のシールドガス7に切り替え、予め形成した補助ビード4に沿ってロボットアームが動くように制御すると、ロボットアーム先端部に配設された溶接トーチ5の溶接ワイヤ6の先端から発生するアークAが、補助ビード4に含まれる酸化物質に誘導され、ワイヤ6が溶融しつつアークAが補助ビード4に沿って移動することにより、補助ビード4の上に重なって補助ビード4よりも幅広で嵩高い溶接ビード8が形成される。
したがって、上記した第1実施形態によれば、シールドガス3として酸化成分の多いCO2ガス100%を使用し、溶接線2に沿って溶接ワイヤ6を移動させて酸化物質を含む補助ビード4を予め形成しておき、その後シールドガス7としてArガス100%を使用して、補助ビード4に沿って溶接ワイヤ6を移動させて補助ビード4よりも幅広で嵩高い溶接ビード8を形成するため、溶接線2に沿った補助ビード4に含まれる酸化物質によりアークAを誘導しつつ、アークAを溶接線2のとおりに移動させて溶接ビード8を蛇行することなく形成することができ、安定したアークAによりスラグのない溶接ビード8を形成することができる。その結果、その後に母材1を電着塗装しても塗料の未付着や剥離が生じることもなく、高品質な塗装を行うことができる。
このとき、補助ビード4および溶接ビード8の形成を、シールドガスの切り替えを行うだけで1台の溶接ロボットによって行うことができて低コストで済み、母材1である自動車ボデーを非常に安価で高品質に電着塗装することが可能になる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図4および図5を参照して詳細に説明する。
本発明の第2実施形態について、図4および図5を参照して詳細に説明する。
第2実施形態において、上記した第1実施形態と異なるのは、補助ビード4を形成することに代え、図4に示すように、母材1の溶接線2に沿って溶接ロボットのワイヤ6により傷10を形成しておき、この状態で母材1を暫らく放置するなどして傷10部分に酸化膜を形成させるようにした点である。ここで、ワイヤ6により傷10を形成する際に、水分や酸素を吹き付けるなどして酸化を促進させるのが好ましい。
そして、溶接線2に沿った傷10部分に酸化膜を形成した母材1に対し、傷10に沿ってロボットアームが動くように制御しつつ、シールドガス11としてArガス100%を用いたMIG溶接を行う。このとき、ロボットアーム先端部に配設された溶接トーチ5の溶接ワイヤ6の先端から発生するアークAが、傷10の酸化膜に含まれる酸化物質に誘導され、ワイヤ6が溶融しつつアークAが傷10に沿って移動することにより、溶接線2のとおりの傷10に沿って溶接ビード12が形成されていく。
したがって、上記した第2実施形態によれば、溶接線2に沿って傷10を作り、この傷10部分に酸化膜を予め形成しておき、その後シールドガス11としてArガス100%を使用し、傷10の酸化膜に沿って溶接ワイヤ6を移動させて溶接ビード12を形成するため、溶接線2に沿った傷10の酸化膜によりアークAを誘導しつつ、アークAを溶接線2どおりに移動させて溶接ビード12を蛇行することなく形成することができ、安定したアークAによりスラグのない溶接ビード12を形成することができる。その結果、その後に母材1を電着塗装しても塗料の未付着や剥離が生じることもなく、高品質な塗装を行うことが可能になる。この場合も、第1実施形態と同様、1台の溶接ロボットにより、傷10の形成と溶接ビード12の形成とを行うことができ、低コストで済む。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能である。
例えば、上記した第1実施形態では、CO2ガス100%をシールドガス3としてアークAを発生させることにより補助ビード4を形成した場合について説明したが、このときのシールドガス3は、CO2ガス100%に限定されるものではなくその他の酸化成分の多いガスを用いればよい。
また、上記した両実施形態では、母材1を自動車のボデー用鋼板として説明したが、母材1はボデー用鋼板に限るものではなく、要するに電着塗装される母材に対して本発明を適用することが可能である。
1 …母材
2 …溶接線
3 …シールドガス(CO2ガス)
4 …補助ビード
6 …溶接ワイヤ
7,11 …シールドガス(Arガス)
8,12 …溶接ビード
10 …傷
A …アーク
2 …溶接線
3 …シールドガス(CO2ガス)
4 …補助ビード
6 …溶接ワイヤ
7,11 …シールドガス(Arガス)
8,12 …溶接ビード
10 …傷
A …アーク
Claims (2)
- 電着塗装される母材を、所定の溶接線に沿って溶接するMIG溶接方法において、
シールドガスとして酸化成分の多いガスを使用し、前記溶接線に沿って溶接ワイヤを移動させて酸化物質を含む補助ビードを形成し、
その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、前記補助ビードに沿って前記溶接ワイヤを移動させて前記補助ビードよりも幅広で嵩高い溶接ビードを形成する
ことを特徴とするMIG溶接方法。 - 電着塗装される母材を、所定の溶接線に沿って溶接するMIG溶接方法において、
前記溶接線に沿って傷を作り、該傷部分に酸化膜を形成し、
その後シールドガスとしてアルゴンガス100%を使用して、前記酸化膜に沿って前記溶接ワイヤを移動させて溶接ビードを形成する
ことを特徴とするMIG溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013231907A JP2015093275A (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | Mig溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015093275A true JP2015093275A (ja) | 2015-05-18 |
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JP (1) | JP2015093275A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017047898A1 (ko) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | 창원대학교 산학협력단 | 미그 용접 시스템 |
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2013
- 2013-11-08 JP JP2013231907A patent/JP2015093275A/ja active Pending
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