JP2015087359A - 装飾被膜 - Google Patents

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文隆 吉永
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Abstract

【課題】レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜に、銀または銀合金の微粒子を用いた場合であっても、装飾被膜の退色を十分に抑えることができる装飾被膜を提供する。【解決手段】レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜であって、該装飾被膜は、該装飾被膜内に分散した銀または銀合金の微粒子と、該銀または銀合金の微粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えており、前記装飾被膜は、CIE1976表色系に規定される表色系(L*,a*,b*)において、クロマティクネス指数a*が−1.5〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数b*が−1.6〜3.6の範囲にある。【選択図】図5

Description

本発明は、樹脂基材の表面に形成される装飾被膜であって、特に耐侯性に優れた装飾被膜に関する。
従来から、自動車などの車両には、その前方の障害物または車両との距離を測定すべく、その前部の中心位置にミリ波レーダなどのレーダ装置が搭載されている。レーダ装置から照射されるたとえばミリ波などの電波はフロントグリルや車両製造会社のエンブレムを介して前方に放射され、前方車両や前方障害物などの対象物で反射され、この反射波がフロントグリル等を介してレーダ装置に戻るようになっている。
したがって、フロントグリルやエンブレムなどのレーダ装置のビーム経路に配置される箇所には、電波透過損失が少なく、しかも所望の美観を付与できる材料や塗料が用いられることが多く、樹脂基材の表面に装飾被膜を形成することが一般的になされている。
一方、従来から銀被膜は可視光反射率が高く、赤外線遮蔽性に優れていることから、各種用途に用いられている。さらに、銀被膜は電波遮蔽性にも優れていることから、例えば電波によって誤作動を生じる電子機器類を外部の電波から保護したり、あるいは、電子機器類から生じる電波の放射を抑止したりすることができることから、電波シールド被膜として用いられることもある。
たとえば、特許文献1には、ビスマス(Bi)および/またはアンチモン(Sb)を0.01〜10at%含有する電波シールド用銀合金膜が開示されている。この電波シールド用銀合金膜には、透明誘電体被膜が形成されており、この皮膜にピンホールや傷等の欠陥部が形成されて、直接的に銀合金膜に晒された場合であっても、銀の凝集が生じ難いとされている。
特開2004−263290号公報
しかしながら、たとえば、レーダ装置経路内に位置するエンブレムなどの樹脂基材の表面に、意匠性を高めるために銀を用いる場合、たとえば特許文献1の如く、樹脂基材を銀被膜で覆ってしまうと、レーダ装置からのミリ波などの電波が透過し難くなってしまう。このことから、たとえば銀の微粒子とこれを結合する結合樹脂とともに、装飾被膜として基材表面に被覆することが考えられる。
このような場合、装飾被膜中のこれらの銀の微粒子が大気に直接さらされなくとも、継時的に使用することにより銀の微粒子を含む装飾被膜が変色してしまい、たとえ、銀とビスマスを添加した銀合金の微粒子を用いたとしても、高輝度な外観を有する装飾被膜の変色を十分に抑えることができなかった。
本発明はこのような点を鑑みてなされたものであり、その目的とすることころは、レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜に、銀合金の微粒子を用いてこれを結合樹脂で結合した場合であっても、装飾被膜の変色を十分に抑えることができる装飾被膜を提供することにある。
そこで、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、銀または一般的な銀合金の微粒子とこれらを結合する結合樹脂の表面では、表面プラズモン共鳴吸収が起因して、装飾被膜が変色するとの知見を得た。すなわち、図7(a)に示すように、装飾被膜に光が照射されると、光によるエネルギーにより銀および銀合金の微粒子ばかりでなくこれらを結合する結合樹脂も振動し、銀および銀合金の微粒子の内部の自由電子が移動し、銀または銀合金の微粒子が分極しやすくなると考えた。
このようにして、図7(b)に示すように、銀または銀合金の微粒子さらには結合樹脂の表面において、表面プラズモン・ポラトリンと呼ばれる表面電磁波が発生し、光の特定波長が吸収され、これにより、特に銀または銀合金の微粒子のエネルギーが増幅され易くなる(表面プラズモン共鳴吸収)。
このような結果、銀または銀合金の微粒子の場合には微粒子周辺の構成物質が増幅エネルギーを受けやすくなり、装飾被膜の変色を招くとの新たな知見を得た。したがって、表面プラズモン共鳴吸収が生じ難い銀または銀合金微粒子と結合樹脂との組み合わせを選定することが重要であると考え、これらの組み合わせとして、表面プラズモン共鳴吸収に装飾被膜の色彩が起因すると考えた。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、本発明に係る装飾被膜は、レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜であって、該装飾被膜は、該装飾被膜内に分散した銀合金の微粒子と、該銀合金の微粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えており、前記装飾被膜は、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲にあることを特徴とする。
ここで、装飾被膜は、装飾被膜内に分散した銀合金の微粒子と、銀合金の微粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えた構造であるので、外観上は金属光沢を持ちつつ、電波透過性(電気的絶縁性)を有する被膜となる。
ここで、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数a,bが0に近いほど無彩色に近づき、装飾被膜は、この無彩色から所定の範囲、すなわち、クロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲にあれば、表面プラズモン共鳴吸収が抑制される(光エネルギーの吸収は抑制される)ため、継時的な光の照射による銀または銀合金の微粒子の周辺物質が受けるエネルギーが抑えられ、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
すなわち、クロマティクネス指数aが、−1.6未満である場合には、装飾被膜の色が緑色に近づき、クロマティクネス指数aが、1.5を超える場合には、装飾被膜の色が赤色に近づき言い換えれば、結合樹脂を介して、銀合金の微粒子に表面プラズモン共鳴吸収により光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
一方、クロマティクネス指数bが、−1.5未満である場合には、装飾被膜の色が青色に近づき、クロマティクネス指数bが、3.6を超える場合には、装飾被膜の色が黄色に近づき、すなわちこの場合も、表面プラズモン共鳴吸収により、銀または銀合金の微粒子に結合樹脂を介して光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
ここで、より好ましくは、前記銀合金は、銀とニッケルとの合金からなる。この態様によれば、銀合金のうちでも、これらの合金は、他の金属に比べて、光の特定波長における表面プラズモン共鳴吸収が抑制され易く、装飾被膜がクロマティクネス指数a,bの範囲に収まり易い。
より好ましい態様としては、銀合金の微粒子の平均粒径は、2〜200nmである。銀合金の微粒子の平均粒径が200nmよりも大きな場合に、銀合金の微粒子が凝集し易く、このことに起因して銀光沢が低下し易いことが分っており、このことより、銀合金の平均粒径の望ましい範囲として200nm以下を規定したものである。また、銀合金の微粒子の平均粒径が2nm未満の場合には、装飾被膜に入射された光が反射され難い。
特に、銀合金の微粒子がナノサイズであることから、この態様の場合には、局在表面プラズモン共鳴吸収と呼ばれる現象により光が吸収され易いが、このような形態においても、第1および第2の発明に係る合金組成比の銀合金の微粒子により、光エネルギーの吸収が抑制されるので、このようなサイズの銀合金の微粒子を用いたとしても、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
さらに、好ましい態様としては、第1および第2の発明に係る前記銀合金の結晶子径が2nm〜98nmの範囲にある。ここで、結晶子径が2nm未満である場合、装飾被膜に入射された光が反射され難い。一方、結晶子径98nmを超えた場合、装飾被膜に電波(電磁波)が透過し難くなる。
本発明によれば、レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜に、銀合金の微粒子を用いた場合であっても、装飾被膜の退色を十分に抑えることができる。
本発明の実施形態に係る装飾被膜を説明した模式図である。 図1に示す装飾被膜の構成を説明するための模式図である。 車両前方のフロントグリル(樹脂基材)とその表面のエンブレム、樹脂基材後方の車両内部に配されたレーダ装置の関係を示した模式図である。 車両前方のフロントグリル(樹脂基材)とその表面のエンブレム、樹脂基材後方の車両内部に配されたレーダ装置の関係を示した模式図である。 実施例1〜4および比較例1,2に係る装飾被膜のクロマティクネス指数a,bの関係を示した図である。 実施例1および比較例1、2に係る銀または銀合金微粒子を用いた装飾被膜に入射する光の波長と、装飾被膜の反射率との関係を示した図である。 (a)光により銀合金の微粒子が分極するまでの状態を説明するための図であり、(b)は、表面プラズモン共鳴吸収を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の装飾被膜の実施の形態を説明した模式図である。図2は、図1に示す装飾被膜の構成を説明するための模式図である。図3は、車両前方のフロントグリル(樹脂基材)とその表面のエンブレム、樹脂基材後方の車両内部に配されたレーダ装置の関係を示した模式図である。図4は、車両前方のフロントグリル(樹脂基材)とその表面のエンブレム、樹脂基材後方の車両内部に配されたレーダ装置の関係を示した模式図である。
図1で示す装飾被膜1は、フロントグリルFである樹脂基材20の表面に装着されるエンブレムの一部を構成するものである。図3で示すように、車両ボディAの前方に装備されるレーダ装置DはフロントグリルFの背後に配置され、レーダ装置Dから照射されるミリ波は、図4で示すようにフロントグリルFとその表面のエンブレム10を介して前方に放射され(ミリ波L1)、前方車両や前方障害物などの対象物で反射され、この反射波(ミリ波L2)がエンブレム10およびフロントグリルFを介してレーダ装置Dに戻るようになっている。このように、エンブレム10が、レーダ装置経路内に位置する樹脂基材20の表面に形成されることになる。
このように、装飾被膜1は、その適用用途がレーダ装置経路内に位置する樹脂基材20(フロントグリルF)の表面であることから、外観上は金属光沢を持ちつつ、電波透過性(電気的絶縁性)を有する被膜である。
具体的には、図1に示すように、装飾被膜1には、無色透明な樹脂被覆層2が視認方向(X方向)に積層して全体が構成され、エンブレム10とされる。なお、装飾被膜1に接着シール等が貼着してあり、接着シールが樹脂基材20と接着されるような形態であってもよい。装飾被膜1は、図2に示すように、装飾被膜内に分散した銀または銀合金の微粒子1aと、銀または銀合金の微粒子1aを結合する光透過性を有した結合樹脂1bと、を少なくとも備えている。さらに好ましくは、装飾被膜1には、銀または銀合金の微粒子1aの分散性を高めるために、分散剤(保護剤)1cがさらに添加されていることが好ましい。
このように、装飾被膜1には、銀または銀合金の微粒子が層内で不連続に分散されており、銀または銀合金の微粒子であることから粒子間距離が極めて短く、そのために粒子が緻密に集合している。このことから、人間の視覚には金属光沢を提供する一方で、一つ一つのナノ粒子を電波が通過する際には電波のミリ波減衰が極めて少なく、結果として、外観上は金属光沢を持ちつつも、電気的絶縁性を有する被膜となり得るものである。
なお、本明細書でいう「ミリ波」とは、電波の中でもその周波数帯域が30GHz〜300GHz程度の電波のことであり、たとえば、該周波数帯域の76GHz程度を特定することができる。また、本明細書でいう「装飾被膜」は、既述する車両製造会社のエンブレムや該車両に特有な装飾品などを構成する構成要素であり、この装飾被膜からなる、もしくは装飾被膜を一部として含むエンブレム等が樹脂基材であるフロントグリルの表面に形成されるものである。
本実施形態に係る装飾被膜1は、CIE1976表色系(JIS Z 8729)に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲にある。
ここで、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数a,bが0に近いほど無彩色に近づき、装飾被膜1は、この無彩色から所定の範囲(クロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲)にあることにより、銀合金の微粒子1a、結合樹脂1bおよび分散剤(保護剤)1cで構成される装飾被膜1の表面プラズモン共鳴吸収が抑制される。このため、継時的な光の照射による銀または銀合金の微粒子の周囲の構成物質が受けるエネルギーが抑えられ、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
すなわち、クロマティクネス指数aが、−1.6未満である場合には、装飾被膜の色が緑色に近づき、クロマティクネス指数aが、1.5を超える場合には、装飾被膜の色が赤色に近づき、言い換えれば、結合樹脂を介して、銀合金の微粒子に表面プラズモン共鳴吸収により光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
一方、クロマティクネス指数bが、−1.5未満である場合には、装飾被膜の色が青色に近づき、クロマティクネス指数aが、3.6を超える場合には、装飾被膜の色が黄色に近づき、すなわちこの場合も、表面プラズモン共鳴吸収により、銀合金の微粒子に結合樹脂を介して光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
上述したクロマティクネス指数a,bの範囲に収めるために、銀合金においては、銀とニッケルとの合金からなることが好ましい。銀合金のうちでも、これらの合金は、他の金属に比べて、光の特定波長における表面プラズモン共鳴吸収が抑制され易く、装飾被膜がクロマティクネス指数a,bの範囲に収まり易い。
銀に対してニッケルを1〜30質量%の範囲で有していることが好ましい。銀合金が、銀に対してニッケルを1質量%未満の範囲で含有している場合、銀合金中の銀の割合が大きいため表面プラズモン共鳴吸収が促進され、装飾被膜に変色が生じる(色調が変化する)ことがある。一方、銀合金が、銀に対してニッケルを30質量%超えた範囲で含有している場合、装飾被膜の輝度が低下することがある。
ここで、本実施形態における、銀合金の「微粒子」とは「ナノ粒子」のことを示称しており、「ナノ粒子」とは、その平均粒径がナノオーダーの粒子のことであり、ナノ粒子の粒径測定方法としては、銀合金の微粒子のSEM画像やTEM画像の一定範囲内にある金属粒子を画像上で抽出し、その平均値を求めて平均粒径とする方法などを挙げることができる。
特に、銀合金の微粒子がナノサイズであることから、この態様の場合には、局在表面プラズモン共鳴吸収と呼ばれる現象により光が吸収され易いが、このような形態においても、上述したニッケル合金組成比の銀合金の微粒子により、光エネルギーの吸収が抑制されるので、このようなサイズの銀合金の微粒子を用いたとしても、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
銀ニッケル合金の微粒子の平均粒径は2〜200nmであることが望ましい。銀合金の微粒子の平均粒径が200nmよりも大きな場合に、銀合金の微粒子が乱反射し易く、このことに起因して銀光沢が低下し易い。また、銀合金の微粒子の平均粒径が2nm未満の場合には、装飾被膜に入射された光が反射され難い。
さらに、銀合金の結晶子径が2nm〜98nmの範囲にあることが好ましい。ここで、結晶子径が2nm未満である場合、装飾被膜に入射された光が反射され難い。一方、結晶子径98nmを超えた場合、装飾被膜に電波(電磁波)が透過し難くなる。
ここで、このような銀合金の微粒子は、たとえば、銀と、銀と合金化するニッケルと、がイオン状態にあるイオン溶液に、還元剤を投入することにより、作製することができる。このような製造方法により得られた微粒子は、ナノオーダーの粒子となる。
また、イオン溶液に含まれるそれぞれの金属の含有量を変化させることにより、銀とニッケルとの合金の組成比を調整することができる。銀と、ニッケルがイオン化したイオン溶液に還元剤および分散剤を投入してから分散剤濃度または攪拌する時間およびそのときの加熱温度を調整することにより、銀合金の粒子の平均粒径および銀合金の結晶子径を調整することができる。
樹脂被覆層2および結合樹脂1bは、光透過性を有する高分子樹脂であり、たとえば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂などを挙げることができる。
また、分散剤(保護剤)1cを添加する場合には、分散剤(保護剤)1cは、銀合金の微粒子1aと付着性がよく、結合樹脂1bと親和性がよい樹脂が好ましい。上に例示した種類の結合樹脂を選択した場合には、その樹脂にカルボニル基を有した樹脂が好ましい。たとえば、結合樹脂1bに、アクリル樹脂を選定した場合には、分散剤(保護剤)1cに、カルボニル基を有したアクリル樹脂を選定することが好ましい。
このように、分散剤(保護剤)にカルボニル基を有することにより、銀合金の微粒子1aに対する付着性を高めることができ、さらに、結合樹脂1bと同じ樹脂を選定することにより、結合樹脂1bとの親和性を高めることができる。
なお、ここで、装飾被膜1全体に含まれる銀合金の微粒子1aは、83〜99質量%であることが好ましく、83質量%未満の場合、銀合金の微粒子1aによる金属光沢は十分ではないことがあり、99質量%を超えた場合、結合樹脂1bによる基材との結合が十分でないことがある。
以下に本発明を実施例に基づき説明する。
<実施例1:Ag‐Ni微粒子>
硝酸銀220gと硝酸ニッケル16gを混合し、これをアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃で120分間加熱混合し、銀合金微粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した(微粒子の平均粒径35nm、銀合金結晶子径30nm、銀に対するニッケルが5.1質量%)。
次に、配合剤として、プロピレングリコールモノエチルエーテル40g、スチレン8.86g、エチルヘキシルアクリレート8.27g、ラウリルメタクリレート15g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート34.8g、メタクリル酸3.07g、アシッドホスホオキシヘキサモノメタクリレート30g、プロピレングリコールモノエチルエーテルの重合開始剤43g、ターシャリブチルパーオクトエート0.3gを混合した配合剤1を作製した。この配合剤1、0.465gに、ディスパピック190(ビックケミー・ジャパン社製)0.38g、エポクロスWS−300(日本触媒社製)0.23g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.09g、1−エトキシ−2−プロパノール150gを混合して塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した。次に、得られた混合物を、スピンコートにて塗工後、80℃で30分間熱処理して装飾被膜を形成した。
<実施例2:Ag‐Ni微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、銀合金の微粒子の組成であり、具体的には、硝酸銀220gと硝酸ニッケル64gを混合し、これをアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀合金微粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点である(微粒子の平均粒径25nm、銀合金結晶子径20nm、銀に対するニッケルが20.4質量%)。
<実施例3:Ag‐Ni微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、結合樹脂であり、配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した点である。
<実施例4:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製および結合樹脂、塗工後の熱処理条件を変更した点であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀合金微粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点、および配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した点、さらには塗工後、120℃で30分間熱処理して装飾被膜を形成した点である。
<比較例1:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、比較例1では、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製した点であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀合金微粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点である。
<比較例2:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製した点、および結合樹脂の組成であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀合金微粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点および配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した点である。
〔耐候性試験(キセノン試験)〕
実施例1〜4および比較例1、2に係る装飾被膜に対して耐候性試験(キセノン試験)を実施した(100W×125MJ)。次に、耐候性試験前後の、実施例1〜4および比較例1、2に係る装飾被膜のCIE1976表色系(JIS Z 8729)に規定される表色系(L,a,b)の明度L,クロマティクネス指数a,bを、色彩色差計(コニカ・ミノルタ製:CR400)で測定し、これらに基づいて色差ΔEを算出した。この結果を、図5および表1に示す。図5は、実施例1〜4および比較例1、2に係る装飾被膜のクロマティクネス指数a,bの関係を示した図である。
Figure 2015087359
〔反射率の測定〕
耐候性試験前に実施例1および比較例1、2に係る装飾被膜に光りを照射し、これらの装飾被膜に対する分光スペクトルから、波長ごとの装飾被膜の反射率を測定した。図6は、実施例1および比較例1、2に係る銀または銀合金微粒子を用いた装飾被膜に入射する光の波長と、装飾被膜の反射率との関係を示した図である。
(結果1)
図5および表1に示すように、実施例1〜4に示すように、装飾被膜のクロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲にある場合には、色差ΔEが3.2以下となり、その範囲から外れた比較例1、2の装飾被膜は、色差ΔEが10を超えていた。さらに、図6に示すように、比較例1、2の装飾被膜は、実施例1に比べて、波長の変化に従って反射率が大きく変化していた。
このように、図6に示すように、比較例1、2の装飾被膜は、実施例1に比べて、波長の変化に従って反射率が大きく変化していることから、比較例1、2の銀微粒子に光が照射されると、光の特定波長が吸収され、これにより、銀微粒子のエネルギーが増幅されたと考えられる(表面プラズモン共鳴吸収)。そして、実施例1〜4の如く、銀とニッケルの合金微粒子または銀微粒子と硬化促進した結合樹脂を用いることにより、上述したクロマティクネス指数a,bの範囲の装飾被膜とし易く、表面プラズモン共鳴吸収が抑制され、継時的な光の照射による合金の微粒子周囲の構成物質が受けるエネルギーが抑えられ、装飾被膜の色調変化を抑制することができたと考えられる。
<実施例5>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸銀と硝酸ニッケル、アミノアルコール、分散剤の混合時の加熱温度および混合時間、分散剤濃度を変更して銀合金の微粒子の平均粒径を、200nmとした点である。なお、TEM画像の一定範囲内にある金属粒子を画像上で抽出し、その平均値を求めて、銀合金の微粒子の平均粒径を測定した。
<比較例3>
実施例5と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸銀と硝酸ニッケル、アミノアルコール、分散剤混合時の加熱温度および混合時間、分散剤濃度を変更して銀合金の微粒子の平均粒径を、500nmとした点である。
(結果2)
実施例5および比較例3の装飾被膜を観察した結果、比較例3の場合(銀合金の微粒子の平均粒径が200nmよりも大きな場合)、銀合金の微粒子が乱反射しており、実施例5のものに比べて銀光沢が低下し易い。また、後述する結晶子径の結果から想定して、平均粒径は、2nm以上であることが好ましい。
<実施例6>
実施例5と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例5と相違する点は、硝酸銀と硝酸ニッケル、アミノアルコール、分散剤の混合時の加熱温度および混合時間、分散剤濃度を変更して、銀合金の結晶子径が2nm〜98nmの範囲(具体的には、結晶子径、2nm、36nm、98nm)としたものである。なお、銀合金の結晶子径は、JIS H 7805に規定のX線回折法により測定したものである。
<比較例4>
実施例5と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例5と相違する点は、硝酸銀と硝酸ニッケル、アミノアルコールの加熱温度および混合時間を変更して、銀合金の結晶子径が2nm未満、または98nm超え(具体的には、結晶子径、1nm、99nm)としたものである。
(結果3)
実施例6および比較例4の装飾被膜を観察した結果、比較例4のうち、結晶子径が2nm未満である場合、装飾被膜に入射された光が反射され難くかった。一方、比較例4のうち結晶子径98nmを超えた場合、装飾被膜に電波(電磁波)が透過し難くなったことがわかった。なお、実施例6の装飾被膜は、金属光沢性を有し、電波透過性も良好であった。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…装飾被膜、1a…銀または銀合金の微粒子、1b…結合樹脂、1c…保護剤(分散剤)、2…樹脂被覆層、10…エンブレム、20…樹脂基材、F…フロントグリル(樹脂基材)、D…レーダ装置、L1…照射されたミリ波、L2…反射されたミリ波
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、本発明に係る装飾被膜は、レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜であって、該装飾被膜は、該装飾被膜内に分散した銀または銀合金の微粒子と、該粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えており、前記装飾被膜は、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数aが−1.〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.〜3.6の範囲にあることを特徴とする。
ここで、装飾被膜は、装飾被膜内に分散した銀または銀合金の微粒子と、微粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えた構造であるので、外観上は金属光沢を持ちつつ、電波透過性(電気的絶縁性)を有する被膜となる。
ここで、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数a,bが0に近いほど無彩色に近づき、装飾被膜は、この無彩色から所定の範囲、すなわち、クロマティクネス指数aが−1.〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.〜3.6の範囲にあれば、表面プラズモン共鳴吸収が抑制される(光エネルギーの吸収は抑制される)ため、継時的な光の照射による銀または銀合金の微粒子の周辺物質が受けるエネルギーが抑えられ、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
すなわち、クロマティクネス指数aが、−1.未満である場合には、装飾被膜の色が緑色に近づき、クロマティクネス指数aが、1.5を超える場合には、装飾被膜の色が赤色に近づき言い換えれば、結合樹脂を介して、銀または銀合金の微粒子に表面プラズモン共鳴吸収により光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
一方、クロマティクネス指数bが、−1.未満である場合には、装飾被膜の色が青色に近づき、クロマティクネス指数bが、3.6を超える場合には、装飾被膜の色が黄色に近づき、すなわちこの場合も、表面プラズモン共鳴吸収により、銀または銀合金の微粒子に結合樹脂を介して光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
より好ましい態様としては、前記微粒子の平均粒径は、2〜200nmである。銀合金の微粒子の平均粒径が200nmよりも大きな場合に、銀合金の微粒子が凝集し易く、このことに起因して銀光沢が低下し易いことが分っており、このことより、銀合金の平均粒径の望ましい範囲として200nm以下を規定したものである。また、銀合金の微粒子の平均粒径が2nm未満の場合には、装飾被膜に入射された光が反射され難い。
さらに、好ましい態様としては、銀または銀合金の結晶子径が2nm〜98nmの範囲にある。ここで、結晶子径が2nm未満である場合、装飾被膜に入射された光が反射され難い
本実施形態に係る装飾被膜1は、CIE1976表色系(JIS Z 8729)に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数aが−1.〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.〜3.6の範囲にある。
ここで、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、クロマティクネス指数a,bが0に近いほど無彩色に近づき、装飾被膜1は、この無彩色から所定の範囲(クロマティクネス指数aが−1.〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.〜3.6の範囲)にあることにより、銀または銀合金の微粒子1a、結合樹脂1bおよび分散剤(保護剤)1cで構成される装飾被膜1の表面プラズモン共鳴吸収が抑制される。このため、継時的な光の照射による銀または銀合金の微粒子の周囲の構成物質が受けるエネルギーが抑えられ、装飾被膜の色調変化を抑制することができる。
すなわち、クロマティクネス指数aが、−1.未満である場合には、装飾被膜の色が緑色に近づき、クロマティクネス指数aが、1.5を超える場合には、装飾被膜の色が赤色に近づき、言い換えれば、結合樹脂を介して、銀または銀合金の微粒子に表面プラズモン共鳴吸収により光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
一方、クロマティクネス指数bが、−1.未満である場合には、装飾被膜の色が青色に近づき、クロマティクネス指数 が、3.6を超える場合には、装飾被膜の色が黄色に近づき、すなわちこの場合も、表面プラズモン共鳴吸収により、銀または銀合金の微粒子に結合樹脂を介して光のエネルギーが吸収され易い状態となっている。
次に、配合剤として、プロピレングリコールモノエチルエーテル40g、スチレン8.86g、エチルヘキシルアクリレート8.27g、ラウリルメタクリレート15g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート34.8g、メタクリル酸3.07g、アシッドホスホオキシヘキサモノメタクリレート30g、プロピレングリコールモノエチルエーテルの重合開始剤43g、ターシャリブチルパーオクトエート0.3gを混合した配合剤1を作製した。この配合剤1、0.465gに、ディスパピック190(ビックケミー・ジャパン社製)0.38g、エポクロスWS−300(日本触媒社製)0.23g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.09g、1−エトキシ−2−プロパノール150gを混合して塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した。次に、得られた混合物を、スピンコートにて塗工後、80℃で30分間熱処理して装飾被膜を形成した。
<実施例3:Ag‐Ni微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、結合樹脂であり、配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀合金粒子に混合した点である。
<実施例4:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製および結合樹脂、塗工後の熱処理条件を変更した点であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点、および配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀粒子に混合した点、さらには塗工後、120℃で30分間熱処理して装飾被膜を形成した点である。
<比較例1:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、比較例1では、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製した点であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点である。
<比較例2:Ag微粒子>
実施例1と同じように、装飾被膜を成膜した。実施例1と相違する点は、硝酸ニッケルを添加せず、銀の微粒子を作製した点、および結合樹脂の組成であり、具体的には、硝酸銀220gにアミノアルコール(還元剤)597gに添加して、60℃120分間加熱混合し、銀粒子を析出させ、これを室温で3時間UFろ過した点および配合剤として、プラミーズWY主剤(オリジン電気社製)3.16g、プラミーズWY硬化剤(オリジン電気社製)0.72g、BYK−330(ビックケミー・ジャパン社製)0.03g、1−エトキシ−2−プロパノール13.97gを混合して、塗料調合し、これを結合樹脂として銀粒子に混合した点である。
(結果1)
図5および表1に示すように、実施例1〜4に示すように、装飾被膜のクロマティクネス指数aが−1.〜1.5の範囲にあり、クロマティクネス指数bが−1.〜3.6の範囲にある場合には、色差ΔEが3.2以下となり、その範囲から外れた比較例1、2の装飾被膜は、色差ΔEが10を超えていた。さらに、図6に示すように、比較例1、2の装飾被膜は、実施例1に比べて、波長の変化に従って反射率が大きく変化していた。

Claims (4)

  1. レーダ装置経路内に位置する樹脂基材の表面に形成される装飾被膜であって、
    該装飾被膜は、該装飾被膜内に分散した銀または銀合金の微粒子と、該銀合金の微粒子を結合する光透過性を有した結合樹脂と、を少なくとも備えており、
    前記装飾被膜は、CIE1976表色系に規定される表色系(L,a,b)において、
    クロマティクネス指数aが−1.6〜1.5の範囲にあり、
    クロマティクネス指数bが−1.5〜3.6の範囲にあることを特徴とする装飾被膜。
  2. 前記銀合金は、銀とニッケルとの合金からなることを特徴とする請求項1に記載の装飾被膜。
  3. 前記銀または銀合金の微粒子の平均粒径は、2〜200nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾被膜。
  4. 前記銀または銀合金の結晶子径が2〜98nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装飾被膜。
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