JP2015076595A - 多色蛍光体シート及びその製造方法と、多色蛍光体シートを用いたled発光装置 - Google Patents

多色蛍光体シート及びその製造方法と、多色蛍光体シートを用いたled発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 安いコストで所望の発光色が得られるLED発光装置を提供する。
【解決手段】 使用するLED素子の発光波長で励起して発光する蛍光体で、それぞれ発光色の異なる蛍光体を用いて複数の蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを作り、この蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを積層して固着し、基準とする端面Aに対して平行に切断して多色蛍光体シート20を製作する。そして、この多色蛍光体シート20をLED素子42を搭載したLEDパッケージ40の光出射面上に配置してLED発光装置50を形成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、多色蛍光体シート、及び多色蛍光体シートの製造方法、並びに多色蛍光体シートを用いたLED発光装置に関する。
今までに、蛍光体を用いて所望の発光色を得るLED発光装置に関しては、数多くの構成のものが開示されている。例えば、下記の特許文献1には、図12に示す構成の光源装置が示されている。なお、図12において、符号の一部は主旨を逸脱しない範囲で変更してある。
特許文献1に示された光源装置15は、図12(a)に示されるように、光反射性基板6上に設けた蛍光体層12と、この蛍光体層12から離れて別体に設けた固体光源5とから構成している。
また、蛍光体層12は蛍光体を配合したガラスやセラミックなどからなって柱状の形状をなした蛍光体片12aの外周面に、遮光性を有する層13を設けた構成をなしている。また、固体光源5は、発光ダイオードや半導体レーザなどでもって構成し、蛍光体層12から離れて設けられている。そして、所要の傾斜角を持って蛍光体層12に向って光源の光を出射すようになっている。
特許文献1に示された光源装置20は、蛍光体片12aに含有する蛍光体が、固体光源5からの出射光に励起されて所定の発光色をもつて発光する。そして、その発光した光は蛍光体片12aを透過して、あるいは、一部は光反射性基板6に反射されて図中矢印で示した光取り出し方向に向かって出射する。
特許文献1によれば、光反射性基板6を光反射率が高く、熱伝導率の高い金属材料で形成することにより、放熱特性が高められて耐寿命性が高められ、また、光の利用効率も高められるとしている。
また、柱状なる蛍光体片12aを形成するガラスやセラミックスは、熱伝導率も高いので放熱特性も良く、変色などが起こらずに耐寿命性が高められるとしている。
また、柱状なる蛍光体片12aの外周面に遮光性を有する層13を設けていることにより、外周側面から出射する光がなくなって矢印方向の光取り出し方向に出射する光が多くなり、高輝度化を図ることができるとしている。
特開2012−129135号公報(図3参照)
しかしながら、ガラスやセラミックスの光透過率は透明な樹脂と比較すると劣る。そのため、ガラスやセラミックスで蛍光体層を形成すると、蛍光体からの発光する光の利用効率を低下させる。
また、特許文献1によれば、セラミックス材料に蛍光体材料を配合して蛍光体片12aを形成する製造方法は、酸化イットリウムや酸化セリウム、アルミナなどのセラミックス材料と蛍光体材料を混ぜ合わせる工程、その混合材料を一軸加圧法や冷間静水圧法、射出成形法などで成形する工程、1600°C〜1800°Cの高温で焼成する工程、などの工程を経て形成している。この製造方法をみると、製造工程が長く、且つ、設備費も高くかかる。製造コストが高くなるという問題を有する。
また、蛍光体片12aの外周面に遮光性を有する層13を形成する方法としては、蒸着法やスパッタリング法によって反射率の高い金属膜を形成する方法、あるいは、金属微粒子を含む有機バインダーを塗布して還元雰囲気下で高温加熱によって金属膜を形成する方法などで行われる。また、複数の蛍光体片12aを束にする製造方法としては、蛍光体片12aの方向を揃えて複数束ね、蛍光体片12aの外周面に設けた金属膜を高温加熱によって溶着させて固定する方法をとる。そして、溶着固定して複数束ねた後に、所要の丈(長手)寸法にダイシングカッターなどで切断する方法をとる。
このような製造方法を見ると、製造工程が長く、設備費も高くかかって、製造コストは高くなる。
更に、特許文献1において、蛍光体片12aの形状として、円柱形状、六角柱形状が示されているが、円柱形状の場合、3つの円柱が溶着して結合し合った部分は遮光面積が大きくなる。円柱の外径が大きいとその遮光面積も大きくなり、非発光エリアが目立って現れるようになる。これは、発光色のムラとなって現れるので好ましくない。
本願発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、簡単な方法で製造でき、輝度の明るい所望の発光色が得られる多色蛍光体シート、及びその製造方法や、それを用いたLED発光装置を提供する。
上記の課題を解決するための手段として、本発明の多色蛍光体シートは、異なる蛍光特性を有し、同じ大きさで方形なる形状をなす複数の蛍光体シートを積層して固着し、この固着した蛍光体シートを基準とする端面に対して平行に切断して形成したことを特徴とするものである。
透明な樹脂に蛍光体を混ぜ合わせて蛍光体シートを製造することは容易である。また、異なる蛍光特性を有し、同じ大きさで方形なる形状をなす複数の蛍光体シートを積層して固着することも容易である。そして積層して固着した蛍光体シートを基準とする端面に対して平行に切断して多色蛍光体シートを得ることも容易である。つまり、多色蛍光体シートは非常に容易に形成することができる。なお、蛍光特性としては蛍光体の材料、励起波長、発光波長、発光色などが挙げられるが、本発明においては、主として発光色を主体的に取り上げて説明する。
この多色蛍光体シートは、LED発光装置に用いた時に、それぞれ発光色の異なる蛍光体シートの端面または切断面が同一方向の向きをなして、それぞれ発光色の異なる蛍光体シートの切断片が横に連ねて並んだ構造をなす。このような構造の多色蛍光体シートの端面または切断面をLED素子の発光面上に向けて配置すると、LED素子の発光した光はそれぞれの蛍光体シートの端面または切断面に入射し、蛍光体シート内のそれぞれの蛍光体を励起させて発光作用を起こさせる。そのため、蛍光体のそれぞれ異なる蛍光体シート内において発光が行われる。そして、その発光した光はシート内からシート外に出射して分散し、あるいはまた、隣接しているシートに入射して、発光色の混色が行われる。そして、所望の混色した発光色が得られる。多色蛍光体シートは上述したように製造方法が簡単であることから、製造コストの安いLED発光装置を得ることができる。また、多色蛍光体シートのそれぞれのシートにLED素子の光が直接入射し、蛍光体を励起して発光させる構造を取っているので、発光効率を高める効果を生む。
また、本発明の多色蛍光体シートは、複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、この複数の蛍光体シートを積層して渦巻き状に巻回して固着し、巻回した蛍光体シートの幅方向の端面に対して平行に切断して形成するのが好ましい。
また、本発明の多色蛍光体シートは、複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、この複数の蛍光体シートを積層して四角旋毛状に巻回して固着し、巻回した蛍光体シートの幅方向の端面に対して平行に切断して形成するのが好ましい。
渦巻き状の多色蛍光体シートは円形状をなす。従って、LED発光装置の中で円形状の蛍光体シートを求めるものに本発明の渦巻き状の多色蛍光体シートを適用すれば材料費の無駄を最小に抑えることができる。また同様に、四角旋毛状に形成した多色蛍光体シートは四角形状のLED発光装置に利用すれば、蛍光体の発光効率を高めて発光の明るさ明るくし、最小なる材料費に抑えることができる。
また、本発明の多色蛍光体シートは、複数の蛍光体シートの少なくとも片面に反射膜を有するのが好ましい。また、反射膜は金属蒸着膜であるのが好ましい。
蛍光体シートの少なくとも片面に反射膜があることによって、発光した蛍光体の光はそのシート内を通って外部に出射する。そして、シートの外部において混色が行われる。反射膜があることによって光の指向性が生まれと共に、シート外に分散する光やシート内で滅光する光が抑制されて、発光輝度の明るい照明が得られる。
また、反射膜を反射率の高い金属蒸着膜で形成すると、蒸着装置でシートの平面上に金属蒸着膜を施すことで製作できるので、製作が容易で、コストも安くすることができる。また、蒸着膜厚も容易にコントロールできる。
また、本発明の多色蛍光体シートは、複数の蛍光体シートの厚みが異なるのが好ましい。蛍光体シートの厚みによってそれぞれの蛍光体の発光色調の濃淡を調整することができる。つまり、厚みの調整によってそれぞれの蛍光体シートの発光色の色調を調整することができる。従って、多色蛍光体シートから発光するそれぞれの発光色の混色によって得られる発光色調も厚みの調整によって調整することが可能になる。
また、本発明の多色蛍光体シートは、複数の蛍光体シートが赤色系蛍光体シート、緑色系蛍光体シート、青色系蛍光体シートを含むのが好ましい。
赤色系蛍光体シートから赤色発光、緑色系蛍光体シートから緑色発光、青色系蛍光体シートから青色発光が得られ、これらが混色することによって自然光に近い白色発光が得られる。
また、本発明の多色蛍光体シートの製造方法は、異なる蛍光特性を有し、同じ大きさで方形なる形状をなす複数の蛍光体シートを積層して固着する積層・固着工程と、固着した蛍光体シートを基準とする端面に対して平行に切断する切断工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の多色蛍光体シートの製造方法は、複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、この複数の蛍光体シートを積層して渦巻き状に巻回して固着する巻回・固着工程を有するのが好ましい。
渦巻き状に巻回して固着する巻回・固着工程を有すると円形状の多色蛍光体シートを製作することができる。円形状の多色蛍光体シートを求めるLED発光装置には好適に適用できる。
また、本発明の多色蛍光体シートの製造方法は、複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、この複数の蛍光体シートを積層して四角旋毛状に巻回して固着する巻回・固着工程を有するのが好ましい。四角旋毛状に巻回して固着する工程を有すると四角形状なる多色蛍光体シートを形成することができる。
また、本発明のLED発光装置は、本発明の多色蛍光体シートをLED素子の発光面側に配置したことを特徴とする。
本発明のLED発光装置は、多色蛍光体シートの発光色仕様を変えるだけで、所望の発光色を容易に得ることができる。また、LED発光装置に取り付けた多色蛍光体シートは交換可能であるので、蛍光体の劣化、または多色蛍光体シートの劣化によって発光色が変化した場合には、多色蛍光体シートを取り替えることができる。また、前述したように、製造コストも安くできる。
本発明によれば、本発明の多色蛍光体シート、及び多色蛍光体シートを用いたLED発光装置は安い製造コストで輝度の明るい所望の発光色を得ることができる。
本発明の実施形態に係り、発光色の異なる蛍光体シートを複数積層して固着した状態を示した斜視図である。 図1に示す積層した蛍光体シートを切断して多色蛍光体シートを作製した状態を示した斜視図である。 図2に示す多色蛍光体シートをLED素子上に設けて形成したLED素子蛍光体の斜視図である。 図2に示す多色蛍光体シートを用いてLED発光装置を形成したLED発光装置の要部断面図である。 実施例1に係る蛍光体シートの発光色の異なる2種の蛍光体シートを重ね合わせて渦巻き状に巻回した状態を示した蛍光体シートの斜視図である。 図5に示す蛍光体シートを端面に対して平行に切断して多色蛍光体シートを形成した状態を示した斜視図である。 実施例2に係る蛍光体シートの発光色の異なる2種の蛍光体シートを重ね合わせて四角旋毛状に巻回した状態を示した蛍光体シートの斜視図である。 図7に示す蛍光体シートを端面に対して平行に切断して多色蛍光体シートを形成した状態を示した斜視図である。 実施例3に係り、発光色の異なる蛍光体シートを複数積層して固着した状態を示した斜視図である。 図9に示す積層した蛍光体シートを切断して多色蛍光体シートを作製した状態を示した斜視図である。 図10に示す多色蛍光体シートをLED素子上に設けて形成したLED素子蛍光体の斜視図である。 特許文献1に示された光源装置の一構成図である。
以下、本発明を実施するための実施形態を図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の実施形態に係り、発光色の異なる蛍光体シートを複数積層して固着した状態を示した斜視図、図2は図1に示す積層した蛍光体シートを切断して多色蛍光体シートを作製した状態を示した斜視図、図3は図2に示す多色蛍光体シートをLED素子上に設けて形成したLED素子蛍光体の斜視図である。また、図4は図2に示す多色蛍光体シートを用いてLED発光装置を形成したLED発光装置の要部断面図を示している。なお、前述したように、本実施形態においては、蛍光特性の異なる蛍光体を発光色の異なる蛍光体と表現して説明する。
図1において、21a、21b、21c、21d、21eは発光色の異なる蛍光体シートを表している。つまり、蛍光特性の異なる蛍光体材料を含有して、それぞれ異なる発光色を示す蛍光体シートをなしている。また、それぞれ発光色の異なる蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eは、同じ大きさで方形の形状をなしており、上から順に積層されて固着した状態をなしている。
Aは蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eの基準とする端面を表している。同じ大きさをなした複数の蛍光体シートを積層すると、一対の対向した側面となる端面が90°の間隔を持って2組生まれる。即ち4つの端面が生まれる。本発明においては、後工程でこの積層した蛍光体シートを切断するのに、切断基準面が必要とされる。そこで、切断基準面となる端面を「基準とする端面」と表現している。図1ではAを指した面が基準端面として扱っているものである。
また、本実施形態では、図1は長方形の形状のものを示したが、長方形の形状に限るものではなく、正方形の形状や帯状に長い形状のものも方形の形状に適用される。
それぞれの蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eは、前述したように、発光色の異なる蛍光体をそれぞれ含有している。本実施形態においては、光源としてLED素子を用いていることから、LED素子の発光する光に励起されて発光する蛍光体を含有している。
例えば、光源に380〜400nmの近紫外光を発光するInGaN系化合物半導体のLED素子を用いた場合には、380〜400nmの近紫外光で励起されて赤色発光する赤色蛍光体、黄色発光する黄色蛍光体、緑色発光する緑色蛍光体、青色発光する青色蛍光体などの各種の発光色を示す蛍光体が適用される。
なお、赤色蛍光体の材料としては、CaAlSiN:Eu、(Ca,Sr)AlSiN:Eu、CaSi:Eu、(Ca,Sr)Si:Eu、KSiF:Mn、KTiF:Mnなどが挙げられる。また、黄色蛍光体の材料としては、(Sr,Ba)SiO:Eu、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Euなどが挙げられ、緑色蛍光体の材料としては、(Ba,Sr)SiO:Eu、BaSi12:Eu、(Si,Al)(O,N):Eu、BaMgAl1017:Euなどが挙げられ、青色蛍光体の材料としては、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。
また、光源に発光波長が約460nmの青色光を発光するGaN系化合物半導体のLED素子を用いた場合には、波長440〜460nmの青色光により励起される蛍光体が用いられる。このような蛍光体で赤色蛍光体の材料としては、CaAlSiN:Eu、(Ca,Sr)AlSiN:Eu、CaSi:Eu、(Ca,Sr)Si:Eu、KSiF:Mn、KTiF:Mnなどが挙げられ、黄色蛍光体の材料としては、YAl12:Ce(通称YAG蛍光体)、(Sr,Ba)SiO:Eu、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Euなどが挙げられ、緑色蛍光体の材料としては、LuAl12:Ce、(Lu,Y)Al12:Ce、Y(Ga,Al)12:Ce、CaScSi12:Ce、CaSc:Eu、(Ba,Sr)SiO:Eu、BaSi12:Eu、(Si,Al)(O,N):Euなどが挙げられる。
本実施形態での図1に示した5枚なる複数の蛍光体シートは、発光色の異なる蛍光体を用いて蛍光体シートを形成し、それらの蛍光体シートから発する発光色を混色させて所望の発光色を得るのである。しかしながら、所望の発光色を得るのに、重ね合わせる発光色の異なる蛍光体シートはすべて発光色か異なるシートである必要はなく、また、本実施形態のごとく5枚に限定されるものではない。同じ発光色のシートがその積層されたシートの中に、2枚、あるいは3枚と混じり合っていても支障はないものである。また、発光色の異なる蛍光体シートの枚数は少なくとも2枚有すれば、その混色による発光色はかなり広い範囲での発光色調を得ることが可能である。
例えば、波長380〜400nmの近紫外光を発光するInGaN系化合物半導体のLED素子を用いた場合に、その近紫外光で励起されて赤色発光する赤色蛍光体と、緑色発光する緑色蛍光体と、青色発光する青色蛍光体との蛍光体を用いた3種類の蛍光体シートを組み合わせることによって、その混色で白色発光が得られる。この赤色発光の蛍光体シート、緑色発光の蛍光体シート、青色発光の蛍光体シートをそれぞれ2枚、あるいは3枚づつ用意し、交互に重ね合わせて6枚、あるいは9枚の蛍光体シートで構成しても良い。もちろん、各1枚づつ用意し、3枚の蛍光体シートで構成しても良い。
また、例えば、発光波長が約460nmの青色光を発光するGaN系化合物半導体のLED素子を用いた場合に、波長460nmの青色光で励起して黄色発光する黄色蛍光体と、赤色発光する赤色蛍光体との2種類の蛍光体を用いた2種類の蛍光体シートを組み合わせることによって、LED素子の青色と、2種類の蛍光体から発光する赤色、黄色の混色によって白色発光が得られる。この場合、赤色発光の蛍光体シートと黄色発光の蛍光体シートの2枚で構成しても良く、また、それぞれを2枚用意して計4枚、あるいは3枚づつ用意して計6枚の発光体シートで構成しても良い。
次に、蛍光体シートの作製方法を説明する。蛍光体シートには耐熱性の面から透明なシリコーン樹脂が好適に用いられる。透明なシリコーン樹脂に所望とする発光色の蛍光体の粉末材料を加え、その他に、トルエンやアセトンの溶媒、また、必要に応じて拡散剤や紫外線吸収剤などを加えて蛍光体シートの溶液を生成する。この溶液は3本ローラやボールミルなどの攪拌・混練機を用いて均質に混合して溶液を生成する。
用いる蛍光体の粉末材料の量は、特に制限するものではない。一般に、蛍光体の含有量は概ね50〜80重量%の範囲が好ましいとされているが、しかしながら、本実施形態においては、一般的な使用量に限定されずに、求める発光色の色調や輝度に応じて適宜に使用量を設定するのが好ましい。
シリコーン樹脂は硬化型のシリコーンゴムが好ましく、一液型、二液型のいずれの液構成も使用できる。また、硬化型シリコーンゴムは、触媒によってヒドロシリル化反応を起こすタイプの付加反応型のシリコーンゴムが好ましく、硬化反応に伴う副産物がなく、硬化収縮が小さい点、加熱による硬化を早める点で好ましい。
次に、生成した溶液を基台上にロールコータ法やスクリーン印刷法などで、均一な膜厚で溶液を塗布する。基台としては平滑面をなすアルミ板、銅板、鉄板などの金属板やガラス板、セラミック板などが用いられる。また、本実施形態においては、蛍光体シートの膜厚は概ね50〜300μmの範囲が好ましいといえる。しかしながら、シートの膜厚は発光色の明るさや発光色調にも影響を及ぼすものであるから、そのへんは適宜に判断して設定するのが好ましい。
次に、溶液を基台上に塗布した後、熱風乾燥機や赤外線乾燥機などの加熱乾燥機を用いて、100〜200°Cの範囲内で、2分〜3時間の範囲内で乾燥してシートを作製する。乾燥後に、シートを基台から剥がすことによって目的とする蛍光体シートが得られる。
上記の方法で生成した蛍光体シートは貯蔵弾性率が25°Cで0.1MPa以上、100°Cで0.1MPa未満である。25°Cで0.1MPa以上の貯蔵弾性率を有すると、室温(25°C)におけるプレス加工や切断加工などができる。また、100°Cで貯蔵弾性率が0.1MPa未満であると、60°C〜250°Cでの加熱貼り付けを行うことができ、高い接着力が得られる。
次に、図1に示すように、蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを積層し、固着する工程を行う。この積層・固着工程は、それぞれの蛍光体シートを重ね合わせ、相互に接合して固着させる。
前述したように、蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eは同じ大きさの形状をなしているので、位置ガイドを設けて重ね合わせると、重ね合わせた時の4つの端面は殆ど凹凸のない面をなす。また、本実施形態で使用する蛍光体シートは、100°Cで貯蔵弾性率が0.1MPa未満であることから、100°C〜250°Cの範囲内で積層した蛍光体シートを貼り合わせることができる。平滑面を有する2枚の加圧板の間にそれぞれの蛍光体シートを積層して挟み込み、加熱の下で加圧することによって積層された蛍光体シートは相互に接合され、5枚の蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eは一体的に固着される。
図2は、図1に示した積層した蛍光体シートを切断して多色蛍光体シート20を作製した状態を示した斜視図を示している。積層・固着工程で図1に示した積層・固着した蛍光体シートを、次の切断工程で切断して図2に示す多色蛍光体シート20を形成する。
図2において、前述したように、Aは積層した複数の蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを切断するための、基準とする端面を表している。
また、Bは蛍光体シートの切断線部を表している。本実施形態においては、端面Aに対して平行に切断線部Bの所を切断して多色蛍光体シート20を形成している。なお、切断線部Bの切断はスリッチングカッターなどで行うことができる。
図2において、切断幅をmとすると、切断幅mの大きさは混色する光の色調や明るさに影響を及ぼす。以降、図3、図4を用いて多色蛍光体シート20の利用方法を説明する。図3は本実施形態の多色蛍光体シートをLED素子上に設けて形成したLED素子蛍光体の斜視図を示したものである。なお、以降において、LED素子の発光面上に多色蛍光体シートを直接載置した構成のものをLED素子蛍光体と呼称して説明する。
図3に示したLED素子蛍光体45は、多色蛍光体シート20の端面または切断面側をLED素子42の発光面上に裁置して固定したものである。そして、このLED素子蛍光体45は図示しない基板に実装されてLED発光装置の一構成部品として用いられる。
上記の構成においては、LED素子42の発光する光がそれぞれの蛍光体シートの端面または切断面側から入射してそれぞれの蛍光体シートの蛍光体を励起させて発光させる。そして、蛍光体シート内及びシートの外でその発光した光の混色が行われて所定の混色した発光色が得られる。
上記の構成をとる場合、LED素子42の大きさは非常に小さいために蛍光体シートの膜厚は50〜150μmの範囲での非常に薄いものが使用される。そのため、多色蛍光体シート20の切断幅mが薄い(小さい)と、蛍光体の含有量が少なくなって所定の発光色調が得られないという問題が現れる。従って、この場合には、混色による発光色の色調と明るさなどを考慮して好適な値の切断幅mに設定するのが好ましい。
次に、図4に示した多色蛍光体シート20の利用方法を説明する。図4は多色蛍光体シート20を用いたLED発光装置の構造を示したものである。図4に示したLED発光装置50は、LEDパッケージ40と、LEDパッケージ40上に設けた多色蛍光体シート20とで構成している。ここでのLEDパッケージ40は、BTレジンやセラミックなどからなる基板41上にLED素子42をフリップチップ実装し、LED素子42の外域をアルミ板や白色樹脂などからなる反射機能を有した封止枠43で囲い、封止枠43の内域を透明なシリコーン樹脂などを埋めた保護膜44とから構成している。
本実施形態においては、多色蛍光体シート20はLEDパッケージ40のLED素子42の発光上面側にあって、LED素子42の出射上面側に配置されて用いられる。従って、ここでの多色蛍光体シート20の切断幅mは、LEDパッケージ40上に設けた蛍光体層の厚み(m)の役割をなす。前述したように、ここでの厚み(m)が小さいと、それぞれの蛍光体の量が少ないものとなって混色したときの光の色調が薄いものとなって現れてくる。従って、切断幅mは混色したときの色調や明るさなどを考慮して適宜な切断幅mに設定するのが好ましい。
図4に示したLED発光装置50において、LED素子42から発光した光は、基板41や封止枠43に反射されてLED素子42の上部側に出射し、多色蛍光体シート20に入射する。そして、多色蛍光体シート20のそれぞれの蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eの蛍光体がLED素子42の光に励起されてそれぞれの発光色をもって発光する。そして、多色蛍光体シート20のシートの内部や出射外部において混色が行われ、LED発光装置50からは混色した発光色が現れる。
以上、図3、図4を用いて多色蛍光体シートの利用方法を説明した。しかしながら、多色蛍光体シートの利用方法は必ずしもこの構造に限るものではい。例えば、従来技術を説明した図12の構成の中で、蛍光体層12に代えて本発明の多色蛍光体シート20を用いてLED発光装置を形成することも可能である。
本実施形態の図3に示したLED素子蛍光体45、図4に示したLED発光装置50は多色蛍光体シート20を用い、発光色の混色方法で所望の発光色調を得る。多色蛍光体シート20は、それぞれ発光色の異なる蛍光体を含有した蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを積層して固着し、基準とする端面に対して平行に切断して形成する。発光色の異なるそれぞれの蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eの製造方法は簡単で有り、その製造工程も短い。また、それぞれの蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eを積層して固着する方法も簡単で、また、その切断方法も簡単である。従って、安いコストで製作することができる。前述の従来技術で述べた柱状の蛍光体片12aを複数束状にして形成した蛍光体層の構成と比較すると、大きなコストダウン効果を得るものである。
また、本発明においては、多色蛍光体シート20へのLED素子の光の採光方法は、それぞれの蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eの端面または切断面にLED素子の光を入射させる方法を取っている。シートの上下面は加圧などが施されることから硬度的に高くなり、側面は硬度的に上下面より低くなる。そのため、端面または切断面における光の屈折率は低くなり、光の入射率を高めることができる。これは、LED素子の光の利用効率を高めると同時に、側面から入射したLED素子の光がそれぞれ発光色の異なる蛍光体を直接励起させて発光させるので、各蛍光体の発光効率も高められるという効果も得る。
また、本発明においては、蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eのそれぞれの蛍光体の含有量の他に、各シートの厚み調整で混色する発光色調の調整が可能である。また、蛍光体シートの切断幅mの調整によって混色する発光色調の濃淡なども調整可能である。
本発明は、以上述べたように様々な効果が得られる。以下、実施例を挙げる中で更に本発明の詳細を説明する。
実施例1に係る多色蛍光体シートを図5、6を用いて説明する。図5は発光色の異なる2種の蛍光体シートを重ね合わせて渦巻き状に巻回した状態を示した蛍光体シートの斜視図で、図6は図5に示す蛍光体シートを端面に対して平行に切断した状態を示した斜視図である。
実施例1の多色蛍光体シート20は、図5、6に示すように、帯状の方形形状をなす2枚の蛍光体シート21f、21gを重ね合わせて積層し、その積層した2枚の蛍光体シート21f、21gを渦巻き状に隙間無く圧着巻を行って所要の外径の大きさにし、外径部一周に渡って加圧状態で加熱を施し、図5に示すように、渦巻き状に巻回して密着固着した蛍光体シートを作製している。なお、本発明においては、帯状の形状は長さの長い長方形の形状をなすことから、一つの方形の形状をなすものとして位置づけている。
そして、次に、図6に示すように、端面Aに対して平行に、所定の切断幅をもつて切断線部Bを切断して多色蛍光体シート20を形成している。ここで、渦巻き状に巻回した蛍光体シートは端面が対向して2面現れるが、どちらの端面を基準にして切断しても同じ形状の多色蛍光体シートが得られる。従って、特に基準とする端面を設定する必要はないので、単に端面と表現している。
実施例1においては、発光波長が460nmの青色光を発光するGaN系化合物半導体のLED素子を用いていることから、多色蛍光体シート20を構成する蛍光体シート21fは、460nm波長の青色光で励起して黄色発光するYAl12:Ceなる蛍光体を含有したシートからなる。また、蛍光体シート21gは、460nm波長の青色光で励起して赤色発光するCaAlSiN:Euなる蛍光体を含有したシートからなっている。
実施例1においては、LED素子からの青色光と、蛍光体シート21fの蛍光体から発光する黄色光と、蛍光体シート21gの蛍光体から発光する赤色光とが混色し、白色光が得られる。しかも、演色性の良い自然光に近い白色光が得られる。
実施例1では、蛍光体シート21f、及び蛍光体シート21gのシート厚みを共に100μm前後の厚みに形成し、2枚重ねの厚みを200μm前後の薄さに抑えている。そのため、渦巻き状に巻回したときには内端部分は隙間無く巻回することができ、また、所要の外径の大きさに巻回した状態でも2枚重なった外端部分も殆ど目立たなくなる。そして、全体的に渦巻き状に密着巻きされた円形形状の多色蛍光体シート20が得られている。
このように、渦巻き状に巻回された多色蛍光体シート20は少し大き目の丸型なるLEDパッケージに使用してLED発光装置を製作することができる。例えば、複数個のLED素子を一つの基板内に収納したLEDパッケージは少し大き目のパッケージになる。このようなパッケージを丸い形状に形成することも行われており、この丸い形状のパッケージには好適に上記の渦巻き状の多色蛍光体シート20を利用することができる。
丸い形状のLEDパッケージにあっては、渦巻き状の多色蛍光体シート20を利用すれば、大きな材料費の節約になる。なぜなら、従来、丸い形状の多色蛍光体シートを得るには、方形なる形状の多色蛍光体シートをプレスなどの方法で丸形状に切り抜いて形成する。丸形状に切り抜いて形成する方法は、丸形状と丸形状の間に挟まれた部分のシート材料は使えないシート材料として処理される。つまり、使えないシート材料は歩留まりを悪くする要因となって、材料費の無駄が発生することになるからで、丸形状をなす渦巻き状の多色蛍光体シートを用いれば、歩留まりがほぼ100%に近い利用が可能になる。
また、渦巻き状の多色蛍光体シート20の配置は、どの位置をとっても発光色の異なる材料が相隣り合う状態に配置されるので、発光色の混色状態にムラが起きず、均一な色調の発光色が得られる。
次に、渦巻き状に巻回した多色蛍光体シート20を形成する製造方法について説明する。大きくは、帯状の形状をなした2枚の蛍光体シート21f、21gを積層して渦巻き状に巻回し、その渦巻き状に巻回した2枚の蛍光体シート21f、21gを固着する巻回・固着工程を行って渦巻き状に巻回した蛍光体シート21f、21gを形成する。そして次に、端面に対して平行に所要の切断幅をもって切断する切断工程を行って渦巻き状に巻回した多色蛍光体シート20を形成する。
ここで、巻回・固着工程を更に詳しく説明する。最初に、帯状の蛍光体シート21fと蛍光体シート21gの2枚を積層し、その積層した蛍光体シートの片側端を渦巻き状に数巻き巻回する。そして、巻回した部分の整形を行う。整形は巻回した部分から空気を除去する目的と、形状を丸く綺麗に整形するために行うもので、一対の丸く凹状に整形された加圧具を用いて、加熱の下で数巻き巻回した先端部分を両側から加圧具で加圧して先端部分を丸い形状に整形して固着する。そしてその後に、先端部分の巻回して固着した部分を回転させながら2枚の蛍光体シート21f、21gを加熱の下で加圧力を付加しながら渦巻き状に巻回して圧着巻きを行う。そして、所要の外径形状をなして圧着巻きを終えたところで、一対の丸い加圧具で外径部分を加熱の下で加圧して図5に示す渦巻き状に巻回して固着した蛍光体シートを形成する。
そして最後に、図6に示すように、端面Aに対して平行に切断して多色蛍光体シート20を形成する。
次に、実施例2に係る多色蛍光体シートを図7、8を用いて説明する。図7は発光色の異なる2種の蛍光体シートを重ね合わせて四角旋毛状に巻回した状態を示した蛍光体シートの斜視図で、図8は図7に示す蛍光体シートを端面に対して平行に切断して多色蛍光体シートを形成した状態を示した斜視図である。
実施例2の多色蛍光体シート20は、図7、8に示すように、四角旋毛状に巻回した形状をなしており、前述の実施例1の薄巻き状に巻回した多色蛍光体シートと比較すると、蛍光体シートの巻回する形状のみが相違していることである。実施例2では、2枚の蛍光体シートの巻回形状が四角形状をなして旋毛(つむじ)形状に巻回していることから四角旋毛状と表現している。前述の実施例1では丸い渦巻き形状をなすものであり、本実施例2は四角い旋毛形状をなすものである。
図7において、蛍光体シート21hと蛍光体シート21iは重なり合って、四角旋毛状に巻回している。この四角旋毛形状は、帯状の形状をなした蛍光体シート21hと蛍光体シート21iを積層し、次に、2層に積層した蛍光体シート21h、21iを四角旋毛形状に巻回して四角旋毛状の蛍光体シートを作製する。
具体的には、四角旋毛形状に巻回して固着する巻回・固着工程を施す。これは、最初の数巻きは渦巻き状に丸く巻回し、次に、その丸く巻回した部分を加熱の下で型押し型で加圧して四角形状に整形して固着する。次に、四角形状に整形して固着したシートを回転させながら、2枚のシート21h、21iを加熱の下で四角形状の外形に沿って押圧しながら隙間無く巻回する。最後に、四角形状に巻き終えたシートを四角形状に整形する一対の型押し型を用いて、加熱の下で四角形状の4面を加圧して固着させ、隙間の無い密着した四角旋毛形状のシートを形成する。
次に、図8に示すように、端面Aに対して平行に、所定の切断幅をもつて切断線部Bを切断して多色蛍光体シート20を形成する。
ここで、実施例2においては、LED素子を発光波長が460nmの青色光を発光するGaN系化合物半導体のLED素子を用いていることから、多色蛍光体シート20を構成する蛍光体シート21hは、実施例1と同様に、460nm波長の青色光で励起して黄色発光するYAl12:Ceなる蛍光体を含有したシートをなしている。また、蛍光体シート21iは、実施例1と同様に、460nm波長の青色光で励起して赤色発光するCaAlSiN:Euなる蛍光体を含有したシートをなしている。
そして、実施例2においては、LED素子の青色光と、蛍光体シート21hで発光する黄色光と、蛍光体シート21iで発光する赤色光との混色によって白色光が得られる構成をとっている。
四角旋毛状に巻回した多色蛍光体シート20は、四角形状のLEDパッケージに使用することができる。そして、前述の実施例1とは多色蛍光体シート20の形状は異なるものの実施例1と同様な効果を得ることができる。
次に、実施例3に係る多色蛍光体シートを図9、10、11を用いて説明する。図9は実施例3に係り、発光色の異なる蛍光体シートを複数積層して固着した状態を示した斜視図である。図10は図9に示す積層した蛍光体シートを切断して多色蛍光体シートを作製した状態を示した斜視図、図11は図10に示す多色蛍光体シートをLED素子上に設けて形成したLED素子蛍光体の斜視図である。
実施例3の蛍光体シートは、図9に示すように、それぞれ発光色の異なる蛍光体を含有した蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eの上面または下面に薄い金属膜からなる反射膜31を設けている。そして、反射膜31を設けたそれぞれの蛍光体シートを積層して固着した構成なす。なお、それぞれ発光色の異なる蛍光体を含有した蛍光体シート21a、21b、21c、21d、21eは、前述の実施形態で説明した仕様と同じ仕様をなしている。
反射膜31は反射率の高い金属膜が好適に選ばれ、本実施例3においては、アルミ金属の蒸着膜から構成している。アルミ金属は反射率が高いこと、軽量であることなどからアルミ金属を選択しているが、特に、アルミ金属に限るものではない。また、金属膜の膜厚は、本実施例3においては、反射率や屈曲性を考慮して200〜300Åの範囲に設定している。しかしながら、特に200〜300Åの範囲に限定するものではなく、仕様に応じて適宜に設定するのが好ましい。
積層される複数の蛍光体シートの内、一番下層に配置される蛍光体シート、または一番上層に配置される蛍光体シートは上下面に反射膜31を形成し、残りの蛍光体シートは片方の面にのみ反射膜31を形成している。そして、それぞれの蛍光体シートを積層し、所要の温度での加熱の下で加圧を施して、図9に示される反射膜31をシート間に挟んで積層して固着した蛍光体シートを形成している。
次に、上記した積層の蛍光体シートを、図10に示すように、基準とする端面Aに対して平行に切断し、反射膜31入りの多色蛍光体シート30を形成する。
実施例3において、図11に示すように、多色蛍光体シート30をLED素子42の発光面上に直接設けた構成を取っているので、前述の実施形態で説明したと同様に、LED素子蛍光体45と呼称している。
反射膜31を設けた多色蛍光体シート30においては、それぞれの蛍光体シート内の蛍光体から発光した光は、隣接する隣のシートに入射することなく、そのシートの外部に出射する。従って、多色蛍光体シート30からの出射方向の外部でそれぞれの発光色の混色が行われ、設定した発光色の色調が現れる。また、それぞれの発光した光の出射方向は同じ方向を向いて出射されるので光に指向性が現れ、且つ、指向性を狭くすることができる。これは、狭い領域に光が集光することになって輝度の高い発光色を得ることができる。
反射膜31を設けることによって上記した作用・効果が得られる。これは、LEDパッケージ上に多色蛍光体シート30を設けたLED発光装置に於いても同様な作用・効果が得られる。
20、30 多色蛍光体シート
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21i 蛍光体シート
31 反射膜
40 LEDパッケージ
41 基板
42 LED素子
43 封止枠
44 保護膜
45 LED素子蛍光体
50 LED発光装置
A 端面
B 切断線部
m 切断幅

Claims (11)

  1. 異なる蛍光特性を有し、同じ大きさで方形なる形状をなす複数の蛍光体シートを積層して固着し、前記固着した蛍光体シートを基準とする端面に対して平行に切断して形成したことを特徴とする多色蛍光体シート。
  2. 前記複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、該複数の蛍光体シートを積層して渦巻き状に巻回して固着し、前記蛍光体シートの幅方向の端面に対して平行に切断して形成したことを特徴とする請求項1に記載の多色蛍光体シート。
  3. 前記複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、該複数の蛍光体シートを積層して四角旋毛状に巻回して固着し、前記蛍光体シートの幅方向の端面に対して平行に切断して形成したことを特徴とする請求項1記載の多色蛍光体シート。
  4. 前記複数の蛍光体シートは、少なくとも片面に反射膜を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の多色蛍光体シート。
  5. 前記反射膜は金属蒸着膜であることを特徴とする請求項4に記載の多色蛍光体シート。
  6. 前記複数の蛍光体シートは、厚みが異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の多色蛍光体シート。
  7. 前記複数の蛍光体シートは、赤色系蛍光体シート、緑色系蛍光体シート、青色系蛍光体シートを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の多色蛍光体シート。
  8. 異なる蛍光特性を有し、同じ大きさで方形なる形状をなす複数の蛍光体シートを積層して固着する積層・固着工程と、前記固着した蛍光体シートを基準とする端面に対して平行に切断する切断工程とを有することを特徴とする多色蛍光体シートの製造方法。
  9. 前記複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、該複数の蛍光体シートを積層して渦巻く状に巻回して固着する巻回・固着工程を有することを特徴とする請求項8に記載の多色蛍光体シートの製造方法。
  10. 前記複数の蛍光体シートを帯状の方形にし、該複数の蛍光体シートを積層して四角旋毛状に巻回して固着する巻回・固着工程を有することを特徴とする請求項8に記載の多色蛍光体シートの製造方法。
  11. 請求項1〜7に記載の多色蛍光体シートを、LED素子の発光面側に配置したことを特徴とするLED発光装置。


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