以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るスイッチユニットを備えるカメラ10の上面図である。 カメラ10は、撮像装置としてのカメラユニット12に着脱可能なレンズユニット14が装着されて構成される。カメラユニット12は、スイッチユニット20を含む。スイッチユニット20は、レリーズボタン50および電源ダイヤル60を含む。
図示するように、スイッチユニット20は、カメラ10の上面に配置されている。以降の説明において、カメラ10のうち、レリーズボタン50が外観に現れる紙面手前側を上面側あるいは上側とし、図とは反対側を底面側あるいは下側と定める。また、レンズが装着される紙面上側を前側、紙面下側を後側とする。つまり、レンズユニット14が着脱される方向を、前後方向とする。また、紙面中心に対しスイッチユニット20が配置される側を右側、反対側を左側とする。前後方向および左右方向をまとめて平面方向という場合がある。
接触部材としてのレリーズボタン50は、使用者に接触されて、使用者による押圧力を後述する電気切片に伝達する。レリーズボタン50は、二段押し込み式のスイッチである。ここで、レリーズボタン50の一段目の変位を第1ストロークと定め、二段目の変位を第2ストロークと定める。電気切片は、レリーズボタン50の第1ストロークおよび第2ストロークの変位に対応して、第1導通状態および第2導通状態をとる。
使用者が直接レリーズボタン50を第1ストロークだけ変位させた場合に、電気切片は、第1導通状態となる。第1導通状態では、例えばAEおよびAFの撮影準備動作が実行される。使用者がレリーズボタン50を第2ストロークだけ変位させた場合に、電気切片は、第2導通状態となる。第2導通状態では、被写体像を光電変換して画像データを生成する撮影動作が実行される。
挿通孔52は、レリーズボタン50の中央に設けられる。チューブ内を進退する押圧軸材を有するケーブルレリーズは、挿通孔52に装着される。使用者は、ケーブルレリーズを操作することにより、カメラ10から離れていても電気切片を第1導通状態または第2導通状態にすることができる。詳しくは後述するが、使用者が押圧軸材を第1ストロークだけ変位させた場合に、押圧軸材は、電気切片を押圧する。そして、電気切片は、第1導通状態となる。使用者が押圧軸材を第2ストロークだけ変位させた場合に、押圧軸材は、電気切片を押圧する。そして、電気切片は、第2導通状態となる。
したがって、使用者は、ケーブルレリーズを操作することにより、直接レリーズボタン50に触れなくても、電気切片を第1導通状態または第2導通状態にすることができる。以上のように、本実施形態におけるスイッチユニット20は、使用者の接触による直接的な操作と、ケーブルレリーズを介した間接的な操作のいずれの操作を受けた場合においても、電気切片を第1導通状態または第2導通状態にすることができる。
回動部材としての電源ダイヤル60は、レリーズボタン50の外周に配置される。電源ダイヤル60は、レリーズボタン50の軸周りに回動する。電源ダイヤル60は、例えば45度回動できるように後述する回動制限部材により回動角を制限されている。電源ダイヤル60においては、回動角の両ポジションにそれぞれ電源オンと電源オフが割り当てられる。使用者は、電源ダイヤル60をいずれかのポジションに操作することにより、カメラユニット12の電源をオンまたはオフの状態に切り替えることができる。
図2は、本実施形態に係るスイッチユニット20の分解斜視図である。特に図2(a)は、俯瞰図であり、図2(b)は、仰視図である。図示するように、スイッチユニット20は、レリーズボタン50、電源ダイヤル60、防滴ゴム80、軸受部材90、スポンジ100、Eリング110、電源ダイヤルカラー120、ブラシ支持部材130、接触ブラシ140、クリック板150およびビス160を含む。さらに、スイッチユニット20は、スリーブ170、バネ180、地板190、Eリング200、鋼球210、バネ220、電気切片230およびビス240を含む。
レリーズボタン50は、接触面51、挿通孔52、軸53、溝54および平面55を含む。軸53は、レリーズボタン50の使用者に接触される接触面51とは反対側の面に、押下方向に沿って設けられる。軸53は、中空軸であり、中空部分は挿通孔52と繋がっている。溝54は、軸53の外周に周方向へ形成される。互いに対向する二つの平面55は、溝54よりも先端側の外周面に形成される。
電源ダイヤル60は、凹部61および貫通孔62を含む。電源ダイヤル60は、円柱状に形成される。使用者による操作性を向上させるべく、電源ダイヤル60の外周面は、ローレット加工が施される。電源ダイヤル60の上面は、円筒状の凹部61が設けられる。貫通孔62は、凹部61の底に凹部61と同軸に形成される孔である。レリーズボタン50は、凹部61に上側から挿入される。
軸受部材90は、胴部91および鍔部92を含む。軸受部材90は、レリーズボタン50を支持する役割を担う。胴部91は、円筒状に形成される。鍔部92は、胴部91の下側の端に、胴部91の外径を拡張するように形成される。胴部91は、貫通孔62に下側から挿入される。そして、電源ダイヤル60に軸受部材90を嵌合させた状態で、軸53は、胴部91に上側から挿入される。
封止部材としての防滴ゴム80は、円筒状に形成される。防滴ゴム80は、軸53の外周に嵌入され、レリーズボタン50と電源ダイヤル60の間に配置される。
弾性部材としてのスポンジ100は、円環状に形成される。スポンジ100は、軸53の外周に挿入される。そして、リング部材としてのEリング110は、溝54に嵌入されて、軸53の外周に締結される。つまり、スポンジ100は、軸受部材90とEリング110の間に介在する。Eリング110により、スリーブ170は、地板190から離脱することを防ぐことができる。なお、Eリング110は、軸53の外周方向へ伸延する伸延部の一例である。
電源ダイヤル60は、Eリング110により抜け止めされたレリーズボタン50が取り付けられた後に、電源ダイヤルカラー120に取り付けられる。電源ダイヤルカラー120は、詳しくは後述するが、筐体としての外装部材40に固定されている。
外装部材40は、カメラユニット12の外観を構成するカバー部材である。外装部材40は、上側の面に挿通孔41が形成される。
電源ダイヤルカラー120は、挿通孔41に下側から挿入される。電源ダイヤルカラー120は、電源ダイヤル60を取り付ける場合に径方向の位置決め部材としての役割を担う。電源ダイヤルカラー120は、胴部121と鍔部122を含む。胴部121は、円筒状に形成される。鍔部122は、胴部121の下側の端に胴部121の外径を拡張するように形成される。鍔部122は、例えば接着剤を使用して外装部材40の下側の面すなわち裏面に固定される。胴部121は、挿通孔41から上側に突出している。
電源ダイヤルカラー120は、図2(b)に示すように、胴部121の内周から下側に突出して形成される突部123をさらに含む。突部123は、周方向に予め定められた間隔を開けて形成された二つの突起から成る。詳しくは後述するが、突部123は、電源ダイヤル60の回動を制限する回動制限部材としての役割を担う。さらに、突部123は、スリーブ170の軸周りの回転を規制する回転規制部材としての役割も担う。
電源ダイヤル60は、胴部121の外周面に対して嵌合する。ブラシ支持部材130は、軸受部材90の下側の面に取り付けられる。
ブラシ支持部材130は、基台部131、取付部132、ブラシ固定部133および切欠部134を含む。基台部131は、円環状に形成される。取付部132は、基台部131の上側の面に凸状に形成される。
図2(b)に示すように、ブラシ固定部133は、ブラシ支持部材130の下側の面に凸状に形成される。接触ブラシ140は、ブラシ固定部133の下側の端面に固定される。
接触ブラシ140は、例えば金属により形成される板バネである。接触ブラシ140の一端は、ブラシ固定部133に例えば溶着により固定される。接触ブラシ140の他端は、地板190の上側の面に設けられた回路パターンと接触する。
クリック板150は、鋼球210およびバネ220とともに使用者にクリック感を与える役割を担う。クリック板150は、例えば金属板により形成される。クリック板150は、基台部131の外形に沿ってC字状に形成される。クリック孔151は、クリック板150に複数形成される。クリック孔151は、電源ダイヤル60の回動ポジションに合わせて形成される。本実施形態においては、電源ダイヤル60のポジションは、電源オンおよび電源オフの2つなので、クリック孔151は、2カ所に設けられる。
ブラシ支持部材130は、下側の面にクリック板150を当接させた状態で、ビス160により、上側に面に軸受部材90を介して電源ダイヤル60に固定される。したがって、ブラシ支持部材130は、電源ダイヤル60と一体となって、電源ダイヤル60と共に軸周りに回動することができる。したがって、接触ブラシ140は、電源ダイヤル60の回動に対応して回路パターン上を摺動することができる。
押圧部材としてのスリーブ170は、電気切片230を押圧する役割を担う。スリーブ170は、胴部171、第1軸172、第2軸173および突出部175を含む。胴部171は、円柱状に形成される。第1軸172は、胴部171の上側の面から上側に延出して形成される。第2軸173は、胴部171の下側の面から下側に延出して形成される。詳しくは後述するが、胴部171の上側に面には、第1軸172を環囲する溝部174が形成される。規制部としての突出部175は、胴部171から径方向に突出して形成される。溝176は、第2軸173の外周に周方向へ形成される。
付勢部材としてのバネ180は、例えば圧縮コイルスプリングである。バネ180は、第2軸173の外周に配置された状態で、スリーブ170と地板190の間に介在する。バネ180は、スリーブ170を地板190から離間する方向、すなわち上側に付勢する。
地板190は、挿通孔191、バネ収容部192、切片固定部196および切片支持部193を含む。第2軸173は、挿通孔191に挿通される。Eリング200は、溝176に嵌入され、第2軸173の外周に締結される。Eリング200により、スリーブ170は、地板190から離脱することを防ぐことができる。
地板190は、図2(b)に示すように、下側の面に切片固定部196と切片支持部193をさらに含む。電気切片230は、ビス240により切片固定部196に固定される。詳しくは後述するが、切片支持部193は、地板190から下側に突出して形成される。切片支持部193は、電気切片230を固定する側、すなわち電気切片230の固定端とは反対の端、すなわち自由端を上側に付勢した状態で支持する。
地板190は、バネ収容部192をさらに含む。バネ収容部192は、地板190の上側の面から円筒状に突出して形成される。バネ220は、例えば圧縮コイルスプリングである。バネ220は、鋼球210をクリック板150に付勢する。
鋼球210は、静定状態においては一方のクリック孔151に付勢される。使用者が電源ダイヤル60を回転させると、鋼球210は、一旦クリック板150の表面に乗り上げてバネ220を圧縮し、他方のクリック孔151へ転移する。このとき、バネ220の抵抗力により、使用者はクリック感を得ることができる。
地板190は、スリーブ170、鋼球210、バネ220および電気切片230が固定された後に外装部材40に取り付けられる。そして、レリーズボタン50とスリーブ170は、軸方向に連結される。したがって、使用者によりレリーズボタン50が下側へ押下されると、スリーブ170は、下側に変位して電気切片230と接触することができる。
図3は、本実施形態に係るスイッチユニット20の切片支持部193を模式的に示した部分拡大図である。図3では、下側からの視点による切片支持部193を示す。切片支持部193は、第1支持部194と第2支持部195を含む。第1支持部194は、第2切片232の一端を支持し、第2支持部195は、第3切片233の一端を支持する。
第1支持部194は、地板190の下側の面に凸状に形成される。第1支持部194は、紙面上下方向を長手方向とし、紙面左右方向を短手方向とする直方体である。第2支持部195は、地板190に対して凸状に2つ形成される。それぞれの第2支持部195は、第2軸173に面する第1支持部194の側面の両端近傍にそれぞれ隣接して設けられる。
2つの第2支持部195の支持面は、地板190から同一の高さであり、第1支持部194の支持面は、第2支持部195の支持面よりも、地板190からの高さが低く形成されている。第2切片232のうち第1支持部194に支持される一端は、ストレートに伸びる自由端である。第3切片233は、第2切片232よりも紙面手前側に配置され、第3切片233のうち第2支持部195に支持される一端は、T字状に形成された自由端である。第3切片233は、T字状の側方へ伸びるそれぞれの部分において、2つの第2支持部195のそれぞれに支持される。
図示するように、第1支持部194と2つの第2支持部195は、第2軸173の外周部の半周以下の範囲を取り囲むように配置される。このように配置すると、Eリング200を第2軸173に装着しやすい。また、Eリング200と干渉しない程度に第2支持部195を第2軸173側へ寄せれば、切片支持部193が占有する面積を小さくすることができる。
図4は、図1におけるスイッチユニット20のA−A断面図である。電源ダイヤル60の内周面は、電源ダイヤルカラー120の外周面に対して摺動嵌合する。したがって、電源ダイヤル60は、電源ダイヤルカラー120の周りを回動できる。
軸53の外周面は、胴部91の内周面に対して摺動嵌合する。レリーズボタン50は、軸受部材90に対して上下方向に摺動できる。
防滴ゴム80の一端は、胴部91の外周面に支持される。防滴ゴム80の他端は、接触面51の裏面と接触する。ゆえに、防滴ゴム80は、接触面51の裏面と胴部91の間を封止することができる。したがって、防滴ゴム80は、レリーズボタン50と電源ダイヤル60の隙間からの水、塵等の異物の侵入を防ぐことができる。なお、防滴ゴム80は、レリーズボタン50を上側に付勢している。
スポンジ100は、Eリング110と軸受部材90の間に軸方向に圧縮された状態で配置される。したがって、スポンジ100は、レリーズボタン50を下側に付勢する。なお、スポンジ100の付勢力は、防滴ゴム80の付勢力よりも大きい。よって、レリーズボタン50は、下側に付勢されている。
レリーズボタン50に設けられた互いに対向する二つの平面55は、スリーブ170に設けられた互いに対向する二つの平面177に摺動嵌合する。すなわち、レリーズボタン50とスリーブ170は、互いに一部が径方向に嵌合して、軸方向に連なる。第2軸173は、挿通孔191に対して嵌合する。挿通孔191の内径は、第2軸173の外径よりも大きい。第2軸173は、Eリング200により抜け止めされている。
バネ180は、スリーブ170と地板190の間に介在する。バネ180は、スリーブ170を上側に付勢する。バネ180の付勢力は、スポンジ100の付勢力よりも大きい。したがって、レリーズボタン50とスリーブ170の嵌合部には、軸方向の隙間が生じない。ゆえに、レリーズボタン50とスリーブ170の上下のガタがなくなるので、レリーズボタン50のストロークを一定にすることができる。
第1ストロークは、図中の寸法aから第1切片231の板厚を除いた変位量である。スリーブ170が第1ストロークだけ変位した場合には、第2軸173の先端は、第1切片231に接触した後に、第1切片231は、第2切片232と接触する。そして、電気切片230は、第1導通状態になる。
第2ストロークは、図中の寸法bから第2切片232の板厚と第4切片234の板厚を除いた変位量である。スリーブ170が第2ストロークだけ変位した場合には、第4切片234は、第3切片233と接触する。そして、電気切片230は、第2導通状態になる。なお、本実施形態においては、第2切片232のへたりを防ぎ、反力を向上させる目的で、第4切片234を使用する。第4切片234は、第2切片232と一体的に変位する重ねバネである。
一般的に、レリーズボタンは、カメラの外側に露出して配置され、使用者に操作される。レリーズボタンはカメラの外側に露出しているので、使用者は、容易にカバー等の外観部材に対するレリーズボタンの配置状態を視認することができる。例えば、レリーズボタンがカバー等の外観部材に対してずれて配置されていると、カメラの外観品位は低下する。カメラの外観品位の低下を抑制すべく、レリーズボタンは、外観部材を基準として位置決めされて取り付けられることが多い。
使用者がレリーズボタンを押圧すると、レリーズボタンは押圧方向に変位する。レリーズボタンが変位すると、レリーズボタンの先端は、レリーズボタンの下側に設けられたスイッチを押圧する。スイッチは、レリーズボタンに押圧されることにより、電気的な導通状態と非導通状態を切り替える部材である。スイッチは、回路基板に実装される。スイッチが実装された回路基板は、外観部材とは別の、支持部材によって支持される。そして支持部材は、カメラの構造体に支持される。外装部材は、構造体に取り付けられる。
以上のような従来の構成によれば、レリーズボタンとスイッチの相対的な位置関係は、設計位置に対して、レリーズボタン、外観部材、支持部材、回路基板およびスイッチの製造上の寸法ばらつきが累積されて、大きくずれる場合がある。しかも、以上の部品を互いに組み付ける場合の組み付け誤差も累積され、誤差はさらに拡大する。つまり、レリーズボタンとスイッチは、上下方向にも平面方向にも、大きくずれ得る関係にあった。
レリーズボタンとスイッチの上下方向の位置ずれが生じると、スイッチの導通状態と非導通状態が切り替わるまでのレリーズボタンの変位量がばらつくという問題があった。レリーズボタンとスイッチの平面方向の位置ずれが生じると、レリーズボタンは、スイッチの中心を押圧できないことがあった。レリーズボタンがスイッチの中心を押圧できない場合には、スイッチの導通状態と非導通状態を切り替えることができないことがある。したがって、使用者がレリーズボタンを押圧しても、スイッチの導通状態と非導通状態が切り替わらないという問題があった。
本実施形態によれば、スリーブ170と電気切片230は、ともに同一の地板190に支持されている。挿通孔191は、地板190の基準面から貫通するように設けられている。第2軸173は、挿通孔191に挿通されている。Eリング200は、第2軸173の外周に装着される。バネ180は、スリーブ170と地板190の間に介在してスリーブ170を上側に付勢している。スリーブ170は、バネ180により上側に付勢されても、Eリング200が地板190の基準面に当接することにより、挿通孔191から離脱することは無い。つまり、スリーブ170は、Eリング200の作用により、地板190の基準面に対して上下方向に位置決めされている。ただし、挿通孔191は、スリーブ170に対して間隙を有するように形成されているので、スリーブ170は、地板190に対して、平面方向へは、位置決めされていない。
第1支持部194、第2支持部195および切片固定部196は、地板190の基準面から正確な位置に形成される。第2切片232の一端は、絶縁部材250を介して切片固定部196に固定されることにより、正確に位置決めされる。第2切片232の他端は、第1支持部194に付勢力を与えた状態で、第1支持部194に支持される。したがって、第2切片232は、地板190を基準として上下方向に正確に位置決めされる。
第3切片233の一端は、絶縁部材252を介して切片固定部196に固定されることにより、正確に位置決めされる。第3切片233の他端は、第2支持部195に付勢力を与えた状態で、第2支持部195に支持される。したがって、第3切片233は、地板190を基準として上下方向に正確に位置決めされる。
第1支持部と194第2支持部195は、上述のように、上下方向に異なる高さで形成されているしたがって、電気切片230は、スリーブ170の第1ストロークの変位により第1導通状態になることができ、スリーブ170の第2ストロークの変位により第2導通状態になることができる。
スリーブ170と電気切片230は、同一の地板190に対して正確に位置決めされている。スリーブ170と電気切片230は、複数の部品を介して取り付けられないので、ばらつきの累積を少なくすることができる。したがって、組み付け誤差、部品の個体差等によって生じ得るスリーブ170と電気切片230の位置ずれを極力軽減できる。
レリーズボタン50は、スポンジ100により下側へ付勢されている。スリーブ170は、バネ180により上側に付勢されている。バネ180の付勢力は、スポンジ100の付勢力よりも大きい。したがって、スリーブ170は、挿通孔191の下側の面に当接して上下方向に正確に配置されている。さらに、スリーブ170は、レリーズボタン50と上下方向に密着している。
使用者がレリーズボタン50を第1ストロークだけ変位させた場合には、スリーブ170は、レリーズボタン50と一体的に第1ストロークだけ変位することができる。そして、第2軸173の先端は、第1切片231を押圧し、第1切片231は、下側に撓んで第2切片232の半球状の突部と点接触する。第1切片231と第2切片232が接触した場合に、正確に第1導通状態になることができる。
さらに、使用者がレリーズボタン50を第2ストトークだけ変位させた場合には、スリーブ170は、レリーズボタン50と一体的に第2ストロークだけ変位することができる。そして、第1切片231、第2切片232および第4切片234が一体的に下側に撓んで第3切片233の半球状の突起と点接触する。第4切片234と第3切片233が接触した場合に、正確に第2導通状態になることができる。
したがって、本実施形態によれば、レリーズボタン50を外装部材40に位置決めして取り付けることにより外観品位を損ねることなく、レリーズボタン50の第1導通状態になる第1ストロークの変位と第2導通状態になる第2ストロークの変位のばらつきを少なくすることができる。
以上にも説明したが、レリーズボタン50は、外観品位の観点から外装部材40に位置決めされることが望まれる。本実施形態においては、電源ダイヤルカラー120は、外装部材40を基準として位置決めされている。そして、電源ダイヤル60は、電源ダイヤルカラー120の外周を基準として位置決めされている。具体的には、電源ダイヤル60の内周は、電源ダイヤルカラー120の外周に摺動嵌合している。
レリーズボタン50は、電源ダイヤル60を基準として位置決めされている。具体的には、軸53の外周は、胴部91の内周に摺動嵌合している。以上の組み付けにより、レリーズボタン50は、外装部材40を基準として位置決めされる。レリーズボタン50は、外装部材40、電源ダイヤルカラー120、電源ダイヤル60、軸受部材90等の複数の部品を介して外装部材40に取り付けられる。つまり、レリーズボタン50は、平面方向については、外装部材40を基準として位置決めされている。
上述の通り、スリーブ170は、地板190に対して上下方向へは位置決めされているものの、平面方向へは位置決めされていない。したがって、スリーブ170は、外装部材40を基準として平面方向へ位置決めされたレリーズボタン50に対して、軸方向に連結することができる。つまり、レリーズボタン50は、平面方向に対しては外装部材40を基準として位置決めされ、上下方向に対しては、地板190の基準面に対して位置決めされる。このように構成することにより、本実施形態のスイッチユニット20によれば、優れた外観品位を保ちつつ、かつ、設計値に極めて近い第1ストロークおよび第2ストロークによる導通状態を実現することができる。例えば、設計値としての第1ストロークと第2ストロークが等しい場合に、組み立てられたスイッチユニット20の実際の第1ストロークと第2ストロークは、ほぼ等しいことが期待できる。また、組み立てられた製品ごとのストロークも互いにばらつくことが無く、高い品質を保つことが期待できる。
図5は、本実施形態に係るスイッチユニット20のレリーズボタン50とスリーブ170の外観斜視図である。互いに対向する二つの平面55は、軸53の外周に形成されている。すなわち、軸53は、先端にいわゆる二方取り加工が施されている。
互いに対向する二つの平面177は、溝部174の外周に形成されている。すなわち、溝部174は、いわゆる二方取り加工がされている。二つの平面55は、二つの平面177と軸方向に摺動嵌合する。すなわち、レリーズボタン50は、スリーブ170に対して軸方向に摺動できる。スリーブ170は、レリーズボタン50に対して図示する寸法cの範囲を摺動することができる。本実施形態においては、スリーブ170が軸方向に変位する場合に、軸方向の倒れを抑制すべく、第1軸172は、寸法cで示される嵌合長よりも長く形成されている。二つの平面55と二つの平面177が嵌合することにより、レリーズボタン50とスリーブ170は、軸周りに互いに摺動しない。
突出部175は、胴部171から径方向に突出して、上側に延びて形成される。詳しくは後述するが、突出部175は、回転規制部材により軸周りの回転が規制される。レリーズボタン50は、スリーブ170と軸方向に連なるので、スリーブ170の軸周りの回転が規制されれば、レリーズボタン50の軸周りの回転は規制される。よって、使用者は、容易にケーブルレリーズをレリーズボタン50に取り付けることができる。
図6は、本実施形態に係るスイッチユニット20のスリーブ170の回転規制と電源ダイヤル60の回動制限を説明する図である。図6(a)は、下側からの視点による、突部123により電源ダイヤル60の回動と、スリーブ170の回転とを規制する様子を模式的に示している。
突部123は、円弧状に形成される。突部123の円弧中心は、電源ダイヤル60およびスリーブ170の回転中心と同一である。図6(b)、(c)を用いて、スリーブ170と突部123の関係、および電源ダイヤル60と突部123の関係を説明する。
図6(b)は、突部123により、スリーブ170の回転を規制する様子を模式的に示している。二つの突部123は、それぞれの側面に規制面124を有する。二つの規制面124は、それぞれ突部123の側面178に対応して形成される。二つの突部123は、突出部175を円周方向から挟み込んでいる。突出部175の側面178は、規制面124に当接することにより、スリーブ170の軸周りの回転を規制することができる。面取部125は、規制面124と突部123の上面との稜線に形成される。突出部175を下側から二つの突部123の間に挿入する場合に、面取部125により、突出部175は、二つの突部123の間に挿入されやすくなる。
図6(c)は、突部123により、電源ダイヤル60の回動を制限する様子を模式的に示している。二つの突部123は、それぞれの側面に制限面126を有する。制限面126は、それぞれ径方向に沿った平面である。突部123は、切欠部134に入り込んでいる。切欠部134は、ブラシ支持部材130の内周を径方向に切り欠いて形成されている。電源ダイヤル60が回動した場合に、切欠部134の径方向の側面135は、制限面126に当接することにより、電源ダイヤル60の回動を制限する。つまり、一方の制限面126と一方の側面135が当接した状態において、他方の制限面126と他方の切欠部134の側面135との成す角θにより、電源ダイヤル60の回動角を制限することができる。
本実施形態においては、突部123は、スリーブ170の軸方向への回転を規制する回転規制部材と、電源ダイヤル60の回動角度を制限する回動制限部材としての役割を兼ねている。つまり、軸53の方向から見た場合に、回転規制部材と回動制限部材を同一径上に配置した。すなわち、レリーズボタン50の軸方向から見た場合に、回転規制部材と回動制限部材は、互いに少なくとも一部が同一径上に配置されるので、スイッチユニット20は、径方向に面積が大きくなることが抑制できる。さらに、図6(a)に示すように、Eリング110は、軸53の方向から見た場合に、突部123と、少なくとも一部が同一径上に配置されている。すなわち、レリーズボタン50の軸方向から見た場合に、Eリング110は、回転規制部材と回動制限部材のそれぞれと、互いに少なくとも一部が同一径上に配置されるので、スイッチユニット20は、径方向に面積が大きくなることが抑制できる。
図7は、使用者の指によりレリーズボタン50を押圧する様子とケーブルレリーズ300によりスリーブ170を押圧する様子を示す図である。図7(a)は、使用者の指によりレリーズボタン50を下側に押圧する様子を示す。使用者の指により直接的にレリーズボタン50を押圧する場合には、スリーブ170は、レリーズボタン50の変位に対応して、レリーズボタン50と共に下側に変位する。そして、スリーブ170は、電気切片230を導通状態にする。つまり、使用者がレリーズボタン50を押下すれば、スリーブ170は、第1導通状態または第2導通状態を実現することができる。
図7(b)は、ケーブルレリーズ300によりスリーブ170を押圧する様子を示す。ケーブルレリーズ300によりスリーブ170を押圧する場合は、レリーズボタン50は変位しない。ケーブルレリーズ300は、取付部302、押圧軸材304およびチューブ308を含む。取付部302の外周は、雄ねじが加工されている。挿通孔52の内周は、雌ねじが加工されている。取付部302は、中央に貫通孔306を有する。取付部302は、挿通孔52に締結されてレリーズボタン50に装着される。チューブ308は、取付部302の上側に設けられる。
押圧軸材304は、チューブ308および貫通孔306の内部に進退可能に挿入される。使用者が押圧軸材304が押圧すると、押圧軸材304の先端は、スリーブ170を押圧する。つまり、使用者が押圧軸材304を押圧する場合には、スリーブ170は、押圧軸材304の変位に対応して、押圧軸材304とともに下側に変位する。そして、スリーブ170は、電気切片230を導通状態にする。つまり、使用者がレリーズボタン50を押下せずに押圧軸材304を押下しても、スリーブ170は、第1導通状態または第2導通状態を実現することができる。
以上のように、本実施形態のスイッチユニット20によれば、使用者による直接的な操作と、ケーブルレリーズによる間接的な操作のいずれに対しても、電気切片230を第1導通状態または第2導通状態にすることができる。
以上の実施形態においては、Eリング200を使用して、スリーブ170が地板190から離脱されることを防ぐ例を示した。しかしながら、スリーブ170の抜け止めは、Eリング200以外であってもよい。例えば、第2軸173にスナップフィットを設けることにより、スリーブ170は、抜け止めされてもよい。また、Eリング110を使用して、レリーズボタン50が軸受部材90から離脱されることを防ぐ例を示した。軸53に伸延部としてスナップフィットを設けることにより、レリーズボタン50は、抜け止めされてもよい。スナップフィットを使用することにより、部品点数を削減できるので、部品コストを削減することができる。さらに、スナップフィットを使用すれば、組立を簡略化することができる。
以上の実施形態においては、電源ダイヤル60の外観の品位を向上させつつ低コスト化を図るべく、電源ダイヤル60と軸受部材90を別体にする例を示した。しかしながら、電源ダイヤル60と軸受部材90は、一体に形成されてもよい。電源ダイヤル60と軸受部材90を一体に形成することにより、部品点数が削減できるので、部品コストを削減することができる。さらに、部品点数が削減できるので、組立性を向上させることができる。
以上の実施形態においては、ブラシ支持部材130とクリック板150を別体にする例を示した。しかしながら、ブラシ支持部材130とクリック板150は、一体に形成されてもよい。すなわち、クリック孔151は、ブラシ支持部材130の下側の面に形成されればよい。ブラシ支持部材130とクリック板150を一体に形成することにより、部品点数を削減することができるので、部品コストを削減することができる。さらに、部品点数が削減できるので、組立性を向上させることができる。
以上の実施形態においては、スリーブ170に突出部175を設け、スリーブ170の回転を規制する例を示した。しかしながら、ケーブルレリーズ300を使用する場合には、レリーズボタン50の回転が制限されればよいので、レリーズボタン50に突出部を設けて、レリーズボタン50の回転を規制してもよい。具体的には、胴部91は、突出部に対応した形状の溝部を胴部91の外周に形成すればよい。レリーズボタン50の突出部を軸受部材90の溝部に嵌入させることにより、レリーズボタン50は、軸受部材90に対して軸周りの回転を規制される。レリーズボタン50に突出部を設ける場合は、スリーブ170との軸方向の連結部には、二方取り加工をしなくてもよい。つまり、レリーズボタン50の回転が規制される場合には、スリーブ170は、回転してもよい。
以上の実施形態においては、切片支持部193は、Eリング200を半周以下で取り囲むように形成した。しかしながら、Eリング200の外形と略同一幅になるように、切片支持部193は、長手方向の寸法を小さくしてもよい。切片支持部193の長手方向の寸法を小さくすることにより、切片支持部193は、小型にすることができる。これにより、地板190に対する電気切片230の占有面積を小さくすることができる。
以上の実施形態においては、レンズユニット14が、カメラユニット12に対して着脱可能に装着されるカメラ10にスイッチユニット20を適用する例を示した。しかしながら、スイッチユニット20は、レンズユニット14を一体的に備えるカメラ10に適用してもよい。
さらに、以上の実施形態においては、スイッチユニット20は、カメラユニット12を構成するレリーズスイッチとして適用する例を示したが、適用範囲はレリーズスイッチに限らず、電子機器のスイッチユニットとして幅広い用途で使用することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。