JP2015074427A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面1に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向溝2と、周方向溝2に開口し、タイヤ周方向に対して傾斜した方向に延びる複数の幅方向溝3とが形成された、空気入りタイヤであって、周方向溝2の幅方向溝3とは反対側の溝壁面に、幅方向溝3の周方向溝2への開口面S1に向けて突出する突起6が形成されている。
【選択図】図1
Description
また、本実施形態では、「タイヤ周方向一方側」(図1の下方側)がタイヤ回転方向Rの前方側であり、「タイヤ周方向他方側」(図1の上方側)がタイヤ回転方向Rの後方側となるように、タイヤを車両に装着して使用する場合について説明するが、本発明のタイヤは、「タイヤ周方向一方側」がタイヤ回転方向Rの後方側であり、「タイヤ周方向他方側」がタイヤ回転方向Rの前方側となるように、タイヤを車両に装着して使用してもよい。
トレッド踏面1には、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本(図の例では、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側で延びる2本)の周方向溝2と、周方向溝2に開口し、タイヤ周方向に対して傾斜した方向に延びる複数の幅方向溝3とが形成されている。なお、トレッド踏面1には、周方向溝2が、1本のみ形成されてもよいし、3本以上形成されてもよい。
なお、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す。また、「規定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧を指す。「最大負荷荷重」とは、前記最大負荷能力に対応する荷重を指す。また、本明細書において、「溝幅」とは、溝の、溝幅中心線と垂直な方向に測った幅を指す。
なお、本明細書において、特に断りがない限り、各溝やベルト等のタイヤの構成部分の寸法(幅、角度等)は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷の状態で計測した値を指す。
なお、図の例のように、幅方向溝3が、タイヤ幅方向に対して30°以上の傾斜角度で傾斜して延びる場合、タイヤの負荷転動時における幅方向溝3と周方向溝2との間での風の流量を大幅に増大させることができるので、トレッド部の放熱効果をさらに向上させることができる。
ここで、幅方向溝3の延びる方向とは、具体的には、幅方向溝3の溝幅中心線の延びる方向であるものとする。
また、突起6を設けた分、トレッド部1の陸部(具体的には、2本の周方向溝2間のリブ状中央陸部4)の剛性を高めることができるので、耐摩耗性能や操縦安定性能を向上させることができる。
なお、「トレッド踏面1を平面視したとき」とは、トレッド踏面1のトレッドパターンの展開図を見たときを意味する。
ここで、「突起6の突出先端63」とは、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6の壁面64のうち、突起6が設けられた周方向溝2の溝壁面からの、タイヤ幅方向距離が最大となる部分を意味する。
この構成により、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れ込む風の大部分が、突起6によってスムーズに周方向溝2のタイヤ回転方向Rの後方側へ案内されるとともに、周方向溝2内をタイヤ回転方向Rの後方側に向けて流れる強い強度の風が、ブロック状陸部5のタイヤ回転方向Rの後方側端部にまで流れるので、ブロック状陸部5をそのタイヤ周方向の全長にわたって効果的に放熱することができる。ゆえに、トレッド部の放熱効果をさらに向上させることができる。
同様の観点から、図の例のように、突起6の突出先端63が、一対の仮想端面S2、S3間のタイヤ周方向中央位置を延びる仮想中間面S4と、タイヤ回転方向Rの前方側の仮想端面S2との間に配置されることが、さらに好ましい。
また、同様の観点から、図の例のように、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6の突出先端63が、幅方向溝3のタイヤ回転方向Rの前方側(タイヤ周方向一方側)の溝壁面をタイヤ幅方向内側へ延長した仮想延長面S6上に配置され、又は、仮想延長面S6よりもタイヤ回転方向Rの前方側に配置されることも、好適である。この場合、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れ込む風が、突起6の突出先端63によって妨げられないので、風の流れをよりスムーズにすることができる。
ここで、この「仮想延長面S6」は、トレッド踏面1を平面視したときに、幅方向溝3のタイヤ回転方向Rの前方側の溝壁面が、周方向溝2の溝壁面との連結端縁31近傍で湾曲している場合、連結端縁31での曲率を一定に保ったままタイヤ幅方向内側へ延長されるものとする。
これに加えて、又はこれに代えて、図2に示すように、仮想連結面S5から突起6の壁面64までのタイヤ幅方向の距離が、突起6の突出先端63からタイヤ回転方向Rの前方側に向けて、徐々に減少することも好ましい。これによれば、周方向溝2内をタイヤ回転方向Rの後方側に向けて流れる風が、スムーズに周方向溝2からタイヤ半径方向外側へ抜け出るように案内されるので、トレッド部の放熱効果をさらに向上させることができる。
このようにして、トレッド踏面1を平面視したときの突起6の形状を、タイヤ幅方向に対して非対称とすることで、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れ込む風が、周方向溝2のタイヤ周方向のいずれか一方側に向けて流れやすくなる。
また、図の例のように、比較的小さな角度θ1をタイヤ回転方向R後方側に形成し、比較的大きな角度θ2をタイヤ回転方向R前方側に形成した場合、突起6の、比較的小さな角度θ1を形成する部分によって、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れ込む風が、タイヤ半径方向外側へ剥離することなく、スムーズに周方向溝2のタイヤ回転方向Rの後方側へ流れるように案内される。また、突起の、比較的大きな角度θ2を形成する部分によって、周方向溝2内をタイヤ回転方向Rの後方側に向けて流れる風が、スムーズに周方向溝2からタイヤ半径方向外側へ抜け出るように案内される。よって、トレッド部の放熱効果をさらに向上させることができる。
ここで、「仮想連結面S5と、突起6の壁面64の仮想連結面S5に隣接する部分とがなす2つの角度θ1、θ2」とは、(周方向溝2の溝壁面ではなく)仮想連結面S5と、突起6の壁面64の仮想連結面S5に隣接する部分との間に形成される角度を意味し、鋭角の場合に限られず、直角や鈍角の場合も含む。また、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6の壁面64が、壁面64の、周方向溝2の溝壁面との連結端縁61、62近傍で湾曲している場合、これらの角度θ1、θ2は、仮想連結面S5と、連結端縁61、62からそれぞれ突出先端63まで(突出先端63がタイヤ周方向に沿って延びている場合は、突出先端63における、連結端縁61、62に対してそれぞれ最も近い点まで)引いた線分とがなす角度であるものとする。
同様の観点から、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6の壁面64の、突出先端63からタイヤ回転方向Rの後方側に延びる部分が、一箇所以上でタイヤ回転方向Rの前方側に凸に屈曲しており、突起6の壁面64の各屈曲箇所における、該壁面64とタイヤ周方向とのなす鋭角側の角度が、いずれも角度θ1から角度θ3までの範囲内であるとともに、周方向溝2の、突起6が形成された溝壁面に向かう順番に、連続的に小さくなるようにすることも、好適である。
さらにこの場合、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6のタイヤ周方向の長さが、タイヤ全周にわたる周方向溝2のタイヤ周方向の長さに対して6〜26%の範囲内にあることが好ましい。
これらの構成によれば、トレッド部の放熱効果をより向上させるとともに、陸部の剛性をより高めることができる。
さらに、トレッド踏面1を平面視したときに、突起6の突出先端63は、図17〜図21の変形例において、仮想延長面S6上に配置されている。
また、図3〜図5、図7〜図10、図13〜図16、図20〜図23の変形例では、トレッド踏面1を平面視したときに、θ1<θ3の関係を満たしている。
ここで、「仮想延長面S6と略平行に延びている」とは、図示はしないが、仮想延長面S6との間にほぼ一定の距離を保ったまま延びる場合と、図17〜図19の例のように仮想延長面S6に沿って延びる場合との両方を含み、また、図17〜図19の例のように仮想延長面S6が直線状に延びる場合だけでなく、仮想延長面S6が非直線状に延びる場合も含む。この構成によっても、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れ込む風が、タイヤ半径方向外側へ剥離することなく、スムーズに周方向溝2内へ流れるので、トレッド部の放熱効果をさらに向上させることができる。
なお、図17〜図19の変形例のように、突起6の壁面64が、突起6の突出先端63よりもタイヤ回転方向R後方側で、仮想延長面S6に沿って延びている部分を含むことによれば、タイヤの負荷転動時に、幅方向溝3から周方向溝2に向けて流れる風が、突起6の突出先端63によって妨げられないので、よりスムーズに周方向溝2内へ流れ込む。よって、高いトレッド部の放熱効果を得ることができる。
向trdにおいて第5ベルト層305の外側に位置する。第6ベルト層306は、タイヤ径方向trdにおいて、複数のベルト層からなるベルト300の中で最も外側に位置する。タイヤ径方向trdにおいて、内側から外側に向かって、第1ベルト層301、第2ベルト層302、第3ベルト層303、第4ベルト層304、第5ベルト層305、第6ベルト層306の順に配置される。
Claims (9)
- トレッド踏面に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の周方向溝と、前記周方向溝に開口し、タイヤ周方向に対して傾斜した方向に延びる複数の幅方向溝とが形成された、空気入りタイヤであって、
前記周方向溝の前記幅方向溝とは反対側の溝壁面に、前記幅方向溝の前記周方向溝への開口面に向けて突出する突起が形成されていることを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面を平面視したときに、前記突起の突出先端が、前記幅方向溝の両溝壁面のそれぞれの、前記周方向溝の溝壁面との連結端縁を通る、タイヤ幅方向に沿う一対の仮想端面どうしの間に配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド踏面を平面視したときに、前記突起のタイヤ周方向両側に位置する前記周方向溝の溝壁面どうしを連結する仮想連結面から前記突起の壁面までのタイヤ幅方向の距離が、前記突起の突出先端からタイヤ周方向の少なくとも一方側に向けて、徐々に減少する、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド踏面を平面視したときに、前記突起のタイヤ周方向両側に位置する前記周方向溝の溝壁面どうしを連結する仮想連結面と、前記突起の壁面の該仮想連結面に隣接する部分とがなす2つの角度のうち、一方の角度が、他方の角度よりも、大きくされている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド踏面を平面視したときに、
前記幅方向溝が、前記周方向溝からタイヤ幅方向外側に向けて、タイヤ幅方向に沿う方向に、又は、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向一方側に向けて傾斜する方向に、延びており、
前記突起のタイヤ周方向両側に位置する前記周方向溝の溝壁面どうしを連結する仮想連結面と、前記突起の壁面とがなす2つの角度のうち、タイヤ周方向他方側の角度θ1が、前記周方向溝の前記幅方向溝とは反対側の溝壁面又は前記仮想連結面と、前記幅方向溝の前記タイヤ周方向一方側の溝壁面をタイヤ幅方向内側へ延長した仮想延長面とのなす鋭角側の角度θ3よりも、小さくされている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面を平面視したときに、
前記幅方向溝が、前記周方向溝からタイヤ幅方向外側に向けて、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向一方側に向けて30°以上の角度で傾斜する方向に延びており、
前記突起の壁面が、該突起の突出先端よりもタイヤ周方向他方側で、前記幅方向溝の前記タイヤ周方向一方側の溝壁面をタイヤ幅方向内側へ延長した仮想延長面と略平行に延びる部分を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面を平面視したときに、
前記幅方向溝が、前記周方向溝からタイヤ幅方向外側に向けて、タイヤ幅方向に沿う方向に、又は、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向一方側に向けて傾斜する方向に、延びており、
前記突起の壁面が、該突起の突出先端よりもタイヤ周方向他方側で、前記幅方向溝の前記タイヤ周方向一方側の溝壁面をタイヤ幅方向内側へ延長した仮想延長面に沿って延びている部分を含む、請求項1〜4及び6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面を平面視したときに、
前記突起の面積が、タイヤ全周にわたる、前記突起が溝壁に形成された前記周方向溝の前記突起を含めた総面積に対して1〜30%の範囲内にある、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記トレッド踏面を平面視したときに、
前記突起のタイヤ周方向両側に位置する前記周方向溝の溝壁面どうしを連結する仮想連結面から前記突起の突出先端までのタイヤ幅方向の距離が、前記周方向溝の溝幅に対して30〜230%の範囲内にあり、
前記突起のタイヤ周方向の長さが、タイヤ全周にわたる前記周方向溝のタイヤ周方向の長さに対して6〜26%の範囲内にある、請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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