JP2015062365A - ラクトパミンに結合する核酸分子およびその用途 - Google Patents

ラクトパミンに結合する核酸分子およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】国内で承認されていないβアドレナリン受容体に対する作動薬のラクトパミンの家畜の肉や内臓における検出に利用可能な核酸分子を提供する。【解決手段】下記(a)〜(c)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾塩基を含む核酸分子を、ラクトパミンに結合する核酸分子とする。(a)特定の塩基配列からなるポリヌクレオチド(b)前記の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド(c)前記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド【選択図】図1

Description

本発明は、ラクトパミンに結合する核酸分子およびその用途に関する。
ラクトパミンは、βアドレナリン受容体に対する作動薬であるが、日本においては、承認されていない。他方、ラクトパミンは、家畜に投与することで肉量を増やせることから、海外においては、家畜の飼育において使用されることがある。この場合、ラクトパミンの過剰投与により、前記家畜の肉や内臓等にラクトパミンが蓄積されるため、前記家畜の肉や内臓等を摂取したヒトへの影響が心配されている。
ラクトパミンの検出には、液体クロマトグラフを用いた方法が知られているが(非特許文献1)、例えば、家畜から採取したサンプルについて前処理を行う必要があるため、手間がかかるという問題がある。また、抗体を用いてラクトパミンを検出する方法も考えられるが、ラクトパミンは低分子化合物であるため、抗体の取得が困難という問題がある。また、抗体が取得できても、抗体はタンパク質であり、安定性に問題があるため、低コストで簡易な検査法に抗体を用いることが難しい(特許文献1)。
このような問題から、近年、抗体に代えて、抗原と特異的に結合する核酸分子が注目されている。しかしながら、これまでにラクトパミンに対する核酸分子は報告されていないことから、ラクトパミンの検出に利用可能な核酸分子の提供が求められている。
国際公開2013/065314号
WEILIN L. SHELVER AND DAVID J. SMITH、「Determination of Ractopamine in Cattle and Sheep Urine Samples Using an Optical Biosensor Analysis: Comparative Study with HPLC and ELISA」、J. Agric. Food Chem.、2003、51、3715-3721頁
そこで、本発明の目的は、ラクトパミンの検出に利用可能な核酸分子を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の核酸分子は、下記(a)〜(c)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾塩基を含むことを特徴とする。
(a)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)前記(a)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
(c)前記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
本発明のラクトパミン検出試薬は、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする。
本発明のラクトパミン検出キットは、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする。
本発明のラクトパミン検出方法は、前記本発明の核酸分子とサンプルとを接触させ、前記サンプル中のラクトパミンと前記核酸分子との複合体を形成させる工程、および、前記複合体を検出する工程を含むことを特徴とする。
本発明の核酸分子は、ラクトパミンに結合可能である。このため、本発明の核酸分子によれば、例えば、ラクトパミンとの結合の有無によって、ラクトパミンを検出できる。したがって、本発明の核酸分子は、例えば、食品管理、公衆衛生等の分野におけるラクトパミンの検出に、極めて有用なツールといえる。
図1は、本発明の実施例1において、アプタマーとラクトパミンとの結合能を示すグラフである。
<核酸分子>
本発明の核酸分子は、前述のように、下記(a)〜(c)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾塩基を含むことを特徴とするラクトパミンに結合する核酸分子である。
(a)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド
(b)前記(a)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
(c)前記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
本発明において、「ラクトパミンに結合する」とは、例えば、前記ラクトパミンに対する結合能を有している、または、前記ラクトパミンに対する結合活性を有しているともいう。本発明の核酸分子と前記ラクトパミンとの結合は、例えば、表面プラズモン共鳴分子相互作用(SPR;Surface Plasmon resonance)解析等により決定できる。前記解析は、例えば、ProteON(商品名 BioRad社)が使用できる。
ラクトパミンは、下記式(1)で表わされる。前記ラクトパミンは、例えば、異性体、塩、水和物、溶媒和物等の誘導体でもよい。以下、前記ラクトパミンに関する記載は、前記誘導体に援用できる。
本発明の核酸分子において、前記(a)〜(c)のポリヌクレオチドの構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられる。前記ポリヌクレオチドは、後述するように、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基を含むDNAであり、さらに、非ヌクレオチド残基を含んでもよい。本発明の核酸分子は、例えば、以下、DNAアプタマーともいう。
本発明の核酸分子は、例えば、前記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドからなる分子でもよいし、前記ポリヌクレオチドを含む分子でもよい。後者の場合、本発明の核酸分子は、例えば、後述するように、前記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドを2つ以上含んでもよい。前記2つ以上のポリヌクレオチドは、同じ配列でもよいし、異なる配列でもよい。また、後者の場合、本発明の核酸分子は、例えば、さらに、リンカーおよび/または付加配列等を有してもよい。
前記(a)のポリヌクレオチドは、配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチドである。
配列番号1
5’-GGTAAGTAGCCCTCCCTGAAATGAAGTATCGCCGCTACCGTTTGATATTTAATCACTAGCACGGCAATCTGGTTTAAG-3’
前記(b)において、「同一性」は、例えば、前記(b)のポリヌクレオチドが、ラクトパミンに結合する範囲であればよい。前記同一性は、例えば、80%以上、85%以上であり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上、96%以上、97%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上である。前記同一性は、例えば、BLAST、FASTA等の解析ソフトウェアを用いて、デフォルトのパラメータにより算出できる(以下、同様)。
前記(c)において、「ハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド」は、例えば、前記(a)のポリヌクレオチドに対して、完全または部分的に相補的なポリヌクレオチドである。前記ハイブリダイズは、例えば、各種ハイブリダイゼーションアッセイにより検出できる。前記ハイブリダイゼーションアッセイは、特に制限されず、例えば、ザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載されている方法を採用することもできる。
前記(c)において、「ストリンジェントな条件」は、例えば、低ストリンジェントな条件、中ストリンジェントな条件、高ストリンジェントな条件のいずれでもよい。「低ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、32℃の条件である。「中ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、42℃の条件である。「高ストリンジェントな条件」は、例えば、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%SDS、50%ホルムアミド、50℃の条件である。ストリンジェンシーの程度は、当業者であれば、例えば、温度、塩濃度、プローブの濃度および長さ、イオン強度、時間等の条件を適宜選択することで、設定可能である。「ストリンジェントな条件」は、例えば、前述したザンブルーク(Sambrook)ら編「モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリーマニュアル第2版(Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed.)」〔(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕等に記載の条件を採用することもできる。
本発明の核酸分子は、例えば、前記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドの配列を1つ含んでもよいし、前記ポリヌクレオチドの配列を複数含んでもよい。後者の場合、複数のポリヌクレオチドの配列が連結して、一本鎖のポリヌクレオチドを形成していることが好ましい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、それぞれが直接的に連結してもよいし、リンカーを介して、それぞれが間接的に連結してもよい。前記ポリヌクレオチドの配列は、それぞれの末端において、直接的または間接的に連結していることが好ましい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、同じでもよいし、異なってもよい。前記複数のポリヌクレオチドの配列は、例えば、同じであることが好ましい。前記ポリヌクレオチドの配列を複数含む場合、前記配列の数は、特に制限されず、例えば、2以上であり、好ましくは2〜20であり、より好ましくは2〜10であり、より好ましくは、2または3である。
前記リンカーは、特に制限されない。前記リンカーの長さは、特に制限されず、例えば、1〜200塩基長であり、好ましくは1〜20塩基長であり、より好ましくは3〜12塩基長であり、さらに好ましくは5〜9塩基長である。前記リンカーの構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基等があげられる。前記リンカーは、特に制限されず、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、リボヌクレオチド残基を含むDNA等のポリヌクレオチドがあげられる。前記リンカーの具体例として、例えば、例えば、ポリデオキシチミン(ポリdT)、ポリデオキシアデニン(ポリdA)、AとTの繰り返し配列であるポリdAdT等があげられ、好ましくはポリdT、ポリdAdTである。
本発明の核酸分子において、前記ポリヌクレオチドは、一本鎖ポリヌクレオチドであることが好ましい。前記一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、自己アニーリングによりステム構造およびループ構造を形成可能であることが好ましい。前記ポリヌクレオチドは、例えば、ステムループ構造、インターナルループ構造および/またはバルジ構造等を形成可能であることが好ましい。
本発明の核酸分子は、例えば、二本鎖でもよい。二本鎖の場合、例えば、一方の一本鎖ポリヌクレオチドは、前記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドを含み、他方の一本鎖ポリヌクレオチドは、制限されない。前記他方の一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、前記(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチドがあげられる。本発明の核酸分子が二本鎖の場合、例えば、使用に先立って、変性等により、一本鎖ポリヌクレオチドに解離させることが好ましい。また、解離した前記前記(a)〜(c)のいずれかの一本鎖ポリヌクレオチドは、例えば、前述のように、ステム構造およびループ構造を形成していることが好ましい。
本発明において、「ステム構造およびループ構造を形成可能」とは、例えば、実際にステム構造およびループ構造を形成すること、ならびに、ステム構造およびループ構造が形成されていなくても、条件によってステム構造およびループ構造を形成可能なことも含む。「ステム構造およびループ構造を形成可能」とは、例えば、実験的に確認した場合、および、コンピュータ等のシミュレーションで予測した場合の双方を含む。
本発明の核酸分子の構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基である。前記核酸分子の長さは、特に制限されず、その下限は、例えば、15塩基長であり、好ましくは78塩基長であり、その上限は、例えば、91塩基長であり、好ましくは78塩基長である。
前記ヌクレオチド残基は、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基があげられる。本発明の核酸分子は、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基のみから構成されるDNA、1もしくは数個のリボヌクレオチド残基を含むDNA等があげられる。後者の場合、「1もしくは数個」は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個または1〜78個、好ましくは1〜30個、より好ましくは1〜15個、さらに好ましくは1〜7個、特に好ましくは1〜3個、最も好ましくは1〜2個である。本発明において、塩基数および配列数等の個数の数値範囲は、例えば、その範囲に属する正の整数を全て開示するものである。つまり、例えば、「1〜5塩基」との記載は、「1、2、3、4、5塩基」の全ての開示を意味する(以下、同様)。
前記ポリヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾塩基を含む。前記修飾塩基は、特に制限されず、例えば、天然塩基(非人工塩基)が修飾された塩基があげられ、前記天然塩基と同様の機能を有することが好ましい。前記天然塩基は、特に制限されず、例えば、プリン骨格を有するプリン塩基、ピリミジン骨格を有するピリミジン塩基等があげられる。前記プリン塩基は、特に制限されず、例えば、アデニン(a)、グアニン(g)があげられる。前記ピリミジン塩基は、特に制限されず、例えば、シトシン(c)、チミン(t)、ウラシル(u)等があげられる。前記塩基の修飾部位は、特に制限されない。前記塩基がプリン塩基の場合、前記プリン塩基の修飾部位は、例えば、前記プリン骨格の7位および8位があげられる。前記塩基がピリミジン塩基の場合、前記ピリミジン塩基の修飾部位は、例えば、前記ピリミジン骨格の5位および6位があげられる。前記ピリミジン骨格において、4位の炭素に「=O」が結合し、5位の炭素に「−CH」または「−H」以外の基が結合している場合、修飾ウラシルまたは修飾チミンということができる。
前記修飾塩基の修飾基は、特に制限されず、例えば、メチル基、フルオロ基、アミノ基、チオ基、下記式(2)のベンジルアミノカルボニル基(benzylaminocarbonyl)、下記式(3)のトリプタミノカルボニル基(tryptaminocarbonyl)およびイソブチルアミノカルボニル基(isobutylaminocarbonyl)等があげられる。
前記修飾塩基は、特に制限されず、例えば、アデニンが修飾された修飾アデニン、チミンが修飾された修飾チミン、グアニンが修飾された修飾グアニン、シトシンが修飾された修飾シトシンおよびウラシルが修飾された修飾ウラシル等があげられ、前記修飾チミン、前記修飾ウラシルおよび前記修飾シトシンが好ましい。
前記修飾アデニンの具体例としては、例えば、7’−デアザアデニン等があげられる。
前記修飾グアニンの具体例としては、例えば、7’−デアザグアニン等があげられる。
前記修飾チミンの具体例としては、例えば、5’−ベンジルアミノカルボニルチミン、5’−トリプタミノカルボニルチミン、5’−イソブチルアミノカルボニルチミン等があげられる。
前記修飾ウラシルの具体例としては、例えば、5’−ベンジルアミノカルボニルウラシル(BndU)、5’−トリプタミノカルボニルウラシル(TrpdU)および5’−イソブチルアミノカルボニルウラシル等があげられる。
前記ポリヌクレオチドは、特に制限されず、例えば、いずれか1種類の前記修飾塩基のみを含んでもよいし、2種類以上の前記修飾塩基を含んでもよい。
前記修飾塩基の個数は、特に制限されない。前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾塩基の個数は、1個以上であればよく、その上限は、特に制限されない。前記修飾塩基は、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個または1〜78個、好ましくは1〜70個、より好ましくは1〜40個、さらに好ましくは1〜30個、特に好ましくは1〜20個、最も好ましくは20個であり、また、全ての塩基が、前記修飾塩基でもよい。前記修飾塩基の個数は、例えば、いずれか1種類の前記修飾塩基の個数であってもよいし、2種類以上の前記修飾塩基の個数の合計であってもよい。また、前記ポリヌクレオチドを含む前記核酸分子の全長における前記修飾塩基も、特に制限されず、例えば、1〜91個または1〜78個であり、好ましくは、前述の範囲と同様である。
前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾塩基の割合は、特に制限されない。前記修飾塩基の割合は、前記ポリヌクレオチドの全塩基数のうち、例えば、1/100以上、好ましくは1/40以上、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上、特に好ましくは1/4以上、最も好ましくは1/3以上である。また、前記ポリヌクレオチドを含む前記核酸分子の全長における前記修飾塩基の割合も、特に制限されず、前述の範囲と同様である。ここで、前記全塩基数は、例えば、前記ポリヌクレオチドにおける天然塩基の個数と前記修飾塩基の個数の合計である。前記修飾塩基の割合を分数で示すが、これを満たす全塩基数と修飾塩基数とは、それぞれ正の整数である。
前記ポリヌクレオチドにおける前記修飾塩基が、前記修飾チミンの場合、前記修飾チミンの個数は、特に制限されない。前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、天然チミンは、前記修飾チミンに置換できる。前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾チミンの個数は、例えば、その下限は、1個であり、その上限は、特に制限されない。前記修飾チミンは、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜40個、好ましくは5〜35個、より好ましくは8〜30個、さらに好ましくは10〜25個、特に好ましくは13〜22個、最も好ましくは17個であり、また、全てのチミンが、前記修飾チミンでもよい。
前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾チミンの割合は、特に制限されない。前記修飾チミンの割合は、前記天然チミンの個数と前記修飾チミンの個数との合計のうち、例えば、1/100以上、好ましくは1/40以上、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上、特に好ましくは1/4以上、最も好ましくは1/3以上である。
前記ポリヌクレオチドにおける前記修飾塩基が、前記修飾ウラシルの場合、前記修飾ウラシルの個数は、特に制限されない。前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、天然チミンは、前記修飾ウラシルに置換できる。前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾ウラシルの個数は、例えば、その下限は、1個であり、その上限は、特に制限されない。前記修飾ウラシルは、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜40個、好ましくは5〜35個、より好ましくは8〜30個、さらに好ましくは10〜25個、特に好ましくは13〜22個、最も好ましくは17個であり、また、全てのチミンが、前記修飾ウラシルでもよい。
前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾ウラシルの割合は、特に制限されない。前記修飾ウラシルの割合は、前記天然チミンの個数と前記修飾ウラシルの個数との合計のうち、例えば、1/100以上、好ましくは1/40以上、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上、特に好ましくは1/4以上、最も好ましくは1/3以上である。
前記修飾チミンと前記修飾ウラシルの個数の例示は、例えば、両者をあわせた個数であってもよい。
前記ポリヌクレオチドにおける前記修飾塩基が、前記修飾シトシンの場合、前記修飾シトシンの個数は、特に制限されない。前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、天然シトシンは、前記修飾シトシンに置換できる。前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾シトシンの個数は、例えば、その下限は、1個であり、その上限は、特に制限されない。前記修飾シトシンは、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜40個、好ましくは5〜30個、より好ましくは5〜20個、さらに好ましくは8〜19個、特に好ましくは10〜18個、最も好ましくは12個であり、また、全てのシトシンが、前記修飾シトシンでもよい。
前記ポリヌクレオチドにおいて、前記修飾シトシンの割合は、特に制限されない。前記修飾シトシンの割合は、前記天然シトシンの個数と前記修飾シトシンの個数との合計のうち、例えば、1/100以上、好ましくは1/40以上、より好ましくは1/20以上、さらに好ましくは1/10以上、特に好ましくは1/4以上、最も好ましくは1/3以上である。
前記修飾塩基が、前記修飾アデニンまたは前記修飾グアニンの場合、前記修飾シトシンの個数および割合の説明において、「シトシン」および「修飾シトシン」を、それぞれ「アデニン」および「修飾アデニン」または「グアニン」および「修飾グアニン」に読み替えて援用できる。前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、天然アデニンは、前記修飾アデニンに置換でき、例えば、天然グアニンは、前記修飾グアニンに置換できる。
本発明の核酸分子は、修飾ヌクレオチドを含んでもよい、前記修飾ヌクレオチドは、前述の前記修飾塩基を有するヌクレオチドでもよいし、糖残基が修飾された修飾糖を有するヌクレオチドでもよいし、前記修飾塩基および前記修飾糖を有するヌクレオチドでもよい。
前記糖残基は、特に制限されず、例えば、デオキシリボース残基またはリボース残基があげられる。前記糖残基における修飾部位は、特に制限されず、例えば、前記糖残基の2’位または4’位があげられ、いずれか一方でも両方が修飾されてもよい。前記修飾糖の修飾基は、例えば、メチル基、フルオロ基、アミノ基、チオ基等があげられる。
前記修飾ヌクレオチド残基において、塩基がピリミジン塩基の場合、例えば、前記糖残基の2’位および/または4’位が修飾されていることが好ましい。前記修飾ヌクレオチド残基の具体例は、例えば、デオキシリボース残基またはリボース残基の2’位が修飾された、2’−メチル化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−メチル化−シトシンヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−フルオロ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−アミノ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−アミノ化−シトシンヌクレオチド残基、2’−チオ化−ウラシルヌクレオチド残基、2’−チオ化−シトシンヌクレオチド残基等があげられる。
前記修飾ヌクレオチドの個数は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個または1〜78個、好ましくは1〜80個、より好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜50個、特に好ましくは1〜40個、最も好ましくは1〜30個である。また、前記ポリヌクレオチドを含む前記核酸分子の全長における前記修飾ヌクレオチドも、特に制限されず、例えば、1〜91個または1〜78個であり、好ましくは、前述の範囲と同様である。
本発明の核酸分子は、例えば、1もしくは数個の人工核酸モノマー残基を含んでもよい。前記「1もしくは数個」は、特に制限されず、例えば、前記ポリヌクレオチドにおいて、例えば、1〜91個または1〜78個、好ましくは1〜80個、より好ましくは1〜60個、さらに好ましくは1〜50個、特に好ましくは1〜40個、最も好ましくは1〜30個である。前記人工核酸モノマー残基は、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(Locked Nucleic Acid)、ENA(2’−O,4’−C−Ethylenebridged Nucleic Acids)等があげられる。前記モノマー残基における核酸は、例えば、前述と同様である。また、前記ポリヌクレオチドを含む前記核酸分子の全長における前記人工核酸モノマー残基も、特に制限されず、例えば、1〜91個または1〜78個であり、好ましくは、前述の範囲と同様である。
本発明の核酸分子は、例えば、ヌクレアーゼ耐性であることが好ましい。本発明の核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性のため、例えば、前記修飾化ヌクレオチド残基および/または前記人工核酸モノマー残基を有することが好ましい。本発明の核酸分子は、ヌクレアーゼ耐性のため、例えば、5’末端または3’末端に、数10kDaのPEG(ポリエチレングリコール)またはデオキシチミジン等が結合してもよい。
本発明の核酸分子は、例えば、さらに付加配列を有してもよい。前記付加配列は、例えば、前記核酸分子の5’末端および3’末端の少なくとも一方に結合していることが好ましく、より好ましくは3’末端である。前記付加配列は、特に制限されない。前記付加配列の長さは、特に制限されず、例えば、1〜200塩基長であり、好ましくは1〜50塩基長であり、より好ましくは1〜25塩基長、さらに好ましくは18〜24塩基長である。前記付加配列の構成単位は、例えば、ヌクレオチド残基であり、デオキシリボヌクレオチド残基およびリボヌクレオチド残基等があげられる。前記付加配列は、特に制限されず、例えば、デオキシリボヌクレオチド残基からなるDNA、リボヌクレオチド残基を含むDNA等のポリヌクレオチドがあげられる。前記付加配列の具体例として、例えば、ポリdT、ポリdA等があげられる。
本発明の核酸分子は、例えば、担体に固定化して使用できる。前記本発明の核酸分子は、例えば、5’末端および3’末端のいずれかを固定化することが好ましく、より好ましくは3’末端である。本発明の核酸分子を固定化する場合、例えば、前記核酸分子は、前記担体に、直接的に固定化してもよいし、間接的に固定化してもよい。後者の場合、例えば、前記付加配列を介して固定化することが好ましい。
本発明の核酸分子の製造方法は、特に制限されず、例えば、化学合成を利用した核酸合成方法等、遺伝子工学的手法、公知の方法により合成できる。
本発明の核酸分子は、前述のように、前記ラクトパミンに結合性を示す。このため、本発明の核酸分子の用途は、前記ラクトパミンへの結合性を利用する用途であれば、特に制限されない。本発明の核酸分子は、例えば、前記ラクトパミンに対する抗体に代えて、種々の方法に使用できる。
本発明の核酸分子によれば、例えば、前記ラクトパミンを検出でき、これによって、前記ラクトパミンを検出できる。前記ラクトパミンの検出方法は、特に制限されず、前記ラクトパミンと前記核酸分子との結合を検出することによって、行える。
<検出方法>
本発明のラクトパミン検出方法は、前記本発明の核酸分子とサンプルとを接触させ、前記サンプル中のラクトパミンと前記核酸分子との複合体を形成させる工程、および、前記複合体を検出する工程を含むことを特徴とする。本発明の検出方法は、前記本発明の核酸分子を使用することが特徴であって、その他の工程および条件等は、特に制限されない。
本発明によれば、前記本発明の核酸分子が、ラクトパミンに特異的に結合することから、例えば、ラクトパミンと前記核酸分子との結合を検出することによって、サンプル中のラクトパミンを特異的に検出可能である。具体的には、例えば、サンプル中のラクトパミンの量を分析可能であることから、定性または定量も可能といえる。
本発明において、前記サンプルは、特に制限されない。前記サンプルは、例えば、生体由来、飲食品由来、環境由来等のサンプルがあげられる。前記生体は、特に制限されず、例えば、ヒト、ウシ、ブタ、ヒツジ、マウス、ラット、ウサギ、ウマ等の非ヒト哺乳類、鳥類、魚類等の動物の生体があげられる。前記生体由来のサンプルは、例えば、排泄物、体液、皮膚、肉、粘膜、体毛等があげられる。前記飲食品由来のサンプルは、例えば、飲料、食品、食品原料等があげられる。前記環境由来のサンプルは、例えば、生物、水、土壌、大気等があげられる。前記水サンプルは、例えば、地下水、河川水、海水、生活排水等があげられる。また、前記環境由来のサンプルは、例えば、食品加工場、調理場等における付着物があげられる。
前記サンプルは、例えば、液体サンプルでもよいし、固体サンプルでもよい。前記固体サンプルの場合、例えば、前記核酸分子と接触させ易く、取扱いが簡便であることから、液体と混合して、液体サンプルとして使用することが好ましい。前記液体は、特に制限されず、例えば、水、生理食塩水、緩衝液、培地等があげられる。
前記検出工程は、例えば、前記サンプルと前記核酸分子とを接触させて、前記サンプル中のラクトパミンと前記核酸分子とを結合させる接触工程と、前記ラクトパミンと前記核酸分子との結合を検出する結合検出工程とを含む。また、前記検出工程は、例えば、さらに、前記結合検出工程の結果に基づいて、前記サンプル中のラクトパミンの有無または量を分析する工程を含む。
前記接触工程において、前記サンプルと前記核酸分子との接触方法は、特に制限されない。前記サンプルと前記核酸分子との接触は、例えば、液体中で行われることが好ましい。前記液体は、特に制限されず、例えば、水、生理食塩水、緩衝液等があげられる。
前記接触工程において、前記サンプルと前記核酸分子との接触条件は、特に制限されない。接触温度は、例えば、4〜37℃であり、好ましくは18〜25℃であり、接触時間は、例えば、10〜120分であり、好ましくは30〜60分である。
前記接触工程において、前記核酸分子は、例えば、担体に固定化された固定化核酸分子でもよいし、未固定の遊離した核酸分子でもよい。後者の場合、例えば、容器内で、前記サンプルと接触させる。前記核酸分子は、例えば、取扱性に優れることから、前記固定化核酸分子が好ましい。前記担体は、特に制限されず、例えば、基板、ビーズ、容器等があげられ、前記容器は、例えば、マイクロプレート、チューブ等があげられる。前記核酸分子の固定化は、例えば、前述の通りである。
前記結合検出工程は、前述のように、前記サンプル中のラクトパミンと前記核酸分子との結合を検出する工程である。前記両者の結合の有無を検出することによって、例えば、前記サンプル中のラクトパミンの有無を分析(定性)でき、また、前記両者の結合の程度(結合量)を検出することによって、例えば、前記サンプル中のラクトパミンの量を分析(定量)できる。
前記ラクトパミンと前記核酸分子との結合の検出方法は、特に制限されない。前記方法は、例えば、物質間の結合を検出する従来公知の方法が採用でき、具体例として、前述のSPR等があげられる。
そして、前記ラクトパミンと前記核酸分子との結合が検出できなかった場合は、前記サンプル中にラクトパミンは存在しないと判断でき、前記結合が検出された場合は、前記サンプル中にラクトパミンが存在すると判断できる。また、予め、ラクトパミンの濃度と、結合量との相関関係を求めておき、前記相関関係に基づいて、前記結合量から、前記サンプル中のラクトパミンの濃度を分析することもできる。
<検出試薬およびキット>
本発明の検出試薬は、前述のように、ラクトパミン検出試薬であって、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする。本発明の検出試薬は、前記本発明の核酸分子を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の検出試薬を使用すれば、前述のように、例えば、前記ラクトパミンの検出等を行うことができる。
本発明の検出キットは、前述のように、ラクトパミン検出キットであって、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする。本発明の検出キットは、前記本発明の核酸分子を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の検出キットを使用すれば、前述のように、例えば、前記ラクトパミンの検出等を容易に行うことができる。
本発明の検出キットは、例えば、前記本発明の核酸分子の他に、その他の構成要素を含んでもよい。前記構成要素は、例えば、前記担体、緩衝液、使用説明書等があげられる。
本発明の検出試薬および検出キットは、例えば、前記本発明の核酸分子の説明を援用でき、また、その使用方法についても、前記本発明の核酸分子および前記本発明の検出方法を援用できる。
<検出デバイス>
本発明の検出デバイスは、ラクトパミンの検出デバイスであって、前記本発明の核酸分子を含むことを特徴とする。本発明の検出デバイスは、前記本発明の核酸分子を含んでいればよく、その他の構成は何ら制限されない。本発明の検出デバイスを使用すれば、前述のように、例えば、前記ラクトパミンの検出等を行うことができる。
本発明の検出デバイスは、例えば、さらに担体を有し、前記担体に前記核酸分子が配置されている。前記核酸分子は、前記担体に固定化されていることが好ましい。前記担体の種類および前記核酸分子の固定化は、例えば、前述の通りである。本発明の検出デバイスの使用方法は、特に制限されず、前記本発明の核酸分子および前記本発明の検出方法を援用できる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコールに基づいて使用した。
[実施例1]
アプタマーについて、ラクトパミンに対する結合能を間接的に確認した。
(1)アプタマー
下記ポリヌクレオチドを合成し、実施例のアプタマーとした。下記ポリヌクレオチドの合成において、アプタマー1の下線を付した領域は、天然シトシン(C)に代えて、シトシンの5位がメチル化された5’−メチルシトシンを有するデオキシリボヌクレオチド残基を使用し、また、天然チミン(T)に代えて、チミンの5位が置換された5’−トリプタミノカルボニルウラシル(TrpdU)を有するデオキシリボヌクレオチド残基を使用し、合成した。
アプタマー1:RAC124R8Tm1_m2_c5bio (配列番号1)
5’-GGTAAGTAGCCCTCCCTGAAATGAAGTATCGCCGCTACCGTTTGATATTTAATCACTAGCACGGCAATCTGGTTTAAG-3’
また、40塩基長のランダム配列(N)40を含む配列番号2で表わされるオリゴヌクレオチドからなるDNAを複数含むDNAライブラリーを、ネガティブコントロールとした。下記配列において、「N」は、デオキシリボヌクレオチド残基であり、その核酸は、アデニン、グアニン、シトシンおよび/またはチミンとした。
ネガティブコントロール(配列番号2)
CCTGCACCCAGTGTCCC-(N)40-GACGGAGAGGAGGACGG
前記アプタマーは、その3’末端に、24塩基長のポリデオキシアデニン(ポリdA)を付加し、ポリdA付加アプタマーとして、後述するSPRに使用した。
(2)ラクトパミン試料
ラクトパミンのアミノ基をビオチン化し、ビオチン化ラクトパミンを作製した。40mmol/LのHEPES緩衝液中で、2μmol/Lの前記ビオチン化ラクトパミンと500nmol/Lのストレプトアビジン(SA、シグマ社製)とを混合し、ビオチン化ラクトパミンのビオチンとSAとを結合させたものを試料とした。この試料を以下のSPRに使用した。
(3)SPRによる結合能の解析
結合能の解析には、ProteON XPR36(BioRad社)を、その使用説明書にしたがって使用した。
まず、前記ProteON専用のセンサーチップとして、ストレプトアビジンが固定化されたチップ(商品名 ProteOn NLC Sensor Chip、BioRad社)を、前記ProteON XPR36にセットした。前記センサーチップのフローセルに、超純水(DDW)を用いて、5μmol/Lのビオチン化ポリdTをインジェクションし、シグナル強度(RU:Resonance Unit)が約900RUになるまで結合させた。前記ビオチン化ポリdTは、24塩基長のデオキシチミジンの5’末端をビオチン化して調製した。そして、前記チップの前記フローセルに、SPRバッファーを用いて、1μmol/Lの前記ポリdA付加アプタマーを、流速25μL/minで80秒間インジェクションし、シグナル強度が約800RUになるまで結合させた。続いて、前記試料を、SPRバッファーを用いて、流速50μL/minで120秒間インジェクションし、引き続き、同じ条件で、SPRバッファーを流して洗浄を行った。前記希釈試料のインジェクションおよび前記SPRバッファーによる洗浄に並行して、シグナル強度の測定を行った。
前記SPRバッファーの組成は、40mmol/L HEPES、125mmol/L NaCl、5mmol/L KCl、1mmol/L MgClおよび0.05% Tween(登録商標)20とし、pHは、7.5とした。
また、前記シグナル強度の測定から、レスポンスカーブフィッティングにより解離定数(KD)を求めた。コントロール1は、前記試料に代えて、500nmol/Lの前記SAをインジェクションした以外は同様にして、コントロール2は、アプタマー1に代えてネガティブコントロールをインジェクションした以外は同様にして、コントロール3は、アプタマー1に代えてネガティブコントロールをインジェクションし、前記試料に代えて、500nmol/Lの前記SAをインジェクションした以外は同様にして、前記シグナル強度の測定を行った。
これらの結果を図1に示す。図1は、前記ビオチン化ラクトパミンとSAとの複合体に対するアプタマーの結合能を示すグラフであり、横軸は、測定時間(秒)を示し、縦軸は、シグナル強度(RU)を示す。横軸において、0〜120秒が、前記試料のインジェクション時間であり、120秒以降が、前記SPRバッファーによる洗浄の時間である。
図1の実施例1に示すように、アプタマー1と前記試料とをインジェクションした場合、シグナル強度が上昇し、アプタマー1が、前記複合体に結合することがわかった。また、洗浄後もシグナル強度の著しい低下は観察されず、アプタマー1と前記複合体との結合が維持されることがわかった。これに対し、図1のコントロール1に示すように、アプタマー1と前記SAとをインジェクションした場合、シグナル強度の上昇が観察されず、アプタマー1は、前記SAに結合しないことがわかった。また、図1のコントロール2および3に示すように、ネガティブコントロールと前記複合体または前記SAとをインジェクションした場合、いずれもシグナル強度の上昇が観察されず、ネガティブコントロールは、前記複合体および前記SAに結合しないことがわかった。そして、実施例のアプタマーと前記複合体との解離定数は、約35nmol/Lであった。これらの結果から、実施例のアプタマーは優れた結合能で且つ特異的にラクトパミンに結合することがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
本発明の核酸分子は、ラクトパミンに結合可能である。このため、本発明の核酸分子によれば、例えば、ラクトパミンとの結合によって、ラクトパミンを検出できる。このため、本発明の核酸分子は、例えば、食品管理、公衆衛生等の分野におけるラクトパミンの検出に、極めて有用なツールとなる。

Claims (11)

  1. 下記(a)〜(c)からなる群から選択された少なくとも一つのポリヌクレオチドを含み、前記ポリヌクレオチドが、少なくとも1個の修飾塩基を含むことを特徴とする、ラクトパミンに結合する核酸分子。
    (a)配列番号1の塩基配列からなるポリヌクレオチド
    (b)前記(a)の塩基配列に対して、80%以上の同一性を有する塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
    (c)前記(a)の塩基配列からなるポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドに相補的な塩基配列からなり、ラクトパミンに結合するポリヌクレオチド
  2. 前記ポリヌクレオチドにおいて、少なくとも1個のチミンが、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾チミンおよび修飾ウラシルの少なくとも一方である、請求項1記載の核酸分子。
  3. 前記ポリヌクレオチドにおいて、チミンの全塩基数のうち、20分の1以上が、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾チミンおよび修飾ウラシルの少なくとも一方である、請求項1または2記載の核酸分子。
  4. 前記ポリヌクレオチドにおいて、全チミンが、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾チミンおよび修飾ウラシルの少なくとも一方である、請求項1から3のいずれか一項に記載の核酸分子。
  5. 前記ポリヌクレオチドにおいて、少なくとも1個のシトシンが、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾シトシンである、請求項1から4のいずれか一項に記載の核酸分子。
  6. 前記ポリヌクレオチドにおいて、シトシンの全塩基数のうち、20分の1以上が、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾シトシンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の核酸分子。
  7. 前記ポリヌクレオチドにおいて、全シトシンが、前記修飾塩基であり、前記修飾塩基が、修飾シトシンである、請求項1から6のいずれか一項に記載の核酸分子。
  8. 前記ポリヌクレオチドが、DNAである、請求項1から7のいずれか一項に記載の核酸分子。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子を含むことを特徴とする、ラクトパミン検出試薬。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子を含むことを特徴とする、ラクトパミン検出キット。
  11. 請求項1から8のいずれか一項に記載の核酸分子とサンプルとを接触させ、前記サンプル中のラクトパミンと前記核酸分子との複合体を形成させる工程、および、
    前記複合体を検出する工程を含むことを特徴とするラクトパミン検出方法。
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