JP2015051747A - 航空機用冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、電力消費量の変化に対応した運転を可能とする航空機用冷却システムを提供する。【解決手段】この冷却システム(航空機用冷却システム)100は、機外から取り込まれた換気用の取込空気Fと、機内を循環させて使用される循環空気Rとを冷却して機内に供給するベーパサイクル装置2および3と、ベーパサイクル装置2および3の動作条件を設定する空調制御部4とを備える。空調制御部4は、機内の冷却のために消費可能な消費可能電力量に応じて、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、ベーパサイクル装置2および3の動作条件を設定する制御を行うように構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、航空機用冷却システムに関する。
従来、航空機に搭載される空調設備としての航空機用冷却システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の航空機用冷却システムは、外気との熱交換により冷却を行うエアサイクル機器と、電気エネルギにより冷媒を循環させて冷却動作を行うベーパサイクル機器とを備え、機外から取り込まれた換気用の取込空気と、機内を循環させて使用される循環空気との混合空気を冷却して与圧室に供給するように構成されている。航空機では窓からの入射日光による発熱や、機内エンターテイメント機器の発熱等、多様な機内の発熱源の存在で大量の熱の排出が必要になっているため、この特許文献1のように、汲出し熱量に対する入力エネルギが小さいベーパサイクル機器を採用する構成が、特に熱の汲み出しが大きくなる大型の電子機器を搭載した軍用機等で実用化されている。
このような空調設備のみならず、航空機の分野では、機内の各機器を全面的に電気エネルギによって駆動する方式への切り替えが進んでいる。このため、電動化された各機器の作動タイミングが重なる場合、消費電力にはピークが現れることになる。
電動化の一例としては、離陸前や着陸後に空港内を移動するタキシングを行う際に、メインエンジンによる燃料消費抑制と空気汚染や騒音の防止のために航空機の脚部に駆動用のモータを組み込んで、このモータによって機体を動かすこと(タキシングの電動化)が提案されている。この場合、タキシングの起動や加速では、機体重量を反映して大きな電力消費が発生する。また、タキシングを行う際の地上環境が高温多湿の場合には、空調設備側にも取込空気を冷却するために大きな冷却能力(電力消費)が求められる。さらに、メインエンジンは停止しており、機体全体の発電能力は低下した状態になっている。その結果、タキシング用のモータへの電力供給の結果、他の空調機器などへの電力供給が逼迫するという事態が起こりうる。このため、航空機の電動化が今後進展していく場合には、各機器側で、航空機全体の消費電力ピークに対応させて作動レベルを下げ、航空機全体の電力消費を抑制するような運用が必要となる。
ここで、地上における店舗設備などの電力供給システムにおいては、例えば特許文献2において、電気機器の消費電力が店舗全体やビル全体、あるいは集落等の区域における規定を超える場合に、域内に存在する空調装置の目標温度を変更して対応するという方法が開示されている。これによれば、空調機器の作動目標を変更し、店舗内で消費される電力合計値を下げることにより、電力消費のピークを下げる効果が期待できる。
ところが、航空機用冷却システムに上記特許文献2の制御手法を適用する場合、次のような課題が発生する。第1に、狭い閉鎖空間であり、窓を開けての自由な換気ができない航空機では規定量の換気が義務付けられており、温度や圧力を調整しなければならない空気を機外から常に取り込むことが必要である。このため、取り込まれる空気温度を適正な状態に調整する機能は、停止することができない。第2に、航空機用空調設備として、機内にいる搭乗者に対して不快感を与えるような温度や圧力の変動はサービス面で許容されない。第3に、上記特許文献2では30分以上の長い変動を対象とした制御手法が開示されている一方、航空機の動作では、タキシング用モータの発進から停止までのサイクルが1分間程度の短時間で行われることが予想され、このサイクルの電力消費量の変化に対応できる消費電力制御が求められる。このため、上記特許文献2に開示されたような電力制御手法は、航空機用冷却システムに直ちに適用することができず、所定の換気量の確保を前提として機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、電力消費量の変化に対応した運転を行うという航空機用冷却システム特有の要請を満足させることができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、所定の換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、電力消費量の変化に対応した運転を可能とする航空機用冷却システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における航空機用冷却システムは、航空機に設けられ、機外から取り込まれた換気用の取込空気と、機内を循環させて使用される循環空気とを冷却して機内に供給するベーパサイクル手段と、ベーパサイクル手段の動作条件を設定する空調制御部とを備え、空調制御部は、機内の冷却のために消費可能な消費可能電力量に応じて、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、ベーパサイクル手段の動作条件を設定する制御を行うように構成されている。なお、本発明では、通常運転モードと消費電力抑制モードとの切り替えに加えて、それらの中間的なモード等、他のモードへの切り替えも含んでいてもよい。
この発明の一の局面による航空機用冷却システムでは、上記のように、機内の冷却のために消費可能な消費可能電力量に応じて、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、ベーパサイクル手段の動作条件を設定する制御を行うように空調制御部を構成することによって、消費可能電力量が減少した場合に消費電力抑制モードに切り替えて、機内へ供給する空気温度を維持しながら空気温度に比べて上昇がある程度は許容される空気の湿度を変化(上昇)させることにより、電力消費を削減することができる。すなわち、地上など特に機外が高温多湿の場合に取込空気を設定温度近傍まで冷却する際には、空気中に含まれる大量の水蒸気の凝縮を伴い、この凝縮のために冷熱が消費されてしまうために消費電力が増大することになる。そのため、消費電力抑制モードにおいて、快適性の面で温度に比べて上昇がある程度は許容される湿度を変化(上昇)させて凝縮量を抑制することにより、凝縮に用いられる電力消費分に相当する消費電力を速やかに削減することができる。以上により、換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、比較的急峻な電力消費量の変化が発生した場合にも、これに対応して航空機用冷却システムの消費電力を抑制したピークカット運転を行うことができる。
上記一の局面による航空機用冷却システムにおいて、好ましくは、空調制御部は、機内に供給する空気を所定の温度設定で相対的に湿度の低い空気として機内に供給するための通常運転モードの動作条件と、機内に供給する空気を所定の温度設定で相対的に湿度の高い空気として機内に供給するための消費電力抑制モードの動作条件とを、消費可能電力量に応じて変更するように構成されている。このように構成すれば、消費電力抑制モードでの動作時には、通常運転モードでの動作時と比較して相対的に湿度の高い空気を供給することができるので、水蒸気の凝縮(すなわち、空気の湿度を低くすること)に必要とされる電力消費を低減することができる。そして、その場合でも、機内に供給する空気の温度は維持することができる。
上記一の局面による航空機用冷却システムにおいて、好ましくは、ベーパサイクル手段は、取込空気と循環空気とを個別に冷却するように構成され、空調制御部は、消費可能電力量に応じた通常運転モードまたは消費電力抑制モードの設定に基づいて、取込空気および循環空気に対するベーパサイクル手段の冷却能力の配分を個別に設定するように構成されている。このように構成すれば、湿度の高い状態で取り込まれる取込空気と、機内に一度供給されて循環される湿度の低い循環空気との温度および湿度を個別に制御することができる。そして、それぞれの空気の湿度を調節した上で混合させ、設定温度となるように調節することができるので、機内空気の温度を維持しながら湿度を変化させる空調制御を容易に実現することができる。
この場合、好ましくは、空調制御部は、通常運転モードにおいて、取込空気および循環空気のうち、取込空気の冷却能力を相対的に高く設定して循環空気とともに機内に供給させ、消費電力抑制モードにおいて、取込空気および循環空気のうち、循環空気の冷却能力を相対的に高く設定して取込空気とともに機内に供給させるように、取込空気および循環空気に対するベーパサイクル手段の冷却能力の配分を変更するように構成されている。このように構成すれば、通常運転モードでは、湿度の高い取込空気に対する冷却を優先させて水蒸気を除去(凝縮)することにより、快適な湿度の低い空気を機内に供給することができる。そして、消費電力抑制モードでは、取込空気の水蒸気の凝縮量を低減させて相対的に湿度の低い循環空気に対する冷却を優先させることにより、温度設定を維持しながら電力消費を低減した効率的な動作を容易に実現することができる。
上記消費電力抑制モードで空調制御部が循環空気の冷却能力を相対的に高く設定して取込空気とともに機内に供給させる構成において、好ましくは、ベーパサイクル手段は、取込空気のうち、航空機の操縦室に供給される第1取込空気と、操縦室以外に供給される第2取込空気とを個別に冷却するように構成され、空調制御部は、消費電力抑制モードの動作条件として、循環空気の冷却能力のみならず第1取込空気の冷却能力を第2取込空気の冷却能力に対して単位空気流量あたりの能力で相対的に高く設定するように構成されている。ここで、航空機の空調設備では、規定により、操縦室への空気供給は全量を新鮮空気(取込空気)により賄う必要がある。このため、消費電力抑制モードにおいて取込空気に対する冷却能力配分を低減すると、循環空気と混合して供給できない操縦室の空気温度および湿度は上昇してしまう。そこで、本発明によれば、消費電力抑制モードにおいて、第2取込空気に対する冷却能力を絞る(凝縮量を低減させる)ことにより消費電力の抑制を図りつつ、操縦室向けの第1取込空気に対する冷却能力を確保することができるので、消費電力の抑制と、操縦室の温度維持とを両立させることができる。
この場合において、好ましくは、ベーパサイクル手段は、第1取込空気の冷却用と、第2取込空気の冷却用とで個別に設けられた複数のベーパサイクル装置または複数の蒸発器を含む。このように構成すれば、取込空気のうち、航空機の操縦室に供給される第1取込空気と、操縦室以外に供給される第2取込空気とを個別に冷却する構成を、容易に実現することができる。
上記一の局面による航空機用冷却システムにおいて、好ましくは、機外から取り込む取込空気の温度および湿度と、機内の循環空気の温度および湿度とを検知する検知部をさらに備え、空調制御部は、消費電力抑制モードにおいて、検知部の検知データと、消費可能電力量とに基づき、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させるための必要冷却能力を取得し、取得した必要冷却能力に基づいてベーパサイクル手段の動作条件を設定するように構成されている。このように構成すれば、取込空気の温度および湿度と、機内の循環空気の温度および湿度とに基づく必要冷却能力での運転を実現させる動作条件を設定することにより、所定の温度設定に追従させながら湿度だけを変化させる動作を容易に行うことができる。
上記一の局面による航空機用冷却システムにおいて、好ましくは、航空機内への供給可能な供給電力量と、航空機内で消費される消費電力量とを監視し、冷却用に消費可能な消費可能電力量を示す指令信号を出力する電力監視部をさらに備える。このように構成すれば、供給電力量と消費電力量とから消費可能電力量を容易に得ることができる。そして、電力監視部から出力される消費可能電力量に基づいて消費電力抑制モードでの動作に切り替えることにより、電力消費量の変化に対して迅速に、温度設定を維持しながら電力消費を低減した動作を実現することができる。
上記ベーパサイクル手段が取込空気と循環空気とを個別に冷却する構成において、好ましくは、ベーパサイクル手段は、取込空気を冷却するための換気用ベーパサイクル装置と、循環空気を冷却するための循環用ベーパサイクル装置とを含み、換気用ベーパサイクル装置と循環用ベーパサイクル装置とが、それぞれ、消費可能電力量に応じて個別に設定された冷却能力の配分に従って動作するように構成されている。このように構成すれば、複数台のベーパサイクル装置をそれぞれ換気用ベーパサイクル装置と循環用ベーパサイクル装置として機能させることにより、取込空気と循環空気とを個別に冷却可能な構成を容易に実現することができる。
上記ベーパサイクル手段が取込空気と循環空気とを個別に冷却する構成において、好ましくは、ベーパサイクル手段は、冷媒との熱交換により取込空気を冷却する取込空気用蒸発器と、冷媒との熱交換により循環空気を冷却する循環空気用蒸発器と、冷媒の供給量を制御するための冷媒調節部とを含み、冷媒調節部は、消費可能電力量に応じて個別に設定された動作条件に従って、取込空気用蒸発器と循環空気用蒸発器とのそれぞれに供給する冷媒の供給量を個別に制御するように構成されている。このように構成すれば、取込空気用蒸発器と循環空気用蒸発器とを設けた単体のベーパサイクル装置によって、取込空気と循環空気とを個別に冷却可能な構成を実現することができる。
本発明によれば、上記のように、所定の換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、電力消費量の変化に対応した運転を行うことができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による冷却システム100について説明する。第1実施形態では、冷却システム100は、航空機Aの空調設備として機内に設けられ、ベーパサイクル装置を備えた冷却システムとして構成されている。冷却システム100は、本発明の「航空機用冷却システム」の一例である。まず、冷却システム100の概要について説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による冷却システム100について説明する。第1実施形態では、冷却システム100は、航空機Aの空調設備として機内に設けられ、ベーパサイクル装置を備えた冷却システムとして構成されている。冷却システム100は、本発明の「航空機用冷却システム」の一例である。まず、冷却システム100の概要について説明する。
冷却システム100は、図1に示すように、航空機Aの機内空間の空気調和(予圧、換気、温度および湿度調節)を行う機能を有する。航空機A内の換気は、規定により常時所定量(搭乗者1人当り0.55LBS/min(=4.16g/s)以上)の新鮮空気供給を維持することが求められる。冷却システム100は、電動コンプレッサ1、換気空気用ベーパサイクル装置(以下、換気用VC装置という)2、循環空気(再循環空気)用ベーパサイクル装置(以下、循環用VC装置という)3、および、空調制御部4と、電動コンプレッサ1や換気用VC装置2および循環用VC装置3と空気供給先であるキャビンBおよびコックピットCとを接続する空気流路を主として備えている。換気用VC装置2は機外から取り込まれた換気用の取込空気(換気空気)Fを冷却して機内に供給する機能を有し、循環用VC装置3は機内を循環させて使用される循環空気(正確には、再循環空気)Rを冷却して機内に供給する機能を有する。したがって、第1実施形態では、冷却システム100は、換気用VC装置2と循環用VC装置3とによって、それぞれ、取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却することが可能なように構成されている。また、冷却システム100は、システム内の各部に設けられた検出器5a〜5eおよび検出器5a〜5eに接続されたデータロガ6と、電力監視部7とを備えている。なお、換気用VC装置2および循環用VC装置3は、いずれも、本発明の「ベーパサイクル手段」の一例である。
電動コンプレッサ1は、機外から取り込まれた換気用の取込空気Fを機内空間への供給に適した所定圧力に圧縮する機能を有し、図示しないモータにより駆動される電動コンプレッサである。電動コンプレッサ1は、機内空間の大きさに応じて複数(たとえば4台)が並列に配置されている。例えば高度40、000ft(12,192m)を飛行中の上空での圧縮時には、機外の大気圧が約18.8kPaであり、飛行速度によって生じるよどみ点圧力を考慮しても、20kPaを超える程度となる。このため、機内の規定最低圧力(75.4kPa)以上に加圧して取り込むには、圧力比を4以上に設定する。一方、離着陸時や駐機時における地上では機外と機内の圧力はほぼ等しいため、機器を通過させる際に生じる圧力損失分を補う程度に加圧するだけで良く、また、取りこむ際の空気密度も大きいため、作動させる電動コンプレッサ1は1〜2台のみとし、圧力比を小さくした運転が行われる。
電動コンプレッサ1と換気用VC装置2との間には、圧縮によって温度上昇した取込空気Fを機外(外気)と熱交換することにより冷却(中間冷却)するアフタークーラー8が設けられている。換気用VC装置2は、取込空気Fを冷却するために設けられ、機内に取り込まれてアフタークーラー8を介して送られた取込空気F(新鮮空気)をさらに冷却して与圧室(キャビンBおよびコックピットC)側へ供給する機能を有する。
具体的には、換気用VC装置2は、冷却した取込空気Fをキャビン用ミキシングチャンバ9とコックピット用ミキシングチャンバ10とに供給する。換気用VC装置2は、機内空間の大きさに(すなわち、必要とされる冷却能力)に応じて、1または複数(第1実施形態では、2台)設けられている。また、換気用VC装置2は、空調制御部4から出力される制御信号(冷却目標量などを含む動作条件)に基づいて動作するように構成されている。なお、換気用VC装置2の具体的な装置構成については、後述する。
また、電動コンプレッサ1により圧縮された取込空気Fの一部は温度が上昇した状態のまま、キャビン用温度調節バルブ9aとコックピット用温度調節バルブ10aとを介して、それぞれ、キャビン用ミキシングチャンバ9とコックピット用ミキシングチャンバ10とに直接送られる。
キャビン用ミキシングチャンバ9には、換気用VC装置2からの低温空気、キャビン用温度調節バルブ9aからの高温空気に加えて、さらに循環用VC装置3からの循環空気Rが供給される。これらの空気は、キャビン用ミキシングチャンバ9で混合され、温度および湿度が調整された調和空気として分配配管11aを介してキャビンB全体に供給される。なお、機体が大きく搭乗者数が多い航空機Aでは、キャビンBを複数エリアに分割し、それぞれ独立した割合で各空気を混合するようになっているが、ここでは省略する。
また、コックピット用ミキシングチャンバ10では、換気用VC装置2からの低温空気とコックピット用温度調節バルブ10aからの高温空気とが混合され、調和空気としてコックピットCに供給される。キャビン用温度調節バルブ9aおよびコックピット用温度調節バルブ10aの開度調節によって、キャビンBおよびコックピットCへの供給空気がそれぞれ適温になるように調節される。なお、循環用VC装置3からの循環空気Rは、キャビンB内の空気をコックピットCへ送ることを禁じる規定に基づき、コックピット用ミキシングチャンバ10には供給されない。
キャビンBおよびコックピットCに供給された空気は、再循環空気通路11bを通り、循環空気ファン12によって、循環用VC装置3に送られる。なお、循環空気ファン12に入る空気は、その直前にフィルタ(図示せず)を通過することによって、埃のみならず有害な浮遊物が除去される。また、キャビンB内の空気のうち、特にラバトリ等を通過した一部の空気は、優先的に電子機器冷却部13に送られた後に、アウトフローバルブ14を介して機外に放出される。この機内空気の放出により、機内が適正な圧力となるように維持される。
循環用VC装置3は、循環空気Rを冷却するために設けられ、循環空気ファン12から送られた循環空気Rを再度冷却して与圧室(キャビンB)側へ供給する機能を有する。具体的には、循環用VC装置3は、冷却した循環空気Rをキャビン用ミキシングチャンバ9に供給し、これにより循環空気Rと取込空気とが混合される。循環用VC装置3、換気用VC装置2と同様、機内空間の大きさに(すなわち、必要とされる冷却能力)に応じて、1または複数(第1実施形態では、2台)設けられている。循環用VC装置3は、空調制御部4から出力される制御信号(冷却目標量などを含む動作条件)に基づいて動作するように構成されている。なお、循環用VC装置3の具体的な装置構成については、後述する。
これらの空調機器は、すべて電力によって作動する。このため、航空機Aのエンジンに搭載された複数の発電機Gなどによって得られる電力が分配され使用される。空調機器のうち大きな電力の供給が必要になる部位は、電動コンプレッサ1、換気用VC装置2、循環用VC装置3である。このうち、電動コンプレッサ1は、上空に上がるほど大きな圧力比による運転が必要となり消費電力量も増大する一方、冷却のために加圧が求められることのないベーパサイクル方式の冷却システム100では、地上での消費電力量は小さくなる。これに対して、換気用VC装置2および循環用VC装置3は、地上または低高度で、かつ、夏場や高温地域など高温多湿の場合に、高い冷却能力の運転が求められるため消費電力が増大する。
発電機Gは、これらの電力を消費する各機器(図示されていないものも含む)に対して電力供給線Eを介して電力供給を行う。電力監視部7は、航空機A内への供給可能な供給電力量と、航空機内で消費される消費電力量とを監視し、冷却用に消費可能な消費可能電力量を示す指令信号を出力する機能を有する。すなわち、電力監視部7は、通信回路7aを介して、発電機Gなどの電力供給源と各電力消費機器とのそれぞれの状況(作動要求内容と今後の作動予測等)に関するデータを収集する。そして、電力監視部7は、集約された情報から発電量や消費電力量を求め、電力需要が電力供給量に迫り逼迫する恐れがある場合には、空調制御部4に対して、消費可能電力量を含む電力消費削減の要求信号を出力するように構成されている。
また、データロガ6は、冷却システム100を構成する空気流路の各所に設けられた検知部5a〜5eと接続されている。各検知部5a〜5eは、いずれも、温度および湿度を計測可能な複合センサからなる。具体的には、検知部5aは電動コンプレッサ1の出口部に、検知部5bはアフタークーラー8と換気用VC装置2との間の流路に設けられ、それぞれ機外から取り込む取込空気F(換気空気)の温度および湿度を検知するように構成されている。また、検知部5cはキャビン用ミキシングチャンバ9に設けられ、キャビン用ミキシングチャンバ9内で混合された空気温度および湿度を検出する。また、検知部5dはキャビンBに、検知部5eは循環空気ファン12と循環用VC装置3との間の流路にそれぞれ設けられている。検知部5dおよび5eは、機内の循環空気Rの温度および湿度とを検知するように構成されている。これらの検知部5a〜5eは、信号線6aを介して温度および湿度の検出信号をデータロガ6に送信する。これにより、データロガ6は、空気条件の監視を行うとともに、データロガ6で読み出される検出値を空調制御部4に出力するように構成されている。温度および湿度の検出値は、換気用VC装置2および循環用VC装置3の作動目標(動作条件)を設定するために使用される。
ここで、第1実施形態では、空調制御部4は、電力監視部7から取得する消費可能電力量に応じて、換気用VC装置2および循環用VC装置3の動作条件を設定する制御を行うように構成されている。具体的には、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、各VC機器の動作条件を設定する。空調制御部4には、電力監視部7から通信回路7aと、データロガ6からの信号線6aが接続されている。空調制御部4は、これらの通信回路7aおよび信号線6aを介して取得した消費可能電力量を含む電力消費削減の要求信号や、各部の温度および湿度のデータに基づいて、各VC機器の動作条件を設定するように構成されている。
通常運転モードでは、機内に供給する空気(調和空気)を所定の温度設定で相対的に湿度の低い空気として機内に供給するための動作条件が設定される。すなわち、取込空気Fおよび循環空気Rのうち、取込空気Fに対する冷却能力(換気用VC装置2の冷却能力)を相対的に高く設定して循環空気Rとともに機内に供給させる。この場合、湿度の高い取込空気Fがより低温に冷却されることにより、除去される水蒸気量(凝縮量)が増大するため、キャビン用ミキシングチャンバ9において混合された後の調和空気は、湿度の低い状態で供給される。
消費電力抑制モードでは、機内に供給する空気(調和空気)を所定の温度設定で相対的に湿度の高い空気として機内に供給するための動作条件が設定される。すなわち、取込空気Fおよび循環空気Rのうち、循環空気Rに対する冷却能力(循環用VC装置3の冷却能力)を相対的に高く設定して取込空気Fとともに機内に供給させる。この場合、元々湿度の低い循環空気Rがより低温に冷却されるので、除去される水蒸気量(凝縮量)は僅かとなり、水蒸気の凝縮に伴う電力消費を抑制することが可能となる。その分、湿度の高い取込空気F中の水蒸気の凝縮量は通常運転モードよりも減少するため、キャビン用ミキシングチャンバ9において混合された後の調和空気は、相対的に湿度の高い状態で供給される。
これらの各モードにおける動作条件は、空調制御部4により、換気用VC装置2と循環用VC装置3とで個別に設定される。より具体的には、消費可能電力量に応じて、冷却システム100全体としての必要冷却能力(汲出し熱量の総計)が設定され、必要冷却能力に対して換気用VC装置2と循環用VC装置3とがそれぞれの冷却動作によって分担する冷却能力の配分が、空調制御部4により割り振られる。これにより、換気用VC装置2と循環用VC装置3とが、それぞれ、消費可能電力量に応じて個別に設定された冷却能力の配分に従って動作するように構成されている。空調制御部4は、消費可能電力量および各部の温度および湿度のデータと、必要冷却能力および冷却能力の配分とを対応付ける運転データ表(データテーブル)を、予め内部メモリ(図示せず)に格納している。空調制御部4は、運転データ表を参照することにより、消費電力抑制モードにおいて消費可能電力量の大小に応じて調和空気の湿度の大小も変化するように、適切な動作条件を設定する。
なお、消費電力抑制モードでは、上記のように、機内に供給される空気の温度はあまり変動させず、含有する水蒸気量(湿度)を変化させて、冷却に必要な消費電力量を低減する。しかし、更なる電力消費の削減が必要になった場合には、機内へ供給する空気温度が数度上昇することを許容し、設定温度を上昇させることによって冷却能力を低減させた運転を行い、消費電力を更に低減させる制御を追加的に行ってもよい。なお、消費電力の逼迫状態が解除されれば、空調制御部4は、消費電力抑制モードから通常運転モードに戻すことによって、上昇した機内の温度や湿度を下げる制御を行う。このような制御により、地上でのタキシング時などの電力消費量の変化に対応した動作を行いつつ、機内の温度変化を最小限に抑制し、機内温度が上昇した場合にも消費電力ピークが過ぎた後で速やかに機内の温度および湿度が元に戻される。
次に、図2および図3を参照して、第1実施形態におけるベーパサイクル装置(VC装置)の構成を説明する。
換気用VC装置2と循環用VC装置3とは、ともに同じ装置構成を採用しているので、各構成要素について同一の符号を用いて説明する。但し、換気用VC装置2の方が、循環用VC装置3より、少し大きな定格能力を有する。換気用VC装置2(循環用VC装置3)は、冷媒コンプレッサ21、蒸発器22、凝縮器23および電子膨張弁24を主として備え、これらの各部が冷媒25を輸送する冷媒流路によって接続されている。なお、図2は、冷却対象の空気を冷却する冷房モードでの動作状態を示す。
蒸発器22は、冷却対象となる空気と内部を通る冷媒25との熱交換により、冷媒25を蒸発させるとともに冷却対象の空気を冷却する。冷媒コンプレッサ21は、蒸発器22内で蒸発した冷媒25のガスを圧縮する。冷媒コンプレッサ21は、たとえば回転スクロール方式などの容積型の圧縮ユニット21aと、圧縮ユニット21aを駆動するためのモータ21bと、モータ21bの駆動制御を行うモータコントローラ21cとを備える。モータコントローラ21cは、換気用VC装置2(循環用VC装置3)の制御部として機能し、空調制御部4からの制御信号(動作条件)に基づいて、モータ21bの回転状態を制御するように構成されている。
凝縮器23は、機外空気が通過する構造になっており、冷媒コンプレッサ21により圧縮されたガス状の冷媒25を機外空気との熱交換により放熱させ、冷媒25を液化させる。電子膨張弁24は、弁体24aを通過する際の液状の冷媒25を減圧させ、冷媒25を冷却対象の目標温度に適した蒸発圧力に調節して、蒸発器22に戻すように構成されている。モータコントローラ21cは、弁体24aを駆動するモータ24bにも信号を送り、冷媒コンプレッサ21に同調して電子膨張弁24の弁開度を制御するように構成されている。
なお、換気用VC装置2(循環用VC装置3)は、2つの切替弁26aおよび26bを備えている。これらの切替弁26aおよび26bの切り替え(流路切替)によって、換気用VC装置2(循環用VC装置3)は、図3に示す暖房モードでも動作可能に構成されている。暖房モードでは、2つの切替弁26aおよび26bを作動させる結果、冷媒25の流れ方向が逆方向に切り替わる。すなわち、冷媒コンプレッサ21で圧縮および昇温された冷媒25のガスが蒸発器22で凝縮され、電子膨張弁24を経て、凝縮器23で蒸発される。これにより、暖房モードでは、蒸発器22で高温冷媒25と空気との熱交換によって機内空気が加熱され、凝縮器23で低温冷媒25と機外空気との熱交換によって冷媒25が吸熱(蒸発)する。したがって、暖房モードでは、蒸発器22および凝縮器23の作用(冷媒25の蒸発および凝縮)が逆転する。
次に、図4を参照して、第1実施形態による冷却システム100の動作の概要を説明する。ここでは、冷却システム100の基本的な動作処理を継続的に実行する場合の例を説明し、たとえばシステムの起動時や運転終了時等の特定の状況については説明を省略する。
図4に示すように、まず、ステップS1において、空調制御部4は、電力監視部7およびデータロガ6からそれぞれ空調制御に必要なデータを取得する。具体的には、空調制御部4は、電力監視部7から今後の電力需要および供給予測値と、これらの情報に基づく空調機器(換気用VC装置2および循環用VC装置3)の消費可能電力量とを取得する。また、空調制御部4は、データロガ6から検知部5a〜5eの各々による各所の温度および湿度の検出値を取得する。
ステップS2において、空調制御部4は、空調機器の消費可能電力量と、各検知部5a〜5eの温度および湿度の検出値とに基づき、換気用VC装置2および循環用VC装置3のそれぞれの動作条件を設定し、各機器に命令信号として送信する。具体的には、空調制御部4は、消費可能電力量と、各検知部5a〜5eの温度および湿度の検出値とを、予めメモリに格納された運転データ表(データテーブル)に照合することにより、消費可能電力量に応じて冷却システム100全体の必要冷却能力(設定温度に維持するための汲出し熱量の総計の目標値)と、換気用VC装置2および循環用VC装置3のそれぞれ汲出し熱量(冷却能力)の分担割合を動作条件として決定する。これにより、消費可能電力量が十分確保されている場合には、通常運転モードにおいて換気用VC装置2および循環用VC装置3のそれぞれが発揮する冷却能力が設定される。また、電力需給が逼迫してきた場合(消費可能電力量が低下した場合)には、消費電力抑制モードに切り替えて換気用VC装置2および循環用VC装置3のそれぞれが発揮する冷却能力が設定される。なお、換気用VC装置2および循環用VC装置3がそれぞれ複数設けられている場合、原則として、換気用VC装置2側と循環用VC装置3側とで、分担割合がそれぞれ等分配される。
ステップS3では、各VC機器(換気用VC装置2および循環用VC装置3)が、空調制御部4から受け取った命令信号(冷却能力)に基づいて運転状態を変更する。具体的には、各VC機器のモータコントローラ21cが動作条件に従って電子膨張弁24の弁開度(モータ24bの動作量)と、冷媒コンプレッサ21のモータ21bの回転数(すなわち、冷媒25の供給量)とを変更することにより、与えられた動作条件(冷却能力)に従った運転を実現する。
その後、ステップS4において、空調制御部4は、データロガ6から各所の温度および湿度の検出値を取得して、温度および湿度の変化を監視する。そして、ステップS5において、空調制御部4は、各VC機器(換気用VC装置2および循環用VC装置3)の運転状態の修正が必要か否かを判断する。すなわち、実際には日照により機内に進入する熱量などの外的要因や機内の状況(搭乗者数その他によって変動する機内での発熱量)などによって、ステップS2で設定された運転状態を修正する必要が発生する。そのため、空調制御部4は、現在の運転状態で温度および湿度の検出値が設定温度および予定する湿度値から乖離しているか否かを監視して、運転状態の修正の要否を判断する。
運転状態の修正が必要と空調制御部4が判断した場合、ステップS6に進み、各VC機器(換気用VC装置2および循環用VC装置3)の運転状態が修正される。修正後、処理がステップS4に戻り、運転状態の修正が不要と判断されるまで、ステップS4〜S6が繰り返される。一方、運転状態の修正が不要と空調制御部4が判断した場合、ステップS7に進み、各VC機器(換気用VC装置2および循環用VC装置3)の運転状態が維持されてステップS1に戻る。
したがって、電力需要や供給予測値が変動して空調機器の消費可能電力量が変動した場合には、ステップS2において、換気用VC装置2および循環用VC装置3のそれぞれ汲出し熱量の分担割合(動作条件)が再設定され、冷却動作が継続していく。このため、たとえばピークに向けて電力需要が増大する場合には、消費可能電力量の減少に応じて湿度が上昇していくように、消費電力抑制モードでの動作条件が変更されながら冷却動作が実施される。また、ピークを過ぎて電力需要が減少する場合には、消費可能電力量の増大に応じて湿度が低下していくように、消費電力抑制モードでの動作条件が変更されながら冷却動作が実施される。
また、消費可能電力量が低下して消費電力抑制モードとして動作していた状態から、電力需要ピークが過ぎて消費可能電力量が戻った場合には、ステップS2において、消費電力抑制モードから通常運転モードに切り替えて各VC機器の動作条件設定が行われる。このようにして、冷却システム100による冷却動作処理が実施される。
次に、第1実施形態による冷却システム100の消費電力抑制モードおよび通常運転モードでの消費可能電力量の変動に応じた各VC機器の動作条件の設定の一例(試算例)について説明する。
まず、地上の高温多湿の環境での代表的な条件例として、機外からの取込空気Fが温度40℃、絶対湿度22g/kgD.Aとする。また、機内の循環空気が27℃、絶対湿度12g/kgD.Aとする。それぞれ同じ空気の質量流量で冷却システムに供給され、機内供給空気(調和空気)の設定温度が20℃に設定されている場合を考える。なお、取込空気Fおよび循環空気Rは、それぞれ、空気の質量1kg当りで計算する。また、水蒸気は凝縮のみを考慮し、空気の比熱:1.006kJ/g・K、蒸発潜熱:2.50kJ/g・Kとする。搭乗者1人当りの換気量(取込空気供給量)を0.55LBS/min(=4.16g/s)とすると、搭乗者約240名分の換気要求量が1kg/sに相当する。
(通常運転モード)
消費可能電力量が十分に確保されている通常運転モードでは、主に機外からの取込空気Fに対して冷却能力が優先的に配分される。
(1)取込空気
換気用VC装置2の動作条件として、取込空気(40℃、22g/kgD.A)を、15℃、10g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(40−15)×1.006=25.2kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(22−12)×2.50=25.0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(換気用VC装置2の分担分)は、合計で50.2kJ/kgとなる。
(2)循環空気
循環用VC装置3の動作条件として、循環空気(27℃、12g/kgD.A)を、25℃、12g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(27−25)×1.006=2.0kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(12−12)×2.50=0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(循環用VC装置3の分担分)は、合計で2.0kJ/kgとなる。
消費可能電力量が十分に確保されている通常運転モードでは、主に機外からの取込空気Fに対して冷却能力が優先的に配分される。
(1)取込空気
換気用VC装置2の動作条件として、取込空気(40℃、22g/kgD.A)を、15℃、10g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(40−15)×1.006=25.2kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(22−12)×2.50=25.0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(換気用VC装置2の分担分)は、合計で50.2kJ/kgとなる。
(2)循環空気
循環用VC装置3の動作条件として、循環空気(27℃、12g/kgD.A)を、25℃、12g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(27−25)×1.006=2.0kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(12−12)×2.50=0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(循環用VC装置3の分担分)は、合計で2.0kJ/kgとなる。
したがって、キャビン用ミキシングチャンバ9での混合後に20℃の空気供給を行うための必要冷却能力(汲出し熱量の総計)は、50.2+2.0=52.2kJ(機外空気1kg+循環空気1kg当り)となる。冷却システム100の成績計数(COP)を2〜3とすると、機外空気1kg+循環空気1kg当りの消費電力は、約17.4〜約26.1kW相当となる。
(消費電力抑制モード)
消費可能電力量が制限されている消費電力抑制モードでは、主に機内の循環空気に冷却能力が優先的に配分される。
(1)取込空気
換気用VC装置2の動作条件として、取込空気(40℃、22g/kgD.A)を、25℃、19g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(40−25)×1.006=15.1kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(22−19)×2.50=7.5kJ/kgとなる。
必要冷却能力(換気用VC装置2の分担分)は、合計で22.6kJ/kgとなる。
(2)循環空気
循環用VC装置3の動作条件として、循環空気(27℃、12g/kgD.A)を、15℃、10g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(27−15)×1.006=12.1kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(12−10)×2.50=5.0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(循環用VC装置3の分担分)は、合計で17.1kJ/kgとなる。
消費可能電力量が制限されている消費電力抑制モードでは、主に機内の循環空気に冷却能力が優先的に配分される。
(1)取込空気
換気用VC装置2の動作条件として、取込空気(40℃、22g/kgD.A)を、25℃、19g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(40−25)×1.006=15.1kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(22−19)×2.50=7.5kJ/kgとなる。
必要冷却能力(換気用VC装置2の分担分)は、合計で22.6kJ/kgとなる。
(2)循環空気
循環用VC装置3の動作条件として、循環空気(27℃、12g/kgD.A)を、15℃、10g/kgD.Aに冷却する動作条件を設定する。
空気冷却のための熱量:(27−15)×1.006=12.1kJ/kgとなる。
水凝縮のための熱量:(12−10)×2.50=5.0kJ/kgとなる。
必要冷却能力(循環用VC装置3の分担分)は、合計で17.1kJ/kgとなる。
したがって、キャビン用ミキシングチャンバ9での混合後に20℃の空気供給を行うための必要冷却能力(汲出し熱量の総計)は、22.6+17.1=39.7kJ(機外空気1kg+循環空気1kg当り)となる。冷却システム100の成績計数(COP)を2〜3とすると、機外空気1kg+循環空気1kg当りの消費電力は、約13.2〜約19.9kW相当となる。
以上の試算結果から、設定した動作条件では、消費電力抑制モードでの消費電力は、通常運転モードと比較して、約75%に削減される。したがって、消費電力抑制モードでは、通常運転モードと同じ設定温度20℃を維持しながら、消費電力を抑制することができる。なお、消費電力抑制モードでは、冷却後の取込空気Fと循環空気Rとを混合する際に、霧状の水滴ができる可能性があるが、混合後の空気露点(約19.5℃)は設定温度20℃よりも低いため、霧滴が細かければ再蒸発させて供給することは可能である。また、消費電力抑制モードの運転は、キャビンBなどに供給される調和空気の一時的な湿度上昇を招くことになるが、図4に示したように消費可能電力量が戻れば通常運転モードの運転に戻されるため、上昇した湿度は速やかに低下する。
さらに、消費電力抑制モードによる運転の後、しばらくの間は、取込空気Fの冷却のみを通常運転モードと同じ設定に戻し、循環空気Rの冷却は消費電力抑制モードにおける状態(冷却能力を高めた状態)に維持する、「挽回運転モード」による運転を設定し、行っても良い。このような運転モードを採用することで、抑制が解除された電力のため通常モードより消費電力の増加が許容され、通常運転モード以上の水蒸気除去を行うことができ、キャビンB内の空気に含有される水蒸気を、より短時間で低下させる運転が可能になる。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、機内(キャビンB)の冷却のために消費可能な消費可能電力量に応じて、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、換気用VC装置2および循環用VC装置3の動作条件を設定する制御を行うように空調制御部4を構成することによって、消費可能電力量が減少した場合に消費電力抑制モードに切り替えて、機内への供給空気温度を維持しながら空気温度に比べて上昇がある程度は許容される供給空気の湿度を変化(上昇)させることができるので、凝縮に用いられる電力消費分を削減することができる。すなわち、取込空気Fを設定温度近傍まで冷却する際には、空気中に含まれる大量の水蒸気の凝縮を伴い、この凝縮のために冷熱が消費されてしまうために消費電力が増大することになる。そのため、消費電力抑制モードにおいて湿度を変化(上昇)させて凝縮量を抑制することにより、凝縮に用いられる電力消費分(上記試算では全消費電力の約25%)に相当する消費電力を速やかに削減することができる。以上により、換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、比較的急峻な電力消費量の変化が発生した場合にも、これに対応して冷却システム100の消費電力を抑制したピークカット運転を行うことができる。
第1実施形態では、上記のように、機内(キャビンB)に供給する空気を所定の温度設定(たとえば20℃)で相対的に湿度の低い空気として機内に供給するための通常運転モードの動作条件と、機内に供給する空気を所定の温度設定で相対的に湿度の高い空気として機内に供給するための消費電力抑制モードの動作条件とを、消費可能電力量に応じて変更するように空調制御部4を構成する。これにより、消費電力抑制モードでの動作時には、水蒸気の凝縮(すなわち、空気の湿度を低くすること)に必要とされる電力消費を低減することができるとともに、機内に供給する空気の温度は維持することができる。
第1実施形態では、上記のように、消費可能電力量に応じた通常運転モードまたは消費電力抑制モードの設定に基づいて、取込空気Fおよび循環空気Rに対する換気用VC装置2および循環用VC装置3の冷却能力の配分を個別に設定するように空調制御部4を構成する。これにより、湿度の高い状態で取り込まれる取込空気Fと、機内(キャビンBなど)に一度供給されて循環される湿度の低い循環空気Rとのそれぞれの湿度を調節した上で混合させ、設定温度の調和空気となるように調節して機内へ供給することができるので、機内空気(調和空気)の温度を維持しながら湿度を変化させる空調制御を容易に実現することができる。
第1実施形態では、上記のように、通常運転モードにおいて、取込空気Fの冷却能力(換気用VC装置2の冷却能力)を相対的に高く設定して循環空気Rとともに機内に供給させ、消費電力抑制モードにおいて、循環空気Rの冷却能力(循環用VC装置3の冷却能力)を相対的に高く設定して取込空気Fとともに機内に供給させるように空調制御部4を構成する。これにより、通常運転モードでは、湿度の高い取込空気Fに対する冷却を優先させて水蒸気を除去(凝縮)することにより、快適な湿度の低い空気を機内に供給することができる。そして、消費電力抑制モードでは、取込空気Fの水蒸気の凝縮量を低減させることにより、温度設定を維持しながら電力消費を低減した効率的な動作を容易に実現することができる。
第1実施形態では、上記のように、消費電力抑制モードにおいて、各検知部5a〜5eの検知データと、消費可能電力量とに基づき必要冷却能力を取得し、取得した必要冷却能力に基づいて換気用VC装置2および循環用VC装置3の動作条件を設定するように空調制御部4を構成する。これにより、取込空気Fの温度および湿度と、循環空気Rの温度および湿度とに基づく必要冷却能力での運転を実現させる動作条件を設定することにより、所定の温度設定に追従させながら湿度だけを変化させる動作を容易に行うことができる。
第1実施形態では、上記のように、供給電力量と消費電力量とを監視し、冷却用に消費可能な消費可能電力量を示す指令信号を出力する電力監視部7を設ける。これにより、供給電力量と消費電力量とから消費可能電力量を容易に得ることができる。そして、電力監視部7から出力される消費可能電力量に基づいて動作条件を設定することにより、電力消費量の変化に対して迅速に、温度設定を維持しながら電力消費を低減した動作を実現することができる。
第1実施形態では、上記のように、取込空気Fを冷却するための換気用VC装置2と、循環空気Rを冷却するための循環用VC装置3とを、それぞれ、消費可能電力量に応じて個別に設定された冷却能力の配分に従って動作するように構成する。これにより、複数台のベーパサイクル装置をそれぞれ換気用VC装置2と循環用VC装置3として機能させることにより、取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却可能な構成を容易に実現することができる。
(第2実施形態)
次に、図1および図5を参照して、本発明の第2実施形態による冷却システムについて説明する。第2実施形態では、冷却した取込空気をキャビン用ミキシングチャンバ9とコックピット用ミキシングチャンバ10とに並列的に分配するように換気用VC装置2を構成した上記第1実施形態とは異なり、コックピットCに供給される第1取込空気F1と、キャビンBに供給される第2取込空気F2とを個別に冷却するように換気用VC装置を構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図1および図5を参照して、本発明の第2実施形態による冷却システムについて説明する。第2実施形態では、冷却した取込空気をキャビン用ミキシングチャンバ9とコックピット用ミキシングチャンバ10とに並列的に分配するように換気用VC装置2を構成した上記第1実施形態とは異なり、コックピットCに供給される第1取込空気F1と、キャビンBに供給される第2取込空気F2とを個別に冷却するように換気用VC装置を構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態による冷却システム200の換気用VC装置102は、取込空気Fのうち、航空機AのコックピットC(図1参照)に供給される第1取込空気F1と、コックピットC以外のキャビンB(図1参照)などに供給される第2取込空気F2とを個別に冷却するように構成されている。具体的には、換気用VC装置102には、第1取込空気F1の冷却用の蒸発器122aと、第2取込空気F2の冷却用の蒸発器122bとが個別に設けられているとともに、それぞれの蒸発器122aおよび122bに供給される冷媒25の供給量を制御する供給量調節部127が設けられている。これにより、換気用VC装置102は、冷却能力を個別に調節可能な2つの冷却系統を備えている。なお、冷却システム200は、本発明の「航空機用冷却システム」の一例である。また、換気用VC装置102は、本発明の「ベーパサイクル手段」の一例である。
蒸発器122aおよび蒸発器122bは、それぞれ、冷却対象となる第1取込空気F1および第2取込空気F2を冷却する。蒸発器122aを通過して冷却された第1取込空気F1は、コックピット用ミキシングチャンバ10に送られ、コックピット用温度調節バルブ10a(図1参照)からの取込空気と混合された後、調和空気としてコックピットCに供給される。蒸発器122bを通過して冷却された第2取込空気F2は、キャビン用ミキシングチャンバ9に送られ、循環空気およびキャビン用温度調節バルブ9a(図1参照)からの取込空気と混合された後、調和空気としてキャビンBに供給される。
供給量調節部127は、これらの蒸発器122aおよび蒸発器122bを流れる冷媒25の流量を調節するための流量制御弁127aおよび127bを有している。流量制御弁127aおよび127bはそれぞれ、弁体128と弁体128の開度調整用のモータ129とを備えており、モータコントローラ21cによって個別に制御されるように構成されている。流量制御弁127aおよび127bの各々の制御により冷媒供給量が調節されることにより、蒸発器122aおよび蒸発器122bの各々の冷却能力が個別に調節される。また、蒸発器122aおよび蒸発器122bの下流側には、それぞれ、冷媒25の逆流を防止するための逆止弁130が設けられている。
このような構成により、第2実施形態による冷却システム200では、コックピット向けの第1取込空気F1とキャビン向けの第2取込空気F2との冷却を異ならせた運転が可能である。したがって、空調制御部104は、換気用VC装置102と循環用VC装置3(図1参照)との間での冷却能力の配分に加えて、換気用VC装置102内での第1取込空気F1と第2取込空気F2とに対する冷却能力の配分も設定する。
第2実施形態では、空調制御部104は、取込空気Fの冷却能力を低くする消費電力抑制モードの動作条件として、循環空気Rの冷却能力のみならず第1取込空気F1の冷却能力を第2取込空気F2の冷却能力に対して相対的に高く設定するように構成されている。すなわち、空調制御部104は、消費電力抑制モードの場合に、キャビン向けの第2取込空気F2に対する冷却能力(冷媒供給量)よりも、コックピット向けの第1取込空気F1に対する冷却能力(冷媒供給量)が大きくなるように、換気用VC装置102の動作条件を設定する。そして、モータコントローラ21cが、設定された能力配分に従って、モータ21b(冷媒コンプレッサ21)、モータ24b(電子膨張弁24)および2つのモータ129(流量制御弁127aおよび127b)の駆動制御を行う。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、取込空気Fのうち、コックピットCに供給される第1取込空気F1と、コックピットC以外(キャビンB)に供給される第2取込空気F2とを個別に冷却するように換気用VC装置102を構成する。そして、消費電力抑制モードの動作条件として、循環空気Rの冷却能力のみならず第1取込空気F1の冷却能力(冷媒供給量)を第2取込空気F2の冷却能力(冷媒供給量)に対して、空気の単位流量当りで相対的に高く設定するように空調制御部104を構成する。ここで、上記のように、規定により、コックピットCには取込空気Fのみが供給されるため、消費電力抑制モードにおいて取込空気Fに対する冷却能力配分を低減すると、コックピットCの空気温度は上昇してしまう可能性がある。そこで、第2実施形態では、第2取込空気F2中の冷却能力を絞る(凝縮量を低減させる)ことにより消費電力の抑制を図りつつ、コックピット向けの第1取込空気F1に対する冷却能力を確保することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、第1取込空気F1の冷却用と、第2取込空気F2の冷却用とで個別に設けられた複数の蒸発器122aおよび122bを換気用VC装置102に設ける。これにより、取込空気Fのうち、コックピットCに供給される第1取込空気F1と、コックピットC以外(キャビンB)に供給される第2取込空気F2とを個別に冷却する構成を、容易に実現することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図1および図6を参照して、本発明の第3実施形態による冷却システムについて説明する。第3実施形態では、取込空気Fを冷却する換気用VC装置2と循環空気Rを冷却する循環用VC装置3とを別個に設けた上記第1実施形態とは異なり、単体のベーパサイクル装置が取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却するように構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図1および図6を参照して、本発明の第3実施形態による冷却システムについて説明する。第3実施形態では、取込空気Fを冷却する換気用VC装置2と循環空気Rを冷却する循環用VC装置3とを別個に設けた上記第1実施形態とは異なり、単体のベーパサイクル装置が取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却するように構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、第3実施形態による冷却システム300のベーパサイクル装置(以下、VC装置という)202は、冷媒25との熱交換により取込空気Fを冷却する取込空気用の蒸発器222aおよび222bと、冷媒25との熱交換により循環空気Rを冷却する循環空気用の蒸発器222cとを備えている。また、VC装置202は、これらの蒸発器222a、蒸発器222bおよび蒸発器222cの各々への冷媒25の供給量を制御するための供給量調節部227を備えている。
これにより、第3実施形態のVC装置202は、上記第1実施形態の換気用VC装置2(図1参照)としての機能と、循環用VC装置3(図1参照)としての機能との両方の機能を果たす。なお、第3実施形態のVC装置202は、上記第2実施形態と同様に、コックピット向けの第1取込空気F1とキャビン向けの第2取込空気F2とを個別に冷却可能な構成の例を示している。また、この場合、VC装置202は、機内空間の大きさに(すなわち、必要とされる冷却能力)に応じて複数設けられることが好ましい。なお、冷却システム300は、本発明の「航空機用冷却システム」の一例である。また、VC装置202は、本発明の「ベーパサイクル手段」の一例である。また、蒸発器222aおよび222bは、いずれも、本発明の「取込空気用蒸発器」の一例であり、蒸発器222cは、本発明の「循環空気用蒸発器」の一例である。また、供給量調節部227は、本発明の「冷媒調節部」の一例である。
第3実施形態では、VC装置202は、アフタークーラー8と接続されて取込空気Fの供給を受けるとともに、循環空気ファン12と接続されて循環空気Rの供給を受けるように構成されている。また、取込空気Fのうち第1取込空気F1は、蒸発器222aにより冷却されて、コックピット用ミキシングチャンバ10に送られる。取込空気Fのうち第2取込空気F2は、蒸発器222bにより冷却されて、キャビン用ミキシングチャンバ9に送られる。また、循環空気Rは、蒸発器222cにより冷却されて、キャビン用ミキシングチャンバ9に送られる。
供給量調節部227は、これらの蒸発器222a、222bおよび222cを流れる冷媒25の流量を調節するための流量制御弁227a、227bおよび227cを有している。流量制御弁227a〜227cの構成は上記第2実施形態の流量制御弁127a(127b)と同様である。それぞれの蒸発器222a〜222cを流れる冷媒25の流量(供給量)は、下流側の各流量制御弁227a〜227cの弁開度に応じた流路抵抗によって調節される。この流量制御弁227a〜227cの各々による冷媒供給量の調節によって、各蒸発器222a〜222cの各々の冷却能力が個別に調節される。
また、第3実施形態では、蒸発器222a、222bおよび222cに対応して、電子膨張弁224a、224bおよび224cがそれぞれ設けられている。冷媒コンプレッサ21による圧縮後に凝縮器23で液化した冷媒は、各電子膨張弁224a〜224cで冷却対象の目標温度に適した蒸発圧力にされ、各蒸発器222a〜222cに分配供給される。ここで、それぞれの蒸発器222a〜222cにおける蒸発温度(蒸発圧力)は、下流側の各流量制御弁227a〜227cの流路抵抗によって維持される。
このような構成により、第3実施形態によるVC装置202は、取込空気F(第1取込空気F1および第2取込空気F2)と循環空気Rとのそれぞれに対する冷却能力の配分を個別に設定することが可能である。供給量調節部227は、消費可能電力量に応じて個別に設定された動作条件(冷却能力)に従って、取込空気用の蒸発器(222aおよび222b)と、循環空気用の蒸発器222cとのそれぞれに供給する冷媒の供給量を個別に制御するように構成されている。したがって、空調制御部204は、蒸発器222a、222bおよび222cの各々に対する冷却能力の配分を設定する。
すなわち、第3実施形態では、空調制御部204は、取込空気Fの冷却能力を低くする消費電力抑制モードの動作条件として、循環空気Rおよび第1取込空気F1の冷却能力(冷媒供給量)を第2取込空気F2の冷却能力(冷媒供給量)に対して相対的に高く設定するように構成されている。そして、モータコントローラ21cが、設定された能力配分に従って、モータ21b(冷媒コンプレッサ21)、3つのモータ24b(電子膨張弁224a、224bおよび224c)、および、3つのモータ129(流量制御弁227a、227bおよび227c)の駆動制御を行う。
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、VC装置202に、取込空気Fを冷却する蒸発器(222aおよび222b)と、循環空気Rを冷却する蒸発器222cと、冷媒25の供給量調節部227とを設ける。そして、消費可能電力量に応じて個別に設定された動作条件(冷却能力)に従って、蒸発器222a〜222cのそれぞれに供給する冷媒25の供給量を個別に制御するように供給量調節部227を構成する。これにより、取込空気用の蒸発器222aおよび222bと循環空気用の蒸発器222cとを設けたVC装置202によって、取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却可能な構成を実現することができる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第4実施形態による冷却システムについて説明する。第4実施形態では、取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却するように構成した上記第1実施形態とは異なり、取込空気Fと循環空気Rとを混合した後の混合空気M1をベーパサイクル装置により冷却するように構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図7を参照して、本発明の第4実施形態による冷却システムについて説明する。第4実施形態では、取込空気Fと循環空気Rとを個別に冷却するように構成した上記第1実施形態とは異なり、取込空気Fと循環空気Rとを混合した後の混合空気M1をベーパサイクル装置により冷却するように構成した例について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第4実施形態による冷却システム400では、キャビン用のベーパサイクル装置(以下、VC装置という)302と、コックピット用のVC装置303とを備えている。これらのVC装置302および303(特にキャビン向けのVC装置302)は、機内空間の大きさに(すなわち、必要とされる冷却能力)に応じた設置台数で設けられている。なお、冷却システム400は、本発明の「航空機用冷却システム」の一例である。また、VC装置302は、本発明の「ベーパサイクル手段」の一例である。図7では、冷却システム400の主要構成のみを示し、図1に示した第1実施形態の冷却システム100と重複する一部の構成については、図示を省略している。
冷却システム400では、アフタークーラー8からの取込空気F、キャビン用温度調節バルブ9aからの取込空気F、および、循環空気ファン12からの循環空気Rが、キャビン用ミキシングチャンバ9に供給される。キャビン用ミキシングチャンバ9で混合された混合空気M1は、再生熱交換器331を通過してVC装置302に供給される。VC装置302によって冷却された混合空気M2は、バイパス弁332と再生熱交換器331とに送られ、バイパス弁332の開閉制御によって、再生熱交換器331を通過する混合空気M2の割合が制御される。これにより、キャビン用ミキシングチャンバ9からの混合空気M1(被冷却空気)は、必要に応じて再生熱交換器331での混合空気M2との熱交換により予冷される。また、混合空気M2側では、再生熱交換器331で熱交換される混合空気M2の割合がバイパス弁332により調節されることによって、キャビンBに供給される調和空気の温度調整がなされる。
第4実施形態では、VC装置302は、通常運転モードでは、相対的に低い蒸発器温度まで低下させる動作条件で混合空気M1を冷却する。このため、混合空気M1中の水蒸気が凝縮されて除去され、湿度の低い低温の混合空気M2が供給される。そして、再生熱交換器331で昇温される混合空気M2と、バイパス弁332を通過する昇温されていない混合空気M2との割合の調整によって、設定温度に調節された調和空気がキャビンBに供給される。この第4実施形態では、再生熱交換器331で予冷された混合空気M1がVC装置302に供給されるため、たとえば上記第1実施形態での露点温度(蒸発器温度)よりも低い露点温度まで冷却しても、必要とされる冷却能力はほとんど変わらない。
VC装置302は、消費電力抑制モードでは、通常運転モードでの蒸発器温度よりも高い蒸発器温度に設定された動作条件で混合空気M1を冷却する。これにより、混合空気M1中の水蒸気の凝縮量が減少して電力消費も抑制される一方で、通常運転モードよりも温度および湿度の高い混合空気M2が供給される。この場合も、バイパス弁332の開度調節によって、再生熱交換器331で昇温された混合空気M2と、昇温されていない混合空気M2との割合が調整される結果、設定温度に調節された調和空気がキャビンBに供給される。これにより、消費電力抑制モードでの調和空気は、相対的に湿度の高い状態で供給される。
このように、第4実施形態による冷却システム400では、混合前の取込空気Fと循環空気Rとの各々に対する水蒸気凝縮量を変化させることにより混合後の調和空気の湿度を変化させた上記第1〜第3実施形態とは異なり、取込空気Fと循環空気Rとの混合空気M1に対する水蒸気凝縮量を変化させることにより、調和空気(すなわち、混合空気M2)の湿度を変化させている。したがって、第4実施形態では、空調制御部304は、消費可能電力量に応じてVC装置302の露点温度(蒸発器温度)が変化するように、VC装置302の動作条件を設定する。この場合、設定されるVC装置302の動作条件としては、蒸発器温度であってよい。たとえば、露点温度(蒸発器温度)が(20℃、15℃、10℃)の場合、それぞれ、絶対湿度が(約15g/kgD.A、約10.5g/kgD.A、約7.5g/kgD.A)となる。したがって、空調制御部304は、消費可能電力量に応じてどの露点温度(蒸発器温度)まで冷却するかを決定し、動作条件としてVC装置302に設定することが可能である。
なお、VC装置303には、アフタークーラー8からの取込空気Fが供給される。VC装置303により冷却された取込空気Fは、コックピット用ミキシングチャンバ10に送られて、コックピット用温度調節バルブ10aからの高温空気と混合される。そして、設定温度に調節された空気が調和空気としてコックピットCに供給される。
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、この第4実施形態においても、消費電力抑制モードに切り替えて、機内への供給空気(調和空気)の温度を維持しながら、空気温度に比べて上昇がある程度は許容される供給空気の湿度を変化(上昇)させることにより、凝縮に用いられる電力消費分を削減することができる。これにより、換気量が確保された機内へ供給される空気の温度変化を抑制しながら、比較的急峻な電力消費量の変化が発生した場合にも対応して消費電力を抑制した運転を行うことができる。
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、ベーパサイクル装置のみを備えた冷却システムの例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベーパサイクル装置に加えて、さらにエアサイクル方式の冷却装置を備えていてもよい。
また、上記第1実施形態では、一例として、4台の電動コンプレッサ1と、各2台の換気用VC装置2および循環用VC装置3とを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、これらの各装置の設置台数は、機内空間の大きさや、バックアップ用途などに応じて任意の台数とすることができる。
上記第1実施形態では、空調制御部4が運転データ表を参照することにより、消費可能電力量に応じたVC装置の動作条件を設定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、消費可能電力量や各部の温度および湿度のデータに基づく演算により、空調制御部が消費可能電力量に応じたVC装置の動作条件を算出(設定)するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、電力監視部7が電力供給量および電力消費量の予測を計算し、消費可能電力量を算出するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空調制御部が電力監視部から電力供給量および電力消費量を取得するとともに、これらの情報に基づいて空調制御部が消費可能電力量を算出してもよい。
また、上記第1実施形態では、通常運転モードと設定温度を維持しながら湿度を変更することにより電力消費を抑制させる消費電力抑制モードとの2つの例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば消費電力抑制の程度に応じて、3つ以上のモードを設けてもよい。すなわち、通常運転モードと、消費電力抑制モードとに加えて、設定温度および湿度の両方を上昇させて更なる電力消費の抑制を図るモードを追加してもよい。また、湿度調整による消費電力抑制の対応を基本としつつ、瞬間的な電力消費ピークがある場合の極短時間の対応機能となる追加的なモードとして、機外からの取込空気の流量を絞る方法が併用されるものであってもよい。すなわち、規定の換気量を下限として、通常運転モードの取込空気の流量よりも流量を絞ることにより、取込空気の冷却に必要な冷却能力自体を低減することができるので、瞬間的な電力消費ピークに対応した電力消費削減を図ることが可能となる。一方、電力消費制限が解除された後に、冷却能力を高めて、通常モードよりも水蒸気除去量を得る「挽回運転モード」を設定し、消費電力抑制モード時に増加した機内の水蒸気量を早期に除去する運転を実施できるようにしても良い。
2、102 換気用ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
3 循環用ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
4、104、204、304 空調制御部
5a〜5e 検知部
7 電力監視部
100、200、300、400 冷却システム(航空機用冷却システム)
122a、122b 蒸発器
202 ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
222a、222b 蒸発器(取込空気用蒸発器)
222c 蒸発器(循環空気用蒸発器)
227 供給量調節部(冷媒調節部)
302 ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
303 ベーパサイクル(VC)装置
A 航空機
C コックピット(操縦室)
F 取込空気
F1 第1取込空気
F2 第2取込空気
R 循環空気
3 循環用ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
4、104、204、304 空調制御部
5a〜5e 検知部
7 電力監視部
100、200、300、400 冷却システム(航空機用冷却システム)
122a、122b 蒸発器
202 ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
222a、222b 蒸発器(取込空気用蒸発器)
222c 蒸発器(循環空気用蒸発器)
227 供給量調節部(冷媒調節部)
302 ベーパサイクル(VC)装置(ベーパサイクル手段)
303 ベーパサイクル(VC)装置
A 航空機
C コックピット(操縦室)
F 取込空気
F1 第1取込空気
F2 第2取込空気
R 循環空気
Claims (10)
- 航空機に設けられ、機外から取り込まれた換気用の取込空気と、機内を循環させて使用される循環空気とを冷却して機内に供給するベーパサイクル手段と、
前記ベーパサイクル手段の動作条件を設定する空調制御部とを備え、
前記空調制御部は、機内の冷却のために消費可能な消費可能電力量に応じて、所定の温度設定で機内に空気供給する通常運転モードと、前記通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら前記供給する空気の湿度を変化させる消費電力抑制モードとに切り替えるように、前記ベーパサイクル手段の動作条件を設定する制御を行うように構成されている、航空機用冷却システム。 - 前記空調制御部は、機内に供給する空気を所定の温度設定で相対的に湿度の低い空気として機内に供給するための通常運転モードの前記動作条件と、機内に供給する空気を前記所定の温度設定で相対的に湿度の高い空気として機内に供給するための消費電力抑制モードの動作条件とを、消費可能電力量に応じて変更するように構成されている、請求項1に記載の航空機用冷却システム。
- 前記ベーパサイクル手段は、前記取込空気と前記循環空気とを個別に冷却するように構成され、
前記空調制御部は、前記消費可能電力量に応じた前記通常運転モードまたは前記消費電力抑制モードの設定に基づいて、前記取込空気および前記循環空気に対する前記ベーパサイクル手段の冷却能力の配分を個別に設定するように構成されている、請求項1または2に記載の航空機用冷却システム。 - 前記空調制御部は、前記通常運転モードにおいて、前記取込空気および前記循環空気のうち、前記取込空気の冷却能力を相対的に高く設定して前記循環空気とともに機内に供給させ、前記消費電力抑制モードにおいて、前記取込空気および前記循環空気のうち、前記循環空気の冷却能力を相対的に高く設定して前記取込空気とともに機内に供給させるように、前記取込空気および前記循環空気に対する前記ベーパサイクル手段の冷却能力の配分を変更するように構成されている、請求項3に記載の航空機用冷却システム。
- 前記ベーパサイクル手段は、前記取込空気のうち、前記航空機の操縦室に供給される第1取込空気と、前記操縦室以外に供給される第2取込空気とを個別に冷却するように構成され、
前記空調制御部は、消費電力抑制モードの動作条件として、前記循環空気の冷却能力のみならず前記第1取込空気の冷却能力を前記第2取込空気の冷却能力に対して相対的に高く設定するように構成されている、請求項4に記載の航空機用冷却システム。 - 前記ベーパサイクル手段は、前記第1取込空気の冷却用と、前記第2取込空気の冷却用とで個別に設けられた複数のベーパサイクル装置または複数の蒸発器を含む、請求項5に記載の航空機用冷却システム。
- 前記機外から取り込む取込空気の温度および湿度と、機内の前記循環空気の温度および湿度とを検知する検知部をさらに備え、
前記空調制御部は、前記消費電力抑制モードにおいて、前記検知部の検知データと、前記消費可能電力量とに基づき、前記通常運転モードの温度設定に対する変化を抑制しながら前記供給する空気の湿度を変化させるための必要冷却能力を取得し、取得した前記必要冷却能力に基づいて前記ベーパサイクル手段の動作条件を設定するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の航空機用冷却システム。 - 前記航空機内への供給可能な供給電力量と、前記航空機内で消費される消費電力量とを監視し、冷却用に消費可能な前記消費可能電力量を示す指令信号を出力する電力監視部をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の航空機用冷却システム。
- 前記ベーパサイクル手段は、前記取込空気を冷却するための換気用ベーパサイクル装置と、前記循環空気を冷却するための循環用ベーパサイクル装置とを含み、前記換気用ベーパサイクル装置と前記循環用ベーパサイクル装置とが、それぞれ、前記消費可能電力量に応じて個別に設定された冷却能力の配分に従って動作するように構成されている、請求項3に記載の航空機用冷却システム。
- 前記ベーパサイクル手段は、冷媒との熱交換により前記取込空気を冷却する取込空気用蒸発器と、冷媒との熱交換により前記循環空気を冷却する循環空気用蒸発器と、冷媒の供給量を制御するための冷媒調節部とを含み、
前記冷媒調節部は、前記消費可能電力量に応じて個別に設定された動作条件に従って、前記取込空気用蒸発器と前記循環空気用蒸発器とのそれぞれに供給する冷媒の供給量を個別に制御するように構成されている、請求項3に記載の航空機用冷却システム。
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JP2018034790A (ja) * | 2016-09-02 | 2018-03-08 | エンブラエル ソシエダージ アノーニマ | 航空機空調システムの空気流れ調整 |
-
2013
- 2013-09-09 JP JP2013186508A patent/JP2015051747A/ja active Pending
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