JP2015051405A - 有機物含有排水の処理装置および処理方法。 - Google Patents

有機物含有排水の処理装置および処理方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP2015051405A
JP2015051405A JP2013186013A JP2013186013A JP2015051405A JP 2015051405 A JP2015051405 A JP 2015051405A JP 2013186013 A JP2013186013 A JP 2013186013A JP 2013186013 A JP2013186013 A JP 2013186013A JP 2015051405 A JP2015051405 A JP 2015051405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic matter
tank
treatment
containing wastewater
granules
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013186013A
Other languages
English (en)
Inventor
孝博 枝木
Takahiro Edaki
孝博 枝木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHOWA KANKYO SYSTEM KK
Veolia Water Japan KK
Original Assignee
SHOWA KANKYO SYSTEM KK
Veolia Water Japan KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHOWA KANKYO SYSTEM KK, Veolia Water Japan KK filed Critical SHOWA KANKYO SYSTEM KK
Priority to JP2013186013A priority Critical patent/JP2015051405A/ja
Publication of JP2015051405A publication Critical patent/JP2015051405A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

【課題】グラニュールを用いて有機物含有排水を短時間に、且つ効率良く処理し得る処理技術の提供を課題とする。
【解決手段】グラニュールを用いた有機物含有排水の処理装置1であって、有機物含有排水を処理すべく処理槽11,12,13並び内部に流路2を形成すると共に、流路2の流入部16から流出部17に至る区間で、且つ流入部16および流出部17よりも低い位置に、グラニュールの貯留部11a,12a,13aを設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機物含有排水の処理技術に関し、詳細には、グラニュール(造粒固定化微生物)を用いて有機物含有排水を短時間に、且つ効率良く消化処理する技術に関する。
この種の処理技術として、例えば、嫌気リアクター内にグラニュール(造粒固定化微生物)を収容し、このグラニュールと有機物含有排水(以下、原水と称する)とを接触させることで液中の有機物をガス化して回収する、所謂UASB法やEGSB法が知られている。
具体的には、リアクター底部より原水を供給すると共に原水とグラニュールとの接触によって原水中の有機物をメタン発酵させ、さらにメタン発酵によって得られるガス(メタンガス、炭酸ガス)を液中から分離して回収する。また、回収したガスはバイオガスとして利用できるため、近年、この種の技術はエネルギー再性技術としても注目されている。
また、上記構造を有する処理装置では、発生したガスの浮上に伴いグラニュールが浮遊・拡散する。このため浮遊・拡散したグラニュールを捕捉すべく、別途、セトラーと呼ばれる固気分離装置が必要になる。この固気分離装置はリアクターの中央部分又は上部に設けられるガス回収装置を兼ねた遮蔽板であり、リアクター底部より持ち上げられたグラニュールは、セトラーの裏面に衝突することで沈降する。また、セトラーで捕捉されたガスはリアクター上部に伸びるライザー管を経由して一箇所に集められ、別途設けたガス管等を経てバイオガス関連設備等に供給される。
特開2010−069397号公報 特許第4468771号公報 特開2003−251299号公報
ところで、上述した嫌気性処理技術では、処理能力を高めるべく、グラニュールを原水と嫌気処理水を循環させ、適切に菌域を拡張させる必要がある。
しかしながら、ガスリフトと共に一旦、浮遊・拡散したグラニュールは容易に沈降せず、とりわけ、セトラーで捕捉しきれなかったグラニュールは、リアクター上部から流出しプロセスの破綻を起こす。
従来型処理装置のうち、比較的高い処理能力を有するEGSB法では、高い線速度LV(6〜12m/h)で嫌気処理水を循環し、これによってグラニュールと原水との接触を促進させて処理時間の短縮を図っている。
しかしながら、処理時間の短縮は図れるものの、上記同様、高い線速度での運転はグラニュールの流出を招く。
また、EGSB法では、上述の如く高い線速度で有機物含有排水を供給するため、原水中の懸濁粒子(SS)や油分を事前に凝集分離して取り除く必要がある。このため全有機物のうち30〜50%は凝集分離によって廃棄されるため、エネルギー転換効率を考えると効率の良い処理技術とは言い難かった。
本発明は、上記した技術的背景を考慮してなされたもので、グラニュールを用いて有機物含有排水を短時間に、且つ効率良く処理し得る処理技術の提供を課題とする。
上記した技術的課題を解決するため、本発明は、グラニュールを用いた有機物含有排水の処理装置であって、有機物含有排水を処理すべく処理槽内部に流路を形成すると共に、前記流路の流入部から流出部に至る区間の両側に固液分離槽を設けたことを特徴とする。
この構成によれば、処理槽内部に流路を形成し、その両側に固液分離槽を設け、有機物含有排水はグラニュールの固液分離槽を経由して処理される。
流入方向を一定時間ごとに、左右両側のどちらかに切り替えることで槽内の下降流と上向流が切り替わり、過剰なバイオガスの蓄積を防止でき、有機物含有排水の流入時においてグラニュールは流路下流側に流れ出ることなく流路底部に留まる。
このように本発明の処理装置によれば、有機物含有排水の処理時にグラニュールを定位置に滞留させたまま処理を継続できるため、有機物含有排水の安定した連続的処理が可能となる。また、グラニュールの過度な浮上および流出が抑制されることからグラニュールの高密度化が図られ、有機物の処理に要する時間も短くなる。
また、前記処理槽を複数設けると共に、各処理槽の流路を直列に接続してもよい。
本構成では、上記構造の処理槽を複数直列に設けている。すなわち、処理槽を多段に設けることで水面積負荷を減らし処理能力を高めている。また、長期運用に伴って流出した前段のグラニュールを後段の処理槽で捕捉し、処理槽内部におけるグラニュールの減少を抑制する。
本構成では、グラニュールの貯留部から流出部に至る区画の各槽の上部に、浮上したガスを集めて回収する。また、有機物の処理に伴い発生する微細化した懸濁物質や油分(以下、総称してスカムと称する)もガスリフトによって各槽の上部に浮上するため、事前にスカム成分を凝集分離せずとも、有機物含有排水の処理中に適切な処理をスカムに施すことができる。
なお、上記でグラニュールの貯留部から流出部に至る区画とは、同区画の末端に位置する流出部をも含んでいる。
また、前記流路の上流下流を反転すべく前記流路の流出部から有機物含有排水を供給してもよい。
本構成によれば、グラニュールの貯留部に対して上流下流が適宜入れ替わるため、流路内部におけるグラニュールの片寄りを抑制でき、また、処理槽下流側でのスカムの滞留も抑制できる。
また、前記流路を経て流れ出た有機物含有排水の処理水を前記グラニュールの貯留部に再供給してもよい。
すなわち、本構成では、処理に供された有機物含有排水をグラニュールの貯留部に再供給してグラニュールの流動性を維持し、また、処理に供された有機物含有排水を再供給することで処理槽内部の急激なPH低下を抑制する。
また、前記流路を経て流れ出た有機物含有排水を前記流路の各槽上部に再供給してもよい。
本構成では、流路の各槽上部に有機物含有排水を再供給し、この再供給によってスカムからガスを分離し再沈降させてグラニュールとの再接触を図る。
また、前記処理槽に固液分離槽を連設した構成でもよい。
本構成では、処理槽に固液分離槽を連設し、処理の過程で増殖した細菌をこの分離槽によって回収する。
また、前記グラニュールは嫌気性グラニュールであり、前記有機物含有排水は前記グラニュールによって嫌気消化される構成でもよい。
本構成では、嫌気性グラニュールを用いて有機物含有排水中の有機物を嫌気消化するため、その副成物としてメタンガスが得られる。
さらに、本発明は、グラニュールを用いた有機物含有排水の処理方法であって、
有機物含有排水を処理すべく処理槽内部にグラニュールを貯蔵すると共に、前記グラニュールに対してその上流側から有機物含有排水を流入させ、仕切られたバッフル板により、下降流と上昇流を繰り返し各槽に貯蔵されたグラニュールと接触し、さらにグラニュール通過後の有機物含有排水を下流側の固液分離ゾーンの上部から排出することを特徴とする。
また、前記処理槽を複数設けると共に、各処理槽を直列に接続してもよい。
前記処理槽内部における有機物含有排水の流れ反転すべく、前記グラニュールの下流側から有機物含有排水を供給してもよい。
前記グラニュール通過後の有機物含有排水の処理水を、前記グラニュールを充填した各層に再供給してもよい。
また、前記グラニュール通過後の有機物含有排水の処理水を、流入部から前記流出部に至る区画の各槽に再供給してもよい。
本発明は、前記グラニュールを嫌気性グラニュールとし、前記グラニュールによって前記有機物含有排水を嫌気消化する有機物含有排水の処理方法とすることができる。
以上のように、本発明によれば、グラニュールを用いて有機物含有排水を短時間に、且つ効率良く処理し得る処理技術を提供できる。
また、これまで凝集分離によって廃棄されていたSSや油分も直接処理できるため、エネルギー転換効率も高くなる。
本発明の実施の形態に係る処理装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明に係る有機物含有排水の処理装置、並びに処理方法を説明する。
本実施の形態に示す処理装置1は、横方向多段に設けられるメタン発酵槽10と、メタン発酵槽10の下流に接続される固液分離槽20と、メタン発酵槽10および固液分離槽20の水面全域を覆う水封式カバー30と、メタン発酵槽10に有機物含有排水を適宜供給及び循環させる各種補機類とを備えている。
横方向多段に設けられるメタン発酵槽10は、図1のように右側から第1処理槽11、第2処理槽12、第3処理槽13の計3つの処理槽から構成され、各処理槽の底部には、有機物を嫌気消化してガス化する造粒嫌気性細菌、所謂グラニュールGが収められている。
また、各処理槽11,12,13の上部には空間部分が設けられており、この空間部分に各処理槽11,12,13の水面が臨んでいる。また、各処理槽11,12,13は、隣り合う水面を通じて隣の処理槽に接続している。また、図1のように各処理槽11,12,13には、処理槽上部から処理槽底部にかけて板状のバッフル15が立設され、各処理槽の水面はバッフル15を隔てて、流入部16と流出部17とに分かれている。
また、バッフル15の下縁と処理槽底部との間には、流入部16から流出部17に至る流路2を処理槽内部に確保すべく隙間が形成され、流入部16より流入した有機物含有排水は、処理槽底部を経由して流出部17から溢れ出し、次なる処理槽に流れ込む。また、続く処理槽でも同様にして、有機物含有排水は、一旦、処理槽底部を経由した後に次の処理槽へと流れ込む。
すなわち、横方向多段に設けられる処理槽11,12,13の流路2は、個々の水面を通じて直列に接続され、さらに各処理槽11,12,13を経る度に、有機物含有排水は沈降と上昇を繰り返しながら流れるように構成されている。また、有機物含有排水は、各処理槽の底部を通過する過程で、グラニュールと接触して処理される。
以下では説明の便宜上、処理前の有機物含有排水を原水と称することもある。また、処理に供された有機物含有排水を処理中の排水と称する。さらに、各処理槽を経て流れ出た有機物含有排水を処理済み排水と称する。
また、第1処理槽11と、第3処理槽13の上部には、メタン発酵槽10に原水を導入すべく原水導入管41が配管されている。また、原水導入管41は、流入切換弁(3方弁)42を経由してフィードタンク43に接続され、フィードタンク43内に蓄えられている原水は、第1処理槽11並びに第3処理槽13に対して選択的に供給される。なお、図1中符号44は、フィードタンク43から原水を汲み上げて原水導入管41に供給するフィードポンプである。
後述するように、流入切換弁42は数十分又は数時間間隔で切換えられるため、その時々においてメタン発酵槽内部の流れは変化する。すなわち、有機物含有排水が第1処理槽11に供給された場合、有機物含有排水は、
第1処理槽11→第2処理槽12→第3処理槽13
の順に流れてメタン発酵槽10の外部に排出される。また、有機物含有排水が第3処理槽13に供給された場合、有機物含有排水は、
第3処理槽13→第2処理槽12→第1処理槽11
の順に流れてメタン発酵槽10外部に排出される。
すなわち、本実施の形態に示す処理装置1では、その時々の流入状況によって、メタン発酵槽10並びに各処理槽11,12,13の上流・下流が決まる。
なお、以下では、第1処理槽11側から第3処理槽13に至る流れを「順方向の流れ」と称する。また、逆に第3処理槽13側から第1処理槽11に至る流れを「逆方向の流れ」と称する。
続いて、固液分離槽20、20を説明する。固液分離槽20、20は、メタン発酵槽10の下流に接続されている。また、上述の如く本実施の形態に示す処理装置1は、その時々でメタン発酵槽10の上流・下流が反転するため、固液分離槽20、20は、流れの反転に対処すべく第1処理槽11および第3処理槽13の双方に各々設けられている。また、図1との兼ね合いでは、第1処理槽11の左側に設けられる固液分離槽20(20a)が上記した逆方向の流れに対応し、第3処理槽13の右側に設けられる固液分離槽20(20b)が上記順方向の流れに対応する。
また、固液分離槽20もメタン発酵槽10と同様に、槽上部に水面があり、メタン発酵槽10と固液分離槽20は個々の水面を通じて互いに接続されている。また、固液分離槽20にもメタン発酵槽同様のバッフル21が設けられ、固液分離槽20の水面はバッフル21を隔てて流入部22と流出部23とに分けられている。また、流出部23側の水面直下には、処理済み排水を固液分離槽外部に排出する排出口25が設けられ、メタン発酵槽10を経て固液分離槽20に流入した処理済み排水は、一旦、固液分離槽20の底部を経由した後に排出口25を経て外部に排出される。
また、各排出口25,25から流れ出る処理済み排水は、排水収集管51を通じて、一時、外部の貯蔵槽52に蓄えられる。また、各排出口25,25の下流には排水収集管51を閉じる流路遮断バルブ53(53a,53b)が設けられ、各バルブ53は、メタン発酵槽10の上流に設けられる流入切換弁42と連動して、その開閉が制御されている。
具体的には、処理槽内部に順方向の流れを形成すべく流入切換弁42が第1処理槽11側に切り換えられると、第1処理槽11側の流路遮断バルブ53aは閉じられ、第3処理槽13側の流路遮断バルブ53bは開かれる。また、逆方向の流れを形成すべく流入切換弁42が第3処理槽13側に切り換えられると、第1処理槽11側の流路遮断バルブ53aが開かれ、第3処理槽13側の流路遮断バルブ53bが閉じられる。
また、貯蔵槽52に一時貯蔵される処理済み排水は、貯蔵槽52から各処理槽11,12,13にかけて配管された循環パイプ54を通じて各処理槽11,12,13に再供給される。ここで循環パイプ54について説明すると、循環パイプ54は、各処理槽11,12,13に対して2本ずつ配管されている。具体的には、処理槽を仕切るバッフル15を基準として、その流入側および流出側に配管されている。また、循環パイプ54の先端は処理槽底部で開口している。
なお、図1中符号55は、貯蔵槽52から処理済み排水を汲み上げて循環パイプ54に供給する循環ポンプである。また、循環ポンプ55には吐出量調整機構が組み込まれ、処理済み排水の供給量は吐出量調節機構によって調整されている。
また、循環パイプ54は、固液分離槽20にも配管されている。具体的には、バッフル21の上流側、すなわち固液分離槽20の流入部22側に設けられている。また、メタン発酵槽同様、循環パイプ54の先端は固液分離槽20の底部で開口している。
本処理装置1では、循環パイプ54から分岐してメタン発酵槽10並びに固液分離槽20の水面域に至るスカム抑制配管60を設け、このスカム抑制配管60を通じて各水面域に処理済み排水を散布し、この処理済み排水の散布によって処理槽内部のスカムからバイオガスを分離し再沈降させている。なお、図1中符号61は、循環パイプ54からスカム抑制配管60に至る配管上に設置された開閉バルブである。
続いて、水封式カバー30を説明する。水封式カバー30は、上述の如くメタン発酵槽10並びに固液分離槽20の水面全域を覆うように設けられている。また、水封式カバー30の中央部にはドーム状のガス収集部31が設けられ、各処理槽11,12,13の水面、並びに固液分離槽20,20の水面に浮上したガスは、ガス収集部31を経由してバイオガス利用設備70等へ圧送されるようになっている。
続いて、上記構造の処理装置1を用いた有機物含有排水の処理方法を説明する。
有機物を含有した原水は、フィードタンク43から原水導入管41を通じてメタン発酵槽10内に供給される。その際、原水は、上述の如く第1処理槽11または第3処理槽13に対して選択的に供給される。
また、第1処理槽11に原水が供給される順方向の流れを例に挙げて説明すると、原水は、第1処理槽11内に設置されるバッフル15の流入側(図1中左側)に供給され、第1処理槽11→第2処理槽12→第3処理槽13の順で沈降と上昇を繰り返しながら各処理槽内の流路2を流れる。また、原水中の有機物は、各処理槽11,12,13を経る過程で各処理槽底部のグラニュールGと接触してガス化される。
なお、本実施の形態では、各処理槽11,12,13との個別容量比で20〜45%を占めるグラニュール(嫌気性細菌量:MLSS:650,000〜750,000mg/リットル)を各処理槽11,12,13の底部にそれぞれ保有している。また、固液分離槽20をも含めた処理装置全体の保有細菌量MLSSが130,000〜330,000mg/リットルとなるように処理装置1を運転し、この高い菌濃度でSSと油分の可溶化を促進させている。
本実施の形態では、原水の供給に併せて循環パイプ54から各処理槽11,12,13に処理済み排水を再供給し、この処理済み排水によってグラニュールを処理槽底部で流動化させ、原水とグラニュールとの接触・反応を促進させている。また、処理済み排水はアルカリ性であり、この処理済み排水を再供給することで、処理槽内部の急激なph低下を抑制している。
なお、循環パイプ54を通じて再供給される処理済み排水の流量は、第3処理槽13の流出部17における線速度LVが3〜5m/hrとなるように調整されている。
また、図2のように各処理槽11,12,13において、その流入部16から処理槽底部に至る区間では有機物のガス化に伴いグラニュールが浮上するものの、処理済み排水の循環量で線速度LVを制御し、グラニュールの過度の浮上が抑制される。よって、当区間では、グラニュールが流出部17側に流れ出すこと無くその場で撹拌されながら原水と効率良く接触する。なお、特許請求の範囲との兼ね合いでは、処理槽底部11a,12a,13aがグラニュールの貯留部に相当する。
一方、処理槽底部から流出部17に至る区間では、嫌気性細菌の出す酵素によって有機物含有排水中の懸濁物質や油分が微細化され、スカムとなってガスリフトされ水面に漂う。このため本実施の形態では、スカム抑制配管60から処理済み排水を適宜散布してスカムを消泡し、再度、処理槽内部に沈降させることでグラニュールとスカムとの接触を可能にしている。また、スカムの滞留を抑制することで、処理槽水面におけるガスの放出が促され、有機物の嫌気消化に伴って生成されるガスは、スカムに邪魔されることなくガス収集部に収集される。
また、同区間では、有機物のガス化によって生じるガスリフトと、循環パイプ54を通じた処理済み排水の流入によって上昇流が形成されるが、本実施の形態では、処理済み排水の流入量を適宜調整することで過度の上昇流を制限し、これによってグラニュールの流出を抑制している。
流出部17より流れ出たグラニュールは、次なる処理槽の流入部16側で捕捉されるため、次の処理槽で、再度、有機物の処理に供される。また、各処理槽を経る過程で増殖した嫌気性細菌は固液分離槽20に流入し、固液分離槽20の内部で捕捉される。なお、固液分離槽20の水面積(容量)は、各処理槽11,12,13よりも1,5〜2,5倍程度多く、固液分離槽20に流入した処理済み排水は、固液分離槽20内部で急速に速度低下する。また、速度の低下に伴い固液分離槽20の底部に嫌気性細菌が沈殿して回収される。
メタン発酵槽10内のグラニュール及びスカムは時間の経過につれて流出部17側に偏る。このため本実施の形態では、逆方向から原水を導入すべく流入切換弁42を第3処理槽13側に切り換えて逆方向の流れをメタン発酵槽10内に形成し、これによって、グラニュールやスカムの片寄りを解消している。
なお、本実施の形態では、30分〜120分毎に流入切換弁42が切り換えられ、この切換え動作によってメタン発酵槽10内の流れが制御されている。
このように本実施の形態に示す有機物含有排水の処理装置1では、有機物含有排水を処理すべく各処理槽の内部に流路2を形成すると共に、その流路2の流入部16から流出部17に至る区間で、且つ流入部16および流出部17よりも低い位置にグラニュールGの貯留部を設けている。
すなわち、有機物含有排水を処理すべく処理槽内部にグラニュールを貯蔵すると共に、そのグラニュールに対して上方から有機物含有排水を流入させる。また、グラニュール通過後の有機物含有排水をグラニュールの貯留部よりも高い位置から排出する。
〔試験例1〕
以下、上記構造に基づく試験器を用いて実施したラボスケールテストを説明する。
1.試験方法
有機物を含む排水(原水)として水産加工排水を用意し、上記3段構造のメタン発酵槽を備えた試験器(全容量16リットル)を用いて水産加工排水を処理する。テスト期間は2ヶ月半であり、試験開始時から試験終了時に至るまでの水質変化を測定し、CODCrとSSの平均除去率を把握する。なお、試験開始前の原水の平均水質を表1に示す。
Figure 2015051405
2.試験条件
各処理槽11,12,13に個別容量比で30〜40%のグラニュールを各々充填する。また、第1処理槽11側から原水を供給すると同時に循環パイプ54から各処理槽11,12,13に処理済み排水を供給し、第3処理槽13の流出部17で線速度LV=3〜5m/hとなるように処理済み排水の循環量を調整する。また、グラニュールの過度な片寄りとガスの分離効率悪化を防止すべく、30〜120分間隔で原水の流入方向を切り換える。処理槽内部の温度は29〜34℃で維持した。原水の滞留時間(HRT)は、18時間から馴致させ、最終的に15時間まで短縮した。なお、必要滞留時間は15〜36hr程度を想定し、全有機物の70〜90%の除去を達成する。また、微量金属として塩化鉄10mg/リットル、塩化カルシュウム・水酸化マグネシュウムを各30mg/リットル、また、塩化コバルト・塩化ニッケルを各々0.1mg/リットル添加した。貯蔵槽における処理済み排水の滞留時間は30〜60分程度確保し、後にドラムフィルターで残留SS分を除去する。
なお、詳細な運転条件は下記表2に一覧表示する。
Figure 2015051405
3.試験結果
試験開始時から試験終了に至るまでの水質の変化と滞留時間を下記に示す。
Figure 2015051405
表中の棒線グラフにおいて、左右一組の棒線のうち、左側の幅の狭い棒線はCODcrの除去量(mg/l)を示している。また、右側の幅の広い棒線は、CODMnの除去量(mg/l)を示している。また、表中の折れ線は、滞留時間(HRT)を示している。
排水の負荷変動がある中、CODCrとSSの平均除去率は80%であり、さらに滞留時間(HRT)を短縮しても安定した処理が行えた。また、グラニュールとの接触によって発生したガスは、流入負荷990kg−CODCr/d(HRT:15hr)のときに、平均して23L/dを回収でき、ほぼ理論値に近い量となった。
〔試験例2〕
1.試験方法
原水(試験体)として食品加工排水を準備し、前記3段式メタン発酵槽10を備えた試験器を用いて原水を処理する。また、処理前と処理後において原水の水質を測定し、処理効率を把握する。
なお、試験開始前の原水の平均水質を下記表4に示す。
Figure 2015051405
2.試験条件
各処理槽11,12,13に個別容量比で35%のグラニュールを各々充填する。また、第1処理槽11側から原水を供給すると同時に循環パイプ54から各処理槽11,12,13に処理済み排水を供給し、第3処理槽13の流出部17で線速度LV=3〜5m/hとなるように処理済み排水の循環量を調整する。また、グラニュールの過度な片寄りとガスの分離効率悪化を防止すべく、30〜120分間隔で原水の流入方向を切り換える。処理槽内部の温度は30〜35℃で維持した。原水の滞留時間(HRT)は、36時間から馴致させ、最終的に24時間まで短縮した。また、微量金属として塩化鉄10mg/リットル、塩化カルシュウム・水酸化マグネシュウムを各30mg/リットル、また、塩化コバルト・塩化ニッケルを各々0.1mg/リットル添加した。貯蔵槽における処理済み排水の滞留時間を30〜60分程度確保し、後にドラムスクリーンで残留SS分を除去する。
なお、詳細な運転条件は下記表5に一覧表示する。
Figure 2015051405
3.試験結果
処理前と処理後の水質(平均値)を下記に示す。
Figure 2015051405
試験期間中、原水のCODCrは、4000〜10000mg/lまで変化したがHRT:1〜1.5日で、90%以上の除去効率が得られた。また、上記試験例1との比較では、固形物よりも動植油の方で高い処理効率を示す結果になった。
なお、バイオガスの回収量は、流入負荷2100kg−CODCr/d(HRT:24hr)のとき、平均して43l/dであり、ほぼ理論値に近い量となった。
以上、本実施の形態に示す処理技術によれば、グラニュールを用いて有機物含有排水を短時間に、且つ効率良く処理できる。また、これまで凝集分離によって廃棄されていたSSや油分も直接処理できるため、エネルギー転換効率も高くなる。
また、セトラー等の固気分離装置や、グラニュールを保持する濾材等も不要になるため、装置の製作にかかるコストを抑えることができる。また、メタン発酵送内における有機物含有排水の流れは、有機物含有排水の流入によって自ずと生じるため、低電力で運転できる。また、嫌気消化によって有機物含有排水を処理するため好気処理に比べて余剰汚泥量も1/10以下で済む。
また、横型多段に処理槽を配置することで容易に水面積を増やすことができ、更にグラニュールの高密度化も図られることから、排水の負荷変動に強く、安定した処理が可能になる。また、連続的に有機物含有排水を処理できるため、安価に有機物含有排水を処理できる。
1 処理装置
2 流路
10 メタン発酵槽
11 第1処理槽
11a 処理槽底部
12 第2処理槽
12a 処理槽底部
13 第3処理槽
13a 処理槽底部
15 バッフル
16 流入部
17 流出部
20 固液分離槽
21 バッフル
22 流入部
23 流出部
25 排出口
30 水封式カバー
31 ガス収集部
41 原水導入管
42 流入切換弁
43 フィードタンク
44 フィードポンプ
51 排水収集管
52 貯蔵槽
53 流路遮断バルブ
53a 流路遮断バルブ
53b 流路遮断バルブ
54 循環パイプ
55 循環ポンプ
56 ドラムスクリーン
60 スカム抑制配管
61 開閉バルブ
70 バイオガス利用設備

Claims (8)

  1. グラニュールを用いた有機物含有排水の処理装置であって、
    有機物含有排水を処理すべく処理槽内部に流路を形成すると共に、前記流路の流入部から流出部に至る区間の両側に固液分離槽を設けたことを特徴とする有機物含有排水の処理装置。
  2. 前記処理槽を複数設けると共に、各処理槽の流路を直列に接続したことを特徴とする請求項1に記載の有機物含有排水の処理装置。
  3. 前記流路のうち、前記グラニュールの貯留部から前記流出部に至る区画の上部に空間を設け、これを流路としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機物含有排水の処理装置。
  4. 前記流路の上流下流を反転すべく前記流路の流出部から有機物含有排水を供給することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の有機物含有排水の処理装置。
  5. 前記流路を経て流れ出た有機物含有排水を前記グラニュールの貯留部に再供給することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の有機物含有排水の処理装置。
  6. 前記流路を経て流れ出た有機物含有排水を前記流路の上部空間部分に再供給することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の有機物含有排水の処理装置。
  7. 前記処理槽に固液分離槽を連設したことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の有機物含有排水の処理装置。
  8. グラニュールを用いた有機物含有排水の処理方法であって、
    有機物含有排水を処理すべく処理槽内部にグラニュールを貯蔵すると共に、前記グラニュールに対してその上流側から有機物含有排水を流入させ、仕切られたバッフル板により、下降流と上昇流を繰り返し各槽に貯蔵されたグラニュールと接触し、さらにグラニュール通過後の有機物含有排水を下流側の固液分離ゾーンの上部から排出することを特徴とする有機物含有排水の処理方法。
JP2013186013A 2013-09-09 2013-09-09 有機物含有排水の処理装置および処理方法。 Pending JP2015051405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186013A JP2015051405A (ja) 2013-09-09 2013-09-09 有機物含有排水の処理装置および処理方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013186013A JP2015051405A (ja) 2013-09-09 2013-09-09 有機物含有排水の処理装置および処理方法。

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015051405A true JP2015051405A (ja) 2015-03-19

Family

ID=52700847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013186013A Pending JP2015051405A (ja) 2013-09-09 2013-09-09 有機物含有排水の処理装置および処理方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015051405A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018167170A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 住友重機械エンバイロメント株式会社 消化設備

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6232876A (ja) * 1985-07-31 1987-02-12 ザ ボ−ド オブ トラステイ−ズ オブ ザ リ−ランド スタンフオ−ド ジユニア ユニバ−シテイ バイオコンバ−ジヨンリアクタ−
JPS6470192A (en) * 1987-09-10 1989-03-15 Toshiba Corp Waste water treating device
JPH05285485A (ja) * 1992-04-09 1993-11-02 Netsukoo:Kk 汚水処理装置
US5885460A (en) * 1996-05-03 1999-03-23 Iowa State University Research Foundation, Inc. Anaerobic migrating blanket reactor
JP2002263683A (ja) * 2001-03-13 2002-09-17 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 上向流嫌気性処理装置
JP2006305458A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ebara Corp 横型多段メタン発酵槽を用いるメタン発酵方法と装置
JP2012050910A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 上向流式の反応槽、該反応槽を用いた水処理方法、該反応槽を備える水処理装置
JP2014133210A (ja) * 2013-01-10 2014-07-24 Swing Corp 有機性廃水の嫌気処理方法及び嫌気性処理装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6232876A (ja) * 1985-07-31 1987-02-12 ザ ボ−ド オブ トラステイ−ズ オブ ザ リ−ランド スタンフオ−ド ジユニア ユニバ−シテイ バイオコンバ−ジヨンリアクタ−
EP0213691A2 (en) * 1985-07-31 1987-03-11 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University A bioconversion reactor
JPS6470192A (en) * 1987-09-10 1989-03-15 Toshiba Corp Waste water treating device
JPH05285485A (ja) * 1992-04-09 1993-11-02 Netsukoo:Kk 汚水処理装置
US5885460A (en) * 1996-05-03 1999-03-23 Iowa State University Research Foundation, Inc. Anaerobic migrating blanket reactor
JP2002263683A (ja) * 2001-03-13 2002-09-17 Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd 上向流嫌気性処理装置
JP2006305458A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ebara Corp 横型多段メタン発酵槽を用いるメタン発酵方法と装置
JP2012050910A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 上向流式の反応槽、該反応槽を用いた水処理方法、該反応槽を備える水処理装置
JP2014133210A (ja) * 2013-01-10 2014-07-24 Swing Corp 有機性廃水の嫌気処理方法及び嫌気性処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018167170A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 住友重機械エンバイロメント株式会社 消化設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cheng et al. Enhancement of sustainable flux by optimizing filtration mode of a high-solid anaerobic membrane bioreactor during long-term continuous treatment of food waste
US10654735B2 (en) Method of combining recuperative digestion with a contact tank and dissolved air flotation
CN102295385A (zh) 一种垃圾渗滤液处理工艺
JP2008029993A (ja) メタン発酵装置
CN202089870U (zh) 羟乙基纤维素工业废水生物处理装置
JP2013027851A (ja) 排水処理装置およびその運転方法
CN112794596A (zh) 一种泥水分离式的污泥厌氧消化处理系统及方法
JP5064338B2 (ja) 排水処理装置
US20200277210A1 (en) Process and apparatus for in-situ cleaning of a gas separator in an anaerobic bioreactor
CN105164062A (zh) 厌氧处理系统及厌氧处理方法
JP2015051405A (ja) 有機物含有排水の処理装置および処理方法。
KR101918113B1 (ko) 혐기성소화조를 이용한 고농도 유기폐수 및 바이오가스 처리장치 및 그 처리방법
KR101378871B1 (ko) 액상 유기성 폐수의 고효율 혐기소화 반응기
JP4866570B2 (ja) 排水処理装置
CN105502819A (zh) 一种采用uasb、uass反应处理酿酒废水的系统
CN110590078A (zh) 一种铁促进磁加载厌氧反应系统
KR20150127485A (ko) 바이오가스 생성을 위한 혐기성 소화시스템
JP5077334B2 (ja) 窒素除去処理装置及び窒素除去処理方法
KR101532735B1 (ko) 미생물 농축조를 구비하는 상향류식 혐기성 소화장치
CN107381937A (zh) 一种畜禽养殖废水处理工艺系统
JP5930798B2 (ja) 有機排水の処理方法および装置
CN107794214A (zh) 同时去除有机污染物和硫的废水处理系统
JP2006068632A (ja) 有機性廃水の処理装置
CN205061679U (zh) 一种气化除磷的污水处理系统
CN213895528U (zh) 一种酸性废水的处理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160622

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20171024