JP2015045768A - 光変換部材、ならびにこれを含むバックライトユニットおよび液晶表示装置 - Google Patents

光変換部材、ならびにこれを含むバックライトユニットおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】量子ドットを含む光変換部材であって、色味の視角依存性の少ない光変換部材を提供すること。【解決手段】入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層と、前記光変換層の励起光入射側に位置する異方性拡散層と、を含む光変換部材。【選択図】なし

Description

本発明は、光変換部材に関するものであり、詳しくは、色味の視角依存性が少なく、視認方向によらず良好な色相を呈する液晶表示装置を提供可能な光変換部材に関するものである。
更に本発明は、この光変換部材を含むバックライトユニット、およびこのバックライトユニットを含む液晶表示装置にも関する。
液晶表示装置(以下、LCDとも言う)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライトと液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板、視認側偏光板などの部材が含まれる。
フラットパネルディスプレイ市場では、LCD性能改善として、色再現性の向上が進行している。この点に関し、近年、発光材料として、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)が注目を集めている(特許文献1、非特許文献1参照)。例えば、バックライトから量子ドットを含む光変換部材に励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する。ここで異なる発光特性を有する量子ドットを用いることで、赤色光、緑色光、青色光(RGB)の輝線光を発光させて白色光を具現化することができる。中でも最近、光源として青色発光ダイオードを使用し、蛍光として赤色光および緑色光を発光する量子ドットを利用して白色光を得る技術が数多く提案されている。量子ドットによる蛍光は半値幅が小さいため、得られる白色光は高輝度であり、しかも色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、色再現域は、現行のTV規格(FHD、NTSC(National Television System Committee))比72%から100%へと拡大している。
特開2012−169271号公報
SID ’12 DIGEST p.895
フラットパネルディスプレイにおいては、画像着色の解消、視野角の拡大等のために、通常、光学補償シートが用いられている。しかしながら、この光学補償シートに起因して、表示面に垂直な法線方向と、法線方向に対して所定角度で傾斜する極角方向(斜め方向)とで、バックライトから出射された赤色光、緑色光、青色光の透過率が異なる液晶光透過特性を示すことがある。このため、液晶パネル表示面を斜め方向から観察した場合、各色が均一に混合されず、正面方向からでは発生しない色付きの発生すること、すなわち、色味の視角依存性が発生することがあった。このような色味の視角依存性が顕著になると、斜め方向における色再現性が低下し、斜め方向から視認する場合に正面方向から視認する場合とは大きく異なる色相の画像が表示されてしまう。
そこで本発明の目的は、量子ドットを含む光変換部材であって、色味の視角依存性の少ない光変換部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために検討を重ねる中で、励起光により励起され量子ドットが発光する蛍光は概ね全方位的に発光することに着目した。そして、発光波長の異なる複数種の光を組み合わせて白色光を具現化する際、全方位的に出射する光を、非等方的に出射する光と組み合わせれば、液晶光透過特性の違いを補正し色味の視角依存性を低減することができると考え更に鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させた。
本発明の一態様は、
入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層と、
上記光変換層の励起光入射側に位置する異方性拡散層と、
を含む光変換部材、
に関する。
一態様では、上記光変換層は、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、および、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、からなる群から選択される少なくとも一種の量子ドットを含む。
一態様では、上記光変換層は、量子ドット(A)および量子ドット(B)を含む。
一態様では、上述の光変換部材は、
500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)を含む第一の光変換層と、
第一の光変換層の蛍光出射側に、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)を含む第二の光変換層と、
を含み、
第一の光変換層の励起光入射側に第一の異方性拡散層を、
第一の光変換層と第二の光変換層との間に、第二の異方性拡散層を、
更に含む。
一態様では、上記異方性拡散層の厚みは、75〜200μmの範囲である。
一態様では、上述の光変換部材は、少なくとも一層のバリア層を、光変換部材の入射側最表層、出射側最表層、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間、および二層の光変換層の層間、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの位置に有する。
一態様では、上記バリア層は、少なくとも、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間に存在する。
一態様では、上記バリア層は、少なくとも、光変換部材の入射側最表面および出射側最表面の一方または両方に有する。
一態様では、上述の光変換部材は、上記バリア層を、上記群から選ばれる2つの位置に有する。
本発明の更なる態様は、
上述の光変換部材と、
光源と、
を少なくとも含むバックライトユニット、
に関する。
一態様では、上記光源は、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する。
一態様では、上述のバックライトユニットは、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する赤色光および430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を含む出射光を出射し、かつ、赤色光と青色光とは、下記式(1)を満たす。
R(60)/R(0)<B(60)/B(0)・・・(1)
[式(1)中、
R(0)は、赤色光のバックライトユニットの出射側表面に対する法線方向における強度を示し、
R(60)は、赤色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
B(0)は、青色光の上記法線方向における強度を示し、
B(60)は、青色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。]
一態様では、上述のバックライトユニットは、赤色光および青色光、ならびに500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する緑色光を含む出射光を出射し、かつ、
赤色光、青色光、および緑色光は、下記式(2)を満たす。
R(60)/R(0)<G(60)/G(0)<B(60)/B(0)・・・(2)
[式(2)中、
R(0)は、赤色光のバックライトユニットの出射側表面に対する法線方向における強度を示し、
R(60)は、赤色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
G(0)は、緑色光の上記法線方向における強度を示し、
G(0)は、前記緑色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
B(0)は、青色光の上記法線方向における強度を示し、
B(60)は、青色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。]
一態様では、上述のバックライトユニットは、導光板を更に含み、上記光変換部材を、導光板から出射される光の経路上に有する。
本発明の更なる態様は、
上述のバックライトユニットと、
液晶セルと、
を少なくとも含む液晶表示装置、
に関する。
一態様では、上記液晶セルは、TNモード液晶セルである。
他の一態様では、上記液晶セルは、マルチドメインVAモード液晶セルである。
本発明の一態様によれば、量子ドットを利用することにより高輝度の白色光を発光することができ、しかも視認方向による色相の違いの少ない画像を表示可能な液晶表示装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明の一態様にかかる光変換部材を含むバックライトユニットの一例の説明図である。 異方性拡散層の入射面に対する法線方向(垂直な方向)から入射された光の透過拡散光の配光分布の一例を示す。 等方性拡散シートの入射面に対する法線方向(垂直な方向)から入射された光の透過拡散光の配光分布の一例を示す。 図4は、本発明の一態様にかかる光変換部材の一例を示す。 図5は、図4に示す光変換部材10から出射される青色光、緑色光、赤色光の配光分布の説明図である。 図6は、図4に示す光変換部材10から出射される青色光、緑色光、赤色光の配光分布の説明図である。 図7は、TNモードの液晶セルの極角における各色の透過特性の説明図である。 図8は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。 図9は、図8に示す光変換部材11から出射される青色光、緑色光、赤色光の配光分布の説明図である。 図10は、マルチドメインVAモードの液晶セルの極角における各色の透過特性の説明図である。 図11は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。 図12は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。 図13は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。 図14は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。 本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。 実施例で用いた異方性拡散シートの光拡散特性評価結果を示す。
[光変換部材]
本発明の一態様にかかる光変換部材は、入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層と、この光変換層の励起光入射側に位置する異方性拡散層と、を有する。
以下、上記光変換部材について更に詳細に説明する。以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。また、図面は例示的なものであって、本発明は図面に示す態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明および本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、500〜600nm、好ましくは430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を青色光と呼び、500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。また、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を紫外光と呼ぶ。
上記光変換部材は、好ましくは、液晶表示装置のバックライトユニットの構成部材として含まれる。
図1は、本発明の一態様にかかる光変換部材を含むバックライトユニット31の一例の説明図である。図1中、バックライトユニット31は、光源31Aと、面光源とするための導光板31Bを備え、光変換部材は、導光板から出射される光の経路上に配置されている。
そして図1に示す例では、導光板31Bから出射される光が、光変換部材31Cに入射する。図1に示す例では、導光板31Bのエッジ部に配置された光源31Aから出射される光32は青色光であり、導光板31Bの液晶セル(図示せず)側の面から液晶セルに向けて出射される。導光板31Bから出射された光(青色光32)の経路上に配置された光変換部材31Cには、青色光32により励起され赤色光34を発光する量子ドット(A)と、青色光32により励起され緑色光33を発光する量子ドット(B)を、少なくとも含む。このようにしてバックライトユニット31からは、励起された緑色光33および赤色光34、ならびに光変換部材31Cを透過した青色光32が出射される。こうしてRGBの輝線光を発光させることで、白色光を具現化することができる。
(光変換層)
光変換部材は、少なくとも、入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層を有する。その他の必須の構成部材として、異方性拡散層を含み、任意の構成部材として、バリア層等を含むこともできる。詳細は後述する。
光変換層は、少なくとも一種の量子ドットを含み、発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むこともできる。公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(C)があり、量子ドット(A)は、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドット(B)は緑色光を、量子ドット(C)は青色光を発光する。例えば、量子ドット(A)と量子ドット(B)を含む光変換層へ励起光として青色光を入射させると、図1に示すように、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光と、光変換層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドット(A)、(B)、および(C)を含む光変換層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光、および量子ドット(C)により発光される青色光により、白色光を具現化することができる。
発光特性の異なる複数の量子ドットを同時に利用する場合は、例えば複数の量子ドットを同じ層に均一に混合してもよいし、別々の層に個別に混合し独立した層を形成してもよい。光変換層の一層の厚さは、十分な励起光透過率を得る観点からは300μm以下であることが好ましく、十分な蛍光を得る観点からは1μm以上であることが好ましい。より好ましくは10〜250μmの範囲である。
光変換層の形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。具体例としては、量子ドットシート、量子ドット材料を分散させた後に延伸されてなる熱可塑性フィルム、量子ドット材料を分散させた接着層等を挙げることができる。
光変換層が量子ドットシートである場合、このような量子ドットシートとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。そのような量子ドットシートは、例えば特開2012−169271号公報、SID’12 DIGEST p.895、特表2010−532005号公報などに記載されており、これらの文献の内容は本発明に組み込まれる。また、このような量子ドットシートとしては、市販の量子ドットシート、例えば、QDEF(Quantum Dot Enhancement Film、ナノシス社製)を用いることができる。
光変換層が量子ドット材料を分散させた後に延伸されてなる熱可塑性フィルムである場合、このような熱可塑性フィルムとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。そのような熱可塑性フィルムは、例えば特開2001−174636号公報、特開2001−174809号公報などに記載されており、これらの文献の内容は本発明に組み込まれる。
光変換層が量子ドット材料を分散させた接着層である場合、このような接着層としては特に制限は無く、特開2012−169271号公報、SID’12 DIGEST p.895、特開2001−174636号公報、特開2001−174809号公報、特表2010−532005号公報などに記載の量子ドット材料などを公知の接着層に分散させたものを用いることができる。
(異方性拡散層)
以上説明した光変換層に含まれる量子ドットは、前述のように、励起光により励起されて発光する蛍光は概ね全方位的に発光する。一方、液晶表示装置では、バックライトから出射された赤色光、緑色光、青色光の透過率が出射角度により異なることが、色味の視角依存性の発生の原因となる。そこで本発明の一態様にかかる光変換部材では、光変換部材から出射される複数色の光の中の少なくとも一色の光の出射特性を、その他の光の出射特性と変えることにより、色味の視角依存性の発生を低減ないし防止すべく、異方性拡散層を設ける。以下、異方性拡散層の詳細を説明する。
図3は、等方性拡散シートの入射面に対する法線方向(垂直な方向)から入射された光の透過拡散光の配光分布の一例を示す。等方性拡散シートは、図3のように直線透過方向(角度0°)を軸として傾斜角度を増すごとに光強度が単調減少する山型の配光分布を示す。
これに対し本発明における異方性拡散層とは、当該層の入射面に対する法線方向(垂直な方向)から入射された光の透過拡散光が、直線透過方向(角度0°)を軸としてある角度θにおける光強度が、0°における光強度と同じか、または0°における光強度より大きくなる配光分布を示す層をいうものとする。以下、上記配光分布を示すことを、異方性拡散特性と呼ぶ。
図2は、異方性拡散層の入射面に対する法線方向(垂直な方向)から入射された光の透過拡散光の配光分布の一例を示す。図2に示す態様では、法線方向からの傾斜角度θ1と、法線方向に対して傾斜角度θ1の位置と対称な傾斜角度θ2の位置における光強度が、直線透過方向における光強度より大きくなっている。量子ドットを利用した光変換部材の一態様では、光源から光変換層へ入射する光の一部が、当該層中の量子ドットの励起光として利用され、一部は光変換層を透過し、最終的に光変換部材から出射する。ここで、上記異方性拡散層を設けると、異方性拡散層を透過する光の配光分布は図2に一例を示すように異方性拡散特性を示すことになる。一方、前述のように量子ドットが発光する蛍光は、概ね全方位的に発光するため、光変換層から出射される量子ドットの発光(出射光)の配光分布は、図3に示すような等方的なものとなる。こうして本発明の一態様にかかる光変換部材では、光によって出射光の配光分布が異なることにより、液晶表示装置における色味の視角依存性の発生を低減ないし防止することができる。以下、この点を更に、図面に基づき説明する。
図4は、本発明の一態様にかかる光変換部材の層構成の一例を示す。図4に示す光変換部材10は、第一の異方性拡散層1上に量子ドットを含む光変換層2を有する。光変換層2は、第一の異方性拡散層1の光出射側、すなわち液晶パネルに実装される際の視認側になるように設けられており、かつ、赤色光か緑色光の少なくともいずれか一方を発光する量子ドットを含む層である。光変換層2は、緑色光を発光する量子ドット、赤色光を発光する量子ドットのいずれか一方のみ含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。また、量子ドットとして緑色光を発光する量子ドットを含む層と、赤色光を発光する量子ドットを含む層が、別々の層として積層されていてもよい。
光源として、青色光を出射する光源を用いると、光源から入射した青色光は、第一の異方性拡散層1により散乱されつつ光変換層2に到達し、当該層中の量子ドットを励起発光させて緑色光および/または赤色光を生じさせる。その結果、視認側では、青色光の他、緑色光および/または赤色光が混色した光が観察される。ここで第一の異方性拡散層が、図2に示す配光分布を示すものである場合、光変換部材10から出射される青色光、緑色光、赤色光の配光分布は、図5中の模式図のようになる。光源から入射した青色光は、第一の異方性拡散層によって散乱される。従って、光変換部材10を通じて出射される青色光は、その配光分布が単調な山形ではない形状となる。一方、入射した青色光によって励起発光し光変換層2から発光される緑色光および赤色光は、入射する青色光の入射角度に関わらず概ね全方位的に発光するため、層界面などの反射を経て、光出射側における法線方向(青色光の直線透過軸に一致)に対する配光分布は概ね単調な山形となることがわかっている。従って、図6に例示するように、各光の配光分布は、青色光が緑色光・赤色光に対して角度のついた領域で相対的に強まるような分布となる。
ところで、TNモードの液晶セルの極角における各色の透過特性は、図7のようになることが知られている。通常の白色光源であれば、視角によって青色光が相対的に弱まる角度が存在するために画像が黄色味を帯びることになるが、図6のような配光分布を実現する光変換部材を使用することにより、視角による画像の黄色味が抑制され、視角によらず色再現性に優れた画像表示装置を提供することが可能となる。
図8は、本発明の一態様にかかる光変換部材の層構成の他の一例を示す。図8に示す光変換部材11は、第一の異方性拡散層1上に第一の光変換層2を有し、さらに第二の異方性拡散層1'、その上に第二の光変換層2'を有する。第一の光変換層2は、緑色光を発光する量子ドットを含む層であり、第二の光変換層2'は赤色光を発光する量子ドットを含む層である。光源から入射した青色光は、第一の異方性拡散層1を通じて散乱されつつ第一の光変換層2に到達し、量子ドットを励起発光させて緑色光を生じさせる。さらに、透過した青色光および第一の光変換層で発光した緑色光は第二の異方性拡散層1'を通じて散乱されつつ第二の光波長変換層2'へ入射し、量子ドットを励起発光させて赤色光を生じさせる。その結果、視認側では、青色光の他、緑色光および赤色光が混色した光が観察される。第一の光変換層において発光した緑色光は、第二の異方性拡散シートにより配光分布が非等方的に変化し、また光源から出射した青色光は、第一の異方性拡散シートにより変化した配光分布が、更に第二の異方性拡散シートにより変化する。その結果、図9に示すように、青色光、緑色光、赤色光の配光分布は、図6に示す態様よりもさらに細かく制御される。このような配光分布を示す光変換部材を、図10に示すような極角における各光の透過特性を有するマルチドメインVAモード液晶セルと組み合わせることにより、視角による画像の黄色味が抑制され、視角によらず色再現性に優れた画像表示装置を提供することが可能となる。
なお異なる波長の光を発光する量子ドットを二種以上、異なる層に混合する場合には、より入射側に配置する層に、より短波長の光を発光する量子ドットを混合することが好ましい。これは、量子ドットの励起光波長は、発光波長よりも短波長側に存在するため、より短波長の光を発光する量子ドットをより入射側に配置すれば、当該量子ドットが発光した光を、より出射側に存在する層中の量子ドットの励起光として利用できるからである。
図11〜図14は、本発明の一態様にかかる光変換部材の他の一例を示す。
図11〜図14に示す態様では、第一の異方性拡散層1の表面上にバリア層3が設けられている。また、光変換層の視認側表面にも、バリア層3が設けられている。図11、図12においては、図4に対応した構成に、更にバリア層3が含まれている構成が例示されており、図13、図14においては、図8に対応した構成に、更にバリア層3が含まれる構成が例示されている。このようなバリア層を設けることにより、酸素により量子ドットが経時的に劣化し量子効率(発光効率)が低下することを防ぐことができる。より詳しくは、励起光による量子ドットの光酸化反応を抑制することができる。バリア層の詳細は、後述する。
次に、異方性拡散層の詳細について、説明する。
異方性拡散層は、単層構造を有してもよく、積層構造を有してもよい。異方性拡散層の片側(観察面側または背面側)、または両側(観察面側および背面側)には、透明基体を積層することもできる。通常、透明基体の存在は配光分布を変化させないため、異方性拡散層の片面または両面に透明基体を含む積層体(以下、異方性拡散シートとも呼ぶ。)は、異方性拡散層と同じ配光分布を示す。
異方性拡散層は、最表面がほぼ平滑であることが好ましい。すなわち、表面形状によって光散乱を起こして異方性拡散層への入射光または異方性拡散層からの出射光を散乱させるものではないこが好ましい。ここで本発明における「ほぼ平滑である」とは、表面平均粗さ(Ra)が15nm以下であることを意味し、特に10nm以下であることが好ましい。また最大高低差(P−V)が50nm以下、特に10nm以下であることが好ましい。異方性散乱層が表面形状によらない拡散(散乱)特性を示すことによって、各種の積層構造を取った場合でも適切な拡散(散乱)特性を維持することができるからである。
異方性拡散層の厚さ(積層構造の場合は総厚、ただし透明基体は除く。)は、部材全体の薄型化および高透過率で入射光を出射するためには薄いほど好ましい。この点から、光拡散層の厚さは、500μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。一方、異方性拡散層を設けることにより各色光の配光分布をより効果的に制御する観点からは、異方性拡散層の厚さは、50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。
上記透明基体としては、透明性が高いものほど好ましい。具体的には、上記透明基体の全光線透過率(JIS K7361−1)は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、上記透明基体のヘイズ値(JIS K7136)は、3.0以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。上記透明基体としては、透明なプラスチックフィルムやガラス板等が挙げられ、薄型性、軽量性、耐衝撃性および生産性に優れる点で、プラスチックフィルムが好ましい。上記プラスチックフィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミド、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、セロファン、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。上記プラスチックフィルムの形態としては、上記材料を単独で、または混合してフィルム化したものからなる形態、上記フィルム化したものを積層してなる形態等が挙げられる。上記透明基体の厚さは、用途や生産性を考慮すると、1μm〜5mmであることが好ましく、10〜500μmであることがより好ましく、50〜150μmであることが更に好ましい。
異方性拡散層の拡散特性は、一意的に表すことができるものではないが、直線透過光量を拡散特性の指標として用いる場合、直線透過光量は、異方性拡散層の出射側表面に対する法線方向を中心として、左右で対称または略対称に変化することが好ましい。ここで、略対称とは、上記法線方向に対して、左側に任意の傾斜角度(θ°)傾斜した方位における直線光透過光量と、右側に同傾斜角度(θ°)傾斜した方位における直線光透過光量が、光量のより多い方位における光量を基準として、より弱い方位における光量が90%以上100%未満であることをいうものとする。
なお、直線透過光量とは、所定の光量の平行光線を入射させたときに、入射方向と同じ方向に出射される平行光線の光量のことである。上記直線透過光量の測定方法としては、例えば、光源からの直進光を受ける位置に受光部(例えば、ゴニオフォトメータ)を固定し、光源と受光部との間に試験片を配置し、ある回転軸を中心として試験片を回転させることにより、出射側表面の面内の回転軸に垂直な方位(測定方位)において入射角を変更して直線透過光量を測定することができる。上記測定方位は、回転軸方向を変えることで、適宜変更することができる。したがって、この方法によれば、様々な方向における直線透過光量を測定することができる。
上記異方性拡散層は、光硬化性化合物を含む組成物を硬化させて形成することが好ましい。これによれば、上述の異方性拡散特性を有する異方性拡散層、好ましくは、全ての方位で異方性拡散特性を示す異方性拡散層を簡便に製造することができる。なお、上記組成物を硬化させてなる異方性散乱層は、断面を顕微鏡観察すると、例えば、斜め方向に延在する構造が見られる場合がある。この場合、異方性拡散層の内部には、屈折率が周辺領域と僅かに異なる微小な棒状硬化領域が多数形成されていると考えられる。この微小な棒状硬化領域が入射する光の角度に対して異なる散乱特性を示す事により、異方性拡散特性が発現されると考えられる。
上記光硬化性化合物を含む組成物の形態としては、
(A)光重合性化合物単独の形態、
(B)光重合性化合物を複数混合して含む形態、
(C)単独または複数の光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂とを混合して含む形態、
等が挙げられる。上記(A)〜(C)の形態によれば、上述したように光照射により異方性拡散層中に、周辺領域と屈折率の異なるミクロンオーダの微細構造(棒状硬化領域)が形成される結果、上述した直線透過光量の入射角依存性を発現することができると考えられる。
したがって、上記(A)および(C)の形態における単独の光重合性化合物は、光重合の前後で屈折率変化が大きいものが好ましい。また、上記(B)および(C)の形態における複数の光重合性化合物としては、硬化後の屈折率の異なる組み合わせが好ましい。更に、上記(C)の形態における光重合性化合物と光重合性を有しない高分子樹脂としては、各々の硬化後の屈折率が異なる組み合わせが好ましい。なお、色味の視角依存性をより一層低減する観点から、上記屈折率変化および屈折率の差は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.10以上であることが更に好ましい。
さらに、上記光硬化性化合物は、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性の官能基を有するポリマー、オリゴマーまたはモノマーの光重合性化合物(ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物)と光開始剤とを含み、紫外線および可視光線を照射することで重合硬化する性質を有するものであることが好ましい。
上記ラジカル重合性化合物は、主に分子中に1個以上の不飽和二重結合を含有するものであり、具体的には、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート等の名称で呼ばれるアクリルオリゴマーと、2−エチルヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソノルボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフロロエチルメタクリレート、2−パーフルオロオクチル−エチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーが挙げられる。
上記カチオン重合性化合物としては、分子中にエポキシ基、ビニルエーテル基、および/または、オキセタン基を1個以上含有する化合物を用いることができる。上記分子中にエポキシ基を含有する化合物としては、ビスフェノールA、水添ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジルエーテル類、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル類、エチレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物等のアルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類、ヘキサヒドロフタル酸のグリシジルエステル、ダイマー酸のジグリシジルエステル等のグリシジルエステル類等が挙げられる。更に、3,4−エポキシシクロヘキサンメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)−オキセタン等のオキセタン化合物、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のビニルエーテル化合物等も用いることができる。
ただし、上記光重合性化合物は、上述したものに限定されない。また、充分な屈折率の差を生じさせるべく、上記光重合性化合物には、低屈折率化を図るために、フッ素原子(F)を導入してもよく、高屈折率化を図るために、硫黄原子(S)、臭素原子(Br)、各種金属原子を導入してもよい。また、上記異方性拡散層の高屈折率化を図るために、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化錫(SnOx)等の高屈折率の金属酸化物からなる超微粒子の表面にアクリル基やエポキシ基等の光重合性官能基を導入した機能性超微粒子を光重合性化合物に添加することも有効である。
上記ラジカル重合性化合物を重合させることができる光開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物を重合させることができる光開始剤は、光照射によって酸を発生し、この発生した酸により上述のカチオン重合性化合物を重合させることができる化合物であり、一般的には、オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等が用いられ、これらの対イオンには、テトラフルオロホウ酸イオン(BF4−)、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF6−)、ヘキサフルオロ砒素酸イオン(AsF6−)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF6−)等のアニオンが用いられる。カチオン重合性化合物の光開始剤としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記光開始剤は、光重合性化合物100質量部に対して、0.01質量部以上、10質量部以下で配合されることが好ましい。上記光開始剤が、0.01質量部未満であると、光硬化性が低下するおそれがあり、10質量部を超えると、表面だけが硬化して内部の硬化性が低下するおそれがあるからである。上記光開始剤は、光重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部以上、7質量部以下で配合されることがより好ましく、0.1質量部以上、5質量部以下で配合されることが更に好ましい。
上記(C)の形態における光重合性を有しない高分子樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。これらの高分子樹脂は、光重合の前には、光重合性化合物と充分な相溶性を有していることが好ましく、このような相溶性を確保するために、各種有機溶剤や可塑剤等を用いることも可能である。なお、光重合性化合物としてアクリレートを用いる場合、高分子樹脂は、相溶性の観点から、アクリル樹脂の中から選択されることが好ましい。なお上記「アクリル」は、アクリル、メタクリル、アクリルおよびメタクリルを示す意味で用いることとする、アクリレートについても、同様である。
上記組成物を硬化させる方法は、特に限定されず、例えば、上記組成物を基体上にシート状に設け、これに所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射する方法が挙げられる。これにより、平行光線の照射方向に平行に延在する複数の棒状硬化領域の集合体を形成することができる。
上記組成物を基体上にシート状に設ける手法としては、通常の塗工方式(コーティング)や印刷方式を用いることができる。具体的には、エアドクターコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスロールコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、ダムコーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等の塗工方式や、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷方式を用いることができる。また、上記組成物の粘度が低い場合には、基体の周囲に所定の高さの構造物を設け、この構造物で囲まれた領域に液状の組成物を塗布する方法も用いることができる。
上記平行光線(紫外線等)を照射するために用いる光源としては、通常は、ショートアークの紫外線ランプが用いられ、具体的には、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。所定の方向から平行光線(紫外線等)を照射するために用いる装置としては、特に限定されず、一定面積に均一な強度の平行紫外線を照射できるもので、市販装置の中から選択することが可能であるという観点から、レジスト露光用の露光装置を用いることが好ましい。なお、サイズが小さい異方性散乱層を形成する場合は、紫外線スポット光源を点光源として、充分離れた距離から照射する方法も用いることが可能である。
上記組成物をシート状にしたものに照射される平行光線は、光重合性化合物を重合硬化することが可能な波長を含んでいることが必要であり、通常、水銀灯の365nmを中心とする波長の光線が用いられる。この波長帯の光線を用いて異方性散乱層を形成する場合、照度は、0.01mW/cm2以上、100mW/cm2以下であることが好ましい。照度が0.01mW/cm2未満であると、硬化に長時間を要するため、生産効率が悪くなるおそれがあり、100mW/cm2を超えると、光重合性化合物の硬化が速過ぎて構造形成を生じず、所望の異方性拡散特性を発現できなくなるおそれがあるからである。上記照度は、0.1mW/cm2以上、20mW/cm2以下であることがより好ましい。
上記異方性拡散層として、少なくとも2種類の非相溶性の樹脂を使用し、少なくともフィルムの表層部に棒状で一方向に配列した島相が存在する海−島構造をフィルム中に形成させた層を用いることも好ましい。
この場合、使用する樹脂は、単体で可視光の透過率が80%以上である透明性の樹脂であるが、透明性の樹脂としては、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂などのオレフィン系樹脂、6ナイロン、66ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメチレンメタアクリレートなどのアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリスチレン−メチルメタアクリレート共重合体などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などがあげられる。なお本発明において、「可視光」とは、380nm〜780nmの波長帯域の光をいうものとする。
好ましい例として、これらの透明性の樹脂の中から相分離構造が海−島構造である非相溶性樹脂の組み合わせを選んで使用する。上記透明性の樹脂のなかで、相分離構造が海−島構造である非相溶性樹脂の組み合わせとしては、オレフィン系樹脂とポリエステル樹脂、オレフィン系樹脂とポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂とポリカーボネート、スチレン系樹脂とポリカーボネードなど多くの組み合わせがある。好ましくはスチレン系樹脂が50質量%を越えるものがよく、60質量%以上のものがより好ましい。
さらに、これらの非相溶性樹脂の組み合わせの中からさらに絞り込んで、フィルムに成形したときに棒状で一方向に配列した島相が形成される樹脂の組み合わせを選んで使用することも好ましい。非相溶性の原料樹脂からフィルムを成形するときに、棒状で一方向に配向した島相を形成させる方法としては、非相溶性の樹脂の組み合わせのなかで、融点が最も高い樹脂を選んであらかじめ棒状に加工しておき、残りの樹脂に混合して原料樹脂とし、押出機などを使って原料樹脂を溶融成形などに方法によりフィルムに成形するときに、押出機などの溶融成形温度を棒状に加工した樹脂の融点より低い温度に設定してフィルムを成形することにより、棒状に成形した樹脂の形状を保ったままフィルムを成形し、そのあとフィルムを一方向に延伸することによりフィルム中に一方向に配向した棒状の島相を作る方法がある。
他の方法としては、非相溶性の樹脂を混合した原料樹脂を、押出機を使って溶融混練してシートダイなどから板状に押し出したあと樹脂を冷却固化させてフィルムを成形するときに、押出機から押し出された樹脂が冷却されていく過程で相分離して、フィルムの中に一方の樹脂がおおむね球状の島相として形成されたあと、樹脂全体が完全に冷却固化するまでの間に、フィルムをニップローラーなどで挟んで一方向に伸張することによりフィルム中の島相を棒状に変形させるとともに伸張方向に配向させる方法や、溶融した樹脂を押出機から細管やダイのスリット部に押し出すときに、樹脂に大きい剪断力を加えて流動させることによって、島相を棒状に変形させるとともに流動方向に配向させる方法などが挙げられる。
(バリア層)
前述のように、本発明の一態様にかかる光変換部材は、バリア層を含むことができる。バリア層は、光変換部材の入射側最表層、出射側最表層、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間、および二層の光変換層の層間、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの位置に設けることができる。一態様では、バリア層は、少なくとも、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間に配置することができる。また他の一態様では、バリア層は、少なくとも、光変換部材の入射側最表面および出射側最表面の一方または両方に配置することができる。また、バリア層は、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間に加えて、光変換部材の入射側最表面および出射側最表面の一方または両方に配置することもできる。光変換部材に含まれるバリア層の総数は、好ましくは一層以上であり、より好ましくは二層以上であり、さらに好ましくは二層である。バリア層とは、例えば酸素、水蒸気など、量子ドットの劣化を引き起こす可能性のある気体に対してバリア性を示す層であって、バリア層を設けることによって、光変換部材の性能を長期間良好な状態に保つことが可能となる。
バリア層は、有機または無機の単層であってもよく、二層以上の積層構造であってもよい。例えば、基材上に二層以上の有機ないし無機層を形成することにより、バリア層を得ることができる。バリア層の層構成としては、例えば、基材/無機層/有機層がこの順に積層されている構成、基材/無機層/有機層/無機層がこの順に積層されている構成等を挙げることができるが、積層順序は特に限定されるものではない。
基材としては、可視光に対して透明である透明基材であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。基材については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。基材の厚さは、耐衝撃性、バリア層の成膜におけるハンドリング等の観点から、10μm〜500μmの範囲内、中でも10〜200μmの範囲内、特に20〜100μmの範囲内であることが好ましい。
無機層については、特開2007−290369号公報段落0043〜0045、特開2005−096108号公報段落0064〜0068を参照できる。無機層の膜厚は、10nm〜500nm、中でも10nm〜300nm、特に10nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。無機層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なガスバリア性を実現しつつ、バリア層における反射を抑制することができ、全光線透過率が低下することを抑制することができるからである。中でも、無機層は、酸化ケイ素膜、酸化窒化ケイ素膜、または酸化窒化珪素膜であることが好ましい。これらの膜は、有機膜との密着性が良好であることから、より一層良好なガスバリア性を実現することができるからである。
有機層については、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層または基材との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、上述の特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機層の膜厚は、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法またはドライコーティング法により形成される有機層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
バリア層のその他詳細については、上述の特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
一態様では、バリア層上に、空気界面に単層(1層からなる)の光学薄膜を積層することもできる。このような光学薄膜としては、波長535nmにおける光学薄膜の屈折率n(535)が、バリアフィルムにおいて光学薄膜と直接隣接する層の屈折率nu(535)よりも屈折率の低い低屈折率層が好ましい。このような光学薄膜をバリア層に隣接配置することにより、より一層の輝度向上および色再現性の向上を達成することができる。波長535nmにおける光学薄膜の屈折率n(535)は、1.20〜1.51であることが好ましく、1.30〜1.46であることがより好ましく、1.40〜1.46が更に好ましい。
また、上記光学薄膜は、屈折率と膜厚を掛け合わせた光学厚みが、下記式(2−1)、(2−2)および(2−3)のいずれか1つを満たすことが好ましい。
式(2−1) 1.15μm≦n(535)×d≦1.25μm
式(2−2) 1.42μm≦n(535)×d≦1.52μm
式(2−3) 1.69μm≦n(535)×d≦1.79μm
(式(2−1)、(2−2)および(2−3)中、n(535)は波長535nmにおける光学薄膜の屈折率を表し、dは光学薄膜の厚さ(単位:μm)を表す。)
好ましい一態様では、上記光学薄膜が、下記式(2−1A)、(2−2A)および(2−3A)のいずれか1つを満たし、中でも、下記式(2−2A)を満たすことが好ましい。
式(2−1A) 1.16μm≦n(535)×d≦1.24μm
式(2−2A) 1.46μm≦n(535)×d≦1.51μm
式(2−3A) 1.70μm≦n(535)×d≦1.78μm
(式(2−1A)、(2−2A)および(2−3A)中、n(535)は波長535nmにおける光学薄膜の屈折率を表し、dは光学薄膜の厚さ(単位:μm)を表す。)
なお、前記光学薄膜の厚さdは、0.5〜2μmであることが好ましく、0.7〜1.5μmであることがより好ましい。光学薄膜の構成成分としては、公知のものを用いることができる。例えば、バリア層の有機層を構成可能な材料として好適なもの等を用いることができる。
(中間層(接着層、粘着層))
本発明の一態様にかかる光変換部材においては、必要に応じ二層の間の中間層として接着層または粘着層を設け、層間の密着性を高めることができる。そのような中間層としては、アクリル系接着剤から形成される接着層等の、公知の接着層または粘着層を用いることができる。
[バックライトユニット]
本発明の一態様にかかるバックライトユニットは、上述の光変換部材と、光源と、
を少なくとも含む。光変換部材の詳細は、先に記載した通りである。
(バックライトユニットの発光波長)
バックライトユニットは、3波長光源により高輝度かつ高い色再現性を実現すべく、
青色光と、
緑色光と、
赤色光と、
を発光することが好ましい。
更に、
430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、
500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、
600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光と、
を発光することがより好ましい。
より一層の輝度および色再現性の向上の観点から、バックライトユニットが発光する青色光の波長帯域は、450〜480nmであることが好ましく、460〜470nmであることがより好ましい。
同様の観点から、バックライトユニットが発光する緑色光の波長帯域は、520〜550nmであることが好ましく、530〜540nmであることがより好ましい。
また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の波長帯域は、610〜650nmであることが好ましく、620〜640nmであることがより好ましい。
また同様の観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光および赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が30nm以下であることが、特に好ましい。
バックライトユニットは、少なくとも、上記光変換部材とともに、光源を含む。一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、光変換層には、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドット(A)と、緑色光を発光する量子ドット(B)が含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され光変換部材を透過した青色光と、光変換部材から発光される赤色光および緑色光により、白色光を具現化することができる。
または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外光発光ダイオードを用いることができる。この場合、光変換層には、量子ドット(A)、(B)とともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドット(C)が含まれることが好ましい。これにより、光変換部材から発光される赤色光、緑色光および青色光により、白色光を具現化することができる。
なお前述の通り、複数種の量子ドットは、同一の層に含まれることもあり、独立の層に別々に含まれることもある。
また他の態様では、青色光を発光する青色レーザー、緑色光を発光する緑色レーザー、赤色光を発光する赤色レーザーからなる群から選ばれる光源の二種を用い、該光源が出射する光とは異なる発光波長を有する蛍光を発光する量子ドットを、光変換層に存在させることにより、光源から発光される二種の光と、光変換層の量子ドットから発光される光により、白色光を具現化することもできる。
(バックライトユニットの出射光の配光分布)
本発明の一態様にかかる光変換部材は、前述のように、異方性拡散層を少なくとも一層含むことにより、各色光の出射光特性が変化し、これにより、色相の視角依存性の発生を低減ないし防止することができる。各種液晶セルでは、各色光の中で、青色光の透過率が、斜め方向において他の色の光、特に、赤色光よりも小さくなる傾向がある(例えば図7、図10参照)。そのため少なくとも青色光の配光分布を、青色光の斜め方向における出射光量が多くなるように制御することが好ましく、制御することより、下記式(1)を実現することがより好ましい。
R(60)/R(0)<B(60)/B(0)・・・(1)
式(1)中、R(0)は、赤色光のバックライトユニットの出射側表面に対する法線方向における強度を示し、R(60)は、赤色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、B(0)は、青色光の上記法線方向における強度を示し、B(60)は、青色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。なお法線方向に対して左側に60°傾斜した方位と、右側に60°傾斜した方位における強度が異なる場合には、より高強度の方位における強度を式(1)の算出に用いるものとする。ここで、傾斜角度60°方向における強度を用いる理由は、液晶表示装置の評価において、多くの場合、極角60°での性能が評価の対象となるためである。
また、例えば図10に示すマルチドメインVAモード液晶セルのように、緑色光の透過率が、斜め方向において赤色光よりも小さくなる傾向がある場合には、緑色光を出射する光変換層の出射側に異方性拡散層を配置することにより緑色光の配光分布を制御することが好ましく、制御することにより、下記式(2)を実現することがより好ましい。
R(60)/R(0)<G(60)/G(0)<B(60)/B(0)・・・(2)
式(2)中、R(60)、R(0)、B(60)、B(0)は、式(1)と同義である。G(0)は、緑色光の上記法線方向における強度を示し、G(0)は、緑色光の上記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。例えば、本発明の一態様では、異方性拡散層によって配光分布を制御することにより、光変換部材から出射する青色光の直線透過光量の極大が、法線方向に対して傾斜角度60°付近の方位、例えば傾斜角度60°±20°の方位に存在する配光分布を得ることができる。または、配光分布を制御することにより、光変換部材から出射する緑色光の直線透過光量の極大が、法線方向に対して傾斜角度60°付近の方位、例えば傾斜角度60°±20°の方位に存在する配光分布を得ることができる。
TNモードの液晶セルを備える液晶表示装置に用いるバックライトとしては、B(60)/B(0)に対する(B(60)/B(0)を1としたときの)R(60)/R(0)の相対値は、黄色味を適正に打ち消す観点から0.7以下であることが好ましく、青味を過度に強くしすぎない観点から0.4以上であること好ましい。また、TNモードの液晶セルを備える液晶表示装置に用いるバックライトとしては、R(60)/R(0)とG(60)/G(0)は同程度であることが好ましいため、B(60)/B(0)に対するG(60)/G(0)の相対値も、0.4以上、0.7以下であることが好ましい。
一方、マルチドメイVAモードの液晶セルを備える液晶表示装置に用いるバックライトとしては、上記と同様の理由から、B(60)/B(0)に対するR(60)/R(0)の相対値は0.4〜0.6の範囲であることが好ましく、B(60)/B(0)に対するG(60)/G(0)の相対値は、0.6〜0.8の範囲であることが好ましい。
(バックライトユニットの構成)
バックライトユニットの構成としては、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であることができる。図1には、エッジライト方式のバックライトユニットの例を示したが、本発明の一態様にかかるバックライトユニットは、直下型方式であっても構わない。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
また、バックライトユニットは、光源の後部に、反射部材を備えることもできる。このような反射部材としては特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
バックライトユニットが、青色光のうち460nmよりも短波長の光を選択的に透過する青色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
また、バックライトユニットが、赤色光のうち630nmよりも長波長の光を選択的に透過する赤色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
このような青色用波長選択フィルタや赤色用波長選択フィルタとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。そのようなフィルタは、特開2008−52067号公報などに記載されており、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
バックライトユニットは、その他、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
[液晶表示装置]
本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、上述のバックライトユニットと、液晶セルと、を少なくとも含む。
(液晶表示装置の構成)
液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、またはTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
前述の通り、本発明の一態様にかかる光変換部材によれば、TNモード、マルチドメインVAモードの液晶セルにおける色相の視角依存性の発生を低減ないし防止することができる。したがって本発明の一態様における液晶セルの一例は、これらモードの液晶セルである。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
液晶表示装置の一実施形態では、対向する少なくとも一方に電極を設けた基板間に液晶層を挟持した液晶セルを有し、この液晶セルは2枚の偏光板の間に配置して構成される。液晶表示装置は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う。さらに必要に応じて偏光板保護フィルムや光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
図15に、本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。図15に示す液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面にバックライト側偏光板14を有する。バックライト側偏光板14は、バックライト側偏光子12のバックライト側の表面に、偏光板保護フィルム11を含んでいても、含んでいなくてもよいが、含んでいることが好ましい。
バックライト側偏光板14は、偏光子12が、2枚の偏光板保護フィルム11および13で挟まれた構成であることが好ましい。
本明細書中、偏光子に対して液晶セルに近い側の偏光板保護フィルムをインナー側偏光板保護フィルムと言い、偏光子に対して液晶セルから遠い側の偏光板保護フィルムをアウター側偏光板保護フィルムと言う。図11に示す例では、偏光板保護フィルム13がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム11がアウター側偏光板保護フィルムである。
バックライト側偏光板は、液晶セル側のインナー側偏光板保護フィルムとして、位相差フィルムを有していてもよい。このような位相差フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面とは反対側の面に、表示側偏光板44を有する。表示側偏光板44は、偏光子42が、2枚の偏光板保護フィルム41および43で挟まれた構成である。偏光板保護フィルム43がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム41がアウター側偏光板保護フィルムである。
液晶表示装置51が有するバックライトユニット31については、先に記載した通りである。
本発明の一態様にかかる液晶表示装置を構成する液晶セル、偏光板、偏光板保護フィルム等については特に限定はなく、公知の方法で作製されるものや市販品を、何ら制限なく用いることができる。また、各層の間に、接着層等の公知の中間層を設けることも、もちろん可能である。
(カラーフィルター)
500nm以下の波長帯域に発光中心波長を有する光源を用いる場合、RGB画素形成方法としては、公知の種々の方法を使用することができる。例えば、ガラス基板上にフォトマスク、およびフォトレジストを用いて所望のブラックマトリックス、およびR、G、Bの画素パターンを形成することもできるし、また、R、G、Bの画素用着色インクを用いて、所定の幅のブラックマトリクス、およびn個置きにブラックマトリクスの幅よりも広いブラックマトリックスで区分された領域内(凸部で囲まれた凹部)に、インクジェット方式の印刷装置を用いて所望の濃度になるまでインク組成物の吐出を行い、R、G、Bのパターンからなるカラーフィルターを作製することもできる。画像着色後は、ベーク等することで各画素及びブラックマトリックスを完全に硬化させてもよい。
カラーフィルターの好ましい特性は特開2008−083611号公報などに記載されており、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
例えば、緑色を示すカラーフィルターにおける最大透過率の半分の透過率となる波長は、一方が590nm以上610nm以下であり、他方が470nm以上500nm以下であることが好ましい。また、緑色を示すカラーフィルターにおいて最大透過率の半分の透過率となる波長は、一方が590nm以上600nm以下であることが好ましい。さらに緑色を示すカラーフィルターにおける最大透過率は80%以上であることが好ましい。緑色を示すカラーフィルターにおいて最大透過率となる波長は530nm以上560nm以下であることが好ましい。
緑色を示すカラーフィルターにおいて、発光ピークの波長における透過率は、最大透過率の10%以下であることが好ましい。
赤色を示すカラーフィルターは、580nm以上590nm以下における透過率が最大透過率の10%以下であることが好ましい。
カラーフィルター用顔料としては、公知のものを何ら制限なく用いることができる。なお、現在は、一般的に顔料を用いているが、分光を制御でき、プロセス安定性、信頼性が確保できる色素であれば、染料によるカラーフィルターであってもよい。
(ブラックマトリックス)
液晶表示装置には、各画素の間にブラックマトリックスが配置されていることが好ましい。ブラックストライプを形成する材料としては、クロム等の金属のスパッタ膜を用いたもの、感光性樹脂と黒色着色剤等を組み合わせた遮光性感光性組成物などが挙げられる。黒色着色剤の具体例としては、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
(薄層トランジスタ)
液晶表示装置は、さらに薄層トランジスタ(以下、TFTとも言う)を有するTFT基板を有することもできる。薄層トランジスタは、キャリア濃度が1×1014/cm3未満である酸化物半導体層を有することが好ましい。薄層トランジスタの好ましい態様については特開2011−141522号公報に記載されており、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
以上説明した本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、量子ドット発光効率の高い光変換部材を有することにより、高輝度かつ高い色再現性を、高価な量子ドットを多量に使用することなく実現可能なものである。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例]
1.異方性拡散シートの作製
<異方性拡散シート1の作製>
まず、厚さ75μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(商品名:コスモシャイン(登録商標)、品番:A4300、東洋紡績社製)上に、ギャップを0.2mmに調整したドクターブレードを用いて下記組成の光重合性組成物(異方性拡散層用塗布液)を塗布した後、別のPETフィルム(厚さ75μm)で被覆した。
≪光重合性組成物1の組成≫
2−(パーフルオロオクチル)−エチルアクリレート:50質量部
1,9−ノナンジオールジアクリレート:50質量部
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン:4質量部
次に、上下両面をPETフィルムで挟まれた厚さ200μm(0.2mm)の液膜に対して、UVスポット光源(商品名:L2859−01、浜松ホトニクス社製)の落射用照射ユニットから、垂直方向から照射強度30mW/cm2の紫外線を1分間照射し、異方性拡散シート1を得た。異方性拡散シート1の異方性拡散層の膜厚は、上記液膜の厚さと同じ200μmとなる。
<異方性拡散シート2の作製>
ディスペンサを用いて形成する隔壁の高さを100μm(0.1mm)とした以外は、異方性拡散シート1と同様にして異方性拡散シート2を得た。したがって、異方性拡散シート1の異方性拡散層の膜厚は、隔壁の高さと同じ100μmとなる。以下の異方性拡散シートについても、同様である。
<異方性散乱シート3の作製>
ディスペンサを用いて形成する隔壁の高さを80μm(0.08mm)とした以外は、異方性拡散シート1と同様にして異方性拡散シート3を得た。
<異方性拡散シート4の作製>
ディスペンサを用いて形成する隔壁の高さを500μm(0.5mm)とした以外は、異方性拡散シート1と同様にして異方性拡散シート4を得た。
<異方性拡散シート5の作製>
ディスペンサを用いて形成する隔壁の高さを50μm(0.05mm)とした以外は、異方性拡散シート1と同様にして異方性拡散シート5を得た。
2.異方性拡散シートの光拡散特性評価
ゴニオフォトメータ(商品名:自動変角光度計GP−5、村上色彩技術研究所製)を用いて、光源からの直進光を受ける位置に受光部を固定し、光源と受光部との間のサンプルホルダーに、各異方性拡散シートを取り付けた。次に、異方性拡散シートを回転させながら、それぞれの入射角に対応する直線透過光量を測定した。結果の概略を図16に示す。
3.バリア層なし光変換部材の作製
量子ドット波長変換要素として、シグマアルドリッチ社販売のNanoco Technologies社製量子ドット「Lumidot(登録商標)」を用いて、青色発光ダイオードの光が入射したときに、中心波長560nm、半値幅40nmの緑色光と、中心波長610nm、半値幅40nmの赤色光の蛍光発光をする量子ドットシート(量子ドット材料(G,R))を形成した。
得られた量子ドットシートと、上記1.で作製した各異方性拡散シートを、アクリル系接着剤を用いて、入射側から出射側に向かって、異方性拡散シート、接着剤、緑色光を発光する量子ドットシート(表1中、「量子ドットシートG」と記載する。)、接着剤、赤色光を発する量子ドットシート(表1中、「量子ドットシートR」と記載する。)の順に貼り合せた。本構成は、図4に示す構成に相当する。
上記構成とは別に、入射側から出射側に向かって、異方性拡散シート、接着剤、緑色光を発光する量子ドットシート、接着剤、異方性拡散シート、接着剤、赤色光を発する量子ドットシートの順、にて貼り合わせた。本構成は、図8に示す構成に相当する。
4.バリア層付き異方性拡散シートの作製
<バリア層付き異方性拡散シート1の作製>
以下の光重合性組成物2(バリア層塗布液)を調整して塗布液とし、この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記1.で作成した異方性拡散シート1の光出射側表面にワイヤーバー(#6)にて塗布し、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度350mW/cm2、照射量500mJ/cm2、の紫外線を照射することにより膜厚およそ500nmの有機層を形成した。
≪光重合性組成物2の組成≫
リン酸エステルアクリレート(日本化薬(株)製KAYAMER PM−21):10質量部
共栄社化学(株)製ライトアクリレートBEPG−A:90質量部
光重合開始剤[チバガイギー製IRGACURE907]:6質量部
さらに、この有機層上にケイ素酸化物からなる無機層を成膜した。無機層の成膜はスパッタ装置を使用し、ターゲットとしてSiを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。無機層膜厚は50nmとし、バリア層付き異方性拡散シート1を得た。
<バリア層付き異方性拡散シート3の作製>
異方性拡散シート1の代わりに異方性拡散シート3を用いた以外は上述と同様にして、バリア層付き異方性拡散シート3を得た。
5.バリア層付き光変換部材の作製
バリア層付き異方性拡散シート1およびバリア層付き異方性拡散シート3を用い、アクリル系接着剤を用いて、入射側から出射側に向かって、バリア層付き異方性散乱シート、接着剤、緑色光を発光する量子ドットシート、接着剤、赤色光を発する量子ドットシートの順に貼り合せた。本構成は、図11に示す構成に相当する。
上記構成とは別に、入射側から出射側に向かって、バリア層付き異方性散乱シート、接着剤、緑色光を発光する量子ドットシート、接着剤、異方性拡散シート、接着剤、赤色光を発する量子ドットシートの順にて貼り合わせた。
更に、こうして作製した各光変換部材の、赤色光を発する量子ドットシートの光出射側表面に、上述の光重合性組成物2からなる有機層および酸化ケイ素からなる無機層を、バリア層付き異方性拡散シートを作製した方法と同じ方法で設けた。本構成は、図12、図14に例示する本発明の光学シートの構成に相当する。
[等方性拡散シートを用いた例(比較例1)]
光変換部材の作製に当たって、異方性拡散シートの代わりに、住友化学製「スミペックスRM400」を用いたこと以外は、上述の要領で光変換部材15を作製した。「スミペックスRM400」の配光分布は、図3に示すように、シートの法線方向を極大とする、単調な山形の分布であった。
[比較例2〜5]
光変換部材の作製にあたって、各要素の積層順を変えたこと以外は実施例と同様にして、比較例2〜5の光変換部材16〜19を作製した。
以上の実施例、比較例の光変換部材の層構成を、表1に示す。
<バックライトユニットの製造>
バックライトユニットとして、光源として青色発光ダイオード(日亜B−LED:Blue、主波長465nm、半値幅20nm)を備え、また、光源の後部に光源から発光されて上記光変換部材で反射された光の偏光状態の変換および反射をする反射部材を備え、光源の前部(液晶セル側)には、実施例または比較例の光変換部材を設けたバックライトユニットを作製した。
<バックライトユニットの各色輝度の角度依存性測定>
400mmの位置に設置した色彩輝度計で、上記で作製したバックライトユニットの各色輝度の角度依存性を測定した。色彩輝度計の測定角は5°ごとに、バックライトの出射面に垂直な法線方向を0°として、バックライトの長手方向(液晶表示装置への実装時横方向)に80°まで設定した。バックライトの光量は、バックライトユニットの法線方向の輝度が1280cd/m2になるように設定した。各バックライトユニットの、RGB各色の、バックライトユニットの法線方向の輝度に対する測定角度60°における相対輝度を表2に示す。
<液晶表示装置の製造1>
市販のTNモード液晶表示装置(Samsung Electric社製S23A350H)を分解し、バックライトユニットを上述で作製した各バックライトユニットに置き換えて、液晶表示装置を作製した。
<斜め方位の色相の黄色味評価1>
液晶表示装置の長手方向(横方向)60°斜め方位の黄色味を、特開2008−145868号公報に記載の方法で測定した。その結果をもとに、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
A:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも30%以上、良好である
B:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも30%以上良好であるが、青味が見られる。
C:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも20%以上、30%未満、良好である
D:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも10%以上、20%未満、良好である
E:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりは良いが、10%未満、良好である。
F:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味と同等以下である。
<液晶表示装置の製造2>
市販のマルチドメインVAモード液晶表示装置(Sony社製KDL−46XR1)を分解し、バックライトユニットを上述で作製した各バックライトユニットに置き換えて、液晶表示装置を作製した。
<斜め方位の色相の黄色味評価2>
上記の斜め方位の色相の黄色味評価1と同様の方法で測定した。その結果をもとに、以下の基準で評価した。結果を表4に示す。
A:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも30%以上、良好である
B:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも30%以上良好であるが、青味が見られる。
C:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも20%以上、30%未満、良好である
D:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりも10%以上、20%未満、良好である
E:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味よりは良いが、10%未満、良好である。
F:比較例1の液晶表示装置の斜め方位の黄色味と同等以下である。
評価結果
表3、4に示す結果から、実施例の液晶表示装置では、異方性拡散層により出射光の配光分布を制御することによって、斜め方向において黄色味が強い画像が視認されることを抑制することができたことが確認できる。
<1000時間点灯後の輝度変化>
実施例11〜14のバックライトユニットについて、通常の雰囲気下、1000時間連続点灯の後、正面輝度および斜め方位の色味を測定したが、いずれも連続点灯前の正面輝度および斜め方向の色味は変化しなかった。
本発明は、液晶表示装置の製造分野において有用である。

Claims (17)

  1. 入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層と、
    前記光変換層の励起光入射側に位置する異方性拡散層と、
    を含む光変換部材。
  2. 前記光変換層は、
    600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、および、
    500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、
    からなる群から選択される少なくとも一種の量子ドットを含む請求項1に記載の光変換部材。
  3. 前記光変換層は、量子ドット(A)および量子ドット(B)を含む請求項2に記載の光変換部材。
  4. 500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)を含む第一の光変換層と、
    第一の光変換層の蛍光出射側に、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)を含む第二の光変換層と、
    を含み、
    第一の光変換層の励起光入射側に第一の異方性拡散層を、
    第一の光変換層と第二の光変換層との間に、第二の異方性拡散層を、
    更に含む請求項1または2に記載の光変換部材。
  5. 前記異方性拡散層の厚みは、75〜200μmの範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光変換部材。
  6. 少なくとも一層のバリア層を、光変換部材の入射側最表層、出射側最表層、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間、および二層の光変換層の層間、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの位置に有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光変換部材。
  7. 前記バリア層を、少なくとも、いずれかの異方性拡散層と光変換層との層間に有する請求項6に記載の光変換部材。
  8. 前記バリア層を、少なくとも、光変換部材の入射側最表面および出射側最表面の一方または両方に有する請求項6または7に記載の光変換部材。
  9. 前記バリア層を、前記群から選ばれる2つの位置に有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の光変換部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光変換部材と、
    光源と、
    を少なくとも含むバックライトユニット。
  11. 前記光源は、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する請求項10に記載のバックライトユニット。
  12. 600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する赤色光および430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を含む出射光を出射し、かつ、
    前記赤色光と青色光とは、下記式(1)を満たす請求項10または11に記載のバックライトユニット。
    R(60)/R(0)<B(60)/B(0)・・・(1)
    [式(1)中、
    R(0)は、前記赤色光のバックライトユニットの出射側表面に対する法線方向における強度を示し、
    R(60)は、前記赤色光の前記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
    B(0)は、前記青色光の前記法線方向における強度を示し、
    B(60)は、前記青色光の前記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。]
  13. 前記赤色光および青色光、ならびに500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する緑色光を含む出射光を出射し、かつ、
    前記赤色光、青色光、および緑色光は、下記式(2)を満たす請求項12に記載のバックライトユニット。
    R(60)/R(0)<G(60)/G(0)<B(60)/B(0)・・・(2)
    [式(2)中、
    R(0)は、前記赤色光の、バックライトユニットの出射側表面に対する法線方向における強度を示し、
    R(60)は、前記赤色光の前記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
    G(0)は、前記緑色光の前記法線方向における強度を示し、
    G(0)は、前記緑色光の前記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示し、
    B(0)は、前記青色光の前記法線方向における強度を示し、
    B(60)は、前記青色光の前記法線方向に対して傾斜角60°方向における強度を示す。]
  14. 導光板を更に含み、
    前記光変換部材を、前記導光板から出射される光の経路上に有する請求項10〜13のいずれか1項に記載のバックライトユニット。
  15. 請求項10〜13のいずれか1項に記載のバックライトユニットと、
    液晶セルと、
    を少なくとも含む液晶表示装置。
  16. 前記液晶セルは、TNモード液晶セルである請求項15に記載の液晶表示装置。
  17. 前記液晶セルは、マルチドメインVAモード液晶セルである請求項15に記載の液晶表示装置。
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