JP2015044109A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 斬新な遊技性を有する遊技機を提供する。
【解決手段】 第一及び第二始動口2001,2002への遊技球の入球に基づいて大当り遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うパチンコ機において、第一遊技状態では、第一の態様で大当り遊技状態を制御する一方、第二遊技状態では、第一の態様とは異なる第二の態様で大当り遊技状態を制御し、第一遊技状態中に第二遊技状態への移行の阻止状態が解除されることで、第二遊技状態に移行する契機が訪れる構成とする。また、第二遊技状態では、小当り抽選毎に遊技者が有利となる態様の小当り遊技状態を制御する。これにより、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することができる。
【選択図】 図151

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来より、遊技領域に図柄等を変動表示可能な液晶ディスプレイを備え、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことに基づいて図柄の変動表示を実行し、大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技状態に制御される遊技機が提案されている。このような遊技機としては、特許文献1に開示されているように、図柄の変動表示中に大当り図柄を導出表示する期待度が異なって設定された複数種類のリーチ演出のうちいずれかを液晶ディスプレイの表示画面上で実行することにより、大当りに対する期待感をその時々で異ならせて遊技の興趣低下を抑制するようにしたものや、特許文献2に開示されているように、液晶ディスプレイとは別に可動体を設け、可動体の可動によって大当りに対する期待感を異ならせて(例えば、可動体が可動したときは大当り図柄を導出表示する期待度が高い等)遊技の興趣低下を抑制するようにしたもの等が提案されている。
特開2005−165637号公報 特開2009−39345号公報
ところで、上記した特許文献1に記載された複数種類のリーチ演出の設定や特許文献2に記載された可動体の設置等によって、遊技の興趣低下を抑制するようにした構成では、遊技の興趣低下を抑制する度合が限定されてしまうことから、近年では、根本的な遊技性の見直しによって斬新な遊技性を有するものが求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、前面に遊技領域を有する遊技盤と、操作ハンドルの操作に対応して遊技球を前記遊技領域内に発射する発射装置と、前記遊技領域内を流下する遊技球に基づいて成立可能な第一始動条件、又は特定条件の成立期間において前記遊技領域内を流下する遊技球に基づいて成立が可能となり且つ前記第一始動条件に比べて成立割合が高く設定された第二始動条件の成立に基づいて特定遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特定抽選手段と、該特定抽選手段による当り抽選に基づいて前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段と、前記第二始動条件の成立に基づいて特殊遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特殊抽選手段と、該特殊抽選手段による当り抽選に基づいて前記特殊遊技状態に制御する特殊遊技制御手段と、前記特定抽選手段により当り抽選がなされることを契機として、前記特定遊技状態が連続的に繰り返される態様を所定の複数回に亘って制御可能とする連続特定遊技状態制御手段と、を備え、前記特定抽選手段は、前記特定条件を成立させない当り抽選と、少なくとも前記連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから前記所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で前記特定条件を成立させる当り抽選と、を含んだ抽選を行い、前記特定遊技制御手段は、前記特定条件が成立しておらず且つ前記連続特定遊技状態制御手段の制御が行われている期間である第一遊技状態中では、遊技者が有利とならない態様で前記特定遊技状態を制御する一方、前記特定条件が成立しており且つ前記連続特定遊技状態制御手段の制御が行われている期間である第二遊技状態中では、遊技者が有利となる態様で前記特定遊技状態を制御し、前記特殊遊技制御手段は、遊技者が有利となる態様で前記特殊遊技状態を前記第二遊技状態中に制御することを特徴とする。
請求項1記載の遊技機によれば、特定抽選手段によって特定条件を成立させない当り抽選が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で、第一始動条件が特定抽選の条件となる第一遊技状態に制御される。これに対して、特定抽選手段によって特定条件を成立させる当り抽選が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で、第二始動条件が特定抽選の条件となる第二遊技状態に制御される。
そして、第二遊技状態での特定抽選の条件となる第二始動条件は、第一始動条件に比べて成立割合が高く設定されているため、第一遊技状態に比べて時間当たりの特定抽選手段による抽選回数を増やすことができる。従って、第二遊技状態では、第一遊技状態に比べて消費する遊技球の数(遊技領域に打ち込まれた後にいずれの入賞装置にも入賞させずに排出される遊技球の数)を減らすことができる上に、比較的早く特定遊技状態を発生させることができ、スムーズに遊技を進行させることができる。然も、第一遊技状態では、遊技者が有利とならない態様で特定遊技状態が制御されるのに対して、第二遊技状態では、遊技者が有利となる態様で特定遊技状態が制御される。これにより、遊技者にとって不利で面白みの少ない遊技状態となる第一遊技状態と、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態と、で遊技状態を主に二分することができ、結果として、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することができる。
また、請求項1記載の構成によれば、遊技者にとって不利で面白みの少ない第一遊技状態とは正反対に、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態において、特殊抽選手段による当り抽選が行われると、その都度、遊技者が有利となる態様で特殊遊技状態に制御するようになっている。また、このような特殊遊技状態の制御は、第一遊技状態に移行する契機となる第二遊技状態中での特定遊技状態の制御回数(連続特定遊技状態制御手段によって連続的に繰り返される所定の複数回の特定遊技状態)に影響を与えることなく実行される。このため、第二遊技状態中に制御される特殊遊技状態は、第二遊技状態中に制御される特定遊技状態以外でのボーナス的な遊技価値として遊技者に付与されることになり、第二遊技状態を遊技者にとってより一層有利で爽快な遊技状態とすることができる。
本発明の遊技機においては、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することができる。
実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 図10のB−B断面図(A)と図12(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。 本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。 外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。 軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前方から見た斜視図である。 扉枠を左前方から見た斜視図である。 扉枠の正面から見た分解斜視図である。 扉枠の背面から見た分解斜視図である。 (A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図26を後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 図28を後ろから見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。 (A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。 (A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図である。 トップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。 (A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。 トップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図である。 図35を後から示す分解斜視図である。 トップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図である。 トップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図である。 トップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。 皿ユニットの正面斜視図である。 皿ユニットの背面斜視図である。 皿ユニットの平面図である。 図42におけるA−A断面図である。 皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図である。 皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。 皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図である。 図46を後ろから示す分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図である。 図48を後ろから示す分解斜視図である。 皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図である。 皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。 皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図である。 皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図である。 皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図である。 皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。 扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図である。 ハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図である。 ハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。 操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図である。 ハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図である。 ハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。 (A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。 皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。 ガラスユニットの正面斜視図である。 ガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図である。 図65を後から示す分解斜視図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の正面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の背面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の側面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の背面から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠の前方から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠を外枠に軸支した状態を前方から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠の背面図である。 部品を取付けた本体枠の背面から見た斜視図である。 パチンコ機の中程(主制御基板ボックス部分)の水平線で切断したパチンコ機の断面平面図である。 遊技盤の正面から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の背面図である。 遊技盤の平面図である。 遊技盤に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図である。 遊技盤の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠の部分斜視図である。 遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図である。 遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図である。 図83を斜め後から見た分解斜視図である。 盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。 図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。 遊技盤における機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。 機能表示シールの概略図である。 遊技窓を介して遊技盤の機能表示シールを見た部分図である。 打球発射装置の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)である。 打球発射装置の分解斜視図である。 打球発射装置と発射レールとの関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)である。 操作ハンドル部を操作していない状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 操作ハンドル部を操作している状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 打球発射装置に設けられるスライド部材の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。 賞球タンクの斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。 従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図である。 タンクレール部材の下流部と球通路ユニットの上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。 本体枠と球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す分解斜視図である。 球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す背面図である。 球通路ユニットの背面から見た斜視図である。 球通路ユニットの正面図である。 球通路ユニットと賞球ユニットとの連結構造を説明するための側面図である。 賞球ユニットの背面側から見た分解斜視図である。 払出モータと払出部材としてのスプロケットとの関係を説明するための背面図である。 賞球ユニットの通路と駆動関係を説明するための背面図である。 図108のA−A断面図である。 賞球ユニットと満タンユニットとの関係を示す斜視図である。 満タンユニットの斜視図である。 満タンユニットの正面から見た分解斜視図である。 満タンユニットの背面から見た分解斜視図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す一部破断斜視図である。 満タンユニットに設けられる底面揺動板部分で切断した横断面図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す断面図である。 錠装置と本体枠との関係を示す背面斜視図である。 錠装置の本体枠への掛け止め構造を示す拡大側方断面図である。 パチンコ機の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図である。 錠装置と本体枠の側壁との詳細な関係を示す拡大断面図である。 錠装置の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)である。 錠装置の背面側から見た斜視図(A)、錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の斜視図(B),(C)である。 錠装置の分解斜視図である。 ガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の作用を説明するための正面図である。 不正防止部材の作用を説明するための正面図である。 基板ユニットを背面側から見た斜視図である。 基板ユニットの背面側から見た分解斜視図である。 基板ユニットを前面側から見た斜視図である。 基板ユニットの前面側から見た分解斜視図である。 基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図である。 枠用基板ホルダの背面図である。 基板ユニットの背面図である。 払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図である。 基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図である。 基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図である。 払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ機の背面図の一部である。 図138の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤の正面図である。 図137のC−C断面図である。 第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体を開放した状態の背面から見た斜視図である。 第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の側面図である。 第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の開放側から見た斜視図である。 第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の軸支側から見た斜視図である。 第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の背面図である。 第二実施形態に係るカバー体を取り外した状態のパチンコ機の背面図である。 第二実施形態に係るカバー体の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックスの斜視図である。 第二実施形態に係るカバー体の内側から見た斜視図である。 第二実施形態に係るカバー体に設けられるシリンダ錠の作用を説明するための背面図である。 図143のA−A断面図である。 図143のB−B断面図である。 図143のC−C断面図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左後から見た斜視図である。 遊技盤を主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 分解したものを斜め後から見た斜視図である。 遊技パネルに装着される各装置を、部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 始動口ユニットを斜め前から見た斜視図である。 始動口ユニットを、部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 始動口ユニットのベースユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 始動口ユニットの前側装飾ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 (a)は、始動口ユニットのリールユニットを斜め前から見た斜視図であり、(b)は、リールユニットを斜め後から見た斜視図である。 リールユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 リールユニットを、上下方向中央で切断した際の下側部分を斜め前から見た斜視図である。 リールユニットの縦断面図である。 リールユニットのリールシートの展開図である。 左サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図である。 左サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た斜視図である。 右サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図である。 右サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た斜視図である。 左サイド誘導部材を斜め前から見た斜視図である。 センター役物を斜め前から見た斜視図である。 センター役物を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 センター役物の装飾部を斜め前から見た斜視図である。 センター役物のセンター台板を斜め前から見た斜視図である。 センター役物の大入賞口ユニットを斜め前から見た斜視図である。 大入賞口ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。 裏ユニットを斜め前から見た斜視図である。 各役物装置と液晶表示装置の表示画面との関係を示す正面図である。 上側役物装置を斜め前から見た斜視図である。 上側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 上側役物装置の上側可動装飾体を斜め前から見た斜視図である。 上側可動装飾体を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 (a)は上側可動装飾体を、左右方向中央で切断した際の左側部分を斜め前から見た斜視図であり、(b)は上側可動装飾体における駆動部の拡大斜視図である。 上側可動装飾体におけるヘッドガードの動作を示す右側面図である。 上側役物装置の昇降駆動ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 分解したものを斜め後から見た斜視図である。 (a)は右側役物装置を斜め前から見た斜視図であり、(b)は右側可動装飾体が演出位置に移動した状態を斜め前から見た斜視図である。 右側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 分解したものを斜め後から見た斜視図である。 右側役物装置の右側可動装飾体を分解して斜め前から見た斜視図である。 右側役物装置の駆動機構部分を分解して斜め前から見た斜視図である。 右側可動装飾体の動作を示す模式的な説明図である。 (a)は左側役物装置を斜め前から見た斜視図であり、(b)は左側可動装飾体が演出位置に移動した状態を斜め前から見た斜視図である。 左側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 棚ユニットを斜め前から見た斜視図である。 棚ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。 棚ユニットを、縦方向に切断した際の左側部分を斜め前から見た斜視図である。 可動棚及びその機構部を斜め前から見た斜視図である。 液晶表示装置を斜め前から見た斜視図である。 裏箱、液晶表示装置、及び液晶縁部飾りを、斜め前から見た斜視図である。 裏箱及び通路カバーを、分解して斜め前から見た斜視図である。 裏箱の裏側に配設された基板等を分解し、斜め後から見た斜視図である。 主基板及び周辺基板のブロック図である。 磁気センサの検出領域を説明する概略図である。 磁気センサからの検出信号が入力される入力回路である。 (a)は、同実施の形態の主制御MPUによって実行されるメイン処理についてその手順を示すフローチャートであり、(b)は、同実施の形態の主制御MPUによって定期的に行われる割り込み処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二始動口通過処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される演出事前判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、演出事前判定処理に用いられる事前判定テーブルであり、(B)は、事前判定テーブルによって決定される先読みの種類詳細についてのテーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄プロセス処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄通常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄大当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二特別図柄大当り判定処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、大当りについての抽選処理に用いられる大当り判定テーブルであり、(B)は、リーチについての抽選処理に用いられるリーチ判定テーブルであり、(C)は、大当りの種類についての抽選処理に用いられる図柄決定テーブルである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄変動処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第一特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の主制御MPUによって実行される第二特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行されるサブメイン処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行される16ms定常処理についてその手順を示すフローチャートである。 同実施の形態の周辺制御MPUによって実行される保留予告演出制御処理についてその手順を示すフローチャートである。 (A)は、保留予告演出制御処理に用いられる保留1点灯時の保留予告決定テーブルであり、(B)は、保留予告演出制御処理に用いられる保留2点灯時の保留予告決定テーブルである。 (C)は、保留予告演出制御処理に用いられる保留3点灯時の保留予告決定テーブルであり、(D)は、保留予告演出制御処理に用いられる保留4点灯時の保留予告決定テーブルである。 16ms定常処理の一処理として実行される始動口入賞異常報知判定処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一処理として実行される磁石ゴト報知判定処理の一例を示すフローチャートである。 16ms定常処理の一処理として実行される始動口入賞異常報知処理の一例を示すフローチャートである。 パチンコ機による遊技内容の一例を示すタイムチャートである。 パチンコ機による遊技内容の一例を示すタイムチャートである。 同図(A)〜(H)はそれぞれ資金調達モードの資金獲得ゾーンにおけるサイコロゲーム演出の一例を示す図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図であり、図2はパチンコ機の正面図であり、図3はパチンコ機の側面図であり、図4はパチンコ機の平面図であり、図5はパチンコ機の背面図であり、図6はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7はパチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、本体枠3に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101とその遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に装飾カバー板15を補強するカバー補強金具14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に発射装置としての打球発射装置650(図5参照)と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図6を参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット450と、ハンドル装置400とが設けられている。なお、扉枠5と本体枠3とが正面から見て略同じ方形の大きさであり、正面から本体枠3が視認できないようになっている。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は、外枠2の正面斜視図であり、図9は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図10は、同外枠2の正面図であり、図11は、同外枠2の背面図であり、図12は、図10のB−B断面図(A)と図12(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。また、図13は本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図であり、図14は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図(A)と下方から見た斜視図(B)である。更に、図15は軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図であり、図16はロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態に係る外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13とを、夫々の端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられている。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方に夫々形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図9の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図69を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図12(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図11に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図12(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図8に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図12(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図8及び図12(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図9に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12とカバー補強金具14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13とカバー補強金具14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図121を参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定されるカバー補強金具14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、カバー補強金具14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45とカバー補強金具14の一側上面に沿って取付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図71を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図72を参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、装飾カバー板15を介してカバー補強金具14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取付けたときに、図10及び図11に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取付けることができる。また、下支持金具66を取付けたときにも、カバー補強金具14の上面と下支持金具66の上面とが略同一平面となるようになっている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支するための上支持金具45の裏面には、図14に示すようにロック部材80が回動自在に軸支されている。より詳細に説明すると、図14(A)に示すように、上支持金具45の支持突出片46は、先端部が円弧状の平板として形成されると共に支持突出片46の外側縁に沿って直角に折り曲げられた垂下壁46aが形成される。この垂下壁46aにより、上支持金具45の支持突出片46の強度を向上させることができると共に、正面から見たときに次に説明するロック部材80が視認できないようにして外観を良くし、更に、次に説明するロック部材80の弾性片80cの先端当接部が当接する部位として利用したりロック部材80が支持突出片46から外側に飛び出さないように停止部として利用している。また、支持突出片46に形成される支持鉤穴47は、垂下壁46aが形成されない反対側の側方から内側にやや向ってさらに先端中央部に向かって傾斜状となるように屈曲して形成されている。そして、支持鉤穴47の傾斜状穴部の溝寸法は、軸支ピン504の直径よりもやや大きな寸法に形成されている。
また、上記した垂下壁46aは、支持鉤穴47の前方の入口端部から支持突出片46及び上支持金具45の外側縁に沿って直角に折り曲げられて形成されていると共に、支持鉤穴47の前方の入口端部の部分で内側に向って折り曲げられて停止垂下部47aとなっている。また、支持突出片46の略中央に取付穴46bが穿設され、取付穴46bにロック部材80がリベット81によって回転自在に軸支されている。ロック部材80は、合成樹脂によって成型されるものであり、ストッパー部80aと操作部80bとがL字状に形成され、また操作部80bと反対側に円弧状の弾性片80cが一体的に延設されている。そして、ストッパー部80aと操作部80bとがなすL字状の基部にリベット81が挿通される取付穴80dが形成されている。しかして、ロック部材80がリベット81によって取付穴46bに取付けられて支持突出片46の裏面に回転自在に固定した状態においては、図14(B)に示すように、弾性片80cの先端当接部が垂下壁46aの内側面と当接しており、ストッパー部80aが支持鉤穴47の傾斜状穴部を閉塞するようになっている。また、このときストッパー部80aの先端部分は、支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態となっていない。即ち、通常の状態で支持鉤穴47の先頭空間部分には、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504が挿入される空間が形成されている。
ところで、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパー部80aの先端側方が入口端部の停止垂下部47aに対向している状態(この状態ではストッパー部80aの先端側方と停止垂下部47aとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴47の傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン504とストッパー部80aの先端面80eとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン504が支持鉤穴47の先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン504からストッパー部80aの先端面80eへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材80の弾性片80cに対し負荷がかかっていない状態となっている。また、図15(A)に示すように、ストッパー部80aの先端面80eが操作部80bを操作して回動したときにロック部材80がスムーズに回動するように円弧状に形成されている。図示の場合、この円弧状先端面80eの円弧中心は、リベット81の中心(ロック部材80の回転中心)である。
このため、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80eに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80eとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80eの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)を向くため、ロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン504がロック部材80のストッパー部80aの先端部と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン504の作用力がロック部材80にかかった状態でも、ロック部材80の弾性片80cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材80のストッパー部80aの先端部が支持突出片46から外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパー部80aの先端部の一側方が停止垂下部47aに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることはない。
また、図15(A)に示す実施形態においては、ストッパー部80aの円弧状先端面80eの円弧中心がリベット81の中心(ロック部材80の回転中心)であることにより、軸支ピン504に対し支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向の作用力Fがかかってもロック部材80に回転モーメントが生じないものについて説明したが、図15(B)に示すように、ストッパー部80aの円弧状先端面80fの曲率半径をさらに小さくし、且つロック部材80のリベット81による軸支位置を支持突出片46の内側にした場合に、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面80fに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン504と円弧状の先端面80fとの当接部分に作用する分力F1(円弧状先端面80fの円弧の法線方向)と、軸支ピン504と支持鉤穴47の傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けた場合において、分力F1によって回転モーメントが働いてロック部材80を図示の矢印方向(時計回転方向)に回転させるが、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないし、ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることもない。
つまり、図15(A)及び図15(B)に示す実施形態から理解することができる点は、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。なお、ストッパー部80aの先端面の形状が円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
上記のように構成されるロック部材80の作用について図16を参照して説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の枠支持板506(図71を参照)に形成される支持穴(図示しない)に下支持金具66の支持突起68が挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504をロック部材80のストッパー部80aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材80が弾性片80cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン504を支持鉤穴47に挿入することができる。そして、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン504とストッパー部80aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材80が弾性片80cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材80のストッパー部80aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴47の入口部分を閉塞すると同時に、ストッパー部80aの先端部分が軸支ピン504と対向して軸支ピン504が支持鉤穴47から抜け落ちないようになっている。そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片46の裏面に差し入れてロック部材80の操作部80bを反時計方向に回動することにより、ロック部材80が弾性片80cの弾性力に抗して回動し、ストッパー部80aの先端部分が支持鉤穴47から退避した状態となるため、軸支ピン504を支持鉤穴47から取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、枠支持板506に形成される支持穴と下支持金具66の支持突起68との係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取り外すことができる。
上記したように、第二実施形態に係る外枠2の上支持金具45に設けられるロック部材80は、ストッパー部80aと操作部80bと弾性片80cとが合成樹脂によって一体的に形成されているので、上支持金具45の裏面に極めて簡単に取付けることができると共に、極めて簡単な構造であるため故障も少なく且つ製造コストの低減を計ることができる。また、軸支ピン504が支持鉤穴47の傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって先端面80e,80fに当接したとき、その作用力Fの軸支ピン504と先端面80e,80fとの当接部分に作用する分力F1によってロック部材80を回転させる回転モーメントが生じない位置若しくはロック部材80をその先端部が支持突出片46の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材80の回転中心(リベット81により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材80の弾性片80cに対しても負荷がかかることはなく、合成樹脂で一体形成される弾性片80cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン504の支持鉤穴47からの脱落を防止することができると共に、ロック部材80が回転してもストッパー部80aの先端一側方が停止垂下部47aに当接するだけであるため、ロック部材80が支持突出片46の外側にはみ出ることもない。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図22を参照して説明する。図17は、扉枠の正面図であり、図18は、扉枠の背面図である。また、図19は、扉枠を右前方から見た斜視図であり、図20は、扉枠を左前方から見た斜視図である。図21は、扉枠の正面から見た分解斜視図であり、図22は、扉枠の背面から見た分解斜視図である。
図17、図18、図21及び図22に示すように、扉枠5は、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状が縦長の多角形状とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部に取付けられる横長のトップランプ電飾ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット450と、ガラスユニット450の後側下部を被覆するように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる防犯カバー470とを備えている。この扉枠5における扉枠ベースユニット100には、詳細な説明は後述するが、遊技窓101の左右両側にサイドスピーカ電飾ユニット120を備えており、このサイドスピーカ電飾ユニット120、トップランプ電飾ユニット200、及び皿ユニット300によって、遊技窓101の外周が囲まれた形態となっている。また、扉枠5には、皿ユニット300の正面視左側(開放側)に遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400が備えられている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図23乃至図31を参照して説明する。図23(A)は扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠ベースユニットの背面斜視図である。図24は、扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図25は、扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図26は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの左ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図27は、図26を後ろから見た分解斜視図である。図28は、扉枠ベースユニットにおけるサイドスピーカ電飾ユニットの右ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図29は、図28を後ろから見た分解斜視図である。更に、図30は、扉枠ベースユニットにおける球送りユニットを分解して示す分解斜視図である。また、図31(A)は扉枠ベースユニットにおけるジョイントユニットの部分を拡大して示す斜視図であり、(B)はジョイントユニットを分解して示す分解斜視図である。
図示するように、扉枠ベースユニット100は、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長で多角形状に形成された遊技窓101を有した扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左右両側に固定されるサイドスピーカ電飾ユニット120と、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強板金140と、補強板金140の後側に固定される横長の装着台160と、装着台160に固定され皿ユニット300から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ送る球送りユニット170と、扉枠ベース本体110の後側で補強板金140及び装着台160を介して固定される球送りユニット170の略下側に配置され、ハンドル装置400における操作ハンドルとしての操作ハンドル部410の回転操作を打球発射装置650へ伝達させるジョイントユニット180とを主に備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の前側で遊技窓101の左下側に固定される左下装飾基板190と、扉枠ベース本体110における皿ユニット300の球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112を閉鎖する球抜き経路カバー191と、扉枠ベース本体110の後側で遊技窓101よりも下側に固定される扉装飾駆動基板192と、扉装飾駆動基板192を後方から覆う扉装飾駆動基板カバー193と、扉枠ベース本体110の後側でジョイントユニット180の直上に固定されるハンドル中継端子板194と、遊技窓101の下側で扉枠ベース本体110の後側に形成され左下装飾基板190やハンドル中継端子板194からの配線等を収容可能な配線収容溝110bを後側から閉鎖する配線カバー195と、遊技窓101の左右上部に夫々配置され扉枠ベース本体110の後側に回動可能に軸支される止めレバー196とを備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強板金140が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、トップランプ電飾ユニット200や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
また、扉枠ベースユニット100における左下装飾基板190は、その前面に複数のLED190aが実装されており、後述する皿ユニット300の左端部を発光装飾させることができるようになっている。一方、扉装飾駆動基板192は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(各基板等に実装されたLEDやランプ、スピーカ121,391、ハンドル装置400の操作ハンドル部410内に設けられるスイッチ、貸球ユニット301、操作ボタンユニット370等)からの配線が集約して接続され、その扉装飾駆動基板192からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板4100(図166を参照)に接続されている。
[1−2A−1.扉枠ベース本体]
まず、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図24及び図25等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で多角形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強板金140の上側補強板金141、軸支側補強板金142、及び開放側補強板金143の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域を容易に形成することができるようになっている。
また、扉枠ベース本体110における遊技窓101よりも下方には、軸支側(正面視で左側)の上部に皿ユニット300の賞球連絡樋343が貫通する賞球通過口111と、賞球通過口111の下方で皿ユニット300における球抜き経路393と対応する位置に形成された球抜き経路開口112と、開放側(正面視で右側)の上部に球送りユニット170を装着するための球送り開口113と、球送り開口113のさらに開放側寄りに後述するシリンダ錠1010が挿通する錠穴114と、球送り開口113の下側でハンドル装置400のカム416が挿通可能なカム挿入開口115とが、扉枠ベース本体110を貫通するように夫々形成されている。
更に、扉枠ベース本体110には、遊技窓101の下端の左右両側に詳細は後述するが防犯カバー470の装着弾性片473を装着するための装着開口部116と、装着開口部116の夫々左右外側に配置され後述するサイドスピーカ電飾ユニット120における左右下側のサイドスピーカ121の後端を逃がすためのスピーカ用開口117とが、貫通するように夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110の後側には、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット450の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の下側で下側補強板金144の前面と略対応する位置に前側へ凹んで形成され配線を収容可能な配線収容溝110bと、カム挿入開口115が開口し前側へ向かって凹みジョイントユニット180を取付けるためのジョイントユニット装着凹部110cとを備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110d,110eが形成されており、これら扉枠突片110d,110eが、後述する本体枠3の係合溝584,585内に挿入されることで、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止されるようになっている。なお、扉枠突片110dの後方への突出量は、扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、図示するように、その前面上部に、トップランプ電飾ユニット200を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110hが備えられていると共に、その後面に、止めレバー196を回転可能に軸支するための止めレバー取付部110iが備えられている。また、その他に、扉枠ベース本体110には、サイドスピーカ電飾ユニット120、補強板金140、装着台160、皿ユニット300等を固定するための取付ボスや、取付穴が適宜位置に多数形成されている。
[1−2A−2.サイドスピーカ電飾ユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120は、扉枠5の前面で遊技窓101の左右両側を電飾(発光装飾)すると共に、遊技窓101の四隅に配置された四つのサイドスピーカ121によって所定の音楽や効果音等を遊技者に対して発することができるものであり、遊技窓の101の軸支側(正面視で左側)に配置される左サイドスピーカ電飾ユニット120Lと、遊技窓101の開放側(正面視で右側)に配置される右サイドスピーカ電飾ユニット120Rとを備えている。このサイドスピーカ電飾ユニット120は、左右のユニット夫々に、縦長の電飾部122と、電飾部122の上下に夫々配置されサイドスピーカ121を有する音響部130とを備え、略左右が対称の構成となっている。
詳述すると、サイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、図26乃至図29に分解して示すように、縦長の半円柱状で透明なサイド電飾レンズ123と、サイド電飾レンズ123の後側に配置されサイド電飾レンズ123と共に円柱を構成する透明なサイド電飾リフレクタ124と、サイド電飾リフレクタ124の後側に配置されるサイド電飾ベース125と、サイド電飾ベース125の後側に固定されるサイド装飾基板126と、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124の上端及び下端を夫々前側から包み込むように形成されサイド電飾ベース125に取付けられることでサイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124を支持するサイド電飾フラッシュカバー127と、サイド電飾フラッシュカバー127のフラッシュ開口127aを後側から閉鎖する透光性を有したフラッシュレンズ128と、フラッシュレンズ128の後側に配置されサイド電飾ベース125の前面に支持されるフラッシュ基板129とを備えている。
このサイドスピーカ電飾ユニット120の電飾部122は、サイド電飾基板126の前面に、上下方向に所定間隔で様々な色に発光可能な複数のカラーLED126aと、複数のLED126aの上下に高輝度の白色LED126bとが夫々実装されている。また、サイド電飾リフレクタ124及びサイド電飾ベース125におけるサイド電飾基板126のLED126a,126bと対応する位置には、夫々前後方向に貫通する開口部124a,125aが形成されており、サイド装飾基板126に実装されたLED126a,126bからの光が、サイド電飾ベース125の開口部125a、及びサイド電飾リフレクタ124の開口部124aを通して前方へ照射することができるようになっている。
また、電飾部122では、サイド電飾レンズ123とサイド電飾リフレクタ124の透明な円柱内の内側に、サイド電飾レンズ123の内周全体とサイド電飾リフレクタ124の内周の一部にかかるように断面略U字状のサイドレンズシート123aが配置されている。このサイドレンズシート123aは、透過光や反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートにより形成されおり、遊技者側から見ると、このサイドレンズシート123aによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124により形成された透明な円柱(パイプ)内に、あたかも蛍光管(蛍光管)が配置されたような外観を呈することができるようになっている。
更に、電飾部122では、サイド電飾リフレクタ124に、サイド装飾基板126の複数のLED126aと対応して形成された複数の開口部124aを、上下方向に三つのグループに分割する分割壁124bを備えており、この分割壁124bによって所定のLED126aからの光が他のグループへ進入するのを抑制するようにしている。つまり、分割壁124bによって、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管を上中下の三つに明確に分割することができるようになっている。従って、サイド装飾基板126に実装された複数のLED126aを適宜発光させることで、蛍光管を全体的あるいは部分的に発光させたり、上中下の各部分毎に様々な色に発光させたりすることができるようになっている。
また、サイド電飾リフレクタ124には、サイド装飾基板126における上下のLED126bと対応した位置に、前側から凹んだレンズ凹部124cが形成されており、このレンズ凹部124cに前側から半円形状のサブレンズ122a(図28及び図29を参照)が挿入されるようになっている。本例の電飾部122は、このサブレンズ122a及びLED126bにより、LED126aを発光させる前に、LED126bのみを強く発光させることで、サイド電飾レンズ123及びサイド電飾リフレクタ124によって形成される蛍光管をあたかも本物の蛍光灯のように、両端のみが光ってから点灯するような発光演出をすることができるようになっている。
更に、電飾部122は、サイド電飾フラッシュカバー127の後側に支持されるフラッシュ基板129の前面に強い光を発光可能なフラッシュライト129a(例えば、超高輝度白色LED等)が取付けられており、このフラッシュライト129aを発光させることで、閃光(フラッシュ)を遊技者側へ照射させることができるようになっている。
サイドスピーカ電飾ユニット120の音響部130は、最前部に配置され略円形のスピーカ開口131aを有したスピーカ飾り131と、スピーカ飾り131のスピーカ開口131aを後側から閉鎖するパンチングメタルからなる略円盤状のスピーカカバー132と、スピーカカバー132の後側に配置されスピーカ飾り131と協働してスピーカカバーを狭持し円形のスピーカ前支持口133aを有した飾りスペーサ133と、飾りスペーサ133のスピーカ前支持口133aを後側から閉鎖するように配置されるサイドスピーカ121と、サイドスピーカ121の外周に後側から嵌合するスピーカ嵌合口134aを有した裏押え部材134とを主に備えている。
この音響部130は、図示するように、スピーカ飾り131や飾りスペーサ133、及び裏押え部材134の形状が、取付けられる位置に応じて異なる形状とされている。具体的には、図26及び図27に示すように、正面視で左上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成された上で左側から外方へ延び出す装飾部131bを有し、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状とされると共に、裏押え部材134にはスピーカ飾り131の装飾部131bと組になる裏押え装飾部134bが形成されている。なお、左上の音響部130には、裏押え部材134の裏押え装飾部134bの上部に配置され補強板金140における上軸支部146の軸ピン145よりも下側を覆うヒンジカバー135を更に備えている。また、正面視で左下の音響部130では、スピーカ飾り131が装飾部131bを有した板状に形成されると共に、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の装飾部131bと組になるスペーサ装飾部133bを有した板状に形成され、裏押え部材134がリング状に形成されている。
一方、図28及び図29に示すように、正面視で右上の音響部130では、スピーカ飾り131が円筒状に形成されると共に、飾りスペーサ133と裏押え部材134とがスピーカ飾り131内へ挿入可能な円筒状に形成されている。また、正面視で右下の音響部130では、スピーカ飾り131が円環状に形成された上で、飾りスペーサ133がスピーカ飾り131の後面と当接するスペーサ装飾部133bを有した平板状に形成されると共に、裏押え部材134がリング状に形成されている。なお、右下の音響部130では、裏押え部材134の更に後側に、裏押え部材134を前側から挿通固定可能な貫通する裏押え部材固定口136aを有した飾りベース136を更に備えている。
本例のサイドスピーカ電飾ユニット120における四つのサイドスピーカ121は、図示するように、遊技窓101の上下左右の四隅に配置されており、蓋然的に、遊技する遊技者の頭部に対しても上下左右の位置に配置されるようになっているので、各サイドスピーカ121に対して独立した音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。なお、本例のサイドスピーカ121は、主に中音域から高音域を担当し、下部スピーカ391は、低音域を担当するものとなっている。
[1−2A−3.補強板金]
次に、扉枠ベースユニット100における補強板金140は、主に図24及び図25に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金141と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金142と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金143と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金144と、が相互にビス等で締着されて方形状に形成されている。
この補強板金140は、図24に示すように、軸支側補強板金142の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン145を有する上軸支部146と、その下面に軸ピン147(図18を参照)を有する下軸支部148と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン145,147が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
また、補強板金140の下側補強板金144は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片149となっており(図25を参照)、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片150となっているものの、その両側部の上折曲突片150に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片151となっている。下折曲突片149の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片149が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片150の突出量は下折曲突片149の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金144の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片151である。
この垂直折曲突片151は、その上端縁形状が後述するガラスユニット450のユニット枠451の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット450を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片151の上端片がガラスユニット450のユニット枠451における幅方向(前後方向)の略中央の外周に沿って形成される係合溝451cに係合するようになっている。なお、下側補強板金144には、扉枠ベース本体110に形成された賞球通過口111の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部152が形成されている。
また、補強板金140の開放側補強板金143には、上側補強板金141と下側補強板金144との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々形成されており、開放側外折曲突片153よりも開放側内折曲突片154の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、上側補強板金141には、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片155,156が夫々形成されている。更に、軸支側補強板金142には、その長辺の外側端に後方へ延び出した軸支側L字状折曲突片157が形成されている。また、開放側補強板金143の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー158が取付けられている。
[1−2A−4.装着台・球送りユニット]
次に、扉枠ベースユニット100における装着台160及び球送りユニット170について説明する。まず、装着台160は、図18、図24、及び図25に示すように、扉枠ベースユニット100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられ、防犯カバー470と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されている。この装着台160は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台160の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されており、装着台160の後面に球飛送誘導面161が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台160には、その軸支側上部に下側補強板金144に形成される賞球通過口被覆部152の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口162が形成されており、その開放側下部に球送りユニット170を取付ける球送りユニット取付凹部163が形成されている。この球送りユニット取付凹部163から斜め方向の領域が球飛送誘導面161となっている。
また、装着台160の中程下部には、後述する球抜き経路カバー191、扉装飾駆動基板192及び扉装飾駆動基板カバー193を取り外す際に指を入れることができる蓋用切欠き164が形成されていると共に、装着台160の上辺の一部には、垂直に立設される立壁165が形成されている。この立壁165は、図18に示すように、防犯カバー470を取付けたときに、防犯カバー470の前面と当接して防犯カバー470の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、この装着台160には、上述した球飛送誘導面161の下方から賞球通過口用開口162にかけて斜め状に後方へ向かって突設された防犯突片166を備えている。この防犯突片166は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
一方、球送りユニット170は、図30に示すように、球送りユニット取付凹部163に固定される箱状の本体部171と、本体部171の支持軸171aに回動可能に軸支された球送り部材172と、球送り部材172の球受部を上方へ回動させると共に回転可能に球送り部材172に軸支された錘173とを備えている。この球送りユニット170は、球送り部材172が後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動することで、皿ユニット300の第三傾斜面311cの流下端にある球を、本体部171に形成された打球供給口171bを通して発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。
なお、図中の符号174は、Eリングであり、本体部171の支持軸171aから球送り部材172が抜けるのを防止したり、球送り部材172から錘173が抜けるのを防止したりするものである。
[1−2A−5.ジョイントユニット]
続いて、扉枠ベースユニット100におけるジョイントユニット180について説明する。ジョイントユニット180は、図31に示すように、扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cの内部に収納されて横方向にスライド可能なスライド体182と、スライド体182が収納された状態でジョイントユニット装着凹部110cの前面を被覆するカバー体184とから構成されている。
扉枠ベース本体110のジョイントユニット装着凹部110cは、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面にカム挿入開口115が開設されている。また、ジョイントユニット装着凹部110cの一つの略対角線状に位置する隅部には、ジョイントユニット180のカバー体184を固定するための一対の取付穴110fが形成されている。更に、ジョイントユニット装着凹部110cの内側面の上辺及び底辺には、スライド体182の上下辺の外側面と当接してスライド体182がスムーズに移動できるようにするための円弧状の当接凸部110g(図31(B)では下辺の当接凸部110gだけを図示し、上辺の当接凸部110gは図示省略されている。)が突設されている。
一方、ジョイントユニット180のスライド体182は、ジョイントユニット装着凹部110cとカバー体184とによって形成される空間内に左右方向に移動可能に収納されるように、ジョイントユニット装着凹部110cよりも小さな後面が開放した直方体の箱状に形成され、その後面壁には、後方へ所定量突出し略水平方向に並んで配置された二つの案内突起182aと、背面視で右側の案内突起182aの下側に配置され後方へ突出する板状のスライド突片183と、二つの案内突起182aの間でスライド突片183よりも背面視で左側に後述するハンドル装置400の配線通し筒部428が貫通するように穿設された矩形状の筒部材貫通開口182bとを備えている。このスライド体182のスライド突片183は、スライド時の進行方向(背面視で右方向)が斜めにカットされた傾斜辺183aとなっている。また、スライド体182の前面壁には、ハンドル装置400における回転軸415の先端部に固定されるカム416が収納されるカム係合凹部182cがリブによってコ字形状に形成されている。そして、カム係合凹部182cを形成するリブの一部の垂直部分がカム係合凹部182c内に突出するように円弧状のリブとして形成され、その部分がカム416と当接するカム当接部182dとなっている。
また、ジョイントユニット180のカバー体184は、前面が開放した直方体の箱状に形成され、その前面にスライド体182の前面に突設される円筒ボス状の案内突起182aが挿入されてスライド体182の移動を案内する横長穴状の2つの案内横穴194aと、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183が挿通される挿通横穴184bと、操作ハンドル部410の後握り部材413の後端に取付けられてカム挿入開口115から挿入される配線通し筒部428の後端部が臨む配線開口184cと、ジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fと対応する位置から外方へ突出するように形成された取付穴184dとを備えている。この取付穴184dを介してジョイントユニット装着凹部110cの取付穴110fへ所定のビス(図示しない)を止着することで、カバー体184をジョイントユニット装着凹部110cに取付けることができるようになっている。
ジョイントユニット180のスライド体182とカバー体184とをジョイントユニット装着凹部110cに組み付けるには、ジョイントユニット装着凹部110cにスライド体182を収納し、その状態でカバー体184を前方から被覆する。被覆する際には、案内突起182aが案内横穴194aに、スライド突片183が挿通横穴184bに、夫々挿通するようにする。そして、被覆した後には、取付穴184dを介して取付穴110fにビスで螺着することにより、スライド体182を内部に収納した状態となってジョイントユニット180の組み付けが終了する。
[1−2B.トップランプ電飾ユニット]
次に、扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200について、主に図32乃至図39を参照して説明する。図32(A)はトップランプ電飾ユニットの正面斜視図であり、(B)はトップランプ電飾ユニットの背面斜視図であり、図33はトップランプ電飾ユニットを斜め前下から示す斜視図である。図34(A)はトップランプ電飾ユニットを主な構成毎に分解して前から示す分解斜視図であり、(B)は(A)を後から示す分解斜視図である。また、図35はトップランプ電飾ユニットにおけるトップランプリフレクタユニットを分解してトップランプベースと共に前から示す分解斜視図であり、図36は図35を後から示す分解斜視図である。更に、図37はトップランプ電飾ユニットにおける左回転灯を分解して示す分解斜視図であり、図38はトップランプ電飾ユニットにおける右回転灯を分解して示す分解斜視図であり、また、図39はトップランプ電飾ユニットにおける中央回転灯を分解して示す分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5におけるトップランプ電飾ユニット200は、図33にも示すように、左右方向に並んだ三つの回転灯244,264,284(所謂、パトライト(登録商標))を備えており、それら回転灯244,264,284の大きさは正面視で左側から順に大きなものが配置されている。このトップランプ電飾ユニット200は、横長で箱状のトップランプベース210と、トップランプベース210の前面に固定されると共にトップランプベース210を挟んで扉枠べースユニット100の前面上部に固定されるトップランプリフレクタユニット220と、トップランプリフレクタユニット220の前面に取付けられる左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280と、左回転灯ユニット240、右回転灯ユニット260、及び中央回転灯ユニット280の前面を夫々覆いトップランプリフレクタユニット220に取付けられる回転灯カバー201,202,203と、トップランプリフレクタユニットの略中央下面を覆うリフレクタインナ204と、を主に備えている(図34を参照)。
また、トップランプ電飾ユニット200には、トップランプベース210の前側右に固定されるトップランプ電源基板205と、トップランプベース210の後側に固定される二つのトップランプ装飾駆動基板206とを更に備えている。このトップランプ電源基板205は、トップランプ電飾ユニット200内の各基板224,226,231やLED244a,266a,231a、各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285や各基板248,268,288,296のLED、後述するガラスユニット450のLED453a等へ電源基板1136(後述する)からの電源を中継して供給するためのものである。また、トップランプ装飾駆動基板206は、トップランプリフレクタユニット220内のLEDや、中央回転灯ユニット280内のLED、及び各回転灯ユニット240,260,280のモータ245,265,285等の発光や駆動を、後述する周辺基板4010(周辺制御基板4140)からの制御信号に基いて駆動させるためのものである。
[1−2B−1.トップランプベース]
次に、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプベース210は、図35及び図36に示すように、上面及び左右側面が扉枠ベースユニット100の上辺及び左右側辺と略沿った形状とされると共に、下面が扉枠ベースユニット100の遊技窓101と略沿った形状とされ、横長で前後方向の中間で仕切られたような箱状に形成されている。このトップランプベース210は、その外周沿った位置に、後側から扉枠ベース本体110の取付ボス110hが挿通されると共に、前側からトップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する取付ボス221iの後端が嵌合して夫々を位置決めし、所定のビスが挿通可能な挿通孔を有した略筒状の取付ボス部211を複数備えている。この取付ボス部211に対して、後方から扉枠ベースユニット100の取付ボス110hの先端を挿入すると共に、前方からトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iの後端を挿入し、扉枠ベースユニット100の後側から所定のビスをトップランプリフレクタユニット220の取付ボス221iへ止着することで、トップランプベース210(トップランプ電飾ユニット200)が扉枠ベースユニット100に取付固定されるようになっている。
また、トップランプベース210には、トップランプリフレクタユニット220から後方へ突出する固定ボス221jの後端が嵌合し所定のビスが通過可能な挿通孔を有した複数の固定ボス部212が備えられている。この固定ボス部212を介して後側からトップランプリフレクタユニット220の固定ボス221jへ所定のビスを止着することで、トップランプベース210とトップランプリフレクタユニット220とを互いに組付けることができるようになっている。
更に、トップランプベース210には、正面視で右側端部付近に、トップランプ電源基板205の接続コネクタ205aが挿通可能なコネクタ開口部213を備えており、このコネクタ開口部213を介してコネクタ205aがトップランプベース210の後側から臨むようになっている。また、トップランプベース210の後側の左右には、夫々基板取付部214が備えられており、この基板取付部214にトップランプ装飾駆動基板206が取付けられるようになっている。
[1−2B−2.トップランプリフレクタユニット]
続いて、トップランプ電飾ユニット200におけるトップランプリフレクタユニット220について説明する。本実施形態のトップランプリフレクタユニット220は、図35及び図36にも示すように、トップランプベース210を前方から被覆可能とされ後側が開放された箱状のリフレクタベース221を備えている。このリフレクタベース221は、前面に三つの回転灯244,264,284が並んで取付けられる、中央の回転灯284と左右の回転灯244,264との間が、前方へ大きく突出する筒状の円筒部221aと、円筒部221aから下方へ垂下すると共に下方へ向かうに従って後方へ傾斜する傾斜部221bとによって仕切られている。このリフレクタベース221は、円筒部221aには略円形の開口部が形成されていると共に、傾斜部221bには上下方向に三つ並んだ矩形状の開口部が形成されている(図33を参照)。また、リフレクタベース210には、左右両端に前方へ突出する縦長の膨出部221eを備えており、この膨出部221eの前面に縦長に開口する矩形状のスリット221fが形成されている。このリフレクタベース211は、図示するように、二つの円筒部221a及び傾斜部221bと、二つの膨出部221eによって、三つの回転灯244,264,284の取付位置が後方へ凹んだような形状となっている。
また、リフレクタベース221は、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間(中央の回転灯284が配置される位置)が、後方へ凹んだ緩やかな湾曲面形状とされていると共に、二つの円筒部221a及び傾斜部221bとの間に、左右方向略中央を挟んだ左右に正面視で略台形状に貫通するレンズ開口部221gが形成されている。更に、リフレクタベース221には、各回転灯244,264,284を備えた各回転灯ユニット240,260,280の回転灯ユニットベース241,261,281の前端が後側から通過可能な回転灯取付口221hが形成されている。また、リフレクタベース221には、トップランプベース210の取付ボス部211と嵌合する後方へ突出した複数の取付ボス221iと、トップランプベース210の固定ボス部212と嵌合し後方へ突出した複数の固定ボス221jとを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、リフレクタベース221には、トップランプベース210を介さずに、扉枠ベースユニット100へ直接取付けられる取付ボス221kも備えられている。
ところで、トップランプリフレクタユニット220は、リフレクタベース221の他に、リフレクタベース221の後側で左右方向略中央に固定される一対のトップインナレンズ222と、トップインナレンズ222の後側でリフレクタベース221のレンズ開口部221gと対応した位置に配置される一対のレンズシート223と、レンズシート223の後側に配置され前面に複数のカラーLED224aが実装された一対のリフレクタ装飾基板224と、リフレクタベース210における円筒部221a内に後側から挿入され開口部221cを閉鎖する透明な丸レンズ225と、丸レンズ225及びトップインナレンズ222を挟んでリフレクタベース210の円筒部221a及び傾斜部221bの後側に配置され前面にLED226aが実装された一対の仕切装飾基板226とを備えている。
このトップインナレンズ222は、透明な樹脂により形成されており、リフレクタベース221のレンズ開口部221gを閉鎖する略台形で湾曲面状の湾曲レンズ部222aと、リフレクタベース221における傾斜部221bの三つの開口部221dを閉鎖する仕切レンズ部222bと、丸レンズ225の後端と当接する丸レンズ支持部222cとを備えている。なお、湾曲レンズ部222aの上下辺には鋸状の拡散レンズ部222dが形成されており、湾曲レンズ部222aとは異なる態様で発光することができると共に、発光していない時でも前側からの光を乱反射させることができるようになっている。
また、トップインナレンズ222には、拡散レンズ部222dの後側から後方へ板状に突出する突出片222eと、上下の突出片に挟まれ湾曲レンズ部222aの後側にレンズシート223を支持する支持凹部222fとが形成されている。なお、図示するように、リフレクタ装飾基板224では複数のLED224aが、トップインナレンズ222の突出片222eと対応した位置に列設されていると共に、トップインナレンズ222の湾曲面レンズ部222aと対応した位置にも分散配置されている。これにより、トップインナレンズ222の湾曲レンズ部222aと拡散レンズ部222dとでは、夫々異なる態様で発光させることができるようになっている。
なお、レンズシート223は、リフレクタ装飾基板224に実装されたLED224aからの透過光や、他の光源等からの反射光を、パール状或いは彩光状に見せる公知の光学シートとされている。また、仕切装飾基板226に実装されたLED226aは、超高輝度LEDとされており、強い閃光を発することができるようになっている。
更に、トップランプリフレクタユニット220には、リフレクタベース221の左右の膨出部221eに形成された縦長のスリット221fを閉鎖するトップサイドレンズ227と、トップサイドレンズ227の上端を前側から固定するトップサイドレンズ押え228と、トップサイドレンズ227及びリフレクタベース221の後側に配置されるレンズシート229と、リフレクタベース221の後側に固定されることでレンズシート229を狭持するトップサイド基板ベース230と、トップサイド基板ベース230に固定されレンズシート229を介して前方のトップサイドレンズ227へ光を照射可能なカラーLED231aが前面に実装されたトップサイド基板231とを更に備えている。
このトップサイドレンズ221は、透明な樹脂により平面視でく字状に形成されると共に、上下の端部に夫々係止片227a,227bが形成されており、下端の係止片227bをリフレクタベース221におけるスリット221fの下端と係止させた上で、上端の係止片227aをトップサイドレンズ押え228により押えることで、リフレクタベース221に取付けられるようになっている。また、トップサイドレンズ221の後側に配されるレンズシート229は、上記のレンズシート223と同様の光学シートで形成されていると共に、図示するように、湾曲状に形成されており、リフレクタベース221に取付けられることで、トップサイドレンズ227の後側に、あたかも円柱状の蛍光管が配置されているような外観を呈することができるようになっている。
また、トップサイド基板ベース230は、図示するように、縦長の矩形枠状に形成され、その枠内を通して後側に固定されるトップサイド基板231のLED231aからの光が、レンズシート229及びトップサイドレンズ227を介して前面へ光を照射することができるようになっている。
[1−2B−3.回転灯ユニット]
次に、トップランプ電飾ユニット200における三つの回転灯ユニット240,260,280について説明する。まず、左回転灯ユニット240は、図37に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口241aを有し、その開口241aがリフレクタベース221の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース241と、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース241の上面に固定される略円環状の回転部ベース242と、回転部ベース242と同軸上に配置され回転部ベース242の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア243と、回転灯ベースギア243から垂下するようにその下面に固定される回転灯244と、回転灯ベースギア243の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸245aが回転灯ユニットベース241の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース241の下面に固定される左回転灯モータ245と、左回転灯モータ245の回転軸245aに固定され回転灯ベースギア243と噛合する伝達ギア246と、回転灯ベースギア243の全体及び伝達ギア246の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア243を回転部ベース242と協働して軸支し、回転灯ユニットベース241に固定される回転部ホルダ247と、回転灯ベースギア243と同軸上で回転部ホルダ247の下面に固定され、下方の回転灯244へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した左回転灯基板248と、を備えている。
また、左回転灯ユニット240は、回転部ホルダ247を上方から覆う回転灯ユニットカバー249と、回転灯244の回転位置を検出する左回転位置検出センサ250と、左回転位置検出センサ250が実装された左回転位置検出基板251と、を更に備えている。
この左回転灯ユニット240の回転灯ユニットベース241は、その上面に開口241aの内周に略沿って形成された取付段部241bと、開口241aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部241cと、開口241aの後側に配置され左回転灯モータ245を固定するモータ固定部241dとを備えており、この取付段部241b内に上方から回転部ベース242が嵌合するようになっている。また、回転部ベース242には、回転灯ユニットベース241の開口241aと同軸上で小径の軸支口242aと、回転灯ベースギア243の外周よりも外側となる上面の所定位置に左回転位置検出基板251の下端を支持する基板支持部242bと、基板支持部242bよりも後方に配置され左回転灯基板248及び左回転位置検出基板251に接続される配線を係止する配線係止部242cとを備えている。
また、回転灯ベースギア243は、外径が回転部ベース242の軸支口242aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース242の軸支口242a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴243aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片243bとを備えている。この回転灯ベースギア243の軸筒の外径は、回転部ベース242の軸支口242aの内径よりも若干小径とされており、軸支口242a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア243が軸支口242aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、左回転灯ユニット240では、回転灯ベースギア243の回転位置検出片243bを、左回転位置検出センサ250で検出することで、回転灯244の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ247は、図示は省略するが、回転部ベース242の軸支口242aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア243の軸支穴243a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア243の軸支穴243aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア243の軸支穴243aへ挿入することで、回転灯ベースギア243をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の左回転灯ユニット240では、回転部ベース242の軸支口242a、回転灯ベースギア243のギア軸筒及び軸支穴243a、回転部ホルダ247のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア243が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ247のホルダ軸筒の下端に、左回転灯基板248が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ247には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース242の基板支持部242bと対応する位置に、左回転位置検出基板251の上端を支持する基板支持部が形成されており、左回転位置検出基板251が回転部ベース242と回転部ホルダ247とで狭持固定されるようになっている。
また、左回転灯ユニット240の回転灯244は、図示するように、回転灯ベースギア243の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ252と、回転灯レンズ252の下側に配置され回転灯ベースギア243の下面に固定されるリフレクタ253と、リフレクタ253を覆うリフレクタカバー254とで構成されている。この回転灯244のリフレクタ253は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部253aと、ベース部253aの中央に穿設された開口部253bと、ベース部253aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部253cと、ベース部253aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア243と当接可能な複数の取付ボス253dと、を備えている。
この回転灯244は、リフレクタ253の開口部253bから回転灯レンズ252の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ252にはリフレクタ253の取付ボス253dを挿通可能な挿通孔252aが形成されており、挿通孔252aに取付ボス253dを挿通させた上で、取付ボス253dを回転灯ベースギア243へ固定することで、回転灯レンズ252が回転灯ベースギア243とリフレクタ253との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯244のリフレクタカバー254は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ253における反射部253cの内面側と対向する側面に開口部254aが形成されている。
続いて、右回転灯ユニット260は、図38に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口261aを有し、その開口261aがリフレクタベース221の左側の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース261と、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース261の上面に固定される略円環状の回転部ベース262と、回転部ベース262と同軸上に配置され回転部ベース262の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア263と、回転灯ベースギア263から垂下するようにその下面に固定される回転灯264と、回転灯ベースギア263の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸265aが回転灯ユニットベース261の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース261の下面に固定される右回転灯モータ265と、右回転灯モータ265の回転軸265aに固定され回転灯ベースギア263と噛合する伝達ギア266と、回転灯ベースギア263の全体及び伝達ギア266の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア263を回転部ベース262と協働して軸支し、回転灯ユニットベース261に固定される回転部ホルダ267と、回転灯ベースギア263と同軸上で回転部ホルダ267の下面に固定され、下方の回転灯264へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した右回転灯基板268と、を備えている。
また、右回転灯ユニット260は、回転部ホルダ267を上方から覆う回転灯ユニットカバー269と、回転灯264の回転位置を検出する右回転位置検出センサ270と、右回転位置検出センサ270が実装された右回転位置検出基板271と、を更に備えている。
この右回転灯ユニット260の回転灯ユニットベース261は、その上面に開口261aの内周に略沿って形成された取付段部261bと、開口261aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部261cと、開口261aの後側に配置され右回転灯モータ265を固定するモータ固定部261dとを備えており、この取付段部261b内に上方から回転部ベース262が嵌合するようになっている。また、回転部ベース262には、回転灯ユニットベース261の開口261aと同軸上で小径の軸支口262aと、回転灯ベースギア263の外周よりも外側となる上面の所定位置に右回転位置検出基板271の下端を支持する基板支持部262bと、基板支持部262bよりも後方に配置され右回転灯基板268及び右回転位置検出基板271に接続される配線を係止する配線係止部262cとを備えている。
また、回転灯ベースギア263は、外径が回転部ベース262の軸支口262aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース262の軸支口262a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴263aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片263bとを備えている。この回転灯ベースギア263の軸筒の外径は、回転部ベース262の軸支口262aの内径よりも若干小径とされており、軸支口262a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア263が軸支口262aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、右回転灯ユニット260では、回転灯ベースギア263の回転位置検出片263bを、右回転位置検出センサ270で検出することで、回転灯264の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ267は、図示は省略するが、回転部ベース262の軸支口262aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア263の軸支穴263a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア263の軸支穴263aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア263の軸支穴263aへ挿入することで、回転灯ベースギア263をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の右回転灯ユニット260では、回転部ベース262の軸支口262a、回転灯ベースギア263のギア軸筒及び軸支穴263a、回転部ホルダ267のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア263が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ267のホルダ軸筒の下端に、右回転灯基板268が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ267には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース262の基板支持部262bと対応する位置に、右回転位置検出基板271の上端を支持する基板支持部が形成されており、右回転位置検出基板271が回転部ベース262と回転部ホルダ267とで狭持固定されるようになっている。
また、右回転灯ユニット260の回転灯264は、図示するように、左回転灯ユニット240の回転灯244よりも全体的に大きく、回転灯ベースギア263の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ272と、回転灯レンズ272の下側に配置され回転灯ベースギア263の下面に固定されるリフレクタ273と、リフレクタ273を覆うリフレクタカバー274とで構成されている。この回転灯264のリフレクタ273は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部273aと、ベース部273aの中央に穿設された開口部273bと、ベース部273aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部273cと、ベース部273aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア263と当接可能な複数の取付ボス273dと、を備えている。
この回転灯264は、リフレクタ273の開口部273bから回転灯レンズ272の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ272にはリフレクタ273の取付ボス273dを挿通可能な挿通孔272aが形成されており、挿通孔272aに取付ボス273dを挿通させた上で、取付ボス273dを回転灯ベースギア263へ固定することで、回転灯レンズ272が回転灯ベースギア263とリフレクタ273との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯264のリフレクタカバー274は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ273における反射部273cの内面側と対向する側面に開口部274aが形成されている。
次に、中央回転灯ユニット280は、図39に示すように、上下方向に貫通する円形状の開口281aを有し、その開口281aがリフレクタベース221の左右方向中央の回転灯取付口221hから前側へ突出した位置となるようにリフレクタベース221の後側に固定される回転灯ユニットベース281と、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上に配置され回転灯ユニットベース281の上面に固定される略円環状の回転部ベース282と、回転部ベース282と同軸上に配置され回転部ベース282の上面に摺動回転可能に載置される回転灯ベースギア283と、回転灯ベースギア283から垂下するようにその下面に固定される回転灯284と、回転灯ベースギア283の軸線と略平行でリフレクタベース221の回転灯取付口221hよりも後側の軸線上に配置され回転軸285aが回転灯ユニットベース281の上面から上方へ突出するように回転灯ユニットベース281の下面に固定される中央回転灯モータ285と、中央回転灯モータ285の回転軸285aに固定され回転灯ベースギア283と噛合する伝達ギア286と、回転灯ベースギア283の全体及び伝達ギア286の一部を上方から覆うと共に回転灯ベースギア283を回転部ベース282と協働して軸支し、回転灯ユニットベース281に固定される回転部ホルダ287と、回転灯ベースギア283と同軸上で回転部ホルダ287の下面に固定され、下方の回転灯284へ向かって発光可能な高輝度カラーLED(図示は省略)を有した中央回転灯基板288と、を備えている。
また、中央回転灯ユニット280は、回転部ホルダ287を上方から覆う回転灯ユニットカバー289と、回転灯284の回転位置を検出する中央回転位置検出センサ290と、中央回転位置検出センサ290が実装された中央回転位置検出基板291と、を更に備えている。
この中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットベース281は、その上面に開口281aの内周に略沿って形成された取付段部281bと、開口281aよりも後側の位置で下方へ向かって垂下しリフレクタベース211の後側に取付けられる取付部281cと、開口281aの後側に配置され中央回転灯モータ285を固定するモータ固定部281dとを備えており、この取付段部281b内に上方から回転部ベース282が嵌合するようになっている。また、回転部ベース282には、回転灯ユニットベース281の開口281aと同軸上で小径の軸支口282aと、回転灯ベースギア283の外周よりも外側となる上面の所定位置に中央回転位置検出基板291の下端を支持する基板支持部282bと、基板支持部282bよりも後方に配置され中央回転灯基板288及び中央回転位置検出基板291に接続される配線を係止する配線係止部282cとを備えている。
また、回転灯ベースギア283は、外径が回転部ベース282の軸支口282aよりも大径の円環状の平歯車とされ、下面から下方へ向かって延び回転部ベース282の軸支口282a内に挿通可能な円筒状のギア軸筒(図示は省略)と、ギア軸筒よりも小径で上下方向に貫通する軸支穴283aと、下面の外周から半径方向外方へ突出した回転位置検出片283bとを備えている。この回転灯ベースギア283の軸筒の外径は、回転部ベース282の軸支口282aの内径よりも若干小径とされており、軸支口282a内へ挿入されることで、回転灯ベースギア283が軸支口282aと略同軸上に回転することができるようになっている。また、中央回転灯ユニット280では、回転灯ベースギア283の回転位置検出片283bを、中央回転位置検出センサ290で検出することで、回転灯284の回転位置を検出することができるようになっている。
更に、回転部ホルダ287は、図示は省略するが、回転部ベース282の軸支口282aと同軸上となる位置に下方へ突出し回転灯ベースギア283の軸支穴283a内へ挿通可能な円筒状のホルダ軸筒が形成されている。このホルダ軸筒の外径は、回転灯ベースギア283の軸支穴283aよりも若干小径とされており、ホルダ軸筒を回転灯ベースギア283の軸支穴283aへ挿入することで、回転灯ベースギア283をホルダ軸筒と略同軸上に回転させることができるようになっている。つまり、本例の中央回転灯ユニット280では、回転部ベース282の軸支口282a、回転灯ベースギア283のギア軸筒及び軸支穴283a、回転部ホルダ287のホルダ軸筒によって、回転灯ベースギア283が回転可能に軸支されている。なお、回転部ホルダ287のホルダ軸筒の下端に、中央回転灯基板288が固定されるようになっている。また、回転部ホルダ287には、図示は省略するが、その下面の回転部ベース282の基板支持部282bと対応する位置に、中央回転位置検出基板291の上端を支持する基板支持部が形成されており、中央回転位置検出基板291が回転部ベース282と回転部ホルダ287とで狭持固定されるようになっている。
また、中央回転体ユニット280の回転灯294は、図示するように、その大きさが左回転灯ユニット240の回転灯244と、右回転灯ユニット260の回転灯264との中間の大きさとされ、回転灯ベースギア283の下側に配置される透明な円盤状の回転灯レンズ292と、回転灯レンズ292の下側に配置され回転灯ベースギア283の下面に固定されるリフレクタ293と、リフレクタ293を覆うリフレクタカバー294とで構成されている。この回転灯284のリフレクタ293は、表面に金属光沢を有したメッキ処理が施されており、円盤状のベース部293aと、ベース部293aの中央に穿設された開口部293bと、ベース部293aの下面から下方へ垂下する湾曲状の反射部293cと、ベース部293aの上面から上方へ延びだし上端が回転灯ベースギア283と当接可能な複数の取付ボス293dと、を備えている。
この回転灯284は、リフレクタ293の開口部293bから回転灯レンズ292の下面が臨むようになっていると共に、回転灯レンズ292にはリフレクタ293の取付ボス293dを挿通可能な挿通孔292aが形成されており、挿通孔292aに取付ボス293dを挿通させた上で、取付ボス293dを回転灯ベースギア283へ固定することで、回転灯レンズ292が回転灯ベースギア283とリフレクタ293との間に狭持固定されるようになっている。また、回転灯284のリフレクタカバー294は、平面視で略正八角形状とされ、上方が開放された箱状となっていると共に、リフレクタ293における反射部293cの内面側と対向する側面に開口部294aが形成されている。
ところで、本実施形態の中央回転灯ユニット280は、図示するように、回転部ホルダ287と回転灯ユニットカバー289との間に、回転灯ユニットカバー289の前側の三つの側面に形成された複数の切欠き部289a内へ後側から挿入される複数の突出部295aを有したカバーレンズ295と、カバーレンズ295の後側に配置され表面に複数のカラーLED296aが実装されたカバー装飾基板296とを更に備えている。これらカバーレンズ295及びカバー装飾基板296は、回転部ホルダ287の前端に形成された溝状のレンズ支持部287a及び基板支持部287bに夫々下端が支持されると共に、回転灯ユニットカバー289に形成された図示しない溝状のレンズ支持部及び基板支持部に夫々上端が支持されることで取付けられるようになっている。本例では、カバー装飾基板296のLEDを発光させることで、中央回転灯ユニット280の回転灯ユニットカバー289の前端を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C.皿ユニット]
次に、扉枠5における皿ユニット300について、主に図40乃至図63を参照して説明する。図40は皿ユニットの正面斜視図であり、図41は皿ユニットの背面斜視図であり、図42は皿ユニットの平面図である。図43は、図42におけるA−A断面図である。図44は皿ユニットの皿奥板を取外した状態で示す背面図であり、図45は皿ユニットの皿奥板及び貸球ユニットを取外した状態で後から示す斜視図である。また、図46は皿ユニットを主な構成部品毎に分解して前から示す分解斜視図であり、図47は図46を後ろから示す分解斜視図である。また、図48は皿ユニットにおける皿ユニット本体を分解して前から示す分解斜視図であり、図49は図48を後ろから示す分解斜視図である。更に、図50は皿ユニットにおける第一球抜き機構を示す背面図であり、図51は皿ユニットにおける第二球抜き機構を後から示す斜視図である。また、図52は皿ユニットにおける操作ボタンユニットを分解して示す分解斜視図であり、図53は皿ユニットにおける操作ボタンユニットの操作ボタンユニット基板を取外した状態の底面図であり、図54は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを下から示す底面斜視図であり、図55は皿ユニットにおける操作ボタンユニットのメインボタンを分解して示す分解斜視図である。
また、図56は扉枠に取付けられたハンドル装置の断面図であり、図57はハンドル装置を構成する操作ハンドル部とジョイントユニットとの関係を示す斜視図であり、図58はハンドル装置における操作ハンドル部の分解斜視図である。更に、図59は操作ハンドル部とジョイントユニットの動作を説明するための動作図であり、図60はハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図であり、図61はハンドル装置と打球発射装置とを連結する状態を説明するための断面図である。更に、図62(A)は皿ユニット内での遊技球の流れを示す説明図であり、(B)は皿ユニット内での第二球抜き口と遊技球の流れとの関係を示す説明図である。また、図63は、皿ユニットにおける横長の球流入口と貯留皿との関係を示す説明図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する払出手段としての賞球ユニット800から払出され遊技球を貯留することができると共に、貯留した遊技球を球送りユニット170を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。この皿ユニット300は、図46及び図47にも示すように、上方及び後方が開放され所定量の遊技球を貯留可能な貯留皿311を有した皿体310と、皿体310の前面を覆う皿ユニット本体320と、皿ユニット本体320及び皿体310の後面を覆う板状の皿奥板340と、皿体310の貯留皿311に貯留された遊技球を全て排出可能な第一球抜き機構350と、皿体310の貯留皿に貯留された遊技球の一部残して排出可能な第二球抜き機構360と、パチンコ機1に隣接して設置された図示しない球貸し機(CRユニットとも称す)を作動させる貸球ユニット301と、皿体310の上面に固定され遊技状態(遊技状況)によって遊技者が操作可能な操作ボタンユニット370と、皿体310の下側で皿ユニット本体320と皿奥板340との間に配置され扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大型の下部スピーカ391を有した下部スピーカユニット390と、皿ユニット本体320の正面視右下隅に配置されるハンドルベース303と、ハンドルベース303に支持され遊技球の打込操作をするためのハンドル装置400とを主に備えている。なお、符号302は、後述する皿ユニット本体320における皿電飾基板336と接続される電気配線を覆う配線カバーである。また、図示するように、皿奥板340の正面視で左側には、皿ユニット本体320の左端を発光装飾させる左下装飾基板190が配置されている。
この皿ユニット300における貸球ユニット301は、図示するように、左右方向の略中央で皿奥板340の上辺に固定されており、貸球ボタン301aと、貸球ボタン301aの横に配置された返却ボタン301bと、貸球ボタン301aと返却ボタン301bとの間に配置され球貸し機に現金やプリペイドカードの残数を表示する貸出残表示器(図示せず)と、を備えている。この貸球ユニット301は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン301aを押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の貯留皿311内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン301bを押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。
また、皿ユニット300における操作ボタンユニット370のメインボタン371及び二つのサブボタン372は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置1400等で行われる遊技内容(遊技演出)に遊技者が参加する際に操作するものである。
[1−2C−1.皿体]
まず、皿ユニット300における皿体310は、図示するように、平面視で左端から全体の略2/3を占め上方及び後方に開放された所定深さの貯留皿311と、貯留皿311内の底部の所定位置に配置され上下方向に貫通する第二球抜き口312と、貯留皿312の右端から貯留皿311と連続し第三傾斜面311cの下流側に配置されると共に遊技球が流通可能とされ遊技球を第二球抜き口312の略直下まで誘導可能な第一球抜き経路313(図44及び図47を参照)と、貯留皿311の右側で略菱形状に上方へ開放し操作ボタンユニット370を装着可能な操作ボタンユニット装着凹部314と、操作ボタンユニット装着凹部314の後側で略円形状に開口し第一球抜き機構350の第一球抜きボタン351が装着される第一球抜きボタン装着口315と、第一球抜きボタン装着口315の略直下に配置され第一球抜き機構350を支持する第一球抜き機構支持部316と、を主に備えている。
この皿体310における貯留皿311は、皿奥板340の球流入口341の前面に配置され平面視で右側及び前側へ向かって低くなる第一傾斜面311aと、第一傾斜面311aの右側端部の後部と連続し右側及び後側へ向かって低くなる第二傾斜面311bと、第二傾斜面311bの右側端部と連続し奥皿板340の球供給口342へ向かって低くなる第三傾斜面311cと、第一傾斜面311aの右側端部の前部及び第二傾斜面311bの前側端部と連続し右側及び第二傾斜面311bへ向かって低くなる第四傾斜面311dと、第四傾斜面311dの右側端部と連続し第四傾斜面311dへ向かって低くなる第五傾斜面311eと、を備えている(図42及び図43等を参照)。
また、貯留皿311には、第五傾斜面311eの後側端部から上方へ立上り遊技球が越境不能とされた仕切壁311fと、仕切壁311fと第三傾斜面311cとの間に配置され第三傾斜面311cへ向かって低くなる第六傾斜面311gとを更に備えている。なお、第二球抜き口312は、第一傾斜面311aと第二傾斜面311bとの間に配置されている。また、第二球抜き口312は、通常は第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364により閉鎖された状態となっている。
本実施形態の貯留皿311では、図示するように平面視で、第一傾斜面311aは、貯留皿311の大きさの略半分を占める大きさの四角形状(台形状)とされていると共に、第二傾斜面311bは、左右方向の長さが貯留皿311の長さの約1/4で前後方向の奥行きが第三傾斜面311cへ向かって狭くなるような変五角形状とされ、更に、第三傾斜面311cは、前後方向の奥行きが遊技球の外径よりも若干大きい横長の区形状とされている。また、第四傾斜面311dは、左右方向の長さが第二傾斜面311bと略同じ長さで第二傾斜面311bへ向かうに従って長さが短くなる四角形状(台形状)とされている。更に、第五傾斜面311eは、その後側端部が左端部から右方向へ第三傾斜面311cと略平行に所定距離延びた上で後方の第三傾斜面311cへ向かって斜めに延びた後に仕切壁311fを挟んで第三傾斜面311cに沿って延びると共に、前側端部(右側端部)が後側端部の右端部へ向かって右方向へ向かうに従って後方へ向かうように延び、全体として逆へ字状に形成されており、仕切壁311fが第五傾斜面311eの後側端部に沿って形成されている。
また、この貯留皿311は、図示するように、第一傾斜面311aの左側端部と前側端部、第四傾斜面311dの前側端部、及び第五傾斜面の前側端部(右側端部)から上方へ立上る外周壁311hを備えており、この外周壁311hにより貯留皿311が皿体310の上面から下方へ所定量凹んだ形態となっている。また、貯留皿311の外周壁311hは、第一傾斜面311a、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eの前側端部では右方向へ向かうに従って前方へ向かうような緩い円弧状に形成されており、球流入口341から第一傾斜面311a上へ流入した遊技球が、外周壁311hにおける球流入口341と対向する位置と当接すると、第五傾斜面311eの方向へ反射して第五傾斜面311d上へ流通するようになっている。また、第五傾斜面311eは、球流入口341から貯留皿311内へ流入してきた遊技球が登坂可能な緩斜面とされており、第五傾斜面311eの右端部まで登坂した後に、その向きを変えて第四傾斜面311dの方向(左方向)へ流下するようになっている。つまり、本例の貯留皿311は、球流入口341から流入した遊技球を、一旦第五傾斜面311eへ迂回させてから球供給口342への供給路となる第三傾斜面311cへ流入させるようになっている。
また、貯留皿311における第六傾斜面311gは、他の傾斜面311a〜311eと比較して傾斜角度が急になっており、その下流側となる第三傾斜面311c上で複数の遊技球を球供給口342へ向かって左右方向へ一列に整列させ易くすることができるようになっている。なお、第三傾斜面311cには、ステンレス製のレール体304が装着されるようになっており、流通する遊技球による耐摩耗性を向上させるようにしていると共に、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
更に、貯留皿311の第三傾斜面311cは、図44及び図47に示すように、その右側端部が、斜め右下へ潜り込んだ上で下方へ垂下し後側が開放された溝状に形成されていると共に第一球抜き経路313と連続するように形成されており、第一球抜き経路313と連続することで左右方向に対して折り返すような流路が形成されている。この第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分は、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356により流路が閉鎖されるようになっており、この第一球抜きスライド356に望むように皿奥板340の球供給口342が開口している。これにより、第三傾斜面311cを流下してきた遊技球が、第一球抜きスライド356により流下を遮られることで、球供給口342側へと流通するようになっている。
なお、皿体310における第一球抜き機構支持部316には、第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の横(正面視で右側、図44では左側)に第一球抜きスライド356が左右方向へスライド可能に挿入配置されるスライド溝316a、スライド溝316aを挟んで第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の反対側には後述する第一球抜きバネ357の下端部を係止する鉤部316bとが形成されている。
[1−2C−2.皿ユニット本体]
次に、皿ユニット300における皿ユニット本体320は、図48及び図49に示すように、皿ユニット300の前面を構成し皿体310と下部スピーカユニット390の前面を被覆し上方及び後方が開放された箱状の本体部321を備えている。この本体部321は、正面視で左側の約3/4が前方へ膨出したような形態となっており、この膨出した部分の内側(後側)に下部スピーカユニット390が収容されるようになっている。また、本体部321には、その膨出した部分の前面の中央右寄りで下部スピーカユニット390の下部スピーカ391と対応する位置に貫通するように形成されたスピーカ用開口321aと、スピーカ用開口321aの左側に形成されたダミー開口321bと、ダミー開口321bの左側に形成された第二球抜きボタン用開口321cとが夫々貫通するように形成されている。更に、本体部321には、右下隅部にハンドルベース303を取付けるための楕円形状のハンドルベース取付口321dと、ハンドルベース取付口321dの上側に配置され後述するシリンダ錠1010が臨む錠用開口321eと、ハンドルベース取付口dの左側で前側へ膨出した部分の右側面に開口する区形状のダクト用開口321fと、左右方向の略中央下部に開口する区形状の球排出口321gと、を備えている。
また、皿ユニット300における皿ユニット本体320には、本体部321のスピーカ用開口321aとダミー開口321bとを前側から覆う前面裏板322と、前面裏板322のスピーカ用開口322aを通して本体部321のスピーカ用開口321aと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切り落とされた板状の右カバー323と、右カバー323の前面の略中央に配置され右カバー323よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の右飾りベース324と、右飾りベース324の前面の略中央に配置され右飾りベース324よりも小型で板状の右飾り325と、前面裏板322における本体部321のダミー開口321bと対応する前面に配置されパンチングメタルからなり四隅が切落とされた板状の左カバー326と、左カバー326の前面の略中央に配置され左カバー326よりも小型で表面に金属光沢のメッキ処理が施された板状の左飾りベース327と、左飾りベース327の前面の略中央に配置され左飾りベース327よりも小型で板状の左飾り328と、本体部321のスピーカ用開口321a、ダミー開口321b、及び第二球抜きボタン用開口321cの周縁を装飾する枠状の前面本体329と、を主に備えている。この皿ユニット本体320における前面裏板322には、本体部321のスピーカ用開口321aへ望むように貫通する複数の透孔322aが形成されており、これら透孔322a及び右飾りベース323のパンチング孔(図示は省略)を介して下部スピーカ391からの音を外部へ良好に伝達させることができるようになっている。
また、本例の皿ユニット本体320は、左下装飾基板190の前側で本体部321の左端に固定される本体左飾りベース330と、本体左飾りベース330の前面に固定され表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体左飾り331と、を更に備えている。この本体左飾りベース330は、透光性を有しており、本体左飾りベース330の後側に配置される左下装飾基板190のLED190aによって発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット本体320は、本体部321のダクト用開口321fを覆うパンチングメタルからなる板状のダクト用カバーと、ダクト用カバーが表面から臨むようなダクト用切欠き部333aが形成され、本体部321における前側へ膨出した部分の右側面全体を覆うと共に表面に金属光沢のメッキ処理を施した本体右飾り333と、を更に備えている。
また、皿ユニット本体320は、本体部321の上縁に沿って配置され上下方向に貫通する横長のスリット334aを複数有し、表面に金属光沢のメッキ処理が施された本体上飾り334と、本体上飾り334の下側で本体部321内に配置され、本体上飾り334のスリット334a内へ挿入される導光部335aを有した上飾りレンズ335と、上飾りレンズ335の下側に配置され上面に複数のカラーLED336aが実装された皿電飾基板336と、を備えている。この皿電飾基板336のLED336aを適宜発光させることで、上飾りレンズ335を介して本体上飾り334、つまり、皿ユニット本体320の上縁を発光装飾させることができるようになっている。
[1−2C−3.皿奥板]
続いて、皿ユニット300における皿奥板340は、図46及び図47等に示すように、全体が横長の板状に形成され、正面視で左上隅部に配置され横長の区形状で前後方向に貫通する球流入口341と、球流入口341よりも右下方向へ所定距離はなれて配置され遊技球が通過可能な区形状で貫通する球供給口342と、球流入口341と連通し後方へ延出する角筒状の賞球連絡樋343と、を主に備えている。この皿奥板340の球流入口341は、図43等に示すように、皿体310の貯留皿311内へ向かって開口すると共に、左右方向の長さが貯留皿311の第一傾斜面311aの長さと略同じ長さとされている。また、球供給口342は、貯留皿311における第三傾斜面331cの右端で第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356と対応した位置に配置されている。また、賞球連絡樋343は、球流入口341に対して正面視で左端に偏った位置に配置されていると共に、左右方向の長さが球流入口341の長さに対して約半分の長さとされ、後端が扉枠ベース本体110の賞球通過口111を貫通して後述する満タンユニット900における前方誘導通路920の流下端(前端)の出口921と連通するようになっている。
また、皿奥板340は、賞球連絡樋343の前端が球流入口341に対して後方へ所定量控えた位置に配置されており、球流入口341と賞球連絡樋343との間に、球流入口341の左右方向全長に亘って延び遊技球が流通可能な棚部344を更に有している。この棚部344により賞球連絡樋343を流通してきた遊技球を、貯留皿311の第二球抜き口312よりも下流側へ流入させることができるようになっている。
更に、奥皿板340は、後述する下部スピーカユニット390の球抜き経路393と対応し略L字状に貫通した球抜き経路用開口345と、球抜き経路用開口345の正面視左上で球流入口341(皿体310における第二球抜き口312)の下側に配置され、後述する第二球抜き機構360のラッチユニット366の後端が挿通される区形状に貫通したラッチ用開口346と、正面視で右上隅部に配置され略区形状に貫通する配線挿通口347と、球流入口341と配線挿通口346との間で奥皿板340の上辺に配置され貸球ユニット301を取付けるための貸球ユニット取付部348と、を備えている。
[1−2C−4.第一球抜き機構]
次に、皿ユニット300における第一球抜き機構350は、図44、図45及び図50等に示すように、遊技者が押圧操作する第一球抜きボタン351と、第一球抜きボタン351を上下方向へスライド可能に支持すると共に皿体310の第一球抜きボタン装着口315に対して下側から挿入される第一球抜きボタンベース352と、第一球抜きボタンベース352の上部に皿体310を挟んで第一球抜きボタン351が上方へ突出するように固定される第一球抜きボタン装飾体353と、第一球抜きボタン装飾体353と第一球抜きボタンベース352とで支持された第一球抜きボタン351の下端の正面視で右側(図50では左側)となる皿体311の第一球抜き機構支持部316の位置に支持される回動軸354と、回動軸354に回動可能に軸支され一端側が第一球抜きボタン351の下端部と当接すると共に他端側が下方へ延出した逆L字状の第一球抜きクランク355と、第一球抜きクランク355の他端側の下端と当接可能とされると共に皿体311の第一球抜き機構支持部316に略左右方向へスライド可能に支持され、皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖可能な第一球抜きスライド356と、第一球抜きクランク355が所定方向へ回動するように付勢する第一球抜きバネ357と、を備えている。
この第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356は、皿体310における第一球抜き機構支持部316のスライド溝316a内に挿入配置されることで左右方向へスライドすることができるようになっていると共に、その状態で、第一球抜きクランク355が回動することで第一球抜きクランク355の他端側の下端によって左右方向へスライドさせられるようになっている。この第一球抜きスライド356は、左右方向へスライドすることで先端部が皿体310の第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内に対して進退することができるようになっており、境界部分へ前進して流路を閉鎖すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を球供給口342へ供給することができ、境界部分から後退して流路を開放すると第三傾斜面311cを流通してきた遊技球を第一球抜き経路313側へ供給(排出)することができるようになっている。
また、第一球抜きクランク355には、回動軸354を挟んで第一球抜きボタン351の下端部と当接する一端側とは反対側に第一球抜きバネ357の上端部を係止する鉤部355aが形成されている。この第一球抜きバネ357は、その上端部を第一球抜きクランク355の鉤部355aに係止すると共に、下端部を皿体310における第一球抜き機構支持部316の鉤部316bに係止することで、第一球抜きクランク355を、第一球抜きスライド356が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分を閉鎖する位置、及び第一球抜きボタン351が最も上昇した位置となる方向へ回動するように付勢することができるようになっている。
この第一球抜き機構350は、遊技者によって第一球抜きボタン351が押圧されると、第一球抜きボタン351の下端部と当接する当接ピン355bを介して、第一球抜きクランク355が第一球抜きバネ357の付勢力に抗してその一端側が下方へ移動する方向へ回動すると共に、その他端側が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へ移動する。そして、第一球抜きスライド356が第一球抜きクランク355の下端と共に第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分から遠ざかる方向へと移動し、第一球抜きスライド356の先端が境界部分の流路内から後退して第三傾斜面311cと第一球抜き経路313とが連通した状態となり、第三傾斜面311cつまり貯留皿311内の全ての遊技球を、第一球抜き経路313を介して外部へ排出することができるようになっている。
なお、第一球抜きボタン351の押圧を解除すると、第一球抜きバネ357の付勢力により第一球抜きクランク355が回動して、第一球抜きボタン351が上昇すると共に、第一球抜きスライド356の先端が第三傾斜面311cと第一球抜き経路313との境界部分の流路内へ前進してその流路を閉鎖し、第三傾斜面311c上(貯留皿311内)の遊技球を、球供給口342を介して打球発射装置650へ供給することができるようになっている。
[1−2C−5.第二球抜き機構]
続いて、皿ユニット300における第二球抜き機構360は、図51等に示すように、皿ユニット本体320における本体部321の第二球抜きボタン用開口321cから前方へ向かって突出する第二球抜きボタン361と、第二球抜きボタン361が先端に嵌合固定され後述する下部スピーカユニット390によって前後方向へスライド可能に支持された第二球抜きスライド362と、第二球抜きスライド362の前後方向の移動を伝達し下部スピーカユニット390により左右方向へ延びる軸回りに回動可能に軸支された棒状の第二球抜きクランク363と、第二球抜きクランク363の回動により皿体310における第二球抜き口312を閉鎖する閉位置と第二球抜き口312を開放する開位置との間で上下方向へ延びる軸周りに回動可能とされた第二球抜きシャッター364と、第二球抜きシャッター364を第二球抜き口312が閉鎖される閉位置へ付勢する第二球抜きバネ365と、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きシャッター364を開位置へ保持可能なラッチユニット366と、第二球抜きシャッター364の下面を摺動可能に支持すると共に第二球抜き口312と対応した開口部367aを有し、皿体310の下側に固定される第二球抜きベース367と、第二球抜きスライド362の後端を摺動可能に保持すると共にラッチユニット366を支持し、後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392と協同して第二球抜きクランク363を回動可能に軸支する第二球抜き機構支持体368(図44及び図47を参照)と、を備えている。
この第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362には、その後端部に上方へ開放され第二球抜きクランク363の下端部が挿入される伝達溝362aと、後端部から後方へ突出しラッチユニット366の係合爪366aと係合可能な係合突起362bとを備えている。また、第二球抜きクランク363は、略上下方向へ延びた棒状の部材とされ、その下端部が第二球抜きスライド362の伝達溝362a内へ上方から挿入されると共に、上下方向の略中間部分で下部スピーカユニット390のスピーカボックス392により回動可能に軸支されている。而して、第二球抜きスライド362が前後方向へスライドすると、その伝達溝362aのスライドに伴って第二球抜きクランク363の下端部が移動し、第二球抜きクランク363が回動すると共に、第二球抜きクランク363の上端部が下端部とは反対方向へ移動するようになっている。
また、第二球抜きシャッター364は、図示するように、第二球抜きスライド362よりも上方に配置され、皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aを閉鎖可能な平面視略半円形状(D字状)で板状の閉鎖部364aと、閉鎖部364aから左右方向の一方(正面視で左方向、図51では右方向)へ延びる棒状の棹部364bとを備えており、全体として略P字状に形成されている。また、この第二球抜きシャッター364は、棹部364bの先端が皿体310と第二球抜きベース367とによって上下方向へ延びる軸周りに回動可能に軸支されていると共に、棹部364bの後側で左右方向の略中間部分に、第二球抜きクランク363の上端部が当接するようになっている。更に、第二球抜きシャッター364における棹部364bの後側基端部分に第二球抜きバネ365の前端部が係止されるようになっている。なお、図示は省略するが、第二球抜きバネ365の後端部は、皿体310の下面から下方へ垂下する係止ボスに係止されるようになっており、第二球抜きバネ365により、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する閉位置(図51に示す位置)となるように付勢されている。
また、第二球抜き機構360の第二球抜きベース367は、開口部367aと第二球抜きシャッター364を軸支する位置との間に、第二球抜きクランク363の上端部が通過可能な前後方向へ延びるスリット367bを備えており、このスリット367bを介して第二球抜きベース367の下側で軸支された第二球抜きクランク363の上端部が、第二球抜きベース367の上面に配置された第二球抜きシャッター364の棹部364bと当接することができるようになっている。なお、第二球抜きベース367は、図示するように、浅い皿状に形成されており、皿体310とで第二球抜きシャッター364を収容する収容空間を形成することができるようになっている。また、第二球抜きシャッター364を収容する収容空間の高さは、遊技球の外径よりも小さく低い高さとされており、第二球抜きシャッター364が回動して第二球抜き口312が開状態となっても、皿体310と第二球抜きベース367との間に遊技球が進入しないようになっている。
本実施形態の第二球抜き機構360は、遊技者が皿ユニット本体320の前面から前方へ突出する第二球抜きボタン361を押すと、第二球抜きスライド362が後方へスライドすると共に、第二球抜きスライド362の伝達溝362aに案内されて第二球抜きクランク363の下端部が後方へと移動するように第二球抜きクランク363が回動する。そして、第二球抜きクランク363が回動することでその上端部が下端部とは反対方向の前方へ移動することとなり、第二球抜きクランク363の上端部と当接する第二球抜きシャッター364が、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して棹部364bの先端を中心として閉鎖部364aが前方へ移動するように回動する。このようにして閉鎖部364aが前方へ移動して皿体310の第二球抜き口312及び第二球抜きベース367の開口部367aが開放されると、貯留皿311における第二球抜き口312よりも上流側に貯留された遊技球が第二球抜き口312を通って皿ユニット300の下方外部へ排出されることとなる。
なお、本例の第二球抜き機構360には、ラッチユニット366を備えており、第二球抜きボタン361を押して第二球抜きスライド362の後端の係合突起362bがラッチユニット366における一対の係合爪366aの間に当接すると、一対の係合爪366aが係合突起362bを挟むように閉じて係合し、第二球抜きバネ365の付勢力に抗して第二球抜きボタン361が押された状態、つまり、第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aにより第二球抜き口312が開いた(開放され)位置に保持することができるようになっている。この状態で、第二球抜きボタン361を押すと、ラッチユニット366の一対の係合爪366aが開いて、係合突起362bとの係合が解除され、第二球抜きバネ365の付勢力により第二球抜きシャッター364の閉鎖部364aが第二球抜き口312を閉鎖する位置へと復帰できるようになっている。
[1−2C−6.操作ボタンユニット]
次に、皿ユニット300における操作ボタンユニット370は、図52乃至図55等に示すように、皿ユニット300における皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるものであり、平面視で正方形の四隅を切落とした八角形状のメインボタン371と、メインボタン371の左右両側に夫々対称に配置され平面視でホームベース形状の左サブボタン372L及び右サブボタン372Rからなる一対のサブボタン372と、メインボタン371とサブボタン372を上下方向へ摺動可能に保持すると共に皿体310の操作ボタン装着凹部314内へ挿入される操作ボタンユニットベース373と、操作ボタンユニットベース373の上面を装飾する板状の操作ボタンユニット装飾部材374と、操作ボタンユニットベース373の下側に固定され操作ボタンユニット370を発光装飾させるカラーLED375aが上面に複数実装された操作ボタンユニット基板375と、を備えている。
また、操作ボタンユニット370には、メインボタン371の操作を検出するメインボタンセンサ376と、左サブボタン372Lの操作を検出する左サブボタンセンサ377Lと、右サブボタン372Rの操作を検出する右サブボタンセンサ377Rと、を更に備えている。これらメインボタンセンサ376、左サブボタンセンサ377L及び右サブボタンセンサ377Lは、夫々発光部と受光部とを備えたフォトセンサとされており、操作ボタンユニット基板375の所定位置に夫々固定されている。
この操作ボタンユニット370における操作ボタンユニットベース373には、図示するように、平面視で略菱形形状とされ、メインボタン371を上方から収容可能なメインボタン収容凹部373aと、メインボタン収容部373aの内周面に形成されメインボタン371を上下方向へ案内するために上方が開放された上下方向へ延びる複数の案内溝373bと、メインボタン収容凹部373aの底面に形成された略円形状の開口部373cと、メインボタン収容凹部373aの外周に沿って所定幅で開口し下側に配置された操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を上面側へ導く複数の導光用開口部373dと、サブボタン372を上方から収容可能な一対のサブボタン収容凹部373eと、長軸の対角線上隅部に形成されたネジ挿通孔373fと、操作ボタンユニットベース373の上面を形成する板状の天板部373gと、天板部373gの外周に沿って下面から下方へ外周を囲うように垂下する板状の側壁部373hと、を主に備えている。
この操作ボタンユニットベース373は、天板部373gと側壁部373hとにより、下面が開放された箱状に形成されており、この天板部373gの所定位置に、メインボタン収容凹部373a、複数(ここでは、八個)の導光用開口部373d、二つのサブボタン収容凹部373e、及び二つのネジ挿通孔373fが夫々開口している。また、操作ボタンユニットベース373は、メインボタン収容凹部373aは、案内溝373bが形成されていないところの厚さが肉厚に形成されており、内壁面と底面の強度・剛性が高められていると共に、メインボタン収容凹部373aの外周に形成された各導光用開口部373dが、夫々上下方向に長い筒状に形成されており、これら筒状の導光用開口部373dの外周壁によってもメインボタン収容凹部373aが補強されている(図53を参照)。
また、メインボタン371は、図54及び図55に示すように、メインボタン371の上面を形成し透光性を有したメインボタンレンズ371aと、メインボタンレンズ371aを支持し上下が開放された筒状のメインボタンベース371bと、メインボタンベース371bの下側に配置される振動体371cと、振動体371cを包み込むと共にメインボタンベース371bの下側に取付ビス371dを介して固定される振動体ホルダ371eと、を備えている。なお、図示は省略するが、メインボタン371には、上端がメインボタンベース371aの下側側面に当接すると共に、下端が操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面と当接し、メインボタン371が上昇するように付勢するメインボタンバネを備えている。
このメインボタン371におけるメインボタンレンズ371aは、平面視が八角形状で下面が開放された箱状に形成され、表面側が滑らかな形状とされているのに対して、裏面側には複数の小レンズ部が形成されており、操作ボタンユニット基板375のLED375aからの光を広く拡散させて、メインボタン370の表面全体が略均一に発光装飾させることができるようになっている。
また、メインボタンベース371bは、図示するように、上端側の外形がメインボタンレンズ371と同様の八角形状とされているのに対して、上下方向の略中間部から下端側が下方へ窄まる円錐形状とされており、下端部が操作ユニットボタンベース373におけるメインボタン収容凹部373aの底面に形成された開口部373cから下方へ延出して操作ボタンユニット基板375の中央に配置されたLED375a群の直上に位置することができるようになっている。また、メインボタンベース371bには、対向する二辺から下方へ延出するメイン係止爪371fと、操作ボタンユニットベース373の案内溝373b内へ挿入される上下方向に延びた複数の案内凸条371gと、を備えている。このメインボタンベース371bのメイン係止爪371fが、操作ボタンユニットベース373におけるメインボタン収容凹部373a内の係止部(図示は省略する)に係止されることで、メインボタン371がメインボタンバネの付勢力によりメインボタン収容凹部373aから抜け出るのを防止することができるようになっている。
更に、メインボタンベース371bは、一方のメイン係止爪371fの内側に、振動体ホルダ371e及び取付ビス371dを介して振動体371cを取付けられるようになっていると共に、振動体371cを取付ける部位の内側に、メインボタンセンサ376によって検出される検出片371h(図54を参照)が形成されている。
本例のメインボタン371は、メインボタンバネの付勢力に抗してメインボタン371を下方へ押すと、メインボタンベース371bの検出片371hがメインボタンセンサ376の発光部と受光部との間に進入してその操作がメインボタンセンサ376により検出されるようになっている。また、メインボタン371は、メインボタンセンサ376により操作が検出されると、振動体371cが作動するようになっており、振動体371cの作動によってメインボタン371が振動することで、遊技者に対してメインボタン371の操作が受付けられていることを認識させることができると共に、メインボタン371の振動により遊技者を驚かせることができるようになっている。なお、操作ボタンユニット基板375には、実装されたLED375aからの光によってメインボタンセンサ376が誤作動するのを防止するための遮光板375bが取付けられている。
また、操作ボタンユニット370のサブボタン372は、平面視が略二等辺直角三角形状で透光性を有したサブボタンレンズ372aと、サブボタンレンズ372aを平面視がホームベース状の上面に支持し操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内へ上方から収容されるサブボタンベース372bと、サブボタンベース372bとサブボタン収容凹部373eの底面との間でサブボタンレンズ372aの下方に配置されサブボタンベース372bを上昇させる方向へ付勢するサブボタンバネ372cと、を備えている。このサブボタン372のサブボタンベース372aには、サブボタンバネ372cを挟んた前後に下方へ垂下するサブ係止爪372dと、ホームベース状の長辺から下方へ垂下する板状の案内壁部372eと、案内壁部372eの下端から更に下方へ延出する検出片372fと、を備えている。
このサブボタン372は、サブ係止爪372dが、操作ボタンユニットベース373におけるサブボタン収容凹部373e内の係止部(図示は省略する)に係止されるようになっており、サブ係止爪372dが係止部に係止されることで、サブボタン372がサブボタンバネ372cの付勢力によりサブボタン収容凹部373eから抜け出るのを防止することができるようになっている。また、サブボタン372は、サブボタンバネ372cの付勢力に抗して下方へ押されると、サブボタンベース372bの検出片372fがサブボタンセンサ377の発光部と受光部との間に進入してサブボタン372の操作がサブボタンセンサ377により検出されるようになっている。
更に、操作ボタンユニット370の操作ボタンユニット装飾部材374は、図示するように、平面視形状が略菱形で板状に形成されており、メインボタン371のメインボタンレンズ371a及び二つのサブボタン372のサブボタンレンズ372aが通過可能な開口部374aが形成されていると共に、操作ボタンユニットベース373の導光用開口部373dと対応する位置に透光性を有した装飾部材レンズ374bが備えられている。また、長軸の対角線上隅部には、図示しない取付ビスが上方から挿通可能な取付孔374cが穿設されており、この取付孔374c及び操作ボタンユニットベース373のネジ挿通孔373fを介して所定の取付ビスにより操作ボタンユニット370が皿体310へ取付固定されるようになっている。なお、本例では、操作ボタンユニット装飾部材374の上面には、二つの取付孔374cを隠すネジ隠し378が貼付けられるようになっている。
本実施形態の操作ボタンユニット370は、上述したように、操作ボタンユニットベース373が、メインボタン収容凹部373a、導光用開口部373d、及び側壁部373hによって三重の筒状に形成されており、強度及び剛性が高められているので、メインボタン371等を叩いたりして強く操作されても、操作ボタンユニット370が破損し難くなっている。また、操作ボタンユニット370は、皿体310の操作ボタン装着凹部314に対して上方から装着固定されるようになっており、万が一、操作ボタンユニット370が破損したり不具合が発生したりした場合でも、皿体310の上方から簡単に着脱して交換することができるようになっている。更に、操作ボタンユニット370は、皿体310を介してその下側が後述する下部スピーカユニット390のスピーカボックス392に支持(載置)されているので、メインボタン371等からの耐衝撃性や耐荷重性が更に高められており、操作ボタンユニット370のみならず皿ユニット300全体が破損し難くなっている。
[1−2C−7.下部スピーカユニット]
続いて、皿ユニット300における下部スピーカユニット390は、図46及び図47に示すように、扉枠ベースユニット100におけるサイドスピーカ電飾ユニット120のサイドスピーカ121よりも大径の下部スピーカ391と、下部スピーカ391を正面視における前面右寄りの位置で、皿ユニット本体320における本体部321のスピーカ用開口321aの後側となる位置に保持する箱状のスピーカボックス392と、を主に備えている。本実施形態の下部スピーカユニット390は、スピーカボックス392の内部空間が開放口392aを通して外部へ開放されたバスレフ型スピーカとされており、下部スピーカ391のスピーカ径に対してより重低音を発することができるようになっている。
このスピーカボックス392の開放口392aは、皿ユニット本体320における本体部321のダクト用開口321fに望む位置に形成されており、下部スピーカ391の振動によりスピーカボックス392内を出入りする空気の流れが、ダクト用開口321fを介して出入りするようになっている。また、下部スピーカ391の駆動(振動)によりダクト用開口321fを介して出入りする空気の流れは、ハンドル装置400における操作ハンドル部410の握り部材412,413を通るように形成されており、操作ハンドル部410を操作する遊技者の手に下部スピーカ391からの空気の流れ(風)を当てることができ、遊技者に対してこれまでにない感触を与えて、楽しませることができるようになっている。なお、下部スピーカ391に対して、人間の可聴帯域よりも低い周波数の音響信号を送ることで、ダクト用開口321fから風だけを遊技者に当てることができ、メインボタン371の振動体371cと合わせて、これまでの遊技機にない触感演出を楽しませることができるようになっている。
また、スピーカボックス392には、その後面に、皿体310の第一球抜き経路313及び第二球抜き口312の下流に配置され、第一球抜き経路313及び第二球抜き口312を流通してきた遊技球を、スピーカボックス392の左右方向略中央の下部に誘導する球抜き経路393を備えている。この球抜き経路393は、後方が開放された略L字状に形成されており、皿ユニット300における奥皿板340の球抜き経路用開口345を介して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球抜き経路用開口111を閉鎖する球抜き経路カバー191によって後側が閉鎖されるようになっている。また、球抜き経路393を流通した遊技球は、皿ユニット本体320における本体部321の球排出口321gから、皿ユニット300の下方へ排出されるようになっている。
更に、スピーカボックス392には、正面視で左側上部に第二球抜き機構360の第二球抜きスライド362の前端を前後方向へ摺動可能に保持する第二球抜きスライド保持孔394と、第二球抜きスライド保持孔394の後側に配置され第二球抜き機構360の第二球抜き機構支持体368を支持する第二球抜き機構支持部395と、を備えている。これら、第二球抜きスライド保持孔394及び第二球抜き機構支持部395によって、第二球抜き機構360を所定位置に支持することができるようになっている。
[1−2C−8.ハンドル装置]
次に、皿ユニット300におけるハンドル装置400は、図56乃至図58等に示すように、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部410と、操作ハンドル部410に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部410の回動操作に応じて回転する回転軸415と連携され且つ回転軸415の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット180と、から構成されている。
まず、操作ハンドル部410は、扉枠5における皿ユニット300の皿ユニット本体320における本体部321のハンドルベース取付口321dから前方へ突出するように取付けられる円筒状のハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿入固定される。このハンドル支持筒部303aは、パチンコ機1の上方から見た平面視で外側(右側)に向くように傾斜して形成されているため、ハンドル支持筒部303aに挿入固定される操作ハンドル部410も平面視で外側に傾斜(換言するならば、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されることになる。このように、操作ハンドル部410を平面視で外側に向けて傾斜させることにより、遊技者が操作ハンドル部410を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行いやすいという利点がある。そして、本実施形態においては、後述するように、操作ハンドル部410を傾斜設置しても、操作ハンドル部410の回転軸415の回転運動がスムーズに伝達されて打球発射装置650の弾発力を調整することができる構造が採用されている。なお、操作ハンドル部410のハンドル支持筒部303aへの挿入後、ハンドル支持筒部303aと操作ハンドル部410(正確には、後握り部材413)とをビス等で連結して操作ハンドル部410がハンドル支持筒部303aから引き抜きできないようになっている。
また、操作ハンドル部410は、図58に示すように、前握り部材412と、後握り部材413と、前握り部材412と後握り部材413との間で回動自在に軸支される回動操作部材414と、回動操作部材414にその一端部が固定される直線円柱状の回転軸415と、回転軸415の他端部に固定されるカム416と、から構成されている。後握り部材413は、ハンドル支持筒部303aに嵌合される小径部と小径部の前方の大径部とが一体的に形成され、その中心に回転軸415が貫通される軸貫通穴418が形成されている。回転軸415が軸貫通穴418に挿通される際には、軸受ブッシュ417が軸貫通穴418の後端に嵌めこまれ、その軸受ブッシュ417に回転軸415が挿通される。一方、軸受ブッシュ417を介して軸貫通穴418に貫通された回転軸415は、後握り部材413の前面側に固定される固定軸受部材423の軸受穴424を貫通して回動操作部材414の中心に形成される軸嵌合穴426に嵌合される。
また、後握り部材413の前面側には、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422を固定するための突起や取付穴(共に図示しない)が設けられると共に、単発ボタン421が揺動自在に支持される揺動ピン(図示しない)が形成され、それらの突起や取付穴及び揺動ピンにタッチセンサ420、発射停止スイッチ422及び単発ボタン421が取付けられている。そして、それらが取付けられた状態でタッチセンサ420や発射停止スイッチ422からの配線が纏められて後握り部材413の軸貫通穴418の側方に形成される配線通し穴419を有した配線通し筒部428及び配線開口184c(図31を参照)から扉枠5の裏面に導き出され、ハンドル中継端子板194(図24及び図25を参照)に接続されるようになっている。このハンドル中継端子板194からの配線は、上述した下補強板36に沿って取付けられており、後述する払出制御基板1186に電気的に接続されるようになっている。また、固定軸受部材423と回動操作部材414との間には、付勢スプリング425が回転軸415に周設されるように設けられ、この付勢スプリング425が回動操作部材414を常に元の位置に復帰させるようになっている。更に、回動操作部材414の軸嵌合穴426の外側にはスイッチ接触凸部427が突設され、回動操作部材414が付勢スプリング425の付勢力により元位置にある場合に、スイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータに接触して発射停止スイッチ422をOFFとし、回動操作部材414が遊技者によって回動操作されるとスイッチ接触凸部427が発射停止スイッチ422のアクチュエータと離れてONとする。また、発射停止スイッチ422がONとなっている状態で単発ボタン421が揺動可能になるので、単発ボタン421を押圧することにより、発射停止スイッチ422のアクチュエータをOFF操作することができるようになっている。
なお、回動操作部材414の外周表面には、導電性のメッキが施されており、遊技者が回動操作部材414に接触することによりタッチセンサ420が接触を検出するようになっている。そして、遊技者が回動操作部材414を回動して発射停止スイッチ422がONとなり且つタッチセンサ420が接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図91を参照)が回転駆動されるようになっている。
また、回転軸415の先端に固定されるカム416は、勾玉状に形成され、回転軸415の回転にしたがって後述するジョイントユニット180のスライド体182(図31及び図59を参照)のカム当接部182dを押圧して一方向にスライドさせるようになっている。そして、本実施形態においては、この回転軸415の先端に固定されるカム416とジョイントユニット180のスライド体182との連携構造によって前述したような操作ハンドル部410の平面視での傾斜状取付けが可能となっている。
上述したように、操作ハンドル部410を扉枠5の前面側からハンドルベース303のハンドル支持筒部303aに挿通支持し、ジョイントユニット180を扉枠5の裏面側からジョイントユニット装着凹部110cに取付けることにより、図56に示すように、回転軸415の先端部に固定されるカム416がスライド体182のカム係合凹部182cに収納されるようになっている。この場合、操作ハンドル部410が平面視で傾斜状に取付けられることにより、カム416も扉枠5の垂直面に対して傾斜状となっているが、カム係合凹部182cが前後方向に所定の空間幅を有しているので、傾斜したカム416の全体をカム係合凹部182cの空間内に収納できるようになっている。また、その収納状態は、図59(A)に示すように、カム416の回転中心がカム当接部182dの側方に位置し、勾玉状のカム416の先端がカム係合凹部182cの下方空間内に位置するようになっている。
上述した状態で操作ハンドル部410の回動操作部材414を遊技者が回動操作すると、回転軸415が回動し、それにつれてカム416も回転するので、図59(B)に示すように、カム係合凹部182cのカム当接部182dとカム416の一側外形面(回転前方の外形面)との当接によってスライド体182が一方向(図59の場合には、図示の右側方向)にスライド移動する。つまり、回転軸415の回転運動がスライド体182のスライド運動に変換される。このため、図59(A)に示す初期状態(回動前)におけるカム416の回転中心とスライド体182のスライド突片183の進行方向の端辺との距離S1が、カム416の最大限の回転によって距離S1よりも大きな距離S2となる。つまり、スライド体182のスライド突片183が「S2−S1」の距離だけスライドすることになる。そして、ジョイントユニット180のスライド突片183のスライド移動が、図57、図60、図61に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図91を参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置400と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
なお、操作ハンドル部410の内部から配線通し穴419、配線通し筒部428及び配線開口184cを通って扉枠5の裏面に導出された配線は、扉枠5の裏面下辺に沿って軸支側に引き回され、その後、本体枠3の裏面側に取付けられる基板ユニット1100に集約して取付けられる払出制御基板1186の操作ハンドル用端子1194(図132を参照)に接続されるようになっている。
[1−2C−9.皿ユニットの作用効果]
続いて、本実施形態の皿ユニット300の貯留皿311内における遊技球の流れについて図62及び図63を主に参照して説明する。本例では、後述する賞球ユニット800から払出された遊技球が、満タンユニット900、奥皿板340の賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入するようになっており、球流入口341から流入した遊技球が、初めに第一傾斜面311aへと流入するようになっている。この第一傾斜面311aは、前側及び正面視右側が低くなるように形成されており、球流入口341から第一傾斜面311aへ流入した遊技球は、第一傾斜面311aの傾斜に沿って貯留皿311の前側外周を囲う外周壁311hの球流入口341と略対向する位置と当接することとなる。外周壁311hのこの位置は、球流入口341が形成された皿裏板340の面に対して曲線状に傾斜しており、外周壁311hに当接した遊技球は、正面視で右方向へ反射するようになっている。
そして、球流入口341から貯留皿311内へ流入して外周壁311hで右方向へ反射した遊技球は、第四傾斜面311dを越えて第五傾斜面311eへと進入する。この第五傾斜面311eは、正面視で左側、つまり、第四傾斜面311d側が低くなると共に、その傾斜角度が第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が登坂可能な緩い斜度とされており、第四傾斜面311dを越えて第一傾斜面311aから進入してきた遊技球が、第五傾斜面311eを上りながら第五傾斜面311eの上部(平面視で右側端部)へと流通することとなる。また、この第五傾斜面311eは、前側から右側端部を巡って後側までが外周壁311hと仕切壁311fとによって仕切られており、第五傾斜面311eへ進入した遊技球は、その周りを囲う外周壁311h及び仕切壁311fに略沿うように第五傾斜面311e内を巡って第五傾斜面311eの左側に配置された第四傾斜面311d側へ戻るようになっている。
第五傾斜面311eから第四傾斜面311dへ進入した遊技球は、第四傾斜面311dの傾斜に従って第四傾斜面311dの後側にある第二傾斜面311bへと流通し、更に、第二傾斜面311bから右側の第三傾斜面311cへと進入して、第三傾斜面311cの下流端に配置された皿裏板340の球供給口342から球発射装置650へと供給されるようになっている。つまり、球供給口341から貯留皿311内へ流入した遊技球は、第一傾斜面311aから第二傾斜面311bを介して直接第三傾斜面311cへ向わずに、第一傾斜面311aから第四傾斜面311dを介して第五傾斜面311eへ一旦進入した上で、第四傾斜面311e及び第二傾斜面311bを介して第三傾斜面311cへ至るようになっており、球流入口341から流入した遊技球を迂回させることができるようになっている。
これにより、貯留皿311の全体を有効に使って複数の遊技球を貯留することができ、従来のパチンコ機のように貯留の少ない状態で貯留され遊技球が球流入口341を塞いでしまうことで、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、遊技球の払出しが停止してしまったり、球発射装置650での遊技球の発射動作が停止してしまったりして遊技が中断してしまうのを良好に防止することができるようになっている。
ところで、本例の皿ユニット300の貯留皿311に多くの遊技球が貯留されることで球流入口341が貯留された遊技球によって閉鎖されて、皿裏板340の賞球連絡樋343と賞球ユニット800との間に配置された満タンユニット900内で遊技球が滞留すると、満タンユニット900の満タンスイッチ916が作動して、賞球ユニット800からの遊技球の払出しを停止したり、球発射装置650での遊技球の発射動作を停止したりするようになっており、特に球発射装置650の発射動作が停止されると遊技を中断せざる負えなくなるので、遊技者は、貯留皿311に貯留された遊技球が適宜の量となったら第一球抜きボタン351や第二球抜きボタン361を操作して、貯留皿311から遊技球を皿ユニット300の下方に配置した容器(例えば、ドル箱)へ排出する必要がある。なお、本例では、満タンスイッチ916が作動すると、貯留皿311内が満タンである旨を遊技者に案内してから球発射装置650の発射動作を停止させるようになっている。
この貯留皿311内から遊技球を排出するには、皿ユニット300の上面に配置された第一球抜きボタン351を操作する(押す)と、第一球抜き機構350の第一球抜きスライド356がスライドして、第三傾斜面311cの下流端と第一球抜き経路313との間の閉鎖を解除し、第三傾斜面311cの遊技球を第一球抜き経路313へと流下させ、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている。この第一球抜きボタン351の操作により、貯留皿311における最も低い位置となる第三傾斜面311cの下流端から遊技球を抜くことができるので、貯留皿311内から全ての遊技球を排出することができるようになっている。しかしながら、第一球抜きボタン351の操作による球抜きでは、第三傾斜面311cにおいて遊技球が一列に整列されるので、球抜きに時間がかかる問題がある。
そこで、皿ユニット300の前面左側に配置された第二球抜きボタン361を操作する(押す)と、第二球抜き機構360の第二球抜きシャッター364が移動して貯留皿311内の第二球抜き口312が開放され、貯留皿311内における第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が第二球抜き口312を通り、球抜き経路393を介して球排出口321gから皿ユニット300の下方へと排出することができるようになっている(図62(B)を参照)。この第二球抜き口312は、図示するように、遊技球の外径よりも数倍大きい開口とされており、一度に多くの遊技球を素早く排出することができるようになっている。従って、第一球抜きボタン351と第二球抜きボタン361の二つのボタンの存在により、遊技者に対して球抜きにかける時間の長短を選択させることができるようになっている。また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図111を参照)の機能が作動して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技球の打球動作が停止して遊技が継続できなくなったりする虞れがあり、このような場合に、第二球抜きボタン361の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
また、本例の皿ユニット300では、第二球抜きボタン361を操作すると、第二球抜き機構360のラッチユニット366により、第二球抜きシャッター364が開位置で保持され、第二球抜き口312が開いたままの状態とすることができるようになっている。この状態で第二球抜き口312よりも上流側の遊技球が排出されて、第一傾斜面311a上の遊技球が殆どなくなると、球流入口341から流入する遊技球は、上述したように、外周壁311hで反射して第五傾斜面311eの方向へ流通しようとし、第四傾斜面311dや第五傾斜面311e、及び第二球抜き口312よりも下流側の第二傾斜面311bや第三傾斜面311c上に遊技球が供給されるようになっている。従って、球発射装置650の発射動作により第三傾斜面311c上の遊技球が消費されても、球流入口341から貯留皿311内へ遊技球が流入して来る限り、第二傾斜面311b、第四傾斜面311d、及び第五傾斜面311eを介して第三傾斜面311cへ遊技球が供給されると共に、遊技球の発射動作を停止させて流入してきた遊技球が多くなれば第二球抜き口312から輩出されることとなるので、第二球抜き口312を開放したままでも、常に貯留皿311内に一定量の遊技球を確保して、遊技を継続させることができるようになっている。つまり、大当り遊技中等の遊技球の払出しが連続するような状態でも、貯留皿311内の遊技球の量を気にすることなく遊技を続けることができるようになっている。
本例の皿ユニット300では、皿体310の貯留皿311は、図63等に示すように、その底面が第一傾斜面311a、第二傾斜面311b、第三傾斜面311cが連続して正面視で右方向(球供給口342)へ向うに従って低くなるようになっているのに対して、皿奥板340の球流入口341は、略水平に左右方向へ長く延びた矩形状とされているので、蓋然的に、貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間に段差が形成されるようになっていると共に、その段差が正面視右方向へ向うほど大きくなるようになっている。この貯留皿311の底面と球流入口341の底辺との間の段差は、球流入口341の左端では殆ど段差がない状態となっており、球流入口341の右端では遊技球の外径よりも若干高い段差となっている。これにより、賞球連絡樋343を介して前後方向へ略真直ぐに流入してきた遊技球は、主に段差の少ない球流入口341の中央寄りも左側の部分を通って貯留皿311内へ流入することとなるので、段差の少ない分、球流入口341から貯留皿311へ落下する遊技球の位置エネルギー(落下エネルギー)も小さく、貯留皿311へ与える負荷を軽減させて貯留皿311が破損するのを防止することができるようになっている。
ところで、貯留皿311内での遊技球の貯留量が多くなって第一傾斜面311a上にも多くの遊技球が貯留されるようになると、賞球連絡樋343を介して球流入口341から貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球を横から押すような形となり、各遊技球に横方向の力が作用することで遊技球同士が押し合った状態となる。その状態で、球供給口342を介して貯留皿311(第三傾斜面311c)内の遊技球が消費されると、第三傾斜面311cの上流付近(第二傾斜面311b)で遊技球の流路の幅が狭くなると、遊技球同士が押し合って遊技球の流動性が低下し球詰りが発生する場合があるが、本例では、上述したように、球流入口341が左右方向へ延びた矩形状とされているので、賞球連絡樋343からの遊技球が棚部344を通って第二傾斜面311bへ直接流入し、第三傾斜面311cへ遊技球を供給することができるようになっている(図62(B)を参照)。
また、球流入口341の左右方向中央よりも右側の部分は、球流入口341の下辺が貯留皿311の底面に対して遊技球の外径よりも高くなっているので、棚部344を介して貯留皿311内へ流入する遊技球が、貯留皿311内に貯留された遊技球の上側に流入することとなり、遊技球同士が横方向へ押し合うのを抑制して遊技球の流動性が低下すのを防止することができると共に、上から流入する遊技球により下側の遊技球(特に皿奥板340の前面と当接した遊技球)は横方向への移動が促され、自然と球詰りを解消させることができるようになっている(図63を参照)。
このように、本例の貯留皿300は、貯留皿311内に貯留された遊技球の量が多くなっても、賞球ユニット800から払出された遊技球を、横長の球流入口341の棚部344を介して貯留皿311内に貯留された遊技球の上側へ流入させるようにしているので、貯留皿311内で遊技球の球詰りが発生するのを良好に防止することができ、貯留皿311内の遊技球を気にすることなく遊技を継続させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2D.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット450について、主に図64乃至図66を参照して説明する。図64はガラスユニットの正面斜視図であり、図65はガラスユニットを分解して前から示す分解斜視図であり、図66は図65を後から示す分解斜視図である。このガラスユニット450は、図示するように、遊技窓101よりも大きな開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠451と、ユニット枠451の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板452と、二枚のガラス板452の間でユニット枠451の内周に添って配置される帯状のガラス装飾基板453と、を備えている。
このガラスユニット450におけるユニット枠451は、後方側が開放されガラス装飾基板453が挿入される基板挿入溝451aと、基板挿入溝451aからユニット枠451の内周側へ向って開口する複数の開口部451bと、ユニット枠451の前後方向略中央の外周に形成された係止溝451cと、正面視で左側上端より左方向へ突出する端子板支持部451dと、上下方向中央に対して上寄りの外周位置から左右方向へ夫々突出する止め片451eと、下辺の両端から左右方向外方へ夫々突出する係止突起451fと、を備えている。
また、ガラスユニット450におけるガラス装飾基板453は、帯状で可撓性を有しており、表面側(ユニット枠451の内面側)にユニット枠451の開口部451bと対応する位置に複数のカラーLED453aが実装されており、ガラス装飾基板453をユニット枠451の基板挿入溝451a内へ挿入すると、LED453aが開口部451bを介してユニット枠451の内面側へ臨むようになっている。
更に、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板と接続されユニット枠451の端子板支持部451dに支持されるガラス装飾中継端子板454と、ガラス装飾中継端子板454にガラス装飾基板453の端部を固定する基板押え455と、ガラス装飾中継端子板454を支持したユニット枠451の端子板支持部451dを覆う端子板ホルダ456と、を更に備えている。
このガラスユニット450は、ユニット枠451の基板挿入溝451a内にガラス装飾基板453が挿入された状態で、ユニット枠451の前後にガラス板452が夫々接着固定されている。そして、このガラスユニット450は、ユニット枠451の外周下辺に形成された係合溝451cが補強板金140の垂直折曲突片151と係合すると共に、ユニット枠451の外周縁と止め片451e及び係止突起451fとが扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に後側から嵌合された上で、止めレバー196により扉枠5に対して脱着可能に取付けられるようになっている。
また、ガラスユニット450は、ガラス装飾基板453のLED453aを適宜発光させることで、二つのガラス板452の間を発光装飾させることができるようになっており、これまでのパチンコ機とは異なる雰囲気(ムードのある)の遊技窓101を有したパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2E.防犯カバー]
続いて、扉枠5における防犯カバー470について、主に図21及び図22を参照して説明する。この防犯カバー470は、上記したガラスユニット450の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金142,143の間のガラスユニット450の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部471として形成されていると共に、その当接凹部471に沿って後方に向って防犯後突片474が突設されている。また、防犯カバー470を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片475が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー470の前面には、防犯カバー470を取付けた状態でガラスユニット450におけるユニット枠451の下方形状に沿った防犯前突片472が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片473が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー470は、装着弾性片473を扉枠ベースユニット100に形成される装着開口部116に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図示は省略するが、防犯前突片472がガラスユニット450のユニット枠451の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片472の前端は、垂直折曲突片151と当接している。また、防犯後突片474及び防犯後端部突片475は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片474の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片474の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片475は、本体枠3の軸支側に形成される防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図76を参照)。
而して、防犯カバー470を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片110dと係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片166と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット450の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片472とユニット枠451との重合により、防犯カバー470の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片474と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー470の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片475との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片474との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができるようになっている。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金143の二重の折曲突片153,154による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー470の裏面側の防犯後突片474と防犯後端部突片475との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で案内レールとしての外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板452への衝突を防止する機能も有している。
[1−3.本体枠]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図67乃至図75を参照して説明する。図67は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図68は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図69は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図70は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図71は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図72は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図73は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図74は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図75は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ機の断面平面図である。
本実施形態の本体枠3は、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板1136等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が装着される本体枠主体500を備えている。
まず、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図67において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図71を参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺と略同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺と略同一平面状となっている(図73を参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図71と図73を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部148を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部148に突設される軸ピン147を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図71を参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587(図110を参照)となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金141の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片155,156が夫々挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金143の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片153及び開放側内折曲突片154が夫々挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金142と軸支側L字状折曲突片157との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図121を参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金142の軸支側L字状折曲突片157の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図67に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図67乃至図72を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512の略中央に遊技盤4を載置したときに、遊技盤4に形成されるアウト口606(図76を参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図67に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図71を参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図76を参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図71を参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット180のスライド突片183と連携されるスライド部材710(図95を参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、そのハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図91を参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図68に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図71を参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図128を参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図70に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図70に示すように、軸支側の端部上面に球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図71を参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図111を参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図71に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図71に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図75を参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図117を参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図69に示すように、夫々奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さと略同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かって略第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図4に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722と略同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図68及び図70に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546が夫々パチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図67を参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4の略全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図68を参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図68を参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図70に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図74に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺が略一致(図4を参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図99を参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557(図110等を参照)形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース線接続具557は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板1136に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図68及び図70に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、球通路ユニット770の球落下通路772(図104を参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図104を参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図106を参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図106を参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図106を参照)の端部が受入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図71を参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図74及び図139を参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図74を参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠ベース本体110の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片110d,110e(図25を参照)が挿入される係合溝584,585(図67を参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片110dは、係合溝584に対応する扉枠突片110eの突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片110dが僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片110d,110eと係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511の略中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片110dと係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511の略中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片110dと係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台160には、扉枠5を閉じた状態で空間586に侵入する防犯突片166が形成されている。この防犯突片166は、板部511の略中程から軸支側端部までいたるように装着台160に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台160に突設される防犯突片166を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片166と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらを順次説明する。
[1−3A.遊技盤の概略構成]
遊技盤4の概略構成について図76乃至図89を参照して説明する。図76は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図77は、遊技盤4の正面図であり、図78は、遊技盤4の背面図であり、図79は、遊技盤4の平面図であり、図80は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図81は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。また、図82は、遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図83は、遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図84は、図83を斜め後から見た分解斜視図である。更に、図85は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図86は、図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。また、図87は遊技盤における機能表示ユニットの分解斜視図の概略図である。更に、図88は機能表示シールの概略図であり、図89は遊技窓を介して遊技盤の機能表示シールを見た部分図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、透明板状の遊技パネル600と、遊技パネル600を保持し外形が略正方形状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630を介して遊技パネル600の前面に遊技領域605を囲むように取付けられる前構成部材601と、前構成部材601の後側に固定される機能表示ユニット640(図87等を参照)と、から構成されている。遊技パネル600の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ630の前面に取付けられるが、その前構成部材601は、遊技領域605の外周を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ630の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後端部突片475と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー470に突設される防犯後突片474の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片474との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5における開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。而して、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図76及び図80に示すように、遊技盤4の下方の通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、その略中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図81を参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図80に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。更に、前構成部材601の下方右り証紙貼付部615の上側には、機能表示シール649が貼付けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、一般入賞口2004,2102,2155、始動口2001,2002、大入賞口2330a等)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621の裏面に遊技領域605の略中央に配置される表示装置としての液晶表示装置1400(図151等を参照)の表示を制御する液晶制御基板3181及び周辺制御基板4140が収納される周辺基板ボックス622が取付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図75を参照)が形成されている。この落下口629は、アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図128を参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板4100を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板1136等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に基板ユニット1100に設けられているドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が備えられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図128を参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
[1−3A−1.前構成部材・遊技パネル・パネルホルダ・パネル裏板]
続いて、遊技盤4における遊技パネル600の保持構造について、主に図82乃至図84を参照して詳細に説明する。本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル600と、遊技パネル600を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ630と、パネルホルダ630の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ630や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル600と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル600は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル600の板厚は、パネルホルダ630よりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル600には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔600aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔600bが夫々備えられている。これら嵌合孔600a及び長孔600bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ630との位置決めを行うものである。また、遊技パネル600には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部600cが夫々備えられている。この係合段部600cは、遊技パネル600の板厚の略半分を切欠いた形態とされると共に、嵌合孔600a及び長孔600bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル600をパネルホルダ630へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル600には、所定位置に内レール固定孔600dが複数備えられている。この内レール固定孔600dに内レール603の後側から突出する位置決め突起601bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル600には、センター役物2300、及び始動口ユニット2000等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部600eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。なお、これら開口部600eは、遊技パネル600の上下左右方向の外周に対して貫通しないような形状となっており、遊技パネル600の外周が繋がっているので、開口部600eによって遊技パネル600の強度が低下するのを抑制するようになっている。
遊技盤4におけるパネルホルダ630は、遊技パネル600を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ630には、遊技パネル600を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部630aと、保持段部630aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口630bとを主に備えている。
パネルホルダ630の保持段部630aは、前面からの深さが遊技パネル600の厚さと略同じ深さとされており、保持段部630a内に保持された遊技パネル600の前面がパネルホルダ630の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部630aは、その前側内周面が、遊技パネル600の外周面に対して所定量のクリアランスC(図82を参照)が形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル600が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ630には、保持段部630aに保持される遊技パネル600に形成された嵌合孔600a及び長孔600bと対応する位置に配置され、保持段部630aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル600の嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン630cを備えている。これらの突出ピン630cを遊技パネル600の嵌合孔600a及び長孔600bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ630と遊技パネル600とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630には、遊技パネル600の係合段部600cと対応する位置に、係合段部600cと係合する係合爪630d及び係合片630eを供えている。詳述すると、甲82及び図82に示すように、係合爪630dは、パネルホルダ630の上側の保持段部630aに配置されており、遊技パネル600における上側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面から前方に向かって突出し係合段部600cと弾性係合するようになっている。この係合爪630dは、その先端がパネルホルダ630の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片630eは、パネルホルダ630の下側の保持段部630aに配置され、遊技パネル600における下側の係合段部600cと対応し、保持段部630aの前面との間に遊技パネル600の係合段部600cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ630の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪630d及び係合片630eに遊技パネル600の係合段部600cを係合させることで、遊技パネル600がパネルホルダ630に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ630には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔630fを備えており、このボス挿通孔630fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ630と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部630gが備えられている。この取付支持部630gにより、パネルホルダ630の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部630gに取付固定される裏ユニット2000の裏箱621のフランジ状の固定部621a(図155を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部630gに所定の部材を取付固定することで、その固定部621aがパネルホルダ630よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ630すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ630の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部630gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏板635を収容可能な収容凹部630hと、この収容凹部630h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部630iとを更に備えている。この収容凹部630hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部630iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ630には、図82及び図84に示すように、後面側の取付支持部630g内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔630jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ630には、取付孔630jと対応するように配置される複数の位置決め孔630kが備えられている。この位置決め孔630kは、取付孔630jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱621における前面のフランジ状に形成された固定部621aから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔630kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔630jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔630jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ630には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部630lが形成されており、肉抜き部630lによりパネルホルダ630の重量が軽減されるようになっている。図83に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ630の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部630lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ630の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ630は、図示するように、肉抜き部630lが形成されることで、取付孔630j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ630の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ630には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部630mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル600を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ630の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口630nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔630oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ630の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部630lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ630の収容凹部630hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ630の係止部630iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ630における取付孔630j及び位置決め孔630kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ630と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ630の開口630n、連通孔630o、及びボス挿通孔630fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ630の収容凹部630hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ630の係止部630iに係止させることで、パネルホルダ630と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ630の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ630とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ630の後面側には、貫通口630bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔630j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔630k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル600の保持構造によると、前方からパネルホルダ630の保持段部630a内へ遊技パネル600を嵌合挿入して、係合爪630d及び係合片630eと、係合段部600cとを係合させることで、パネルホルダ630に遊技パネル600を保持させることができると共に、遊技パネル600とパネルホルダ630の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル600をパネルホルダ630に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル600、パネルホルダ630、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル600を交換パーツとすると共に、パネルホルダ630及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ630や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル600のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ630に予め複数の取付孔630jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ630の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔630jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ630を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
なお、本実施形態では、遊技盤4において、遊技領域605の後面を形成する透明な遊技パネル600をパネルホルダ630で保持した形態のものを示したが、従来のパチンコ機と同様に、遊技パネル600をパネルホルダ630と一体とすると共に、ベニア板等の木製合板により形成するようにしても良い。
[1−3A−2.盤用基板ホルダ]
続いて、遊技盤4における盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、主に図85及び図86を参考にして説明する。この盤用基板ホルダ623は、パネルホルダ630の後側に取付固定されるものであり、図示するように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル600の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、主制御基板ボックス624を取付けるための主制御基板ボックス取付部623aが形成されていると共に、主制御基板ボックス取付部623aの横(背面視で右側)に主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部623bが形成されている。また、盤用基板ホルダ623の後面には、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ636が固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面の主制御基板ボックス取付部623aに支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aが主制御基板ボックス取付部623aの横の被封止部623bへ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、主制御基板ボックス取付部623aの被封止部623bに開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
[1−3A−3.機能表示ユニット]
まず、本実施形態のパチンコ機1における機能表示ユニットは、図87に示すように、機能表示基板640a、カバー部材640bを備えいる。この機能表示基板640aは、図示するように、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12を備えおり、セグメント表示器SEG1には第一特別図柄表示器641が割り当てられ、セグメントSEG2には第二特別図柄表示器642が割り当てられている。セグメント表示器SEG1,SEG2は、英数字及び図形等を表示することができるようになっており、これらの英数字及び図形等を特別図柄として表示することによって、後述する始動口ユニット2000の第一始動口2001に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG1が所定の特別図柄を変動表示し、第二始動口2002に遊技球が入賞すると、セグメント表示器SEG2が所定の特別図柄を変動表示するようになっている。
また、LED1には第一特別図柄記憶ランプ643a、LED2には第一特別図柄記憶ランプ643bが夫々割り当てられ、LED3には第二特別図柄記憶ランプ644a、LED4には第二特別図柄記憶ランプ644bが夫々割り当てられている。第一始動口2001へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ643bが消灯し、保留球が2球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点灯し、保留球が3球のときには第一特別図柄記憶ランプ643aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ643bが点灯し、保留球が4球のときには第一特別図柄記憶表示器643がともに点滅する。一方、第二始動口2002へ入賞した遊技球は、特別図柄の変動表示で使用されないときには、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅するようになっている。具体的には、保留球(始動記憶)が1球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ644bが消灯し、保留球が2球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点灯し、保留球が3球のときには第二特別図柄記憶ランプ644aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ644bが点灯し、保留球が4球のときには第二特別図柄記憶表示器644がともに点滅する。
更に、LED5には普通図柄表示器645が割り当てられている。LED5は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED5は、その点灯する色を普通図柄として表示することによって、後述するゲート部材2200のゲート2201を遊技球が通過すると、所定の普通図柄が変動表示するようになっている。
また、LED6〜LED9には普通図柄記憶表示器646が夫々割り当てられている。ゲート2201を通過した遊技球は、普通図柄の変動表示で使用されないとき(普通図柄表示器645にて普通図柄の変動表示を実行しているとき及び可動片2005を開閉動作させているときにゲート2201を通過したことにより即座に普通図柄の変動表示に使用されない遊技球)には、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯するようになっている。具体的には、保留球が1球のときには普通図柄記憶ランプ646aが点灯して普通図柄記憶ランプ646b〜646dが消灯し、保留球が2球のときには普通図柄記憶ランプ646a,646bが点灯して普通図柄記憶ランプ646c,646dが消灯し、保留球が3球のときには普通図柄記憶ランプ646a〜646cが点灯して普通図柄記憶ランプ646bが消灯し、保留球が4球のときには普通図柄記憶表示器646がすべて点灯する。
また、LED10には遊技状態表示器647が割り当てられている。LED10は赤色/緑色/橙色を点灯することができるLEDであり、これらの赤色/緑色/橙色を組み合わせて点灯することもできるようになっている。LED10は、その点灯する色を遊技状態として表示することによって、遊技状態が確率変動が生じている旨を報知するようになっている。
更に、LED11には不正報知表示ランプ648a、LED12には不正報知表示ランプ648bが夫々割り当てられており、不正が発生したときには各不正報知表示ランプ648a,648bを点灯することで不正が発生した旨を報知するようになっている。
このように、機能表示基板640aに実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12は、第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、不正報知表示器648が夫々割り当てられており、各種機能表示を行う、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12、つまり第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、不正報知表示器648が機能表示基板640aに集約された構成になっている。
また、第一特別図柄表示器641及び第二特別図柄表示器642は、大当たり遊技状態を特別図柄として夫々変動表示するため、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、不正報知表示器648と区別して、それらに割り当てられるLED1〜LED12と異なるセグメント表示器SEG1,SEG2を用いて、英数字及び図形等を特別図柄として変動表示している。
なお、普通図柄記憶表示器646に割り当てられるLED6〜LED9の数と、不正報知表示器648に割り当てられるLED11,LED12の数と、の和が固定値6となっている。
ところで、機能表示基板640aは、カバー部材640bに図示しないネジで固定され、カバー部材640bが遊技盤4の前構成部材601の裏面から図示しないネジで取付けられるようになっている。前構成部材601には、機能表示基板640aのセグメントSEG1,SEG2に対応する位置にセグメント表示器用開口601cが形成されており、これらのセグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容を視認できるようになっている。
また、前構成部材601には、図87にも示すように、機能表示基板640aのLED1〜LED12に対応する位置にLED用挿通孔601dが夫々設けられており、カバー部材640bを前構成部材601の裏面に取付ける際に、LED1〜LED12が遊技盤4と干渉しないようになっている。これらのLED用挿通孔601dは、LED1〜LED12の点灯又は点滅した光が隣接するLEDの点灯又は点滅した光と誤認されないように円筒状に形成されている。なお、セグメント表示器SEG1,SEG2が表示する内容、LED1〜LED12が点灯又は点滅して表示する内容は、後述する機能表示シール649に印刷されている。前構成部材601には、機能表示シール649を貼り付ける機能表示シール貼付部601eが形成されている。なお、機能表示シール貼付部601eには凹部601fが形成されている。この凹部601fにマイナスドライバ等の工具を挿入して貼り付けた機能表示シール649を剥がし易くしている。ここで、機能表示シール649を剥がし易くするために機能表示シール649に突出部を設けることも考えられるが、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、その突出部が何らかの原因によって引っ張られて機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれるおそれがある。そこで本実施形態では、機能表示シール貼付部601eに凹部601fを形成することによって、扉枠5を本体枠3から開閉する際に、機能表示シール649が機能表示シール貼付部601eから剥がれないようにしている。
[1−3A−4.機能表示シール]
次に、遊技機4における機能表示シール649は、図88に示すように、その表面に機能表示ごとにグループGrp1〜Grp3にグループ化等されて印刷されており、遊技盤4の非遊技領域である前構成部材601に形成された機能表示シール貼付部601eに貼り付けられている。
グループGrp1は、図88に示すように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643から構成されており、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を視認できる実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL1で囲まれた領域は、第一特別図柄表示器641による表示や第一特別図柄記憶表示器643による点灯又は点滅を視認できるように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643と対応する位置が透明となっている。グループGrp1では、第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第一始動口2001へ始動入賞すると、第一特別図柄表示器641が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第一特別図柄記憶表示器643が点灯又は点滅したりする。このように、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643を1つのグループGrp1にグループ化することによって、これらの第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643が第一始動口2001への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL1で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp1を目視することによって第一始動口2001への遊技球の始動入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
一方、グループGrp2は、図88に示すように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644から構成されており、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を視認できる実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL2で囲まれた領域は、第二特別図柄表示器642による表示や第二特別図柄記憶表示器644による点灯又は点滅を視認できるように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644と対応する位置が透明となっている。このグループGrp2では、第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を表示する。例えば、第二始動口2002へ遊技球が始動入賞すると、第二特別図柄表示器642が所定の特別図柄を変動表示したり、入賞した遊技球の球数を保留数として第二特別図柄記憶表示器644が点灯又は点滅したりする。このように、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644を1つのグループGrp2にグループ化することによって、これらの第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644が第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL2で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp2を目視することによって第二始動口2002への遊技球の入賞による特別図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
また、グループGrp3は、図88に示すように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646から構成されており、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を視認できる実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されている。実線SL3で囲まれた領域は、普通図柄表示器645による点灯や普通図柄記憶表示器646による点灯を視認できるように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646と対応する位置が透明となっている。普通図柄表示器645は、上述したように、可動片2005の開閉の有無を所定の普通図柄として変動表示し、可動片2005が閉状態から開状態となると、遊技球が第二始動口2002へ入賞し易くなる。このため、普通図柄表示器645には、第一特別図柄表示器641、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄表示器642、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、不正報知表示器648と見分けが付くように星印が印刷されている。このグループGrp3では、ゲート2201に関する各種情報を表示することもできるようになっている。例えば、ゲート2201を遊技球が通過すると、普通図柄表示器645が所定の普通図柄を変動表示したり、通過した遊技球の球数を保留数として普通図柄記憶表示器646が点灯したりする。このように、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646を1つのグループGrp3にグループ化することによって、これらの普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646が普通図柄の変動表示に関する各種情報を示していることを遊技者に伝えることができる。これにより、遊技者は、実線SL3で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されたグループGrp3を目視することによって普通図柄の変動表示に関する各種情報を容易に確認することができる。
更に、遊技状態表示器647、不正報知表示器648と対応する位置には、図88に示すように、遊技状態表示器647、不正報知表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。実線SL4〜SL6で囲まれた領域は、遊技状態表示器647、不正報知表示器648による点灯を視認できるように、遊技状態表示器647、不正報知表示器648と対応する位置が透明となっている。
なお、本実施形態では、上述したように、グループGrp1〜グループGrp3は実線SL1〜SL6で囲まれた状態で区画されて機能表示シール649に印刷されており、遊技状態表示器647、不正報知表示器648と対応する位置は遊技状態表示器647、不正報知表示器648が視認できる実線SL4〜SL6で夫々囲まれた状態で区画されて印刷されている。
このように、機能表示シール649は、図87に示した機能表示基板640aに集約して実装された、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12の機能がグループGrp1〜Grp3等のようにグループ化されてその内容が印刷されており、区画されている。また普通図柄表示器645等には星印が印刷されており、セグメント表示器SEG1,SEG2、LED1〜LED12が表示する内容が、機能表示シール649に集約して印刷されても、それらの意味を容易に理解することができるようになっている。
このような機能と印刷された内容との対応関係が、図88に示すように、シール管理番号649aとして機能表示シール649に印刷されている。このシール管理番号649aは、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して遊技窓101から視認し難い位置に印刷されており、遊技者に必要ではない情報を伝えないようになっている。また、機能表示シール貼付部601eに設けた凹部601fも、図88及び図89に示すように、扉枠5を本体枠3に閉じた際に、遊技窓101を介して視認し難い位置に形成されており、凹部601fを遊技者に視認し難くしている。
また、シール管理番号649aは、パチンコ機1を製造するメーカの作業者が、パチンコ機1を組み立てる際に、誤って別仕様の機能表示シールを取付ける作業ミスを防止するためのものである。また、シール管理番号649aは機能表示シール649の在庫管理にも用いられており、グループGrp1〜グループGrp3等の態様がシール管理番号649aに紐付けされて管理されている。これにより、シール管理番号649aを調べると、シール管理番号649aに対応する機能表示シール649の在庫が分かるようになっている。
[1−3B.打球発射装置]
次に、打球発射装置650について図90乃至図95を参照して説明する。図90は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図91は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図92は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図93は、操作ハンドル部410を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図94は、操作ハンドル部410を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図95は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図91に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、その略中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図92に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口171b(図18を参照)に臨んで設けられている球送り部材172(図18を参照)の錘173と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が球送り部材172を揺動させ、球送り部材172の揺動動作により打球供給口171bから流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665が略密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663に夫々対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、夫々の貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図91に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図92(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、円筒部の前方に拡大してモータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図93を参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図90(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図95に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、更に、楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット180のスライド突片183が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片183が挿入空間714に挿入された状態では、図95(B)に示すように、スライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図92(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図92(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図92(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図93に示すように、スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672が略垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図93において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図92(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図94に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図94において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414の回動操作に応じて移動するジョイントユニット180のスライド体182の移動と連動するようになっている。この点について図60等を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の回動操作部材414を回転させることにより、回転軸415の先端に固着される勾玉状のカム416も回転するため、ジョイントユニット180のスライド体182がジョイントユニット装着凹部110cの内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体182の前面に突設されるスライド突片183も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体182のスライド突片183は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片183の傾斜辺183a側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片183が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置400の回動操作部材414を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置400が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置400のスライド突片183と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片183がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置400と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片183が挿入空間714から離れてハンドル装置400と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置400と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片183が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片183の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片183がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部410の回動操作部材414に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片183が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片183の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片183の傾斜辺183aとスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片183とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部410の回動操作部材414がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置400と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
[1−3C.賞球タンク]
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図96を参照して説明する。図96は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図74に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図4に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅と略同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図97を参考にして説明する。図97は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図97(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図97(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図97(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
[1−3D.タンクレール部材]
続いて、上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図98乃至図100を参照して説明する。図98は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図99は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図100は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図70を参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図4に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図68を参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板1136のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740における2列の夫々の通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、夫々の通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747における歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図100に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
[1−3E.球通路ユニット]
次に、上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主に図101乃至図105を参照して説明する。図101は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図102は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図103は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図104は、球通路ユニット770の正面図であり、図105は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図102及び図103において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
本例の球通路ユニット770は、略長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図100(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、左右屈曲通路部772bに連通して略垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図100(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742の略中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図104に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770の略横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cも略垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は、同様に軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、図101に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図103に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図105(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図105(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図105(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742の略中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
[1−3F.賞球ユニット]
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主に図106乃至図109を参照して説明する。図106は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図107は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図108は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図109は、図108のA−A断面図である。
図106において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830と、ユニットサブ板825の略中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、略長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側の略中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって、その球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、計数スイッチ812が着脱自在に装着されている。
この計数スイッチ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、計数スイッチ812からの配線(図示しない)は、後述する賞球ユニット内中継端子板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図101に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、賞球ユニット内中継端子板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取付けられるギヤ領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、略正方形状に形成され、その正方形状に沿って賞球ユニット内中継端子板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と賞球ユニット内中継端子板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した計数スイッチ812、払出モータ815、及び後述する回転角スイッチ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図71及び図126を参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、賞球ユニット内中継端子板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより賞球ユニット内中継端子板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる賞球ユニット内中継端子板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、略正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺の略中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で賞球ユニット内中継端子板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、賞球ユニット内中継端子板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850がスプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図109に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図109に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式の回転角スイッチ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、回転角スイッチ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、回転角スイッチ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる計数スイッチ812によって検出して計数のために使用している。なお、図109に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でユニットベース体801とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、賞球ユニット内中継端子板830に接続される配線(例えば、賞球ユニット内中継端子板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と賞球ユニット内中継端子板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図109に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図109において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図71に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図101に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記の夫々の係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
[1−3G.満タンユニット]
続いて、上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図110乃至図116を参照して説明する。図110は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図111は、満タンユニット900の斜視図であり、図112は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図113は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図114は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図115は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図116は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図112に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋343に導かれる。
ところで、逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放された略正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、略正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図115に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図114に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、出口921の両側方とファール球入口923の一側方に満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図110に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋343を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図115の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図115の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅と略同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
[1−4.錠装置]
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取付けられる錠装置1000について主として図117乃至図125を参照して説明する。図117は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図118は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図119は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図120は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図121は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図122は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図123は、錠装置1000の分解斜視図であり、図124は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図125は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図117に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図121乃至図123に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図123を参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図123を参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図118を参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003とシリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、その取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図122(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図122(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022が夫々形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取付けられるシリンダ錠1010について説明すると、シリンダ錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダ錠本体が固定され、そのシリンダ錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032,について図123を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図125(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図67及び図68を参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー158(図18を参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー158との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066が夫々形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、このコ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図117に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取付けられた錠装置1000の作用について図124及び図125を参照して説明する。まず、図124を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図124(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー158とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図124(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図124(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー158と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図124(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー158の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー158とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図125を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図125(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図125(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図125(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図125(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
[1−5.基板ユニット]
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、主として図126乃至図138を参照して説明する。図126は、基板ユニットを背面側から見た斜視図であり、図127は、基板ユニットの背面側から見た分解斜視図であり、図128は、基板ユニットを前面側から見た斜視図であり、図129は、基板ユニットの前面側から見た分解斜視図であり、図130は、基板ユニットの主体をなす枠用基板ホルダの前面側から見た正面図であり、図131は、枠用基板ホルダの背面図であり、図132は、基板ユニットの背面図であり、図133は、払出制御基板ボックス及び端子基板ボックスを取り外した状態の基板ユニットの背面図であり、図134は、基板ユニットに設けられる各基板の接続関係を示す平面図であり、図135は、基板ユニットと遊技盤との電気的な接続を示す概略図であり、図136は、払出制御基板と基板ユニットとの配線等を示すパチンコ機の背面図の一部であり、図137は、図138の断面図の断面箇所を説明するための遊技盤(ただし、この遊技盤は、図76乃至図80に示す取り外し防止機構を組み込んだ遊技盤である。)の正面図であり、図138は、図137のC−C断面図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図68及び図70を参照)に取付けられるものであり、図126及び図127に示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板1107、及び副ドロワ中継基板1108の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板1102、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。後述するように、電源基板1136は+34V、+18V及び+9Vを作成して供給するため極めて高温な熱源となっており、電源基板1136から発せられた熱が上昇する。このため、払出制御基板1186を収納する払出制御基板ボックス1105を電源基板ボックス1103の上面に重複して取付けることによって、その上昇する熱を受けずに済むようになっている。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板1136等からの電磁波の影響を防止すると共に電源基板1136から発せられる熱を放熱するために金属製のシールド放熱板1106が取付けられ、また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。以下、基板ユニット1100を構成する各部材について詳細に説明する。
なお、本実施形態におけるシールド放熱板1106は、特に、電源基板ボックス1103の上面から熱が発せられた熱を外部(外気)に放熱するために、図127及び図129に示すように、シールド放熱板1106の板面が凹凸状の凹凸面1106aとして形成されている。シールド放熱板1106によって払出制御基板1186に伝達される熱を小さく抑えることができる。凹凸面1106aによって外部(外気)との接触面積を増加させて放熱効果を高めるものである。また、凹凸面1106aは、設置したときに熱が放熱し易いように垂直状若しくは傾斜状に形成することが望ましい。もちろん、シールド放熱板1106に凹凸面1106aを形成しても電磁波に対するシールド効果が損なわれることはない。シールド放熱板1106は電源基板1136等からの電磁波の影響を防止する。これにより、電磁波によるノイズの影響を抑えることができるため、ノイズの影響による払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186の誤動作を防止することができる。また、このシールド放熱板1106のシールド放熱機能は、電源基板ボックス1103と払出制御基板ボックス1105との間だけではなく、枠用基板ホルダ1101に他の複数の基板ボックスが重複して取付けられる場合には、その下側に位置する基板ボックスと上側に位置する基板ボックスとの間に、本実施形態と同じシールド放熱板1106を設けることによっても奏されるものである。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図127及び図130に示すように、その後面側一側部(図130において右側部)に配線用開口1124が形成され、配線用開口1124の内側に扉中継基板1102を取付けるための中継基板用凹部1110が形成されている。この中継基板用凹部1110は、略正方形状の扉中継基板1102の外形に合致するように正方形状の凹部として形成され、この中継基板用凹部1110内の上下辺には、扉中継基板1102の裏面を支える当接突部1113が突設されると共に、中継基板用凹部1110に扉中継基板1102を収納した状態で扉中継基板1102の一側縦辺の表面と係止する止め爪1111が形成されている。また、中継基板用凹部1110の外側寄りの上下には、電源基板ボックス1103の一端辺に形成される係合係止穴1135に係合されて図示しないビスで止着するための取付ボス1112が突設されている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側において、上記した中継基板用凹部1110よりも中央寄りに内部に通す配線を係止して纏めるための2つの配線処理片1114が形成されている。この配線処理片1114は、垂直面に対して側方から見たときにL字状に突出形成されるもので、その垂直面とL字状突片との間に配線を掛け止めるようになっている。更に、枠用基板ホルダ1101の中継基板用凹部1110の上部から略中央よりやや他端側に近い部分までが電源基板ボックス1103を取付けるための領域(次に説明する右側の低い領域)となっており、その上下辺に電源基板ボックス1103の裏面と当接する当接突部1115が突設されている。したがって、この電源基板ボックス取付領域に電源基板ボックス1103を当接突部1115に当接するように取付けた状態では、電源基板ボックス1103の裏面と枠用基板ホルダ1101の垂直面との間に空間が形成され、この空間内に基板相互を接続する配線が収納されることになり、この収納された配線を係止して纏めるものが2つの配線処理片1114である。
なお、電源基板ボックス1103を取付ける領域の他端辺から枠用基板ホルダ1101の他端辺(図130において左側辺)までは、後方への突出量が大きく形成されている。つまり、枠用基板ホルダ1101は、背面から見たときに、中央よりやや左側の位置で左側が高く右側が低い段差状に形成されており、その右側の低い領域が電源基板ボックス1103を取付けるための領域(以下、「電源基板ボックス取付領域」という場合がある。)となっている。そして、この電源基板ボックス取付領域の他端辺側には、電源基板ボックス1103の他端辺上下に突設される挿入突起1134が挿入される挿入口1115aが形成されている。このため、電源基板ボックス1103を取付けるためには、挿入突起1134を挿入口1115aに差し込んだ後、電源基板ボックス1103の一端辺上下に形成される係合係止穴1135を取付ボス1112に上から差し込んで図示しないビスで止着することにより、電源基板ボックス1103を枠用基板ホルダ1101に固定することができる。
更に、枠用基板ホルダ1101の背面側において、上記した段差状の高い領域は、払出制御基板ボックス1105を取付けるための領域(以下、「払出制御基板ボックス取付領域」という場合がある。)の一部を構成するものであり、この段差状の高い領域の一部には、横L字状の凹状の配線引き廻し空間1116が形成されている。この配線引き廻し空間1116の底面には、配線用開口1121(図129乃至図132を参照)が形成されており、電源基板ボックス取付領域内の2つの配線処理片1114に掛け止められた配線を配線引き廻し空間1116及び配線用開口1121から枠用基板ホルダ1101の前面側に引き出すようになっている。また、払出制御基板ボックス取付領域の他端側(図127の左端部側)には、払出制御基板ボックス1105の係合弾性片1184が係合するための係止突部1117が突設形成されている。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側の構成について説明すると、図128、図129、図131に示すように、枠用基板ホルダ1101の前面側の略中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図78を参照)、球抜排出通路524(図68を参照)の下流側、及び落下口629(図75を参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図71に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側であって払出制御基板ボックス取付領域に対応する前面側には、その上方領域に主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108とを横方向に所定間隔を空けて並列状に取付けるドロワ取付領域1120が形成されている。ドロワ取付領域1120には、夫々の中継基板1107,1108に形成された支持穴1204,1205が貫通されて各中継基板1107,1108を支持するためのドロワ取付ボス1118が突設されると共に、夫々の中継基板1107,1108の中間位置の上下に接合案内孔1126と案内孔1125が穿設されている。この接合案内孔1126は、図138に示すように、遊技盤4を本体枠3に装着する作業に伴って、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202(ホルダ側コネクタ)と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627(遊技盤側コネクタ)とが自然に接続されるように遊技盤4の盤用基板ホルダ623に形成される接合案内突起628(図78を参照)が挿入されるものである。一方、案内孔1125は、基板ユニット1100を本体枠3に取付ける際に、本体枠3に突設される案内突起525(図68及び図70を参照)が挿入されるもので、基板ユニット1100の位置決めを行うと共に装着作業の容易化を図っているものである。また、枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、取付片1122を本体枠3の取付穴部527(図68を参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図70に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図128の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
枠用基板ホルダ1101の構成は、概ね上記した通りであるが、そのような構成を有する枠用基板ホルダ1101に取付けられる各種の基板の構成について説明する。まず、枠用基板ホルダ1101の後面側の中継基板用凹部1110に装着される扉中継基板1102について説明すると、扉中継基板1102には、図127に示すように、多ピンコネクタ形式の内部接続端子1130と扉枠用接続端子1131とが設けられている。扉枠用接続端子1131は、枠用基板ホルダ1101にすべての基板を取付けた状態においても、図132に示すように、背面から見て外部から視認できるようになっており、扉枠5に設けられるランプ及びLEDからなる電飾部品やスピーカ等の扉枠用配線1212(図134を参照)が配線用開口1124を通って扉枠用接続端子1131に接続されるものである。また、内部接続端子1130は、副ドロワ中継基板1108に設けられる扉枠用コネクタ1203に内部配線1213(図134を参照)によって接続されるものである。ただし、この内部配線1213は、前述した配線処理片1114及び配線引き廻し空間1116、配線用開口1124を敷設されるように枠用基板ホルダ1101の内部に設けられている。
また、枠用基板ホルダ1101の後面側の電源基板ボックス取付領域に取付けられる電源基板ボックス1103は、電源基板1136(図133を参照)を固定するボックス主体1132と、ボックス主体1132を被覆するカバー体1133と、から構成されている。ボックス主体1132には、その一端部の上下に取付ボス1112と係合する係合係止穴1135が一体的に形成され、その他端部の上下に挿入口1115aに挿入される挿入突起1134が一体的に形成されている。また、電源基板1136のカバー体1133に被覆されない部分(図133の右側部と左下部)には、図133に示すように、電源スイッチ1137と電源線コネクタ1138とCRユニット電源コネクタ1139とアース用コネクタ1140と払出制御基板用電源コネクタ1141とが設けられている。電源スイッチ1137は、パチンコ機1の全ての電気機器に電源を供給するためのスイッチであり、パチンコ機1を使用する際にONとするものである。また、電源線コネクタ1138は、島内に供給されている交流24V(AC24V)の電源用配線からの電源配線を接続したり、パチンコ機1に帯電したノイズ等を外部にフレームグランドとしてアースしたりするためのコネクタである。CRユニット電源コネクタ1139は、パチンコ機1に隣接されるカード式球貸器(図示しない;一般的に、CRユニットと言われている。)への電源を供給したりするためのコネクタである。アース用コネクタ1140は、パチンコ機1に設けられる帯電防止用の種々のアース線が電気的に接続されており、パチンコ機1に侵入したノイズ等を、電源線コネクタ1138を介して、外部にアースするためのコネクタである。具体的には、扉枠5(補強板211〜214)からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140aと電気的に接続され、タンクレール部材740を流下する球からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140bと電気的に接続され、賞球ユニット800からのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドFG1としてアース用コネクタ1140cと電気的に接続され、CRユニットからのノイズ等を除去するアース線がフレームグランドとしてアース用コネクタ1140dと電気的に接続されている。これらのフレームグランドは、電源線コネクタ1138のフレームグランドと電気的に接続されており、このフレームグランドを介して、パチンコ機1の外部にアースされる。更に、払出制御基板用電源コネクタ1141には、図134に示すように、電源供給用配線1214が接続され、電源供給用配線1214が払出制御基板1186の電源用端子1192に接続されている。そして、この電源供給用配線1214により、払出制御基板1186を介して他の制御基板(例えば、周辺基板ボックス622に収納される液晶制御基板3181や主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100)等に電源を供給するようになっている。なお、電源供給用配線1214は、払出制御基板用電源コネクタ1141から配線引き廻し空間1116に導かれ払出制御基板ボックス1105の裏面から後方に引き出されて電源用端子1192に接続されるようになっている。つまり、この電源供給用配線1214も枠用基板ホルダ1101の内部に敷設された状態となっている。
ところで、電源基板ボックス1103のカバー体1133の後面は、図127に示すように、段差状に形成され、その段差の高い領域が端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142となっており、段差の低い領域が払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域1143となっている。取付領域1143は、枠用基板ホルダ1101の前述した払出制御基板ボックス取付領域と一緒になって横長の払出制御基板ボックス1105を取付けるための取付領域を構成するものである。なお、上記した段差部の略中央には、払出制御基板ボックス1105の後述する係合片1182(図129を参照)が係合挿入される係合穴1146が形成されている。
端子基板ボックス1104を取付けるための取付領域1142を構成するカバー体1133には、端子基板ボックス1104の裏面側に形成される位置決めピン1148及び係合片部1147と夫々位置決め若しくは係合する位置決め穴1145及び取付係合穴1144が形成されている。係合片部1147は、断面L字状に形成される一方、取付係合穴1144は、幅広部と幅狭部とが連続する穴状に形成されているので、係合片部1147を取付係合穴1144の幅広部に挿入した後、一方向(図示の場合は、枠用基板ホルダ1101の中央方向)にスライド移動させることにより、L字状の係合片部1147と取付係合穴1144の幅狭部とが係合するようになっている。なお、端子基板ボックス1104の他側辺の下部に掛止片1149が突設され、端子基板ボックス1104がカバー体1133にスライド移動係合されたときに、掛止片1149が払出制御基板ボックス1105のボックス主体1180の一部と係合するようになっている。なお、この係合は、少し力を入れて端子基板ボックス1104を非係合方向にスライド移動させることにより、簡単に外れる程度の係合状態である。
また、端子基板ボックス1104には、図132に示すように、複数の外部情報端子1151と払出制御基板用端子1156とが設けられる外部端子板1150aと、度数表示器用端子1152と電源アース端子1153とCRユニット用端子1154と払出制御基板用端子1155とが設けられるCRユニット端子板1150bと、の2つの基板が上下方向に並列状に収納されている。外部端子板1150aに設けられる複数の外部情報端子1151は、大当り情報出力信号や始動口入賞情報出力信号等のパチンコ機1の管理に必要な各種の情報信号を外部(例えば、遊技場に設置してある管理コンピュータ(ホールコンピュータ))に導出するためのコネクタであり、それらの情報信号は、主として主制御基板ボックス624に収納されている主制御基板4100から後に詳述する主ドロワ中継コネクタ1200を介して払出制御基板1186に伝送され、さらに払出制御基板1186に設けられる外部端子板用端子1188と払出制御基板用端子1156との接続により、最終的に複数の外部情報端子1151の夫々に伝達される。CRユニット端子板1150bの度数表示器用端子1152は、パチンコ機1の、例えば皿ユニット300に設けられるプリペイドカードの残度数表示器、貸球スイッチ、及び返却スイッチとの配線が接続されるものである。また、電源アース端子1153は、2つのコネクタから構成され、一方のコネクタ(図132の左側)には電源基板1136のCRユニット電源コネクタ1139からの配線が接続され、他方のコネクタには電源基板1136の複数のアース用コネクタ1140のうちの1つのアース用コネクタ1140からの配線が接続されるものである。更に、CRユニット用端子1154は、図示しないCRユニットからの配線が接続されるものであり、払出制御基板1186のCRユニット端子板用端子1189と払出制御基板用端子1155とが接続されることにより、払出制御基板1186とCRユニットとが接続されることになる。
上記したように、端子基板ボックス1104は、主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100からの遊技情報を外部に導出する外部端子板1150aと、払出制御基板1186とCRユニットとの接続を中継するCRユニット端子板1150bと、の両方の基板を収納するものであり、これらは従来別々の基板ボックスに収納されてパチンコ機1の裏面に別々の位置に設けられていたが、本実施形態においては、1つの端子基板ボックス1104に纏めて枠用基板ホルダ1101に装着したものである。このため、特に、本実施形態の場合、主制御基板4100と外部端子板1150aとを直接配線で接続することなく、払出制御基板1186を介して接続した独特な構成を有するものとなっている。
次に、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けえる払出制御基板ボックス1105について、主として図127、図129及び図132を参照して説明する。払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板1186が図示しないビス等で固定されるボックス主体1180と、ボックス主体1180に取付けられて払出制御基板1186の表面を覆うカバー体1181と、から構成されている。ボックス主体1180とカバー体1181とは、その一側辺(図132の右側辺)を係合させ、その他側辺(図132の左側辺)に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体1180とカバー体1181とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができる。また、ボックス主体1180の一側短辺中央には、電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される係合穴1146に差し込まれる係合片1182が突設形成され、他側短辺下部には、枠用基板ホルダ1101に形成される係止突部1117に弾性係合する係合弾性片1184が形成されている。したがって、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101に取付けるには、係合片1182を係合穴1146に差し込んだ後、係合弾性片1184を係止突部1117に係合させることにより、簡単に取付けることができる。そして、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって払出制御基板ボックス1105を取付けた状態においては、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。逆に、取り外す場合には、係合弾性片1184を弾性方向と逆方向に押圧して係合弾性片1184と係止突部1117との係合を外して払出制御基板ボックス1105を引き上げながら、係合穴1146から係合片1182を引き抜くことにより、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から外すことができる。
また、上記したボックス主体1180とカバー体1181とによって被覆される払出制御基板1186には、その一側部(図132の右側部)に扉枠開放スイッチ用端子1185a、本体枠開放スイッチ用端子1185b、賞球ユニット用端子1187、外部端子板用端子1188、CRユニット端子板用端子1189、操作ハンドル用端子1194、エラーLED表示器4130、エラー解除スイッチ4131、及び球抜きスイッチ4132が設けられ、その他側下部(図132の左側部)に満タンスイッチ用端子1190、検査用出力端子1191、電源用端子1192、発射モータ用端子1193、及び内部接続端子1195が設けられている。
扉枠開放スイッチ用端子1185aは、扉枠5が本体枠3から開放されたことを検出する扉枠開放スイッチ4133からの配線が接続されるコネクタである。本体枠開放スイッチ用端子1185bは、本体枠3が外枠2から開放されたことを検出する本体枠開放スイッチ4134からの配線が接続されるコネクタである。賞球ユニット用端子1187は、前述した賞球ユニット800の中継基板480からの配線が接続される多ピンコネクタである。外部端子板用端子1188は、前述したように外部端子板1150aの払出制御基板用端子1156に接続される多ピンコネクタである。CRユニット端子板用端子1189は、前述したようにCRユニット端子板1150bの払出制御基板用端子1155に接続される多ピンコネクタである。満タンスイッチ用端子1190は、満タンユニット900の満タンスイッチ916からの配線が接続されるコネクタである。エラーLED表示器4130は、CRユニット接続異常等のパチンコ機の状態を表示する。エラー解除スイッチ4131は、操作されるとエラーLED表示器4130に表示されているエラーに応じた解除方法の案内がサイドスピーカ121や下部スピーカ391から流れる。球抜きスイッチ4132は、操作されると賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された球を排出開始する(球抜き開始する)。検査用出力端子1191は、払出制御基板1186を検査する際に検査機器に接続するためのコネクタであり、検査用の各種の出力信号を出力するための端子である。電源用端子1192は、前述したように電源基板1136の払出制御基板用電源コネクタ1141に電源供給用配線1214によって接続されるコネクタである。発射モータ用端子1193は、打球発射装置650の発射モータ695からの配線が接続されるコネクタである。操作ハンドル用端子1194は、ハンドル装置400の操作ハンドル部410の内部に設けられるタッチセンサ420及び発射停止スイッチ422からの配線が接続されるコネクタである。内部接続端子1195は、主ドロワ中継基板1107に設けられる払出制御基板用コネクタ1201に信号電源配線1215によって接続されるコネクタである。
なお、エラー解除スイッチ4131の左方近傍には、図132に示すように、抵抗R1194a〜R1194dが配置されている。これらの抵抗R1194a〜R1194dは、操作ハンドル用端子1194に入力された各種検出信号に扉枠5(図18に示した補強板211〜214)からのノイズ等が侵入した際に、グランド(GND)が不安定にならないようにするものであり、その詳細な説明は後述する。
次に、枠用基板ホルダ1101の前面側に形成されるドロワ取付領域1120に取付ける主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継基板1108について説明する。図129に示すように、主ドロワ中継基板1107には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる主ドロワコネクタ626(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)と、払出制御基板1186の内部接続端子1195と信号電源配線1215を介して接続される払出制御基板用コネクタ1201とが上下に設けられている。また、副ドロワ中継基板1108には、遊技盤4の裏面側に取付けられる中継端子板625に設けられる副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ:図78を参照)と接続される副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)と、扉中継基板1102の内部接続端子1130と内部配線1213を介して接続される扉枠用コネクタ1203とが上下に設けられている。また、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108には、各基板の左右両側に支持穴1204,1205が穿設され、支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込むことにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に位置決め支持され、その後、基板カバー1109で被覆することにより、堅固に固定される。
ところで、基板カバー1109には、主ドロワ中継基板1107に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板1108に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口1206,1207,1208,1209が開設され、また、基板カバー1109の裏面側に、ドロワ取付ボス1118の先端部が挿通されるピン挿通穴1210(図127を参照)が形成されると共に、左右両端に基板カバー1109を枠用基板ホルダ1101に図示しないビスで止着するための止め穴1211が形成されている。このため、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108の支持穴1204,1205をドロワ取付領域1120に突設されるドロワ取付ボス1118に差し込み、ドロワ取付ボス1118の先端部をピン挿通穴1210に挿通しながら基板カバー1109で被覆し、止め穴1211に図示しないビスで止着することにより、主ドロワ中継基板1107及び副ドロワ中継基板1108をドロワ取付領域1120内に堅固に固定することができる。
以上、基板ユニット1100の構成について説明してきたが、本実施形態の場合には、パチンコ機1を駆動制御するために必要な各種の基板のうち、遊技盤4の変更に伴って交換される主制御基板4100及び液晶制御基板3181以外の基板である扉中継基板1102、電源基板ボックス1103に収納された電源基板1136、端子基板ボックス1104に収納された外部端子基板1150、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186を、枠用基板ホルダ1101に予め組み付けてユニット化し、その組み付けてユニット化した基板ユニット1100を本体枠3の背面側下部に取付けるだけの簡単な作業によって、従来別々に本体枠3の背面側に取付けていた各種の基板取付作業に比べ、作業能率を向上することができる。また、この場合、基板ユニット1100にユニット化される各基板同士の配線も枠用基板ホルダ1101の内部に収めることができるので、基板同士を接続する配線が乱雑に入り乱れることがなく、整然と敷設することができる。
また、本実施形態においては、基板ユニット1100の前面に主ドロワ中継コネクタ1200(ホルダ側コネクタ)を有する主ドロワ中継基板1107と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)を有する副ドロワ中継基板1108とが設けられているので、図138に示すように、本体枠3に遊技盤4をその前面側から装着する作業に伴って、遊技盤4の裏面側に設けられる中継端子板625の主ドロワコネクタ626と副ドロワコネクタ627(遊技盤側コネクタ)が夫々対応する主ドロワ中継コネクタ1200と副ドロワ中継コネクタ1202(ホルダ側コネクタ)とに接続されるので、遊技盤4の装着と基板間の接続とを同時に行うことができる。このため、遊技盤4の交換作業を手際よく行うことができる。
更に、本実施形態においては、基板ユニット1100を本体枠3の裏面に固定した後に、本体枠3に設けられる各種の電気機器との配線の接続作業が必要な払出制御基板ボックス1105と、外部のCRユニットや管理コンピュータとの接続作業が必要な端子基板ボックス1104と、を基板ユニット1100の最も後方の視認し易い位置に並列状に配置する一方、外部との接続作業の必要性が少ない電源基板ボックス1103や扉中継基板1102を内部に配置しているので、複数の基板を前後方向に効率よく重複配置することができ、基板ユニット1100の大きさを最小限に設計することができる。ただし、内部に配置される電源基板ボックス1103や扉中継基板1102においても、外部に接続される端子部分は、すべて外部から視認できるようになっているので、それらの接続作業が手探りになるという問題はない。
[1−5A−1.基板ユニットと遊技盤との電気的な接続(ドロワコネクタによる接続)]
次に、基板ユニット1100と遊技盤4との電気的な接続について図135を参照して説明する。上述したように、遊技盤4側にはドロワコネクタ626,627が設けられ、基板ユニット1100側にはドロワコネクタ1200,1202が設けられている。図135(a)に示すように、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入することで電気的に接続することができる。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627は、図135(b)に示すように、ターミナル626a,627aを備えており、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202は、図135(c)に示すように、コンタクト1200a,1202aを備えている。遊技盤4側のドロワコネクタ626,627を基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202に挿入すると、図135(c)に示すように、ターミナル626a,627aがコンタクト1200a,1202aを押し下げコンタクト1200a,1202aが変位する。この変位によって発生したコンタクト1200a,1202aの反発力は、ターミナル626a,627aを強く接触することで電気的な導通状態となる。これにより、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、には、各種制御基板相互による(例えば、主制御基板4100と払出制御基板1186とによる)各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成される。また遊技盤4側のドロワコネクタ626と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200と、には、さらに、電源基板1136によって作成された各種電圧を供給する電圧供給ラインが形成される。このように、遊技盤4を本体枠3に着脱自在に装着することで、遊技盤4側のドロワコネクタ626,627と、基板ユニット1100側のドロワコネクタ1200,1202と、による制御信号ライン及び電圧供給ラインが接離自在に接続することができる。
なお、本実施形態におけるターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aは、ベローズタイプのものを採用している。ピンタイプのものでは作業時にうっかりピンに触れて曲げてしまうおそれがあるが、ベローズタイプのものではそのおそれがない。また、ターミナル626a,627a及びコンタクト1200a,1202aのメッキには摩擦係数の小さい金メッキを採用している。これにより、遊技盤4の着脱時のすべり良さ(嵌合の良さ)が確保されている。
ここで、遊技盤4を本体枠3に取付けるときに、図133に示した電源スイッチ1137を入れたままの状態で、その作業を行うと、ターミナル626aとコンタクト1200aとの接点、具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(後述する突入電流)が流れるため溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤4を本体枠3に無理に押し込んで取付けようとすると、コンタクト1200aが折れ曲がって壊れたり、その遊技盤4を本体枠から取り外すときに、コンタクト1200aがドロワコネクタ1200から剥がれて破損したりして、ドロワコネクタ1200が使用できなくなる。
また、ターミナル626aとコンタクト1200aとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもある。そこで、本実施形態では、溶着を防止する回路を後述する主制御基板4100に設けて対応している。その詳細な説明については後述する。
[1−5A−2.賞球ユニットとの配線等]
次に、払出制御基板ボックス1105に収納された払出制御基板1186と賞球ユニット800との配線等について図136を参照して説明する。賞球ユニット内中継端子板830には、上述したように、計数スイッチ用コネクタ830a、払出モータ用コネクタ830b、回転角スイッチ用コネクタ830c、球切れスイッチ用コネクタ830d、アース用コネクタ830e、及び払出制御基板用コネクタ830fが設けられている。
計数スイッチ用コネクタ830aは計数スイッチ812からの配線が接続され、払出モータ用コネクタ830bは払出モータ815からの配線が接続され、回転角スイッチ用コネクタ830cは回転角スイッチ855からの配線が接続され、球切れスイッチ用コネクタ830dは球通路ユニット770の球切れスイッチ778からの配線が接続され、アース用コネクタ830eは払出モータ815からのアース線が接続されている。払出制御基板用コネクタ830fは払出制御基板1186の賞球ユニット用端子1187と配線(ハーネス)により接続されている。
球切れスイッチ778からの配線及び回転角スイッチ855からの配線を除いた、計数スイッチ812からの配線、払出モータ815からの配線、払出モータ815からのアース線、及び賞球ユニット用端子1187とのハーネスは、配線処理片869により掛け留めてまとめられている。
島から供給された球は、上述したように、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留され、球通路ユニット770に取り込まれ、賞球ユニット800に導かれる。球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、賞球ユニット800はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
上述したように、賞球ユニット800のセンサ基板854には回転角スイッチ855が設けられており、この回転角スイッチ855からの検出信号は、球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。また、上述した、払出制御用コネクタ480fと賞球ユニット用端子1187とを接続するハーネス、つまり賞球ユニット800と払出制御基板1186とを接続するハーネスも球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
[1−6.カバー体]
次に、カバー体1250について、図5、図70及び図74等を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側の略中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1300の接続操作用開口1303、立壁1304、当接突起1305、補強リブと同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
[1−6A.カバー体の他の実施形態]
上記した図5及び図74に示したカバー体1250(以下、「第一実施形態に係るカバー体1250」という。)は、図5からも明らかなように、遊技盤4の裏面下部に取付けられる主制御基板ボックス624を除いた遊技盤4の裏面を覆うように形成されているが、これを主制御基板ボックス624を含む遊技盤4の裏面の全体を覆うカバー体としても良い。このようなカバー体1300(以下、「第二実施形態に係るカバー体1300」という。)を取付けたパチンコ機について、図139乃至図150を参照して説明する。図139は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体を開放した状態の背面から見た斜視図であり、図140は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の側面図であり、図141は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の開放側から見た斜視図であり、図142は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機であってカバー体の軸支側から見た斜視図であり、図143は、第二実施形態に係るカバー体を取付けたパチンコ機の背面図であり、図144は、第二実施形態に係るカバー体を取り外した状態のパチンコ機の背面図であり、図145は、第二実施形態に係るカバー体の下辺部と重合当接する払出制御基板ボックスの斜視図であり、図146は、第二実施形態に係るカバー体の内側から見た斜視図であり、図147は、第二実施形態に係るカバー体に設けられるシリンダ錠の作用を説明するための背面図であり、図148は、図143のA−A断面図であり、図149は、図143のB−B断面図であり、図150は、図143のC−C断面図である。なお、図139乃至図150において、それ以前の図面に表示される構成と同じ機能を奏する構成には、同一の符号を付してある。
この第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の外枠2Aは、図139及び図140に示すように、前述した第二実施形態に係る外枠2Aであり、扉枠5に設けられる皿ユニット300の形状も若干異なるものである。更に、本体枠3の構成も軸支側後面壁546の開放端側に形成される後述する止め穴568、施錠穴569a及び案内孔569bを有する施錠壁569の点(図144を参照)、及び後側面壁を構成する第三側面壁542及び第四側面壁543の切欠部221の位置が下方まで延設されている点(図140を参照)で相違し、また、払出制御基板ボックス1105の構成においても、カバー体1181に当接低段面1181aが形成される点(図145を参照)で相違するだけである。ただし、図139及び図144に表示される主制御基板ボックス624は、図78に示される実施形態と同様に遊技盤4の裏面下部に取付けられる盤用基板ホルダ623に取付けられるものであり、図139及び図144においては、遊技盤4の図示が省略されている。
そこで、まず、図146を参照して第二実施形態に係るカバー体1300について説明する。カバー体1300は、やや縦長長方形状の周辺の側壁が立ち上がった皿状に合成樹脂によって形成され(側壁部や長方形板部の上半分には、多数の空気穴が形成されている。)、その縦辺一側の側壁に本体枠3に形成されるカバー体支持筒部575に挿入されて軸支される複数(図示の場合には4個)の軸支ピン1301が一体的に形成され、その縦辺他側の側壁のやや上部寄りに球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785に係合する係合片1302が一体的に形成されている。この軸支ピン1301と係合片1302は、第一実施形態に係るカバー体1250と同様に、カバー体1300の軸支ピン1301をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1300を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1302をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1300を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる主制御基板ボックス624を含む各種部品の背面を保護することができるものである。そして、この第二実施形態に係るカバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250と異なる点は、ただ単に開閉自在に設けられるだけではなく、閉じた状態で不正に開放することができないようにシリンダ錠1309が設けられる点と、主制御基板ボックス624の裏面まで覆ってしまうため、主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとに対応する位置に接続操作用開口1303が設けられている点と、カバー体1300の下辺の側壁の先端辺が閉じた状態で払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の表面に当接する点である。そこで、これらの第二実施形態に係るカバー体1300の特徴的な構成について以下説明する。
まず、接続操作用開口1303について説明すると、接続操作用開口1303は、カバー体1300の下辺の当接下辺側壁1306の上部に長方形状に形成されており、その大きさは、図143に示すように主制御基板ボックス624に外部に露出して設けられるRAMクリアスイッチ624aと検査機器が接続される試験用端子624b,624cとが臨む大きさに開設されている。また、接続操作用開口1303の内側には、閉じた状態で主制御基板ボックス624の外周面に当接する立壁1304と当接突起1305とが突設されている。立壁1304は、接続操作用開口1303の左右開口縁に沿って比較的高く形成され、当接突起1305は、接続操作用開口1303の上開口縁から一側開口縁に沿って比較的低く突設形成されており、これらの立壁1304と当接突起1305は、図148及び図149に示すように、主制御基板ボックス624の外周面(主制御基板ボックス624に収納される主制御基板4100の表面を含む)との間に隙間が生じないようにして接続操作用開口1303から不正具を差し込んで主制御基板ボックス624に対して不正な行為が行えないようにしている。
次に、カバー体1300の下辺に形成される当接下辺側壁1306について説明すると、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、当接下辺側壁1306は、図149及び図150に示すように、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接するようになっている。このため、第二実施形態に係るカバー体1300が取付けられるパチンコ機1の枠用基板ホルダ1101に装着される払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部には、図145に示すように、表面より一段と低く形成される当接低段面1181aが形成されている。しかして、枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105は、図144に示すように、枠用基板ホルダ1101の払出制御基板ボックス取付領域と電源基板ボックス1103のカバー体1133に形成される取付領域1143とにわたって取付けられた状態において、それらの取付領域1143内に払出制御基板ボックス1105が収納された状態となり左右方向にも上下方向にも移動できないように固定された状態となっている。このため、払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上面の一部である当接低段面1181aがカバー体1300の当接下辺側壁1306によって当接被覆されることによって、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。
次に、シリンダ錠1309に関連する構成について説明する。図146において、カバー体1300の下方側の下方寄りにシリンダ錠1309を貫通するための楕円形状の錠穴1308が開設されている。この錠穴1308にシリンダ錠1309の断面楕円状のネジ部1310が貫通され、この貫通したネジ部1310に内側からナット1312が螺着されることによりシリンダ錠1309が錠穴1308に固定される。また、シリンダ錠1309には、ネジ部1310の中心から錠軸1311がカバー体1300の内側に向かって突設され、その錠軸1311を楕円形状の施錠片1313の下方部に穿設されるネジ穴1314に貫通させてナット1315で締着することにより、施錠片1313をシリンダ錠1309の後端部に固着している。この構成により、シリンダ錠1309に鍵(遊技場の管理責任者等が所持している)を差し込んで回動することにより施錠片1313を90度の範囲で回動することができるようになっている。また、錠穴1308の下部には、カバー体1300を閉じる際に、開閉を案内するための案内突起1316が内側に向かって突設されている。更に、カバー体1300の開放側の上方部であって係合片1302の上下にネジを螺着するためのネジ止め穴1307が形成されている。
一方、上記したネジ止め穴1307、施錠片1313、及び案内突起1316に対応するように、本体枠3側には、止め穴568、施錠穴569a、及び案内孔569bが形成されている。この構成について図144を参照して説明すると、本体枠3の前述した軸支側後面壁546には、前述したようにカバー体当接溝567が形成されているが、このカバー体当接溝567の上下部(球通路ユニット770のカバー体係合溝785を挟んだ上下)にネジ止め穴1307に対応する止め穴568が形成されている。更に、本体枠3の軸支側後面壁546の下方部には、図147に示すように、施錠壁569が本体枠3の縦中心線方向に向かって延設されており、その施錠壁569の上下に施錠穴569aと案内孔569bとが開設されている。施錠穴569aは、楕円形状に形成されて施錠片1313が貫通するようになっていると共に、施錠穴569aの前面側周囲の施錠壁569は、補強用のリブが突設されている。
しかして、カバー体1300を開放状態から閉止状態に回動させることにより、図147(A)に示すように、案内突起1316が案内孔569bに挿入されつつ、シリンダ錠1309の施錠片1313が施錠穴569aを貫通した状態となる。その状態でシリンダ錠1309に鍵を差し込んで回動することにより、図147(B)に示すように、施錠片1313が90度回転し、施錠片1313の一端部が施錠壁569の前面側と係合する。このため、カバー体1300が本体枠3に対して施錠されることになる。また、シリンダ錠1309によるカバー体1300の施錠は、カバー体1300の下方部であるため、カバー体1300の上方部を本体枠3に固定するために、閉じた状態で合致しているネジ止め穴1307と止め穴568に図示しないネジを螺着することにより、カバー体1300の上方部も本体枠3に固定される。なお、カバー体1300の上方部にもシリンダ錠を設けて、上下でシリンダ錠によってカバー体1300を本体枠3に施錠しても良い。
また、第二実施形態に係るカバー体1300は、図140に示すように、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部(本実施形態の場合には、排出口730の後面壁)、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっている。このため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっているため、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができるものである。この点は、第一実施形態に係るカバー体1250を使用したパチンコ機1においても、図3に示すように同一の効果を奏するものである。
なお、上記した第二実施形態において、カバー体1300の閉止状態を上方のネジと下方のシリンダ錠1309との両方で行った理由は、第一の理由として、カバー体1300が第一実施形態に係るカバー体1250に比べて被覆面積が縦方向に大きくなっているため、カバー体1300の中央だけで閉止状態を保持すると上下部分が熱によって変形するおそれがあるため、上下の2箇所で閉止状態を保持する構成にしたこと。第二の理由として、前述したようにカバー体1300の当接下辺側壁1306によって払出制御基板ボックス1105の上辺部に当接するようにしたので、特に、カバー体1300の下辺部をこじ開けることができないようにカバー体1300の下方部の閉止状態を強固に維持することが必要であり、結果的にカバー体1300の上方部も閉止せざるを得ないこと。そして、この第二の理由により、特に下辺部の閉止状態を維持するためにシリンダ錠1309等の施錠装置(シリンダ錠に限らず、遊技場の管理者しか解錠できない施錠装置であれば良い。)を用いることが望ましい。
以上、第二実施形態に係るカバー体1300について説明してきたが、この第二実施形態に係るカバー体1300は、カバー体1300を本体枠3に対して閉じたときに、カバー体1300の下辺部である当接下辺側壁1306が枠用基板ホルダ1101に取付けられる払出制御基板ボックス1105のカバー体1181の上辺部分に当接被覆するようになっているため、カバー体1300を開放しない限り、払出制御基板ボックス1105を枠用基板ホルダ1101から取り外すことができない構成となっている。そして、カバー体1300がシリンダ錠1309によって施錠されるため、カバー体1300に被覆される主制御基板ボックス624に対する不正行為はもちろん、カバー体1300に被覆されない払出制御基板ボックス1105に対する不正行為も防止することができる。また、カバー体1300を閉じた状態で且つシリンダ錠1309を施錠した状態であっても、カバー体1300に接続操作用開口1303が開設されているため、試験用の試験用端子624b,624cに検査機器を接続したり、あるいはソフトウエア等が暴走して復旧する際に、RAMクリアスイッチ624aを操作したりすることができる。そして、この接続操作用開口1303の内側には、立壁1304や当接突起1305が形成されて主制御基板ボックス624との間に隙間が生じないようにされているので、接続操作用開口1303からピアノ線等を挿入して遊技盤4の裏面に対する不正行為を防止することができる。
更に、第二実施形態に係るカバー体1300は、閉じた状態で、その背面側が賞球タンク720の最後端部、及びタンクレール部材740の後端壁と側方から見たときに同一垂直面となっているため、パチンコ機1の背面から見たときに、背面側の上部から下方までに凹凸がなく、きわめてスッキリした形状となっており、パチンコ機1を運搬するときに全体の厚みが均一で把握し易いため、積み込みや重ね合わせ作業が行いやすく、また、実際に遊技場の島台に設置する際も、背向列設されるパチンコ機1の背面において、相手方のパチンコ機の背面に突出する配線等を気にすることなく、きわめてスムーズに設置することができる。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の構成について、主に図151乃至図156を参照して説明する。図151は、遊技盤の正面図であり、図152は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図153は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図であり、図154は、遊技盤を斜め左後から見た斜視図であり、図155は、遊技盤を主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図156は、分解したものを斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技球が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で遊技領域605を閉鎖するように配置された遊技パネル600と、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601の下部に配置された機能表示ユニット640と、遊技領域605内の左右方向略中央でアウト口606の上側に配置され遊技パネル600の前面に支持される始動口ユニット2000と、始動口ユニット2000の左側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持される左サイド入賞口部材2100と、始動口ユニット2000の右側で遊技領域605の外周に沿って配置され遊技パネル600の前面に支持される右サイド入賞口部材2150と、左サイド入賞口部材2100の右側に配置され遊技パネル600の前面に支持される左サイド誘導部材2180と、遊技領域605内の上下方向中央からやや上寄り右側に配置され遊技パネル600の前面に支持されるゲート部材2200と、遊技領域605の略中央部分に配置され遊技パネル600に支持される枠状のセンター役物2300と、遊技パネル600の後側に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技パネル600及びセンター役物2300の枠内を通して遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像及び報知情報を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置1400と、を主に備えている。以下、遊技パネル600に装着された各装置の構成について詳細に説明する。
[2−1.始動口ユニット]
まず、図157乃至図166を参照し、始動口ユニット2000について説明する。
図157は、遊技パネルに装着される各装置を、部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図158は、始動口ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図159は、始動口ユニットを、部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図160は、始動口ユニットのベースユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図161は、始動口ユニットの前側装飾ユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図162の(a)は、始動口ユニットのリールユニットを斜め前から見た斜視図であり、(b)は、リールユニットを斜め後から見た斜視図であり、図163は、リールユニットを分解して斜め前から見た斜視図であり、図164は、リールユニットを、上下方向中央で切断した際の下側部分を斜め前から見た斜視図であり、図165は、リールユニットの縦断面図であり、図166は、リールユニットにおけるリールシートの展開図である。
図157及び図158に示すように、本例の始動口ユニット2000は、遊技パネル600における左右方向中央の下部に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。この始動口ユニット2000は、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされる複数の受入口(入賞口)と、回転及び停止によって図柄を表示させるリールユニット2040を有する回転演出装置2003とを備えている。なお、複数の受入口としては、左右方向の略中央に配置された始動口としての第一始動口2001と、第一始動口2001の斜め右下に配置された電動始動口としての第二始動口2002と、第一始動口2001の斜め左下に配置された一般入賞口2004と、が備えられている。
始動口ユニット2000の構成について詳しく説明する。図158及び図159に示すように、始動口ユニット2000は、第一始動口2001及び一般入賞口2004を有する枠状のベースユニット2020と、ベースユニット2020の前側に設けられ遊技領域605に突出して配置される前側装飾ユニット2090と、ベースユニット2020における右側の孔部2021bに嵌め込まれた第二始動口2002と、ベースユニット2020の中央開口部2021a内に配置されたリールユニット2040とを、主に備えて構成されている。
まず、ベースユニット2020は、図159及び図160に示すように、前後方向に貫通する略正方形の開口部2021aを中央に有し、開口部2021aの上側で左右方向の中央に配置された第一始動口2001、及び開口部2021aの左側に配置された一般入賞口2004が一体的に形成された台板2021を備えている。ここで、第一始動口2001及び一般入賞口2004は、遊技領域605に突出するとともに上側が開放されており、遊技領域605を転動する遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。なお、一般入賞口2004の前面は、入賞口飾り2024によって閉鎖されている。また、第一始動口2001の左右両側には、前面に窓部を有するとともに、文字を象った一対のロゴレンズ2022、及びそれらのロゴレンズ2022に光を投光する一対の発光基板2023が後側から収容された装飾文字収容部2021eが一体的に形成されている。また、台板2021の前面には、装飾模様を有する複数枚のシール部材2025が貼着されている。また、開口部2021aの左右両側に形成された小開口部2021c,2021dには、岩の模様を呈した一対の岩形レンズ2027(図159参照)が夫々前側から嵌込まれるとともに、台板2021の後側に配置された発光基板2028によって光が投光され発光装飾されるようになっている。
前側装飾ユニット2090は、図159及び図161に示すように、上面に遊技球の転動面2091aを有する枠状の枠部材2091と、枠部材2091の前面(下部部分を除く)に取着された門形前面飾り2092と、門形前面飾り2092の下側に配設された綱形飾り2093及び一対の綱押さえ部2094とを備えており、門形前面飾り2092と綱形飾り2093との組合わせによって、リールユニット2040に表示される図柄(詳細は後述する)を遊技者側から視認可能とするための窓部2090aを形成している。なお、門形前面飾り2092は、その上部中央後側に文字レンズ2095を備えるとともに、枠部材2091内に配設された飾り内レンズ2097を通して発光基板2098から光が投光されるようになっている。また、綱形飾り2093及び綱押さえ部2094の後側には、これらに向かって光を投光し発光装飾させる発光基板2096が配設されている。
一方、図159に示すように、台板2021における小開口部2021dの右側には、前後方向に貫通する透孔部2021bが設けられており、この透孔部2021bに、第二始動口2002が嵌込まれている。第二始動口2002は、上側が開放された入球部2031と、拡開可能に支持された一対の可動片2032と、一対の可動片2032を可動させる始動口ソレノイド2033を有する開閉駆動部2034と、を備えて構成されており、一対の可動片2032が略垂直に立上った状態では、第二始動口2002の上側に植設された障害釘(図示しない)と一対の可動片2032とによって第二始動口2002へ遊技球が受入不能となるのに対して、一対の可動片2032が左右方向へ拡開した状態(図158の状態)では第二始動口2002へ遊技球が受入可能となるようになっている。つまり、第二始動口2002が一対の可動片2032により可変入賞口となっている。なお、一対の可動片2032は、後述するゲート部材2200のゲートセンサ2202による遊技球の通過の検出に基いて開閉されるようになっている。
一方、前側装飾ユニット2090の窓部2090aを通して、リールユニット2040の図柄が表示されるようになっており、図柄の変動及び停止図柄を視認させることにより、遊技や抽選における演出効果を高めている。なお、窓部2090aの縦方向の大きさは、後述するリール本体2041の直径と略等しくなっており、これにより、リール本体2041の直径が比較的小さな場合でも、窓部2090aを通して視認可能となる各図柄を比較的大きく見せることが可能になっている。
このリールユニット2040は、図162乃至図164に示すように、透明の部材からなり一端側(本例では左側)が開放されたドラム形(円筒状)のリール本体2041と、リール本体2041の開放端側に対して着脱可能に装着されたリール蓋2042と、リール本体2041及びリール蓋2042を回転可能に支持する右側リール支持部2044及び左側リール支持部2045と、を備えて構成されている。なお、左側リール支持部2045の内側には、環状のリール固定部2046が設けられており、リール固定部2046を介して支持されるようになっている。また、リール本体2041に回転力を付与する駆動機構として、右側リール支持部2044に取付けられた駆動モータ2048と、駆動モータ2048の回転軸に接続されたモータギア2049と、リール本体2041の右側面に固定されるとともにモータギア2049に噛合されたリールギア2050とを備えている。
また、リール本体2041の内部には、リール本体2041の回転軸となるリール軸板2066が配設されている。詳しく説明すると、リール本体2041における右側面の回転中心、及びリールギア2050の回転中心には、互いに連通する貫通孔2041a,2050aが設けられており、これらの貫通孔2041a,2050aに対しリール軸受2068aが回転可能な状態で挿入されている。また、リール蓋2042の回転中心、及びリール固定部2046の回転中心には、互いに連通する貫通孔2042a,2046aが設けられており、これらの貫通孔2042a,2046aに対しリール軸受2068bが回転可能な状態で挿入されている。一方、リール軸板2066は、右側軸方向に延出された右側リール軸2067aと、左側軸方向に延出された左側リール軸2067bとを備えており、右側リール軸2067aは、リール軸受2068aを挿通して(すなわち貫通孔2041a,2050aを通って)おり、その先端が、右側リール支持部2044に形成された嵌込部2044aに嵌込まれている。なお、リール軸受2068aの内周面には、右側リール軸2067aに対して回転することを阻止する係合部(図示しない)が形成されている。また、左側リール軸2067bは、リール軸受2068bを挿通して(すなわち貫通孔2042a,2046aを通って)おり、その先端が、左側リール支持部2045に形成された嵌込部2045aに嵌込まれている。なお、リール軸受2068bの内周面には、左側リール軸2067bに対して回転することを阻止する係合部(図示しない)が形成されている。つまり、リール本体2041、リール蓋2042、及びリールギア2050は、リール軸2067a,2067bによって支持されたリール軸受2068a,2068bに対して回転可能に支持されている。換言すれば、リール本体2041の内部に配設されたリール軸板2066を回転させることなく、外側のリール本体2041を回転させることが可能になっている。
ところで、図163及び図165に示すように、リール本体2041の内部には、リール本体2041の外周面に沿って配設されたリールシート2060が設けられており、透明なリール本体2041を通してリールシート2060に表示された図柄を視認させることが可能になっている。詳しく説明すると、図165及び図166に示すように、リールシート2060には、リール本体2041の周方向に区画された複数個(本例では三つ)の図柄表示領域(すなわち第一図柄表示領域2061,第二図柄表示領域2062,第三図柄表示領域2063)が設けられており、リール本体2041の回転を停止した際に、第一図柄表示領域2061、第二図柄表示領域2062、及び第三図柄表示領域2063の中から、抽選結果等に基づいて選択された図柄表示領域のみが、前側装飾ユニット2090の窓部2090aを通して遊技者側から視認可能となるように構成されている。
ところで、リールシート2060の各図柄表示領域2061,2062,2063に表示された図柄がそれぞれ一様なものである場合には、リール本体2041が一回転するごとに同じ図柄が同じ配列で繰り返し出現することから、回転演出装置2003による演出が単調なものとなりやすく、リール本体2041の変動中(回転中)における演出効果を低下させる虞がある。
これに対し、本例では、複数の図柄表示領域2061,2062,2063のうち、少なくとも一つの領域(具体的には第三図柄表示領域2063)を可変図柄領域とし、その可変図柄領域に、二種類の図柄を択一的に表示させる図柄表示手段2064を備えている。具体的に説明すると、図柄表示手段2064は、リール本体2041の内部に配設され、リールシート2060の第三図柄表示領域2063を通して遊技者側に光を投光する発光基板2069を備えている。特に、この発光基板2069は、少なくとも三原色の一つである青色と三原色の他の一色である赤色とを含む複数種類の色の光を投光可能なフルカラーのLEDを備えるものである。なお、発光基板2069は、リール本体2041内で固定状態に設けられたリール軸板2066の平板部2066c(図163参照)に取付けられており、リール本体2041の回転状態によらず、常に前方(遊技者側)に向かって光を投光させることが可能になっている。また、リール軸板2066には、発光基板2069から投光された光を前方に向かって導くリフレクタ2070が設けられており、前側装飾ユニット2090の窓部2090aに対応する部分のみを効率的に光らせることが可能になっている。また、発光基板2069に接続された電線(図示しない)は、左側リール軸2067bの内部を通って配線され、左側リール軸2067bの端部に形成された引出口2067c(図162(b)参照)から、リールユニット2040の外部に引出されている。つまり、電線は、リール本体2041が回転しても捻れることなく配線されている。
また、図柄表示手段2064は、リールシート2060の第三図柄表示領域2063を、第一透過手段2064a及び第二透過手段2064bから構成している。第一透過手段2064aは、発光基板2069から投光される第一色(具体的には赤色)の光のみが通過することで、第一図柄(例えば「BIG」という文字)を表示するものであり、一方、第二透過手段2064bは、発光基板2069から投光される第二色(具体的には青色)の光のみが通過することで、第二図柄(例えば「REG」という文字)を表示するものである。なお、この第一透過手段2064a及び第二透過手段2064bは、カラーフィルタによって実現することが可能である。
このように、図柄表示手段2064を備えるため、必要に応じて第三図柄表示領域2063の図柄を変化させることで、リールシート2060全体の図柄列に対してメリハリを持たせることが可能になる。したがって、演出の単調さを抑制し、回転演出装置2003による演出の興趣を高めることが可能になる。特に、発光基板2069から投光される光の色を異ならせるだけで第三図柄表示領域2063に表示される図柄を変化させることができるため、極めてシンプルに構成することが可能になる。また、図柄表示手段2064は、カラーフィルタによって構成された第一透過手段2064a及び第二透過手段2064bと、発光基板2069とによって構成されているため、例えば液晶表示装置1400のような表示装置で構成する場合と比べ、図柄表示手段2064全体の大きさを小型化することができ、ひいてはリール本体2041の大きさが比較的小さくても図柄表示手段2064を良好に組付けることができる。
また、第一色及び第二色として、ともに光の三原色である「赤色」及び「青色」を採用しているため、第一図柄は赤色で表示され、第二図柄は青色で表示される。このため、どちらの図柄も単色表示となり、夫々の図柄の形態を直感的に把握しやすくすることができる。
ところで、第一透過手段2064a及び第二透過手段2064bの配置方法としては、別個の面上に形成された二枚の部材(第一透過手段2064aを具備する第一部材及び第二透過手段2064bを具備する第二部材)を重ね合わせて配置する方法が考えられるが、この方法によれば、部材2枚分の厚みが重畳されるため、リールシート2060全体の厚みが増してしまい、実装の自由度が制限されるという問題が発生する。また、発光基板2069から照射される光量が減衰し、比較的暗い表示になりがちである。なお、この問題を回避するために、発光基板2069からの光量を増大させることも考えられるが、この場合には、発光基板2069の消費電力が増大したり、発熱量が増加したりするため好適ではない。
これに対し、本例では、同一面上に、すなわち一枚の部材上に二つの透過手段(第一透過手段2064a及び第二透過手段2064b)を並べて(一部は重複させて)配置する。これにより、二枚の部材を重ね合わせる場合に比べてリールシート2060の厚みを薄くコンパクトにすることができ、実装の自由度を向上させることが可能となる。また、同一面上に二つの透過手段2064a,2064bを形成するため、透過率の減少を低減することができ、鮮明な表示を行うことができる。また、透過率が高くなるため、発光基板2069からの光量の増大(すなわち発光基板2069の消費電力の増加)を抑制し、発光基板2069の発熱量を減らすことができる。なお、第一透過手段2064a及び第二透過手段2064bを同一面上に形成する方法としては、例えば、二つの透過手段2064a,2064bを貼り合せて形成する、樹脂の射出成形技術の一つである多色成形技術を適用する、カラー印刷技術を適用する、等の方法を挙げることができる。
ところで、第一透過手段2064aと第二透過手段2064bとの一部を重複して配置した場合、その重複部2064cは、第一色(赤色)及び第二色(青色)の双方を透過しない場合が考えられる。なぜならば、発光基板2069から第一色(赤色)を投光すると、第二透過手段2064bにより第一色(赤色)がブロックされ、一方、第二色(青色)を投光すると、第一透過手段2064aにより第二色(青色)がブロックされるからである。これにより、第一図柄または第二図柄の何れか一方(若しくは双方)のうち、重複部2064cの色が欠けて正常に表示されない問題が発生する。
これに対し、本例では、第一透過手段2064aと第二透過手段2064bとの重複部2064cは、夫々の光を透過可能に構成されている。したがって、重複部2064cの色が欠けることがなく、夫々の図柄を所望の色及び形態で表示することが可能となり、ひいては第一図柄及び第二図柄を判別しやすくすることができる。
なお、リールシート2060における第一図柄表示領域2061及び第二図柄表示領域2062は、第一色(赤色)及び第二色(青色)を含むいずれの色の光も透過しない材料から構成されている。このため、リール本体2041の内部に配設された発光基板2069から第一色または第二色の光が投光されても、可変図柄領域以外の図柄表示領域からは光が放射されないようになり、可変図柄領域とその他の領域とを、発光の有無によって区別させることが可能となる。また、図162に示すように、リールギア2050の前側(遊技者側)には、遮光シート2071が設けられており、たとえリール本体2041の右側面から光が漏れることがあっても、リール本体2041のみを光らせて見せることが可能となっている。
ところで、リールシート2060の各図柄表示領域を、表示される図柄の種類によって区分すると、第一図柄表示領域2061のみからなる基準図柄領域と、第二図柄表示領域2062及び第三図柄表示領域2063を含む演出図柄領域とに大別することができる。基準図柄領域(第一図柄表示領域2061)には、基準図柄(具体的には「GG」という文字)が表示されており、リール本体2041の回転中、基準図柄を繰り返し視認させることにより全ての図柄表示領域2061,2062,2063の個数や夫々の演出図柄領域(第二図柄表示領域2062及び第三図柄表示領域2063)の相対的な位置を容易に認識させることが可能となる。また、リール本体2041の回転開始前に基準図柄を視認させた状態で静止させるようにすれば、待機中であることを把握させることもできる。一方、演出図柄領域(第二図柄表示領域2062及び第三図柄表示領域2063)には演出図柄が表示されており、いずれの演出図柄で停止されるかによって(すなわちリール本体2041の停止時にいずれの演出図柄が窓部2090aを通して視認可能となるかによって)、有利性の高低を把握することが可能となる。
また、前述したように、演出図柄領域のうちの一つである第三図柄表示領域2063が可変図柄領域となっているため、演出図柄列のパターンを増やし、演出図柄列における期待度の高さに抑揚をつけることができる。また、第二図柄表示領域2062は図柄が変化しない不変図柄領域となっているため、リール本体2041の変動中、遊技者は可変図柄領域(第三図柄表示領域2063)に的を絞って演出図柄を視認するようになり、演出図柄の変化を比較的容易に認識させることが可能となる。特に、第三図柄表示領域2063では、遊技状態に対する期待度が互いに異なる期待大図柄(BIG)及び期待小図柄(REG)のいずれか一方が択一的に表示され、第二図柄表示領域2062では、期待大図柄と期待度が等しい演出図柄(BIG)が表示される。したがって、第三図柄表示領域2063に期待小図柄(REG)が表示された場合には、リール本体2041の停止時に、遊技状態に対する期待度が高い状態と期待度が低い状態に振り分けられることとなり、リール本体2041が停止するまでその動作を注目させることができる。一方、第三図柄表示領域2063に期待大図柄(BIG)が表示された場合には、演出図柄領域の全てが期待大図柄(BIG)となることから、リール本体2041が停止するのを待つまでもなく、期待度の高い状態であることを把握することができ、ひいては遊技者に大きな喜びを与えることが可能になる。
さらに、フォトセンサ2051(図163参照)によってリール本体2041の回転位置が検出されており、第三図柄表示領域2063における図柄の切替(すなわち発光基板2069から投光される光の色の変化)は、第三図柄表示領域2063が遊技者側から視認不能となった状態で行われるようになっている。このため、図柄が唐突に変化した感覚を生じさせ、その変化によって遊技者に驚きを与えることができる。
なお、図159に示すように、リールユニット2040は、台板2021の裏面側に取付けられた裏カバー2080によって覆われており、裏カバー2080の後側に配置された中継基板2081を介して駆動モータ2048に駆動用信号が送られるようになっている。
[2−2.左サイド入賞口部材]
図157、図167及び図168を参照し、左サイド入賞口部材2100について説明する。図167は、左サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、図168は、左サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た斜視図である。図157に示すように、左サイド入賞口部材2100は、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部で、始動口ユニット2000が挿入固定される開口部600eよりも左側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。また、図167及び図168に示すように、左サイド入賞口部材2100は、左側面が円弧状に形成されるとともに、下部右側に二つの一般入賞口2102が形成された左サイド台板2101と、左サイド台板2101の上部前面に取着され遊技領域605に突出して配置される発光装飾ユニット2105と、を備えて構成されている。
一般入賞口2102は、遊技領域605に突出するとともに上側が開放されており、遊技領域605を転動する遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。また、一般入賞口2102の前面には、シール部材2103が貼着された入賞口飾り2104が設けられている。一方、発光装飾ユニット2105は、遊技領域605を転動する遊技球を遊技領域605の中央に向けて案内する転動面2106aを有する表示飾り部2106と、表示飾り部2106の上部側の前面に取付けられた環状の前側レンズ2107と、前側レンズ2107に対応するように表示飾り部2106の後側に配設された後側レンズ2109及び文字レンズ2110とを備えている。また、表示飾り部2106の下部には、複数の孔部2106bが形成され、その孔部2106b内に特別図柄表示基板2111に搭載されたLED2111aが嵌挿されている。なお、表示飾り部2106の下部前面には、孔部2106bを前方から閉鎖する透明なシート部材2108が設けられ、特別図柄表示基板2111は、基板カバー2112によって支持されている。
また、左サイド台板2101の下部後側には、台板後レンズ2114が設けられ、さらに、台板後レンズ2114を含む左サイド台板2101全体の後側には、台板後レンズ2114及び文字レンズ2110に向かって光を投光する発光基板2115が基板カバー2116に収容された状態で設けられている。なお、左サイド台板2101の上部には、開口部2101aが形成されており、発光基板2115から放射された光が開口部2101aを通って文字レンズ2110の裏面に照射されるようになっている。
[2−3.右サイド入賞口部材]
図157、図169及び図170を参照し、右サイド入賞口部材2150について説明する。図169は、右サイド入賞口部材を斜め前から見た斜視図であり、図170は、右サイド入賞口部材を分解して斜め前から見た斜視図である。図157に示すように、右サイド入賞口部材2150は、遊技パネル600における左右方向中央から右寄りの下部で、始動口ユニット2000が挿入固定される開口部600eよりも右側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。図169及び図170に示すように、右サイド入賞口部材2150は、右側面が円弧状に形成されるとともに、下部左側に一つの一般入賞口2155が設けられた右サイド台板2151と、右サイド台板2151の下部前面(右サイド入賞口2155の右側)に配設され遊技領域605に突出した複数の装飾体(右飾りレンズ2152、右飾り2153、及び右岩形レンズ2154)と、右サイド台板2151の後側に配置され、右サイド台板2151側に向かって光を投光する発光基板2156と、発光基板2156の後側から右サイド台板2151に取付けられ発光基板2156を覆う基板カバー2157と、基板カバー2157の裏面に貼着され発光基板2156に接続された電線(図示しない)を保持するクランプ2158と、を備えて構成されている。なお、一般入賞口2155は、遊技領域605に突出するとともに上側が開放されており、遊技領域605を転動する遊技球が常時受入(入賞)可能となっている。また、右飾り2153の上面には、遊技領域605を転動する遊技球を、遊技領域605の中央に向けて案内する転動面2153aが設けられている。
[2−4.左サイド誘導部材]
図157及び図171を参照し、左サイド誘導部材2180について説明する。図171は、左サイド誘導部材を斜め前から見た斜視図である。図157に示すように、左サイド誘導部材2180は、遊技パネル600における左右方向中央から右寄りの下部で、左サイド入賞口部材2100が挿入固定される開口部600eよりも右側に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。図171に示すように、左サイド誘導部材2180は、台板2181と、その前面に配設されたレンズ部2182と、レンズ部2182に向かって光を投光しレンズ部2182を発光装飾させる発光基板(図示しない)と、その発光基板を後側から覆う基板カバー2183と、を備えて構成されている。また、レンズ部2182は遊技領域605に突出するとともに、その上面には、右側に向かって下り勾配に形成された転動面2182aが形成され、左側の遊技領域605(図151参照)を転動する遊技球を遊技領域605の中央に向かって案内するようになっている。
[2−5.ゲート部材]
図157に示すように、ゲート部材2200は、遊技パネル600における左右方向中央よりも右側で上下方向中央からやや上寄りの位置に形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものである。このゲート部材2200は、遊技球が一つのみ通過可能な幅のゲート(通過ゲート)を有しており、そのゲート2201内に配置されたゲートセンサ2202(図204参照)によりゲート2201を通過した遊技球を検出することができるようになっている。
[2−6.センター役物]
次に、図157、及び図172〜図177を参照し、センター役物2300の構成について詳細に説明する。図172は、センター役物を斜め前から見た斜視図であり、図173は、センター役物を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図174は、センター役物の装飾部を斜め前から見た斜視図であり、図175は、センター役物のセンター台板を斜め前から見た斜視図であり、図176は、センター役物の大入賞口ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図177は、大入賞口ユニットを分解して斜め前から見た斜視図である。
図157に示すように、センター役物2300は、遊技パネル600の略中央を貫通するように大きく形成された開口部600eに対して、前側から挿入された上で、遊技パネル600の前面に固定されるものであり、図示するように、遊技領域605の大半を占める大きさで枠状に形成されている。なお、このセンター役物2300の右側の外周面と遊技領域605の外周との間に前述のゲート部材2200が配置されている。
図172及び図173に示すように、センター役物2300は、枠状のセンター台板2301と、センター台板2301の前面側に取着された装飾部2303と、センター台板2301の右下の台座部2301b(図175参照)に取付けられた大入賞口ユニット2330と、を備えて構成されている。
センター台板2301は、図173及び図175に示すように、開口窓2300aを有する略円環状の形状を呈しており、下部内周面には後述するワープ通路を通ってセンター台板2301の内側に進入した遊技球を左右方向に転動させることが可能な前スロープ部2302が設けられている。また、センター台板2301の下部には、後述する棚ユニット3300(図196参照)に形成されたチャンス口3302gに入球した遊技球をセンター役物2300の下方の遊技領域605に放出するチャンス出口2301aが前後方向に貫通して設けられている。また、センター台板2301の右下には大入賞口ユニット2330を装着するための台座部2301bが右斜め下方に突出して設けられている。
図173及び図174に示すように、装飾部2303は、枠状のセンター台板2301に沿って配設された複数の部材から構成されている。詳しくは、下部から左側にかけて配置された下前飾り2304と、左側から上部にかけて配置され岩の模様が表示された複数の岩形飾り2305と、右上部分に配置され所定の文字が表示された複数のロゴ飾り2306と、右側部分に配置された右側飾り2307と、ロゴ飾り2306の下方に配置され後述する右側役物装置3100の右側可動装飾体3101を覆うリストカバー2309と、を備えている。なお、下前飾り2304には、センター台板2301に形成されたチャンス出口2301aを閉鎖しないように開口2304aが穿設されている。また、下前飾り2304と岩形飾り2305との間には、センター役物2300の左側の遊技領域605に向かって開口したワープ入口部2310が設けられており、遊技領域605を転動する遊技球をセンター役物2300の内部に入球させることが可能となっている。
また、図173に示すように、これらの装飾部2303とセンター台板2301との間には、複数の発光基板2312が配設されており、夫々の装飾部2303に向かって光を投光させることで発光装飾させることが可能になっている。なお、リストカバー2309の後側には、リストカバー2309に形成された窓部を通して一部が前方に突出する凹凸形状のリストレンズ2313も配設されており、リストレンズ2313を通して遊技者側に光が放射されるようになっている。また、ロゴ飾り2306の後側には、レンズ2314が配設され、センター台板2301の後方のショルダーベース2326によって支持された発光基板2323から投光された光が、レンズ2314を通してロゴ飾り2306に照射されるようになっている。
一方、大入賞口ユニット2330は、図176及び図177に示すように、開閉可能な大入賞口2330a、及び第二アウト口2330bを形成するユニットである。大入賞口ユニット2330は、大入賞口ベース2331と、その上部前面に配設され右側に向かって開口された第二アウト口2330bを有するアウト通路2332と、大入賞口ベース2331の前面に取着され、右側に向かって開口された大入賞口2330aを有する大入賞口通路2333とを備えて構成されている。アウト通路2332は、第二アウト口2330bに入球した遊技球を左斜め下方に導くとともに、大入賞口ベース2331に形成された開口部(図示しない)を通して、大入賞口ベース2331の後側に配置された通路部材2344のアウト経路2344aに送ることが可能になっている。また、大入賞口通路2333は、大入賞口2330aに入賞した遊技球を左側に向かって導くとともに、大入賞口ベース2331に形成された開口部2331aを通して、通路部材2344の入賞経路2344bに送ることが可能になっている。なお、大入賞口2330aに入賞した遊技球はカウントセンサ2013によって検出されるようになっている。また、通路部材2344の前面側は通路カバー2339によって閉塞されており、遊技球が各経路2344a,2344bから逸脱しないように構成されている。
また、大入賞口2330aは、羽根2338によって開閉可能となっている。この羽根2338は、下部側の軸を中心に回動可能に軸支されており、略垂直な状態(図176に示す状態)では大入賞口2330aを閉鎖して遊技球を受入不能とし、一方、前後方向を軸方向として右側に傾斜するように回動(すなわち時計方向に回動)すると、大入賞口2330aを開放して遊技球を受入可能とするようになっている。この羽根2338は、通常の遊技状態では大入賞口2330aを閉鎖した状態となっており、第一始動口2001や第二始動口2002へ遊技球が受入れられる(始動入賞する)ことで抽選される特別抽選結果に応じて(特別抽選結果が「大当り」又は「小当り」の時に)大入賞口ソレノイド2347の駆動により開閉するようになっている。駆動機構について詳しく説明すると、大入賞口ソレノイド2347は、プランジャー(図示しない)を下方に向けて配置されており、プランジャーには、アーム2348を介してクランク2348aが接続されており、クランク2348aと羽根2338とが軸ピン2350によって連結されている。つまり、プランジャーが下方へ突出すると、アーム2348及びクランク2348aによってプランジャーの直線運動が回転運動に変換され、軸ピン2350及び羽根2338を時計方向に回転するようになっている。なお、大入賞口ソレノイド2347は、ソレノイド取付ベース2345及びソレノイド板金2346によって挟持された状態で支持されるとともに、その下側に配置されたカバー2351によって覆われている。
また、大入賞口ベース2331の前側には、炎形飾り2335及び岩形飾り2336等からなる前面装飾部2334が配置されており、それらの前面装飾部2334は、その後側に配置された発光基板2337によって発光装飾されるようになっている。また、大入賞口ベース2331の後側には、基板カバー2342を介して取付けられた発光基板2343、及び大入賞口ベース2331に直接取付けられた発光基板2341が配設されており、これらの発光基板2343,2341によって、大入賞口ベース2331の一部(遊技者側から視認可能となる部分)及び大入賞口2330a付近を発光装飾させることが可能になっている。
また、図173に示すように、センター台板2301の後側には、ワープ入口部2310から入球した球を棚ユニット3300(図196参照)の上段転動面3302aに誘導するワープ通路2316と、発光基板2312に接続されたハーネス(図示しない)を後側から覆う基板カバー2318と、センター台板2301の右肩部分を後側から覆うショルダーカバー2320と、リストレンズ2313を支持するリストベース2321と、センター台板2301の上部側から岩形飾り2305に投光するように水平に配置された発光基板2324と、発光基板2324を後側から覆う基板カバー2325と、が備えられている。
[2−7.裏ユニット]
次に、図178〜図203を参照し、裏ユニット3000の構成について詳細に説明する。図178は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図179は、各役物装置と液晶表示装置の表示画面との関係を示す正面図であり、図180は、上側役物装置を斜め前から見た斜視図であり、図181は、上側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図182は、上側役物装置の上側可動装飾体を斜め前から見た斜視図であり、図183は、上側可動装飾体を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図184(a)は、上側可動装飾体を、左右方向中央で切断した際の左側部分を斜め前から見た斜視図であり、図184(b)は、上側可動装飾体における駆動部の拡大斜視図であり、図185は、上側可動装飾体におけるヘッドガードの動作を示す右側面図であり、図186は、上側役物装置の昇降駆動ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図187は、分解したものを斜め後から見た斜視図である。
また、図188(a)は右側役物装置を斜め前から見た斜視図であり、図188(b)は右側可動装飾体が演出位置に移動した状態を斜め前から見た斜視図であり、図189は、右側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図190は、分解したものを斜め後から見た斜視図であり、図191は、右側役物装置の右側可動装飾体を分解して斜め前から見た斜視図であり、図192は、右側役物装置の駆動機構部分を分解して斜め前から見た斜視図であり、図193は、右側可動装飾体の動作を示す模式的な説明図である。また、図194(a)は、左側役物装置を斜め前から見た斜視図であり、図194(b)は、左側可動装飾体が演出位置に移動した状態を斜め前から見た斜視図であり、図195は、左側役物装置を、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図である。
また、図196は、棚ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図197は、棚ユニットを、主な構成部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図198は、棚ユニットを、可動棚が設けられた部分で縦方向に切断した際の左側部分を斜め前から見た斜視図であり、図199は、可動棚及びその機構部を、分解して斜め前から見た斜視図である。また、図200は、液晶表示装置を斜め前から見た斜視図であり、図201は、裏箱、液晶表示装置、及び液晶縁部飾りを、斜め前から見た斜視図であり、図202は、裏箱及び通路カバーを、分解して斜め前から見た斜視図であり、図203は、裏箱の裏側に配設された基板等を分解し、斜め後から見た斜視図である。
図155及び図178に示すように、裏ユニット3000は、遊技パネル600の後側に取付けられており、主に、遊技パネル600から所定距離後側へ離れた位置に液晶表示装置1400を支持する裏箱3001と、裏箱3001内において、液晶表示装置1400の前方上側に配置される上側役物装置3010と、液晶表示装置1400の前方右側に配置される右側役物装置3100と、液晶表示装置1400の前方左側に配置される左側役物装置3200と、を備えて構成されている。
裏箱3001は、図202に示すように、前側が開放された箱状に形成され、前端に外方へ突出するフランジ状の固定部3001aが複数個備えられており、この固定部3001aを介して遊技パネル600(図155参照)の後側に固定されるようになっている。また、裏箱3001は、後壁3001bの略中央に矩形状の開口3001cが形成されており、この開口3001cを通して、後側に支持される液晶表示装置1400を視認させることが可能になっている。さらに、裏箱3001には、上側役物装置3010、右側役物装置3100、及び左側役物装置3200等を取付固定するための取付部が適宜位置に形成されている。
上側役物装置3010について詳細に説明する。図180及び図181に示すように、所定のキャラクタの「顔」を模して造形された上側可動装飾体3011と、上側可動装飾体3011を、液晶表示装置1400の上側である待機位置(図179(a)参照)、及び液晶表示装置1400の上部前方である演出位置(図179(b)参照)の間で、上下方向に移動させる昇降駆動ユニット3040とを備えて構成されている。また、上側可動装飾体3011の左右両側には、キャラクタの「肩」を模した形状の左側顔サイド飾り3052及び右側顔サイド飾り3053が、昇降駆動ユニット3040の前面に固定状態で取着されている。
上側可動装飾体3011は、図182乃至図184に示すように、右側面形状が略コ字形である顔本体ベース3012と、顔本体ベース3012の上部前側に配置されたヘッドガード3013と、顔本体ベース3012の下部前側に配置された下側マスク3014と、を備えて構成されている。ヘッドガード3013は、キャラクタの「前頭部」を覆うように、蓋形で、且つ上面後半部分及び背面が切欠れた形状を呈しており、左右側面の下部に形成された一対の軸孔3013aが、顔本体ベース3012の側面部分に形成された一対の取付孔3012aに連通するとともに、軸孔3013a及び取付孔3012aに挿入された頭軸ピン3025によって回動可能(ずなわち図185の二点鎖線に示すように傾動可能)に支持されている。なお、頭軸ピン3025の両端には、ブッシュ3026及びピンストッパー3027が設けられており、顔本体ベース3012に対してヘッドガード3013が左右方向にがたつかないように支持されている。
ヘッドガード3013を駆動する機構として駆動部3019を備えている。駆動部3019は、図184(b)に示すように、モータベース3020に固定されたモータ3021と、モータ3021の回転軸に接続されたモータカム3022と、モータカム3022及びヘッドガード3013を連結する駆動アーム3023とを備えて構成されている。駆動アーム3023は、左右方向に水平な水平部3023a、その右端から垂下した垂下片3023b、及び水平部3023aの左端から垂直に立設された立設片3023cを備え、垂下片3023bには、モータカム3022の突起3022aが挿入される縦長のスリット3023dが形成され、立設片3023cの上部には、右方向に突出し、ヘッドガード3013の左右両側に形成されたガイド溝3013bに挿入される軸部3023eが形成されている。また、駆動アーム3023は、水平部3023a及び立設片3023cの境界部位がモータベース3020に対して回転可能に支持されている。これにより、モータ3021が動作し、モータ3021に接続されたモータカム3022が所定角度回転すると、駆動アーム3023が回転し、駆動アーム3023の軸部3023eが後側斜め下方に変位することで、ヘッドガード3013を、頭軸ピン3025を軸として回動させ、二点鎖線で示す位置まで移動させることが可能である。なお、ヘッドガード3013の回動位置は、駆動アーム3023に形成された検出片3023fをフォトセンサ3028によって検出することで認識できるようになっている。
一方、下側マスク3014は、キャラクタの「口」を覆うように、マスクの形状を呈しており、左右側面の上部に形成された一対の軸孔3014aが、顔本体ベース3012の側面部分に形成された一対の取付孔3012bに連通するとともに、軸孔3014a及び取付孔3012bを通して挿入された軸ピン3029によって回動可能に支持されている。なお、下側マスク3014は、ヘッドガード3013の駆動部3019に相当する構成を備えておらず、引張りバネ3018によって上方に付勢された状態(図182に示す状態)で支持されている。つまり、下側マスク3014は、機械的に駆動させることはできないが、上側可動装飾体3011の移動中、下側マスク3014に加わる慣性力または振動によって揺れ動かすことが可能になっている。
また、ヘッドガード3013及び下側マスク3014は、上下方向に離間して配置されるとともに、それらの後側には、光透過性を有する大きな赤色のパトレンズ3016と、パトレンズ3016の下部前面に配置された横長の上側マスク3015とが配設されており、ヘッドガード3013及び下側マスク3014の間からパトレンズ3016及び上側マスク3015を視認させることが可能となっている。特に、上側マスク3015は左右方向中央部分が上方に突出しており、ヘッドガード3013及び上側マスク3015が通常位置の場合(すなわち図182の実線で示す状態)には、上側マスク3015(特に突出部3015a)がキャラクタの「鼻」となり、パトレンズ3016がキャラクタの「目」となっているように見せることができる。また、パトレンズ3016は表面の上下方向が円弧状に形成されており、またパトレンズ3016の後側には、パトレンズ3016に光を投光する発光基板3017が配設されており、パトレンズ3016全体を発光装飾させることが可能になっている。
また、顔本体ベース3012の左右両側には、キャラクタの「耳」を模して造形した一対のサイドカバー3032が取付部3012cに固定されている。これらのサイドカバー3032は、顔ガイドベース3031及び下側マスク3014を挟むように取付けられているため、ヘッドガード3013及び下側マスク3014を軸支する頭軸ピン3025及び軸ピン3029等の端部を遮蔽し、これらの露出による見栄えの低下を防止することが可能になっている。また、顔本体ベース3012の後側には、顔ガイドベース3031が配設されており、この顔ガイドベース3031を介して昇降駆動ユニット3040に連結されている。
一方、上側可動装飾体3011を上下方向に移動させる昇降駆動ユニット3040は、図186及び図187に示すように、後面が開放された顔スライドカバー3041と、顔スライドカバー3041の後側に配置され前面が開放された箱状の顔スライドベース3042と、放熱板3046を介して顔スライドベース3042の裏面に取付けられたモータ3045と、顔スライドベース3042の内部に収容され、モータ3045の回転を上下方向の直線運動に変換して上側可動装飾体3011の顔ガイドベース3031に伝達する伝達機構とを備えて構成されている。伝達機構は、モータ3045の回転軸に接続されたモータギア3047と、顔スライドカバー3041及び顔スライドベース3042に軸支されるとともに、モータギア3047に噛合されたスライド中継ギア3048と、顔スライドベース3042に対して上下方向に摺動可能に支持されるとともに、左側面にラック3043aが形成されたスライド部材3043とを備えている。ラック3043aは上下方向に形成されるとともに、スライド中継ギア3048に噛合されており、スライド中継ギア3048が回転すると、その回転運動がラック3043aによって直線運動に変換され、スライド部材3043が上下方向に移動するようになっている。また、スライド部材3043には、嵌合孔部3043bが形成されており、顔ガイドベース3031の裏面から突出する複数の突起部3031aが前側から嵌挿されている。なお、突起部3031aは、ブッシュ3044、及び顔スライドカバー3041に形成された縦長のスリット3041aを通して、嵌合孔部3043bに嵌挿されている。
また、顔スライドベース3042内には、モータギア3047と噛合するスプリングギア3049、及びスプリングギア3049を一定の回転方向(反時計方向)に付勢することで、上側可動装飾体3011を待機位置(上側停止位置)に向かって付勢するスプリング3050とが配設されており、これにより上側可動装飾体3011の自重による落下を抑制するとともに、モータ3045の負荷を軽減することが可能になっている。また、顔スライドベース3042内には、顔スライドベース3042の上限位置及び下限位置をそれぞれ検出する一対のフォトセンサ3051が配設されており、これにより上側可動装飾体3011が待機位置あるいは演出位置に達したことを夫々検出することが可能になっている。
次に、右側役物装置3100について詳細に説明する。右側役物装置3100は、図188乃至図190に示すように、所定のキャラクタの「左手」を模して造形された右側可動装飾体3101と、右側可動装飾体3101を、液晶表示装置1400の右側である待機位置(図179(a)参照)、及び液晶表示装置1400の前方(中央よりも右寄りの位置)である演出位置(図179(b)参照)の間で、左右方向に移動させる駆動ユニット3102と、駆動ユニット3102に対する右側可動装飾体3101の移動方向を案内するリニアガイド部3126と、を備えて構成されている。なお、右側可動装飾体3101は、所定のキャラクタの「左手」に相当するものであるが、正面から見て右側に配置されていることから、説明の便宜上、右側可動装飾体3101に関する部材には、「右」または「右側」を付けて説明する場合がある。
右側可動装飾体3101は、図189及び図191に示すように、右腕本体ベース3105と、その前側に配設され「左手」を模して造形した装飾体、具体的には、「手の甲」の外郭を模した枠状の右腕本体カバー3106、右腕本体カバー3106の左側面に取付けられ「人差し指」から「小指」までの根元部を模した右指本体3107、右腕本体カバー3106の上面に取付けられ「親指」を模した右親指部3108、右指本体3107の左側面に取付けられ「人差し指」から「小指」までの指先部分を模した指サイド部3109、及び、右腕本体カバー3106の開口部3106aを塞ぐように配設され、「手の甲」を模すとともに表面に「拳」という文字が表示されたレンズ部3111を有するレンズベース3110と、を備えて構成されている。なお、右腕本体ベース3105の上部右端部分には、右腕本体カバー3106の上面右角部分(切欠部分)に嵌込まれ、連続する「手」の一部を形成する付加装飾部3105aが設けられている。また、右指本体3107には、前後方向に貫通する複数の透孔3107aが穿設され、後側に配置された発光基板3313の発光部が挿入されている。また、右親指部3108にも、前後方向に貫通する透孔3108aが穿設され、後側に配置された親指レンズ3114が挿入されている。また、レンズ部3111及び親指レンズ3114の後側には、レンズ部3111及び親指レンズ3114に光を投光する発光基板3116が配設されている。なお、発光基板3116には電力を供給するためのフラットケーブル3119が接続され、そのフラットケーブル3119は、右腕本体ベース3105の背面に沿って配線されるとともに、右腕本体ベース3105の付加装飾部3105aに形成されたスリット3105bを通して外部に引き出されている。また、フラットケーブル3119は、ケーブル押え3120によって右腕本体ベース3105に支持されており、右側可動装飾体3101の可動中、フラットケーブル3119に干渉しないように(すなわちフラットケーブル3119を巻き込まないように)なっている。また、フラットケーブル3119の先端は、ケーブルカバー3165(図192参照)によって支持された中継基板3166に接続されている。なお、ケーブルカバー3165は裏箱3001に固定されている。
また、右腕本体ベース3105の後面下部には、後述するリニアガイド部3126の可動側案内部材3128を収容するための収容部3117が取着されている。この収容部3117は縦断面形状が略コ字形の部材からなり、収容空間の外側面となる上面には左右方向に沿って形成されたラック3118が設けられている。
一方、駆動ユニット3102は、図192に示すように、ベース部材3125と、ベース部材3125に配設された駆動部3150とを備えている。駆動部3150は、ベース部材3125の背面側に放熱板3158及びアース板金3163を介して取付けられたモータ3151と、ベース部材3125の前側に配設されるとともにモータ3151の回転軸に接続されたモータ歯車3152と、モータ歯車3152に噛合するとともに左右水平方向(すなわち右側可動装飾体3101の移動方向)に沿って並設された三つの伝達用歯車3156と、一番左側の伝達用歯車3156に噛合するとともに、右側可動装飾体3101のラック3118に噛合した歯車3153と、を備えて構成されている。なお、三つの伝達用歯車3156及び歯車3153は、ベース部材3125とその前側に配設されたカバー部材3157とによって回転可能に支持されている。また、ベース部材3125の背面側には正面視L字形のセンサ取付部材3160が配設されており、センサ取付部材3160に取付けられたフォトセンサ3161によって、収容部3117に形成された検出片3117a(図191参照)を検出することにより、右側可動装飾体3101が待機位置に位置することを検出することが可能になっている。また、センサ取付部材3160の左端には、前方へ突出する突出部3162が一体的に形成されており、右側可動装飾体3101が演出位置に移動した際、収容部3117に形成されたストッパー3117b(図191参照)が突出部3162に突当たることにより、演出位置で停止するようになっている。
ところで、一般に、このような役物装置を構成する場合、可動装飾体を水平方向に滑らかに移動させるためにガイド部が設けられるが、このガイド部材としては、可動装飾体を待機位置と演出位置との間で移動させ得るだけの長さのものが必要となり、しかも、見栄えを損ねないように、通常、ガイド部材は可動装飾体の後側に配置され、可動装飾体が待機位置に移動した場合でも、遊技者側に露出しないように短く形成されている。このため、可動装飾体を大きく動かすこと、すなわち可動装飾体を演出位置へ移動させる際に、センター役物2300の中心に向かって大きく飛び出させることができず、遊技者に大きなインパクトを与えることが困難となっている。
これに対し、本例のリニアガイド部3126は、図189及び図192に示すように、ベース部材3125の下部前面の取付部3125aに取付けられたベース側案内部材3127と、右側可動装飾体3101の裏面(収容部3117)に取付けられた可動側案内部材3128と、ベース側案内部材3127及び可動側案内部材3128の間に介装された遊動レール3129と、を備えて構成されている。つまり、ベース側案内部材3127、遊動レール3129、及び可動側案内部材3128が、ベース部材3125と右側可動装飾体3101との間において前後方向に重ねられた状態で配置されている。ここで、遊動レール3129は、可動側案内部材3128に対し所定方向に遊動可能に支持されているため、ラック3118を介して右側可動装飾体3101に左右方向の力が作用すると、右側可動装飾体3101の裏面に取付けられた可動側案内部材3128が遊動レール3129に対して摺動し、右側可動装飾体3101は左右方向に案内される。しかも、遊動レール3129は、ベース部材3125の前面に取付けられたベース側案内部材3127に対しても左右方向に遊動可能に支持されているため、右側可動装飾体3101の移動に伴い遊動レール3129はベース側案内部材3127に対して摺動する。つまり、右側可動装飾体3101は、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の移動距離と、遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の移動距離とを加えた長さだけ、移動することとなる。換言すれば、待機位置と演出位置との間における右側可動装飾体3101の案内が、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の案内と、遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の案内とに分担される。このため、ベース側案内部材3127、遊動レール3129、及び可動側案内部材3128における所定方向の長さを、これらが露出されないように(すなわち待機位置における右側可動装飾体3101の後側に隠れるように)比較的短く形成しても、右側可動装飾体3101を大きく移動させ、演出における右側可動装飾体3101のインパクトを高めることが可能になる。
特に、リニアガイド部3126を構成する、ベース側案内部材3127、可動側案内部材3128、及び遊動レール3129は、左右方向(移動方向)の長さが全て等しく、且つ右側可動装飾体3101よりも小さく形成されている。このため、右側可動装飾体3101がベース部材3125の前方に重ねられた状態、すなわち待機位置の状態では、リニアガイド部3126の全てが右側可動装飾体3101によって遮蔽される。したがって、リニアガイド部3126の露出による見栄えの低下を確実に防止することができる。また、ベース側案内部材3127及び遊動レール3129の長さが、右側可動装飾体3101の大きさによって制限される可動側案内部材3128の長さと等しいことから、右側可動装飾体3101の移動距離(すなわち待機位置と演出位置との間隔)を、リニアガイド部3126が露出しない範囲で最大限の長さとすることができる。
また、ベース側案内部材3127は断面略コ字形の部材であり、ベース部材3125に取付けられる平板状の第一取付部3131と、その幅方向両端から突出し遊動レール3129の厚み方向(奥行方向の長さ)の略半分を挟む一対の第一挟み片3132とからなり、第一挟み片3132の内側の面には、左右方向(移動方向)に沿って形成された第一溝部3133が設けられている。また、可動側案内部材3128は、ベース側案内部材3127と同様コ字形の部材であり、右側可動装飾体3101の収容部3117に取付けられる平板状の第二取付部3135と、その幅方向両端から突出し遊動レール3129の厚み方向略半分をベース側案内部材3127の反対側(前側)から挟む一対の第二挟み片3136とからなり、第二挟み片3136の内側の面には、左右方向(移動方向)に沿って形成された第二溝部3137が設けられている。
一方、遊動レール3129は、柱状の部材であり、ベース側案内部材3127の第一溝部3133に対向する第三溝部3139と、可動側案内部材3128の第二溝部3137に対向する第四溝部3140とが左右方向に沿って設けられている。そして、第一溝部3133と第三溝部3139との間には、これらの溝部3133,3139内で転動する複数の第一球体3142が設けられ、第二溝部3137と第四溝部3140の間には、これらの溝部3137,3140内で転動する複数の第二球体3143が設けられている。このため、リニアガイド部3126全体の大きさを比較的小さく構成しながらも、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の摺動、及び遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の摺動を一層滑らかに行うことができ、図193(a)に示す待機位置と、図193(b)に示す演出位置との間で、右側可動装飾体3101を安定して移動させることができる。
ところで、例えば右側可動装飾体3101が演出位置に移動すると(すなわち可動側案内部材3128が遊動レール3129に対して引き出され、且つ遊動レール3129がベース側案内部材3127に対して引き出されると)、右側可動装飾体3101の荷重が夫々の案内部材3128,3129,3127同士の接触部分に集中的に加わるため、右側可動装飾体3101の重量が大きな場合には、夫々の案内部材3128,3129,3127への負担が大きくなり、待機位置に戻すことが困難になったり、それぞれの案内部材3128,3129,3127の端部側が破損したりすることが懸念される。
これに対し、本例の構成によれば、互いに対向する面に溝部3133,3139,3137,3140が形成され、それらの溝部の間には、複数の球体(第一球体3142及び第二球体3143)が転動するように設けられているため、接触部分に加わる右側可動装飾体3101の荷重を分散することができ、ひいては夫々の案内部材3128,3129,3127の破損等を抑制するとともに、モータ3151の負荷を軽減することが可能となる。
ところで、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の摺動抵抗が、遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の摺動抵抗よりも大きい場合は、右側可動装飾体3101が移動する際、まず可動側案内部材3128が遊動レール3129に対して摺動(第一の案内)し、その後、遊動レール3129がベース側案内部材3127に対して摺動(第二の案内)することとなる。また、これとは逆に、遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の摺動抵抗が、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の摺動抵抗よりも大きい場合は、まず遊動レール3129がベース側案内部材3127に対して摺動(第二の案内)し、その後、可動側案内部材3128が遊動レール3129に対して摺動(第一の案内)することとなる。つまり、どちらの場合も、一方の案内が終了した後(終端位置に到達した後)に他方の案内が開始されることとなり、これによれば、右側可動装飾体3101が待機位置から演出位置に移動する途中で、摺動する部分が切り替わることになり、滑らかな動きを一瞬損なう(すなわち、引っかかるような感覚を与える)虞れがある。
これに対し、本例では、ベース側案内部材3127の第一溝部3133、及び遊動レール3129の第三溝部3139の間に設けられた第一球体3142の個数と、可動側案内部材3128の第二溝部3137、及び遊動レール3129の第四溝部3140の間に設けられた第二球体3143の個数とが、互いに等しくなっているため、ベース側案内部材3127に対する遊動レール3129の摺動抵抗と、遊動レール3129に対する可動側案内部材3128の摺動抵抗とを、略一致させることができる。したがって、右側可動装飾体3101が移動する際、二つの摺動(案内)が同時に行われ、ひいては移動範囲全域に亘って滑らかに案内することが可能になる。
また、図190に示すように、可動側案内部材3128(右側可動装飾体3101を支持する部分)と、ラック3118(歯車3153の回転力を受ける部分)とが隣接して設けられているため、右側可動装飾体3101を回転させようとするモーメントを小さく抑えることができ、リニアガイド部3126に加わる負担を軽減することができる。特に、可動側案内部材3128を収容する収容部3117の外壁面(上面)にラック3118が一体成形されているため、ラック3118を別部材で構成するものに比べ、可動側案内部材3128とラック3118とを平行状態に組付けることが容易となる。また、ラック3118を可動側案内部材3128に一層近づけて配置することができるため、リニアガイド部3126に加わる負担をさらに軽減することができる。
また、右側可動装飾体3101を移動させるために設けられた駆動ユニット3102(すなわちモータ3151、歯車3153、及び複数の伝達用歯車3156等)は、全て待機位置における右側可動装飾体3101の後側に配置されているため、駆動ユニット3102及び右側可動装飾体3101からなる一つの装飾ユニットを、比較的小さく構成することができ、例えば右側可動装飾体3101の上側や下側に別の装飾体や機構部が組込まれる場合であっても、装飾ユニットを限られたスペースの中で配置することが容易となる。なお、待機位置は、遊技パネル600またはセンター役物2300によって遮蔽される位置であるため、駆動ユニット3102は、右側可動装飾体3101が演出位置に移動した状態でも視認されることはない。
また、モータ3151の回転力を歯車3153に伝達する伝達機構として、モータ歯車3152、及び複数の伝達用歯車3156を備えており、これらが、左右方向(移動方向)に沿って一列に配列されているため、モータ3151と歯車3153とが互いに離れた状態で配置されているにも拘わらず、伝達機構を大型化することなく、左右方向に沿って細長く構成することができる。したがって、これらの伝達機構を、ラック3118に接近させた状態で並設することができ、待機位置における右側可動装飾体3101の後側に収容することを容易とすることができる(図193(a)参照)。
次に、左側役物装置3200について説明する。左側役物装置3200は、図194及び図195に示すように、所定のキャラクタの「右手」を模して造形された左側可動装飾体3201と、左側可動装飾体3201を、液晶表示装置1400の左側である待機位置(図179(a)参照)、及び液晶表示装置1400の前方(中央よりも左寄りの位置)である演出位置(図179(b)参照)の間で、左右方向に移動させる駆動ユニット3202と、駆動ユニット3202に対する左側可動装飾体3201の移動方向を案内するリニアガイド部3226とを備えて構成されている。なお、左側可動装飾体3201の外観は、右側役物装置3100の外観と対称となっており、左側役物装置3200は右側役物装置3100と同様の部材から構成されている。このため、ここでは、同一(対称形状を含む)の部品に同じ番号を付し、詳細な説明は省略する。なお、左側可動装飾体3201におけるレンズ部3211には、「神」の文字が記載されている。
ところで、一般に複数の可動装飾体を備えるものであっても、それらの可動装飾体がそれほど頻繁に動作するものではなく、しかも動作のタイミングが予測困難である場合には、遊技者は、待機位置で待機している可動装飾体よりも液晶表示装置1400の表示画面1401(ほとんど連続的に変化している画面)を注目するようになり、ひいては可動装飾体が演出位置に移動しても、遊技者はその動作に気づかなかったり、可動装飾体の動きを十分に楽しむことができなくなる虞がある。特に、夫々の可動装飾体の動きが比較的小さい場合には、遊技者に大きなインパクトを与えることができず、遊技者の注意を引付けることが困難となる。
これに対し本例では、図179(a)に示すように、液晶表示装置1400の表示画面1401を、下部側に割り当てられた帯状の第一表示領域1401aと、それ以外の大部分を占める第二表示領域1401bとに区分けし、第一表示領域1401aに報知情報Hを表示させ、第二表示領域1401bに演出画像Eを表示させるようにするとともに、三つの可動装飾体、すなわち上側可動装飾体3011、右側可動装飾体3101、及び左側可動装飾体3201が、全て演出位置に移動すると、図179(b)に示すように、表示画面1401の第二表示領域1401b、すなわち演出画像Eが表示される領域の略全域が、これらの可動装飾体3011,3101,3201によって遮蔽されるようになっている。これによれば、注目していた演出画像Eが突然見えなくなることから、遊技者をびっくりさせるとともに、その原因となる可動装飾体3011,3101,3201に注意を引き付けることが可能になる。また、三つの可動装飾体3011,3101,3201が第二表示領域1401bの略全域にわたって出現することから、夫々の可動装飾体3011,3101,3201を極めて大きく見せることができ、迫力のある演出動作によって遊技に対する興趣を一層高めることが可能になる。
一方、表示画面1401の第一表示領域1401aには、遊技の状態を把握する上で必要な報知情報Hが表示されるが、この第一表示領域1401aは全ての可動装飾体3011,3101,3201が演出位置に移動しても遮蔽されないため、可動装飾体3011,3101,3201による演出動作中も、継続して報知情報Hを把握させることが可能となる。また、表示画面1401に表示される演出画像E及び報知情報Hのうち、報知情報Hのみを視認させ続けるため、演出画像E及び報知情報Hを、それぞれ別々の意味をなす情報であると意識させることができる。
なお、本例の報知情報Hには、大当り抽選に関する保留図柄が含まれている。詳細は後述するが、大当り抽選に対して保留・消化処理が行われており、特別図柄の変動中に、遊技球が第一始動口2001または第二始動口2002に入賞したことが検出された場合、その検出に基づく処理の実行を待機させ、その待機数を始動記憶数として記憶するようになっている。そして、始動記憶数に対応した数の保留図柄(本例では「星マーク」)が、処理の実行順に従って一連の図柄列で第一表示領域1401aに表示されるようになっている。
また、本例では、互いに関連した三つの可動装飾体3011,3101,3201が、表示画面1401の前方に集まって第二表示領域1401bの略全域を覆いつくすため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201の関連付けが一層強くなり、複数の可動装飾体3011,3101,3201を一つの可動役物ユニットとして意識させることができる。したがって、演出の躍動感や迫力をさらに高めることが可能になる。
また、複数の可動装飾体として、水平方向に移動する左右一対の右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201と、上側に設けられ上下方向に移動する一つの上側可動装飾体3011とを備えるため、表示画面1401の下部側に設けられた帯状の第一表示領域1401aを残した領域(すなわち第二表示領域1401b)の略全域を、比較的容易に遮蔽することが可能になる。なお、左右一対の右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201のみでも、縦方向の長さを大きくすれば第二表示領域1401b全域を覆うことが可能になるが、上側可動装飾体3011、すなわち左右一対の右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の移動方向(左右方向)とは異なる方向に動く上側可動装飾体3011を組合わせることで、可動装飾体全体の動きを複雑にし、演出の面白みを高めることが可能になる。特に、上側可動装飾体3011が、所定のキャラクタの「顔部」を模して造形されたものであり、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が、そのキャラクタの「手」を模して造形されたものであるため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201の配置及び移動方向が、実際のキャラクタの動きに即したものとなる。このため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201のインパクトを高めるとともに、キャラクタの本来の動きを模した動きによりキャラクタに現実みを持たせることができる。
また、キャラクタの顔部を模して造形された上側可動装飾体3011が、左右の手を模して造形された右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201よりも、遊技者側に迫出して配置されている。このため、キャラクタを立体的に見せるとともに、そのキャラクタが液晶表示装置1400から飛び出してきたようなイメージを生じさせ、各可動装飾体3011,3101,3201の迫力を一層高めることが可能になる。
また、前述したように、上側可動装飾体3011にはヘッドガード3013が設けられており、ヘッドガード3013は、上側可動装飾体3011の移動方向(すなわち上下方向)とは異なる方向に移動するようになっているため、可動装飾体全体の動きを一層複雑なものとすることができ、演出効果を高めることが可能である。特に、ヘッドガード3013は、上側可動装飾体3011が演出位置に達したことが検出された後に、斜め上方に持ち上がるように移動するため、上側可動装飾体3011を段階的に動作させることができ、上側可動装飾体3011への注目を一層高めることが可能になる。また、上側可動装飾体3011では、第二表示領域1401bへの遮蔽面積を変化させることなくヘッドガード3013が移動するため、ヘッドガード3013が移動した後も、第二表示領域1401bの略全域を遮蔽することができる。
また、図179(a)に示すように、上側可動装飾体3011が待機位置のとき、ヘッドガード3013の移動方向側に隣接するように岩形飾り2305が配設されているため、待機位置ではヘッドガード3013が移動するというイメージを遊技者に喚起させないようにすることができ、ひいては、ヘッドガード3013の動作を思いがけないものとし、演出の興趣を一層高めることが可能になる。
また、上側可動装飾体3011には、遊技者に向かって光を放射する発光手段(パトレンズ3016及び発光基板3017)(図183参照)が備えられており、ヘッドガード3013が特定方向に向かって移動すると、パトレンズ3016の露出面積が次第に拡がるようになっている。したがって、ヘッドガード3013の移動を、パトレンズ3016の露出面積(すなわち発光面積)の変化とともに視認させることができ、ヘッドガード3013の動作を一層目立たせ、遊技者に大きなインパクトを与えることができる。
一方、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201は、図179(a)に示すように、待機位置のときも、一部分が遊技者側から視認可能となるため、待機位置に隠れている右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の存在を意識させ、それらの動作に対して期待を持たせることが可能になる。また、待機位置では、残りの部分がセンター役物2300によって遮蔽されているため、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の全貌が視認可能となる演出位置(図179(b)参照)と、一部が隠れて見えなくなる待機位置(図179(a)参照)とを差別化することができ、演出位置におけるインパクトの低下を抑制することができる。また、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201は、外観形状が互いに対称でありながらも、待機位置では視認可能な部分の面積が互いに異なっている。具体的には、左側可動装飾体3201の方が右側可動装飾体3101よりも多く露出している。このため、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が移動によって見え隠れすることを遊技者に意識させ、それらの動作に対して興味を持たせることが可能になる。
また、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201にレンズ部3111,3211が設けられており、これらのレンズ部3111,3211は、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が待機位置のとき遮蔽され、演出位置になると視認可能となる。したがって、演出位置と待機位置とを一層差別化することができ、演出位置におけるインパクトの低下を抑制することができる。特に、レンズ部3111,3211は、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の外観形状と関連しないものであるため、意外性のある装飾の出現によって演出の面白みをさらに高めることが可能となる。
次に、棚ユニット3300について説明する。棚ユニット3300は、裏箱3001(図178参照)の略中央に配設され、センター役物2300(図173参照)内に取込まれた遊技球を左右方向に転動させるものであり、特に、転動面の一部を左右方向に往復運動させることで遊技球の通路を変化させることが可能になっている。図196乃至図198を基に詳細に説明すると、棚ユニット3300は、上面が波形に形成された棚ベース3301と、棚ベース3301の前面に取付けられ遊技球を転動させる転動面を有する後側スロープ部材3302と、後側スロープ部材3302の左右方向中央の下部側に取付けられ発光基板3313によって発光装飾可能な中央下基板ベース3303と、中央下基板ベース3303の上側に配置されるとともに、後側スロープ部材3302に対し左右方向に移動可能な可動棚3304と、後側スロープ部材3302の後側に配置され可動棚3304を移動させる棚駆動機構部3305と、を備えて構成されている。
棚駆動機構部3305は、図197及び図199に示すように、棚ベース3301の背面側に取付けられるとともに、回転軸が棚ベース3301の前面に突出して配設されたモータ3306と、棚ベース3301の前側においてモータ3306の回転軸に接続されたモータアーム3307と、モータアーム3307の先端が挿入された上下方向のスリット3308aを左端に有するとともに、棚ベース3301に対し左右方向に摺動可能に支持されたスライダー3308と、を備えており、スライダー3308の上端部分と可動棚3304とが、後側スロープ部材3302の長孔部3302hを通して配設された一対のガイドピン3309によって接続されている。つまり、モータ3306が動作すると、その回転運動がモータアーム3307及びスライダー3308によって左右の直線運動に変換され、可動棚3304を左右方向に往復運動させることが可能になっている。なお、ガイドピン3309には、ブッシュ3310が設けられており、後側スロープ部材3302に対して前後方向に変位させることなく、左右方向に滑らかに移動させることが可能になっている。また、可動棚3304の位置は、フォトセンサ3311によって検出されるようになっている。
図196及び図198に示すように、後側スロープ部材3302は、波形状に形成された上段転動面3302a、及びその前側に形成された中段転動面3302dを有している。上段転動面3302aは、左端が前述したワープ通路2316(図172参照)に連通しており、ワープ通路2316を通して送られる遊技球を左右方向に転動させることが可能になっている。特に、上段転動面3302aは、左右方向の略中央部分が山形に隆起するとともに、その頂上部分には前方に向かって下り勾配に形成された第一流出部3302bが設けられ、さらにその左右外側の谷部分にはそれぞれ前方に向かって下り勾配に形成された第二流出部3302cが設けられている。つまり、左右方向に転動する遊技球の勢いが、左右方向の中央部分(頂上部分)でなくなった場合には、その遊技球は、中央の第一流出部3302bから前方に流出され、一方、中央部分以外の部位で勢いがなくなった場合には、第二流出部3302cから前方に流出されるようになっている。
中段転動面3302dは、中央に配置された可動棚3304を挟むように、左右に離間して配置された一対の転動面からなり、上段転動面3302aの第二流出部3302cから流出する遊技球を左右(外側または内側)に振り分けることが可能になっている。中段転動面3302dの外寄りの位置には、前方に向かって下り勾配に形成された第三流出部3302eが設けられており、中段転動面3302d上で外側に振り分けられた遊技球が第三流出部3302eから前方に流出されるようになっている。また、中段転動面3302dの内側端部には、内側に向かって下り勾配に形成された第四流出部3302fが設けられており、中段転動面3302d上で内側に振り分けられた遊技球が、第四流出部3302fから左右方向の中心に向かって流出されるようになっている。なお、第四流出部3302fと可動棚3304との間には、隙間が設けられており、可動棚3304を左右方向に移動可能させることが可能になっている。そして、可動棚3304が右側に移動すると、後側スロープ部材3302の右側に形成された第四流出部3302fに接近し、第四流出部3302fから流出する遊技球を可動棚3304で受取ることが可能となり、一方、可動棚3304が左側に移動すると、後側スロープ部材3302の左側に形成された第四流出部3302fに接近し、この第四流出部3302fから流出した遊技球を可動棚3304で受取ることが可能となる。換言すれば、第四流出部3302fから流出した遊技球は、その第四流出部3302fに可動棚3304が接近している場合にのみ受け渡すことができ、それ以外の場合(すなわち離れている場合)には、第四流出部3302fから落下し、中央下基板ベース3303の上面に送られることとなる。なお、上段転動面3302aの第一流出部3302bから流出した遊技球は、可動棚3304の可動位置に拘わらず、常に可動棚3304上に落下するようになっている。可動棚3304の上面は左右方向中央が最も低くなるように円弧状に湾曲しており、受取った遊技球を中央に導くとともに可動棚3304の後方に位置するチャンス口3302gに入球させることが可能になっている。
チャンス口3302gに入球した遊技球は、後側スロープ部材3302の背面側に配置された球誘導部3314(図199参照)によって誘導され、さらに中央下基板ベース3303に形成された通路3303a(図196参照)を通って、センター台板2301(図175参照)のチャンス出口2301aから第一始動口2001の真上の遊技領域605に排出されるようになっている。なお、中段転動面3302dの第三流出部3302eから流出した遊技球、または中段転動面3302dの第四流出部3302fから落下した遊技球(すなわち可動棚3304に受け渡すことができなった遊技球)は、後側スロープ部材3302の前側に配置された前スロープ部2302(図172参照)に送られ、前スロープ部2302の中央部分に形成された比較的広範な第五流出部2302aから遊技領域605に排出されるようになっている。
また、図197に示すように、棚ベース3301は透明な部材で形成されるとともに、内部に棚飾り3316を備えており、棚ベース3301の上面から棚飾り3316の装飾を視認させることが可能になっている。また、棚飾り3316の下側には、基板カバー3318によって支持された発光基板3317が設けられており、発光基板3317から投光する光によって棚飾り3316を発光装飾させることが可能になっている。
次に液晶表示装置1400について説明する。図200に示すように、液晶表示装置1400は、主に、前側が開放された箱状の制御基板ケースカバー1402と、制御基板ケースカバー1402に収容された液晶制御基板(図示しない)と、液晶モジュール(図示しない)と、液晶モジュールを取付けるためのセット板(図示しない)と、液晶モジュールの前面を覆う透明の保護板1403とを備えて構成されている。なお、セット板には、右辺及び左辺に夫々外方へ突出する固定片が備えられており、左側の固定片が裏箱3001の液晶支持部(図示しない)に係止されると共に、右側の固定片が液晶ロック部材3410(図203参照)によって着脱可能に固定されている。
また、図201に示すように、裏箱3001における開口3001cの左右両縁には、液晶表示装置1400の表示画面1401の左右両側を装飾する一対の液晶縁部飾り3400が設けられている。この液晶縁部飾り3400は、表面に複数の窓部を有する装飾部3400aと、レンズ(図示しない)を介して投光する発光基板(図示しない)とからなり、遊技者に向かって光を投光することが可能となっている。
また、図201に示すように、裏箱3001の下部側には、一般入賞口2004,2102に入賞した遊技球を誘導する左側球通路3403と、一般入賞口2155に入賞した遊技球を誘導する右側球通路3401と、第一始動口2001に入賞した遊技球を誘導する第一始動口用球通路3402と、大入賞口2330aに入賞した遊技球を誘導する大入賞口用球通路3404と、第2始動口2002に入賞した遊技球を誘導する第二始動口用球通路3405と、が形成されており、球通路3401、大入賞口用球通路3404、及び第二始動口用球通路3405は、右通路カバー3402によって閉鎖され、球通路3403、及び第一始動口用球通路3402は、左通路カバー3404によって閉鎖されている。なお、夫々の球通路3401,3403には、入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ2014が配設されている。また、裏箱3001には、大入賞口用球通路3404の上流側の左下方に磁気センサ3406を取り付けるための矩形形状を有する取付部3001zが時計方向に所定回転させて右下がりとなるように磁気センサ3406のコネクタ3406baと対応する右端辺の一部を除いて各端辺が手前側に突出して形成されており、正面から見ると、コ字状に形成されている。これにより、手前から磁気センサ3406を取付部3001zに挿入しても磁気センサ3001zのコネクタ3406baと取付部3001zとが干渉しないようになっている。また、裏箱3001には、第一始動口用球通路3402の上流側の左方に磁気センサ3406を取り付けるための矩形形状を有する取付部3001zが反時計方向に所定回転させて右上がりとなるように磁気センサ3406のコネクタ3406baと対応する左端辺の一部を除いて各端辺が手前側に突出して形成されており、正面から見ると、コ字状に形成されている。これにより、手前から磁気センサ3406を取付部3001zに挿入しても磁気センサ3001zのコネクタ3406baと取付部3001zとが干渉しないようになっている。このように、裏箱3001を正面から見ると、2つの磁気センサ3406がハ字状に配置されている。この2つの磁気センサ3406が配設されることにより、磁石等を用いた不正な遊技を検出することが可能になっている。
本実施形態では、2つの磁気センサ3406は同一の性能を有するものであるため、ここでは右上がりとなっている取付部3001zに挿入される磁気センサ3406について説明する。この磁気センサ3406は、図201に示した状態で取り付けられた場合では、裏箱3001を正面から見て、矩形箱状の左側の側面3406aには、この側面3406aに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検出領域内における磁気を検出することができるとともに、この側面3406aと反対側の側面である矩形箱状の右側の側面3406bには、この側面3406bに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検出領域内における磁気を検出することができる。この側面3406bには、磁気センサ3406を電気的に接続するためのコネクタ3406baがこの側面3406bに対して垂直方向に突出して設けられている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、側面3406a、及び側面3406bに対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、側面3406aに垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検査領域、及び側面3406bに垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検査領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。
また、図203に示すように、裏箱3001の後側には、各モータを個別に駆動するモータ駆動基板3412と、各装飾基板に実装されたLEDを駆動するランプ駆動基板3413と、駆動信号を中継する中継基板3415、パネル中継端子板3417、及び左上中継基板3418とが備えられている。なお、モータ駆動基板3412及びランプ駆動基板3413は、基板セット板3411によって支持されるとともに、基板カバー3414に覆われている。また、中継基板3415は基板カバー3416に収容された状態に設けられている。
[3.主基板・周辺基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図204を参照して説明する。図204は主基板及び周辺基板のブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186と、を備えて構成されている。また、周辺基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御基板4140(演出表示制御手段、開閉動作制御手段、電動始動口制御手段)と、周辺制御基板4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1400での演出画像の表示を制御する液晶制御基板3181と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図204に示すように、マイクロプロセッサとしての主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、上述したRAMクリアスイッチ624aと、を備えている。主制御MPU4100aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU4100aは、第一始動口2001へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ2011、第二始動口2002へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2349、及び一部の一般入賞口センサ2014からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2202、一般入賞口センサ2014、カウントセンサ2013及び裏ユニット3000に取付けられた磁気センサ3406からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3247、そして主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりする。主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基いて、主制御I/Oポート4100bそしてパネル中継基板3247を介して始動口ソレノイド2033、及び大入賞口ソレノイド2347への駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3247、そして、機能表示基板640aを介して第一特別図柄表示器641、第二特別図柄表示器642、第一特別図柄記憶表示器643、第二特別図柄記憶表示器644、普通図柄表示器645、普通図柄記憶表示器646、遊技状態表示器647、不正報知表示器648、センター役物2300の保留状態表示部3152に駆動信号を出力したりする。
また主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を、上述した主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186に送信したり、この払出制御基板1186からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を、主ドロワ中継基板1107を介して受信したりする。更に主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺基板4010の周辺制御基板4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御基板4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板1186からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御基板4140に送信する。
主制御基板4100には、その詳細な説明は後述するが、電源基板1136から各種電圧が供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)は、主ドロワ中継基板1107を介して払出制御基板1186にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板1136から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板1186等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板1186は、図204に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110と、上述した発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120と、上述した、エラーLED表示器4130と、エラー解除スイッチ4131と、球抜きスイッチ4132と、を備えて構成されている。
払出制御基板1186における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4110は、図204に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU4110aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4110bと、払出制御MPU4110aが正常に動作しているか否かを監視する外部ウォッチドックタイマ4110c(以下、「外部WDT4110c」と記載する。)と、上述した払出モータ815に駆動信号を出力する払出モータ駆動回路4110dと、を備えて構成されている。払出制御MPU4110aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵される他に、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御MPU4110aは、その詳細な説明は後述するが、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンドを受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ624aの操作信号(検出信号)が入力されたりする他に、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ778、計数スイッチ812及び回転角スイッチ855からの検出信号が賞球ユニット内中継端子板830を介して入力されたりする。
また払出制御MPU4110aは、主制御基板4100からの払出しに関する各種コマンドを受信すると、その受信した払出しに関する各種コマンドに基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、球抜きスイッチ4132が操作されると、この操作信号(検出信号)に基いて上述した、賞球タンク720及びタンクレール部材740に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、図示しないCRユニット(球貸し機)からの貸球要求信号がCRユニット端子板1150bを介して入力されると、この貸球要求信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力したり、満タンスイッチ916からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815への駆動信号を停止して払出モータ815を停止したりする。
更に払出制御MPU4110aは、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示したり、その状態を示す各種コマンドを主制御基板4100に送信したり、計数スイッチ812からの検出信号が入力されると、この検出信号に基いて、実際に払出した遊技球の球数を外部端子板1150aに出力したりする。この外部端子板1150aは、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
一方、払出制御基板1186における発射モータ695の発射制御を行う発射制御部4120は、図204に示すように、各種信号が入力される入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発信回路4120bと、このクロック信号に基いて発射モータ695の回転速度を決定する基準パルスを出力する発射制御回路4120cと、この発射制御回路4120cからの基準パルスに基いて発射モータ695に駆動信号を出力する発射モータ駆動回路4120dと、を備えて構成されている。発射制御回路4120cは、発信回路4120bからのクロック信号に基いて、1分当たり約99.95個の遊技球が遊技領域605に向けて発射されるよう発射モータ695の回転速度を制御している。つまり、上述した打球槌687の可動を制御している。
なお、上述したハンドル装置460(操作ハンドル部410)には、上述したように、タッチセンサ420、発射停止スイッチ422が内蔵されており、操作ハンドル部410の回動操作部材464に触れるとタッチセンサ420により検出され、単発ボタン421を操作すると発射停止スイッチ422により検出される。これらの検出信号は、その詳細な説明は後述するが、上述したハンドル中継端子板194を介して入力回路4120aに入力されている。また、CRユニットがCRユニット端子板1150bに電気的に接続されると、CR接続信号がCRユニット端子板1150bを介して入力回路4120aに入力される。
この払出制御基板1186には、電源基板1136から各種電圧が主制御基板4100と同様に供給されている。この電源基板1136は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板1186に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4110aは電源遮断時にでも払出しに関する各種の払出情報をその内蔵するRAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ624aが操作されると、その内容が内蔵するRAMから消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺基板4010における演出制御を行う周辺制御基板4140は、図204に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えて構成されている。
周辺制御MPU4140aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート及びウォッチドックタイマ(WDT)等の各種入出力ポートを内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基いて、扉枠5に備えられた各装飾基板のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3167に出力したり、遊技盤4に備えられた各発光装飾基板3606のLEDに点灯信号又は点滅信号を出力する遊技盤側点灯点滅コマンドをランプ駆動基板3167に出力したり、扉枠5に備えられたトップランプ電飾ユニット200の左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に回転駆動信号を出力する扉枠側モータ駆動コマンドをモータ駆動基板3013aに出力したり、遊技盤4に備えられた駆動モータ2048,3021,3045,3151,3306に回転駆動信号を出力する遊技盤側モータ駆動コマンドをモータ駆動基板3013aに出力したり、音ROM4140dから抽出する音情報を示す制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したり、液晶表示装置1400に表示させる画面を示す表示コマンドを液晶制御基板3181に出力したりする。
周辺制御MPU4140aから液晶制御基板3181に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aからランプ駆動基板3167やモータ駆動基板3013aに出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、扉枠側モータ駆動コマンド、遊技盤側モータ駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
このランプ駆動基板3167は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた各装飾基板126,190,206,224,225,296等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各発光装飾基板3606や、扉枠5のガラスユニット450におけるガラス装飾基板453のLED453aに出力したりする。一方、モータ駆動基板3013aは、受信した扉枠側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を、副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5に備えられた左回転灯モータ245、右回転灯モータ265、及び中央回転灯モータ285に出力したり、受信した遊技盤側モータ駆動コマンドに基いて回転駆動信号を遊技盤4に備えられた各種駆動モータ2048,3021,3045,3151,3306に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、遊技盤4の回転演出装置2003、上側役物装置3010、右側役物装置3100、左側役物装置3200、及び棚ユニット3300の可動位置を夫々検出する位置検出センサ(フォトセンサ2051,3028,3051,3161,3311)からの検出信号が、モータ駆動基板3013aを介して夫々入力されており、これらの検出信号に基いて原位置を把握している。また、周辺制御MPU4140aは、扉枠5の回転灯244,264,284の回転位置を夫々検出する左回転位置検出センサ250、右回転位置検出センサ270、中央回転位置検出センサ290からの検出信号が、副ドロワ中継基板108及びモータ駆動基板3013aを介して夫々入力されており、これらの検出信号に基いて各回転灯224,264,284の回転位置を把握している。更に周辺制御MPU4140aは、液晶制御基板3181が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御基板3181から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ボタンユニット370のメインボタン371やサブボタン372の操作を検出するメインボタンセンサ376やサブボタンセンサ378からの操作検出信号が、副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3167を介して入力されたりする。なお、メインボタン371には、振動体371cが備えられており、この振動体371cに対して副ドロワ中継基板1108及びランプ駆動基板3167を介して周辺制御MPU4140aから駆動信号が送られるようになっている。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、ランプ駆動基板3167、そして副ドロワ中継基板1108を介して扉枠5のサイドスピーカ121や下部スピーカ391から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
なお、周辺制御基板4140は、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)も備えており、周辺制御MPU4140aは、その内蔵されたウォッチドックタイマ(内蔵WDT)と外部WDTとを併用して周辺制御MPU4140aのシステムが暴走していないかを診断している。
[3−4.液晶制御基板]
次に、周辺基板4010における液晶表示装置1400の描画制御を行う液晶制御基板3181は、図示するように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1400を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1400に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレル入出力ポート、シリアル入出力ポート等を内蔵しており、周辺制御基板4140から上述した表示コマンドを受信すると、その詳細な説明は後述するが、受信した表示コマンドに基いてVDP4150cを制御して液晶表示装置1400の描画制御を行う。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、上述したように、その旨を伝える動作信号を周辺制御基板4140に出力する。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1400に描画する画面を生成するための各種プログラムの他に、表示コマンドに対応するスケジュールデータ、表示コマンドに対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1400に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの後述する非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1400に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4140から表示コマンドを受信すると、この表示コマンドに対応するスケジュールデータを抽出し、この抽出したスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。そして液晶制御MPU4150aは、先頭の画面データに続く画面データを抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ、液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基いてキャラRAM4150eから後述するスプライトデータを抽出して液晶表示装置1400に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1400に出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1400の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1400に出力する方式である。
キャラROM4150dは、極めて多くのスプライトデータを記憶しており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1400に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1400に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。ここで、「スプライト」とは、液晶表示装置1400にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1400に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1400に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1400に表示される。なお、スプライトは縦横夫々64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1400は、左右方向に800画素、上下方向に600画素(SVGA)を有しており、液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1400は、液晶制御基板3181から出力された1ライン分の描画データが入力されると、液晶ドライブ回路1315bは、この1ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基いて、主走査として液晶表示装置1400の左から右に向かって順次、1ライン分の画素に夫々出力する。
また、液晶表示装置1400は、インバータ基板3017aによって点灯されるバックライト(冷陰極管)が内蔵されている。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部410を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留皿311に貯留された遊技球が、遊技パネル600の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2300の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部410の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル600の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2300の上部へ打ち込まれた遊技球が、センター役物2300の右側の領域へと誘導され、センター役物2300の右側に配置されたゲート2201に進入してゲートセンサ2202により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通抽選結果としての普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、機能表示ユニット640における普通図柄表示器645の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器645が、赤色、緑色、橙色に交互に発光)され、所定時間(例えば、0.5秒〜7秒の間)経過後に抽出された普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器645が赤色又は緑色の何れかに発光)される。この普通図柄の変動表示は、所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器645が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2032が所定時間(例えば、0.25秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口2002へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の当り確率、普通図柄の変動時間や第二始動口2002における可動片2032の拡開時間については、後述する特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化するものであり、例えば、特別乱数(特別抽選結果)及び図柄乱数として「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、普通図柄の当り確率が高められたり、普通図柄の変動時間を短い時間に変更したり、可動片2032の拡開時間を長い時間に変更したりすれば良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターンを選択する普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
ところで、本実施形態では、普通図柄表示器645において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2202で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2202からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶表示器646で表示するようになっている。この普通図柄記憶表示器646は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2202の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物2300の左側を流下した遊技球は、左サイド入賞口部材2100及び左サイド誘導部材2180によってセンター役物2300の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、左サイド入賞口部材2100の一般入賞口2102に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ2014に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。また、始動口ユニット2000の一般入賞口2004、または右サイド入賞口部材2150の一般入賞口2155に入賞した場合も、一般入賞口2102と同様に、所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2004,2102,2155、第一始動口2001、第二始動口2002、及び大入賞口2333aの何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口2004,2102,2155、第一始動口2001、及び大入賞口2333aの何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
そして、遊技球が第一始動口2001に受入れられて第一始動口センサ2011に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
ところで、遊技球がゲート2201へ進入してゲートセンサ2202により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口2002を閉鎖する一対の可動片2032が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口2002へ受入れられて第二始動口センサ2349に検出されると、主制御基板4100等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留皿311へ払出されるようになっている。
また、主制御基板4100では、これら第一始動口2001、第二始動口2002に遊技球が入賞して、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349に検出されると、第一始動口2001では所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口2002では所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基いて、機能表示ユニット640の対応する第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、大入賞口ユニット2330の羽根2338が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口2333aへ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。
なお、これら第一始動口2001、第二始動口2002においても、ゲート2201への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示させることができない時に、始動口2001,2002へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(大当り判定テーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、「大当り」については、第一始動口センサ2011、第二始動口センサ2349の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(図柄判定テーブルとも称す)と照合することで、「2R確変A大当り」、「2R確変B大当り」、「2R確変C大当り」、「2R確変D大当り」の何れかであるかも判別されるようになっている。
そして、第一始動口2001への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数(特別抽選結果)が「小当り」の場合、主制御基板4100は、大入賞口ユニット2330の羽根2338を、所定短時間(例えば、0.05秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰り返すようになっており、大入賞口2333aへ遊技球を入賞させることが困難になっている。また、第二始動口センサ2349への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第二特別乱数(特別抽選結果)が「小当り」の場合、主制御基板4100は、大入賞口ユニット2330の羽根2338を、所定長時間(例えば、30秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰り返すようになっており、大入賞口2333aの1回の開放に対して多くの遊技球が入賞可能となっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が「大当り」の場合、主制御基板4100は、大入賞口ユニット2330の羽根2338を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口2333aに入賞の何れかの条件が充足すると羽根2338を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰り返すようになっており、「2R大当り」で2ラウンド繰り返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。また、「2R大当り」の場合、同じ2ラウンドでありながら、1ラウンドあたりの大入賞口2330aの開放時間を長開放状態(例えば、約30秒)とする場合と、長開放状態よりも極端に短い短開放状態(例えば、0.05秒)とする場合と、のいずれかに制御するようになっており、短開放状態に制御した場合には、第一特別乱数の抽選に基づく「小当り」の場合と同じく、大入賞口2333aへ遊技球を入賞させることが困難になっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2001や第二始動口センサ2349への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、機能表示ユニット640の第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642が変動表示される他に、液晶表示装置1400の第二表示領域1401bにおいても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像E(図179参照)が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置1400において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列;左図柄、中図柄、及び右図柄)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄(左図柄、中図柄、及び右図柄)の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像Eが表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器641,642の特別図柄よりも、液晶表示装置1400に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置1400に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像Eの一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ;左図柄と右図柄とが同一図柄で停止表示し、中図柄が未だ変動表示している状態)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置1400には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図204を参照)、液晶表示装置1400での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御基板4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板4140及び液晶制御基板3181によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置1400での図柄の変動表示を周辺制御基板4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置1400における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御基板4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、液晶表示装置1400の第一表示領域1401a(図179参照)には、第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644において表示される特別乱数の数(すなわち第一特別乱数や第二特別乱数の保留数)に対応した数の保留表示が報知情報Hとして表示されるようになっている。第一特別図柄記憶表示器643や第二特別図柄記憶表示器644では各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆しているのに対し、液晶表示装置1400の第一表示領域1401aでは、記憶された保留数と表示される保留表示の数とが一致することから、一般的に遊技者は、保留表示から保留数を容易に把握することが可能となり、液晶表示装置1400の第一表示領域1401aに表示された保留表示に注目することとなる。
[5.可動装飾体の演出動作]
図179に示すように、液晶表示装置1400で表示される演出画像Eに合わせて、複数の役物、具体的には、上側役物装置3010、右側役物装置3100、左側役物装置3200、及び回転演出装置2003(図158参照)が可動されるようになっている。特に、上側役物装置3010の上側可動装飾体3011が、所定のキャラクタの「顔部」を模して造形されたものであり、右側役物装置3100の右側可動装飾体3101、及び左側役物装置3200の左側可動装飾体3201が、そのキャラクタの「手」を模して造形されたものであるため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201の配置及び移動方向が、実際のキャラクタの動きに即したものとなり、夫々の可動装飾体3011,3101,3201のインパクトを高めることができる。関連付けが大事であることには変わりがない。
このように、本実施形態のパチンコ機1によれば、上側役物装置3010、右側役物装置3100、及び左側役物装置3200が、全て演出位置に移動すると、表示画面1401の第二表示領域1401b、すなわち演出画像Eが表示される領域の略全域が、これらの可動装飾体3011,3101,3201によって遮蔽されるようになっているため、遊技者をびっくりさせるとともに、その原因となる可動装飾体3011,3101,3201に注意を引き付けることができる。また、複数の可動装飾体3011,3101,3201が第二表示領域1401bの略全域にわたって出現することから、夫々の可動装飾体3011,3101,3201を極めて大きく見せることができ、迫力のある演出動作によって遊技に対する興趣を一層高めることができる。なお、第一表示領域1401aには、遊技の状態を把握する上で必要な報知情報Hが表示されるが、この第一表示領域1401aは全ての可動装飾体3011,3101,3201が演出位置に移動しても遮蔽されないため、可動装飾体3011,3101,3201による演出動作中も、継続して報知情報Hを把握させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、互いに関連した三つの可動装飾体3011,3101,3201が、表示画面1401の前方に集まって第二表示領域1401bの略全域を覆いつくすため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201の関連付けが一層強くなり、複数の可動装飾体3011,3101,3201を一つの可動役物ユニットとして意識させることができる。したがって、演出の躍動感や迫力をさらに高めることができる。特に、上側可動装飾体3011が、所定のキャラクタの「顔部」を模して造形されたものであり、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が、そのキャラクタの「手部」を模して造形されたものであるため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201の配置及び移動方向が、実際のキャラクタの動きに即したものとなる。このため、夫々の可動装飾体3011,3101,3201のインパクトを高めるとともに、キャラクタの本来の動きを模した動きによりキャラクタに現実みを持たせることができる。また、キャラクタの「顔部」を模して造形された上側可動装飾体3011が、左右の「手部」を模して造形された右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201よりも、遊技者側に迫出して配置されているため、キャラクタを立体的に見せるとともに、そのキャラクタが表示画面1401から飛び出してきたようなイメージを生じさせ、可動装飾体3011,3101,3201の迫力を一層高めることが可能になる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、上側可動装飾体3011に付加装飾部となるヘッドガード3013が設けられており、ヘッドガード3013は、上側可動装飾体3011の移動方向(すなわち上下方向)とは異なる方向に移動するため、全体の動きを一層複雑なものとすることができ、演出効果を高めることができる。特に、上側可動装飾体3011が上側の待機位置から下側の演出位置に移動した後に、その一部であるヘッドガード3013が特定方向に向かって移動し始めるようになっているため、上側可動装飾体3011を段階的に動作させることができ、上側可動装飾体3011への注目を一層高めることができる。また、上側可動装飾体3011では、第二表示領域1401bへの遮蔽面積が変化しないようにヘッドガード3013が移動するため、ヘッドガード3013が移動した後も、第二表示領域1401bの略全域を遮蔽することができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、上側可動装飾体3011には、遊技者に向かって光を放射する発光基板3017が備えられており、ヘッドガード3013が所定方向に向かって移動すると、パトレンズ3016の露出面積が次第に拡がるようになっているため、ヘッドガード3013の移動を、パトレンズ3016の露出面積(すなわち発光面積)の変化とともに視認させることができ、ヘッドガード3013の動作を一層目立たせ、遊技者に大きなインパクトを与えることができる。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201は、待機位置のときも、一部分が遊技者側から視認可能となるため、待機位置に隠れている右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の存在を意識させ、それらの動作に対して期待を持たせることができる。また、待機位置では、残りの部分がセンター役物2300によって遮蔽されているため、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の全貌が視認可能となる演出位置と、一部が隠れて見えなくなる待機位置とを差別化することができ、演出位置におけるインパクトの低下を抑制することができる。また、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201は、外観形状が互いに対称でありながらも、待機位置では視認可能な部分の面積が互いに異なっているため、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が移動によって見え隠れすることを遊技者に意識させ、それらの動作に対して興味を持たせることができる。さらに、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201にレンズ部3111,3211が設けられており、このレンズ部3111,3211は、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が待機位置のとき遮蔽され、演出位置になると視認可能となるため、演出位置と待機位置とを一層差別化することができ、演出位置におけるインパクトの低下を抑制することができる。特に、レンズ部3111,3211は、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201の外観形状と関連しないものであるため、意外性のある装飾の出現によって演出の面白みをさらに高めることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、液晶表示装置1400の第二表示領域1401bを遮蔽する可動装飾体として三つの装飾体、すなわち上側可動装飾体3011、右側可動装飾体3101、及び左側可動装飾体3201を備えるものを示したが、二つの可動装飾体によって遮蔽するようにしてもよく、四つ以上の可動装飾体によって遮蔽するようにしてもよい。可動装飾体の個数が少ない場合は、一つ当たりの可動装飾体の大きさが大きくなり、迫力のある動作を行うことができ、一方、可動装飾体の個数が多い場合には、全体の動きが複雑になり、演出の興趣を高めることができる。
また、上記実施形態では、右側可動装飾体3101及び左側可動装飾体3201が待機位置のとき、それらの一部分が遊技者側から視認可能となるように配置するものを示したが、待機位置の際、センター役物2300によって完全に遮蔽されるようにしてもよい。また、上側可動装飾体3011は、待機位置の場合も演出位置の場合も、全体が遊技者側から視認可能となるように配置するものを示したが、待機位置の際、一部または全体が遮蔽されるようにしてもよい。このように待機位置において全体を遮蔽することにより、可動装飾体3011,3101,3201が出現する際、遊技者に与えるインパクトを一層大きくすることが可能になる。
また、上記実施形態では、第一表示領域1401aに報知情報Hとして保留図柄を表示するものを示したが、遊技に関する操作を示唆するための情報、例えば、演出ボタンを操作する旨の情報や、所謂「右打ち」する旨の情報を表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、いずれの可動装飾体3011,3101,3201が演出位置に移動しても、第一表示領域1401aの前方を遮蔽しないようにしたものを示したが、第一表示領域1401aを含め表示画面1400全体を覆うとともに、第一表示領域1401aの前方に位置する部分に報知情報Hの視認が可能な窓部を形成するようにしてもよい。
[6.磁気センサ]
次に、磁気センサ3406の検出領域について、図205を参照して説明する。図205は磁気センサの検出領域を説明する概略図である。なお、図205では、実際には遊技パネルを介して視認することができない磁気センサの存在を、磁気センサの検出領域を説明するために視認できるようにしている。
磁気センサ3406は、前述したように、矩形箱状を有しており、図201に示した状態で取り付けられた場合において、正面から見て左側の磁気センサ3406(以下、「左側の磁気センサ3406」と記載する。)では、矩形箱状の側面3406aには、この側面3406aに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検出領域内における磁気を検出することができるとともに、この側面3406aと反対側の側面である矩形箱状の側面3406bには、この側面3406bに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検出領域内における磁気を検出することができるようになっている。
一方、同図正面から見て右側の磁気センサ3406(以下、「右側の磁気センサ3406」と記載する。)では、矩形箱状の側面3406aには、この側面3406aに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検出領域内における磁気を検出することができるとともに、この側面3406aと反対側の側面である矩形箱状の側面3406bには、この側面3406bに対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検出領域内における磁気を検出することができるようになっている。
左側の磁気センサ3406は、図205に示すように、遊技パネル600の略中央(遊技領域605の略中央)に配置されたセンター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302aと、棚ユニット3300の中段転動面3302dと、センター役物2300の下方の遊技領域605に配置された始動口ユニット2000に備える第一始動口2001と、が矩形箱状の側面3406bに垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検査領域内に入る位置となるように、かつ、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部の遊技領域605に配置された左サイド入賞口部材2100に備える2つの一般入賞口2102と、遊技パネル600における下部の遊技領域605に配置された始動口ユニット2000に備える1つの一般入賞口2004と、が矩形箱状の側面3406bに垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検査領域内に入る位置となるように、遊技パネル600の裏面側であって図201に示した裏箱3001の所定位置(第一始動口用球通路3402の上流側の左方の位置)に配置されている。
一方、右側の磁気センサ3406は、図205に示すように、遊技パネル600の略中央(遊技領域605の略中央)に配置されたセンター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302aと、棚ユニット3300の中段転動面3302dと、センター役物2300の下方の遊技領域605に配置された始動口ユニット2000の第一始動口2001と、が矩形箱状の側面3406bに垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の検査領域内に入る位置となるように、かつ、遊技パネル600における下部の遊技領域605に配置された始動口ユニット2000の第二始動口2002と、遊技パネル600における左右方向中央から右寄りの下部の遊技領域605に配置された右サイド入賞口部材2150に備える1つの一般入賞口2102と、が矩形箱状の側面3406bに垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の検査領域内に入る位置となるように、遊技パネル600の裏面側であって図201に示した裏箱3001の所定位置(大入賞口用球通路3404の上流側の左下方の位置)に配置されている。このように、左側の磁気センサ3406と右側の磁気センサ3406は、遊技パネル600を正面から見ると、ハ字状に配置されている。
このようにハ字状に配置された左側の磁気センサ3406の第1の検査領域と第2の検査領域との実際の検査領域、及び右側の磁気センサ3406の第1の検査領域と第2の検査領域との実際の検査領域を調べるために、図2に示した、パチンコ機1の正面からガラスユニット450の表面に基準磁石を当てながら移動させる実験を行った。左側の磁気センサ3406及び右側の磁気センサ3406は、遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度の磁気を検出したときにはON信号を出力し、その程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときにはOFF信号を出力するようになっている。このON信号とOFF信号とに基づいて検査領域を調べた結果は、図205に示すように、左側の磁気センサ3406については、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302aの上方(詳細には、棚ユニット3300に形成されるチャンス口3302g、枠状のセンター台板2301に形成されるチャンス出口2301a、そして始動口ユニット2000に備える第一始動口2001が配置される位置を通る直線を中心線とすると、この中心線より左寄りの上段転動面3302aの上方)から始動口ユニット2000の第一始動口2001の下方までに亘る2点鎖線で示した領域RAが第1の検査領域となっており、左サイド誘導部材2180の下方から始動口ユニット2000の一般入賞口2004の下方を含む左サイド入賞口部材2100の下側までに亘る2点鎖線で示した領域RBが第2の検査領域となっている。
一方、右側の磁気センサ3406については、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302aの上方(詳細には、棚ユニット3300に形成されるチャンス口3302g、枠状のセンター台板2301に形成されるチャンス出口2301a、そして始動口ユニット2000に備える第一始動口2001が配置される位置を通る直線を中心線とすると、この中心線より右寄りの上段転動面3302aの上方)から始動口ユニット2000の第一始動口2001の下方までに亘る2点鎖線で示した領域RCが第1の検査領域となっており、大入賞口ユニット2330の下方から始動口ユニット2000の第二始動口2002の下方を含む右サイド入賞口部材2150の下側までに亘る2点鎖線で示した領域RDが第2の検査領域となっている。
これにより、左側の磁気センサ3406の領域RAでは、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302a、中段転動面3302d、始動口ユニット2000の第一始動口2001に近づく磁石を検出することにより、遊技領域605を流下する遊技球を図173に示したワープ入口部2310に入球してワープ通路2316を通って棚ユニット3300の上段転動面3302aで転動する遊技球や棚ユニット3300の中段転動面3302dを転動する遊技球を磁石で可動棚3304に誘導して棚ユニット3300のチャンス口3302gに入球させてチャンス出口2301aから第一始動口2001の真上の遊技領域605に排出させる磁石ゴトを検出することができるし、遊技領域605を流下する遊技球を磁石で第一始動口2001に誘導して入球させる磁石ゴトを検出することができる。そして、左側の磁気センサ3406の領域RBでは、左サイド入賞口部材2100の2つの一般入賞口2102と、始動口ユニット2000の1つの一般入賞口2004と、に近づく磁石を検出することにより、遊技領域605を流下する遊技球を磁石で一般入賞口2102,2004に誘導して入球させる磁石ゴトを検出することができる。
右側の磁気センサ3406の領域RCでは、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302a、中段転動面3302d、始動口ユニット2000の第一始動口2001に近づく磁石を検出することにより、遊技領域605を流下する遊技球を図173に示したワープ入口部2310に入球してワープ通路2316を通って棚ユニット3300の上段転動面3302aで転動する遊技球や棚ユニット3300の中段転動面3302dを転動する遊技球を磁石で可動棚3304に誘導して棚ユニット3300のチャンス口3302gに入球させてチャンス出口2301aから第一始動口2001の真上の遊技領域605に排出させる磁石ゴトを検出することができるし、遊技領域605を流下する遊技球を磁石で第一始動口2001に誘導して入球させる磁石ゴトを検出することができる。そして、右側の磁気センサ3406の領域RDでは、始動口ユニット2000の第二始動口2002に近づく磁石を検出することにより、始動口ソレノイド2033が駆動されて一対の可動片2032が左右方向へ拡開されて第二始動口2002への遊技球の受入が可能となっているときに遊技領域605を流下する遊技球を磁石で第二始動口2002に誘導して多量な遊技球を入球させる磁石ゴトを検出することができるし、右サイド入賞口部材2150の1つの一般入賞口2155に近づく磁石を検出することにより、遊技領域605を流下する遊技球を磁石で一般入賞口2155に誘導して入球させる磁石ゴトを検出することができる。
左側の磁気センサ3406の領域RAは、詳細には、棚ユニット3300に形成されるチャンス口3302g、枠状のセンター台板2301に形成されるチャンス出口2301a、そして始動口ユニット2000に備える第一始動口2001が配置される位置を通る直線を中心線とすると、この中心線より左寄りの上段転動面3302aの上方から始動口ユニット2000の第一始動口2001の下方までに亘る領域であり、右側の磁気センサ3406の領域RCは、詳細には、棚ユニット3300に形成されるチャンス口3302g、枠状のセンター台板2301に形成されるチャンス出口2301a、そして始動口ユニット2000に備える第一始動口2001が配置される位置を通る直線を中心線とすると、この中心線より右寄りの上段転動面3302aの上方から始動口ユニット2000の第一始動口2001の下方までに亘る領域であるため、左側の磁気センサ3406の領域RAの一部の領域と、右側の磁気センサ3406の領域RCの一部の領域と、が重なり合う領域RZ(半透明に付した領域)が生ずる。この領域RZは、図205に示すように、棚ユニット3300に形成されるチャンス口3302g、枠状のセンター台板2301に形成されるチャンス出口2301a、そして始動口ユニット2000に備える第一始動口2001が配置される位置を通る直線を中心線として左右対称となっている。第一始動口2001は、遊技球が入球すると、これに基づいて後述する主制御基板4100が特別抽選処理(遊技者に利益を付与する大当り遊技状態を発生させるか否かの抽選処理)を行うという遊技を進行させるトリガーとなるものあり、極めて重要なものである。このため、本実施形態では、第一始動口2001に不正に遊技球を入球させる行為、つまり第一始動口2001に近づく磁石の検出を左側の磁気センサ3406と右側の磁気センサ3406とを併用して行うことにより(換言すると、2つの磁気センサ3406を用いて磁石ゴトを監視することにより)、磁石ゴトを確実に検出することができる。これにより、何らかの原因により、左側の磁気センサ3406又は右側の磁気センサ3406のうちいずれか一方の磁気センサ3406が不具合により磁気を検出することができなくなった場合(又は、磁気検出能力が著しく低下した場合)でも、他方の磁気センサ3406で第一始動口2001に近づく磁石の検出を行うことができる。
なお、一対の可動片2032を左右方向へ拡開させているときには始動口ソレノイド2033のコイルに電流が流れることにより始動口ソレノイド2033から磁気が発し、羽根2338を右側に傾斜するように回動(時計方向に回動)されて大入賞口2330aが開放されているときには大入賞口ソレノイド2347のコイルに電流が流れることにより大入賞口ソレノイド2347から磁気が発することとなるが、始動口ソレノイド2033及び大入賞口ソレノイド2347が駆動されても、遊技領域605を流下する遊技球の進路を変化させることができないように、ソレノイドの種類、コイルに流す電流の大きさ、コイルに印加する電圧の大きさが予め選定されている。このため、始動口ソレノイド2033のコイルに流れる電流による磁気、及び大入賞口ソレノイド2347のコイルに流れる電流による磁気では、遊技球を引きずり回す程度にまでの大きさに達することがないようになっている。つまり、本実施形態では、始動口ソレノイド2033が領域RDの領域内に配置された始動口ユニット2000に取り付けられていても、右側の磁気センサ3406は、始動口ソレノイド2033のコイルに流れる電流による磁気を検出しても、上述した「磁石ゴト」に用いる磁石の磁気ではない(磁石ゴトに用いることができる磁石の磁気に達していない)と判断してOFF信号を出力する。なお、大入賞口ソレノイド2347は、右側の磁気センサ3406の領域RCの領域内に配置されていないし、左側の磁気センサ3406の領域RA,RBの領域内にも配置されていないため、大入賞口ソレノイド2347のコイルに流れる電流による磁気を検出することがない。
ここで、左サイド入賞口部材2100の2つの一般入賞口2102や始動口ユニット2000の1つの一般入賞口2004に遊技球を入球させる磁石ゴトを防止する利点について簡単に説明すると、左サイド入賞口部材2100は、上述したように、遊技パネル600における左右方向中央から左寄りの下部の遊技領域605に配置されており、一般入賞口2102が図19に示した皿ユニット300の貯留皿311に近い配置となっている。この貯留皿311には、球貸しされた遊技球のほかに、払い出された遊技球が貯留されており、遊技者が普段から手を置いた入り、貯留された遊技球をならしたりするため、磁石ゴトを行う者は、一般入賞口2102に遊技球を入球させる場合には磁石を持った手を貯留皿311に置く程度でよく、その行為が極めて目立たず、長時間繰り返し行うことができる。この一般入賞口2102に遊技球が入球すると、賞球として所定の球数(例えば、10球)が払い出されるため、一般入賞口2102に遊技球を入球させる磁石ゴトを長時間繰り返し行うことにより、遊技者に利益が付与された(遊技者にとって有利な)大当り遊技状態が発生していなくても、不正な遊技球を極めて多く獲得されることとなる。
そこで、本実施形態では、左側の磁気センサ3406の領域RBにおいて、左サイド入賞口部材2100の2つの一般入賞口2102と、始動口ユニット2000の1つの一般入賞口2004と、に近づく磁石を検出する方法を採用した。そして、2つの磁気センサを個別に領域RA内、及び領域RB内の磁気を検出する仕組みとして、磁気センサのコネクタに配線を通すための配線挿入口が形成された側面と反対側の側面を遊技パネルに対して垂直となるように、遊技盤4の裏面側にそれぞれ配置するという仕組みを採用せず、上述したように、左側の磁気センサ3406の側面3406aにおいて領域RA内の磁気を検出するとともに、左側の磁気センサ3406の側面3406bにおいて領域RB内の磁気を検出することできるように、遊技盤4の裏面側に1つの左側の磁気センサ3406を配置するという仕組み採用した。
次に、左側の磁気センサ3406及び右側の磁気センサ3406からの検出信号が入力される入力回路について図206を参照して説明する。図206は磁気センサからの検出信号が入力される入力回路である。
左側の磁気センサ3406及び右側の磁気センサ3406は、上述したように、遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度の磁気を検出したときにはON信号を出力し、その程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときにはOFF信号を出力するようになっている。このため、左側の磁気センサ3406及び右側の磁気センサ3406からの検出信号は、ON/OFF信号として入力されることとなる。
まず、左側の磁気センサ3406からのON/OFF信号について説明すると、図206に示すように、左側の磁気センサ3406からのON/OFF信号は、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに入力されており、ON信号が論理LOW、OFF信号が論理HIとなる負論理として入力されるようになっている。これにより、磁石ゴトが行われていない状態では、左側の磁気センサ3406からOFF信号が出力されているため、論理がHIとなった状態が左側の磁気センサ3406から主制御基板4100までに亘って維持されることとなる。
左側の磁気センサ3406は、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zの抵抗R0、そしてパネル中継基板3247を介して+18V(この+18Vは、図127に示した、電源基板ボックス1103に収納される電源基板1136で作成されてこの電源基板1136から払出制御基板ボックス1105に収納される払出制御基板1186を介して供給されている。また、+18Vのほかに、+34Vや+9Vも電源基板1136で作成されており、払出制御基板1186を介して供給されている。)が供給されるとともに、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100のグランドと電気的に接続されることで同一グランドレベルとなっている。
左側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とは図示しない配線により電気的に接続されるとともに、このパネル中継基板3247と主制御基板4100とは図示しない配線により電気的に接続されている。左側の磁気センサ3406からのON/OFF信号は、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに入力されると、抵抗R1を介してトランジスタTR0のベースに入力される。この抵抗R1とトランジスタTR0のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R2が電気的に接続されている。抵抗R1,R2の値は、左側の磁気センサ3406からのON信号が入力されているとき、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときには、トランジスタTR0がOFFする状態となるように設定されている。これにより、左側の磁気センサ3406からのOFF信号が入力されているとき、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときには、トランジスタTR0がONする状態となる。つまり、磁石ゴトが行われていない通常時には、トランジスタTR0がONした状態となっている。
トランジスタTR0のコレクタは、プルアップ抵抗R3により+5V(この+5Vは、電源基板1136から払出制御基板1186を介して供給される+9Vから主制御基板4100の図示しない安定化電源回路により作成されている。)に引き上げられており、左側の磁気センサ3406からのON/OFF信号を磁石ゴト1検出信号として主制御I/Oポート4100bに出力する。
トランジスタTR0がONする状態、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときには、トランジスタTR0のコレクタからトランジスタTR0のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった磁石ゴト1検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力される。これに対して、トランジスタTR0がOFFする状態、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときには、トランジスタTR0のコレクタからトランジスタTR0のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R3により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった磁石ゴト1検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力される。
次に、右側の磁気センサ3406からのON/OFF信号について説明すると、図206に示すように、右側の磁気センサ3406からのON/OFF信号は、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに入力されており、ON信号が論理LOW、OFF信号が論理HIとなる負論理として入力されるようになっている。これにより、磁石ゴトが行われていない状態では、右側の磁気センサ3406からOFF信号が出力されているため、論理がHIとなった状態が右側の磁気センサ3406から主制御基板4100までに亘って維持されることとなる。
右側の磁気センサ3406は、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zの抵抗R4、そしてパネル中継基板3247を介して+18V(この+18Vは、上述したように、図127に示した、電源基板ボックス1103に収納される電源基板1136で作成されてこの電源基板1136から払出制御基板ボックス1105に収納される払出制御基板1186を介して供給されている。また、+18Vのほかに、+34Vや+9Vも、上述したように、電源基板1136で作成されており、払出制御基板1186を介して供給されている。)が供給されるとともに、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100のグランドと電気的に接続されることで同一グランドレベルとなっている。
右側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とは図示しない配線により電気的に接続されるとともに、このパネル中継基板3247と主制御基板4100とは図示しない配線により電気的に接続されている。右側の磁気センサ3406からのON/OFF信号は、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに入力されると、抵抗R5を介してトランジスタTR1のベースに入力される。この抵抗R5とトランジスタTR1のベースとの間にはグランドと接地された抵抗R6が電気的に接続されている。抵抗R5,R6の値は、右側の磁気センサ3406からのON信号が入力されているとき、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときには、トランジスタTR1がOFFする状態となるように設定されている。これにより、右側の磁気センサ3406からのOFF信号が入力されているとき、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときには、トランジスタTR1がONする状態となる。つまり、磁石ゴトが行われていない通常時には、トランジスタTR1がONした状態となっている。
トランジスタTR1のコレクタは、プルアップ抵抗R7により+5V(この+5Vは、上述したように、電源基板1136から払出制御基板1186を介して供給される+9Vから主制御基板4100の図示しない安定化電源回路により作成されている。)に引き上げられており、右側の磁気センサ3406からのON/OFF信号を磁石ゴト2検出信号として主制御I/Oポート4100bに出力する。
トランジスタTR1がONする状態、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる程度に達していない磁気を検出又は全く磁気を検出していないときには、トランジスタTR1のコレクタからトランジスタTR1のエミッタに電流が流れるため論理がLOWとなった磁石ゴト2検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力される。これに対して、トランジスタTR1がOFFする状態、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときには、トランジスタTR1のコレクタからトランジスタTR1のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R7により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった磁石ゴト2検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力される。
主制御基板4100は、磁石ゴト1検出信号の論理及び磁石ゴト2検出信号の論理を後述するタイマ割り込み処理におけるスイッチ処理で確認している。そして、磁石ゴト1検出信号の論理又は/及び磁石ゴト2検出信号の論理がHI、つまり遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときには、タイマ割り込み処理における特別図柄コマンド制御処理で磁気センサ異常コマンドを周辺制御基板4140に出力したり、タイマ割り込み処理における賞球処理で磁気センサ異常コマンドを払出制御基板1186に出力したりする。
払出制御基板1186は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、図示しない電源投入時処理のポート出力処理で外部端子板1150aから図示しないホールコンコンピュータに磁石ゴトが行われている旨の信号を出力し、周辺制御基板4140は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、後述するサブメイン処理における16ms定常処理で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDの発光態様を磁石ゴトが行われている旨を伝える発光態様とするとともに、サイドスピーカ121から磁石ゴトが行われている旨を伝える警報音を流すようになっている。
このように、本実施形態では、左側の磁気センサ3406の領域RAにおいて、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302a、中段転動面3302d、始動口ユニット2000の第一始動口2001に近づく磁石の検出と、左側の磁気センサ3406の領域RBにおいて、左サイド入賞口部材2100の2つの一般入賞口2102と、始動口ユニット2000の1つの一般入賞口2004と、に近づく磁石の検出と、を1つの左側の磁気センサ3406により行うことができるようになっている。つまり本実施形態では、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100に入力される左側の磁気センサ3406からの信号は、一本のON/OFF信号で済むため、主制御I/Oポート4100bの入力ポートを構成する複数のビットのうち、わずか1ビットで、左側の磁気センサ3406の領域RA、及び領域RBに近づく磁石の有無を監視することができるようになっている。また、右側の磁気センサ3406の領域RCにおいて、センター役物2300における棚ユニット3300の上段転動面3302a、中段転動面3302d、始動口ユニット2000の第一始動口2001に近づく磁石の検出と、右側の磁気センサ3406の領域RDにおいて、始動口ユニット2000の第二始動口2002と、右サイド入賞口部材2150の1つの一般入賞口2155と、に近づく磁石の検出を1つの右側の磁気センサ3406により行うことができるようになっている。つまり本実施形態では、パネル中継基板3247を介して主制御基板4100に入力される右側の磁気センサ3406からの信号は、一本のON/OFF信号で済むため、主制御I/Oポート4100bの入力ポートを構成する複数のビットのうち、わずか1ビットで、右側の磁気センサ3406の領域RC、及び領域RDに近づく磁石の有無を監視することができるようになっている。
また、左側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とを電気的に接続する配線やパネル中継基板3247と主制御基板4100とを電気的に接続する配線のうち、いずれかの配線が断線したり、外れていたりしたときには、左側の磁気センサ3406と主制御基板4100とが電気的に接続されていない状態となるため、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zにおいて、トランジスタTR0のベースに印加される電圧がグランドと接地された抵抗R2によりグランドレベルに引き下げられてトランジスタTR0がOFFする状態となる。トランジスタTR0がOFFする状態では、トランジスタTR0のコレクタからトランジスタTR0のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R3により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった磁石ゴト1検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力されることとなる。つまり、左側の磁気センサ3406から主制御基板4100までに亘る配線が断線されたり、外れていたりしていない正常に接続された状態であるときに左側の磁気センサ3406からのON信号が磁気センサ入力回路4100zに入力される論理と同一の論理であるHIとなる。換言すると、遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときと同一の論理であるHIとなる。したがって、磁石ゴトを行う者がその行為が発覚しないように、左側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とを電気的に接続する配線やパネル中継基板3247と主制御基板4100とを電気的に接続する配線のうち、いずれかの配線を断線させたり、外したりしても、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに論理がLOWとなって入力された状態が維持されるようになっているため、上述したように、主制御基板4100は、タイマ割り込み処理における特別図柄コマンド制御処理で磁気センサ異常コマンドを周辺制御基板4140に出力したり、タイマ割り込み処理における賞球処理で磁気センサ異常コマンドを払出制御基板1186に出力したりすることとなる。これにより、払出制御基板1186は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、電源投入時処理のポート出力処理で外部端子板1150aからホールコンコンピュータに磁石ゴトが行われている旨の信号を出力し、周辺制御基板4140は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、サブメイン処理における16ms定常処理で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDの発光態様を磁石ゴトが行われている旨を伝える発光態様とするとともに、サイドスピーカ121から磁石ゴトが行われている旨を伝える警報音を流すことができる。
更に、右側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とを電気的に接続する配線やパネル中継基板3247と主制御基板4100とを電気的に接続する配線のうち、いずれかの配線が断線したり、外れていたりしたときには、右側の磁気センサ3406と主制御基板4100とが電気的に接続されていない状態となるため、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zにおいて、トランジスタTR1のベースに印加される電圧がグランドと接地された抵抗R6によりグランドレベルに引き下げられてトランジスタTR1がOFFする状態となる。トランジスタTR1がOFFする状態では、トランジスタTR1のコレクタからトランジスタTR1のエミッタに電流が流れないためプルアップ抵抗R7により+5Vに引き上げられて論理がHIとなった磁石ゴト2検出信号が主制御I/Oポート4100bに出力されることとなる。つまり、右側の磁気センサ3406から主制御基板4100までに亘る配線が断線されたり、外れていたりしていない正常に接続された状態であるときに右側の磁気センサ3406からのON信号が磁気センサ入力回路4100zに入力される論理と同一の論理であるHIとなる。換言すると、遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて誘導させることができる磁気を検出したときと同一の論理であるHIとなる。したがって、磁石ゴトを行う者がその行為が発覚しないように、右側の磁気センサ3406とパネル中継基板3247とを電気的に接続する配線やパネル中継基板3247と主制御基板4100とを電気的に接続する配線のうち、いずれかの配線を断線させたり、外したりしても、主制御基板4100の磁気センサ入力回路4100zに論理がLOWとなって入力された状態が維持されるようになっているため、上述したように、主制御基板4100は、タイマ割り込み処理における特別図柄コマンド制御処理で磁気センサ異常コマンドを周辺制御基板4140に出力したり、タイマ割り込み処理における賞球処理で磁気センサ異常コマンドを払出制御基板1186に出力したりすることとなる。これにより、払出制御基板1186は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、電源投入時処理のポート出力処理で外部端子板1150aからホールコンコンピュータに磁石ゴトが行われている旨の信号を出力し、周辺制御基板4140は、主制御基板4100からの磁気センサ異常コマンドを受信すると、サブメイン処理における16ms定常処理で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDの発光態様を磁石ゴトが行われている旨を伝える発光態様とするとともに、サイドスピーカ121から磁石ゴトが行われている旨を伝える警報音を流すことができる。
なお、本実施形態では、左側の磁気センサ3406は、上述したように、領域RA、及び領域RBにおける磁気を検出することができるため、こられの領域RA、及び領域RB以外の領域における磁気を検出することができない。そして、右側の磁気センサ3406は、上述したように、領域RC、及び領域RDにおける磁気を検出することができるため、こられの領域RC、及び領域RD以外の領域における磁気を検出することができない。仮に、図173に示したワープ入口部2310に遊技球が入球するように、ガラスユニット450の表面に磁石を当てて遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて、その部分に次々と流下する遊技球を積んである程度の大きさを有する「ぶどう状」に集まった状態に形成した後にその磁石を離すことによって、「ぶどう状」に集まった部分に沿って流下する遊技球を、ワープ入口部2310に誘導してワープ通路2316を通って棚ユニット3300の上段転動面3302aに送って第一始動口2001に入球する確率を高めるという磁石ゴトを行っても、周辺制御基板4140が後述する始動口入賞異常報知判定処理において、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させてホールの店員等に報知するようになっている。
[7.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図207(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図207(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ624aが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ624aはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ624aは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ624aが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ624aを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記可動片2032の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2001に始動入賞した場合であっても、第二始動口2002に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図207(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図207(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2202、上記第一始動口センサ2011、上記第二始動口センサ2349、上記カウントセンサ2013、上記一般入賞口センサ2014など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU4100aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記可動片2032の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する(普通抽選手段、普通抽選高確率状態制御手段)。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、特定遊技状態としての大当り遊技状態(2R大当り遊技状態の一部を除く)の終了後の所定期間内は、上記可動片2032の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ上記普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記可動片2032の開放時間を延長するとともに、上記可動片2032の開放回数を増加することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
具体的には、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を250/251に設定するとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短い所定時間(例えば、0.5秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2002の可動片2032を、上記非時短状態よりも長い所定時間(例えば、1秒)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを上記非時短状態よりも多い回数(例えば、3回)繰り返している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記非時短状態よりも格段に上記第二始動口2002へ遊技球を入賞させることを容易とし、上記第一始動口2001よりも上記第二始動口2002を狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができる。また、後述するように、上記第二始動口2002に遊技球が入賞したときには、上記第一始動口2001よりも上記特別図柄の抽選処理が大当りとなったときにおける大当りの種類として、賞球数の多い大当り遊技状態に制御するように設定された大当りに決定する確率が高くなっている。このため、上記時短状態の制御中には、上記ゲート部材2200のゲート2201に多くの遊技球が通過、及び上記第二始動口2002に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2300の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することが好ましい。
一方、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を1/251に設定するとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定時間(例えば、7秒)に設定している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2002の可動片2032を、所定時間(例えば、0.25秒)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを1回しか実行しないため、上記第二始動口2002への遊技球の入賞が困難となっている。つまり、上記非時短状態の制御中には、上記時短状態よりも上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて低く、上記第二始動口2002へ遊技球を入賞させるには上記可動片2032の開状態の時間が短過ぎるため、右打ちしたとしても大当りの発生を期待することができない。このため、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2002ではなく、上記第一始動口2001に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2300の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することが好ましい。
なお、本例の時短状態では、上記普通図柄の当選確率を非時短状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短状態よりも短縮する制御、上記第二始動口2002が開状態にされる開放時間を非時短状態よりも延長する制御、上記第二始動口2002が開状態にされる回数を非時短状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器641や第二特別図柄表示器642における特別図柄の変動表示制御に要する時間(液晶表示装置1400における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短状態よりも短縮する制御、の全てを実行するように構成されるが、これらの制御のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(11R大当り、5R大当り、2R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ2011、上記第二始動口センサ2349、上記カウントセンサ2013、一般入賞口センサ2014などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板1186に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板1186に搭載される払出制御MPU4110aは、払出モータ駆動回路4110dから払出モータ815に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図208は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図208に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ2011による検出信号がオン状態(第一始動口2001への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2349による検出信号がオン状態(第二始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R確変A大当り(特定1)」、「2R通常B大当り(特定2)」を示唆する態様となったときに、短時間開放の2R大当り遊技状態に応じて上記大入賞口2330aを開放状態に制御し、「2R確変C大当り(特定3)」、「2R確変D大当り(特定4)」を示唆する態様となったときに、長時間開放の2R大当り遊技状態に応じて上記大入賞口2330aを開放状態に制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理では、このような大入賞口2330aの開放制御を行った後、高確率フラグ、時短継続中フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであり、後述する図215に示す大当り判定処理で用いられる大当り回数カウンタのカウンタ値が「1〜19」のとき、言い換えれば20回1セットの大当り遊技状態の発生制御が継続中のときはセットされ、大当り回数カウンタのカウンタ値が「20」のとき、言い換えれば20回1セットの大当り遊技状態の発生制御が終了したときはセットされない。時短継続中フラグは、時短ありの20回1セットの大当り遊技状態の発生制御を行うときに、当該制御に伴う時短状態の継続中であることを示すフラグであり、時短継続中フラグがセットされていない状態で20回1セットの大当り遊技状態の発生を決定した当り抽選が時短制御を伴う(時短ありの)ときにセットされる。なお、このような時短継続中フラグのセット処理は、後述する図223に示す特別図柄停止処理で実行するようにしてもよい。時短フラグは、時短ありの通常状態であることを示すフラグであり、後述する図220に示す第1変動パターン設定処理で時短回数カウンタがセットされたときにこれに伴ってセットされる。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、短時間開放の2R大当り遊技状態と同様の小当り遊技状態に応じて上記大入賞口2330aを開放状態に制御する処理を実行する。
また、大当り実行中フラグ及び小当り実行中フラグがいずれもセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図209は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ2011がオン状態にあり、上記第一始動口2001への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図209に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、主制御MPU4100aは、ステップS43で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りや小当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
図210は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2349がオン状態にあり、上記第二始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図210に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、主制御MPU4100aは、ステップS53で取得した上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第二特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS55)、処理を終了する。
図211は、上記演出事前判定処理(ステップS45、S55)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第一始動口通過処理のステップS45で実行される演出事前判定処理と第二始動口通過処理のステップS55で実行される演出事前判定処理とは共通のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数が異なるだけであるため、ここでは第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理についてのみ説明する。なお、第一図柄乱数(図柄乱数)に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数(図柄乱数)に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とを異ならせるだけでなく、例えば、大当りとならない場合に第一特別図柄の変動乱数に基づいて選択される変動パターンの種類と第二特別図柄の変動乱数に基づいて選択される変動パターンの種類とを異ならせることにより、第一始動口通過処理のステップS45で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルと第二始動口通過処理のステップS55で実行される演出事前判定処理で参照するテーブルとを異ならせるようにしてもよい。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、演出事前判定処理を開始すると、図212(A)に示す事前判定テーブルと取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
図212(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第一始動口通過処理のステップS43で第一特別乱数を取得すると、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か特定し、確変フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを特定する。この高確率の大当り判定値(220−239)は、後述する高確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値(221−239)は、後述する低確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として大当りとする「大当り1,2」、大当りとしない「ハズレ」及び「リーチ1〜9」のいずれかに分類することができる。
なお、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第一始動口通過処理のステップS43で第一特別乱数を取得すると、上記確変フラグがセットされているか否かに関わらず同一の乱数値に設定される小当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより小当りとなるか否かも特定する。これらの高確率時又は低確率時の小当り判定値(200−219)は、後述する高確率時又は低確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される小当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、小当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として「小当り」に分類することができる。
また、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第二始動口通過処理のステップS53で第二特別乱数を取得すると、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第二特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か判定し、確変フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第二特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを判定する。この高確率の大当り判定値(220−239)は、後述する高確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第二特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値(221−239)は、後述する低確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第二特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として大当りとする「大当り3」、大当りとしない「ハズレ」及び「リーチ1〜9」のいずれかに分類することができる。
なお、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第二始動口通過処理のステップS53で第二特別乱数を取得すると、上記確変フラグがセットされているか否かに関わらず同一の乱数値に設定される小当り判定値と第二特別乱数とを比較することにより小当りとなるか否かも特定する。これらの高確率時又は低確率時の小当り判定値(200−219)は、後述する高確率時又は低確率時の大当り判定テーブル(図217(A)参照)に設定されて第二特別乱数と対比される小当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、小当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として「小当り」に分類することができる。
また、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第一図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定する。具体的には、特定1の大当りとすることを示す判定値(0−66)は、後述する図柄決定テーブル(図217(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定1の大当りとすることを示す判定値と同一の乱数値とされ、特定2の大当りとすることを示す判定値(67−96)は、後述する図柄決定テーブル(図217(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定2の大当りとすることを示す判定値と同一の乱数値とされ、特定3の大当りとすることを示す判定値(97−99)は、後述する図柄決定テーブル(図217(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定3の大当りとすることを示す判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第一図柄乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りの種類を正確に特定し、事前判定情報として特定1の大当りが含まれる「大当り1」、特定2,3の大当りとする「大当り2」、特定4の大当りが含まれる「大当り3」のいずれかに分類することができる。
また、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第二図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定する。具体的には、特定4の大当りとすることを示す判定値(0−99)は、後述する図柄決定テーブル(図217(C)参照)に設定されて第二図柄乱数と対比される判定値のうち特定4の大当りとすることを示す判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第二図柄乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りの種類を正確に特定し、事前判定情報として特定4の大当りとする「大当り3」に分類することができる。ただし、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合には、ステップS61で第二図柄乱数と事前判定テーブルとを比較しなくとも、特定4の大当りとすることを示す判定値(0−99)が第二図柄乱数の全てであるため、事前判定情報として特定4の大当りとする「大当り3」に分類することができる。
また、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、はずれとなる旨を特定した場合、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされ且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされていない場合(以下、これを確変1時(高確率非時短状態)という)にはリーチを表示することを示す確変1時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定し、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされ且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされている場合(以下、これを確変2時(高確率時短状態)という)にはリーチを表示することを示す確変2時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定し、少なくとも確変フラグがセットされていない状態(以下、これを通常時(低確率時短状態及び低確率非時短状態)という)の制御を実行している旨を示す場合にはリーチを表示することを示す通常時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定する。この確変1時のリーチ判定値(0〜5)は、後述する確変1時のリーチ判定テーブル(図217(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされ、確変2時のリーチ判定値(0)は、後述する確変2時のリーチ判定テーブル(図217(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされ、通常時のリーチ判定値(0〜4)は、後述する通常時のリーチ判定テーブル(図217(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するかを正確に特定し、事前判定情報としてリーチを表示(リーチ演出を実行)しない「ハズレ」、リーチを表示(リーチ演出を実行)する「リーチ1〜9」のいずれかに分類することができる。
なお、確変1時のリーチ判定値(0〜5)及び通常時のリーチ判定値(0〜4)には、確変2時のリーチ判定値(0)と同一の判定値(0)が含まれており、これら同一のリーチ判定値とリーチ乱数とが一致したとき、「リーチ1〜9」のうち確変1時、確変2時、通常時のいずれかの遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)する「リーチ1〜3」に分類している。また、確変1時のリーチ判定値(0〜5)には、確変2時のリーチ判定値(0)と同一とはならない判定値であり、且つ時短時のリーチ判定値(0〜4)と同一の判定値(1〜4)が含まれており、これら同一のリーチ判定値とリーチ乱数とが一致したとき、「リーチ1〜9」のうち確変1時、通常時のいずれかの遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)する「リーチ4〜6」に分類している。また、確変1時のリーチ判定値(0〜5)には、確変1時のリーチ判定値(0)及び時短時のリーチ判定値(0〜4)と同一とはならない判定値が含まれており、この同一とはならないリーチ判定値とリーチ乱数とが一致したとき、「リーチ1〜9」のうち通常時の遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)する「リーチ7〜9」に分類している。このため、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行する場合には、確変1時、確変2時、通常時のいずれかの遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)するか、確変1時、通常時のいずれかの遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)するか、確変1時の遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)するか、のいずれかを特定することができる。
また、図212(A)に示す事前判定テーブルでは、液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行する場合、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行する遊技演出の態様種別を特定する。具体的には、ノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値(0〜163)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうちノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(164〜222)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(223〜240)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で変動乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、実行する遊技演出の態様種別を正確に特定し、事前判定情報としてノーマルリーチ演出を実行する「リーチ1,4,7」、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行する「リーチ2,5,8」、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行する「リーチ3,6,9」のいずれかに分類することができる。そして、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、事前判定情報が「リーチ1〜3」、「リーチ4〜6」、「リーチ5〜9」のいずれかに分類されたことを考慮すると、事前判定情報として「リーチ1」〜「リーチ9」のいずれかに分類することができる。
上記のように、図212(A)に示す事前判定テーブルと取得した乱数(特別乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)との比較の結果、大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を特定し、図212(B)に示すように、事前判定情報として「ハズレ」、「大当り1」〜「大当り3」、「リーチ1」〜「リーチ9」の13種類のいずれかに分類している。
そして、上記演出事前判定処理(ステップS45、S55)では、特定した事前判定情報(大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数、第二特別乱数のいずれか)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留数(保留数カウンタの値)と、に応じた保留数コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一特別図柄の保留数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄保留数コマンドをセットする(ステップS62)。なお、保留数コマンドの4ケタ目(例えば、第一特別図柄に関する事前判定情報が「ハズレ」時における620XH)には、保留数=1であるときにX=2が、保留数=2であるときにX=3が、保留数=3であるときにX=4が、保留数=4であるときにX=5が代入される。このため、主制御基板4100から周辺基板4010に保留数コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した始動口(第一始動口2001、第二始動口2002のいずれか一方)、該始動口に対応して記憶される保留数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りや小当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合には液晶表示装置1400で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aが把握できるようになる。
なお、本例では事前判定テーブルの大当り判定値と後述する大当り判定テーブルの大当り判定値と同一の乱数としたがこれに限られるものではない。例えば、事前判定テーブルの大当り判定値として大当り判定テーブルの大当り判定値の一部だけを含むものや、大当り判定テーブルの大当り判定値の一部又は全部と大当り判定テーブルの大当り判定値とは異なる所定数の乱数値とを含むように構成し、演出事前判定処理において大当りとなる可能性の程度を判定するようにしてもよい。
具体的には、大当り判定値及び大当り判定値とは異なるはずれ判定値(小当り判定値を含んでもよい)のうち一部を高確率乱数グループとしてそれぞれ判別可能とするとともに、該高確率乱数グループとして判別可能とされる上記大当り判定値の上記はずれ判定値に対する割合は、上記大当りの当選確率が決定づけられる上記大当り判定テーブルの割合よりも高く設定されてなる高確率乱数決定付手段、及び乱数取得手段により取得される乱数のうちの当落乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が上記はずれ判定値と上記大当り判定値とのいずれかに分類判別される上記大当り判定についてはこれを未実行の状態に維持したままで、同判定に供される当落乱数が大当り判定値及びはずれ判定値の混在された上記高確率乱数グループに属する値であるか否かを判断することで、保留の状態とされている判定処理毎に大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)についての先行判定を実行可能とする疑似確率先行判定手段、を備え、上記疑似確率先行判定手段により大当りの当選に係る期待度を先行判定するようにしてもよい。
このように大当り判定値及びはずれ判定値が混在された高確率乱数決定付手段を備えるようにしたことで、未だ保留の状態とされている大当り判定の当落結果についての機密情報が漏出され得るリスクを排除した従来の演出構造を維持しつつも、当該高確率乱数決定付手段における大当り判定値及びはずれ判定値の混在率に応じた上記大当りの当落に係る期待度(疑似当選確率)についてはその先行判定が実行可能とされるようになる。例えば、上記大当り判定の実行(判定処理の消化)に先立って、当該大当り判定に供される当落乱数が高確率乱数グループに属する値(特殊当り判定値)である旨の先行判定がなされなかったときは、該先行判定された特殊当り判定値でない乱数値(高確率乱数グループと対の関係となる低確率乱数グループに属する値)に基づく判定処理が消化されるときの大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)は、上記大当りの期待度(当選確率)よりも低いことが確定されることとなる(疑似的に低くされた当選確率)。
このような高確率乱数グループについての先行判定手法によれば、特定の判定処理が保留の状態とされた時点では、その大当り判定を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じたシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図213は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU4100aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1400に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器641における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器641に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図207参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
上述したように、ここでは、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理について説明したが、第二特別図柄プロセス処理についてもここで説明すると、上述の第二特別図柄プロセスフラグに応じて、上述した5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。なお、第二特別図柄プロセス処理については、図示しないが、第一特別図柄プロセス処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
1.主制御MPU4100aのRAMに格納されている第二特別乱数を読み出し、読み出した第二特別乱数に基づいて上記第二特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第二特別図柄通常処理(ステップS80’)
2.第二特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第二特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第二特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81’)
3.変動乱数に基づいて上記第二特別図柄表示器642に表示される第二特別図柄の変動態様や、上記液晶表示装置1400に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第二変動パターン設定処理(ステップS82’)
4.第二特別図柄表示器642における上記第二特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第二特別図柄変動処理(ステップS83’)
5.第二特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第二特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第二特別図柄表示器642に表示されるように上記第二特別図柄の変動表示を停止させる第二特別図柄停止処理(ステップS84’)
なお、上記第二特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図207参照)において、上記第二特別図柄通常処理(ステップS80’)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図214は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図214に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である第一特別図柄大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
ここで、上記第二特別図柄通常処理(ステップS80’)についてその手順を示すフローチャートを説明する。なお、第二特別図柄通常処理については、図示しないが、第一特別図柄通常処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101’の処理として、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第二特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第二特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102’の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納されている第二特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第二特別乱数、第二図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103’及びS104’の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの第二特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第二特別乱数、第二図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第二特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105’の処理として、上記読み出された第二特別図柄の第二特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である第二特別図柄大当り判定処理を行う。その後、上記第二特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81’)にプロセス移行されるよう上述の第二特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106’)、この処理を終了する。
図215は、上記第一特別図柄大当り判定処理(ステップS105:特定抽選手段、特殊抽選手段、大当り抽選手段、小当り抽選手段)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図217(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112:高確率状態制御手段)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図217(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図217(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、19種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、20種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、201種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。この低確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、19種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、221種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む20種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、20種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、200種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。この高確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む20種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、220種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、大当り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算し(ステップS122)、次いで、大当り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS123)。なお、大当り回数カウンタは、電源投入時における初期状態で「20」のカウンタ値がセットされる。そして、ステップS123でカウンタ値が「0」でない場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了していない場合には、そのまま大当り判定処理を終了する。一方、ステップS123でカウンタ値が「0」となる場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了した場合には、大当り回数カウンタのカウンタ値に「20」をセットして(ステップS124)、第一特別図柄大当り判定処理を終了する(ステップS125)。なお、大当り回数カウンタは、本処理である第一特別図柄大当り判定処理のほかに、後述する第二特別図柄大当り判定処理においても共通に使用されるものであり、第一特別図柄大当り判定処理及び第二特別図柄大当り判定処理において減算され、そのカウンタ値が「0」となる場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了した場合には、大当り回数カウンタのカウンタ値に「20」をセットするようになっている。このような大当り回数カウンタに「20」のカウンタ値にをセットする処理は、第一特別図柄停止処理で実行するようにしてもよい。また、上記したステップS122〜ステップS124のフロー処理が本発明に係る連続大当り遊技状態制御手段を構成する。
大当りとしないと判定した場合には(ステップS115)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118)、そのまま第一特別図柄大当り判定処理を終了する。選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、小当りとしないと判定した場合には(ステップS117)、図217(B)に示すリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図217(B)に示すリーチ判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が確変1時(高確率非時短状態、以下これを潜確状態ともいう)の場合に使用する確変1時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が確変2時(高確率時短状態、以下これを確変状態ともいう)の場合に使用する確変2時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が通常時(低確率状態(低確率非時短状態及び低確率時短状態))の場合に使用する通常時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、確変2時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、通常時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、確変2時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、通常時(低確率状態)では、リーチすることを示すリーチ判定値が確変2時(高確率時短状態)よりも高められる。
さらに、確変1時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、確変2時及び通常時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む6種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、66種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、確変1時(高確率非時短状態)では、リーチすることを示すリーチ判定値が確変2時(高確率時短状態)及び通常時(低確率状態)よりも高められる。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットし(ステップS121)、そのまま第一特別図柄大当り判定処理を終了する。また、リーチはずれとしない、言い換えれば、はずれとすると判定した場合には(ステップS121)、そのまま第一特別図柄大当り判定処理を終了する。
このように、本実施形態では、初当りに対して所定の複数回(本実施形態では、20回)を1セットとして大当り遊技状態が発生されるようになっている。具体的には、20回1セットとなる大当り遊技状態において1セット(20回)の大当り遊技状態が終了するまでの期間(大当り遊技中は除く)で高確率状態に制御する。但し、このような20回1セットの大当り遊技状態の発生に対して、時短制御の有無は、初当りにおける抽選結果によって決定される。即ち、20回1セットの大当り遊技状態を開始してから終了するまでの期間は、時短制御を伴う確変状態(具体的には、後述する採掘モード)と、時短制御を伴わない潜確状態(具体的には、後述する資金調達モード)の2種類が存在することになる。前述した第一図柄乱数の抽選結果によって特定1の2R確変A大当りが決定されたときには、時短なしとなって時短状態の制御は行われない。一方、第一図柄乱数の抽選結果によって特定2の2R確変B大当り又は特定3の2R確変C大当りが決定されたときには、20回1セットとなる大当り遊技状態において1セット(20回)の大当り遊技状態が終了するまでの期間(大当り遊技中は除く)で時短ありとなって時短状態に制御する。
図216は、上記第二特別図柄大当り判定処理(ステップS105’:大当り抽選手段)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第二特別図柄大当り判定処理については、第一特別図柄大当り判定処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111’)、図217(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112’:高確率状態制御手段)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111’)、図217(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113’)、選択した大当り判定テーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した第二特別乱数とを比較する(ステップS114’)。
図217(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態及び低確率時短状態)の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、上述したように、上記事前判定テーブルと同様に、19種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、221種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、上述したように、上記事前判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む20種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、220種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した第二特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115’)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116’)、大当り回数カウンタのカウンタ値から「1」を減算し(ステップS122’)、次いで、大当り回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS123’)。なお、大当り回数カウンタは、電源投入時における初期状態で「20」のカウンタ値がセットされる。そして、ステップS123’でカウンタ値が「0」でない場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了していない場合には、そのまま第二特別図柄大当り判定処理を終了する。一方、ステップS123’でカウンタ値が「0」となる場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了した場合には、大当り回数カウンタのカウンタ値に「20」をセットして(ステップS124’)、第二特別図柄大当り判定処理を終了する。なお、大当り回数カウンタは、上述した第一特別図柄大当り判定処理においても共通に使用されるものであり、第一特別図柄大当り判定処理及び第二特別図柄大当り判定処理において減算され、そのカウンタ値が「0」となる場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が終了した場合には、大当り回数カウンタのカウンタ値に「20」をセットするようになっている。このような大当り回数カウンタに「20」のカウンタ値にをセットする処理は、第二特別図柄停止処理で実行するようにしてもよい。また、上記したステップS122’〜ステップS124’のフロー処理も本発明に係る連続大当り遊技状態制御手段を構成する。
大当りとしないと判定した場合には(ステップS115’)、選択した大当り判定テーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102'で読み出した第二特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117’)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118’)、そのまま第二特別図柄大当り判定処理を終了する。選択した大当り判定テーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した第二特別乱数との比較の結果、小当りとしないと判定した場合には(ステップS117’)、図217(B)に示すリーチ判定テーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119’)。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102’で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119’)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS120’)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットし(ステップS121’)、そのまま第二特別図柄大当り判定処理を終了する。また、リーチはずれとしない、言い換えれば、はずれとすると判定した場合には(ステップS120’)、そのまま第二特別図柄大当り判定処理を終了する。
図218は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図218に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記第一特別図柄大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか否か(ステップS131、S134)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図217(C)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS132)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定し(ステップS133a)、また、大当り図柄に応じて大当り遊技の内容を決定する(ステップS133b)。
図217(C)に示すように、図柄決定テーブルには、上記事前判定テーブルと同様に、判定結果毎(特定1の2R確変A大当り(出玉なし、時短なし)、特定2の2R確変B大当り(出玉なし、時短あり)、特定3の2R確変C大当り(出玉あり、時短あり)、特定4の2R確変D大当り(出玉あり、時短あり))に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。但し、特定2の2R確変B大当りは、通常状態で抽選された場合のみ時短ありとなり、高確率状態で抽選された場合は時短なしとなる。
主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。具体的には、
1.短開放の2R大当り遊技状態を遊技球が入球困難な態様で制御し、時短なしの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に5回の時短回数が消化されるまで低確率時短状態に制御し、時短なしの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目以外(1〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目以外(1〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する特定1の2R確変A大当り
2.短開放の2R大当り遊技状態を遊技球が入球困難な態様で制御し、時短なしの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで低確率非時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に5回の時短回数が消化されるまで低確率時短状態に制御し、時短制御の有無に関わらず20回1セットの大当り遊技状態における1回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、時短なしの状態で20回1セットの大当り遊技状態における1回目及び20回目以外(2〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率非時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における1回目及び20回目以外(2〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、短開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する特定2の2R確変B大当り
3.長開放の2R大当り遊技状態(大入賞口ユニット2330の羽根2338を開閉する開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返す)に制御し、時短なしの状態で20回1セットの大当り遊技状態のいずれか(1〜20回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、長開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、長開放の2R大当り遊技状態の終了後に5回の時短回数が消化されるまで低確率時短状態に制御し、時短ありの状態で20回1セットの大当り遊技状態における20回目以外(1〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、長開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御する特定3の2R確変C大当り
4.長開放の2R大当り遊技状態(大入賞口ユニット2330の羽根2338を開閉する開閉パターンを2回(2ラウンド)繰り返す)に制御し、時短制御の有無に関わらず20回1セットの大当り遊技状態における20回目以外(1〜19回目)の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、長開放の2R大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態が発生するまで高確率時短状態に制御し、時短制御の有無に関わらず20回1セットの大当り遊技状態における20回目の大当り遊技状態の発生を決定する当り抽選となる場合は、長開放の2R大当り遊技状態の終了後に第二特別図柄に応じた回数の変動表示が実行されるまで(大当り図柄に応じて決定された時短回数が消化されるまで)低確率時短状態に制御する特定4の2R確変D大当り
なお、本例では、短開放の2R大当り遊技状態と長開放の2R大当り遊技状態とで1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間(上記大入賞口ユニット2330の羽根2338を開放制御する時間)を異ならせている。例えば、特定3の2R確変C大当り、特定4の2R確変D大当りとなった場合には、1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間を30秒とする長開放状態に制御するのに対し、特定1の2R確変A大当り、特定2の2R確変B大当りとなった場合には、1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間を長開放状態よりも極端に短い0.05秒とする短開放状態に制御している。
また、第一特別乱数の抽選に基づいて小当りとなった場合、言い換えれば、後述する資金調達モードの遊技中に小当りとなった場合には、短開放の2R大当り遊技状態と同じく、小当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間を0.05秒とする短開放状態に制御している。このように、特定1の2R確変A大当り、特定2の2R確変B大当り、又は小当りとなった場合には、短開放の2R大当り遊技状態又は小当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間が短過ぎるため、上記大入賞口ユニット2330の羽根2338の開放制御が認識されたとしても、上記大入賞口2330aへ遊技球を入賞させることが困難となっている。つまり、長開放の2R大当り遊技状態では、センター役物2300の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することによって上記大入賞口2330aに遊技球が次々に入賞し、遊技球の獲得を期待することができる。一方、短開放の2R大当り遊技状態又は小当り遊技状態では、右打ちしたとしても、上記大入賞口2330aに遊技球が入賞することが殆どなく、長開放の2R大当り遊技状態とは異なり、遊技球の獲得を期待することができない。また、資金調達モード(高確率非時短状態)中、小当り抽選が行われた場合、採掘モード(高確率時短状態)に移行する契機、即ち、20回1セットとなる大当り遊技状態が発生することに影響を与えることなく、短開放の2R大当り遊技状態と同一となる大入賞口2330aの開放制御を行う小当り遊技状態に制御することになる。このため、資金調達モード中に制御される小当り遊技状態は、上記したように遊技球の獲得が殆どなく、遊技者に対してあたかも採掘モードに移行する契機が近づいたかのように思わせるものとして設定される。
また、第二特別乱数の抽選に基づいて小当りとなった場合、言い換えれば、後述する採掘モードの遊技中に小当りとなった場合には、長開放の2R大当り遊技状態と同じく、小当り遊技状態における1ラウンドあたりの上記大入賞口2330aの開放時間を30秒とする長開放状態に制御している。このため、採掘モード中の小当り遊技状態では、長開放の2R大当り遊技状態と同様に、センター役物2300の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することによって上記大入賞口2330aに遊技球が次々に入賞し、多くの遊技球の獲得を期待することができる。即ち、採掘モード(高確率時短状態)中、小当り抽選が行われた場合、資金調達モード(高確率非時短状態)に移行する契機、即ち、20回1セットとなる大当り遊技状態が発生することに影響を与えることなく、長開放の2R大当り遊技状態と同一となる大入賞口2330aの開放制御を行う小当り遊技状態に制御することになる。このため、採掘モード中に制御される小当り遊技状態は、上記したように遊技球の獲得が期待でき、遊技者に対してボーナス的に賞球を獲得できるものとして設定される。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、特定1の2R確変A大当りに決定した場合には第一特別図柄の2R確変A大当り図柄に決定し、特定2の2R確変B大当りに決定した場合には第一特別図柄の2R確変B大当り図柄に決定し、特定3の2R確変C大当りに決定した場合には第一特別図柄の2R確変C大当り図柄に決定する。なお、後述する第二特別図柄停止図柄設定処理では、このような決定処理として、特定4の2R確変D大当りに決定したことに伴って第二特別図柄の2R確変D大当り図柄に決定する。一方、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS134)、小当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定し(ステップS135)、小当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS137の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1400を表示制御する。具体的には、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち特定1の2R確変A大当りを特定した場合には2R確変A大当り図柄(「0」〜「9」のリーチハズレとなる装飾図柄の組合せ(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一))に決定し、大当りのうち特定2の2R確変B大当りを特定した場合には2R確変B大当り図柄(高確率状態では「0」〜「9」のリーチハズレとなる装飾図柄の組合せ、低確率状態では「0」〜「6」「8」「9」の同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち特定3の2R確変C大当りを特定した場合には2R確変C大当り図柄(「7」の同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、小当りを特定した場合には小当り図柄(「0」〜「9」のリーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(「0」〜「9」のリーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1400に表示制御する。
図219は、上記第二特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81’)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第二特別図柄停止図柄設定処理については、第一特別図柄停止図柄設定処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図219に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記第二特別図柄大当り判定処理(ステップS105’)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか否か(ステップS131’、S134’)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、ステップS131’で大当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した第二図柄乱数と図217(C)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS132’)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第二特別図柄の変動制御停止時の態様(第二特別図柄の停止図柄)を決定し(ステップS133a’)、また、大当り図柄に応じて大当り遊技の内容及び大当り遊技後の時短回数を決定する(ステップS133b’)。なお、大当り遊技後の時短回数は、第二図柄乱数の抽出値に基づいて決定される。例えば、9〜100回までの値となる。
図217(C)に示すように、図柄決定テーブルには、上記事前判定テーブルと同様に、判定結果毎(特定4の2R確変D大当り(出玉あり、時短あり))に図柄乱数(第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。ここでは、図217(C)に示すように、上述した特定4の2R確変D大当りのみとなる。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第二特別図柄の停止時の態様として決定する。ここでは、特定4の2R確変D大当りに決定したことに伴って第二特別図柄の2R確変D大当り図柄に決定する。一方、ステップS131’で大当りフラグがセットされていなければ、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS134’)、小当りフラグがセットされていれば、第二特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定し(ステップS135’)、小当りフラグがセットされていなければ、第二特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS136’)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS137’の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第二特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138’の処理として、上記第2変動パターン設定処理(ステップS82’)にプロセス移行されるよう上述の第二特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて液晶表示装置1400を表示制御する。具体的には、周辺制御MPU4140aは、液晶表示装置1400に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち特定4の2R確変D大当りを特定した場合には2R確変D大当り図柄(「0」〜「9」の同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、リーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(「0」〜「9」のリーチハズレとなる装飾図柄の組合せ)に決定し、はずれを特定した場合には、リーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。また左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を液晶表示装置1400に表示制御する。
図220は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図220に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器641に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器641及び上記液晶表示装置1400にて演出制御が行われるようになる。その後は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記第一特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記第一特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。具体的には、164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)と一致し、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)と一致し、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)と一致するように上記変動乱数がそれぞれ関連付けられている。なお、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
図221は、上記第二変動パターン設定処理(ステップS82’)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第二変動パターン設定処理については、第一変動パターン設定処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図221に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141’)、第二特別図柄停止図柄設定処理のステップS123’で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142’)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143’)、現在の遊技状態に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144’)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145’)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146’)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147’)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148’)、決定した変動パターンを開始することを周辺基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第二特別図柄表示器642に表示される第二特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149’)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150’)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第二特別図柄表示器642及び上記液晶表示装置1400にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、上述しように、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第二特別図柄通常処理のステップS102’で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記第二特別図柄の変動パターンを決定する。これにより、上記第二特別図柄の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、上述したように、上記事前判定テーブルと同様に、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。具体的には、164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)と一致し、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)と一致し、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)と一致するように上記変動乱数がそれぞれ関連付けられている。なお、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第二特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS151a’の処理として、時短継続中フラグがセットされているか否かを判断し、時短継続中フラグがセットされていなければ、ステップS151b’の処理として、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS152’)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153’)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短状態の制御を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップS154’)。
上記ステップS151a’の処理にて時短継続中フラグがセットされていると判断された場合、ステップS151b’の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、上記ステップS153’の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS155’の処理に移行する。そして、上記第二特別図柄変動処理(ステップS83’)にプロセス移行されるよう上述の第二特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155’)、この処理を終了する。
図222は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図222に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
ここで、上記第二特別図柄変動処理(ステップS83’)についてその手順を示すフローチャートを説明する。なお、第二特別図柄変動処理については、図示しないが、第一特別図柄変動処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171’の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82’)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172’)、次にステップS173’の処理に移行する。すなわち、このステップS173’の処理において、上記第二特別図柄停止処理(ステップS84’)にプロセス移行されるよう上述の第二特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図223は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図223に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器641に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1400に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより時短状態の制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされていないとき(ステップS183)、又は、ステップS185に続いて、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットする(ステップS189)。次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り回数カウンタのカウンタ値が「20」であるか否かを判定する(ステップS190)。そして、ステップS190でカウンタ値が「20」の場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態の20回目の大当り遊技状態のときは、時短継続中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS191)、時短継続中フラグがセットされていれば、時短継続中フラグをリセットする(ステップS192)。
その後、大当り図柄に応じて決定された時短回数を時短回数カウンタにセットし(ステップS193)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。また、ステップS190の処理にて大当り回数カウンタのカウンタ値が「20」でないと判断された場合、ステップS191の処理にて時短継続中フラグがセットされていないと判断された場合には、その時点でステップS194の処理に移行する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS190では、大当りの種類(特定2の2R確変A大当り、特定2の2R確変B大当り、特定3の2R確変C大当り)に応じた大当り開始コマンド(2R確変A大当り開始コマンド、2R確変B大当り開始コマンド、2R確変C大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
一方、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされていないとき(ステップS186)であって、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS195)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS196)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS197)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS198)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。なお、小当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、ステップS196では、小当り開始コマンドをセットすることにより、小当り開始コマンドによって指示された小当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
図224は、上記第二特別図柄停止処理(ステップS84’)についてその手順を示すフローチャートである。なお、第二特別図柄停止処理については、第一特別図柄停止処理におけるステップと対応するステップについては、そのステップ番号に続いて「’」を付した。
上記第二特別図柄プロセスフラグが当該第二特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図224に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181’の処理として、上記第二特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第二特別図柄表示器642に表示させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1400に第二特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182’)。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされているときには(ステップS183’)、時短終了フラグをリセットするとともに(ステップS184’)、時短フラグをリセットする(ステップS185’)。これにより時短状態の制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短終了フラグがセットされていないとき(ステップS183’)、又は、ステップS185’に続いて、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186’)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187’)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188’)。そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに上記高確率フラグがセットされていれば当該高確率フラグをリセットし、また、上記時短フラグがセットされていれば当該時短フラグをリセットする(ステップS189’)。次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り回数カウンタのカウンタ値が「20」であるか否かを判定する(ステップS190’)。そして、ステップS190’でカウンタ値が「20」の場合、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態の20回目の大当り遊技状態のときは、時短継続中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS191’)、時短継続中フラグがセットされていれば、時短継続中フラグをリセットする(ステップS192’)。
その後、大当り図柄に応じて決定された時短回数を時短回数カウンタにセットし(ステップS193’)、第二特別図柄プロセスフラグを初期値である第二特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194’)、この処理を終了する。また、ステップS190’の処理にて大当り回数カウンタのカウンタ値が「20」でないと判断された場合、ステップS191’の処理にて時短継続中フラグがセットされていないと判断された場合には、その時点でステップS194’の処理に移行する。なお、大当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS190’では、大当りの種類のうち、特定4の2R確変D大当りに応じた大当り開始コマンド(2R確変D大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
一方、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記大当りフラグがセットされていないとき(ステップS186’)であって、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS195’)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS196’)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS197’)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS198’)、第二特別図柄プロセスフラグを初期値である第二特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194’)、この処理を終了する。なお、小当り開始コマンドは、周辺基板4010に送信されるコマンドであり、ステップS196’では、小当り開始コマンドをセットすることにより、小当り開始コマンドによって指示された小当り遊技状態の演出が液晶表示装置1400、ランプ・LED及びスピーカ121,391等により実行される。
[8.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図225は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図225に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1400、ランプ・LED、スピーカ121,391等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図226は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置1400に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ121,391に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3031にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば先読み乱数)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[9.保留予告演出]
本実施形態では、主制御基板4100から送信される保留数コマンドに基づき、液晶表示装置1400の第一表示領域1401aに表示される保留表示(報知情報H)が消化されるまでの間、保留表示の態様及び液晶表示装置1400の外部に設けられた発光装飾ユニット2105(本発明の「演出体」に相当)の表示態様で、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示す保留予告演出を実行している。この保留予告演出について、図227乃至図229を参照して説明する。図227は、第一表示領域1401aに表示される保留表示及び発光装飾ユニット2105を制御する周辺制御基板4140で実行される保留予告演出制御処理を示すフローチャートである。図228及び図229は、保留予告演出を実行するか否か及び保留予告演出の種類(保留予告パターン)を決定するために用いる保留予告判定テーブルである。
図227に示すように、上記演出制御処理(ステップS602)で実行される保留予告演出制御処理では、まず、入賞に基づく第一表示領域1401aへの保留表示に対して保留予告演出を実行するか否かの制御を行う。具体的には、第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板4100から保留数コマンドが送信されたか否かを判別する(ステップS301)。ステップS301で主制御基板4100から保留数コマンドが送信されていないと判別した場合には(NO)、第一表示領域1401aにおける保留表示を追加することがなく、ステップS311に移行する。また、ステップS301で主制御基板4100から保留数コマンドが送信されたと判別した場合には(YES)、保留予告演出の実行中であるか否かを判別し(ステップS302)、保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、第一表示領域1401aにおける保留表示を追加するが(ステップS310)、当該保留表示に対しては保留予告演出を実行することがなく、ステップS311に移行する。このように、第一表示領域1401aに表示可能な八個の保留表示(第一特別図柄及び第二特別図柄に対して各々四個の保留表示)のうち二個以上の保留表示に対して保留予告演出を同時に実行することがなく、第一表示領域1401aにおける保留表示に対して保留予告演出が混在するのを防止している。
一方、保留予告演出の実行中ではないと判別した場合には(ステップS302にてNO)、保留表示に対して保留予告演出を実行するか否かを決定するために用いる保留予告判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS303)。そして、選択した保留予告判定テーブルと読み出した保留予告判定乱数との比較(ステップS304)の結果、保留予告を実行すると判定した場合には(YES)、主制御基板4100から送信された保留数コマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち保留数コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り3、リーチ1〜リーチ9)に対応した保留予告決定テーブルを選択した後(ステップS305)、選択した保留予告決定テーブルと読み出した保留予告決定乱数とを比較し(ステップS306)、保留予告決定テーブルに設定された保留予告パターンの種別を決定する。
一方、選択した保留予告判定テーブルと読み出した保留予告判定乱数との比較(ステップS304)の結果、保留予告を実行しないと判定した場合には(NO)、第一表示領域1401aにおける保留表示を追加するが(ステップS310)、当該保留表示に対しては保留予告演出を実行することがなく、ステップS311に移行する。なお、保留表示に対して保留予告演出を実行しない場合には、第一表示領域1401aにおける保留表示を追加する態様として、第一特別図柄に対する保留表示が白色(基本色)、第二特別図柄に対する保留表示が黄色(基本色)で点灯するようになっている。
なお、保留予告判定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合、リーチ2,5,8を特定した場合、又はリーチ3,6,9を特定した場合の各々の場合において、事前判定情報に対応した保留予告判定テーブルが同一、すなわち事前判定情報が異なっても事前判定情報に対応した保留予告判定テーブルに設定された保留予告演出を実行する旨を同じ確率で決定するように設定されている。また、そもそも保留予告演出が事前判定情報としての抽選結果に基づいた演出であって大当り期待度を示唆しているために、保留予告演出が頻繁に実行されることで、単に演出表示装置1400に表示される背景画像やキャラクタ等を用いて現在の遊技状態が確変中であるか否かを示唆するよりも、遊技者の期待感を煽ることができるようになる。そして、もし今回の抽選結果がはずれであったとしても、保留予告演出が頻繁に実行されている限り、次に抽選結果が大当りとなることは近いと予感し遊技を行うことができる。
図228及び図229に示す保留予告決定テーブルは、上記周辺制御ROM4140bに記憶されており、保留表示に対して保留予告演出を実行する場合において、主制御基板4100から送信された保留数コマンド毎、すなわち保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り3、リーチ1〜リーチ9)毎に保留予告パターンの種別を決定するために用いるテーブルである。具体的には、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルとして、図228(A)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルとして、図228(B)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルとして、図229(C)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルとして、図229(D)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられている。
ここで、保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り3、リーチ1〜リーチ9)に対応した保留予告決定テーブルに設定された複数種類の保留予告パターンについて説明する。これらの保留予告パターンには、入賞時の保留数(保留記憶数)の分だけ、保留記憶が消化されるごとに第一表示領域1401aにおける保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様がどのように変遷するのかが設定されている。また、発光装飾ユニット2105の表示態様は、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と連動する表示態様(同じ配色)が多くなっているが、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と連動しない表示態様(異なる配色)については、図228及び図229に示す保留予告決定テーブルに記載された保留予告パターン(例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6など)のカッコ書きの内部に示している。
具体的には、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルには、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様が変遷することがなく(すなわち保留表示を消化するのみであり)、1回分の保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様のみが設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の態様が1回変遷可能であることから、2回分の保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の態様が2回変遷可能であることから、3回分の保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の態様が3回変遷可能であることから、4回分の保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされるかたちで記憶されている。
また、保留予告パターンに設定された第一表示領域1401aにおける保留表示の態様としては、第一特別図柄又は第二特別図柄の別がなく、保留表示が基本色で点滅、青色、緑色、赤色、レインボー色(青色→緑色→赤色で交互に点滅する色)のいずれかで点灯するように五個の態様が用意されている。そして、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際には、保留表示の態様が最後まで変遷した結果として、基本色で点滅→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、事前判定情報として抽選結果が大当り(大当り1〜大当り3)と特定したときに最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い配色(例えば、レインボー色)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果が外れ(ハズレ、リーチ1〜リーチ9)と特定したときに最終的な保留表示の態様として大当り期待度の低い配色(例えば、基本色で点滅)となる保留予告パターンを高い確率で決定することにより、大当り期待度の高い配色で最終的な保留表示の態様が表示されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
なお、保留予告パターンには、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様が基本色で点滅→青色→緑色→赤色→レインボー色の順序とは逆の順序で変遷しないものであり、保留表示の消化時に保留表示の態様が維持されるか、又は次の配色が大当り期待度の高い配色となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い配色で保留表示の態様が表示されたとしても、保留表示の消化時に大当り期待度の高い配色に変遷する可能性が残されており、保留表示の態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも保留表示の態様が基本色で点滅した後に青色→緑色→赤色→レインボー色の順序で変遷する必要はなく、途中の配色から開始(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号5により突然、レインボー色で開始)する、途中の配色を飛ばして次の配色に変遷(例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号6により基本色で点滅からレインボー色に変遷)するようにも設定されている。このため、保留表示の態様が変遷する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い配色で保留表示の態様が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い配色で保留表示の態様が表示されたとしても、次の配色がいずれの配色に変遷するか予測することができず、保留表示の態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときに、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様のいずれも大当り期待度を示唆する配色で点灯することを原則とするが、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して大当り期待度を示唆する配色で点灯するようにも設定されている。例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6、保留3点灯時の保留予告パターン番号5,8、保留4点灯時の保留予告パターン番号7,11では、第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が入賞したときに、発光装飾ユニット2105の表示態様を基本色で点滅(本例では、基本色で点滅することであるが、大当り期待度を示唆する配色であればよい)させるが、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を大当り期待度を示唆する配色で点灯することなく、基本色で点灯するように設定されている。これらの保留予告パターンを実行した場合には、第一表示領域1401aにおける保留表示が含まれる液晶表示装置1400の表示領域に対して遊技者が注目しただけでは、保留予告演出の開始を認識することができない。したがって、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して大当り期待度を示唆する配色で点灯することで、液晶表示装置1400の表示領域だけでなく、発光装飾ユニット2105の表示に期待をもって注目させることができる。
そして、上記した保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6などの保留予告パターンでは、第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときに、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して大当り期待度を示唆する配色で点灯するが、保留予告演出の対象となる保留を消化するよりも前に、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を発光装飾ユニット2105の表示態様と同じ配色で点灯するように設定されている。例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6、保留3点灯時の保留予告パターン番号5,8、保留4点灯時の保留予告パターン番号7,11では、保留を1つ消化したとき(保留予告演出の対象となる保留を消化するよりも前であればよく、保留を2つや3つ消化したときであってもよい)に、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を発光装飾ユニット2105の表示態様と連動して同じ配色に変遷するように設定されている。このため、液晶表示装置1400の表示領域に対して遊技者が注目しており、保留予告演出の開始を見逃したとしても、保留予告演出の対象となる保留を消化するまでには保留予告演出の実行を認識することができる。
また、上記した保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6などの保留予告パターンについては、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して点灯しない保留予告パターンよりも、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い配色となるように設定されている。例えば、保留数コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合には、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,6、保留3点灯時の保留予告パターン番号5,8、保留4点灯時の保留予告パターン番号7,11を決定することがないのに対し、リーチ2,5,8又はリーチ3,6,9を特定した場合には、これらの保留予告パターンを決定することができる。このため、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して大当り期待度を示唆する配色で点灯した場合には、保留予告演出の対象となる保留の消化時に少なくとも大当り期待度の高いリーチ演出を実行することが確定し、最終的な保留表示の態様を赤色又はレインボー色のいずれかの配色で表示することになり、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
なお、保留予告演出の開始時には、遊技領域605における第一始動口2001と発光装飾ユニット2105とを結ぶライン上に設けられた左サイド誘導部材2180(図151参照)を用いて、遊技球が入賞可能な第一始動口2001から発光装飾ユニット2105に向けての誘導的な発光による誘導演出を実行している。具体的には、左サイド誘導部材2180におけるレンズ部2182に向かって光を投光する発光基板に搭載されたLEDを、左サイド誘導部材2180の右側から左側に向けて順に点灯することにより、誘導演出における誘導的な発光を実現している。なお、左サイド誘導部材2180の他にも、遊技領域605に設けられた発光可能な部材を用いて、発光装飾ユニット2105に向けて誘導的な発光が集中するように実行してもよい。これによれば、遊技球が第一始動口2001に入賞するか否かに注目していたとしても、第一始動口2001への入賞直後から実行される保留予告演出の開始時に誘導演出を実行することで、発光装飾ユニット2105に向けて遊技者の視線を自然と誘導し、保留予告演出の開始を見逃し難くしている。したがって、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを先行して大当り期待度を示唆する配色で点灯した場合には、先ずは発光装飾ユニット2105の表示態様に注目することになり、保留予告演出の開始を見逃し難く、その後にゆったりと液晶表示装置1400の第一表示領域1401aに表示される保留表示と見比べたとしても、発光装飾ユニット2105の表示態様と連動して同じ配色で点灯しているかを認識することができる。
また、保留予告パターンには、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様が発光装飾ユニット2105の表示態様と連動して同じ配色で変遷することを原則とするが、保留の消化時の一部において、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と連動することなく異なる配色で変遷するようにも設定されている。例えば、保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10、保留4点灯時の保留予告パターン番号8,13では、保留予告演出の対象となる保留を消化するよりも前に、発光装飾ユニット2105の表示態様を、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様よりも大当り期待度の高い配色(例えば、保留3点灯時の保留予告パターン番号6では、保留を1つ消化したときに第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を青色で維持するのに対し、発光装飾ユニット2105の表示態様を青色から緑色に変遷)で点灯するように設定されている。これらの保留予告パターンを実行した場合には、第一表示領域1401aにおける保留表示が含まれる液晶表示装置1400の表示領域に対して遊技者が注目しただけでは、保留予告演出における配色の違いを認識することができない。また、これらの保留予告パターンでは、発光装飾ユニット2105の表示態様を、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様よりも優先し、さらに保留予告演出の対象となる保留を消化したときに、この優先した発光装飾ユニット2105の表示態様が維持されるか、又は次の配色が大当り期待度の高い配色となるように設定されている。したがって、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様が発光装飾ユニット2105の表示態様と一部で連動しなかった場合には、大当り期待度の高いほうの発光装飾ユニット2105の表示態様での配色を優先することで、液晶表示装置1400の表示領域だけでなく、発光装飾ユニット2105の表示に期待をもって注目させることができる。
そして、上記した保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10などの保留予告パターンでは、保留の消化時の一部において、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と連動することなく異なる配色で点灯するが、保留予告演出の対象となる保留を消化するよりも前に、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を発光装飾ユニット2105の表示態様と再び同じ配色で点灯するように設定されている。例えば、保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10、保留4点灯時の保留予告パターン番号8では、保留を2つ消化したときに、保留4点灯時の保留予告パターン番号13では、保留を3つ消化したときに、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を発光装飾ユニット2105の表示態様と連動して再び同じ配色に変遷するように設定されている。このため、液晶表示装置1400の表示領域に対して遊技者が注目しており、保留予告演出における配色の違いを見逃したとしても、保留予告演出の対象となる保留を消化するまでには保留予告演出における最終的な配色を認識することができる。
また、上記した保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10などの保留予告パターンについては、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と異なる配色で点灯しない保留予告パターンよりも、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い配色となるように設定されている。例えば、保留数コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合には、保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10、保留4点灯時の保留予告パターン番号8,13を決定することがないのに対し、リーチ2,5,8又はリーチ3,6,9を特定した場合には、これらの保留予告パターンを決定することができる。このため、保留の消化時の一部において、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と異なる配色で点灯した場合には、保留予告演出の対象となる保留の消化時に少なくとも大当り期待度の高いリーチ演出を実行することが確定し、最終的な保留表示の態様を赤色又はレインボー色のいずれかの配色で表示することになり、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
なお、上記した保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10などの保留予告パターンでは、保留の消化時の一部において、発光装飾ユニット2105の表示態様を、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様よりも大当り期待度の高い配色で点灯するように設定しているが、これに限らず、例えば、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を、発光装飾ユニット2105の表示態様よりも大当り期待度の高い配色で点灯するように設定してもよい。また、これらの保留予告パターンでは、保留の消化時の一部において、発光装飾ユニット2105の表示態様を、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様よりも優先することにより、大当り期待度の高いほうの態様(配色)を優先して大当り期待度を示唆するように設定しているが、これに限らず、例えば、大当り期待度の低いほうの態様(配色)を優先して大当り期待度を示唆する場合を加えて設定してもよい。このとき、発光装飾ユニット2105の表示態様及び第一表示領域1401aにおける保留表示の態様に注目し、保留予告演出における配色の違いを認識したとしても、いずれの態様を優先して大当り期待度を示唆しているかを判断することができない。しかしながら、例えば、発光装飾ユニット2105の表示態様及び第一表示領域1401aにおける保留表示の態様として大当り期待度の異なる態様(配色)で実行した後、いずれの態様を優先するかを内部的な抽選により選択する演出を視覚的に実行することで、遊技者にとっていずれの態様を優先すればよいのかを判断可能となり、液晶表示装置1400の表示領域及び発光装飾ユニット2105の表示のいずれにも継続して注目させることができる。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報として大当り1,2を特定した場合のみ、最終的な保留表示の態様としてレインボー色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号5、保留2点灯時の保留予告パターン番号6,7、保留3点灯時の保留予告パターン番号8〜11、保留4点灯時の保留予告パターン番号11〜15)を決定することが可能に設定されている。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報として大当り3を特定した場合、必ず、保留表示に対して保留予告演出を実行しない保留予告パターン(保留1〜4点灯時の保留予告パターン番号0)を決定するように設定されている。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報としてはずれを特定した場合、必ず、最終的な保留表示の態様として基本色で点滅する保留予告パターン(保留1〜4点灯時の保留予告パターン番号1)を決定するのに対し、保留数コマンドから事前判定情報として大当り1,2又はリーチ1〜9を特定した場合、最終的な保留表示の態様として基本色で点滅する保留予告パターン以外の保留予告パターンも決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の態様が青色、緑色、赤色、レインボー色のいずれかの配色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定し、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合よりもリーチ2,5,8を特定した場合、さらにリーチ3,6,9を特定した場合のほうが、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い配色となる保留予告パターン(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号4、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,5、保留3点灯時の保留予告パターン番号5〜7、保留4点灯時の保留予告パターン番号7〜10)を高い確率で決定するように設定されている。このため、保留表示の態様が大当り期待度の高い配色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に大当り期待度の高いリーチ演出を実行する確率が高く、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合、リーチ2,5,8を特定した場合、又はリーチ3,6,9を特定した場合の各々の場合において、事前判定情報に対応した保留予告決定テーブルが同一、すなわち事前判定情報が異なっても事前判定情報に対応した保留予告決定テーブルに設定された各々の保留予告パターンを同じ確率で決定するように設定されている。すなわち、現在の遊技状態が確変中の可能性がある場合(例えば、リーチ1)と、確変中の可能性がない場合(例えば、リーチ4,7)と、で、保留表示の態様が大当り期待度の高い配色で表示される確率が変化するものではない。しかしながら、現在の遊技状態が確変中の可能性がある場合(例えば、リーチ1)には、確変中の可能性がない場合(例えば、リーチ4,7)よりも保留表示の態様が大当り期待度の高い配色で表示される保留予告パターンを高い確率で決定するように設定してもよい。
そして、ステップS304で保留予告演出を実行すると判別し(YES)、ステップS306で保留予告パターンの種別を決定した場合には、この決定した保留予告パターンをセットし(ステップS307)、保留予告パターンに基づいた配色で第一表示領域1401aにおける保留表示を追加して点灯/点滅する(ステップS308)。また、第一表示領域1401aにおける保留表示を追加して点灯/点滅したときには、保留予告パターンに基づいた配色で発光装飾ユニット2105の表示態様を制御する(ステップS309)。すなわち、発光装飾ユニット2105の表示態様のみで先行して保留予告演出を開始する保留予告パターンを除いては、保留表示の態様が基本色で点滅する場合には発光装飾ユニット2105の表示態様も点滅し、保留表示の態様が青色で点灯する場合には発光装飾ユニット2105の表示態様が青色で点滅し、保留表示の態様が緑色で点灯する場合には発光装飾ユニット2105の表示態様が緑色で点滅し、保留表示の態様が赤色で点灯する場合には発光装飾ユニット2105の表示態様が赤色で点滅し、保留表示の態様がレインボー色で点灯する場合には発光装飾ユニット2105の表示態様がレインボー色で点滅するようになっている。発光装飾ユニット2105の表示態様は、保留表示の態様とは異なり常に点滅するものであるが、これは保留予告演出を除いては発光装飾ユニット2105が発光装飾として用いられており、保留表示の態様に合わせた配色で点灯するだけでは発光装飾ユニット2105の周囲の発光装飾と同化してしまい、保留予告演出が実行されているのか否かが判別できなくなってしまうためである。
次いで、保留状態表示部制御処理では、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立するごとに、第一表示領域1401aにおける保留表示をシフトする制御を行う。具体的には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立し、主制御基板4100側で管理されている保留記憶を消化するか否かを判別する(ステップS311)。ステップS311で保留記憶を消化しないと判別した場合には(NO)、第一表示領域1401aにおける保留表示をシフト(消去)することがなく、保留予告演出制御処理を終了する。また、ステップS311で保留記憶を消化すると判別した場合には(YES)、保留予告演出の実行中であるか否かを判別し(ステップS312)、保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、保留予告演出の対象とはならない保留表示をシフトすると共に、ステップS307でセットされた保留予告パターンに基づいた配色で保留予告演出の対象となる保留表示をシフトして点灯/点滅する(ステップS313)。ただし、保留予告演出の対象となる保留表示を消化する場合には、その保留表示を第一表示領域1401aから消去する。また、保留予告演出の対象となる保留表示の態様が変遷したときには、ステップS307でセットされた保留予告パターンに基づいた配色に発光装飾ユニット2105の表示態様を更新して制御するが(ステップS314)、保留予告演出の対象となる保留表示を消化する場合であっても、その保留表示の消化中において消化直前の発光装飾ユニット2105の表示態様が維持されるように制御する。また、第一表示領域1401aにおいて保留予告演出の対象となる保留表示を消化する場合、その保留表示を消去するが、その保留表示の消化中において消化直前の発光装飾ユニット2105の表示態様を維持するように制御することにより、最終的な保留表示の態様を見逃したとしても、発光装飾ユニット2105の表示態様を見ることによって当該保留表示に基づく装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を確認することができ、保留予告演出の実行中も安心して遊技を行うことができる。
一方、ステップS311で保留予告演出の実行中ではないと判別した場合には(NO)、第一表示領域1401aにおける保留表示をシフト(消去)するのみである(ステップS315)。
なお、本例の保留予告パターンには、保留予告演出の実行を決定したときに、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様を大当り期待度を示唆する配色で点灯することなく、発光装飾ユニット2105の表示態様のみを大当り期待度を示唆する配色で点灯するように設定(いわゆる「ガセ」を設定)してもよい。この保留予告演出パターンでは、保留を消化したとしても、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様における配色を変遷することがなく、保留予告演出を実行しない場合と同じ大当り期待度とする。この保留予告パターンを設定した場合には、発光装飾ユニット2105を用いた保留予告演出が頻繁に実行されて、発光装飾ユニット2105の表示に対する大当り期待度が低くなるのに対し、第一表示領域1401aにおける保留表示を用いた保留予告演出が頻繁に実行されることなく、第一表示領域1401aにおける保留表示に対する大当り期待度が高くなる。このため、液晶表示装置1400の表示領域(第一表示領域1401aにおける保留表示)に対しては、保留予告演出の実行時に「ガセ」に対して落胆することがなく、遊技者が安心して注目することができる一方、発光装飾ユニット2105の表示に対しては、保留予告演出の実行時に「ガセ」があるため、遊技領域605のうち液晶表示装置1400の表示領域よりも注目しない場所に設けて、保留予告演出の全てを見逃したくない遊技者のみが注目するようになっている。すなわち、遊技者の遊技の楽しみ方に合わせて、液晶表示装置1400の表示領域のみに注目して遊技を行う場合と、液晶表示装置1400の表示領域から離れた発光装飾ユニット2105が含まれる遊技領域605の全体に注目して遊技を行う場合と、を選択させることが可能となり、パチンコ機1本来の興趣を向上させることができる。
また、本例の保留予告演出では、保留3点灯時の保留予告パターン番号6,10、保留4点灯時の保留予告パターン番号8,13を実行したときに、保留の消化時の一部において、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様が第一表示領域1401aにおける保留表示の態様と連動することなく異なる配色で変遷するように設定しているが、配色に限らず、例えば、第一表示領域1401aにおける保留表示の態様及び発光装飾ユニット2105の表示態様としての点滅態様が同期する(例えば、各々の点灯間隔を同一とする)か否かにより連動しているか否かを示すように設定してもよい。この保留予告パターンを実行した場合には、第一表示領域1401aにおける保留表示が含まれる液晶表示装置1400の表示領域に対して遊技者が注目しただけでは、保留予告演出における点滅態様が同期しているか否かを認識することができないため、液晶表示装置1400の表示領域及び発光装飾ユニット2105の表示のいずれも注目させることができる。
また、図228及び図229に示す保留予告判定テーブルでは、保留1〜4のいずれの点灯時テーブルにおいても、小当りの受信コマンドに対しては、保留予告パターン決定用の997個の乱数を全て「なし」に設定している。即ち、本例の保留予告演出では、保留1〜4のいずれの点灯時においても、受信コマンドとして小当りを受信した場合は、保留予告演出を実行しないようになっている。然も、潜確状態となる資金調達モード中の主な入賞先となる第一始動口2001への入賞に基づいて決定される「特定1大当り」「特定2大当り」「特定3大当り」に対しては、常に保留予告演出を実行するようになっている。このため、資金調達モード中において、大当り抽選が小当り抽選と判別困難な態様で演出情報の表示結果として表示される場合、当該表示結果を導出する始動条件の成立に基づいて保留予告演出を実行することで、当該始動条件の成立に基づく抽選結果が大当り抽選であることを遊技者に認識させることができる。
従って、遊技者は、資金調達モードの開始時点から、保留予告演出の有無を確認し、保留予告演出が実行されたときに小当り抽選の表示結果と比較判別が困難な大当り抽選の表示結果が表示されると、その都度、演出情報の表示結果が大当り抽選であった旨を認識する。そして、このような大当り抽選の確認回数をカウントしていくことが、そのまま連続大当り遊技状態制御手段の制御に基づいて繰り返される所定の複数回(上限回数)の大当り遊技状態の発生回数をカウントしていくことになるので、遊技者は、資金調達モード中に残り何回の大当り遊技状態を発生させればよいか(採掘モードに移行する契機が訪れるまでに残り何回大当り抽選すればよいか)を明確に把握することができる。これに対して、資金調達モードの途中の状態から遊技を開始した遊技者は、遊技を開始した時点から残り何回の大当り遊技状態を発生させれば上限回数に到達して採掘モードに移行する契機が訪れるかが把握できない。従って、空き台状態のパチンコ機1に対して、遊技開始時点に上限回数までの残り回数を確認して、その多少に応じて遊技の続行を判断するような行為(上限回数までの残り回数が比較的少ないときは遊技を続行する一方、上限回数までの残り回数が比較的多いときは遊技を中止するハイエナ的な行為)を防止することができる。また、このようなハイエナ的な行為を防止する構成とすることで、遊技を継続的に行わせることができるので、結果として、遊技機の稼働率の低減を抑制することができる。
[10.不正行為検出]
16ms定常処理では、上述したステップS601〜ステップS606以外の処理として、タイマ更新処理、始動口入賞異常報知判定処理、磁石ゴト報知判定処理、始動口入賞異常報知処理等の処理も実行される。なお、始動口入賞異常報知判定処理、磁石ゴト報知判定処理及び始動口入賞異常報知処理については、順に説明する。
次に、始動口入賞異常報知判定処理について説明する。図230は、16ms定常処理の一処理として実行される始動口入賞異常報知判定処理の一例を示すフローチャートである。この始動口入賞異常報知判定処理が開始されると、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、図230に示すように、始動口入賞コマンドがあるか否かを判定する(ステップS840)。この判定では、図209に示した16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析処理で解析した主制御基板4100からの各種コマンドに、始動口入賞コマンドが含まれているか否かを判定するとともに、この始動口入賞コマンドが第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応するものであるか否かを判定する。つまり、ステップS840では、図158に示した、第一始動口2001の右下方に配置された第二始動口2002に遊技球が入球したか否かを判定するのではなく、第一始動口2001に遊技球が入球したか否かを判定する。
ステップS840で第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドが主制御基板4100から受信した各種コマンドに含まれているときには、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCの値に値1を加算する(インクリメントする。ステップS842)。この始動口入賞コマンド受信カウンタPCCは、第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドを受信した回数をカウントするカウンタであり、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期値として値0が設定されている。
一方、ステップS840で第一始動口2001に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ2011と対応する始動口入賞コマンドが主制御基板4100から受信した各種コマンドに含まれていないときには、又はステップS842に続いて、カウンタ初期化タイマTMRが15分を経過したか否かを判定する(ステップS844)。このカウンタ初期化タイマTMRは、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCを、15分という所定期間ごとに、初期化するためのタイマであり、図209に示した16ms定常処理における図示しないタイマ更新処理において計時されている。つまりカウンタ初期化タイマTMRは、16ms定常処理という16msが経過するごとに計時されている。タイマ更新処理では、カウンタ初期化タイマTMRの計時開始がセットされると、カウンタ初期化タイマTMRの計時を開始する。またカウンタ初期化タイマTMRは、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期化されて計時開始がセットされる。
ステップS844でカウンタ初期化タイマTMRが15分を経過したときには、カウンタ初期化タイマTMRを初期化し、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT以上であるか否かを判定する(ステップS846)。この上限値LMTは、単位時間当りに第一始動口2001に遊技球が入球可能な回数(「単位始動数」という。)の上限値に基づいて定められる値である。本実施形態では、パチンコ遊技機1が設置されるホールにもよるが、実際に遊技者が遊技を開始しても単位始動数が最大で約7回/分程度であること等を考慮すると、単位始動数の想定値として10回/分が設定されている。これにより、上限値LMTは、カウンタ初期化タイマTMRが15分経過したときでは値150(=15分×単位始動数(10回/分))となる。
ステップS846で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT(値150)以上であるとき(始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達しているとき)には、報知時間を計時するタイマである報知タイマHTMRの計時開始をセットして始動口入賞異常報知処理を行う(ステップS848)。この始動口入賞異常報知処理では、その詳細な説明は後述するが、計時される報知タイマHTMRに基づいて、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させて第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えている旨をホールの店員等に報知する。
一方、ステップS846で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMT(値150)以上でないとき(始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達していないとき)には、又はステップS848に続いて、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCの値に値0をセットして初期化し(ステップS850)、カウンタ初期化タイマTMRをリセットして初期化し、計時開始を再びセットし(ステップS852)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS844でカウンタ初期化タイマTMRが15分を経過していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
このように、15分経過するごとに、ステップS850で始動口入賞コマンド受信カウンタPCCを初期化することができるため、ステップS846で第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えているか否かの判定を15分ごとに行うことができる。つまり、第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに監視することができるようになっている。これにより、例えば第一始動口2001に遊技球が1球入球するタイミングを狙って、パチンコ遊技機1の前面から第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させることにより、主制御基板4100に入力される第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させて、あたかも第一始動口2001に遊技球が複数球入球(「連球」という。)したかのように装う不正行為が行われても、15分ごとに行われるステップS846の判定により、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているときにはステップS848の始動口入賞異常報知処理で扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させて不正行為が行われている旨をホールの店員等に報知することができるようになっている。このため、遊技者は、そのような不正行為の発覚をおそれてその行為を止めざるを得なくなり、継続することが極めて困難となる。したがって、遊技者に獲得される不正な遊技球の球数を抑えることができる。
また、本実施形態では、図207(b)に示したタイマ割り込み処理におけるステップS12のスイッチ処理で第一始動口センサ2011等からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避して第一始動口センサ2011等からの検出信号の信頼性を高めている。このため、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させて主制御基板4100に入力される第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させても、この分割された検出信号の波形と、第一始動口2001に遊技球が連球する場合における実際の第一始動口センサ2011からの検出信号の波形と、が整合しない場合には、その分割された検出信号の波形をチャタリングやノイズ等の影響によるものとして、このスイッチ処理において除去されるようになっている。また、スイッチ処理では、第一始動口センサ2011からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドを送信情報として主制御MPU4100aの内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、図207(b)に示したタイマ割り込み処理におけるステップS18の情報出力処理でその始動口入賞コマンドを周辺制御基板4140へ送信するようになっている。このように、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避するためにもともとスイッチ処理に組み込まれたプログラムによっても、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させる不正行為を防止することができるようになっているため、その不正行為が行われたからといって、第一始動口センサ2011からの検出信号と対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に必ず記憶されるというわけではない。換言すれば、送信情報記憶領域に送信情報として記憶される始動口入賞コマンドの数が、その不正行為に従って必ず増加するというわけではない。ところが、その不正行為によって、第一始動口センサ2011からの1つの検出信号を複数の検出信号に分割させたときに、各検出信号のうちの一部の検出信号がスイッチ処理をすり抜ける場合もある。このような場合には、そのすり抜けた検出信号を第一始動口センサ2011からの検出信号と判断してその対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されることとなる。そこで、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板4140側において、図230に示した始動口入賞異常報知判定処理で第一始動口センサ2011からの検出信号と対応する始動口入賞コマンドを受信した数に基づいて、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに判定することにより、第一始動口2001に遊技球が不正に入球しているか否か、つまり不正行為の有無を監視することができるようになっている。
ところで、不正行為としては、上述した、第一始動口2001に向かって電波発信機で電波を照射させるもののほかに、図205に示す領域RA〜領域RD以外の遊技領域605の領域、つまり磁石の接近を検出していない領域においてガラスユニット450の表面に磁石を当てて、図173に示したワープ入口部2310に遊技球が入球するように、ガラスユニット450の表面に磁石を当てて遊技領域605を流下する遊技球を受け止めて、その部分に次々と流下する遊技球を積んである程度の大きさを有する「ぶどう状」に集まった状態に形成した後にその磁石を離すことによって、「ぶどう状」に集まった部分に沿って流下する遊技球を、ワープ入口部2310に誘導してワープ通路2316を通って棚ユニット3300の上段転動面3302aに送って第一始動口2001に入球する確率を高めるという磁石ゴト等、さまざまなものがある。このため、パチンコ遊技機のメーカは、既知な不正行為に対しては機構、電気回路、及びプログラム等で対応することができるものの、メーカの想定を超える未知な不正行為に対してはその予防を構築するのは難しい。そこで、本実施形態では、第一始動口センサ2011からの検出信号に基づいて第一始動口2001に遊技球が入球した時に、主に音声でその旨を報知するためにもともと用意された始動口入賞コマンドと、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避するためにもともとスイッチ処理に組み込まれた主制御基板4100側のプログラムと、を利用することによって、始動口入賞異常報知判定処理という周辺制御基板4140側のプログラムにおいて第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えているか否かを15分ごとに繰り返し判定することにより、未知な不正行為に対する予防となっている。未知な不正行為によって遊技者に不正な遊技球が獲得されるものの、上述したように、周辺制御基板4140側の始動口入賞異常報知判定処理というプログラムで15分ごとに繰り返し不正行為の有無を監視し、不正行為があると、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させてホールの店員等に報知するようになっているため、未知な不正行為を行う遊技者は、発覚をおそれてその未知な不正行為を止めざるを得なくなり、その未知な不正行為を繰り返し行うことができなくなる。したがって、未知な不正行為が行われても、遊技者に獲得される不正な遊技球の球数を抑えることができる。
なお、上述したように、遊技パネル600には複数の障害釘が植設されているが、障害釘と障害釘との間に、偶発的に遊技球が引っかかり、この遊技球の上に次々と遊技球が乗ってぶどう状に遊技球の塊ができる場合がある。このような塊ができる場所によっては、遊技球を第一始動口2001に誘導する経路となる場合もある。このような状態で遊技が継続されても、本実施形態では、上述したように、第一始動口2001に入球した遊技球の球数が単位始動数の想定値を超えている場合には扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させてホールの店員等に報知するようになっているため、遊技者は、その行為を止めざるを得なくなる。したがって、ぶどう状に遊技球の塊を利用して遊技球を第一始動口2001に誘導する経路が形成されても、この経路によって遊技者に獲得される遊技球の球数を抑えることができる。
次に、磁石ゴト報知判定処理ついて説明する。図231は、16ms定常処理の一処理として実行される磁石ゴト報知判定処理の一例を示すフローチャートである。この磁石ゴト報知判定処理が開始されると、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、図231に示すように、磁気センサ異常コマンドがあるか否かを判定する(ステップS855)。この判定では、図209に示した16ms定常処理におけるステップS601のコマンド解析処理で解析した主制御基板4100からの各種コマンドに、磁石ゴトを検出した旨を伝える磁気センサ異常コマンドが含まれているか否かを判定する。
ステップS855で磁気センサ異常コマンドが含まれていないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS855で磁気センサ異常コマンドが含まれているときには、上述した報知時間を計時するタイマである報知タイマHTMRの計時開始をセットして始動口入賞異常報知処理を行い(ステップS857)、このルーチンを終了する。この始動口入賞異常報知処理では、その詳細な説明は後述するが、計時される報知タイマHTMRに基づいて、扉枠5や遊技盤4に設けられた各種LEDを発光させて第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値を超えている旨をホールの店員等に報知する。
次に、始動口入賞異常報知処理について説明する。図232は、16ms定常処理の一処理として実行される始動口入賞異常報知処理の一例を示すフローチャートである。この始動口入賞異常報知処理は、上述したように、始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達している場合や磁石ゴトを検出した旨を伝える磁気センサ異常コマンドを受信した場合に実行される処理である。
この始動口入賞異常報知処理が開始されると、周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aは、図232に示すように、報知タイマHTMRが5分を経過したか否かを判定する(ステップS860)。この報知タイマHTMRは、報知時間を計時するタイマであり、図209に示した16ms定常処理における図示しないタイマ更新処理において計時されている。つまり報知タイマHTMRは、周辺制御部16ms定常処理という16msが経過するごとに計時されている。タイマ更新処理では、報知タイマHTMRの計時開始がセットされると、報知タイマHTMRの計時を開始する。また報知タイマHTMRは、復電時(電源投入時、リセット時等)に初期化される。
ステップS860で報知タイマHTMRが5分を経過していないときには、扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを全点灯する発光態様(例えば、赤色に発光する態様)とし(ステップS862)、このルーチンを終了する。なお、ステップS862では、本ルーチンが上述した始動口入賞異常報知判定処理を経由して実行される場合、つまり始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達していると周辺制御MPU4140が判定した場合には、音源IC4140cを制御して音ROM4140dから始動口入賞異常報知音を読み出し、サイドスピーカ121から流す制御も並行して行う一方、本ルーチンが上述した磁石ゴト報知判定処理を経由して実行される場合、つまり磁石ゴトを検出した旨を伝える磁気センサ異常コマンドを周辺制御MPU4140が受信した場合には、音源IC4140cを制御して音ROM4140dから磁石ゴト警報音を読み出し、サイドスピーカ121から流す制御も並行して行う。
一方、ステップS860で報知タイマHTMRが5分を経過したときには、ステップS862で全点灯させている扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを遊技状態の発光態様に戻すとともに、報知タイマHTMRをリセットして初期化し(ステップS864)、このルーチンを終了する。なお、ステップS864では、本ルーチンが上述した始動口入賞異常報知判定処理を経由して実行される場合、つまり始動口入賞コマンド受信カウンタPCCが上限値LMTに達していると周辺制御MPU4140が判定した場合には、サイドスピーカ121から始動口入賞異常報知音を流す制御を終了して遊技状態の所定遊技音に戻すのに対して、本ルーチンが上述した磁石ゴト報知判定処理を経由して実行される場合、つまり磁石ゴトを検出した旨を伝える磁気センサ異常コマンドを周辺制御MPU4140が受信した場合には、例え報知タイマHTMRが5分を経過した場合であってもサイドスピーカ121から磁石ゴト警報音を流す制御を継続する。なお、本実施形態では、パチンコ機1の電源を遮断して再投入しても周辺制御MPU4140が磁石ゴト警報音を流す制御を再開するようになっている。このため、ホールの店員等が主制御基板4100に備えるRAMクリアスイッチ624aを電源基板1136に備える電源スイッチ1137をONする際に同時に操作することにより、主制御基板4100からRAMクリアコマンドを受信した周辺制御MPU4140が磁石ゴト警報音を流す制御を解除するようになっている。
ステップS862で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDが全点灯することによって、全点灯するパチンコ遊技機1の存在を、ホールに設置された他のパチンコ遊技機よりも目立たせ、ホールの店員等の目に留まりやすくすることができる。これにより、扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDが全点灯開始してから早い段階で、全点灯するパチンコ遊技機1を発見することができるため、第一始動口2001に入球する遊技球が単位始動数の想定値(本実施形態では、10回/分)を超えている旨、つまり不正行為が行われている旨又はその可能性がある旨をホールの店員等に伝えることができる。
また、本実施形態では、ステップS862で扉枠5及び遊技盤4に設けられた各種LEDを全点灯させるという1段階の発光報知態様を採用している。仮に、徐々に発光態様をエスカレートさせるという多段階の発光報知態様を採用した場合には、遊技者が不正行為を行って、初期段階からある段階の発光報知態様まで移行したときに、さらに遊技者がその不正行為を継続して次段階から本格的な発光報知態様へ移行すると、その発光報知態様が遊技者に対して単なる「お知らせアラーム」となる。このように、多段階の発光報知態様を採用した場合には、多段階の発光報知態様のうち、初期段階からある段階の発光報知態様までなら、不正行為がホールの店員等に発覚され難いと遊技者に思わせる場合もあり、好ましくない。
[11.遊技内容及び描画演出]
次に、パチンコ機1による遊技内容及び液晶表示装置1400の表示領域に描画される演出について、図233乃至図235を参照して説明する。まず、主制御基板4100からのコマンドに基づいて液晶表示装置1400の表示領域に演出が進行される仕組みについて簡単に説明し、続いて演出の流れについて簡単に説明する。
主制御基板4100からのコマンドに基づいて液晶表示装置1400の表示領域に演出が進行される仕組みについて簡単に説明すると、主制御基板4100は、第一始動口2001(いわゆる、「ヘソ」)へ遊技球が受入れられたり((始動入賞する)、「ヘソ入賞」という。)、第二始動口2002(いわゆる、「電チュー」)へ遊技球が受入れられたりすると((始動入賞する)、「電チュー入賞」という。)、これに基づいて抽選を行って特別抽選結果を示すコマンドを周辺制御基板4140の周辺制御MPU4140aに送信する。周辺制御MPU4140aは、受信したコマンドに基づいて制御データ(表示コマンド)を液晶制御基板3181の液晶制御MPU4150aに出力する。液晶制御MPU4150aは、入力された制御データ(表示コマンド)に基づいて、液晶制御基板3181のキャラROM4150d、及びキャラRAM4150eから演出の画像を作成するための必要な各種データを読み出すとともに、液晶制御基板3181のVDP4150cを制御することによりその画像を作成して液晶表示装置1400の表示領域に描画する制御を行い、主制御基板からのコマンドと対応する特別抽選結果の導出表示を行う。
第一始動口2001又は第二始動口2002に遊技球が受入れられて(入球し)、この遊技球が遊技の進行に使用されると、液晶表示装置1400の表示領域の全体に描画されている背景画像上に、表示領域の左上方から左下方に向かって装飾図柄1400a、中央の上方から下方に向かって装飾図柄1400b、そして右上方から右下方に向かって装飾図柄1400cがそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示が開始される。装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始されると、背景画像が視認できる程度に半透明となり、その後、停止するまえに再び不透明となるようになっている。
次に、演出の流れについて簡単に説明すると、本実施形態では一攫千金ゲーム演出が実行されるようになっている。この一攫千金ゲーム演出では、図233に示すように、資金調達モード(Bモード)、金鉱脈発見モード(Aモード)、採掘モード(Cモード)、移動モード(Dモード)、及び金鉱脈再発見モード(Eモード)から構成されている。資金調達モードは、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされ且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされない高確率非時短状態である。金鉱脈発見モードは、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされず且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされない低確率非時短状態である。採掘モードは、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされ且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされた高確率時短状態である。移動モードは、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされず且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされた低確率時短状態である。金鉱脈再発見モードは、高確率状態の制御を実行している旨を示す確変フラグがセットされず且つ時短状態の制御を実行している旨を示す時短フラグがセットされない低確率非時短状態である。ここで、本実施形態における当りについて簡単に説明すると、小当り、2R確変A、2R確変B、2R確変C、及び2R確変Dという5つの当りがすべて、大入賞口2333aが閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回(2ラウンド(2R))となっている。本実施形態では、2R確変A、2R確変B、2R確変C、及び2R確変Dの発生回数を合計20回で1セットとし、20回の当りが発生すると、1回、2回、・・・、20回という具合に当りを繰り返しカウントする仕様となっている。2R確変A、2R確変B、及び2R確変Cの発生確率は、12分の1となっており、その内訳は、2R確変Aの発生確率が67%に設定され、2R確変Bの発生確率が30%に設定され、2R確変Cの発生確率が3%に設定されている。2R確変Dの発生確率は、2R確変A、2R確変B、及び2R確変Cの発生確率と異なり、単体(100%)で、12分の1に設定され、小当りの発生確率は、12分の1に設定されている。
2R確変Aは、第一始動口2001に遊技球が入球したことに基づく(いわゆる、ヘソ入賞による)2Rの潜伏確変の当りであって、大入賞口2333aの1回の開閉動作が短時間(例えば、0.05秒間)に設定されており、大入賞口2333aが短開放で遊技球が入球困難となって、大入賞口2333aの2回の開閉動作では、実質的に出球を得ることができないようになっている。つまり2R確変Aでは、大入賞口2333aが短開放で出球なしとなる。
2R確変Bは、第一始動口2001に遊技球が入球したことに基づく(いわゆる、ヘソ入賞による)2Rの潜伏確変又は2Rの非潜伏確変の当りであって、2Rの潜伏確変は、大入賞口2333aの1回の開閉動作が短時間(例えば、0.05秒間)に設定されており、大入賞口2333aが短開放で遊技球が入球困難となって、大入賞口2333aの2回の開閉動作では、実質的に出球を得ることができないようになっている。つまり2R確変Bの2Rの潜伏確変では、大入賞口2333aが短開放で出球なしとなる。これに対して、2Rの非潜伏確変は、大入賞口2333aの1回の開閉動作が長時間(例えば、30秒間であって、この時間内に大入賞口2333aに遊技球が10球入球する(10カウント)と、大入賞口2333aが閉鎖される。)に設定されており、大入賞口2333aが長開放で複数の遊技球が入球することができ、大入賞口2333aの2回の開閉動作では、出球を得ることができるようになっている。つまり2R確変Bの2Rの非潜伏確変では、大入賞口2333aが長開放で出球ありとなる。なお、2R確変Bは、資金調達モード、及び採掘モードにおいて2Rの潜伏確変の当りとなるのに対して、金鉱脈発見モード、移動モード、及び金鉱脈再発見モードにおいて2Rの非潜伏確変の当りとなる。
2R確変Cは、第一始動口2001に遊技球が入球したことに基づく(いわゆる、ヘソ入賞による)2Rの確変の当りであって、大入賞口2333aの1回の開閉動作が長時間(例えば、30秒間であって、この時間内に大入賞口2333aに遊技球が10球入球する(10カウント)と、大入賞口2333aが閉鎖される。)に設定されており、大入賞口2333aが長開放で複数の遊技球が入球することができ、大入賞口2333aの2回の開閉動作では、出球を得ることができるようになっている。つまり2R確変Cでは、大入賞口2333aが長開放で出球ありとなる。資金調達モードにおいて2R確変C(2Rの確変)の当りとなると、金鉱脈発見モードを介することなく、採掘モードへ移行するようになっている。換言すると、資金調達モードにおいて2Rの確変の当りとなると、採掘モードへとジャンプする直撃当りとなるため、2R確変Cは、2Rの突撃確変の当りである。
2R確変Dでは、第二始動口2002に遊技球が入球したことに基づく(いわゆる、電チュー入賞による)2Rの確変の当りであって、大入賞口2333aの1回の開閉動作が長時間(例えば、30秒間であって、この時間内に大入賞口2333aに遊技球が10球入球する(10カウント)と、大入賞口2333aが閉鎖される。)に設定されており、大入賞口2333aが長開放で複数の遊技球が入球することができ、大入賞口2333aの2回の開閉動作では、出球を得ることができるようになっている。つまり2R確変Dでは、大入賞口2333aが長開放で出球ありとなる。
なお、本実施形態では、大入賞口2333aに遊技球が1球入球すると、賞球として払い出される遊技球の球数が15球に設定されている。これにより、遊技者が獲得することができる遊技球の球数は、1Rでは150球(=10カウント×15球)であるから、2Rでは300球(=1R×2回)となる。採掘モードでは、後述するように、2R確変D(2Rの確変)の当りが最大19回獲得することができるようになっているため、遊技者が獲得することができる遊技球の球数は、5700球(=2R確変D(2Rの確変)×19回)となる。また、採掘モード中の小当りに対しても、大当り時と同様の遊技球を獲得することができる。このため、大当り抽選の確率と小当り抽選の確率とを同一に設定していることを前提として、小当りに伴って遊技者が獲得することができる遊技球の球数も5700球となり、採掘モード中に遊技者が獲得することができるトータルの遊技球の球数は、11400球となる。
次に、一攫千金ゲーム演出について簡単に説明すると、上述したように、一攫千金ゲーム演出は、資金調達モード、金鉱脈発見モード、採掘モード、移動モード、及び金鉱脈再発見モードから構成されている。
資金調達モードでは、金鉱脈を発見するための資金を調達する資金獲得ゾーンと、この資金獲得ゾーンから離脱してプレーヤの獲得した資金を奪う亜空間ゾーンと、から構成されるサイコロゲーム(サイコロを振ってコマを進めるゲーム)演出が実行されるようになっている。小当り、2R確変A、2R確変B、及び2R確変Cの当りで操作ボタンユニット370のメインボタン371を操作してサイコロを振って出た目だけサイコロゲームのプレーヤを進め、20回目の2R確変A、又は2R確変Bでゴールに到達して金鉱脈を有する鉱区の調査許可と、この調査に有するツルハシ、スコップ等の採掘道具と、採掘重機と、を獲得して金鉱脈発見モードへ移行することができるようになっている。なお、2R確変Cの当りでは、図234に示すように、鉱区の調査許可と、採掘道具と、発掘重機と、を獲得するとともに、調査した鉱区に金鉱脈を発見して採掘モードへ移行するようになっている。なお、図234中には、20回1セットの大当り遊技状態の発生制御において、17回目の大当り遊技状態を決定した当り抽選が2R確変Cであり、該2R確変Cの当り抽選を契機として資金調達モードから直接、採掘モードに移行した場合を例示している。また、この場合、採掘モードに移行した際でも、20回1セットの大当り遊技状態の発生制御が継続されるため、採掘モード中の大当りは、残り3回となる。
金鉱脈発見モードでは、発掘道具や発掘重機を使って鉱区の金鉱脈を調査する演出が実行されるようになっている。2R確変B又は2R確変Cの当りとなる場合には金鉱脈の発見に成功して採掘モードへ移行する一方、2R確変Aの当りとなる場合には金鉱脈の発見に失敗して資金、調査許可、及び発掘道具や発掘重機を失って再び資金調達モードのスタートへ戻るようになっている。小当りでは金鉱脈の調査が継続されるようになっている。
採掘モードでは、金鉱脈から金を採掘し続ける演出が実行されるようになっている。基本的には2R確変Dの当りで勝ち続け、最大で19回の当り(金鉱脈発見モードにおいて、すでに1回の当りを引いていることにより20回1セットとした本実施形態の仕様においては残り回数が19回の当り)を得ることができるようになっている。最後の回の2R確変Dの当りが終了すると、調査した金鉱脈での採掘を完了し移動モードへ移行するようになっている。なお、採掘モードでは、大入賞口2333aが長開放で出球ありとなる時短中であるため、電チューの保留球が消化されるため2R確変Dの当りで勝ち続ける場合が想定されるものの、電チューの保留球の消化速度が速くてヘソの保留球を消化する場合には、小当り、2R確変A、2R確変B、又は2R確変Cの当りとなる。資金調達モードにおいて2R確変Cの当りで移行してきた場合にも、基本的には2R確変Dの当りで勝ち続け、1セットの残り回数だけ当りを得ることができるようになっている。小当りでも金鉱脈から金を採掘し続けるようになっている。
移動モードでは、時短回数が例えば9〜100回(大当り図柄に対応した時短回数)のうちいずれかの回数が設定されるようになっている。この回数内において2R確変Dの当りとなる場合には金鉱脈が露出している部分を偶然発見して採掘モードへ再び移行する一方、この回数内において2R確変Dの当りとならない場合には移動完了して金鉱脈再発見モードへ移行するようになっている。なお、移動モードでは、大入賞口2333aが長開放で出球ありとなる時短中であるため、電チューの保留球が消化されるため2R確変Dの当りとなる場合が想定されるものの、電チューの保留球の消化速度が速くてヘソの保留球を消化する場合には、小当り、2R確変A、2R確変B、又は2R確変Cの当りとなる。上記した回数内において2R確変B又は2R確変Cの当りとなる場合には金鉱脈が露出している部分を偶然発見して採掘モードへ移行する一方、この回数内において2R確変Aの当りとなる場合には金鉱脈再発見モードへ移行することなく再び資金調達モードのスタートへ戻るようになっている。小当りでは移動が継続されるようになっている。
金鉱脈再発見モードでは、最後の悪あがきとして一か八か1回だけ発掘道具や発掘重機を使って鉱区の金鉱脈を調査する演出が実行されるようになっている。2R確変B又は2R確変Cの当りとなる場合には金鉱脈の発見に成功して採掘モードへ再び移行する一方、2R確変Aの当りとなる場合には金鉱脈の発見に失敗して資金、調査許可、及び発掘道具や発掘重機を失って再び資金調達モードのスタートへ戻るようになっている。小当りでは金鉱脈の調査準備の状態が継続されるようになっている。
次に、資金調達モードについて図235を参照して詳細に説明する。図235は資金調達モードの資金獲得ゾーンにおけるサイコロゲーム演出の一例を示す図である。資金調達モードでは、上述したように、金鉱脈を発見するための資金を調達する資金獲得ゾーンと、この資金獲得ゾーンから離脱してプレーヤの獲得した資金を奪う亜空間ゾーンと、から構成される。
資金獲得ゾーンSGは、スタートSTから180マス目でゴールGLに到達するようになっており、図示しない亜空間ゾーンに導くためのマス目が設けられている。小当り、2R確変A、2R確変B、及び2R確変Cの当りにおいてサイコロSG0を振って出た目だけプレーヤPLを前進させて止まったマス目に従った演出が実行されるようになっている。マス目の演出内容については、周辺制御MPU4140aが実行する更新する乱数と、2R確変A、2R確変Bの当りの合計回数と、に基づいて選択されるようになっている。なお、演出内容としては、例えば、複数人の相手方キャラクターの中からいずれか1名の相手方キャラクターが選択され、相手方キャラクターに金鉱脈発見のための資金援助を求めるものとなっている。2R確変A、2R確変B、又は2R確変Cの当りのときには、プレーヤが相手方キャラクターに資金援助について承諾を得ることができた場合には金鉱脈調査に必要な採掘道具、又は援助金を獲得することできる一方、プレーヤが相手方キャラクターに資金援助について拒否された場合には採掘道具、及び援助金を獲得することができないようになっている。
ただし、小当りのときには、2R確変A、2R確変Bの当りの合計回数に基づいて選択される演出内容を基本的に流用するものとなっており、場合によってはプレーヤPLのマス目を後退させるようになっている。その流用する演出内容が選択される確率は78%、後退させる演出内容が選択される確率は22%にそれぞれ設定されている。後退させる演出では、1〜6のいずれかのマス目だけ後退させるものとし、メインボタン371を操作してサイコロSG0を振らせて出た目だけプレーヤPLのマス目を後退させる。また、プレーヤが相手方キャラクターに資金援助について承諾を得ることができた場合には金鉱脈調査に必要な採掘道具、又は援助金を獲得することできる一方、プレーヤが相手方キャラクターに資金援助について拒否された場合には採掘道具、及び援助金を獲得することができないようになっている。
ただし、2R確変Cの当りのときには、プレーヤが億万長者の相手方キャラクターから巨額の支援金を獲得することができ、そのままゴールGLに到達して金鉱脈を有する鉱区の調査許可と、この調査に有するツルハシ、スコップ等の採掘道具と、採掘重機と、を獲得する。そして金鉱脈の発見に成功して採掘モードへ移行するようになっている。換言すると、資金調達モードにおいて2R確変C(2Rの突撃確変)の当りとなると、採掘モードへとジャンプする直撃当りとなる。
2R確変A、2R確変B、又は2R確変Cの当りのときにおいてメインボタン371を操作してサイコロSG0を振って出た目がゴールGLからの残りのマス目と一致しているときにプレーヤPLをゴールGLに前進させて、この資金調達モードから金鉱脈発見モードへ移行することができる一方、サイコロSG0を振って出た目がゴールGLからの残りのマス目より多い場合にはプレーヤPLをゴールGLに前進させてからその多いマス目だけゴールGLから後退させるようになっている。
ただし、サイコロを振って出た目がゴールGLからの残りのマス目と一致しているときであっても、プレーヤPLの獲得金額が所定金額に達していなければ、不足金額を獲得することができるチャンス演出が実行されるようになっており、その不足金額を獲得できればゴールとなって、この資金調達モードから金鉱脈発見モードへ移行することができる一方、その不足金額を獲得できなければ、サイコロSG0を振る前のマス目に再び戻るようになっている。なお、チャンス演出が実行されて不足金額を獲得できる場合には、20回1セットとした本実施形態の仕様では、20回目に2R確変A又は2R確変Bの当りとなった場合だけである。
このように、資金調達モードは、サイコロゲーム演出が実行されるようになっており、20回1セットとした本実施形態の仕様では、スタートSTからゴールGLまで、12分の1の発生確率の2R確変A、及び2R確変Bの当りに加えて、さらに12分の1の発生確率の小当りとなるときにおいても、サイコロSG0を振った目だけゴールGLに向かってプレーヤPLのマス目を前進させることができるようになっている。つまり6分の1という発生確率でサイコロSG0を振ってプレーヤPLのマス目をゴールGLに前進させることができるようになっているため、遊技者に対してスタートから20回目の2R確変A又は2R確変Bの当りとならなければ、この資金調達モードから金鉱脈発見モードへ移行することができないという苦痛さ(換言すると、資金調達モードからなかなか抜け出せないという苦痛さ)を抑制することができるようになっている。
具体的には、資金調達モードにおいて、第一始動口2001への遊技球の入賞に伴って第一図柄乱数の抽選を行い、当該抽選の結果が2R確変A又は2R確変Bの大当りとなる場合は、大当り遊技状態の20回1セットとなる上限回数(20回目の大当り遊技状態)に除々に近づいている旨を遊技者に認識させる演出表示を行う。この場合、液晶表示装置1400の表示領域では、第一始動口2001への入賞に基づいて左・中・右の装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始され、その後、図235(A)に示すように、左右の装飾図柄1400a,1400cにおける停止図柄が同一図柄で揃うことでリーチ態様が表示される(図235(A)中には、左右の装飾図柄1400a,1400cが「7」で揃った場合を例示)。次いで、図235(B)に示すように、中央の装飾図柄1400bが左右の装飾図柄1400a,1400cとは異なる図柄で停止表示されてリーチハズレの図柄が表示結果として導出される(図235(B)中には、「7、5、7」のリーチハズレの図柄が表示結果として導出された場合を例示)。その後、図235(C)に示すように、液晶表示装置1400の表示領域全体には、「振って下さい。」の文字1400dが表示されて、遊技者に対してメインボタン371を操作してサイコロを振ることを促す表示が行われる。そして、メインボタン371が操作される又はメインボタン371が操作されずに所定時間が経過すると、図235(D)に示すように、サイコロSG0の出目が表示され(図235(D)中には、サイコロSG0の出目が「1」の場合を例示)、次いで、図235(E)に示すように、当該サイコロSG0の出目だけプレーヤPLを資金獲得ゾーンSGで進ませる演出表示が行われる。
また、資金調達モードにおいて、第一始動口2001への遊技球の入賞に伴って第一図柄乱数の抽選を行い、当該抽選の結果が小当りとなる場合は、大当り遊技状態の20回1セットとなる上限回数(20回目の大当り遊技状態)に近づく又は遠ざかるような意識を遊技者に持たせる演出表示を行う。この場合、液晶表示装置1400の表示領域では、上記した2R確変A又は2R確変Bの大当りとなる場合と同様に、図235(A)〜(E)の演出表示が行われる。但し、小当りは、20回1セットの大当り遊技状態の発生制御には関わらない当り抽選となる。即ち、資金獲得ゾーンSGでプレーヤPLがゴールGLに進むこと、言い換えれば、20回1セットの大当り遊技状態が発生して資金調達モードから金鉱脈発見モードに移行する制御に小当りは関与しないことになる。このため、小当りの抽選に伴って装飾図柄1400a〜1400cをリーチハズレの表示結果で導出し、その後、サイコロSG0の出目だけプレーヤPLを資金獲得ゾーンSGで進ませる演出表示は、遊技者に対して20回1セットとなる上限回数(20回目の大当り遊技状態)に近づいたかのような意識を遊技者に持たせる演出となる。
また、資金獲得ゾーンSGにおけるゴールGL間近の領域で小当り抽選があった場合では、プレーヤPLをゴールGLに進めることができない。従って、このような場合には、サイコロSG0の出目をゴールGLまでの残りのマス目よりも多くして、プレーヤPLをゴールGLに前進させてからその多いマス目だけゴールGLから後退させる演出表示を行う。また、後述する亜空間ゾーンで小当りとなった場合には、サイコロSG0の出目だけプレーヤPLを後退させる演出表示を行うことで、20回1セットとなる上限回数(20回目の大当り遊技状態)から遠ざかるような意識を遊技者に持たせる演出を行う。
なお、資金調達モードにおいて、第一始動口2001への遊技球の入賞に伴って第一図柄乱数の抽選を行い、当該抽選の結果がハズレとなる場合は、第一始動口2001への入賞に基づいて左・中・右の装飾図柄1400a〜1400cの変動表示を開始した後、はずれ図柄を装飾図柄1400a〜1400cの表示結果として導出して、液晶表示装置1400の演出表示を終了する。抽選結果がリーチハズレとなる場合は、図235(A),(B)に示したように、左右の装飾図柄1400a,1400cにおける停止図柄が同一図柄で揃うことでリーチ態様を表示した後、中央の装飾図柄1400bを左右の装飾図柄1400a,1400cとは異なる図柄で停止表示してリーチハズレの図柄を表示結果として導出し、大当り又は小当りのようなサイコロSG0の出目だけプレーヤPLを進める演出表示を行うことなく、液晶表示装置1400の演出表示を終了する。
また、資金調達モードにおいて、第一始動口2001への遊技球の入賞に伴って第一図柄乱数の抽選を行い、当該抽選の結果が2R確変Cの大当りとなる場合は、その時点で資金調達モードから採掘モードに移行する旨を遊技者に認識させる演出表示を行う。この場合、液晶表示装置1400の表示領域では、第一始動口2001への入賞に基づいて左・中・右の装飾図柄1400a〜1400cの変動表示が開始され、その後、図235(F)に示すように、左右の装飾図柄1400a,1400cにおける停止図柄が同一図柄で揃うことでリーチ態様が表示される(図235(F)中には、左右の装飾図柄1400a,1400cが「7」で揃った場合を例示)。次いで、図235(G)に示すように、中央の装飾図柄1400bが左右の装飾図柄1400a,1400cと同一の図柄で停止表示されて大当り図柄が表示結果として導出される(図235(G)中には、「7、7、7」の大当り図柄が表示結果として導出された場合を例示)。その後、図235(H)に示すように、液晶表示装置1400の表示領域には、プレーヤPLがゴールGLに到達した演出表示が行われて、採掘モードの画面演出に切り替えられる。
また、小当りのときには、2R確変A、2R確変Bの当りの合計回数に基づいて選択される演出内容を基本的に流用することによって、遊技者に対して小当り、2R確変A、又は2R確変Bのうち、いずれの当りであるかを判別困難とすることができるようになっている。
さらに、資金調達モード中における液晶表示装置1400の背景画像としては、大当り及び小当りの累積回数に応じて遠近感が10段階で切り替わる鉱山(ゴールGLが設けられた山頂)の画像が所定のタイミングで表示されるようになっている。このような鉱山背景は、サイコロを振る演出、言い換えれば、大当り又は小当りの抽選機会に対して、4回に1回の割合で徐々に山頂に近づく画像に切り替えられて表示される。これにより、鉱山背景の切り替わり表示によっても、徐々に20回1セットとなる上限回数(20回目の大当り遊技状態)に近づくような意識を遊技者に持たせて遊技意欲を低減させないようになっている。
なお、20回1セットの大当りに対して鉱山背景を10段階に設定することにより、2回の大当りで鉱山背景を1段階上がらせる(鉱山に近づける)設定が必要となる。従って、2回の大当り抽選が行われるまでの期間では、抽選確率が同一に設定された小当りも同様に2回あることになるため、大当り抽選と小当り抽選とを合わせた計4回の抽選に対して、鉱山背景を1段階上げてやる必要があり、上記したようにサイコロを振る演出(大当り又は小当りの抽選機会)に対して、4回に1回の割合で徐々に山頂に近づく画像に切り替えて表示する構成を採っている。
また、本実施形態では、大当り確率と小当り確率とをそれぞれ1/12に設定している。このため、大当り及び小当りを合わせた当り確率は1/6となり、当り(大当り又は小当り)時の4回に1回の鉱山背景の表示は、1/24の確率で行われることになる。従って、始動入賞に対して24回(ほぼ千円強のパチンコ球を打ち込んだ際の始動入賞回数)に1回の割合で鉱山背景の表示を行う構成にできる。即ち、鉱山背景の演出機会を比較的頻繁に設けることができるため、このような構成によっても、遊技者の遊技意欲を低減させないようになっている。
また、一般的に、大当りに対する遊技者の喜びは、大入賞口の開放に伴って得られる賞球の獲得によるものが主立っているが、本実施形態の構成によれば、資金調達モード中の大当りは、賞球を獲得することがほぼ不可能である。しかしながら、資金調達モード中の大当りに対して、遊技者は、採掘モードに移行する契機が近づくことでの喜びを得ることができ、一般的な大当りとは趣を異ならせることができる。
次に、亜空間ゾーンについて詳細に説明する。亜空間ゾーンでは、図示しないが、プレーヤが負の財産を背負い込むゾーンであり、メインボタン371を操作してサイコロSG0を複数個振って出た目の合計に所定金額を掛け合わせた合計金額を、プレーヤが獲得金額から奪う演出が実行されるようになっている。
亜空間ゾーンは、資金獲得ゾーンSGにおいてメインボタン371を操作してサイコロSG0を振って止まったマス目が亜空間ゾーンに導かれる演出が実行されたときから出現するようになっており、30マスで構成されたリング形状を有し、小当り、2R確変A、及び2R確変Cの当りにおいてサイコロSG0を振って出た目だけ時計回りに前進し、止まったマス目に従った演出内容が実行されるようになっている。
小当りのときには、止まったマス目の演出内容としてプレーヤPLを後退させるものであって、1〜6のいずれかのマス目だけ後退させる演出が実行され、メインボタン371を操作してサイコロSG0を複数個振って出た目の合計数に所定金額を掛け合わせた合計金額をプレーヤの獲得金額から強制的に奪われる演出が実行されるようになっている。このとき、獲得金額がマイナスとなっても構わず実行されるようになっている。
亜空間ゾーンから脱出するためには、資金獲得ゾーンSGへ戻ることができるマス目に止まらなければならないようになっている。亜空間ゾーンから脱出することができるマス目に止まった場合には、資金獲得ゾーンSGが出現して亜空間ゾーンが消える演出が実行されるようになっている。
なお、20回1セットとした本実施形態の仕様では、20回目に2R確変A又は2R確変Bの当りとなったときには、強制的に亜空間ゾーンを脱出して資金獲得ゾーンSGへ移行してそのままゴールGLに到達して金鉱脈を有する鉱区の調査許可と、この調査に有するツルハシ、スコップ等の採掘道具と、採掘重機と、を獲得して金鉱脈発見モードへ移行するようになっている。ゴールGLに到達するとき、プレーヤの獲得金額が所定金額に達していなければ、不足金額を獲得することができる、上述したチャンス演出が実行されるようになっており、その不足金額を必ず獲得することができるようになっている。
2R確変Cの当りのときには、亜空間ゾーンから強制的に脱出して資金獲得ゾーンSGへ移行してそのままゴールGLに到達して金鉱脈を有する鉱区の調査許可と、この調査に有するツルハシ、スコップ等の採掘道具と、採掘重機と、を獲得して金鉱脈の発見に成功して採掘モードへ移行する。ゴールGLに到達するとき、プレーヤの獲得金額が所定金額に達していなければ、上述したチャンス演出を実行し、その不足金額を必ず獲得することができるようになっている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、通常時において、特定抽選手段によって特定条件を成立させない当り抽選(大当り抽選)が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態(大当り遊技状態)の制御が行われるまでの期間で、高確率状態が継続され且つ第一始動条件(第一始動口2001への入賞)が特定抽選の条件となる第一遊技状態(資金調達モード)に制御される。これに対して、通常時において、特定抽選手段によって特定条件を成立させる当り抽選が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で、高確率状態が継続され且つ第二始動条件(第二始動口2002への入賞)が特定抽選の条件となる第二遊技状態(採掘モード)に制御される。
そして、第二遊技状態での特定抽選の条件となる第二始動条件は、第一始動条件に比べて成立割合が高く設定されているため、第一遊技状態に比べて時間当たりの特定抽選手段による抽選回数を増やすことができる。従って、第二遊技状態では、第一遊技状態に比べて消費する遊技球の数(遊技領域に打ち込まれた後にいずれの入賞装置にも入賞させずに排出される遊技球の数)を減らすことができる上に、比較的早く特定遊技状態を発生させることができ、スムーズに遊技を進行させることができる。然も、第一遊技状態では、遊技者が有利とならない態様で特定遊技状態が制御されるのに対して、第二遊技状態では、遊技者が有利となる態様で特定遊技状態が制御される。これにより、遊技者にとって不利で面白みの少ない遊技状態となる第一遊技状態と、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態と、で遊技状態を主に二分することができ、結果として、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することができる。
また、遊技者にとって不利で面白みの少ない第一遊技状態とは正反対に、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態において、特殊抽選手段による当り抽選(小当り抽選)が行われると、その都度、遊技者が有利となる態様で特殊遊技状態(小当り遊技状態)に制御するようになっている。また、このような特殊遊技状態の制御は、第一遊技状態に移行する契機となる第二遊技状態中での特定遊技状態の制御回数(連続特定遊技状態制御手段によって連続的に繰り返される所定の複数回の特定遊技状態)に影響を与えることなく実行される。このため、第二遊技状態中に制御される特殊遊技状態は、第二遊技状態中に制御される特定遊技状態以外でのボーナス的な遊技価値として遊技者に付与されることになり、第二遊技状態を遊技者にとってより一層有利で爽快な遊技状態とすることができる。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、以上説明した実施形態から把握できる発明として下記のような発明がある。
前面に遊技領域を有する遊技盤と、
操作ハンドルの操作に対応して遊技球を前記遊技領域内に発射する発射装置と、
前記遊技領域を流下する遊技球が常時入賞可能な始動口と、
該始動口とは異なり、特定条件の成立期間において閉鎖状態から開放状態に移行して前記遊技領域を流下する遊技球の入賞が常時可能となり且つ開放状態では前記始動口に比べて遊技球の入賞割合が高く設定された電動始動口と、
前記発射装置から発射された遊技球を前記遊技領域の左上部分に案内し、当該部分から前記遊技領域内へ遊技球を放出させる案内レールと、
前記遊技領域の略中央部分に配置された額縁状のセンター役物と、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な通過ゲートと、
該通過ゲートに遊技球が通過したことに基づいて普通抽選を行う普通抽選手段と、
該普通抽選手段の抽選結果が当りであるとき、前記電動始動口を所定の開閉動作で制御する電動始動口制御手段と、
前記特定条件が成立すると、前記普通抽選手段による抽選において当りとなる確率を通常時よりも高い高確率状態に制御する普通抽選高確率状態制御手段と、
前記始動口及び前記電動始動口とは異なり、閉鎖状態から開放状態に移行して前記遊技領域を流下する遊技球の入賞が可能となる開閉入賞装置と、
前記始動口又は前記電動始動口に遊技球が入賞したことに基づいて特定遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特定抽選手段と、
前記電動始動口に遊技球が入賞したことに基づいて特殊遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特殊抽選手段と、
前記特定抽選手段又は前記特殊抽選手段の抽選結果が当りであるとき、前記開閉入賞装置の開放時間が異なる開閉動作のうち、当該当りの種別に応じた開閉動作で前記開閉入賞装置を制御することで、前記特定遊技状態又は前記特殊遊技状態に制御する開閉動作制御手段と、
前記開閉動作制御手段による前記開閉入賞装置の開放時に遊技球を入賞させたとき、所定数の遊技球を払い出す払出手段と、
前記特定遊技状態後の前記特定抽選手段による抽選において当りとなる確率を通常時よりも高い高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記通常時において前記特定抽選手段により当り抽選がなされることを契機として、前記特定遊技状態後に前記高確率状態に制御することで前記特定遊技状態が連続的に繰り返される態様を所定の複数回に亘って制御可能とする連続特定遊技状態制御手段と、を備え、
前記始動口は、前記遊技領域における前記センター役物の左側を流下する遊技球が入賞可能な位置に配置され、
前記電動始動口及び前記開閉入賞装置は、それぞれ前記遊技領域における前記センター役物の右側を流下する遊技球が入賞可能な位置に配置され、
前記特定抽選手段は、
前記通常時の抽選において前記特定条件を成立させない当り抽選と、
前記通常時の抽選において少なくとも前記連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから前記所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で前記特定条件を成立させる当り抽選と、
を含んだ抽選を行い、
前記開閉動作制御手段は、
前記始動口への遊技球の入賞に基づいて前記特定抽選手段による当り抽選が行われると、前記開閉入賞装置の開放時間を遊技球が入賞困難な時間とした開閉動作で前記開閉入賞装置を制御する第一開閉動作制御手段と、
前記電動始動口への遊技球の入賞に基づいて前記特定抽選手段又は前記特殊抽選手段による当り抽選が行われると、前記開閉入賞装置の開放時間を複数個の遊技球が入賞可能な時間とした開閉動作で前記開閉入賞装置を制御する第二開閉動作制御手段と、を含むことを特徴とする遊技機。
上記した遊技機によれば、通常時において、特定抽選手段によって特定条件を成立させない当り抽選が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で、高確率状態が継続され且つ第一始動条件が特定抽選の条件となる第一遊技状態に制御される。これに対して、通常時において、特定抽選手段によって特定条件を成立させる当り抽選が行われると、連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で、高確率状態が継続され且つ第二始動条件が特定抽選の条件となる第二遊技状態に制御される。
そして、第二遊技状態での特定抽選の条件となる第二始動条件は、第一始動条件に比べて成立割合が高く設定されているため、第一遊技状態に比べて時間当たりの特定抽選手段による抽選回数を増やすことができる。従って、第二遊技状態では、第一遊技状態に比べて消費する遊技球の数(遊技領域に打ち込まれた後にいずれの入賞装置にも入賞させずに排出される遊技球の数)を減らすことができる上に、比較的早く特定遊技状態を発生させることができ、スムーズに遊技を進行させることができる。然も、第一遊技状態では、遊技者が有利とならない態様で特定遊技状態が制御されるのに対して、第二遊技状態では、遊技者が有利となる態様で特定遊技状態が制御される。
具体的に、第一遊技状態においては、始動口への入賞が主な入賞となるため、特定遊技状態では遊技球が入賞困難な開閉動作で開閉入賞装置が制御されることになる。このため、特定遊技状態が発生しても、開閉入賞装置への遊技球の入賞に伴う払出手段による遊技球の払い出しが殆ど行われることがなく、遊技者は、殆ど出球を得ることがなく遊技が進行される。一方、第二遊技状態においては、電動始動口への入賞を主な入賞とすることができるため、特定遊技状態では複数個の遊技球が入賞可能な開閉動作で開閉入賞装置が制御されることになる。このため、特定遊技状態が発生すると、開閉入賞装置への遊技球の入賞に伴う払出手段による遊技球の払い出しが行われることになり、遊技者は、所定の複数回の大当り遊技状態が発生される毎に出球を得て遊技を進行させることができる。これにより、遊技者にとって不利で面白みの少ない遊技状態となる第一遊技状態と、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態と、で遊技状態を主に二分することができ、結果として、斬新な遊技性を有する遊技機を提供することができる。
また、遊技者にとって不利で面白みの少ない第一遊技状態とは正反対に、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態において、特殊抽選手段による当り抽選が行われると、その都度、遊技者が有利となる態様で特殊遊技状態に制御するようになっている。また、このような特殊遊技状態の制御は、第一遊技状態に移行する契機となる第二遊技状態中での特定遊技状態の制御回数(連続特定遊技状態制御手段によって連続的に繰り返される所定の複数回の特定遊技状態)に影響を与えることなく実行される。このため、第二遊技状態中に制御される特殊遊技状態は、第二遊技状態中に制御される特定遊技状態以外でのボーナス的な遊技価値として遊技者に付与されることになり、第二遊技状態を遊技者にとってより一層有利で爽快な遊技状態とすることができる。
また、上記した遊技機によれば、特定条件が成立することで、普通抽選手段による当り抽選の確率を高確率に制御し、これに伴って電動始動口の開放割合を通常時に比べて高める。このため、特定条件の成立期間となる第二遊技状態中では、始動口に比べて遊技球の入賞割合が高く設定された電動始動口を主な入賞先とすることができる。
また、第一遊技状態での遊技球の主な入賞先となる始動口をセンター役物の左側に配置することで、第一遊技状態では、操作ハンドルの操作によって遊技球をセンター役物の左側に打ち込む遊技内容となる。一方、第二遊技状態での遊技球の主な入賞先となる電動始動口をセンター役物の右側に配置することで、第二遊技状態では、操作ハンドルの操作によって遊技球をセンター役物の右側に打ち込む遊技内容となる。このため、遊技者にとって不利で苦痛な遊技状態となる第一遊技状態と、遊技者にとって有利で爽快な遊技状態となる第二遊技状態と、で遊技球の打ち込み方を変えることができるので遊技内容を多様化することができ、結果として、遊技の興趣低減を抑制することができる。
1 パチンコ機
4 遊技盤
370 操作ボタンユニット
371 メインボタン
372R,372L サブボタン
410 操作ハンドル部
600 遊技パネル
600e 開口部
602 外レール
603 内レール
605 遊技領域
650 打球発射装置
800 賞球ユニット
2011 第一始動口センサ
2300 センター役物
2300a 開口窓
2349 第二始動口センサ
1400 液晶表示装置
1401 表示画面
1401a 第一表示領域
1401b 第二表示領域
2001 第一始動口
2002 第二始動口
2201 ゲート
2330 大入賞口ユニット
4100 主制御基板
4140 周辺制御基板
ところで、近年では、遊技の興趣低下を抑制することがますます求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、始動条件の成立後、開始条件の成立に基づいて図柄情報を変動表示して表示結果を導出表示する可変表示装置を備え、予め決められている当選条件が成立した場合に前記可変表示装置に特定表示結果を導出表示した後、遊技者に利益を付与する利益付与状態に制御する遊技機において、複数種類の乱数を更新する乱数更新手段と、前記始動条件が成立したとき、前記乱数更新手段が更新する各々の乱数を取得する乱数取得手段と、前記始動条件が成立したとき、前記乱数取得手段が取得した乱数のうち当落乱数に基づいて前記当選条件が成立するか否かを判定する事前判定手段と、前記始動条件の成立から前記開始条件の成立までの間に、前記事前判定手段の判定結果に基づいて前記当選条件が成立する期待度を示唆する先行演出を実行する先行演出実行手段と、前記乱数取得手段が取得した各々の乱数を、取得した順序を特定可能に所定数まで記憶可能な乱数記憶手段と、前記開始条件が成立したとき、前記乱数記憶手段に記憶される当落乱数のうち当該開始条件が成立した当落乱数に基づいて前記当選条件が成立するか否かを判定する開始時当落判定手段と、該開始時当落判定手段により前記当選条件が成立しないと判定したとき、前記可変表示装置の表示結果として、前記乱数記憶手段に記憶されるリーチ乱数のうち当該開始条件が成立したリーチ乱数に基づいてリーチ態様を形成するか否かを判定する開始時リーチ判定手段と、前記開始時当落判定手段により前記当選条件が成立すると判定した場合には前記可変表示装置の表示結果を前記特定表示結果に決定し、前記開始時当落判定手段により前記当選条件が成立しないと判定し且つ前記開始時リーチ判定手段により前記リーチ態様を形成すると判定した場合には前記可変表示装置の表示結果を前記特定表示結果とは異なる非特定表示結果のうち前記リーチ態様を伴った非特定表示結果に決定し、前記開始時当落判定手段により前記当選条件が成立しないと判定し且つ前記開始時リーチ判定手段により前記リーチ態様を形成しないと判定した場合には前記可変表示装置の表示結果を前記非特定表示結果のうち前記リーチ態様を伴わない非特定表示結果に決定する図柄決定手段と、前記可変表示装置に前記図柄情報を変動表示し、前記図柄決定手段により決定された表示結果を導出表示する表示制御手段と、前記開始時当落判定手段により前記当選条件が成立すると判定した後に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に制御する特別条件が成立する図柄種別を含めた複数の図柄種別のいずれであるかを判定する特別条件判定手段と、前記特別条件判定手段により前記特別条件が成立する図柄種別であると判定した場合には前記利益付与状態の終了後に前記特別遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、を備え、前記事前判定手段は、前記始動条件の成立時に前記当選条件が成立しないと判定したとき、前記乱数取得手段が取得した乱数のうち前記リーチ乱数に基づいて前記リーチ態様を形成するか否かを判定する事前リーチ判定手段と、前記特別遊技状態の制御時には前記事前リーチ判定手段により前記リーチ態様を形成すると判定するリーチ乱数を第一のリーチ判定群に分類し、前記通常遊技状態の制御時には前記事前リーチ判定手段により前記リーチ態様を形成すると判定するリーチ乱数を前記第一のリーチ判定群又は該第一のリーチ判定群とは異なる第二のリーチ判定群に分類する事前リーチ判定群分類手段と、を備え、前記第二のリーチ判定群に分類されるリーチ乱数の数は、前記第一のリーチ判定群に分類されるリーチ乱数の数よりも多くなるようにされており、前記先行演出実行手段は、前記事前判定手段により前記始動条件の成立時に前記当選条件が成立すると判定された場合、前記乱数取得手段により取得された乱数のうち図柄乱数を基に前記特別条件判定手段により判定された図柄種別に基づいて前記先行演出を実行する一方で、前記事前判定手段により前記始動条件の成立時に前記当選条件が成立しないと判定された場合、前記乱数取得手段により取得される乱数のうち図柄乱数を基に前記特別条件判定手段により判定される図柄種別についての判定を行わず、前記事前リーチ判定群分類手段により分類された前記第一のリーチ判定群または前記第二のリーチ判定群のいずれかに基づいて前記先行演出を実行するとともに、該先行演出を実行するときに特定の演出態様が現れる割合を、前記乱数記憶手段により所定数まで記憶可能とされる前記乱数の記憶数が相対的に少ない場合と相対的に多い場合とで異なるように制御するものであり、さらに、前記開始時リーチ判定手段によりリーチ態様を形成するか否かが前記開始条件が成立したリーチ乱数に基づいて判定されるときに用いられる値と、前記事前リーチ判定手段によりリーチ態様を形成するか否かが前記乱数取得手段が取得した乱数のうち前記リーチ乱数に基づいて判定されるときに用いられる値とで同じ値が用いられうることを特徴とする。
本発明の遊技機においては、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することができる。

Claims (1)

  1. 前面に遊技領域を有する遊技盤と、
    操作ハンドルの操作に対応して遊技球を前記遊技領域内に発射する発射装置と、
    前記遊技領域内を流下する遊技球に基づいて成立可能な第一始動条件、又は特定条件の成立期間において前記遊技領域内を流下する遊技球に基づいて成立が可能となり且つ前記第一始動条件に比べて成立割合が高く設定された第二始動条件の成立に基づいて特定遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特定抽選手段と、
    該特定抽選手段による当り抽選に基づいて前記特定遊技状態に制御する特定遊技制御手段と、
    前記第二始動条件の成立に基づいて特殊遊技状態に制御するか否かの抽選を行う特殊抽選手段と、
    該特殊抽選手段による当り抽選に基づいて前記特殊遊技状態に制御する特殊遊技制御手段と、
    前記特定抽選手段により当り抽選がなされることを契機として、前記特定遊技状態が連続的に繰り返される態様を所定の複数回に亘って制御可能とする連続特定遊技状態制御手段と、を備え、
    前記特定抽選手段は、
    前記特定条件を成立させない当り抽選と、
    少なくとも前記連続特定遊技状態制御手段の制御が開始されてから前記所定の複数回の特定遊技状態の制御が行われるまでの期間で前記特定条件を成立させる当り抽選と、
    を含んだ抽選を行い、
    前記特定遊技制御手段は、
    前記特定条件が成立しておらず且つ前記連続特定遊技状態制御手段の制御が行われている期間である第一遊技状態中では、遊技者が有利とならない態様で前記特定遊技状態を制御する一方、
    前記特定条件が成立しており且つ前記連続特定遊技状態制御手段の制御が行われている期間である第二遊技状態中では、遊技者が有利となる態様で前記特定遊技状態を制御し、
    前記特殊遊技制御手段は、
    遊技者が有利となる態様で前記特殊遊技状態を前記第二遊技状態中に制御することを特徴とする遊技機。
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