JP2015042036A - 間接活線工事用張線装置 - Google Patents

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裕之 森山
Hiroyuki Moriyama
裕之 森山
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Abstract

【課題】ドラムの回転方向を切り替え可能な間接活線工事用張線装置を提供する。
【解決手段】張線装置10は、張線器1と掴線器8で構成している。張線器1は、張線器本体11、筒形ホルダ12、及び移動軸13を備える。張線器1は、ラチェット歯車14と接続金具15を備える。張線器本体11は、ドラム11dを配置している。ドラム11dは、ベルト11bを巻き取る方向に回転でき、ベルト11bを弛める方向に回転でき、掴線器8に把持された架空配電線Wの張力を調整できる。絶縁操作棒7を押し上げると、ラチェット歯車14を第1揺動レバー16に係合でき、把持部73を軸回りに一方の方向に回転することで、ドラム11dにベルト11bを巻き取ることができる。絶縁操作棒7を引き下げると、ラチェット歯車14が第2係合爪17nに係合して、ドラム11dがベルト11bを弛める方向のみに回転できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、間接活線工事用張線装置に関する。特に、絶縁操作棒などの間接活線工具の先端部に設けた張線装置であって、一端部側を電柱などに繋留し、掴線器に把持された架空配電線を他端部側から引っ張り、架空配電線の張力を調整する間接活線工事用張線装置の構造に関する。
電柱間に架空配電線を張設するときには、例えば、ベルト式の張線器を用いている。この場合、張線器の一端部側に設けた尻手ワイヤを電柱に繋留すると共に、ラチェットハンドルを回転操作して、ベルトを巻き取ることで、掴線器に把持された架空配電線を他端部側から引っ張り、架空電線の張力を調整している。
上述したような張線器としては、架空配電線の引張り代が大きい場合でも、2台の張線器を使用することなく、1台の張線器のみで、安全に架空配電線を引っ張ることができる張線器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1による張線器は、絶縁手袋などを使用して配電工事する、直接活線工法に適用されている。しかし、掴線器に把持された架空配電線を牽引する金属ワイヤが充電部に接触する心配があることから、絶縁操作棒を使用して配電工事する、間接活線工法に適用される間接活線工事用張線装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−103513号公報 特開2013−62960号公報
図7は、特許文献2による間接活線工事用張線装置の正面図である。本願の図7は、特許文献2の図7に相当している。又、図8は、特許文献2による間接活線工事用張線装置に備わる掴線器の拡大図であり、図8(A)は、掴線器の正面図、図8(B)は、掴線器の左側面図である。図9は、図8(A)の要部縦断面図である。
図7を参照すると、従来技術による間接活線工事用張線装置(以下、張線装置と略称する)100は、掴線器8と張線器9で構成している。図7から図9を参照すると、掴線器8は、クランプ本体81と可動クランプ82を備えている。又、掴線器8は、ベルクランク83と操作レバー84を備えている。
図8又は図9を参照すると、クランプ本体81は、電線Wをその外周方向から掴持する固定把持部81aを一方の端部から片持ち状に突出している。可動クランプ82は、固定把持部81aと対向して配置されている。可動クランプ82は、固定把持部81aに向かって移動でき、固定把持部81aと共働して、電線Wをその外周方向から掴持できる。
図8又は図9を参照すると、ベルクランク83は、その一端部が連結ピン83pを介して、クランプ本体81と回動自在に連結している。又、ベルクランク83は、その他端部が連結ピン84pを介して、操作レバー84の基端部と回動自在に連結している。更に、ベルクランク83は、その屈折部が連結ピン82pを介して、可動クランプ82と回動自在に連結している。
図8又は図9を参照すると、クランプ本体81は、操作レバー84に向かって延出した連結アーム81bを有している。連結アーム81bは、その先端部側が操作レバー84をスライド可能に連結している。操作レバー84の先端部84aを「A」の方向に移動すると(図8(A)参照)、操作レバー84が連結アーム81bに案内されると共に、連結ピン83pを回動中心として、ベルクランク83を一方の方向に回動できる。これにより、可動クランプ82を固定把持部81aに向かって移動でき、固定把持部81aと共働して、電線Wをその外周方向から掴持できる。
図8(A)を参照すると、実施形態による掴線器8は、第1ねじりコイルばね82sと第2ねじりコイルばね83sを更に備えている。第1ねじりコイルばね82sは、可動クランプ82に取り付けられ、可動クランプ82の掴持面が固定把持部81aの掴持面と略平行になる力を付勢している。第2ねじりコイルばね83sは、連結ピン83pに取り付けられ、可動クランプ82が固定把持部81aに向かう力を付勢している。
図7を参照すると、張線器9は、張線器本体91と掴線器取付部92で構成している。張線器本体91と掴線器取付部92には、絶縁性を有するベルト91bが掛け渡されている。ベルト91bの一端部は、張線器本体91に固定されている。ベルト91bは、掴線器取付部92に設けたプーリ92pに巻き掛けされ、張線器本体91の内部に配置したドラム(図示せず)に、ベルト91bの他端部が繋留されている。
図7を参照すると、図示しないドラムの中心軸は、六角柱状の頭部91hを張線器本体91の外部に突出している。ラチェットレンチ93を嵌合し、ドラムを一方の方向に回転すると、ベルト91bをドラムに巻き取ることで、掴線器取付部92を張線器本体91に近づけることができる。一方、ドラムを一方の方向に回転すると、ベルト91bをドラムから引き出すことで、掴線器取付部92を張線器本体91から離すことができる。
図7を参照すると、図示しないドラムと頭部91hの間には、ラチェットギア91gが取り付けられている。ラチェットギア91gの近傍には、切り換えレバー91rを配置している。切り換えレバー91rは、ラチェットギア91gの歯に係合する一組の爪と有している。切り換えレバー91rの一方の爪がラチェットギア91gに係合しているときは、ドラムが一方の方向のみに回転することを許容し、切り換えレバー91rの他方の爪がラチェットギア91gに係合しているときは、ドラムが他方の方向のみに回転することを許容している。
図7を参照すると、張線器9は、その一端部側に絶縁部91iを形成している。絶縁部91iには、フック部材9fを取り付けている。フック部材9fは、電柱Pを巻回した尻手ワイヤ9wに繋留できる。一方、掴線器取付部92の先端部は、操作レバー84の先端部84aとジョイントボルト92bで連結している。
図7を参照して、図示しないドラムでベルト91bを巻き取ることで、掴線器8に掴持された電線Wを電柱P側に張設できる。一方、図示しないドラムでベルト91bを引き出すことで、掴線器8に掴持された電線Wの張力を弛めることができる。
図7を参照すると、張線器本体91は、用途の異なる先端工具を共用可能な絶縁操作棒7(図6参照)と連結可能な第1接続金具911を絶縁部91iに固定している。絶縁操作棒7の先端部に第1接続金具911を連結することで、張線器本体91を上方に持ち上げることができる。
図7を参照すると、ラチェットレンチ93は、絶縁操作棒7(図6参照)と連結可能な第2接続金具912を基端部に固定している。絶縁操作棒7の先端部に第2接続金具912を連結することで、頭部91hを回転できる。
図7を参照すると、切り換えレバー91rは、一対の把持部r1・r2を有している。図示しない一対の開閉腕を先端部に有する絶縁操作棒(いわゆる、絶縁ヤットコ)を操作することで、これらの把持部r1・r2のいずれか一方を把持できる。把持部r2を図示しない絶縁ヤットコで把持して、切り換えレバー91rを回動することで、ドラムがベルト91bを巻き取る方向のみに回転することを許容し、把持部r1を図示しない絶縁ヤットコで把持して、切り換えレバー91rを回動することで、ドラムがベルト91bを弛める方向のみに回転することを許容できる。
図7を参照すると、実施形態による掴線器8は、一組のアダプタ部材6a・6bを備えている。アダプタ部材6aは、その先端部を連結アーム81bの先端部に固定している。アダプタ部材6bは、その先端部を操作レバー84の先端部側に固定している。
図7を参照すると、一組のアダプタ部材6a・6bは、それらの基端部を絶縁操作棒の先端部に設けた一対の開閉腕(図示せず)に連結できる。図7に示した状態から、図示しない一対の開閉腕を閉じると、ベルクランク83を他方の方向に回動でき、可動クランプ82を固定把持部81aから離隔できる。一方、図示しない一対の開閉腕を開くと、ベルクランク83を一方の方向に回動でき、可動クランプ82を固定把持部81aに向かって移動できる。そして、固定把持部81aと共働して、電線Wをその外周方向から掴持できる。
図7に示した張線装置100は、間接活線工事用の絶縁操作棒を用いて操作されるが、ラチェットレンチ93を操作するための絶縁操作棒(いわゆる、共用操作棒)と、切り換えレバー91rを操作するために、一対の開閉腕を先端部に有する絶縁操作棒(いわゆる、絶縁ヤットコ)を必要としている、という問題がある。
絶縁操作棒を多用することなく、一本の絶縁操作棒でドラムがベルトを巻き取る方向、又はドラムがベルトを弛める方向のいずれか一方の方向に切り替え可能な間接活線工事用張線装置が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、絶縁操作棒を用いて操作される間接活線工事用張線装置であって、本の絶縁操作棒でドラムがベルトを巻き取る方向、又はドラムがベルトを弛める方向のいずれか一方の方向に切り替え可能な間接活線工事用張線装置を提供することを目的とする。
本発明者は、張線器本体の一方の面から突出し、ドラムの軸方向に結合すると共に、ドラムと一体に回転可能な筒形ホルダと、軸部が筒形ホルダの内部に回転自在に保持されると共に、筒形ホルダの軸方向に進退自在に連結した移動軸と、移動軸と一体となって軸方向に移動又は回転するラチェット歯車と、移動軸の基端部に固定し、共用操作棒の先端部と連結可能な円筒状の接続金具と、で張線装置を構成し、絶縁操作棒を接続金具に連結した状態で、移動軸を押し上げると、ラチェット歯車が第1係合爪に係合して、ドラムが線状部材を巻き取る方向のみに回転でき、絶縁操作棒を接続金具に連結した状態で、移動軸を引き下げると、ラチェット歯車が第2係合爪に係合して、ドラムが線状部材を弛める方向のみに回転できることを見出し、これに基づいて、以下のような新たな間接活線工事用張線装置を発明するに至った。
(1)本発明による間接活線工事用張線装置は、一端部側を電柱に繋留した張線器、及び架空配電線を把持する掴線器を備え、前記掴線器を前記張線器の他端部側から引っ張り、前記架空配電線の張力を調整する間接活線工事用張線装置であって、線状部材の一端部を前記掴線器に繋留し、この線状部材の他端部側を巻き取る方向に回転、又は、前記線状部材が弛む方向に回転可能なドラムを他端部側に配置した張線器本体と、前記張線器本体の一方の面から突出し、前記ドラムの軸方向に結合すると共に、当該ドラムと一体に回転可能な筒形ホルダと、軸部が前記筒形ホルダの内部に回転自在に保持されると共に、当該筒形ホルダの軸方向に進退自在に連結した移動軸と、複数のラチェット歯を外周に形成し、前記移動軸の軸部に中心部が回転困難に嵌合すると共に、前記移動軸と一体となって軸方向に移動できるラチェット歯車と、前記移動軸の基端部に固定し、用途の異なる先端工具を共用可能な絶縁操作棒の先端部と連結可能な円筒状の接続金具と、を備え、前記筒形ホルダは、前記絶縁操作棒の先端部を前記接続金具に連結した状態で、前記ドラムが前記線状部材を巻き取る方向のみに回転するように、前記張線器本体に向かって移動した前記ラチェット歯車のラチェット歯に係合する第1係合爪と、前記絶縁操作棒の先端部を前記接続金具に連結した状態で、前記ドラムが前記線状部材を弛める方向のみに回転するように、前記張線器本体から離反する方向に移動した前記ラチェット歯車のラチェット歯に係合する第2係合爪と、を有する。
(2)本発明による間接活線工事用張線装置は、前記ラチェット歯車の一方の面に固定した第1リング磁石と、前記第1リング磁石と対向するように配置され、前記筒形ホルダの内壁に外周が固定された第2リング磁石と、を更に備え、前記第1リング磁石と前記第2リング磁石とが互いに吸着することで、前記張線器本体に向かって移動した前記ラチェット歯車の移動状態を保持することが好ましい。
(3)前記第2リング磁石に対して前記第1リング磁石が離脱する強い力で前記接続金具を引っ張ると、前記ラチェット歯車が筒形ホルダの内壁底面に至ることが好ましい。
(4)前記移動軸の軸部は、正四角柱状に形成された回り止用の嵌合部を中間部に有し、前記ラチェット歯車は、前記嵌合部に嵌合する正四角状の嵌合開口を中心部に有してもよい。
本発明による間接活線工事用張線装置は、絶縁操作棒を接続金具に連結した状態で、移動軸を押し上げると、ラチェット歯車が第1係合爪に係合して、ドラムが線状部材を巻き取る方向のみに回転でき、絶縁操作棒を接続金具に連結した状態で、移動軸を引き下げると、ラチェット歯車が第2係合爪に係合して、ドラムが線状部材を弛める方向のみに回転でき、一本の絶縁操作棒の操作でドラムの動作を切り替えることができると共に、絶縁操作棒を軸回りに回転操作することで、ドラムを回転できる。
本発明の一実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す正面図である。 前記実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す縦正面図である。 前記実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す斜視分解組立図である。 前記実施形態による間接活線工事用張線装置の備わるラチェット歯車の横断面図であり、ラチェット歯車が第1係合爪に係合した状態図である。 前記実施形態による間接活線工事用張線装置の備わるラチェット歯車の横断面図であり、ラチェット歯車が第2係合爪に係合した状態図である。 前記実施形態による間接活線工事用張線装置に備わる接続金具を先端部に連結する絶縁操作棒の構成を示す正面図である。 従来技術による間接活線工事用張線装置の正面図である。 従来技術による間接活線工事用張線装置に備わる掴線器の拡大図であり、図8(A)は、掴線器の正面図、図8(B)は、掴線器の左側面図である。 図8(A)の要部縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
[間接活線工事用張線装置の構成]
最初に、本発明の一実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す正面図である。図2は、前記実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す縦正面図である。図3は、前記実施形態による間接活線工事用張線装置の構成を示す斜視分解組立図である。
図4は、前記実施形態による間接活線工事用張線装置の備わるラチェット歯車の横断面図であり、ラチェット歯車が第1係合爪に係合した状態図である。図5は、前記実施形態による間接活線工事用張線装置の備わるラチェット歯車の横断面図であり、ラチェット歯車が第2係合爪に係合した状態図である。
図6は、前記実施形態による間接活線工事用張線装置に備わる接続金具を先端部に連結する絶縁操作棒の構成を示す正面図である。なお、従来技術で使用した符号と同じ符号を有する構成品はその作用を同じにするので、以下、説明を省略することがある。
(全体構成)
図1から図3を参照すると、本発明の一実施形態による間接活線工事用張線装置(以下、張線装置と略称する)10は、張線器1と掴線器8で構成している。図1を参照すると、張線器1は、その一端部側にスナップフック1fを備えている。スナップフック1fは、電柱Pを巻回した尻手ワイヤ9wをゲート部材10gから導入して、スナップフック1fを電柱Pに繋留できる(図7参照)。
図1を参照すると、掴線器8は、架空配電線Wを把持できる。張線装置10は、掴線器8を張線器1の他端部側から引っ張り、架空配電線Wの張力を調整できる。図1から図3を参照すると、張線器1は、張線器本体11、筒形ホルダ12、及び移動軸13を備えている。又、張線器1は、ラチェット歯車14と円筒状の接続金具15を備えている。
図1から図3を参照すると、張線器本体11は、ドラム11dを他端部側に配置している。ドラム11dは、線状部材となるベルト11bの一端部を掴線器8に繋留し、ベルト11bの他端部側を巻き取る方向に回転できる。又、ドラム11dは、ベルト11bが弛む方向にも回転できる。
図1から図3を参照すると、筒形ホルダ12は、張線器本体11の一方の面から突出するように配置されている。筒形ホルダ12は、ドラム11dの軸方向に結合している。そして、筒形ホルダ12は、ドラム11dと一体に回転できる。移動軸13は、その軸部13sが筒形ホルダ12の内部に回転自在に保持されている。又、移動軸13は、筒形ホルダの軸方向に進退自在に連結している。
図2又は図3を参照すると、ラチェット歯車14は、複数のラチェット歯14tを外周に形成している。ラチェット歯車14は、その中心部が移動軸13の軸部13sと回転困難に嵌合している。又、ラチェット歯車14は、移動軸13と一体となって軸方向に移動できる。
図1から図3を参照すると、接続金具15は、移動軸13の基端部に固定している。接続金具15は、用途の異なる先端工具を共用可能な絶縁操作棒7の先端部と連結できる(図6参照)。
図1から図3を参照すると、筒形ホルダ12は、第1揺動レバー16と第2揺動レバー17を備えている。第1揺動レバー16は、筒形ホルダ12の上部側に配置されている。一方、第2揺動レバー17は、筒形ホルダ12の下部側に配置されている。
図4を参照すると、第1揺動レバー16は、その一端部に第1係合爪16nを形成している。第1係合爪16nは、ラチェット歯車14のラチェット歯14tに係合している。図3を参照して、絶縁操作棒7の先端部を接続金具15に連結した状態で、絶縁操作棒7をその軸回りに、一方の方向R(図4参照)に回転すると、ドラム11dがベルト11bを巻き取る方向のみに回転し、ドラム11dがベルト11bを弛める方向に回転することが規制される(図1又は図2参照)。
図5を参照すると、第2揺動レバー17は、その一端部に第2係合爪17nを形成している。第2係合爪17nは、ラチェット歯車14のラチェット歯14tに係合している。図3を参照して、絶縁操作棒7の先端部を接続金具15に連結した状態で、絶縁操作棒7をその軸回りに、他方の方向L(図5参照)に回転すると、ドラム11dがベルト11bを弛める方向のみに回転し、ドラム11dがベルト11bを巻き取る方向に回転することが規制される(図1又は図2参照)。
(張線器本体の構成)
図1から図3を参照すると、張線器本体11は、対向配置された一対の板状部材111・112で構成している。一対の板状部材111・112の一端部側には、一対の板状部材111・112の間に、第1ジョイント金具11jが配置されている。第1ジョイント金具11jの一端部側にボルト11vが挿通される状態で、一方の板状部材111と他方の板状部材112がボルト11vで連結されている。なお、第1ジョイント金具11jは、スナップフック1fの基端部と回動自在に連結している(図1参照)。
図1から図3を参照すると、ドラム11dは、雄ねじ部11sを一端部に形成し、鍔部11fを他端部に形成している。ドラム11dは、雄ねじ部11sが他方の板状部材112の中心開口11hから挿通され、雄ねじ部11sが一方の板状部材111の中心開口11hから突出している。ワッシャを介して、雄ねじ部11sに一組のナット11n・11nを締結することで(いわゆる、ダブルナット)、一組のナット11n・11nと鍔部11fで張線器本体11を挟持できる。そして、張線器本体11に対して、ドラム11dの軸方向の移動が規制されている。
図1を参照すると、ベルト11bの一端部は、圧着などの結線手段を用いて、第2ジョイント金具21jの先端部に固定されている。第2ジョイント金具21jは、その基端部に連結ピン21pが圧入され、操作レバー84の先端部84aと回動自在に連結している。ドラム11dでベルト11bを巻き取ることで、掴線器8に掴持された電線Wを電柱P側に張設できる。一方、ドラム11dからベルト11bを引き出すことで、掴線器8に掴持された電線Wの張力を弛めることができる。
(筒形ホルダの構成)
図1から図3を参照すると、筒形ホルダ12は、アルミニウム合金などで成形され、内部に空洞を有し、基端部側に鍔部12fを形成している。鍔部12fは、複数の皿ねじ(図示せず)を用いて、鍔部11fに固定されている。これにより、筒形ホルダ12は、ドラム11dと一体に回転できる。又、筒形ホルダ12は、円形開口12hを底部に開口している(図2参照)。円形開口12hは、移動軸13の軸部13sと回転自在及びスライド自在に嵌合している。
図1から図3を参照すると、筒形ホルダ12は、その外周から遠心方向に突出する一組の支持片121・122を上部側に形成している。支持片121は、軸ピン16pを介して、第1揺動レバー16を揺動自在に支持している。支持片122は、支持片121と対向配置されている。支持片122には、軸ピン16pが圧入されると共に、ボール3b及び圧縮コイルばね3cを保持している。又、図3を参照すると、筒形ホルダ12は、一組の支持片121・122の間に連通する窓12wを外周に開口している。窓12wには、第1揺動レバー16の一部を収容できる(図4参照)。
又、図1から図3を参照すると、筒形ホルダ12は、その外周から遠心方向に突出する一組の支持片123・124を下部側に形成している。支持片123は、軸ピン17pを介して、第2揺動レバー17を揺動自在に支持している。支持片124は、支持片123と対向配置されている。支持片124には、軸ピン17pが圧入されると共に、ボール3b及び圧縮コイルばね3cを保持している。又、図3を参照すると、筒形ホルダ12は、一組の支持片123・124の間に連通する窓12wを外周に開口している。窓12wには、第2揺動レバー17の一部を収容できる(図5参照)。
(移動軸の構成)
図1から図3を参照すると、移動軸13の軸部13sは、基端部側に形成された太軸部131と先端部側に形成された細軸部132で一体に構成されている。太軸部131は、筒形ホルダ12の底部に回転自在及びスライド自在に支持されている。細軸部132は、ドラム11dの内部に回転自在及びスライド自在に支持されている。つまり、軸部13sは、両端支持されている。
図1から図3を参照すると、軸部13sは、正四角柱状に形成された回り止用の嵌合部13fを中間部に形成している。一方、ラチェット歯車14は、嵌合部13fに嵌合する正四角状の嵌合開口14fを中心部に開口している。ラチェット歯車14を嵌合部13fに圧入して固定することで、ラチェット歯車14を移動軸13と一体に軸方向に移動でき、ラチェット歯車14を移動軸13と一体に回転できる。
図2又図3を参照すると、張線器1は、第1リング磁石31と第2リング磁石32を更に備えている。第1リング磁石31は、接着などの手段を用いて、ラチェット歯車の上面に固定している。一方、第2リング磁石32は、第1リング磁石31と対向するように配置されている。第2リング磁石32は、接着などの手段を用いて、筒形ホルダ12の内壁に外周が固定されている。
図2を参照して、張線器本体11に向かってラチェット歯車14を移動すると、第1リング磁石31と第2リング磁石32とが互いに吸着することで、張線器本体11に向かって移動したラチェット歯車14の移動状態を保持できる。一方、第2リング磁石32に対して第1リング磁石31が離脱する強い力で接続金具15を引っ張ると、ラチェット歯車14を筒形ホルダ12の内壁底面に至らせることができる。
(絶縁操作棒の構成)
図6を参照すると、絶縁操作棒7は、工具部71、柄部72、及び把持部73を備えている。工具部71は、筒形ホルダ12から突出した接続金具15(図3参照)に着脱可能となっている。把持部73は、作業員が把持し易いように滑り止めが施されている。柄部72は、工具部71と把持部73とを連結し、長尺の管体からなっている。
図6を参照すると、柄部72の中間部には、円錐体状の水切り鍔7aを取り付けている。水切り鍔7aは、工具部71から進出する雨水を堰き止めることができる。又、柄部72と把持部73との接続部には、円錐体状の限界鍔7bを取り付けている。限界鍔7bの取付け位置は、絶縁性を考慮して安全に作業できる限界を示している。
図3又は図6を参照すると、工具部71は、軸部71a、一対のピン71b・71b、及び突起71cを有している。軸部71aは、柄部72の軸方向に突出している。一対のピン71b・71bは、相反する向きに軸部71aの外周から突出している。突起71cは、軸部71aの先端面から突出するように、工具部71に内蔵された圧縮コイルばねによって、力を付勢されている。
(接続金具の構成)
図1から図3を参照すると、接続金具15は、底面が開口された円筒状に形成している。接続金具15には、工具部71の軸部71aが嵌合する軸穴15hを底面に向けて開口している。又、接続金具15には、一対のピン71b・71bを回動することにより係合するT字状の溝20tを有している。
図3を参照して、工具部71の軸部71aを接続金具15の軸穴15hに挿入して、所定角度、回動すると、突起71cに付勢されて、一対のピン71b・71bをT字状の溝15tに嵌合できる。そして、絶縁操作棒7を操作して、移動軸13を軸方向に移動でき、移動軸13を軸回りに回転できる。図6に示した絶縁操作棒7は、共用操作棒と呼ばれ、用途の異なる先端工具を接続できる。又、図3に示したロック構造は、ツイストロックと呼ばれている。
(ラチェット装置の構成)
図1から図3及び図4を参照すると、張線器1は、ラチェット歯車14と板カム状の第1揺動レバー16で第1ラチェット装置R1を構成している。ラチェット歯車14は、ラジアル方向(円周方向)には回転が可能であるが、スラスト方向(軸方向)には容易に移動しないように、筒形ホルダ12の上部に保持されている。ラチェット歯車14は、連続する複数の台形状のラチェット歯14tを外周上に形成している。第1揺動レバー16は、ラチェット歯14tに係合する戻り止用の第1係合爪16nを一方の端部に形成している。
図4を参照すると、第1揺動レバー16は、軸ピン16pによって揺動可能に支持されている。軸ピン16pは、ラチェット歯車14の外周円の接線方向に配置されている。そして、ラチェット歯車14をL方向(時計方向)に回転しようとすると、第1係合爪16nがラチェット歯14tに係止して、ラチェット歯車14のL方向の回転が阻止される。つまり、ドラム11dがベルト11bを弛める方向に回転することが阻止される(図1又は図2参照)。
一方、図4を参照すると、ラチェット歯車14をR方向(反時計方向)に回転すると、第1係合爪16nがラチェット歯14tから逃げるように回動するので、ラチェット歯車14がR方向に回転することを許容できる。つまり、ドラム11dがベルト11bを巻き取る方向のみに回転できる。
図3を参照すると、第1揺動レバー16は、V状に穿設された溝部16vを端部に形成している。一方、支持片122は、溝部16vに当接するボール3bと、ボール3bを溝部16vに向けて力を付勢する圧縮コイルばね3cを備えている。
図2を参照すると、ボール3b及び圧縮コイルばね3cは、第1揺動レバー16の揺動運動(間欠運動)を担保している。図4を参照すると、ラチェット歯車14をR方向に回転すると、第1係合爪16nが一つのラチェット歯14tを乗り越えるが、ボール3bに付勢され、第1係合爪16nが次のラチェット歯14tに移動できる。
図1から図3及び図55を参照すると、張線器1は、ラチェット歯車14と板カム状の第2揺動レバー17で第2ラチェット装置R2を構成している。ラチェット歯車14は、ラジアル方向(円周方向)には回転が可能であるが、スラスト方向(軸方向)には容易に移動しないように、筒形ホルダ12の下部に保持されている。ラチェット歯車14は、連続する複数の台形状のラチェット歯14tを外周上に形成している。第2揺動レバー17は、ラチェット歯14tに係合する戻り止用の第2係合爪17nを一方の端部に形成している。
図5を参照すると、第2揺動レバー17は、軸ピン17pによって揺動可能に支持されている。軸ピン17pは、ラチェット歯車14の外周円の接線方向に配置されている。そして、ラチェット歯車14をR方向(反時計方向)に回転しようとすると、第2係合爪17nがラチェット歯14tに係止して、ラチェット歯車14のR方向の回転が阻止される。つまり、ドラム11dがベルト11bを巻き取る方向に回転することが阻止される(図1又は図2参照)。
一方、図5を参照すると、ラチェット歯車14をL方向(反時計方向)に回転すると、第2係合爪17nがラチェット歯14tから逃げるように回動するので、ラチェット歯車14がL方向に回転することを許容できる。つまり、ドラム11dがベルト11bを弛める方向のみに回転できる。
図3を参照すると、第2揺動レバー17は、V状に穿設された溝部17vを端部に形成している。一方、支持片124は、溝部17vに当接するボール3bと、ボール3bを溝部17vに向けて力を付勢する圧縮コイルばね3cを備えている。
図2を参照すると、ボール3b及び圧縮コイルばね3cは、第2揺動レバー17の揺動運動(間欠運動)を担保している。図5を参照すると、ラチェット歯車14をL方向に回転すると、第2係合爪17nが一つのラチェット歯14tを乗り越えるが、ボール3bに付勢され、第2係合爪17nを次のラチェット歯14tに移動できる。
[間接活線工事用張線装置の作用]
次に、実施形態による張線装置10の操作方法を説明しながら、張線装置10の作用及び効果を説明する。
図1から図3を参照して、予め、絶縁操作棒7の先端部に接続金具15を連結しておく。次に、絶縁操作棒7を操作して張線器1を持ち上げ、スナップフック1fを尻手ワイヤ9wに繋留する。又、第2ジョイント金具21jを操作レバー84の先端部84aに連結する。次に、絶縁操作棒7を押し上げ、ラチェット歯車14を第1揺動レバー16に係合させる。次に、図6を参照して、把持部73を軸回りに一方の方向に回転することで、ドラム11dにベルト11bを巻き取ることができる(図1又は図3参照)。
一方、図1から図3を参照して、絶縁操作棒7を引き下げると、ラチェット歯車14を第2揺動レバー17に係合できる。次に、図6を参照して、把持部73を軸回りに他方の方向に回転することで、ドラム11dに巻回されたベルト11bを弛めることができる(図1又は図3参照)。
実施形態による張線装置10は、絶縁操作棒7を接続金具15に連結した状態で、移動軸13を押し上げると、ラチェット歯車14が第1係合爪16nに係合して、ドラム11dがベルト11bを巻き取る方向のみに回転でき、絶縁操作棒7を接続金具15に連結した状態で、移動軸13を引き下げると、ラチェット歯車14が第2係合爪17nに係合して、ドラム11dがベルト11bを弛める方向のみに回転でき、一本の絶縁操作棒7の操作でドラム11dの動作を切り替えることができると共に、絶縁操作棒7を軸回りに回転操作することで、ドラム11dを回転できる。
本発明による間接活線工事用張線装置は、次のような効果が奏される。
(1)安全な作業位置から間接活線工法により作業できる。
(2)熟練が必要な従来技術による間接活線工事用張線装置を使用する必要が無くなる。
(3)絶縁操作棒を多数用意する必要が無くなり、一般的に使用される共用の絶縁操作棒のみで張線装置の配置、ドラムの回転方向の切り換え、ドラムの回転ができる。
本発明は、絶縁操作棒などを用いて、無停電状態の高圧配電線を間接的に活線工事できる間接活線工事用張線装置を開示したが、本発明の張線装置は、間接活線工事用に限定されることなく、他の分野でも応用されることが期待される。
1 張線器
7 絶縁操作棒
8 掴線器
10 張線装置(間接活線工事用張線装置)
11 張線器本体
11b ベルト(線状部材)
11d ドラム
12 筒形ホルダ
13 移動軸
13s 軸部
14 ラチェット歯車
14t ラチェット歯
15 接続金具
16n 第1係合爪
17n 第2係合爪
P 電柱
W 架空配電線

Claims (4)

  1. 一端部側を電柱に繋留した張線器、及び架空配電線を把持する掴線器を備え、
    前記掴線器を前記張線器の他端部側から引っ張り、前記架空配電線の張力を調整する間接活線工事用張線装置であって、
    線状部材の一端部を前記掴線器に繋留し、この線状部材の他端部側を巻き取る方向に回転、又は、前記線状部材が弛む方向に回転可能なドラムを他端部側に配置した張線器本体と、
    前記張線器本体の一方の面から突出し、前記ドラムの軸方向に結合すると共に、当該ドラムと一体に回転可能な筒形ホルダと、
    軸部が前記筒形ホルダの内部に回転自在に保持されると共に、当該筒形ホルダの軸方向に進退自在に連結した移動軸と、
    複数のラチェット歯を外周に形成し、前記移動軸の軸部に中心部が回転困難に嵌合すると共に、前記移動軸と一体となって軸方向に移動できるラチェット歯車と、
    前記移動軸の基端部に固定し、用途の異なる先端工具を共用可能な絶縁操作棒の先端部と連結可能な円筒状の接続金具と、を備え、
    前記筒形ホルダは、
    前記絶縁操作棒の先端部を前記接続金具に連結した状態で、前記ドラムが前記線状部材を巻き取る方向のみに回転するように、前記張線器本体に向かって移動した前記ラチェット歯車のラチェット歯に係合する第1係合爪と、
    前記絶縁操作棒の先端部を前記接続金具に連結した状態で、前記ドラムが前記線状部材を弛める方向のみに回転するように、前記張線器本体から離反する方向に移動した前記ラチェット歯車のラチェット歯に係合する第2係合爪と、を有する、間接活線工事用張線装置。
  2. 前記ラチェット歯車の一方の面に固定した第1リング磁石と、
    前記第1リング磁石と対向するように配置され、前記筒形ホルダの内壁に外周が固定された第2リング磁石と、を更に備え、
    前記第1リング磁石と前記第2リング磁石とが互いに吸着することで、前記張線器本体に向かって移動した前記ラチェット歯車の移動状態を保持する、請求項1記載の間接活線工事用張線装置。
  3. 前記第2リング磁石に対して前記第1リング磁石が離脱する強い力で前記接続金具を引っ張ると、前記ラチェット歯車が筒形ホルダの内壁底面に至る請求項2記載の間接活線工事用張線装置。
  4. 前記移動軸の軸部は、正四角柱状に形成された回り止用の嵌合部を中間部に有し、
    前記ラチェット歯車は、前記嵌合部に嵌合する正四角状の嵌合開口を中心部に有する請求項1から3のいずれかに記載の間接活線工事用張線装置。
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