JP2015036538A - 内燃機関の制御装置および制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置および制御方法 Download PDF

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圭一郎 青木
達弘 橋田
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達弘 橋田
豊治 金子
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豊治 金子
水谷 圭吾
Keigo Mizutani
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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置で、SO2によって劣化した限界電流式センサのS被毒回復の完了を正確に判定する。【解決手段】限界電流式センサへの印加電圧を0.4Vから0.8Vまで上昇させた後に0.4Vまで低下するまでの間の出力電流のうち、参照面積ArとS被毒面積Asの比=S被毒面積/参照面積が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定する。【選択図】図12

Description

本発明は、内燃機関の制御装置および制御方法に関する。
特許文献1には、限界電流式酸素センサにおいて、SOを含まない大気中で監視電圧を徐々に上昇させることによって、酸素センサの劣化(すなわち、SOによる酸素センサの劣化)を回復させる限界電流式酸素センサの劣化回復方法が記載されている。
特開平3−100454号公報 特開平10−260157号公報
特許文献1の方法では、酸素センサの劣化が十分に回復したか否かが判定されない。このため、酸素センサの劣化が回復していないうちに、酸素センサの劣化回復が終了されてしまう可能性がある。したがって、酸素センサの劣化が十分に回復したか否かを判定することが望まれる。特に、SOが多い雰囲気中において、酸素センサの劣化回復を実施した場合、酸素センサの劣化が回復していないうちに、酸素センサの劣化回復が終了されている可能性が高い。したがって、この場合、酸素センサの劣化が十分に回復したか否かを判定することが特に望まれる。
そして、このことは、一般的に、S被毒したセンサ(すなわち、SOによって劣化したセンサ)のS被毒回復を実施する場合にも当てはまる。そこで、本発明の目的は、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することにある。
<本発明の制御装置1>
本願の1つの発明は、限界電流式センサを有する内燃機関の制御装置に関する。この発明の制御装置は、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させた後に低下させるS被毒回復制御を実施する制御部を具備する。そして、該制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復が完了したと判定する。これによれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。
<S被毒の程度が反映される出力電流>
なお、前記S被毒回復制御を1回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、当該S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流である。
また、前記S被毒回復制御を2回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、2回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流であり、前記所定判定値は、たとえば、1回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流から定まる値である。
<本発明の制御装置2>
また、前記制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータ(以下「特定成分パラメータ」)を検出するようにしてもよい。
これによれば、S被毒回復されたセンサによって、特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータを正確に検出することができる。さらに、S被毒回復制御の実施中の出力電流を用いて特定成分パラメータが検出されるので、S被毒回復後、より早く、特定成分パラメータを検出することができる。特に、印加電圧が一定の電圧に維持されているときの出力電流に占める特定成分の影響、または、印加電圧が上昇されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて小さい場合であっても、印加電圧がパラメータ検出電圧から低下されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて大きい場合、被検ガス中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<本発明の制御装置3>
また、前記制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御を実施し、該電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出するようにしてもよい。
これによれば、S被毒回復されたセンサによって、特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータを正確に検出することができる。さらに、S被毒回復とは別個に特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータをより正確に検出することができる。特に、印加電圧が一定の電圧に維持されているときの出力電流に占める特定成分の影響、または、印加電圧が上昇されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて小さい場合であっても、印加電圧がパラメータ検出電圧から低下されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて大きい場合、被検ガス中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<S被毒回復制御の実施条件>
なお、前記制御部は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出し、前記電圧制御の実施時の出力電流がS被毒回復実施判定値以上である場合、前記S被毒回復制御を実施するようにしてもよい。これによれば、S被毒によるセンサの検出精度の低下が生じている可能性がない場合に限り、特定成分パラメータが検出される。このため、特定成分パラメータをより精度良く検出することができる。
<警報>
また、前記制御部は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出し、前記電圧制御の実施時の出力電流が警報判定値以上である場合、警報を発するようにしてもよい。これによれば、燃料性状が異常である可能性がある場合、当該特定成分パラメータ検出装置の利用者は、燃料性状が異常である可能性があることを知ることができる。
<特定成分>
また、前記特定成分は、たとえば、SOxである。この場合、SOxに関するパラメータを検出することができる。
<S被毒回復電圧>
また、前記S被毒回復電圧は、たとえば、0.8V以上の電圧である。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<電圧低下時点の印加電圧>
また、前記S被毒回復制御において、前記S被毒回復電圧からの印加電圧の低下終了時点の印加電圧は、たとえば、0.7V以下の電圧である。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<パラメータ検出電圧>
また、前記パラメータ検出電圧は、たとえば、0.8V以上の電圧である。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<S被毒回復制御における電圧低下スイープ速度>
前記制御部は、印加電圧を前記S被毒回復電圧から低下させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<S被毒回復制御における電圧上昇スイープ速度>
前記制御部は、印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<内燃機関>
また、前記内燃機関は、たとえば、ガソリンエンジンである。ガソリンエンジンは、大部分の機関運転領域において空燃比が理論空燃比で運転される。したがって、被検ガスである排気中の酸素濃度が低い。このため、特定成分パラメータを検出しやすい。
<酸素濃度検出>
また、前記制御部は、通常、前記S被毒回復電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加しており、該通常電圧が前記センサに印加されているときの前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出するようにしてもよい。これによれば、被検ガス中の酸素濃度を検出することができる。
また、前記制御部は、通常、前記パラメータ検出電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加しており、該通常電圧が前記センサに印加されているときの前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出するようにしてもよい。これによれば、被検ガス中の酸素濃度を検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出>
また、前記制御部は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させたときの前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出してもよい。
これによれば、特定成分パラメータを検出することができる。特に、印加電圧が一定の電圧に維持されているときの出力電流に占める特定成分の影響、または、印加電圧が上昇されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて小さい場合であっても、印加電圧がパラメータ検出電圧から低下されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて大きい場合、被検ガス中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出におけるピーク値の利用>
また、前記制御部は、印加電圧を前記パラメータ検出電圧から低下させたときの出力電流のピーク値を、前記パラメータ検出用の出力電流として用いると好ましい。ピーク値は、印加電圧の低下中の出力電流のうち、最も小さい出力電流(または、最も大きい出力電流)である。したがって、ピーク値は、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流であると言える。このため、パラメータ検出用の出力電流としてピーク値を用いることによって、特定成分パラメータをより精度良く検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出における電圧低下前の印加電圧>
また、前記制御部は、通常、前記パラメータ検出電圧よりも低い電圧を印加しておき、印加電圧を前記パラメータ検出電圧まで上昇させ、その後、印加電圧を低下させたときの出力電流を、前記パラメータ検出用の出力電流として用いるようにしてもよい。この場合、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧は、パラメータ検出電圧よりも低い。このため、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧がパラメータ検出電圧である場合に比べて、特定成分パラメータ検出に消費される電力を少なくすることができる。
<通常の特定成分パラメータ検出における印加電圧低下時点の電圧>
また、前記パラメータ検出電圧からの印加電圧の低下終了時点の印加電圧が0.7V以下の電圧であると好ましい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<特定成分パラメータ検出における電圧低下スイープ速度>
また、前記制御部は、印加電圧を前記パラメータ検出電圧から低下させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を確実に得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<特定成分パラメータ検出における電圧上昇スイープ速度>
また、前記制御部は、印加電圧を前記パラメータ検出電圧まで上昇させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を確実に得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<本発明の制御方法1>
また、本願のさらにもう1つの発明は、限界電流式センサを有する内燃機関の制御方法に関する。この方法は、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させた後に低下させるS被毒回復ステップと、該S被毒回復ステップ中の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流を取得する出力電流取得ステップと、該出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定する判定ステップと、を具備する。これによれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。
<本発明の制御方法2>
また、上記発明は、前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記S被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する特定成分パラメータ検出ステップを具備してもよい。
これによれば、S被毒回復されたセンサによって、特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータを正確に検出することができる。さらに、S被毒回復ステップの実施中の出力電流を用いて特定成分パラメータが検出されるので、S被毒回復後、より早く、特定成分パラメータを検出することができる。
<本発明の制御方法3>
また、上記発明は、前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御ステップと、該電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する特定成分パラメータ検出ステップと、を具備してもよい。
これによれば、S被毒回復されたセンサによって、特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータを正確に検出することができる。さらに、S被毒回復ステップとは別個に特定成分パラメータが検出されるので、特定成分パラメータをより正確に検出することができる。
<S被毒の程度が反映される出力電流>
なお、前記S被毒回復ステップが1回実施された場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、当該S被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流である。
また、前記S被毒回復ステップが2回実施された場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、2回目のS被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流であり、前記所定判定値は、たとえば、1回目のS被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流から定まる値である。
<S被毒回復ステップの実施条件>
なお、上記方法は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる通常電圧制御ステップと、該通常電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する通常検出ステップと、をさらに具備し、前記通常電圧制御ステップの実施時の出力電流がS被毒回復実施判定値以上である場合、前記S被毒回復ステップを実施するようにしてもよい。これによれば、S被毒によるセンサの検出精度の低下が生じている可能性がない場合に限り、特定成分パラメータが検出される。このため、特定成分パラメータをより精度良く検出することができる。
<警報>
また、上記方法は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる通常電圧制御ステップと、該通常電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する通常検出ステップと、前記通常電圧制御ステップの実施時の出力電流が警報判定値以上である場合、警報を発する警報ステップと、をさらに具備してもよい。これによれば、燃料性状が異常である可能性がある場合、燃料性状が異常である可能性があることを知ることができる。
<特定成分>
また、上記方法において、前記特定成分は、たとえば、SOxである。この場合、SOxに関するパラメータを検出することができる。
<S被毒回復電圧>
また、上記方法において、前記S被毒回復電圧は、たとえば、0.8V以上の電圧である。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<電圧低下時点の印加電圧>
また、上記方法の前記S被毒回復ステップにおいて、前記S被毒回復電圧からの印加電圧の低下終了時点の印加電圧は、たとえば、0.7V以下の電圧である。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<パラメータ検出電圧>
また、上記方法において、前記パラメータ検出電圧は、たとえば、0.8V以上の電圧である。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<S被毒回復ステップにおける電圧低下スイープ速度>
また、上記方法のS被毒回復ステップにおいて、印加電圧を前記S被毒回復電圧から低下させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<S被毒回復ステップにおける電圧上昇スイープ速度>
また、上記方法のS被毒回復ステップにおいて、印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させた後に低下させるときの電圧変化の周波数を100Hz以下の周波数に設定するようにしてもよい。これによれば、S被毒をより確実に回復させることができる。
<内燃機関>
また、上記方法において、前記内燃機関は、たとえば、ガソリンエンジンである。ガソリンエンジンは、大部分の機関運転領域において空燃比が理論空燃比で運転される。したがって、被検ガスである排気中の酸素濃度が低い。このため、特定成分パラメータを検出しやすい。
<酸素濃度検出>
また、上記方法は、通常、前記S被毒回復電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加する通常電圧制御ステップと、該通常電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出ステップと、をさらに具備してもよい。これによれば、被検ガス中の酸素濃度を検出することができる。
また、上記方法は、通常、前記パラメータ検出電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加する通常電圧制御ステップと、該通常電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出ステップと、を具備してもよい。これによれば、被検ガス中の酸素濃度を検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出>
また、上記方法は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧低下ステップと、該電圧低下ステップ中の前記センサの出力電流を取得する出力電流取得ステップと、該出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する特定成分パラメータ検出ステップと、をさらに具備してもよい。
これによれば、特定成分パラメータを検出することができる。特に、印加電圧が一定の電圧に維持されているときの出力電流に占める特定成分の影響、または、印加電圧が上昇されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて小さい場合であっても、印加電圧がパラメータ検出電圧から低下されたときの出力電流に占める特定成分の影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて大きい場合、被検ガス中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出におけるピーク値の利用>
また、上記方法の前記通常検出ステップにおいて、前記センサの出力電流のピーク値を取得すると好ましい。ピーク値は、印加電圧の低下中の出力電流のうち、最も小さい出力電流(または、最も大きい出力電流)である。したがって、ピーク値は、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流であると言える。このため、パラメータ検出用の出力電流としてピーク値を用いることによって、特定成分パラメータをより精度良く検出することができる。
<通常の特定成分パラメータ検出における電圧低下前の印加電圧>
また、上記方法は、通常、前記パラメータ検出電圧よりも低い電圧を印加しておく通常電圧制御ステップと、前記電圧低下ステップの実施前に印加電圧を前記パラメータ検出電圧まで上昇させる電圧上昇ステップと、をさらに具備していてもよい。この場合、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧は、パラメータ検出電圧よりも低い。このため、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧がパラメータ検出電圧である場合に比べて、特定成分パラメータ検出に消費される電力を少なくすることができる。
<通常の特定成分パラメータ検出における印加電圧低下時点の電圧>
また、上記方法の前記電圧低下ステップにおいて、前記パラメータ検出電圧からの印加電圧の低下終了時点の印加電圧が0.7V以下の電圧であると好ましい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<特定成分パラメータ検出における電圧低下スイープ速度>
また、上記方法の前記電圧低下ステップにおいて、印加電圧を前記パラメータ検出電圧から低下させるときの電圧変化の周波数が100Hz以下の周波数であると好ましい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を確実に得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
<特定成分パラメータ検出における電圧上昇スイープ速度>
また、上記方法の前記電圧上昇ステップにおいて、印加電圧を前記パラメータ検出電圧まで上昇させるときの電圧変化の周波数が100Hz以下の周波数であると好ましい。これによれば、特定成分パラメータに精度良く対応する出力電流を確実に得ることができ、ひいては、特定成分パラメータを精度良く検出することができる。
図1は、本発明の限界電流式センサの1つの実施形態(2セルタイプ限界電流式センサ)を示している。 図2は、図1の限界電流式センサの出力特性を示している。 図3は、図1の限界電流式センサの出力特性を示している。 図4は、SOx濃度と出力電流のピーク値との関係を示している。 図5は、本発明の限界電流式センサの別の実施形態(1セルタイプ限界電流式センサ)を示している。 図6は、図5の限界電流式センサの出力特性を示している。 図7は、図1または図5の限界電流式センサを有するSOx濃度検出装置を備えた内燃機関を示している。 図8は、第1実施形態の印加電圧の変化に対応する出力電流を示したタイムチャートを示している。 図9は、SOx濃度検出時の印加電圧の上昇および低下の形態を示している。 図10(A)は、図1の限界電流式センサにて採用される回路の一例を示し、図10(B)は、図5の限界電流式センサにて採用される回路の一例を示している。 図11は、第1実施形態のSOx濃度検出フローの実施形態の一例を示している。 図12は、第1実施形態のS被毒回復制御の実施時の印加電圧の変化に対応する出力電流を示したタイムチャートを示している。 図13は、第1実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例を示している。 図14は、第2実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例を示している。 図15は、第3実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例を示している。 図16は、第4実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例を示している。 図17は、S被毒回復完了判定時の印加電圧の上昇および低下の形態を示している。 図18は、第5実施形態のSOx濃度検出フローの一例を示している。 図19は、第6実施形態のSOx濃度検出フローの一例を示している。 図20は、第7実施形態のSOx濃度・空燃比検出フローの一例を示している。
図面を参照して本発明の内燃機関の制御装置について説明する。以下、内燃機関から排出される排気を被検ガスとして採用し、且つ、排気中の硫黄酸化物(以下「SOx」)を特定成分として採用し、且つ、SOx濃度を特定成分パラメータとして採用した場合を例に本発明の実施形態について説明する。
<2セルタイプ限界電流式センサの構成>
図1に本発明の第1実施形態の限界電流式センサの1つが示されている。図1の限界電流式センサは、2セルタイプの限界電流式センサである。図1において、10は限界電流式センサ、11Aは第1固体電解質層、11Bは第2固体電解質層、12Aは第1アルミナ層、12Bは第2アルミナ層、12Cは第3アルミナ層、12Dは第4アルミナ層、12Eは第5アルミナ層、12Fは第6アルミナ層、13は拡散律速層、14はヒータ、15はポンプセル、15Aは第1ポンプ電極、15Bは第2ポンプ電極、15Cはポンプセル電圧源、16はセンサセル、16Aは第1センサ電極、16Bは第2センサ電極、16Cはセンサセル電圧源、17Aは第1大気導入路、17Bは第2大気導入路、18は内部空間をそれぞれ示している。
固体電解質層11A、11Bは、ジルコニア等からなる層であり、酸素イオン伝導性を有する。アルミナ層12A〜12Fは、アルミナからなる層である。拡散律速層13は、多孔質の層であり、排気を通すことができる。センサ10では、各層は、図1において下方から、第6アルミナ層12F、第5アルミナ層12E、第4アルミナ層12D、第2固体電解質層11B、拡散律速層13および第3アルミナ層12C、第1固体電解質層11A、第2アルミナ層12B、第1アルミナ層12Aの順で積層されている。ヒータ14は、第5アルミナ層12Eと第6アルミナ層12Fとの間に配置されている。
第1大気導入路17Aは、第1アルミナ層12Aと第2アルミナ層12Bと第1固体電解質層11Aとによって形成された空間であり、その一部は大気に開放されている。第2大気導入路17Bは、第2固体電解質層11Bと第4アルミナ層12Dと第5アルミナ層12Eとによって形成された空間であり、その一部は大気に開放されている。内部空間18は、第1固体電解質層11Aと第2固体電解質層12Bと拡散律速層13と第3アルミナ層12Cとによって形成された空間であり、その一部は拡散律速層13を介してセンサ外部に連通している。
<ポンプセルの構成>
第1ポンプ電極15Aおよび第2ポンプ電極15Bは、白金もしくはロジウム等の白金族元素またはその合金からなる電極である。第1ポンプ電極15Aは、第2固体電解質層11Bの一方の側の壁面(すなわち、内部空間18を形成する第2固体電解質層11Bの壁面)に配置され、第2ポンプ電極15Bは、第2固体電解質層11Bの他方の側の壁面(すなわち、第2大気導入路17Bを形成する第2固体電解質層11Bの壁面)に配置されている。これら電極15A、15Bと第2固体電解質層11Bとは、ポンプセル15を構成している。センサ10は、ポンプセル15(具体的には、第1ポンプ電極15Aと第2ポンプ電極15Bとの間)にポンプセル電圧源15Cから電圧を印加可能に構成されている。なお、第1ポンプ電極15Aは陰極側の電極であり、第2ポンプ電極15Bは陽極側の電極である。
<ポンプセルの機能>
ポンプセル15に電圧が印加されると、内部空間18内の酸素が第1ポンプ電極15Aに接触したときに、この酸素が第1ポンプ電極15A上で酸素イオンとなり、この酸素イオンが第2固体電解質層11Bの内部を第2ポンプ電極15Bに向かって移動する。このとき、第1ポンプ電極15Aと第2ポンプ電極15Bとの間には、第2固体電解質層11Bの内部を移動した酸素イオン量に比例した電流が流れる。そして、酸素イオンが第2ポンプ電極15Bに達すると、酸素イオンは第2ポンプ電極15Bにおいて酸素となって第2大気導入路17Bに放出される。つまり、ポンプセル15は、排気中の酸素を排気からポンピングによって大気に放出し、排気中の酸素濃度を低下させることができる。このポンプセル15のポンピング能力は、ポンプセル電圧源15Cから当該ポンプセル15に印加される電圧が高いほど高い。
<センサセルの構成>
第1センサ電極16Aおよび第2センサ電極16Bは、白金もしくはロジウム等の白金族元素またはその合金からなる電極である。第1センサ電極16Aは、第1固体電解質層11Aの一方の側の壁面(すなわち、内部空間18を形成する第1固体電解質層11Aの壁面)に配置され、第2センサ電極16Bは、第1固体電解質層11Aの他方の側の壁面(すなわち、第1大気導入路17Aを形成する第1固体電解質層11Aの壁面)に配置されている。これら電極16A、16Bと第1固体電解質層11Aとは、センサセル16を構成している。センサ10は、センサセル16(具体的には、第1センサ電極16Aと第2センサ電極16Bとの間)にセンサセル電圧源16Cから電圧を印加可能に構成されている。なお、第1センサ電極16Aは陰極側の電極であり、第2センサ電極16Bは陽極側の電極である。
<センサセルの機能>
センサセル16に電圧が印加されると、内部空間18内のSOxが第1センサ電極16Aに接触したときに、このSOxが第1センサ電極16A上で分解され、SOxの酸素が酸素イオンとなり、この酸素イオンが第1固体電解質層11Aの内部を第2センサ電極16Bに向かって移動する。このとき、第1センサ電極16Aと第2センサ電極16Bとの間には、第1固体電解質層11Aの内部を移動した酸素イオン量に比例した電流が流れる。そして、酸素イオンが第2センサ電極16Bに達すると、酸素イオンは第2センサ電極16Bにおいて酸素となって第1大気導入路17Aに放出される。
<2セルタイプ限界電流式センサの空燃比検出機能1>
図2は、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサにおけるポンプセル印加電圧とポンプセル出力電流との関係を示している。ポンプセル印加電圧とは、ポンプセル電圧源15Cによってポンプセル15に印加される電圧であり、ポンプセル出力電流とは、第1ポンプ電極15Aと第2ポンプ電極15Bとの間に流れる電流である。また、図2において、A/F=12によって示されているラインは、排気の空燃比が12である場合のポンプセル印加電圧の変化に対する出力電流の変化を示しており、同様に、A/F=13〜A/F=18によって示されているラインは、それぞれ、排気の空燃比が13〜18である場合のポンプセル印加電圧の変化に対する出力電流の変化を示している。
図2に示されているように、たとえば、排気の空燃比が18である場合、ポンプセル印加電圧が或る値Vthよりも小さい範囲では、ポンプセル出力電流が負の値である場合、ポンプセル印加電圧が高いほど、ポンプセル出力電流の絶対値が小さく、ポンプセル出力電流が正の値である場合、ポンプセル印加電圧が高いほど、ポンプセル出力電流の絶対値が大きい。また、ポンプセル印加電圧が上記或る値Vth以上である一定の範囲では、ポンプセル印加電圧に依らず、ポンプセル出力電流は一定の値となる。
こうしたポンプセル印加電圧とポンプセル出力電流との関係は、排気の空燃比が12〜17である場合にも同様に成立する。そして、図2から分かるように、検出しようとする空燃比全てにおいて、ポンプセル出力電流がポンプセル印加電圧に依らず一定となる電圧をポンプセル15に印加していれば、そのときに検出されるポンプセル出力電流に基づいて、排気の空燃比を検出することができる。つまり、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサ10は、排気の空燃比の検出に利用可能である。なお、排気の空燃比は、排気中の酸素濃度と相関関係を有するパラメータであることから、原理的には、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサは、排気中の酸素濃度を検出可能であると言える。
<2セルタイプ限界電流式センサの空燃比検出機能2>
また、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサにおけるセンサセル印加電圧とセンサセル出力電流との関係も、図2に示されている関係と同じ関係にある。したがって、ポンプセル印加電圧が零とされた状態(すなわち、ポンプセル15が機能していない状態)で、検出しようとする空燃比全てにおいて、センサセル出力電流がセンサセル印加電圧に依らず一定となる電圧をセンサセル16に印加していれば、そのときに検出されるセンサセル出力電流に基づいて、排気の空燃比を検出することができる。つまり、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサ10は、排気の空燃比の検出に利用可能である。なお、センサセル印加電圧とは、センサセル電圧源16Cによってセンサセル16に印加される電圧であり、センサセル出力電流とは、第1センサ電極16Aと第2センサ電極16Bとの間に流れる電流である。
<2セルタイプ限界電流式センサの出力特性>
ところで、本願の発明者らの研究により、2セルタイプの限界電流式センサへの印加電圧(具体的には、センサセル電圧源16Cからセンサセル16への印加電圧)を所定電圧(以下「SOx濃度検出電圧」)から低下させることによって、排気中のSOx濃度に対応する電流をこの限界電流式センサから得られることが新たに判明した。次に、このことについて説明する。なお、以下の説明において、出力電流とはセンサセル16から出力される電流である。
図3に、印加電圧を0.1Vから1.0Vまで徐々に上昇させ、その後、1.0Vから0.1Vまで徐々に低下させた場合の出力電流の変化が示されている。図3の横軸は印加電圧であり、図3の縦軸は出力電流である。なお、このように印加電圧を変化させている間、ポンプセル15には、内部空間18内の排気中の酸素濃度を零(または、略零)にする電圧が印加されている。
図3において、実線LU0は、排気中にSOxが含まれていない(すなわち、排気中のSOx濃度が零である)場合において印加電圧を0.1Vから1.0Vまで上昇させたときの出力電流の変化を示し、実線LD0は、同じく排気中にSOxが含まれていない場合において印加電圧を1.0Vから0.1Vまで低下させたときの出力電流の変化を示している。図3において、一点鎖線LU1は、排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧を0.1Vから1.0Vまで上昇させたときの出力電流の変化を示し、一点鎖線LD1は、同じく排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧を1.0Vから0.1Vまで低下させたときの出力電流の変化を示している。
排気中にSOxが含まれていない場合、印加電圧が0.1Vから約0.2Vまで上昇されると、図3の実線LU0で示されているように、出力電流が約4μAまで急激に上昇する。そして、印加電圧が約0.2Vから約0.85Vまで上昇する間は、出力電流が約4μAで略一定である。そして、印加電圧が約0.85Vを上回ると、出力電流が上昇し始める。そして、印加電圧が約0.85Vから1.0Vまで上昇される間、出力電流は徐々に上昇し、印加電圧が1.0Vに達したときに、出力電流が約7μAに達する。
そして、その後、印加電圧が1.0Vから0.4Vに向けて徐々に低下されると、図3の実線LD0で示されているように、出力電流が約7μAから徐々に低下し、印加電圧が約0.85Vを下回ってから0.4Vに達するまでの間は、出力電流が約3.5μAで略一定である。
一方、排気中にSOxが含まれている場合、印加電圧が0.1Vから約0.2Vまで上昇されると、図3の一点鎖線LU1で示されているように、出力電流が約0.4μAまで急激に上昇する。そして、印加電圧が約0.2Vから約0.6Vまで上昇する間は、出力電流が約4μAで略一定である。そして、印加電圧が約0.6Vを上回ると、出力電流が上昇し始める。そして、印加電圧が約0.6Vから1.0Vまで上昇される間、出力電流は徐々に上昇し、印加電圧が1.0Vに達したときに約7μAに達する。
そして、その後、印加電圧が1.0Vから0.4Vに向けて徐々に低下されると、図3の一点鎖線LD1で示されているように、出力電流が約7μAから徐々に低下し、印加電圧が約0.8Vを下回ってから約0.7Vに達するまでの間に、出力電流が急激に低下して当該出力電流の流れる方向が逆転し、約−5μAに達する。そして、印加電圧がさらに約0.7Vから0.4Vまで低下される間に、出力電流が急激に上昇して当該出力電流の流れる方向が元の方向に戻り、印加電圧が0.4Vに達すると、出力電流が約3.5μAとなる。
したがって、排気中にSOxが含まれている場合、印加電圧が0.4Vから0.8Vに上昇され、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vに低下されると、印加電圧が低下される間に出力電流が急激に低下した後に急激に上昇する。つまり、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下されると、出力電流は最小値(すなわち、ピーク値)のある変化を示す。ここで、印加電圧が約0.7Vに達したときに、出力電流がピーク値となる。
なお、排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧が約0.6Vを上回ってから1.0Vに達するまでの出力電流は、排気中にSOxが含まれていない場合において印加電圧が約0.6Vを上回ってから1.0Vに達するまでの出力電流よりも大きい。
<第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサの利点>
そして、本願の発明者らの研究により、2セルタイプの限界電流式センサにおいて、上述したように印加電圧を0.8Vから0.4Vまで低下させたときの出力電流のピーク値とSOx濃度との間には、図4に示されている関係があることが判明した。つまり、参照電流(すなわち、印加電圧が0.8Vに達した時点の出力電流)と前記ピーク値との差が大きいほど、排気中のSOx濃度が高いことが判明した。そして、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサは、排気中の酸素濃度(ひいては、排気の空燃比)の検出に利用可能である。したがって、第1実施形態の2セルタイプの限界電流式センサによれば、排気中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、前記ピーク値を用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)することができる。
<1セルタイプ限界電流式センサの構成>
図5に本発明の第1実施形態の限界電流式センサのさらに1つが示されている。図5の限界電流式センサは、1セルタイプの限界電流式センサである。図5において、30は限界電流式センサ、31は固体電解質層、32Aは第1アルミナ層、32Bは第2アルミナ層、32Cは第3アルミナ層、32Dは第4アルミナ層、32Eは第5アルミナ層、33は拡散律速層、34はヒータ、35はセンサセル、35Aは第1センサ電極、35Bは第2センサ電極、35Cはセンサセル電圧源、36は大気導入路、37は内部空間をそれぞれ示している。
固体電解質層31は、ジルコニア等からなる層であり、酸素イオン伝導性を有する。アルミナ層32A〜32Eは、アルミナからなる層である。拡散律速層33は、多孔質の層であり、排気を通すことができる。センサ30では、各層は、図5において下方から、第5アルミナ層32E、第4アルミナ層32D、第3アルミナ層32C、固体電解質層31、拡散律速層33および第2アルミナ層32B、第1アルミナ層32Aの順で積層されている。ヒータ34は、第4アルミナ層32Dと第5アルミナ層32Eとの間に配置されている。
大気導入路36は、固体電解質層31と第3アルミナ層32Cと第4アルミナ層32Dとによって形成された空間であり、その一部は大気に開放されている。内部空間37は、第1アルミナ層32Aと固体電解質層31と拡散律速層33と第2アルミナ層32Bとによって形成された空間であり、その一部は拡散律速層33を介してセンサ外部に連通している。
<センサセルの構成>
第1センサ電極35Aおよび第2センサ電極35Bは、白金もしくはロジウム等の白金族元素またはその合金からなる電極である。第1センサ電極35Aは、固体電解質層31の一方の側の壁面(すなわち、内部空間37を形成する固体電解質層31の壁面)に配置され、第2センサ電極35Bは、固体電解質層31の他方の側の壁面(すなわち、大気導入路36を形成する固体電解質層31の壁面)に配置されている。これら電極35A、35Bと固体電解質層31とは、センサセル35を構成している。センサ30は、センサセル35(具体的には、第1センサ電極35Aと第2センサ電極35Bとの間)にセンサセル電圧源35Cから電圧を印加可能に構成されている。なお、第1センサ電極35Aは陰極側の電極であり、第2センサ電極35Bは陽極側の電極である。
<センサセルの機能>
センサセル35に電圧が印加されると、内部空間37内のSOxが第1センサ電極35Aに接触したときに、このSOxが第1センサ電極35A上で分解され、SOxの酸素が酸素イオンとなり、この酸素イオンが固体電解質層31の内部を第2センサ電極35Bに向かって移動する。このとき、第1センサ電極35Aと第2センサ電極35Bとの間には、固体電解質層31の内部を移動した酸素イオン量に比例した電流が流れる。そして、酸素イオンが第2センサ電極35Bに達すると、酸素イオンは第2センサ電極35Bにおいて酸素となって大気導入路36に放出される。
<1セルタイプ限界電流式センサの空燃比検出機能>
第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサにおけるセンサセル印加電圧とセンサセル出力電流とは、図2に示されている関係と同じ関係にある。したがって、検出しようとする空燃比全てにおいて、センサセル出力電流がセンサセル印加電圧に依らず一定となる電圧をセンサセル35に印加していれば、そのときに検出されるポンプセル出力電流に基づいて、排気の空燃比を検出することができる。つまり、第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサ30は、排気の空燃比の検出に利用可能である。なお、排気の空燃比は、排気中の酸素濃度と相関関係を有するパラメータであることから、原理的には、第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサは、排気中の酸素濃度を検出可能であると言える。また、センサセル印加電圧とは、センサセル電圧源35Cによってセンサセル35に印加される電圧であり、センサセル出力電流とは、第1センサ電極35Aと第2センサ電極35Bとの間に流れる電流である。
<1セルタイプ限界電流式センサの出力特性>
ところで、本願の発明者らの研究により、2セルタイプの限界電流式センサと同様に、1セルタイプの限界電流式センサへの印加電圧(具体的には、センサセル電圧源35Cからセンサセル35への印加電圧)を所定電圧(以下「SOx濃度検出電圧」)から低下させることによって、排気中のSOx濃度に対応する電流をこの限界電流式センサからも得られることが判明した。次に、このことについて説明する。なお、以下の説明において、出力電流とはセンサセル35から出力される電流であり、当該排気中の酸素濃度は1%で一定である。
図6に、印加電圧を0.1Vから1.0Vまで徐々に上昇させ、その後、1.0Vから0.1Vまで徐々に低下させた場合の出力電流の変化が示されている。図6の横軸は印加電圧であり、図6の縦軸は出力電流である。
図6において、一点鎖線LU1は、排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧を0.1Vから1.0Vまで上昇させたときの出力電流の変化を示し、一点鎖線LD1は、同じく排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧を1.0Vから0.1Vまで低下させたときの出力電流の変化を示している。
排気中にSOxが含まれている場合において印加電圧が0.1Vから約0.2Vまで上昇されると、図6の一点鎖線LU1で示されているように、出力電流が約100μAまで急激に上昇する。そして、印加電圧が約0.2Vから約0.6Vまで上昇する間は、出力電流が約100μAで略一定である。そして、印加電圧が約0.6Vを上回ると、出力電流が上昇し始める。そして、印加電圧が約0.6Vから1.0Vまで上昇される間、出力電流は若干ではあるが徐々に上昇し、印加電圧が1.0Vに達したときに約105μAに達する。
そして、その後、印加電圧が1.0Vから0.4Vに向けて徐々に低下されると、図6の一点鎖線LD1で示されているように、出力電流が約105μAから徐々に低下し、印加電圧が約0.8Vを下回ってから約0.7Vに達するまでの間に、出力電流が急激に低下し、約80μAに達する。そして、印加電圧が約0.7Vから0.4Vまで低下される間に、出力電流が急激に上昇し、印加電圧が0.4Vに達すると、出力電流が約100μAとなる。
したがって、排気中にSOxが含まれている場合、印加電圧が0.4Vから0.8Vに上昇され、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vに低下されると、印加電圧が低下される間に出力電流が急激に低下した後に急激に上昇する。つまり、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下されると、出力電流は最小値(すなわち、ピーク値)のある変化を示す。ここで、印加電圧が約0.7Vに達したときに、出力電流がピーク値となる。
<第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサの利点>
そして、本願の発明者らの研究により、1セルタイプの限界電流式センサにおいて、上述したように印加電圧を0.8Vから0.4Vまで低下させたときの出力電流のピーク値とSOx濃度との間にも、図4に示されている関係と同様の関係があることが判明した。つまり、参照電流(すなわち、印加電圧が0.8Vに達した時点の出力電流)と前記ピーク値との差が大きいほど、排気中のSOx濃度が高いことが判明した。そして、第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサは、排気中の酸素濃度(ひいては、排気の空燃比)の検出に利用可能である。したがって、第1実施形態の1セルタイプの限界電流式センサによれば、排気中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、前記ピーク値を用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)することができる。
<第1実施形態のSOx濃度検出装置>
図7に、図1の限界電流式センサ10または図5の限界電流式センサ30を有するSOx濃度検出装置を備えた内燃機関が示されている。図7の内燃機関は、火花点火式内燃機関(いわゆるガソリンエンジン)である。しかしながら、本発明は、圧縮自着火式内燃機関(いわゆるディーゼルエンジン)にも適用可能である。また、図7の内燃機関は、大部分の機関運転領域において、空燃比が理論空燃比(ストイキ)にて運転される。
<内燃機関の構成>
図7において、10または30は図1または図5の限界電流式センサ、50は内燃機関の本体、51はシリンダヘッド、52はシリンダブロック、53は燃焼室、54は燃料噴射弁、55は点火プラグ、56は燃料ポンプ、57は燃料供給管、60はピストン、61はコネクティングロッド、62はクランクシャフト、63はクランク角度センサ、70は吸気弁、71は吸気ポート、72は吸気マニホルド、73はサージタンク、74はスロットル弁、75は吸気管、76はエアフローメータ、77はエアフィルタ、80は排気弁、81は排気ポート、82は排気マニホルド、83は排気管、90は電子制御装置(ECU)、91はアクセルペダル、92はアクセルペダル踏込量センサをそれぞれ示している。
<ECUの構成・機能>
燃料噴射弁54、点火プラグ55、スロットル弁74、クランク角度センサ63、エアフローメータ76、アクセルペダル踏込量センサ92、および、限界電流式センサ10、30は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、燃料噴射弁54、点火プラグ55、および、スロットル弁74を動作させるための信号をこれらに送信する。また、ECU90は、クランク角度センサ63、エアフローメータ76、および、アクセルペダル踏込量センサ92から信号を受信する。クランク角度センサ63からは、クランクシャフト62の回転速度に対応する信号が出力される。ECU90は、クランク角度センサ63から受信した信号に基づいて機関回転数を算出する。エアフローメータ76からは、そこを通過する空気の流量(ひいては、燃焼室53に吸入される空気の流量)に対応する信号が出力される。ECU90は、エアフローメータ76から受信した信号に基づいて吸入空気量を算出する。アクセルペダル踏込量センサ92からは、アクセルペダル91の踏込量に対応する信号が出力される。ECU90は、アクセルペダル踏込量センサ92から受信した信号に基づいて機関負荷を算出する。
<限界電流式センサ>
限界電流式センサ10、30は、排気管83に取り付けられている。したがって、限界電流式センサ10、30の検出対象となるガス(すなわち、被検ガス)は、燃焼室53から排出される排気である。限界電流式センサ10、30からは、そこに到来する排気中のSOx濃度に対応する電流が出力される。ECU90は、限界電流式センサ10、30から受信した電流に基づいてSOx濃度を算出する(この算出方法の詳細は後述する)。
<第1実施形態のSOx濃度検出>
第1実施形態のSOx濃度検出について図8を参照しつつ説明する。第1実施形態では、印加電圧が定常的に0.4Vに維持されている(図8の時刻T0以前の期間参照)。すなわち、センサに定常的に0.4Vが印加されている。そして、第1実施形態のSOx濃度検出では、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇され(図8の時刻T0から時刻T1までの期間参照)、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される(図8の時刻T1から時刻T2までの期間参照)。このとき、ECUは、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間に当該ECUに入力された出力電流のピーク値と参照電流とを用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)する。このとき、参照電流とピーク値との差が大きいほど、算出されるSOx濃度は高い。
なお、ピーク値と参照電流との差(以下「電流差」)を用いてSOx濃度を算出する場合、たとえば、電流差に対応するSOx濃度が電流差毎に予め実験等によって求められ、これら求められたSOx濃度が電流差の関数のマップの形でECUに記憶され、SOx濃度の検出中に算出される電流差に対応するSOx濃度をマップから読み出すことによって、SOx濃度が算出される。
<第1実施形態のSOx濃度検出装置の利点>
第1実施形態のSOx濃度検出装置の限界電流式センサは、排気中の酸素濃度(ひいては、排気の空燃比)の検出に利用可能である。したがって、第1実施形態のSOx濃度検出装置によれば、排気中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、排気中のSOx濃度を検出することができる。すなわち、印加電圧が一定の電圧(たとえば、0.4V)に維持されているときの出力電流に占めるSOxの影響、または、印加電圧が上昇されたときの出力電流に占めるSOxの影響が、同出力電流に占める他の成分(たとえば、OやNOx)の影響に比べて小さいが、印加電圧がパラメータ検出電圧(たとえば、0.8)から低下されたときの出力電流に占めるSOxの影響が、同出力電流に占める他の成分の影響に比べて大きいという知見を本願の発明者らが得ており、このため、第1実施形態のSOx濃度検出装置によれば、排気中の酸素濃度の検出に利用可能なセンサを用いて、SOx濃度を精度良く検出することができるのである。
また、ピーク値は、印加電圧の低下中の出力電流のうち、SOx濃度が零である場合の出力電流から最も大きく異なる出力電流である。したがって、ピーク値は、SOx濃度に精度良く対応する出力電流であると言える。このため、SOx濃度検出用の出力電流としてピーク値を用いることによって、SOx濃度をより精度良く検出することができる。
また、第1実施形態では、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧は0.4Vである。したがって、この電圧は、印加電圧の低下開始時点の印加電圧である0.8Vよりも低い。このため、第1実施形態によれば、印加電圧の低下開始前にセンサに印加させておく電圧が0.8Vである場合に比べて、SOx濃度検出に消費される電力を少なくすることができる。
<第1実施形態の適用範囲>
なお、第1実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧の上昇開始時点の印加電圧(すなわち、センサに定常的に印加しておく印加電圧)は、0.4Vに限定されず、印加電圧の上昇後に印加電圧を低下させたときにピーク値を持つ出力電流の変化を発生させる電圧であればよく、たとえば、0.6V以下であればよく、好ましくは、0.4Vである。
また、印加電圧の上昇終了時点の印加電圧は、0.8Vに限定されず、印加電圧の上昇後に印加電圧を低下させたときにピーク値を持つ出力電流の変化を発生させる電圧、または、出力安定電圧範囲(すなわち、SOx濃度が零である場合に、印加電圧に依らず出力電流が略一定である範囲であって、たとえば、0.2V〜0.8Vの範囲)の最大電圧以上の電圧であればよく、たとえば、0.8V以上であればよい。
また、印加電圧の低下終了時点の印加電圧は、0.4Vに限定されず、ピーク値に対応する印加電圧以下であればよく、たとえば、0.7V以下であればよく、好ましくは、0.4Vである。したがって、印加電圧の上昇開始時点の印加電圧は、印加電圧の低下終了時点の印加電圧と同じであっても異なっていてもよい。
また、第1実施形態のSOx濃度検出では、ピーク値が用いられるが、これに代えて、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間に出力電流が急激に低下する範囲または急激に上昇する範囲の出力電流が用いられてもよい。
<参照電流>
なお、センサの内部空間に流入する排気中の酸素濃度が印加電圧の低下中に変化する場合がある。この場合、印加電圧の低下に一定時間を要することを考慮すれば、印加電圧が0.8Vであるときの出力電流よりも、印加電圧が0.4Vであるときの出力電流のほうが、ピーク値の出力時点のセンサの内部空間内の排気中の酸素濃度をより正確に反映していると言える。そこで、第1実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される場合、前記参照電流に代えて、印加電圧が0.4Vに達した時点(または、その時点から所定時間経過後の出力電流)が参照電流として用いられてもよい。これによれば、排気中の酸素濃度が印加電圧の低下中に変化したとしても、SOx濃度を精度良く検出することができる。
また、第1実施形態において、ピーク値と参照電流とを用いてSOx濃度を算出する代わりに、ピーク値と変換係数とを用いてSOx濃度を算出するようにしてもよい。このとき、ピーク値がマイナス方向に大きいほど、算出されるSOx濃度は高い。なお、変換係数とは、図4の関係に従ってピーク値をSOx濃度に変換する係数である。もちろん、ピーク値がプラスの値として出現する場合には、ピーク値がプラス方向に大きいほど、算出されるSOx濃度は高いことになる。
<第1実施形態のスイープ速度>
第1実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧の上昇速度または低下速度(スイープ速度)が速すぎると、印加電圧が低下されたとしても、ピーク値が出力されなかったり、SOx濃度に十分に対応するピーク値が出力されなかったりする可能性がある。そこで、第1実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧が低下されたときにSOx濃度に十分に対応するピーク値が出力される印加電圧の上昇速度と低下速度とが選択されると好ましい。
具体的には、図9(A)に示されているように、印加電圧の上昇速度が徐々に減少するように印加電圧が上昇された後、印加電圧の低下速度が徐々に増大するように印加電圧が低下されると好ましい。あるいは、図9(B)に示されているように、印加電圧の上昇速度が一定に維持されるように印加電圧が上昇された後、印加電圧の低下速度が一定に維持されるように印加電圧が低下されると好ましい。
さらに具体的には、第1実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇された後、0.8Vから0.4Vまで低下されるまでの印加電圧の変化を周波数で表したとき、この周波数は、100Hz以下であることが好ましい。別の言い方をすると、印加電圧の上昇が開始されてから印加電圧の低下が終了されるまでの時間が0.005秒以上であることが好ましい。
<SOx検出回路の構成1>
なお、内燃機関が図1の限界電流式センサ(2セルタイプ限界電流式センサ)を有する場合、SOx検出回路として、たとえば、図10(A)に示されている回路が採用される。図10(A)において、10は限界電流式センサ(すなわち、図1の限界電流式センサ)、14はヒータ、15はポンプセル、16はセンサセル、90はECU、91は印加電圧指令部、92はパラメータ算出部、93はヒータ制御部、94Pおよび94Sは印加電圧制御回路、95Pおよび95Sは出力電流検出回路をそれぞれ示している。
印加電圧指令部91、パラメータ算出部92、および、ヒータ制御部93は、ECU90の構成要素である。
印加電圧指令部91は、ポンプセル15への印加電圧に関する指令を印加電圧制御回路94Pに送信するとともに、センサセル16への印加電圧に関する指令を印加電圧制御回路94Sに送信する。
パラメータ算出部92は、ポンプセル出力電流に対応する信号を出力電流検出回路95Pから受信し、この受信した信号に基づいてポンプセル出力電流を算出し、この算出した出力電流に基づいて排気の空燃比(または、排気中の酸素濃度)を算出する。さらに、パラメータ算出部92は、センサセル出力電流に対応する信号を出力電流検出回路95Sから受信し、この受信した信号に基づいてセンサセル出力電流を算出し、この算出した出力電流に基づいて排気中のSOx濃度を算出する。さらに、パラメータ算出部92は、出力電流検出回路95P、95Sから受信した信号に基づいてセンサ10内の回路のインピーダンスを算出し、この算出したインピーダンスに関する情報をヒータ制御部93に送信する。ヒータ制御部93は、パラメータ算出部92から受信したインピーダンスに関する情報に基づいてヒータ14を制御する制御信号をヒータ14に送信する。
印加電圧制御回路94Pは、印加電圧指令部91から受信した指令に基づいて(あるいは、印加電圧指令部91から受信した指令、および、出力電流検出回路95Pから提供されるポンプセル出力電流に対応する信号に基づいて)ポンプセル印加電圧を制御する。
出力電流検出回路95Pは、ポンプセル出力電流を検出し、この検出した出力電流に対応する信号をパラメータ算出部92および印加電圧制御回路94Pに送信する。
印加電圧制御回路94Sは、印加電圧指令部91から受信した指令に基づいて(あるいは、印加電圧指令部91から受信した指令、および、出力電流検出回路95Sから提供されるセンサセル出力電流に対応する信号に基づいて)センサセル印加電圧を制御する。
出力電流検出回路95Sは、センサセル出力電流を検出し、この検出した出力電流に対応する信号をパラメータ算出部92および印加電圧制御回路94Sに送信する。
<SOx検出回路の構成2>
また、内燃機関が図5の限界電流式センサ(1セルタイプ限界電流式センサ)を有する場合のSOx検出回路として、たとえば、図10(B)に示されている回路が採用される。図10(B)において、30は限界電流式センサ(すなわち、図5の限界電流式センサ)、34はヒータ、35はセンサセル、90はECU、91は印加電圧指令部、92はパラメータ算出部、93はヒータ制御部、94は印加電圧制御回路、95は出力電流検出回路をそれぞれ示している。
印加電圧指令部91、パラメータ算出部92、および、ヒータ制御部93は、ECU90の構成要素である。
印加電圧指令部91は、センサセル35への印加電圧に関する指令を印加電圧制御回路94に送信する。
パラメータ算出部92は、センサセル出力電流に対応する信号を出力電流検出回路95から受信し、この受信した信号に基づいてセンサセル出力電流を算出し、この算出した出力電流に基づいて排気の空燃比(または、排気中の酸素濃度)あるいは排気中のSOx濃度を算出する。さらに、パラメータ算出部92は、出力電流検出回路95から受信した信号に基づいてセンサ30内の回路のインピーダンスを算出し、この算出したインピーダンスに関する情報をヒータ制御部93に送信する。ヒータ制御部93は、パラメータ算出部92から受信したインピーダンスに関する情報に基づいてヒータ34を制御する制御信号をヒータ14に送信する。
印加電圧制御回路94は、印加電圧指令部91から受信した指令に基づいて(あるいは、印加電圧指令部91から受信した指令、および、出力電流検出回路95から提供されるセンサセル出力電流に対応する信号に基づいて)センサセル印加電圧を制御する。
出力電流検出回路95は、センサセル出力電流を検出し、この検出した出力電流に対応する信号をパラメータ算出部92および印加電圧制御回路94に送信する。
<SOx濃度検出フロー>
上述した第1実施形態のSOx濃度検出フローの一例について説明する。このフローが図11に示されている。
図11のフローが開始されたときには、印加電圧が0.4Vに維持されている。そして、ステップ10において、印加電圧Vsが0.4Vから0.8Vに向かって上昇される。次いで、ステップ11において、印加電圧Vsが0.8Vに達した(Vs=0.8V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.8Vであると判別されたときには、フローはステップ12に進む。一方、Vs=0.8Vではないと判別されたときには、フローはステップ10に戻る。したがって、ステップ11においてVs=0.8Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇が継続される。
ステップ12では、印加電圧Vsが0.8Vから0.4Vに向かって低下されるとともに、出力電流Isが検出される。次いで、ステップ13において、印加電圧Vsが0.4Vに達した(Vs=0.4V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.4Vであると判別されたときには、フローはステップ14に進む。一方、Vs=0.4Vではないと判別されたときには、フローはステップ12に戻る。したがって、ステップ13においてVs=0.4Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの低下と出力電流Isの検出とが継続される。
ステップ14では、ステップ12で検出された出力電流Isのうち、ピーク値に基づいてSOx濃度Csoxが算出され、フローが終了する。
<センサ搭載位置>
また、排気中の成分を浄化する触媒が排気管に設けられている場合、排気中のSOxが触媒に捕捉される可能性がある。この場合、限界電流式センサが触媒下流の排気管に取り付けられていると、SOx濃度が精度良く検出されない可能性がある。そこで、上述した実施形態において、触媒が排気管に設けられている場合、限界電流式センサが触媒上流の排気管に取り付けられていることが好ましい。
<第1実施形態のS被毒回復制御>
第1実施形態のS被毒回復制御について説明する。この制御は、センサ10、30のS被毒を回復させる制御である。S被毒とは、排気中のSOxによるセンサ10、30(より具体的には、第1センサ電極16A、35A)の劣化である。
第1実施形態では、印加電圧が定常的に0.4Vに維持されている。すなわち、センサに定常的に0.4Vが印加されている。そして、S被毒回復が要求されると、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇され、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される。これによれば、センサのS被毒が小さくなり、この制御が繰り返されることによって、やがては、センサのS被毒が回復される。
<第1実施形態のS被毒回復完了判定>
第1実施形態のS被毒回復完了判定について説明する。この判定は、上記S被毒回復制御の実施によって、センサのS被毒回復が完了したか否かの判定である。
この判定では、上記S被毒回復制御が1回実施されたときに、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.4Vまで低下するまでの間の出力電流のうち、印加電圧の上昇開始前の出力電流以上である出力電流の軌跡と、印加電圧の上昇開始前の出力電流と、によって囲まれる領域の面積(図12の領域Arの面積)が「参照面積」として算出されるとともに、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.4Vまで低下するまでの間の出力電流のうち、印加電圧の上昇開始前の出力電流よりも小さい出力電流の軌跡と、印加電圧の上昇開始前の出力電流と、によって囲まれる領域の面積(図12の領域Asの面積)が「S被毒面積」として算出される。そして、参照面積に対するS被毒面積の比(=S被毒面積/参照面積)が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定される。
<第1実施形態のS被毒回復完了判定の利点>
第1実施形態のS被毒回復完了判定によれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。以下、この理由について説明する。
センサが内燃機関の排気に晒されると、センサがS被毒することがある。センサがS被毒している場合、図12に示されているように、印加電圧が0.4Vから0.8Vに上昇された後に0.4Vまで低下されたとき、参照面積は、センサがS被毒されていない場合の参照面積とはさほど異ならないにもかかわらず、S被毒面積は、センサがS被毒されていない場合のS被毒面積よりも大きくなることが、本願の発明者らの研究によって明らかになった。つまり、センサがS被毒している場合の参照面積に対するS被毒面積の比(以下「面積比」)は、センサがS被毒していない場合の面積比よりも大きくなることが明らかになった。
したがって、前記所定判定値を適切な値に設定しておけば、面積比が所定判定値以下である場合にS被毒回復が完了したと判定することによって、S被毒回復の完了を正確に判定することができるのである。
<第1実施形態の適用範囲>
なお、面積比が所定判定値以下であることは、言い換えれば、S被毒面積が参照面積から定まる値以下であることを意味する。したがって、第1実施形態のS被毒回復完了判定では、S被毒回復制御が1回実施されたときに、S被毒面積が所定判定値(第1実施形態では、参照面積から定まる値)以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
なお、この場合、所定判定値は、参照面積から定まる値であるが、参照面積に依らず、S被毒面積に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値とS被毒面積とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第1実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が1回実施されたときに、S被毒面積が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
また、S被毒面積は、センサのS被毒の程度が反映される面積(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される面積、あるいは、センサのS被毒の影響が参照面積に比べて大きい面積)であると言える。そして、S被毒面積は、印加電圧が低下する間の出力電流(以下「低下時出力電流」)を用いて算出される。したがって、低下時出力電流も、センサのS被毒の程度が反映される出力電流(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流、あるいは、センサのS被毒の影響が上昇時出力電流に比べて大きい出力電流)であると言える。したがって、低下時出力電流に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と低下時出力電流とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第1実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が1回実施されたときに、センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、あるいは、同一条件において低下時出力電流が所定判定値(この所定判定値は、上昇時出力電流から定まる値である)以下である場合)、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
<第1実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フロー>
第1実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例について説明する。このフローが図13に示されている。
図13のフローが開始されたときには、印加電圧が0.4Vに維持されている。そして、ステップ20において、S被毒回復要求フラグFsがセットされている(Fs=1)か否かが判別される。このフラグFsは、S被毒回復制御の実施が要求されたときにセットされ、S被毒回復が完了したときにリセットされる。ステップ20において、Fs=1ではないと判別されたときには、フローはそのまま終了する。一方、Fs=1であると判別されたときには、フローはステップ21に進み、印加電圧Vsが0.4Vから0.8Vに向かって上昇されるとともに、出力電流Isが検出される。次いで、ステップ22において、印加電圧Vsが0.8Vに達した(Vs=0.8V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.8Vであると判別されたときには、フローはステップ23に進む。一方、Vs=0.8Vではないと判別されたときには、フローはステップ21に戻る。したがって、ステップ22においてVs=0.8Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇が継続される。
ステップ23では、印加電圧Vsが0.8Vから0.4Vに向かって低下されるとともに、出力電流Isが検出される。次いで、ステップ24において、印加電圧Vsが0.4Vに達した(Vs=0.4V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.4Vであると判別されたときには、フローはステップ25に進む。一方、Vs=0.4Vではないと判別されたときには、フローはステップ23に戻る。したがって、ステップ24においてVs=0.4Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの低下と出力電流Isの検出とが継続される。
ステップ25では、面積比Rsが所定判定値Rsth以下である(Rs≦Rsth)か否かが判別される。ここで、面積比Rsは、参照面積Siに対するS被毒面積Sdの比(=Sd/Si)である。ここで、参照面積Siは、ステップ21で検出された出力電流Isを用いて算出される。S被毒面積Sdは、ステップ23で検出された出力電流Isを用いて算出される。ステップ25において、Rs≦Rsthであると判別されたときには、フローはステップ26に進み、S被毒回復要求フラグFsがリセットされ、その後、フローは終了する。一方、Rs≦Rsthではないと判別されたときには、フローはステップ21に戻る。したがって、ステップ25においてRs≦Rsthであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇と低下とが実施される。つまり、S被毒回復制御が実施される。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第2実施形態の構成および制御は、それぞれ、第1実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第2実施形態の構成または制御に鑑みたときに第1実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第2実施形態のS被毒回復完了判定>
第2実施形態のS被毒回復完了判定では、上記S被毒回復制御が1回実施されたときに、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇する間の出力電流のピーク値(図12の出力電流Ispi)が「上昇時ピーク値」として算出されるとともに、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下する間の出力電流のピーク値(図12の出力電流Ispd)が「低下時ピーク値」として算出される。そして、上昇時ピーク値に対する低下時ピーク値の比(=低下時ピーク値/上昇時ピーク値)の絶対値が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定される。
<第2実施形態のS被毒回復完了判定の利点>
第2実施形態のS被毒回復完了判定によれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。以下、この理由について説明する。
センサがS被毒している場合、図12に示されているように、印加電圧が0.4Vから0.8Vに上昇された後に0.4Vまで低下されたとき、上昇時ピーク値は、センサがS被毒されていない場合の上昇時ピーク値とはさほど異ならないにもかかわらず、低下時ピーク値の絶対値は、センサがS被毒されていない場合の低下時ピーク値の絶対値よりも大きくなることが、本願の発明者らの研究によって明らかになった。つまり、センサがS被毒している場合の上昇時ピーク値に対する低下時ピーク値の比(以下「ピーク比」)の絶対値は、センサがS被毒していない場合のピーク比の絶対値よりも大きくなることが明らかになった。
したがって、前記所定判定値を適切な値に設定しておけば、ピーク比の絶対値が所定判定値以下である場合にS被毒回復が完了したと判定することによって、S被毒回復の完了を正確に判定することができるのである。
<第2実施形態の適用範囲>
なお、ピーク比の絶対値が所定判定値以下であることは、言い換えれば、低下時ピーク値の絶対値が上昇時ピーク値から定まる値以下であることを意味する。したがって、第2実施形態のS被毒回復完了判定では、S被毒回復制御が1回実施されたときに、低下時ピーク値の絶対値が所定判定値(第2実施形態では、上昇時ピーク値から定まる値)以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
なお、この場合、所定判定値は、上昇時ピーク値から定まる値であるが、上昇時ピーク値に依らず、低下時ピーク値の絶対値に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と低下時ピーク値の絶対値とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第2実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が1回実施されたときに、低下時ピーク値の絶対値が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
また、低下時ピーク値の絶対値は、センサのS被毒の程度が反映される値(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される値、あるいは、センサのS被毒の影響が上昇時ピーク値に比べて大きい値)であると言える。そして、低下時ピーク値は、印加電圧が低下する間の出力電流(以下「低下時出力電流」)である。したがって、低下時出力電流も、センサのS被毒の程度が反映される出力電流(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流、あるいは、センサのS被毒の影響が上昇時出力電流に比べて大きい出力電流)であると言える。したがって、低下時出力電流に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と低下時出力電流とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第2実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が1回実施されたときに、センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、あるいは、同一条件において低下時出力電流が所定判定値(この所定判定値は、上昇時出力電流から定まる値である)以下である場合)、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
<第2実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フロー>
第2実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例について説明する。このフローが図14に示されている。なお、図14のフローのステップ30〜34は、図13のフローのステップ20〜ステップ24と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
ステップ35では、ピーク比の絶対値|Rp|が所定判定値Rpth以下である(|Rp|≦Rpth)か否かが判別される。ここで、ピーク比Rpは、上昇時ピーク値Ispiに対する低下時ピーク値Ispdの比(=Ispd/Ispi)である。ステップ35において、|Rp|≦Rpthであると判別されたときには、フローはステップ36に進み、S被毒回復要求フラグFsがリセットされ、その後、フローは終了する。一方、|Rp|≦Rpthではないと判別されたときには、フローはステップ31に戻る。したがって、ステップ35において|Rp|≦Rpthであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇と低下とが実施される。つまり、S被毒回復制御が実施される。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第3実施形態の構成および制御は、それぞれ、上記実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第3実施形態の構成または制御に鑑みたときに上記実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第3実施形態のS被毒回復完了判定>
第3実施形態のS被毒回復完了判定では、上記S被毒回復制御が複数回実施された場合、連続して実施された2回の上記S被毒回復制御のうち、先に実施されたS被毒回復制御における参照面積(図12の領域Arの面積)が「先の参照面積」として算出されるとともに、先に実施されたS被毒回復制御におけるS被毒面積(図12の領域Asの面積)が「先のS被毒面積」として算出される。そして、先の参照面積に対する先のS被毒面積の比(=先のS被毒面積/先の参照面積)が「先の面積比」として算出される。
さらに、後に実施されたS被毒回復制御における参照面積(図12の領域Arの面積)が「後の参照面積」として算出されるとともに、後に実施されたS被毒回復制御におけるS被毒面積(図12の領域Asの面積)が「後のS被毒面積」として算出される。そして、後の参照面積に対する後のS被毒面積の比(=後のS被毒面積/後の参照面積)が「後の面積比」として算出される。
そして、先の面積比からの後の面積比の変動量(=先の面積比−後の面積比)が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定される。
<第3実施形態のS被毒回復完了判定の利点>
第3実施形態のS被毒回復完了判定によれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。以下、この理由について説明する。
後の面積比は、先のS被毒回復制御が実施された後の出力電流に基づいて算出される。したがって、後の面積比が算出されるときには、先の面積比が算出されたときに比べて、センサのS被毒の程度が小さくなっている。さらに、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が大きいほど、当該先のS被毒回復制御の実施によってセンサのS被毒の程度が大きく低下する。すなわち、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が大きいほど、先の面積比からの後の面積比の変動量(以下「面積比変動量」)は大きい。言い換えれば、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が非常に小さいと、面積比変動量は非常に小さい。そして、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が非常に小さい場合、後のS被毒回復制御の実施によって、センサのS被毒回復が完了する可能性が極めて高い。
したがって、前記所定判定値を適切な値に設定しておけば、面積比変動量が所定判定値以下である場合にS被毒回復が完了したと判定することによって、S被毒回復の完了を正確に判定することができるのである。
<第3実施形態の適用範囲>
なお、面積比変動量が所定判定値以下であることは、言い換えれば、後の面積比が先の面積比から定まる値以下であることを意味する。したがって、第3実施形態のS被毒回復完了判定では、S被毒回復制御が2回実施されたときに、後の面積比が所定判定値(第3実施形態では、先の面積比から定まる値)以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
なお、この場合、所定判定値は、先の面積比から定まる値であるが、先の面積比に依らず、後の面積比に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と後の面積比とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第3実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が2回実施されたときに、後の面積比が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
また、後の面積比は、センサのS被毒の程度が反映される面積比(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される値、あるいは、同一条件において先の面積比に比べてセンサのS被毒の最新の影響を表す値)であると言える。そして、後の面積比は、印加電圧が低下する間の出力電流(以下「後の低下時出力電流」)を用いて算出される。したがって、後の低下時出力電流も、センサのS被毒の程度が反映される出力電流(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流、あるいは、同一条件において先の低下時出力電流(すなわち、先の面積比に算出に用いられる低下時出力電流)に比べてセンサのS被毒の最新の影響を表す出力電流)であると言える。したがって、低下時出力電流に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と低下時出力電流とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第3実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が2回実施されたときに、センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、あるいは、同一条件において後の低下時出力電流が所定判定値(この所定判定値は、先の低下時出力電流から定まる値である)以下である場合)、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
<追加のS被毒回復制御>
なお、第3実施形態において、空燃比変動量が所定値以上である場合、あるいは、出力電流の変動量(すなわち、先のS被毒被毒回復制御の実施時の低下時ピーク値からの後のS被毒回復制御の実施時の低下時ピーク値の変動量)が所定値以上である場合、上述した印加電圧の制御によるS被毒回復制御以外の制御によって、S被毒の回復を実施するようにしてもよい。この制御は、たとえば、上述した印加電圧の制御によるS被毒回復制御を複数回実施したにもかかわらず、空燃比変動量が所定値以上である場合に実施されると、特に有効である。
<第3実施形態のS被毒回復完了判定フロー>
第3実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例について説明する。このフローが図15に示されている。なお、図15のフローのステップ40〜ステップ44は、図13のフローのステップ20〜ステップ24と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
ステップ45では、S被毒回復制御カウンタNがカウントアップされる。このカウンタNは、S被毒回復制御が1回実施される毎にカウントアップされ、S被毒回復制御が連続して2回実施された後にカウントダウンされ、S被毒回復が完了したと判定されたときにリセットされる。
次いで、ステップ46において、カウンタNが「2」に達した(N=2)か否かが判別される。ここで、N=2であると判別されたときには、フローはステップ47に進む。一方、N=2ではないと判別されたときには、フローはステップ41に戻る。したがって、ステップ46においてN=2であると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇と低下とが実施される。つまり、S被毒回復制御が実施される。
ステップ47では、カウンタNがカウントダウンされる。次いで、ステップ48において、面積比変動量ΔRsが所定判定値ΔRsth以下である(ΔRs≦ΔRsth)か否かが判別される。ここで、面積比変動量ΔRsは、先の面積比Rs1からの後の面積比Rs2の変動量(=Rs1−Rs2)である。ここで、先の面積比Rs1は、前々回のS被毒回復制御の実施時にステップ41およびステップ43で検出された出力電流Isを用いて算出される。後の面積比Rs2は、前回のS被毒回復制御の実施時にステップ41およびステップ43で検出された出力電流Isを用いて算出される。ステップ48において、ΔRs≦ΔRsthであると判別されたときには、フローはステップ49に進み、S被毒回復要求フラグFsおよびカウンタNがリセットされ、その後、フローは終了する。一方、ΔRs≦ΔRsthではないと判別されたときには、フローはステップ41に戻る。したがって、ステップ48においてΔRs≦ΔRsthであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇と低下とが実施される。つまり、S被毒回復制御が実施される。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第4実施形態の構成および制御は、それぞれ、上記実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第4実施形態の構成または制御に鑑みたときに上記実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第4実施形態のS被毒回復完了判定>
第4実施形態のS被毒回復完了判定では、上記S被毒回復制御が複数回実施された場合、連続して実施された2回の上記S被毒回復制御のうち、先に実施されたS被毒回復制御における上昇時ピーク値(図12の出力電流Ispi)が「先の上昇時ピーク値」として算出されるとともに、先に実施されたS被毒回復制御における低下時ピーク値(図12の出力電流Ispd)が「先の低下時ピーク値」として算出される。そして、先の上昇時ピーク値に対する先の低下時ピーク値の比(=先の低下時ピーク値/先の上昇時ピーク値)が「先のピーク比」として算出される。
さらに、後に実施されたS被毒回復制御における上昇時ピーク値(図12の出力電流Ispi)が「後の上昇時ピーク値」として算出されるとともに、後に実施されたS被毒回復制御における低下時ピーク値(図12の出力電流Ispd)が「後の低下時ピーク値」として算出される。そして、後の上昇時ピーク値に対する後の低下時ピーク値の比(=後の低下時ピーク値/後の上昇時ピーク値)が「後のピーク比」として算出される。
そして、先のピーク比からの後のピーク比の変動量(=先のピーク比−後のピーク比)が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定される。
<第4実施形態のS被毒回復完了判定の利点>
第4実施形態のS被毒回復完了判定によれば、センサのS被毒回復の完了を正確に判定することができる。以下、この理由について説明する。
後のピーク比は、先のS被毒回復制御が実施された後の出力電流に基づいて算出される。したがって、後のピーク比が算出されるときには、先のピーク比が算出されたときに比べて、センサのS被毒の程度が小さくなっている。さらに、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が大きいほど、当該先のS被毒回復制御の実施によってセンサのS被毒の程度が大きく低下する。すなわち、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が大きいほど、先のピーク比からの後のピーク比の変動量(以下「ピーク比変動量」)は大きい。言い換えれば、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が非常に小さいと、ピーク比変動量は非常に小さい。そして、先のS被毒回復制御が実施されるときのセンサのS被毒の程度が非常に小さい場合、後のS被毒回復制御の実施によって、センサのS被毒回復が完了する可能性が極めて高い。
したがって、前記所定判定値を適切な値に設定しておけば、ピーク比変動量が所定判定値以下である場合にS被毒回復が完了したと判定することによって、S被毒回復の完了を正確に判定することができるのである。
<第4実施形態の適用範囲>
なお、ピーク比変動量が所定判定値以下であることは、言い換えれば、後のピーク比が先のピーク比から定まる値以下であることを意味する。したがって、第4実施形態のS被毒回復完了判定では、S被毒回復制御が2回実施されたときに、後のピーク比が所定判定値(第4実施形態では、先のピーク比から定まる値)以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
なお、この場合、所定判定値は、先のピーク比から定まる値であるが、先のピーク比に依らず、後のピーク比に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と後のピーク比とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第4実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が2回実施されたときに、後のピーク比が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
また、後のピーク比は、センサのS被毒の程度が反映される値(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される値、あるいは、先のピーク比に比べてセンサのS被毒の最新の影響を表す値)であると言える。そして、後のピーク比は、印加電圧が低下する間の出力電流(以下「低下時出力電流」)を用いて算出される。したがって、低下時出力電流も、センサのS被毒の程度が反映される出力電流であると言える。したがって、低下時出力電流に基づいてS被毒回復が完了したと正確に判定するための所定判定値を予め定めることができる場合、この所定判定値と低下時出力電流とを用いて、S被毒回復の完了を判定することができる。したがって、第4実施形態のS被毒回復完了判定では、広くは、S被毒回復制御が2回実施されたときに、センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合(あるいは、センサのS被毒の度合が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、あるいは、同一条件において後の低下時出力電流が所定判定値(この所定判定値は、先の低下時出力電流から定まる値である)以下である場合)、S被毒回復が完了したと判定されるとも言える。
<追加のS被毒回復制御>
なお、第4実施形態において、ピーク比変動量が所定値以上である場合、あるいは、出力電流の変動量(すなわち、先のS被毒被毒回復制御の実施時の低下時ピーク値からの後のS被毒回復制御の実施時の低下時ピーク値の変動量)が所定値以上である場合、上述した印加電圧の制御によるS被毒回復制御以外の制御によって、S被毒の回復を実施するようにしてもよい。この制御は、たとえば、上述した印加電圧の制御によるS被毒回復制御を複数回実施したにもかかわらず、空燃比変動量が所定値以上である場合に実施されると、特に有効である。
<第4実施形態のS被毒回復完了判定フロー>
第4実施形態のS被毒回復制御・S被毒回復完了判定フローの一例について説明する。このフローが図16に示されている。なお、図16のフローのステップ50〜ステップ57は、図15のフローのステップ40〜ステップ47と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
ステップ58では、ピーク比変動量ΔRpが所定判定値ΔRpth以下である(ΔRp≦ΔRpth)か否かが判別される。ここで、ピーク比変動量ΔRpは、先のピーク比Rp1からの後のピーク比Rp2の変動量(=Rp1−Rp2)である。ここで、先のピーク比Rp1は、前々回のS被毒回復制御の実施時にステップ51およびステップ53で検出された出力電流Isのピーク値を用いて算出される。後のピーク比Rp2は、前回のS被毒回復制御の実施時にステップ51およびステップ53で検出された出力電流Isのピーク値を用いて算出される。ステップ58において、ΔRp≦ΔRpthであると判別されたときには、フローはステップ59に進み、S被毒回復要求フラグFsおよびカウンタNがリセットされ、その後、フローは終了する。一方、ΔRp≦ΔRpthではないと判別されたときには、フローはステップ51に戻る。したがって、ステップ58においてΔRp≦ΔRpthであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇と低下とが実施される。つまり、S被毒回復制御が実施される。
<S被毒回復完了判定のスイープ速度>
上記実施形態のS被毒回復完了判定(すなわち、S被毒回復制御)において、印加電圧の上昇速度または低下速度(スイープ速度)が速すぎると、印加電圧が低下されたとしても、ピーク値が出力されなかったり、SOx濃度に十分に対応するピーク値が出力されなかったりする可能性がある。そこで、上記実施形態のS被毒回復完了判定において、印加電圧が低下されたときにS被毒の程度に十分に対応するピーク値が出力される印加電圧の上昇速度と低下速度とが選択されると好ましい。
具体的には、図17(A)に示されているように、印加電圧の上昇速度が徐々に減少するように印加電圧が上昇された後、印加電圧の低下速度が徐々に増大するように印加電圧が低下されると好ましい。あるいは、図17(B)に示されているように、印加電圧の上昇速度が一定に維持されるように印加電圧が上昇された後、印加電圧の低下速度が一定に維持されるように印加電圧が低下されると好ましい。
さらに具体的には、上記実施形態のS被毒回復の完了判定において、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇された後、0.8Vから0.4Vまで低下されるまでの印加電圧の変化を周波数で表したとき、この周波数は、100Hz以下であることが好ましい。別の言い方をすると、印加電圧の上昇が開始されてから印加電圧の低下が終了されるまでの時間が0.005秒以上であることが好ましい。
<S被毒回復完了判定後のSOx濃度検出>
なお、上記実施形態に従ったS被毒回復制御の実施中は、SOx濃度検出が停止されている。そこで、S被毒回復が完了したと判定された場合、S被毒回復が完了したと判定されたときに用いられた低下時ピーク値を用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)するようにしてもよいし、S被毒回復が完了したと判定された後、印加電圧を0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.8Vから0.4Vまで低下し、このときの低下時ピーク値を用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)するようにしてもよい。
<利点>
S被毒回復が完了したと判定されたときに用いられた低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出する場合、S被毒回復されたセンサによって、SOx濃度が検出されるので、SOx濃度を正確に検出することができる。さらに、S被毒回復制御の実施中(すなわち、S被毒回復完了判定の実施中)のピーク値を用いてSOx濃度が検出されるので、S被毒回復後(すなわち、S被毒回復完了判定後)、より早く、SOx濃度を検出することができる。
一方、S被毒回復が完了したと判定された後、印加電圧を0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.8Vから0.4Vまで低下し、このときの低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出する場合、S被毒回復されたセンサによって、SOx濃度が検出されるので、SOx濃度を正確に検出することができる。さらに、S被毒回復制御とは別個に(すなわち、S被毒回復完了判定とは別個に)SOx濃度が検出されるので、SOx濃度をより正確に検出することができる。
なお、S被毒回復が完了したと判定されたときに用いられた低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出する場合、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量が所定判定値以下である場合にS被毒回復の完了との判定を行うことなく、所定判定値以下となった面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量の算出に用いられた低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出するようにしてもよい。この場合、S被毒回復が完了したからこそ、SOx濃度の検出を行うのであるから、この場合においても、実質的には、S被毒回復が完了したと判定しているものと捉えることもできる。
同様に、S被毒回復が完了したと判定された後、印加電圧を0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.8Vから0.4Vまで低下し、このときの低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出する場合、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量が所定判定値以下である場合にS被毒回復の完了との判定を行うことなく、印加電圧を0.4Vから0.8Vまで上昇した後に0.8Vから0.4Vまで低下し、このときの低下時ピーク値を用いてSOx濃度を検出するようにしてもよい。この場合、S被毒回復が完了したからこそ、SOx濃度の検出を行うのであるから、この場合においても、実質的には、S被毒回復が完了したと判定しているものと捉えることもできる。
<第5実施形態>
第5実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第5実施形態の構成および制御は、それぞれ、上記実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第5実施形態の構成または制御に鑑みたときに上記実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第5実施形態のSOx濃度検出・S被毒回復>
第5実施形態では、印加電圧が定常的に0.4Vに維持されている。そして、第5実施形態のSOx濃度検出では、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇され、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される。このとき、ECUは、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間に当該ECUに入力された出力電流のピーク値の絶対値がS被毒回復実施判定値以上であるか否かを判別する。ここで、ピーク値の絶対値がS被毒回復実施判定値以上である場合、ECUは、S被毒回復制御を実施する。一方、ピーク値の絶対値がS被毒回復実施判定値よりも小さい場合、ECUは、ピーク値と参照電流とを用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)する。
<S被毒回復実施判定値>
なお、第5実施形態のS被毒回復実施判定値は、たとえば、以下のように設定される。排気中のSOxの硫黄分が第1センサ電極に付着することがある。この付着S量(すなわち、第1センサ電極に付着している硫黄の量)が多くなると、前記ピーク値の絶対値が大きくなることが本願の発明者らの研究により判明している。そして、この付着S量が非常に多い場合、限界電流式センサの検出精度(特に、SOx濃度の検出精度)が低下する可能性がある。したがって、付着S量が多い場合、第1センサ電極に付着している硫黄を除去すること(すなわち、S被毒回復制御を実施すること)が好ましい。そこで、第5実施形態のS被毒回復実施判定値は、たとえば、S被毒回復制御の実施が必要とされる場合におけるピーク値の絶対値(すなわち、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間にECUに入力された出力電流のピーク値の絶対値)に設定される。
<第5実施形態のSOx濃度検出装置の利点>
第5実施形態のSOx濃度検出装置によれば、S被毒によってセンサの検出精度が低下している可能性がある場合、S被毒回復制御が実施される。言い換えれば、S被毒によるセンサの検出精度の低下が生じている可能性がない場合に限り、SOx濃度の検出が実施される。このため、第5実施形態のSOx濃度検出装置によれば、SOx濃度をより精度良く検出することができる。
<第5実施形態のSOx濃度検出フロー>
第5実施形態のSOx濃度検出フローの一例について説明する。このフローが図18に示されている。
図18のフローが開始されたときには、印加電圧が0.4Vに維持されている。そして、ステップ60において、印加電圧Vsが0.4Vから0.8Vに向かって上昇される。次いで、ステップ61において、印加電圧Vsが0.8Vに達した(Vs=0.8V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.8Vであると判別されたときには、フローはステップ62に進む。一方、Vs=0.8Vではないと判別されたときには、フローはステップ60に戻る。したがって、ステップ61においてVs=0.8Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの上昇が継続される。
ステップ62では、印加電圧Vsが0.8Vから0.4Vに向かって低下されるとともに、出力電流Isが検出される。次いで、ステップ63において、印加電圧Vsが0.4Vに達した(Vs=0.4V)か否かが判別される。ここで、Vs=0.4Vであると判別されたときには、フローはステップ64に進む。一方、Vs=0.4Vではないと判別されたときには、フローはステップ62に戻る。したがって、ステップ63においてVs=0.4Vであると判別されるまで、印加電圧Vsの低下と出力電流Isの検出とが継続される。
ステップ64では、ステップ62で検出された出力電流Isのうち、ピーク値の絶対値|Isp|がS被毒回復実施判定値Ispths以上である(|Isp|≧Ispths)か否かが判別される。ここで、|Isp|≧Ispthsであると判別されたときには、フローはステップ65に進み、S被毒回復要求フラグFsがセットされ、その後、フローは終了する。この場合、S被毒回復要求フラグFsがセットされたので、S被毒回復制御が実施されることになる。一方、|Isp|≧Ispthsではないと判別されたときには、フローはステップ66に進み、ステップ62で検出された出力電流Isのうち、ピーク値に基づいてSOx濃度Csoxが算出され、その後、フローは終了する。
<吸気量補正>
なお、S被毒回復制御の実施中、吸入空気量(すなわち、燃焼室に吸入される空気の量であり、この量は、センサに到来する排気の量に等しい)が多いほど、S被毒の回復速度が速くなる。そこで、上記S被毒回復完了判定において、第1実施形態の面積比、第2実施形態のピーク比、第3実施形態の面積比変動量、または、第4実施形態のピーク比変動量を、吸入空気量によって補正し、この補正後の面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量を用いて、S被毒回復完了判定を実施するようにしてもよい。
より具体的には、第1実施形態において、たとえば、面積比を吸入空気量で除した値(=面積比/吸入空気量)を面積比として用いたり、参照面積を吸入空気量で除した値(=参照面積/吸入空気量)を参照面積として用いたり、S被毒面積を吸入空気量で除した値(=S被毒面積/吸入空気量)をS被毒面積として用いたりしてもよい。
また、第2実施形態において、たとえば、ピーク比を吸入空気量で除した値(=ピーク比/吸入空気量)をピーク比として用いたり、上昇時ピーク値を吸入空気量で除した値(=上昇時ピーク値/吸入空気量)を上昇時ピーク値として用いたり、低下時ピーク値を吸入空気量で除した値(=低下時ピーク値/吸入空気量)を低下時ピーク値として用いたりしてもよい。
また、第3実施形態において、たとえば、面積比変動量を吸入空気量で除した値(=面積比変動量/吸入空気量)を面積比変動量として用いたり、先の面積比を吸入空気量で除した値(=先の面積比/吸入空気量)を先の面積比として用いたり、後の面積比を吸入空気量で除した値(=後の面積比/吸入空気量)を後の面積比として用いたりしてもよい。
また、第4実施形態において、たとえば、ピーク比変動量を吸入空気量で除した値(=ピーク比変動量/吸入空気量)をピーク比変動量として用いたり、先のピーク比を吸入空気量で除した値(=先のピーク比/吸入空気量)を先のピーク比として用いたり、後のピーク比を吸入空気量で除した値(=後のピーク比/吸入空気量)を後のピーク比として用いたりしてもよい。
なお、排気量としては、S被毒回復制御の実施中のトータルの排気量を採用してもよいし、S被毒回復制御の実施中の平均の排気量を採用してもよい。
なお、上記実施形態において、S被毒回復の完了判定に「比」を用いる場合、吸入空気量に応じたS被毒の回復速度の差異が相殺されるので、上述した吸入空気量に基づいた補正を行わなくてもよい。
また、第3実施形態および第4実施形態では、先のS被毒回復制御の実施時の吸入空気量と、後のS被毒回復制御の実施時の吸入空気量と、が異なることがある。したがって、これら実施形態では、上述した吸入空気量に基づいた補正を行うことが好ましい。
<吸入空気量に基づいた補正の利点>
上述した吸入空気量に基づいた補正を行うことによって、S被毒回復の完了をより正確に判定することができる。
<センサ素子温度>
なお、上述した実施形態のSOx濃度検出において、印加電圧が低下されたときにSOx濃度に対応する電流がセンサから出力される理由は、センサセルにおいてSOxに関連する反応が生じていることであると推察される。一方、この反応は、センサセルの温度の影響を大きく受ける。したがって、排気中のSOx濃度が極めて低いことを考慮すれば、センサセルの温度が一定に維持されていることが好ましい。そこで、上述した実施形態において、SOx濃度検出の実施時には、センサセルの温度が一定に維持されるように、ヒータが制御されるようにしてもよい。これによれば、SOx濃度がより精度高く検出される。
同様に、上述した実施形態のS被毒回復制御またはS被毒回復完了判定において、センサセルの温度が一定に維持されていることが好ましい。
<第6実施形態>
第6実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第6実施形態の構成および制御は、それぞれ、上記実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第6実施形態の構成または制御に鑑みたときに上記実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第6実施形態のSOx濃度検出・燃料性状異常警告>
第6実施形態では、印加電圧が定常的に0.4Vに維持されている。そして、第6実施形態のSOx濃度検出では、印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇され、その後、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される。このとき、ECUは、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間に当該ECUに入力された出力電流のピーク値の絶対値が警報判定値以上であるか否かを判別する。ここで、ピーク値の絶対値が警報判定値以上である場合、ECUは、燃料性状の異常を警告する。一方、ピーク値の絶対値が警報判定値よりも小さい場合、ECUは、ピーク値と参照電流とを用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)する。
<第6実施形態の警報判定値>
なお、第6実施形態の警報判定値は、たとえば、以下のように設定される。上述したように、排気中のSOxの硫黄分が第1センサ電極に付着することがあり、この付着S量が多くなると、前記ピーク値の絶対値が大きくなることが本願の発明者らの研究により判明している。そして、この付着S量が非常に多い場合、限界電流式センサの検出精度(特に、SOx濃度の検出精度)が低下する可能性がある。ここで、付着S量が多くなる原因の1つとして、排気中のSOx濃度が高いことが挙げられる。そして、燃料中の硫黄成分濃度が高いと、排気中のSOx濃度が高い。そして、燃料中の硫黄成分濃度が許容できない程度に高く、したがって、燃料性状が異常である可能性がある場合、その旨を警告することが好ましい。
そこで、第6実施形態の警報判定値は、たとえば、燃料性状が許容可能な範囲の性状ではない場合(特に、燃料中のS濃度が許容可能な濃度よりも高い場合)におけるピーク値の絶対値(すなわち、印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間にECUに入力された出力電流のピーク値の絶対値)の最小値以上の適宜選択される値に設定される。
なお、第6実施形態の警報判定値は、第5実施形態のS被毒回復実施判定値と同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
<第6実施形態のSOx濃度検出の利点>
第6実施形態のSOx濃度検出によれば、燃料性状が異常である可能性がある場合、その旨が警告されるので、SOx濃度検出装置の利用者は、燃料性状が異常である可能性があることを知ることができる。
<第6実施形態のSOx濃度検出フロー>
第6実施形態のSOx濃度検出フローの一例について説明する。このフローが図19に示されている。なお、図19のフローの70〜ステップ73は、図18のフローのステップ60〜ステップ63と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
ステップ74では、ステップ72で検出された出力電流Isのうち、ピーク値の絶対値|Isp|が警報判定値Ispthaよりも大きい(|Isp|>Isptha)か否かが判別される。ここで、|Isp|>Ispthaであると判別されたときには、フローはステップ75に進み、燃料性状異常が警告され、その後、フローは終了する。一方、|Isp|>Ispthaではないと判別されたときには、フローはステップ76に進み、ステップ72で検出された出力電流Isのうち、ピーク値に基づいてSOx濃度Csoxが算出され、その後、フローは終了する。
<第7実施形態>
第7実施形態について説明する。なお、以下で説明されない第7実施形態の構成および制御は、それぞれ、上記実施形態の構成および制御と同じであるか、あるいは、以下で説明する第7実施形態の構成または制御に鑑みたときに上記実施形態の構成または制御から当然に導き出される構成および制御である。
<第7実施形態のSOx濃度検出・空燃比検出>
第1実施形態では、印加電圧が定常的に0.4Vに維持されている。すなわち、センサセルに定常的に0.4Vが印加されている。ここで、0.4Vの電圧は、図2に示されている電圧Vth以上の電圧であって、且つ、排気の空燃比が一定である場合においてセンサセル印加電圧に依らずセンサセル出力電流が一定となる電圧である。
そして、第7実施形態のSOx濃度・空燃比検出では、ECUは、センサセルに定常的に0.4Vが印加されているときのセンサセル出力電流に基づいて図2に示されている関係から空燃比を算出(すなわち、検出)する。
一方、SOx濃度の検出が要求された場合には、センサセル印加電圧が0.4Vから0.8Vまで上昇され、その後、センサセル印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される。このとき、ECUは、センサセル印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下される間に当該ECUに入力された出力電流のピーク値と参照電流とを用いてSOx濃度を算出(すなわち、検出)する。
また、センサセル印加電圧が0.8Vから0.4Vまで低下された後も、ECUは、センサセル出力電流に基づいて図2に示されている関係から空燃比を算出(すなわち、検出)する。もちろん、このときには、センサセル印加電圧は、0.4Vに維持されている。
なお、第7実施形態のSOx濃度・空燃比検出に、2セルタイプの限界電流式センサが利用される場合において、空燃比の検出を実施するときには、ポンプセル15の印加電圧は、零とされる。
<第7実施形態のSOx濃度検出装置の利点>
第7実施形態によれば、排気の空燃比と排気中のSOx濃度とを1つのセンサによって検出することができる。
<センサ素子温度>
なお、印加電圧低下中において、センサセルにおけるSOxに関連する十分な反応に要求される温度(すなわち、SOx濃度の正確な検出、S被毒の十分な回復、および、S被毒回復完了の正確な判定に要求される温度)は、空燃比の正確な検出に要求される温度よりも高い。そこで、上記実施形態において、SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定の実施時の印加電圧低下中の温度を、空燃比検出の実施時の温度よりも高い温度に制御するようにしてもよい。より具体的には、たとえば、空燃比検出の実施時の温度を600℃とし、SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定の実施時の印加電圧低下中の温度を750℃としてもよい。
<SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定の実施条件>
また、センサを空燃比検出に利用している場合、上記SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定の実施中は、センサによって空燃比を検出することができない。したがって、センサによって検出される空燃比を内燃機関の空燃比制御に利用している場合、上記SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定の実施中は、内燃機関の空燃比を所望通りに制御することができない。
そこで、たとえば、機関始動後、センサ温度がその暖機温度に達したときに、上記SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定を実施するようにしてもよい。あるいは、機関始動後、センサ温度がその暖機温度に達した後であって、センサの活性判定を実施する前に、上記SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定を実施するようにしてもよい。あるいは、機関始動後、センサ温度がその暖機温度に達し、センサの活性判定を実施した後において、フューエルカット運転(すなわち、燃焼室への燃料の供給が停止されている運転)が実施されているときに、上記SOx濃度検出、S被毒回復制御、および、S被毒回復完了判定を実施するようにしてもよい。
<第7実施形態のSOx濃度・空燃比検出フロー>
第7実施形態のSOx濃度・空燃比検出フローの一例について説明する。このフローが図20に示されている。なお、図20のフローのステップ81〜ステップ84は、図13のフローのステップ11〜ステップ14と同じであるので、これらステップの説明は省略する。
図20のフローが開始されたときには、印加電圧が0.4Vに維持されている。そして、ステップ80において、SOx濃度検出フラグFsoxがセットされている(Fsox=1)か否かが判別される。このフラグFsoxは、排気中のSOx濃度の検出が要求されたときにセットされ、排気中のSOx濃度の検出が完了したときにリセットされるフラグである。ステップ80において、Fsox=1であると判別されたときには、フローはステップ81に進む。一方、Fsox=1ではないと判別されたときには、フローはステップ87に進む。
ステップ87では、出力電流Isが検出される。次いで、ステップ88において、ステップ87で検出された出力電流Isに基づいて空燃比A/Fが算出され、その後、フローは終了する。
ステップ85では、ステップ83で検出された出力電流Isのうち、ピーク値に基づいてSOx濃度Csoxが算出される。次いで、ステップ86において、SOx濃度検出フラグFsoxがリセットされ、その後、フローは終了する。
<実施形態の適用範囲>
上述した実施形態は、排気中のSOx濃度を検出する場合の実施形態である。しかしながら、上述した実施形態の考え方は、広く、印加電圧を所定の電圧から低下させたときの出力電流に相関を持つ特定成分に関するパラメータを検出する場合にも適用可能である。もちろん、この場合、検出しようとする特定成分パラメータに相関を持つ出力電流を、それ以外の特定成分に関するパラメータに相関を持つ出力電流から切り分け可能であることが条件となる。
別の表現をすれば、上述した実施形態の考え方は、印加電圧が一定の電圧に維持されているときの出力電流に相関を持たない(または、相関が極めて小さい)か、あるいは、印加電圧が上昇されたときの出力電流に相関を持たない(または、相関が極めて小さい)が、印加電圧が所定電圧から低下されたときの出力電流に相関を持つ特定成分に関するパラメータを検出する場合にも適用可能である。
上述した実施形態は、印加電圧の低下時の出力電流の最小値を用いてSOx濃度を検出する実施形態である。しかしながら、上述した実施形態の考え方は、広く、印加電圧の低下時の出力電流の最大値を用いて特定成分に関するパラメータを検出する場合にも適用可能である。
また、上述した実施形態のSOx濃度検出では、印加電圧の低下前に印加電圧の上昇が行われる。しかしながら、印加電圧の低下さえ行われれば、その前に印加電圧の上昇が行われなくても、上述した実施形態の利益が少なからず得られる。
<実施形態の総括>
<上記実施形態の制御装置1>
上述した実施形態の内燃機関の制御装置は、広く表現すれば、限界電流式センサ(たとえば、センサ10、30)を有する内燃機関の制御装置であって、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧(たとえば、0.8V以上の電圧であって、特に、0.8V)まで上昇させた後に低下させるS被毒回復制御を実施する制御部(たとえば、ECU90)を具備し、該制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流(たとえば、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量)が所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復が完了したと判定する制御装置であると言える。
<上記実施形態のS被毒の程度が反映される出力電流>
そして、より限定的に表現すれば、前記S被毒回復制御を1回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、当該S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流(たとえば、S被毒面積、または、低下時ピーク値)である。
あるいは、より限定的に表現すれば、前記S被毒回復制御を2回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、たとえば、2回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流(たとえば、後の面積比、または、後のピーク比)であり、前記所定判定値は、たとえば、1回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流(たとえば、先の面積比、または、先にピーク比)から定まる値である。
<上記実施形態の制御装置2>
また、上述した実施形態の内燃機関の制御装置の前記制御部は、広く表現すれば、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流(たとえば、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量)が前記所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流(たとえば、低下時ピーク値)を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータ(たとえば、排気中のSOx濃度)を検出する制御装置であると言える。
<上記実施形態の制御装置3>
また、上述した実施形態の内燃機関の制御装置の前記制御部は、広く表現すれば、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流(たとえば、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量)が所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧(たとえば、0.8V以上の電圧であって、特に、0.8V)から低下させる電圧制御を実施し、該電圧制御の実施時の前記センサの出力電流(たとえば、ピーク値)を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータ(たとえば、排気中のSOx濃度)を検出する制御装置であると言える。
<上記実施形態の制御方法1>
また、上述した実施形態の内燃機関の制御装置は、広く表現すれば、限界電流式センサ(たとえば、センサ10、30)を有する内燃機関の制御方法であって、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧(たとえば、0.8V以上の電圧であって、特に、0.8V)まで上昇させた後に低下させるS被毒回復ステップと、該S被毒回復ステップ中の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流(たとえば、面積比、ピーク比、面積比変動量、または、ピーク比変動量)を取得する出力電流取得ステップと、該出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定する判定ステップと、を具備する制御方法を実施する制御装置であると言える。
<上記実施形態の制御方法2>
また、上述した実施形態の内燃機関の制御装置は、広く表現すれば、前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記S被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータ(たとえば、排気中のSOx濃度)を検出する特定成分パラメータ検出ステップと、を具備する制御方法を実施する制御装置であると言える。
<上記実施形態の制御方法3>
また、上述した実施形態の内燃機関の制御装置は、広く表現すれば、前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧(たとえば、0.8V以上の電圧であって、特に、0.8V)から低下させる電圧制御ステップと、該電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータ(たとえば、排気中のSOx濃度)を検出する特定成分パラメータ検出ステップと、を具備する制御方法。
10…限界電流式センサ、11A、11B…固体電解質層、13…拡散律速層、15…ポンプセル、15A、15B…ポンプ電極、16…センサセル、16A、16B…センサ電極、30…限界電流式センサ、31…固体電解質層、33…拡散律速層、35…センサセル、35A、35B…センサ電極、90…ECU

Claims (16)

  1. 限界電流式センサを有する内燃機関の制御装置において、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させた後に低下させるS被毒回復制御を実施する制御部を具備し、該制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復が完了したと判定する制御装置。
  2. 前記S被毒回復制御を1回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、当該S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流である請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記S被毒回復制御を2回実施した場合において、前記S被毒の程度が反映される出力電流は、2回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流であり、前記所定判定値は、1回目のS被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流から定まる値である請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記S被毒回復制御の実施時の印加電圧低下中の出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する請求項1〜3のいずれか1つに記載の制御装置。
  5. 前記制御部は、前記S被毒回復制御の実施時の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサのS被毒回復の完了判定の代わりに、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御を実施し、該電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する請求項1〜3のいずれか1つに記載の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出し、前記電圧制御の実施時の出力電流がS被毒回復実施判定値以上である場合、前記S被毒回復制御を実施する請求項1〜5のいずれか1つに記載の制御装置。
  7. 前記制御部は、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御の実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出し、前記電圧制御の実施時の出力電流が警報判定値以上である場合、警報を発する請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御装置。
  8. 前記特定成分がSOxである請求項4〜7のいずれか1つに記載の制御装置。
  9. 前記S被毒回復電圧が0.8V以上の電圧である請求項1〜8のいずれか1つに記載の制御装置。
  10. 前記S被毒回復制御において前記S被毒回復電圧からの印加電圧の低下終了時点の印加電圧が0.7V以下の電圧である請求項1〜9のいずれか1つに記載の制御装置。
  11. 前記パラメータ検出電圧が0.8V以上の電圧である請求項5〜7のいずれか1つに記載の制御装置。
  12. 前記制御部は、通常、前記S被毒回復電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加しており、該通常電圧が前記センサに印加されているときの前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出する請求項1〜11のいずれか1つに記載の制御装置。
  13. 前記制御部は、通常、前記パラメータ検出電圧よりも低い通常電圧を前記センサに印加しており、該通常電圧が前記センサに印加されているときの前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の酸素濃度を検出する請求項5〜7のいずれか1つに記載の制御装置。
  14. 限界電流式センサを有する内燃機関の制御方法であって、前記センサへの印加電圧をS被毒回復電圧まで上昇させた後に低下させるS被毒回復ステップと、該S被毒回復ステップ中の前記センサの出力電流のうち、前記センサのS被毒の程度が反映される出力電流を取得する出力電流取得ステップと、該出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が所定判定値以下である場合、S被毒回復が完了したと判定する判定ステップと、を具備する制御方法。
  15. 前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記S被毒回復ステップの実施時の印加電圧低下中の出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する特定成分パラメータ検出ステップを具備する請求項14に記載の制御方法。
  16. 前記判定ステップの代わりに、前記出力電流取得ステップにおいて取得された出力電流が前記所定判定値以下である場合、前記センサへの印加電圧をパラメータ検出電圧から低下させる電圧制御ステップと、該電圧制御ステップの実施時の前記センサの出力電流を用いて被検ガス中の特定成分に関するパラメータを検出する特定成分パラメータ検出ステップと、を具備する請求項14に記載の制御方法。
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