JP2015036375A - ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精子改善剤及び精液改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、従来技術に比して、原料の入手が比較的容易であることから工業的な生産に適した精子数改善作用を有する組成物を提供することにある。
【解決手段】
上記目的は、ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精子改善剤及び精液改善剤、ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含む男性不妊症を予防及び/又は治療するための医薬品並びに一日摂取量としてボタンボウフウの乾燥葉1.5〜10g又はその抽出物を含む経口投与用組成物により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品、医薬品などとして、又はこれらに配合して利用される、ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精子、精液又はその両方を改善する精子改善剤及び精液改善剤に関する。
出生率が低下している昨今、不妊が社会的な問題となっている。不妊は女性側又は男性側のいずれかに問題がある場合が多い。男性側の不妊をもたらす男性不妊症の発生頻度は、一般的に30〜50%といわれている。男性不妊症の大半が精子及び精液に関連し、精子減少症、精子無力症、無精子症などの疾患に起因する。
男性不妊症を改善し得るものとして、天然物であるカキ及び朝鮮人参の抽出液を有効成分として含有する精子数増加剤が報告されている(特許文献1を参照)。
特開2004−83517号公報
特許文献1の表1において、特許文献1に記載の精子数増加剤は、ヒトの精子数を改善する効果があることが記載されている。しかし、特許文献1に記載の精子数増加剤に含まれるカキ及び朝鮮人参は取れ高が少なく高価であることから入手が困難なものである。よって、特許文献1に記載の精子数増加剤を工業的に生産することは非常に難しい。
そこで、本発明は、従来技術に比して、原材料の入手が比較的容易であることから工業的な生産に適した精子数改善作用を有する組成物を提供することを、発明が解決しようとする課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、主に九州南部から沖縄にかけて自生する多年草である、セリ科(Umbelliferae又はApiaceae)カワラボウフウ属(Peucedanum)に属するボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)及びその抽出物を継続的に経口摂取した被験者の精子濃度が改善し得ることを見出した。さらに驚くべきことに、この場合、被験者の精液量が増加することにより総精子数が顕著に増加した。
特許文献1の表2において、特許文献1に記載の精子数増加剤は、ヒトの精子の運動量については改善効果がほとんどなく、精子数の改善効果と精子の運動量の改善効果とは直接的な関係がないことが示されている。このような事実にも係わらず、本発明者らは、ボタンボウフウ及びその抽出物を摂取した被験者において、精子の運動率が増加することを見出した。したがって、本発明者らによって、ボタンボウフウ及びその抽出物を摂取すると、被験者の精子は量的に加えて質的にも改善するということが示された。本発明はこのような驚くべき知見に基づいて完成された発明である。
したがって、本発明によれば、ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精子改善剤が提供される。
本発明の別の態様によれば、ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精液改善剤が提供される。
本発明の別の態様によれば、ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含む、男性不妊症を予防及び/又は治療するための医薬品が提供される。
本発明の別の態様によれば、一日摂取量としてボタンボウフウの乾燥葉1.5〜10g又はその抽出物を含む、経口投与用組成物が提供される。
本発明の精子改善剤及び精液改善剤によれば、それぞれ精子及び精液を量的、質的又はその両方について改善することができる。そこで、男性不妊症の原因とされている精子及び精液を改善することができることから、本発明の精子改善剤及び精液改善剤は、男性不妊症の予防及び/又は治療に適用することが期待できる。
本発明の精子改善剤及び精液改善剤は、ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含有するものであることから、安全性が高く、継続的な摂取を実現可能とし、かつ、様々な嗜好に応じて摂取時の形態を設計することができることから、飲食品や経口用医薬品として、又はこれらに配合して利用され得る。また、ボタンボウフウは多年草であり、栽培及び採取が比較的容易な植物体であることから、ボタンボウフウ又はその抽出物を含む本発明の精子改善剤及び精液改善剤は、比較的容易に工業的生産ができるものである。
本発明の医薬品によれば、精子数及び精液の減少や精子の運動率の低下を改善することが期待できるものであることから、男性不妊症を予防、治療及びその両方をすることができる。本発明の経口投与用組成物によれば、ボタンボウフウ又はその抽出物を単独又は他の添加物と共に、粉沫剤、顆粒剤、錠剤、液剤、カプセル剤などの経口投与に適した形態をとることでき、食品、特に健康食品として提供され得る。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の精子改善剤は、本発明の精子改善剤を摂取する前後において、被験者の精子濃度、運動率又はこれらの両方を改善又は維持する作用を奏する。本発明の精液改善剤は、本発明の精液改善剤を摂取する前後において、被験者の精液量を改善又は維持する作用を奏する。このような本発明の精子改善剤及び精液改善剤が有する作用は、含有するボタンボウフウ又はその抽出物により達成される。ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含む医薬品は、男性不妊症を予防及び/又は治療するために有益である。本発明の経口投与用組成物は、例えば、食品、特に健康食品として、ボタンボウフウ又はその抽出物を経口的に投与されることに適した形態をとるものである。本発明の精子改善剤、精液改善剤、医薬品及び経口投与用組成物については、ボタンボウフウ若しくはその抽出物、又はボタンボウフウ及びその抽出物を含有する点で共通する。以下では、まず、本発明に共通するボタンボウフウ及びその抽出物について説明する。なお、本明細書では、A、B又はA及びBの両方を表わす際に、「A及び/又はB」と省略して表わす場合もある。
ボタンボウフウは、学名がPeucedanum japonicum又はPeucedanum japonicum Thunb.であり、地方によって長命草、チョーメイソウ、チョーメイグサ、チョミーフサ、ボーフー、サクナ、ウプバーサフナ、チョーミーグサ、牡丹防風などと呼ばれている。ボタンボウフウは、日本本州西部、四国、九州、沖縄、台湾、中国、フィリピンなどで自生する多年草である。本発明において用いられるボタンボウフウの採取場所は特に限定されないが、例えば、沖縄各島、好ましくは宮古島、与那国島及び石垣島、より好ましくは宮古島である。
ボタンボウフウの栽培方法は特に限定されず、例えば、当業者に知られる方法により、プランターや畑などにおいて、ボタンボウフウの種子や株を肥沃な土に植えて葉が十分に生い茂るように育成する方法が挙げられる。
ボタンボウフウは採取した直後のもの(生葉)に加えて、細断したものや乾燥したものなどを使用することができるが、保存性や加工性の観点から乾燥細断物又は乾燥粉末として用いることが好ましい。
ボタンボウフウの乾燥細断物又は乾燥粉末を得る方法は特に限定されないが、例えば、ボタンボウフウの全草若しくは各種部位(葉、花、根など)、好ましくはボタンボウフウの葉、より好ましくはボタンボウフウの葉身を細断又は粉砕した後に乾燥する方法やボタンボウフウを乾燥した後に細断又は粉砕して乾燥細断物又は乾燥粉末を得る方法が挙げられる。また、ボタンボウフウを細断又は粉砕した後、発酵や酵素処理を施し、次いでボタンボウフウ処理物を乾燥して、必要に応じて所定の大きさや粒径にするために細断又は粉砕を繰り返す方法などを適宜採用することができる。乾燥細断物の大きさや乾燥粉末の粒径は特に限定されず、剤形に応じた物理形態を呈するようにすればよい。乾燥方法は特に限定されず、当業者において知られている植物体を乾燥する方法を広く採用することができ、例えば、室温下で風乾することにより植物体の水分を所望の程度にまで低減すればよい。
本発明において、ボタンボウフウは抽出物として含有してもよい。ボタンボウフウの抽出物の抽出方法は特に限定されず、当業界で知られている常用の手法によればよいが、例えば、溶媒抽出により行うことができる。溶媒抽出に際しては、ボタンボウフウの全草又は各種部位(葉、花、根など)、好ましくはボタンボウフウの葉、より好ましくはボタンボウフウの葉身を、必要に応じて乾燥し、さらに必要に応じて細断又は粉砕した後、水性抽出剤、例えば冷水、温水又は沸点若しくはそれより低温の熱水と混合して、常温又は加熱することにより、抽出物を得ることができる。溶媒抽出に際しては、有機溶媒を用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、1,3−ブタンジオール、エーテル又はこれらと水性抽出剤との混合物などを用いることができる。抽出方法の具体的な例として、ボタンボウフウの根の部分を焼酎や泡盛等のアルコール飲料に一週間以上漬けることにより、ボタンボウフウ抽出物を得ることができる。このようなボタンボウフウ抽出物は、例えば、一日一回10〜20mlを摂取することが好ましい。
抽出物の形態は、溶媒抽出の場合でも、液体状の液体物だけではなく、常用の手法により適宜希釈又は濃縮した状態のものであってもよく、さらに抽出液を乾燥することによって得られる粉状又は塊状の固形物であってもよい。
本発明の精子改善剤及び精液改善剤並びに経口投与用組成物は、飲食品や医薬品などの種々の形態をなして、又はこれらに配合されて摂取又は投与され得る。
摂取するボタンボウフウ及び/又はその抽出物の量は、摂取する方法や剤型などに応じて適宜決めることができる。例えば、ボタンボウフウの葉身を用いる場合、ボタンボウフウの生葉は約2〜5枚/1g(約0.2〜0.5g/1枚)であり、乾燥葉は約5〜8枚/1g(約0.1〜0.2g/1枚)である。そこで、ボタンボウフウ及び/又はその抽出物の一日当たりの摂取量は、例えば、ボタンボウフウの葉8〜154枚に相当する量として乾燥葉換算で1.0〜20g(生葉換算で1.7〜46g)、好ましくはボタンボウフウの葉12〜80枚に相当する量として乾燥葉換算で1.4〜15g、より好ましくはボタンボウフウの葉15〜60枚に相当する量として乾燥葉換算で1.5〜10g、さらに好ましくはボタンボウフウの葉17〜45枚に相当する量として乾燥葉換算で2.0〜8.1g、なおさらに好ましくはボタンボウフウの葉18〜38枚に相当する量として乾燥葉換算で2.1〜6.8gとするように調製できる。ボタンボウフウの摂取方法について、例えば、上記した量を一度に摂取することもできるが、上記した量を一日数回に分けて摂取することもできる。
本発明の精子改善剤及び精液改善剤並びに経口投与用組成物を飲食品に配合する場合には、任意の添加物とともに配合することができる。添加物としては、通常飲食品に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、機能性素材、賦形剤、呈味剤などが挙げられる。
機能性素材としては、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB12などの各種ビタミン類;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄などの各種ミネラル類;アルギニン、アスパラギン酸ナトリウムなどのアミノ酸;オリゴ糖、プロポリス、ローヤルゼリー、イチョウ葉、ウコン、EPA、DHA、コエンザイムQ10、コンドロイチン、乳酸菌、ラクトフェリン、イソフラボン、プルーン、キチン、キトサン、グルコサミン、α−リポ酸、アガリクス、ガルシニア、プロポリス、コラーゲン、アスタキサンチン、フォースリン、カテキン、セサミン、セラミド、モロヘイヤ、スピルリナ、キャッツクロー、セレニウム、カルチニン、フランス海岸松樹皮エキス、アミノレブリン酸、抗酸化剤などが挙げられる。これらの機能性素材は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
賦形剤としては、所望の剤型としたときに通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリンなどのでんぷん類;結晶セルロース類、乳糖、ブドウ糖、砂糖、還元麦芽糖、水飴、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖などの糖類;ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、マンニトールなどの糖アルコール類などが挙げられる。これら賦形剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
呈味剤としては、ボンタンエキス、ライチエキス、ゆずエキスなどの各種果汁エキス;リンゴ果汁、オレンジ果汁、レモン果汁などの各種果汁;ピーチフレーバー、ウメフレーバー、ヨーグルトフレーバーなどの各種フレーバー;アセスルファムK、スクラロース、エリスリトール、オリゴ糖類、マンノース、キシリトール、異性化糖類などの各種甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸などの各種酸味料;緑茶、ウーロン茶、バナバ茶、杜仲茶、鉄観音茶、ハトムギ茶、アマチャヅル茶、マコモ茶、昆布茶などの各種茶成分などが挙げられる。これら呈味剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
機能性素材、賦形剤、呈味剤に加えて、着色剤、保存剤、増粘剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤、ゲル化剤、酸化防止剤、界面活性剤、保存剤、pH調整剤などの飲食品に使用される当業者により知られるものを適宜選択して添加物として使用できる。
飲食品の形態は特に限定されず、例えば、液体状、固形状、顆粒状、粉沫状、細粒状、ペースト状、ゲル状、クリーム状、カプセル状などの任意の形態を採り得るが、経口投与に適した液体状、固形状、顆粒状、粉沫状、細粒状、カプセル状の形態が好ましい。
飲食品の具体例として、例えば、野菜ジュース、果汁飲料、清涼飲料、茶などの飲料類;スープ、プリン、ヨーグルト、ケーキプレミックス製品、菓子類、クッキー、キャンディー、グミ、ガムなどの各種一般加工食品に加えて;ドリンク剤などの栄養補助飲食品、特定保健用飲食品、機能性飲食品、健康飲食品などが挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものではない。
本発明の精子改善剤、精液改善剤及び経口投与用組成物は単独で医薬品として利用し得るが、一方で、本発明の別の態様として、ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含む、男性不妊症を予防及び/又は治療するための医薬品が提供される。
本発明の医薬品は、ボタンボウフウ又はその抽出物を単一の有効成分とすることができるが、追加の精子改善作用及び/又は精液改善作用を奏する第2の成分を併用して、2種以上の有効成分を含有する医薬品とすることができる。第2の成分としては精子改善作用又は精液改善作用を奏するものであれば特に限定されないが、例えば、カキ抽出物、ニンニクエキス、朝鮮人参などが挙げられる。
ボタンボウフウ又はその抽出物を医薬品に適用する際に、飲食品の場合と同じく、医薬品の製剤化に通常用いられる結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤、pH調製剤などの賦形剤(添加物)を適宜使用することができる。
医薬品の剤型は経口投与に適した剤形であれば特に限定されないが、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形製剤;内服液剤、シロップ剤などの液体製剤などとすることができる。
本発明の剤形別の用法は、ボタンボウフウ及び/又はその抽出物の一日当たりの摂取量が有効量になるような用法であれば特に限定されない。例えば、1錠当たりのボタンボウフウ及び/又はその抽出物の合計量が乾燥葉換算で0.5〜20gである錠剤の場合、1〜10錠/回を朝、昼、夕食の1日1〜3回、食前、食中、食後のいずれかに服用することが好ましく、食前に服用することがより好ましい。また、1包当たりのボタンボウフウ及び/又はその抽出物の合計量が乾燥葉換算で100〜5,000mgである顆粒剤の場合、1〜4包/回を朝、昼、夕食の1日1〜3回、食前、食中、食後のいずれかに服用することが好ましく、食前に服用することがより好ましい。さらに、1ml製剤当たりのボタンボウフウ及び/又はその抽出物の合計量が2.0mg〜1,000mgである液体製剤の場合、20〜500ml/回を朝、昼、夕食の1日1〜3回、食前、食中、食後のいずれかに服用することが好ましく、食前に服用することがより好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
精液試料の採取
1.精液試料採取前の準備
前回の射精から、最低3日間の禁欲期間を設けた。精液採取用容器は1種類の容器を用いた。
2.精液試料の採取手順
次の手順で、被験者は採精室にて精液試料を採取した。すなわち、被験者は排尿を済ませた後、手及び生殖器を石鹸で洗い、精液への皮膚からの共生微生物の汚染リスクを減じた。次いで、被験者は、手及び生殖器の石鹸を水でよく洗い流した後、使い捨てタオルで手及び生殖器を乾かした。次いで、被験者が用手的に射精することにより、用意した無菌容器内に射精精液の全量を採取した。採取した精液を検査部に速やかに輸送した。精液は、約30分間室温で放置して液化を図った後、保存液を添加して蓋をして攪拌混合に供した。
精子検査
1.測定方法
(1)精子濃度
被験者から採取した精液試料の5.7μLをスライドグラスに滴下し、カバーガラスをかけ、位相差顕微鏡(観察倍率400倍率)により検鏡及び写真撮影して測定した。
(2)総精子数
総精子数の測定は精子濃度に採取した精液試料量を乗じることにより、被験者から採取した精液試料に含まれる総精子数を算出した。
(3)運動率
運動率は被験者から採取した精液試料の5.7μLをスライドグラスに滴下し、カバーガラスをかけ、位相差顕微鏡(観察倍率200倍率)により検鏡及び動画撮影して測定した。精子の運動率は、前進運動精子(直線的又は円弧を描くように動く精子)、非前進運動精子及び不動精子の数に対する前進運動精子数の割合によって算出した。
2.基準値及び判定基準
精子について、精子濃度、運動率はWHOラボマニュアルに従って判定した。なお、WHOラボマニュアルの表A1.1では、精液所見に対しての下限基準値(5パーセンタイルと95%の信頼範囲)を以下の表1のとおりに定めている。
Figure 2015036375
ボタンボウフウ含有液体物
宮古島産のボタンボウフウの葉を、大気圧下、15〜25℃で1週間以上乾燥させた。乾燥した葉15〜25枚の葉身を細かくしたもの2.5〜3.5gを500mLの水に入れ沸騰させた。約2分間沸騰を続けた後、煎じた液体物をボタンボウフウ含有液体物として被験者に供した。
ボタンボウフウによる精子及び精液改善作用
2012年8月1日(第1日目)に被験者から精液試料を採取し、精子量、精子濃度、総精子数及び運動率を測定した。各測定結果を表2に示す。被験者は、同日より2012年10月30日までの約3か月に渡って、ツムラ25桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)2.5gを毎食前に3回摂取した。
2012年10月31日に被験者から精液試料を採取し、精子量、精子濃度、総精子数、運動率を測定した。各測定結果を表2に示す。第1日目の測定結果との比較から、桂枝茯苓丸エキス顆粒は精子又は精液に対して改善効果が見られなかった。
約15日の休薬期間を設けた後、被験者は2012年11月15日より、2013年2月15日までの約3か月に渡って、ボタンボウフウ含有液体物の約500mLをマホービンにて保管し、毎日朝食前、昼食前、夕食前の3回に分けて摂取した。
2013年2月15日に被験者から精液試料を採取し、精子量、精子濃度、総精子数及び運動率を測定した。各測定結果を表2に示す。ボタンボウフウ含有液体物の摂取を続けたことにより、被験者の精液量、精子濃度及び総精子数は増加し、さらに精子の運動率において改善効果が認められた。この結果から、ボタンボウフウを摂取することにより、被験者の精子及び精液は量的及び質的に改善することが示された。
被験者はさらに3か月に渡ってボタンボウフウ含有液体物の摂取を続けた。2013年5月30日に被験者から精液試料を採取し、精子量、精子濃度、総精子数及び運動率を測定した。各測定結果を表2に示す。ボタンボウフウ含有液体物を摂取して約6.5ヶ月後のこれらの測定結果は、ボタンボウフウ含有液体物を摂取した3ヶ月後(2013年2月15日)の値と比較して、同程度又はそれ以上であることが認められた。この結果から、ボタンボウフウを摂取することにより、被験者の精子及び精液は持続的に改善することが示された。
ボタンボウフウ含有液体物を摂取した被験者の身体的特徴として、摂取期間中は、リビドーが若干増すものの、動悸がすること、脈拍が増えること、発汗が増えることなどの徴候は見られず、体重の大幅な増減も見られなかった。また、副次的な作用として、胃腸の調子が良くなり、体調が全体的に改善されたように感じる場合もあった。このように、被験者はボタンボウフウの摂取によって、副作用を発生することなく、精子及び精液を改善することができた。
Figure 2015036375
本発明の実施具体例
以下に、本発明の具体例を非限定的に示す。
ボタンボウフウの葉を洗浄し、洗浄時の水分を乾燥させた後、滅菌処理する。処理後のボタンボウフウの葉の葉身を粉砕して粉砕物を得た。得られた粉砕物に、セルロース、コエンザイムQ10、デキストリン、マグネシウム及びステアリン酸カルシウムを混合して打錠し、ボタンボウフウを含有する錠剤サプリメントを得た。200mgの錠剤に含まれるボタンボウフウは乾燥葉に換算して約3.5gとした。
本発明の精子改善剤及び精液改善剤並びに経口投与用組成物は、加工食品、飲料品、健康食品、サプリメントなどの飲食品、医薬品として、又はこれらに配合して利用され得る。本発明の医薬品は、男性不妊症の可能性のある被験者に投与される医薬品として利用され得る。

Claims (4)

  1. ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精子改善剤。
  2. ボタンボウフウ又はその抽出物を含む精液改善剤。
  3. ボタンボウフウ又はその抽出物を有効成分として含む、男性不妊症を予防及び/又は治療するための医薬品。
  4. 一日摂取量としてボタンボウフウの乾燥葉1.5〜10g又はその抽出物を含む、経口投与用組成物。
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