JP2015013549A - 車両用ブレーキシステム - Google Patents

車両用ブレーキシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2015013549A
JP2015013549A JP2013140903A JP2013140903A JP2015013549A JP 2015013549 A JP2015013549 A JP 2015013549A JP 2013140903 A JP2013140903 A JP 2013140903A JP 2013140903 A JP2013140903 A JP 2013140903A JP 2015013549 A JP2015013549 A JP 2015013549A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
vehicle
power
braking force
control means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013140903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6117028B2 (ja
Inventor
正樹 小池
Masaki Koike
正樹 小池
宏平 赤峰
Kohei Akamine
宏平 赤峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013140903A priority Critical patent/JP6117028B2/ja
Publication of JP2015013549A publication Critical patent/JP2015013549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6117028B2 publication Critical patent/JP6117028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】パワーユニットにおけるエネルギの消費を抑制しつつブレーキ液圧で発生する制動力で効果的にブレーキホールド機能を作動できる車両用ブレーキシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】駆動トルクを車両の駆動輪(WFR,WFL)に発生させる動力を出力するパワーユニットを制御可能な制御手段150で制御され、ブレーキペダル12が操作されたときに発生する制動力を増大するための増力手段としてポンプ136を有し、ブレーキペダル12が操作されて発生した制動力を保持して車両を静止した状態に維持するブレーキホールド機能を作動可能に構成される車両用ブレーキシステム10とする。そして、制御手段150は、制動力が作用して車両が静止したと判定してブレーキホールド機能を作動し、パワーユニットからの動力の出力を低下させるとともに、制動力をポンプ136で増大して保持することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ブレーキシステムに関する。
制動力を保持して車両を静止した状態に維持する機能(ブレーキホールド機能)はよく知られた技術であり、例えば、特許文献1には、ブレーキペダルが踏み込まれたブレーキ操作に応じたモータトルク(回転トルク)で制動力を発生し、傾斜路等での停止(静止)を維持する電気自動車が開示されている。
特許文献1に開示される電気自動車は、ブレーキペダルがオフされた時点から所定時間の間は電動モータ(パワーユニット)に電力を供給して電動モータの回転トルクで車体が停止した状態を維持し、所定時間が経過した後は、ブレーキ装置で機械的に駆動輪をロックして車体が停止した状態を維持するように構成されている。
特許第3542255号公報
特許文献1に記載される電気自動車は、ブレーキペダルがオフされた時点から電動モータの回転トルクで車体の静止を維持するため、電動モータに供給する電力が必要になり電力の消費量が増えるという問題がある。
また、車体の静止を維持するために電力が供給される電動モータは回転駆動しない。したがって、車体の静止を維持するために電動モータに通電するときには同相通電状態になってモータ回路が発熱するため、連続的に使用できないという問題も生じる。
さらに、電動モータの回転トルクで発生する制動力と、ブレーキ装置の機械的なロックで発生して電気自動車を静止した状態に維持する係止力と、に差(バラツキ)が生じると、電動モータの回転トルクで車体が静止した状態から、機械的なロックで車体が静止した状態に切り替わるときに、電気自動車の静止を維持する力の差、つまり、制動力と係止力の差で車両が一時的に動き出すなどの現象も発現し得る。
そこで、本発明は、パワーユニットにおけるエネルギの消費を抑制しつつブレーキ液圧で発生する制動力で効果的にブレーキホールド機能を作動できる車両用ブレーキシステムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、駆動トルクを車両の駆動輪に発生させる動力を出力するパワーユニットを制御可能な制御手段と、ブレーキ操作部が操作されたときに発生する制動力を増大する増力手段と、を有し、前記ブレーキ操作部が操作されて発生した前記制動力を保持して車両を静止した状態に維持するブレーキホールド機能を作動可能に構成される車両用ブレーキシステムとする。そして、前記制御手段は、前記制動力が作用して前記車両の速度が所定の速度閾値より低くなったときに当該車両が静止したと判定して前記ブレーキホールド機能を作動し、前記パワーユニットからの前記動力の出力を低下させるとともに、前記制動力を前記増力手段で増大して保持することを特徴とする。
本発明によると、ブレーキ操作部の操作で発生した制動力を保持するブレーキホールド機能が作動するときには、パワーユニットから出力される動力が低下し、ブレーキ操作部の操作で発生した制動力が増大する。したがって、ブレーキホールド機能の作動時には、パワーユニットにおけるエネルギの消費量が低減する。このとき、パワーユニットから出力される動力で駆動輪に発生する駆動トルクによる制動の効果は低減するが、ブレーキ操作部の操作で発生した制動力を増力手段で増大することによって、制動の効果を低減することなくブレーキホールド機能を作動させることができる。
また、本発明の前記制御手段は、前記ブレーキホールド機能を作動するとき、低下させる前記動力に相当するだけ、前記制動力を増大することを特徴とする。
本発明によると、ブレーキホールド機能の作動時には、低下する動力に相当するだけ制動力が増大する。例えば、登坂路においてはパワーユニットから出力される動力で駆動輪に発生する駆動トルクが制動力として作用するが、パワーユニットからの動力の出力が低下すると駆動トルクが弱まって制動力が低下する。このような場合であっても、駆動トルクによって発生する制動力を補うように制動力が増大されて車両の動き出しが抑制される。
また、本発明の前記制御手段は、前記ブレーキホールド機能を作動するときに、前記パワーユニットからの前記動力の出力を停止することを特徴とする。
本発明によると、ブレーキホールド機能が作動するときにはパワーユニットが停止するため、ブレーキホールド機能の作動中にパワーユニットでのエネルギの消費が抑制され、省エネルギを図ることができる。また、パワーユニットが電動機の場合には、回転駆動が停止した状態での通電が回避されるため同相通電状態が回避され、電動機を駆動する回路等の発熱も抑制できる。
また、本発明の前記制御手段は、前記ブレーキホールド機能を作動するときに、前記パワーユニットから出力される前記動力を漸減させ、前記制動力を漸増させることを特徴とする。
本発明によると、パワーユニットから出力される動力で駆動輪に発生する駆動トルクによる制動の効果が漸減し、それに替わるように、ブレーキ液圧で発生する制動力が漸増する。したがって、駆動トルクによる制動から制動力による制動への急峻な切り替わりが抑制され、切り替わりのときに車両が一時的に動き出すなどの現象の発現を抑制できる。
また、本発明の前記制御手段は、前記パワーユニットから出力される前記動力の単位時間あたりの変化量が、あらかじめ設定される所定量より大きい場合には前記制動力を変化させないことを特徴とする。
本発明によると、パワーユニットから出力される動力が、単位時間あたりに、あらかじめ設定される所定変化量より大きく不規則変化した場合に、その動力の不規則な変化に応じて制動力が不規則に変化することが回避される。したがって、パワーユニットから出力される動力が不規則に変動する場合であっても運転者が感じる違和感が軽減される。例えば、パワーユニットが電動機の場合、供給される電力が不安定で当該電動機から出力される動力が不規則に変化しても、その不規則な動力に応じて制動力が不規則に変化することが回避される。
本発明によると、パワーユニットにおけるエネルギの消費を抑制しつつブレーキ液圧で発生する制動力で効果的にブレーキホールド機能を作動できる車両用ブレーキシステムを提供できる。
本実施形態に係る車両の構成図である。 本実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。 ブレーキホールド機能が作動する状態を示す図であり、(a)は車速の変化を示す図、(b)はブレーキホールド機能の制御状態と制動力の時間経過を示す図、(c)はブレーキホールド機能の作動状態の時間経過を示す図、(d)はパワーユニットが出力する動力の時間変化を示す図である。 パワーユニットとしてエンジンを備える車両の構成図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る車両の構成図、図2は本実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、図1に示すように構成される車両1に備わる。車両1は、例えば、内燃機関(エンジン2)と電動機200がパワーユニットPUとして備わるハイブリッド車両であり、パワーユニットPUで発生する動力を駆動輪(例えば、右側前輪WFR,左側前輪WFL)に伝達して走行する。
なお、パワーユニットPUと駆動輪の間にはクラッチ装置5が配設され、エンジン2または電動機200が出力する動力は、クラッチ装置5によって選択的に駆動輪に伝達される。
パワーユニットPUやクラッチ装置5は、制御手段150によって制御される。例えば、制御手段150は、パワーユニットPUの制御部(図示しないECU:Engine Control Unit等)に指令を与えてパワーユニットPUから出力される動力を調節可能に構成される。また、制御手段150は、例えば、クラッチ装置5の制御部に指令を与えて、エンジン2が出力する動力または電動機200が出力する動力の少なくとも一方が駆動輪に伝達されるようにクラッチ装置5を切り替え可能に構成される。
制御手段150は、車両1の走行状態(車速等)に応じて、エンジン2および電動機200の一方または両方を適宜駆動して動力を出力し、さらに出力した動力を駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に伝達する。
駆動輪はパワーユニットPUから伝達された動力で回転駆動し、車両1を走行させるトルク(駆動トルク)を発生する。
また、車両1には、制御手段150で制御されて各車輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL,左側後輪WRL,右側後輪WRR)に制動力を付与する車両用ブレーキシステム10が備わっている。
なお、車両1は、左側後輪WRLおよび右側後輪WRRが駆動輪であってもよいし、全ての車輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL,左側後輪WRL,右側後輪WRR)が駆動輪であってもよい。
図2に示すように、本実施形態の車両用ブレーキシステム10は、運転者によってブレーキペダル12等のブレーキ操作部が操作されたときにその操作の入力に応じた液圧(ブレーキ液圧)を、作動液であるブレーキ液に発生させる液圧発生装置(入力装置14)と、ブレーキペダル12が踏み込み操作されたときの操作量(ストローク)を計測するペダルストロークセンサStと、車両挙動の安定化を支援する車両挙動安定化装置18(以下、VSA(ビークルスタビリティアシスト)装置18という、VSA;登録商標)とを備えて構成されている。
これらの入力装置14、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、例えば、ホースやチューブ等の管材で形成された管路(液圧路)によって接続されているとともに、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスで電気的に接続されている。
このうち、液圧路について説明すると、図2中(中央やや下)の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続され、また、モータシリンダ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続され、さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
図2中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続され、また、モータシリンダ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続され、さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構30aのホィールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構30bのホィールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構30cのホィールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪WFLに設けられたディスクブレーキ機構30dのホィールシリンダ32FLと接続される。
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに対して供給され、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL内のブレーキ液圧が上昇することにより、各ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)との摩擦力が高くなって制動力が付与される。
また、右側前輪WFR、左側後輪WRL、右側後輪WRR、左側前輪WFLのそれぞれには、車輪速を検出する車輪速センサ35a,35b,35c,35dがそれぞれ備わり、各車輪速センサ35a,35b,35c,35dが各車輪の車輪速を計測して発生する計測信号は制御手段150に入力される。
パワーユニットPU(図1参照)を構成する電動機200は、例えば2つの前輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に動力を付与して駆動するように車両に備わる。この場合、2つの前輪が駆動輪となり、2つの後輪(左側後輪WRL,右側後輪WRR)が非駆動輪となる。
また、電動機200には回生制御装置201が接続されている。回生制御装置201は、電動機200が駆動輪から入力されるトルクで発電する電力(回生電力)をバッテリ202に充電する機能を有し、制御手段150から入力される指令によって制御される。例えば、制御手段150から、電動機200で回生電力を発電させて回生制動力を発生させる指令が入力されると、回生制御装置201は電動機200を「発電機」に切り替えるとともに電動機200が発電する回生電力をバッテリ202に充電するように機能する。また、回生制御装置201は、例えば電動機200に供給する界磁電流を変更して電動機200による回生電力の発電量を調節するなどして、電動機200による回生制動力の強さを調節可能に構成される。
なお、回生制御装置201が、電動機200を制御して回生制動力を発生させる技術は公知の技術を利用すればよい。
入力装置14は、運転者によるブレーキペダル12の操作によってブレーキ液に液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設されたリザーバ(第1リザーバ36)とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン(セカンダリピストン40a,プライマリピストン40b)が摺動自在に配設される。セカンダリピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
また、シリンダチューブ38の内壁には、プライマリピストン40bの外周に摺接する一対のリング状を呈するカップシール44Pa,44Pb、およびセカンダリピストン40aの外周に摺接する一対のリング状を呈するカップシール44Sa,44Sbが装着されている。さらに、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bの間には、ばね部材50aが配設され、プライマリピストン40bとシリンダチューブ38の閉塞端側の側端部38aと間には、他のばね部材50bが配設される。
また、シリンダチューブ38の側端部38aからプライマリピストン40bの摺動方向に沿ってガイドロッド48bが延設され、プライマリピストン40bは、ガイドロッド48bにガイドされて摺動する。
また、プライマリピストン40bのセカンダリピストン40a側の端部からセカンダリピストン40aの摺動方向に沿ってガイドロッド48aが延設され、セカンダリピストン40aは、ガイドロッド48aにガイドされて摺動する。
そして、セカンダリピストン40aとプライマリピストン40bはガイドロッド48aで連結されて直列に配置される。ガイドロッド48a,48bの詳細は後記する。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート(第2サプライポート46a、第1サプライポート46b)と、2つのリリーフポート(第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52b)と、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、第2サプライポート46a、第1サプライポート46b及び第2リリーフポート52a、第1リリーフポート52bは、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
さらに、セカンダリピストン40aの外周に摺接する一対のカップシール44Sa,44Sbは、セカンダリピストン40aの摺動方向に第2リリーフポート52aを挟んで配置される。また、プライマリピストン40bの外周に摺接する一対のカップシール44Pa,44Pbは、プライマリピストン40bの摺動方向に第1リリーフポート52bを挟んで配置される。
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応した液圧を発生する第2圧力室56a及び第1圧力室56bが設けられる。第2圧力室56aは、第2液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第1圧力室56bは、第1液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。
第1圧力室56bと第2圧力室56aの間は、一対のカップシール44Sa,44Sbによって液密に封じられる。また、第2圧力室56aのブレーキペダル12側は、一対のカップシール44Pa,44Pbによって液密に封じられる。
第1圧力室56bは、プライマリピストン40bの変位に応じた液圧を発生するように構成され、第2圧力室56aは、セカンダリピストン40aの変位に応じた液圧を発生するように構成される。
また、セカンダリピストン40aはブレーキペダル12とプッシュロッド42を介して連結され、ブレーキペダル12の動作にともなってシリンダチューブ38内を変位する。さらに、プライマリピストン40bは、セカンダリピストン40aの変位によって第2圧力室56aに発生する液圧によって変位する。つまり、プライマリピストン40bはセカンダリピストン40aに応動して変位する。
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第2液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設されるとともに、第2液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第2液圧路58a上において、第2遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側である上流側の液圧を計測するものである。
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第1液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60bが設けられるとともに、第1液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第1液圧路58b上において、第1遮断弁60bよりもホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL側である下流側の液圧を計測するものである。
この第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、図2において、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bは、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した閉弁状態をそれぞれ示している。
マスタシリンダ34と第1遮断弁60bとの間の第1液圧路58bには、前記第1液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(通電されていないときの弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。なお、図2において、第3遮断弁62は、ソレノイドが通電されて、図示しない弁体が作動した開弁状態を示している。
このストロークシミュレータ64は、バイ・ワイヤ制御時に、ブレーキペダル12の踏み込み操作に対してストロークと反力を与えて、あたかも踏力によって制動力が発生しているかのように運転者に思わせる装置であり、第1液圧路58b上であって、第1遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第1圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a,66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングが、既存のマスタシリンダ34を踏み込み操作したときのペダルフィーリングと同等になるように設けられている。
つまり、ストロークシミュレータ64は、第1圧力室56bから導出されるブレーキ液の液圧に応じた反力を発生し、この反力をマスタシリンダ34を介してブレーキペダル12に与えるように構成される。
液圧路は、大別すると、マスタシリンダ34の第2圧力室56aと複数のホィールシリンダ32FR,32RLとを接続する第2液圧系統70aと、マスタシリンダ34の第1圧力室56bと複数のホィールシリンダ32RR、32FLとを接続する第1液圧系統70bとから構成される。
第2液圧系統70aは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54aと接続ポート20aとを接続する第2液圧路58aと、入力装置14の接続ポート20aとモータシリンダ装置16の出力ポート24aとを接続する配管チューブ22a,22bと、モータシリンダ装置16の出力ポート24aとVSA装置18の導入ポート26aとを接続する配管チューブ22b,22cと、VSA装置18の導出ポート28a,28bと各ホィールシリンダ32FR,32RLとをそれぞれ接続する配管チューブ22g,22hとによって構成される。
第1液圧系統70bは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54bと他の接続ポート20bとを接続する第1液圧路58bと、入力装置14の他の接続ポート20bとモータシリンダ装置16の出力ポート24bとを接続する配管チューブ22d,22eと、モータシリンダ装置16の出力ポート24bとVSA装置18の導入ポート26bとを接続する配管チューブ22e,22fと、VSA装置18の導出ポート28c,28dと各ホィールシリンダ32RR,32FLとをそれぞれ接続する配管チューブ22i,22jとを有する。
モータシリンダ装置16は、電動機(電動モータ72)と、アクチュエータ機構74と、前記アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76と、を有する。
アクチュエータ機構74は、電動モータ72の出力軸72b側に設けられ、複数のギヤが噛合して電動モータ72の回転駆動力を伝達するギヤ機構(減速機構)78と、前記ギヤ機構78を介して前記回転駆動力が伝達されることにより軸方向に沿って進退動作するボールねじ軸80a及びボール80bを含むボールねじ構造体80とを有する。
本実施形態においてボールねじ構造体80は、ギヤ機構78とともにアクチュエータハウジング172の機構収納部173aに収納される。
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、前記シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。なお、配管チューブ86に、ブレーキ液を貯留するタンクが備わっていてもよい。
そして、略円筒状を呈するシリンダ本体82の開放された端部(開放端)がハウジング本体172Fとハウジングカバー172Rからなるアクチュエータハウジング172に嵌合してシリンダ本体82とアクチュエータハウジング172が連結され、モータシリンダ装置16が構成される。
シリンダ本体82内には、前記シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第2スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接して前記ボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第1スレーブピストン88bは、第2スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
また、本実施形態における電動モータ72は、シリンダ本体82と別体に形成されるモータケーシング72aで覆われて構成され、出力軸72bが第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの摺動方向(軸方向)と略平行になるように配置される。
そして、出力軸72bの回転駆動がギヤ機構78を介してボールねじ構造体80に伝達されるように構成される。
ギヤ機構78は、例えば、電動モータ72の出力軸72bに取り付けられる第1ギヤ78aと、ボールねじ軸80aを軸方向に進退動作させるボール80bをボールねじ軸80aの軸線を中心に回転させる第3ギヤ78cと、第1ギヤ78aの回転を第3ギヤ78cに伝達する第2ギヤ78bと、の3つのギヤで構成され、第3ギヤ78cはボールねじ軸80aの軸線を中心に回転する。
本実施形態におけるアクチュエータ機構74は、前記した構造によって、電動モータ72の出力軸72bの回転駆動力をボールねじ軸80aの進退駆動力(直線駆動力)に変換する。
第1スレーブピストン88bの外周面には、環状段部を介して、一対のスレーブカップシール90a,90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブカップシール90a,90bの間には、後記するリザーバポート92bと連通する第1背室94bが形成される。
なお、第2及び第1スレーブピストン88a,88bの間には、第2リターンスプリング96aが配設され、第1スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第1リターンスプリング96bが配設される。
また、第2スレーブピストン88aの外周面と機構収納部173aとの間を液密にシールするとともに、第2スレーブピストン88aをその軸方向に対して移動可能にガイドする環状のガイドピストン90cが、第2スレーブピストン88aの後方に、シリンダ本体82をシール部材として閉塞するように備わっている。第2スレーブピストン88aが貫通するガイドピストン90cの内周面には、図示しないスレーブカップシールが装着され、第2スレーブピストン88aとガイドピストン90cの間が液密に構成されることが好ましい。さらに、第2スレーブピストン88aの前方の外周面には、環状段部を介して、スレーブカップシール90bが装着される。
この構成によって、シリンダ本体82の内部に充填されるブレーキ液がガイドピストン90cによってシリンダ本体82に封入され、アクチュエータハウジング172の側に流れ込まないように構成されている。
なお、ガイドピストン90cとスレーブカップシール90bの間には、後記するリザーバポート92aと連通する第2背室94aが形成される。
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a,92bと、2つの出力ポート24a,24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
また、シリンダ本体82内には、出力ポート24aからホィールシリンダ32FR,32RL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第2液圧室98aと、他の出力ポート24bからホィールシリンダ32RR,32FL側へ出力されるブレーキ液圧を制御する第1液圧室98bが設けられる。
この構成によると、ブレーキ液が封入される第2背室94a、第1背室94b、第2液圧室98a、及び第1液圧室98bは、シリンダ本体82におけるブレーキ液の封入部であり、シール部材として機能するガイドピストン90cによって、アクチュエータハウジング172の機構収納部173aと液密(気密)に区画される。
なお、ガイドピストン90cがシリンダ本体82に取り付けられる方法は限定するものではなく、例えば、図示しないサークリップで取り付けられる構成とすればよい。
第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bとの間には、第2スレーブピストン88aと第1スレーブピストン88bの最大ストローク(最大変位距離)と最小ストローク(最小変位距離)とを規制する規制手段100が設けられる。さらに、第1スレーブピストン88bには、第1スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第2スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン102が設けられ、これによって、特にマスタシリンダ34で制動するバックアップ時において、1つの系統が失陥したときに、他の系統の失陥が防止される。
VSA装置18は、公知のものからなり、右側前輪WFR及び左側後輪WRLのディスクブレーキ機構30a,30b(ホィールシリンダ32FR,32RL)に接続された第2液圧系統70aを制御する第2ブレーキ系110aと、右側後輪WRR及び左側前輪WFLのディスクブレーキ機構30c、30d(ホィールシリンダ32RR,32FL)に接続された第1液圧系統70bを制御する第1ブレーキ系110bとを有する。なお、第2ブレーキ系110aは、左側前輪WFL及び右側前輪WFRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、右側後輪WRR及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第2ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪WFR及び右側後輪WRRに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第1ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪WFL及び左側後輪WRLに設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
この第2ブレーキ系110a及び第1ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなるため、第2ブレーキ系110aと第1ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付しているとともに、第2ブレーキ系110aの説明を中心にして、第1ブレーキ系110bの説明を括弧書きで付記する。
第2ブレーキ系110a(第1ブレーキ系110b)は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)に対して、共通する管路(第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114)を有する。このうち、第1共通液圧路112は、ホィールシリンダ32FR,32RL(32RR,32FL)にブレーキ液圧を供給する供給路となる。
VSA装置18は、導入ポート26a(26b)と第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなるレギュレータバルブ116と、前記レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a(26b)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a(26b)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第1チェックバルブ118と、第1共通液圧路112と第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1インバルブ120と、前記第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第2チェックバルブ122と、第1共通液圧路112と第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2インバルブ124と、前記第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)側へのブレーキ液の流通を阻止する)第3チェックバルブ126とを備える。
なお、本実施形態のVSA装置18には、第1共通液圧路112におけるブレーキ液圧を計測する圧力センサP1が備わり、圧力センサP1で計測された計測信号は、制御手段150に入力される。
第1インバルブ120および第2インバルブ124は、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに、ブレーキ液圧を供給する管路(第1共通液圧路112)を開閉する開閉手段である。そして、第1インバルブ120が閉弁すると、ホィールシリンダ32FR,32RLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。また、第2インバルブ124が閉弁すると、ホィールシリンダ32RR,32FLへの第1共通液圧路112からのブレーキ液圧の供給が遮断される。
さらに、VSA装置18は、第1導出ポート28a(第4導出ポート28d)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第1アウトバルブ128と、第2導出ポート28b(第3導出ポート28c)と第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第2アウトバルブ130と、第2共通液圧路114に接続されたリザーバ装置132と、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)第4チェックバルブ134と、前記第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給するポンプ136と、前記ポンプ136の前後に設けられる吸入弁138及び吐出弁140と、前記ポンプ136を駆動するモータMと、第2共通液圧路114と導入ポート26a(26b)との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなるサクションバルブ142とを備える。
なお、第2ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する管路(液圧路)上には、モータシリンダ装置16の出力ポート24aから出力され、前記モータシリンダ装置16の第2液圧室98aで制御されたブレーキ液圧を計測する圧力センサPhが設けられる。各圧力センサPm、Pp、Phで計測された計測信号は、制御手段150に入力される。また、VSA装置18では、VSA制御のほか、ABS(アンチロックブレーキシステム)も制御可能である。
さらに、VSA装置18に代えて、ABS機能のみを搭載するABS装置が接続される構成であってもよい。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bが励磁されて弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁されて弁開状態となる。従って、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bによって第2液圧系統70a及び第1液圧系統70bが遮断されているため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生した液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達されることはない。
このとき、マスタシリンダ34の第1圧力室56bで発生した液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給された液圧によってシミュレータピストン68が第1及び第2リターンスプリング66a,66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されるとともに、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
このようなシステム状態において、制御手段150は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると制動時と判定し、モータシリンダ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第2リターンスプリング96a及び第1リターンスプリング96bのばね力に抗して第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bを図2中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第2スレーブピストン88a及び第1スレーブピストン88bの変位によって第2液圧室98a及び第1液圧室98b内のブレーキ液がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
具体的に、制御手段150は、ペダルストロークセンサStの計測値に応じてブレーキペダル12の踏み込み操作量(以下、適宜「ブレーキ操作量」と称する)を算出し、このブレーキ操作量に基づいて、回生制動力を考慮した上で目標となるブレーキ液圧を設定し、設定したブレーキ液圧をモータシリンダ装置16に発生させる。
本実施形態の制御手段150は、例えば、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されるマイクロコンピュータ及び周辺機器からなる。そして、制御手段150は、あらかじめROMに記憶されているプログラムをCPUで実行し、車両用ブレーキシステム10を制御するように構成される。
また、本実施形態における電気信号は、例えば、電動モータ72を駆動する電力や電動モータ72を制御するための制御信号である。
また、ブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する操作量計測手段はペダルストロークセンサStに限定されるものではなく、ブレーキペダル12の踏み込み操作量を計測可能なセンサであればよい。例えば、操作量計測手段を圧力センサPmとして、圧力センサPmが計測する液圧をブレーキペダル12の踏み込み操作量に変換する構成であってもよいし、図示しない踏力センサによってブレーキペダル12の踏み込み操作量(ブレーキ操作量)を計測する構成であってもよい。
このモータシリンダ装置16における第2液圧室98a及び第1液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120,124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに伝達され、前記ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLが作動することにより各車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)に所望の制動力が付与される。
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、動力液圧源として機能するモータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する制御手段150等が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことで液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)との連通を第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bで遮断した状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第2遮断弁60a及び第1遮断弁60bをそれぞれ弁開状態、第3遮断弁62を弁閉状態としマスタシリンダ34で発生する液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)にブレーキ液圧として伝達し、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の液圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
以上のように構成される車両用ブレーキシステム10は、運転者がブレーキペダル12を踏み込み操作するとモータシリンダ装置16で発生したブレーキ液圧が、VSA装置18を介して各車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)のホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給される。そして、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給されたブレーキ液圧によって、それぞれのディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30dにキャリパ圧が発生し、各車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)に制動力が付与される。車両1(図1参照)は、各車輪に付与される制動力が作用して停車し、静止する。
また、VSA装置18のポンプ136が駆動して第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液が供給されると、第1共通液圧路112におけるブレーキ液圧が昇圧し、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLに供給されるブレーキ液圧が昇圧する。そして、これによって、ディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30dに発生するキャリパ圧が高くなり、車両1に作用する制動力が増大する。したがって、本実施形態において、ポンプ136は車両1に作用する制動力を増大する増力手段として機能する。
さらに、本実施形態の制御手段150は、ブレーキペダル12が踏み込み操作されて車両1に制動力が作用し、車両1の車速が、あらかじめ設定されている所定の速度閾値より低くなったときに車両1が静止したと判定し、車両用ブレーキシステム10を制御してブレーキホールド機能を作動する。
なお、制御手段150が、車両1が静止したと判定する車速の速度閾値は、適宜設定されていることが好ましい。
図3の(a)〜(d)はブレーキホールド機能が作動する状態を示す図である。
なお、図3の(a)の縦軸は車速、横軸は時間を示す。また、図3の(b)はブレーキホールド機能の制御状態と制動力の時間経過、(c)はブレーキホールド機能の作動状態(ON,OFF)の時間経過、(d)はパワーユニットが出力する動力の時間変化を示す。
図2に示す本実施形態の車両用ブレーキシステム10で作動するブレーキホールド機能は、ブレーキペダル12が踏み込み操作されて、車両1(図1参照)の車速が、あらかじめ設定される速度閾値より低くなったとき(制御手段150が、車両1が静止したと判定したとき)に、各車輪(右側前輪WFR,左側後輪WRL,右側後輪WRR,左側前輪WFL)のホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FLにブレーキ液圧が供給された状態を維持する機能である。
ブレーキホールド機能が作動することによって、運転者がブレーキペダル12から足を離すなどしてブレーキペダル12が解放された場合、各車輪に制動力が付与された状態が維持されて車両1の動き出しが抑制される。つまり、本実施形態のブレーキホールド機能は、車両1に作用する制動力を保持する機能である。
図3の(a)に示すように、時刻t1で運転者がブレーキペダル12(図2参照)を踏み込み操作すると、制御手段150(図2参照)はモータシリンダ装置16(図2参照)でブレーキ液圧を発生させてホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)に供給する。これによって、各車輪のディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30d(図2参照)にキャリパ圧が発生し、図3の(b)に実線で示すように、運転者が要求する制動力が車両1に発生する。そして、図3の(a)に示すように、車両1(図1参照)の車速は低下する。
また、制御手段150(図2参照)は、ブレーキペダル12(図2参照)が踏み込み操作された時刻t1から、図3の(d)に示すようにパワーユニットPU(図1参照)が出力する動力を低減する。これによって駆動輪の駆動力は低下する。
この状態で、駆動輪には、パワーユニットPUが出力する動力が伝達されて駆動トルクが発生しているが、例えば、登坂路においては、車両1(図1参照)が当該登坂路を登坂するだけの駆動トルクが駆動輪に発生せず、車両1の車速は効果的に低下する。
そして、制御手段150(図2参照)は、車輪速センサ35a,35b,35c,35d(図2参照)が計測する各車輪の車輪速に基づいて演算する車両1(図1参照)の車速が時刻t2で所定の速度閾値より低くなったときに車両1が静止したと判定し、図3の(c)に示すようにブレーキホールド機能を作動する(ブレーキホールド機能をONにする)。
具体的に制御手段150は、時刻t2で車両1が静止したと判定すると、VSA装置18(図2参照)に備わるノーマルオープンタイプのレギュレータバルブ116(図2参照)を閉弁する。これによって、モータシリンダ装置16(図2参照)で発生したブレーキ液圧がVSA装置18(第1共通液圧路112,第2共通液圧路114)に封じ込められ、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)に供給されるブレーキ液圧が保持される。そして、各車輪のディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30d(図2参照)はキャリパ圧が発生した状態に維持され、車両1は制動力が作用した状態が維持される。したがって、ブレーキホールド機能が作動することによって、車両1は静止した状態に維持される。
そして、制御手段150(図2参照)は、時刻t2でブレーキホールド機能を作動したら、図3の(d)に示すようにパワーユニットPU(図1参照)からの動力の出力を停止する。例えば、制御手段150は電動機200を停止する。
なお、制御手段150は、時刻t2でブレーキホールド機能を作動するとき、パワーユニットPUからの動力の出力を停止することなく当該パワーユニットPUから出力される動力を、弱い駆動トルクが駆動輪に発生する程度まで低下させる構成であってもよい。
さらに、制御手段150(図2参照)は、時刻t2でブレーキホールド機能を作動するときにVSA装置18のポンプ136(図2参照)を駆動する。ポンプ136が駆動すると、前記したように、第1共通液圧路112(図2参照)におけるブレーキ液圧が昇圧し、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)に供給されるブレーキ液圧が昇圧する。そして、これによって、ディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30d(図2参照)に発生するキャリパ圧が昇圧し、図3の(b)に一点鎖線で示すように、車両1(図1参照)に作用する制動力が増大する。
このように、制御手段150は時刻t2まではブレーキホールド機能の制御状態を停止状態とし、車両1が静止したと判定した時刻t2からポンプ136を駆動して、ブレーキホールド機能の制御状態を増圧状態にする。
そして制御手段150(図2参照)は、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)にブレーキ液圧が供給されて発生する制動力が、あらかじめ設定される所定の規定制動力(図3の(b)に示す「保持力PWHLD」)まで増大した時刻t3でポンプ136(図2参照)を停止する。これによって、車両1(図1参照)に作用する制動力が規定制動力(保持力PWHLD)に保持され、車両1は静止した状態に維持される。
このように、制御手段150は時刻t3でポンプ136を停止して、ブレーキホールド機能の制御状態を保持状態にする。
なお、ブレーキホールド機能が作動しているときに車両1に作用する制動力となる保持力PWHLD(本実施形態における規定制動力)は、例えば、車両1を確実に静止した状態に維持できる制動力として、あらかじめ設定されていることが好ましい。
また、ブレーキホールド機能の作動でパワーユニットPU(図1参照)からの出力が停止(または、低下)する動力に応じて保持力PWHLDが設定される構成であってもよい。例えば、パワーユニットPUからの出力が停止(または、低下)する動力に相当するだけ増大した制動力が保持力PWHLDとして設定される構成であってもよい。
この場合、停止(または、低下)する動力に対して増大する制動力が実験計測やシミュレーション等によってあらかじめ決定されていれば、制御手段150(図1参照)は、ブレーキホールド機能の作動でパワーユニットPUからの出力が停止(または、低下)される動力に対応する制動力を演算できる。さらに、制御手段150は、現在発生している制動力に演算した制動力を上乗せした値を保持力PWHLDに設定できる。
例えば、登坂路においてはパワーユニットPU(図1参照)から出力される動力で生じる駆動トルクが制動力として車両1(図1参照)に作用し、車両1の動き出しが抑制される。しかしながら、ブレーキホールド機能の作動でパワーユニットPUから出力される動力が低下すると駆動トルクが弱まって車両1に作用する制動力が低下し、車両1が動き出す場合がある。そこで、制動力の停止(または、低下)で弱まる駆動トルクにともなって減少する制動効果を補うように、動力に対応する制動力が決定されていれば、ブレーキホールド機能の作動時に、車両1の動き出しが効果的に抑制される。
そして、本実施形態の制御手段150(図2参照)は、VSA装置18の圧力センサP1(図2参照)が計測する第1共通液圧路112(図2参照)のブレーキ液圧に基づいて、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)に発生して車両1(図1参照)に作用する制動力を演算し、演算した制動力が保持力PWHLDまで増大した時点(図3の(b)に示す時刻t3)でポンプ136(図2参照)を停止する。
例えば、第1共通液圧路112のブレーキ液圧と、車両1に作用する制動力と、の関係を示すマップがあらかじめ設定されて制御手段150の図示しない記憶部に記憶されている構成とすれば、制御手段150は、圧力センサP1が計測する第1共通液圧路112のブレーキ液圧に基づいて当該マップを参照し、車両1に作用する制動力を演算できる。
また、制御手段150(図2参照)は、ブレーキホールド機能を作動するとき、パワーユニットPU(図1参照)が出力する動力に連動してポンプ136(図2参照)の駆動による制動力を、時刻t2から時刻t3にかけて徐々に高める構成であってもよい。
つまり、制御手段150は、パワーユニットPUが出力する動力を漸減させ、制動力を漸増させる構成であってもよい。
例えば、制御手段150は、パワーユニットPUが出力する動力が「0」になるまでの間にポンプ136の駆動でホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)に発生する制動力を徐々に高め、パワーユニットPUが出力する動力が「0」になった時点(図3の(b)に示す時刻t3)で、車両1(図1参照)に作用する制動力が保持力PWHLDになるようにポンプ136を駆動する構成であってもよい。
このような構成であれば、特に登坂路においては、パワーユニットPU(図2参照)から出力される動力に応じて車両1(図1参照)の駆動輪に発生する駆動トルクによる制動(静止)から、ポンプ136(図2参照)の駆動で増大する制動力による制動(静止)に徐々に切り替わる。したがって、駆動トルクによる制動から制動力による制動への急峻な切り替わりが抑制され、切り替わりのときに車両1が一時的に動き出すなどの現象の発現が抑制される。
例えば、パワーユニットPU(図1参照)が出力する動力を計測可能な動力計測手段(図示せず)が備わる構成とし、制御手段150(図2参照)は、動力計測手段が計測する動力が、所定の単位時間あたりに変化する変化量に基づいてポンプ136(図2参照)を駆動する構成とすればよい。
また、パワーユニットPUが出力する動力の単位時間あたりの変化量が、あらかじめ設定される所定量より大きい場合、制御手段150は、ポンプ136を駆動せず、車両1(図1参照)に作用する制動力を変化させない構成であってもよい。
このような構成であれば、例えば電動機200(図1参照)に供給される電力の不規則な変動(ばたつき)によって当該電動機200から出力される動力が不規則に変化した場合、その駆動力の不規則な変化に応じてポンプ136が不規則に駆動される不具合が回避される。
また、本実施形態の車両用ブレーキシステム10(図1参照)は、図示しないアクセルペダルが踏み込み操作されたとき(時刻t4)にブレーキホールド機能を停止する(OFFする)ように構成される。
具体的に、制御手段150(図2参照)は、図示しないアクセルペダルが踏み込み操作されたことを検知するとブレーキホールド機能を停止する(OFFする)条件が成立したと判定し、レギュレータバルブ116(図2参照)を開弁する。VSA装置18(第1共通液圧路112,第2共通液圧路114)に封じ込められていたブレーキ液圧が導入ポート26a,26b(図2参照)を介してVSA装置18から解放されて、ホィールシリンダ32FR,32RL,32RR,32FL(図2参照)へのブレーキ液圧の供給が停止される。これによって、各車輪のディスクブレーキ機構30a,30b,30c,30d(図2参照)に発生していたキャリパ圧が消失し、車両1(図1参照)に作用する制動力が消失する。
そして、制御手段150(図2参照)は、パワーユニットPU(図1参照)を駆動し、アクセルペダルの踏み込み操作量に応じたトルク(運転者が要求する要求トルク)と等しい駆動トルクを駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に発生させる。これによって車両1(図1参照)は、駆動輪に発生した駆動トルクで走行する。
なお、制御手段150は、ブレーキホールド機能を停止するとき、車両1に作用する制動力が消失する時刻t5までに要求トルクと等しい駆動トルクを駆動輪に発生させる構成であってもよい。
このような構成であれば、要求トルクと等しい駆動トルクが駆動輪に発生する時点で微小な制動力が車両1に作用している状態であり、例えば、駆動輪に発生する駆動トルクで車両1が急発進して状態が不安定になるような不具合の発生を防止できる。
このように、制御手段150(図2参照)は図示しないアクセルペダルが踏み込み操作された時刻t4から制動力が消失する時刻t5までブレーキホールド機能の制御状態を減圧状態にし、その後はブレーキホールド機能の制御状態を停止状態にする。
以上のように、本実施形態の車両用ブレーキシステム10の制御手段150(図2参照)は、ブレーキホールド機能を作動するときにパワーユニットPU(図2参照)からの動力の出力を停止する(または、低下させる)。したがって、ブレーキペダル12(図2参照)がオフされた時点から電動機200(図1参照)への電力の供給を停止することも可能になり、この場合には、ブレーキホールド機能の作動時における電力の消費量を低減することができる。
なお、ブレーキホールド機能が作動するときに電動機200が停止せず、当該電動機200から出力する動力が低下する構成であっても、電動機200で消費される電力が減少するため省エネルギの効果を得ることができる。
また、電動機200(図1参照)は、回転駆動しない状態での通電状態が回避されるため同相通電状態が回避される。したがって、電動機200に電力を供給する回路等の発熱もなく連続的な使用も可能となる。
さらに、本実施形態のブレーキホールド機能は、駆動輪(右側前輪WFR,左側前輪WFL)に発生する駆動トルクによって生じる制動力から、機械的なロック(例えば、駆動輪の機械的に固定するロック)へ切り替わる構成ではない。したがって、ブレーキホールド機能の作動時に、駆動トルクによる制動力から機械的なロックへ切り替わるときに車両1(図1参照)が一時的に動き出すなどの現象も発現しない。
なお、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
図4はパワーユニットとしてエンジンを備える車両を示す図である。
例えば、図4に示すように、エンジンコントロールユニット(制御手段150)で制御されるエンジン2がパワーユニットPUとして備わる車両1aの場合、図3の(a)に示す時刻t1でブレーキペダル12(図2参照)が踏み込み操作されたとき、制御手段150は、エンジン2が出力する動力を低下する構成であってもよい。
そして、制御手段150は、図3の(a)に示す時刻t2で車両1aが静止したと判定したときに、図3の(c)に示すようにブレーキホールド機能を作動する(ブレーキホールド機能をONにする)。
さらに、制御手段150は、時刻t2でブレーキホールド機能を作動したら、ポンプ136(図2参照)の駆動による制動力の上昇に連動してエンジン2の出力を低下する構成とすればよい。
つまり、制御手段150は、ポンプ136の駆動で増大する制動力(車両1aに作用する制動力)が保持力PWHLDまで増大する間にエンジン2の出力を徐々に低下させ、車両1aに作用する制動力が保持力PWHLDになった時点(図3の(b)に示す時刻t3)でエンジン2を停止する構成とすればよい。
このような構成であっても、ブレーキホールド機能の作動時(時刻t2)には、エンジン2を停止することができ、エンジン2で消費される燃料の消費量を低減できる。つまり、電動機200(図1参照)が備わらない車両1aであっても、燃料の消費を低減してブレーキホールド機能を作動することができる。
また、図1に示す車両1は、パワーユニットPUがエンジン2と電動機200からなるハイブリッド車両であるが、電動機200をパワーユニットPUとする電気自動車にも本発明を適用できる。
さらに、本発明は、燃料電池から供給される電力で電動機200が駆動される燃料電池車にも適用できる。
また、本発明は、ブレーキホールド機能に限定されず、EPB(Electric Parking brake:電動パーキングブレーキ)にも適用できる。
1,1a 車両
2 エンジン(パワーユニット)
10 車両用ブレーキシステム
12 ブレーキペダル(ブレーキ操作部)
136 ポンプ(増力手段)
150 制御手段
200 電動機(パワーユニット)
PU パワーユニット
WFR 右側前輪(駆動輪)
WFL 左側前輪(駆動輪)

Claims (5)

  1. 駆動トルクを車両の駆動輪に発生させる動力を出力するパワーユニットを制御可能な制御手段と、
    ブレーキ操作部が操作されたときに発生する制動力を増大する増力手段と、を有し、
    前記ブレーキ操作部が操作されて発生した前記制動力を保持して車両を静止した状態に維持するブレーキホールド機能を作動可能に構成される車両用ブレーキシステムにおいて、
    前記制御手段は、
    前記制動力が作用して前記車両の速度が所定の速度閾値より低くなったときに当該車両が静止したと判定して前記ブレーキホールド機能を作動し、
    前記パワーユニットからの前記動力の出力を低下させるとともに、前記制動力を前記増力手段で増大して保持することを特徴とする車両用ブレーキシステム。
  2. 前記制御手段は、
    前記ブレーキホールド機能を作動するとき、
    低下させる前記動力に相当するだけ、前記制動力を増大することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキシステム。
  3. 前記制御手段は、
    前記ブレーキホールド機能を作動するときに、前記パワーユニットからの前記動力の出力を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキシステム。
  4. 前記制御手段は、
    前記ブレーキホールド機能を作動するときに、前記パワーユニットから出力される前記動力を漸減させ、前記制動力を漸増させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキシステム。
  5. 前記制御手段は、
    前記パワーユニットから出力される前記動力の単位時間あたりの変化量が、あらかじめ設定される所定量より大きい場合には前記制動力を変化させないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキシステム。
JP2013140903A 2013-07-04 2013-07-04 車両用ブレーキシステム Active JP6117028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140903A JP6117028B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 車両用ブレーキシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140903A JP6117028B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 車両用ブレーキシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015013549A true JP2015013549A (ja) 2015-01-22
JP6117028B2 JP6117028B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=52435672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013140903A Active JP6117028B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 車両用ブレーキシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6117028B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019031130A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 株式会社Subaru 車両制動装置および車両制動方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000351340A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Honda Motor Co Ltd ブレーキ力保持装置付車両
JP2002087231A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Honda Motor Co Ltd ブレーキ液圧保持装置
JP2003025977A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Isuzu Motors Ltd 車両の坂道発進補助装置
JP2009202665A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ力保持制御装置
JP2011166996A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Toyota Motor Corp モータ走行車両制御装置、モータ走行車両制御方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000351340A (ja) * 1999-06-11 2000-12-19 Honda Motor Co Ltd ブレーキ力保持装置付車両
JP2002087231A (ja) * 2000-09-12 2002-03-27 Honda Motor Co Ltd ブレーキ液圧保持装置
JP2003025977A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Isuzu Motors Ltd 車両の坂道発進補助装置
JP2009202665A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ブレーキ力保持制御装置
JP2011166996A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Toyota Motor Corp モータ走行車両制御装置、モータ走行車両制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019031130A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 株式会社Subaru 車両制動装置および車両制動方法
JP7058047B2 (ja) 2017-08-04 2022-04-21 株式会社Subaru 車両制動装置および車両制動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6117028B2 (ja) 2017-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5848726B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6040306B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP5884757B2 (ja) 車両用制動装置
JP5827215B2 (ja) 液圧発生装置
JP6223257B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6099598B2 (ja) 車両制御装置
JP5997528B2 (ja) 車両用ブレーキシステム及びその制御方法
JP6061896B2 (ja) 車両用ブレーキシステムおよびブレーキフェード検知方法
JP6080835B2 (ja) 車両制御装置
JP5989043B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6117028B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6325944B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP6131156B2 (ja) 車両用制動システム
JP6040097B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP5924619B2 (ja) 制動力発生装置
JP5927723B2 (ja) 制動力発生装置
JP6139472B2 (ja) 車両用ブレーキ装置、および、車両用ブレーキ装置に備わる電動機の電気角検出方法
JP5864378B2 (ja) 制動力発生装置
JP5950738B2 (ja) 制動力発生装置
JP5988917B2 (ja) 車両用ブレーキシステム
JP2015063247A (ja) 車両用制動システム
JP2016002887A (ja) 車両用ブレーキシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6117028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150