以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明するにあたり、便宜上、「特別図柄」の文言については「特図」と省略し、「普通図柄」の文言については「普図」と省略することにする。また、特に断らない限り、「遊技」とは、第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる遊技のことを指すものとする。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、図2に示すように、その盤面に遊技領域31を有しており、遊技領域31は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって遊技領域31の上部へ打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、演出図柄53を変動および停止表示する演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aおよび第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。また、遊技盤面の右下方の位置には、特図を変動および停止表示する特図表示装置17と、普図表示装置22とが設けられている。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、基本的に遊技球は演出表示装置34の左側を流下することになる。この場合、打ち出された遊技球が第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがない、または第2始動入賞口37bに入賞が困難となるように設定されている。
それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることはない、または困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第2始動入賞口37bにしか遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bは、電動チューリップ49が開放されない限り、その内部に遊技球が入賞することができない構成となっている。よって、遊技者は、通常、ぶっこみ狙いで遊技球を打ち出しながら遊技を進めることになる。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特図表示装置17に変動表示される第1特図または第2特図と同期をとって演出図柄53が変動表示されるようになっている。
本実施形態では、演出図柄53として1〜9までの数字が用いられており、3つの数字が同一の数字で変動停止すると電子抽選の結果が大当たりとなる。そして、2つの数字が同一の数字で変動を停止し、かつ、1つの数字が変動中である状態を「リーチ」と言う。
なお、本実施形態例における、2つの数字が同一の数字で変動を停止し、かつ、1つの数字が変動中である演出図柄53の変動態様が、本発明における特殊変動態様に相当する。また、演出図柄53の変動態様がリーチとならずに電子抽選の結果がハズレとなる変動態様が、本発明における通常変動態様に相当する。
また、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が演出図柄53の表示を邪魔しないように区画形成されている。具体的には、演出表示装置34の左下側に第1特図用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115aに保留球乱数が記憶されたことを表示する第1保留球表示領域34aが設けられ、右下側に第2特図用保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115bに保留球乱数が記憶されたことを表示する第2保留球表示領域34bが設けられている。第1始動入賞口37aまたは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特図用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部100から出力されるコマンドを受けると、これらの保留球表示領域34a,34bに白色等の識別可能な色にて保留球の表示がなされる(図4参照)。
特図表示装置17は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。より具体的には、特図表示装置17は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。
本実施形態では、特図表示装置17として7セグメント表示器が用いられている。この特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技とが同時に進行することはない。より詳しくは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技より、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技の方を優先して実行するように構成されている。即ち、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方を先に読み出して遊技に係る処理を実行する。そのため、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特図表示装置17で表示している。勿論、特図表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普図に係る電子抽選の結果を表示するための普図表示装置22が、特図表示装置17の隣に設けられている。この普図表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
なお、特図表示装置17の表示制御は、主制御処理部100の第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bによって行われ、普図表示装置22の表示制御は、主制御処理部100の普図表示制御部102によって行われている(図4参照)。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、電動チューリップ49は、一対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、板状部材が手前側に倒れることにより第2始動入賞口37bが露呈され、板状部材の上に乗ったパチンコ球が、そのまま板状部材に案内されて第2始動入賞口37bに入賞するような構造のもの(所謂、ベロ式電チュー)を用いることもできる。
また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特図に係る電子抽選の結果、大当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。このアタッカー装置41は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42が露呈され、その大入賞口42に遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、アタッカー装置41は、常態では蓋部材が大入賞口42を閉じているため、大入賞口42に遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42が露呈されるため、遊技球を大入賞口42内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口42は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置41の蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられ、遊技球が通過することでそれぞれの入賞口への入賞を検知している。各入賞口への入賞が検知されると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球および貸球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。
受皿5の側部には遊技者が操作する操作ユニット(操作部)60が設けられている。操作ユニット60は、押下操作可能に形成された円盤状の押しボタン61と、この押しボタン61の周りに設けられ回転操作可能に形成された円環状のジョグダイヤル62と、を備えている。
操作ユニット60の内部には、押しボタン61が押下操作されたことを検出する押下検出部(図示せず)と、ジョグダイヤル62が回転操作されたことを検出する回転検出部63(図4参照)と、が設けられている。本実施形態例の回転検出部63は、ジョグダイヤル62が1回転行われる間に検出信号を24回サブ制御処理部200に出力する構成となっている。つまり、検出信号が1回出力された後にジョグダイヤル62が15度回転操作されると、回転検出部63は検出信号をサブ制御処理部200に1回出力するようになっている。
本実施形態例では、出力された検出信号が所定の期間内(詳しくは後述)にサブ制御処理部200に入力されたことに基づいて、スピーカ20で出力される楽曲が変更されるようになっている。なお、演出表示装置34にデモ画面が表示されている間(所謂、客待ち中)にジョグダイヤル62が回転操作されると、スピーカ20の音量が調整されるようになっている。
主制御処理部100は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部100は、CPU、予め定められた制御プログラムを格納するROM、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等により構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、主制御処理部100は、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特図に係る電子抽選を行う特図抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特図抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特図の種類を決定する特図種類決定処理部120と、変動パターンを決定するための特図変動パターン決定部(変動パターン決定手段)130と、所定条件が成立したことに基づいて遊技状態を所定の遊技状態へと移行させる遊技状態設定部140と、特図抽選処理部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合に大当たり遊技としてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させる大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、を備えている。
さらに、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図の当否に係る抽選を行う普図抽選処理部170と、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180と、特図表示装置17の表示制御を行う第1特図表示制御部101aおよび第2特図表示制御部101bと、普図表示装置22の表示制御を行う普図表示制御部102と、を備えて構成されている。
特図抽選処理部110は、図5に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する特図当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、第1特図の当否に係る抽選を行う第1特図当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、第2特図の当否に係る抽選を行う第2特図当否抽選部119bと、を備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特図に係る抽選手段には、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つのものがある。
第1特図当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特図当否判定用乱数取得部112aと、この第1特図当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを判定する際の遊技状態が高確率状態または低確率状態かによって、第1特図高確率判定テーブル116aまたは第1特図低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特図当否判定部113aと、第1特図当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した保留球乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、図6に示すように、第1特図高確率判定テーブル116aは、特図低確率判定テーブル117aよりも、大当たりとなる確率が高くなっている。より詳しく言うと、第1特図高確判定テーブル116aは、大当たりの当選確率が1/30、第1特図低確率判定テーブル117aは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第1特図高確率判定テーブル116aの方が、第1特図低確率判定テーブル117aに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第1特図の当否判定の結果は、第1特図低確率判定テーブル117aが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル116aが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
第2特図当否抽選部119bも第1特図当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図当否判定用乱数発生部111で発生した特図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特図当否判定用乱数取得部112bと、この第2特図当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを判定する際の遊技状態が高確率状態または低確率状態かによって、第2特図高確率判定テーブル116bまたは第2特図低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特図当否判定部113bと、第2特図当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を特図に係る保留球乱数として記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した保留球乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第2特図用保留球乱数記憶部115bと、を備えている(図4参照)。
ここで、図6に示すように、第2特図高確率判定テーブル116bは、第2特図低確率判定テーブル117bよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特図高確率判定テーブル116bは、大当たりの当選確率が1/30、第2特図低確率判定テーブル117bは、大当たりの当選確率が1/300に設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル116bの方が、第2特図低確率判定テーブル117bに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
より具体的には、第2特図の当否判定の結果は、第2特図低確率判定テーブル117bが参照される場合、特図当否決定用乱数の値が0〜217までのときに大当たりとなり、その値が218〜65535までのときにハズレとなる。また、第2特図高確率判定テーブル116bが参照される場合、その当否判定の結果は、特図当否決定用乱数の値が0〜2170までのときに大当たりとなり、その値が2171〜65535までのときにハズレとなる。
なお、上述のように、第1特図高確率判定テーブル116aと第2特図高確率判定テーブル116bとの判定する値が共通であり、第1特図低確率判定テーブル117aと第2特図低確率判定テーブル117bの判定する値が共通であるため、特図抽選処理部110が、第1特図高確率判定テーブル116aと第2特図高確率判定テーブル116bとを共通とする特図高確率判定テーブル116、第1特図低確率判定テーブル117aと第2特図低確率判定テーブル117bとを共通とする特図低確率判定テーブル117、とを設ける構成としても良い。
なお、第1特図当否抽選部119aが第1特図低確率判定テーブル117aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図低確率判定テーブル117bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、単に「特図低確」と言うことにし、第1特図当否抽選部119aが第1特図高確率判定テーブル116aを参照して第1特図の当否に係る抽選を行い、第2特図当否抽選部119bが第2特図高確率判定テーブル116bを参照して第2特図の当否に係る抽選を行う遊技状態を、以下、単に「特図高確」と言うことにする。
先にも触れたが、第1特図用保留球乱数記憶部115aと第2特図用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている方を優先的に読み出して大当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている(特図2優先処理)。
次に、特図種類決定処理部120について説明する。上述した特図抽選処理部110が大当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特図種類決定処理部120は、特図の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特図に関する大当たりまたはハズレの決定は特図抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(大当たり種別、大当たり遊技のラウンド数、アタッカー開放パターン、および電サポ回数)は特図種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特図種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特図種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第1特図の種類を決定するための第1特図種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により第2特図の種類を決定するための第2特図種類抽選部129bと、を備えている。本実施形態において、特図の種類の決定は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特図種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第1特図種類決定用乱数取得部122aと、この第1特図種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特図種類決定テーブル125aを参照して第1特図の種類を決定する第1特図種類決定部123aと、第1特図種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第1特図種類決定用乱数記憶部124aと、を備えている。
第1特図種類決定テーブル125aは、図8(a)に示すように、特図種類決定用の乱数と第1特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、15R通常時短有図柄、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄、および2R特定時短有図柄の合計4種類の第1特図が第1特図種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の第1特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。そして、第1特図に割り当てられる特図種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、第1特図のそれぞれが第1特図種類決定部123aによって選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特図種類決定テーブル125aに格納された4種類の第1特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜9までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が10〜27に対して「2R通常時短有図柄」が、当該乱数値が28〜32までのものに対して「15R特定時短有図柄」が、当該乱数値が33〜99までのものに対して「2R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(a)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち10個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、10/100×100=10%である。その他の第1特図の選択確率についても同様にして求められ、「2R通常時短有図柄」の選択確率は18%、「15R特定時短有図柄」の選択確率は5%、「2R特定時短有図柄」の選択確率は67%となっている。
また、図7に示すように、第2特図種類抽選部129bも、同様に第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図種類決定用乱数発生部121で発生した特図種類決定用の乱数を1つ取得する第2特図種類決定用乱数取得部122bと、この第2特図種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特図種類決定テーブル125bを参照して第2特図の種類を決定する第2特図種類決定部123bと、第2特図種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶することが可能な第2特図種類決定用乱数記憶部124bと、を備えている。
第2特図種類決定テーブル125bは、図8(b)に示すように、特図種類決定用の乱数と第2特図の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。特図の種類は、第1特図種類決定テーブル125aと異なり、15R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄の合計2種類の第2特図が第2特図種類決定テーブル125bに格納されており、これら2種類の第2特図のそれぞれに特図種類決定用乱数0〜99までの値が対応付けられている。
より詳細に説明すると、第2特図種類決定テーブル125bに格納された2種類の第2特図のうち、特図種類決定用乱数の値が0〜27までのものに対して「15R通常時短有図柄」が対応付けられており、当該乱数値が28〜99に対して「15R特定時短有図柄」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(b)から明らかなように、「15R通常時短有図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で100個の特図種類決定用乱数のうち28個であるから、「15R通常時短有図柄」が選択される確率は、28/100×100=28%である。「15R特定時短有図柄」の選択確率も同様に求められ72%となっている。
主制御処理部100は、特図抽選処理部110による抽選が当選である場合には、第1特図種類決定部123aまたは第2特図種類決定部123bが決定した特図の種類を、「図柄指定コマンド」としてサブ制御処理部200に送信する一方、特図抽選処理部110による抽選がハズレである場合には、ハズレ図柄の情報が含まれた図柄指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する。なお、後述するサブ制御処理部200の演出決定部(演出図柄決定手段)210は、図柄指定コマンドに基づいて、演出表示装置34に表示する演出図柄53の組み合わせを決定する。
次に、普図抽選処理部170について説明する。普図抽選処理部170は、図9に示すように、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数を生成する普図当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)普図に係る抽選を行って当否を判定するための普図当否抽選部177とを備えて構成されている。
普図当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否判定用乱数発生部171で発生した普図当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普図当否判定用乱数取得部172と、この普図当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普図当否判定部173と、普図当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、普図が変動中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで普図に係る保留球乱数として記憶することが可能な普図用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、判定する際の遊技状態が低確率状態または高確率状態かによって選択される判定テーブルが異なる普図当たりに当選する確率が低い普図低確率判定テーブル176と、この普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普図高確率判定テーブル175と、を備えている。
図示はしないが、普図高確率判定テーブル175は、普図低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普図高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普図低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/20に設定されている。つまり、普図高確率判定テーブル175の方が、普図低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普図高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
なお、普図当否抽選部177が普図低確率判定テーブル176を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図低確」と言い、普図当否抽選部177が普図高確率判定テーブル175を参照して普図に係る抽選を行う遊技状態を、以下の説明において、単に「普図高確」と言う。
次に、図4に示す電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した結果に基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するように制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、「普図高確」中は、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間1.2秒(インターバル0.8秒)で2回開放するよう制御し、「普図低確」中は、1回の普図当たりに対して電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するように制御している。よって、普図高確中は、上述したように、普図抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選により電動チューリップ49が1.2秒×2回開放されるため、遊技者は、普図高確中の場合、普図低確中よりも、電動チューリップ49内に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。
次に、遊技状態について説明する。本実施形態に係るパチンコ機Pには、遊技状態として「低確」、「時短」、「確変」の3つの遊技状態が設けられている。「低確」とは、特図低確かつ普図低確となっている状態をいう。電源投入後の初期状態やRAMクリア時の遊技状態は「低確」である。また、「時短」とは、特図低確かつ普図高確となっている状態をいい、「確変」とは、特図高確かつ普図高確となっている状態をいう。
本実施形態では、先に述べた特図の種類が決定されると、その特図の種類から、大当たり種別、ラウンド数(大当たりラウンド数)、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数が決まるようになっている。これについて、図10を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図10に示すように、各特図の種類には、それぞれ、大当たり種別、ラウンド数、アタッカー開放パターン、大当たり遊技後に設定される電サポ回数を規定した大当たりの内容が予め対応付けられている。
「大当たり種別」とは、大当たり遊技後における遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、大当たり遊技後における遊技状態を特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の大当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の大当たりに当選する可能性が高い。
「ラウンド数」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数が15ラウンド(R)のものと、2ラウンド(R)のものとに定められている。
「アタッカー開放パターン」とは、出玉有りの大当たり遊技か出玉が殆ど無い大当たり遊技かを定めたものであり、「フル開放」は出玉有りの大当たり遊技を示し、「高速開放」は出玉が殆ど無い大当たり遊技を示している。
本実施形態の大当たり遊技は、アタッカー装置41が所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41が開き、露呈した大入賞口42に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間(例えば30秒)が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。そして、本実施形態では、「フル開放」、「高速開放」共に、1回のラウンド遊技で1回開閉するようになっており、1回の開放時間が「フル開放」では、30秒に設定されているのに対して、「高速開放」では、0.2秒と極端に短い時間となるように設定されている点で相違する。
そのため、「フル開放」では、ラウンド遊技が開始されてから所定時間経過するよりも先に大入賞口42に所定個数の遊技球が入賞することが多く、遊技者は、それに応じた賞球(およそ1500個)を獲得することができる。つまり、「フル開放」は、およそ1500個の出玉のある大当たり遊技である。これに対して、「高速開放」では、ラウンド遊技中にアタッカー装置41が開放される時間が短いため、露呈した大入賞口42に遊技球を入賞させることは非常に困難である。その結果、遊技球が大入賞口42に入賞することのないまま、所定時間が経過してラウンド遊技の終了条件が成立してしまう場合が殆どである。そのため、「高速開放」では、大当たり遊技中に出玉を殆ど見込めないということになる。
なお、このアタッカー装置41の作動を制御して、特図の種類に応じたアタッカー開放パターンで大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である(図4参照)。
「電サポ回数」とは、電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図高確の状態で、特図抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(即ち、第1特図に係る遊技回数および第2特図に係る遊技回数)のことである。本実施形態では、電サポ回数は、100回および10000回の合計2種類が設けられている。なお、設定された電サポ回数に到達する前に大当たりに当選すると、その時点で残りの電サポ回数は消滅し、そして新たに当選した際に決定した特図の種類に応じた電サポ回数が付与されるようになることは言うまでもない。
ここで、先に述べたように、特図高確での大当たりの当選確率は1/30であるから、次回の大当たりまでの特図に係る遊技回数が10000回を超えることは皆無であり、特図高確で10000回遊技を行えば、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。つまり、電サポ回数が10000回とは、電サポ回数が「次回の大当たりまで」であることを意味している。よって、「15R特定時短有図柄」および「2R特定時短有図柄」の場合、次回の大当たりまで電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができるということになる。
以上のように、特図抽選処理部110による抽選で大当たりに当選した場合に、特図種類決定処理部120により、特図の種類が決定されると、その種類に応じた大当たりの内容に従って大当たり遊技の制御が行われることとなる。そして、大当たり遊技の終了後、所定の電サポ回数が付与され、遊技状態設定部140は、特図の種類に基づいて、大当たり遊技後の特図に係る遊技状態と普図に係る遊技状態とを設定するように制御している。なお、特図の種類と大当たりの内容との対応関係は以下の通りである。
「15R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、遊技状態は時短(特図低確かつ普図高確)に設定され、101回目以降、遊技状態は低確(特図低確かつ普図低確)に設定される。
「2R通常時短有図柄」は、大当たり種別が通常当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たり(実質0ラウンド)の内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は100回付与され、大当たり遊技の終了後から遊技が100回行われるまで、遊技状態は時短に設定され、101回目以降、遊技状態は低確に設定される。
「15R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が15ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「フル開放」となり、1回の大当たり遊技でおよそ1500個の出玉のある大当たりの内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変(特図高確かつ普図高確)に設定される。
「2R特定時短有図柄」は、大当たり種別が確変当たりであり、ラウンド数が2ラウンドで、大当たり遊技でのアタッカー開放のパターンが「高速開放」となり、殆ど出玉の無い大当たり(実質0ラウンド)の内容に対応している。大当たり遊技の終了後、電サポ回数は10000回付与され、遊技状態は、次の大当たりまで確変に設定される。
なお、大当たり当選時の遊技状態、および、大当たり当選時の特図の種類にかかわらず、大当たり遊技中の遊技状態は低確(特図低確かつ普図低確)になる。そのため、特図に関しては、大当たり遊技中に当否抽選を行うことはないので低確による影響はないが、普図に関しては、大当たり遊技中に普図に係る当否抽選を行う時には普図低確として抽選処理を行うことになる。
なお、上記の特図の種類と大当たりの内容との対応関係については、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合とで同じである。即ち、何れの始動入賞口に遊技球が入賞しても、その入賞を契機に決定される特図の種類が同じであれば、それに対応する大当たりの内容も同じとなる。
主制御処理部100は、遊技状態設定部140により設定された遊技状態の情報を含む「遊技状態確認コマンド」を遊技が開始される毎にサブ制御処理部200に送信している。サブ制御処理部200は、送信された遊技状態確認コマンドに基づいて現在の遊技状態が何れの状態に設定されているかを確認している。
次に、特図の変動時間を決定するための処理について説明する。特図の変動時間は、変動パターンに含まれており、特図変動パターン決定部130が遊技の開始時に変動パターンを決定することにより、その遊技に係る特図の変動時間が決定されるようになっている。
特図変動パターン決定部130は、図11に示すように、変動パターンの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特図変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて第1変動パターンを決定するための第1特図変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて第2変動パターンを決定するための第2特図変動パターン抽選部130bと、を備えて構成されている。
特図変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜2999まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特図変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特図変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第1変動パターンを決定する第1特図変動パターン決定部135aと、第1特図変動パターン用乱数取得部132aが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで記憶することが可能な第1特図変動パターン用乱数記憶部133aと、を備えて構成されている。なお、第1特図変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特図当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
第2特図変動パターン抽選部130bも第1特図変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、特図変動パターン用乱数発生部131にて発生した特図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特図変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特図変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特図共通変動パターンテーブル134の中の所定の変動パターンテーブルを参照して第2変動パターンを決定する第2特図変動パターン決定部135bと、第2特図変動パターン用乱数取得部132bが乱数を取得したときに、この取得した乱数を記憶するとともに、第1特図または第2特図が変動中や大当たり遊技中等の記憶した乱数に基づく変動開始を行うことが出来ない場合に、上限4個まで記憶することが可能な第2特図変動パターン用乱数記憶部133bと、を備えて構成されている。なお、第2特図変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特図当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特図変動パターン用乱数を取得する。
特図共通変動パターンテーブル134は、第1特図変動パターン抽選部130aおよび第2特図変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図12に示すように、通常変動パターンテーブル134a、短縮変動パターンテーブル134bの2つのテーブルを備えている。
各変動パターンテーブル134a、bにはそれぞれ複数の変動パターンテーブルが格納されており、特図変動パターン決定部135a,bは、遊技開始時に特図当否抽選部119による当否抽選の結果と、特図種類抽選部129で決定された特図の種類と、変動パターン決定時の遊技状態と、特図用保留球乱数記憶部115に現在記憶されている保留球乱数の保留記憶数と、に基づいて、各変動パターンテーブル134a、bに格納された複数の変動パターンテーブルの中から参照する変動パターンテーブルを選択する。
図13に示す変動パターンテーブル選択表は、特図変動パターン決定部135a,bが変動パターンテーブルを選択する条件をまとめた表である。例えば、特図抽選の結果がハズレ、決定された特図の種類がハズレ図柄、変動パターン決定時の遊技状態が時短または確変、保留記憶数が0個の場合には、第2特図変動パターン決定部135bは、短縮変動パターンテーブル134b−1を選択する。また、例えば、特図抽選の結果が大当たり、決定された特図の種類が15R通常時短有図柄、変動パターン決定時の遊技状態が時短または確変の場合には、第2特図変動パターン決定部135bは、短縮変動パターンテーブル134b−4を選択する。
変動パターンの具体例を、図14を参照しながら以下に説明する。なお、選択された変動パターンテーブルが短縮変動パターンテーブル134bである場合の変動パターンについて説明を行う。通常変動パターンテーブル134aについては、短縮変動パターンテーブル134bと変動パターンNo.および変動パターンに違いはあるがテーブル構成は同様であるため、図面およびその説明を省略する。
図14(1)に示すように、短縮変動パターンテーブル134b−1が参照される場合には、特図変動パターン用乱数の値が0〜2849までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンは、変動パターンの内容がリーチ無しで変動時間が7秒の変動パターンNo.B1となる。また、特図変動パターン用乱数の値が2850〜2999までの何れかであるとき、それらに対応する第2変動パターンは、変動パターンNo.B2〜B20の何れかとなり、変動パターンの内容が対決系リーチとなる。これらの変動パターンには、変動時間が20秒〜65秒までの何れかの変動時間が規定されている。よって、特図変動パターン用乱数の値が2850〜2999までの場合、保留記憶数が0個〜1個に拘わらず変動パターンNo.に規定されているリーチ変動時間となる。なお、リーチとなる特図変動パターン用乱数の個数は、合計3000個のうち150個となっているので、リーチ確率は1/20となる。
短縮変動パターンテーブル134b−2、134b−3は、短縮変動パターンテーブル134b−1と同様のテーブル構成であるためその説明を省略する。なお、図14(2)および図14(3)に示すように、短縮変動パターンテーブル134b−2が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しとなる場合には、変動時間が4秒となり、短縮動パターンテーブル134b−3が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しとなる場合には、変動時間が1秒となる。つまり、短縮変動パターンテーブル134b−1〜134b−3が参照される場合であって、第2変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、保留記憶数に応じて特図の変動時間が異なるように設定されており、保留記憶数が多くなると変動時間が短くなるように設定されている。
また、図14(4)に示すように、短縮変動パターンテーブル134b−4が参照される場合には、特図変動パターン用乱数の値が0〜2999の何れの値であっても、必ず対決系リーチとなる第2変動パターンが決定される。これらの変動パターンには、変動時間が20秒〜65秒までの何れかの変動時間が規定されている。なお、短縮変動パターンテーブル134b−5は、短縮変動パターンテーブル134b−4と同様のテーブル構成をしているため図面およびその説明を省略する。
なお、本実施形態例における変動パターンNo.B1、No.B21、No.B41が本発明における第2時間変動パターンに相当し、本実施形態例における変動パターンNo.B2〜20、No.B22〜40、No.B42〜60、No.B61〜90が本発明における第1時間変動パターンに相当する。
図14(4)から明らかなように、特図抽選の結果が大当たりの場合には、特図変動パターン用乱数の値が何れの場合であっても、変動パターンNo.に規定されている変動時間となる。
なお、通常変動パターンテーブル134a−1が参照され、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が12.5秒となり、通常変動パターンテーブル134a−2が参照され、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が7秒となり、通常変動パターンテーブル134a−3が参照されて、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には変動時間が4秒となる。つまり、変動パターンの内容がリーチ無しの場合には、通常変動パターンテーブル134aが参照されて特図の変動時間が決定される場合よりも、短縮変動パターンテーブル134bが参照されて特図の変動時間が決定される場合の方が、特図の変動時間が相対的に短いということになる。
ここで、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて取得した特図当否判定用の乱数が保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶される場合において、この入賞のタイミング(以下、入賞タイミングと言う)で取得した変動パターン用乱数に基づいて、第1特図変動パターン決定部135aは、特図共通変動パターンテーブル134を参照して変動パターンを決定して、その変動パターンを「第1先読みコマンド(先読みコマンド)」としてサブ制御処理部200に送信している。
また、特図当否判定用の乱数が保留球乱数として第1特図用保留球乱数記憶部115aに記憶されてから、当該保留球乱数に基づく遊技が開始するまで、この取得した変動パターン用乱数は、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている。そして、保留球乱数に基づく遊技が開始されるタイミング(以下、遊技開始タイミングと言う)で、第1特図変動パターン用乱数記憶部133aに記憶されている変動パターン用乱数を再び読み出して、特図共通変動パターンテーブル134を参照して第1変動パターンを決定して、その第1変動パターンを「正規の第1変動パターンコマンド」としてサブ制御処理部200に送信している。なお、以下の説明において、正規の第1変動パターンコマンドを第1正規コマンドと言うことにする。
つまり、第1特図変動パターン決定部135aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて、変動パターンを2回決定する。1回目の決定は入賞タイミングであり、2回目の決定は遊技開始タイミングである。この後に述べる先読み予告演出実行決定部230は1回目の決定に基づいて先読み予告演出を実行するか否かの決定を行い、この後に述べる演出決定部210は2回目の決定に基づいて今回の遊技に用いる演出を決定する。
なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合も第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と同様の処理を行って第2変動パターン(第2先読みコマンドおよび正規の第2変動パターンコマンド)を決定しているため、ここでの説明は省略する。
本実施形態例では、正規コマンド(第1および第2正規コマンド)の中身は、「A0+変動パターンNo.」となっており、先読みコマンド(第1および第2先読みコマンド)の中身は「BC+変動パターンNo.」となっている。サブ制御処理部200は、変動パターンNo.に「A0」が付加されているか、あるいは「BC」が付加されているかによって、主制御処理部100から送信されたコマンドが正規コマンドであるか、あるいは先読みコマンドであるかを識別している。
次に、払出・発射制御処理部105について説明する。払出・発射制御処理部105は、図4に示すように、主制御処理部100と相互通信可能に接続されているうえ、CRユニット50とも中継基板106を介して相互通信可能に接続されており、各入賞口(第1始動入賞口検知センサ43a等)への球の入賞を契機に主制御処理部100から送信される所定個数を示す賞球指示コマンドや球貸スイッチ(SW)の操作を契機にCRユニット50から送信される所定個数を示す球貸指示信号に従って賞球払出装置14の払出モータの駆動を制御することにより、所定個数の賞球や貸球を払い出したり、発射ボリュームの値に応じて発射装置9の発射用モータ(発射用ロータリーソレノイドが用いられることもある)の駆動を制御することにより、所定の発射強度で遊技球を発射できるようにしたり、整流器の球送りソレノイドの駆動を制御することにより、遊技球を1個ずつ発射装置9に送り出すようにする等の処理を担っている。なお、CRユニット50が払出・発射制御処理部105と電気的に接続されていない場合には、発射装置9から遊技球が発射されることはないように制御されている。
ここまで、主に主制御処理部100が行う各処理について説明したが、ここからは、主制御処理部100からコマンド(指令)を受けて各種演出を行うためのサブ制御処理部200について説明する。サブ制御処理部200は、演出制御処理部201と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音制御処理部202と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部203と、を備えて構成され、図3に示すように遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。
演出制御処理部201は、図15に示すように、処理部として、正規コマンドに基づいて演出を決定する演出決定部(演出決定手段)210と、演出決定部210が決定した演出を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部(演出表示制御手段)220と、先読みコマンドに基づいて先読み予告演出を実行するか否かを決定する先読み予告演出実行決定部230と、操作ユニット60の回転検出部63から出力された検出信号に関する処理を行う操作ユニット制御部(操作部制御手段)240と、を備えて構成されている。
さらに、演出制御処理部201は、記憶部として、演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260には、遊技中に演出表示装置34に表示させる演出態様を記憶した演出態様テーブル261と、ジョグダイヤル62の回転操作により選択可能な楽曲を記憶した楽曲テーブル262と、が記憶されている。演出態様テーブル261には通常演出テーブル261aと、短縮演出テーブル261bと、が格納されている。
各演出テーブル261a、bには、変動パターンに対応する演出態様(演出画像データ)が複数記憶されている。例えば、変動時間20秒の演出画像データとして対決リーチA、対決リーチBおよび対決リーチCの画像データが用意されている。なお、楽曲テーブル262については後述する。
演出決定部210は、図16に示すように、遊技開始タイミングで主制御処理部100から送信された正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ無し」である場合に遊技中に行われる演出を決定する第1演出決定部211と、遊技開始タイミングで主制御処理部100から送信された正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ有り」である場合に遊技中に行われる演出を決定する第2演出決定部213と、正規コマンドに含まれている変動パターンに基づいて今回の遊技が終了してから次回の遊技が開始されるまでの期間(以下、特殊期間と言う)に用いられる演出(以下、特殊期間演出と言う)を決定する特殊期間演出決定部215と、を備えて構成されている。
演出決定部210は、主制御処理部100から送信される「図柄指定コマンド」に基づいて今回の遊技が終了する時点(以下、遊技終了タイミングと言う)で演出表示装置34に表示される演出図柄53の組み合わせを決定する。
第1演出決定部211は、第1演出抽選テーブル212を参照して、演出を抽選により決定する。第1演出抽選テーブル212には複数のテーブルが格納されており、第1演出決定部211は、遊技開始タイミングで送られてくる遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報と、遊技開始タイミングで送られてくる正規コマンドに含まれている変動パターンNoと、に基づいて、第1演出抽選テーブル212に格納された複数のテーブルの中から参照するテーブルを選択する。
第1演出抽選テーブル212に含まれた複数のテーブルのうち第1演出抽選テーブル212−Aは、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報が「低確」である場合に参照されるテーブルであり、第1演出抽選テーブル212−Bは、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報が「時短」または「確変」である場合に参照されるテーブルである。図示はしないが、第1演出抽選テーブル212−Aが参照される場合には、楽曲選択演出の選択確率は0%となる。
楽曲選択演出とは、ジョグダイヤル62の回転操作を遊技者に促して、遊技者の好みの楽曲をジョグダイヤル62の回転操作に基づいて選択できる演出(図25参照)である。楽曲選択演出については詳しく後述する。
第1演出抽選テーブル212−Bに含まれた複数のテーブルのうち第1演出抽選テーブル212−B1は、第2正規コマンドに含まれている変動パターンNo.が「No.B1」である場合に参照されるテーブルである(図17(1))。このテーブルが参照される場合には、予告演出Aの選択確率は10%、予告演出Bの選択確率は0%となり、楽曲選択演出の選択確率は90%となる。なお、先述のように、変動パターンNo.B1が決定された場合には特図の変動時間が7秒となる(図14参照)。
第1演出抽選テーブル212−Bに含まれた複数のテーブルのうち第1演出抽選テーブル212−B41は、第2正規コマンドに含まれている変動パターンNo.が「No.B41」である場合に参照されるテーブルである(図17(2))。このテーブルが参照される場合には、予告演出Aの選択確率および予告演出Bの選択確率は0%となり、楽曲選択演出の選択確率は100%となる。なお、先述のように、変動パターンNo.B41が決定された場合には特図の変動時間が1秒となる。
ここで、予告演出A、予告演出Bについて説明する。予告演出Aは、演出表示装置34の画面全体に複数のキャラクタが表示される画像(第1画像)によって構成されている演出(図25(7)参照)であり、遊技開始タイミングから1秒経過するまで演出表示装置34に表示される演出である。予告演出Bは、演出表示装置34の画面全体にキャラクタが大きく表示される画像(第1画像)によって構成されている演出(図示せず)であり、遊技開始タイミングから3秒経過するまで演出表示装置34に表示される演出である。
図17(1)(2)から明らかなように、第2正規コマンドに含まれた変動パターンがNo.B1である場合には、楽曲選択演出が高い確率で選択され、第2正規コマンドに含まれた変動パターンがNo.B41である場合には、楽曲選択演出が必ず選択される。先に述べたように、変動パターンNo.B1およびB41は、特図抽選の結果がハズレの場合に選択される変動パターンであり、変動パターンの内容は「リーチ無し」である。このため、遊技状態が時短または確変、特図抽選の結果がハズレ、および変動パターンの内容がリーチ無しである場合には、遊技中に楽曲選択演出が実行される可能性が高いと言える。なお、先に述べたように遊技状態が時短の場合には特図抽選の結果が大当たりとなる確率は1/300となり、確変の場合には1/30となる。そして、短縮変動パターンテーブル134b1〜b4が参照されて「リーチ無し」の変動パターンが選択される確率は、図14に示すように19/20(2850/3000)となる。このため、遊技状態が時短または確変で遊技が進行している場合には、特図抽選の結果が大当たりとなるよりもハズレとなる可能性が高く、変動パターンの内容が「リーチ有り」となる確率よりも「リーチ無し」となる確率の方が高いので、遊技中に楽曲選択演出が実行される可能性が高いと言える。
なお、本実施形態例では、遊技状態が時短または確変、特図抽選の結果がハズレ、および変動パターンの内容がリーチ無しである場合には、楽曲選択演出が選択されない可能性があるが、これに限られず、楽曲選択演出が必ず選択される構成であっても良い。
第2演出決定部213は、第2演出抽選テーブル214に含まれた複数のテーブルのうち何れか1つのテーブルを参照して、遊技が開始されてからリーチとなるまでの演出(以下、前半演出と言う)を抽選により決定する。第2演出決定部213は、第1演出決定部211と同様に、遊技開始タイミングで送られてくる遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報と、遊技開始タイミングで送られてくる正規コマンドに含まれている変動パターンNoと、に基づいて、第2演出抽選テーブル214に格納された複数のテーブルの中から参照するテーブルを選択する。
第2演出決定部213は、リーチとなってから遊技が終了するまでの演出(以下、後半演出と言う)をリーチ演出に決定する。例えば、遊技開始タイミングで送られてきた第2正規コマンドに含まれた変動パターンがNo.B2である場合には、演出決定部210は、対決リーチA〜Cの中から1つのリーチ演出を抽選により決定する。
対決リーチA〜Cは、演出表示装置34の画面全体に所定のキャラクタが大きく表示される画像(第1画像)によって構成される演出と、スピーカ20で出力される対決リーチ用BGMによる演出とにより構成されている。例えば、対決リーチAは、キャラクタAが敵役キャラクタと対決を行う画像による演出と、この画像による演出が演出表示装置34に表示されている間にスピーカ20で出力される対決リーチA用のBGMによる演出と、により構成されている。
なお、本実施形態例ではジョグダイヤル62の回転操作により対決リーチ用BGMを他のBGMに変更できないようになっているが、変更できるような構成であっても良い。
第2演出抽選テーブル214に含まれた複数のテーブルのうち第2演出抽選テーブル214−Aは、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報が「低確」である場合に参照されるテーブルであり、第2演出抽選テーブル214−Bは、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報が「時短」または「確変」である場合に参照されるテーブルである。図示はしないが、第2演出抽選テーブル214−Aが参照される場合には、楽曲選択演出の選択確率は0%となる。
第2演出抽選テーブル214−Bに含まれた複数のテーブルのうち第2演出抽選テーブル214−B2は、第2正規コマンドに含まれている変動パターンNo.が「No.B2」である場合に参照されるテーブルである(図17(3))。このテーブルが参照される場合には、予告演出Aの選択確率は50%となり、予告演出Bの選択確率は30%となり、楽曲選択演出の選択確率は20%となる。なお、先述のように、変動パターンNo.B2が決定された場合には特図の変動時間が20秒となる。
第2演出抽選テーブル214−Bに含まれた複数のテーブルのうち第2演出抽選テーブル214−B61は、第2正規コマンドに含まれている変動パターンNo.が「No.B61」である場合に参照されるテーブルである(図17(4))。このテーブルが参照される場合には、予告演出Aの選択確率は20%となり、予告演出Bの選択確率は80%となり、楽曲選択演出の選択確率は0%となる。なお、先述のように、変動パターンNo.B61が決定された場合には特図の変動時間が20秒となる。
先に述べたように、変動パターンNo.B1、No.B2、No.B41は特図抽選の結果がハズレの場合に選択される変動パターンであり、変動パターンNo.B61は特図抽選の結果が大当たりの場合に選択される変動パターンである。図17から明らかなように、特図抽選の結果がハズレの場合、即ち、図17(1)〜(3)の何れかが参照される場合よりも、特図抽選の結果が大当たりの場合、即ち、図17(4)が参照される場合の方が、予告演出Bの選択確率が高いと言える。このため、予告演出Bは特図抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを遊技者に予測させることができる。
また、変動パターンNo.B1、No.B41の内容は「リーチ無し」であり、変動パターンNo.B2の内容は「リーチ有り」である。図17(1)〜(3)から明らかなように、変動パターンの内容が「リーチ無し」(図17(1),(2)の何れかが参照)の場合よりも、変動パターンの内容が「リーチ有り」(図17(3)が参照)の場合の方が、予告演出Aの選択確率が高いと言える。先に述べたように、大当たりに当選する場合には必ずリーチ演出を経由するので、予告演出Aは、今回の遊技でリーチ演出が実行される可能性があることを示唆し、特図抽選の結果が大当たりであるかもしれないと遊技者に予測させることができる。
さらに、図17から明らかなように、特図抽選の結果がハズレの場合には、楽曲選択演出が選択される可能性があり、特図抽選の結果が大当たりの場合には、楽曲選択演出が選択されないようになっている。特図抽選の結果がハズレの場合には遊技者の遊技意欲が低下する虞があるが、本実施形態例では、特図抽選の結果がハズレの場合には遊技者がジョグダイヤル62を回転操作させて遊技者の好みの楽曲を選択できる場合があるので、遊技者の遊技意欲の低下を防止することが出来る場合がある。
なお、本実施形態例では遊技状態が「低確」に設定されている場合には、楽曲選択演出が選択されないようになっているが、これに限られず、遊技状態が「低確」に設定されている場合であっても楽曲選択演出が選択されて、低確中においてもジョグダイヤル62を回転操作させて楽曲を選択できるような構成であっても良い。
次に、今回の遊技が終了してから次回の遊技が開始されるまでの特殊期間における演出を決定する特殊期間演出決定部215について説明する。特殊期間演出決定部215は、遊技状態が「低確」に設定されている場合には、特殊期間演出を「演出無し」に決定し、遊技状態が「時短」または「確変」に設定されている場合には、特殊期間演出を楽曲選択演出に決定する。
なお、遊技状態が「時短」または「確変」に設定されている場合であっても、特殊期間演出を「演出無し」に決定するような構成であっても良い。具体例として、特殊期間演出決定部215は、前回の遊技の遊技開始タイミングで受信した正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ無し」である場合には、特殊期間演出を楽曲選択演出に決定し、前回の遊技の遊技開始タイミングで受信した正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ有り」である場合には、特殊期間演出を「演出無し」に決定するような構成であっても良い。
このように、演出決定部210は、遊技開始タイミングで送られてくる遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報と、遊技開始タイミングで送られてくる正規コマンドに含まれている変動パターンNoと、に基づいて演出抽選テーブルを選択し、選択したテーブルを参照して今回の遊技に用いる演出を抽選により決定する。演出決定部210が演出を楽曲選択演出に決定した場合には、演出表示制御部220が所定の期間に亘り演出表示装置34で楽曲選択演出を実行し、この楽曲選択演出が実行されている期間に亘り遊技者がジョグダイヤル62を回転操作させて好みの楽曲を選択できるようになっている。
次に、演出決定部210が決定した演出を演出表示装置34に表示するように制御する演出表示制御部220について説明する。演出表示制御部220は、特図表示装置17の特図変動と略同期させて演出図柄53の変動表示を開始させ、特図表示装置17の特図停止と略同期させて、演出決定部210により決定された演出図柄53の組み合わせで演出図柄53を停止表示させる。また、演出表示制御部220は、演出決定部210により決定された演出図柄53の組み合わせを今回の遊技終了タイミング後の特殊期間でも引き続き表示する。これは、演出図柄53の停止態様をより長く表示することで特図抽選処理部110の抽選結果を遊技者が見逃さないようにするためである。
また、演出表示制御部220は、演出図柄53の変動開始から変動停止までの間に、第1演出決定部211または第2演出決定部212により決定された演出を演出表示装置34に表示するように制御する。決定された演出が楽曲選択演出である場合には、演出表示制御部220は、楽曲選択演出を実行する期間(以下、楽曲選択演出実行期間と言う)を決定し、楽曲選択演出実行期間に亘り演出表示装置34の画面右上に楽曲選択画像(第2画像)64を表示するように制御する。なお、楽曲選択演出実行期間を決定する処理については詳しく後述する。
楽曲選択画像64は、図18に示すように、楽曲A〜Jのうち何れか1つの楽曲名が表示される楽曲名表示部65と、ジョグダイヤル62の回転操作を遊技者に促す文章と、により構成されている。この楽曲選択画像64は、上記した予告演出Aを構成する画像、予告演出Bを構成する画像、リーチ演出(対決リーチA等)を構成する画像、この後に述べる先読み予告演出を構成する画像よりも、小さい画像であり、特図抽選の結果を報知する演出画像53の邪魔とならないように演出表示装置34の画面右上に表示される。詳しくは後述するが、楽曲選択演出実行期間中に遊技者がジョグダイヤル62を回転操作すると、楽曲名表示部65に表示される楽曲名が順次変更されるようになっている。
なお、演出表示制御部220は、入賞タイミングで主制御処理部100から送信される先読みコマンドを受信すると、保留球表示領域34a,34bに白色等で保留球の表示を行う。
次に、先読み予告演出を実行するか否かを決定する先読み予告演出実行決定部230について説明する。先読み予告演出実行決定部230は、先読みコマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ無し」の場合には先読み予告演出を実行しないことに決定し、先読みコマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ有り」の場合には先読み予告演出を実行するか否かを決定する。先読み予告演出は、演出表示装置34の画面全体にキャラクタCが大きく表示される画像(第1画像)によって構成されている演出(図示せず)である。
先読み予告演出実行決定部230により先読み予告演出が実行されることに決定された場合には、演出決定部210は、先読み予告演出の実行が決定された後に初めて開始される遊技から、先読み予告演出の実行が決定される契機となった先読みコマンドに基づく遊技が開始されるまでの各遊技において、遊技に用いられる演出を先読み予告演出に決定する。
例えば、保留球乱数が第2特図用保留球乱数記憶部115bに2個記憶されている状態で第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、この入賞に基づいてサブ制御処理部200に送られた先読みコマンドによって先読み予告演出実行決定部230が先読み予告演出を実行することを決定した場合には、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている3個の保留球乱数に基づいて行われる3回の遊技において、演出決定部210は、今回の遊技に用いる演出を先読み予告演出に決定する。
演出表示制御部230は、今回の遊技に用いる演出が先読み予告演出に決定された場合には、遊技が開始されてから遊技が終了するまで演出表示装置34に先読み予告演出を表示する。なお、演出決定部210が今回の遊技に用いる演出を先読み予告演出に決定した場合には、第1演出決定部211および第2演出決定部213により演出が決定されないような構成となっており、今回の遊技に用いる演出が楽曲選択演出に決定されることはない。
なお、本実施形態例における予告演出Aを構成する画像、予告演出Bを構成する画像、リーチ演出(対決リーチA等)を構成する画像、先読み予告演出を構成する画像、が本発明における第1画像に相当し、本実施形態例における楽曲選択画像64が本発明における第2画像に相当する。
次に、操作ユニット60の内部に設けられた回転検出部63から出力される検出信号を入力して処理する操作ユニット制御部240について説明する。操作ユニット制御部240は、図19に示すように、回転検出部63から出力された検出信号を入力する検出信号入力部241と、検出信号入力部241が入力した検出信号を、その入力毎に有効または無効とする検出信号処理部242と、検出信号処理部242により有効として取り扱われた検出信号に基づいて楽曲を順次選択する楽曲選択部(演出変更手段)243と、楽曲選択部243の選択した楽曲を記憶する楽曲記憶部244と、を備えて構成されている。
検出信号処理部242は、演出表示制御部220が決定した楽曲選択演出実行期間に基づいて検出信号入力部241が入力した検出信号を有効とする操作有効期間、または検出信号入力部241が入力した検出信号を無効とする操作無効期間を遊技開始タイミングで決定する。操作有効期間および操作無効期間の決定処理については詳しく後述するが、楽曲選択演出実行期間が操作有効期間となり、楽曲選択演出実行期間以外の期間が操作無効期間となる。
楽曲選択部243は、入力された検出信号が検出信号処理部242により有効として取り扱われる毎に、楽曲テーブル262に含まれた複数のテーブルのうち1つのテーブルを参照して楽曲を順次選択する。
図15に示すように、楽曲テーブル262には、楽曲A〜楽曲Dが含まれた第1楽曲テーブル262a、楽曲A〜楽曲Gが含まれた第2楽曲テーブル262b、楽曲A〜楽曲Jが含まれた第3楽曲テーブル262c、が格納されている。
第1楽曲テーブル262aは、大当たりの連続当選回数が1回〜3回までに参照されるテーブルであり、第2楽曲テーブル262bは、大当たりの連続当選回数が4回〜6回までに参照されるテーブルであり、第3楽曲テーブル262cは、大当たりの連続当選回数が7回以降で参照されるテーブルである。なお、「大当たりの連続当選回数」(以下、大当たり連荘回数と言う)とは、初大当たりを契機として普図に係る遊技状態が普図高確に設定されてから再び普図低確に戻るまでの間に大当たりに当選した回数のことを言い、「初大当たり」とは、普図に係る遊技状態が普図低確に設定されている間に当選した大当たりのことを言う。なお、先に述べたように、遊技状態が「低確」の状態にある場合には、楽曲選択演出は実行されないので遊技者が楽曲を選択することはできない。このため、初大当たりに当選するまでに参照されるテーブルが楽曲テーブル262には設けられていない。
このように、操作ユニット制御部240は、楽曲選択演出が演出表示装置34で実行されている期間に亘り入力された検出信号を有効とし、この操作有効期間内に検出信号が入力されると、入力された検出信号は有効として取扱われ、楽曲選択部243により楽曲が選択される。演出表示制御部220は、楽曲選択部243により選択された楽曲(楽曲記憶部244に記憶されている楽曲)に対応する楽曲名を楽曲名表示部65に表示するように制御し、音制御処理部202は、楽曲選択部243により選択された楽曲(楽曲記憶部244に記憶されている楽曲)をスピーカ20で出力するように制御する。
次に、スピーカ20の制御を行うための音制御処理部202について説明する。図示はしないが、音制御処理部202は、演出決定部210により決定された演出のうち音に関する演出(対決リーチA用のBGMや大当たり当選時の確定音等)を予め定められたタイミングで実行するように制御する。また、音制御処理部202は、操作有効期間(楽曲選択演出実行期間)に亘り、楽曲記憶部244に記憶されている楽曲をスピーカ20に出力するように制御する。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について図20および図21を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の第1特図に係る遊技処理と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の第2特図に係る遊技処理とは同じであるため、以下では、第2特図に係る遊技処理についてのみ説明する。なお、図20および図21に示す一連の処理は、周期的(例えば、4ミリ秒毎)に行われている。
図20に示すように、主制御処理部100は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したかを判断し(ステップS1)、入賞した場合には(ステップS1でYes)、第2特図当否判定用乱数取得部112bは特図当否判定用の乱数を取得し、第2特図種類決定用乱数取得部122bは特図種類決定用の乱数を取得し、第2特図変動パターン用乱数取得部132bは特図変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。一方、ステップS1にてNoの場合、即ち、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞していない場合には、ステップS6に進む。
ステップS3では、ステップS2で取得された各乱数が記憶される。即ち、第2特図当否抽選部119bは、ステップS2で取得した特図当否判定用乱数を保留球乱数として第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶し、第2特図種類抽選部129bは、特図種類決定用乱数を第2特図種類決定用乱数記憶部124bに記憶し、第2特図変動パターン抽選部130bは、特図変動パターン用乱数を第2特図変動パターン用乱数記憶部133bに記憶する。なお、既に第2特図用保留球乱数記憶部115bに、上限である4個の保留球乱数が記憶されている場合には、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合(ステップS1でYes)であっても、ステップS3の処理は行われない。
次いで、ステップS4にて、先読みコマンド生成等処理が行われる。まず、第2特図変動パターン決定部135bは、ステップS3で記憶した特図変動パターン用の乱数と、第2特図用保留球乱数記憶部115bが記憶している保留球乱数の記憶数から、特図共通変動パターンテーブル134を参照して変動パターンNo.を決定する。そして、第2特図変動パターン決定部135bは、決定した変動パターンNo.に基づいて「BC+変動パターンNo.」となる第2先読みコマンドを生成する。主制御処理部100は、生成された第2先読みコマンドを直ちにサブ制御処理部200に送信する。
ステップS5にて、保留数増加表示処理が行われる。主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されると、主制御処理部100と接続される特図保留メモリ表示装置(図示せず)に保留球乱数が記憶された旨の表示を行う。また、主制御処理部100は、第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が記憶されると、サブ制御処理部200に「保留メモリ増コマンド」を送信する
次いで、ステップS6にて、主制御処理部100は、第1特図または第2特図が変動中であるかを判断し、変動中でない場合(No)には、ステップS7に進む。ステップS7でYesの場合、即ち、特図が変動中の場合には、ステップS15に進む。
ステップS7では、主制御処理部100によって大当たり遊技中であるかが判断される。大当たり遊技中でない場合(No)にはステップS8に進む。ステップS7でYesの場合、即ち、大当たり遊技中である場合には、ステップS19に進む。
ステップS8では、主制御処理部100によって、第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が1個以上記憶されているか否かが判断される。保留球乱数が1個以上記憶されている場合(Yes)には、次のステップS9に進む。一方、ステップS8にてNoの場合、即ち、第2特図用保留球乱数記憶部115bが保留球乱数を記憶していない場合には、1回の第2特図に係る遊技処理が終了する(図21参照)。
次いで、ステップS9にて、大当たり判定処理が行われる。つまり、第2特図保留球乱数記憶部115bが記憶している保留球乱数のうち最も先に記憶されている保留球乱数(以下、「最先の保留球乱数」と言う。)が大当たりであるか否かを第2特図当否判定部113bが判断する。また、大当たり判定処理が行われる毎に、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている最先の保留球乱数が消去される。
ステップS10では、特図種類決定処理が行われる。具体的には、ステップS9での大当たり判定処理の結果、大当たりと判定された場合には、第2特図種類決定部123bは、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数に基づいて、その大当たりに対する特図の種類を決定する(図8(b)参照)。このステップS10における決定により、今回の大当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技におけるラウンド数が何回であるか、アタッカー開放パターンがフル開放と高速開放の何れであるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が10000回と100回の何れであるかが決定されることになる。一方、ステップS9でハズレと判定された場合には、第2特図の種類がハズレ図柄に決定される。
そして、主制御処理部100は、大当たりの場合には第2特図種類決定部123bにて決定された特図の種類に係る情報を、ハズレの場合にはハズレ図柄に係る情報を、それぞれ図柄指定コマンドとしてサブ制御処理部200に送信する。なお、特図種類決定処理が行われる毎に、第2特図種類決定用乱数記憶部124bに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図種類決定用乱数が消去される。
ステップS11では、特図変動パターン決定処理が行われる。この特図変動パターン決定処理では、ステップS9の大当たり判定処理の判定結果と、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数と、現在の遊技状態(低確、時短、確変)とに基づき、さらに特図変動パターン用乱数の値次第では第2特図用保留球乱数記憶部115bが記憶している保留球乱数の記憶数とにも基づいて、第2特図変動パターン決定部135bが、通常変動パターンテーブル134aを構成する5つのテーブル134a−1〜134a−5の何れか、あるいは、短縮変動パターンテーブル134bを構成する5つのテーブル134b−1〜134b−5の何れかを参照して第2変動パターンを決定する。
なお、特図変動パターン決定処理が行われる毎に、第2特図変動パターン用乱数記憶部133bに記憶されている、最先の保留球乱数に対応する特図変動パターン用乱数が消去される。
次いで、ステップS12にて、コマンド送信処理が行われる。具体的には、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、ステップS10で決定された特図の種類を図柄指定コマンドとして送信すると共に、ステップS11で決定された変動パターンNo.を第2正規コマンド(A0+変動パターンNo.)として送信する。また、主制御処理部100は、遊技状態設定部140により設定されている遊技状態の情報を含む遊技状態確認コマンドを送信する。さらに、ステップS12において、主制御処理部100は、サブ制御処理部200に対して、「保留メモリ減コマンド」を送信する。
次いで、図21に示すように、ステップS13では、保留数減少表示処理が行われる。主制御処理部100は、保留数減少表示処理として、特図保留メモリ表示装置(図示せず)に表示されている最先の保留球乱数に対応する保留表示を消化した旨を表示する。
ステップS14では、第2特図表示制御部101bが特図表示装置17に第2特図の変動表示を開始させる。
次いで、ステップS15において、第2特図の変動開始から所定時間経過したか否かが判断される。勿論、ここでの所定時間とは、ステップS11で決定された変動パターンに対応する変動時間のことである。ステップS15でYesの場合にはステップS16に進むが、ステップS15でNoの場合、即ち、特図の変動時間が経過していない場合には、1回の第2特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS16では、第2特図表示制御部101bが特図表示装置17に第2特図を停止表示させる。特図表示装置17に停止表示される図柄は、大当たりの場合には、ステップS10にて決定された第2特図の種類に応じた当たり図柄となるが、ハズレの場合にはハズレ図柄となる。このステップで主制御処理部100がサブ制御処理部200に演出図柄等停止コマンドを送信する。なお、サブ制御処理部220が演出図柄停止コマンドを受信すると、演出表示制御部220は、演出決定部210が決定した演出図柄53の組み合わせで演出図柄53を停止表示させる。
次いで、ステップS17にて、停止した第2特図が大当たりの組合せで確定しているか否かが判断される。大当たりの場合(ステップS17でYes)には、ステップS18に進んで、大当たり遊技制御部160が、ステップS10にて決定された第2特図の種類に応じた所定のアタッカー開放パターンでアタッカー装置41を開放して大当たり遊技を開始する。ステップS17にてNoの場合、即ち、停止した第2特図がハズレの場合には、ステップS21に進む。
ステップS19では、大当たり遊技制御部160によって、大当たり遊技の終了条件が成立しているか否かが判断される。大当たり遊技の終了条件が成立している場合(ステップS19でYes)にはステップS20に進み、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技を終了する。一方、ステップS19にてNoの場合には、1回の第2特図に係る遊技処理が終了する。
ステップS21では、遊技状態設定等処理が行われる。具体的には、遊技状態設定部140が、図10に示す大当たり種別と大当たり遊技後に設定される電サポ回数に従い、次の遊技における特図の遊技状態を特図低確または特図高確に設定すると共に、普図の遊技状態を普図高確または普図低確に設定する処理を行う。こうして、1回の第2特図に係る遊技処理が終了する。
このステップS21で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の第2特図に係る遊技処理が終了する。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pにおけるサブ制御処理部200のコマンド受信処理について説明する。先に述べたように、1回の第2特図に係る遊技処理が行われる間に、主制御処理部100は、適宜、サブ制御処理部200にコマンドを送信している。そこで、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞する入賞タイミングにおけるコマンド受信処理、第2特図に係る遊技が開始する遊技開始タイミングにおけるコマンド受信処理についてそれぞれ説明を行う。
まず、入賞タイミングにおけるコマンド受信処理について図22を用いて説明を行う。ステップS31にて、サブ制御処理部200は、主制御処理部100により送信された「保留メモリ増コマンド」および「第2先読みコマンド」を受信するとステップS32に進む。
ステップS32にて、先読み予告演出実行決定部230は、ステップS31で受信した第2先読みコマンドに含まれている変動パターンに基づいて、先読み予告演出を実行するか否かを決定し、ステップS33に進む。なお、先読みコマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ有り」の場合には先読み予告演出が実行されることに決定される場合があり、変動パターンの内容が「リーチ無し」の場合には先読み予告演出が実行されないことに決定される。
ステップS33にて、保留表示増加処理が行われる。演出表示制御部220は、第2保留球表示領域34bに白色等の保留球を表示するように制御して、遊技者に保留球乱数が記憶されたことを報知する。このステップS33の処理が終了すると入賞タイミングにおけるコマンド受信処理が終了する。
次に、遊技開始タイミング(変動開始時)におけるコマンド受信処理について図23を用いて説明する。サブ制御処理部200は、ステップS41にて、主制御処理部100から「保留メモリ減コマンド」、「図柄指定コマンド」、「第2正規コマンド」および「遊技状態確認コマンド」を受信すると、ステップS42に進む。
ステップS42にて、演出決定部210は、ステップS41で受信した図柄指定コマンドに基づいて今回の遊技終了タイミングで表示する演出図柄53の組み合わせを決定する。例えば、大当たりの場合には「7−7−7」、ハズレの場合には「7−6−7」という演出図柄53の組合せが決定される。
ステップS43にて、演出決定部210は、ステップS41で受信した第2正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ無し」であるか否かを判定する。リーチ無しである場合(Yes)には、ステップS44に進んで、第1演出決定部211は、受信した第2正規コマンドに含まれている変動パターンと、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報と、に基づいて今回の遊技に用いる演出を第1演出抽選テーブル212の中から抽選により決定する。例えば、今回の遊技で、第2正規コマンド「A0+No.B1」がサブ制御処理部200に送られてきた場合であって、遊技状態が「時短」または「確変」の情報が含まれた遊技状態確認コマンドが送られてきた場合には、第1演出決定部211は、第1演出抽選テーブル212−B1(図17(1))を参照して抽選により今回の遊技に用いる演出を決定する。
ステップS43にてNoの場合、即ち、受信した第2正規コマンドに含まれている変動パターンの内容が「リーチ有り」の場合には、ステップS45に進んで、第2演出決定部213は、受信した第2正規コマンドに含まれている変動パターンと、遊技状態確認コマンドに含まれている遊技状態の情報と、に基づいて今回の遊技に用いる前半演出(遊技が開始されてからリーチとなるまでに用いられる演出)を第2演出抽選テーブル214の中から抽選により決定する。例えば、今回の遊技で、第2正規コマンド「A0+No.B2」がサブ制御処理部200に送られてきた場合であって、遊技状態が「時短」または「確変」の情報が含まれた遊技状態確認コマンドが送られてきた場合には、第2演出決定部213は、第2演出抽選テーブル214−B2(図17(3))を参照して抽選により決定する。なお、後半演出(リーチとなってから遊技が終了するまでに用いられる演出)は、対決リーチA〜Cの中から抽選により決定される。
ステップS46にて、演出制御処理部220は、楽曲選択演出実行期間の決定処理を行う。この処理について図24を用いて説明する。
ステップS51にて、演出表示制御部220は、今回の遊技に用いられる演出が先読み予告演出に決定されているか否かを判断する。先読み予告演出に決定されていない場合(No)には、ステップS52に進む。一方、先読み予告演出に決定されている場合(Yes)には、ステップS56に進んで、演出表示制御部220は、今回の遊技において楽曲選択演出を実行しない(楽曲選択演出実行期間を設けない)ことに決定し、楽曲選択演出実行期間の決定処理を終了する。
ステップS52にて、演出表示制御部220は、今回の遊技に用いる演出が予告演出(予告演出AまたはB)に決定されているかを判断する。予告演出に決定されていない場合(No)には、ステップS53に進む。一方、今回の遊技に用いる演出が予告演出に決定されている場合(Yes)には、ステップS56に進んで、楽曲選択演出実行期間を設けないことに決定し、楽曲選択演出実行期間の決定処理を終了する。
なお、本実施形態例では予告演出が実行される場合には、楽曲選択演出実行期間が設けられないが、予告演出が実行される場合であっても、楽曲選択演出実行期間が設けられるような構成であっても良い。具体的には、第2正規コマンドが「A0+No.B1」である場合(特図の変動時間が7秒)であって、演出が予告演出Aに決定された場合には、遊技開始タイミングから1秒間に亘り予告演出Aが実行され、予告演出Aの実行が終了してから遊技終了タイミングまでの期間(6秒間)に亘り楽曲選択演出が実行されるような構成であっても良い。
ステップS53にて、演出表示制御部220は、今回の遊技に用いる演出がリーチ演出(対決リーチA、BまたはC)に決定されているかを判断する。リーチ演出に決定されていない場合(No)には、ステップS55に進んで、遊技開始タイミングから遊技終了タイミングまでの期間を楽曲選択演出実行期間に決定し、楽曲選択演出実行期間の決定処理を終了する。一方、リーチ演出に決定されている場合(Yes)、即ち、前半演出は楽曲選択演出に決定され、後半演出はリーチ演出に決定されている場合には、ステップS54に進んで、遊技開始タイミングからリーチとなるまでの期間(7秒)を楽曲選択演出実行期間に決定し、楽曲選択演出実行期間の決定処理を終了する。
図23に説明を戻し、ステップS47にて、操作ユニット制御部240は、ステップS46で決定された楽曲選択演出実行期間を検出信号入力部241が入力した検出信号を有効として取り扱う操作有効期間に決める。
次いで、ステップS48にて、保留表示減少処理が行われる。ステップS41でサブ制御処理部200が受信した「保留メモリ減コマンド」に基づいて、演出表示制御部220は、第2保留球表示領域34bに表示されている保留球のうち最先の保留球乱数に対応する保留表示を消去するよう制御し、遊技開始タイミングにおけるコマンド受信処理が終了する。
なお、この遊技開始タイミングにおけるコマンド受信処理が終了すると、1回の遊技が開始される。演出表示制御220は、演出決定部210が楽曲選択演出を決定している場合には、ステップS46で決定された期間に亘り楽曲選択演出を実行し、この楽曲選択演出実行期間中にジョグダイヤル62が回転操作されると、スピーカ20から出力される楽曲が変更される。
次に、ジョグダイヤル62の回転操作に基づいて楽曲名表示部65に表示されている楽曲名が変更される具体例について図25を用いて説明する。なお、以下の具体例は、1回目の遊技が開始された時点で第2特図用保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が2個記憶されている例(遊技が連続して3回行われる例)であって、ジョグダイヤル62の回転操作により選択可能な楽曲は楽曲A〜楽曲Dとなっている例(第1楽曲テーブル262aが参照される例)である。また、1回目の遊技で受信した第2正規コマンドには変動パターンNo.B1が含まれ、2回目の遊技で受信した第2正規コマンドには変動パターンNo.B2が含まれ、3回目の遊技で受信した第2正規コマンドには変動パターンNo.B61が含まれている。なお、演出決定部210により遊技に用いる演出が先読み予告演出に決定されない場合の具体例である。
1回目の遊技:
変動パターンNo.B1の内容は「リーチ無し」であるので(ステップS43でYes)、第1演出決定部211が今回の遊技に用いる演出を決定する。今回の遊技に用いる演出が楽曲選択演出に決定された場合(ステップS53でNo)には、今回の遊技が開始されてから終了するまでの期間が楽曲選択実行演出(操作有効期間)となる。なお、変動パターンNo.B1の変動時間は7秒であるので(図14参照)、今回の遊技において操作有効期間は7秒となる。
図25(1)に示すように、遊技が開始されると画面右上に楽曲選択画像64が表示され、楽曲名表示部65には楽曲Aが表示される。一方、スピーカ20では楽曲Aが出力される。
図25(2)に示すように、1回目の遊技中(操作有効期間内)に、ジョグダイヤル62が回転操作されて操作ユニット制御部240(検出信号入力部241)に検出信号が1回入力されると、入力された検出信号が有効として取扱われて、楽曲Aの次の楽曲Bが選択される。選択された楽曲Bが楽曲名表示部65に表示され、選択された楽曲Bがスピーカ20で出力される。遊技が開始されてから7秒経過すると演出図柄53が変動停止し1回目の遊技が終了する。
1回目の遊技と2回目の遊技の間(特殊期間):
遊技状態は「確変」に設定されているので、特殊期間演出は楽曲選択演出となる。図25(3)に示すように、この特殊期間で遊技者がジョグダイヤル62を回転操作して検出信号が1回出力されると、楽曲Bの次の楽曲Cが選択され、楽曲名表示部65に楽曲Cが表示され、スピーカ20で楽曲Cが出力される。1回目の遊技終了タイミングから特殊期間が経過すると、第2特図用保留球乱数記憶部115bに記憶されている最先の保留球乱数が読み出されて2回目の遊技が開始される。
2回目の遊技:
変動パターンNo.B2の内容は「リーチ有り」であるので(ステップS43でNo)、第2演出決定部214が今回の遊技に用いる演出を決定する。今回の遊技に用いる演出(前半演出)が楽曲選択演出に決定された場合(ステップS53でYes)には、前半演出は楽曲選択演出となり、後半演出はリーチ演出(対決リーチA〜Cの何れか)となる。このため、楽曲選択演出実行期間(操作有効期間)は遊技開始タイミングから7秒経過するまでとなる。
図25(4)に示すように、2回目の遊技が開始されてから7秒経過するまで(操作有効期間内)に、ジョグダイヤル62が回転操作されて操作ユニット制御部240に検出信号が1回入力されると、楽曲Cの次の楽曲Dが選択されて、楽曲名表示部65に楽曲Dが表示され、スピーカ20で楽曲Dが出力される。
図25(5)に示すように、遊技開始タイミングから7秒経過すると演出図柄53がリーチを示し、画面が切り替わり演出表示装置34にはリーチ演出が表示される。スピーカ20でリーチ演出用のBGMが出力される。なお、演出図柄53はリーチ演出の邪魔とならないように画面左上に縮小して表示される。
2回目の遊技と3回目の遊技の間(特殊期間):
図25(6)に示すように、2回目の遊技が開始されてから20秒経過すると、2回目の遊技が終了し、特殊期間が開始される。演出表示装置34には2回目の遊技終了時に表示された演出図柄53が引き続き表示される。なお、遊技状態は確変であるので特殊期間演出は楽曲選択演出となる。この特殊期間でジョグダイヤル62が回転操作されて操作ユニット制御部240に検出信号が1回入力されると、楽曲Dの次の楽曲Aが選択され、楽曲名表示部65に再び楽曲Aが表示され、スピーカ20で再び楽曲Aが出力される。
3回目の遊技:
変動パターンNo.B61の内容は「リーチ有り」であるので(ステップS43でNo)、第2演出決定部214が今回の遊技に用いる演出を決定する。変動パターンNo.B61は大当たり当選時に選択される変動パターンであるので、楽曲選択演出の選択確率は0%である(図17(4))。このため、楽曲選択演出実行期間(操作有効期間)が設けられないので、3回目の遊技開始タイミングから遊技終了タイミングまで操作無効期間となり、ジョグダイヤル62の回転操作に基づいて楽曲を選択することが出来なくなる。なお、図25(7)に示すように、今回の遊技に用いる演出が予告演出Aに決定された場合には、演出表示装置34の画面全体に予告演出Aが表示される。
なお、本実施形態例では、特図抽選の結果が大当たりに当選した遊技では、楽曲選択演出が選択されないような構成となっているが、これに限られず、例えば、前半演出の予告演出A終了後から後半演出のリーチ演出開始前までの期間に亘り楽曲選択演出が実行されるような構成であっても良い。
図25(8)に示すように、3回目の遊技で大当たりに当選したため、3回目の遊技終了時には演出図柄53が大当たりの組み合わせで表示されて、3回目の遊技終了後に大当たり遊技が提供される。
なお、本実施形態例では遊技中または特殊期間中にジョグダイヤル62が回転操作されることにより、遊技者が楽曲を変更できるような構成と成っているが、これに加えて大当たり遊技中のジョグダイヤル62の回転操作に基づいて楽曲を選択できるような構成であっても良い。
本実施の形態例によると、遊技状態が時短または確変となっている特定有利遊技状態では、複数の楽曲(楽曲A〜J)の何れか1曲が選択された状態と成ってスピーカ20から出力される。この特定有利遊技状態の期間内では、特図が変動表示されている間に再び始動入賞口37a,bに遊技球が入賞した場合には、今回の遊技が終了してから次回の遊技が開始されるまでの特殊期間に楽曲選択演出が実行されてジョグダイヤル62の回転操作が有効となり、サブ制御処理部200は、回転検出部63から出力された検出信号を有効として取扱い、楽曲選択の処理を行うことになる。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、特定有利遊技状態における期間内で出力される楽曲を変更したい場合に、次回の遊技が開始されるのを待たなくとも特殊期間でジョグダイヤル62の回転操作を有効とし、サブ制御処理部200は検出信号を1回受信する毎に複数の楽曲を予め定められた順番でループさせるように選択変更できる。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、特殊期間を楽曲の変更できる期間として有効活用することにより、遊技者が円滑に楽曲の変更を図ることができる場合がある。
また、本実施形態例によると、遊技状態が低確である場合には楽曲選択演出が実行されず、特定有利遊技状態では通常の確率または高い確率で楽曲選択演出が実行される。このため、現在の遊技状態が特定有利遊技状態であることを楽曲選択演出が実行されることによって遊技者に報知できるので、演出の趣向性を向上させることが出来る。また、このようにすると、特定有利遊技状態でジョグダイヤル62の回転操作が有効となる機会を増加させることが可能となり、遊技者が円滑に楽曲の変更を図ることができる。
なお、図23において説明したように、今回の遊技が開始される遊技開始タイミングで、サブ制御処理部200は主制御処理部100から送られてきたコマンドに基づいて多くの処理を行っているので、サブ制御処理部200の遊技開始タイミングにおける処理負担を軽減するために、遊技開始タイミングからごく僅かな所定期間(例えば、0.03秒程度)が経過するまで、ジョグダイヤル62の回転操作を無効とするような構成にしても良い。また、予め定められた変動パターン(例えば、変動パターンの内容がリーチ有りの変動パターン)が正規コマンドに含まれているような場合には、特殊期間でジョグダイヤル62の回転操作が無効とされるような構成であっても良いし、特殊期間のうち一部の期間が操作無効期間となるような構成であっても良い。
なお、本実施形態例では今回の遊技終了タイミングで特図用保留球乱数記憶部115a,bに保留球乱数が記憶されている場合には特定有利遊技状態の特殊期間においてジョグダイヤル62の回転操作が有効とされるが、これに限られず、今回の遊技終了タイミングで特図用保留球乱数記憶部115a,bに保留球乱数が記憶されているか否かに拘わらず、今回の遊技の遊技終了タイミングから予め定められた期間が経過するまでの第1期間が経過するまでを、特殊期間として、この特殊期間において楽曲選択を可能とするような構成にしても良い。
更に、遊技開始タイミングから第1期間が経過するとジョグダイヤル62の回転操作を無効とし、遊技終了タイミングから第1期間よりも長い第2期間が経過した場合には、遊技客を待つ状態である演出モード(所謂、デモ画面)に移行させると共に、再びジョグダイヤル62の回転操作を有効として、第2期間経過後のジョグダイヤル62の回転操作に基づいて、楽曲選択の処理とは異なる画像演出変更処理(例えば、演出表示装置34に表示されるキャラクタ、演出図柄53の形態等の変更処理等)、スピーカ20の音量調整処理、または所定の遊技履歴を二次元コードに変換させて演出表示装置34に表示させる遊技履歴変換処理等を行うようにしても良い。勿論、遊技中等のジョグダイヤル62の回転操作に基づいて画像演出変更処理を行い、第2期間経過後のジョグダイヤル62の回転操作に基づいて、楽曲選択の処理を行うようにしても良い。
本実施形態例に係るパチンコ機Pにおいて遊技状態が特定有利遊技状態(時短または確変)である場合には、普図当たりに当選しやすく電動チューリップ49が頻繁に開放されるので、第2特図用保留球乱数記憶部115bに上限である4個の保留球乱数が記憶されやすくなる。ここで、特図抽選の結果がハズレ、遊技状態が時短または確変、保留記憶数が3〜4個の場合には、短縮変動パターンテーブル134b−3が参照されて変動パターンが決定されるので、変動パターンはNo.B41となり、特図の変動時間が1秒となる。このため、遊技状態が特定有利遊技状態である場合には、1回の遊技に要する時間は1秒となりやすく、1秒の遊技が連続して行われやすくなることが想定される。また、本実施形態例では変動パターンNo.B41に決定されると楽曲選択演出の選択確率が100%である第1演出抽選テーブル212−B41が参照されて演出が決定されるので、1秒の遊技が行われている期間に亘り楽曲選択演出が実行されて操作有効期間となり遊技者が楽曲を選択可能となる。仮に、特殊期間が操作無効期間であったとすると、1秒の遊技が連続して行われる場合には、操作有効期間と操作無効期間が交互に繰り返されて、遊技者が思うように楽曲を選択できない状況となる虞がある。
本実施形態例のパチンコ機Pによると、遊技状態が特定有利遊技状態である場合には、特殊期間は操作有効期間となる。このため、1秒の遊技が連続して行われる場合であっても、遊技者がジョグダイヤル62を回転操作させて楽曲を選択することができる。さらに、1秒の遊技が連続して行われるにつれて、操作有効期間が長くなるので、楽曲を選択しやすくなる。
また、本実施形態例に係るパチンコ機Pでは、遊技状態が低確に設定されている状態で遊技が進行している場合には、楽曲選択演出の選択確率が0%である演出抽選テーブル(演出抽選テーブル212―A等)が参照されて演出が決定されるので、遊技者が楽曲を選択することが出来ない。一方、遊技状態が特定有利遊技状態に設定されている状態で遊技が進行している場合には、楽曲選択演出が選択される可能性の有る演出抽選テーブル(演出抽選テーブル212−B1等)が参照されて演出が決定されるので、遊技者が楽曲を選択することが出来る場合がある。そして、特定有利遊技状態は大当たりに当選したことを契機として設定されるので、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、大当たりに当選すると楽曲の変更を可能とする特典を遊技者に与えることが出来るので、遊技者の遊技意欲を向上させることが出来る。さらに、大当たりの連続当選回数が1回、4回、7回と増す毎に遊技者が選択可能となる楽曲が増加するので、遊技の興趣を高めることが出来る。なお、楽曲テーブル262にプレミアム楽曲として楽曲Kを用意し、特定の条件を達成した場合(例えば、大当たり当選時に選択された特図の種類が連続して15R特定時短有図柄であった場合等)には、選択可能な楽曲に楽曲Kが追加されるような構成であっても良い。楽曲Kが選択可能となった場合には、遊技者に高揚感を抱かせることが出来る。
リーチ演出、予告演出、先読み予告演出は遊技者に特図抽選処理部110の抽選結果を示唆する演出であるので、仮にリーチ演出が演出表示装置34に表示されている期間に楽曲選択画像64が表示されると、リーチ演出と楽曲選択画像64とが重なって表示されることになり、楽曲選択画像64がリーチ演出の邪魔となり遊技者の遊技意欲の低下を招く虞がある。
本実施形態例のパチンコ機Pによると、リーチ演出、予告演出および先読み予告演出が演出表示装置34に表示されている期間では楽曲選択画像64が表示されないようになっている。このため、本実施形態例に係るパチンコ機Pは、楽曲選択画像64がリーチ演出等の邪魔となることによる遊技者の遊技意欲の低下を防止できる。また、リーチ演出等が表示されている期間は操作無効期間となるので、遊技者の意識をリーチ演出等に集中させることができる。