JP2015010175A - 顔料分散方法、トナーの製造方法、顔料分散剤及び顔料分散液 - Google Patents

顔料分散方法、トナーの製造方法、顔料分散剤及び顔料分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】 顔料分散に優れ、且つ長期にわたって顔料分散が良好である顔料分散方法、顔料分散液及び顔料分散剤を提供し、更には顔料分散が優れたトナーを提供する。【解決手段】 有機溶剤、顔料及び顔料分散剤を混合し、撹拌することによって有機溶剤中に顔料を分散させる顔料分散方法であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、顔料分散剤は、下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする顔料分散方法。式(1)【化1】【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料、インク、トナーの製造工程において用いられる顔料分散方法、顔料分散剤及び顔料分散液に関する。また、本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法に用いられるトナーの製造方法に関する。
C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176、C.I.Pigment Red 269といったアゾ顔料は一般に安価で高い着色力を有するため、着色剤として様々な分野で使用されている。例えば、塗料、インクジェットプリンタ用インク、電子写真用トナー、カラーフィルター等の分野で用いられている。このような分野で顔料を用いる場合、着色力及び透明性といった分光特性を向上させるために、各種媒体中における顔料を微細化させる必要がある。しかし、アゾ顔料は微細化が困難な場合があり、顔料の一次粒子のレベルまで微細化させるために、分散工程での分散時間が大幅に延びたり、複雑な分散装置を導入することにより製造コストが増大することが懸念される。
更に、顔料を一次粒子のレベルまで微細化できたとしても、その後の製造工程において再凝集し、着色力や透明性の低下してしまうことがある。
トナーにおいても顔料分散工程は非常に重要な製造工程である。
例えば、水系媒体中に、顔料及び重合性単量体を含む重合性単量体組成物を分散させた状態で熱をかけることで重合性単量体を重合させてトナー粒子を製造する懸濁重合法においては、顔料の再凝集が生じやすい。具体的には、顔料の分散工程で十分に顔料分散を行っても、分散工程以降で他の材料が添加されるとき、或いは重合工程で加熱するときに顔料が再凝集しやすい。
また、有機溶剤にトナー材料を溶解させた溶解物を水系媒体中で造粒を行い、その後、溶解物から脱溶剤することによりトナー粒子を得る溶解懸濁法においても、脱溶剤工程で顔料の再凝集が起こりやすい。
このような課題を改善するために、様々な顔料分散方法が提案されている。
特許文献1及び2には、オキシカルボン酸の存在下で特定のモノアゾ顔料を分散させることが開示されている。この方法では確かに顔料分散性を向上させることができるが、更なる顔料分散性の改善が求められている。
また、特許文献3には、マスターバッチによる製造工程を経てトナーを得る重合トナーの製造方法において、サリチル酸誘導体を添加してマスターバッチのチキソトロピー値を3〜7に調整する方法が開示されている。この方法は、顔料を特定の形状や粒径とすることでチキソトロピー値を調整して顔料分散性を向上させるというものであるが、顔料が比較的針状結晶を有することが必要であり、針状結晶でない顔料などでは、十分な顔料分散を実現するのが難しいのが実情である。
特開2002−182420号公報 特開2002−72569号公報 特開2000−19777号公報
本発明の目的は、顔料分散が良好で、且つ長期にわたって良好な顔料分散を維持することができる顔料分散方法を提供することにある。
本発明の目的は、顔料分散が優れたトナーの製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、顔料分散が優れ、且つ長期にわたって良好な顔料分散を維持することができる顔料分散剤を提供することにある。
本発明の目的は、顔料分散が優れ、且つ長期にわたって良好な顔料分散を維持することができる顔料分散液を提供することにある。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、第1の本発明は、有機溶剤、顔料及び顔料分散剤を混合し、撹拌することによって有機溶剤中に顔料を分散させる顔料分散方法であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤は、下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸である顔料分散方法に関する。
式(1)
また、第2の本発明は、第1の本発明の顔料分散方法により、有機溶剤中に顔料を分散させることで顔料分散液を得る顔料分散工程を有するトナーの製造方法に関する。
また、第3の本発明は、有機溶剤中に顔料を分散させるための顔料分散剤であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤が、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸である顔料分散剤に関する。
また、第4の本発明は、有機溶剤中に、顔料分散剤の存在下で顔料を分散させて得られる顔料分散液であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤が、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸である顔料分散液に関する。
本発明によれば、特定の芳香族オキシカルボン酸を用いることで、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269の顔料分散が良好で、且つ長期にわたって良好な顔料分散を維持することができる顔料分散方法、顔料分散剤及び顔料分散液を提供することができる。また、顔料分散が良好であるトナーの製造方法を提供することができる。
電子写真装置の現像部の拡大図である。 本発明の画像形成方法を用いた電子写真装置の断面図である。
<顔料分散方法、顔料分散剤及び顔料分散液>
本発明の顔料分散方法は、有機溶剤、顔料及び顔料分散剤を混合し、撹拌することによって有機溶剤中に顔料を分散させる顔料分散方法であって、前記顔料が、C. I. Pigment Red 31、C. I. Pigment Red 150、C. I. Pigment Red 176及びC. I. Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤は、下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする。
式(1)
また、本発明の顔料分散剤は、有機溶剤中に顔料を分散させるための顔料分散剤であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤が、上記式(1)で示される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする。
また、本発明の顔料分散液は、有機溶剤中に、顔料分散剤の存在下で顔料を分散させて得られる顔料分散液であって、前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、前記顔料分散剤が、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする。
本発明において、上記式(1)で表される顔料分散剤による顔料分散を向上させる効果を十分に発揮できる顔料としては、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176、C.I.Pigment Red 269が挙げられる。なお、これらの顔料は1種類または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料が、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸によって、有機溶剤中における分散性が向上するメカニズムについてはまだ明確ではないが、本発明者らは以下のように考えている。
上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸は、メチルベンジル基が二つ導入されたサリチル酸である。
上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸のメチルベンジル基が有機溶剤と相互作用しやすいことから、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸は有機溶剤となじみやすい性質を有している。
上記顔料は、下記式(2)で表される構造を有することが共通している。この式(2)に含まれるアミド結合及びアゾ結合に存在する窒素原子と、芳香族オキシカルボン酸に存在する極性部位(カルボキシル基と水酸基)との間において、分子間力による相互作用が生じる。
そのため、上記顔料の表面に有機溶剤になじみやすい上記式(1)の芳香族オキシカルボン酸が分子間力により吸着することで、有機溶剤中における顔料分散性が向上するものと考えられる。
式(2)
また、これらの顔料はいずれも扁平状の結晶であるため、マスターバッチのチキソトロピー値も低めになる傾向にある。そのため、これらの顔料は有機溶剤中における分散性に対しては不利だが、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸を用いることで、有機溶媒中における顔料の分散性を良好にすることができる。
また、前記顔料と前記芳香族オキシカルボン酸の質量比(顔料の質量:芳香族オキシカルボン酸の質量)が99.0:1.0乃至70.0:30.0であることが好ましい。
前記顔料と前記芳香族オキシカルボン酸の質量比が上記範囲内であることで、芳香族オキシカルボン酸によって、有機溶剤中における顔料の分散性をさらに向上させることができる。また、有機溶剤中に、顔料分散剤である芳香族オキシカルボン酸の存在下で顔料を分散させて得られた顔料分散液を用いてトナーを作製した場合、芳香族オキシカルボン酸によるトナーの帯電性及び定着性への影響をさらに生じにくくさせることができる。
有機溶剤としては、公知の有機溶剤を使用することができる。
例えば、トナーの製造方法で用いる重合用溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサンテトラヒドロフランの如きエーテル類;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の如き脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドの如き硫黄または窒素含有有機化合物類を挙げることができる。
また、有機溶媒として、後述する懸濁重合法でトナーを製造する場合に用いられる重合性単量体を用いることも可能である。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如きメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの如きヒドロキシエチルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き窒素原子含有化合物類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテルの如きアルキルビニルエーテル類;β−クロルエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロルフェニルエーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p−ニトロフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテルの如きフェニルビニルエーテル類;ブタジエンの如きジエン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、リン酸含有単量体(具体的には、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート)、スルホン酸基含有単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾールを挙げることができる。
これらの重合性単量体は、単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもでき、好ましい特性が得られるような好適な重合体組成となるように適宜に選択して使用することができる。
これらの有機溶剤の中でも顔料分散をより良好にするために、有機溶剤は芳香族系の有機溶剤であることが好ましく、より好ましくはスチレンである。上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸は、メチルベンジル基を2つ有していることから、分子間におけるπ−π相互作用がより強くなりやすい構造を有している。そのため、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸は、芳香族系の有機溶剤とよりなじみやすく、顔料分散性がより向上する。また、その中でも有機溶剤がスチレンの場合は、メチルベンジル基とさらに構造が近くなるため、顔料分散性がさらに向上すると考えている。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナーの結着樹脂の分子量を制御するために、架橋剤を用いてもよい。
本発明に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
2官能の架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤の添加量は、該重合性単量体100質量部に対して、0.05乃至10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1乃至5質量部である。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製造方法は、上記の顔料分散方法により、有機溶剤中に顔料を分散させることで顔料分散液を得る顔料分散工程を有することが特徴である。
トナーの製造方法として、例えば、以下に述べる懸濁重合法及び溶解懸濁法が挙げられる。
[懸濁重合法]
まず、第一のトナーの製造方法(懸濁重合法)について説明する。
第一のトナーの製造方法は、有機溶剤が、スチレンを主成分とする重合性単量体を有し、前記顔料分散液を水系媒体中に分散して顔料分散液の粒子を生成する造粒工程、及び、得られた顔料分散液の粒子中の前記重合性単量体を重合する重合工程を有することを特徴とするものである。
具体的には、重合性単量体中に、顔料、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸及び必要に応じて他の材料を、溶解または分散させる。さらに、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。また、顔料を分散させる装置として、分散液の粘度や分散時間を考慮して、公知の分散装置を用いることができる。
この重合性単量体組成物を、この重合性単量体組成物を分散させるための分散剤を有する水系媒体中に添加し、造粒させる。その後、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合することで、粒子を形成し、この得られた粒子をろ過、洗浄、乾燥工程を経てトナー粒子を得ることができる。
なお、ここで「スチレンを主成分」とは、重合性単量体100質量部に対してスチレンが50質量部以上であることを意味する。
(重合開始剤)
上記重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に重合性単量体組成物を造粒する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
懸濁重合法でトナーを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートの如き過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、上記重合性単量体100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に選定され、単独又は混合して使用される。
(分散剤)
上記重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させるための分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができる。
無機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
一方、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させるための分散剤として、市販のノニオン型、アニオン型、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
これらの上記重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させるための分散剤の中でも、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性の無機分散剤を用いることがより好ましい。
また、これらの重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させるための分散剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して、0.2質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。また、重合性単量体組成物が水系媒体中に造粒された水系分散媒体において、重合性単量体組成物100質量部に対して、300質量部以上3,000質量部以下の水を用いて水系分散媒体を調製することが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性の無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合には、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散剤の粒子を得るために、水の如き液媒体中で、高速撹拌下、上記難水溶性の無機分散剤を生成させて水系分散媒体を調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することが挙げられる。
(ワックス)
トナー粒子は公知のワックスを含有していてもよい。ワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム如きの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロップシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス。
上記誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。
この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましく、より好ましくは、炭化水素ワックスである。
トナー中における上記ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して4質量部以上25質量部以下であることが好ましい。ワックスが上記範囲内であることで、トナーの加熱加圧時に適度にワックスがブリードし、耐巻きつき性がさらに向上する。また、現像時や転写時にトナーがストレスを受けたとしてもトナー表面へのワックスの露出が少なく、個々のトナーが均一な摩擦帯電性を得ることができる。
(極性樹脂)
トナー粒子は、公知の極性樹脂を含有していてもよい。尚、極性樹脂とはカルボキシル基、水酸基、スルホン酸基の如き極性基を持つ樹脂のことを意味する。懸濁重合法によりトナーを製造する際に、極性樹脂の種類及び極性を調整することで、様々な構造を有するトナー粒子を形成することが可能である。例えば、トナー粒子に極性樹脂による薄層のシェルを形成したり、極性樹脂の濃度がトナー粒子中心から表面に向けて徐々に高くなるように、極性樹脂を存在させた層を形成することができる。極性樹脂を添加し、トナー粒子にコアシェル構造を持たせることで、トナーの耐久性と定着性を両立させることができる。また、極性樹脂を添加することで、トナーの粒度分布や粒径の制御も可能になる。
極性樹脂の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至30質量部であることが好ましい。極性樹脂の添加量を上記範囲とすることで、トナーの帯電性や耐久性が向上する。また、極性樹脂の重量平均分子量Mwは5000以上50000以下であることが好ましい。極性樹脂の重量平均分子量が上記範囲内にあることで、トナーを水系媒体中で製造する場合、顔料をトナー組成物に分散させるのに良好な粘度にすることができる。そのためトナー粒子中に顔料が良好な状態で分散させることが可能である。
また、極性樹脂は、ビニル系重合体またはポリエステル樹脂であることが好ましい。
ビニル系重合体においては、スチレン系共重合体がより好ましい。スチレン系共重合体を形成するために、スチレンモノマーと共に用いられる重合性単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;スチレンスルホン酸の如きスルホン酸基含有モノマーが挙げられる。
また、極性樹脂に架橋剤を添加することも可能である。架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらの架橋剤は、単独もしくは混合物として用いることができる。
また、極性樹脂として、ポリエステル樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂を形成するために用いられるアルコール成分としては下記のものが挙げられる。
二価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如き脂肪族系のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAの如きビスフェノールA類が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂を形成するために用いられる酸成分としては下記のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸の如き芳香族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸の如き炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸の脂肪族多価カルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル。
それらの中でも特に、ビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルを酸成分として、これらを縮重合して得られるポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
(荷電制御剤)
トナー粒子は、公知の荷電制御剤を含有していてもよい。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを懸濁重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤のうち、トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、有機金属化合物、キレート化合物が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類も挙げられる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンも挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類が挙げられる。
また、荷電制御剤は、単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
これら荷電制御剤の中でも、含金属サリチル酸系化合物が好ましく、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムが好ましい。最も好ましい荷電制御剤としては、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物である。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.01乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5乃至10質量部である。
また、荷電制御剤として樹脂系荷電制御剤を用いることも可能である。樹脂系荷電制御剤としては、例えば、スルホン酸基、スルホン酸基塩又はスルホン酸エステル基を側鎖に持つ高分子が用いられることが好ましい。その中で特にスルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基の重合体又は共重合体を用いることが好ましい。本発明のトナーを懸濁重合法にて製造する場合、上記高分子を添加することによって、造粒安定化は基より重合段階でのトナー粒子のコアシェル構造が促進される。そのためトナーの耐久性と定着性の両立を一層高めることができる。
スルホン酸基、スルホン酸基塩又はスルホン酸エステル基を有する重合性単量体としては、例えばスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸やそれらのアルキルエステルが挙げられる。
スルホン酸基、スルホン酸基塩又はスルホン酸エステル基を含有する重合体は、上記重合性単量体の単重合体であっても、上記重合性単量体と他の重合性単量体との共重合体であっても構わない。上記重合性単量体と共重合体をなす重合性単量体としては、ビニル系重合性単量体があり、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。
(無機微粉体)
トナーに流動性を与えるために、トナー粒子に公知の無機微粉体を外添してもよい。
トナー粒子に外添する無機微粉体は、少なくともシリカ微粉体を含むことが好ましい。該シリカ微粉体の一次粒子の個数平均粒径は、4nm以上80nm以下であることが好ましい。無機微粉体の一次粒子の個数平均粒径が上記範囲内にあることで、トナーの流動性が向上すると共に、トナーの保存安定性も良好になる。
なお、無機微粉体の一次粒子の個数平均粒径は、次のようにして測定される。
走査型電子顕微鏡でトナー粒子表面の無機微粉体を観察し、視野中の100個の無機微粉体の粒子径を測定して、それらの粒子径の平均値を一次粒子の個数平均粒径とした。
また、シリカ微粉体と共に、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物の微粉体を併用することができる。シリカ微粉体と共に併用される無機微粉体としては、酸化チタンが好ましい。
また、無機微粉体は疎水化処理されていてもよい。
無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、以下のものが挙げられる。
未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物。これらの処理剤は単独で或いは併用して用いても良い。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したシリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粉体である。これは、高湿環境下でもトナー粒子の摩擦帯電量を高く維持し、選択現像性を低減することが可能となるため好ましい。
[溶解懸濁法]
次に、第二のトナーの製造方法(溶解懸濁法)について説明する。
第二のトナーの製造方法は、顔料分散液を水系媒体中に分散して顔料分散液の粒子を生成する造粒工程、及び、得られた顔料分散液の粒子中から有機溶剤を除去する脱溶剤工程を有することを特徴とするものである。
具体的には、有機溶剤中に、結着樹脂、顔料、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸及び必要に応じて他の材料を、溶解または分散させ、トナー組成物を含有する顔料分散液を調製する。次に、この顔料分散液を水系媒体中に添加し、顔料分散液の粒子を生成する。得られた顔料分散液の粒子中から、加熱や減圧を行うことで有機溶剤を除去し、その後、ろ過、洗浄、乾燥工程を経ることでトナー粒子を得ることができる。
以下にそれぞれの製造工程について、具体的に説明する。
まず、造粒工程では、例えばポリエステル樹脂の如き結着樹脂を含有するトナー組成物を溶剤に溶解または分散させた溶液(油相)を水系媒体中で乳化または分散させることにより乳化または分散液を調製する。
溶剤は、油相の粘度を低くするために、結着樹脂を溶解する溶剤を使用することが好ましい。これにより、トナーの粒度分布をシャープにすることができる。さらに、溶剤は、除去が容易であることから、沸点が100℃未満であることが好ましい。
このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。二種以上併用してもよい。その中でも、トルエン、キシレンの如き芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素の如きハロゲン化炭化水素が好ましい。また、これらの溶剤は一種でも二種以上用いてもよい。
溶剤の使用量は、ポリエステル100質量部に対して、通常、300質量部以下であり、100質量部以下が好ましく、25〜70質量部がさらに好ましい。
水系媒体としては、水、水と混和可能な溶剤と水の混合物を用いることができる。
水と混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類(メチルセロソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂とその他のトナー組成物は、水系媒体中で油相を乳化または分散させる際に混合してもよいが、予め全トナー組成物を溶剤に溶解または分散させた油相を水系媒体中で乳化または分散させることが好ましい。なお、その他のトナー組成物としては、顔料、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸、ワックス、帯電制御剤、上記ポリエステル樹脂以外の結着樹脂等が挙げられる。
また、この懸濁溶解法における顔料分散を行う際に、上記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸の他に、前述したワックス、極性樹脂、帯電制御剤等の他の材料も添加してもよい。また、前述した懸濁重合法と同様、分散液の粘度や分散時間を考慮して、必要に応じて従来公知の分散装置を用いてもよい。
水系媒体中で油相を乳化または分散させる際には、特に限定されないが、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等を用いることができる。乳化または分散液の粒径を2〜20μmにするためには、高速せん断式分散機が好ましい。高速せん断式分散機を用いる際に、回転数は、特に限定されないが、通常、1×10〜3×10rpmであり、5×10〜2×10rpmが好ましい。また、分散時間は、特に限定されないが、バッチ方式の場合、通常、0.1〜5分である。分散時の温度は、通常、0〜150℃(加圧下)であり、40〜98℃であることが顔料を良好に分散させることができるため、好ましい。
水系媒体の使用量は、油相に含まれる固形分100質量部に対して、通常、50〜2000質量部であり、100〜1000質量部が好ましい。
本発明において、水系媒体は、必要に応じて、分散剤を含有することもできる。これにより、油相を安定に乳化または分散させることができ、トナーの粒度分布をシャープにすることができる。
分散剤としては、懸濁重合法で用いる分散剤や従来公知の界面活性剤を用いることができる。
次に、脱溶剤工程では、必要に応じて、加熱及び/又は減圧することにより、乳化または分散液から溶剤を除去する。
さらに、溶剤の一部が除去された乳化または分散液を40〜60℃の温度で加熱する熟成工程を設け、熟成工程の後残りの溶剤を除去してもよい。
以上のようにして、造粒工程、脱溶剤工程を経て得られた分散液は、必要に応じて、濾過、遠心分離等することにより母体粒子が得られる。
さらに、得られた母体粒子を必要に応じて、洗浄及び乾燥してもよい。更に上記懸濁重合法と同様にトナー粒子に無機微粉体を外添してもよい。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
[顔料分散液の製造例1]
・スチレン 100.00質量部
・下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸(1) 0.88質量部
式(1)
・C. I. Pigment Red 31 16.67質量部
上記材料を直径20mmのジルコニアビーズを入れたアトライター(三井金属社製)に投入して、撹拌羽根の回転速度を300回転/分として、5時間撹拌し、顔料分散液(A)を得た。
[顔料分散液の製造例2〜18]
顔料分散液の製造例2〜18については、顔料の種類と添加量、芳香族オキシカルボン酸の種類と添加量、有機溶剤種を表1に示すように変更すること以外は顔料分散液の製造例1と同様の方法で、顔料分散液(B)〜(K)、及び、(a)〜(g)を作製した。
なお、表1の芳香族オキシカルボン酸(2)及び芳香族オキシカルボン酸(3)は下記式の構造を有した化合物である。
芳香族オキシカルボン酸(2)
芳香族オキシカルボン酸(3)
[トナーの製造例1]
下記の手順に従って、懸濁重合法によってトナー(A)を製造した。
温度60℃に加温したイオン交換水1300質量部に、リン酸三カルシウム9質量部、10%塩酸11質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000r/minにて撹拌して水系媒体を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで混合して混合液を調製した。
・スチレン 50.0質量部
・n−ブチルアクリレート 50.0質量部
・顔料分散液(A) 100.0質量部
・スルホン酸基含有樹脂(アクリルベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
1.5質量部
・極性樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体)
(共重合比:スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=95.85/2.50/1.65、Mp=15800、Mw=14000) 26.0質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88,オリエント化学製) 1.5質量部
・最大吸熱ピークのピーク温度が77℃の炭化水素ワックス(HNP−51,日本精蝋社製)
16.0質量部
その後、この混合液を温度60℃に加温した後にTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて、9,000r/minにて攪拌した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃にてTK式ホモミキサーを用いて15,000r/minで10分間攪拌し、造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、更に5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。重合反応終了後、前記粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100質量部に対して、無機微粉体として、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3,000r/minで15分間混合してトナー(A)を得た。なお、この疎水性シリカ微粉体は、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で疎水化処理されており、1次粒子の個数平均粒径は10nm、BET比表面積は170m/gである。
[トナーの製造例2〜10]
トナーの製造例2〜10においては、表2に示すように顔料分散液の種類を変更したこと以外はトナーの製造例1と同様に懸濁重合法にてトナー(B)〜(J)を製造した。
[トナーの製造例11]
下記の手順に従って、溶解懸濁法によってトナー(K)を製造した。
まず、溶解懸濁法によってトナーを作製するにあたり、まず、以下の方法でプレポリマーを作製した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 682質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 81質量部
・テレフタル酸 283質量部
・無水トリメリット酸 22質量部
・ジブチルチンオキサイド 2質量部
を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマーを合成した。
次に以下の手順に従って、水系媒体と溶解液の調整を行い、トナーを作製した。
水660質量部、48.5質量%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液25質量部を混合撹拌し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000r/minにて撹拌して水系媒体を調製した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した
・顔料分散液(K) 100.0質量部
・上記プレポリマー 20.0質量部
・ポリエステル樹脂
(ビスフェノールA/プロピレンオキシド)付加体−テレフタル酸(Mp=11,000、Tg=66℃、酸価=4.9mgKOH/g、Mw/Mn=3.1) 100.0質量部
・スルホン酸基含有樹脂(アクリルベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
1.5質量部
・極性樹脂(スチレン−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体)
(共重合比:スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=95.85/2.50/1.65、Mp=15800、Mw=14000) 26.0質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88,オリエント化学製) 1.5質量部
・最大吸熱ピークのピーク温度が77℃の炭化水素ワックス(HNP−51,日本精蝋社製)
16.0質量部
次に水系媒体150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに上記溶解液100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを調製した。
その後、脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し45℃で4時間熟成させて、脱溶剤スラリーとした。
脱溶剤スラリーを減圧濾過した後、得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過した。
得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100質量部に対して、無機微粉体として、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3,000r/minで15分間混合してトナー(K)を得た。なお、この疎水性シリカ微粉体は、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で疎水化処理されており、1次粒子の個数平均粒径は10nm、BET比表面積は170m/gである。
[トナーの製造例12〜16]
トナーの製造例12〜16においては、表2に示す顔料分散液の種類を変更したこと以外はトナーの製造例1と同様に懸濁重合法にてトナー(a)〜(e)を製造した。
[トナーの製造例17及び18]
トナーの製造例17及び18においては、表2に示す顔料分散液の種類を変更したこと以外はトナーの製造例11と同様に溶解懸濁法にてトナー(f)〜(g)を製造した。
<実施例1−1〜1−11、及び、比較例1−1〜1−7>
上記のように作製された顔料分散液(A)〜(K)及び(a)〜(g)について以下の評価方法を用いて評価した。得られた評価結果を表3に示す。
(顔料分散液の評価)
〔塗膜面のグロス値〕
顔料分散液を製造する際のアトライターによる回転時間が1時間、3時間、5時間の時点で顔料分散液をサンプリングし、バーコーター(No.10)を用いて展色紙「スーパーアート紙(金藤)」(セイブンドー社製)上に塗布し、乾燥させた。この乾燥後の塗膜面のグロスを光沢計「PG−3D、光学センサー;75°−75°」(日本電色工業社製)により計測した。グロスの値が高いほど、顔料分散が良好であることを示す。
〔静置後の顔料分散液の状態〕
得られた顔料分散液を100ccのガラス瓶に入れ、25℃の環境下で一週間静置後の顔料分散液の状態を目視で確認した。この評価によって、顔料分散液の安定度を確認することができる。
A:変化無し。
B:上層にわずかな溶剤層が存在しているが、振とうすると元に戻る。
C:顔料が完全に沈降しており、振とうしても元に戻らない。
<実施例2−1〜2−11、及び、比較例2−1〜2−7>
上記のように作製されたトナー(A)〜(K)及び(a)〜(g)について以下の評価方法を用いて評価した。得られた評価結果を表4に示す。
(トナーの評価)
〔トナー中の顔料分散状態〕
任意のトナー5個を選び、トナー断面のTEM画像を撮影した。得られた画像を目視で観察し、以下の基準でトナー中における顔料分散状態の評価を行った。
A:顔料の凝集体が0個。
B:顔料の凝集体が1個以上4個以下。
C:顔料の凝集体が5個以上9個以下。
D:顔料の凝集体が10個以上、または、0.5μm以上の凝集体が発生。
〔トナーの着色力〕
図1に示す一成分接触現像システムの現像装置(Satera LBP5300;キヤノン製)において、現像剤容器にトナーを70g充填する。なお、転写紙としてはXerox4200(ゼロックス社製、75g/m紙)を用いた。常温常湿(温度23.5℃,湿度60%RH)環境下にて、図1に示す現像装置を、図2のユニット104a部に装着した。マゼンタ単色モードにてプロセススピードを150mm/sとした。転写紙上にトナー量の載り量が0.40mg/cmとなるようにベタ画像を印字し、そのベタ画像の画像濃度を「マグベス反射計 RD918」(マグベス社製)を用いて測定した。
10 潜像担持体(感光ドラム)
11 接触帯電部材
12 電源
13 現像ユニット
14 トナー担持体
15 トナー供給ローラ
15aトナー供給ローラ軸
16 規制部材
17 非磁性トナー
23 現像剤容器
24 規制部材支持板金
25 トナー攪拌部材
26 トナー吹き出し防止シート
27 電源
29 帯電ローラ
30 抑圧部材
101a〜d 感光ドラム
102a〜d 一次帯電手段
103a〜d スキャナー
104a〜d 現像部
106a〜d クリーニング手段
108b 給紙ローラ
108c レジストローラ
109a 静電吸着搬送ベルト
109b 駆動ローラ
109c 固定ローラ
109d テンションローラ
109e 固定ローラ
110 定着器
110c 排出ローラ
110d 除電シート
111 定着器枠体
111a 通紙ガイド
112 定着器メンテナンス用扉
112a 定着器固定部材
113 排出トレー
115、116 排出ローラ
117 通紙ガイド
S 記録媒体

Claims (12)

  1. 有機溶剤、顔料及び顔料分散剤を混合し、撹拌することによって有機溶剤中に顔料を分散させる顔料分散方法であって、
    前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、
    前記顔料分散剤は、下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする顔料分散方法。
    式(1)
  2. 前記顔料と前記芳香族オキシカルボン酸の質量比(顔料の質量:芳香族オキシカルボン酸の質量)が、99.0:1.0乃至70.0:30.0であることを特徴とする請求項1に記載の顔料分散方法。
  3. 前記有機溶剤が、芳香族系の有機溶剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の顔料分散方法。
  4. 前記芳香族系の有機溶剤が、スチレンであることを特徴とする請求項3に記載の顔料分散方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の顔料分散方法により、有機溶剤中に顔料を分散させることで顔料分散液を得る顔料分散工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 前記有機溶剤が、スチレンを主成分とする重合性単量体を有し、
    前記顔料分散液を水系媒体中に分散して顔料分散液の粒子を生成する造粒工程、及び、
    得られた顔料分散液の粒子中の前記重合性単量体を重合する重合工程
    を有することを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記顔料分散液を水系媒体中に分散して顔料分散液の粒子を生成する造粒工程、及び、
    得られた顔料分散液の粒子中から前記有機溶剤を除去する脱溶剤工程
    を有することを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
  8. 有機溶剤中に顔料を分散させるための顔料分散剤であって、
    前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、
    前記顔料分散剤が、下記式(1)で示される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする顔料分散剤。
    式(1)
  9. 有機溶剤中に、顔料分散剤の存在下で顔料を分散させて得られる顔料分散液であって、
    前記顔料が、C.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 176及びC.I.Pigment Red 269からなる群より選ばれる少なくとも一つの顔料であり、
    前記顔料分散剤が、下記式(1)で表される芳香族オキシカルボン酸であることを特徴とする顔料分散液。
    式(1)
  10. 前記顔料と前記芳香族オキシカルボン酸の質量比(顔料の質量:芳香族オキシカルボン酸の質量)が、99.0:1.0乃至70.0:30.0であることを特徴とする請求項9に記載の顔料分散液。
  11. 前記有機溶剤が、芳香族系の有機溶剤であることを特徴とする請求項9又は10に記載の顔料分散液。
  12. 前記芳香族系の有機溶剤が、スチレンであることを特徴とする請求項11に記載の顔料分散液。
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