JP2015000870A - 嚥下造影検査食 - Google Patents

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Abstract

【課題】非加熱で、かつ、物性が安定するVF検査食を簡便な方法で提供すること。
【解決手段】 硫酸バリウムとアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを含む、嚥下造影検査食。その調製方法及び食品テクスチャー改良用組成物も提供される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、嚥下造影検査食に関する。
近年、嚥下障害の病態評価として嚥下造影検査(以下、「VF検査」と略すこともある)が各病院で実施されている。VF検査とは、レントゲンをあてながら、バリウムの入った模擬食品を実際に口から食べて、口から食べる機能に異常がないか調べる検査である。VF検査により、嚥下障害に対する治療方針を決定するため、VF検査の重要性が認識されるようになっている(非特許文献1)。
VF検査を行うためには、普段の食事の能力にできるだけ近い状態を評価するために、造影剤(硫酸バリウム)入りのゼリーを各施設で調製している。
日摂食嚥下リハ会誌 8(1):71-86, 2004
VF検査を行う検査食を各施設で調製するのは非常に手間がかかる上に、以下のような問題もある。
1.VF検査食(硫酸バリウム入りゼリー)の基準物性がない。
2.日々、作製されているVF検査食の物性にバラつきがある(硫酸バリウムの比重が重いために沈殿・分離してしまうことや、ゼリーを作製するため加熱を要することが原因)。
その結果、VF検査の結果は、施設毎に独自のものとなり、異なる施設では検査結果を有効利用することができないばかりでなく、同一施設内でも検査の再現性を低下させている。
本発明は、非加熱で、かつ、物性が安定するVF検査食を簡便な方法で提供することを目的とする。
本発明者らは、アルギン酸類又はペクチンとカルシウム塩とのゲル化反応を利用することにより、硫酸バリウムの沈降を抑制して、非加熱で、かつ、物性が安定するVF検査食を短時間で調製することに成功し、本発明を完成させるに至った。このVF検査食は、消費者庁が定める特別用途食品えん下困難者用食品許可基準に準じたものに調整することが可能である。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)硫酸バリウムとアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを含む、嚥下造影検査食。
(2)アルギン酸類がアルギン酸塩である(1)記載の嚥下造影検査食。
(3)アルギン酸塩が、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン酸カリウムである(2)記載の嚥下造影検査食。
(4)カルシウム塩が、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群より選択される(1)〜(3)のいずれかに記載の嚥下造影検査食。
(5)さらに、キレート剤を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の嚥下造影検査食。
(6)キレート剤が、クエン酸三ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びピロリン酸四ナトリウムからなる群より選択される(5)記載の嚥下造影検査食。
(7)アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合することを含む、嚥下造影検査食の調製方法。
(8)キレート剤の存在下で、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合する(7)記載の方法。
(9)アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にキレート剤がコーティングされている(8)記載の調製方法。
(10)アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とキレート剤とを含む食品テクスチャー改良用組成物であって、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にキレート剤がコーティングされている前記組成物。
(11)さらに、水溶性分散剤を含み、水溶性分散剤がアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とともに造粒化されている(10)記載の組成物。
(12)水溶性分散剤がデキストリンである(11)記載の組成物。
(13)デキストリンが多孔質デキストリンである(12)記載の組成物。
本発明により、非加熱で、かつ、物性が安定するVF検査食を短時間で調製することができるようになった。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、硫酸バリウムとアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを含む、嚥下造影検査食を提供する。
硫酸バリウムは、VF検査用の造影剤として使用されており、懸濁液やパウダーとして入手可能である。
アルギン酸類は、海藻からの抽出によって製造することができ、市販されているアルギン酸類としては、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸エステルなどがある。本発明において、アルギン酸類は、カルシウム塩とゲル化反応を起こすものであればよく、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなどのアルギン酸塩を好適に用いることができる。
ペクチンは、植物の細胞癖や中葉に含まれる複合多糖類で、ガラクツロン酸がα-1,4-結合したポリガラクツロン酸が主成分である。りんごの搾りかすや柑橘類の果皮などから酸抽出される。ローメトキシルペクチン(LMペクチン)は、エステル化度が50%以下のペクチンであり、カルシウムと反応してゲル化するので、好適に用いることができる。
カルシウム塩は、アルギン酸類又はペクチンとゲル化反応を起こすものであればよく、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどを例示することができる。
本発明の嚥下造影検査食は、さらに、キレート剤を含むとよい。キレート剤は、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とのゲル化反応をコントロールすることができる(すなわち、反応遅延剤として作用する)。キレート剤としては、クエン酸三ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウムなどを好適に用いることができる。
本発明の嚥下造影検査食には、分散剤、甘味料、香料などを添加してもよい。これらの添加剤は、食用可能なものであるとよい。
分散剤は、粒子の分解性や溶解性を補助するために添加される。分散剤の添加により、粒子同士が接着し、凝集塊を形成することを抑制して、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩の水への分散性を向上させ、この分散性の向上により溶解性を高めることができる。分散剤は、水溶性であることが好ましく、水溶性分散剤としては、マルトデキストリン、粉あめ、デキストリン、乳糖、澱粉、粉糖、グラニュー糖などを例示することができる。分散剤は、溶解性を高めるために多孔性粒子であることが好ましい。多孔性粒子を形成するためには、フローコーティング法、ドラムドライヤー法などを用いるとよい。ドラムドライヤー法によって造粒された粒子は、表面が金平糖のような角状またはいぼ状の突起が形成され、水に溶解する際の粒子表面の濡れを遅らすことができ、粒子が分散する前の凝集塊の形成をより防止することができる。また、分散剤の粒子サイズは、例えば、直径250μm〜1000μmとすることができる。
甘味料は、食用可能なものであればよく、特に限定されることはないが、例えば、アミノ酸由来の高甘味度甘味料などを例示することができる。
香料は、食用可能なものであればよく、特に限定されることはないが、例えば、バニラ香料などを例示することができる。
本発明の嚥下造影検査食は、消費者庁が定める特別用途食品えん下困難者用食品許可基準に準じたものに調整することができる。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準Iの規格(常温及び喫食の目安となる温度のいずれの条件であっても、硬さ(一定速度で圧縮したときの抵抗)=2.5×103〜1×104 N/m2、付着性=4×102 J/m3以下、凝集性=0.2〜0.6、均質なもの)のVF検査食を作製するには、例えば、水167 ml、硫酸バリウム83 g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)1.0〜3.0 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)1.0〜3.0 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.24〜0.6 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.1〜0.3 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.01〜0.3 g、香料0.01〜0.3 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準IIの規格(常温及び喫食の目安となる温度のいずれの条件であっても、硬さ(一定速度で圧縮したときの抵抗)=1×103〜1.5×104 N/m2、付着性=1×103 J/m3以下、凝集性=0.2〜0.9、均質なもの)のVF検査食を作製するには、例えば、水125 ml、硫酸バリウム62.5 g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.8〜3.5 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.8〜3.5 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.16〜0.7 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.08〜0.35 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.01〜0.35 g、香料0.01〜0.35 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準IIIの規格(常温及び喫食の目安となる温度のいずれの条件であっても、硬さ(一定速度で圧縮したときの抵抗)=3×102〜2×104 N/m2、付着性=1.5×103 J/m3以下、不均質なものも含む)のVF検査食を作製するには、例えば、水105.3 ml、硫酸バリウム52.6 g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.1〜4.0 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.1〜4.0 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.02〜0.8 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.01〜0.4 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.01〜0.4 g、香料0.01〜0.4 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品の硬さ、付着性及び凝集性の試験方法は、食安発第0212001号(平成21年2月12日)「特別用途食品の表示許可等について」に記載されており(第20頁)、試料を直径40mm、高さ20mm(試料が零れる可能性がない場合は、高さ15mmでも可)の容器に高さ15mmに充填し、直線運動により物質の圧縮応力を測定することが可能な装置を用いて、直径20mm、高さ8mm樹脂性のプランジャーを用い、圧縮速度10mm/sec、クリアランス5mmで2回圧縮測定する。測定は、冷たくして食する又は常温で食する食品は10±2℃及び20±2℃、温かくして食する食品は20±2℃及び45±2℃で行う。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準I、II及びIIIの各規格のVF検査食を用意することで、えん下困難者の嚥下障害の病態や食物の嚥下動態を的確に評価することが可能となり、より高度な医療や適切な食生活を提供する介護・看護が可能となる。
本発明の嚥下造影検査食は、えん下困難者用食品たる表示の許可基準Iの規格よりもやわらかいもの、あるいは、えん下困難者用食品たる表示の許可基準IIIの規格よりもかたいものとしてもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準Iの規格よりもやわらかいものとして、薄いとろみのVF検査食を作製するには、例えば、水500ml、硫酸バリウム250g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.5〜1.5 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.5〜1.5 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.1〜0.3 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.05〜0.15 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.05〜0.15 g、香料0.05〜0.15 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準Iの規格よりもやわらかいものとして、中間のとろみのVF検査食を作製するには、例えば、水400〜250ml、硫酸バリウム200〜125g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.2〜1.2 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.2〜1.2 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.04〜0.24 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.02〜0.12 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.02〜0.12 g、香料0.02〜0.12 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準Iの規格よりもやわらかいものとして、濃いとろみのVF検査食を作製するには、例えば、水222ml、硫酸バリウム111g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.5〜1.5 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.5〜1.5 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.1〜0.3 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.05〜0.15 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.05〜0.15 g、香料0.05〜0.15 gなどを添加してもよい。
えん下困難者用食品たる表示の許可基準IIIの規格よりもかたいものとして、咀嚼を有するゲルのVF検査食を作製するには、例えば、水66.7ml、硫酸バリウム33.3g、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)0.5〜1.5 g、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)0.5〜1.5 g、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)0.1〜0.3 g、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)0.05〜0.15 gを配合するとよい。その他に、甘味料0.05〜0.15 g、香料0.05〜0.15 gなどを添加してもよい。
アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合した状態で、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とのゲル化反応を行うことにより、本発明の嚥下造影検査食を調製することができる。ゲル化反応をコントロールするには、キレート剤を添加するとよい。キレート剤については、前述した。
本発明は、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合することを含む、嚥下造影検査食の調製方法も提供する。混合は、キレート剤の存在下で行うとよい。
本発明の嚥下造影検査食を調製するにあたっては、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にはキレート剤がコーティングされているとよい。コーティングには、分散剤、特に、デキストリンなどの分散剤が含まれてもよい。造粒することで分散を向上させ、同時にアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩と硫酸バリウムとのゲル化反応を遅延させる作用を効果的に発揮させることができる。
また、本発明は、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とキレート剤とを含む食品テクスチャー改良用組成物であって、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にキレート剤がコーティングされている前記組成物を提供する。
本発明の組成物は、さらに、水溶性分散剤を含むとよく、水溶性分散剤がアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とともに造粒化されているとよい。水溶性分散剤はデキストリンであるとよく、デキストリンは多孔質デキストリンであるとよい。
本発明の組成物は、さらに、甘味料、香料などを含んでもよい。これらの添加剤については、前述した。
本発明の組成物の一例として、組成物100kgあたり、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)30〜50 kg、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)6〜10 kg、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)3〜5 kg、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)30〜50 kg、甘味料1〜2 kg、香料1〜2 kgを配合するとよい。
本発明の組成物の別の一例として、組成物100kgあたり、ペクチン(例えば、LMペクチン)30〜50 kg、カルシウム塩(例えば、硫酸カルシウム)6〜10 kg、キレート剤(例えば、クエン酸三ナトリウム)3〜5 kg、分散剤(例えば、デキストリン、特に、多孔質デキストリン)30〜50 kg、甘味料1〜2 kg、香料1〜2 kgを配合するとよい。
これらの配合量で配合した組成物を適量に分包(例えば、一包2.5〜3.5 g、好ましくは一包3g)して、供給するとよい。
本発明の組成物は、栄養成分100g中、エネルギー:224 kcal±50 kcal、タンパク質:0 g±5 g、脂質:0 g±5 g、糖質:36.6 g±10 g、食物繊維:38.2 g±10 g、ナトリウム:4400 mg±1000 mgとするとよいが、これらの数値に限定されることはない。
本発明の組成物は、VF検査食の調製に利用することができる。本発明の組成物を利用することにより、作製者による物性のバラツキがないVF検査食を調製することができる。また、本発明の組成物を利用して、消費者庁が定める特別用途食品えん下困難者用食品許可基準に準じたVF検査食を調製することができる。本発明の組成物を用いて作製したVF検査食により、再現性のある正確なVF検査を行うことができるようになり、その結果、えん下困難者へのより高度な医療や適切な食生活を提供する介護・看護が可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕食品テクスチャー改良用組成物の調製1
アルギン酸ナトリウム40 kg、多孔質デキストリン40 kg、硫酸カルシウム8 kg、甘味料1.5 kg、香料1.5 kgをブレンド後、バインダー溶液(クエン酸三ナトリウム4 kg及び多孔質デキストリン5 kgを溶解した水30 kg)を吹き付けながら、造粒を行った。造粒した粒子を篩にかけ、粒子サイズ(直径)250〜710μmの粒子を回収した(95〜100kg)。
〔実施例2〕食品テクスチャー改良用組成物の調製2
LMペクチン40 kg、多孔質デキストリン40 kg、硫酸カルシウム8 kg、甘味料1.5 kg、香料1.5 kgをブレンド後、バインダー溶液(クエン酸三ナトリウム4 kg及び多孔質デキストリン5 kgを溶解した水30 kg)を吹き付けながら、造粒を行った。造粒した粒子を篩にかけ、粒子サイズ(直径)250〜710μmの粒子を回収した(95〜100kg)。
〔実施例3〕VF検査食の調製1
下記の表の処方で、VF検査食を調製した。具体的な手順としては、実施例1で調製した食品テクスチャー改良用組成物 3 gと硫酸バリウム(バリトゲンHD)をシェーカーに測りとり、シェーカーの蓋を閉め、シェイクした後、蓋を開けて、水を入れ、シェーカーの蓋を閉め、溶液に粘度が出るまで、よくシェイクした。溶液を容器に分注し、室温にて1時間静置後、VF検査食が完成した。物性値(硬さ、付着性及び凝集性、又は粘度)を測定し、その結果(3個サンプルの平均)を表1に示す。硬さ、付着性及び凝集性は、特別用途食品の許可基準の測定法に従って、測定した。薄いとろみ〜濃いとろみの物性としては、E型粘度計にて測定した結果(粘度)を示す。(学会試案より)測定条件:20℃、ずり速度50S-1
実施例1の食品テクスチャー改良用組成物の処方は、適宜、変更することが可能である。例えば、分散剤を倍量配合してもよい。水、硫酸バリウム、アルギン酸ナトリウム、硫酸カルシウムの適切な配合割合を下記の表2に例示する。表中の数字は質量で表した数値である。アルギン酸ナトリウムと硫酸カルシウムの添加量は、それぞれ、水と硫酸バリウムの合計に対する割合で示してある。例えば、薄いとろみの場合、水500 ml(g):硫酸バリウム250 g(=2:1)に対して、アルギン酸ナトリウム0.75〜1.5 g(=0.001〜0.002×(500+250))と硫酸カルシウム0.15〜0.30 g(=0.0002〜0.0004×(500+250))の割合(質量)で配合する。
これまでは、寒天、ゼラチン等にてVF検査食用ゼリーを作製していたため、加熱溶解後、冷却の工程が必要であった。冷却工程中にバリウムの比重が重いため、ゲルを形成する前にバリウムが沈殿し、バリウム層と水ゲル層の2層ができてしまい、嚥下造影に支障をきたしていた。しかし、本発明において加熱溶解、冷却の工程が不要となるため、短時間でゲル形成し分離のないVF検査食用ゼリーを作製することが可能となった。また、これまでは火が必要であるため、栄養課において調整していたが、放射線室でもVF検査食用ゼリーの調整が誰でも可能となる。
〔実施例4〕VF検査食の調製2
実施例2で調製した食品テクスチャー改良用組成物3 gに対し、水50〜200 ml、硫酸バリウム25〜100gの処方で、実施例3と同様の方法で、VF検査食を調製した。その結果、短時間でゲル形成し分離のないVF検査食用ゼリーを作製することができた。
本発明は、嚥下造影検査に利用可能である。

Claims (13)

  1. 硫酸バリウムとアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを含む、嚥下造影検査食。
  2. アルギン酸類がアルギン酸塩である請求項1記載の嚥下造影検査食。
  3. アルギン酸塩が、アルギン酸ナトリウム及び/又はアルギン酸カリウムである請求項2記載の嚥下造影検査食。
  4. カルシウム塩が、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、水酸化カルシウム、クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群より選択される請求項1〜3のいずれかに記載の嚥下造影検査食。
  5. さらに、キレート剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の嚥下造影検査食。
  6. キレート剤が、クエン酸三ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びピロリン酸四ナトリウムからなる群より選択される請求項5記載の嚥下造影検査食。
  7. アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合することを含む、嚥下造影検査食の調製方法。
  8. キレート剤の存在下で、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とを硫酸バリウムに混合する請求項7記載の方法。
  9. アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にキレート剤がコーティングされている請求項8記載の調製方法。
  10. アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とキレート剤とを含む食品テクスチャー改良用組成物であって、アルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とが造粒化され、その粒子表面にキレート剤がコーティングされている前記組成物。
  11. さらに、水溶性分散剤を含み、水溶性分散剤がアルギン酸類及び/又はペクチンとカルシウム塩とともに造粒化されている請求項10記載の組成物。
  12. 水溶性分散剤がデキストリンである請求項11記載の組成物。
  13. デキストリンが多孔質デキストリンである請求項12記載の組成物。
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