図1は、短半減期と長半減期のアゴニスト及びc−metのアンタゴニストの一般構造を示す。
図2は、オナルツズマブ(MetMAb又はOA5D5.v2)のフレームワーク(FR)、超可変領域(HVR)、第一定常領域(CL又はCH1)及びFc領域(Fc)のアミノ酸配列を示す。示されるFc配列は、国際公開第2005/063816号に記載される「ホール」(空洞)変異のT366S、L368A及びY407Vを含む。
図3は、国際公開第2005/063816号に記載される「ノブ」(突起)変異のT366Wを含むFcポリペプチドの配列を示す。幾つかの実施態様において、この配列を含むFcポリペプチドは、図1のFc配列を含むFcポリペプチドと複合体を形成しFc領域を生成する。
図4は、勾配溶出条件の下で実行された、強AE樹脂(QセファロースFF)上にロードされたオナルツズマブを含む弱CE樹脂プール(CMセファロースFF)のクロマトグラムを示す。
図5Aは、Capto DEAEとオナルツズマブ(MetMAb)log10 KPiのロボットスクリーニングの等高線図の結果を示す(x軸はpHでy軸はイオン強度、ボックスはオペレーティング・ウィンドウ用である)。図5Bは、Capto DEAEとECP ng/mLのロボットスクリーニングの等高線図の結果を示す(x軸はpHでy軸はイオン強度、青いボックスはオペレーティング・ウィンドウ用である)。
図6AとBは、(A)トリス、NaCl平衡化/洗浄緩衝液及び(B)グリシン、リン酸塩、トリス(GPT)平衡化/洗浄緩衝液を用いたCapto DEAE平衡化/洗浄緩衝液のクロマトグラムを示す。
図7は、Qセファロースファーストフローの最終クロマトグラフィー工程上で実施された一部実施要因多変数DOEを示す(x軸は伝導率、y軸はpH)。
詳細な説明
本明細書において提供されるのは、抗c−met抗体を精製する方法及び精製された抗c−met抗体を含む組成物である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、アンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、一価の抗c−met抗体(例えば、片腕抗体)である。更に、精製された抗c−met抗体を含む製造品及び精製された抗c−met抗体を含む組成物の使用が提供される。
I.定義
本明細書において使用される、用語「汚染物質」又は「不純物」は交換可能に使用され、所望の抗体単量体産物とは異なる物質を意味する。不純物は、限定されないが、抗体変異体(例えば、酸性または塩基性抗体変異体)、抗体断片、ポリエチレンイミン(すなわち、PEI)、凝集体、又は所望の抗体単量体の誘導体、濾過したプロテインA、宿主細胞不純物(例えば、ECP)、脂質、核酸、及び/又はエンドトキシンを含む。
本明細書で使用される用語「宿主細胞不純物」又は「宿主細胞汚染物質」は、宿主細胞株、細胞培養液及び/又は細胞培養によって導入される任意のタンパク質性汚染物質又は副生成物を指す。実施例は、限定されないが、チャイニーズハムスター卵巣タンパク質(CHOP)、大腸菌タンパク質(ECP)、酵母タンパク質、サルCOSタンパク質、又は骨髄腫細胞タンパク質(例えば、NS0タンパク質(BALB/cマウスに由来するマウス形質細胞腫細胞))を含む。幾つかの実施態様において、宿主細胞不純物はECPである。
「宿主細胞」は、抗体を産生するためのポリヌクレオチド挿入物の取り込みのためのベクターのレシピエントであり得るか、又は、レシピエントであった個々の細胞又は細胞培養物を含む。宿主細胞は単一の宿主細胞の子孫を含み、その子孫は、自然の、偶発的な、又は意図的な変異に起因して、元の親細胞と(形態又はゲノムDNA相補体において)完全に同一でなくてもよい。幾つかの実施態様において、宿主細胞は、大腸菌である。
本明細書で使用されるように、用語「単量体」は、抗体の単一ユニットを指す。例えば、片腕抗体の場合、単量体は、a)重鎖と第一Fc領域を含むポリペプチド、b)軽鎖を含むポリペプチド、及びc)第二Fc領域を含むポリペプチドからなる。
本明細書で使用されるように、用語「凝集体」は、抗体又はその断片の何れかの多量体を指す。例えば、凝集体は、二量体、三量体、四量体、又は四量体より大きな多量体などであり得る。
「緩衝液」は、その酸−塩基共役成分の作用によってpHの変化に抵抗する緩衝溶液である。例えば緩衝液(Buffers)に記述されている緩衝液の所望のpHに応じて、様々な緩衝液を使用することができる。生体系における緩衝液の調製および使用のためのガイド(A Guide for the Preparation and Use of Buffers in Biological Systems)、Mohan, C., Calbiochem Corporation (2007)。
溶液の「pH」は水性試料のイオン化に対する酸性又はアルカリ性を測定する。
抗体などの分子の「pI」又は「等電点」とは、分子が正電荷と負電荷の等しい数を含有するpHを意味する。pIは、分子(例えば、抗体)のアミノ酸残基の正味の電荷から計算することができるか、等電点電気泳動法によって決定することができる。
用語「導電率」は、2つの電極間に電流を伝導する溶液の能力を意味する。導電率の基本単位は、以前はモー(mho)と呼ばれたジーメンス(S)である。導電率は、一般にmS/cmの単位で表される。溶液中のイオンの電荷は、電流の伝導性を助長するので、溶液の導電率は、そのイオン濃度に比例する。
「流量」は、通常時間あたりの樹脂体積(CV/h)として記載される。
「負荷密度(load density)」は、リットルあたりの樹脂で処理された組成物のグラムとしてしばしば表される。
分子(例えば、抗体又は汚染物質)を樹脂に「結合」させるとは、分子(例えば、抗体又は汚染物質)が樹脂中又は樹脂上に可逆的に固定されるよう適切な条件下(例えば、pH及び/又は導電率)で、分子(例えば、抗体又は汚染物質)を樹脂に対して曝露することを意味する。
「洗浄」とは、樹脂を介して又は樹脂上に、適切な緩衝液を通過させることを意味する。
樹脂から分子(抗体又は汚染物質)を「溶出する」とは、分子がそこから除去することを意味する。
「フロースルー」とは、第二分子(例えば、抗体又は汚染物質)は保持されない、第一分子(例えば、抗体又は汚染物質)の樹脂への結合を指す。
本明細書の「平衡化緩衝液」とは、目的の分子(例えば、抗体)を含む組成物の負荷(loading)のための樹脂を調製するのに使用されるものである。
「洗浄緩衝液」は、目的の分子(例えば、抗体)の負荷後で溶出の前に樹脂に通される緩衝液を指すために本明細書で使用される。
用語「負荷密度(load density)」又は「負荷密度(loading density)」とは、クロマトグラフィー樹脂のリットル当たり目的の分子(例えば、抗体)の密度(G)又はメンブレン/フィルター容量(L)のリットル当たりの目的の分子(例えば、抗体)の密度である。幾つかの実施態様において、負荷密度はg/Lで測定される。
「イオン交換クロマトグラフィー」なる句は、化合物がそれらの正味電荷に基づいて分離される分離技術を指す。
抗体及び一又は複数の汚染物質を含む組成物から抗体を「精製すること」とは、組成物から少なくとも一の汚染物質を(完全に又は部分的に)除去することにより、組成物中の抗体の純度を増加させることを指す。
用語「抗c−met抗体」及び「c−metに結合する抗体」は、c−metを標的とし、診断薬剤及び/又は治療的薬剤として有用であるように、十分な親和性でc−metに結合することができる抗体を指す。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の、無関係な、非c−metタンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、抗体のc−metへの結合の約10%未満である。幾つかの実施態様において、c−metへ結合する抗体は、解離定数(Kd)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)を有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、異なる種由来のc−metの間で保存されているc−metのエピトープに結合する。
用語「抗体」は最も広い意味で使用され、特にモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、一価抗体、多価抗体、及びそれらが所望の生物学的活性を示す限り抗体断片(例えばFab及び/又は単一腕抗体)を網羅する。
抗体の「クラス」は、その重鎖が保有する定常ドメイン又は定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラスがあり:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM;これらのうちのいくつかは、「サブクラス」(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)へとさらに分割され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原を結合するインタクトな抗体の一部を含むインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子(例えばscFv)、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」及び「全抗体」は、本明細書中で互換的に使用され、天然型抗体構造と実質的に類似の構造を有するか、又は本明細書で定義されるFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
「遮断抗体」又は「アンタゴニスト抗体」は、結合する抗原の生物学的活性を(部分的又は完全にのどちらかで)著しく阻害する抗体である。
参照抗体として「同一のエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて50%以上、参照抗体のその抗原への結合をブロックする抗体、逆に競合アッセイにおいて50%以上、その抗体のその抗原への結合をブロックするその参照抗体を指す。典型的な競合アッセイが、本明細書において提供される。
本明細書における目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」とは、下記に定義されるように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークから得られる軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含有するフレームワークである。ヒト免疫グロブリンのフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、又はそれはアミノ酸配列の変化を含み得る。幾つかの実施態様において、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。幾つかの実施態様において、VLアクセプターヒトフレームワークは、Vはヒト免疫グロブリンのフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列に、配列が同一である。
用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然型抗体の可変重鎖ドメイン及び軽鎖(それぞれVHおよびVL)は、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と3つの超可変領域(HVR)を含む各ドメインを持ち、一般的に似たような構造を有する。(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 第6版, W.H. Freeman and Co., 91頁 (2007)を参照)。単一のVH又はVLドメインが、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。更に、特定の抗原に結合する抗体は、相補的なVL又はVHドメインのそれぞれのライブラリーをスクリーニングするために、抗原に特異的に結合する抗体由来のVH又はVLドメインを用いて単離することができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照。
本明細書で使用される用語「超可変領域」又は「HVR」は、配列が超可変であるか、及び/又は構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの各領域を指す。一般的に、天然型4本鎖抗体体は、VH(H1、H2、H3)に3つ、及びVL(L1、L2、L3)に3つの6つのHVRを含む。HVRは、一般的に超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、最高の配列可変性であり、及び/又は抗原認識に関与している。典型的な超可変ループはアミノ酸残基26−32(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。典型的なCDR(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2、及びCDR−H3)は、アミノ酸残基L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102で生じる。Kabatら、免疫学的に興味のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、第五版, NIH Publication 91-3242, Bethesda MD (1991)。VHのCDR1の例外を除いて、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、抗原に接触する残基である「特異性決定残基」又は「SDR」をも含む。SDRは、略称(abbreviated-)CDR、又はa−CDRと呼ばれる、CDRの領域内に含まれている。典型的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2、及びa−CDR−H3)は、アミノ酸残基L1の31−34、L2の50−55、L3の89−96、H1の31−35B、H2の50−58、及びH3の95−102で生じる。( Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照のこと)。特に断らない限り、可変ドメイン内のHVR残基及び他の残基(例えば、FR残基)は、上掲のKabatらに従い、本明細書において番号が付けられる。
「フレームワーク」又は「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般的に4つのFRのドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。従って、HVR及びFR配列は一般にVH(又はVL)の以下の配列に現れる:FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4。
「N末端切断重鎖」なる句は本明細書で使用される場合、完全長免疫グロブリン重鎖の全てではないが一部を含むポリペプチドを指し、ここで欠損部分は重鎖のN末端領域上に通常位置しているものである。欠損部分は、限定されないが、可変ドメイン、CH1、及びヒンジ配列の一部又は全てを含む。一般に、野生型ヒンジ配列が存在しない場合には、N末端切断重鎖の残りの定常ドメインは、別のFc配列(即ち本明細書に記載される「第一」Fcポリペプチド)への結合が可能である成分を含むであろう。例えば、前記成分はジスルフィド結合を形成することができる改変された残基又は付加されたシステイン残基でありうる。
本明細書で使用される用語「Fc領域」は、一般に、免疫グロブリン重鎖のC末端ポリペプチドを含む二量体複合体を指し、ここで、C末端ポリペプチド配列は、インタクトな抗体のパパイン消化により得ることができるものである。Fc領域は、天然型又は変異体Fc配列を含んでもよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、Fc配列の位置Cys226のアミノ酸残基から、又はPro230から、そのカルボキシル末端へ伸展するように定義される。しかし、Fc配列のC末端リジン(Lys447)は存在しているか又は存在していない場合がある。免疫グロブリンのFc配列は、一般に、2つの定常ドメイン、CH2ドメイン及びCH3ドメインを含み、任意でCH4ドメインを含む。本明細書の「Fcポリペプチド」により、Fc領域を構成するポリペプチドの一つを意味する。Fcポリペプチドは、任意の適切な免疫グロブリン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4サブタイプ、IgA、IgE、IgD又はIgMから得られ得る。幾つかの実施態様において、Fcポリペプチドは、野生型ヒンジ配列の一部又は全部を(一般に、そのN末端で)含む。幾つかの実施態様において、Fcポリペプチドは、機能性又は野生型ヒンジ配列を含まない。
「Fcレセプター」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記述する。幾つかの実施態様において、FcRは天然型ヒトFcRである。いくつかの実施態様では、FcRは、IgG抗体(ガンマレセプター)と結合するもので、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスのレセプターを含み、これらのレセプターの対立遺伝子変異体、選択的にスプライシングされた形態のものも含まれる。FcγRIIレセプターには、FcγRIIA(「活性型レセプター」)及びFcγRIIB(「阻害型レセプター」)が含まれ、主としてその細胞質ドメインは異なるが、類似のアミノ酸配列を有するものである。活性型レセプターFcγRIIAは、細胞質ドメインにチロシン依存性免疫レセプター活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif ;ITAM)を含んでいる。活性化レセプターFcγRIIBは、その細胞質ドメインに、免疫レセプターチロシン−ベース阻害モチーフ(ITIM)を含む。(例えば、Daeron, Annu. Rev. Immunol. 15:203-234 (1997)を参照)。FcRは、例えば、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9: 457-92 (1991); Capel et al., Immunomethods 4: 25-34 (1994);及びde Haas et al., J. Lab. Clin. Med. 126: 330-41 (1995)に総説される。他のFcRは、将来同定されるべきものを含み、本明細書にて用語「FcR」により網羅される。
用語「Fcレセプター」には、母性IgGの胎児への移送を担い(Guyer等, J. Immunol. 117:587 (1976)及びKim等, J. Immunol.24:249 (1994))、免疫グロブリンのホメオスタシスを調節する新生児性レセプターFcRnも含まれる。FcRnへの結合を測定する方法は既知である(例えば、Ghetie and Ward., Immunol. Today 18(12):592-598 (1997); Ghetie et al., Nature Biotechnology, 15(7):637-640 (1997); Hinton et al., J. Biol. Chem. 279(8):6213-6216 (2004);国際公開第2004/92219号 (Hinton et al.)を参照)。
インビボでのヒトFcRnへの結合とヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清半減期は、例えばヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又は形質転換されたヒト細胞株、又は変異形Fc領域を有するポリペプチドを投与された霊長類動物においてアッセイすることができる。国際公開公報2000/42072(Presta)にFcRへの結合を向上又は減弱させた抗体変異型が述べられている。例としてShields等, J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)も参照のこと。
「ヒンジ領域」、「ヒンジ配列」、及びそれらの変形は、本明細書にて使用される場合、当技術分野で既知の意味を含み、例えば、Janewayら、免疫生物学:健康および疾患の免疫システム(Immuno Biology: the immune system in health and disease)、(Elsevier Science Ltd., NY) (第4版、1999); Bloom et al., Protein Science (1997), 6:407-415; Humphreys et al., J. Immunol. Methods (1997), 209:193-202に説明されている。
他に示されない限り、「多価抗体」なる表現は、3つ以上の抗原結合部位を含む抗体を指すために本明細書を通して使用される。多価抗体は、3つつ以上の抗原結合部位を有するように好ましくは操作されており、一般的に天然配列のIgM又はIgA抗体ではない。
「Fv」断片は、完全な抗原認識及び結合部位を含む抗体断片である。この領域は、密接な会合をなした一つの重鎖と1つの軽鎖可変ドメインの二量体であって、例えばscFvにおいては本質的に共有結合することができる二量体からなる。各可変ドメインの3つのHVRが、VH−VL二量体の表面上で抗原結合部位を定めるために相互作用するのはこの立体配置においてである。まとめると、6つのHVR又はそのサブセットは、抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのHVRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、通常結合部位全体よりは低い親和性ではあるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
「Fab」断片は、軽鎖の可変及び定常ドメインと重鎖の可変ドメイン及び第一定常領域(CH1)を含む。F(ab’)2抗体断片は一対のFab断片を含み、一般にそれらの間のヒンジシステインによってそのカルボキシ末端近傍に共有結合して連結される。抗体断片の他の化学結合も当該分野で知られている。
語句「抗原結合腕」は、本明細書で使用する場合、対象の標的分子に特異的に結合する能力を有する抗体断片の構成部分を指す。一般的にかつ好ましくは、抗原結合腕は免疫グロブリンポリペプチド配列、例えば、HVR及び/又は免疫グロブリン軽鎖及び重鎖の可変ドメイン配列の複合体である。
「単鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のVHドメイン及びVLドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。一般に、sFvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーを更に含み、それはsFVが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。scFvの総説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, 第113巻、Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, 269-315頁 (1994)を参照。
用語「ダイアボディ」は、2つの抗原結合部位を持つ小さな抗体断片を指し、その断片は、同一ポリペプチド鎖(VH及びVL)の軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一鎖の2つのドメイン間に対合を可能にするには短すぎるリンカーを用いることにより、そのドメインは別の鎖の相補的ドメインと強制的に対合し、2つの抗原結合部位を作り出す。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404097号;国際公開93/11161号;及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
「線形抗体」という表現は、Zapata等, Protein Eng. 8(10):1057-1062 (1995)に記載された抗体を意味する。簡単に言えば、これらの抗体は、相補的な軽鎖ポリペプチドと共に抗原結合領域の対を形成する一対の直列のFdセグメント(VH−CH1−VH−CH1) を含む。直鎖状抗体は二重特異性であっても単一特異性であってもよい。
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」とは、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を意味し、即ち、例えば、天然に生じる変異を含み、又はモノクローナル抗体製剤の製造時に発生し、一般的に少量で存在している変異体などの、可能性のある変異体抗体を除き、集団を構成する個々の抗体は同一であり、及び/又は同じエピトープに結合する。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を一般的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。従って、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるべきではない。例えば、モノクローナル抗体は、限定されないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法を含む様々な技術によって作成され、モノクローナル抗体を作製するためのそのような方法及び他の例示的な方法は、本明細書に記載されている。
用語「キメラ」抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の起源又は種から由来し、一方重鎖及び/又は軽鎖の残りが異なる起源又は種から由来する抗体を指す。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」とは、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的には、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般的には、配列のサブグループは、Kabatら、免疫学的に興味のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、第五版, NIH Publication 91-3242, Bethesda MD (1991), 1~3巻にあるサブグループである。一実施態様において、VLについて、サブグループは上掲のKabatらにあるサブグループカッパIである。一実施態様において、VHについて、サブグループは上掲のKabatらにあるサブグループIIIである。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来アミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。所定の実施態様において、ヒト化抗体は、少なくとも一つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、HVR(例えば、CDR)の全て又は実質的に全てが、非ヒト抗体のものに対応し、全てまたは実質的にFRの全てが、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体の「ヒト化型」、例えば、非ヒト抗体は、ヒト化を遂げた抗体を指す。
「ヒト抗体」は、ヒト又はヒト細胞により産生されるか、又はヒト抗体のレパートリー又は他のヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト起源に由来する抗体のそれに対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ネイキッド抗体」とは、異種の部分(例えば、細胞傷害性部分)又は放射性標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。ネイキッド抗体は薬学的製剤中に存在してもよい。
「天然型抗体」は、天然に生じる様々な構造をとる免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然型IgG抗体は、ジスルフィド結合している2つの同一の軽鎖と2つの同一の重鎖から成る約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端に、各重鎖は、可変重鎖ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、3つの定常ドメイン(CH1、CH2およびCH3)が続く。同様に、N末端からC末端に、各軽鎖は、可変軽鎖ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、定常軽鎖(CL)ドメインが続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)とラムダ(λ)と呼ばれる、2つのタイプのいずれかに割り当てることができる。
「親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合的な強度を意味する。本明細書で使用する場合、特に断らない限り、「結合親和性」は、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1の相互作用を反映している本質的な結合親和性を指す。そのパートナーYに対する分子Xの親和性は、一般的に解離定数(Kd)で表すことができる。親和性は、本明細書に記載したものを含む、当技術分野で知られている一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な例示であって典型的な実施態様は、以下で説明される。
「親和性成熟」抗体とは、その改変を有していない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じせしめる、その一又は複数のHVRにおいて一又は複数の改変を持つものである。
指定された抗体の「生物学的特徴」を有する抗体は、同じ抗原に結合する他の抗体とは区別したその抗体の生物学的特徴の一以上を有するものである。
抗体の「機能的抗原結合部位」は標的抗原に結合することができるものである。抗原結合部位の抗原結合親和性は、必ずしも抗原結合部位が由来する親抗体ほど強くないが、しかし、抗原に結合する能力は、抗原への抗体結合を評価するための公知の種々の方法の何れかを用いて測定可能でなければならない。更に本明細書において多価抗体の抗原結合部位の各々の抗原結合親和性は、定量的に同じである必要はない。本明細書中の多量体抗体に対して、機能的抗原結合部位の数は、米国特許出願公開第20050186208号の実施例2に記載したように超遠心分離分析を用いて評価することができる。分析のこの方法によれば、多量体抗体に対する標的抗原の異なった比率を組み合わせて、複合体の平均分子量は機能的結合部位の異なった数を仮定して計算される。これらの理論値を、機能的結合部位の数を評価するために得られた実際の実験値と比較する。
「種依存性抗体」は、二番目の哺乳動物種からの抗原の相同体に対して有している結合親和性よりも、一番目の哺乳動物種からの抗原に対してより強力な結合親和性を有する抗体である。通常、種依存性抗体は、ヒト抗原(すなわち、約1×10−7M以下、好ましくは約1×10−8以下、最も好ましくは約1×10−9M以下の結合親和性(Kd)値を有する)と「特異的に結合」するが、その非ヒト抗原に対する結合親和性よりも、少なくとも約50倍、又は少なくとも約500倍、又は少なくとも約1000倍弱い、二番目の非ヒト哺乳動物種からの抗原の相同体に対する結合親和性を有する。種依存性抗体は、上で定義した種々の型の抗体の何れかとすることができる。幾つかの実施態様において、種依存性抗体は、ヒト化又はヒト抗体である。
本明細書で用いる「実質的に類似」、「実質的に同じ」なる用語は、当業者が、2つの値の間の差異が、その値(例えばKd値)によって測定される生物学的特性という脈絡の中で、わずかに又は全く生物学的及び/又は統計学的有意性がないと考慮するであろうほどに、2つの数値(例えば、一つは抗体に関連するもの、他方は参照/比較抗体に関連するもの)の間の十分高度な類似性を指す。
本明細書で用いる「実質的に減少」、「実質的に異なる」という句は、当業者が、2つの値の間の差異が、その値(例えばKd値)によって測定される生物学的特性という脈絡の中で、統計学的に有意であると考慮するであろうほどに、2つの数値(一般には、一つは分子に関連するもの、他方は参照/比較分子に関連するもの)の間の十分に高度な違いを指す。
「エフェクター機能」とは、抗体のアイソタイプにより変わる、抗体のFc領域に起因する生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション、及びB細胞の活性化を含む。
用語「薬学的製剤」は、活性化合物の生物学的活性が有効であることを許容するような形態であって、製剤を投与する被検体にとって毒性である他の成分を含まない調製物を指す。「薬学的に許容される」賦形剤(ビヒクル、添加剤)は、活性化合物の有効用量を提供するために合理的に被験体に投与することができるものである。
「薬学的に許容される担体」は、被検体に非毒性であり、有効成分以外の製剤処方中の成分を指す。薬学的に許容される担体は、限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、又は保存剤を含む。
「障害」は本明細書に記述される物質/分子又は方法による治療から利益を得る任意の状態である。これには、哺乳動物に問題の疾患に罹らせる病的状態を含む慢性及び急性の障害又は疾患が含まれる。ここで治療されるべき障害の非限定的な例としては、悪性及び良性腫瘍;非白血病及びリンパ系の悪性腫瘍;神経細胞、グリア、星状細胞、視床下部及び他の腺、マクロファージ、上皮、間質及び胞胚腔の障害;及び炎症性、免疫性、その他の血管新生に関連する障害を含む。
用語「細胞増殖性障害」及び「増殖性疾患」は、ある程度の異常な細胞増殖に関連する障害を言う。一実施態様において、細胞増殖性疾患は癌である。
本明細書で用いられる「腫瘍」は、悪性又は良性に関わらず、全ての新生細胞成長及び増殖、及び全ての前癌性及び癌性の細胞及び組織を意味する。「癌」、「癌性」、「細胞増殖性疾患」、「増殖性疾患」及び「腫瘍」という用語はここで意味するように相互排他的ではない。
用語「癌」及び「癌性」は、無秩序な細胞成長/細胞増殖を典型的に特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を記述する。癌の例には、限定されないが、癌腫、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫)、芽細胞腫、肉腫、及び白血病を含む。そのような癌のより具体的な例は、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺がん、肺腺癌、肺扁平上皮癌、腹膜癌、肝細胞癌、消化器癌、膵臓癌、神経膠腫を含む、子宮頚癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜、子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌、肝臓癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、白血病、及びその他のリンパ増殖性疾患、及び様々な型の頭頸部癌を包含する。幾つかの実施態様において、癌はトリプルネガティブ(ER−、PR−、HER2−)癌である。幾つかの実施態様において、癌は局所再発又は転移性疾患を有する乳房の任意の組織学的に確認されたトリプルネガティブ(ER−、PR−、HER2−)腺癌を含むトリプルネガティブ転移性乳癌であり、例えばここで局所再発疾患は治癒を目的とした切除に適していない。
「転移」とは、身体のその原発部位から他の場所への癌の広がりを意味する。癌細胞は、原発腫瘍から離脱してリンパ管や血管に浸透し、血流を介して循環し、体の他の部分の正常組織中の離れた病巣で増殖する(転移する)ことができる。転移は局所的又は離れていることも可能である。転移は、腫瘍細胞が原発腫瘍から離脱し、血流を介して移動し、離れた部位で停止することを条件とした逐次プロセスである。新しい部位で、細胞は血液供給を確立し、そして増殖して生命を脅かす塊を形成することができる。腫瘍細胞内の刺激性と抑制性の両方の分子経路がこの挙動を制御し、離れた部位における腫瘍細胞と宿主細胞間の相互作用もまた重要である。
本明細書で用いられるように、「治療」(及び「治療する(treat)」又は「治療している(treating)」など文法上の変形)は、治療されている個体の自然経過を変えようと試みる臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程においてのいずれかで実行できる。治療の望ましい効果は、限定されないが、疾患の発症又は再発を予防すること、症状の緩和、疾患の直接的または間接的な病理学的帰結の縮小、転移を予防すること、疾患の進行の速度を遅らせること、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善を含む。幾つかの実施態様において、抗体は、疾患の発症を遅延させるか又は疾患の進行を遅くするために使用される。
薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」とは、所望の治療的又予防的結果を達成するために必要な用量及び期間での、有効な量を指す。
「治療有効量」は、哺乳動物における疾患又は障害を治療又は予防する治療薬の量を指す。腫瘍の場合は、治療的有効量の治療薬は、癌細胞の数を減少させる、腫瘍の大きさを小さくする、癌細胞の周辺器官への浸潤を阻害する(すなわち、ある程度遅くする、好ましくは止める)、腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度遅くする、好ましくは止める)、腫瘍の成長をある程度阻害する、及び/又は疾患に関連する一又は複数の症状をある程度和らげうる。薬物が、成長を妨げ及び/又は現存の癌細胞を死滅させる範囲において、それは細胞分裂停止性及び/又は細胞障害性である。癌治療においては、インビボにおける効力は、例えば生存期間、病状の進行時間(TTP)、応答速度(RR)、応答期間、及び/又は生活の質の測定により測定される。
「個体」又は「被検体」は、哺乳動物である。哺乳動物は、限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマ)、霊長類(例えば、ヒト、サルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス及びラット)を含む。所定の実施態様において、個体又は被検体はヒトである。
用語「抗癌治療法」は、癌を治療するのに有用な治療法を指す。抗癌治療剤の例には、限定されないが、例えば、化学療法剤、増殖阻害剤、細胞傷害性薬剤、放射線療法に用いられる薬剤、抗血管新生剤、アポトーシス剤、抗チューブリン剤、及び癌を治療するための他の薬剤、抗CD20抗体、血小板由来成長因子阻害剤(例えば、GleevecTM(メシル酸イマチニブ))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、次の標的、PDGFR−beta、BlyS、APRIL、BCMA受容体、TRAIL/Apo2の一以上に特異的に結合するアンタゴニスト(例えば中和抗体)、及び他の生物活性薬剤及び有機化学薬剤などが含まれる。その組合せもまた含まれる。
「イムノコンジュゲート」は、一以上の異種分子にコンジュゲートした抗体であり、限定されないが、細胞傷害性薬物を含む。
本明細書で用いられる「細胞傷害性薬物」という用語は、細胞の機能を阻害又は阻止し及び/又は細胞死又は破壊を生ずる物質を指す。細胞傷害性薬物は、限定されないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体):化学療法剤又は薬物(例えば、メトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤)、成長阻害剤、酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素など、抗生物質、小分子毒素などの毒素、又は細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素(それらの断片及び/又はその変異体を含む)、及び以下に開示される様々な抗腫瘍剤又は抗癌剤を包含する。
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化合物を指す。化学療法剤の例には、アルキル化剤、例えばチオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標));スルホン酸アルキル、例えばブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン(piposulfan);アジリジン類、例えばベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa);アルトレトアミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン類及びメチラメラミン類;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);デルタ−9−テトラヒドロカナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標);βラパチョーネ;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトセシン(合成アナログトポテカン(HYCAMTIN(登録商標)、CPT−11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標)を含む)、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン(scopolectin)及び9−アミノカンプトテシン;ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成アナログを含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;ドゥオカルマイシン(合成アナログ、KW−2189及びCB1−TM1を含む);エロイテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンギスタチン;クロランブシル、クロロナファジン(chlornaphazine)、チョロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イフォスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロフォスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロスレアス(nitrosureas);抗生物質、例えばエネジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンωI1(例えばNicolaou et al., Agnew Chem Intl. Ed. Engl. 33:183-186(1994)参照);CDP323、経口α−4インテグリン阻害剤;ダイネマイシン(dynemicin)Aを含むダイネマイシン;エスペラマイシン;並びにネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパクエネジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン類(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン類、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorbicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、ドキソルビシンHClリポソーム注射剤(DOXIL(登録商標)、リポソームドキソルビシンTLCD−99(MYOCET(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン(CAELYX(登録商標)、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マーセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシンCのようなマイトマイシン、マイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycins)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);代謝拮抗剤、例えばメトトレキセート、ゲムシタビン(gemcitabine)(GEMZAR(登録商標))、テガフル(tegafur)(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(capecitabine)(XELODA(登録商標))、エポチロン(epothilone)、及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸アナログ、例えばデノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート(trimetrexate);プリンアナログ、例えばフルダラビン(fludarabine)、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えばアンシタビン、アザシチジン(azacitidine)、6−アザウリジン(azauridine)、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン(enocitabine)、フロキシウリジン(floxuridine);アンドロゲン類、例えばカルステロン(calusterone)、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン(testolactone);抗副腎剤、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸リプレニッシャー(replenisher)、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン(amsacrine);ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン(diaziquone);エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium);エポチロン;エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);メイタンシン(maytansine)及びアンサマイトシン類(ansamitocins)のようなメイタンシノイド類(maytansinoids);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン(losoxantron);2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products, Eugene, OR);ラゾキサン(razoxane);リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム(spirogermanium);テニュアゾン酸(tenuazonic acid);トリアジコン(triaziquone);2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T−2トキシン、ベラキュリンA(verracurin A)、ロリジンA(roridin A)及びアングイジン(anguidine));ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール;ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン(pipobroman);ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(ABRAXANETM)、及びドキセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロランブシル;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ剤、例えばシスプラチン、オキサリプラチン(例えばELOXATIN(登録商標))及びカルボプラチン;ビンカ類でチューブリン重合の微小管形成を阻害するもの、例えばビンブラスチン(VELBAN(登録商標)、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標))、ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標))、及びビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ロイコボビン(leucovovin);ノバントロン(novantrone);エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロナート(ibandronate);トポイソメラーゼ阻害薬RFS2000;ジフルオロメチロールニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド、例えば、ベキサロテン(TARGRETIN(登録商標));ビスホスホネート、例えばクロドロネート(例えばBONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、エチドロン酸(DIDROCAL(登録商標))、NE−58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロン酸(AREDIA(登録商標))、チルドロン酸(SKELID(登録商標))、又はリセドロン酸(ACTONEL(登録商標));トロキサシタビン(troxacitabine)(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常な細胞増殖に結びつくシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えばPKC−α、Raf、及びH−Ras、及び上皮増殖因子受容体(EGF−R);THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン等のワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチン;トポイソメラーゼ1阻害薬(例えばLURTOTECAN(登録商標));rmRH(例えばABARELIX(登録商標));BAY439006(ソラフェニブ;Bayer);SU−11248(スニチニブ、SUTENT(登録商標)、Pfizer);ペリフォシン(perifosine)、COX−2阻害剤(例えばセレコキシブ又はエトリコキシブ)、プロテオゾーム阻害剤(例えばPS341);ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標));CCI−779;チピファルニブ(tipifarnib)(R11577);オラフィニブ(orafenib)、ABT510;BCL−2阻害剤、例えばオブリメルセンナトリウム(oblimersen sodium)(GENASENSE(登録商標));ピクサントロン;EGFR阻害剤(以下の定義を参照);チロシンキナーゼ阻害剤;セリン−スレオニンキナーゼ阻害剤、例えばラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、例えばロナファーニブ(SCH6636、SARASARTM);及び上述したものの何れかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体:並びに上記のうち2以上の組合せ、例えば、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニソロンの併用療法の略称であるCHOP;及び5−FU及びロイコボリンとオキサリプラチン(ELOXATINTM)を組合せた治療法の略称であるFOLFOXが含まれる。
ここで定義された化学療法剤には、癌の増殖を促進しうるホルモンの作用を調節、低減、遮断、又は阻害するように働く「抗ホルモン剤」又は「内分泌治療剤」が含まれる。それらはそれ自体がホルモンであってもよく、限定するものではないが、混合アゴニスト/アンタゴニストプロファイルを持つ抗エストロゲン、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標))、4−ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン(FARESTON(登録商標))、イドキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン(raloxifene)(EVISTA(登録商標))、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、及びSERM3などの選択的なエストロゲン受容体調節因子(SERM);アゴニスト特性を有さない純粋な抗エストロゲン類、例えばフルベストラント(FASLODEX(登録商標))、及びEM800(このような薬剤はエストロゲン受容体(ER)二量体化をブロックし、DNA結合を阻害し、ER代謝回転を増加させ、及び/又はERレベルを抑制しうる);アロマターゼインヒビター、例えば、ホルメスタン及びエキセメスタン(AROMASIN(登録商標))などのステロイド系アロマターゼインヒビター、及びアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))及びアミノグルテチミドなどの非ステロイド性アロマターゼインヒビター、及びボロゾール(RIVISOR(登録商標))、メゲストロールアセテート(MEGASE(登録商標))、ファドロゾール及び4(5)−イミダゾールを含む他のアロマターゼインヒビター;黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト、例えばロイプロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、ゴセレリン、ブセレリン、及びトリプトレリン;性ステロイド、例えばプロゲスチン、例えばメゲストロールアセテート及びメドロキシプロゲステロンアセテート、エストロゲン、例えばジエチルスチルベストロール及びプレマリン、及びアンドロゲン/レチノイド、例えばフルオキシメステロン、全てのトランスレチオニン酸及びフェンレチニド;オナプリストン;抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御因子(ERD);抗アンドロゲン類、例えばフルタミド、ニルタミド及びビカルタミド;及び上記の何れかの薬学的に許容可能な塩、酸又は誘導体;並びに、上記のうちの2以上の組合せを含む。
この出願で用いられる用語「プロドラッグ」なる用語は、親薬剤と比較して腫瘍細胞に対する細胞障害性が低く、酵素的に活性化又はより活性な親形態に変換されうる薬学的に活性な物質の前駆体又は誘導体の形態を指す。例として、Wilman, "Prodrugs in Cancer Chemotherapy" Biochemical Society Transactions, 14, 375-382頁, 615th Meeting Belfast (1986)及びStella et al., "Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery," Directed Drug Delivery, Borchardt et al., (ed.), 247-267頁, Humana Press (1985)を参照のこと。プロドラッグには、限定するものではないが、ホスファート含有プロドラッグ、チオホスファート含有プロドラッグ、スルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β−ラクタム含有プロドラッグ、任意に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、又は任意に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、より活性のある細胞毒のない薬剤に転換可能な5−フルオロシトシン及び他の5−フルオロウリジンプロドラッグを含む。限定はしないが、使用されるプロドラッグ形態に誘導体化可能な細胞障害性剤の例には、前記の化学療法剤が含まれる。
本明細書で使用する「増殖阻害剤」は、細胞(例えばインビトロ又はインビボの何れかにおいて増殖がHGF/c−metの活性化に依存している細胞)の増殖を阻害する化合物又は組成物を指す。よって、増殖阻害剤は、S期でHGF/c−met依存性細胞の割合を有意に減少させるものである。増殖阻害剤の例は、細胞周期の進行を(S期以外の位置で)阻害する薬剤、例えばG1停止又はM期停止を誘発する薬剤を含む。古典的なM期ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン、及び例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤が含まれる。またG1停止させるこれらの薬剤は、S期停止にも波及し、例えば、DNAアルキル化剤、例えば、タモキシフェン、プレドニゾン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、及びアラ−Cである。更なる情報は、The Molecular Basis of Cancer, Mendelsohn及びIsrael, 編, 第1章, 表題「細胞周期の調節、癌遺伝子、及び抗悪性腫瘍薬(Cell cycle regulation, oncogene, and antineoplastic drugs)」、Murakami等、(WB Saunders: Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。タキサン類(パクリタキセル及びドセタキセル)は、共にイチイに由来する抗癌剤である。ヨーロッパイチイに由来するドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorer)は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)の半合成類似体である。パクリタキセル及びドセタキセルは、チューブリン二量体から微小管の集合を促進し、細胞の有糸分裂を阻害する結果となる脱重合を防ぐことによって微小管を安定化にする。
「放射線療法」とは、正常に機能する能力を制限するか、又は完全に細胞を破壊するために、細胞に十分な損傷を誘導するために指定されたγ線又はβ線の使用を意味する。治療の用量及び持続時間を決定するための当技術分野で公知の多くの方法が存在することが理解されるであろう。典型的な治療法は一回の投与として与えられ、典型的な投与量は、1日あたり10から200単位(グレイ)の範囲である。
用語「同時に」は、投与の少なくとも一部が時間的に重なる二以上の治療剤の投与を意味するために使用される。従って、同時投与とは、一以上の他の薬剤の投与を中止した後に一以上の薬剤投与が継続する場合の投与計画を含む。
「低減する又は阻害する」とは、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又はそれ以上の全体的減少を引き起こす能力を意味する。低減する又は阻害するとは、治療する疾患の症状、転移の存在又は大きさ、又は原発腫瘍の大きさを指しうる。
用語「パッケージ挿入物」は、効能、用法、用量、投与、併用療法、禁忌についての情報、及び/又はそのような治療用製品の使用に関する警告を含む、治療用製品の商用パッケージに慣習的に含まれている説明書を指すために使用される。
本明細書に記載される本発明の態様及び実施態様は、態様及び実施態様を「含む」及び/又は「から本質的になる」を含む。
本明細書で使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、特に指示がない限り、複数への参照が含まれる。
当業者によって理解されるように、本明細書中の「およそ」の値又はパラメーターへの言及は、その値又はパラメーター自体に対する実施態様を含む(記載する)。例えば、「およそX」との記載には「X」の記載が含まれる。
II.精製の方法と精製された組成物
本明細書において提供されるのは、抗c−met抗体を精製する方法及び精製された抗c−met抗体を含む組成物である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
特に、本明細書において提供されるのは、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことを含む抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法である。抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つこととは、本明細書において「凝集工程」と呼ばれる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は更にカチオン性高分子を含む。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子はPEIである。幾つかの実施態様において、(組成物中の)PEIの濃度は0.1%(v/v)、0.2%(v/v)、0.25%(v/v)、0.3%(v/v)、0.35%(v/v)、0.4%(v/v)、0.45%(v/v)、又は0.5%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.1%−約0.4%(v/v)、約0.2%−約0.6%(v/v)、約0.2%−約0.4%(v/v)の何れかである。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.2%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.4%(v/v)である。例えば、本明細書において提供されるのは、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことを含む抗c−met抗体とPEIを含む組成物を精製する方法である。幾つかの実施態様において、本方法は、a)遠心分離及び/又はb)希釈及び遠心分離及び/又はc)希釈、遠心分離及び濾過を更に含む。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約28°C−約32°Cの間、約28°C−約31°Cの間、約28°C−約30°Cの間、約29°C−約32°Cの間、約29°C−約31°Cの間、約28°C−約34°Cの間、約28°C−約35°Cの間、約30°C−約34°Cの間、約30°C−約35°Cの間の何れかの温度で保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約28°C、約29°C、約30°C,、約31°C、約32°C、約33°C、約34°C、約35°C、又は約36°Cの何れかの温度で保たれる。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6−約7の間、約6−約7.5の間、約6.5−約8の間、約6.5−約7.5の間、又は約6.5−約7の間の何れかのpHで保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6、約6.2、約6.4、約6.5、約6.6、約6.8、約7、約7.2、約7.4、約7.5、約7.6、約7.8、又は約8の何れかのpHで保たれる。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6.5、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20時間の何れかより長時間、上述された温度及び/又は上述されたpHで保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6.5、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20時間の何れかの時間、上述された温度及び/又は上述されたpHで保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6−約48、約6−約24、約6−約20、約6−約12、約6−約15、約6−約16、約6−約18、約6−約10、又は約6−約8時間の何れかの時間、上述された温度及び/又は上述されたpHで保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約6.5、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、又は約20時間の何れかの時間、上述された温度及び/又は上述されたpHで保たれる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は更にカチオン性高分子を含む。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子はPEIである。幾つかの実施態様において、(組成物中の)PEIの濃度は0.1%(v/v)、0.2%(v/v)、0.25%(v/v)、0.3%(v/v)、0.35%(v/v)、0.4%(v/v)、0.45%(v/v)、又は0.5%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.1%−約0.4%(v/v)、約0.2%−約0.6%(v/v)、約0.2%−約0.4%(v/v)の何れかである。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.2%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.4%(v/v)である。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約28℃及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約30°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約34°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は更にカチオン性高分子を含む。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子はPEIである。幾つかの実施態様において、(組成物中の)PEIの濃度は0.1%(v/v)、0.2%(v/v)、0.25%(v/v)、0.3%(v/v)、0.35%(v/v)、0.4%(v/v)、0.45%(v/v)、又は0.5%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.1%−約0.4%(v/v)、約0.2%−約0.6%(v/v)、約0.2%−約0.4%(v/v)の何れかである。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.2%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.4%(v/v)である。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.6%(v/v)の濃度でのPEIである。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約28℃及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約30°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約12、約14、約16、約18、約20又は約22時間、温度が約34°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.2%(v/v)の濃度でのPEIである。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.4%(v/v)の濃度でのPEIである。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.6%(v/v)の濃度でのPEIである。
幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約16時間又は約20時間以上の間、温度が約28℃及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約16時間又は約20時間以上の間、温度が約30°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、凝集工程で抗c−met抗体及びカチオン性高分子を含む組成物は、約16時間又は約20時間以上の間、温度が約34°C及びpHが約6に保たれる。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.2%(v/v)の濃度でのPEIである。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.4%(v/v)の濃度でのPEIである。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子は約0.6%(v/v)の濃度でのPEIである。
抗c−met抗体の精製における凝集工程の使用は、下記に提供される一以上の改善をもたらし得る。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)凝集の有効性を改善する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)より良好な遠心分離をもたらす。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)より良好な濃縮物及び/又はプロテインAプールの安定性をもたらす。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、濃縮物のプール及び/又はプロテインAプールが15℃−25℃に(例えば、約15℃、約20℃、又は約25℃の何れか)保たれることができるように安定性の改善をもたらす。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)濃縮物の濾過、プロテインA負荷、及び/又はその後のクロマトグラフィー工程を改善する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)、限定されないが、DNA及びHCP、例えばECPなどを含む不純物を減少する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)、固体含有量の割合を減少させるために追加の希釈を可能にする。幾つかの実施態様において、追加の希釈は(例えば、凝集工程がない場合の同じ方法と比較して)、遠心分離の収率を改善する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことはは(例えば、凝集工程がない場合の同じ方法と比較して)、遠心分離の流量を増加させる。幾つかの実施態様において、遠心分離の流量の増加は(例えば、凝集工程がない場合の同じ方法と比較して)、より短い処理時間と実質的に同等な分離を可能にする。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保つことは、(例えば、凝集工程がない場合の精製方法と比較して)凝集の有効性を改善する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は更にカチオン性高分子を含む。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子はPEIである。幾つかの実施態様において、(組成物中の)PEIの濃度は0.1%(v/v)、0.2%(v/v)、0.25%(v/v)、0.3%(v/v)、0.35%(v/v)、0.4%(v/v)、0.45%(v/v)、又は0.5%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.1%−約0.4%(v/v)、約0.2%−約0.6%(v/v)、約0.2%−約0.4%(v/v)の何れかである。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.2%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.4%(v/v)である。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の精製における凝集工程の使用は、抗c−met抗体を含む組成物が、約10、約12、約14、約16、約18、約20、約22、又は約24時間、温度が約30℃及びpHが約6に保たれるときに、一以上の任意の改善を生じうる。幾つかの実施態様において、組成物は、30℃以上の温度でかつpHが約6のpHで約16時間以上保たれる。幾つかの実施態様において、組成物は、30℃以上の温度でかつpHが約6のpHで約10時間以上保たれる。幾つかの実施態様において、組成物は、30℃以上の温度でかつpHが約6のpHで約12時間以上保たれる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は更にカチオン性高分子を含む。幾つかの実施態様において、カチオン性高分子はPEIである。幾つかの実施態様において、(組成物中の)PEIの濃度は0.1%(v/v)、0.1%(v/v)、0.2%(v/v)、0.25%(v/v)、0.3%(v/v)、0.35%(v/v)、0.4%(v/v)、0.45%(v/v)、又は0.5%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.1%−0.4%(v/v)、0.2%−0.6%(v/v)、0.2%−0.4%(v/v)の何れかである。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.2%(v/v)である。幾つかの実施態様において、PEIの濃度は約0.4%(v/v)である。
幾つかの実施態様において、本方法は更に遠心分離を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、以下に記載されるような親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、以下のもののいずれかのような一以上のイオン交換クロマトグラフィー工程を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程と遠心分離(例えば、6000rpm、20lpm、Q/σ=6x10−3L/hr/m2)、続いてb)親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)を含む。
幾つかの実施態様において、本方法は更に(例えば遠心分離後に)濾過を含む。幾つかの実施態様において、濾過は、深層濾過である。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物は、細胞培養物の均質化によって生成される。幾つかの実施態様において、細胞培養物は大腸菌細胞培養物である。幾つかの実施態様において、細胞培養物は均質化され、それによって抗c−met抗体を含む得られた組成物は約8−約20パーセントの固体を含む。
更に、本明細書に提供されるのは、親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)を用いて抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法である。幾つかの実施態様において、本方法は、抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂上にロードすることを含む。幾つかの実施態様において、本方法は、抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂上にロードし、抗c−met抗体を溶出することを含む。
プロテインA樹脂の例としては、限定されないが、MabSelectTM、MabSelect SureTM、Prosep vA、Prosep Ultra−Plus、及び/又はPOROS MabCapture Aが挙げられる。幾つかの実施態様において、プロテインA樹脂はアガロースマトリックスを含む。幾つかの実施態様において、アガロースマトリックスを含むプロテインA樹脂は、MabSelect SuRTM及びMabSelectTMである。幾つかの実施態様において、プロテインA樹脂はMabSelect SuReTM樹脂(GE Healthcare (Piscataway, NJ);アガロースマトリックスに結合したアルカリ耐性プロテインA由来のリガンドを含む樹脂)である。例えば、幾つかの実施態様において、本方法は、抗c−met抗体を含む組成物をMabSelect SuReTM樹脂上にロードし、抗c−met抗体を溶出することを含む。
幾つかの実施態様において、プロテインA親和性クロマトグラフィーの流量は、約5−40CV/1時間の間、約15−40CV/1時間の間、約20−40CV/1時間の間、又は約25−40CV/1時間の間の何れかである。
プロテインA樹脂は、平衡化緩衝液で平衡化することができ、次いで様々な不純物(例えば、回収された細胞タンパク質(ECPなど))を含む未精製及び/又は一部精製された抗c−met抗体は平衡化樹脂上にロードすることができる。抗c−met抗体が樹脂を通じて流れると、抗c−met抗体及び種々の不純物が固定化したプロテインAに吸着される。洗浄緩衝液は、抗c−met抗体でなく、宿主細胞不純物などの一部の不純物を取り除くために用いることができる。抗c−met抗体は、溶出緩衝液を用いて樹脂から溶出される。
プロテインA親和性クロマトグラフィーのための平衡化緩衝液は、トリス及び塩を含んでもよい。有用な塩の例としては、限定されないが、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及び/又は塩化カリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約0.1、約7.3、約7.5、約7.7、又は約7.9の何れかである。
プロテインA親和性クロマトグラフィーのための洗浄緩衝液は、緩衝液を含んでもよい。有用な緩衝剤の例としては、限定されないが、アルギニン緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、及び/又はリン酸緩衝液が含まれる。幾つかの実施態様において、緩衝液はリン酸緩衝液である。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液はリン酸カリウムである。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液はリン酸ナトリウムである。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液の濃度は、約0.1Mから約1.0Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液の濃度は、約0.2M、約0.4M、約0.6M、約0.8M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、洗浄緩衝液のpHは、約7.0、約7.25、約7.5、約7.75、又は約8.0の何れかである。
プロテインA親和性クロマトグラフィーのための溶出緩衝液は、緩衝液を含んでもよい。有用な緩衝剤の例としては、限定されないが、アルギニン緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、及び/又はリン酸緩衝液が含まれる。幾つかの実施態様において、緩衝液はリン酸緩衝液である。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液はリン酸カリウムである。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液はリン酸ナトリウムである。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液はグリシン残基(Glycine Phosphate)である。幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液の濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、リン酸緩衝液の濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.01Mの何れかである。幾つかの実施態様において、溶出緩衝液のpHは、約3.1、約3.3、約3.5、又は約3.7の何れかである。幾つかの実施態様において、溶出緩衝液の伝導率は、約0.9mS/cmから約1.1mS/cmの間である。幾つかの実施態様において、溶出緩衝液の伝導率は、約0.9mS/cm、約1.0mS/cm、又は約1.1mS/cmの何れかである。例えば、幾つかの実施態様において、本方法は、抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードすること、及び溶出緩衝液で抗c−met抗体を溶出することを含み、ここで溶出緩衝液はグリシン残基(Glycine Phosphate)を、約0.075Mの濃度及び約0.9mS/cmから約1.1mS/cmの間の伝導率で含む。MabSelect SuReTM樹脂は、エポキシ活性化を介してアルカリ耐性の組換えプロテインAリガンドに結合した高度に架橋されたアガロースマトリックスである。
幾つかの実施態様において、本方法は、上述したような凝集工程を更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に遠心分離を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、本明細書に記載されるものの何れかのような一以上のイオン交換クロマトグラフィー工程を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程及び遠心分離、続いてb)プロテインA親和性クロマトグラフィー(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)、続いてc)一以上のイオン交換クロマトグラフィーを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、及びd)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出することを含み、ここでHCP(例えば、平均的なHCP)は1800ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約1,700ng/mg、約1,600ng/mg、約1,500ng/mg、約1,400ng/mg、約1,300ng/mg、約1,200ng/mg、又は約1,100ng/mg又は約1,000ng/mgの何れか未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約800ng/mgと1200ng/mgの間、又は約900ng/mgと約1100ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、及びd)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出することを含み、ここでHCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程の無い場合での同じ精製法及び/又は凝集工程及びプロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vAが無い場合での同じ精製法と比較して、約40%、約35%、約30%、約25%、又は20%に減少する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、及びd)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出することを含み、ここでプロテインA親和性クロマトグラフィー後のPEIは、約50μg/mL、約45μg/mL、約35μg/mL、又は約30μg/mLの何れか未満に減少する。幾つかの実施態様において、プロテインA親和性クロマトグラフィー後のPEIは検出不能である。幾つかの実施態様において、プロテインA親和性樹脂はアガロースマトリックスである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本明細書に更に提供されるのは、一以上のイオン交換クロマトグラフィー工程を含む抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法である。幾つかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーは、陰イオン交換(AE)クロマトグラフィーである。幾つかの実施態様において、イオン交換クロマトグラフィーは、陽イオン交換(CE)クロマトグラフィーである。
例えば、本明細書に提供されるのは、抗c−met抗体を含む組成物を弱AE樹脂上にロードし、フロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含む、抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法である。幾つかの実施態様において、弱AE樹脂は、フロースルーモードで実行される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
弱AE樹脂は、一般に、第三級又は第二級アミン官能基、例えば、DEAE(ジエチルアミノエチル)を含む。弱AE樹脂の例は当該技術分野で知られており、限定されないが、DEAEセファロースファーストフロー、Capto DEAE、POROS D、DEAE 650C、トヨパールDEAE 650M、トヨパールDEAE 650S、TSKgel DEAE 5PW 30、及び/又はTSKgel DEAE 5PW 20を含む。幾つかの実施態様において、弱AE樹脂は、Capto DEAE(化学的に修飾された、高流量アガロースマトリックスに結合した弱いジエチルアミノエチル陰イオン交換体)である。幾つかの実施態様において、弱AE樹脂は、DEAEセファロースファストフローである。
幾つかの実施態様において、弱AEクロマトグラフィーの流量は、約100cm/1時間、約125cm/1時間、約150cm/1時間、約175cm/1時間、約250cm/1時間、約500cm/1時間、約750cm/1時間、約1000cm/1時間、約1250cm/1時間、又は約1400cm/1時間の何れかである。
弱AE樹脂は、平衡化緩衝液で平衡化することができ、次いで様々な不純物(例えば、回収された細胞タンパク質(ECPなど))を含む未精製又は一部精製された抗c−met抗体は平衡化樹脂上にロードすることができる。抗c−met抗体が樹脂を介して流れるときに、不純物は弱AE樹脂に吸着されるが、抗c−met抗体は、フロースルー中に存在している。
弱AEクロマトグラフィーの平衡化緩衝液は、限定されないが、トリス緩衝液、グリシン緩衝液、CAPSO、CAPS、CHES、TAPS、および/またはリン酸緩衝液を含む。幾つかの実施態様において、弱AEクロマトグラフィーの平衡化緩衝液は、トリス及び塩を含む。平衡化緩衝液中で有用な塩の例としては、限定されないが、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、及び/又は塩化カリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、弱AEクロマトグラフィーの平衡化緩衝液は、グリシン、リン酸塩、及びトリスを含む。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.15Mの間、又は約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.001Mから約0.01Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.001M、約0.0025M、約0.005M、約0.0075M、又は約0.01Mの何れかである。幾つかの実施態様において、グリシンの濃度は、約25〜100mMの間である。幾つかの実施態様において、リン酸の濃度は約2.5mM、約5.0mM、約7.5mM、又は約10.0mMの何れかである。幾つかの実施態様において、リン酸の濃度は、約2.5−10.0mMの間である。幾つかの実施態様において、グリシンの濃度は約25mM、約50mM、約75mM、又は約100mMの何れかである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、対象のポリペプチド(例えば、抗c−met抗体)のpIよりも高い。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約8.7から約9.1の間である。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約8.7、約8.8、約8.9、又は約9.0の何れかである。幾つかの実施態様において、対象のポリペプチド(例えば、抗c−met抗体)のpIより高いpHは、対象のポリペプチド上で正味の負電荷を生じさせる。幾つかの実施態様において、対象のポリペプチド(例えば、抗c−met抗体)上の正味の負電荷は、対象のポリペプチドと弱陰イオン樹脂の間に引力を生じる。幾つかの実施態様において、対象のポリペプチド(例えば、抗c−met抗体)は、約8.2から約8.4の間(例えば、約8.2、約8.3、及び/又は約8.4)のpIを有する。
幾つかの実施態様において、本方法は、上述したような凝集工程を更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に遠心分離を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、上述したようなプロテインA親和性クロマトグラフィーを更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、本明細書に記載されるものの何れかのような一以上の更なるイオン交換クロマトグラフィー工程を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程、b)遠心分離工程、続いてc)親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)、続いてd)弱陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。幾つかの実施態様において、本明細書において、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、及びd)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、d)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びe)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含む、抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法が提供される。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びf)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は約200ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約300ng/mg、約275ng/mg、約250ng/mg、約225ng/mg、約200ng/mg、約190ng/mg、又は約180ng/mg又は約170ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約150ng/mgと190ng/mgの間、又は約160ng/mgと約180ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びf)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程及びプロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vA、及び/又は弱CE樹脂(例えば、CMセファロース)が無い場合での同じ方法と比較して、約75%、約70%、約65%、約60%、又は約55%を超えて減少する。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びf)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は約200ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約300ng/mg、約275ng/mg、約250ng/mg、約225ng/mg、約200ng/mg、約190ng/mg、又は約180ng/mg又は約170ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約150ng/mgと190ng/mgの間、又は約160ng/mgと約180ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びf)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程及びプロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vA、及び/又は弱CE樹脂(例えば、CMセファロース)が無い場合での同じ方法と比較して、約75%、約70%、約65%、約60%、又は約55%を超えて減少する。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
記述された精製方法の何れかの幾つかの実施態様において、本方法は、強CE樹脂上に抗c−met抗体を含む組成物をロードし、抗c−met抗体を溶出することを更に含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
強CE交換樹脂は一般にスルホニウムイオンを含む。強CE樹脂の例は当該技術分野で知られており、限定されないが、MiniS PC 3.2/3、Mini S 4.6/50 PE、Mono S 5/50GL、RESOURCE S、SOURCE 15S、SOURCE 30S、SP セファロースファストフロー、POROS HS 50、MacroCap SP、HiTrap SPFF、HiTrap Capto S、SPセファロースXL、トヨパールSP 550c、SPセファロースBB、TSKGel SP−5PW−HR20、トヨパールSP 650c、トヨパールMegaCap II SP−550EC、トヨパールSP−550C、トヨパールGigaCap S−650M、トヨパールSP−650M、トヨパールSP−650S、TSKgel SP−3PW 30、TSKgel SP 5P@ 30、TSKgel SP−5PW 20、Capto S、及び/又はFractogel SO3を含む。幾つかの実施態様において、強CE樹脂は、POROS HS50(架橋したポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)支持マトリクスに結合したスルホプロピル表面官能基)である。幾つかの実施態様において、強CE樹脂は、SPセファロースファストフローである。幾つかの実施態様において、強CE樹脂は、トヨパールSP550cである。
幾つかの実施態様において、強CEクロマトグラフィーの流量は、約50cm−約500cmの間/1時間、約50cm−約250cmの間/1時間、及び/又は約250cm−約500cmの間/1時間の何れかである。幾つかの実施態様において、流量は、105cm/1時間、125cm/1時間、135cm/1時間、145cm/1時間、155cm/1時間、165cm/1時間、185cm/1時間、及び/又は250cm/1時間の何れかである。
幾つかの実施態様において、強CEクロマトグラフィーの伝導率は、pHが約8.9−約9.0において約1.9mS/cm未満、及び/又はpHが9.0以上において約2.4mS/cm未満である。幾つかの実施態様において、伝導率は、pHが約8.9−約9.0において約1.4mS/cmから約1.9mS/cmの間、及びpHが約8.9−約9.5において約1.9mS/cmである。
強CE樹脂は、平衡化緩衝液で平衡化することができ、次いで様々な不純物(例えば、回収された細胞タンパク質(ECPなど))を含む未精製又は一部精製された抗c−met抗体は平衡化樹脂上にロードすることができる。抗c−met抗体が樹脂を介して流れるときに、抗c−met抗体と様々な不純物は固定化された強CE樹脂に吸着される。洗浄緩衝液は、抗c−met抗体でなく、宿主細胞の不純物などの一部の不純物を除去するために用いることができる。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液は洗浄緩衝液として利用される。抗c−met抗体は、溶出緩衝液を用いて樹脂から溶出される。
強CEクロマトグラフィー用の平衡化緩衝液はMOPSを含む。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のMOPSの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、MOPSの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、又は約7.4の何れかである。
強CEクロマトグラフィー用の平衡化緩衝液はMOPS及び酢酸塩を含む。幾つかの実施態様において、塩は、酢酸カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、酢酸ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のMOPSの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、MOPSの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、酢酸塩の濃度は、約0.1M、約0.15M、約0.2M、約0.25M、又は約0.3Mの何れかである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、又は約7.4の何れかである。
幾つかの実施態様において、本方法は、上述したような凝集工程を更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に遠心分離を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、上述したようなプロテインA親和性クロマトグラフィーを更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、本明細書に記載されるものの何れかのような一以上の更なるイオン交換クロマトグラフィー工程を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程、続いてb)遠心分離工程、続いてc)親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)、続いてd)弱陽イオン交換クロマトグラフィー、続いてe)強陽イオン交換クロマトグラフィーを含む。例えば、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、f)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出することを含む。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及び弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、d)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びe)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は約70ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約60ng/mg、約55ng/mg、約50ng/mg、約45ng/mg、約40ng/mg、約35ng/mg、又は約30ng/mg又は約30ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約30ng/mgと50ng/mgの間、又は約35ng/mgと約45ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びf)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びe)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程、プロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vA、及び/又は弱CE樹脂(例えば、CMセファロース)が無い場合での同じ方法と比較して、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、又は約60%だけ減少する。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、f)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、g)抗c−met抗体を含む組成物を弱AE樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を弱AE樹脂からフロースルー中に回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は約70ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約60ng/mg、約55ng/mg、約50ng/mg、約45ng/mg、約40ng/mg、約35ng/mg、又は約30ng/mg又は約30ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約30ng/mgと50ng/mgの間、又は約35ng/mgと約45ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、f)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、g)抗c−met抗体を含む組成物を弱AE樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を弱AE樹脂からフロースルー中に回収することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程、プロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vA、及び/又は弱CE樹脂(例えば、CMセファロース)が無い場合での同じ精製方法と比較して、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、又は約60%を超えて減少する。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
記述された精製方法の何れかの幾つかの実施態様において、本方法は、強AE樹脂上に抗c−met抗体を含む組成物をロードし、抗c−met抗体を溶出することを更に含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
強AE交換樹脂は一般に第四級アンモニウムイオンを含む。強AE樹脂の例は当該技術分野で知られており、限定されないが、Mini Q PC 3.2/3、Mini Q 4.6/50 PE、Mono Q 5/50 GL、Mono Q PC 1.6/5、RESOURCE Q、HiTrap Q HP、HiTrap Q FF、HiPrep SP FF、Qセファロースファストフロー、Capto Q、HiTrap Q XL、POROS HQ 50、トヨパールスーパーQ−650C、トヨパールQAE−550C、トヨパール Q−600CAR、トヨパールGigaCap Q−650M、トヨパールスーパーQ−650M、トヨパールスーパーQ−650S、TSKgelスーパーQ−5PW 30、TSKgelスーパーQ−5PW 20、及び/又はFractogel TMAEを含む。幾つかの実施態様において、強AE樹脂は、Qセファロースファストフロー(高度に架橋されたアガロース支持マトリクスに結合した、−O−CH2CHOHCH2OCH2CHOHCH2N+(CH3)表面官能基)である。幾つかの実施態様において、強AE樹脂はCapto Qである。幾つかの実施態様において、強AE樹脂はQセファロースファストフローである。
幾つかの実施態様において、強AEクロマトグラフィーの流量は、約50cm−約500cmの間/1時間、約50cm−約250cmの間/1時間、及び/又は約250cm−約500cmの間/1時間の何れかである。幾つかの実施態様において、流量は、105cm/1時間、125cm/1時間、135cm/1時間、145cm/1時間、155cm/1時間、165cm/1時間、185cm/1時間、及び/又は250cm/1時間の何れかである。
幾つかの実施態様において、強AEクロマトグラフィーの伝導率は、pHが約8.9−約9.0において約1.9mS/cm未満、及び/又はpHが9.0以上において約2.4mS/cm未満である。幾つかの実施態様において、伝導率は、pHが約8.9−約9.0において約1.4mS/cmから約1.9mS/cmの間、及びpHが約8.9−約9.5において約1.9mS/cmである。
強AE樹脂は、事前平衡化緩衝液、続いて平衡化緩衝液で平衡化することができ、次いで様々な不純物(例えば、回収された細胞タンパク質(ECPなど))を含む未精製又は一部精製された抗c−met抗体は平衡化樹脂上にロードすることができる。抗c−met抗体が樹脂を介して流れるときに、抗c−met抗体と様々な不純物は固定化された強AE樹脂に吸着される。洗浄緩衝液は、抗c−met抗体でなく、宿主細胞の不純物などの一部の不純物を除去するために用いることができる。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液は洗浄緩衝液として利用される。抗c−met抗体は、溶出緩衝液を用いて樹脂から溶出される。
強AEクロマトグラフィーのための事前平衡化緩衝液は、トリス及び塩を含んでもよい。事前平衡化緩衝液中で有用な塩の例としては、限定されないが、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び/又はクエン酸ナトリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.1Mから約1.0Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.1M、約0.25M、約0.5M、約0.75M、又は約1.0Mの何れかである。幾つかの実施態様において、事前平衡化緩衝液のpHは、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、又は約9.2の何れかである。
強AEクロマトグラフィーのための平衡化緩衝液は、トリス及び塩を含んでもよい。平衡化緩衝液中で有用な塩の例としては、限定されないが、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び/又はクエン酸ナトリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液のpHは、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、又は約9.2の何れかである。
強AEクロマトグラフィーのための洗浄緩衝液は、トリス及び塩を含んでもよい。洗浄緩衝液中で有用な塩の例としては、限定されないが、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び/又はクエン酸ナトリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、洗浄緩衝液のpHは、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、又は約9.2の何れかである。
強AEクロマトグラフィーのための溶出緩衝液は、トリス及び塩を含んでもよい。事前平衡化緩衝液中で有用な塩の例としては、限定されないが、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び/又はクエン酸ナトリウムが含まれる。幾つかの実施態様において、塩は、塩化カリウムである。幾つかの実施態様において、塩は、塩化ナトリウムである。幾つかの実施態様において、平衡化緩衝液中のトリスの濃度は、約0.01Mから約0.1Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、トリスの濃度は、約0.01M、約0.025M、約0.05M、約0.075M、又は約0.1Mの何れかである。幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.015Mから約0.15Mの間である。例えば、幾つかの実施態様において、塩の濃度は、約0.015M、約0.045M、約0.075M、約0.095M、又は約0.115Mの何れかである。幾つかの実施態様において、洗浄緩衝液のpHは、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、約9.1、又は約9.2の何れかである。
幾つかの実施態様において、本方法は、上述したような凝集工程を更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に遠心分離を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、上述したようなプロテインA親和性クロマトグラフィーを更に含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、本明細書に記載されるものの何れかのような一以上の更なるイオン交換クロマトグラフィー工程を含む。幾つかの実施態様において、本方法は更に、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程、続いてb)遠心分離工程、続いてc)親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)、続いてd)弱AEクロマトグラフィー、続いてe)強CEクロマトグラフィー、続いてf)強AEクロマトグラフィーを含む。例えば、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、f)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、i)抗c−met抗体を含む組成物を強AE樹脂(例えば、Qセファロースファストフロー、Capto Q、又はPOROS HQ 50)上にロードし、及びj)抗c−met抗体を強AE樹脂から溶出することを含む。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、f)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、i)抗c−met抗体を含む組成物を強AE樹脂(例えば、Qセファロースファストフロー、Capto Q、又はPOROS HQ 50)上にロードし、及びj)抗c−met抗体を強AE樹脂から溶出することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は約50ng/mg未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約34ng/mg、約30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、又は約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg又は約10ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満に減少する。幾つかの実施態様において、HCP(例えば、平均的なHCP)は、約1ng/mgと15ng/mgの間、又は約5ng/mgと約15ng/mgの間に減少する。幾つかの実施態様において、本方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、f)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、h)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、i)抗c−met抗体を含む組成物を強AE樹脂(例えば、Qセファロースファストフロー、Capto Q、又はPOROS HQ 50)上にロードし、及びj)抗c−met抗体を強AE樹脂から溶出することを含み、ここで、HCP(例えば、平均的なHCP)は、凝集工程、プロテインA親和性クロマトグラフィー樹脂としてProsep vA、及び/又は弱CE樹脂(例えば、CMセファロース)が無い場合での同じ方法と比較して、約55%、約50%、約45%、約40%、約35%、又は約30%だけ減少する。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本明細書に記載される何れかの方法の幾つかの実施態様において、本方法は更にに、限外濾過及び/又は透析濾過を含む。幾つかの実施態様において、本方法は、a)凝集工程、続いてb)遠心分離工程、続いてc)親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー)、続いてd)弱AEクロマトグラフィー、続いてe)強CEクロマトグラフィー、続いてf)強AEクロマトグラフィー、続いてg)限外濾過及び/又は透析濾過を含む。例えば、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を精製する方法は、a)抗c−met抗体を含む組成物を、28℃を超える温度で、pHが約6とpHが約8の間のpHで、6時間を超えて保ち、b)抗c−met抗体を含む組成物を遠心分離し、c)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA樹脂(例えば、MabSelect SuReTM樹脂)上へロードし、d)プロテインA親和性樹脂から抗c−met抗体を溶出し、e)抗c−met抗体を含む組成物をプロテインA親和性樹脂(例えば、DEAEセファロースファストフロー又はCapto DEAE)上にロードし、f)弱AE樹脂からフロースルー中に抗c−met抗体を回収し、g)抗c−met抗体を含む組成物を強CE樹脂(例えば、SPセファロースファストフロー、POROS HS 50、又はトヨパールSP 550c)上にロードし、及びh)抗c−met抗体を強CE樹脂から溶出し、i)抗c−met抗体を含む組成物を強AE樹脂(例えば、Qセファロースファストフロー、Capto Q、又はPOROS HQ 50)上にロードし、j)抗c−met抗体を強AE樹脂から溶出すること、及びk)抗c−met抗体を含む強AE樹脂からの溶出物を、限外濾過(例えば、10KDaの再生されたセルロース限外濾過膜)及び/又は透析濾過に供することを含む。抗c−met抗体を精製する方法の工程は、任意の順番で完了することができる。幾つかの実施態様において、工程は逐次的に行われる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中に存在するHCPは約50ng/mg以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)に存在する平均的なHCPは約50ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3pg/mg、約0.25pg/mg、約0.2pg/mg、約0.15pg、又は約0.1pg/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.001pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.2pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.1pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.2pg/mgの間、又は約0.01pg/mgと約0.1pg/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3、約0.25、約0.2、約0.15、又は約0.1pg/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベルはPCRによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の濾過したプロテインA(LpA)は約2ng/mg以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLpAは約2ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約0.001ng/mgと約2ng/mgの間、約0.01ng/mgと約2ng/mgの間、約0.1ng/mgと約2ng/mgの間、又は約1ng/mgと約2ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約1、約1.25、約1.5、約1.75、又は約2ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LpAの割合は、濾過したプロテインAリガンドのアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のカブトガニ血球抽出成分(Limulus Amebocyte Lysate)(LAL)は約0.01EU/mg以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLALは約0.01EU/mg以下である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.007EU/mg、約0.006EU/mg、約0.005EU/mg、約0.002EU/mg又は約0.001EU/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.0001EU/mgと約0.01EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.007EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.006EU/mgの間、又は約0.0001EU/mgと約0.005EU/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.01、約0.007、約0.006、約0.005、約0.004、約0.003、又は約0.002EU/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LALの割合はLALアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の凝集体の割合は約0.3%以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の凝集体の平均割合は約0.3%以下である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、又は約0.1%の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の単量体の割合は約99.5%以上である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の単量体の平均割合は約99.5%以上である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%と約99.999%の間、約99.5%と約99.99%の間、約99.6%と約99.999%の間、約99.6%と約99.99%の間、約99.7%と約99.999%の間、約99.7%と約99.99%の間、約99.8%と約99.999%の間、約99.8%と約99.99%の間、又は約99.9%と約99.999%の間、約99.9%と約99.99%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の断片の割合は約0.3%以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の断片の平均割合は約0.3%以下である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、約0.1%、又は0%の何れかである。幾つかの実施態様において、断片は検出可能ではない。幾つかの実施態様において、断片の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の酸性変異体の割合は約20%以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の酸性変異体の平均割合は約20%以下である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、又は約10%と約20%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の主要ピークの割合は約75%以上である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の主要ピークの平均割合は約75%以上である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%と約95%の間、約77.5%と約95%の間、約80%と約95%の間、約82.5%と約95%の間、又は約85%と約95%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の塩基性変異体の割合は約2.0%以下である。精製する方法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の塩基性変異体の平均割合は約2.0%以下である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約0.001%と約2%の間、約0.01%と約2%の間、約0.001%と約1.5%の間、約0.01%と約1.5%の間、約0.001%と約1.0%の間、又は約0.01%と約1.0%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約2%、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本明細書に更に提供されるのは、精製された抗c−met抗体と精製された抗c−met抗体を含む組成物である。幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体は本明細書に記載される精製方法の何れかにより精製される。幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体は本明細書に記載される精製方法の何れかにより入手可能である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載される精製方法の何れかにより精製され及び/又は入手可能である精製された抗c−met抗体を含む組成物中に存在するHCPは、約50ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載される精製方法の何れかにより精製され及び/又は入手可能である精製された抗c−met抗体を含む組成物を含むロット(例えば、バッチ)中にに存在する平均的なHCPは、約50ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本明細書において提供されるのは、組成物中に存在するHCPが約50ng/mg以下である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、ロット(例えば、バッチ)中に存在する平均的なHCPが約50ng/mg以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3pg/mg、約0.25pg/mg、約0.2pg/mg、約0.15pg、又は約0.1pg/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.001pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.2pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.1pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.2pg/mgの間、又は約0.01pg/mgと約0.1pg/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3、約0.25、約0.2、約0.15、又は約0.1pg/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベルはPCRによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の濾過したプロテインA(LpA)は約2ng/mg以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLpAは約2ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約0.001ng/mgと約2ng/mgの間、約0.01ng/mgと約2ng/mgの間、約0.1ng/mgと約2ng/mgの間、又は約1ng/mgと約2ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約1、約1.25、約1.5、約1.75、又は約2ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LpAの割合は、濾過したプロテインAリガンドのアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のカブトガニ血球抽出成分(Limulus Amebocyte Lysate)(LAL)は約0.01EU/mg以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLALは約0.01EU/mg以下である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.007EU/mg、約0.006EU/mg、約0.005EU/mg、約0.002EU/mg又は約0.001EU/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.0001EU/mgと約0.01EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.007EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.006EU/mgの間、又は約0.0001EU/mgと約0.005EU/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.01、約0.007、約0.006、約0.005、約0.004、約0.003、又は約0.002EU/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LALの割合はLALアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の凝集体の割合は約0.3%以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の凝集体の平均割合は約0.3%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する凝集体の割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する凝集体の平均割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、又は約0.1%の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の単量体の割合は約99.5%以上である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の単量体の平均割合は約99.5%以上である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する単量体の割合が約99.5%以上である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する単量体の平均割合が約0.3%以上である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%と約99.999%の間、約99.5%と約99.99%の間、約99.6%と約99.999%の間、約99.6%と約99.99%の間、約99.7%と約99.999%の間、約99.7%と約99.99%の間、約99.8%と約99.999%の間、約99.8%と約99.99%の間、又は約99.9%と約99.999%の間、約99.9%と約99.99%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の断片の割合は約0.3%以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の断片の平均割合は約0.3%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する断片の割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する断片の平均割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、約0.1%、又は0%の何れかである。幾つかの実施態様において、断片は検出可能ではない。幾つかの実施態様において、断片の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の酸性変異体の割合は約20%以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の酸性変異体の平均割合は約20%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する酸性変異体の割合が約20%以下である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する酸性変異体の平均割合が約20%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、又は約10%と約20%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の主要ピークの割合は約75%以上である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の主要ピークの平均割合は約75%以上である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する主要ピークの割合が約75%以上である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する主要ピークの平均割合が約75%以上である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%と約95%の間、約77.5%と約95%の間、約80%と約95%の間、約82.5%と約95%の間、又は約85%と約95%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の塩基性変異体の割合は約2.0%以下である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の塩基性変異体の平均割合は約2.0%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する塩基性変異体の割合が約2.0%以下である、抗c−met抗体を含む組成物である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する塩基性変異体の平均割合が約2.0%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約0.001%と約2%の間、約0.01%と約2%の間、約0.001%と約1.5%の間、約0.01%と約1.5%の間、約0.001%と約1.0%の間、又は約0.01%と約1.0%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約2%、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)の濃度は、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、又は約2mg/mLの何れかに等しいか又はそれ以上である。組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)中の抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)の濃度は、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.5mg/mL、又は約2mg/mLの何れかに等しいか又はそれ未満である。
HCP(例えば、ECP)のレベルは、当該技術分野で公知の方法により測定することができる。例えば、大腸菌タンパク質のマルチプロダクトサンドイッチELISA(multiproduct sandwich ELISA)は、ECPのレベルを定量化するために用いることができる。親和性精製ヤギ抗全ECP抗体は、マイクロタイタープレートウェル上に固定化される。プールサンプルの希釈物をウェル中でインキュベート、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートした親和性精製したヤギ抗全ECPとインキュベートした。西洋ワサビペルオキシダーゼ酵素活性は、o−フェニレンジアミン二塩酸塩を用いて検出される。ECPは、マイクロタイタープレートリーダーで490nmの吸光度を読み取ることによって定量される。4パラメータ曲線フィッティングコンピュータープログラムは、標準曲線を作成し、サンプル濃度を自動的に計算するために使用される。アッセイに先立って、サンプルをアッセイ希釈液で希釈する。アッセイ希釈液による連続2倍希釈は、吸光度の読み取りが標準曲線の範囲内に収まるように行われ得る。ELISAのアッセイ範囲は、典型的には1.56ng/mLから100ng/mLである。
更に、DNAレベルは、限外されないが、実施例に記載されるようにPCRまたはrtPCTを含む当該技術分野で公知の方法により測定することができる。LpAレベルは、限外されないが、実施例に記載されるようにELISAを含む当該技術分野で公知の方法により測定することができる。速度論的発色法LALアッセイが、実施例に記載されるカブトガニ血球抽出成分(LAL)のような本明細書に記載される菌体内毒素を測定するために用いることができる。単量体、凝集体、及び断片の割合は、限外されないが、実施例に記載されるようにサイズ排除クロマトグラフィーを含む当該技術分野で公知の方法により測定することができる。主要ピーク、酸性変異体、及び塩基性変異体の割合は、限外されないが、実施例に記載されるように陽イオン交換クロマトグラフィーを含む当該技術分野で公知の方法により測定することができる。
III.組換え法
本明細書に記載される精製された抗c−met抗体組成物及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、例えば米国特許第4,816,567号に記載される組換え法及び組成物により産生され得る。一実施態様において、抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。更なる実施態様において、そのような核酸を含む一以上のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。更なる実施態様において、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。一実施態様において、宿主細胞は以下を含む(例えば、以下で形質転換される):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一ベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二ベクター。更なる実施態様において、宿主細胞は以下を含む(例えば、以下で形質転換される):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列、及びFc領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第一ベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第二ベクター、及びFc領域を含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第三ベクター。一腕抗体の産生は、例えば国際公開第2005/063816号に記載される。
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適切な宿主細胞は、本明細書に記載の原核細胞又は真核細胞を含む。例えば、特に、グリコシル化およびFcエフェクター機能が必要ない場合には、抗体は、細菌で産生することができる。細菌における抗体断片およびポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、第5,789,199号及び第5,840,523号、国際公開第05/063816号を参照。(また、大腸菌における抗体の発現を説明している、Charlton, Methods in Molecular Biology, 第248巻(B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ, 2003)、頁245−254も参照)。発現の後、抗体は可溶性画分において細菌の細胞ペーストから単離され得、更に精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、菌類や酵母菌株を含む抗体をコードするベクターのための、適切なクローニング宿主又は発現宿主であり、そのグリコシル化経路が、「ヒト化」されており、部分的または完全なヒトのグリコシル化パターンを有する抗体の生成をもたらす。Gerngross, Nat. Biotech. 22:1409-1414 (2004)、及びLi et al., Nat. Biotech. 24:210-215 (2006)を参照。
グリコシル化抗体の発現に適した宿主細胞はまた、多細胞生物(無脊椎動物と脊椎動物)から派生している。無脊椎動物細胞の例としては、植物および昆虫細胞が挙げられる。多数のバキュロウイルス株が同定され、これらは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、昆虫細胞と組み合わせて使用することができる。
植物細胞培養を宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5959177号、第6040498号、第6420548号、第7125978号及び第6417429号(トランスジェニック植物における抗体産生に関するPLANTIBODIESTM技術を記載)を参照。
脊椎動物細胞もまた宿主として用いることができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株は有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)で形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胚腎臓株(Graham et al., J. Gen Virol. 36:59 (1977)に記載された293細胞又は293細胞;ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスのセルトリ細胞(Mather, Biol. Reprod. 23:243-251 (1980)に記載されるTM4細胞);サル腎細胞(CV1);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76);ヒト子宮頚癌細胞(HeLa);イヌ腎臓細胞(MDCK;バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138);ヒト肝細胞(HepG2);マウス乳腺腫瘍(MMT060562);例えばMather et al., Annals N.Y. Acad. Sci. 383:44-68 (1982)に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株は、DHFR−CHO細胞(Urlaub et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216 (1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;及びY0、NS0およびSp2/0などの骨髄腫細胞株を含む。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞系の総説については、例えば、Yazaki and Wu, Methods in Molecular Biology, Vol. 248 (B.K.C. Lo, ed., Humana Press, Totowa, NJ)、頁255-268 (2003)を参照。
一実施態様において、宿主細胞は原核生物、例えば大腸菌である。一実施態様において、抗体を作成する方法が提供され、その方法は、抗c−met抗体の発現に適した条件下で、抗c−met抗体をコードする核酸を含む大腸菌宿主細胞を培養すること、及び上述される方法によって大腸菌宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から抗c−met抗体を回収することを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
一実施態様において、宿主細胞は、真核生物、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様において、抗体を作成する方法が提供され、その方法は、抗c−met抗体の発現に適した条件下で、抗c−met抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養すること、及び上述される方法によって宿主細胞(または宿主細胞培養培地)から抗c−met抗体を回収することを含む。
抗体の組換え生産のために、例えば上述したように、抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために一以上のベクターに挿入される。このような核酸は、容易に単離され、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖と軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)配列決定することができる。
IV.抗C−Met抗体
本明細書で提供されるのは、精製された抗c−met抗体を含む組成物及び/又は本明細書に記載される精製法で使用のための抗c−met抗体である。有用な抗c−met抗体は、c−metに十分な親和性および特異性で結合し、一つ以上のc−met活性を低減又は阻害することができる抗体を含む。精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、限定されないがc−metの活性化、下流分子のシグナル伝達(例えば、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)のリン酸化)、細胞増殖、細胞遊走、細胞生存、細胞形態形成および血管新生を含むHGF/c−metに関連する作用の一以上の態様を調節することに使用することができる。これらの作用は、c−metへのリガンド(例えばHGF)結合の破壊、c−metのリン酸化、及び/又はc−metの多量体化を含む生物学的に関連する任意の機構によって調節することができる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、アンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はc−met/HGFが関与している疾患又は状態を干渉する。
本明細書に記載される精製された抗c−met抗体の何れかの幾つかの実施態様において及び/又は精製法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はアンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は抗c−met抗体断片である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はIgG1抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はIgG2抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はc−metに特異的な単一の抗原結合腕を有する。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は一価である。一価抗体はまた、限外されないが、例えば、全体が参照により本明細書中に援用される、国際公開第2007/147901号(イオン性相互作用を記述)、国際公開第2007/059782号、国際公開第2007/048037号、国際公開第2008/145137号(非グリコシル化一価抗体)、国際公開第2009/089004号(静電的ステアリング効果を記述)、国際公開第2010/129304号(ポリペプチド間の界面で接触しているアミノ酸に置換を導入することによりヘテロ多量体分子を作製するための方法を記載)、国際公開第2010/063785号、国際公開第2011/133886号、及び/又は国際公開第2005/063816号を含む、当該技術分野で公知の方法により作成することができる。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片は単一の抗原結合腕及びFc領域を含む。抗c−met抗体断片は本明細書に記載され、片腕形態で当該技術分野で知られている。従って、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片は、Fc領域を含む片腕抗体(即ち重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインは単一抗原結合腕を形成する)であり、Fc領域は、第一及び第二Fcポリペプチドを含み、第一及び第二Fcポリペプチドは複合体中に存在する。幾つかの実施態様において、第一及び第二Fcポリペプチドは、前記抗原結合腕を含むFab分子と比較して、抗c−met抗体の安定性を増加させるFc領域を形成する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、(a)配列番号19のアミノ酸配列、CH1配列、及び第一Fcポリペプチドを含む第一ポリペプチド、及び(b)配列番号20のアミノ酸配列及びCL1配列を含む第二ポリペプチドを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は(c)第二Fcポリペプチドを含む第三ポリペプチドを更に含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体断片及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体断片は、二価抗体の抗原結合部位を含み、よって抗原に結合する能力を保持する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片はFc領域を含み、二価抗体中に存在するときFc領域に通常関連する生物学的機能、例えばFcRn結合、抗体半減期の調節、ADCC機能及び補体結合などの少なくとも一を保持する幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片はADCC機能及び/又は補体結合活性を持たない。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片は、二価抗体に実質的に類似したインビトロでの半減期を有する一価抗体である。例えば、そのような抗体断片は、その断片にインビトロで安定性を付与することができるFc配列に連結された抗原結合腕を含む。幾つかの実施態様において、Fcポリペプチドは、野生型ヒンジ配列の一部又は全部を(一般に、そのN末端で)含む。幾つかの実施態様において、Fcポリペプチドは、機能性又は野生型ヒンジ配列を含まない。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体断片は国際公開第2005/063816号に記述される片腕抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体のFc領域は第一及び第二ポリペプチドを含み、第一及び第二ポリペプチドの各々は、野生型ヒトFcに関して一以上の変異を含む。幾つかの実施態様において、空洞の変異はT366S、L368A及び/又はY407Vである。幾つかの実施態様において、突起の変異はT366Wである。幾つかの実施態様において、第一ポリペプチドは、図1に示されるFc配列を含み、第二ポリペプチドは図2に示されるFc配列を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、ホモ二量体化を最小限にしつつ、抗体断片内のFc配列のヘテロ二量体化を促進する少なくとも一の特徴を含み得る。
本明細書に記載される精製された抗c−met抗体の何れかの幾つかの実施態様において及び/又は精製法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はアンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体又はアンタゴニスト抗c−met抗体をブロッキングすることは抗原の生物学的活性を完全に阻害する。アンタゴニスト機能を必要とする病的状態の治療のために、そして抗c−met抗体の二価性が、標的抗原への結合の際に望ましくないアゴニスト作用を生じる場合(それがFab断片としてアンタゴニスト抗c−met抗体あるにもかかわらず)、片腕抗体(すなわち、単一の抗原結合腕を含む抗体)の一価の特性は、標的分子への抗c−met抗体の結合に際し、アンタゴニスト機能を生じ及び/又は確実にする。更に、Fc領域を含む片腕抗体は、類似した/実質的に同一の抗原結合特性を有するFabの形態に比べて、優れた薬物動態学的属性(生体内の半減期の拡張及び/又はクリアランス速度の減少など)により特徴付けられ、従って、従来の一価Fab抗体の使用における主な欠点を克服している。
精製された抗c−met抗体の抗c−met抗体(片腕抗体として提供されてもよい)及び/又は精製法で使用のための抗c−met抗体は当技術分野で知られているものが含まれる(例えば、全体が参考として援用されるMartens, T. et al., Clin. Cancer Res. 12 (20 Pt. 1):6144 (2006);米国特許第6,468,529号;国際公開第2006/015371号;国際公開第2007/063816号、及び国際公開第2010/045345号を参照)。幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)受託番号ATCC HB−11894(ハイブリドーマ1A3.3.13)又はHB−11895(ハイブリドーマ5D5.11.6)の元に寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生されるモノクローナル抗体のHVR配列を一以上含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、ATCC受託番号ATCC HB−11894(ハイブリドーマ1A3.3.13)又はHB−11895(ハイブリドーマ5D5.11.6)の軽鎖可変ドメインのHVRの一以上及び/又は重鎖可変ドメインのHVRの一以上、及びFcポリペプチドを含む片腕抗体である。
精製された抗c−met抗体の何れかの及び/又は精製法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は図1に示されるHVR1−LC、HVR2−LC及びHVR3−LC配列(配列番号1〜3)の一以上を含む軽鎖可変ドメインを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は図1に示されるHVR1−HC、HVR2−HC及びHVR3−HC配列(配列番号4〜6)の一以上を含む重鎖可変ドメインを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、図1に示されるHVR1−LC、HVR2−LC及びHVR3−LC配列(配列番号1〜3)の一以上を含む軽鎖可変ドメイン及び図1に示されるHVR1−HC、HVR2−HC及びHVR3−HC配列(配列番号4〜6)を含む。幾つかの実施態様において、重鎖可変ドメインは、図1に示されるHVR1−HC、HVR2−HC及びHVR3−HC配列(配列番号4〜6)の一以上、及び図1に示されるFR1−HC、FR2−HC、FR3−HC及びFR4−HC配列(配列番号11〜14)の一以上を含む。幾つかの実施態様において、軽鎖可変ドメインは、図1に示されるHVR1−LC、HVR2−LC及びHVR3−LC配列(配列番号1〜3)の一以上、及び図1に示されるFR1−HC、FR2−HC、FR3−HC及びFR4−HC配列(配列番号7〜10)の一以上を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、軽鎖可変ドメインのHVRの一以上(配列番号1〜3)及び/又は重鎖可変ドメインのHVRの一以上(配列番号4〜6)及びFcポリペプチドを含む片腕抗体である。
精製された抗c−met抗体組成物の何れかの幾つかの実施態様及び/又は本明細書に記載される精製法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、(a)(i)A1−A17がKSSQSLLYTSSQKNYLA(配列番号23)である配列A1−A17を含むHVR−L1;(ii)B1−B7がWASTRES(配列番号24)である配列B1−B7を含むHVR−L2;(iii)C1−C9がQQYYAYPWT(配列番号25)であるHVR−L3;(iv)D1−D10がGYTFTSYWLH(配列番号26)であるHVR−H1;E1−E18がGMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号27)であるHVR−H1;(v)E1−E18がGMIDPSNSDTRFNPNFKD(配列番号27)であるHVR−H2;及び(vi)F1−F11がXYGSYVSPLDY(配列番号28)であってXがRでないHVR−H3からなる群から選択される少なくとも一つ、二つ、三つ、四つ、又は五つのHVR配列;及び(b)変異体HVR配列が配列番号23、24、25、26、27、又は28に示される配列の少なくとも一残基の修飾を含む、少なくとも一の変異体HVRを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体のHVR−L1は配列番号23の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−L2は、配列番号24の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−L3は、配列番号25の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H1は、配列番号26の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H2は、配列番号27の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H3は、配列番号28の配列を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H3は、TYGSYVSPLDY(配列番号29)を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H3は、SYGSYVSPLDY(配列番号30)を含む。幾つかの実施態様において、これらの配列を(本明細書に記載のように組み合わせて)含む抗c−met抗体はヒト化又はヒトのものである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、軽鎖可変ドメインのHVRの一以上(配列番号23〜25)及び/又は重鎖可変ドメインのHVRの一以上(配列番号26〜20)及びFcポリペプチドを含む片腕抗体である。
また本明細書に提供されるのは、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、又は六つのHVRを含む、精製された抗c−met抗体の抗c−met抗体及び/又は本明細書に記載される精製法で使用のための抗c−met抗体であり、ここで各HVRは配列番号23、24、25、26、27、28,及び29からなる群から選択される配列を含む、からなる、又はから本質的になり、配列番号23はHVR−L1に対応し、配列番号24はHVR−L2に対応し、配列番号25はHVR−L3に対応し、配列番号26はHVR−H1に対応し、配列番号27はHVR−H2に対応し、及び配列番号26、27又は28はHVR−H3に対応する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はHVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2,及びHVR−H3を含み、ここで各々は順番に配列番号23、24、25、26、27、及び29を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はHVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2,及びHVR−H3を含み、ここで各々は順番に配列番号23、24、25、26、27、及び30を含む。
変異体HVRはHVR中に一以上の残基の修飾を含み得る。幾つかの実施態様において、HVR−L2変異体は、以下の位置:B1(M又はL)、B2(P、T、G又はS)、B3(N、G、R又はT)、B4(I、N又はF)、B5(P、I、L又はG)、B6(A、D、T又はV)及びB7(R、I、M又はG)の任意の組み合わせにおいて1〜5(1、2、3、4又は5)の置換を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H1変異体は、以下の位置:D3(N、P、L、S、A、I)、D5(I、S又はY)、D6(G、D、T、K、R)、D7(F、H、R、S、T又はV)及びD9(M又はV)の任意の組み合わせにおいて1〜5(1、2、3、4又は5)の置換を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H2変異体は、以下の位置:E7(Y)、E9(I)、E10(I)、E14(T又はQ)、E15(D、K、S、T又はV)、E16(L)、E17(E、H、N又はD)及びE18(Y、E又はH)の任意の組み合わせにおいて1〜4(1、2、3、又は4)の置換を含む。幾つかの実施態様において、HVR−H3変異体は、以下の位置:F1(T、S)、F3(R、S、H、T、A、K)、F4(G)、F6(R、F、M、T、E、K、A、L、W)、F7(L、I、T、R、K、V)、F8(S、A)、F10(Y、N)及びF11(Q、S、H、F)の任意の組み合わせにおいて1〜5(1、2、3、4又は5)の置換を含む。各位置に続く括弧内の文字は説明的置換(即ち置換(replacement))アミノ酸を示し;当業者には明らかなように、本明細書に記載される文脈における置換アミノ酸としての他のアミノ酸の適合性は、当技術分野で公知及び/又は本明細書に記載の技術を用いてルーチン的に評価することができる。幾つかの実施態様において、HVR−L1は、配列番号23の配列を含む。幾つかの実施態様において、変異体HVR−H3におけるF1はTである。幾つかの実施態様において、変異体HVR−H3におけるF1はSである。幾つかの実施態様において、変異体HVR−H3におけるF3はRである。幾つかの実施態様において、変異体HVR−H3におけるF3はSである。幾つかの実施態様において、変異体HVR−H3におけるF7はTである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がT又はS,F3がR又はS,及びF7がTである変異体HVR−H3を含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、F1がT,F3がR及びF7がTである、変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がSである変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がT,及びF3がRである変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がS,F3がR及びF7がTである、変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がT,F3がS、F7がT、及びF8がSである、変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、F1がT,F3がS、F7がT、及びF8がAである、変異体HVR−H3を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−H3抗体は、HVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1及びHVR−H2を更に含み、各々は順番に配列番号1、2、3、4、及び5に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、これらの抗体は更に、ヒトサブグループIII重鎖フレームワークコンセンサス配列を含む。これらの抗体の幾つかの実施態様において、フレームワークコンセンサス配列は、位置71、73、及び/又は78に置換を含む。これらの抗体の幾つかの実施態様において、位置71はA,73はT及び/又は78はAである。これらの抗体の幾つかの実施態様において、これらの抗体はヒトκI軽鎖フレームワークコンセンサス配列を更に含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、B6がVである変異体HVR−L2を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−L2抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3を更に含み、ここで各々は順番に配列番号23、25、26、27及び28に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−L2抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3を更に含み、各々は順番に配列番号23、25、26、27、及び29に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−L2抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3を更に含み、各々は順番に配列番号23、25、26、27、及び30に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、これらのc−met抗体は更に、ヒトサブグループIII重鎖フレームワークコンセンサス配列を含む。これらのc−met抗体の幾つかの実施態様において、フレームワークコンセンサス配列は、位置71、73、及び/又は78に置換を含む。幾つかの実施態様において、位置71はA,73はT及び/又は78はAである。これらのc−met抗体の幾つかの実施態様において、これらの抗体はヒトκI軽鎖フレームワークコンセンサス配列を更に含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、E14がT、E15がK及びE17がEである、変異体HVR−H2を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、E17がEである変異体HVR−H2を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−H3抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1、及びHVR−H3を更に含み、ここで各々は順番に配列番号23、24、25、26及び28に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−H2抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1,及びHVR−H3を更に含み、各々は順番に配列番号23、24、25、26、及び29に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、前記変異体HVR−H2抗c−met抗体は、HVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1,及びHVR−H3を更に含み、各々は順番に配列番号23、24、25、26、及び30に示される配列を含む。幾つかの実施態様において、これらのc−met抗体は更に、ヒトサブグループIII重鎖フレームワークコンセンサス配列を含む。これらのc−met抗体の幾つかの実施態様において、フレームワークコンセンサス配列は、位置71、73、及び/又は78に置換を含む。幾つかの実施態様において、位置71はA,73はT及び/又は78はAである。これらのc−met抗体の幾つかの実施態様において、これらのc−met抗体はヒトκI軽鎖フレームワークコンセンサス配列を更に含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、(a)配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYWLHWVRQAPGKGLEWVGMIDPSNSDTRFNPNFKDRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCATYRSYVTPLDYWGQGTLVTVSS(配列番号19)を含む重鎖可変ドメイン及び/又は(b)配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLYTSSQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYAYPWTFGQGTKVEIKR(配列番号20)を含む軽鎖可変ドメインを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は(a)軽鎖可変ドメイン(配列番号20)及び/又は(b)重鎖可変ドメイン(配列番号19)及び(c)Fcポリペプチドを含んでなる片腕抗体である。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、(a)配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYWLHWVRQAPGKGLEWVGMIDPSNSDTRFNPNFKDRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCATYRSYVTPLDYWGQGTLVTVSS(配列番号19)を含む重鎖可変ドメインのHVR−H1、HVR−H2及びHVR−H及び/又は(b)配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLYTSSQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYAYPWTFGQGTKVEIKR(配列番号20)を含む軽鎖可変ドメインのHVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3を含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は(a)軽鎖可変ドメイン(配列番号20)及び/又は(b)重鎖可変ドメイン(配列番号19)及び(c)Fcポリペプチドを含んでなる片腕抗体である。幾つかの実施態様において、Fc領域はヒトIgG(例えば、IgG1、2、3又は4)のものである。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図1に示されるFc配列(配列番号17)を含み、第二Fcポリペプチドは図2に示されるFc配列(配列番号18)を含む。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図2に示されるFc配列(配列番号18)を含み、第二Fcポリペプチドは図1に示されるFc配列(配列番号17)を含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、抗c−met抗体断片であり、抗体断片は(a)配列番号19を含む重鎖可変ドメイン、CH1配列(例えば配列番号16)、及び第一Fcポリペプチドを含む第一ポリペプチド;及び(b)配列番号20を含む軽鎖可変ドメイン、及びCL1配列(配列番号15)を含む第二ポリペプチドを含む。幾つかの実施態様において、Fc領域はヒトIgG(例えば、IgG1、2、3又は4)のものである。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図1に示されるFc配列(配列番号17)を含む。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図2に示されるFc配列(配列番号18)を含む。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、抗c−met抗体断片であり、ここで抗体断片は(a)配列番号19を含む重鎖可変ドメイン、CH1配列(例えば配列番号16)及び第一Fcポリペプチドを含む第一ポリペプチド;(b)配列番号20を含む軽鎖可変ドメイン、及びCL1配列(例えば配列番号15)を含む第二ポリペプチド;及び(c)第二Fcポリペプチドを含む第三ポリペプチドを含み、重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインは複合体として存在し単一抗原結合腕を形成し、かつ第一及び第二Fcポリペプチドが複合体中に存在する。幾つかの実施態様において、第一及び第二Fcポリペプチドは、前記抗原結合腕を含むFab分子と比較して、前記抗体断片の安定性を増加させるFc領域を形成する。幾つかの実施態様において、Fc領域はヒトIgG(例えば、IgG1、2、3又は4)のものである。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図1に示されるFc配列(配列番号17)を含み、第二Fcポリペプチドは図2に示されるFc配列(配列番号18)を含む。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図2に示されるFc配列(配列番号18)を含み、第二Fcポリペプチドは図1に示されるFc配列(配列番号17)を含む。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体又はそのc−met抗体断片であって、ここでその抗体は(a)配列番号19を含む重鎖可変ドメイン、CH1配列、及び第一Fcポリペプチドを含む第一ポリペプチド;(b)配列番号20を含む軽鎖可変ドメイン、及びCL1配列を含む第二ポリペプチド;及び(c)第二Fcポリペプチドを含む第三ポリペプチドを含み、ここで重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインは複合体として存在して単一抗原結合腕を形成し、かつ第一及び第二Fcポリペプチドが複合体中に存在し、前記抗原結合腕を含むFab分子と比較して前記抗体断片の安定性を増加させるFc領域を形成する。幾つかの実施態様において、Fc領域はヒトIgG(例えば、IgG1、2、3又は4)のものである。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図1に示されるFc配列(配列番号17)を含み、第二Fcポリペプチドは図2に示されるFc配列(配列番号18)を含む。幾つかの実施態様において、第一Fcポリペプチドは、図2に示されるFc配列(配列番号18)を含み、第二Fcポリペプチドは図1に示されるFc配列(配列番号17)を含む。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、(a)重鎖を含む第一ポリペプチド(該ポリペプチドは配列:EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYWLHWVRQAPGKGLEWVGMIDPSNSDTRFNPNFKDRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCATYRSYVTPLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号21)を含む);(b)軽鎖を含む第二ポリペプチド(該ポリペプチドは配列:DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKSSQSLLYTSSQKNYLAWYQQKPGKAPKLLIYWASTRESGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYYAYPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号22)を含む);及びFcを含む第三ポリペプチド(該ポリペプチドは配列:DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号18)を含む)を含む。幾つかの実施態様において、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインは複合体として存在し、単一抗原結合腕を形成し、ここで第一ポリペプチド及び第二ポリペプチドは複合体中に存在する。幾つかの実施態様において、第一及び第二Fcポリペプチドは、前記抗原結合腕を含むFab分子と比較して、前記抗体断片の安定性を増加させるFc領域を形成する。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、一価抗体である。幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法において使用のための抗c−met抗体は、ヒト化、ヒト、又はキメラ抗体である。
幾つかの実施態様において、本明細書に記載される抗c−met抗体の何れかをコードするポリヌクレオチドは、抗c−met抗体が産生されるように発現される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の何れかをコードするポリヌクレオチドはインビトロ又はインビボで(例えばCHO細胞又は大腸菌細胞中で)発現される。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は本明細書に記載される精製法において使用のための抗c−met抗体は、オナルツズマブ(同義的にMetMAbと称す)、Fc領域を含む片腕抗体である。オナルツズマブの配列は図1及び2に示される。オナルツズマブ(OA5D5v2及びMetMAbとも称す)はまた例えば国際公開第2006/015371号;国際公開第2010/04345号;及びJin et al, Cancer Res (2008) 68:4360に記述される。オナルツズマブのバイオシミラー版も考慮され、薬学的製剤で使用するために本明細書に包含される。
幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は本明細書に記載される精製法において使用のための抗c−met抗体は、c−metセマドメイン又はその変異体の少なくとも一部に特異的に結合する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、アンタゴニストである。幾つかの実施態様において、抗c−metアンタゴニスト抗体は、LDAQT(配列番号31)(例えばc−metの残基269−273)、LTEKRKKRS(配列番号32)(例えばc−metの残基300−308)、KPDSAEPM(配列番号33)(例えばc−metの残基350−357)及びNVRCLQHF(配列番号34)(例えばc−metの残基381−388)からなる群から選択される配列の少なくとも一に特異的に結合する。幾つかの実施態様において、抗c−metアンタゴニスト抗体は、LDAQT(配列番号31)(例えばc−metの残基269−273)、LTEKRKKRS(配列番号32)(例えばc−metの残基300−308)、KPDSAEPM(配列番号33)(例えばc−metの残基350−357)及びNVRCLQHF(配列番号34)(例えばc−metの残基381−388)からなる群から選択される配列の少なくとも一のうちの一部又は全てにより形成される高次構造エピトープに特異的に結合する。幾つかの実施態様において、アンタゴニスト抗体は、配列LDAQT(配列番号31)、LTEKRKKRS(配列番号32)、KPDSAEPM(配列番号33)及び/又はNVRCLQHF(配列番号34)と少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%の配列同一性又は類似性を有するアミノ酸配列に特異的に結合する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、アンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、片腕抗体である。関心のある抗体が結合した抗原上のエピトープに結合する抗体をスクリーニングするために、Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow and David Lane (1988)に記載されるようにルーチンのクロスブロッキングアッセイを行うことができる。
本発明の方法における使用に適した他の抗c−met抗体は本明細書に記載され、当該技術分野で公知である。例えば、国際公開第05/016382号に開示される抗c−met抗体(限定されないが、抗体13.3.2、9.1.2、8.70.2、8.90.3を含む);ジェノアのCBAでICLC番号PD03001で預けられたハイブリドーマ細胞株により生成される抗c−met抗体、又はHGF受容体のβ鎖の細胞外ドメイン上のエピトープ(該エピトープはモノクローナル抗体により認識されるものと同じである)を認識する抗c−met抗体;国際公開第2007/126799号に開示される抗c−met抗体(限定されないが、04536、05087、05088、05091、05092、04687、05097、05098、05100、05101、04541、05093、05094、04537、05102、05105、04696、04682を含む);国際公開第2009/007427号に開示される抗c−met抗体(限定されないが、CNCM、フランス、パリ、パスツール研究所に、2007年3月14日に番号I−3731、2007年3月14日に番号I−3732、2007年7月6日に番号I−3786、2007年3月14日に番号I−3724のもとに預けられた抗体);20110129481に開示された抗c−met抗体;米国特許出願公開第20110104176号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2009/134776号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2010/059654号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2011/020925号に開示された抗c−met抗体(限定されないが、CNCM、フランス、パリ、パスツール研究所に、2008年3月12日に番号I−3489、2010年1月14日に番号I−4273のもとに預けられた抗体);国際公開第2011/110642号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2011/090754号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2007/090807号に開示された抗c−met抗体;国際公開第2012059561号A1に開示された抗c−met抗体。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、目的の抗体の重鎖の可変ドメインとIgGのCH2及びCH3ドメインを含む第一タンパク質鎖、及び目的の抗体の軽鎖の可変ドメインと前記IgGのCH2及びCH3ドメインを含む第一タンパク質鎖のヘテロ二量体を含む一価抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、可変軽鎖領域および定常軽鎖領域を含む軽鎖を含む一価抗体であって、ここではジスルフィド結合を形成することができるアミノ酸を含まないように定常軽鎖領域が改変される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、可変重鎖領域および定常重鎖領域を含む一価抗体であって、ここではジスルフィド結合を形成することができるアミノ酸を含まないように定常重鎖領域が改変される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、ノブ:ホール型変異を含む一価抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、R238Q、R238Q、D239E、K292R、Q302E、P328L、R285Q、S314N、N322K、M327V、K339R、Q349E、I352V、R365H、F366Y、及びP375Lからなる群から選択される一以上のCH3変異を含む一価抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、軽鎖Fc融合を含む一価抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、ヒンジ欠損を含む一価抗体である。
本明細書に記載される精製された抗c−met抗体組成物及び/又は精製法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、限定されないがc−metの細胞外部分へのHGFの結合及び受容体多量体化を含むHGF/c−metの活性化を妨害し得る。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はHGF/c−metの異常で所望されないシグナル伝達と関連した病的状態を治療または診断するのに有用である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、c−metリガンド結合、c−met二量体化、活性化、及びHGF/c−metシグナル伝達と関連した他の生物学的/生理学的活性の調節を含むHGF/c−met経路を調節しうる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はHGF/c−metシグナル伝達経路を破壊し得る。本明細書に記載される抗c−met抗体の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体のc−metへの結合はHGFによるc−met活性化を阻害する。抗c−met抗体の何れかの幾つかの実施態様において、細胞中で抗c−met抗体のc−metへの結合は、細胞の増殖、生存、飛散、形態形成及び/又は運動性を阻害する。
幾つかの場合、リガンド(例えばHGFなど)のc−metへの結合を阻害しない抗c−met抗体を有することが有利であり得る。従って、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、c−met上のHGF結合部位に結合しない。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、c−metに対するHGF結合を実質的に阻害しない。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、c−metに対する結合についてHGFと実質的に競合しない。一例では、抗c−met抗体は、1つ又は複数の他のアンタゴニストと組み合わせて使用することができ、ここでアンタゴニストは、HGF/c−metの軸内の異なるプロセス及び/又は機能を標的としていることを特徴とする。このように、幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、(例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション寄託番号ATCC HB−11894(ハイブリドーマ1A3.3.13)の下で寄託されたハイブリドーマ細胞株によって産生されたモノクローナル抗体のFab断片のような)別のc−metアンタゴニストが結合するエピトープとは異なるc−met上のエピトープに結合する。別の実施態様において、抗c−met抗体は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション寄託番号ATCC HB−11894(ハイブリドーマ1A3.3.13)で寄託されたハイブリドーマ細胞株により産生されるモノクローナル抗体のFab断片とは区別される(即ちFab断片ではない)。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は第一動物種に結合し、第二動物種のc−met抗体には特異的に結合しない。幾つかの実施態様において、第一動物種は、ヒト及び/又は霊長類(例えば、カニクイザル)であり、第二動物種はネズミ科(例えば、マウス)及び/又はイヌである。幾つかの実施態様において、第一動物種はヒトである。幾つかの実施態様において、第一動物種は、霊長類、例えば、カニクイザルである。幾つかの実施態様において、第一動物種は、ネズミ科、例えば、マウスである。幾つかの実施態様において、第一動物種はイヌである。
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、前記被験体において免疫原性応答をほとんど又は全く誘発しない。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は臨床的に受容可能なレベル又はそれ未満で免疫原性応答を誘発する。
精製された抗c−met抗体組成物及び/又は精製法の何れかの幾つかの実施態様において、改変された抗体は、全てではないが一部のエフェクター機能を有している。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は補体枯渇及び/又はADCC活性を持たない。幾つかの実施態様において、産生される免疫グロブリンのFc活性は、所望の特性のみが維持されていること(例えば、補体枯渇及び/又はADCC活性ではなく半減期)を確認するために測定される。インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、おそらくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。ADCC、NK細胞を媒介する初代細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロでのアッセイの一例が、米国特許第5,500,362号又は米国特許第5,821,337号に記載されている。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、又は更に、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al., PNAS USA 95:652-656 (1998)に開示されるように、インビボで、例えば動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイはまた、抗体が体C1qを結合することができないこと、したがって、CDC活性を欠いていることを確認するために行うことができる。補体活性を評価するために、CDCアッセイが、例えばGazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods 202:163 (1996)に記載されるように実施することができる。FcRn結合、及びインビボでのクリアランス/半減期の測定はまた、当該分野で公知の方法を用いて行うことができる。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はグリコシル化されている。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は非グリコシル化(aglycosylated)されている。
精製された抗c−met抗体組成物の抗c−met抗体及び/又は精製法に使用のための抗c−met抗体は、当該分野で公知の種々のアッセイにより、それらの物理的/化学的性質及び生物学的機能について特徴づけることができる。精製された抗c−met抗体は、限定されないが、N末端配列決定、アミノ酸分析、非変性サイズ排除高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析法、イオン交換クロマトグラフィー及びパパイン消化を含む、一連のアッセイによって更に特徴づけることができる。
本明細書に記載される精製された抗c−met抗体組成物及び/又は精製法の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、(1)ローリー法により判定して抗体の95重量%超、および最も好ましくは99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、N末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、又は(3)クーマシーブルーもしくは銀染色を用いる還元もしくは非還元条件下でSDS−PAGEにより均一になるまで精製される。
更に、本明細書に記載される精製された抗c−met抗体組成物及び/又は精製法の何れかの幾つかの実施態様において、以下のセクション1−8で説明されるように、抗c−met抗体は、単独または組み合わせで、任意の特徴を組み込むことができる。
1.抗体親和性
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、解離定数(Kd)が、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば、10−8M以下、例えば、10−8Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)である。
その受容体へのリガンドの結合親和性は、種々のアッセイの何れかを用いて決定し、様々な定量値で表すことができる。当該分野で公知であり、本明細書で使用することができる抗原結合アッセイは、限定されないが、例えば、ウェスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えば、PCT出願公開番号WO2005/012359に記載のようにBIAcoreアッセイなど)、免疫沈降アッセイ、蛍光イムノアッセイ、及びプロテインAイムノアッセイなどの技術を用いた任意の直接的又は競合的結合アッセイを含む。
従って、幾つかの実施態様において、結合親和性はKd値として表され、(最小化結合活性効果を持つなど)固有の結合親和性を反映している。選択される抗c−met抗体はc−metに対する十分強い結合親和性を通常有し、例えば、抗体はヒトc−metにKd値が100nM−1pMの間で結合し得る。
2.抗体断片
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は抗体断片である。抗体断片は、限定されないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、一腕抗体、及びscFv断片、及び下記の他の断片を含む。所定の抗体断片の総説については、Hudson et al. Nat. Med. 9:129-134 (2003)を参照。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthuen, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., (Springer-Verlag, New York), pp. 269-315 (1994)を参照;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5,571,894号及び第5,587,458号も参照。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、かつインビボ半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。他の一価抗体形式は、例えば国際公開第2007048037号、国際公開第2008145137号、国際公開第2008145138号及び国際公開第2007059782号に記載される。一腕抗体は例えば国際公開第2005/063816号に記載される。ダイアボディは2価または二重特異性であり得る2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404,097号;国際公開第1993/01161号;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003); 及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)を参照。トリアボディ及びテトラボディもまたHudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全て又は一部、又は軽鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片である。幾つかの実施態様において、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis, Inc., Waltham, MA; 例えば、米国特許第6,248,516号B1を参照)。
抗体断片は様々な技術で作成することができ、限定されないが、本明細書に記載するように、インタクトな抗体の分解、並びに組換え宿主細胞(例えば、大腸菌やファージ)による生産を含む。
3.キメラ及びヒト化抗体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、キメラ抗体である。所定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855 (1984)に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類由来の可変領域)及びヒト定常領域を含む。更なる例において、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
幾つかの実施態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性と親和性を保持したまま、ヒト化されている。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその一部)が、非ヒト抗体から由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する、一以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体はまた、任意で、ヒト定常領域の少なくとも一部をも含む。幾つかの実施態様において、ヒト化抗体の幾つかのFR残基は、例えば抗体特異性又は親和性を回復もしくは改善するめに、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換されている。
ヒト化抗体およびそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に総説され、更に、 Riechmann et al., Nature 332:323-329 (1988); Queen et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 86:10029-10033 (1989); 米国特許第5,821,337号、第7,527,791号、第6,982,321号、及び第7,087,409号; Kashmiri et al., Methods 36:25-34 (2005) (SDR(a−HVR)グラフティングを記述); Padlan, Mol. Immunol. 28:489-498 (1991) (「リサーフェシング」を記述); Dall'Acqua et al., Methods 36:43-60 (2005) (「FRシャッフリング」を記述);及びOsbourn et al., Methods 36:61-68 (2005)及びKlimka et al., Br. J. Cancer, 83:252-260 (2000) (FRのシャッフリングへの「誘導選択」アプローチを記述)に記載されている。
ヒト化に用いられ得るヒトフレームワーク領域は、限定されないが、「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al. J. Immunol. 151:2296 (1993));軽鎖または重鎖の可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);及びPresta et al. J. Immunol., 151:2623 (1993)を参照);ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域またはヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照);及びFRライブラリスクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca et al., J. Biol. Chem. 272:10678-10684 (1997)及び Rosok et al., J. Biol. Chem. 271:22611-22618 (1996)を参照)を含む。
4.ヒト抗体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は一般的にvan Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001) 及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原チャレンジに応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を持つ又はインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することができる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、又は染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含む。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、 Lonberg, Nat. Biotech. 23:1117-1125 (2005)を参照。また、例えば、XENOMOUSETM技術を記載している、米国特許第6,075,181号及び第6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載している米国特許第5,770,429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載している米国特許第7,041,870号及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載している米国特許出願公開第2007/0061900号)も参照のこと。このような動物で生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、更に改変される可能性がある。
ヒト抗体は、ハイブリドーマベース法によって作成することができる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133: 3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、頁51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);及びBoerner et al., J. Immunol., 147: 86 (1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体はまた、Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)に記載されている。更なる方法は、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載している)及びNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268 (2006) (ヒト−ヒトハイブリドーマを記載している)に記載されたものを含む。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers and Brandlein, Histology and Histopathology, 20(3):927-937 (2005) 及びVollmers and Brandlein, Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology, 27(3):185-91 (2005)に記載される。
ヒト抗体はまた、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成され得る。このような可変ドメイン配列は、次に所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術が、以下に説明される。
5.ライブラリー由来の抗体
抗c−met抗体体は、所望の活性または活性(複数)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、様々な方法が、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてのライブラリーをスクリーニングするために、当該技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O'Brien et al., ed., Human Press, Totowa, NJ, 2001)に総説され、更に、例えば、McCafferty et al., Nature 348:552-554; Clackson et al., Nature 352: 624-628 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992); Marks and Bradbury, in Methods in Molecular Biology 248:161-175 (Lo, ed., Human Press, Totowa, NJ, 2003); Sidhu et al., J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004); Lee et al., J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004); Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34): 12467-12472 (2004); 及びLee et al., J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132(2004)に概説されている。
幾つかのファージディスプレイ法において、VH及びVL遺伝子のレパートリーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により個別にクローニングされ、ファージライブラリーにランダムに再結合され、その後、Winter et al., Ann. Rev. Immunol., 12: 433-455 (1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、通常、抗体断片を、単鎖Fv(scFv)断片、またはFab断片のいずれかとして提示する。免疫された起源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要性を伴うことなく免疫原に高親和性抗体を提供する。別法として、Griffiths et al., EMBO J, 12: 725-734 (1993)に記載されるように、ナイーブなレパートリーが、任意の免疫感作無しで、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対して、抗体の単一起源を提供するために、(例えば、ヒトから)クローン化することができる。最後に、ナイーブなライブラリはまた、Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227: 381-388 (1992)に記載されるように、非常に可変なCDR3領域をコードし、インビトロで再構成を達成するために、幹細胞由来の未転位V遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用することにより合成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーを記述する特許公報は、例えば、米国特許第5,750,373号、及び米国特許出願公開第2005/0079574号、第2005/0119455号、第2005/0266000号、第2007/0117126号、第2007/0160598号、第2007/0237764号、第2007/0292936号及び第2009/0002360号を含む。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書でヒト抗体又はヒト抗体の断片とみなされる。
6.多重特異性抗体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。幾つかの実施態様において、結合特異性の一つは抗原に対してであり、他は、任意の他の抗原に対してである。幾つかの実施態様において、二重特異性抗体は、抗原の2つの異なるエピトープに結合することができる。二重特異性抗体はまた、抗原を発現する細胞に細胞傷害性薬物を局所化するために用いることができる。二重特異性抗体は、全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技術は、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の組換え共発現(Milstein and Cuello, Nature 305: 537 (1983))、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al., EMBO J. 10: 3655 (1991)を参照)及び「ノブ・イン・ホール(knob-in-hole)」エンジニアリング(例えば、米国特許第5,731,168号を参照)を含む。多重特異抗体はまた、抗体のFc−ヘテロ2量体分子を作成するための静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004A1号);2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al., Science, 229: 81 (1985)を参照);2重特異性抗体を生成するためにロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al., J. Immunol., 148(5):1547-1553 (1992)を参照);二重特異性抗体断片を作製するため、「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)を参照);単鎖Fv(scFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruber et al., J. Immunol., 152:5368 (1994)を参照);及び、例えばTutt et al. J. Immunol. 147: 60 (1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製することによって作成することができる。
「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能性抗原結合部位を持つ改変抗体もまた本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照)。
本明細書中の抗体又は断片はまた、c−met並びにその他の異なる抗原(例えば米国特許出願公開第2008/0069820号参照)に結合する抗原結合部位を含む、「2重作用(Dual Acting) FAb」又は「DAF」を含む。
7.抗体変異体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体のアミノ酸配列変異体が検討される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望まれ得る。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な改変を導入することにより、又はペプチド合成によって調製することができる。このような改変は、例えば、抗体のアミノ酸配列内における、残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。最終コンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を有していることを条件として、欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせが、最終コンストラクトに到達させるために作成され得る。
a.置換、挿入、及び欠失変異体
幾つかの実施態様において、一つ以上のアミノ酸置換を有する抗c−met抗体変異体が提供される。置換型変異誘発の対象となる部位は、HVRとFRを含む。保存的置換は、表1の「保存的置換」の見出しの下に示されている。より実質的な変更が、表1の「典型的な置換」の見出しの下に与えられ、アミノ酸側鎖のクラスを参照して以下に更に説明される。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入することができ、その産物は、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の減少、又はADCC又はCDCの改善についてスクリーニングされる。
アミノ酸は共通の側鎖特性に基づいてグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。
置換変異体の一つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化又はヒト抗体など)の一以上の高頻度可変領域残基の置換を含む。一般的には、更なる研究のために選択され得られた変異体は、親抗体と比較して、特定の生物学的特性の改変(例えば、改善)(例えば、親和性の増加、免疫原性を減少)を有し、及び/又は親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持しているであろう。典型的な置換型変異体は、親和性成熟抗体であり、例えば、本明細書に記載されるファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を用いて、簡便に生成され得る。簡潔に言えば、一つ以上のHVR残基が変異し、変異体抗体は、ファージ上に表示され、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。
変更(例えば、置換)は、例えば抗体の親和性を向上させるために、HVRで行うことができる。このような変更は、HVRの「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程中に高頻度で変異を受けるコドンにコードされた残基で(例えばChowdhury, Methods Mol. Biol. 207:179-196 (2008)を参照)、及び/又はSDR(a−CDR)で行うことができ、得られた変異体VH又はVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリから構築し選択し直すことによる親和性成熟が、例えばHoogenboom et al. in Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O'Brien et al., ed., Human Press, Totowa, NJ, (2001)に記載されている。親和性成熟の幾つかの実施態様において、多様性が、種々の方法(例えば、変異性PCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチドを標的とした突然変異誘発)の何れかにより、成熟のために選択された可変遺伝子中に導入される。次いで、二次ライブラリーが作成される。次いで、ライブラリーは、所望の親和性を持つ抗体変異体を同定するためにスクリーニングされる。多様性を導入するするもう一つの方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4から6残基)がランダム化されたHVR指向型のアプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えばアラニンスキャニング突然変異誘発、またはモデリングを用いて、特異的に同定され得る。CDR−H3及びCDR−L3がしばしば標的にされる。
幾つかの実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、そのような改変が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限りにおいて、一以上のHVR内で生じる可能性がある。例えば、実質的に結合親和性を低下させない保存的改変(例えば本明細書で与えられる保存的置換)をHVR内で行うことができる。このような改変は、HVR「ホットスポット」又はSDRの外側であってもよい。上記に与えられた変異体VH又はVL配列の幾つかの実施態様において、各HVRは不変であるか、又はわずか1個、2個または3個のアミノ酸置換が含まれているかの何れかである。
突然変異誘発のために標的とすることができる抗体の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells (1989) Science, 244:1081-1085により説明されるように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基またはグループ(例えば、arg、asp、his、lys及びgluなどの荷電残基)が同定され、抗原と抗体との相互作用が影響を受けるかどうかを判断するために、中性または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)に置換される。更なる置換が、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸の位置に導入され得る。代わりに、又は更に、抗原抗体複合体の結晶構造が、抗体と抗原との接触点を同定する。そのような接触残基及び隣接残基が、置換の候補として標的とされるか又は排除され得る。変異体はそれらが所望の特性を含むかどうかを決定するためにスクリーニングされ得る。
アミノ酸配列挿入は、一残基から百以上の残基を含有するポリペプチド長にわたるアミノ及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニン残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入変異体は、酵素に対する抗体のN末端またはC末端への融合(例えばADEPTの場合)、または抗体の血清半減期を増加させるポリペプチドへの融合を含む。
b.グリコシル化変異体
幾つかの実施態様において、本明細書で提供される抗c−met抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増加または減少するように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、一以上のグリコシル化部位が作成または削除されるようにアミノ酸配列を変えることによって簡便に達成することができる。
抗体がFc領域を含む場合には、それに付着する糖を変えることができる。哺乳動物細胞によって生成された天然型抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297にN−結合により一般的に付着した分岐鎖、二分岐オリゴ糖を含んでいる。例えばWright et al. TIBTECH 15:26-32 (1997)を参照。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、二分岐オリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合した、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、シアル酸、並びにフコースを含み得る。幾つかの実施態様において、抗体のオリゴ糖の改変は、一定の改善された特性を有する抗体変異体を作成するために行われ得る。
幾つかの実施態様において、抗体変異体は、Fc領域に(直接または間接的に)付着されたフコースを欠いた糖鎖構造を有して提供される。例えば、このような抗体のフコース量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%、または20%から40%であり得る。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI−TOF質量分析法によって測定されるAsn297に付着しているすべての糖構造の合計(例えば、コンプレックス、ハイブリッド及び高マンノース構造)に対して、Asn297の糖鎖中のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域(Fc領域残基のEU番号付け)でおよそ297の位置に位置するアスパラギン残基を指し、しかし、Asn297もまた位置297の上流または下流のおよそ±3アミノ酸に、すなわち抗体の軽微な配列変異に起因して、位置294と300の間に配置され得る。このようなフコシル化変異体はADCC機能を改善させた可能性がある。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta, L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(協和発酵工業株式会社)を参照。「フコース非修飾」又は「フコース欠損」抗体変異体に関連する出版物の例としては、米国特許出願公開第2003/0157108号、国際公開第2000/61739号、国際公開第2001/29246号、米国特許出願公開第2003/0115614号、米国特許出願公開第2002/0164328号、米国特許出願公開第2004/0093621号、米国特許出願公開第2004/0132140号、米国特許出願公開第2004/0110704号、米国特許出願公開第2004/0110282号、米国特許出願公開第2004/0109865号、国際公開第2003/085119号、国際公開第2003/084570号、国際公開第2005/035586号、国際公開第2005/035778号、国際公開第2005/053742号、国際公開第2002/031140号、Okazaki et al. J. Mol. Biol. 336:1239-1249 (2004); Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004)が含まれる。非フコシル化抗体を産生する能力を有する細胞株の例としては、タンパク質フコシル化を欠損しているLec13 CHO細胞(Ripka et al. Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国特許出願公開第2003/0157108号A1,Presta, L;及び国際公開第2004/056312号A1、Adams et al., 特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、アルファ−1、6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al. Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004); Kanda, Y. et al., Biotechnol. Bioeng., 94(4):680-688 (2006);及び国際公開第2003/085107号を参照)を含む。
抗体変異体は、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている二分オリゴ糖を更に備えている。このような抗体変異体はフコシル化を減少させ、及び/又はADCC機能を改善している可能性がある。そのような抗体変異体の例は、例えば、国際公開第2003/011878号(Jean-Mairettら);米国特許第6,602,684号(Umanaら);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umanaら)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体変異体も提供される。このような抗体変異体はCDC機能を改善させた可能性がある。このような抗体変異体は、例えば、国際公開第1997/30087号(Patelら);国際公開第1998/58964号(Raju, S.);及び国際公開第1999/22764号(Raju, S.)に記載されている。
c.Fc領域変異体
幾つかの実施態様において、1つまたは複数のアミノ酸改変を、抗c−met抗体のFc領域に導入することができ、それによってFc領域変異体を生成する。Fc領域の変異体は、1つまたは複数のアミノ酸位置においてアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域の配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含んでもよい。
幾つかの実施態様において、考慮されるのは、インビボにおける抗体の半減期が重要であるが、ある種のエフェクター機能(例えば補体およびADCCなど)が不要または有害である用途のための望ましい候補とならしめる、全てではないが一部のエフェクター機能を有する抗体変異体である。インビトロ及び/又はインビボでの細胞毒性アッセイを、CDC活性及び/又はADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、おそらくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。ADCC、NK細胞を媒介する初代細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロでのアッセイの一例が、米国特許第5,500,362号又は米国特許第5,821,337号に記載されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom, I. et al. Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 83:7059-7063 (1986)を参照)及びHellstrom, I et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 82:1499-1502 (1985); 5,821,337 (例えば、Bruggemann, M. et al., J. Exp. Med. 166:1351-1361 (1987)を参照)に説明される。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用のACTITM非放射性細胞毒性アッセイ(CellTechnology, Inc. Mountain View, CA;及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性アッセイ(Promega, Madison, WI)を参照。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。別法として、又は更に、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al., PNAS USA 95:652-656 (1998)に開示されるように、インビボで、例えば動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイはまた、抗体が体C1qを結合することができないこと、したがって、CDC活性を欠いていることを確認するために行うことができる。例えば、国際公開第2006/029879号及び国際公開第2005/100402号のC1qおよびC3c結合ELISAを参照。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods 202:163 (1996); Cragg, M.S. et al., Blood 101:1045-1052 (2003);及びCragg, M.S. and M.J. Glennie, Blood 103:2738-2743 (2004)を参照)。FcRn結合、及びインビボでのクリアランス/半減期の測定はまた、当該分野で公知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova, S.B. et al., Int'l. Immunol. 18(12):1759-1769 (2006)を参照)。
エフェクター機能が減少した抗体は、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327、329の一つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6737056号)。そのようなFc変異体は、残基265及び297のアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2以上での置換を有するFc変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
FcRへの結合を改善又は減少させた特定の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号、及びShields et al., J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照)。
幾つかの実施態様において、抗体変異体はADCCを改善する1つまたは複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/又は334における置換(EUの残基番号付け)を含む。
幾つかの実施態様において、改変された(すなわち改善されたか減少した)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)を生じる、Fc領域における改変がなされ、例えば、米国特許第6,194,551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al. J. Immunol. 164: 4178-4184 (2000)に説明される。
半減期が増加し、胎仔への母性IgGの移送を担う、新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体(Guyer et al., J. Immunol. 117:587 (1976) 及びKim et al., J. Immunol. 24:249 (1994))が、米国特許出願公開第2005/0014934号A1 (Hinton et al.)に記載されている。これらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する一つまたは複数の置換を有するFc領域を含む。このようなFc変異体は、Fc領域の残基の1以上の置換を有するものが含まれる:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424又は434、例えば、Fc領域の残基434の置換(米国特許第7,371,826号)。
Duncan & Winter, Nature 322:738-40 (1988);米国特許第5,648,260号;米国特許第5,624,821号;及び、Fc領域の変異体の他の例に関しては国際公開第94/29351号も参照のこと。
d.システイン操作抗体変異体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン操作抗体、例えば、「thioMAb」を作成することが望まれ得る。特定の実施態様において、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位で生じる。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中でさらに記載されるように、イムノコンジュゲーを作成するために、例えば薬物部分またはリンカー−薬剤部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートするために使用することができる。ある実施態様において、一以上の以下の残基がシステインで置換され得る:軽鎖のV205(Kabatの番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン改変抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
e.抗体誘導体
幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、当技術分野で知られ、容易に入手される付加的な非タンパク質部分を含むように更に改変することができる。抗体の誘導体化に適した部分としては、限定されないが、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーの非限定的な例は、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体又はランダム共重合体の何れか)及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物を包含する。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドはその水中での安定性に起因して製造における利点を有し得る。ポリマーは何れかの分子量のものであってよく、そして分枝鎖又は未分枝鎖であってよい。抗体に結合するポリマーの数は変動してよく、そして、一以上の重合体が結合する場合は、それらは同じか又は異なる分子であることができる。一般的に、誘導体化に使用するポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、向上させるべき抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が限定された条件下で治療に使用されるのか等を含む検討事項に基づいて決定することができる。
別の実施態様において、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る抗c−met抗体と非タンパク質部分とのコンジュゲートが提供される。幾つかの実施態様において、非タンパク質部分はカーボンナノチューブである(Kam et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 11600-11605 (2005)。放射線は、任意の波長であって良いが、限定されないものの、通常の細胞に害を与えないが、抗体−非タンパク質部分の近位細胞が死滅される温度に非タンパク質部分を加熱する波長が含まれる。
8.イムノコンジュゲート
化学療法剤又は薬物、成長抑制剤、毒素(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、または動物起源の酵素活性毒素、又はそれらの断片)、又は放射性同位元素など、一以上の細胞傷害性薬物にコンジュゲートした抗c−met抗体を含むイムノコンジュゲートが、精製された抗c−met抗体組成物及び/又は本明細書に記載される精製法の使用のために考慮される。
幾つかの実施態様において、イムノコンジュゲートは、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)であって、そこでは抗体は、限定されないが、メイタンシノイド(米国特許第5208020号、第5416064号及び欧州特許EP0 425235 B1を参照);モノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)(米国特許第5635483号及び第5780588号及び第7498298号を参照)などのアウリスタチン;ドラスタチン、カリケアマイシン又はその誘導体(米国特許第5712374号、第5714586号、第5739116号、第5767285号、第5770701号、第5770710号、第5773001号、及び第5877296号を参照;Hinman et al., Cancer Res. 53:3336-3342 (1993);及びLode et al., Cancer Res. 58:2925-2928 (1998));ダウノマイシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリン (Kratz et al., Current Med. Chem. 13:477-523 (2006); Jeffrey et al., Bioorganic & Med. Chem. Letters 16:358-362 (2006); Torgov et al., Bioconj. Chem. 16:717-721 (2005); Nagy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:829-834 (2000); Dubowchik et al., Bioorg. & Med. Chem. Letters 12:1529-1532 (2002); King et al., J. Med. Chem. 45:4336-4343 (2002);及び米国特許第6,630,579号を参照);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル、及びオルタタキセルなどのタキサン;トリコテセン;及びCC1065を含む一つ以上の薬物とコンジュゲートしている。
幾つかの実施態様において、イムノコンジュゲートは、酵素的に活性な毒素又はその断片にコンジュゲートした、本明細書に記載の抗c−met抗体を含み、限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria oficinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。
幾つかの実施態様において、イムノコンジュゲートは、放射性コンジュゲートを形成するために放射性原子にコンジュゲートした本明細書に記載されるような抗c−met抗体を含む。様々な放射性同位体が放射性コンジュゲートの生産のために入手可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体を含む。検出のためにコンジュゲートを使用するとき、それはシンチグラフィー試験のための放射性原子、例えばtc99m又はI123、又は核磁気共鳴(NMR)画像化(磁気共鳴画像化mriとしても知られている)のためのスピン標識、例えば再び、ヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン又は鉄を含んでよい。
抗c−met抗体と細胞傷害性薬物のコンジュゲートは、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルチオ)プロピオネート(SPDP)、スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの2官能性誘導体(例えばジメチルアジピミデートHCl)、活性エステル(例えばジスクシンイミジルズベレート)、アルデヒド(例えばグルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えばビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビスジアゾニウム誘導体(例えばビス(p−ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えばトルエン2,6−ジイソシアネート)及びビス活性フッ素化合物(例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)などを使用して作成され得る。Vitetta et al., Science 238:1098 (1987)に記載されるように、例えば、リシンイムノトキシンを調製することができる。カーボン−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体へのコンジュゲーションのためのキレート剤の例である国際公開第94/11026号を参照。リンカーは、細胞中に細胞毒性薬物の放出を容易にする「切断可能なリンカー」であり得る。例えば、酸に不安定なリンカー、ペプチダーゼ過敏性リンカー、光解離性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al., Cancer Res. 52:127-131 (1992);米国特許第5,208,020号)が使用され得る。
本明細書において、イムノコンジュゲート又はADCは、限定されないが、市販の(例えばPierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL., U.S.Aからの)、BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC、及びスルホ−SMPB、SVSB(スクシンイミジル(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含むクロスリンカー試薬を用いて調製されるコンジュゲートを明示的に意図する。
V.薬学的製剤
また本明細書において提供されるのは、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤及び/又は本明細書に記載される方法により精製される抗体である。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は安定した液体の薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、アンタゴニスト抗c−met抗体である。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は液体の薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は、個体(例えば、ヒト)に対する投与に適している。
薬学的組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤中のHCPは約50ng/mg以下である。薬学的組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤のロット(例えば、バッチ)中の平均的なHCPは約50ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mgの間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的組成物の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なDNAレベルは約0.3pg/mg以下である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3pg/mg、約0.25pg/mg、約0.2pg/mg、約0.15pg、又は約0.1pg/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.001pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.2pg/mgの間、約0.001pg/mgと約0.1pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.3pg/mgの間、約0.01pg/mgと約0.2pg/mgの間、又は約0.01pg/mgと約0.1pg/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベル及び/又は平均的なDNAレベルは、約0.3、約0.25、約0.2、約0.15、又は約0.1pg/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、DNAレベルはPCRによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の濾過したプロテインA(LpA)は約2ng/mg以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLpAは約2ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約0.001ng/mgと約2ng/mgの間、約0.01ng/mgと約2ng/mgの間、約0.1ng/mgと約2ng/mgの間、又は約1ng/mgと約2ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LpA及び/又は平均的なLpAは、約1、約1.25、約1.5、約1.75、又は約2ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LpAの割合は、濾過したプロテインAリガンドのアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中のカブトガニ血球抽出成分(Limulus Amebocyte Lysate)(LAL)は約0.01EU/mg以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の平均的なLALは約0.01EU/mg以下である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.007EU/mg、約0.006EU/mg、約0.005EU/mg、約0.002EU/mg又は約0.001EU/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.0001EU/mgと約0.01EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.007EU/mgの間、約0.0001EU/mgと約0.006EU/mgの間、又は約0.0001EU/mgと約0.005EU/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、LAL及び/又は平均的なLALは、約0.01、約0.007、約0.006、約0.005、約0.004、約0.003、又は約0.002EU/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、LALの割合はLALアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の凝集体の割合は約0.3%以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の凝集体の平均割合は約0.3%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する凝集体の割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する凝集体の平均割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合及び/又は凝集体の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、又は約0.1%の何れかである。幾つかの実施態様において、凝集体の割合は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の単量体の割合は約99.5%以上である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の単量体の平均割合は約99.5%以上である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する単量体の割合が約99.5%以上である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する単量体の平均割合が約0.3%以上である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%と約99.999%の間、約99.5%と約99.99%の間、約99.6%と約99.999%の間、約99.6%と約99.99%の間、約99.7%と約99.999%の間、約99.7%と約99.99%の間、約99.8%と約99.999%の間、約99.8%と約99.99%の間、又は約99.9%と約99.999%の間、約99.9%と約99.99%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合及び/又は単量体の平均割合は、約99.5%、約99.6%、約99.7%、約99.8%、又は約99.9%の何れかである。幾つかの実施態様において、単量体の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の断片の割合は約0.3%以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の断片の平均割合は約0.3%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する単量体の割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する断片の平均割合が約0.3%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.2%又は約0.1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.001%と約0.3%の間、約0.01%と約0.3%の間、約0.001%と約0.2%の間、又は約0.01%と約0.2%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、断片の割合及び/又は断片の平均割合は、約0.3%、約0.25%、約0.2%、約0.15%、約0.1%、又は0%の何れかである。幾つかの実施態様において、断片は検出可能ではない。幾つかの実施態様において、断片の割合はSECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の酸性変異体の割合は約20%以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の酸性変異体の平均割合は約20%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する酸性変異体の割合が約20%以下である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する酸性変異体の平均割合が約20%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約1%と約20%の間、約5%と約20%の間、又は約10%と約20%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合及び/又は酸性変異体の平均割合は、約20%、約18.5%、約17.5%、約15%、又は約12.5%の何れかである。幾つかの実施態様において、酸性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の主要ピークの割合は約75%以上である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の主要ピークの平均割合は約75%以上である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する主要ピークの割合が約75%以上である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する主要ピークの平均割合が約75%以上である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかに等しいか又はそれ以上である。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%と約95%の間、約77.5%と約95%の間、約80%と約95%の間、約82.5%と約95%の間、又は約85%と約95%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合及び/又は主要ピークの平均割合は、約75%、約77.5%、約80%、約82.5%、又は約85%の何れかである。幾つかの実施態様において、主要ピークの割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物中の塩基性変異体の割合は約2.0%以下である。薬学的製剤の何れかの幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えばバッチ)中の塩基性変異体の平均割合は約2.0%以下である。更に、本明細書において提供されるのは、組成物中に存在する塩基性変異体の割合が約2.0%以下である、抗c−met抗体を含む組成物を含む薬学的製剤である。本明細書において更に提供されるのは、組成物中に存在する塩基性変異体の平均割合が約2.0%以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)を含む薬学的製剤である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約0.001%と約2%の間、約0.01%と約2%の間、約0.001%と約1.5%の間、約0.01%と約1.5%の間、約0.001%と約1.0%の間、又は約0.01%と約1.0%の間の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合及び/又は塩基性変異体の平均割合は、約2%、約1.5%、約1.25%、約1.1%、又は約1%の何れかである。幾つかの実施態様において、塩基性変異体の割合はHPIECアッセイによって決定される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
薬学的製剤は、所望の程度の純度を有するその抗体とRemington's Pharmaceutical Sciences 18th edition, Osol, A. Ed.: Williams and Wilkins PA, USA (1990)に記載されるものなどの任意の薬学的に許容される一以上の担体とを、凍結乾燥製剤または水性溶液の形態で混合することによって調製される。薬学的に許容される担体は、使用される投薬量および濃度でレシピエントに毒性でなく、そしてこれには、限定しないが、リン酸塩、クエン酸塩および他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジン;マンノサッカライド、ジサッカライド、およびグルコース、マンノースまたはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート剤、例えば、EDTA;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム、金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);及び/又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。本明細書における典型的な薬学的に許容される担体は、介在性薬物分散剤、例えば、水溶性の中性アクティブヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International, Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質を更に含む。所定の典型的なsHASEGP及び使用法は、rHuPH20を含み、米国特許出願公開第2005/0260186号及び第2006/0104968に開示されている。一態様において、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つまたは複数の追加のグルコサミノグリカンと組み合わされる。
典型的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6267958号に記載されている。水性の抗体製剤は、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものが含まれ、後者の製剤はヒスチジン−酢酸緩衝液を含む。
活性成分は、例えば、コアセルベーション技術又は界面重合法によって、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ(メチルメタクリレート(methylmethacylate))マイクロカプセル)により、コロイド薬物送達系に(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフィア、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロ・エマルジョンで調製されたマイクロカプセルに封入されてもよい。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示される。
徐放性製剤が調製されてもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、そのマトリックスが成形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形をしている。
インビボ投与に使用される薬学的製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通す濾過を製剤の調製の前後に含む、ヒト被験体への投与に適した無菌の医薬製剤を生成するための当業者に公知の手順に従って達成することができる。
また、本明細書中の薬学的製剤は、治療される特定の徴候の必要に応じて、一よりも多い活性な化合物、好ましくは互いに悪影響を与えない相補的活性を有するものを含有してもよい。そのような分子は意図する目的に有効な量で適切に組み合わせる。
幾つかの実施態様において、薬学的製剤は、精製された抗c−met抗体を含む組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製される抗体、ポリソルベート、糖類、及び緩衝液を含む。ポリソルベートの例には、限定されないが、ポリソルベート20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、ポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)、及び/又はポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)を含む。糖類は、限定されないが、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、メリビオース、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール、イソ−マルツロースなどが含まれる。ヒスチジン緩衝液の例としては、限定されないが、ヒスチジン塩化物、ヒスチジンコハク酸塩、ヒスチジン酢酸塩、ヒスチジンリン酸塩、ヒスチジン硫酸塩を含む。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は、(a)精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び/又は本明細書に記載の方法により精製される抗c−met抗体を含む組成物(抗c−met抗体が約50mg/mLから約75mg/mLの間の濃度で存在する);(b)ヒスチジン酢酸塩緩衝液が約1mMから約20mMの間の濃度であるpH5.0から5.4のヒスチジン酢酸塩緩衝液;(c)スクロースが約100mMから約150mMの間の濃度であるスクロース;(d)ポリソルベート20の濃度が0.02%w/vより大きいポリソルベート20を含む。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は、(a)精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)及び/又は本明細書に記載の方法により精製される抗c−met抗体を含む組成物(抗c−met抗体が約60mg/mLの濃度で存在する);(b)ヒスチジン酢酸塩緩衝液が約10mMの間の濃度であるpH5.4のヒスチジン酢酸塩緩衝液;(c)スクロースが約120mMの濃度であるスクロース;(d)ポリソルベート20の濃度が約0.04%w/vであるポリソルベート20を含む。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は投与の前に希釈される(例えば、生理食塩水で1mg/mLに希釈)。
更に、本明細書に提供されるのは、バイアル及び薬学的製剤を含むバイアルを充填する方法である。幾つかの実施態様において、薬学的製剤は、注射器による穿孔可能な栓付きのバイアル中に、好ましくは水性形態で提供される。バイアルは約2〜8℃で並びに上限30℃までで24時間、それを必要としている被験体に投与されるまで好ましく貯蔵される。バイアルは、例えば15ccのバイアル(例えば600mgの用量について)又は20ccのバイアル(例えば900mgの用量について)であってよい。
VI.治療の用途及び方法
精製された抗c−met抗体組成物、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤、及び/又は本明細書に提供される方法により精製された抗c−met抗体は、HGF/c−metシグナル伝達系の調節不全に関連する疾患状態を調節するために有用である。HGF/c−metシグナル伝達経路は、例えば、細胞増殖及び血管新生を含む複数の生物学的及び生理学的機能に関与する。
本明細書に提供されるのは、c−met活性化細胞増殖を阻害する方法であり、前記方法は、細胞又は組織と、精製された抗c−met抗体組成物、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤、及び/又は本明細書に記載の方法により精製されて抗c−met抗体の有効量を含む抗c−met抗体とを接触させることを含み、それによってc−met活性化に関連する細胞増殖が阻害される。幾つかの実施態様において、細胞増殖性疾患は、c−metの発現又活性の増加又は肝細胞増殖、又はその両方に関連している。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、免疫組織化学によりc−metの高レベルを発現する)。幾つかの実施態様において、細胞増殖は癌である。幾つかの実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、グリア芽腫、膵臓癌、肉腫、腎細胞癌、肝細胞癌、胃癌、結腸直腸癌又は乳癌である。幾つかの実施態様において、癌は、ステージIIIb及び/又はステージIVである。幾つかの実施態様において、癌は局所進行性または転移性の癌である。幾つかの実施態様において、治療は第二選択又は第三選択治療(例えば第二選択又は第三選択NSCLC治療)である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR変異体である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR野生型である。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、免疫組織化学(IHC)によりc−metの高レベルを発現する)。
本明細書に提供されるのは、被験体においてc−met活性化の調節不全に関連する病的状態を治療する方法であり、精製された抗c−met抗体組成物、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤、及び/又は本明細書に記載の方法により精製されて抗c−met抗体の有効量を含む抗c−met抗体を被験体に投与することを含み、それによって前記状態が治療される。幾つかの実施態様において、病的状態は癌である。幾つかの実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、グリア芽腫、膵臓癌、肉腫、腎細胞癌、肝細胞癌、胃癌、結腸直腸癌又は乳癌である。幾つかの実施態様において、癌は、ステージIIIb及び/又はステージIVの癌である。幾つかの実施態様において、癌は局所進行性または転移性の癌である。幾つかの実施態様において、治療は第二選択又は第三選択治療(例えば第二選択又は第三選択NSCLC治療)である。c−met活性化(及びシグナル伝達)の調節不全は多数の細胞変化に起因することができ、例えばHGF(c−metの同族のリガンド)及び/又はc−met自体の過剰発現が含まれる。幾つかの実施態様において、癌はEGFR変異体である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR野生型である。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、IHCによりc−metの高レベルを発現する)。
また本明細書に提供されるのは、c−met又は肝細胞増殖因子、またはその両方を発現する細胞の増殖を阻害する方法であり、前記方法は、前記細胞と、精製された抗c−met抗体組成物、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤、及び/又は本明細書に記載の方法により精製され、抗c−met抗体の有効量を含む抗c−met抗体とを接触させることを含み、それによって前記細胞の増殖の阻害を引き起こす。幾つかの実施態様において、前記細胞の増殖は、c−metまたは肝細胞増殖因子またはその両方の増殖増強作用に少なくとも部分的に依存する。幾つかの実施態様において、細胞は(パラクリン作用を通じて)異なる細胞によって発現されるHGFにより接触される。
また本明細書に提供されるのは、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物、精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤、及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を投与することを含む、癌を治療する又は予防するための方法である。幾つかの実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、グリア芽腫、膵臓癌、肉腫、腎細胞癌、肝細胞癌、胃癌、結腸直腸癌又は乳癌である。幾つかの実施態様において、癌は、ステージIIIb及び/又はステージIVの癌である。幾つかの実施態様において、癌は局所進行性または転移性の癌である。幾つかの実施態様において、治療は第二選択又は第三選択治療(例えば第二選択又は第三選択NSCLC治療)である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR変異体である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR野生型である。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、IHCによりc−metの高レベルを発現する)。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、21日のサイクルの第1日に投与される約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約10mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、28日のサイクルの第1日及び第15日に投与される約10mg/kgである。
何れかの方法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物、及び/又は精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤中のHCPは約50ng/mg以下である。何れかの方法の幾つかの実施態様において、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)、及び/又は精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤のロット(例えば、バッチ)中の平均的なHCPは約50ng/mg以下である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.2、約8.3及び/又は約8.4のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本明細書に記載される方法は、任意の適切な病理学的状態、例えば、HGF/c−metシグナル伝達経路の調節不全に関連する細胞及び/又は組織に作用するように使用することができる。本明細書に記載される方法の何れかの幾つかの実施態様において、本明細書に記載の方法において標的とされる細胞は癌細胞である。例えば、癌細胞は、乳癌細胞、結腸直腸癌細胞、肺癌細胞、(例えば甲状腺の)乳頭癌細胞、大腸癌細胞、膵臓癌細胞、卵巣癌細胞、子宮頸部癌細胞、中枢神経系癌細胞、骨肉腫細胞、腎癌細胞、肝細胞癌細胞、膀胱癌細胞、胃癌細胞、頭頸部扁平上皮癌細胞、メラノーマ細胞及び白血病細胞からなる群から選択されるものであり得る。幾つかの実施態様において、本明細書に記載の方法において標的とされる細胞は、過剰増殖性及び/又は過形成性細胞である。幾つかの実施態様において、本明細書に記載の方法において標的とされる細胞は、異形成細胞である。更に別の実施態様において、本明細書に記載の方法において標的とされる細胞は、転移細胞である。
方法の何れかの幾つかの実施態様において、この方法はさらに、追加の治療工程を含む。例えば、幾つかの実施態様において、この方法は、標的細胞及び/又は組織(例えば癌細胞)が放射線治療又は第二治療薬(例えば、化学療法剤)に曝露されることを特徴とするさらなる工程を含む。例えば、(i)精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体及び(ii)第二の治療薬を投与することを含む、癌を治療又は予防するための方法が提供される。幾つかの実施態様において、第二治療薬はEGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、タキサン(例えば、パクリタキセル)である。
本明細書に記載される任意の方法の幾つかの実施態様において、この方法はさらに、第二の治療薬の有効量を投与することを含む。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約10mg/kgである。
幾つかの実施態様において、第二治療薬は、EGFR阻害剤である。幾つかの実施態様において、EGFR阻害剤はエルロチニブ(N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン)である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、21日のサイクルの第1日に投与される約15mg/kgである。例えば、(i)抗c−met抗体が3週間毎に15mg/kgの用量で投与される、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体;及び(ii)エルロチニブが3週間のサイクルの各日に、150mgの用量で投与される、エルロチニブ(N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン)を投与することを含む癌(例えば、NSCLC)を治療するための方法が提供される。
幾つかの実施態様において、第二治療薬は、タキサン(例えば、パクリタキセル)である。幾つかの実施態様において、癌は乳癌である。幾つかの実施態様において、乳癌は、ER陰性、PR陰性、及びHER2陰性(ER−、PR−、及びHER2−;又はトリプルネガティブ)転移性乳癌である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、28日のサイクルの第1日及び第15日に約10mg/kgである。例えば、(i)抗c−met抗体が28日サイクルの第1日及び第15日に10mg/kgの用量で投与される、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体;及び(ii)パクリタキセルが28日サイクルの第1日、第8日、及び第15日に静脈内注入により90mg/m2の用量で投与されるパクリタキセルを投与することを含む、癌(例えば、乳癌)を治療する方法が提供される。幾つかの実施態様において、本方法は、患者の生存を増加させ、癌の再発の患者のリスクを減少させ、及び/又は患者の生存の可能性を増加させる。幾つかの実施態様において、本方法はさらに、抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)の投与を含む。例えば、(i)抗c−met抗体が28日サイクルの第1日及び第15日に10mg/kgの用量で投与される、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体;(ii)抗VEGF抗体が28日サイクルの第1日及び第15日に10mg/kgの用量で投与される抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ);及び(ii)パクリタキセルが28日サイクルの第1日、第8日、及び第15日に静脈内注入により90mg/m2の用量で投与されるパクリタキセルを投与することを含む、癌(例えば、乳癌)を治療する方法が提供される。
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、治療において単独又は他の薬剤と併用して用いることができる。例えば、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、第二治療薬(例えば、別の抗体、化学療法剤)(化学療法剤のカクテルを含む)、他の細胞傷害性薬物、抗血管新生剤、サイトカイン、及び/又は増殖阻害剤)と同時投与することができる。幾つかの実施態様において、第二治療薬は同時または逐次投与される。第二の治療薬は、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本方法により精製された抗c−met抗体とは別々に投与されるが、同じ治療レジメンの一部として投与することができる。精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、腫瘍増殖を阻害するが、腫瘍増殖を同様に阻害する一以上の他の治療薬とそれを組み合わせることが特に望ましい。例えば、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、例えば結腸直腸癌、転移性乳癌及び腎臓癌を含む本明細書に記載の疾患の何れか治療における治療計画でEGFR阻害剤、抗VEGF抗体及び/又は抗ErbB抗体と組み合わせてもよい。
上記のこうした併用療法は、併用投与(2つ以上の薬剤が、同一または別々の製剤に含まれている)を同時に、及び、薬学的製剤の投与が、追加の治療薬及び/又はアジュバントの投与の前、及び/又はその後に起きうる分離投与を包含する。
従って、本明細書に記載の任意の方法の幾つかの実施態様において、本方法は、細胞を標的とすることを含み、ここで、c−met又は肝細胞増殖因子若しくはその両方が、同じ組織起源の正常細胞と比較して前記細胞(例えば癌細胞)によってより豊富に発現されることを特徴とする。c−met発現細胞は、種々の供給源由来のHGFによって、即ち自己分泌的又は傍分泌的に調節することができる。c−metの活性化及び/又はシグナル伝達はまた、リガンドとは独立して生じる可能性がある。それゆえ、幾つかの実施態様において、標的細胞におけるc−metの活性化は、リガンドとは独立して生じる。
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、治療用目的のために、ヒト被験体に投与することができる。更に、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、獣医学的目的のために、又はヒト疾患の動物モデルとして、免疫グロブリンが交差反応する抗原を発現する非ヒト哺乳動物(例えば、霊長類、ブタ又はマウス)に投与することができる。
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、限定されないが、悪性及び良性腫瘍;非白血病及びリンパ系の悪性腫瘍;神経細胞、グリア、星状細胞、視床下部及び他の腺、マクロファージ、上皮、間質及び胞胚腔の障害;及び炎症性、血管新生及び免疫学的疾患を含む、一以上の抗原分子の異常な発現及び/又は活性に関連する疾患、障害を治療し、阻害し、その進行を遅らせ、その再発を予防/遅延させ、寛解又は予防するために使用することができる。
本方法の何れかの幾つかの実施態様において、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を含むイムノコンジュゲートは細胞傷害性薬物とコンジュゲートし、患者に投与される。幾つかの実施態様において、細胞に結合し内部移行するイムノコンジュゲート及び/又は抗原は、結合した標的細胞を死滅させることにおいてイムノコンジュゲートの治療的有効性の増大をもたらす。幾つかの実施態様において、細胞傷害性薬剤は、標的又は標的細胞内の核酸と干渉する。
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体(および任意の追加の治療薬)は、任意の適切な手段によって投与することができ、経口、肺内、および鼻腔内、及び局所治療が所望される場合、病巣内投与が含まれる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。幾つかの実施態様において、抗体は静脈内に投与される。投薬は、その投与が短期間か又は長期であるかどうかに部分的に依存し、任意の適切な経路、例えば、静脈内または皮下注射などの注射により行うことができる。限定されないが、様々な時間点にわたる、単一または複数回投与、ボーラス投与、パルス注入を含む様々な投与スケジュールが本明細書で考えられている。
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、良好な医療行為と一致した方法で服用・投与される。この観点において考慮すべき要因は、治療すべき特定の障害、治療すべき特定の哺乳類、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与日程及び医療従事者が知る他の要因を包含する。精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、必要ではないが任意で、問題となる障害の予防又は治療のために、現在使用中の一又は複数の薬剤ともに処方される。そのような他の薬剤の有効量は製剤中の抗体の量、障害又は治療の種類及び上記した他の要因に依存する。これらは一般的には上文で使用されるのと同じ用量及び投与経路において、又は、これまでに用いられた用量の1%から99%で、又は経験的に/臨床的に妥当であると決定された任意の用量及び任意の経路により使用される。
疾患の予防又は治療のためには、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体の適切な用量(単独で使用されるか、又は、一以上の更なる治療的薬剤との組み合わされる場合)は、治療すべき疾患の種類、抗体の種類、疾患の重症度及び経過、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を予防又は治療目的のいずれにおいて投与するか、以前の治療、患者の臨床的履歴及び抗c−met抗体に対する応答性、及び担当医の判断に依存する。精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体は、患者に対して一時に又は一連の治療にわたって適切に投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一回以上の別個の投与によるか、連続注入によるかに関わらず、抗c−met抗体の約10mg/kg、約15mg/kg又はそれ以上(例えば15−20mg/kg)用量が患者へ投与される。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、21日のサイクルの第1日に投与される約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約10mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、28日のサイクルの第1日及び第15日に投与される約10mg/kgである。
投与量は、断続的に、例えば、毎週、隔週、3週間ごと又は4週間ごとの何れかについて投与することができ得る。
数日間以上に渡る反復投与の場合には、状態に応じて、治療は疾患症状の望まれる抑制が起こるまで持続するであろう。しかしながら他の投薬計画が有用であってもよい。この治療の進行は、従来技術及びアッセイにより容易にモニターされる。
VII.製造品
精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物を含む製造品、精製された抗c−met抗体組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を含む薬学的製剤及びそれらの使用、障害の予防及び/又は診断が提供される。製造品は、容器と容器上ないしは容器に付随するラベルないしはパッケージ挿入物を含んでなる。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグ等を含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な物質から形成されうる。容器は、疾患の治療、予防、及び/又は診断に有効であり、それ自体か、又はその他の組成物と併用される、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針による穴あきストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。例えば、本明細書に与えられるのは、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体を含む容器を含む製造品及びキットである。ラベルまたはパッケージ挿入物は、組成物が選択される疾患、例えば癌の治療のために使用されることを示している。幾つかの実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、グリア芽腫、膵臓癌、肉腫、腎細胞癌、胃癌、結腸直腸癌又は乳癌である。幾つかの実施態様において、癌は、ステージIIIb及び/又はステージIVの癌である。幾つかの実施態様において、癌は局所進行性または転移性の癌である。幾つかの実施態様において、治療は第二選択又は第三選択治療(例えば第二選択又は第三選択NSCLC治療)である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR変異体である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR野生型である。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、免疫組織化学によりc−metの高レベルを発現する)。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、21日のサイクルの第1日に投与される約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約10mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、28日のサイクルの第1日及び第15日に投与される約10mg/kgである。
提供されるのは、組成物及び/又は薬学的製剤中のHCPが50ng/mg以下である、抗c−met抗体を含む組成物及び/又は精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤を追加することを含む製造品をこん包する方法である。更に提供されるのは、ロット中の平均的HCPが50ng/mg以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)及び/又は精製された抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤のロット(例えば、バッチ)を追加することを含む製造品をこん包する方法である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.3、約8.4及び/又は約8.5のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
組成物又は薬学的製剤中のHCPは約50ng/mg以下で組成物中に存在する、抗c−met抗体を含む組成物及び/又は抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤を含む容器(例えば、バイアル)もまた提供される。また提供されるのは、ロット中の平均的HCPが50ng/mg以下である、抗c−met抗体を含む組成物のロット(例えば、バッチ)及び/又は抗c−met抗体組成物を含む薬学的製剤のロット(例えば、バッチ)を含む容器である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約34ng/mg、30ng/mg、約25ng/mg、約20ng/mg、約19ng/mg、約18ng/mg、約17ng/mg、約16ng/mg、約15ng/mg、約14ng/mg、約13ng/mg、約12ng/mg、約11ng/mg、約10ng/mg、約又は9ng/mgの何れかに等しいか又はそれ未満である。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5ng/mgと約20ng/mgの間、約5ng/mgと約25ng/mgの間、約5ng/mgと約15ng/mgの間、約1ng/mgと約30ng/mg,の間、約1ng/mgと約25ng/mgの間、約1ng/mgと約20ng/mgの間、約1ng/mgと約15ng/mgの間、又は約1ng/mgと10ng/mgの間の何れかである。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、約5、約5.5、約6.5、約7、約7.5、約8、約8.5、約9、約9.5、約10、約10.5、約11、約11.5、約12、約12.5、約13、約13.5、約14、約14.5、約15、約15.5、約16、約16.5、約17、又は約17.5ng/mgの何れかである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、大腸菌で産生される。幾つかの実施態様において、HCP及び/又は平均的なHCPは、ECP及び/又は平均的なECPである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はセクションIVにおいて記述される抗体である。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は、約100kDaである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体は約8.3、約8.4及び/又は約8.5のpIを有する。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体はオナルツズマブ(onartuzumab)である。
本実施態様の製造品は、第一及び第二抗体組成物が、特定の状態、例えば癌を治療するために使用することができることを示したパッケージ挿入物を更に含む。幾つかの実施態様において、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、グリア芽腫、膵臓癌、肉腫、腎細胞癌、胃癌、結腸直腸癌又は乳癌である。幾つかの実施態様において、癌は、ステージIIIb及び/又はステージIVである。幾つかの実施態様において、癌は局所進行性または転移性の癌である。幾つかの実施態様において、治療は第二選択又は第三選択治療(例えば第二選択又は第三選択NSCLC治療)である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR変異体である。幾つかの実施態様において、癌はEGFR野生型である。幾つかの実施態様において、癌は、c−met陽性である(例えば、免疫組織化学によりc−metの高レベルを発現する)。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は約15mg/kgである。幾つかの実施態様において、抗c−met抗体の用量は、21日のサイクルの第1日に投与される約15mg/kgである。
別法として、または加えて、任意の製造品の幾つかの実施態様において、製造品は、薬学的に許容されるバッファー、例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝化生理食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液を含む第二(または第三)の容器をさらに含んでもよい。これは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的およびユーザーの立場から望まれる他の物質を更に含んでもよい。
更に、製造品は、(a)精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体をその中に含む第一容器;及び(b)組成物が更なる細胞障害性薬剤を含有する組成物をその中に含む第二の容器を含み得る。
幾つかの実施態様において、第二治療薬は、EGFR阻害剤である。幾つかの実施態様において、EGFR阻害剤はエルロチニブ(N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン)である。幾つかの実施態様において、製造品は、抗c−met抗体製剤の21日サイクルの初日に投与される約15mg/kgの投与のため、及びエルロチニブの3週間のサイクルの各日に150mgの投与のための説明書を含む。幾つかの実施態様において、製造品は癌(例えばNSCLC)の治療のための説明書を含む。
幾つかの実施態様において、第二治療薬は、タキサン(例えば、パクリタキセル)である。幾つかの実施態様において、製造品は、抗c−met抗体製剤の28日サイクルの第1日及び第15日で約10mg/kgの投与、及びパクリタキセルの28日サイクルの第1日、第8日及び第15日で静脈注射による90mg/m2の投与についての説明書を含む。幾つかの実施態様において、製造品は組成物をその中に含む第三容器を含み、ここで該組成物は第三治療薬を含み、該第三治療薬は抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)である。幾つかの実施態様において、製造品は、抗c−met抗体製剤の28日サイクルの第1日及び第15日で約10mg/kgの投与、及びパクリタキセルの28日サイクルの第1日、第8日及び第15日で静脈注射による90mg/m2の投与、及び抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ)の28日サイクルの第1日及び第15日で10mg/kgの投与についての説明書を含む。幾つかの実施態様において、製造品は癌の治療のための説明書を含む。幾つかの実施態様において、乳癌(例えば、ER陰性、PR陰性、及びHER2陰性(ER−、PR−、及びHER2−;又はトリプルネガティブ)転移性乳癌)である。幾つかの実施態様において、本方法は、患者の生存を増加させ、癌の再発の患者のリスクを減少させ、及び/又は患者の生存の可能性を増加させる。
上記の製造品のいずれかは、抗c−met抗体の代わりか又はそれに加えて、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は本明細書に記載される方法により精製された抗c−met抗体のイムノコンジュゲートを含み得ることが理解される。
本明細書に更に提供されるのは本明細書に記載される任意の製造品を作成する方法である。
以下は、精製された抗c−met抗体(例えば、オナルツズマブ)組成物及び/又は抗c−met抗体を精製する方法の実施例である。上記提供される一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様が実施され得ることが理解される。